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Vince Watson & Kirk Degiorgio - Rise EP (Suara:Suara 295)
Vince Watson & Kirk Degiorgio - Rise EP
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ダンス・ミュージックを愛する者ならばデトロイト・テクノに対し畏敬の念を持つ人は少なくはないだろうが、それを代表するようなアーティストとして挙げるのであればVince WatsonとKirk Degiorgioは真っ先に来るに違いない。前者は「俺はデトロイト・テクノのフォロワーじゃない」と述べつつもPlanet-Eからのリリースもあったり、後者はデトロイト・テクノのコンピレーションである「The Electric Institute」(過去レビュー)を監修したりと、両者とも明らかにそこからの多大な影響を受けている事は明白だ。そんな二人が手を組んだのであれば当然ハイテック・ソウルなテクノが出来上がる事は明白で、"Rise (Original Mix)"は叙情的なパッドを軸に用いた典型的なデトロイト・スタイルではあるが、そこにブリーピーなサウンドや快楽的なシンセのリフを配しつつ弾けてエネルギッシュな4つ打ちを合わせて、彼等にしては幾分か攻撃的な側面が強くなっている。ただ決して古臭い作風を感じさせる事もなく全体的な響きは今の時代感にも適合しており、ドラマチックに盛り上がっていく展開はフロア映えも良さそうだ。また本作では現在のテクノシーンを盛り上げる3アーティストによるリミックスも素晴らしく、パーカッシヴにリズム感を強めた上にシャープなグルーヴ感を得つつエモーショナルな旋律を付け加えてより叙情性を増した"Variable Slope (Marquis Hawkes Remix)"は何となくWatson風なリミックスだ。一方で"Variable Slope (Voiski Remix)"はハイハット等金属的な響きを強調しより凍てついた質感を打ち出し、そして旋律はトランシー的な快楽さを引き出して、ディープかつ機能性重視な作風は最もモダンなテクノの印象を受ける。そして"Rise (Lake People Remix)"は原曲の直線的な構成とは異なりブレイク・ビーツへと変化させ内向的な叙情性を強めており、90年代のインテリジェンス・テクノの系譜上にあるようなリミックスで、そしてデトロイトらしくもある。オリジナルは期待通りの作風だが、リミックスでは元の良い所を活かしつつ更にそこからそれぞれ異なる特徴をしっかりと表現されており、外れ無しの一枚だ。



Check Vince Watson & Kirk Degiorgio
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ross 154 - Fragments (Applied Rhythmic Technology:ART-EL1)
Ross 154 - Fragments
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Kirk Degiorgio主宰のApplied Rhythmic Technologyから再発されたのは、オランダのビートダウン・ハウサーのJochem PeteriことNewworldaquariumことRoss 154による一番最初の作品だ。元々は1993年にStefan Robbersによるポスト・デトロイト的なEevo Lute Muziqueからリリースされていた作品で、そのレーベルは本家デトロイトを意識したようにその当時一斉を風靡したインテリジェンス・テクノな作風もあったのだが、それを思い出せば同年代から続く正にインテリジェンス・テクノを代表するARTから再発されるのも全くおかしくはない。勿論Ross 154と言えば迷宮に迷い込んだアブストラクトなビートダウン・ハウスに象徴される煙たい音像が特徴ではあるが、この作品は最初期の作品と言う事もあってまだまだ荒削りなテクノな要素が打ち勝っている。それでも尚その後の片鱗も覗かせる"Hybrids I"はうっすら情緒も漂うアンビエントではあるが、続く"Fragments"では膨らむ重低音のベースとかっちりとした硬い明瞭なリズムのビートに攻められながらも、ミステリアスな上モノによって覚醒感を煽るようにドープに嵌めていく構成は何処かCarl Craigの作風を思わせる点もある。再度インタールードとして挿入された"Hybrids III"は、朗らかな雰囲気のあるアンビエントで先程の喧騒が嘘のようだ。"Remembrance"は当時の時代性が反映された荒々しいブレイク・ビーツが耳に付くが、朧気で抽象的な上モノが浮遊しておりその後のNewworldaquariumの音楽性が萌芽している。裏面に続いてもインタールードが挿入され星の煌きの如く美しい音響を奏でる"Hybrids II"から、これぞインテリジェンス・テクノと言わんばかりの複雑なリズムとSFの世界観が浮かぶパッドを用いて近未来を投影した"Mayflower"へと繋がれ、ラストは歪んだドラム・マシーンによるねっとりしたダウンテンポにトリッピーな電子音を被せていく"Within You"はThe Black Dogの作風にも近い。1993年作だから時代の空気を含んでいるのは当然であり、音自体は古臭くもありつつもこの原始の胎動があるテクノは、UKからデトロイトに対する回答として捉える事が出来る点で評価すべきだろう。この後のPeteriは更にディープな方向へと深化していったわけだが、その原点としてこんなテクノもあったのかと感慨深い。



Check Newworldaquarium
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hiroshi Watanabe - Contact To The Spirits 3 (OCTAVE-LAB:OTLCD-2270)
Hiroshi Watanabe - Contact To The Spirits 3
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2016年は本人にとって新たなる局面へと突入した年であったに違いない。日本人としては初となる作品をデトロイトの老舗レーベルであるTransmatからリリースし、また過去の名義であるQuadraの失われたアルバムを復刻させるなど、過去と未来の両方を押し進めてアーティストとして実りのある一年になっただろう。そして本作もその一年の重要な要素であり、DJとしてのクラブで培った経験を作品化したMIXCDで、シリーズ3作目となる本作"Contact To The Spirits 3"だ。ドイツはKompaktとの関わりから生まれた1作目から彼自身を投影したと言う2作目を経て、4年ぶりとなる新作はこれまでと同様に精密な流れによる濃密なストーリー性を持ちつつ今まで以上に感情の起伏を誘発する内容で、ワタナベの激情が見事に音に反映されている。82分というCDの限界時間に21曲も使用した事で怒涛の展開によって熱き感情が激流の如く押し寄せるが、ミックスの最初は清らかな空気が漂い始めるアンビエントな"Sunrise On 3rd Avenue"を用いる事でこれからの壮大な展開を予期しており、そこからは聴く者を圧倒するドラマティックな展開が全く隙間なく続く。序盤にはYonenagaのプロジェクトであるR406による新曲の"Collapsar"がドラマティックな瞬間を作っており、デトロイト・テクノの叙情性がモダンに解釈されているが、中盤のKirk Degiorgio〜Ian O'Brien〜Rennie Fosterらの曲を繋げたデトロイト志向の流れは神々しいまでの光が天上から降り注ぐようで、勢いとエモーションが見事に融和している。また嬉しい事にR406の曲を用いたのと同様に、日本の隠れている才能を引っ張り出す事も意識しており、終盤に向かってjunyamabeによる幻想的な夢の世界に導かれるような"internal_external_where_is_my_body"をプレイし、ラストには7th GateのTomohiro Nakamuraによる"Memories Of Heaven"を配置して興奮と感動をピークに上げつつすっと余韻を残さず消えていくドラマティックな展開を生み出している。音の数や曲の数の密度の高さ、そして感情の込め具合は相当なエネルギー量で、聴く側も決して安易に聞き流せないような美しくも圧倒的な世界観はやや過度にも思われるが、それもワタナベの胸に秘めたるソウルを極限までプレイに反映させた結果なのだろう。魂と肉体を震わすエモーショナルなテクノに圧倒されるばかり。

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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
John Beltran - Israel (Soul Research:SR-007)
John Beltran - Israel

2012年に設立されたSoul ResearchはYotam AvniやTitonton Duvanteらの作品をリリースするなど、特にデトロイト・テクノのフォロワー系に力を入れ、そしてアナログ・オンリーの販売に拘って運営しているレーベルだ。そんなレーベルの2014年のカタログにはデトロイト・テクノの純粋な古参の一人であるJohn Beltranも名を連ねており、そのリリース内容から明確なコンセプトが伝わってくる。そのレーベルに再度Beltranが帰還して新作をリリースしたのだが、リミキサーにはデトロイト・テクノを心から愛する屈指のフォロワーであるKirk Degiorgioが迎えられており、音を聞かずしてもこの手の音楽を好む人にとっては食指が動かずにはいられないだろう。タイトル曲となる"Israel"は近年のBeltranの中でもフロアへの視点が向けられた作品で、ざくざくと切り裂くようなリズムに乗せて滲んだ色彩を放つ幻想的なパッドが物悲しさも含んだような切ない叙情を含み、勢いのあるグルーヴだけでなく彼お得意のアンビエントな感覚も持ち込んだ、つまりは昔のBeltranの作風が蘇っている。"Achva"も同様に草原を駆け抜けるような疾走感&爽快感を伴う跳ねたグルーヴが先導し、そこにぼやけて何だか淡い抽象画のようなパッドや電子音がエモーショナルな情感を生み、有機的な質の強いデトロイト・テクノといった作風になっている。テクノという前提はありながらも、しなやかで温かみのあるオーガニックな音楽性は、クロスーヴァー路線もこなすBeltranにとってはお得意の作風なのだ。裏面には10分にも及ぶ大作となる"Israel (Kirk Degiorgio Remix)"をDegiorgioが提供しているが、これは原曲以上に弾けるパーカッションやキックに嬉々とした力が満ち、そして祝祭感溢れ神々しい光を纏ったような上モノが何処でも疾走するテクノで、デトロイト・テクノの伝統に則ったような存在感を放っている。当然と言えば当然だが、デトロイト・テクノに造詣の深いベテランが組んだのだから、期待を裏切る訳がない作品だ。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trap10 - Interregnum EP (a.r.t.less:a.r.t.less 2184)
Trap10 - Interregnum EP

ベルリンのディープ・ハウスの深層部を突き進むMojuba Recordsが、よりデトロイト・テクノの方向性を突き進めるべく立ち上げていたレーベルがa.r.t.lessであり、察しの良い方ならばお気付きかと思うがKirk DegiorgioのART(Applied Rhythmic Technology)にもレスペクトを表している事から、その音楽性は推して知るべしだろう。レーベルの新作はライブユニットであるJanis & Fabianから成るTrap10による2枚目のEPで、前作も同様にa.r.t.lessからだった事を鑑みるとレーベルがプッシュしているユニットなのだろう。一年ぶりの新作は前作負けず劣らずにデトロイトからの影響、またはデトロイトへの敬意が感じられ、特に"Dimi"はピークタイム仕様の荒々しく骨太な勢いがありつつも幽玄な旋律による世界観は正しくデトロイト・テクノだ。曲の開始には硬質でロウなキックや鋭利なハイハットがエッジの効いた流れを生むも、少しずつ現れる情感の強いシンセが執拗に繰り返される事でエモーショナル性を伴い、そして不気味に蠢くアシッド・ベースも加わる事で真夜中の狂騒の中で映える仕様になっているのだ。裏面の"Tale Of Stu"も鈍く錆びたようなキックが膨れ上がりビートを激しく叩きだすが、うっすらと上辺に伸びる幻想的なパッドの使い方はデトロイトのそれらしく、更に揺れるように反復するシンセが加わる事でメロディアスな構成が完成する。”FRQ62”はミステリアスにも聞こえるアルペジオ風なメロディーが特徴でじわじわと侵食するような効果があるが、野太く粗いキックが非4つ打ちの厳ついグルーヴが激しく揺さぶりを掛けて、縦へ横へと肉体を鼓動させるこれもピークタイムに映えるテクノだろう。今風と言った雰囲気は無いどころか流行に惑わされないデトロイト・テクノへの妄信とも思える作風は、しかしそのロウな音質や心に訴えかける旋律による軸のぶれなさがあり、自分達の音楽性を信じているが故の強さがある。間違いなくこれはテクノだと声を大にして言いたい。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
John Beltran Presents Music For Machines (Delsin Records:DSR-D1-CD)
John Beltran Presents Music For Machines
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デトロイトの中でも特に叙情性の強い音楽を手掛けるJohn Beltranは、一時期はまっていたラテン・ミュージックからここ数年は再度テクノ〜アンビエントに回帰している。オランダはDelsinからリリースされたベスト盤の"Ambient Selections 1995 - 2011"(過去レビュー)と再びピュアなアンビエントを披露した"Amazing Things"(過去レビュー)からも、彼の中でアンビエントの2度めの春を迎えていた事を感じていた者は多いだろう。そのようにアンビエントによってDelsinとの関係を深めた彼が更にDelsinと手掛けたのは、John Beltranが選ぶアンビエント作品集だ。アンビエントへの情熱や造詣が深いBltranだからこそコンパイラーに迎えられたのは言うまでもないが、アンビエントにも色々な方向性がある中で本作はBeltranのファンにこそ、先ず一番に聴いて欲しいようなBeltranが考えるアンビエントが収められている。やはり本作に収録された音楽の特徴はノンビートである事は前提として、不明瞭なドローンが続くものやスピリチュアルで瞑想的なものとは異なり、カラフルな色彩を以ってして豊かな叙情性を展開している事だ。ただ自然に空気と同居しているような存在感を現さないアンビエントとは異なり、音楽としての存在感を落ち着いて発しつつ耳に入る事で静かに心に訴えかけるような感情的な性質は、元来Beltran自身が制作していたテクノ/アンビエントと同列である。例えばGreg Chinによる"Dashboard Angels"を聴いて欲しい。しなやかで優雅なストリングスに絡んでいく色彩豊かで可愛らしい電子音によるこの曲は、言われなければBeltranによる未発表曲だと思う程に、夢の世界で羽ばたくようなノスタルジーに溢れている。Mick Chillageによる"Only In My Dreams"も素晴らしく、ドローンのような前半から重力が無くなりキラキラとしたシンセの反復で浮遊感に満たされる爽やかで情熱的なアンビエントは、何処までも澄んでいて清らかだ。アルバムの冒頭を飾るWinter Flags(ApolloからデビューしたGachaの変名)による"Winterfall Winds"も、淡く消え去りそうな穏やかなノイズが吹き荒れるシューゲイザー風アンビエントで、この物哀しさにも似た郷愁は本作の方向性を示唆しているようだ。他にもクラシックを取り入れたようなゆったりと壮大な曲から透明感の強い電子音が伸びるドローンのような曲、有機的な鳴りも取り入れながらただただ美しいサウンドスケープを描き出し、Beltranならではの音による癒やしが待ち受けている。紛うことなき素晴らしいアンビエント・セレクションだ。



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| TECHNO11 | 06:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/1/10 groundrhythm -new year's party- @ Air
昨年末に12周年を迎えて尚その軌跡を進めているAIR屈指のレギュラーパーティーであるgroundrhythm。2015年最初のgroundrhythmは井上薫と共に勝手知ったるDJ Yogurt、DJ Hikaruという長年計画されてきたメンバーがようやく集結し、またRESPONSEクルーであるDJ Yu-TaとA Boy Named Hiroがメインフロアのオープニングを務める事になった。それだけでなくシーシャバーやフードに物販、またメインフロアには特別な形のスクリーンも持ち込んでVJも用意し、ラウンジには昭和感溢れるデコレーションを施すなど、今までのgroundrhythmの中でも特に気合の入った一夜だ。
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| EVENT REPORT5 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/12/22 Guidance ~導き導かれる人生~ Reproduction Of 20091222 Year END Special @ Air
2009年12月22日、今はなき渋谷のクラブ・Axxcisにて3フロアを使用して国内の実力あるアーティスト/DJを集結させた大きなパーティーが開催された。それこそ当方も初体験となったGuidance 〜導き導かれる人生〜だったのだが、そこにはAltzやDE DE MOUSEのライブにDJ YogurtやEYEや川辺ヒロシといった夜な夜なパーティーを賑わすDJが出演し、何だか凄いパーティーがあるものだなと驚いたものだった。それからGuidanceには度々足を運ぶようになり音楽だけでなくデコレーションやフードなども充実したパーティーとして魅了されていたっのだが、あの日から丁度5年を経てAxxcisで開催されたGuidanceを再現する日がやってきた。あの時と同じようにAltzのライブ、そしてDJ Yogurtに川辺ヒロシやEYE、Guidanceにはお馴染みの瀧見憲司も追加となり、ラウンジにはレゲエ/ダブ集団のFomga Soundzも出演と年の瀬にGuidanceが再生される。
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| EVENT REPORT5 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/12/12 PYRAMID ROOTS @ Bonobo
神宮外苑の片隅にひっそりと営業をしているバー・Bonoboは都内でも珍しいクラブ/バーだ。1階にはメインフロアがあるものの、2階には畳部屋とベランダがあり、Bonoboの入り口にも別のバーがあったり、こじんまりとした土地にぎっしりとお店が詰まっている。そんな小箱で開催されるPYRAMID ROOTSにはDJ Yogurtに井上薫、岩城ケンタロウという日本各地で活躍するDJが一堂に集まり、その上2階にもDJやマッサージにクリスタル展示販売など様々な要素を詰め込んでパーティーが開催される。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Stephen Brown - Illuminance EP (a.r.t.less:A.R.T.LESS 2191)
Stephen Brown - Illuminance EP

ドイツにて極限までの美しいディープ・ハウスを追求するMojubaは、それとは別の方向で傘下に幾つかレーベルを運営しており、その一つにa.r.t.lessがある。その「Less」と言う言葉が示す通りもう少しシンプルさを追求しながら、デトロイト・テクノの発展に寄与したKirk Degiorgioのレーベル名にもオマージュも兼ねて、Mojubaよりはテクノを推し進めているレーベルだ。そのレーベルの3年ぶりの新作は、かつてTransmatやSubject DetroitにDjax-Up-Beatsからもリリース歴のあるベテランのStephen Brownだ。UKはスコットランドのアーティストではあるが古くからデトロイト・テクノへ関連しており、となればa.r.t.lessから作品をリリースするのにも疑問はない。乾いたなキックとハイハットが長く4つ打ちを刻みながら、突如としてぼやけたシンセが反復し出す"Sd1"。派手な展開はなく音の抜き差しで執拗に攻める正にDJ仕様な曲だが、アンダーグラウンドなフロアの闇を照らすようなピュアな輝かしさもあり、a.r.t.lessらしいエモーショナルな面が光っている。そして"Free & Easy"は重いキックと共に鈍いパーカッションが変則的なビートを打ち鳴らす重厚感のあるファンキーなテクノだが、やはりリズムの上には幻想的なパッドやピュアなシンセが覆い被さる浮遊しており、デトロイト・テクノの影響は強く感じられる。両曲とも無駄な音は省きすっきりした構成を保ちながらもビートがしっかりと刻まれ、そしてエモーショナルな感覚が仄かに湧き上がってくる点は正にa.r.t.lessらしい作風と言えよう。これを機にa.r.t.lessが再度動き出すのか、レーベルの動向にも要注目だ。



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| TECHNO10 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio - Unreleased 1991 - 1992 (Indigo Aera:aera009)
Kirk Degiorgio - Unreleased 1991 - 1992

2011年にオランダはアムステルダムに設立されたIndigo Aeraは、デトロイト・テクノに影響を受けたと思われるマシンソウルを追求するStephen BrownやLouis Haimanの作品を送り出すと共に、一方では"Lost Archives"と謳われた埋もれたままリリースされる事のなかった作品の発掘にも力を入れている。またそのどれもが極小数のプレス数とハンドスタンプなアンダーグラウンドな仕様で評判となっている。そんなレーベルの最新作はUKテクノの重鎮であるKirk Degiorgioの作品だが、なんと1991〜1992年に制作されていた秘蔵音源をコンパイルしている。その頃と言えばAs One、Future/Pastと言った変名を用いて活動していた時で、Kirkがデトロイト・テクノの感情的な作風に影響を受けながら電子音楽に希望を見出していた最初期の活動であり、となれば当然期待しないわけがない。ペチペチしたTRと思われるリズムマシンから生まれるブレイク・ビーツと仮想空間を生み出すような未来的なサウンドが絡み合う"Exteriors"は、デトロイト・リヴァイバルと言う正に当時の時代を投影するようなUKからデトロイトへの回答らしき作品だ。勿論黒人が鳴らす野暮ったくも刺激的なファンキーな音ではないが、叙情的な面をより浮かび上がらせヨーロッパの洗練された空気に落とし込んだ音楽は、インテリジェンス・テクノへの系譜へと繋がっている。同様に内向的で幽玄なパッドの使い方が青臭くもエモーショナルな幻想世界を描く"The Factory"や"Fragile World"も、音自体は古臭く何処か野暮ったさもないわけではないが、テクノの初期衝動と言うべき何かが生まれる瞬間が感じられる。裏面の"The Leading Edge"はより荒い質感のハイハットと重いキックが打ち鳴らされる荒々しくオールド・スクールなテクノで、これも決して今のKirkの作品に比べれるとローファイそのものだが、そのラフささえもが力強いグルーヴと化している。単に未発表と言うレアな価値観だけでなく、初期テクノの時代感を伝える作品としても価値があるが、それ以上にKirk Degiorgioの才能が光っている。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Sims - Fabric 73 (Fabric Records:fabric145)
Ben Sims - Fabric 73
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時代と共にシーンに寄り添うアーティストも入れば、そんなのはお構いなしと愚直なまでに自分のスタイルを貫き通すアーティストもいる。Ben Simsは間違いなくその後者に属するアーティストで、90年代後半のハードミニマル隆盛の時代からシーンの最前線へと飛び出し、00年代に入ってから周りがエレクトロやディープなテクノへと転身する中で、今でもスタイルを守りつつ残っている数少ない存在だ。ヒップホップのDJからスタートしたと言う彼の芸歴は本作でも活きており、3台のCDJを使用してライブミックスを行った上にエディットを施し、それらを最終的にAbletonでミックスし直した事で怒涛のハードグルーヴが渦巻くミックスとなった。ベテランからアンダーグラウンドなアーティストまで44曲にも及ぶトラックを使用し、その中には自身によるエディットを含め18曲も未発表曲が含まれていると言う事実は驚愕だが、音自体はBen Simsと言わざるを得ないどこか古臭さも残りながら野性的で図太い。執拗なまでの4つ打ちを貫きつつ矢継ぎ早にミックスされる事で、全体を通して一つの音楽となるような曲の境目も気にならない痛快なプレイだが、恐らく現在のシーンと照らし合わせるとやはり何処か野暮ったいと言うか時代から取り残されている感は否めない。しかしこの音こそがBen Simsを個性付けているとしたら、疑う事なく自身の道を歩み続ける彼の気概は本物だ。エレクトロやシカゴ・テクノのファンキーさとハードテクノのシャッフルする疾走感、そこに少々のミニマルのディープな要素も織り交ぜつつ、後半に進むに連れて草を刈り取る芝刈り機のように全てを巻き込みながら爆走するグルーヴ感の前には抗う事など出来やしない。ハードなだけの音楽には飽きつつもある当方だが、たまにこんな愉快痛快で突き抜けたミックスを聴くと何だか心が沸き立ってくる。

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| TECHNO10 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio Presents Sambatek (Far Out Recordings:FARO176CD)
Kirk Degiorgio Presents Sambatek
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インテリジェンス・テクノからデトロイト・テクノ、果ては本格的なフュージョンやジャズにまで造詣の深いKirk Degiorgioが新たに向かった先は、ブラジリアン音楽の一つであるサンバだ。実は以前にFar Out RecordingsからOffworldプロジェクトとしてAzymuthと共同制作したアルバムをリリースしているが、今回のプロジェクトに関して言えばサンバのリズムを取り込んだ"テクノ"である。本作でもOffworldプロジェクトにも参加していたAzymuthのメンバーであるIvan Contiが楽曲提供を行い、Kirkはあくまでプロデューサーとしての立場であるそうだが、結果として出来上がった音はKirk流のモダンなテクノとなっている。Ivanが作曲したブラジリアン音楽をKirkが現代のテクノへと変換する作業は、サンバの乱れ打つリズムで揺れる躍動感を保ったまま、Kirkらしい洗練されたテックな音を付加する事で完成を見ているが、そこにはブラジリアン音楽とテクノの乖離は全く見られない。強烈かつ執拗に弾けるパーカッションはKirkの作品にしては珍しいが、テクノの音として自然と取り込んでしまうその手腕は、フュージョンやジャズなどの古典音楽にも傾倒し理解が深いからなのだろう。またUKテクノのピュアで洗練された感覚だけでなく、現在のテクノの中枢であるベルリンシーンをも意識したような、暴力的な唸りを上げるミニマルなトラックもあり、アルバムの大半の曲はフロア向けのDJツール的な要素も増長されている。Kirkらしいしなやかで優雅なインテリジェンスな要素は少ないが、そう言えばEP単位ではハイテックな作品を量産していたKirkも、純然たるテクノのアルバムはここ10年近く出していなかった。そう思うとここまでパーカッションの力強いリズムが活きたテクノを聴くと、素直に嬉しく思う。オリジナル曲以外にもRick Wilhite、Jonas Kopp、NX1のリミックスを収録しており、これらはより踊るための機能性に絞った作風で要注目だ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio Presents Sambatek - The Remixes Vol. 2 (Far Out Recordings:JD28)
Kirk Degiorgio Presents Sambatek - The Remixes Vol. 2
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UKのベテランアーティストであるKirk Degiorgioによるテクノとサンバを融合させたプロジェクトがSambatekであるが、そのプロジェクトによるアルバム発売間近にして2枚目の先行EPがリリースされている。Kirkと言えばデトロイト・テクノや古典的なフュージョンやジャズなどに精通しているが、最近の彼の活動はと言うとハードなスタイルのテクノにも広がって来ているように見受けられる。リミキサーにRush Hour系のBNJMNを迎えている事には特に違和感はないが、それとはスタイルを異にするJonas Koppや前作にも参加したSpatialが並んでいるのには意外性がある。それはそうと唯一のオリジナルである"Rocinha"は、ブラジリアン・サンバを思わせる軽快で弾けるパーカッションが乱れ打つ中を、コズミックなシンセが反復しながら宇宙空間を高速で疾走するハイテックな音があり、Kirkのデトロイト愛が花開いた作品と言えよう。一方で"Babilonia (Bnjmn Remix)"はBnjmnらしい不気味なアンビエンスも漂っているが、暗闇の中を彷徨う内向的な暗さと未来的なインテリジェンスが同居したテクノで、まだKirkにも共通する点は残っている。しかしSpatial による"Dende (Spatial Remix)"は変則的なパーカッションが入り組んだつんのめるようなテクノで、ダブ・ステップのリズムと切れ味の鋭いシンセを合わせた新世代を予感させる楽曲性であり、今までのKirkの趣向には無かった音であろう。そして最もKirkの音楽性からは似つかわしくない"Borel (Jonas Kopp 'My Vision Of Samba' Remix)"、サンバのようにパーカッションが大地を揺らすように脈打っているが、曲そのものは執拗に金属音が発せられるモノトーンなハードテクノ化しており完全にフロア向けのDJツールとなっている。Kirkがこのようなリミキサーに目を向けた事は、彼が以前よりも更にフロアに接近しテクノに傾倒している事を示している。ちなみに前作に続き本盤も180g重量盤と、音も盤もどっしりと重みがある。

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Kirk Degiorgio Presents Sambatek - The Remixes (Far Out Recordings:JD 26)
Kirk Degiorgio Presents Sambatek - The Remixes
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テクノからインテリジェンス、フュージョンからAORまで器用にこなすUKテクノの重鎮中の重鎮、Kirk Degiorgioのニュープロジェクト・SambaTekの作品が遂にリリースされた。プロジェクト名から推測するにパーカッシヴなサンバのリズムと最新のテクノの融合でも目指しているのだろうと推測されるが、本作はアルバムからの先行シングルながらも全てがリミックスの為、そのプロジェクトの全容を知る事は出来ない。が、リミキサーにはデトロイトからのベテランDJであるRick Wilhiteにヨーロッパからは新鋭のNX1、Spatialらが招かれており、Kirkが現在目を付けているテクノと言う視点から楽しめる作品にはなっている。Wilhiteは"Babilonia"のリミックスを2バージョン提供していて、雑然としたラフな質感は普段とそれ程変わらないが、いつものハウスではなく重厚感のあるどっしりしたテクノを披露しているのが興味深い。無駄な音を省いたミニマルなスタイルながらも上辺で鳴るヒプノティックなシンセリフは中毒的で、ドイツやUKの最近の音にも適合しそうな印象だ。裏面にはNX1、Spatialと自分が未だ知らぬアーティストのリミックスが収録されていたのだが、こちらも予想していたより素晴らしいリミックスとなっていた。"Borel (NX1 Remix)"は完全な4つ打ちではなく崩れたビートが激しく刻まれるインダストリアルなテクノで、その上を色気のないマシーナリーなシンセが淡々と鳴っている。人間味を排した無感情な世界観が激しいグルーヴ感に上手く適合しており、Kirkの世界観とは全く異なる魅力を生み出しているのだろう。"Morro De Formiga (Spatial Remix)"は最もサンバのパーカッションが体感出来るリミックスとなっているが、それを現代のシーンを象徴するダブ・ステップに適合させているのが面白い。上モノなんかは洗練された上品なテッキーな音が鳴っておりUKテクノらしいインテリジェンスな感覚もあるが、その下ではつんのめるような前のめりのキックが先行し、サンバとダブ・ステップがしっかりとフロアで機能する融合を果たしている。基本的には全てのリミックスがテクノ仕様となっており、今っぽいテクノを十分体験出来るのではと感じられた。

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Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF (tearbridge records:NFCD-27351)
Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF
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最初に断言しておくとこのアンダーグラウンドなダンス・ミュージックを様々なスタイルで纏め上げた"Crustal Movement"シリーズは、MIXCDが良くも悪くも大量に生産されるこのご時世において決して安い値段ではない。がミックスの技術からメジャーでリリースする事によるライセンス許可の取得、そしてマスタリングまで手抜き無しに仕事がされている事を考慮すればこその価格であり、実際に聴き終えた後にはその価格に見合った内容であると理解出来た。このシリーズは国内の3人のDJによって同時に3枚リリースされたのだが、今日紹介するのはジャンルに囚われる事なく振り幅を敢えて持ちながら時代を駆け抜けてきたMoodmanが手掛けている盤だ。本作が面白いのはもう15年以上も前のJohn BeltranとTerraceの曲である往年のインテリジェンス・テクノから始まり、そしてKirk Degiorgioのリミックスへと続いて行く事だ。序盤にしていきなり90年代前半を象徴するスタイルが出現するが、実はそれ以降はここ2~3年の作品で纏められており、特に後半は近年のダブ・ステップがそれ自体を強く主張させる事なく自然と並んでいる。インテリジェンス・テクノ、ブロークン・ビーツにダブ・ステップ、ディープ・ハウスやエレクトロニカと小刻みに曲調は変わっていくのだが、不思議とその直列には違和感はなく自由奔放なビートの組み合わせが各所に散りばめられているのだ。恐らく本人もインタビューで述べているように曲としてではなく素材/ツールとしてデジタル的なミックスを行った事がそれを可能としているのだろうが、曲自体が存在感を主張しない為にBGM的な平たくスムースなムードを生み出し、何時の間にか聴き終わっているような心地良さが発せられている。とてもさり気なく過去から現在へと繋がりを聴かせる知的さ、そして今と言う時代の空気も取り込んだ洗練さを兼ね備え、大人の余裕さえ漂う音にただただうっとり。

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| HOUSE9 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Shawn Rudiman - Uplink (Applied Rhythmic Technology:ART 12)
Shawn Rudiman - Uplink
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絶好調にUKテクノ街道を突き進むKirk Degiorgio主宰のApplied Rhythmic Technologyの新作は、デトロイトの中堅どころのベテランであるShawn Rudimanによる作品だ。Rudimanと言えばTechnoir Audioや7th Cityなどデトロイトのレーベルから控え目にピュアな印象のあるデトロイト・テクノを量産しているが、まだまだ日本に於いてはマイナーと言う印象は拭えない。しかしまだ知らない人は、ARTからのお墨付きを貰ったと言う点からも注目しておいて損はない筈だ。"Uplink"は勿論デトロイト・テクノらしく煌めきのあるシンセをふんだんに取り込んだエモーショナルなテクノだが、ARTらしい洗練され都会的な空気も含むAIテクノ的な側面も持っている。そうでありながら、ピュンピュンとコズミックな音色が飛びかう中を疾走感のあるリズムが脈打ち、しっかりとフロアを揺らす事の出来る骨太さもあるのだ。またリミキサーにはFrank MullerとJohn Selwayが起用されいるが、どちらもオリジナルのデトロイトらしさに経緯を払ったリミックスを披露している。Mullerによるリミックスは奥行きを出す事で壮大な演出を伴いながら、全体にがっちりとした重厚感を身に付けメロディアスかつハードさもあるピークタイム仕様になっている。元々ハードミニマルからトランスまで得意としているSelwayはなんと2バージョンも提供をしているが、意識も融解する陶酔感のあるパッドを用いた上で大箱向けのハードなグルーヴを鳴らしている。計4バージョン、傾倒としてはどれも似通っておりもう少々バリエーションは欲しかったところだが、作品としてはしっかりとフロアを意識しておりド派手にぶちかませるだろう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2012
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。相変わらず音楽は作品が売れないだとか、パーティーも以前に比べると活気がないだとか、ここ数年同じように苦しい状況が続いています。しかし昔から変わらず、それどころか都内ではパーティーもどれに行くべきか悩むくらいに溢れており、その充実度は昔よりも遥かに高いでしょう。またクラブミュージックに於いてさえデジタル配信は既に充実していますし、その一方で再度アナログでのリリースに拘るアーティストも増えてきたり、音楽を聴く為の環境自体は十分に整っている事は間違いありません。決して音楽自体の魅力が失われているわけではないと、私は信じています。さて、それではそんな気持ちで選択した毎年恒例の年間ベストと共に、来年も良いお年を!
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| BEST | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Beauty Room - II (Far Out Recordings:FAR0168CD)
The Beauty Room - II
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2009年頃から自身のApplied Rhythmic Technologyを復活させてからは順調にテクノトラックを生み出しているUKのKirk Degiorgioが、2006年以来となるThe Beauty Room名義でのアルバムをリリースしました。この名義ではボーカルにJinaduを迎えるなど複数のプレイヤーと手を組みバンドとしてAORに取り組んでいるが、普段は電子的なテクノと共にある彼がこうもさらっとAORを手掛けてしまう辺りに彼の音楽に対する深い造詣を感じる事が出来ます。本作でもこの名義でのデビューアルバムで聴けた60〜70年代と言う黄金期の西海岸AORを引き継いでいるのですが、そもそもが60〜70年代のソウルやジャズに影響を受けながら現在の電子楽器を用いてテクノを制作しているのだから、AORを披露する事もそれ程おかしい事ではないのでしょう。普段彼が手掛けているテクノとは似ても似つかない程に軽く爽やかなアコースティックな演奏と、そして甘く艶やかな歌や優雅なストリングス使いには、余裕綽々な大人の包容力さえ感じられ忙しない毎日を忘れさせる心地良さがあります。特にJinaduによる多重コーラスの影響は豊潤な響きを生み出す事に成功し、しっとりと落ち着きのあるトラックに大人の色気を添えるようです。雲一つ無い青空の透明感溢れる景色が続き燦々と太陽の光が降り注ぐ屋外で、Kirk流AORを全身で浴びたくなる軽い清涼感と甘い陶酔感が満ちていて、タイムレスメロディーとでも言うべきポップな音が何処までも広がっています。

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| ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Third Man - Future Tense (Applied Rhythmic Technology:ART DDS-6)
The Third Man - Future Tense
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Kirk Degiorgio主宰のARTが軌道に乗る中で、そのレーベルを代表するまでに成長したToby LeemingことThe Third Manですが、ARTからは3枚目となるEPをリリースしております。KirkとARTのレーベルの方向性としてデトロイト・テクノへの忠実な愛を以てしてUK流に解釈したテクノをリリースする事は感じ取れますが、やはりThe Third Manもその傾向を受け継ぎレーベルカラーを見事に踏襲した新作を披露しました。"Future Tense"は温かく透明感のあるパッドを延ばしつつや星の煌きの如く美しいシンセ音のリフを作り、ガツガツと力強い4つ打ちのリズムトラックで疾走するハイテックテクノで、デトロイト・テクノの黒人のファンキーな面は濾過しながらよりエモーショナルな面に重点を置いた作品と言えるでしょう。途中でのキックが抜け壮大にシンセの層が被さっていくブレイクを経て、終盤に向かって感情を揺さぶるように盛り上がって行く展開は感動物。そしてマリンバ風な浮遊感のあるシンセにディープなパッドを被せ、幻想的でありながら跳ね感と疾走感を以てして突き抜ける"More Than One"。途中からは膨らみや広がりを感じさせるパッドの中でコズミックなシンセが暴れまわり、ドラマチックに高揚を増していくディープなテックハウスがもうお家芸の様に馴染んでいます。実力に関しては疑うべくもないので、そろそろアルバムを聞かせて欲しいですね。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio - Divine Logic (Rush Hour Recordings:RH037)
Kirk Degiorgio - Divine Logic
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2009年にApplied Rhythmic Technologyを再始動させてからは好調なリリースが続くUK屈指のデトロイトフォロワー・Kirk Degiorgio。新作はオランダ屈指のデトロイトフォロワーレーベルであるRush Hourから、またしてもフロア向けのダンストラックをリリース。以前のKirkと言えば古典を掘り返すようにジャズ/フュージョンやAORを手掛け、電子的なトラックにしても比較的リスニング系の曲が多かったものの、ART再始動後は素直にフロアに直結したテクノを作り続けています。"Divine Logic (Main Mix)"はアトモスフェリックなパッド/ストリングスが美しく、その下を強烈に歪んだシンセのリフが反復して疾走するテックハウス。デトロイト系のアーティストを精製しより洗練させたらこうなるような綺麗目のトラックですが、決して水で薄めた様な感覚はなくUK流テクノソウルだと言えるでしょう。裏面には"Divine Logic (Dub Mix)"が収録されており多層的な音を削ぎ落とした為、ビートに重点を置かれそれと共にアシッドな音が目立つアレンジになっています。Kirkさんの才能は疑うべくもないので、そろそろアルバムが待ち遠しいのであります。

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| TECHNO9 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Claude Young & Takasi Nakajima - Rapture (Applied Rhythmic Technology:ART 11.1)
Claude Young & Takasi Nakajima - Rapture
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2009年から水を得た魚のように活発に運営を行なっているKirk Degiorgio主宰のART。Kirk自身の新作の発表と共に過去の名曲のリイシュー、そして新人の発掘も行うなど順風満帆ですが、その流れを止める事なく盟友であるClaude Young & Takasi Nakajimaの新作が到着。この二人は数年前に意気投合して以来Different World名義で活動しておりましたが、ようやく初の物理メディアでの作品が世に出る事になりました。全体的に線は細めながらもソリッドで弾けるリズムトラックを生かし、デトロイト・テクノ宜しくな透明感のあるリフにファンキーなシンセのメロディーが絡み合い、躍動感のあるテックハウスとなっております。本家デトロイトのエモーショナルな要素をダイエットさせ、上品に昇華させ洗練さが感じられるのが本家との違い。そして裏面には久しぶりにカムバックしたIan O'Brienがリミキサーとして曲を提供しています。力強いバウンス感のあるグルーヴの上にデトロイティッシュなメロディーと煌びやか音色を散りばめ、静謐で抒情的な世界を展開するハウスサウンドは正にIanの趣向が全開。この人のデトロイト・テクノへの敬愛と言うのは業界内でも屈指のもので、コズミックなサウンドはデトロイトの人達に一歩も引けを取らないですね。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio & Ian O'Brien - Promenade Eleven (Applied Rhythmic Technology:ART NR-2)
Kirk Degiorgio & Ian OBrien - Promenade Eleven
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Kirk Degiorgioが監修したデトロイトテクノの最良のコンピレーションアルバムの一つ・Electric Institute(過去レビュー)の中でも一際輝きを放っていてた曲、それがKirk Degiorgio+Ian O'Brienのユニット・Super-A-Loofが提供した名曲"Night On The Promenade"。それから5年前、Kirk Degiorgioが運営するARTよりリマスターシリーズの一環として"Promenade Eleven"と曲名を変更され初のアナログ化がされました。UK屈指のデトロイトマニアの二人が集まっただけに、流石に文句の付けようの無いコズミックで期待と希望に満ちたこのトラックは余りにも強い光を放っています。強烈に打ち付けられるビート、閃光の様に美しく天翔けるシンセのパッド、スペーシーなSEなどを駆使し彼等なりのハイテックな世界観を演出した名曲。そして裏面にはKirk Degiorgio本人が新たなリミックスも提供しています。こちらは原曲の派手な展開をぐっと抑えてミニマル寄りで、展開が少ない分ミックスにも向いている落ち着いたテックハウス仕様です。落ち着きはありながらどこか幽玄で、心の奥底に燃えるソウルを隠した雰囲気。自分はやはりオリジナルが断然好きですがね。

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| TECHNO8 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deep Space Orchestra - Return To Dodge City (Applied Rhythmic Technology:ART9)
Deep Space Orchestra - Return To Dodge City
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昨年デビューしたばかりのDeep Space Orchestra。Chris BarkerとSimon Murrayの二人組ユニットで、本作はAs OneことKirk Degiorgioが運営するApplied Rhythmic Technologyよりのリリース。デビュー直後はエレクトリックハウス〜ブギーハウスも披露していましたが、まだ方向性が固まっていないのか本作ではART向けのピュアなテックハウスを披露。A面の"Deep Space Orchestra"はエッジが効いた疾走感のあるテクノで、透き通るパッドの音なんかは正に直球デトロイトでエモーショナンたっぷりな情緒的なトラック。B1のアシッドベースも特徴的なWARPのAIテクノを思い起こさせるダウンテンポ"Last Exit"も素晴らしい。初期のCarl Craigの作品にも通ずるレトロフューチャーな世界観は、どこか懐かしささえも感じられます。B2の"Streetlights"は重く太い低音が唸るグルーヴィーなテックハウス。重厚感がありながら綺麗目の上物でエレガントな趣きもあり、とても綺麗に仕上がってますね。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Third Man - Tangier (Applied Rhythmic Technology:ART DDS-4)
The Third Man - Tangier
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UK屈指のデトロイトマニア・Kirk Degiorgioが自信を持ってプッシュしているToby LeemingことThe Third Manが、ARTより2枚目となるEPをリリースしました。ジャンルを跨いで音楽への深い造詣を持つKirkが推すなら疑う必要は無いのですが、既に多くの有名なDJも本作に絶賛のコメントを残しております。A面の"angier"はこれぞデトロイト節とも言える重厚なシンセストリングスが鳴り響き、シンセのアルペジオがドラマティックに展開する疾走感のあるハイテックテクノ。感情を揺さぶる感動的な美しさはピークタイムに回してこそ映える程で、とにかくまあ誰がプレイしたってフロアは大盛り上がりするに違いない。そしてB面にはなんと同様にデトロイト愛を公言しているVince Watsonが、前作に収録されていた"Paucity"をリミックスをした曲を収録。こちらは一聴してVinceと分かるテックハウスな作風に作り替えられており、心地良いグルーヴィーなイーブンキックの上を幻想的なシンセのリフが絡み合い、星の瞬きの様なコズミックな音が散りばめられた幻想的な曲。9分近くと長尺ながらも壮大な展開が待ち受けており、何時までも終わって欲しくないとさえ思う事でしょう。両面お薦めな一枚。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio - Exodus Earth (Applied Rhythmic Technology:ART DDS-3)
Kirk Degiorgio - Exodus Earth
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昨年からハイペースでEPの量産体制に入っているUK屈指のデトロイトオタク・Kirk Degiorgio。特に自身で90年代に運営していたARTを復活させた事は一部のテクノマニアを歓喜させているはずですが、そのARTから又も自身の新作をリリース。A面の"Exodus Earth"はKirkにしては想像以上にハードでアッパーな流れを繰り広げるテクノで、終始ヴォーンとうなりを上げるハイテックなシンセが攻撃的で、真夜中のパーティーのピークタイムでもフロアに歓喜を呼び起こすに違いないでしょう。アッパーではありますがKirkらしいソウルフルなリフもしっかり入っているし、今までのKirkをバージョンアップさせた様な雰囲気。B面の"New Genesis"もそこそこにアッパーで、ピークタイムど真ん中と言うよりはそこに到るまでに盛り上げるようなジワジワと攻め上げるタイプのテクノ。勿論こちらもデトロイティッシュなシンセサウンドが息づいており、Kirkの視点が完全にフロアへと向かっているのではないかと想像するのは容易い。この勢いでアッパーなテクノサウンド満載なアルバムも期待したいところ。

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| TECHNO8 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/06/22 METROPIA.1st ANNIVERSARY @ Saloon
昨日に引き続き平日ながらも、白石隆之さんのDJプレイを聴きにSaloonへ。流石に二夜連続だと疲れが溜まっていて体が重かったのですが、Saloonはソファーなどもあり快適な環境の中、まったりと音に集中出来ました。プレイ自体は自分の好きなタイプの音が多かったかな。一番最初はKirk DegiorgioだかIan O'Brienのビートレスなトラックから緩やかに始まり、そこからPlanet-Eから出たばかりのThe Oliverwho Factoryの新曲に繋がれる。この時点で今日はデトロイト色濃厚そうだなと予感しましたが、そこからは期待通りにデトロイトやそのフォロワー系の音が多かったはず。中盤位まではMoodymannやNewworldaquariumなどのメロウでハウシーな流れで、優しく音を響かせながら夜のアダルティーな世界へと引き込む感じ。中盤以降はリズムが硬めでアッパーなテクノでがつがつと攻め上げ、URのファンキーなエレクトロも織り交ぜて賑やかなピークタイムへと突入。しかし白石さんのプレイは熱い感情を胸の奥底にしまっている様で、エモーショナルだけれども熱くなり過ぎずに常にクールな印象。ストイック、又は渋いと言うか、エゴを感じさせずに控え目なんですよね。だから泥臭いファンキーなハウスをかけても、基本的に汗臭さを感じさせずまったりと聴けるのかな。そんな感じでゆらゆらとエモーショナルなプレイに身を任せて、二時間弱のプレイは"Sueno Latino"で終了。最後の最後で華々しい感情が湧き出て、ドラマティックなラストにうっとりでしたね。

■Takayuki Shiraishi - TIME6328(過去レビュー)
Takayuki Shiraishi-TIME6328
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| EVENT REPORT2 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Third Man - Messier 66 (Applied Rhythmic Technology:ART DDS-2)
The Third Man - Messier 66
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昨年から好調な活動を見せるUK屈指のデトロイトフォロワー・Kirk Degiorgioが運営するARTから、Kirkが惚れ込んだ才能ある新星・Toby LeemingことThe Third ManのEPがリリース。本家デトロイトでもTransmatが復活し相変わらずデトロイトの底力は健在ですが、このKirkの音に対するデトロイト魂は本家にも負けない物だと確信しております。A面の"Messier 66"は透明感のあるパッドで綺麗目のリフを作って引っ張っていくスタイリッシュなデトロイトテクノ。すっきりと重さを削ぎ落としてスペーシーで浮遊感を出しつつ、疾走感のあるグルーヴで軽く宇宙に飛ばしてくれる事でしょう。B1の"Anadine"はブロークンビーツ風なつんのめりビートとメランコリックなストリングスが絡み、派手にそしてロマンティックに盛り上がれそうです。B2の"Paucity"は他のトラックに比べると控えめな印象のディープハウス寄りながらも、しかし中盤から入るエモーショナルなシンセが泣かせる憂いに満ちた一曲。3曲のみ、しかしそのどれもが熱いテクノソウルを持ち合わせていて、デトロイトテクノを愛する気持ちが素直に伝わってきます。

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| TECHNO8 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio - Ripple Effect (Rush Hour Recordings:RH029)
Kirk Degiorgio - Ripple Effect
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昨日に引き続きもう一枚Kirk Degiorgioの新譜。こちらはオランダからデトロイトへの愛を猛烈に表現するRush Hour Recordingsより。A面の"Ripple Effect"は少々地味な感じもありますが、音を絞ってシャープさとゆったりと沈み込むような深さを表現したテックハウス。線の細さを音の硬さで補っており、すっきりとしていても軟弱な聞こえ方はせずにしっかりフロア対応しておりますね。B面の"Time Spin"はいかにもKirkらしいエモーショナルなテックハウスで、キックもずんどこ図太いし透明感のあるパッドがヴェールの様に張っていて、UK流デトロイトテクノとかピュアテクノとかそんな言葉が相応しいダンストラックになっております。ここら辺のアーティストには目新しさは確かに無いけれど、やっぱり毎回水準が高い物を出してくるからこそ、時代に関係なく僕はKirk Degiorgioは信頼のおけるアーティストだと認識しております。

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| TECHNO7 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio - Membrane (Planet E:PLE65316-1)
Kirk Degiorgio - Membrane
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昨年15年ぶりに伝説のレーベル・Applied Rhythmic Technologyを復活させたり、積極的にEPをリリースしたりするなどしていたKirk Degiorgioですが、今年もその勢いは止まらずに今度はCarl CraigのPlanet Eから新作をリリース。近年テクノ色を前面に打ち出してきているKirkならばPlanet Eとの相性は抜群な訳で、タイトル曲の"Membrane"はぶ厚い低音の効いたハウシーなリズムトラックにエモーショナルなシンセを被せたテックハウス。デトロイトのソウルに更に洗練された都会的な雰囲気も持ち合わせており、流石UK屈指のデトロイトフォロワーの底力を感じさせます。B面にはなんとC2がリミックスを提供していて、こちらはよりディープにより覚醒的にアレンジされ、C2特有の金属的な黒光りする音色が特徴的。残りの一曲"Vesuvio"はアッパーで攻撃的なテクノですが、半ばトランシーささえも感じさせる暗めのシンセフレーズがKirkにしては意外。勿論文句無しにフロアを沸かせるトラックである事は言うまでも無し。

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| TECHNO7 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio - Swarm EP (Applied Rhythmic Technology:ARTDDS1)
Kirk Degiorgio - Swarm EP
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昨年再始動を開始したARTから、Kirk Degiorgioによる新シリーズ"Dance Division Series"の一枚目。近年はテクノ色が戻ってきたKirkですが、本作も初期作品の様なピュアでインテリな音を保ちつつよりダンストラックとしての面が強くなってきた良作。近未来の街並みに光り輝くネオンライトを喚起させるシンセサウンドは、気品と高揚感に満ちていてさすがUK屈指のデトロイトフォロワーだけあります。新しい事をやっている訳じゃないけれど、それでも彼の作るトラックには有無を言わさぬ説得力があり、テクノとしての純度をより高めている気がします。力強い4つ打ちテクノからしなやかなディープトラックまで収録し、テクノ、ハウスの両シーンで重宝出来そうな一枚ですね。

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| TECHNO7 | 11:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2009/11/20 AT-FIELD @ EFFECT
祝・脱DJ童貞!!

友達の下川カユコさんと全玉ちゃんが企画するAT-FIELDと言うパーティーでDJしました〜。自分が思ったよりも多くの人に遊びに来て頂いて、本当にどうもありがとうございました。ミキサーも持ってないんで当然繋ぎも出来ないので内心不安でしたが、取り敢えず自分の好きな曲をがしがしと回させて頂きました。う〜ん、レコードはやはりピッチ合わせや繋ぎが難しい…。後でCDJも使ったんだけど、BPM出るからレコードよりかなり扱いが楽でしたね。続きで回した曲やパーティーのお写真でもどうぞ〜
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| EVENT REPORT2 | 17:45 | comments(12) | trackbacks(2) | |
Ian O'Brien - Kokoro (OCTAVE-LAB: OTLCD-1245)
Ian O'Brien-Kokoro
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かつてただの古典的なジャズやファンクのファンでしかなかった青年は、90年代半ばにデトロイトテクノと出会う。そこから彼はテクノにもソウルが存在する事を知り、いつしかエレクトロニックミュージックへと傾倒し、デトロイトテクノを消化しつつも彼の基礎でもあるジャズやフュージョンを自然と融合させ、ハイテックなソウルを生み出す事に成功した。その人こそUK屈指のデトロイトテクノオタクであるIan O'Brien。2001年を最後にニューアルバムは途絶えているものの、時々発表するリミックスなどは相変わらずの輝きと力強さを伴い、地味に活動中。そして今、彼のリミックスワークや未発表曲をコンパイルした貴重なアルバムが遂に送り出された。断言しよう。

全てがキラートラックである。

今までヴァイナルでリリースされていたレアなリミックスや、Los Hermanosや盟友・Kirk Degiorgioとの共作、そして未発表曲、そのどれもが未来へと向かう力強い意志が感じられるハイテックなテクノだ。オプティミスティックに光る上物シンセ、力強く大地を踏みならすキック、躍動感に溢れたグルーヴ、それらが融合し幸せと希望を聴く者に抱かせる。無闇に暗いミニマルを作る事もせず、ただ派手なだけのアッパーハウスを作る事もせず、彼が愛しているデトロイトテクノに敬意を示しながら彼流のポジティブなテクノを聴かせてくれるのだ。特にJohn Coltraneの名曲である"Naima"のリミックスは、彼の作品の中でも最も美しくソウルフルで切ないコズミックフュージョンだと思う。リミックスであろうとオリジナルトラックであろうと、ここには彼の心が100%詰まっている。そしてHEART 2 HEART。





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| TECHNO7 | 07:30 | comments(11) | trackbacks(1) | |
Kirk Degiorgio - Mass (Applied Rhythmic Technology:ART8)
Kirk Degiorgio-Mass
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ちょっと前に新作をレビューしたばかりのUKのインテリテクノジェントルマン・Kirk Degiorgioですが、今度は15年ぶりに伝説のARTレーベルから新作をリリース。ARTはインテリジェントテクノのみならず初期のCarl Craigの作品もリリースするなどカルトな扱いを受けるレーベルなんですが、まさか今になってレーベルが再始動するとは。とまあそれだけでKirkの本気っぷりも分かろうもんだけど、相変わらず新作も良いです、文句無しです。もうね、完全テクノの道に戻ってきましたわ、Kirkさん。デトロイト的でもありかつヨーロッパ的でもあり、エモーショナルなシンセのラインと重くかっちりしたリズムトラックでがつんと踊れます。しかし読むよりも聴いて欲しい、そして感じて欲しい、何故なら音が全てを語っているから。ただのクラブトラックかもしれない、でもクラブと言う枠を越えてアートの如く美しく音色を発している。これがテクノなんだ、自分の求めるテクノの理想形の一つがここにある。

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| TECHNO7 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio - Jitter World (Abstract Forms:AFS_00.4)
Kirk Degiorgio-Jitter World
インテリジェントテクノ、デトロイトテクノ、ブロークンビーツ、ディープハウス、彼の手にかかればどんな音楽も繊細で優雅な内容に仕上げられてしまう。その人こそUKからデトロイトへの愛を送るAs OneことKirk Degiorgio。久しぶりの新作は、かつてのインテリジェントテクノを受け継ぐ洗練された綺麗目のテックハウス。リズムトラックが思ったよりも硬めになっていてフロア仕様なものの、やはり上物の透明感などはデトロイトソウルを感じさせ素直に心地良し。本場デトロイトのチープな出来に比べるとやはりKirkの場合は洗練されたと言う言葉が相応しく、それがUKテクノらしい音となっているんだろう。派手ではない、むしろ厳かで控えめで紳士的なKirkの人の良さを感じさせる音。そしてなにげにディープな、そう本当の意味で懐の深さを感じさせるディープテックハウス。流行に関係なく最高品質のトラックをいつの時代も送り出してくるね、文句無しに素晴らしい。

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| TECHNO7 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Remix Trax Vol.7 Cosmic Soul (Meldac:MECP30021)
Remix Trax Vol.7 Cosmic Soul
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取り敢えず本日で今年のレビューは最後。今年も毒舌、シモネタばかりの駄文ブログを読んでいただいた読者の皆様、どうもありがとうございました、そしてすいませんでした。ブログでは毒ばかり吐いている最低人間ですが、実際に会うとシモネタばかりの最低人間で、どっちにしてもダメですね、えぇ。でも音楽は本当に愛しているので、来年も皆様に楽しんで読んで頂ける様なブログを書くように精進したいと思います。特にクラブは行くけどクラブミュージックには詳しくないと言う人にも、音楽そのものに興味を持ってもらえるようになれたら嬉しいです。

さて最後は何故か今までレビューを放置していたテクノコンピ大名作の"Cosmic Soul"。"Cosmic Soul"って言うタイトル自体が素晴らしいじゃないですか、当時Remix編集長の小泉雅史のセンスには感嘆。この"Cosmic Soul"には単なるダンストラック以上の価値が含まれていて(勿論踊れないと言う訳でもない)、音楽にもっと知性や思考の喚起、感情の揺さぶりをもたらす音楽としての意味があるのだと思う。本コンピにはデトロイト系のUR、Red Planet、Carl Craig(Naomi Daniel、PCP)、Rhythim is Rhythim(Derrick May)、アシッドテクノのThe Kosmik KommandoとAcid Junkies(Stefan Robbers、Terrace)、UKインテリジェントテクノのAs One(Kirk Degiorgio)とReload(Global Communication)、そして日本のKen IshiiとC.T. Scan(CMJK)と本当に素晴らしいとしか言いようのないアーティストの曲が収録されています。多分今までリリースされたテクノコンピの中でも、ベスト5には入るのでないかと思う位に名曲揃いですね。各アーティスト確かに出音は違えど根底に共通するのは、エクスペリメンタルでエモーショナルな音と言う事。クラブでのリスニングに依存せず場所を問わない音楽としての純度を高めたエレクトロニックミュージックと言えば良いのかな。音楽自体が主張しリスナーの感情に問い掛ける力があり、個々の精神面に深く突き刺さるエモーションが発せられているのです。クラブにただナンパしに来たりただ騒ぎに来たりするのも否定はしないが、クラブミュージックにはそれだけの意味ではなく、もっと深い精神性がある事を認識させてくれるであろう音楽が"Cosmic Soul"なのです。クラブでも時折音にじっくりと耳を傾けて欲しい、そして深いインナースペースに飛んでみて下さい。

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| TECHNO6 | 08:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Morgan Geist - The Driving Memoirs (Clear:CLR437CD)
Morgan Geist-The Driving Memoirs
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やはりMorgan Geistと言えば、僕個人的にはUKのClearからリリースされたこの1stがお気に入りです。このClearと言うのはエレクトリックでテクノに基づきながらも、より自由なフォームを目指した音楽性を重視していたレーベルで、実際にDoctor Rockit(Herbert)やAs One(Kirk Degiorgio)、Jedi Knights(Global Communication)なんかもリリースをしていたんですね。本作もかれこれ10年前の作品になりますが古臭さは感じさせず、今聴いても新鮮なブロークンビーツとデトロイトテクノを掛け合わせたような電子音楽を聴く事が可能です。基本的には電子楽器での制作なんだろうけれど、生セッションから得られる様な質感のハットやキックのリズムトラックはファンキーだし、シンセなんかは透明感のあるパッド音がメインでもろにデトロイトテクノに影響を受けた感じでとても好みなんですよね。ただデトロイトの人達と比較すると、モーガンの音楽はよりエッセンスを抽出して澄んだ音を感じさせるのが特徴。それはヨーロッパらしい洗練された質感を持ち合せていると言う事で、汗っぽさや熱を感じさせず淡々とクールに作品を作り上げた様なイメージです。丁寧に繊細に作り込んでありじっくりと耳を傾けて聴きたい作品ですが、決して参考書通りになっておらず個性を発しているのも素晴らしい。

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| TECHNO6 | 11:00 | comments(5) | trackbacks(1) | |
Ian O'Brien - Mi Mix (Octave Lab:OTLCD1130)
Ian O'Brien-Mi Mix
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UKからデトロイトへの愛を奏でるマルチプレイヤー・Ian O'Brien。エレクトロニクスと生楽器を巧みに操りデトロイトテクノから、更にはルーツを掘り下げフュージョンやジャズまで創作する深い音楽性を持ち合わせた素晴らしいアーティスト。デトロイトへの愛を包み隠さずに表現するオプティミスティックな性格はその音楽にも表れていて、エモーショナルでロマンティックな音は聴く者を魅了する。そして長い活動を経てようやく彼の音楽的ルーツを探る初のMIXCDがリリースとなった。「デトロイトテクノのスタイルとサウンドは精神に基づいたものであり、地域的なものではない」、そう語るIanの発言通りこのMIXCDには地域も時代も越えた選曲がなされている。古いデトロイトのクラシックスから最新のヨーロッパの音まで彼の音楽性と共振するエモーショナルなトラックが、これでもかと選び抜かれているのだ。デトロイトからはGalazy 2 Galaxy、Juan Atkins、Carl Craig、Los Hermanosら大御所が、ヨーロッパからはKirk Degiorgio、Ray Kajioka、Nubian Mindz、そしてレアなアーティスト・LA Synthesis(全然知らなかったけど素晴らしい)までと、ビギナーから玄人まで納得出来る文句無しの選曲ではなかろうか。今回選ばれたトラックに共通点を見出すならば、それはやはり一聴しただけで心をノックアウトするメロディーが存在している事。テクノと一般的には無機質だったり堅苦しいイメージがあるかもしれないが、テクノは感情的であり魂が込められた音楽でもあるのを忘れてはならない。だからテクノのエモーショナルな面を最も表現しているこのMIXCDは、テクノに入り始めた人にとっても大変有意義な物である。そうそうIanの新曲"Umi"(と言ってもライブやDJでは一年以上前から披露されているが)も素晴らしい。初期のマッドマイク病に冒されていた頃の雰囲気を思わせるテクノだ。この調子でオリジナルアルバムも期待したいものである。

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| TECHNO6 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
P'Taah - De'compressed (Ubiquity Records:URCD071)
PTaah-Decompressed
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Ananda Project名義で耽美なハウスを奏でる人気アーティスト・Chris Brannは、P'Taah名義ではダンスミュージックに囚われる事なく、より複雑なプレイで生演奏の有機的な構成を生かしたリスニング的な音楽に取り組んでいます。基本的にChris Brannはどんな表現方法であれ耽美な感性を失わない事は共通しておりますが、P'Taah名義ではクラブジャズやフュージョンが好きな人に焦点が合っているのかなと思います。本作は"Compressed Light"(過去レビュー)を複数のアーティストがリミックスしたリミックスアルバムでして、Offworld名義でKirk DegiorgioやX-Press 2のAshley Beedle、そしてChateau Flightなど上品なセンスを持つ方が参加しておりP'Taahのリミックスには最適ですね。どれも小気味良い繊細なグルーヴを持つブロークンビーツに手直しされて、耽美なだけでなく更にエレガントに深化して上質なムードを感じさせますね。ハウスのストレートなビートも気持ち良いけれど、複雑に織り込まれた変則的なビートも癖があって耳にしっかり残って良いですよ。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
As One - Reflections [Limited Edition] (Spiral Records:XQAW-1012)
As One-Reflections
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"Electric Soul Classics"においてアルバムが3枚も復刻をされたAs OneことKirk Degiorgioですが、それは90年代の作品が実に素晴らしい作品でありながら如何に世に流通しなかったであろうと言う事を物語っています。この作品がリリースされたのは1994年、その頃と言えばテクノがただ踊る目的だけではなくホームリスニングにも適した知的な音楽へと変わりつつあり、またデトロイトリヴァイヴァルとも重なっていた時期でもあり、その流れに沿った典型的な音がこのアルバムには封じ込められています。よってまだKirkがジャズへ向かってしまう前のテクノがここには有り、デトロイトのロマンティックな面を全面に受け継いだ情緒性の高い音が優しく耳に入ってきます。今聴けば流石に青臭さやチープな印象は抗えないのですが、それでも透明感溢れる美しいシンセやアナログ特有の温かみのあるリズムは古典的なテクノが好きな人にはぐっと来そうな感じです。AI(Artificial Intelligence)シリーズまたはピュアテクノと呼ばれた物、そして90年初期のデトロイトテクノとコネクトしているKirkの初期名作でした。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(7) | trackbacks(0) | |
Jimpster - Mix This (KSR HOUSE:KCCD279)
Jimpster-Mix This
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現在だとスーパーインプロヴィゼーションバンド・The Baysのキーボーディストと言う肩書きの方が有名なのか、JimpsterことJamie Odellのハイセンスなハウスミックスが出た!どうしていきなり強調してるかと言うと当初は全く買う予定が無かったのに、店頭で試聴したら思いの外好内容で衝動買いしたから。本作はJimpsterが運営しているレーベル・Freerange Recordsの作品のみを繋いだレーベルサンプラー的な内容だけど、しかしこれが本当に一つのレーベルの音源だけを使用したのかと疑いたくなる位、質の高い曲が詰まっている。同じコンセプトでここまで質が高いとなるとFrancois K.が送る"Deep & Sexy"シリーズ(過去レビュー)位しか真っ先に思いつかないけれど、本作は伝統的なハウスを聴かせる"Deep & Sexy"に対しより未来的でよりテクノ的であると思う。もちろんグルーヴの基本はハウスなのだがシンセの使い方がテクノ的で、華麗で西洋の美しさを匂わすエレクトロニックな音質が正にテックハウスと言われる物。ただ綺麗なだけではなくエレガント、つまりは優雅な気品も持ち合わせ、尚かつそれが鼻につく事もなくさらりと上流階級を味合わせてくれる庶民にはもってこいの内容なのだ。序盤〜中盤はブロークンビーツやディープで抑え目できて、そして10曲目以降が天にも昇る高揚感が続く4つ打ちテックハウスでピークに持っていく。そこら辺ではデトロイトテクノにも似た未来への希望が溢れ出ていて、デトオタも納得させるハイテック感覚を感じる瞬間があるだろう。そしてラスト間際のKirk Degiorgioの"Starwaves"に、テクノの最良の瞬間を垣間見るかもしれない。Kirk DegiorgioやIan O'Brienが好きな人には、絶対間違い無い一枚になりそうだ。

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| HOUSE3 | 19:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
As One - Celestial Soul [Limited Edition] (Spiral Records:XQAW-1009)
As One-Celestial Soul
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本日も"Electric Soul Classics"シリーズ第3段の一つ、As OneことKirk Degiorgioの2NDアルバムを紹介致します。相変わらずだけどこのシリーズは痒い所に手が届くチョイスで、企画者は存分に90年代のテクノシーンに理解があるんだろうなと思わせます。売れ線とかアングラとかそんな視点で選択をするのではなく、当時は一部にしか理解されずとも現在になっても輝きを失わない本当の名作を復刻すると言う大変意義のある仕事で、自分が音楽関係の仕事に携わっていたら敬意を払う様な感じですね。まあそんな事はさておきUKからテクノとジャズの橋渡しを行っているKirkさんの2NDですが、これまた非常に素晴らしい!聴いて最初に思った事は、当時Warp Recordsが提唱していたAI(Artificial Intelligence)系の音そのまんまだと。何も知らなければThe Black Dogの作品と言われても気付かない位かも。ここではテクノとジャズが自然と共存し、デトロイトの感情豊かなソウルとヨーロッパの上品な感性が見事なまでに溶け合っているのです。どちらかと言えばデトロイトテクノそのものは考えて作り込むよりはその一瞬の感性を大事にするような傾向が有る様に思えて、やはりKirkらUK周辺のアーティストの音はソウルは込めつつも知性的に音を構成して洗練した作品を創るのが得意ですよね。悪く言えばデトロイトテクノは安っぽい所もあるんだけど(ソコが良いんだけどさ)、デトロイトテクノのフォロワーは良い意味でそれをアップグレードしているんですよ。Kirkは勿論デトロイトのフォロワーではあるけれど、その中でも格段に群を抜いてるなと思います。ジャズの即効的なグルーヴもあるしテクノの未来的な感覚もあるし、ある意味ボーダレス。90年代にこんな事やってたなんて、やっぱりKirkの先見性には目を見張ってしまいます。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:50 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Renaissance Presents Nic Fanciulli Vol.2 (Renaissance:REN31CD)
Renaissance Presents Nic Fanciulli Vol.2
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前職を辞めて一ヶ月、その間に久しぶりにPCゲームをしたりハローワーク通ったりお家で昼寝をしたり、なかなかグダグダな生活を送っていました。がやっと新しいお仕事が決まり、これからは責任を持って社会人としての生活を送る事になります。最初の内は研修期間だろうと思われるのでそこまでは忙しくないと思うのですが、その後はIT関連なので時間も不規則になり多忙な予感がしています。まあこのブログも多少ペースは落ちる可能性が高いけれど、マイペースでがんばるぞっと。

今日は昨日に続きプログレッシヴハウスのMIXCDで、担当はUKプログの新星・Nic Fanciulli。自分は全然彼に関しては知らないのですが、MIXCDの中で自分の好きな曲が使用されていたのでついつい買ってしまいました。"Early Doors"と"Late Night Floors"と言う風に2つの異なるコンセプトで選曲をされていますが、まずは"Early Doors"から。日が変わる前のクラブをイメージしたと思われるタイトルですが、確かにそこまでアッパーではないしむしろラウンジなどで軽くBGMとして流れる位の耳当たりの良い内容だと思います。透明感に溢れ身も心も軽やかにお酒の進みそうな音ではあるんだけれども、ちょっとビートが弱いかなと…。自分の中でプログレッシヴハウスと言うと、徐々にエネルギーを溜めて終盤に上げて行く強烈な4つ打ちが好きなので、物足りなさが残るかな。しょうがねーなーと思いつつ"Late Night Floors"を聴いてみると、こちらは最初から滑らかな4つ打ちが鳴っています。しかしこの人の選曲って良くも悪くもメロディーの起伏が多く、MIXCDなんだけれども一つの世界に統一されてないのですね。例えば他のDJだと色んな楽曲を使っても見事に調和の取れた世界観を創り上げるけど、この人の場合MIXじゃなくてコンピを聴いている気持ちになってしまうなぁ。流行のエレクトロハウスっぽい音や綺麗目の音も入れたりしてそつはないけれど、なんだか全体的に緊迫感が持続しないのは何故?比較するのは可哀想だけれども前日紹介したHernan Cattaneoに比べると、Nic Fanciulliはまだまだと思わざるを得ない出来ですね。自分が聴きたかったFunk D'Void(=Francois DuBois)の新曲は予想通り素晴らしかったです。

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| HOUSE3 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio - Germanium (Archive:DPU1141)
Kirk Degiorgio-Germanium
WEB注文していたデトロイト関連の3枚のEPがやっと届いたので、リリースから時間は経っておりますが一枚ずつ紹介したいと思います。まずはAs One名義でもデトロイトテクノに影響を受けた楽曲をリリースするKirk Degiorgioですが、昨年リリースされたアルバム"Planetary Folklore 2"(過去レビュー)からのシングルカットが本作。なんとリミキサーにはUnderground ResistanceからLos Hermanosが参戦すると言う、デトロイト〜UK同盟。オリジナルはノンビートでふわふわと浮遊する感覚が心地良いコズミックな楽曲でしたが、Los Hermanosは流石と言うべきざっくりとした生の質感も混ぜた臨場感のあるリミックスに仕立てました。オリジナルには無い乾燥したリズムトラックは軽やかにパーカッシブで、それをミニマルな展開でエネルギーを溜めていきます。そしてブレイクでは一気に宇宙に弾けるかの如くオプティミスティックなシンセが響き渡り、感動の余韻が待ちわびる至福の一時。何も難しい事はしておらずすんなりと耳に馴染むリミックスながらも、デトロイトテクノをそのまんま感じさせるお仕事はやっぱり上手いなぁ。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The New Season (Archive:FILE3CD)
The New Season
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これもHMVで格安で購入したブロークンビーツコンピレーション。Archiveと言えば西ロンシーンで活躍するレーベルで、DomuとかAs One(Kirk Degiorgio)らの作品をリリースしています。参加アーティストはPavel Kostiuk(Dego)、Nu Era(Marc Mac)、Scuba(King Britt)、Domu、Mustang(Alex Attias)、Opaque(Seiji)、Volcovらとブロークンビーツシーンでは有名な人ばかりで新曲、既発曲、リミックス曲を織り交ぜて誰もが納得する出来になっています。普段この手の音楽はそれ程聴く事はないのですが、ここに収録された曲はどれもソウルフルでメロディーもしっとりムードを感じさせるので聞き易いですね。しかも非4つ打ちなリズムでも、身も心もスウィングする様な躍動感があります。繊細なプログラミングと洗練された音色は、最先端の都会に流れている様な音楽ですよね。discogs.comの紹介だと「Detroit inspired nu-jazz」と紹介されていますが、確かに中にはスペーシーな感覚のジャズもあるし、むしろこれらを新世代のジャズと呼んだって良いじゃないかと思います。クラブジャズはもう既に本流のジャズにも負けない程、現在のクラブジャズ/ブロークンビーツは成熟してきていると感じました。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Yotoko - Wet Ink (Delsin:42dsr/ytk-cd1)
Yotoko-Wet Ink
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HMVで格安で購入したYotokoのアルバム。レーベルを見て貰うとデトロイトの血を色濃く受け継ぐオランダ発Delsinからのリリース、であるなばら当然どんな音楽かはだいたい予想がつくのでは。Yotokoは実というとDomuとかRima名義でも活躍するDominic Stantonのユニットで、ブロークンビーツ、ジャズ、ソウル、テクノ、ハウスなどを高度なプログラミングを以てして流麗に融合する事が出来る人です。あんまりYotoko自体は気にはなっていなかったけど安かったしDelsinからだし、取り敢えず買ってみたんですけど内容は思ってたよりも好印象でした。リズムは細かく複雑なのに踊りやすいグルーヴを保っていて、プログラミングを駆使したであろう生っぽい音で更にライブ感を増長します。そこに決して派手になりすぎない控えめで綺麗目のテックサウンドを乗せて、上品なコズミック感を演出。となれば悪い作品が生まれる訳がなく、テクノ、ハウス、クラブジャズなど多方面から好感触を得られるようなアルバムではないのかなと。そう言う意味ではクロスオーバーと言うべきで、小洒落たカフェとかで流れてきそうですね。Ian O'BrienとかKirk Degiorgioが好きな人は、間違いなく買い!

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
As One - In With Their Arps, And Moogs, And Jazz And Things [Limited Edition] (Spiral Records:XQAW-1002)
As One-In With Their Arps, And Moogs, And Jazz And Things
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昨日に引き続き90年代の普遍的名作を再発する「Electric Soul Classics」シリーズの一枚を紹介しましょう。本日はUK屈指のデトロイトフォロワー・Kirk DegiorgioことAs Oneの97年リリースのアルバムです。97年の僕と言えばまだ(デトロイト)テクノを聴き始めたばかりで、Derrick MayとかJeff Mills位しか知らなかったんですよね。タワレコでIan O'Brienの1stアルバムが紹介されていたのは覚えているけれど、その当時それを買わずに過ごしてしまう位テクノに対しまだ深い知識も無く、当然Kirk Degiorgioの事も全く知りませんでした。でもこの作品を聴いて思ったのは、きっと90年代のテクノシーンは今よりも希望に溢れドキドキするような感覚があったんだろうなと言う事。彼は最初の内はいかにもデトロイト系の作風が多くこのアルバムでもアトモスフェリックなシンセサウンドは心地良いのですが、規則正しい4つ打ちは排しより複雑で生身のプレイを思わせる繊細なリズムを聴かせ始めています。ああ、彼はテクノとジャズを一緒に存在しうる物だと考えていたのですね。もちろん皆様周知の通りデトロイトテクノは、ハウスもソウルにも影響を受けていればジャズにだって影響を受けているのですが、90年代においてデトロイトテクノは電子音楽としての"テクノ"と言う地位を確立していたと思います。しかしKirkはブラックミュージックに影響を受けてそこからデトロイトテクノに傾向していったので、その彼が結局行き着くのはジャズと言う事だったんでしょうね。そう言った意味でデトロイトテクノにジャズを再度取り込もうとする姿勢は、過去の遺産に対する尊敬とまた未来への挑戦が感じられて褒め称えるべきでしょう。控えめな情緒と慎ましいムードで内省的な音だとは思いますが、この当時Kirkが新たなる道を切り開こうとした意志は感じられます。これ以降は更にテクノ色を弱め生音を増していき、ブロークンビーツ/クラブジャズの繁栄に寄与した訳ですが、その繁栄前夜の実験的アルバムと言えるでしょう。「ジャズは生き方そのもの」と認めるKirk Degiorgioだからこそ成し得た結果です。限定盤なのでお早めにどうぞ。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio Presents As One - Planetary Folklore 2 (Archive:CDDPU1128)
Kirk Degiorgio Presents As One-Planetary Folklore 2
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僕が常に注目しているUKのデトロイトフォロワー二大巨頭・Ian O'Brienと、そしてAs OneことKirk Degiorgio。この二人、ジャズ、フュージョンから始まりデトロイトテクノなるエレクトロニックミュージックに影響を受けた人達なのですが、彼らの様にデトロイトテクノをブラックミュージックの一部として真に理解しているアーティストは少ないと思います。だいたいの人はデトロイトテクノだけに影響を受けている場合が多いのでしょうが、ジャズやフュージョンにも深い愛情のある彼らはテクノのみならず、コズミックなフュージョン/クラブジャズを創る技にも長けています。

1997年、Kirk Degiorgioはクラブジャズシーンに対しMo'Waxから「Planetary Folklore」を投下しました。プログラミングと生演奏のせめぎ合いから生まれる臨場感溢れるクラブジャズ。あの当時まだ早かった音楽でしたが、その作品でKirkは多大なる影響を残してきました。そして前作リリースから早10年、深化した続編がシーンに届きました。果たしてどうだろう、10年経ってKirkはどう変わったのか。前作がソウルフルで生暖かい印象ならば、今作はタイトル通りもっと宇宙(そら)を感じ、ポジティブで明るさを前面に打ち出した印象があります。複雑なドラムセッションもあれば、上音はコズミックでエモーショナルなシンセサウンドに溢れているし、デトロイトテクノとジャズの類い希なる融合とも言えるかもしれません。ジャズに影響を受けつつもデトロイトサウンドを強襲し、むしろテクノの未来に向かう期待感が増してきたのだと断言します。きっとKirkは今幸せを感じ、至福の時を過ごしているのでしょう。でなければこんなにもポジティブで、光り輝く音楽なんか創れやしません。一音一音が、光の粒子の様に煌めきを放っているのです。遠く暗い宇宙の中でも、きっとKirkの音ならば見つける事が出来る様に輝き続けるのです。これこそ、コズミックフュージョンテクノ!

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Quietwave (Village Again:VIA48)
Quietwave
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今まで数多くのCDを紹介してきましたが、その中でも断トツの心地良さ、リラックスした空間を創り上げるコンピレーションが登場しました。その名も「Quietwave」=「静かな波」。選曲を担当するのはKyoto Jazz Massiveの沖野修也で、アルバムのコンセプトは映画館(映画ではない)のサウンドトラック。アルバム内の彼自身の解説を参照すると、海の見えるラウンジでリラクゼーション的な効用を持つ音楽を集めたとの事。キーワードは波、α波、音波、波動、波形。後は貴方自身でコメントを参照して頂きたいが、本当に落ち着いてムードのある音楽が集められたなーと率直に思います。単純にミーハーでお洒落な曲を集めたのではなく、Ian O'Brien、Kirk Degiorgion、Aurora(Kaoru Inoue)、Lindstrom & Prins Thomas、Lars Bartkuhn(A.K.A. Needs)ら各シーンで新時代を切り開いてきた一線で活躍するアーティストの曲を、しかも特にヒットした曲でもないのによくぞ堀探してきたなと思わせる曲ばかりを集めています。だから決してこれらの音楽を聴いても高揚する事は無く、むしろ体の火照りを冷ましじっくり静かな音に耳を傾けてくつろげる時間が提供される事でしょう。ジャズ、フュージョンの中にもテクノやエレクトロニックな音が混じり合い、決して懐古的なイメージは持たせません。2100円と言う買いやすい金額ながら、内容は最上級のリラクゼーション(チルアウトの享楽的な心地良さとは別の心地良さ)。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Beauty Room (Peacefrog Records:PFG060CD)
The Beauty Room
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UK屈指のデトロイトテクノフォロワーとして注目を浴び、そこからクラブジャズへの回帰を見せたりしつつも時にピュアなテクノ作品をリリースしたり、まあ分かり易い経緯を辿るKirk Degiorgio。今作はThe Beauty Roomと言うユニットを組んで、ボーカルを全編採用した予想外のイビザの空気を取り込んだソフトロック路線??巷ではバレアリックAORなんて言われているけれど、意味が良く分かりません。ユニット名からしてかなり耽美的な雰囲気が漂っていますが、実際に出てくる音は想像以上にとろける甘さ。殆どがギターやシンセ、ドラム、ストリングスを使用し、機械に頼るのは一部。それらが絹の様に優しく紡がれて、極上に甘くメロウなハーモニーを奏でます。Kirk Degiorgioの作品だと思って、テクノだとかクラブジャズだとかを期待していると裏切られます。ただ僕はこのリラックスしたアコースティックサウンドは耳に優しく入ってくるし、ベチャベチャと砂糖も溶けてしまう様な耽美な甘さも有りだと思いました。ちなみにギターを演奏するのは、Kirkの盟友Ian O'Brienです。秋の夕暮れ時、海のサンセットを見ながら佇んで聴きたいなー。

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| ETC1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Global Communication - Fabric 26 (Fabric Records:FABRIC51)
Global Communication-Fabric 26
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90年代においてアンビエントテクノは時代を謳歌し、確実に最良の瞬間がありました。その当時活躍していたのはThe OrbやKLF、The Irresistible Force、そしてこのGlobal Communication(以下GC)で、彼らこそアンビエントテクノの代表者と言っても過言ではないでしょう。GCはTroublemanとしても活躍するMark PritchardとTom Middletonから成るユニットなのですが、近年は全く活動をしてなかったので解散したと思っていました。ところがなんとFabricシリーズにGC名義で参加が決まってびっくりです。もちろんMarkとTomの二人によるミックスではありますが、更にびっくりなのは全然アンビエントテクノでは無い事。Tomは元々クロスオーヴァーなプレイをするのを聴いていたので違和感は無いのですが、GC名義でもダウンテンポ、トリップホップ、テクノ、ハウスとごちゃまぜでこれはGCファンには確実に物議を醸し出すプレイかもしれません。しかし個人的には序盤のダウンテンポでけだるいスモーカーズサウンドから、徐々にジャジーでスイングする展開になり、盛り上げ気味にテックハウスのクールな4つ打ちに移行する流れが素晴らしかったです。前半のダウンテンポには最初は戸惑うかもしれませんが、後半への布石と考えるとこれはこれで良いのかなと。後半はやはりテクノのユニットらしく、エレクトロニックな洗練された音でまとめて良い感じで締めましたね。またFabricシリーズに名作が加わりました。全編アンビエントなプレイも聴いてみたいと言う欲望もありますが、それはまたいつか。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Electric Institute (New Religion:REG118CD)
Electric Institute
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今年はやたらデトロイトテクノがブームになっている気がします。デトロイトの大物の来日、レアなコンピレーションやデトロイトクラシックの再発、限りなく続く新譜の発表などとにかく今年はデトロイトが熱い!それでだ、年末に差し掛かり究極のデトロイトコンピとも言えるアルバムが遂に出ました。今まで数多く発表されたデトロイトテクノのコンピレーション(「Cosmic Soul」や「Panic In Detroit」、「Virtual Sex」など)を上回る力作、確実にデトロイトの最良の瞬間が閉じこめられている「Electric Institute」です。コンパイラーはデトロイト信者であるKirk Degiorgioが務めているのですが、彼のこの仕事は尊敬と畏敬の念を以てして迎えられるべきである程です。Kirk自身はAs One、Blue Binary、Super-A-Loof(Ian O'Brienを含む)名義で曲を提供し、そしてデトロイトの天才69(Carl Craig)、新世代デトロイトアーティストNewworldaquarium、古参のデトロイトフォロワーBalil(元Black Dog)、デトロイトハウサーShake(Anthony Shakir)、Derrick Mayの愛弟子Stacey Pullen、そしてリミキサーとしてDerrick Mayも起用され、これまでに類を見ないアーティストが集結しています。隠れた未発表音源や未発表バージョンを集める為に各アーティストに声をかけたとの事ですが、さすが信頼を置けるKirkだからこそこれだけの楽曲を集められたのでしょう。どの曲も90年前後のデトロイトテクノ至福期を感じさせる深いエモーションを感じさせ、未来派なテクノサウンドはこれからも歩みを止めないデトロイトテクノの前衛性を表現しています。これを機にKirkはかつて活動させていた伝説のテクノレーベル・ART(Applied Rhythmic Technology) を復活させ、テクノの可能性をこれからも追求していくそうです。確かにこのコンピを聴けばテクノの深さと広大さはまだ無限の様であり、それはテクノを含めたエレクトロニックミュージックの可能性にも繋がっていくのだと思いました。冗談ではなくて期待と幸福、そして可能性を見出せるのです。本当に素晴らしいコンピレーションが登場しました。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(2) | |
Versatile Mixtape Mixed By Dj Gilb'r (Versatile:VERCD012)
Versatile Mixtape Mixed By Dj Gilbr
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フランスで一番お洒落で上品なハウスレーベルと言えば、真っ先に思い浮かぶのがVersatileです。レーベルを主宰するChateau Flightを筆頭に、Pepe Bradock、Next Evidence、Phil Asher、Kirk Degiorgio、Future Beat Alliance、Franck Rogerなども作品をこのレーベルから発表するなど繊細で美しい楽曲を得意とする人達が集まっています。今作はVersatile音源からChateau FlightのI:Cubeが選曲を、DJ Gilb'Rがミックスを行っています。しかしハウスは世界中に色んな音があれど、ここまで洒落ていてキザな音はそうは無いんじゃないでしょうか。しかもただの洒落たハウスじゃなくてクラブでも使用出来るリズム感もあるし、メジャーに対して尖った感覚も持ち合わせています。お洒落なハウスは数あれどそういった物に埋もれる事もなく、Versatileとしてレーベルカラー・上品さと硬派さがしっかり出ていますね。ハウス、ジャジー系、ディスコ、テクノなど色々な物がミックスされていますが、どこを切っても上流階級の様にエレガンスで、侍の様に男気に溢れています。目玉は何と言ってもChateau Flightの「Cosmic Race」でしょうか。究極にエレガンスと繊細を極め、クリスタルの結晶に光が乱反射する様な美しさを発しています。他にもうっとりメロメロになる曲ばかり。静かな夜のお酒のお供にどうでしょうか?

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| HOUSE2 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
As One - So Far (So Good)...Twelve Years Of Electronic Soul (Ubiquity Records:URCD133)
As One-So Far (So Good)
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As OneことKirk Degiorgioの12年間の軌跡を追ったベストアルバム。「Twelve Years Of Electronic Soul(電子精神の12年間)」のサブタイトル通り、電子楽器で如何にして人間味溢れる音楽をやろうとしていたのかが現れています。元々デトロイトテクノフォロアーとして評価されていたので、初期の頃の音源を聴くともろにデトロイトサウンドだなぁと良くも悪くも感じます。現在ではデトロイトテクノを自分なりに解釈してAs One風の音を持ち合わせていますが、それと比べるとまだまだ稚拙で「電子楽器でジャズ風な曲を作っちゃったぜ〜」とかそんな雰囲気ですね。またオリジナルデトロイトに比べると、ソウルフルな面も薄められてファンキーさは皆無な点がやはりフォロアーな立場だったのでしょう。しかしながらやはり良い作品ではあると思います。90年前半のAI(Artificial Intelligent)全盛期の知的で厳かな作風を持ち合わせていて、イマジネーションを喚起させる様な感覚があります。また音の出し方が微妙にアンビエントに近くて、心地良く聴ける事も褒められる点でしょう。今では入手困難なARTレーベルやNew Electronicaレーベルの音源や、未発表曲も含まれているので是非この機会に購入してみて欲しいです。

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| TECHNO2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Kirk Degiorgio Presents As One - Elegant Systems (Octave-Lab:OTLCD-1024)
Kirk Degiorgio Presents As One-Elegant Systems
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デトロイトテクノのアーティスト、もしくはそのフォロアー達は何故か電子楽器を捨てて自分たちのルーツであるジャズやファンク、ソウル等に回帰する傾向が見られる。Kirk Degiorgioも最近は以前程電子音楽を強調する事なく、むしろ生楽器を多用してジャズやブロークンビーツに傾倒していたと思う。それはそれで悪くは無いとは思う…

がである、やっぱり僕は電子音楽が好きなんですよ。そんな気持ちを汲み取った訳じゃないだろうけど、Kirkがフランスの耽美派ハウスレーベル"Versatile"から、初期の様なデトロイトライクな作品を送り出しました。去年にもアルバムを出したのに一年と経たずにこのアルバムを出すなんて、よっぽど制作意欲があったに違いない。レーベルカラーに沿ったお洒落かつ上品なモードも維持しつつ、"Elegant Systems"と言うタイトル通り落ち着きを持った優雅な雰囲気もある。以前にもデトロイト系のトラックは作っていたけれど、その時以上にベテランの力を感じさせる奥深く丁寧な作り。とても繊細で優しく、しなやかなシルクの様に美しい。ファンキーさは皆無、それよりもエモーショナルな点を強調し凛とした輝きに溢れている。生楽器重視のスピリチュアルなトラックを制作していた経験も生かし、電子楽器で織りなす新たなるフューチャーミュージック。Fabrice Ligやデトロイトテクノ好きは是非とも聴き逃さずに。

日本盤ボーナストラックのCALMのリミックスもかなり良い。完全フロア対応に仕上げています。EPで出ないかな?

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Upcoming Event
2005/05/28 (SAT) UNITE @ UNIT
DJs : CHARLES WEBSTER, IAN O'BRIEN

2005/06/03 (FRI) BETTER DAYS @ Module
Special Guest DJ : Mike "Agent X" Clark
DJs : Takamori K., No Milk, Misuzu, Sumitani

2005/06/10 (FRI) REAL GROOVES Volume 5 @ Yellow
DJs : Steve Bug、AKR + John Connell
Live: Luciano

2005/06/10 (FRI) IRIZO @ WOMB
Special Live Set : Speedy J
Special Guest DJ : Shufflemaster(traktor DJ set)
DJs : YOHEI ISHIJIMA, Nxx Oxxxx

2005/06/10 (FRI) Autechre @ CLUB CITTA' KAWASAKI
Live : Autechre
special guests: LFO, Rob Hall, Russell Haswell

黄金週間も終わり、祭りも終わり、宴の終演を迎えたようです。5、6月はそんなに大きなイベントもないなぁ。ま、CHARLES WEBSTER+IAN O'BRIENは絶対行きますけど。Speedy Jは1〜2年前に来日の話があって、急遽キャンセル。そして遂に来日ライブが決まりましたね。Surgeon並に超極悪な音を出せるやば〜いアーティストなので、興味津々です。

追加

2005/06/25 (SAT)MUSIC CONCEPTION presents MOONBEAMS @ Yellow
DJ : K.F. aka Calm
Live PA : Kirk Degiorgio (As One), New Ponta Box

2005/07/02 (SAT) LARRY HEARD JAPAN TOUR 2005 @ Yellow
DJs : Larry Heard aka Mr.Fingers, Alex From Tokyo

またまたラリーハードがイエローを襲撃。何度も行こうと思ってたのに予定が合わずに行けなかったので、今度こそ行かせてもらいます。
| UPCOMING EVENT | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
As One - Out Of The Darkness (Ubiquity Records:URCD158)
As One-Out of the Darkness
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Ian O'Brienと並ぶUKのエレクトリックソウルの双璧、As OneことKirk Degiorgio。Ian O'Brienとも親交の深い彼は当然元々はデトロイトフォロアーだった訳だが、次第に生音指向を深め前作の「21st Century Soul」(なんて大袈裟なタイトルなんだろう)ではジャズやソウルを吸収した素晴らしいブロークンビーツを披露した。そんな彼の最新作は遂にボーカルやラップまで投入し、文句ない傑作となった。「21st Century Soul」と大幅な変化は無いのだが、やはりボーカルが入っただけでこうも変わるのかと言った感じ。聴いているだけで温かいソウルに包まれ軽やかな気持ちになっていく。ダウンテンポな曲ではムーディーに、アップテンポな曲では透き通る空の様に明るい。Ian O'Brienが宇宙を目指したのなら、As Oneはあくまで地球に回帰するコズミックソウルだろう。視点は違えど両者の目指す点に相違は無い。ジャズがファンクがソウルが昇華され、As One流エレクトリックソウルとなった。

試聴

Check "Kirk Degiorgio"
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:00 | comments(1) | trackbacks(1) | |
Techno Legend,Juan Atkins Has Come Back!!!
Juan Atkins-Back To Basics Part1 Juan Atkins-Back To Basics Part2 Juan Atkins-Rebound
左からBack To Basics Part.1(Regal Recordings:REG92)、Back To Basics Part.2(Regal Recordings:REG89)、Rebound(Subject Detroit:Sub005)

Juan Atkinsと言えばデトロイトテクノ創始者。かのDerrick Mayも彼には頭が上がらないとか。もうゴッドファーザーですよ、神ですよ。テクノ、エレクトロ、そしてジャズまで器用にこなす彼は生ける伝説です。そんな彼も最近は活動を潜めて何してんだか謎だったが、今年は精を出して働いています。今年に入ってもう3枚もEPを出しているなんて、嬉しい限りです。Back To Basics Part.1のA面はドラムンベース?な展開。あれ?って感じだけど、透き通るようなデトロイト特有の上物シンセは間違いない!これぞデトロイトな音だ。B面はちょっと生っぽくKirk Degiorgioがリミックス。Back To Basics Part.2はB面が美味しい。上物シンセはPart.1と似ているが、リズムが直線的。ガシガシと体をシャッフルします。そして極め付きはReboundのA面。オリジナルデトロイトテクノに回帰しています。リズムは太いんだけどオールドエレクトロな雰囲気も漂わせつつ、ピコピコなシンセが乗っかる所なんてKraftwerkを喚起させる。エレクトロとテクノの良い所取り。B面に昔の曲のリマスターが入ってるのは、許しましょう。もう活動歴20年、老いて尚盛んなJuan Atkins。この勢いでアルバムも作っちゃってください。

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| TECHNO1 | 11:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |