Guiddo w/ Georges Perin - Gin 'n' Tears (Beats In Space Records:BIS016)
Guiddo w/ Georges Perin - Gin n Tears
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Tim Sweeneyが2011年に設立したNYCを拠点とするBeats In Spaceは、まだ短い経歴ながらもテクノやハウスにディスコやサイケロックなどジャンルを超越しながら咀嚼し、モダンでユニークなダンス・ミュージックを創造している。そんなレーベルから新たに送り出される才能がGuiddoで、Beats In Spaceからの本作が彼にとってのデビュー作になる。しかし本名をTomasz Guiddo Switalaとするこのアーティスト、実はMule MusiqやUntertonから作品をリリースしていたManhookerの片割れで、過去には胸キュンなモダン・ディスコを手掛けている。本作もそこから大幅には路線変更はせずに愛くるしいメロディーラインのディスコを下地に甘ったるいボーカルを導入するなど、Manhookerに注目していた人ならば期待せずにはいられないだろう。収録されたどの曲にもGeorges Perinをボーカルとして器用しているが、タイトル曲の"Gin 'n' Tears"からしてディスコやソウル・ミュージックを極端に回転数を落としたような作風がユニークだ。甘ったるいファルセットボイスにデケデケとした煌めくシンセのループ、そして切なさを誘発する薄っすらと甘いストリングスなど、美しい夕暮れ時に出くわしたような哀愁を滲ます。"I Miss You Now"も同様にスローな落ち着いたビートを刻んでいるが、こちらの方がよりドタドタしたディスコの4つ打ちやデケデケしたベースラインが打ち出され、よりフロアに即しているだろう。しかし何といっても素晴らしいのは"One Last Bite"で、牧歌的なピアノのコード展開と甘く囁きかけてくる陶酔感の強いボーカル、そして有機的なうねりを見せる柔らかいビートが一つとなって、醒める事のない夢の中へと誘われる。ディスコにバラードやポップスの要素が融合したような作風は、夏の終わりの感傷的な空気に含まれる正にバレアリックな音を主張している。パーティーのしっとりとした時間帯である朝方でこそ映えるような感動的な一曲だ。




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| HOUSE10 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Manhooker - Heartbeat (Mule Musiq:MM 171)
Manhooker - Heartbeat
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2013年の初頭にBerghain/Panorama Bar傘下のUntertonから突如デビューしたManhooker。ボーカリストのSebastian Mavin MagassoubaとプロデューサーのGuiddoから成るこのユニットは、初のリリースである"Wheels In Motion"(過去レビュー)において哀愁のポップかつディスコティックな歌モノハウスを披露し、限られた分野においてかもしれないが注目を集めた。クラブで楽しむためのダンス・ミュージックではあるが、その前提を差し置いても耳に残る旋律や淡くもメロウな世界観はよりオーバーグラウンドで聞かれるべきかとは思うが、この新作もその方向性をより推し進めている。リリースは日本から世界へと羽ばたいたMule Musiqからとなれば、その音楽的な質は疑うべくもないだろう。先ずは何といってもManhookerによる"Heartbeat (Original)"が素晴らしく、路線は正に"Wheels In Motion"を踏襲するものだが、Mavinの水っぽさもある甘いボーカルとピアノやストリングスの奥ゆかしい華麗な音を用いながら、密かにエレポップ風なゴージャスさも匂わせるハウス・トラックはキュッと胸を締め付けるような切なさが溢れている。やはり歌が良い、メロディーが良い、しっとりした音質が良いと徹底して方向性にぶれがない。他にはリミックス3曲を収録しているが、ミニマル度を高めた分だけ真夜中の深い時間帯向けにダークさを強めた"Heartbeat (Kresy Remix)"、ボーカルを強調し霞の奥に消え行くような幻想的なムードを打ち出した"Heartbeat (Mia Twin & Kasp Rework)"、ビートダウン風なざらついた質感で生っぽさを打ち出した"Heartbeat (Asok Remix)"と、それぞれ異なる味わいに作り変えている。しかしやはりここでの一押しはオリジナルである事に疑いはなく、Manhookerへの期待は高まるばかりだ。




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| HOUSE10 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/9/28 Eddie C Japan Tour 2013 Powered by Guidance × SPES-LaB. @ Amate-raxi
ニュー・ディスコ/ディスコ・リエニュー・ディスコ/ディスコ・リエディット、そして新作ではヒップホップの影響まで表現したEddie Cの来日公演。それを迎え撃つはCrue-L主宰、日本におけるニュー・ディスコの代表格とも言える瀧見憲司と、この手の音楽が好きな人にとってはこの上ない組み合わせだ。パーティー自体はGuidance × SPES-LaB.がサポートする事もあり様々な要素のエンターテイメントを伴う事が予想され、前々から期待していたパーティーだ。
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| EVENT REPORT4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Manhooker - Wheels In Motion EP (Unterton:U-TON 03)
Manhooker - Wheels In Motion EP
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ドイツクラブシーンに於いて息巻いているBerghain/Panorama Barが新たに立ち上げたレーベルがUntertonだ。今でも運営を続けているOstgut Tonのサブレーベル的な扱いになるのだろうが、Untertonの音楽性は恐らくテクノではなくPanorama Bar路線のハウスを基軸にしているように思われる。レーベルにとって3枚目となる本作はSebastian Mavin MagassoubaとGuiddoの二人から成るこのManhookerの作品だが、ここで聴ける音楽はおおよそ荒涼としたテクノのBerghainからは対極の位置にある愛に満ちたハウスなのだから。甘ったるいセクシャルな男の歌が耳に付くボーカル・ハウスの"Wheels In Motion"は、ゴージャズなピアノやコズミックなシンセのメロディーに華麗なストリングスを配した半ばケバケバし過ぎる感も否めないが、しかしこのレトロな空気やディスコ黎明期の輝かしく弾けるポップさへの回帰は懐かしさを通り越して心へ訴えかけるものがある。"Club Anonymous"もボーカルは挿入されているが、こちらは膨らみのあるパッドを用いつつも厳かで内向的なディープ・ハウスへと向かっており、展開もそれ程作らずにミニマルな作風でモダンハウスへと寄り添った印象だ。両曲に対して感じるのは琴線に触れるメロディーが誘発するハウスの愛と幸福で、その先にはUntertonが目指しているであろう普遍的な音楽性が見えている。また両曲をブラジルの新鋭であるRotcivがリミックスしているが、オリジナルよりも生っぽくディスコテイストを打ち出して、ミラーボールが頭の中でキラキラと輝きを発しながら回転する映像を浮かび上がらせる。とても人間臭くて温かみがあり、そして歌としてのハウスの良さが再認識出来る作品だ。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |