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FRKWYS Vol.15: serenitatem
FRKWYS Vol.15: serenitatem (JUGEMレビュー »)
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Deetron - DJ-Kicks (!K7 Records:K7359CD)
Deetron - DJ-Kicks
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3台のターンテーブルを駆使してヒップ・ホップ上りのミックステクでハード・テクノなDJをしていたのも今や昔、制作するトラックもいつしかメロウでソウルフルな感情性豊かな作品へと移行し、上手く時代の波に乗って進化を遂げてきたDeetron。マイペースで作品をリリースしアーティストとしての確かな評価を獲得しつつ、『Fuse』や『Balance』に『Fabric』等の名物MIXCDシリーズにも抜擢されてきたDJとしての手腕もあり、かつてのハードテクノ勢の中では面白い変化を見せながら独自の音楽性を確立しているが、遂にこの『DJ-Kicks』にも参戦とはやはり海外での評価は日本よりも確かなようだ。本作でも分かる通りテクノ〜ハウスの境目を融かすように混在させる選曲の審美眼、ダンスとリスニングの親和性、デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスのクラシックからモダンな時代の曲までと、どれにも偏らずに一つの流れへと組み込んでいくバランス感は比類なきモノで、80分34曲に渡るシームレスなミックスは優雅でさえある。オープニングからしてCarl Craigのガラス細工のような繊細な美しさを発する"Goodbye World"で始まり滑らかにビート入りの曲がミックスされ、古き時代の変異体ディスコの"School Bell / Treehouse"でアクセントも盛り込みつつ、シカゴ・ハウス名作の"Waterfall (Deetron's DJ-Kicks Version)"で垢抜けないながらも原始的なソウルの感情性を高めていく。そこからもジャズ・ファンク色なBurnt Friedmannからインテリジェンス・テクノな趣きのSpacetime Continuum、変異体テクノのMorgan Geistなどジャンルはばらばらなれどエモーショナルな共通項で雰囲気を作っていく。中盤ではDJ Kozeの甘美なサイケデリアの"Let's Love"からRon Trent & Chez Damierの幻想的でディープな朝方をイメージする"Morning Factory"へと繋がる瞬間が得も言われぬ程に素晴らしく、そこからはややテクノ寄りにグルーヴ強めの流れへと入り、リズムの崩れたダブ・ステップや逆にソウルフルなボーカル曲も用いて後半に向けて盛り上がる。そんな中にも古き良き時代のAIテクノのBlack Dog Productionsによる"Flux"を聞くと懐かしさが込み上げたりもするが、DeetronやDJ Boneによる骨太で激しいテクノもミックスしながら突入するFloorplanからTerraceにDerrick Mayのデトロイト系繋ぎの流れは非常にドラマティックで、非常に押し引きが上手い。そして混沌としたベース・ミュージック風な"Old Fashioned"から一気にテンションが落ちて、レフトフィールドなポップソングの"Strange Emotion"で今までの喧騒から解放される静謐な閉じ方は心残り無く綺麗に音が消えていく。いまいち日本に於いてはその実力に対しての正当な評価を獲得しているようには感じられないが、本作はそんな評価を覆すには最適なMIXCDで、Deetronのエモーショナルな音楽性を十分に堪能出来る事だろう。



Check Deetron

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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Stardust Memory (Suburbia Records:SUCD1006)
Good Mellows For Stardust Memory
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2015年春に開始し本作にて通算7枚目となる『Good Mellows』シリーズ最新作は、その名も「星屑の記憶」と先ずタイトルからして素晴らしい。橋本徹が正にそのタイトル通りにメロウな曲をジャンルに拘る事なく選曲し、それぞれの時間帯やシーン毎に風景を喚起させるようなコンセプトを用意し、ダンス・ミュージック側の視点からリスニング志向となる音を聞かせるシリーズ。バレアリック、アンビエント、又はハウスでもありテクノでもありジャジーでもあり、橋本によるメロウへの確かな審美眼がジャンルを超越して纏まった世界観を作り上げるシリーズは、埋もれた古典やレア曲に現在の時流まで網羅する事でも非常に音楽的な価値を持っている。アルバムの始まりはサンプリングを用いてチルなヒップ・ホップ風な"By And By"、優しく心に染みるピアノのフレーズが印象的な曲。そこからこのシリーズではお馴染みのGigi Masinによる新曲"My Red Rose"、彼らしく開放感溢れるシンセに耽美なピアノが滴り落ちる静謐なインストで、平穏な情景が伸びていく。続くも常連のInternational Feel主宰のMark Barrottによる"Over At Dieter's Place (Luis Delgado Mix)"では、青々しい木々が生い茂るエキゾチックな密林を思わせるバレアリックな世界を広げ、そしてそこに繋がるのは井上薫によるChari Chari復活作"Luna de Lobos"。ネオアコを思わせる枯れ感漂う哀愁のアコギから徐々にハウスへと変化するチルアウト・ハウスは旅情にも似た侘びしさがあり、そこから中盤は"Waiting"や"Love Story"等淡い色彩感覚のハウス色でスムースな流れに乗って、後半には"Miles Away"によって夜の帳が落ちたようにしっとりとした闇に染めてくディープ・ハウスへと入っていく。そこから鳥の囀りも交えて微睡みを誘発するダウンテンポ・バレアリックな"Tropic Of Capricorn"で真夜中を迎え、その闇の先には朝の光が優しく射し込むような正しくタイトル通りの"Sunday Morning"によって暗闇が明けていく。何処を切り取ってもメロウでバレアリックな、そして星屑が飛び交う夜空のようなドラマティックな世界観は、ゆったりと大らかで包容力に満ちている。疲労の溜まった夜や心に余裕がない忙しない日常に、そんな時でもほっと心身をリラックスさせてくれる音楽がここにある。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lnrdcroy - Much Less Normal (Firecracker Recordings:FIREC014CD)
Lnrdcroy - Much Less Normal
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スコットランドはエジンバラのミステリー、Firecracker Recordings。レーベル創世記はEP単位でフロアで鳴るであろうクラブ・ミュージックを意識した音楽性を展開していたものの、ここ2年はアルバム単位でダンス・ミュージックという形態にこだわる事なくレーベルの音楽性を拡張するような活動を行い、レーベルにとって変革の時期に入っているのだろうか。その流れで2015年初頭にはレーベルを主宰するLinkwoodが久しぶりのアルバムをリリースしたのだが、今度はバンクーバーのアーティストであるLeonard CampbellことLnrdcroyによるアルバムがリリースされた。Lnrdcroy自体は2014年に初めて作品を送り出したばかりの新星なので詳細については不明な点も多いが、実はその年に1080pからカセットテープで本作をリリースしていたものが、何故かFirecrackerに目を付けられてヴァイナル/CDでライセンスされて再度リリースされるという意外な流れで注目を集める事になった。アルバムは穏やかで爽快な青色の海の景色が浮かんでくる"Land, Repair, Refuel"というチルアウト感覚のあるハウスで、ゆったりとした門出だ。続くは爽やかかつ郷愁のギターサウンドで始まるダウンテンポの"Ad In The Paper"、ローファイで錆び付いたビートと牧歌的で和んだメロディーが夢心地な"I Met You On BC Ferries"、そして環境音も取り込んだような静謐な上に壮大なアンビエントの"Sphere Of Influence"と、何処まで穏やかな田園風景が広がるようなリラックスしたチルアウト感覚が通底している。それはさながら都会と山と海が一体化したバンクーバーの平穏な日常(あくまでイメージだが)の響きであり、爽やかな空気と清らかな水に満たされたような空間の音楽だ。アルバムの中では比較的フロア寄りの曲である"If Sylvia Built A House"も、ねっとりとしたアシッド・ベースがうねりながらもそれは凶暴ではなく、酩酊感を誘うようにゆったりと浮遊するようで、曲調は見事に重力感の無い青々しい空が広がるディープ・ハウスだ。そしてアルバムは快楽的な音の波がゆっくりと混沌の中で溶け込んでいくような抽象的なアンビエントの"Now I'm In Love"を経て、最後はFirecracker版のみに収録となり13分にも及び優美な響きもあるロウ・ハウスの"Kendal In Kalusia"にて感動的に幕を閉じる。どちらかと言えば黒人音楽やビートダウンなどの影響を感じさせたFirecrackerのレーベル性から、更に飛躍してより世界へと飛翔するようなチルアウトとコズミックな感覚のある音楽性は、正に想像を喚起させるサウンドスケープとしてアルバムの意義を高めている。



※Amazonでのデジタルリリースは1080p版になります。

Check "Lnrdcroy"
| HOUSE11 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Linkwood - Expressions (Firecracker Recordings:FIREC013CD)
Linkwood - Expressions
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スコットランドはエディンバラを拠点にアンダーグラウンドなテクノ/ハウスを手掛けるFirecracker Recordingsは、発足当初はLinkwoodやFudge Fingasによるスプリット盤が年に一枚出るか出ないかの非常にスローペースな活動を行うレーベルだった。その作品の少なさがレーベル性をミステリアスなものとし、高品質な音楽性と相まってカルト的な人気を博していたが、最近では積極的にアルバムリリースも行うまでにレーベル/アーティスト共々に成長している。そんなレーベルの最新作がレーベル発足当時から中心的存在として活動しているNick MooreことLinkwoodによるアルバムだ。Linkwood自身は過去にPrime Numbersからアルバムをリリースしているのでこれが初になるわけではないのだが、古巣であるFirecrackerからは初のアルバムと言う意味で、ようやくファンが望んでいたであろう形でアルバムがリリースされた事になる。しかし1stアルバムのリリースが2009年、つまりは既に6年前の話なのだから最新作はそれから随分と音楽性を変えている事は、今となっては驚くべき事実ではないのかもしれない。ディスコやフュージョンにファンクなど黒人音楽からの伝統にビートダウンを溶け込ませた音楽性は後退し、新作ではテクノの要素やアルバムとしての多様性を発揮しつつモダンなハウス・ミュージックへと傾倒しているように思われる。アルバムはいきなりリゾート地での優雅な一時を過ごすようなノンビートの"Sonrise"で始まり、続く"Outside In"も非常に穏やかな流れの中で耽美なコードのシンセが浮かび上がるサウンドトラック風な曲で、出だしは予想外にも抒情的だ。3曲めの"Off Kilter (No Midi Mix)"でようやくハウスらしいキックが入ってくるが、ここでも黒人音楽の匂いは薄く非常に今っぽく洗練されたエレクトロニックな音で耽美な世界を作り上げている。更に幻想的なパッドを用いながらも執拗なシンセの反復がテクノを思わせる"Object"や、音と戯れているようなアンビエント風のインタールードとして用意された"Minus 12"や"Coral"など、以前の作品に比べると表現方法は随分と多様性を見せている。勿論"Expressions"のようにフロアでこそ真価を発揮するディープかつ幽玄なテック・ハウスや、シカゴ・ハウス風なベースラインを用いつつディープ・ハウスの微睡んだ深みを持つ"Ignorance Is Bliss (Live Mix)"など、決してフロアを忘れた訳ではない事も明白だ。しかしかつての黒人音楽への偏愛や古き良き時代の復権とは違う路線を、つまりは伝統に束縛される事なく自身の道を確立させる動きが、本作には強く感じられる。もしかすれば予てからのファンには戸惑いが全くない訳でもないだろうが、Linkwoodのアーティストとしての成長や個性を作り上げるその過程として、本作は面白いアルバムだと思う。



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| HOUSE10 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prosumer - Fabric 79 (Fabric Records:fabric157)
Prosumer - Fabric 79
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Berghain/Panorama Bar一派の中でも特にハウス・ミュージックに対しての誠実な愛を表現するProsumer。既にPanorama Barレジデントから身を引き、今ではそういった肩書きに左右される事なく世界各地のパーティーでプレイしているが、そんな彼にとって3年ぶりとなるオフィシャルMIXCDは名門Fabricからとなる。前作は古巣Ostgut TonからPanorama Barシリーズの一環としてのMIXCDだったが、Fabricからのリリースとなる本作も基本的にはProsumerの普遍的なハウス・ミュージックに対する視線は変わらない。MIXCDの冒頭を飾る"Time"からして93年作となる古典的なハウスだが、その軽快でパーカッシヴなグルーヴとシンプルで素朴なピアノのメロディーからは正にクラシカルという趣が発せられている。続くは妖艶なストリングスが先導するChez Damierによるこれまたクラシックな"Untitled B2"で、やはりProsumerのプレイはオールド・スクールという風格があるのだ。その後もA Black Man, A Black Man And Another Black ManやThe Traxxmenなどシカゴのゲットーハウスも登場し、序盤は素朴ながらも粗雑な質感のハウスでファンキーな展開を推し進めている。それ以降はクラシックなハウスも織り交ぜながらも、洗練されたモダンなディープ・ハウスから仄かに情熱的なテック・ハウスなどを中心に滑らかな展開で、ハウス・ミュージックの4つ打ちのグルーヴの心地良さを組み立てていく。面白いのは中盤でブレイク・ビーツやジャジー・ハウスを使用している時間帯だろうか、さらっとしなやかなビートと華麗な世界観を作り上げ、ほんの短い時間ながらも優雅に舞い踊るような瞬間さえもある。その後は再度、最新のハウスから古き良き時代のシカゴ・ハウスまで通過しながら、最後には82年作の"She's Got Her E.R.A."による艶かしいファンクでしっとりと幕を閉じる。新旧ハウス・ミュージックを織り交ぜながら決して大仰になる事なく、丁寧に曲のメロディーや雰囲気を尊重しながら繋ぎ合わせ最後までダンサンブルな展開を作るプレイは、正にハウス・ミュージックの感情的な面を表現しておりこれぞProsumerの持ち味が表現されている。




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| HOUSE10 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francis Inferno Orchestra / Linkwood - VR12 (Voyeurhythm:VOYEURHYTHM 012)
Francis Inferno Orchestra / Linkwood - VR12

エジンバラのカルトレーベルであるFirecrackerを主宰するLinkwood、オーストラリアからの新進気鋭のアーティストであるFrancis Inferno Orchestra、どちらもビートダウンやブギーと言った要素を含むゆったりとしたビート感を基調にしたハウスを得意としているが、本作はそんな音楽性に共通項を持つ二人のスプリット盤だ。A面にはUnknownアーティストによる"Biscuit Twat (Linkwood Mix)"が収録されているが、クレジットを見ると作曲自体も実はLinkwoodである。乾いたコンガなどによるパーカッション、録音の悪そうな粗雑なベースラインなどが生っぽい臨場感を生み出し、その上にきらびやかなシンセのコードが安っぽい豪華さを擬似的に生み出すロウハウスで、普段よりも荒っぽいライブ感を強調しているようだ。一方Francis Inferno Orchestraによる"3AM Piano Thing"も、普段の彼の作風に比べるとずんどことしたビート感を打ち出してアッパーである。荒々しい質感でシャッフルするリズムはぐいぐいと体を引っ張り、その上で多少派手でもあるジャジーテイストなピアノのコード展開が90年代のハウス黄金期を思い起こさせるようで、古びた空気の中にも骨太さと優雅さを兼ね備えたグルーヴィーなハウスだ。普段は現代風にも整えられた作風でじっくりと聞かせるタイプのハウスを作る二人が、ここではダンスフロアの享楽的な高揚に結び付く音楽性を披露しており、意外感はあるもののやはり良い曲を作る事に変わりはない。

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| HOUSE9 | 17:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Early Emissions (EPs 1-4) (Firecracker Recordings:FIREC011CD)
The Early Emissions
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かつてカルトレーベルとして一部のマニアから高い評価を得ていたエジンバラ発のFirecracker Recordings。音楽としての質の高さだけでなく共にシルクスクリーン印刷によるジャケットや数量限定などの売り方により、作品としての希少価値を高めた事でよりレーベルに対して羨望を集め、今では名が知れ渡った重要レーベルの位置付けとなっている。本作はそんなレーベルの希少な初期4枚の10インチをCD化したレーベル初のコンピレーションである(やはり限定盤として布カバーに包まれた物が極少数ある)。内容はレーベルを主宰するLinkwoodと盟友であるFudge Fingasの曲で占められているが、レーベル第一弾作品である"Miles Away"からして湿り気を帯びたホーンや煙たいパッド音と共に官能的な女性ボーカルが艶を生み出し、濃厚なブラックネスの芳香が立ち上がるビートダウン・ハウスで素晴らしい。続く"Gettin' Togetha"はサンプリングとフィルター主体のハウスだが、この重心の低いグルーヴはねっとり執拗に絡み付き、そしてただただ素直にエモーショナルな空気が湧き出ている。更に続く"Fate"では、優雅なエレピの音色と共にジャジーヴァイブス溢れるリズム感が仄かな黒さを演出している。ここまでがレーベル最初の10インチに含まれていた作品で、それ以降にもディスコやジャズにソウルからの影響をハウス・ミュージックの中に落とし込んだトラックが並んでいる。そんな音楽性から思い起こすのはやはりデトロイトのソウルでありエモーションであり、特にBPMを落としたスローモーな性質からデトロイト・ビートダウンを西洋の面から解釈したと言ってもよいだろう。勿論、本家の感情豊かな点と濃いブラックネスは引き継ぎつつも、よりモダンに洗練し作品としての完成度を高めた事で、単なるデトロイトのフォロワーの域を脱却している事を付け加えておく。本作も数量限定の為、買い逃しは厳禁だ。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fudge Fingas / Linkwood - Untytled (Firecracker Recordings:FIREC 009)
Fudge Fingas Linkwood - Untytled

ほぼ一年に一枚とのんびりとしたペースでリリースを続けているUKはエジンバラのハウス・レーベルであるFirecracker Recordings。Linkwoodが主宰するこのレーベルの音楽はデトロイトのビートダウンやディスコにブギーなどを咀嚼し、ポスト・デトロイトとも言える音楽として形成し、世界中の玄人たちをも呻らせている。新作はFudge FingasとLinkwoodにスプリット盤だが、相変わらずのFirecrackerらしいメロウネスとディープネスを存分に含んだハウスで素晴らしい。Fudge Fingasによる"Untytled"は小刻みに躍動するファンキーなベースとぶりっとしたコズミックなシンセが先導しながら、途中からはデトロイト・テクノ風な揺らめくパッドがすっとムードを作っていく温かさで包み込むディープ・ハウスだ。途中から入ってくる綺羅びやかなシンセは手弾きなのだろうか、枠に嵌ることなく自由に旋律を奏でている。それは遠く離れた故郷への思いを馳せるように郷愁じみていて、それと共に大らかな包容力もあり実に開放的だ。裏面にはLinkwoodの"Secret Value (Fudge Fingas Remix)”が収録されており、原曲よりもエレクトロとしてのベースラインやリズムを強調しながら、その一方では静謐なピアノとアトモスフェリックなパッドが繊細な美しさを作り上げている。エレガンスとファンクネスが融け合ったブレイク・ビーツ的ハウスとでも呼ぶべきか、躍動的かつ耽美なトラックとなっている。ボーナス的に収録されたFudge Fingasによる"Minus 616"は、ほぼピアノだけによるビートレスな構成でエピローグとして聴けるメランコリーな一曲。本作も期待通りでFirecrackerは本当に素晴らしいレーベルであり、ハウス好きなら是非チェックすべきであろう。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tom Trago - Iris (Remixes) (Rush Hour Recordings:RH 114 RMX)
Tom Trago - Iris (Remixes)
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オランダからデトロイト・テクノ/シカゴ・ハウスの復権を促すRush Hour Recordingsから、Tom Tragoの新作はなんとシカゴレジェンドのTyree Cooperをボーカルに迎えたリミックス集。しかもリミキサーにはこれまたシカゴ・ハウスの巨匠であるLarry Heardに、Firecracker Recordingsを主宰するLinkwood、そしてブルガリアからのKiNKを起用と話題性も抜群の一枚。格段に素晴らしいのが完全にLarry節全開となる"What You Do (Larry Heard's Fingers House Dub)"で、憂いを帯びた切なく物悲しいコードを展開するキーボード使いが素晴らしく、しみじみとした枯れ具合が心にそっと染みこんで労る様です。無駄を省いたシンプルなベースラインやキーボードの旋律などが目立つものの、何処までも丁寧に作り上げた作風こそLarryの心情を雄弁に物語るこれぞディープハウスと言う一曲です。一方Linkwoodによる"Being With You (Linkwood Remix)"は、フランジャーをかけたハットで抑揚を出しつつや浮遊感のある幻想的な上モノが広がり、それが未来的な初期デトロイト・テクノを思わせる良作。また音自体は綺麗だけれども懐かしさを感じさせる素朴な音色で満たされており、それが余計にメロウさを際立てています。一番シカゴ・ハウスらしいのが"What You Do (KiNK's Peaktime Remix)"で、ザクザクとしたハイハットや汚らしいスネア、不安を誘うオルガンのメロディーに狂気じみたTyree Cooperのボーカルが乗っかり、前述の二曲とは全く異なる暴力的なリミックスとなっています。全曲文句無しに素晴らしく、是が非でも聴いて欲しい一枚です。

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| HOUSE7 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Linkwood - Secret Value (Shevchenko:SHEVC 004)
Linkwood - Secret Value

UKディープハウスにて一部から狂信的な人気を誇るFirecracker Recordingsは、昨年傘下にShevchenkoを設立しVakulaの作品を立て続けに3枚リリースした。そして4枚目となる作品は遂にレーベルオーナーであるNick MooreことLinkwoodが登場。透明ヴァイナルにハンドスタンプが押された180g重量盤の限定プレスはアンダーグラウンドなだけあって手作り感満載だが、これが限定と言うのもなんだかもったいないと思う秀逸なディープハウスを収録している。タイトル曲の"Secret Value"はまるでPepe Bradockの"Deep Burnt"を思わせるあの流麗なストリング風なパッドを導入しながら、フィルターでの抑揚やキックとベースの抜き差しでじわじわと変化をつけるディープハウスで、真夜中のフロアでも華開く優雅な時間帯を演出するであろう一曲。そしてそれを更にダブミックスした"Between Me & You"は、左右に音を散らしより音をぼやけさせSF的な世界観に仕立て上げている。裏面には乾いたパーカッションや不穏なシカゴ・ハウスのベースラインが特徴的な"Ignorance Is Bliss"が収録されているが、リズムはシカゴなのに上物は朧げに消え入るような幻想的なパッドや小洒落たコードが美しさを保っており、贅肉を落としながら華麗なディープハウスを鳴らしている。本作は今年Firecrackerからリリースされると言うアルバムへの布石らしいが、期待を抱かせるには十分な内容だ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Linkwood - From The Vaults Part 1 (Prime Numbers:PN10)
Linkwood - From The Vaults Part 1
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UKエディンバラのカルトレーベル・Firecracker Recordingsと、そして同じくUKマンチェスターにおいてTrus'me主宰のPrime Numbersからポストビートダウンを担う作品をリリースしているNick Moore aka Linkwood。アルバム"System"(過去レビュー)以来2年ぶりとなる新作が到着しておりますが、ここでは以前よりもアッパーでグルーヴィーさを打ち出したディープハウスを披露。A面の"Dirty Love"はエレガントなパッドが反復する単純な構成ながらも、途中から自由に暴れまくる手弾きのシンセや呟き風のガヤ声も微かに浮上し、どす黒くファンキーに変容を見せるアッパーなディープハウス。B面にはトラック名無しが2曲収録されていますが、こちらの方がよりLinkwoodらしいビートダウンと言える内容ですね。覚めない夢の中に溶け込むように物憂げで悲壮感も漂う"Untiteld1"、乾燥したキックや虚無感に満ちたベースラインがシカゴハウスを思わせる"Untiteld2"と、光の射さないマイナーな鳴りがジメジメしていてビートダウン的。デトロイトハウス好きならLinkwoodは要チェックです。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Linkwood - System (Prime Numbers:PNCD01)
Linkwood - System
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UKスコットランドはエディンバラを拠点にほぼ一年に一枚と言うスローペースなリリースを行うも、そのどれもがカルトヒットしているハウスレーベル・Firecracker Recordings。そこに名を連ねるはFudge Fingas、House Of Traps、Linkwood Family、そしてNick MooreことLinkwood。UKからデトロイトへの回答、またはポストビートダウンとも言える湿度のある黒い音を鮮やかに聴かせる話題のアーティストですが、このアルバムは同じくデトロイトハウスを猛追するTrus'meのPrime Numbersより。ポストビートダウンなんて言った割にはあそこまでの濃密な粘着性は無いのですが、安っぽいアナログのリズムボックスから聴こえるようなスネアやキックにクラップ音を多用した80年代を意識したディスコサウンド全開で、また地べたを這いずり回るシンセベースは艶めかしさを強調しております。そして何よりもこのアルバムを特徴付けるのは、コズミックなシンセサウンド。ムーグも使用してアナログ感を打ち出したシンセはレトロな煌きと共に優しさや素朴な音質を生み出し、ディスコも飛び越えてフュージョンやファンクにも似た躍動感のあるプレイを聴かせてくれます。多分プログラミングをメインに組み立てられてはいるのだろうけれど、それを意識させない手作り感の強い温かみがあり、また汚れを綺麗に落としたスタイリッシュ感もありそこが単なるデトロイトハウスの物真似に終っていない所以なのでしょう。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trus'me - In The Red (Fat City:FCCD030)
Trus'me - In The Red
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ポストビートダウンか、又はTheo ParrishやMoodymannとも比較された音楽性でデビューを果たしたマンチェスターのTrus'me。しかし2ndアルバムとなる本作では、そんな比較はもう不要と思える程に多様性を開花させ深みも増しておりました。その多様性はもしかしたら参加したゲスト陣の影響なのだろうか。デトロイトからはAmp Fiddler、Paul Randolph、Pirahnahead、Stones ThrowのDam-Funk、そしてTrus'meが主宰するPrime Numbersからもリリース歴のあるFudge FingasやLinkwoodら、数多くのアーティストが制作に加わっています。曲によってはゲスト陣の影響が強く出ており、例えばDam-Funkが参加した"Bail Me Out"はレトロ感のあるヴォコーダーのボイスとギトギトなシンセがブギー感を生み出したファンクだし、Paul Randolphがベースで参加した"Sucker For A Pretty Face"も重くうねりのあるベースラインが強調された汗が飛び散るファンク。Linkwoodが参加した"Need a Job"では力強いハウスの4つ打ちとメランコリーが聴こえてくるし、Amp Fiddlerが参加した2曲はねっとりとしたソウルその物です。じゃあTrus'meの個性は無いかと言うとそうでもなく、どぎつくなり過ぎない様に適度な黒っぽさを残して本格的なブラックミュージック性もありながら、またモダンなお洒落感も含んでいるそのバランス感覚の良さがTrus'meの才能なのかもしれないですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cassy - In The Mix - Simply Devotion (Cocoon Recordings:CORMIX026)
Cassy - In The Mix - Simply Devotion
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今テクノで隆盛を極めているレーベルの一つ・Cocoon Recordingsと言えば、昔の巨人みたく他のレーベルで育ったアーティストを上手く流用している感じで余り好みのレーベルではないのですが、この"In The Mix"シリーズだけは通な人選と高品質を保ち続けていて好感の持てる所です。そして新作はドイツで今最も熱いとされるクラブ・Panorama Barのレジデントの一人・Cassyが担当。以前のMIXCDもかなり渋い音でしたが新作も相当に渋く、前半はシカゴハウスの不穏な空気とドイツのミニマル感覚を足したモノクロな音が中心。緩いテンポながらもねちねちと重く濃いグルーヴがあり、中盤からはテック系も混ぜたりするも全然アッパーにならずに暗めの廃退的な音が続きます。終盤でようやく日の目を浴びるように情緒漂うディープハウスに移行して、程よい盛り上がりを見せて上手く終わりを迎えます。こう書いてみると何だか単調で地味な印象を受けるかもしれませんが、実際は緩いハウシーなグルーヴは上げず下げずの微妙なバランスの上に成り立っていて、派手ではないけれど高揚感がじわじわと染み入るプレイでした。しかし実際にこんな感じでクラブでもプレイするのかしら?ラウンジ向けだと丁度良い位な気もする。

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| HOUSE5 | 10:30 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Âme - Fabric 42 (Fabric:FABRIC83)
Ame-Fabric 42
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いきなりですが、これは傑作です!ミニマルシーンで奉られながらも本人達はミニマルと言われる事に辟易しているそうなÂmeが、人気MIXCDシリーズ・Fabricに遂に登場。Fabricは名作が多いけれどÂmeもここに来て地力を発揮し、想像以上にドゥープなプレイを披露してくれました。ミニマルは嫌いなんて言いながらも序盤から酩酊すれすれのミニマルをプレイしておりますが、どこか民族的な音色を感じさせるパーカッションが入っていて既に不気味な雰囲気を漂わせております。中盤からはシカゴハウスも投入し狂気のアシッディーなハウスでじわじわと攻め上げ、そして後半では自身のトライバルでアシッドな新曲を披露し一気に盛り上げます。後半のハウス中心ながら極限までのファンキーなグルーヴは本当に見事な物で、他のミニマル勢とは一線を画す非凡なる才能が全開になっております。そして最後はデトロイトトラックの名作で綺麗にしめておりますが、徹頭徹尾貫くハウスグルーヴが本当に素晴らしい。やっぱりÂmeのプレイはミニマルと言うよりはハウスと言った方が適切な音で、他のミニマル勢みたいに奇をてらう事はなく割りとハウスに忠実な気がします。ディープで無慈悲な世界観と、ねっとりと絡みつくグルーヴ感は本物。

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| HOUSE4 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |