Ken Gill - Love Moon (Alleviated Records:ML-2230)
Ken Gill - Love Moon
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シカゴ・ハウスの巨匠であるLarry Heardが80年代から運営を続けるAlleviated Recordsは基本は彼自身の作品をリリースするホームのような存在だが、今回Larryのお眼鏡にかなった新人の作品がリリースされた。その人こそシカゴ育ちのKen Gillで、どうやらこのリリースが初の作品のようだ。しかしよくよく調べてみると90年代にはLarryや同じくシカゴのベテランであるBernard Badieとも共同で作品を手掛けていたとの情報もあり、詳細はいまいち掴めていない。そんなミステリアスな素性を抱えながらも作品自体は正にLarry直系のAlleviatedスタイルであり、この情緒的でしっとりしたディープ・ハウスが好みの人にとっては当然の如くマストバイな内容だ。表題曲である"Love Moon"にはクレジットにLarryとBernardも名を連ねており、これはもしやの過去の未発表曲ではないだろうか。ぼんやりとした浮遊感のあるパッドが仄かに情緒的なメロディーを奏で、揺蕩うようなゆったりとしたリズムトラックと黒くマッドなベースラインが下地を支え、そして囁きかけるような艶のあるボーカルが色気を生む構成は、もはやLarryの作品と勘違いする程だ。一方でエグいアシッドのベースがうねる"Just a Test"はこちらもLarryの初期作品を思わせるアシッド・ハウスで、味気ない乾いたリズム・マシンのキックやパーカッションの辿々しいグルーヴと相まって古き良き時代が蘇る。またディスコティックな上モノとポコポコとした躍動感のあるリズムで陽気な曲調の"Idol Mind"と、流麗なストリングスを導入しながらもふざけたようなボイス・サンプルがファンキーな感覚を生む"Jack Wit Honey"も面白い作風で、どれも現在の時代の匂いを全く感じさせずに旧来のシカゴ・ハウスの伝統を受け継いだ懐かしい雰囲気が漂っている。やはり過去に制作された未発表曲のような気はするが、どちらにせよAlleviated Recordsからの作品らしい正統派ディープ・ハウスとして質は保証されている。



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| HOUSE10 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
10 Years Of Soul Heaven Compiled & Mixed By Louie Vega (Ministry Of Sound:MOSCD208)
10 Years Of Soul Heaven Compiled & Mixed By Louie Vega
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なんだか一年に一枚以上のハイペースでMIXCDなりコンピレーションを出している印象を受けるMasters At Workの片割れ・Little Louie Vegaが、UKのパーティー・Soul Heavenの10周年を記念して2枚組のMIXCD+1枚のコンピレーションを手掛けました。Louie Vegaと言えばイメージとしてはNYハウス、ラテンハウスと言うのが真っ先に上がりますが、DISC1の序盤では意外にも暗さを感じさせるディープテックでエレクトロトニック度高めの音が出て来ます。その後もテック度高めの音を中心にパーカッシヴな曲やアッパーで躍動感溢れる曲で、真夜中の狂騒にあるピークタイムが繰り広げられる展開。対してDISC2ではこれぞLouie Vegaとでも言うべきメロディアスな歌物中心のハウスを中心に、ソウルフルかつ小気味良いグルーヴを生み出しております。インストハウスも好きですが、歌謡曲みたいな歌物ハウスはやはり愛を感じてしまいますね。そしてDISC3はここ10年でLouie Vegaにとってのクラシックと呼ぶべき曲を収録したコンピレーションだそうで、確かに聴いた事ある名曲もちらほら。これぞハウス、メロディアスでBPM120前後の丁度心地良いリズムを刻むキックが詰まったぐっと心が温かくなるハウス、そんな事を思い出させるDISC3。実の所近年のハウスの低迷、そしてLouie Vegaのハイペースなリリースに食傷気味だったものの、本作ではLouie Vegaの底力を感じる事が出来ました。

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| HOUSE5 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
New Order - Retro (Rhino Entertainment Company:5186504532)
New Order-Retro
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何故かまだ廃盤でもないのに、2002年にリリースされているNew Orderの4枚組ボックスセットがリイシューされました。New Orderと言えばギター中心のロックスタイルから電子楽器中心へのダンスミュージックバンドへと見事に転身したUK屈指の親父バンドで、特に今でもクラブで多々回される事がある"Blue Monday"が有名ですね。演奏はど下手だし歌も軟弱で本当にベテランかよと疑いたくなりますが、強烈なデジタルビートとメランコリックなメロディーを武器に肉体と心を震わすその音楽性は、21世紀になった今でも唯一無二のもの。またNew Orderはクラブミュージックファンからも人気が高く、まだ余りNew Orderは知らないよってお方には是非とも聴いて欲しいと思います。この4枚組は、Pop(シングル集)、Fan(隠れた名曲?)、Club(リミックス集)、Live(そのまんま)の4つの盤から成り立っていまして、ビギナー向けと言うよりはNew Orderにずっぽりはまっている人向けの内容です。何故なら入門向けにはベスト盤が幾つか出ているから、そっちを買えば良い訳ですからね。じゃあこのボックスセットは価値が無いのかと言うとそうでもなくて、今までのベスト盤からは違う視点で選ばれたPopとクラバー向けのClubの楽曲はなかなか面白いし、特にLiveの内容が一番注目です。なんとLiveの楽曲はPrimal ScreamのBobby Gillespieが選曲をしていて、1981年から2002年までのなんと20年間の変遷を感じる事が出来る内容です。初期の頃のたどたどしく荒削りながらも、骨身を削り燃え尽きるような迫力のある音は本当に素晴らしいです。また年代が新しくなるにつれ打ち込みが増え、よりグルーヴィな曲が増えていくのも彼等なりの進化と言えるでしょう。Liveの盤だけでも十二分に価値がありますね。自分が買った当時は6000円位してたんだけど、現在の円高の影響かリイシュー盤は3000円代で買えるなんてお得ですな。

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| ETC2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gilles Peterson - In The House (ITH Records:ITH23CD)
Gilles Peterson-In The House
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Defectedの名物であるハウスミックスシリーズ"In The House"の最新作は、なんとクラブジャズ第一人者であるGilles Petersonが担当。偉業とも言えるDJの選択ですが、どうやら本人はかなり本気でいるらしく久しぶりに最高の作品が出来たと自画自賛しております。確かにボリュームは3枚組ととんでもない量になっておりますが、さて内容はと言うと。

まずDISC1は完全にハウスをコンセプトにしており、伝統的なNYハウスから始まり、パーカッシブなハウス、テッキーなハウスと緩やかに盛り上がりを見せる好内容。爽やかに甘くライトな印象ながらも、滑らかな音触りが耳に心地良いですね。わざと難解にする事もせずハウスファンの多くが知っているであろうアーティストの曲も多く使われていて、ストレートにハウスの良さが分かる一枚ですね。

そしてDISC2はGillesのルーツが詰まっていると言う、ファンクやディスコを中心にミックスしております。と言っても自分はこの手の音楽は全く聴かないのでコメントが難しい。イメージとしては昔のディスコで流れる様な音楽でしょうか。生演奏中心でハウス史以前のハウスに近い物、ファンキーでブラック色が強くノリノリな感じですね。

最後のDISC3はこの企画の為に多くのアーティストが新曲を提供し、それを収録したミックスされていないコンピレーションです。ジャジーなハウスもシカゴハウスもラテンハウスも含め色々ありますが、そのどれもが新曲と言うのは凄いですね。クラブミュージックシーンでのGillesの信頼度、尊敬度の表れでしょうか。想像していたよりも格好良い曲が詰まっていて、曲を提供したアーティスト側も本気だと言う事です。

3枚組と言うなかなか聴くのは大変なボリュームですが、これは一聴の価値有りの名盤だと思います。また"In The House"シリーズにおいても、上位にランクインする素晴らしい出来ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |