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Midnight In Tokyo Vol. 1 (Studio Mule:Studio Mule 1 CD)
Midnight In Tokyo Vol. 1
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日本発のレーベルでダンス・ミュージックの業界で最も知られているレーベル、おそらくそれはMule Musiqである事に異論を唱える者は少ないであろう。国境を越えて日本を含む世界各国から知名度だけに頼らず確かな才能を持ったアーティストの作品を送り出し、レーベルの成長の過程で音楽性によってEndless FlightやMule Electronic等にも分岐しながら、今や世界的に見てもトップレーベルの一つになっている。そんなレーベルの新たな試みが現在のダンス・ミュージックにこだわらないStudio Muleという姉妹レーベルで、初めは日本の昔の音楽に焦点を絞っているそうだ。レーベル第一弾である本作は7〜80年代の日本産ブギー&ディスコがコンセプトで、当方には知らないアーティストの作品が名を連ねているものの、だからこそ逆にそのどれもが懐かしい響きと共に新鮮な音楽に聞こえてくる。オープニングはハーモニカ奏者の八木のぶおによる"Mi Mi Africa"、土着的なパーカッションの導入からファンクなベースにゴージャスなブラスやハーモニカが入ってきて、情熱的なアフロ・ファンクを聞かせる。続く清水信之による都会的でレトロ・モダンな雰囲気のあるシンセ・フュージョンの"Silver Top"、Piperによる爽やかな風が吹いてくるメロウなAORの"Samba Night"など、当時の時代の空気を含んだ懐かしさがいっぱいながらも色褪せないメロウネスには潤いが感じられる。こちらも輝かしい光沢のあるブラスやシンセに装飾された高村亜留による和風ポップスの"Koi Wa Saikou (I'm In Love)"、愛らしくキュートな歌も相まってもうメロメロだ。KraftwerkやYMO辺りに触発されたようなHonma Expressのポップなエレクトロ・ビートが聞ける"What The Magic Is To Try"は、テクノポップという表現がぴったりだ。同様に少女隊 & Red Bus St Projectに"Electric City"もエレクトロニックなビート感を前面に、刺激的なニューウェーブ感も盛り込んで刺々しさが格好良い。またミニーによる"Rocket 88"は随分と哀愁が漂っており何だか昔のアニソンのような雰囲気もあるが、感情を熱くするボーカルやベースやシンセが躍動するシンセファンクな曲調によって、ぐっと盛り上がる一曲。和モノを軸にしっとりメロウから肉体の躍動感までバランス良く選曲されており、外れなしの間違いないコンピレーションは流石Mule Musiqだ。第二弾も既にリリース間近と、世界的に盛り上がる和モノの中でもこのシリーズもきっと存在感を強めるに違いない。



Tracklistは続きで。
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| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2018/4/30 Underground Resistance as Depth Charge Live in Tokyo @ Contact
2016年、Taico Clubで初お披露目となったUndergorund Resistanceの新たなるプロジェクト・Depth ChargeはMad Mike BanksとMark Flashによるユニットだ。現在はバンドであるGalaxy 2 Galaxyが休止状態の為、その穴を埋めるようなプロジェクトかと思われるが、今回遂に都内クラブのContactへ初登場する。それをサポートするのはDJ WadaやKen Ishii、そしてセカンドフロアにはHiroshi WatanabeやTakamori K.らが集結と、完全にデトロイト魂なパーティーが開催された。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Model 500 - No UFO's Remixes (Metroplex:M-046)
Model 500 - No UFOs
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デトロイト・テクノのオリジネーターであるJuan AtkinsによるModel 500、その名義では第一弾となる1985年にリリースされた『No UFO's』からデトロイト・テクノ、ひいてはテクノの歴史が始まったと呼んでも過言ではないだろう。勿論その前にもKraftwerkやYMOもテクノと呼んでも差し支えない音楽を作ってはいたが、黒人がそこに由来するファンクやソウルを電子音楽で表現した結果としてのテクノに未来的な響きがあり、それが今も尚デトロイト・テクノの魅力となっている。本作はリリースから30年を経てそんな名作を現在のアーティストによってリミックスされたもので、同じくデトロイトの奇才・Moodymannとチリアン・ミニマルの一時代を築き上げたLucianoが参加している。勿論オリジナルの"No UFO's (Vocal)"も収録されており、今聞けば流石に音的な古臭さは否定出来ないものの、うねるベースのエレクトロ的なビート感や本人の歌もフューチャー・ファンクといった趣きで、未来派志向のテクノ/エレクトロの胎動を感じ取る事は出来る筈だ。予想も出来ない、しかし素晴らしいリミックスを披露したのはやはりMoodymannで、"No UFO's (Vocal) (Moodymann Remix)"では彼らしい甘く官能的なピアノのメロディーも加えつつ流れるようなハウスのグルーヴに作り変え、原曲のレトロ・フューチャーな雰囲気は損なわずにMoodymannらしいブラックネス溢れる魅惑のハウスへと染め上げている。対してLucianoの"No UFO's (Vocal) (Luciano Remix)"は原曲のデトロイトらしさを残す事は意識せずに、ボーカルをぶつ切りにして使用しながらも展開を広げるのではなく収束させるミニマル・ハウスのスタイルを彼らしく披露し、14分に渡って淡々とした機能的なグルーヴを鳴らし続けている。どちらか選べと言われればやはりデトロイトらしさのあるMoodymannのリミックスの方が愛着は感じられるし、やはり曲単体としての良さが光っているか。どちらにせよオリジナルも収録されてはいるので、それを持っていない人にとっても価値ある一枚に間違いはない。



Check Juan Atkins
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dopplereffekt - Cellular Automata (Leisure System:LSR020)
Dopplereffekt - Cellular Automata
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アンダーグラウンド、またはミステリーという表現がこれ程適切なユニットは他にそうはいない、メンバーであるJames Stinsonの死によってユニットは消滅し伝説化したデトロイト・エレクトロのDrexciya。コンセプトであるDrexciya人の深海の冷えた世界を表現したエレクトロはダンス・ミュージックの著名人からも高く評価を受けるものの、ユニットが消滅した事でそのストーリー仕立ての音楽もおおよそ途絶えてしまい、その音楽の継承者は今も尚そう多くはない。しかしDrexciyaは一人ではない事が幸いだったのだろう、もう一人のメンバーであるGerald Donaldは多数の名義を用いて活動しており、Drexciyaを継ぐ者としての存在感を放っている。その中でも特に知名度の高いものがこのDopplereffektだろうが、アルバムとしては実に10年ぶり、3作目となる本作は蓋を開けてみれば全てノンビート作品と驚くべき内容だ。ビートレスな事でアンビエントな性質も強くはなっているが、しかしオープニングの"Cellular Automata"を聞いてみれば重厚なベースラインや電子音のシーケンスからは間違いなくエレクトロの響きが発せられており、暗く何処か謎めいたSF的世界観は正にDrexciyaのものだろう。続く"Von Neumann Probe"も鈍く蠢くベースには毒々しさが宿っているが、その一方で祈りのような女性の声やデトロイト的な神秘的なシンセからは逆境の中に希望を見出すポジティブな感覚もあり、ただ陰鬱なだけの作品ではない。エレクトロと言えばKraftwerkに強く影響を受けたジャンルであり、それが如実に感じられる"Gestalt Intelligence"ではピコピコした電子音のシーケンスが用いられているが、アンダーグラウンドを地で行くDonaldにかかれば凍てついた世界観へと変貌する。モジュラーシンセらしき音が振動するように鳴りながらデトロイト直系の情緒的なパッドが降臨する"Isotropy"は、アルバム中最も美しいアンビエントで荒廃する世界の中の救いだ。Drexciyaと言えばどうしたって不気味で暗くハードな音楽性と言うイメージがあるが、それも逆境から生まれた未来へのポジティブな思いと考えれば、こうやって音自体に安らぎが現れるのも自然な流れなのだろう。尚、幾何学模様のデザインであるジャケットからも分かる通り、本作は音自体もそれに準じたイメージが強く、エレクトロでありながら独特の内在するリズム感が面白い。そしてビートレスな事で浮かび上がったエレクトロのシンセの美しさにも気付かされたり、Drexciyaの伝説はまだ続いている。



Check Dopplereffekt
| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hardfloor - The Business Of Basslines (Hardfloor:HFCD 05)
Hardfloor - The Business Of Basslines
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アシッド大将軍、アシッド・ハウスの伝統工芸士、アシッド・ハウスの金太郎飴、彼等を表現するのであればそんな言葉が相応しい。それが25年にも渡り我が道を行くを体現するOliver BondzioとRamon Zenkerによるジャーマン・テクノのユニットであるHardfloorであり、シカゴから生まれたアシッド・ハウスの再評価に貢献した重要な存在だ。時代に左右される事なくTB-303の魅力に取り憑かれた彼等はその名機と心中する事を選んだ結果、それが彼等のオリジナル・サウンドとして確立され、この音楽の第一人者として今も尚君臨する。本作は本来2016年に25周年記念盤としてリリースされる予定が延期となり2017年の今ようやく世に放たれたのだが、彼等にとって当たり前と言えば当たり前なのだが本作も全編TB-303を駆使したアシッド・サウンドが貫きつつ、しかしそれだけではない円熟味を発揮したバラエティーに富んだ音楽構成は予想以上に素晴らしくある。初っ端の25周年アシッド記念をもじった"25th Acidversary"、ここからしてシャッフルするファンキーなリズムと膨らみのあるアシッドのベースラインがうねり、そこにトランシーな上モノが快楽的に延びていくのは、オリジナルのシカゴ・ハウスとベルリンのジャーマン・トランスの融合と呼べるだろう。勿論そんな直球な曲だけではなく、タイトル曲の"The Business Of Basslines"では詰まったようなエレクトロ・ビートでは渋みも感じさせ、かつてのヒップ・ホップへ傾倒したDa Damn Phreak Noize Phunk名義の系譜に連なる官能的で色っぽくもあるブレイク・ビーツを刻む"Gypsi Rose"など、アシッド・ハウスを変わらぬ武器としながらもそこからの拡張性には目を見張るものがある。"Computer Controlled Soul"や"Neurobot Tango"に至ってはKraftwerkや、それどころかデトロイトのダーク・エレクトロの真髄であるDrexciyaの鋭利なリズムを思い起こさせ、アシッドの不気味なトランス感との相乗効果は覿面だ。そして日本盤のみのボーナストラックは『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の為にとHardfloorが新たなアレンジを施した"Acperience 7"、彼等の活動を代表するあの大名曲がバージョン5を飛び越し7として生まれ変わっており、当然の如く攻撃性の高くエグいアシッド・ベースが脈打つファンキーかつトランシーなアシッド・ハウスは完全に彼等の音だ。ユニットが25年も活動していればパワーが落ちるのも珍しくはないが、それどころかハイエナジーで更に表現力に磨きをかけた彼等の前に太刀打ち出来る存在はいない。Hardfloorを越えていくのはHardfloorのみ、アシッド・ハウスの金太郎飴もここまで徹底すればそれは代用のきかない魅力となるのだ。



Check "Hardfloor"
| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Satoshi & Makoto - CZ-5000 Sounds & Sequences (Safe Trip:ST 006)
Satoshi & Makoto - CZ-5000 Sounds & Sequences
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販売されていなくても素晴らしい音楽は実はひっそりと存在している、但しそれを見つけるには飽くなき探究によってのみなのだろう。イタロ・ディスコ/ハウスをこよなく愛するYoung MarcoがCZ-5000というカシオのシンセサイザーを調べているうちに、YoutubeでCZ-5000を演奏している双子のSatoshi & Makotoの動画を見て、それに感動したMarcoはリリースする為に二人とコンタクトを取り音源を送ってもらったそうだ。結論から言うとこのアルバムは本年度の電子音楽系のベスト5に入れたい程に素晴らしい作品で、CZ-5000という発売から30年以上経過している古い電子楽器を用いても、こんなに豊かな表情を持った音楽を作れるなんて驚き以外にない。二人はYMOやKraftwerkに興味を持っていたそうだが、正に電子音楽への探究心はいつしかCZ-5000を舐め回すように愛着へと変わり、その結果CZ-5000の魅力を最大限に引き出す事に成功したのだろう。ジャンル的にはビートの無いアンビエントか多幸感ふんだんなバレアリックかと言った印象だが、クラブに向けてではなくベッドルーム内での音楽はやはり内省的にも思われる。ふわふとしたサウンドの反復によって長閑な日常を彩るような明るいアンビエントの"Flour"、ノスタルジーにも近い切なさを誘発するしんみりしたメロディーと抜けの良いパーカッションを用いた"Bamboo Grove"、決して享楽的な志向ではなくイマジネイティブでもある豊かな情景が浮かび上がる。控えめにリズムも入った"Untitled"はプロト・ハウスとでも呼ぶべきか、素朴さが可愛くもある。広大な夜空に瞬く星のように電子音がきらきらと広がる"Ar"、夢の中を浮遊するドリーム・アンビエントは優しく、そして心地良い。"Lumiere"も同様に昼下がりに微睡みに落ちて行くようなアンビエントだが、"Poincare"では一転して目が覚めた如く電子音が軽快に弾けるポップさもあり、CZ-5000だけを用いた制作ながらも実に曲毎に豊かな表情を見せる。偏に二人のCZ-5000への愛情がその可能性を引き出した事実、それがSafe Tripというレーベルのバレアリック性に適合した事、そしてその音楽がMarcoの目に留まった流れは奇跡的にすら思える。シンセサイザーの魅力がたっぷりつまったドリーミーなバレアリック/アンビエント、聴き逃す事なかれ。



Check "Satoshi & Makoto"
| TECHNO13 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
John Beltran - Everything At Once (Delsin:dsr-d4-cd)
John Beltran - Everything At Once
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デトロイト・テクノ随一のアンビエント・マスターであるJohn Beltran。ロマンティックで甘美なテクノから有機的で柔らかいラテンやフュージョンまで、時代によって多少は音楽性に変化を加えつつも、どの作品に対してもアンビエントな感覚を必ずと言ってよい程に込めて夢に溺れさせるような世界を展開する。近年その活動は再度活発になりオランダのデトロイト・フォロワーであるDelsin Recordsと手を組み、新作やベスト盤にコンピレーションまで多数の作品を送り出している。そして2015年には映画音楽に影響を受けた『Espais』(過去レビュー)をリリースし、ビートレスな作風はフロア対応型のテクノからは距離を置きつつも荘厳で耽美な響きは正にBeltranであるものを主張していた。新作も雰囲気的にはその路線を引継ぎつつも、IDMやポストロックにダウンテンポの要素を用いて幾分かはダンス側に振り戻っている。アルバムの始まりこそ抽象的なアンビエントの面影を残すビートレスな"Under This Sky"ではあるが、続く"Faux"では弦楽器を爪弾きするような音色とアトモスフェリックな電子音が絡み合いながら、そこに複雑で生々しいビートが入り込んでくると何だか90年代のインテリジェンス・テクノを思い起こさせる。タイトル曲の"Everything At Once"はすっきり爽快な4つ打ちに何処までも開放的な音響があり、しかし牧歌的で柔らかい有機と電子の狭間のような音の質はフォークトロニカ的だ。ピュアな電子音のメロディーと繊細なブレイク・ビーツによる"Mother"も往年のUK系インテリジェンス・テクノの現代版と言うべきか、そしてBeltranらしい叙情性が加わっている。完全電子化する前のKraftwerkのカバーである"Tanzmusik"も、だからこそオリジナルのBeltranの淡い叙情性と自然と適合しており、元の曲の雰囲気を引き継いだ透明感に満ちた水彩画のような綺麗なリスニングになっている。アルバム後半には感情の昂ぶりが最高潮に達する"Dream Lover!"が待ち受けており、しなやかで弾力のあるリズムが弾け希望を高らかに告げるピアノが染みるアンビエント・ジャズとでも言うべきか、この生命力が満ちた自然との調和を思わせる音楽性はBeltranだからこそだろう。リスニング系からダンスまで適切に盛り込まれたアルバムだが、どれも光の粒子が飛び交うような煌めきや白昼夢に溺れるような快適性があり、デトロイトきってのアンビエント使いは伊達ではない。但し欲を言えばもう少しテクノ寄りなり、ダンスを意識した作風へと回帰してくれたら、そう活動初期の青々しくも刺激的な音楽性もたまには聴いてみたいとも思う。



Check "John Beltran"
| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tokyo Black Star - Fantasy Live 1999 (World Famous:WF-004)
Tokyo Black Star - Fantasy Live 1999
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Alex From Tokyoが主宰するWorld Famousの新作は、2015年末になり再始動を果たしたTokyo Black Starによるアルバムだ。元々はAlexと熊野功雄によるユニットで今となっては大御所レーベルとなったInnervisionsの第一弾アーティストであった事も懐かしいが、現在では高木権一も加わりトリオとして活動をしている。壮大なエレクトロニック・ハウスから肩の力が抜けた優しいディープ・ハウスにミニマルな作風まで作品毎に姿形を変えつつ、昨年の「Edo Express EP」ではアシッド・テクノも披露するなどその深化は止まらない。そしてこのニューアルバムは、アルバムという体でありながら恐らく全曲新曲の40分にも及ぶライブをイメージしたコンセプト・アルバムなのだ。元となったのは「東京の下北沢にあるBasement Barで、とある即興のライブパフォーマンスを録音した、伝説的でクレイジーな一夜」だそうで、それが一体何であったのかは不明なものの、真夜中の興奮をライブ風に演出したと考えてよいだろう。アルバムは開始からどぎつく快楽的なシンセのアルペジオやベースで始まり、生々しいスネアやキックがライブ感を余計に強く体感させる。そこから闇の空間を切り裂くように挿入される美しいパッドが、ゆったりと開放感のあるディープ・ハウスへと向かわせ、そしてまたもやコズミックなシンセやSEが導入されるハウスで深い世界へと潜り込み…Part1のラストはファンキーなスラップベースが前面に出たエレクトロ系で幕を閉じる。そしてPart2へと移ると次第に琴やガムランのようなエキゾチックな音色が現れ、極東のダブとでも呼ぶべき不思議な響きに包まれる。そこからのKraftwerkばりのロボット・ボイスを活用した和風エレクトロな流れからの、最後は強烈なアフタービートを刻むレゲエ風なアフロ・ハウスの"Mitokomon"と、これ程までに様々な音を経由する世界観は確かにファンタジーに相応しいライブ、ファンタジーな旅であろう。何処か垢抜けないドラム・マシーンによるリズムは生々しさが強調され、和洋折衷のコスモポリタンな旋律や、テクノもハウスも融け合いダンス・ミュージックとのみ表現出来るビート感によって、収束ではなく拡散する音楽性は3人体制になったTokyo Black Starだからこそだろうか。作品の特性上DJ向けの作品ではないものの、リスニングや仮想のライブ盤として楽しめる1枚だ。



Check "Tokyo Black Star"
| HOUSE12 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Petar Dundov - At The Turn Of Equilibrium (Music Man Records:MMCD042)
Petar Dundov - At The Turn Of Equilibrium
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Labyrinthを代表するアーティスト/DJでもあり日本でも人気を獲得しているPetar Dundovは、しかし一体何処へ向かおうとしているのか。美しいシンセのメロディーラインや長尺な大作志向は得も言われぬトランス感を生み、彼の個性/武器とはなっているものの、ここ数年は成熟と言うべきか勢いのあるグルーヴ感よりも旋律を意識して聞かせる作風がベースになっている。2年半振りとなるアルバムも全くその路線から変わる事はなく、自身の作風の完成形を作り上げている。本作に於いてはKraftwerkやVangelisに影響を受けて制作をしたそうだが、特に後者の影響が感じられるのは"Then Life"だろう。ビートレスな構成だからこそ羽をゆっくりと広げるようなシンセの美しいメロディー、壮大さを演出する荘厳なストリングスの響きが際立ち、その音楽はサウンドトラックかまたは交響曲にも感じられる。"New Hope"はKraftwerkの影響だろうか、ユーモアの感じられる牧歌的なシンセが戯れるように鳴り、大きな展開を用いる事なく気の抜けたような作風は電子音楽を自由に用いたジャーマン・プログレを思わせる。勿論"The Lattice"のようにしっとりしたキックが刻むダンス・トラックもあるが、これにしても決して図太いリズム感がある訳でもなく、悲壮感にも感じられる繊細なメロディーを軸にストーリ性さえも含むようなドラマティックな展開で惹き付ける作風だ。他にも残響の広がりによる空間の奥深さに官能的なピアノが夜の艶を演出する"Before It All Ends"、生っぽいドラムの刺激にすっと伸びる光沢感のあるシンセが近未来のSF志向なイメージを植え付ける"Mist"、ダウンテンポなおかげでより哀愁の度合いが強くなった"Missing You"と、それぞれ繊細なシンセや音響を活かしながらもアルバムの中で変化を生み出す事にも糸目を付けない。どれも抑圧なグルーヴからは解放されながら、芸術的にまで思う程に綺麗な旋律とコード感を尊重している。この路線ではもうこれ以上は無いのでは?と思う程に完成されており、後は逆にフロアでの肉体的なグルーヴを打ち出した作風も久しぶりには聴いてみたいとも思うが、それは我侭だろうか。



Check "Petar Dundov"
| TECHNO12 | 12:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Delta Funktionen - Wasteland (Radio Matrix:RAM-X-CD-01)
Delta Funktionen - Wasteland
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アンドロメダ銀河の奥底のどこかに隠れているミステリアスな惑星、それが"Wasteland"…というコンセプトを元に、SF仕立てなアルバムを完成させたオランダのDelta Funktionen。2012年にはDelsinより初のアルバムである『Traces』(過去レビュー)をリリース、また活動の初期からFuture Terrorにも招致されるなど、テクノを知る者にとってはちょっとした注目を集めていたアーティストだ。デトロイトの本家エレクトロに強い影響を受けたその音楽性は非常にダークで、前のアルバムではそこにフロアでの機能を高めたテクノやレトロな味わいも加えて、非常にバランスの良いダーク・エレクトロを聞かせていた。あれから3年、今度は自身で設立したばかりのRadio Matrixから2枚目となるアルバムの本作をリリースしたのだが、進むべき道が正確に見えているかの如く前作からの路線を踏襲しながらその強度は更に高まっている。端的に言ってしまえばKraftwerkとDrexciyaの子孫と呼んでも差し支えない内容で、前者のロボットボイスと後者のハードで荒廃したエレクトロ・ビートから成る現在形のテクノなのだ。タイトル曲である”Wasteland”からして背筋が凍るような冷気が漂っており、ノンビートながらも重苦しい電子音の展開から徐々に鋭利なビートが入りだし、そして奇妙なロボットボイスや毒気のあるベースなどで、今風に研ぎ澄まされながらもクラシカルな雰囲気もあるエレクトロ・ビートを叩き出す。"Tab"で聴ける乾いたビートはTR系だろうか、そこにぐっと膨らむ電子音のベースや不気味さが漂うシンセのメロディーなど、これはモロにDrexciyaの暗くもタフなエレクトロだ。それだけではなく"A Drone Killed My Bunny"のようにディープでハウシーな4つ打ちが続く曲もあるが、やはり潰れたようなクラップ音や荒れたスネアが入ってくると、オールドスクールに傾くのは自然な流れだ。基本的に明るさは皆無で暗くて凍てつく冷気が吹き出すダーク・エレクトロであり、そこにアシッドやテクノやハウスの要素も織り交ぜながら、古くも新しい刺激的なダンス・ミュージックを完成させている。単にデトロイトの模倣ではなく、これぞDelta Funktionenという音を確立した痺れるような格好良さだ。



Check "Delta Funktionen"
| TECHNO12 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/12/13 日本オシロサービス @ Oath
かつてOathにて開催されていたサンデーアフタヌーン・パーティーである日本オシロサービスは、ヨーロッパでの長い活動から現在は日本でDJをするDenと、現在はベルリンへと拠点を移しMojubaでも活躍するSTEREOCiTIが、彼らのパーソナルな面をより打ち出して通常のパーティーとは異なる音楽性を披露する実験とユーモアの場所であった。STEREOCiTIがドイツへと渡った事により現在は休止中であったが、この度彼の来日ツアーに伴い一夕限りの日本オシロサービスが開催された。
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| EVENT REPORT6 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/9/13 Two Faces of Soichi Terada : Omodaka / Japanese House Origin @ 寺田倉庫 G1
近年になりRush Hourにより過去作品がリイシューされた事で、再評価されているジャパニーズ・ハウスのオリジンの一人でもある寺田創一がTodaysArtのパーティーに出演する。ヒップ・ホップやハウスに魅了された彼は1990年頃から日本のポップスのリミックスも手掛けつつ、和製ハウスの制作も行い、それがいつの間にか本場NYでも評価されるという日本のハウスの先駆け的存在であったようだ。その後はドラムン・ベースにも傾倒しつつゲームミュージックの制作においても注目を集めるなど、特にクラブとの繋がりにこだわる事なく電子音楽の道を進んでいた。が、やはりダンス・ミュージックを楽しむ人にとっては寺田のハウスに魅了されるのは当然だろう。そんな寺田の音楽において、この日は寺田創一としてのハウス・セットと、Omodaka名義による民謡テクノ/ドラムン・ベースを同時に行うという、彼にとっては初の試みでもあり貴重な内容となった。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/9/4 TodaysArt.JP 2015 TOKYO - Launching Party @ Liquidroom
昨年日本へとプレオープン的な扱いで初上陸したオランダ発祥のアート・フェスティバル、TodaysArtが今年から日本での開催を本格化させている。音楽だけでなく美術も含んだ芸術のフェスティバルと言う事で天王洲周辺で様々な催しが予定されているが、そのラウンチパーティーとしてリキッドルームではライブを中心としたパーティーが開催された。何といっても目玉はデトロイトの至宝であるCarl CraigとMike Banksによるライブで、元々は2011年にその二人でのライブが予定されていたものの東日本大震災の影響により中止となり、日本では暫く体験する事が出来なかったものだ。今回は念願叶っての日本でのライブとなるが、それ以外にもAkiko Kiyamaやonomono a.k.a O.N.OにKeita Yanoといったライブ陣、そしてDJにMasafumi Ohnishiも参加して、一夜を作り上げる事になった。
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| EVENT REPORT5 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Model 500 - Digital Solutions (Metroplex Records:MLP-02CD)
Model 500 - Digital Solutions
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テクノのオリジネーターの帰還である。おおよそ15年ぶりとなるアルバムとしては3枚目となる作品を先日リリースしたModel 500ことJuan Atkinsは、活動から30年を経ても良くも悪くもModel 500が完成させたマシン・ソウルを忠実に守り続けている。2010年の"OFI / Huesca"(過去レビュー)、2012年の"Control"(過去レビュー)、そして近年のライブ活動と着実に復活の狼煙は上げていたが、その終着点となる本作で遂にデトロイト・テクノの産みの親が完全復活した事を証明している。アルバムの冒頭を飾る"Hi NRG"からしてModel 500の初期作風を思わせる東洋的な懐かしいシンセサウンド、そしてデトロイト・テクノのエモーショナルな上モノ、宇宙的な効果音にかっちりとキレのあるリズムトラックが存在しており、時間が経過しようとも変わらないテクノの元祖としての存在感を放っている。続く"Electric Night"も完全に初期作風を踏襲した肉体を刺激するエレクトロ・ファンクで、まあ言ってしまえばKraftwerkが黒人音楽化したようなものだが、Atkinsによるロボットボイスも何だか懐かしくもありつつバチッと鞭打つような強靭なリズムが素晴らしい。"The Groove"では近年のライブメンバーにも加わっているMike Banksがプロデューサーとして参加しAndy Gがギターを弾いているが、エレクトロなトラックの中で天空を切り裂く雷鳴のようなギターが咆哮する展開は、BanksによるPファンク精神が爆発しているようにも思われる。中には"Storm"のようにModel 500名義と言うよりはAtkinsがTresor等からリリースしていたような、よりDJツール的なシャープさと4つ打ちを強めたテクノもあったりと、まあ何にせよオリジネーターとしての威風堂々たる意志が感じられる曲もある。最後には3年前にR & S Recordsからリリースされていた"Control"が待っているが、ああ、これはもう完全にModel 500以外の曲でも何でもないテクノ/エレクトロだ。流行とは無縁の変わらない音楽性だから、3年を経てもこのアルバムの中でも特に違和感なく刺激的なエレクトロ・ファンクを、心身を揺さぶるマシン・ソウルを奏でている。また各曲は5分前後でアルバムは50分にも満たないコンパクトな構成で、冗長さが全く無くすっきりといつの間にか聴き終えてしまう纏まりの良さがあり、久しぶりのアルバムはお世辞抜きにして素晴らしいレトロフューチャーなテクノを体験させてくれるだろう。



Check "Juan Atkins"
| TECHNO11 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Korrupt Data - Korrupt Data (Planet E:PE65366-1)
Korrupt Data - Korrupt Data
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2014年の6月に突如としてPlanet Eからデビューした正体不明のアーティスト・Korrupt Data。初期デトロイト・テクノのような近未来的なテクノ/エレクトロの感性と、「星の向こうから来た探検者」と自称するサイエンス・フィクションに基づいたコンセプトを伴うその音楽は、そのミステリアスなアーティスト性も相まって一部から注目を集めている。2枚のEPをリリースした後に続いて同年10月にリリースしたのがそのアーティス名を冠した本アルバムで、ここでも当然の如く初期デトロイト・テクノの感性が息衝いている。特に肥大化しメジャー性も獲得したPlanet Eは主宰するCarl Craigの音楽性の変化もあってか、近年はレーベル自体も大箱で受けるようなモダンなテクノ化が進んでいたように感じられるが、本作はそれと真逆の、例えばKraftwerkにCybotron、そしてDrexciyaが開拓してきたような初期衝動を持ったテクノ/エレクトロを再度掘り起こしている。先行EPに収録されていた"Cryogene"からしてブリブリとしたベースラインにぼんやりと浮かぶような物哀しいシンセからは、Carl Craigの最初期の作品と同じ懐かしさが伝わってくる。また"Density Function"ではKraftwerkのヒップ・ホップ的なファンクなリズムとデトロイト特有の幻想的な上モノを組み合わせ、まるでブレード・ランナーの世界観を喚起させるSFの世界を描き出している。Drexciyaの影響が強く現れているのは"Photons, Protons, Microns, Mutrons"や"Gods & Myths"だろうか、鞭打つような冷徹なビートとロボット・ボイスを多用し、正にアナログ感のあるデトロイトの強靭なエレクトロを披露している。"Visions That Lurk"ではエレクトロ・ビートを刻みながらも大仰なシンセのリフレインや不思議な効果音により、コズミック・テクノと呼ぶべき宇宙遊泳するかのようなスケール感の大きさもある。アルバムの最後には柔らかく浮遊するシンセのメロディーにうっとりとするインテリジェンス・テクノのような"For That Way Lies Oblivion"や"Drifting Vessels"が配置されており、これを聴く限りではどう考えてもCarl Craigの作品と思わずにはいられないだろう。一体誰によるプロジェクトなのか、いやきっとPlanet Eに関連する著名なアーティストなのだろうとは思うが、それが誰だとしても本作に於けるヒップ・ホップやファンクからの影響を残しつつデトロイト・テクノのSF性を打ち出した音楽性は、生粋のデトロイト・テクノのファンが待ち望んでいたものだろう。



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| TECHNO11 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2013
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。ElevenやSecoの閉鎖、関西方面ではオールナイトのパーティーは禁止となるなど、相変わらずパーティーを楽しむ人にとっては厳しい状態が続いております。その一方でOrigamiやLouverと言った新しいクラブもオープンしたり、また日本人が中心となるパーティーも増えているように思われるし、素晴らしいパーティーを作りたいと燃えているアーティストやオーガナイザーの熱い志に触れる機会があった一年でした。音楽にしても売れる量は確かに減っているものの、アナログ・レコードはその存在感を強めているし、良質なダンス・ミュージック作品も多かったと思います。で年間ベストに選んだ作品はリスニングとして耐えうる作品が中心になっているのですが、流行とかとは無縁なある意味ではベタな作品が多くなりました。結局時代に関係なく聴ける作品が自分の中で印象に残っているみたいですが、それとは別に毎週パーティーで最新のテクノやハウスを聴く事で、新しい成分を補完していた一年だったかなと。現場へ行く事で新しい音楽仲間の輪が繋がる事も多いわけで、その意味ではやはりパーティーへ足を運んで体験する事は重要な要素だったと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 13:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2013/6/15 House of Liquid @ Liquidroom
リキッドルームの名物パーティーであるHouse of Liquidが久しぶりに開催される事になり、そこに国内外で活躍するディープ・ハウスのアーティストが集結した。フランスからは唯一無二の個性を発する変態系トラックが評判高いPepe Bradock、UKからは野外レイヴから小さな小箱まで沸かしてきたNick The Record、そして日本からはどんなパーティーであろうと自由自在に対応可能な奥深さを見せるMoodman、三者三様のハウスを体験出来るこの上ない一夜だ。
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| EVENT REPORT4 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/5/13 Kraftwerk "3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8" Computer World @ Akasaka Blitz
先日Kraftwerkの"3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8"の初日公演である"Autobahn"を体験して十分に音楽と映像を楽しんだものの、ファンとしては一日だけでは満足出来ないのが心情だ。と言う事でどの公演にすべきか迷ったものの、今度はいかにも電気仕掛けの世界が広がる"Computer World"の公演へと行ってきた。
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| EVENT REPORT4 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/5/8 Kraftwerk "3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8" Autobahn @ Akasaka Blitz
お世辞抜きにテクノにおける生きる伝説と化しているKraftwerk。なんと単独公演としては9年ぶりとなるが、そのツアーは8日間に渡り8枚のアルバムの曲を全て披露すると驚くべきものだ。そしてある意味では伝統工芸にも近いライブ・パフォーマンスを行なっている彼らが、今回はヴィジュアルを3D化すると言うここに来ての更なる進化を遂げたのだ。彼らのアルバムはどれも大好きなのでどの日のライブに行くかは迷ったものの、先ずは出世作である"Autobahn"の日に聴きに行く事にした。
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| EVENT REPORT4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Drexciya - Journey Of The Deep Sea Dweller II (Clone Classic Cuts:C#CC023CD)
Drexciya - Journey Of The Deep Sea Dweller II
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ご存知デトロイトに於ける最大のミステリーであり、最恐エレクトロ集団であったDrexciyaの復刻シリーズ第2弾。元々正体不明のユニットとしてアンダーグラウンドな存在であり続けていた為、初期の作品は入手が困難となっておりその状況での復刻を行うオランダはClone Recordsには頭が下がる思いだ。シリーズ物の為てっきり年代順に収録されるかと思って蓋を開けてみると年代は第1弾とも被っているが、Warp RecordsやUnderground Resistanceからだけでなくデトロイトの実店舗でしか購入出来なかったSomewhere In Detroitからの作品、そして未発表曲も収録されておりDrexciyaの最後の復刻とアナウンスされたシリーズとしては十分過ぎる内容となっている。第1弾が完全武装で身を固め鋭利な牙を剥く凶暴なエレクトロ作品集であったのに対し、この第2弾ではなんとなくではあるが刺々しさは抑えてKraftwerkやModel 500に更に寄り添ったファンキーなエレクトロを鳴らしているように思われる。とは言ってもRoland TR-808/909による無機質で乾いたビートに肉体感を伴うファンキーなベースライン、そして痺れる電子のエレクトロサウンドにより彼等は深海(アンダーグラウンド)から地上(オーバーグラウンド)への徹底抗戦を行い、夢や非現実に逃れる事はせずに現実と戦い続ける深海の戦士であり続けた。暗くある種のネガティブなイメージさえ付き纏うDrexciyaの思想と音は決して親近感がある物とは言えないしDJユースに最適とも言えないが、しかしそれは彼等の反骨精神の現れであり商業主義に陥りがちな業界と更には無意識的にそれを選択する聴衆への警告でもあったのだろう。残念ながらメンバーの死によりDrexciya自体は消滅してしまったが、その不屈の精神と作品は今もここに尚息衝いている。

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| TECHNO9 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Model 500 - Control (R & S Records:RS 1202)
Model 500 - Control
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デトロイト・テクノ、いや延いてはテクノのオリジネイターであるJuan Atkinsが非常にゆっくりとした足取りではあるが、Model 500としての活動を進めている。R&Sが再始動してからは3枚目となるEPは、時代がどれだけ周ろうと流行に左右されずに今までのModel 500のテクノ/エレクトロを踏襲する内容となっていた。特に"Control"はピコピコなサウンドが忙しなく張り巡らされたファンキーなエレクトロのトラックに、自身の無機質に加工されたロボットボイスを導入しており、つまりはKraftwerkに魅了された昔のModel 500と何ら変わりはないのだ。勿論多少なりとも音が研磨されよりエッジが出てきている位に現在の音に対応した進化はしているが、スタイルとしての変化が無い所に彼の求道的な意思が強く感じられる。そして"The Messenger"は贅肉を削ぎ落しシンプルなリズムが主導するテクノトラックで、コズミックな電子音が散りばめられた中を浮遊感のあるアンニュイなシンセサウンドがふらつき、デトロイト・テクノである事を主張する様にエモーショナルな面を強調する。大きな進歩もしていなければ退化もしていないのに、しかしJuan Atkinsがオリジネイターとして自分の音を確立しているからこそ、時代に飲み込まれずに今も後光を放つのだろう。

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| TECHNO9 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Drexciya - Journey Of The Deep Sea Dweller I (Clone Classic Cuts:C#CC022CD)
Drexciya - Journey Of The Deep Sea Dweller I
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シカゴ・ハウスなどの復刻に力を入れているオランダClone Recordsより、デトロイトの最恐エレクトロユニット・Drexciyaの作品がシリーズとして復刻されている。James SinsonとGerald Donaldから成るこのユニットは1992年にUnderground Resistance関連のレーベルよりデビューを果たすと、URやRephlex、Warp、Tresorなどのレーベルから続々と暗くハードなエレクトロをリリースし瞬く間に注目を浴びる。当初はプロフィールが明らかにされていなかったせいかそのミステリアス性も含め正にアンダーグラウンドな存在であったが、しかしJamesの死によってDrexciyaは伝説と化し消滅してしまった。そしてURのリーダーであるMike Banksの意向により今後リプレスはされず、本作にてDrexciyaの歴史は永遠に閉ざされる予定だ。ここには最良のエレクトロが収録されており、特に活動初期のレアな作品がコンパイルされていると言う点で非常に価値がある。しかしこれは単なるエレクトロではなく、かつてない程に暗く、不安を煽る程に不吉だ。系譜としては間違いなくKraftwerkやModel 500の魂を受け継いでいるがポップなセンスは徹底的に排除し、抑圧に抗うように荒削りな暴力性と混沌とした深みのあるエレクトロだ。どこか垢抜けないチープなアナログサウンドを多用しながらも、一向に光の射さない深海でもがくように恐怖感が募る。つまりはオーヴァーグラウンドに対し、Drexciyaは深海の住人(アンダーグラウンド)として抗戦をしていたのだ。だから控えめに言っても万人受けする音楽ではないし、冷たく孤独な音に辟易してしまうかもしれない。しかしだからこそ彼らがURクルーとして認められたのも事実で、もし本物のエレクトロを求めているのであればこのシリーズこそ最適であると言える。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/12/1 OL Killer presents "WIFE" @ WWW
岡村靖幸改めOL Killerが主宰するパーティー"WIFE"の初回ゲストは、なんとライブ出演で砂原良徳。砂原と言えば2002年のElectraglideでのKraftwerkの後に行ったライブが半ば伝説化していたが、そこからが混迷を極めいつまで経っても新作が出ない状態が続いていた。近年はちょこちょことライブを再開し出し、今年になってようやくアルバムを完成させてからはライブも以前より頻度にこなすようになり、今ではライブ自体も珍しいものではなくなった。が自分にとっての砂原良徳はあの時のElectraglideから時間が止まっている状態で、9年ぶりの再開には期待と不安が入り交じる気持ちだったのだ。
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| EVENT REPORT3 | 12:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
The Plan - D. Part Vol.1 Innerspace (Submerge Recordings:SUBCD-3022-2)
The Plan - D. Part Vol.1 Innerspace
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昨年末からアマゾンでもデジタル配信が開始されておりますが、URとも交流の深いデトロイトのレーベル・Submerge Recordingsの音源も続々デジタル化されております。本作はMike Banksも賞賛しているCliff ThomasとJon MacNishの二人から成るThe PlanのMIXCDで、リリース自体は2007年なのですが目出度くデジタル化されました。デトロイトの新世代が取り組んだだけあって、デトロイトテクノ/ハウスのクラシックを惜しみなく使用した豪華な選曲ですが、プレイ自体は35曲も使用しているだけあって矢継ぎ早に曲を被せまくってファンキーな面が目立ちます。デトロイトの暗く狂気なエレクトロの面も、琴線を震わすエモーショナルな面も、未来指向なハイテックな面も、黒人音楽から生まれた熱いハウスの面も、デトロイトの根源の一部でもあるKraftwerkの音も、ありとあらゆるデトロイト関連のダンスミュージックを詰め込んだ疾走感溢れるテクノセットで若々しい力を感じさせます。音自体の目新しさは感じないけれど、逆にここまでデトロイトミュージックに入れ込んだMIXCDも珍しいし、怒涛の勢いでミックスされたファンキーなプレイなので一聴の価値ありですね。

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| TECHNO8 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/12/28 Killing Joke @ 青山蜂
火曜日と言うど平日ですが当日でようやく仕事納め、そして久しぶりに友達の國枝志郎さんがオールナイトのパーティーで回すので、青山蜂に遊びに行ってきました。蜂は2〜4階までフロアがあり、今回は4階にほぼ居座る事に。そこは絨毯が敷き詰めてあり靴を脱いで寛げるラウンジ風な場所で、DJがかける曲もダンスミュージックから外れた緩めの音が中心。國枝さんの前まではSky Records(ジャーマンプログレのレーベル)やECM(ジャズの名門レーベル)等、その他色々ジャズやらラウンジ風やら気の抜けたロック、ファンクなど踊る事を要求しないリラックスした雰囲気のある選曲だったかな。他のお客も絨毯でゴロリとしながら皆で団欒していて快適な居心地。
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| EVENT REPORT3 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Model 500 - OFI / Huesca (R & S Records:RS1006)
Model 500 - OFI / Huesca
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デトロイトテクノの、そしてエレクトロの元祖でもあるJuan Atkinsのユニット・Model 500の6年ぶりの新作。なんと同じデトロイトからファンク街道を突き進むURの総帥・Mike Banksらも加わった新生Model 500で新曲を披露した訳ですが、流石に濃密なエレクトロマニアが二人も揃っただけあり、"OFI"のKraftwerkを汗臭く肉体的に鍛え上げたエレクトロは彼らのイメージその物。ピコピコと炸裂するコズミックなシンセラインやAtkins自身のボーカルであろうSF的ボイスも近未来感があり、長きに渡るModel 500を音楽性を象徴していると言っても過言はない。それを更にMike Banksがリミックスしたトラックは、よりタイトによりタフに仕上げたUR流エレクトロ。B面にはModel 500のもう一つの側面でもあるロマンスが全開になった"Huesca"が収録。2010年版"I Wanna Be There"とでも言うべきハイテックなトラックで、ここでもMike Banksとの相乗効果によりデトロイトらしいエモーショナルなパッドや幻想的なシンセが涙腺を刺激します。オリジナルデトロイトの本領発揮な一枚。

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| TECHNO8 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fabrice Lig - Genesis Of A Deep Sound (Fine Art Recordings:FA019CD)
Fabrice Lig - Genesis Of A Deep Sound
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ヨーロッパにおいてデトロイト病に深く侵されたアーティストの一人・Fabrice Ligの新作。途中でベスト盤や数々のEP、Soul Designer名義のアルバムを挟んでいるとは言え、この名義のアルバムは前作から6年ぶりと随分と待たされました。しかしこの6年にクラブミュージックでも流行り廃りがあったものの、Fabriceの音楽性にブレと変わりは全くありません。と言うよりも更にデトロイトへの敬愛が深まった様にも感じられ、相変わらずの青空の如く澄んだシンセが特徴的なハイテックなトラックが満載。特にラストの"That Connection"は明らかにGalaxy 2 Galaxyを意識したであろうサックスを挿入したロマンチックなハウスで、まるで遠く離れたデトロイトへの熱き思いが結実しているかの様。かと思えば"Energy Machine"のロボットボイスとピコピコなシンセは、まんまKraftwerkで少々びっくり。またはかつてKenny Larkinが打ち出したAI(Artificial Intelligence)シリーズの様にどこか未来的で知的な"Electric Beauty"や、ヒップホップとP-Funkを混ぜ合わせた"Cosmic Booty"もあったりと、Fabriceの色は残しつつも色々と取り組んだ印象も感じられました。しかしながらデトロイト、ブラックミュージックへの確かな造詣と愛を伴いつつも乾いた音質で綺麗にまとめられた作品は、如何にもヨーロッパ的でもあります。

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| TECHNO8 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/04/21 Flare "Two Albums" Release Party @ Saloon
Flare aka ken Ishiiの過去の名作がリイシューされる記念として、珍しいFlare名義でのDJプレイが実現。確か自分は2001年の新宿リキッドルームでFlareのプレイを聴いた事がありその時は一応テクノセットだったのだけれど、今回はツイッターでNo Technoと呟いていたので期待と不安を覚えながらSaloonへと向かいました。

自分達が着いた頃には既にFlareがプレイ中で、早速坂本龍一の"千のナイフ"を回しておりました。お客さんは会場内に30人程だったかな、平日と言う事もあってか空いておりましたがその分快適に踊る事が出来ました。踊ってたのは極少数でしたが…。教授の名作から更に時代を遡りジャーマンプログレのHarmoniaのヒッピーなトラックをスピン。テクノではないが電子音から生まれるトランス感覚は、確かに現在のテクノに通じる物がある。その後もダンストラックと言う枠にとらわれずにFlareやケンイシイの初期のトラック、Flareの未発表曲と思われるトラックで独特なリズムや不思議な音色を聴かせながらしっかりとケンイシイの未来的な世界観を作っておりました。

No Technoと言っていたので意外だったのが、Kraftwerkの"Music Non Stop"やThe Orbの通称"Lovin' You"などもスピンし所謂テクノの歴史を紐解くような瞬間も感じさせつつ、アンビエントとも異なるもののノンビートでシンセだけが鳴っている不思議な時間帯もあり、もうやりたい放題って内容。その後も坂本教授2連発で"Riot In Lagos"、"Bamboo Houses "とエレクトロポップな音が懐かし過ぎ。"Riot In Lagos"ではフロアから歓声も飛び出すなど、今回来ていた客は濃過ぎな感じだったかな。

その後は元々ロックだった人達がギターをシンセに持ち替えて演奏した様なゲイっぽいロックと言うかニューウェーブ系な選曲も増えてきて、パンキッシュなのにエレクトロって音は逆に新鮮でした。最後で"Solid State Survivor"からFlareの"Cycling Round"の繋ぎは、Flareのリリースパーティーを良い形で締めくくれたと思います。普段の週末の大箱では出来ないリスナーよりも自分がやりたい事を優先したプレイは、ケンイシイのルーツを辿る音楽の旅でとても面白く興味深い内容でしたね。

-追記-
ケンイシイがセットリストを公開。リストはコチラ

■Flare - Two Albums
Flare - Two Albums
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| EVENT REPORT2 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2009
2009年も当ブログをご愛読頂きありがとうございました。今年は転職したりDJしたりと転機もあり、山あり谷ありながらも充実した一年でした。また様々な方にご迷惑&お世話になり謝罪と感謝の気持ちで一杯です。歳と体は成長しても精神面では相変わらず小学生のノリなので、来年からは落ち着いた大人になりたいものです。

さて音楽業界にも不況の波が訪れておりますが、決して音楽の質が落ちている訳じゃありません。夜空には目には見えないけれども数多くの星が輝いている様に、音楽だってまだ僕も貴方も見つけていない素敵な音楽が埋もれている筈。音楽に対し愛を持ち自分の心に忠実になり耳を澄まして、貴方を幸せにしてくれる音楽を見つけて欲しいと思います。最後に自分の中での2009年ベストを選んでみました。が、あくまで今の気分なんで、また後で選び直したら変わるでしょう。それでもミュージックラバーの参考になれば幸いです。ではでは来年も良い一年になる事を祈って…
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| BEST | 00:10 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Arpanet - Inertial Frame (Record Makers:REC-32)
Arpanet-Inertial Frame
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今日も引き続きDrexciyaの生き残り、Gerald DonaldことArpanetの3rdアルバム。特に前作から路線も変わらず、分かり易いKraftwerk路線のエレクトロを継続中。ロボットボイスとかそのまんまじゃんと突っ込みたくなりますが、そんな突っ込みは野暮以外のなにものでもありません。音も"Computer World"とか"Electric Cafe"辺りのピコピコかつレトロフューチャーな感が強く、新鮮味は無いけれど懐かしさに溢れてる。しかしKraftwerkとの決定的な差はやはりDrexciyaの冷たさ・暗さで、絶望的なまでに陽の目を浴びないと言う事。Drexciyaは暗黒の海に潜ったり浮上したりする様に活動も停止したり再開したり本当にミステリアスな存在だったけど、結局彼らの音楽観も暗黒の海に戻る様なダークエレクトロを頑なに守っているのだよ。これは彼等がネガティブな考え方であると言う事ではなくて、きっとハードな街で生き抜くにはハードな音や思想が必要だったと言う事なんじゃないかな。男に生まれたならばDrexciyaみたいなハードな存在には、非常に憧れます。

ブクブクブクブク。ooOΟO〇○゜゜

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| TECHNO7 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Arpanet - Quantum Transposition (Rephlex:CAT161CD)
Arpanet-Quantum Transposition
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Underground Resistanceに所属していたデトロイトの最後の謎・Drexciya。そのオールドスクールなエレクトロは恐怖すべき程暗く、そして深い。世界中のアーティストから賞賛を浴びていたユニットも、メンバーの一人・James Stinsonの死によって終焉を迎える。しかし先にDrexciyaを脱退していたGerald Donaldがその血を受け継ぎ、様々な名前で現在も活躍しております。そしてその名義の一つ、Arpanetの2005年作はなんとRichard D. JamesことAphex TwinのRephlexからリリースされてるんだ。リチャは以前インタビューでデトロイトテクノには全く興味は無いけれど、Drexciyaだけは大好きみたいな事を言っていたんだな。だからきっとRephlexからDrexciya関連の作品をリリース出来た事は、きっと彼にとっても名誉な事に違いない。内容の方もばっちりでかつてのオールドスクールなKraftwerk系のエレクトロにアンビエントっぽい浮遊感も感じさせ、そしてDrexciyaの悲壮感漂う暗さも充満しております。光の射さない深海を彷徨う潜水艦の如く、やはりDrexciyaには明るい地上からは徹底的に隔絶された求道的な物を感じるね。ただDrexciyaの時からは幾分か音もすっきり洗練されてきているので、比較的聴き易くなっている印象もある。それを良しとするかどうかは人それぞれだけど、僕は好きです。

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| TECHNO7 | 12:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kraftwerk - Trans Europa Express (Kling Klang:5099930830325)
Kraftwerk - Trans Europa Express
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夜勤を脱出したので最近は平日でも普通に飲める、これを最高に幸せに感じる、普通の事なのにね。初めて渋谷にあるH&Mに行ってきた。自分は服には時間も金もかけない人間なので普段はユニクロでさくさく済ませる事が多いのですが、H&Mも品揃えが良くて今後利用してみようと思った。便利な世の中ですね。

祝・クラフトワークの全作品リマスター!今尚世界のテクノアーティストから畏敬の念を受けるとても大事なユニットなのに、自分は何故かこのアルバムだけ所持していなかったのでこの機会に購入。とにかくこのアルバムで外せないのはタイトル曲である"Trans Europa Express"、これに何故かアメリカの黒人たちはファンキーな要素を感じてしまったらしい。エレクトロニックでシーケンスがウニョウニョと鳴り、打ち込みのドラムマシーンが淡々となる非人間的な曲にだ。この曲は後にAfrika Bambaataaにサンプリングされ"Planet Rock"として生まれ変わり、ヒップホップのシーンに大きな影響を残す事になる。そしてデトロイトテクノの始まりでもあるJuan Atkinsも当然このファンキーな音に触発され、後にエレクトロなるジャンルを生み出す事になる。何故多くの黒人がドイツの白人の音にファンキーな音を感じたのか、これは今でもとても不思議な事だ。そんな曲とは対極的に牧歌的であっけらかんとしたポップな電子音楽が聴けるのが、"Europe Endless"。ウキウキ散歩気分なキュートな音は、クラフトワークのポップなセンスを理解するには分り易い一曲だと思う。他にもCALMがMIXCDで使用していたノンビートでチルアウトな曲もあったり、アルバム通して聴き応えのある一枚である。ところで最近オリジナルメンバーの片割れが脱退したそうだが、大丈夫なのだろうか…

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| TECHNO7 | 07:30 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Calm - Love Save The Day (MUSIC CONCEPTION:CALMMIX001)
Calm-Love Save The Day
夏の終わりに届いた快楽都市の享楽。真夏の思い出で火照った心を冷ます為に、Calmが手掛けたチルアウトでバレアリックなMIXCD。選曲は90年代の愛の夏が大好きだった人にドンピシャで、Kraftwerk、Ash Ra Tempel、My Bloody Valentine、Primal Scream、The Verve、Spacemen 3、One Dove、Ulrich Schnaussなどのサイケで夢現なトラックが中心。愛に耽溺し夢の中を彷徨い、少しの間でも現実を忘れさせてくれる甘美な世界。現実世界に悲観し疲れてしまったのであれば、こんな音楽を聴いて少しの時間でも逃避したって良いじゃないか。少なくともこれを聴いている限りは、まだ夏は終わらない。天使の羽根の様に柔らかく優しい空気に包まれて、荒んだ人の、落ち込んだ人の心をきっと癒してくれるだろう。夏の終わりと共に消え行く真夏の夜の夢。それは"Second Summer Of Love"。夢ならば覚めないで。

ユニオンなどの専門店のみの販売っぽいです。

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| ETC3 | 01:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francois K. - Essential Mix (London Records:8573 82178 2)
Francois K-Essential Mix
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フランソワケヴォーキン、NYクラブミュージックシーンの生き字引。数々の有名なアーティストの音楽制作に手を貸すと共に、自身でWave Musicを設立し才能あるアーティストの育成に貢献し、そして自身はジャンルレスな選曲で音楽を紡ぎダンスミュージックの素晴らしさを世に伝える。彼の前ではどんな音楽だろうとそれ自身が良ければ差別される事なくミックスの中に放り込まれ、ディープスペースを形成する一つ流れの中に組み込まれる。フランソワは数多くのMIXCDを発表してきたがその中でも最も評価が高く、そして最もディープスペースを感じ取れるのがこの"Essential Mix"。正にタイトル通りの極めて重要で極めて基本的なミックス。彼の長年に渡るDJ生活の中でも特に彼が好み重要な曲を余す事なく注ぎ込んだ極上のミックスであり、NYダンスミュージックの歴史でもある。テクノ、ハウス、エレクトロ、ファンク、ヒップホップ、クラブジャズ、ドラムンベースなどが違和感無く同じ時系列に存在し、ダンスミュージックの多様性と過去を感じさせ、未来への展望を伺わせる内容。選曲は言わずもがな各曲の自然な繋ぎ方、展開のまとめ方はさすがベテランと言うべきもので、文句の付け所の無い歴史的傑作だと断言出来ましょう。惜しむらくは現在廃盤となっていて入手困難かつ、オークションなどでもかなり高額化してしまった事だろう。



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| HOUSE4 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
New Musik - Warp (Epic Records:EICP7015)
New Musik-Warp
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TECHNO POPっちゅーレビュー本に載っていて気になって購入したんだけど、めっちゃくちゃカッコイイ音楽でした。英国の4人組バンドが82年にリリースした3枚目かつラストアルバムなんだけど、至極のエレクトロポップミュージック。例えるならKraftwerkとThe Beatlesの蜜月の出会い、エレクトリックとポップの未知との遭遇。どんな言葉を持ってしてもこのアルバムの素晴らしさを表現するには、足りない位かもしれない。英国流のポップなセンスもさる事ながら、打ち込みを多用したポコチャカサウンドが素晴らしすぎる。これは正にテクノ前夜の垢抜けない電子音楽でもあるのだが、ファンキーなギターカッティングなども聴けたりリズムのファンキーな加減もエレクトロを感じさせたり。打ち込みを多用したタイトな構成とレトロな音には、テクノファンには堪らないと思うよ?勿論ポップな歌物が多くて、電子音を多用したポップとしても普通に聴けるので、UKポップが好きな人にもお勧めしたい。"All You Need Is Love"のカヴァーと、更には自作の"All You Need Is Love"と言う曲もあったり、そんな面白さもあります。





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| ETC2 | 05:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Aux 88 - Aux 88 (Submerge Recordings:SUBCD-3011-2)
Aux 88-Aux 88
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デトロイトテクノの創始者・Model 500ことJuan Atkinsのエレクトロを継承するAux 88。自分はエレクトロ自体はそんなに好んで聴かないのですが、Aux 88のメンバーであるKeith TuckerはOptic Nerve名義でも活動していて、デトロイトの影響を色濃く持つDelsinからのリリースもしていたので興味がありました。Aux 88としてのアルバムは約7年ぶりらしいですが、時代がどれだけ経とうともAux 88は王道的なエレクトロを展開しています。と言うかこれは誰が聴いてもKraftwerkの影が見えて、全く時代が進まずに止まっている事を感じさせます。だが、それがいい!!(By 前田慶二)。ピコピコな安っぽい音はレトロなコンピューターを思わせるし、質素に削ぎ落とされたファンキーなリズム帯、そしてみぞおちに来るベースラインは正にKraftwerk、Juan Atkins直系のサウンド。そう、デトロイトのアーティストはみんなKraftwerkを聴いて育った世代、だからこの音はある意味テクノの根元を示しているのです。ちなみにURほど狂気と言うかダークな感じが無いので、良い意味でAux 88の方が聴き易いです。こんなエレクトロなら大歓迎ですよ。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Jungle Brothers - Done By The Forces Of Nature (Warner Bros. Records:9 26072-2)
Jungle Brothers-Done By The Forces Of Nature
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去年宇宙をテーマにした音楽を紹介する"宇宙からの歌、宇宙への音"(過去レビュー)と言うディスクガイドを購入したのですが、その中から面白そうな音源を大量に購入してみました。なんで今日から一週間弱はそれら宇宙を感じるディスクのレビューを行う予定です。

まず一発目は自分の得意分野ではないヒップホップからJungle Brothers。とても有名なグループらしく、Kraftwerkをサンプリングした"Planet Rock"で有名なAfrika Bambaataa(訂正:ではなくて、その弟・Afrika Baby Bambaataa=Nathaniel Hallでした)も所属するグループです。ヒップホップが苦手な理由は独特な歌い方のラップが肌に合わないからなんですよね。とちょっと身を構えつつも本作を聴いてみると、やっぱりラップは一杯入ってるよ。でもそのラップ以上にビートがめちゃめちゃ格好良いぞ!思わず首を振り振りしたくなる肉体を刺激するリズム。ヒップホップって言うかこれはむしろファンクって呼びたくなるヴァイブスを感じるぜ。宇宙的かと言うと自分にはしっくり来なかったけど、この野性味溢れる黒光りするビートは渋くて惚れる。日本で流行る妙にハッピーでウキウキなヒップホップとは一味も二味も違うじゃん。で実はビートプログラミングの大半はTowa Teiがやったんだって、知らなかったよ。色々調べた所、Roy Ayers、Earth, Wind & Fire、Parliament、Pharoah Sanders、Afrika Bambaataaなど色んなアーティストの曲をサンプリングしてるとか。曲を聴いてどこに何が使用されているのか全然分からないけれど、そんな事は抜きにしてファンクを感じられるアルバムですね。

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| ETC2 | 22:50 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Christian Prommer's Drumlesson - Drum Lesson Vol.1 (Sonar Kollektiv:SK162CD)
Christian Prommer's Drumlesson-Drum Lesson Vol.1
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既に話題になっているChristian Prommer's Drumlessonによる"Strings Of Life"のジャズカバー。ぶっちゃけ"Strings Of Life"のカバー・リミックスは今までにも幾つかあったけど満足出来る作品は無かったです。だからどうせ今回もと高をくくっていたのですが、CPDのカバーは予想外に出来が良かったです。原曲の叙情的なメロディーを生かしつつ、ジャズアレンジを施す事によりテクノとはまた異なる躍動感を生み出していて文句無しな内容ですね。そのCPDが更に発展して、テクノ・ハウスの名曲を全部ジャズカバーしたのが本アルバムです。選ばれたアーティストはLarry Heard、Ame、Jay Dee、Kraftwerk、DJ Gregory、Patrick Pulsinger、Josh Wink、Derrick May、Isolee、Nuyorican Soulと一流所が勢揃い。また選曲の方も名曲が勢揃い。これでもし陳腐なカバーなどしよう物なら周りから生卵を投げつけられる事は必至ですが、どうやらその不安は杞憂に終わったようです。ピアノ、ドラム、ベースをメインとしたシンプルなセットながらもピアノの華麗なアレンジ、ドラムの繊細かつ生き生きとしたビートがクラブミュージックを完全に別の物に作り替えている所が絶品です。単純に一発芸に頼った音でもなく、個々の演奏力・アレンジ力があるからこそ成し得たアルバムですね。

2/27追記
なんと日本盤にはGalaxy 2 GalaxyのHi-Tech JazzとYMOのComputer Gamesのカヴァーも収録!

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 18:30 | comments(2) | trackbacks(3) | |
DJ Hell - Misch Masch (Fine.:FOR88697030152)
DJ Hell-Misch Masch
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知ってる人は知ってると思うが、ドイツはデトロイトの衛星都市である。Tresorの一番最初の作品はX-101(Jeff Mills+Mike Banks+Robert Hood)だし、初期Basic ChannelはURの影響下にあったし、Jeff Millsの1stアルバムもTresorからだし、よくよく考えるとテクノに影響をもたらしたKraftwerkはドイツ出身だ。種明かしをしちゃうとDerrick Mayが「ドイツはデトロイトの衛星都市である」と発言していたのだ。とにかくドイツの人もデトロイトテクノには、影響を受けそして畏敬の念を抱いているのだと思う。

そしてそれをあからさまにしているのが、ドイツの貴公子・DJ Hell。「デトロイトテクノの再評価と言う感覚は、テクノのリアルな部分を見過ごしている事」とさえ言い切っている位、彼の中ではテクノ=デトロイトテクノと言う事なんだろう。テクノが細分化し色々な方向へ袂を分かっても、結局の所流行とは関係無くその存在が揺るがないのはデトロイトテクノのみなのだ。DJ Hellも余りにもデトロイトテクノを愛すが故に本作の様なデトロイトテクノ満載のMIXCDをリリースしてしまった訳だが、ドイツの事も忘れずに合間にジャーマンテクノも混ぜつつデトロイト好きを納得させるプレイを聴かせてくれます。シンセストリングス重視では無くて、比較的煌びやかで金属的な鳴りのするデトロイトテクノが多く、オリジナルデトロイトと言うよりはそれに影響を受けたドイツのテクノと言う感じですかね。ミニマルで陶酔感を生み出す流行の中、この様なメロディーを大切にした聴かせるMIXCDは非常に好感が持てるなー。ベタだけどなんだかんだデトロイトテクノ満載のMIXCDは好きなんですよ、はい…。一応古臭い内容にならない様に新しめのテクノも使っている所で、プロアーティストとしてのプライドを守っているのかDJ Hell。ちなみにDISC 2はDJ Hellのリミックスワーク集なんだけど、全然聴いてないしどうでも良い。

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| TECHNO5 | 21:30 | comments(7) | trackbacks(0) | |
Kraftwerk - Expo 2000 (EMI Records:CDEM562)
Kraftwerk-Expo 2000
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ぶひっ、6月だって言うのに蒸し暑い毎日で少々ダレ気味のマチュでございます。暑い夏がやって来ると夏ばてを防ぐ為に、ゴーヤを食する事が多くなります。苦いけれどあの苦さが効くーって感じですね。

ダレ気味なので音楽の方も激しいのは聴く気が起こらず、ゆるゆるでまったりした物を体が欲しがっていました。そして選んだのはテクノの起源・Kraftwerkが、2000年に行われた世界万博の為に提供した約15年ぶりの新曲"Expo 2000"。一時期はKraftwerkはもう新作は出さないと誰もが思っていたであろうし、この15年ぶりの新作が出ると知った日には狂喜乱舞でございましたよ。そして実際にその内容を聴いてみると、あぁ確かにKraftwerkだねと言う内容で地味ではあるけれどやっぱり凄いの一言。音と言うのは物質の振動に依り生じる物なのですが、Kraftwerkの音は正に空間の揺らぎを感じられる奥深い音なのです。まるで彼らの音の振動に合わせて時間も空間も徐々に変調していく様に、時は遅くなり空間は捻れていく。電子音の出し方が別格、音の一つ一つが既に芸術品で自然と聴き入ってしまう事でしょう。オリジナルの他にエレクトロバージョンとノンビートバージョンも収録されていて、そのどれもが圧倒的な音の鳴りを聴かせてくれる名作です。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moebius - Tonspuren (CAPTAIN TRIP RECORDS:CTCD-578)
Moebius-Tonspuren
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ここ最近ジャーマンプログレバンドのClusterのメンバー・Dieter Moebius関連の作品が再発されていましたが、本作もその一つ。70年代から活動しているかなりの熟練者で、奇妙な電子音を奏でる事に関しては今時の若い人にも負けておりません。まだまだ電子楽器が発達していないころから手取り足取りで、面白くカラフルな電子音を発す事に専念している極めて変な人だと思います。1983年にリリースされた「音のスプレー」と言うタイトルの本作も、その名の通りポップで色彩豊かな情景を映し出しまるで絵画の様な音楽です。ダンスミュージックの形式では無いのでテクノとも異なりますが、エレポップらしい楽観的で一聴して耳に馴染みやすいメロディーが印象的です。明瞭なメロディーの無かったCluster時代に比べると随分聴き易くなっていて、KraftwerkがヒットしたならMoebiusもヒットしてもおかしく無いと思うんですけどね。それに関しては黒人に受けるファンキーな要素が無いから、しょうがないか。でも本作には8ビットのファミコンで聴けるピコピコなアナログ音が多くて、20歳後半の人には懐かしさが感じられるとも思います。しかしこれを1000枚限定で再発するCAPTAIN TRIP RECORDSって、相当に狂ってるレーベルだな。まあCAPTAIN TRIP RECORDSのおかげで7〜80年代の重要なジャーマンプログレ作品が、今でも入手出来る訳でありますが。

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| ETC2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moebius-Plank-Neumeier - Zero Set (CAPTAIN TRIP RECORDS:CTCD-577)
Moebius-Plank-Neumeier-Zero Set
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本日も引き続きしつこい位にジャーマンプログレッシブロックの紹介です。そもそもなんでこんな特集を組んだかと言えば、原因は本作の限定1000枚の復刻の為です。ClusterからDieter Moebius、そしてジャーマンプログレの名プロデューサー・Conny Plank、そしてGuru GuruからMani Neumeierに依るテクノとジャーマンプログレを関連づけた傑作「Zero Set」がそれです。これがどうしてテクノと関係あるのかって?何故なら94年に音楽雑誌・NMEのテクノチャートのベスト10に、82年作の本作が突如ランクインされてしまったからなのです。10年を経て何故リリース当時話題にもなっていなかった本作が、突如テクノチャートで日の目を浴びる事になったのか?それはどう考えても到底理解出来ない事であります。実際に聴いてみるとテクノらしいリズムとかは一切ありません。Neumeierが生み出すけたたましくパワフルで、ドライヴィング感に満ちた生ドラムはロックその物です。ジャーマンプログレにしてはどちらかと言うと派手な位の臨場感があり、これだけではテクノに結び付く所はありません。ところがどっこいMoebius+Plankのお二方がいると、カラフルでポップなのにどこか摩訶不思議な電子音が全編を支配し、ユーモアに溢れた面白い音楽になってしまいます。多分こうゆう音は頭で考えているのではなく、きっと感覚から生じている物なので真似しようと思ってもなかなか出来ないのでは?実験的と言えば確かにそうで、挑戦的でもあり、また音に関して遊び心を感じるオープンマインドな精神なんでしょう。Kraftwerkが完全に人間味を廃した未来的な音を表現するのに対し、このバンドでは電子音を多用しつつも人間的な不完全さが織りなす自由さが表現されていると思います。ここに閉鎖的な音は存在せず、高らかにジャーマンプログレの壁を打ち破る傑作となったのでした。だとしても94年に何故再度日の目を浴びたのか、本当に不思議です。

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| ETC2 | 22:20 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Moebius & Plank - Material (CAPTAIN TRIP RECORDS:CTCD-576)
Moebius & Plank-Material
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今日も昨日に引き続きジャーマンプログレッシブロックの紹介です。昨日はMoebius & Plankコンビの1stアルバムを紹介しましたが、今日は同ユニットの2NDアルバムを紹介します。本作も限定1000枚のみのリイシューなので、気になる方はお早めに購入しますように。さて本作にも関わっているConny Plankなんですが、ジャーマンプログレッシブロックにおいては欠かす事の出来ない存在でありまして、Cluster以外にもKraftwerkやNEU!、Ash Ra Tempel、Guru Guruなど多くのバンドのプロデューサーやエンジニアを務めていました。そして80年代に入ると数多のニューウェーブバンドから手を引かれる状態となり、音楽制作においてかなりの影響を及ぼしたそうです。で本作なのですが、確かにジャーマンプログレと言うよりは音が鋭角的でニューウェーブの方に近いかと思われます。電子楽器の利用は当然なのですが、ギターなども導入されて荒々しく生々しい臨場感のある音が特徴ですね。81年作なのに古臭い感覚を匂わせる事もなく、ソリッドで切れ味鋭い音とか立体的な音響が今でも新鮮に聞こえます。もちろんエレクトロニクスも存分に使われていて、太いアナログシンセの音や廃墟から生じる様な寂れた音がパンク精神を感じさせますね。完全にConny Plank色全開です。

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| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cluster - Cluster (Brain:POCP-2385)
Cluster-Cluster
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テクノとの関連も深いジャーマンプログレッシブロックの名盤の数々が目出度く再発される事になったので、今日から当面はジャーマンプログレ特集を続けます。テクノが好きな方は是非ともこの機会にジャーマンプログレにも耳を傾けるべきでしょう。有名どころで挙げればKraftwerkやManuel Gottschingなんかは皆様ご存じだと思いますが、実は70年代初期には同じくドイツからエレクトロニクスを駆使した新世代のロックバンドが続々と生まれていたのです。彼ら新世代はロックとは言いつつも既存のフォーマットから外れた構成力と前衛的な実験精神を伴って、予定調和にならない電子音楽を生み出したのです。そしてそれら音楽はその後、テクノの活性化に伴い新たに日の目を浴びる事となったのでした。

さてジャーマンプログレ特集初日は、Dieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusの二人からなるCluster。ジャケットをまずは見て貰いましょう。星が無数に散りばめられているけれど、正にそんな感じのラリパッパーな音楽です。ビートとかリズムなんてものは存在しないし、明確なメロディーもありません。電子楽器が無機質で不安定な旋律をなぞり、この世とは思えない異次元の様な不思議な音を発しているだけなのです。ふらふらとふらつく電子音には浮遊感覚を覚えるのですが、それが快楽を生み出すかと言えばそうでもなく密閉空間に閉じこめられた如く陰鬱で重い空気が漂っています。ビヨンビヨンとかゴォォーとかずっとそんな感じで電子音が鳴っているだけで単調ですが、テクノだって単調なリズムが基本。そうゆう意味ではテクノ好きが最も好感を示すジャーマンプログレかもしれません。単純に電子音好きな人も聴く価値は有りです。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Submerge Live In Japan (Submerge:SUBJPDVD001)
Submerge Live In Japan
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もはやテクノ、ダンスミュージックに限らずに世界に存在する音楽の中で、確実に重要指定文化財として認められるべきUnderground Resistance。彼らがGalaxy 2 Galaxy名義で2005年2月13日にリキッドルームで行ったライブを、後世に語り継がれるべくDVDにパッケージ化。もちろんあの瞬間、あの場所を再現するなんて言うのは土台不可能な訳ではあるけれど、それでもこのDVDには充分に価値がある。なんと言ってもマスクを脱いだMad Mikeの素顔が見れる事だ。おぉ、実は結構格好良い顔をしてるんだね、Mad Mikeは。彼が今までマスクを被ってきたのには訳がある。「音楽で大事なのは、演奏者ではない。スピーカーから出る音が大事なのだ」とはMad Mikeの言葉で、だから今まで自分を認識不可能な存在として正体を明かさなかったのだ。今になって公に姿を現したのには、もう充分音楽で彼らの信念を伝える事が出来たと言う事なのだろうか?

さて、取り敢えずテクノ好きな人は僕が紹介せずともきっと買おうと思っている人も多いだろうし、内容も語らなくなって素晴らしい事は分かっている。ラテンパワー全開のLos Hermanos、シットでファンキーなElectrofunk、そしてフュージョン節丸出しのGalaxy 2 Galaxy、そのどれもが人力でテクノを演奏している。このマシンに頼らずに人力でと言うのが、彼らの真骨頂であり彼らの信念である。マシンに頼るから悪いのではなく、彼らのソウルを表現するのに人力である必要があっただけの事。Love & Peaceに溢れた演奏は、聴く者を魅了し希望を抱かせるには充分なエネルギーが詰まっている。URは本当に素晴らしいコミュニティーだよ。

残念なのは、Los Hermanosが演奏したKraftwerkのDentakuと、Galaxy 2 Galaxyが演奏したKraftwerkのNumbersが版権の問題によりカットされている事だ。むぅ、これは悔しい。あとMad Mikeよ、JaguarのクレジットにMad MikeとGerald Mitchellの名前しか無いのはどうゆう事なんだ?あれはDJ Rolandoが手掛けている曲のはずだ。Mad Mikeは真の男なのだから、その釈明を聞かせて頂きたいぞ。

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(3) | trackbacks(1) | |
Herbie Hancock - Future Shock (Columbia Records:CK65962)
Herbie Hancock-Future Shock
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アマゾンでお安く購入出来た歴史に名を残すエレクトロ、Future Shock。Herbie Hancockと言えば王道ジャズアーティストなのですが、テクノ好きの僕がただのジャズアルバムを買う訳がありません。このFuture Shockだけはデトロイトテクノのオリジネーターたちも影響を受け、世の中にエレクトロの存在を知らしめた一枚なのだそうです。と言う事で期待して買ってみたのですが、1983年作と言う事もあってか古い音だな〜とまず感じました。今だったらこんな音、誰でも作れるんじゃね?と思うのは間違いないと思います。しかしそれは過信と言う物であり、リズムマシーンやアナログシンセを使用して黒人音楽を電気化して演奏したその結果は、やがてはデトロイトテクノの誕生の一端にも繋がったのではないでしょうか。Kraftwerkが自らを機械化してエレクトリックミュージックの新たなる道を切り開き、Herbie Hancockはそこにファンクやソウルの要素を持ち込み更に開拓を広げた、僕はそう思います。またスクラッチが大々的に取り入れられていて、一般的にスクラッチを認知させたのもこのアルバムだと言う事らしく、ここからヒップホップへの繋がりもあったのでしょう。ダサ格好良いとはこのアルバムの事を言います。

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| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2005 Best Seller
今年も遂に終わりがやってきました。と言う事で年間ベストなんですが、その前に今年は年間売り上げベストを行おうと思います。皆様今年もこの「Tokyo Experiment」経由@アマゾンで、多くの商品を購入して頂いてありがとうございました。アフィリエイトのおかげでより多くのCDを購入出来、色々な音楽を紹介する事が出来たと思います。ただの趣味で始めたこのブログですが、テクノやハウス、自分の好きな音楽をもっとみんなに聴いていただけたらなんと素晴らしい事かと。それでは僕が紹介したCDで、今年売り上げの良かった順に紹介させて頂きます。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Kraftwerk - Minimum - Maximum (Astralwerks:ASW36292)
Kraftwerk-Minimum - Maximum
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本来ライブCD・DVDである「Minimum - Maximum」はCDとDVDが同時発売される予定だったはずなのですが、季節が巡ってやっとDVDが発売されました。クラフトワークは音楽もさる事ながらライブにおいては完璧にエンターテイメントをこなす事の出来る数少ないテクノユニットであり、例えそれが予定調和だとしても彼らの演奏に異を唱える者は少ないであろうかと思います。なんと言うかクラフトワークのライブは聴くよりも見ていると言う方が適切であるかと思います。僕も2度程彼らのライブを体験したのですが、殆ど微動だにしないクラフトワークのメンバーに対し、殆ど動かないファンの山。テクノなんだけどもろに踊れる音楽って事でもないので、みんな見入ってしまうのでしょうね。その上音楽とマッチしたレトロフューチャーなムービーが永遠と流されたり、「The Robots」ではメンバーは舞台に上がらず代わりにロボットが動いているだけ。更にはアンコールでは定番の電飾コスチュームに身を包み、近未来的なステージを演出します。と見ていて楽しいライブなんでしょうが、余りにも予定調和なライブにつまらんとぼやく人もいるかもしれません。それはそれである意味正しい意見なのですが、クラフトワークに求めるのは機械化された人間であり、それはクラフトワーク自身も分かっているはずでしょう。淡々と自分たちの役を30年もこなし続けるなんて、ただのアーティストなら飽きられてしまうし続くはずもありません。クラフトワークはポップアイコンの一つであるのだと思います。

気合いの入ったファンにはCD2枚組+DVD2枚組+88ページフルカラーのブックレット付きのボックスセットをお勧めします。UK盤、US盤の2種類ございます。
Amazonで詳しく見る「Minimum - Maximum- [Limited Edition] [from UK]」
Amazonで詳しく見る「Minimum - Maximum- [Limited Edition] [from US]」

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
2005/08/27,28 Metamorphose 05 @ 修善寺 サイクルスポーツセンター
先週末は恒例3ヶ月に一度の友達との温泉旅行を兼ねて、伊豆旅行とメタモに行ってきました。メタモ初参戦と言う事で勇んで参加しましたが、結局殆どゴロゴロしながら音楽聴いたりして、まったりとしてましたね。

まずはBOOM BOOM SATELLITES。ラウドでロッキンなエレクトロニックミュージック、いきなり盛り上がっていました。しかし僕はビールをぐびぐび飲んで、遠くで観戦。

その後、友達と一緒にルナーステージに移動して、Q-HeyとMarco Baileyで軽く踊ってきました。久しぶりにガツンガツンの4つ打ちテクノを聴いたけど、やっぱり4つ打ちは素晴らしい。家では聴かないけどクラブなら4つ打ちだろ〜と、しみじみ思いました。
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| EVENT REPORT1 | 23:30 | comments(12) | trackbacks(10) | |
Marco Passarani - Sullen Look (Peacefrog:PFG053CD)
Marco Passarani-Sullen Look
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あんま詳しく知りませんがイタリアテクノシーンの重鎮だそうです。イタリアって言うとイタロディスコってイメージですが、やっぱおいらはテクノですよ。しかもUK屈指のテクノ・ハウスレーベルであるPeacefrogからとなれば、その内容も折り紙付き。ちょっとださめでチープなシンセ音がピコピコ…こ、これは冗談抜きで時代に逆行してる。しかし所々にアシッドハウス調のハットやベースラインが入ったり、もしくはデケデケのファットなベースラインが待っている。これは何だろう、デトロイトのダークなエレクトロを思い出す。もちろんURやDrexciya程の狂気じみたエレクトロでは無いけれど、ポップでセンチメンタルな音でありながらその音は硬く、テクノビートと断言出来る格好良い物だ。ピコピコとエレクトロ?これはDrexciya+Kraftwerkとも言えるかもしれない。まあKraftwerkを持ち出すなんておこがましいけれど、その位ポップな事は間違いないです。暑苦しい熱帯夜に清涼な風が吹いてきました

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| TECHNO2 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kraftwerk - Minimum-Maximum (Astralwerks:ASW60611)
Kraftwerk-Minimum-Maximum
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いや〜何故かアマゾンから発売日前にクラフトワークのライブベスト盤が届いちゃいました。あぁ、良い子のみんなは決してタワレコとかで買ってはいけないよ?タワレコではCCCDのヨーロッパ盤を高い値段で売っているからね。アマゾンなら安くて通常のCD盤を買えて一石二鳥だよ。まあ相当金持ちか奇特な奴じゃない限り、高い金出してCCCD買う人なんていないだろうがね。

あ、話が逸れました。クラフトワークと言えば現在活躍するテクノアーティストの大半が影響を受けたであろう、いわゆるテクノの神様だとか色々言われている。そんな事は抜きにしても彼等の電子楽器が織りなす音は、非常にフューチャリスティックであり21世紀の現在においても独特の地位を築いている。そんな彼等の初のライブベスト盤(一応以前にもライブ盤は出ているのが…)が出た。エンターテイメント性と音楽性を両立させたライブとは一体?ここでは耳だけで確かめるしかないが、是非聴いて欲しい。

テクノ大国ドイツで生まれたKraftwerkはAutobahnを疾走する。そんな頃Radioactivityに警告を発しながらも、着々とテクノを推し進める。ドイツ国内で収まり切らなくなった彼等はTrans-Europe Expressに乗り、更に勢力を広げていく。いつの間にか自らをThe Robotsと化し正にThe Man Machineとなる。これまで以上に電子音楽性を強めてゆき、未来の街中に輝くNeon Lightsを尻目にDentaku片手に音楽カナデル。イチ、ニ、サン、シーとNumbersを数えて何処に向かうと思いきや…自転車レース最高峰のTour De Franceに思いを寄せて、本人達もサイクリングを楽しんでいる。その後はしばらく身を潜め、その後のテクノの成長を静観。しかし充電期間を蓄え彼等もEXPO2000(Planet Of The Visions)で生還を果たす。ここにて新旧テクノの神様、KraftwerkとUnderground Resistanceの交流が生まれる。さすがに歳を取ったせいか再度のTour de Franceのサイクリングの際には、Vitaminを補給して準備万端。Kraftwerkの音楽の旅は終わらない。Music Non Stop…

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| TECHNO2 | 21:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Ken Ishii - Jelly Tones (Sony Music Entertainment:SRCS7887)
Ken Ishii-Jelly Tones
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「渚」でケンイシイがEXTRAを回したと言う事。それはもちろんファンサービスだったのだろうが、しかしそれでもこの曲は彼の中でもターニングポイントになったであろう重要な曲だ。彼のデビューは日本ではなく海外からであり、日本での注目は殆どされていなかったのだと思う。もしあったとしてもそれは一部のコアな人だけしか、気付いていなかったかもしれない。

僕がケンイシイに注目し始めたのは、やはり95年のこのデカイ顔ジャケのアルバムがレコード店に並べてあったからだ。しかし気にはしたが良く分からなかったので、買わずにスルー。結局ビデオCD付きの初回限定版は異常な人気を見せて、ケンイシイも徐々にお茶の間に進出した。この初回盤を見逃した事は、僕の中でもかなりの失敗と言える。

そうこの「Jelly Tones」こそ、ケンイシイが日本から世界に羽ばたいた作品なのだ。ジャケットから想像できるように音楽も近未来的テクノ。Kraftwerkなんかは何時まで経ってもレトロ感溢れるフューチャーテクノを感じさせるが、ケンイシイの場合は本当の意味で1995年において21世紀を表現していたと言える。そしてこれは東京と言うメトロポリスから発信された、日本が世界に誇るべきテクノだ。今までは実験的な面が強調されていたせいで、インテリジェンステクノとも見なされていたケンイシイだったが、このアルバムにおいてはフロアとも直結するストレートな音楽性を打ち出し多くのファンを獲得した。美しさと強靱さを兼ね備え、TOKIO CITYの無限なる混沌としたエネルギーに満ちたアルバム。緻密に配置されたケンイシイ独特のシャープなシンセが、ネオンライトを演出している様だ。「EXTRA」は東京の真夜中の高速ドライヴィングであり、どこまでも突き抜けるかの様な疾走感に溢れている。終曲の「Endless Season」はタイトル通り、季節の終わりを感じさせる美しくも儚い名曲。どの曲にも言えるのは、やはり独特なシンセの音色。ケンイシイをケンイシイたらしめているのは、フューチャリスティックなシンセの音色なのだろう。この音無くして、彼の世界規模での成功は無かったであろう。またこういったアルバムを聴く事が出来るならば、是非とも聴いてみたい。円熟味を見せるケンイシイの次作は一体どうなるのだろうか。

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| TECHNO1 | 21:30 | comments(3) | trackbacks(1) | |
Harmonia - De Luxe (Polydor K.K.:POCP2388)
Harmonia-De Luxe
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ClusterのメンバーとNEU!脱退後のMichael Rotherが一時的に手を組んだユニット。Clusterの方は元々Klusterと言う名前で活動をしていて、フリーインプロヴィゼーションによる音楽と言うよりは音が鳴っているだけの物らしい。そしてMichael Rotherは元Kraftwerk、そしてNEU!結成→脱退と言う経歴。こんな人たちが一緒になって奏でた音楽は、予想外にもポップ!NEU!のパンキッシュで衝動的な部分がより強調され、そして明るい。どこまでも突き抜けるかの様に、幸福感に満ちあふれている。きっとMichael RotherのNEU!での活動がこのアルバムに影響しているのだろう。リズム帯もNEU!の様な勢いのある反復ビートを思わせるし、その上を開放感のあるシンセサイザーやギターが縦横無尽に駆け巡る。ジャーマンプログレでここまで躍動的な音楽は、他にはあまり無い気がする。中にはシンセサイザー中心の曲もあり、現在のアンビエントにも通ずる心地良さを感じる事が出来る。こちらはClusterの影響が大か。最後の曲なんてカエルの鳴き声や、水の流れる音、鳥の鳴く音などがミックス(現在で言うサンプリング?)されてチルアウト状態。こんな音楽を聴いていたら家に引き籠もっていないで、外に出て太陽の光を浴びたくなってしまう。Kraftwerkがテクノの元祖と言われているけれど、Harmoniaだってそう言われてもおかしくないかも。

Check "Cluster" & "Michael Rother"
| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Neu! - 2 (Groenland:7243 53078126)
Neu!-2
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最初期KraftwerkのメンバーであるKlaus DingerとMichael RotherがKraftwerkを脱退後に作ったバンドが、この”新しい”と言う意味のNEUだ。Kraftwerkの電子音楽とは異なり、こちらはパンキッシュでロッキンなのちのPILJoy Divisionにも通じるような音楽が特徴。ギターを掻きむしり、ベースがベンベン唸る。と言ってもやはりジャーマンプログレ、尋常ではない。ハンマー・ビートと言われる反復リズムが特徴らしいが、僕には良く分かりません。しかし明らかにこの後のテクノに通じる反復ミニマルが既に確立されている。そしてその上に強烈で過激なエフェクトが施され、現在のサンプリングにも負けず劣らずな効果を生み出している。またテープを使い曲の途中でスピードを少しずつ変えていったり、明らかに今までのロックには無かった作風もある。そして何よりもKraftwerkは生真面目にそして精密に作品を作るのに対し、NEU!は衝動的と言うか音楽を作る時の勢いが作品自体に新鮮に封じ込まれている。聴いていて清々しく、悩みも吹き飛ぶような新鮮な作品だ。重苦しい作品だけがジャーマンプログレではないのだ。

Check "NEU!"
| ETC1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kraftwerk - Autobahn (Toshiba EMI Ltd:TOCP-50578)
Kraftwerk-Autobahn
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果たして現在このユニットをジャーマンプログレで括れば良いのか?今となってはテクノのオリジネーターなんて言い方をされているし、僕もテクノゴットだと崇拝していますが過去のアルバムはあんまテクノって感じじゃないと思う。特に本人たちが抹殺したがっている、真の1stと2ndアルバムはテクノでは無い。んで、一般的に1stアルバムと認められているこのアルバムからは、テクノの片鱗が伺える。と言うよりはエレクトロニックミュージックと呼んだ方が、良いかもしれないが。多分ジャーマンプログレの中で一番成功したユニットなんだろうけど、その要因はとにかくポップな事なんじゃないかな。この路線は今でも変わらないし、ライブでも一緒に口ずさめる曲ばかり。ジャーマンプログレが難解だと思われるけど、Kraftwerkは電子楽器をシンプルに多用し、聴衆に馴染みやすい音でじわじわと浸透していったに違いない。レトロな音で20世紀において21世紀を表現し、21世紀になった現在は完璧にテクノユニットになって復活を果たした。周りがテクノだテクノだと騒ぐおかげで、本人達も逆にテクノに影響を受けたんじゃないかと思う。過去と現在でかなり音は違うけれど、コンセプト重視の考えは今でも変わらないし決して妥協のしない完璧主義者である。まずはこのアルバムの表題曲、「Autobahn」の20分オーバーの長い高速道路旅をお楽しみあれ。

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| TECHNO1 | 18:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
2005/02/13 SUBMERGE TOUR @ Liquidroom
行ってきましたよ〜、Galaxy 2 Galaxy!!結論から言うと(・∀・)イイ!!まあ、その分混み具合は満員電車状態でしたけどね。じゃあ忘れない内にちゃちゃっと感想を。

B.Calloway-Black Grooves Mr.De'-Renaissance
左:B.Calloway-Black Grooves
右:Mr.De'-Renaissance

Los Hermanos-On Another Level UR Presents Galaxy 2 Galaxy-A Hi Tech Jazz Compilation
左:Los Hermanos-On Another Level
右:UR Presents Galaxy 2 Galaxy-A Hi Tech Jazz Compilation

今回出演したアーティストの作品です。アマゾンで購入可。
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| EVENT REPORT1 | 01:50 | comments(9) | trackbacks(4) | |
Yoshinori Sunahara - Lovebeat (Ki/oon Records:KSC2 387)
<>Yoshinori Sunahara-Lovebeat
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元電気グルーヴのまりん、いやもう元電気グルーヴなんて言葉は必要無い事をファンならば知っているだろう。まりんは電気とは既に違うネクストレベルの域に、この作品で達したのだ。いや、むしろ原点に回帰したとも言える。なんてったって、これは日本のKRAFTWERKなのだから。最小限の骨組みだけに依る作品にもかかわらず、空間と空間の隙間にある音を感じぜずにはいられない。そして何よりも、ここには黒いソウルが満ち溢れている。砂原の感情が、隙間に満ち溢れているのだ。迷宮を彷徨うかの様に反復する電子音。メビウスの輪のように、終わらない音の連なり。シンプルな構造が生み出す、最大の世界。コンセプチュアルな作品と言うのは本当に少ないが、彼はアートワークも含め完璧な作品を生み出した。日本から世界に向ける、エレクトリックソウル。アルバムには「BEAT」と言う単語の入った曲が4つもある。

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Check "Yoshinori Sunahara"
| TECHNO1 | 22:28 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Slam - Year Zero (Soma Quality Recordings:SOMACD38)
Slam-Year Zero
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遂に出たぁっ!!SOMAのボスSLAMの3rdアルバム。テーマは「Electronic Music With Vocal」と言う事で、元One DoveのDot Allison、Envoy、Kevin Saundersonの奥さんAnn Saunderson等がボーカルで参戦。テクノ+エレクトロ+ポップな感じで、デンデケベースにポップなメロディーが乗っかってノリノリでハードです。でデトロイトフォロアーなこの人達だからこそ、当然デトロイトを意識した曲もあります。Ann Saundersonが歌うLie to Meは、シンセアルペジオに分厚いベース、妖艶なボーカルが乗り、暗くて甘いダークテクノです。Known Pleasuresはシンセがこだまして高らかにストリングスが鳴り響く、正にデトロイトテクノ。又4、10曲目なんかはKraftwerkっぽいし、この人達なんでも器用にこなしますね。何故か日本での人気は全然ないけど、テクノを聴くならこの人達は必ず外せないと思うんだけどな…。今年はFunk D'Void、Envoy、そしてこのSlamを三種の神器として是非購入する事をお薦めします。

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| TECHNO1 | 22:05 | comments(1) | trackbacks(1) | |
Techno Legend,Juan Atkins Has Come Back!!!
Juan Atkins-Back To Basics Part1 Juan Atkins-Back To Basics Part2 Juan Atkins-Rebound
左からBack To Basics Part.1(Regal Recordings:REG92)、Back To Basics Part.2(Regal Recordings:REG89)、Rebound(Subject Detroit:Sub005)

Juan Atkinsと言えばデトロイトテクノ創始者。かのDerrick Mayも彼には頭が上がらないとか。もうゴッドファーザーですよ、神ですよ。テクノ、エレクトロ、そしてジャズまで器用にこなす彼は生ける伝説です。そんな彼も最近は活動を潜めて何してんだか謎だったが、今年は精を出して働いています。今年に入ってもう3枚もEPを出しているなんて、嬉しい限りです。Back To Basics Part.1のA面はドラムンベース?な展開。あれ?って感じだけど、透き通るようなデトロイト特有の上物シンセは間違いない!これぞデトロイトな音だ。B面はちょっと生っぽくKirk Degiorgioがリミックス。Back To Basics Part.2はB面が美味しい。上物シンセはPart.1と似ているが、リズムが直線的。ガシガシと体をシャッフルします。そして極め付きはReboundのA面。オリジナルデトロイトテクノに回帰しています。リズムは太いんだけどオールドエレクトロな雰囲気も漂わせつつ、ピコピコなシンセが乗っかる所なんてKraftwerkを喚起させる。エレクトロとテクノの良い所取り。B面に昔の曲のリマスターが入ってるのは、許しましょう。もう活動歴20年、老いて尚盛んなJuan Atkins。この勢いでアルバムも作っちゃってください。

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| TECHNO1 | 11:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |