Luciano - Sequentia Vol.2 (Cadenza:CADENZA 119)
Luciano - Sequentia vol.2

チリアン・ミニマルのLucianoが2018年の夏頃にリリースした『Sequentia Vol.1』(過去レビュー)は、自身で主宰するCadenzaの15周年記念の一環としての作品で、ミニマルを踏襲しながらもLucianoらしいオーガニック性を前面に出しながら繊細さと優美さを兼ね備えた芸術的なダンス・ミュージックだった。Vol.1と冠されていたのでシリーズかとは思い込んでいたがどうやらそれは間違いなく、その続編であるVol.2が2018年12月に配信のみでリリースされている。このシリーズはレーベルインフォによれば一年の各季節に捧げられているとの事で、前作は夏で本作は秋が主題になっており、そのせいかVol.1よりも何となくしみじみとした郷愁を感じられなくもない。本作も大作揃いで冒頭の"Sphere"は15分にも及ぶが一切リズムは入らずに、物悲しい弦楽器らしきリフのループに合わせて悲壮感漂う繊細なピアノが展開する子守唄のような雰囲気の曲だが、Lucianoらしい美しさは光るもののダンス・トラックの快楽的な持続間もなく展開も殆どなくやや冗長ではないだろうか。それに続く"Idilicia"は湿っぽいドラムがジャジーなリズムを刻んでおり、そこに艶のあるエレクトロニックなリフに分厚いシンセが胸を締め付けるように情緒的な旋律を聞かせるメランコリーなダウンテンポで、秋のしんみりとした切ない雰囲気と重ねられる。"Aether"もゆったりと大らかでオーガニックなリズムが入っており、点描のような耽美な電子音の装飾や仄かに温かいシンセのメロディーを音の隙間を活かして用いて、その構成もあって随分と開放感も感じられるオーガニック・バレアリックといった印象を植え付ける。最もLucianoらしいダンス・トラックはスイスのシンガーソングライターであるBastian Bakerをフィーチャーした"My Fantasy"で、情熱的で軽やかなラテン・パーカッションに合わせて感情的な歌やメランコリーなギタフレーズを重ねて、線の細さを活かして優美な装飾のような音響を浮かび上がらせたラテン・ミニマルは機能性と芸術性が両立している。真夜中のパーティーで使える曲は最後の曲位なもので全体としては随分とリスニングに傾倒しているので、やや物足りなさは残るもののそれでもLucianoの芸術性と秋という季節感は伝わってくるので、コンセプト自体は正しく表現されているのだろう。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luciano - Sequentia Vol. 1 (Cadenza:CADENZA 118)
Luciano - Sequentia Vol. 1
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かつてはチリアン・ミニマルでRicardo Villalobosと双璧を成すとまで称されたLucien NicoletことLucianoは、しかしその前者の神々しく圧倒的なまでの存在感と比べると、この数年は控えめに言っても余り高い評判を聞く事は多くない。当方が自身で彼のDJを聞いているわけでもないし体験すらせずに批評する事は正当な判断ではないが、しかしそれでもやはり特にアンダーグラウンドな方面からはLucianoがコマーシャルになってしまったという批判が出ていた事も事実だ。それに従ったわけではないが当方も積極的にLucianoの作品を追う事は少なくなったものの、本作は彼が主宰するCadenzaの15周年を記念したシリーズの一環だそうで、何となく試聴してみたところなかなかの出来だったので購入した次第である。アナログでは2枚組で5曲だけの収録ながらも通して50分もある内容はアルバム級と言っても差し支えはなく、その長尺な構成を活かしたミニマルを軸にしながら妖艶な美しさを放つオーガニックかつトライバルな作風は、かつての名作『Tribute To The Sun』(過去レビュー)の芸術的な美しさを思い起こさせる。いきなり12分超えの大作である"The Amazing Lilou"は民族的で土臭い、しかし細く繊細な響きのリズム感であっさりとした軽快なビートを刻み、そこにしとやかで幽玄なシンセストリングスや覚醒感を煽る電子音を絡ませながら、大きな展開を作る事なく催眠術のように執拗にほぼ同じような繰り返しを続けながら酩酊させる如何にもなミニマルだ。よりダンスのグルーヴが活きているのは Rebelskiをフィーチャーした"Hiding Hearts"で、有機的な響きのパーカッションやタムにやスネアを効果的に用いて複雑に跳ねるリズムを刻む様相は正に異国情緒溢れるトライバル・ビートで、そこに哀愁たっぷりな弦楽器の泣きの旋律が入ってくれば、それは真夏の夕暮れ時の海のセンチメンタルな時間帯が現れる。"Nabusima"もラフなドラムの音が生っぽく湿り気を帯びたアフロと言うかカリビアンなグルーヴ感があるが、それとは対照的にか弱く繊細なピアノや細い電子音で控え目に上品さを加えているこの曲は、天にも昇るような楽園的な雰囲気がある。"Magik Mechanics"はエレクトロニック性が強いややメジャー感もある機能性に沿ったミニマルだが、それでも音圧に頼らない繊細なビートやメロディーで音を削ぎ落とした無駄の無い美しさが表現されている。特に個性的だったのはタイトルが示すように東洋の雰囲気がある"Tirana Del Oriente"、寺院の中で鳴ってそうで宗教臭くもある太鼓系のパーカッションが複雑なリズムから始まり、弦楽器の妖艶な響きに酩酊させられながらグルーヴが疾走るでもなくただゆらゆら感が続く呪術的なムードで、キックが入らずともフロアでもきっと踊る者を魅了するに違いない。こうやって作品を聞くとチリアン・ミニマルの中でもその繊細な美しさは一つ飛び抜けていると思うし、少なくとも作曲家としてはやはり才能が光っている事を実感する。



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| TECHNO13 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Odeon - Galaxies (Edizioni Mondo:MND008)
Odeon - Galaxies
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60年代のモンド映画に触発されハウス・ミュージック側からライブラリー・ミュージック的な音楽を手掛けるEdizioni Mondoは、まだ発足から僅か5年程ではあるものの現在のバレアリック・ミュージックとも共振しながら単にダンスのためだけではない豊かな風景を換気させるような音楽性を持っている。目下レーベルの最新アルバムである本作はローマからLuciano & Valerio RaimondiとMichele & Giacomo Righiniの二組の兄弟による4人組のユニットであるOdeonによるもので、このユニットは過去にも同レーベルから2枚のEPをリリースしており、サイケデリックなロックや夢のようなコズミック・ディスコに微睡みのアンビエント性を咀嚼して、基本的にはリスニング志向ながらもロードムービーのように音楽が旅情を描写するような音楽性を披露している。アルバムでは特にそんな音楽性が活かされる事になっており、霞の奥に消えていくような4ADを思わせるサイケデリックながらも甘美なビターのディレイが特徴のロック風な"Recovery"で始まり、続く"Landing"も同じ幻想的なギターを前面に出しそこにぼやけたシンセのドローンやコズミックなSEを導入して、序盤から夢の中を旅するような心地好い陶酔の世界へ。"Parsek"は溜めが効いたロックなリズムとディレイされたボーカルに惑わされ、"Fauna"ではビートは消失し鳥の鳴き声や波の音などを用いたフィールド・レコーディングで一旦息を入れつつ、そして甘美なギターのアルペジオによってどんよりとしたメロウな雲に包まれる"Capricorn"は特に幻夢なサイケデリック性が強く、途中のアンビエントな展開もあって意識も朦朧とするようなドリーミーな世界観だ。終盤には先行シングルの"Rocket Launch"も収録されており、もはや70年代プログレッシヴ・ロックとディスコがミックスされたように、轟音ギターから甘く透明感のあるギターの変化する展開や静と動が切り替わる大胆なビートの変化など躍動感のあるダンス・ロックが、4人組でライブ演奏しているようなダイナミズムを打ち出している。アルバムという大きな作風だからこそ彼等の心情の変化を描き出すような展開の大きさが活かされており、最初から最後まで夢と現実の狭間を進むようなサイケデリックな世界を堪能する事が出来るだろう。



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| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Model 500 - No UFO's Remixes (Metroplex:M-046)
Model 500 - No UFOs
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デトロイト・テクノのオリジネーターであるJuan AtkinsによるModel 500、その名義では第一弾となる1985年にリリースされた『No UFO's』からデトロイト・テクノ、ひいてはテクノの歴史が始まったと呼んでも過言ではないだろう。勿論その前にもKraftwerkやYMOもテクノと呼んでも差し支えない音楽を作ってはいたが、黒人がそこに由来するファンクやソウルを電子音楽で表現した結果としてのテクノに未来的な響きがあり、それが今も尚デトロイト・テクノの魅力となっている。本作はリリースから30年を経てそんな名作を現在のアーティストによってリミックスされたもので、同じくデトロイトの奇才・Moodymannとチリアン・ミニマルの一時代を築き上げたLucianoが参加している。勿論オリジナルの"No UFO's (Vocal)"も収録されており、今聞けば流石に音的な古臭さは否定出来ないものの、うねるベースのエレクトロ的なビート感や本人の歌もフューチャー・ファンクといった趣きで、未来派志向のテクノ/エレクトロの胎動を感じ取る事は出来る筈だ。予想も出来ない、しかし素晴らしいリミックスを披露したのはやはりMoodymannで、"No UFO's (Vocal) (Moodymann Remix)"では彼らしい甘く官能的なピアノのメロディーも加えつつ流れるようなハウスのグルーヴに作り変え、原曲のレトロ・フューチャーな雰囲気は損なわずにMoodymannらしいブラックネス溢れる魅惑のハウスへと染め上げている。対してLucianoの"No UFO's (Vocal) (Luciano Remix)"は原曲のデトロイトらしさを残す事は意識せずに、ボーカルをぶつ切りにして使用しながらも展開を広げるのではなく収束させるミニマル・ハウスのスタイルを彼らしく披露し、14分に渡って淡々とした機能的なグルーヴを鳴らし続けている。どちらか選べと言われればやはりデトロイトらしさのあるMoodymannのリミックスの方が愛着は感じられるし、やはり曲単体としての良さが光っているか。どちらにせよオリジナルも収録されてはいるので、それを持っていない人にとっても価値ある一枚に間違いはない。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig | Sonja Moonear - Cocoon In The Mix (Cocoon Recordings:CORMIX053)
Carl Craig Sonja Moonear - Cocoon In The Mix
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真夏の夜の饗宴を繰り広げるイビサはAmnesiaで開催されるCocoonのパーティーは毎年の恒例行事となっているが、そのパーティーの公式MIXとなっている『Cocoon In The Mix』の最新作(と言ってもリリースは昨夏ですが)は、デトロイト・テクノの至宝であるCarl Craigとスイスの女性DJでありミニマル系で評価を得ているSonja Moonearが手掛けている。このシリーズのコンセプトは二人のDJのミックスを収録するだけなので、音楽的な繋がりから言えば共通項は見えてこないので、それぞれ全く別のプレイとして本作は楽しむべきなのだろう。それでも本作を聞けば例えば当方のようにAmnesiaのパーティーを体験した事のない人にとっても、その雰囲気だけでも何となく掴める事は可能なのかもしれない。それは特にC2のプレイの方が顕著と感じ、序盤から"What Is House Muzik (Ricardo Villalobos What Is Remix)"や"7 Directions (Dennis Ferrer Drum Mix)"などミニマルかつドラッギーな大ネタを繰り出して、大箱らしい派手な盛り上がりを作っていく。制作するトラックに比べるとプレイの方は余りデトロイトらしさは感じさせないのがC2の特徴だが、それでも疾走しうねるビート感や覚醒的な上モノを用いたヨーロッパ寄りのテクノやテック・ハウスなどは一般的には馴染みやすい音ではあり、またFloorplanやOxiaなどクラシックも当然の如く用いて真夜中の興奮を演出し、終盤ではデトロイト系の"Episode"や"Speechless (C2 Remix)"を投下して感動のエンディングへとスムースに盛り上がっていく。ミックス自体に何か特別な個性を感じるような内容ではないものの、Amnesiaの興奮に包まれた景色が浮かんでくるような、これぞ大箱らしいプレイだろう。対してMoonearの方がDJとしての力量を感じさせるプレイが体験出来る内容で、色っぽい呟きによりハウスを宣言するような"New Age House"に始まり"Music, Music (The I Humped Mix)"によって滑らかに加速し、常にグルーヴをキープする。大袈裟に展開を作る事はせずに淡々とした抑制されたビートを刻み、Cocoonらしいドラッギーなテック・ハウスも織り交ぜながら中盤でのエモーショナルな"Creepin"や"Translated Translations Translated"等のハウスでドラマティックな流れも生み、ミニマルな展開の中にも淡い叙情性を盛り込む。中盤以降は更に深い空間を感じさせるディープ・テックな闇に進んで、ラストに向かって80年代シンセ・ポップらしさを含む"M9"からアンビエントな音響処理の強いダビーな"98%"で微睡みつつ、最後にはVillalobosによるその名も"Amnesia"でじわじわと感覚が鈍っていくようなドープ・ミニマルで深みに嵌まりながらいつしかパーティーは終わりを迎える。半ば強引なまでに盛り上げるC2、対してフロアの感覚を掴むように嵌めていくMoonear、DJとしては当然後者に軍配が上がるだろう。



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| TECHNO12 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tempelhof & Gigi Masin - Tsuki (Hell Yeah Recordings:CLTCD-2054)
Tempelhof & Gigi Masin - Tsuki
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そもそも一度目の春があったかどうかはさておき、イタリアの音響音楽家であるGigi Masinにとっては、今こそが長い音楽キャリアの中で春の真っ只中という状況だろう。全ては2014年にMusic From Memoryが掘り起こしたベスト盤の『Talk To The Sea』(過去レビュー)を起点として現状までの流れが続いており、過去の殆どの作品は復刻されて慎ましく美しい音響作品はようやく多くの人に届くようになっている。だからと言ってMasinが過去の人であるわけでもなく、リイシューを契機に知名度を得た事で音楽活動が盛んになり、今ではLuciano ErmondiとPaolo Mazzacaniによるバレアリック派のTempelhofとのコラボーレーションも積極的に行うなど、現在進行形のアーティストしてシーンへとすっかり馴染んでいる。本作はそのコラボーレーション第2段となるアルバムで、2014年の『Hoshi』に続き日本語をイメージした『Tsuki』という静謐なタイトルが付けられている。制作はどちらかがベースとなる曲を作ったり、又はそこから一部を削除したりと、お互いが手を加える事でリミックスにも近い環境であったようだが、両者の音楽的な境目は全く分からない程に自然な融和を成している事でコラボレーションの結果は間違いなく成功している。アルバムの始まりはかの名曲"Clouds"のリメイクである"Tuvalu"で、天使の羽衣のようなふんわりとしたシンセのリフレインと滴り落ちる静謐なピアノのメロディーが哀愁を誘発し、引いては寄せる波のように叙情の盛り上がりを展開し、いきなりドラマチックな世界観に引き込んでいく。そこから青空が広がるように爽快なパーカッションが心地良く響く"Corner Song"では、Masinらしい柔らかく美しいストリングスが伸びて、広大な空に絵を描写するような壮大さがある。"Vampeta"も抜けの良いパーカッションが上の方で鳴っているが、ここでは情緒豊かなトランペットが効果的に用いられ、ジャズ・フィーリング溢れる躍動感を備えている。逆に"Komorebi"ではエレクトロニクスを中心にしながらドローン音を背景に、コズミックな電子音を散りばめながら途中からトライバルなリズムも加わって、何だか原始の胎動を含むアンビエント的だ。終盤の"Treasure"では残響の強い歌も配して宗教的な厳かさを演出し、非日常的な神聖な佇まいは祈りにも感じられる。多少はアルバムの中でジャズやアンビエントにサウンドトラック的なものまで幅があるものの、どの曲にもシンプルでありながらこの上ない静謐さと美しいメロディーを際立てる特徴があり、リスニング・ミュージックとしての世界観が統一された素晴らしい内容になっている。その美しさには溜息しか出ないだろう。



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| ETC4 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/12/12 PYRAMID ROOTS @ Bonobo
神宮外苑の片隅にひっそりと営業をしているバー・Bonoboは都内でも珍しいクラブ/バーだ。1階にはメインフロアがあるものの、2階には畳部屋とベランダがあり、Bonoboの入り口にも別のバーがあったり、こじんまりとした土地にぎっしりとお店が詰まっている。そんな小箱で開催されるPYRAMID ROOTSにはDJ Yogurtに井上薫、岩城ケンタロウという日本各地で活躍するDJが一堂に集まり、その上2階にもDJやマッサージにクリスタル展示販売など様々な要素を詰め込んでパーティーが開催される。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luciaen - Cadenza / Stranger (Basaec:BASAEC001)
Luciaen - Cadenza / Stranger
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チリアン・ミニマルを代表するLuciano。自身の活動の場でもあり多くのヒットメーカーが名を連ねるCadenzaを主宰している彼が、新たに立ち上げたレーベルがBasaecだ。なんでも6作目までは過去10年の間に制作してきた未発表曲に手を加えてリリースし、その後も継続して10作目までリリースする事がアナウンスされている。本作はそんなシリーズの祝うべき1作目で、彼が1997年の19歳の時に制作したという"Cadenza"と"Stranger"が収録されている。特筆すべきはこれらの曲は当時デトロイト・テクノを代表するTransmatへとデモとして送られていたそうで、結果的にはリリースされなかったものの(※数年後にはTransmatのコンピレーションにLucien Nicolet名義で他の曲が収録されたわけだが)、現在のLucianoとは異なる音楽性がここからは読み取れる。近年のLucianoの曲はか細い線のリズムを活かしながらエスニックな要素に宗教的な祝祭感を閉じ込めたハウスを展開しているが、本作ではまだ若さ故かそういった独自の世界観は見受けられず良い意味で真っ当で新鮮なテクノの音として成り立っている。特に"Cadenza"はTransmatにも送られた経緯も納得するヨーロピアンな美しいメロディーがあり、デトロイト・テクノとも共振するであろう抒情が存在している。また僅かながらも現在のミニマルを予見させるであろう繊細でクリッキーなリズム帯が出来上がっており、アーティストとして活動を始めたばかりとは思えない作風だ(勿論このリリースで手直しされている結果だろうが)。よりアーティストとしての奇才っぷりが現れているのは裏面の"Stranger"で、つんのめるようにクネクネとした生っぽいリズムの上に闇の中から朧気に浮かび上がる幻惑的なシンセが揺れる極度に不安定なミニマルを成している。この足元が不安定なリズム感や滑りのある湿度感などはチリアン・ミニマルのプロトタイプと呼んでも差し支えなく、12分に渡って長々とドープな世界が執拗な程のミニマル感で構築されていくその変態性に、今尚驚きを隠せない。未発表曲という話題性だけでなく純粋に作品として素晴らしいので、こういったアーカイブの発掘は評価すべきであろう。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rebelski - The Rift Valley (Cadenza Records:Cadenza 88)
Rebelski - The Rift Valley
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夏頃にパーティーで耳にして気になっていたものの、誰の曲だか分からなかったものが本作にて遂に判明した。その作品こそCadenzaが送り出すMartin Roman RebelskiことRebelskiの8年ぶりの新作だ。Rebelskiは00年代前半から活動しているUKロックバンドのDovesのサポート・キーボーディストとしての経歴もあるアーティストだが、本作にて突如としてCadenzaが彼の作品がリリースした。そんな流れもあってか"The Rift Valley"のオリジナルバージョンは、賛美歌を歌い上げるような女性ボーカルと清らかなハープのアルペジオが絡み、神々しさに包まれるドラマティックな曲にはなっているものの、曲尺はそれ程長くもなく一般的なダンストラックにある機能性は強くはない。と言う事でやはりDJにとって融通が利くのは"Luciano Remix"で、Lucianoらしいパーカッシヴながらも線の細く軽いグルーヴ感を活かしながら、オリジナルの繊細で柔らかなメロディーや神々しい世界観をそのままに、極楽浄土へと登っていくような多幸感ばりばりのリミックスは言うまでもなく素晴らしい。Lee Van Dowskiも同じく機能性を高めているが、Lucianoが変則ビートだったのに対しこちらは奇を衒わずに芯のあるキックが4つ打ちを刻むパーカッシヴ・ミニマルで、叙情に抑制をかけつつもより肉体を直接的に揺さぶるような効果が高い。どのバージョンも一度聴いたら耳から離れない程の強い個性を放っており、バレアリックなクラシックとなる可能性を秘めている。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cesar Merveille / Mirko Loko - Vagabundos 2013 Volume II (Cadenza Records:CADCD13)
Cesar Merveille Mirko Loko - Vagabundos 2013 Volume II
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チリアン・ミニマルを代表するレーベルとして名高いLuciano主宰によるCacenzaだが、近年はイビサを中心に世界各地でレギュラーパーティーとして“Vagabundos”を開催している。本作はそのパーティーに関連したMIXCDシリーズの3作目だが、ここではCadenzaからのヒット作で注目を集めたCesar MerveilleとMirko LokoがDJに起用されている。Cadenza自体は今でもチリアン・ミニマルとしての要素も残しているが、それ以上にバレアリックな多幸感や慎ましやかな優美さを追求しているようで、その傾向は本作にも如実に表れている。Cesarが担当した方はレーベルによれば「ディープでアンダーグラウンドなハウス」との事だが、ハードではないが安定感のあるリズムを刻みながらふらふらと酩酊するメロディーが漂い、確かに浮上する事のないアンダーグラウンドな感覚が通底している。快楽の殻を突き破る事もなく深い世界の中を迷い込んだままのような適度にヒプノティックな感覚が続き、ミニマル〜ディープ・ハウス〜テック・ハウスをしなやかに紡ぎ合わせ、後半に進むに連れてメランコリーが増す展開がえも言われぬ酩酊感を発しているのだ。対してMirkoが手掛けたミックスはよりメランコリーが強く打ち出されており、半ば恍惚のトランス感にさえ包まれる程に快楽的だ。"Dea"から"Tarzan (Âme Remix)"に繋がる瞬間の美しくも深い快楽に包まれるも、そこから一転して荒々しいシカゴ・ハウスの"House Room (Paul Du Lac Vocal Remix)"で目を覚まされ、そして繊細なピアノやストリングスが端正にメロディーを組みながら長くドラマティックに盛り上がる"The Rebirth"で一旦ピークを迎える。そこから終盤にかけては更に感情の吐露による揺さぶりをかけながら、ラスト間際ではMaster C & JとVirgoによる懐かしい物悲しさを含むシカゴ・ハウスが続き、ラストには正にコズミックな深宇宙が広がる"Cosmic Race"で感動的なフィナーレを迎える。2枚どちらもCadenzaに連綿と受け継がれてきたひれ伏してしまう神々しさ、官能的なエレガンスが最大限発揮されているが、特にMirko Lokoによるミックスがオールド・スクールとモダンが自然と溶け合っており素晴らしい。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luciano - Rise Of Angel (Cadenza Records:Cadenza 82)
Luciano - Rise Of Angel
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前作のアルバムに於いて多幸感溢れ完全にあっちの世界へとぶっ飛んだ芸術的な音楽性を開花させてたLucianoが、自身の新作としては3年ぶりとなるEPをリリースした。3年の間に彼が主宰するCadenzaは膨大な作品をリリースしていながらも、Luciano自身はリミックスやDJ業はこなしつつも自身の作品をリリースする事はなかったのだが、しかし長い時間を待たされた分だけ新作も期待以上の内容となっていた。先ず驚くべきはその曲尺で16分もある大作志向なのだが、しかしそれが目立った大きな展開はなく躁状態が終始継続する妙にポップなトラックなのだ。クラブミュージックらしい音圧のある迫力や硬いリズムは排除され、逆に祝祭感に満ちたシンセのリフと安堵に包まれるピアノのコードを絡ませながら繊細でか細いパーカッションを編み込み、始まりも終わりもないように楽天的なムードが続くのだ。がむしゃらになって踊りたくなるリズム感は希薄だが、精神的に作用するポップなトランス感により自然と音に身を任せて揺られる感覚に陥る。肉体へ直球で攻めるグルーヴは瞬発力を必要とするが、音の麻薬とでも言うべきはトランス感は長い時間を掛けてこそより有効に働くのだろうから、この長尺な曲は一時たりとも退屈に感じる瞬間は無いのだ。裏面にはLucianoと共にスイスを同郷とするMirko Lokoがリミックスを提供しており、こちらも負けじと13分の大作となっている。金属がひしゃげる音が使われながらミニマル色を打ち出したダンストラックになっているが、オリジナルに敬意を払ったのかイメージを壊す事なく肉付きをよくしただけなので、DJツールとして使い易いのだろうが面白味には欠けるだろう。やはり祝祭感が充満する躁状態を効果的に発揮するには、繊細で優しい音質を活かしたオリジナルの方が適しているのだ。ちなみにDL音源では更に2曲のリミックスが収録されている。



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| HOUSE8 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luciano - Vagabundos 2012 (Cadenza Records:CADCD10)
Luciano - Vagabundos 2012
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近年は当初思っていたよりもアーティスティックと呼ぶべきか芸術的に崇高さも兼ね備えた音楽性を表現し、自身が主宰するCadenza Recordsも含め良くも悪くも上手く売る術を理解しているLuciano。とまあ少々皮肉を込めた言い方をするのは近年の作品の完成度が高いのは言うまでもないのだけど、初期の頃のもっと単純なワクワク感と言うものが薄れてきているからで、まあそれは活動が長くなれば仕方ない事でもあるのだが。そんな中で4年ぶりとなるこのMIXCDは先行でデジタル版がリリースされていたものの、CD版ではタイトルは同じでも内容は全く異なる選曲で纏められている。選曲を見れば分かる通りで本作はPCを使って各曲をパーツとしてミックスしながら再構築を行うデジタルミックスとなっており、曲の大半が近年リリースされたテックハウスやミニマルなものの、Lucianoらしい陽気なパーカッション使いや異国情緒漂う怪しさに相反する軽やかなエレガンスを伴う空気は流石と言うしかないだろう。特に文句の付けようもない程にバランス良く様々なエッセンスを取り込みしっとりしたグルーヴで品の良い音を聴かせてはくれるのだが、しかしPCを使ったにしても余りにも機械的と言うかかっちりと固めて制作し過ぎなのはミックスに必要なライブ感が欠けてやしないだろうか。展開も押し並べて平坦でクラブでのピークタイムのように突き抜ける瞬間も無く、良く言えばスムースに聞き流して何時の間にか終わってしまう印象なのだ。勿論彼が素晴らしいトラックを作ってきた事は事実だし、DJに於いても彼らしいチリアン発の個性はあると思うが、それでも少々Lucianoと言う名前だけが一人歩きしてしまっている感も否めないのである。真価は生でミックスを体験し評価するしかないのであろう。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Frivolous - Meteorology (Cadenza:CADCD08)
Frivolous - Meteorology
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現在のミニマルの様式美を創り上げたLuciano主宰のCadenza。2010年もその勢いが止まるどころか更に躍進しておりましたが、2011年もレーベル運営は好調なようで早くも新しいタレントを送り出しました。その人こそカナダからDaniel GardnerことFrivolous、今までにもミニマル系のレーベルから多数の作品をリリースしているそうなので実は新人ではありません。Cadenzaからのリリースと言う事もあり確かに上品な美しさを伴ったミニマル色が強く、それに加えて湿地帯の艶めかしい湿度や訝しさが漂うトライバル感やオリエンタルなメロディーも出てきて、いかにもレーベルマナーに沿ったアルバムとなっております。そして相変わらずの妖艶さと耽美な美意識が貫かれていて、ホーンやストリングス、ライブ感のあるリズムトラックなど生音を意識した音質を合わせて、奥底に広がるミステリアスさがより強調されるんですね。しかし全体的に陰鬱と言うか内向的でずぶずぶと自分の精神世界に沈み込むようなダークな曲が続くので、個人的にはもうちょっと楽天的でトリッピーに昇天出来る音も聴きたかったなと言う思いも。でもまあ如何にもCadenzaらしいアルバムなので、それを期待している人は安心して聴けるでしょう。

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| HOUSE6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pier Bucci - Amigo (Maruca:MARCD001)
Pier Bucci - Amigo
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チリ出身Pier Bucciなるアーティストの2ndアルバム。チリ出身かつこのしっとり耽美なジャケットから容易に想像出来るのは、Ricard VillalobosとCadenzaのLucianoらの流れと言う事。実際その予想は間違っていない訳で、内容は湿っぽいパーカッションやキックや中心としたスカスカなミニマルハウス。陽気なラテンパーカッションはどこか空虚さえも匂わせながら高揚感を出しつつ、南米の湿度の高い空気を感じさせ気の抜けた盛り上がりを演出しております。線の細ささえも逆手に取った耽美な音楽で、気品を感じさせるジャケットの通り優雅で落ち着いたトラックが多く、リズミカルな要素もあれど部屋で聴くのにも適したリスニングの要素の方が強めでしょうか。ただ非常に安定感のある出来ではあるものの、LucianoやRicard Villalobosに比べるとやはりどこか平凡で地味な印象も否めず、ラテンミニマル流行の更に先を見据えて欲しい気もしました。

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| HOUSE5 | 00:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Michel Cleis Feat. Toto La Momposina - La Mezcla (Strictly Rhythm:SR12698)

Michel Cleis Feat. Toto La Momposina - La Mezcla
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Michel Cleisなるアーティストが作品リリースした"La Mezcla"のリミックスEP。元々はLuciano主宰のCadenzaからリリースされていたそうですが、それにリミックスが加わりStrictly Rhythmがライセンスリリース。オリジナルはまあ良くも悪くもCadenzaらしいエスニックトライバルなハウスで、声ネタをふんだんに使用していて一般的には盛り上がり易いんじゃないかと感じます。ただ良くも悪くもと言った通りで、Cadenzaの型にはまっていて確かに質の高さはあるんだけどその先は無いかなと思う点もあったり。このEPで面白いのはやはりリミックスの方で、その一つはDefectedでも活動しているCopyrightのプログレッシヴハウスサウンドに染めたリミックス。アゲアゲな4つ打ちを強調し、テッキーな上物を追加して夜の喧騒に耐えうる内容へと変貌を遂げております。そしてそして更に素晴らしいのが甘めのハウスをやらせるとピカイチなCharles Websterのリミックス。原曲のトライバルな雰囲気は全く感じさせず、蜂蜜と砂糖を混ぜまくって甘めに調理したラウンジ風のしっとりハウスを披露。トラックが変わったせいか声ネタもオリジナルとは違い哀愁を発するようになり、大人のムーディーな愛を語るトラックへと深みを増しております。リミックスの面白さって言うのは、まさにこんな感じなんでしょう。

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| HOUSE5 | 11:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2000 And One - Voltt 2 (Voltt:voltt002)
2000 And One - Voltt 2
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デトロイトラブなシーンが存在するオランダの中でも、特に歴史が長くデトロイトテクノの影響を受けている(最近はそうでもないようですが)レーベルが"100% PURE"。豆知識ですが"100% PURE"からはDerrick Mayも作品をリリースしていたんだけど、Derrickは勝手にリリースされたとかで両者が揉めていたそうです。その"100% PURE"を主宰している2000 And OneことDylan Hermelijnが、20年にも及ぶ活動を経て遂に初のMIXCDをリリース。が内容はここまでの説明通りのデトロイト色は無く、Cadenza、Desolat、Oslo、100% PURE傘下のRemote Area音源などのハードではないタイプのミニマルテクノが中心。序盤は乾いたパーカーションが空虚に響くミニマルでフラットな展開を作り、時折声ネタなどと使いつつ上げもせず下げもせずじわじわと。そして中盤からようやく流麗なシンセのメロディーが入るトラックが増えてきて、妖艶な色気が空間に満ちていきます。そこからはCadenzaらしい神秘的な華麗さとファンキーなリズムで終盤まで上げたテンションを保ち、最後にはLucianoのエスニックと耽美さが合わさった不思議な感覚の"Conspirer"でドラマティックにクローズ。今流行のミニマルを十分に堪能出来るのではないでしょうか。

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| HOUSE5 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/02/12 bug III @ Lazy Workers Bar
小野島大さん、24noさんが開催しているbug IIIでちょこっと回してきました。場所は渋谷の小さなバー・Lazy Workers Bar。以前は無かったDJブースが作られていて、しかも最新のCDJも用意されていたり、なかなかの設備。20名入ればいっぱいになってしまう小さなバーですが、むぅなかなか侮れん。

自分が着いた頃にはハッチΨさんがプレイ中。90年代のシューゲイザーを中心に回してましたが、ダムドの予想外なゴシックな曲も回したりしてびっくり。ダムドってパンクだけじゃなかったんだ…

で自分は一時間の中で下記のトラックをプレイ。新しいトラックと懐かしめのトラックを混ぜながら、黒っぽさとムーディーさとエモーショナルな音を表現したつもりです。しかしまあ好きな曲をかけると気分爽快ですね、スカッとしました。
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| EVENT REPORT2 | 09:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Luciano - Tribute To The Sun (Cadenza:CADCD05)
Luciano - Tribute To The Sun
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今やミニマルシーン、いやクラブミュージックの界隈において最も注目を浴びるアーティストの一人・Lucianoの久しぶりのアルバムが到着。世界はミニマルミニマルミニマルで溢れかえったが、先駆者は更にそこから飛躍し脱・ミニマルしより深みを増したワールドミュージックへと傾倒。ジャケットを見れば感じるだろう、その優雅で幸せに満ちた音を。と言うか頭の中がお花畑でいっぱいになっちゃった様なめでたい感覚と言うか、トリッピーでくらくらになる酩酊感に溢れている。民族的、エスニック、ラテン、アフリカンなどの言葉が浮かんでくるより原始的でより野性的な音色やグルーヴに完全に染まっていて、クラブミュージックの枠を越えてしまった問題作。中にはまだミニマルの要素を残したトラックもあるものの、メロディーや展開が複雑に広がって行き一つのトラックとして聴ける芸術性を持ったトラックが増えておりますね。職人、または芸術肌な面が前面に出たアルバムだけど意識が溶けてしまう程の甘美と煌めき輝く優雅の後にやってくる恍惚感もあり、決して実験性やリスニングだけを重視した音楽に陥ってはいない。今Lucianoは幸せの真っ只中にいるのだろう。



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| HOUSE5 | 09:00 | comments(4) | trackbacks(5) | |
Kevin Saunderson - History Elevate (KMS:KMSHISTORYCD01)
Kevin Saunderson-History Elevate
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うほっ、どう見てもゴリラです…。あーちゃん?

相変わらず一向に新作の出ないデトロイトの御三家ですが、その中で一番商業的には成功しているであろうケビンサンダーソンが過去の遺産を活かして新譜をリリース。内容はDISC1は今までのKSのリミックスワーク集なんだけど、さすがに90年前半の仕事も多くて時代を感じせるし、今聴くとちょっと古いかな。KS特有の図太いベースが響く大箱系トラックが多いけれど、そんなに目を見張る点は無し。本作の醍醐味はやはりKSのトラックを現在のヒットメーカーがリミックスしたトラックを集めたDISC2の方。2年に渡って5枚のEPでリリースされていたリミックストラックを、更にKSが全部繋げたミックス仕様。DJでもなければ全てのEPを集める人も少ないからその点でも本作は価値があるだろうし、何よりリミキサーが豪華で素晴らしい。チリアンミニマルのLuciano、デトロイトの至宝・Carl Craig、若きテクノ貴公子・Joris Voorn、ハードテクノからはBen SimsやChristian Smith & John Selway、ミニマルの前線に立つLoco Dice等々、どんだけ人気アーティストを集めたんだよと思います。これだけの面子が集まれば文句は無かろう、完全にフロアで馬鹿受けするトラックばかりに決まっている。ただよぅ、過去の遺産に頼らずに音楽製作してくれよな〜。完全新曲がやっぱり聴きたいよ。

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| TECHNO7 | 07:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2009/07/31 Ken Ishii 15 Years Anniversary @ Air
日本が世界に誇るテクノゴッドことケンイシイも日本でのデビューから遂に15年だそうです。私もケンイシイの音楽には本当に影響を受けておりますし、彼のDJプレイも本当に大好きです。と言う事で去年の10月以来となるケンイシイのプレイを聴きに、AIRへと行ってきました。

24時半過ぎに到着するとJazztronikの野崎良太がプレイ中。この日はテクノセットを敢行と言う事前情報の通りで、バキバキと予想よりも派手で豪快なテクノをプレイしておりました。ただ普段この手のプレイをしない人がいきなりテクノをプレイしているせいか、やはり何となく違和感を感じるし上手く展開は作れていない気がしました。かなり強引に上げてましたよ。

お目当てのケンたんは1時過ぎから。むぉ〜パーカッシヴでざくざくとし、肉厚なテクノ中心ですぞ。自分の以前のケンたんの印象はソリッドでスピーディーな感じなんだけど、最近は重さで勝負してるのかな。分かり易いメロディーは少なめでリズムとか音圧で圧倒してくるようでした。勿論最新MIXCDのリリースパーティーでもあったので、そこからの曲も多めにプレイしておりました。やはり"Good Life"は凄い盛り上がったし、超絶トライバルなTomaz Vs Filterheadzの"Sunshine"(やはりこの時代は格好良い曲が多かったよな…)も回してフロアに激震が走りました。

3時過ぎからはお初のClaude Young。ハウス系のテクノ、又はテックハウスな選曲が多くて上げすぎず、下げすぎずな適度なノリのプレイ。元々DJには定評がある人ですが、やっぱり展開もスムースと言うか自然に進行していくね。しかも後半に進むにつれてヒット曲をどかどかと投入していて、良い感じで盛り上がりました。"Future Love Theme"、"Good Love(Luciano Remix)"、"Rej"とかそりゃ盛り上がるわな。ケンたんのヘヴィーなプレイに対して、幾分かスッキリと無駄の無い音でこれもまた良し。

で5時過ぎからは再度ケンたんのご登場。のっけからトップギアへシフトを入れて、かなり音数多めでやかましいテクノをアップテンポでどっかんどっかんと回す。相変わらずパーカッシヴでファンキーなんだけど、狂ったようにハイテンション。途中で自身の"Butter Bump Blaster"を回した時にゃ、フロアが大爆発ですよ。朝方なのに尚フロアにエネルギーが集まっていくようでした。アンコールラストはケンたんの名曲"Iceblink(Beat The Strings Attack Mix)"をプレイ。ストリングスが煌びやかに鳴る感動かつ高揚感溢れるテクノトラック。昔みたいにもうちょっとデトロイトクラシックを回してくれると尚更嬉しいのだけど、今夜は今夜でいっぱい踊れて素晴らしい一夜でした。

■Ken Ishii-Warrior On The Decks - Play, Pause And Play 2(過去レビュー)
Ken Ishii-Warrior On The Decks - Play, Pause And Play 2
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| EVENT REPORT2 | 08:40 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Mirko Loko - Seventynine (Cadenza:CadenzaCD04)
Mirko Loko-Seventynine
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Border CommunityやPlanet-Eから良作をリリースしていたものの残念ながら解散してしまったLazy Fat Peopleの片割れ、Mirko LokoがLuciano主宰のCadenzaから期待されていたアルバムをリリース。ジャンル的にはミニマルだとかハウスだとかそこら辺の音なんですが、流行廃りに埋没しない独特の繊細美が閉じ込められていて充実した内容。微細な粒子が空中を浮遊する様に音の粒が細かく編みこまれていて、それが非常に煌びやかで美しい空間を作り出しているのです。それは西洋的で上品な耽美とでも言える音で、Cadenzaの中でもこの美的センスは群を抜くものだと信じております。そしてリズム帯はと言うと、鈍く唸るメタルパーカッションは無機質に淡々としたグルーヴを打ち鳴らしていて、上物の有機的なメロディーとは対照的な印象。幾分かリズムの細さは気になりつつも、耽美な上物との相性はその分良くなっていて上手く絡み合っているのではないでしょうか。このアルバムはフロアで聴いても勿論気持良さそうだけど、個人的には家の中で外界の音を一切遮断した静寂の中で集中して聴きたいなと思います。



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| HOUSE5 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Loco Dice - The Lab 01 (NRK Sound Division:LAB001)
Loco Dice-The Lab 01
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正直昨今のミニマル流行には食傷気味なんだけど、このLoco Diceは最近人気あるらしいんで取り合えず買ってみた。Sven Vath、Luciano、Richie Hawtin、Ricardo Villalobos辺りとつるんでいるみたいで、ミニマル系の中ではかなりの評価を得ているDJらしいです。本作は良質なハウスを中心にリリースするNRKが新たに立ち上げたMIXCDシリーズ"The Lab"の第一弾で、時代はハウスよりもやはりテクノとミニマルと言う事なんですかね。一枚目は幾分かどんよりムードで深みを感じさせるミニマルが中心で、昔の過激なミニマルとは全く以って異なっている。リズム中心のハイテンションな旧ミニマルに対し、なんつーかここら辺のミニマルってどうも薄っぺらくてペナペナに感じられて軟弱なイメージを払拭出来ないんだよね。中毒的な恍惚なり気の抜けたパーカッションの独特な気持ちよさはあるし品質の高さは分かるけれど、テクノの衝動的なパワー不足なのは否めないな。もっともこんな音を作ってる人達もパワーよりも聴かせる事を目的に作っているんだろうけれど、かと言って心にぐっと来るようなソウルがあるかって言うとそんなのも感じないし。取り合えず一枚目からはLoco Diceなりの個性は聴こえてこない。それに対し二枚目の方はミニマルでありながらハウスの心地良いグルーヴを前面に打ち出したミックスで、緊張感は無くむしろ薄っすらと甘い情緒さえ感じられるメロディアスな内容。勿論エレクトロニックで冷たい感触は一枚目と一緒なんだけど、そこにソウルフルな旋律もあって感情が揺さ振られたりもする。衝撃の無いミニマルであったとしても、そこにファンキーなりソウルフルなり感情的な音があった方が、自分には合うのかなと思います。またハウスとテクノの絶妙な混ざり具合も好きですね。しかし一体ミニマル流行は何時まで続くのかね?

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| HOUSE4 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cassy - Panorama Bar 01 (Ostgut Tontrager:ostgutCD02)
Cassy-Panorama Bar 01
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テクノ系の音楽ではお世話になっているVinylismacid over the rainbowで紹介されていたので、ならば良質であろうと考え購入した一品。Cassyって言う女性DJで詳細は知らんが、LucianoやVillalobosらと一緒に名前が出てくる事が多いですね。でもまあ今ベルリンで最も隆盛を誇るであろうクラブ・Panorama BarのオフィシャルMIXCDなんで、期待していいんじゃないだろうか。ふむふむ、渋めのミニマルな流れが中心ながらもデトロイトっぽいのやアシッドも上手くミックスしていて、地味ながらも徐々に上げていく展開がかっこいいよ。そして特筆すべきはミニマルかつ冷淡でありながらも、ねちっこいファンクネスを感じさせる事が彼女のオリジナリティーを発揮させておるのだ。血の通ったプレイって言うのかね、奥底には熱さを感じさせるイメージ。テクノともハウスともミニマルとも言える幅広い選曲で、それらを上手くまとめて地味に盛り上がるよ。Ostgut Tontragerは今後とも注目しておいて損はないでっせ。

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| TECHNO6 | 00:10 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Tadeo - Contacto (Net28:NET28CD2)
Tadeo-Contacto
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もうね、マスゴミのミスリードは酷すぎ。京大生が大麻所持で逮捕されたんだけど、わざわざ見出しで「クラブで入手」とか強調する意味あんの?大麻を手に入れる場所がまるでクラブみたいな書き方しているけれど、実際は他の場所で入手する方が数は多いはずでしょ?クラブを悪者みたいな扱いにしたりしているけれど、実際にクラブ来ている人の中でドラッグやってる率とか調べてから書け、ボケマスゴミが。

身になるミニマル。巷ではどんどん有機的な方向に流れていっているミニマルですが、今でも頑なにJeff Mills系のミニマルを継承している人も僅かながらはおりまして、このTadeoもその一人。去年TadeoのEPでリミキサーにSubstanceとCassyが起用されていた事で僕は注目し出したんだけど、実際には2004年頃から活動してたみたいですね。最初に述べた様にJeff Mills系統なので、Sleeparchiveらにも共振する発信音の様な上物が特徴的なコズミックなミニマルが聴けるのですが、確かに流行の有機系ミニマルに比べると地味だから一般的な知名度が低いのはしょうがねーかなと言うのが率直な気持ち。でも実際にはRichie HawtinやMarcel Dettmann、LucianoがMIXCDで使用している辺り、ミックスにおいての機能性と言う意味では非常に使い易いのかなと思います。昔ながらのミニマルだから大きな展開は無いし音数も多くないから、ミックスしてこそ生きる様なミニマルなんですよね。地味には違いないけれど、一つ一つの音の美しさが際立つスペーシーなミニマルアルバムでした。激渋硬派!

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| TECHNO6 | 07:30 | comments(5) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2008
昨日の続き。先行きの暗い日本ではありますが、個人的には良い事も…あったっけ?いやいや、ありました。本人には面と向かっては恥ずかしいので言いませんが、当ブログを通して出会えたa4mさんには感謝しております。多分当ブログの読者で初めて会った人なんだけど、何故か今までは特に誰とも会う事は無かったのです。がa4mさんがパーティーに誘ってくれて、更には友達のクラバーを紹介してもらったり、新しい出会いがありました。周りからすればそんなの大した事ないじゃんと思うでしょうが、本来引き篭もりむっつり根暗系の自分は人付き合いもそんなに上手ではないので友人も多くもないし、まさか当ブログの読者に会うなんて事は考えてなかった訳ですよ。だから彼女が誘ってくれたのは嬉しかったし、彼女の気さくさと言うか親近感は見習いたいものです。つーことで、オイラもRevolution For Changeするよ。クラブで音楽を楽しめる方(ナンパとかしたい人はお断り)なら一緒にクラブでも楽しい時間を共有出来ると思うから、良かったら一緒に踊りに行きましょう。酒好きで女好きだけど、音楽も好きだから気軽に楽しみましょう。男の人でも、阿部さんみたいな人なら会いたいな、ウホッ!

しかし最近このブログも色んな人が見ているようで自分でもびっくりするけど、読者数が増えるにつれてシモネタや毒舌は控えないといけないねと思ったり、そこら辺のバランスは難しいですね。ま、そんなこんなで激動の一年でしたが、この一年間どうもありがとうございました。また来年も宜しくお願いしまーす。

では続きで自分の中の2008年ベストを紹介しようと思います。
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| BEST | 00:30 | comments(13) | trackbacks(3) | |
Luciano - Live @ Weetamix (Max Ernst:max.E.-CD2)
Luciano-Live @ Weetamix
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今年はリイシューラッシュだった気がしますが、年の瀬になってまたもや奇跡の名盤がリイシュー。2002年にThomas BrinkmannのMax ErnstからリリースされたLucianoのCDは、なんと今では珍しいライブ盤。元々はライブ中心だったらしいですが、本人の人気が出たりレーベル運営をする様になった事でライブ活動が難しくなり、今ではDJ中心となっております。そう言えば確か2003年は田中フミヤの記念パーティーが新宿リキッドで4週連続で行われて、そこにLucianoもライブで来ていた記憶があります。行っておけば良かったですね、行かなかったのが悔やまれます。仕方ないのでこのライブ盤を聴けば良いのですが、オレは最近のLucianoのよりもこっちの方が好きかも。最近はどんどんアーティスティックと言うか作り込まれていかにもにもベテランぽくなっちゃってるけど、このライブ盤はまだまだストレートなミニマルハウスが聴けて滑らかなグルーヴが心地良いっすわ。尚且つ抜けの良いラテンパーカッションやセンチメンタルかつ恍惚感のあるトランシーなメロディーが前面に出ていて、南米の燦々と太陽が降り注ぐ生活を喚起させます。しかもライブだけに音に湿り気があって有機的だし、途切れる事の無いセットでぐいぐいと引き込まれますね。レアトラック"Amelie On Ice"の別バージョンも"Arzier"と言うトラックで収録されているのでご注目を。

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| HOUSE4 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
2008/12/19 (FRI)
HMV SHIBUYA & ONLINE 10TH ANNIVERSARY presents CARL CRAIG Supported by MTV @ Womb
DJ : Carl Craig, Ryo Watanabe

2008/12/22 (MON)
WOMBADVENTURE'08 AFTER PARTY @ Womb
DJ : Luciano

2008/12/26 (FRI)
turquoise presents Color Number Vol.2 @ Club Asia
DJ : Ian O’Brien, DJ NOBU, OMB, M.S.K., NEWDEAL

2008/12/27 (SAT)
CHAOS @ Unit
DJ : Fumiya Tanaka, Sammy Dee

2008/12/28 (SUN)
CLUB MUSEUM “The SOUL of DETROIT” @ Unit
SPECIAL GUEST LIVE : Octave One
DJ : Kihira Naoki, Rok Da House, Taro,Sugawara

2008/12/29 (MON)
Air & ButtON presents DJ Spinna Japan Tour @ Air
DJ : DJ SPINNA

2008/12/31 (WED)
UNIT NEW YEAR'S PARTY 2009 @ Unit
LIVE : SCHOOL OF SEVEN BELLS
DJ : TOM MIDDLETON, KAORU INOUE, KENTARO IWAKI, HIKARU, Salmon

2008/12/31 (WED)
"LIFE FORCE" New Year Cowntdoun @ Seco Lounge
DJ : Nick The Record, Foolish Felix, Juzu a.k.a. Moochy, MaNA

2009/01/04 (SUN)
Chillout Village 09 @ 高井戸倶楽部
DJ : Mixmaster Morris, Artman, Utsumi, Kensei, Q, Sinn, Hiyoshi

2009/01/11 (SUN)
FLOATRIBE -NEW YEAR'S SPECIAL- @ Unit
DJ : Kaoru Inoue, Kentaro Iwaki

さて今年も残り2週間。歳をとると時間が経つのも本当に早く感じられます。今年はYELLOWがクローズし、色んな箱でパーティーが中止になったり、クラブシーンに対し風当たりがだんだんと強くなっていて残念です。昨日もWOMBで何かあったらしいけど、マジで大丈夫か?と言う事で行くかどうかは別として気になるパーティーを幾つか。ミックスマスターモリスは未経験なんで、生で聴いてみたい。
| UPCOMING EVENT | 19:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Luciano - Fabric 41 (Fabric:FABRIC81)
Luciano-Fabric 41
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現在のミニマルシーンにおいてRicardo Villalobosと双璧を成すチリアンミニマリスト、Lucianoの最新MIXCDは人気シリーズのFabricから。名シリーズ、そして名アーティストの作品なんでリリース前から良作を予想していましたが、やはり期待を裏切らずに最前線で活躍するミニマリストらしい本気度の高い内容。ミニマルと言ってもドイツで流行っているドープなミニマルではなくて、パーカッション中心のどちらかと言うとファンキーな要素の大きいミニマル。パーカッション自体の響きがドライで、その上のらりくらりと酩酊じみた足元のおぼつかないふらふらしたテンションなので、どうにも無味乾燥なムードが漂っておりますが、その緩さが逆にジワジワと効いてくる感じ。中盤ではぐっとアダルティーな色気を帯びて感動的な盛り上がりを見せ、デトロイトテクノを注入しつつラストまで突っ走ります。全体的にシカゴハウスっぽいスカスカな構成なので、胃もたれせずに最後までBGMみたいに聞き流せてしまうのも好感触。現在のクラブミュージックシーンではどこもかしこもミニマルで溢れていますが、独特なグルーヴを生み出す数少ないオリジナリティーを持ったDJとしての実力を感じさせます。16曲中5曲も自身のレーベルであるCadenzaの音源が使われているのですが、それもまたレーベルの質の高さの証明と言う事でしょう。

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Sven Vath - In The Mix : The Sound Of The Fourth Season (Cocoon Recordings:CORMIX007)
Sven Vath-In The Mix : The Sound Of The Fourth Season
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最近は仕事の都合で行きたいパーティーも行けない事が多く、結構ストレスが溜まり気味。幾ら生活の為に仕事が大事とは言え、自分の趣味が台無しになる様な仕事をしてたんじゃ何の為に仕事をしてるのかと気が重くなります。今年中には今の現場から平日日勤のみの現場に移らせて貰うように上司に懇願でもするかな。

GW前後に行きたいパーティは幾つかあるけれど多分行けなそうで、今の所行けそうなのがSven Vathが出るCocoonのパーティー位なんだよね。率直な意見としてSvenのプレイにはさほど興味が無いのでそこまで行きたい訳じゃないんだけど、これに行かないと他のパーティーには行けなそうだしなー。Svenのプレイはただ最近のヒット曲をぱらぱらと繋げるだけなので、矢継ぎ早で豪快なプレイやらミキサーをぐりぐり弄るプレイが好きな自分としてはそんなにSvenに好感を持ってないんですわ。Cocoonと言うレーベル自体も既に人気のある他のレーベルのアーティストの作品をリリースするだけだし。まあ流行に乗るのは上手いレーベルだとは思いますけどね。でもSvenが手掛けるこの"In The Mix"シリーズの4作目は、意外にも僕は好きだったりします。2枚組みで真夜中の熱狂的なプレイの"Mon"と昼間のアフターアワーズを意識したプレイの"Day"に分かれていて、どちらもメロディーがふんだんに使われた楽曲を多く使用しております。まっとうに4つ打ちを聴かせるだけではなく、ミニマルやダウンテンポやエレクトロニカ、果てはノリノリでロッキンな曲まで回してやたらとテンションの上げ下げが多く盛り上がりますね。特に"Day"の方はディープな雰囲気に元々トランス出身であった事を思わせる情緒的な快楽も滲み出ていて、耽美で狂おしい美しさを感じられるはずです。いまいち統一感の感じられないプレイではあるんだけど、快楽に落とし込むトランス感覚はSvenの得意とする分野ですね。

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ricardo Villalobos - Love Family Trax (Goodlife Records:RTD 314.5002.2)
Ricardo Villalobos-Love Family Trax
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先日Ricardo VillalobosのDJプレイを生で体験したのですが、自分が持っている彼のMIXCD三枚全てと実際のプレイに差があり最初は結構驚きました。もちろん生のプレイも良かったしMIXCDも良いので、MIXCDを気に入った人は実際にDJプレイを聴きに行く事をお勧めします。本日紹介するMIXCDはVillalobosの初のMIXCDなのですが、調べた所によると市場での価値が高騰していてとんでもない額で転売されております。自分は丁度日本でクリックハウスなるムーブメントが流行っていた頃に、良く分からずに本作を購入したのである意味運が良かったのかなと。そして内容も彼のMIXCDの中ではピカイチですが、最近の作風とは結構かけ離れていてポクポクな土着系リズムも聴けるのですが、それ以上にトランシーな要素が大きいです。クリクリと丸みを帯びたキックが入るリズムトラックを中心にハウシーなグルーヴを紡いでいくのですが、上物にトランスに近い感じのうっすらと情緒漂う音が入ってきたりして最近のVillalobosからは窺えない音が見え隠れしています。ミニマルとテックハウスの中間位の音と言えば良いでしょうか、なかなかの美メロが聴ける内容です。そう言えば昔は彼もエレガンスなメロディーを多用したトラックをリリースしていたけれど、最近は作風がほぼ土着系に定着してしまってるんですよね。土着系も悪くないけれど彼には本作から窺える耽美でセクシーなトランス要素も期待している訳で、昔の作風の復活をどうしても望んでしまいます。本作は少々音が薄っぺらくて線が細い気はしますが、これ位の方がメロディーがリズムトラックに負けないので丁度良いのでしょう。

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Funk D'Void - Sci-Fi Hi-Fi 04 (Soma Quality Recordings:SOMACD64)
Funk D'Void-Sci-Fi Hi-Fi 04
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今までにEwan Pearson、Luciano、Alex Smokeらがミックスを手掛けてきたSomaのディープなテクノミックスシリーズ・Sci-Fi Hi-Fiの最新作に、Somaを代表するアーティスト・Funk D'Voidが遂に登場。実はFunk D'Voidは以前にもCocoonからMIXCDをリリースしているのですが、その時は余りにも緩めの展開でそこまで満足出来なかった思いがあります。で本作はと言うとやはり本作も緩い!がそれ以上にディープかつほんのりと香る甘さが幻想的で、かなり陶酔度が高めのセクシャルな内容です。まるでFunk D'Void自身の作品をそのまま映し出したような薄いシンセサウンドがばりばり入っているトラックが多く使われ、テッキー度は相当にきてます。尚且つBPM125前後の一番心地良いイーブンキックがいつまでも変わらずに続いていて、平坦な展開ながらもそれが逆に高揚感を持続させると言うハウスの良さも持ち合わせています。Funk D'Voidも自身で最高の出来と自負しており、綺麗目のテックハウスが好きな人は間違いなく当たりのMIXCDと断言しましょう。久しぶりに極上のテックハウスを堪能出来ました。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Shut Up And Dance! Updated (Ostgut Tontrager:ostgutCD03)
Shut Up And Dance! Updated
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本コンピレーションはドイツのバレエ団のイベントの為にクラブアーティストが新曲を提供した企画盤なのですが、その参加面子が尋常ならざる凄さ。ミニマルテクノ新生代のSleeparchive、チリアンミニマル代表格のLuciano、大人気のÂme、昔からのテクノファンお馴染みのThe 7th Plain(Luke Slater)、あとNSI.(って誰?)と誰もが目を見張る面子です。やはり注目はÂmeの"Fiori"(過去レビュー)でしょうか。既にこの曲はレコードで購入済みですが、実はこのアルバムからのカットだったんですね。CDで出てるならレコード買わなくても良かったかもね…orz。SleeparchiveはBasic Channelスタイルのディープなミニマル曲を提供。シンプルな様で機能美に溢れているフロアをも意識した内容で、ダビーな音響はうっとりとする位美しいです。Lucianoは相変わらず独特で、乾いたパーカッションが軽快に鳴るラテンミニマル?と言うのかな。いつもよりも何故か妙に可愛らしいキャッチーな雰囲気を感じました。Luke Slaterに関してはクラブトラックと言うよりは、むしろ場面が徐々に移り変わるようなサウンドトラックみたい。最近この人はいまいちなのが、正直な所。昔はアナログ機材でぶっといハードサウンドを聴かせてくれてたのにねー。NSI.は全然知らないアーティストですが、深いリバーヴの聴いたエクスペリメンタルな内容でテクノらしいと言えばテクノらしい音。4つ打ちではないのに、グルーヴィでなかなか良かったです。5曲のみの収録ですが計一時間程のボリュームなので、お腹一杯になりました。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Dominik Eulberg - Bionik (Cocoon Recordings:CORCD015)
Dominik Eulberg-Bionik
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以前から出る出ると言われていたのにずっと延期していたDominik Eulbergのニューアルバム。今まではTraumからのリリースだったのに、今作では遂にCocoonから出ちゃいましたよ。自分はそこまでCocoonは好きでもないので多少の不安はあったのですが、意外とDominikとCocoonの相性は悪くないかもしれない。Cocoon独特の虚ろなトランス感覚みたいなのは、Dominikの中毒性の高いトリッピーな音と相乗効果を発揮するのかな。しかしミニマルハウスにおいてRicardo VillalobosやLucianoと並んで評されるDominikだけど、本作を聴くともはやミニマルなのか〜?と首を傾げたくなる。だって展開はかなり広がっているし、メロディーの差込もかなり多いしね。Villalobosなんかは徹底的にリズム重視でアフリカンと言うか土着的なミニマルを突き進んでいるけれど、それに比べればDominikはかなり派手だよ。でもだから逆に家でアルバムとして聴くと展開があって聴き易い訳で、本作のヒプノティックで恍惚感を誘うトランシーな音は嫌いではないです。曲調もミニマルからジャーマンアシッド、Adam Beyerよろしくないびつなクリック、そして淡いサイケデリック感を感じるBorder Community風の曲まで随分と幅が広がってきてるね。Cocoonからのリリースだから幾分かは派手にしたのかもしれないけど、もうちょっと曲調は統一した方が良い気がするな。

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| TECHNO5 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Official Soundtrack Of Love Family Park (Aim For The Stars:AIMCD001)
The Official Soundtrack Of Love Family Park
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日本でも大人気、現在のジャーマンテクノシーンを引っ張るSven Vathが主宰する野外イベント・Love Family Parkの初のオフィシャルコンピレーションが届きました。この人しょっちゅう日本に来るけどそれでも毎回WOMBは激混み状態で、本当に人気あるんだなと身を以て理解しております。おいらは好きじゃねーけどな(じゃあイベント行くなよと突っ込まれそうだが、付き合いってのも人生上必要な訳だ。やっぱドイツならKompaktかTresorだよな)。それはおいといてコンパイル担当はSvenじゃなくてAlex Azaryって人、全然知らんよ。一枚目は一応ダンストラックを選曲と言う事らしいけど、ゆったりシンプルなコードが変化し幻惑的なフレーズが乗っかるCocoon風の曲が多いです。平たく言えば流行のミニマルにドラッギーな音をぶち込んだズブズブ引き込まれる感じ。だから思いっきり踊らされる訳でもなく、のらりくらりと音に酔いしれて覚醒していくんだよね。僕が好きかどうかは別として、参加アーティストからも分かる通り上質な曲が多いよ。

で一枚目に全く興味の無い僕がこれを買ったのは、二枚目のチルアウトミックスに興味があったからなのです。こちらはAlex Azaryが曲を繋いでくれていて、尚かつドイツと言うよりはイビザ宜しくなバレアリックダウンテンポチルアウト(って何じゃそれ)で、トロトロに心身共に溶けてしまう様な黄昏時の味わいがあります。テクノだけじゃなくてエレクトロニカとかシューゲイザー的な雰囲気もあって、夕暮れの海辺の景色が淡くなっていく時の切なさが込み上げてくるね。日本のクラブでもメインフロア以外でこんな音楽が流れるチルアウトフロアを作ってくれると嬉しいのですが、土地が余ってないし無理かね。そんな希望を抱いても無駄なので、お家で晩酌しながら聴くと良い感じですよ。

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Check "Alex Azary"

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| TECHNO5 | 22:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Âme...Mixing (Sonar Kollektiv:SK096CD)
Ame...Mixing
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近年テクノ、ハウスの垣根を越えて大ヒットした「Rej」を送り出したÂme。ミニマルで覚醒感のあるハウシーな楽曲は、様々なアーティストがDJプレイで使用しフロアに熱狂の渦を呼び起こしてきました。あんなにもじわじわと神経を蝕む様に毒気があるディープなハウスは滅多に聴く事もなく、本当に何度聴いても格好良いなと思います。そんな彼らの根本にある音楽は一体どんな物なのでしょうか?それを解き明かす鍵が、Âmeに因るこのMIXCDです。ジャンルは本当にざっくばらんで、イタロディスコからデトロイトテクノ、ミニマルハウス、ディープハウス、果てはプログレッシブロックまで何でもありですね。また新旧時代が幅広く取り入れられて、時代を跨ぐ作品集とも言えます。技術的に感動を覚える箇所は特に無いのですが、選曲自体は渋くもなかなか侮れないセンスがあるのかなと思いました。幾つか気になる曲を挙げるなら、ジャジーで未来的なCarl Craigのリミックスや、ファンキーでコズミックなDerrick Mayのリミックス。またDouble、Nexusらイタロディスコ系は、近年のディスコダブに通じるズブズブかつエモーショナルな作風が良し。ミニマルハウス最先端のLucianoの曲も、中毒的に深い音で素晴らしいです。最後のトランシーなAshra(Manuel Gottsching)は、当然テクノ好きな方はご存じですよね?ジャンルはばらばらなれど、深い音響を生かした選曲でべたっとした流れながらも地味に神経に効きます。まったりゆったり、そしてズブズブの世界に落ちていきましょう。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Shift to the other time - KARAFUTO Live mix at UNIT 28.1.2006 (Disques Corde:dc002CD)
Shift to the other time-KARAFUTO Live mix at UNIT 28.1.2006
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日本全国の硬派なテクノファンお待ちかね、誰が呼んだか日本が誇るテクノ番長・田中フミヤの最新のMIXCDが届けられました。今作は2006年1月28日代官山UnitでのKarafuto名義でのDJプレイから、一部をCD化した物であります。2002年にリリースされた本人名義のMIXCD「DJ MIX 1/2[MIX.SOUND.SPACE]」(過去レビュー)からは4年ぶりとなっていますが、正直な所名義も時代も違うのに大きな差は感じられませんね。選曲もクリックハウスとミニマルを足して2で割った様な感じなのが多く、Karafutoと田中フミヤは何が違うのでしょうか。敢えてそれを述べるのであれば、田中フミヤはテクノ、Karafutoはハウス、それぞれのグルーヴがあるのかなと。また本人名義に比べればずいぶんと肩の力が抜けているというか、リラックスした雰囲気は感じられますね。でも殆ど似たようなジャンルの曲を使っているはずなのに、田中フミヤとKarafutoでは異なるプレイを生み出せるのはやっぱり凄いのかなー。昔のJeff Millsの影響下にあった頃のバリバリなハードミニマルテクノをやっていた彼からは、想像も出来ない柔軟でしなやかなプレイでDJとしての成長が感じられますね。浮遊感とは異なるかもしれないけれど、ふらふらと空間を漂う様な浮いたプレイが脳をくらくらさせます。何度も聴けばきっと分かるよ、味があるとはこの事だ。

個人的な要望としては、以前の様なハードミニマルMIXCDも出して欲しい。またかつては「Amazon」や「Changes Of Life」をプレイしていたんだよね?気になるな〜

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Lucien-N-Luciano - Blind Behaviour (Peacefrog Records:PFG052CD)
Lucien-N-Luciano-Blind Behaviour
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昨日紹介したクリック〜ミニマルハウスシーンの雄、Lucianoが初めて作り上げたオリジナルアルバムは、このLucien-N-Luciano名義のアルバムです。Peacefrog Recordsからリリースするにあたり、レーベル側はLuciano名義のダンスミュージックを希望していたそうですが、Lucien-N-Luciano名義ではホームリスニング的な音楽を目指しているそうです。確かにそう言われるとLuciano名義ほどビートは強くないし、ラップトップで制作したであろうにも関わらず妙に生温かみがあったり、音がファットだったり微妙に普段と異なる様子。何よりも違うのは哀愁を思わせるメロウネスがある事。以前はかなり無機質で機械的なファンキーな音を発していたのが、ここでは有機的で肉感的な音質に様変わりしています。西洋的な整合の取れたクリッキーな感は無く、くにゃくにゃと捻れたグルーヴが全編支配しているのはチリのまたは南米の音楽の影響なのでしょうか。ダブやレゲエの影響も感じさせる蒸し暑さも伴って、一気に湿度が上がってしまいます。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luciano - Sci.Fi.Hi.Fi Volume 2 (Soma Quality Recordings:SOMACD46)
Luciano-Sci.Fi.Hi.Fi Volume 2
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クリック〜ミニマルハウスシーンではRicardo Villalobosと双璧を成すと言っても過言ではない存在、そしてVillalobosと同じくチリ人のLucien NicoletことLucianoのMIXCD。それもなんとリリースはグラスゴーの名門テクノレーベル・Somaからとはちょっと驚きです。まあSomaからリリースしたからと言ってテクノっぽくなる訳でもなくて、普段通りのゆる〜くてまったりしてしまう渋いプレイを披露するLucianoなのですが。しかしチリからこう言ったクラブミュージックに根ざした音が出てくるのも意外なんですが、Villalobosと言いLucianoと言いなんでチリ出身のこの二人は無味乾燥と言うか派手さがないんでしょうね。良く言えばスルメの様な酒のつまみだと思いますが、MIXCDの前半は味気無くてこのままだったら寂しいなって思いました。ところがどっこい、中盤以降はドライな音ながらもグルーヴィーにリズムも振れだし、音に厚みも出て来てポヨンポヨンした豊満さが心地良いです。これがチリのドライなファンキー加減とでも言うのかな、派手さはないけれどラテンの血が秘かに隠れている様な冷たさと熱さ。真夏に聴いても部屋の空気をクールに一変させる心地良さと、体の奥底から溢れ出る情熱が共存しています。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Agoria - Cute & Cult (Different/PIAS:DIFB1055CD)
Agoria-Cute & Cult
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最近新譜がどんどん出るので聴くのが追いつきません(汗)。年の瀬だって言うのに、また強烈なMIXCDが出ちゃいましたよ。フランスからのニューカマー・Agoriaさんの変幻自在、奇天烈なプレイが存分に味わえる「Cute & Cult」がそれです。Agoriaさんはフランステクノシーンにおけるデトロイトテクノフォロワーで、その中でも単にデトロイトテクノを模倣したもの以上のアルバム「Blossom」で注目を浴びています。そしてミックスプレイもやっぱり一筋縄ではいかず、Carl Craigや69、Phylyps(Basic Channel)に混ざってLucien & LucianoやMathew Jonsonのクリック、Anthony Rotherのエレクトロ、Alter Egoのジャーマンテクノ、RadioheadやIggy Popのロック、しまいにはAge Of Loveのトランス?!までも収録。普通の4つ打ちテクノだけが好きなら苦手な人もいるかもしれないけど、抗えないインパクトは感じるはず。ドラッギーなエクスペリメンタルテクノから、緩やかなテックハウス、ダーティーなロック、ギトギトのエレクトロ、高揚感満載のトランス、未来派デトロイトテクノが、入れ替わり立ち替わりで聴く者を刺激ます。ただ聴くだけじゃない、心で感じるんだ!こんな不規則なテンポやリズムでも、きっと踊れる、勝手に体が動くでしょう。今年の珍盤ベスト1か?

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Slam - Nightdrive (Resist Music:RESISTCD54)
Slam-Nightdrive
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近年のテクノの流れの一つにクリック、エレクトロニカ化の傾向があると思います。ハードミニマルテクノのDJもクリックハウスを導入した作品を作ったり、MIXCDでも激しいだけではなくクリックハウスを混ぜた緩いプレイをしたり、とにかくジャンルの垣根が徐々に低くなっているのではないかと思います。…ってそんなん余り僕は好きではありません。ハードミニマルテクノのアーティストがわざわざ他の事やらんでもえーやろと!(そうゆう意味じゃSpeedy JとChris Liebingの共作は、終始ハードに徹していて男気を感じましたが)。

それでグラスゴーのテクノ番長、SLAMの登場ですよ!…と久々のMIXCDを期待してたら、こいつらも路線変更しやがってるぜ。あぁ、おいら寂しいよ、SLAMにはハードでソリッドなプレイを期待してるのに、何でSLAMもクリックハウスやらエレクトロハウスやら回して、そんな流行に乗ってしまうかな?もちろんプレイとしては決して悪くはないし新鮮味もあるんだけど、これをSLAMがやる事に余り意味は感じないかなと。全体的にダークで冷えた曲群の中にも妙に艶のあるポップなメロディーが絡むHiroki Esashikaの曲や、プログレ・テクノシーンでも人気を博しているNathan Fakeの曲など、そこかしこに妖艶で美しい曲を差し込んできて上手い流れはあると思います。ただ個人的にはSLAMにはハードであって欲しい、ストレートな4つ打ちを聴きたい、その思いが強いです。てな訳でこのMIXCDよりも、以前に紹介した「Slam - Fabric 09」の方がお勧め出来ます。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Upcoming Event
2005/05/28 (SAT) UNITE @ UNIT
DJs : CHARLES WEBSTER, IAN O'BRIEN

2005/06/03 (FRI) BETTER DAYS @ Module
Special Guest DJ : Mike "Agent X" Clark
DJs : Takamori K., No Milk, Misuzu, Sumitani

2005/06/10 (FRI) REAL GROOVES Volume 5 @ Yellow
DJs : Steve Bug、AKR + John Connell
Live: Luciano

2005/06/10 (FRI) IRIZO @ WOMB
Special Live Set : Speedy J
Special Guest DJ : Shufflemaster(traktor DJ set)
DJs : YOHEI ISHIJIMA, Nxx Oxxxx

2005/06/10 (FRI) Autechre @ CLUB CITTA' KAWASAKI
Live : Autechre
special guests: LFO, Rob Hall, Russell Haswell

黄金週間も終わり、祭りも終わり、宴の終演を迎えたようです。5、6月はそんなに大きなイベントもないなぁ。ま、CHARLES WEBSTER+IAN O'BRIENは絶対行きますけど。Speedy Jは1〜2年前に来日の話があって、急遽キャンセル。そして遂に来日ライブが決まりましたね。Surgeon並に超極悪な音を出せるやば〜いアーティストなので、興味津々です。

追加

2005/06/25 (SAT)MUSIC CONCEPTION presents MOONBEAMS @ Yellow
DJ : K.F. aka Calm
Live PA : Kirk Degiorgio (As One), New Ponta Box

2005/07/02 (SAT) LARRY HEARD JAPAN TOUR 2005 @ Yellow
DJs : Larry Heard aka Mr.Fingers, Alex From Tokyo

またまたラリーハードがイエローを襲撃。何度も行こうと思ってたのに予定が合わずに行けなかったので、今度こそ行かせてもらいます。
| UPCOMING EVENT | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Funk D'Void - In The Mix iFunk (Cocoon Recordings:CORMIX008)
Funk D'Void-iFunk
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昨日Pascal FEOSのIn The Mixシリーズを紹介したので、ついでにこれも久しぶりに聴きました。Funk D'VoidはSOMA Recordsから毎回高品質なデトロイトライクなテックハウスを発表していて、そのシンセの美しさには定評があります。リミックスワークも外す事なく、リスニング系からアッパー系まで良い感じの仕事をしています。とにかくFunk D'Voidはアーティストとして素晴らしい才能を持っていて、僕の大好きなアーティストの一人であります。そんな彼のMIXCDがIn The Mixシリーズに初登場したのが、去年の話。実際のプレイはハードグルーヴと言う話を聞いていたので初めてこのCDを聴いた時、予想外にも結構大人しめで聴かせるプレイだったので困惑したものでありました。テックハウスメインなので音的には本人のイメージその物なのですが、終盤までとにかく緩い。メロウな曲をじっくり聴き込むための様な選曲です。流行のクリックハウスもエレクトロディスコも時折混ぜて、終盤までまだかまだかと引っ張ります。途中Carl Craig、Future Beat Allianceのデトロイト系を2発差し込み、少しだけはっとさせられました。でもまだまだ盛り上がりが足りません。結局ラスト2曲の綺麗目シンセなデトロイト系で感動的な盛り上がりを見せて終わるのですが(特にAdrenogroov等から作品を発表しているDan Corco & Fred Carreiraは素晴らしいです)、なんだか食い足りない感じでした。結局全体的にビートが弱かったと言うか、もう少しだけでもハードな4つ打ちが欲しかったかなと思います。緩いなら以前紹介したSteve BugのMIXCDも同じじゃないかと思いますが、あちらは4つ打ちミニマルで反復の高揚感がありました。こちらはミニマルでも無いし、グルーヴが稀薄になったJohn TejadaのMIXって感じですね。

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| TECHNO1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pascal FEOS - In The Mix Rize & Fall (Cocoon Recordings:CORMIX006)
Pascal FEOS-Rize & Fall
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近年のSven Vath率いるCocoonは昔のSvenの趣向のトランスではなく、現在形のジャーマンテクノ。Svenは嫌いだったけど、最近はなかなか良い所があると思います。そのCocoonからのIn The Mixシリーズの一つが、このRize & Fallで前出のSteve BugやSven本人、Ricardo VillalobosやFunk D'Voidも参加していてかな〜り豪華な面子になっています。Steve Bugはディープでセクシャルなハウスを披露していましたが、このPascal FEOSはどうでしょうか。こちらは流行のRicardo Villalobos、Lucianoの様なクリック系から始まります。まあ今となっては目新しさもありません。しかしここら辺の音はグリグリしてて、ほんと奇っ怪な音ですね。そしてクリック気味のテックハウスに繋がり、Freaksでは近年リヴァイバルが目立つアシッドォォォォ!シカゴ系のアシッドでは無くてジャーマン系のブリブリした感じですね。中盤以降はアッパー系のテクノ〜テックハウスで終始押しまくり、そこら辺は手堅くまとめた感じです。こう聞くと大した事なさそうだけど、丁寧なMIXで後半に向けて徐々に盛り上げてくれて軽〜く水準をオーバーするナイスなMIXCDなんですよ。前半が抑えめなおかげで後半がモリモリ盛り上がる訳です。アッパーだけど綺麗目のソリッドなシンセ音で構成されていて、デトロイト系までとは行かないけれど情緒的でもあります。ジャーマンテクノってKOMPAKTとかもそうだけど、硬派でありつつPOP感覚にも溢れているのです。流行を逃す事もなく、また地もしっかりした硬派なMIXCDだと認定します。昆虫がアップになったジャケットは、彼のプレイと同様に耽美を感じます。

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| TECHNO1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |