Vermont - II (Kompakt:KOMPAKT CD 114)
Vermont - II
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Motor City Drum Ensembleとして名を馳せるDanilo Plessowと、Innervisionsからの作品で高い評価を受けるMarcus Worgullによる異色タッグのプロジェクト、Vermontによる2枚目のアルバムがケルンはKompaktより到着。彼等が普段制作するエモーショナルでパワフルなディープ・ハウスとは異なり、ヴィンテージなアナログ・シンセ等を用いて抽象的で深い精神世界を探求するようなジャーマン・プログレやクラウト・ロックの系譜に連なる音楽性を展開し、直球のダンス・ミュージックではなく実験としての探究心を推し進めたであろうプロジェクトだ。路線としては前作から大きな変化はないが、しかしミニマルなアコースティック・ギターを用いた1曲目の"Norderney"は現代ミニマルのSteve ReichやManuel Gottschingを思わせる作風で、研ぎ澄まされたアコギの耽美な旋律を軸に瞑想的な電子音やコズミックなSEを散りばめて穏やかな宇宙遊泳を楽しむような感覚だ。"Gebirge"は70年代の電子楽器と戯れるジャーマン・プログレの延長線上で、半ばミステリアスささえ漂わせる電子音が闇の中で不気味に光るように響いて瞑想的なアンビエントの感覚も生んでいる。"Demut"や"Hallo Von Der Anderen Seite"もビートが入る事はなく強弱と旋律に動きのある奇妙な電子音を最小限用いて、その分だけ音の隙間が空間的な立体感を生んでおり、何か物思いに耽るような磁場が作られている。普段のDaniloやMarcusの音楽に慣れ親しんでいればいる程、肉体を刺激する音楽とは対照的なコズミックな電子音によって精神へ作用する音楽を展開するこのプロジェクトには意外に感じるだろうが、それが単なる小手先の音楽になっていないのは二人のジャーマン・プログレに対する理解の深さ故なのだろう。電子音との戯れはKompaktらしい実験的なアンビエントの響きもあり、異色さだけで注目されるべきではない深い精神世界を彷徨うリスニング・ミュージックとしてお勧めしたい。



Check "Motor City Drum Ensemble" & "Marcus Worgull"
| TECHNO13 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/2/6 Funktaxi @ 0 Zero
かつてWAREHOUSE702でレギュラー開催されていたFunktaxi。Den、DJ PI-GE、hyota.による3人が織りなすこのパーティーは一旦はWAREHOUSE702の閉店と共に歩みを止めていたが、その後各クラブで模索するように開催を復活させ、現在は青山はZeroでの定期開催を継続している。ここ何回かはレジデント3人のみによる開催だが、今回も敢えてレジデントのみとレギュラーパーティーの本質を知るには丁度良い機会だったので、初めてのFunktaxiへと遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/8/11 FREEDOMMUNE 0<ZERO> A NEW ZERO 2012 @ 幕張メッセ
2011年8月19日、FREEDOMMUNE 0<ZERO>は東扇島東公園を襲った集中豪雨によって中止となり、ある意味では伝説となってしまった。それから一年、再起をかけて開催されたFREEDOMMUNE 0<ZERO> A NEW ZERO 2012は屋内である幕張メッセへと場所を移し見事にフェスティバルを完遂させた。クラブ系DJからノイズ系のユニット、サブカル系ロックバンドや大物アーティスト、しまいには夏目漱石の脳味噌まで出演をする奇妙な存在が邂逅を果たした稀有な一夜だったと思う。
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| EVENT REPORT3 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Minguss - Night Of The Vision (IZIDOA disc:IZDA-1001)
Minguss - Night Of The Vision
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広大な夜空には人の目には感じられない程の光で輝く星が数多ある。普段は感じられないその存在だが、しかし確実にそこに存在する。そしてMingussもまだ我らが見ぬ静かにひっそりと輝く星だったのだろうか。Mingussは元々クラシックを嗜み音大在学中にはジャズに没頭していたのだが、突如として彼女の音楽性を一気に変える邂逅があった。それこそがDerrick Mayの熱狂的なDJであり、デトロイト・テクノであり、その偶然の出会いが彼女が求める音楽像を一気に変えてしまったのだ。またManuel Gottschingの音楽にも魅了された彼女はベルリンまで行きGottschingとも交流をするなど、急速にエレクトロニック・ミュージックへ傾倒をしている。そして世界中で活躍しているお馴染みのHiroshi Watanabeのサポートを得て制作された本作にて、Mingussは目に見えぬ星から眩い光を放つ星へとなるだろう。プロフィールの説明だけで長くなってしまったが、本題に入ろう。テクノに可能性を見出して完成させた本作は確かにテクノであるが、それはダンスフロアの為のだけの音ではなく密室から生まれた想像力溢れる電子音楽でもある。しなやかに紡がれるポップかつ夢見心地なメロディー、重厚感と相反する浮遊感のあるシンセのサウンド、深い透明感と神聖な佇まいを響かせる彼女の歌が自然と融和し、真夜中のハイな気分になれるテクノトラックから夜が明ける頃のドラマティックな歌物トラックまで、アルバムと言うフォーマットの中で一つの物語が繰り広げられる様に場面が切り替わり展開する。Kaitoらしい荘厳な美しさやGottschingらしい官能的なトランス感覚も聞こえてくるが、本作では更に女性らしい繊細でソフトな印象が際立っている。Hiroshi Watanabeプロデュースと言う力添えも影響しているのは間違いなく、ワタナベさんがミックスダウンやマスタリングなどを行う事で彼女の音楽性の方向を忠実に押し進め、Mingussの音その物に更なる繊細さや温かい包容力を与えているのだろう。まだ序章と言えるMingussの音楽、彼女の可能性に期待が大きくなるばかりだ。

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Check "Minguss"
| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deutsche Elektronische Musik (Soul Jazz Records:SJRCD213)
Deutsche Elektronische Musik
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テクノを聴く者にとっても、またそうでなくともジャーマンプログレ(クラウトロック)の影響と言うのは今でも色濃く残っている。特にテクノ方面に限って言えばAsh Ra Tempel(Manuel Gottsching)、Cluster、Tangerine Dream辺りの瞑想的電子音響世界はテクノのそれと共通しており、テクノのルーツの一部がジャーマンプログレである事は明白だ。そして多方なジャンルに渡って旧譜の掘り下げから新譜の普及まで努めているSoul Jazz Recordが、今度はジャーマンプログレのコンピレーションをリリースした。コンセプトはこうだ - "1972年から83年の実験的なジャーマンロックと電子音楽"。CD2枚組には前述のバンドと共にCan、Harmonia、Popol Vuh、Amon Duul、Nue!など有名どころからIbliss、Between、Kollectivと言ったマイナーなバンドなど、とにかくジャーマンプログレの骨の髄まで収録している。これだけのバンドが揃えば単にジャーマンプログレと言っても一つの言葉で形容出来る訳もなく、Popol VuhやBetweenの自然回帰的な内省的で静謐な曲もあればCanの様にハッピーなコズミックディスコもあり、RoedeliusやMichael Bundtの現代にも通ずるアンビエント、HarmoniaたNue!のオプティミスティックでトランス感覚に満ちたミニマル、Conrad Schnitzlerの派手派手しくネオンライトの輝くイタロディスコ風まで、現代の定型化したロックからは想像も出来ない自由な発想力に溢れた音楽が広がっている。普通から逸脱する事を恐れずに自分達の信じる音を追求した結果がジャーマンプログレ(クラウトロック)になった訳だが、当時はクロウトと言う言葉は馬鹿にする意味で使われていた様だ。しかし後々にその評価は覆され、特にテクノ方面ではその電子的音楽のみならず枠に収まらない創造性も受け継がれ今に至っている。もしそんな野心的な音を聴きたければ、そしてテクノに関心が無い人にとっても、きっとこのコンピレーションは貴方のジャンルの枠を取り払ってくれる作品に成り得るであろう。

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Tracklistは続きで。
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| ETC3 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/09/04 Metamorphose 10 @ 修善寺 サイクルスポーツセンター
2005年のメタモ以来、5年ぶりとなるメタモに行ってきました。今回はクラブ仲間御一行に車を相乗りさせて頂きまして、更にはテントやイスなどのキャンプ道具を完備する人もいたおかげで、かなり快適に過ごす事が出来ました。そのせいか終始お酒を飲む状態で、まともに音楽を聴く状態でなかったのが反省点でもありますが、楽しく過ごせたかな。幾つか聴いたアーティストについて軽くコメント。

まずはManuel Gottsching performs "more INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR" with Steve Hillage, Elliott Sharp & Zhang Shouwang。一番期待していたのですが、やはり素晴らしかったです。ギター3人とPC1人(知人の話では4人全員ギターだそうです。譜面台でギターが隠れて分からなかったみたい)のライブセットで、最初は"INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR"に収録されている"Echo Waves"。ペケペケしたギターのディレイが織り成すエレガントでトランシーな、そしてノンビートチルアウトと言っても差し支えない名曲。空間にフワフワと心地良いギターが浮遊し、そして拡がっていく。酔っていたので、これだけ聴いて後は寝ながらグダグダ。

Mogwaiのライブはステージから遠く離れたキャンプ地で、またもグダグダ寝ながら聴く。遠くからでも分かる圧倒的なギターの音圧、そしてそのノイジーな中から垣間見える美しい旋律。ちょっと以前ライブを聴いた時よりも、なんとなくテンポが早かったような?

そして伝説のMike Banks+Jeff Mills=X-102。これはまあだいたい予想していた通りで、やはり90年代前半のハードコアテクノを彼らなりにコズミックな要素を加えた、音自体は古いけれど臨界点を突破するようなエネルギーに溢れたテクノでした。流行り廃りとか古い新しいとかを超えた彼らのコズミックなコンセプトを表現していたんじゃないかな、グダグダに酔っていたので正確な事は言えませんが。

そこからは朝まで撃沈してしっかり仮眠を取り、ラストのMoritz Von Oswald Trioを迎える。最初に言ってしまうと2年前のUnitの公演を遥かに凌駕するライブで、今回は期待以上の物を聴かせてくれました。Moritz von OswaldとMax Loderbauerはエレクトロニクスを操り、Vladislav Delayは世にも見慣れぬ不思議なメタルパーカッションを叩く。重力から開放されたようにシンセのシーケンスは空間を自由に浮遊し、微小な変化を繰り返しながらミニマルな展開を作る。Delayが叩くパーカッションはディレイも効果的に使われ、鋭角的な音が空間を切り裂くように、しかしダビーに拡がり、そして圧倒的な音圧と重低音を鳴らしていた。2年前のライブの結果から踊れないと思っていたものの、今回は粘着性の高い重いグルーヴが生まれていてしっかりと踊れる内容でもありました。何度も色々なライブを体験すると本当に稀ではあるけれど背筋が凍りつく瞬間があるのですが、今回はまさにそれを体験。75分2曲の現在成しうる究極のエレクトロニックインプロビゼーションミュージックと言っても過言ではないと思います。

今回は終始メインステージに居たので殆ど踊らなかったのだけど、貴重なライブ体験を出来たし音楽友達と楽しく過ごせて良かったです。野外の開放感がグダグダを誘発するのだけど、たまにはそんなイベントも良いのかも。今回お世話になった方々には、この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
| EVENT REPORT3 | 21:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
2010/09/04(SAT) Metamorphose 10 @ 修善寺 サイクルスポーツセンター
Act : Manuel Gottsching performs "more INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR" with Steve Hillage, Elliott Sharp & Zhang Shouwang, X-102, Moritz Von Oswald Trio, Mogwai, Larry Heard and more

2010/09/10(FRI) Hyper Modern Music Salon -Dinosaur Meets TECHNO! @ Mado Lounge
DJ : Hiroshi Kawanabe, A.Mochi, CALM, Hiroshi Watanabe aka Kaito, no.9, Haruka Nakamura
Live : evala

2010/09/10(FRI) HI-TECK-SOUL Japan Tour 2010 @ Eleven
DJ : Derrick May, Ryo Watanabe

2010/09/10(FRI) SOLAR FREQUENCY @ Womb
Galaxy Stage
DJ : DJ Tasaka, DJ Nobu, The Backwoods
Future Lounge
DJ : DJ Yogurt, JZ, Leyziro

2010/09/10(FRI) CLUB MUSEUM "DETROIT LEGEND" @ Unit
DJ : Kevin Saunderson, Cloude Young Jr., Rok Da House

2010/09/22(WED) GUIDANCE @ Eleven
DJ : Michael Mayer, Takkyu Ishino

2010/09/24(FRI) Urban Tribe Japan Tour 2010 @ Eleven
Live : Urban Tribe
DJ : DJ Stingray (aka Sherard Ingram / Urban Tribe)

2010/09/25(SAT) AIR 9th ANNIVERSARY "DIXON × AIR Release Party @ Air
DJ : Dixon, Ko Kimura, DJ Sodeyama

2010/09/26(SUN) ShinKooeN fes 10' @ 神奈川県茅ケ崎市柳島海岸
DJ : Altz, DJ Nobu, DJ Quietstorm, DJ Yogurt, Ko Kimura and more
Live : Dachambo, Kaoru Inoue, O.N.O and more
| UPCOMING EVENT | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kaoru Inoue - Sacred Days (Seeds And Ground:SAGCD020)
Kaoru Inoue - Sacred Days
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ユニットとしての活動やコンピレーション・MIXCDなどのリリースも多かったせいか、そんなに久しぶりとも感じない井上薫の5年ぶり・ソロ2作目となるアルバムが紆余曲折の末リリースされました。「神聖なる日々」と題されたこのアルバムは祭典を祝うかのように歓喜し踊る事を渇望した音楽であり、今までの作品の中でも最もダンスミュージック性が強いアルバムです。かつてはワールドミュージック(ボサノバやアフロ、ラテン、アジアンミュージック)の要素を強く打ち出しクロスオーヴァーな方向性だった彼も、近年はかなりテック化かつエレクトロニックなビートを打ち出してきましたが、それらの融合が結実したのが本作。思えばChari Chari名義でのアルバムはダンスミュージックに縛られない(もっと言ってしまえば踊らなくてもよい)解き放たれた開放があったのが、ここでは彼自身はフロアへと帰属し自らがシャーマンとなりダンサーを扇動し肉体を刺激します。まるで踊る事への飽くなき欲求はかつてない程のポジティブなエネルギーを生み出し、周りを巻き込む至福の渦となる如く。またエレクトロニックな色を強めたとは言え彼の個性であったワールドワイドな音楽性は随所に散りばめられており、例えば先行シングルの"Happenings"はフラメンコを思わせる強烈なビートが鳴り響き、"Ancient Future Beings In The Place"では森林に包まれた秘境の奥地で原住民が雄叫びを上げ、そして超自然的な皆既日食体験から生まれた"The Invisible Eclipse"では琴線を震わす旋律が神々しく光り輝いている。スピリチュアルなチャントを歌いあげる"The Sun Goddess"もあれば、サックスフォンが妖艶さを演出するハウス"Tokyo Diver"もある。民族的な彼のルーツも踏襲した上で新たなる段階へと進んだ本作に、僕が感じたのはManuel Gottschingの音楽とも似た恍惚感、そうトランスと呼ばれる精神状態。興奮と感動 -単純にポジティブな心象によるものだけでなくスピリチュアルな作用による- を呼び起こすシャーマンの魔法がこのアルバムにはかけられている。ただただ…素晴らしい。

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| HOUSE6 | 10:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2009
2009年も当ブログをご愛読頂きありがとうございました。今年は転職したりDJしたりと転機もあり、山あり谷ありながらも充実した一年でした。また様々な方にご迷惑&お世話になり謝罪と感謝の気持ちで一杯です。歳と体は成長しても精神面では相変わらず小学生のノリなので、来年からは落ち着いた大人になりたいものです。

さて音楽業界にも不況の波が訪れておりますが、決して音楽の質が落ちている訳じゃありません。夜空には目には見えないけれども数多くの星が輝いている様に、音楽だってまだ僕も貴方も見つけていない素敵な音楽が埋もれている筈。音楽に対し愛を持ち自分の心に忠実になり耳を澄まして、貴方を幸せにしてくれる音楽を見つけて欲しいと思います。最後に自分の中での2009年ベストを選んでみました。が、あくまで今の気分なんで、また後で選び直したら変わるでしょう。それでもミュージックラバーの参考になれば幸いです。ではでは来年も良い一年になる事を祈って…
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| BEST | 00:10 | comments(4) | trackbacks(2) | |
2009 Best Seller
今年も残り二日ですね、皆様お疲れ様でした。当ブログでもせっせと良質な音楽を紹介してきたつもりですが、読者様には一体どんな作品が人気があったのか?当ブログで売れ行きの良かった作品を紹介したいと思います。それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/12/05 groundrhythm @ Air
当日は幕張ででっかいパーティーがあったものの、自分は井上薫初ライブが聴きたかったのでgroundrhythmへ行ってきました。来年久しぶりに出るアルバムからの新曲も披露するって事で、そりゃ期待もするってもんです。何より嬉しかったのは、他にでっかいパーティーがあったのにもかかわらずAirにもいっぱいのお客さんが来ていた事だ。さすがgroundrhythmはAir最長を誇る伝統のパーティーだけあると感じました。
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| EVENT REPORT2 | 16:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Manuel Gottsching - E2-E4 Live In Japan (Music Mine:IDBQ-9001)
Manuel Gottsching-E2-E4 Live In Japan
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もし奇跡と言う言葉を使用する事を許されるのであれば、この"E2-E4"(過去レビュー)の世界初ライブは正に奇跡なのであろう。いや、ワンフレーズで60分を引っ張っていくこの曲の存在自体も既に奇跡ではある。音源のリリースから20数年、テクノロジーの発達により遂に一人でライブを行えるようになった時、その世界初のライブ場所に選ばれたのが日本。本当にこれは嬉しく素晴らしい事であったと思う。ここに来るまでに"E2-E4"はジャーマンプログレと言う世界を飛び出し、クラブと言う場所において大勢のダンサーを狂わせ、テクノやハウスの大御所達のリメイクを誘発し、ジャーマンプログレ以外のリスナーの沢山を巻き込んできた。官能的で情熱的でしかしクールで、そして神々しささえ感じさせる美しさが濃縮された一時間。そして2006年の世界初ライブ、きっと期が熟していたのであろう、そして完璧なタイミングだったんだ。SHM-CD仕様、ライブ映像を完璧収録したDVD付きで限定3000枚、追加生産・販売は一切無し。これを聴き逃す事無かれ。

最後に"E2-E4"を最高に官能的なバージョンでリミックスしたDerrick Mayが、"Strings Of Life"に対して発言したコメントを引用したい。何故ならば"E2-E4"にもきっと同じ物が存在するから。

「君は高い崖っぷちからダイブしたような、そんな気持ちにさせてくれる音楽を聴いた事があるかい?自分ではそれは出来ないと思っていても、心の中は満ち足りてしまったようなあの状態、あの曲はきっとみんなをそんな気持ちにさせたんだと思う」



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| TECHNO7 | 10:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Sueno Latino (Golden-Dance-Classics:GDC2099-8)
Sueno Latino
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メリークリスマス!クリスマスと言えば、一年で一番日本が揺れる日、またはラブホテルの稼働率が一番高い日、またはレストランがぼったくる日で有名ですが、分かり易く説明すると日本中で一番セックルが行われる日でございます。でもよぉ日本人でクリスチャンは少ないんだし、そもそもこんな日だけじゃなくて普段からばんばんセックルすりゃ良いのにね。日本の夫婦の4割がセックスレス状態だそうで、その理由が「仕事で疲れている」「面倒くさい」だそうです。なんてもったいない理由なんだ!と童貞が僻んでおりますが、くっ、悔しくなんかないんだからねっっ!!

しゃーねーです、クリスマスだからお祝いに下世話で快楽的な"Sueno Latino"でも聴かせてやるのです。



まあこのブログの読者ならご存知だとは思いますが、Manuel Gottschingの"E2-E4"(過去レビュー)をハウスリミックスしたのが"Sueno Latino"で、更にそれをDerrick Mayがリミックスしたり、二度あることは三度あるって事でCarl CraigがPaperclip People名義で"Remake"しちゃったり、とにかく神懸り的な軌跡を歩んでいる曲なんですわ。オイラはPCP名義の"Remake"がストイックなリミックスで好きなんだけど、まあ酒池肉林になって騒ぐなら"Sueno Latino"の方が向いておるよ。快楽的なイビザトラックっつかセカンドサマーオブラブ真っ只中のアンビエントハウスっつか、Eをきめまくりとことん快楽を追求したバージョンが"Sueno Latino"だからね。カップルはこれでも聞いてどろどろの快楽に溺れてくれたまえ。このCDには"Sueno Latino"のオリジナルバージョンに、Derrick Mayによる"Illusion First Mix"やらManuel Gottschingのギターを追加した"Winter Version"やら計5バージョンも収録されていて、大変お買い得になっております。

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| HOUSE4 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2007
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年は特に年末年始は予定が無いので、今日はDynamite!!でも見ながら酒を飲みつつ年を越そうと思います。ちなみにロシアン皇帝VSチェ・ホンマンなんて、でくの坊のチェに勝ち目なんてねーだろ。何て言いながらチェが勝ったらどうしよう…。そう言えば今年は長年お世話になってきたシスコがクローズしたり、クラブ営業への圧力が一層高まったり、クラブミュージックがどんどんと良くない状況になっているのを感じました。元々一般人には馴染みのない世界、音楽なのに更に追いつめられてどうしようもない状況ですな。まぁ中には一般受けにヒットしてるアーティストもいるので、今後はよりアンダーグラウンドとオーバーグラウンドで境が出来ていくのでしょうか。とにかく真夜中のクラブ営業だけは、法を改善して問題を無くして欲しいですね。何で24時間営業の居酒屋で飲むのは合法で、クラブで夜中に踊るのは違法なんでしょうね?意味の無い法律は必要ありません。

無駄口が続きましたが、これから2007年のマイベスト作品を紹介致します。でも昨日掲載した売上ベストに出ている作品は敢えて外してあります。それらの作品でも自分の年間ベストに入っている物はありますが、折角なので今日はそれ以外を紹介したいと思います。ベタなチョイスではありますが参考にして頂ければ幸いです。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 17:00 | comments(4) | trackbacks(2) | |
宇宙からの歌、宇宙への音 (Rittor Music)
宇宙からの歌、宇宙への音
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宇宙、それは果てしなく広大で人知の及ばない未知の世界。老若男女問わず誰しもがその大きな存在に畏敬の念を感じ、そして人間は宇宙の前ではちっぽけな存在に過ぎないと思わせられてしまう。しかし昔から人間は宇宙に魅了され続け、ある者は星を観察しある者は壮大な物語を描き、そして音楽で宇宙を体現する者も。そんな宇宙を感じる音楽を集めたのが本書であり、ロックやヒップホップ、ファンクからジャズ、ワールドミュージック、そして一番宇宙がぴったりなテクノまで、ジャンルを越えて宇宙音楽を集めてしまった。しかし宇宙音楽とは一体?近未来的な電子音が鳴っていれば、それで宇宙?ただ想像力を喚起する瞑想的な物が宇宙?いや、そんなはずじゃないはず。無限の広がりをイメージした宇宙だってあれば、自分の心の中に存在するインナーシティーだって宇宙かもしれない。テクノのThe OrbやIan O'Brienと並んでプログレのPink FloydやHawkwindもいれば、VangelisやBrian Enoもいるし、ジャズのPharoah SandersやHerbie Hancookもいる。煮えたぎるファンクバンドのFunkadelicや"Planet Rock"で有名なAfrika Bambaataaも入ってるし、インドやアジアの民族・宗教音楽など馴染みのないものまで、とにかく宇宙、コズミック、スペーシーを喚起させる音楽ばかり。自分はテクノ、ジャーマンプログレには関しては頷く作品ばかりだったが、それ以外のジャンルに関しては知らない作品ばかりだったので、余裕が出来たら購入してみようと思った。ありそうで無かったコンセプトの本なので、誰でも楽しめるはず。

8/23追記
この本に載っているCDでいくつかは既に本ブログでレビューを掲載していましたので、リンクを張っておきます。
Steve Hillage - Rainbow Dome Musick
Harmonia - De Luxe
Cluster & Eno
Manuel Gottsching & Michael Hoenig - Early Water
Ian O'Brien - Gigantic Days
Global Communication - 76:14
Pub - Summer
| ETC2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Manuel Gottsching - Live At Mt. Fuji (Music Mine:IDCQ1001)
Manuel Gottsching-Live At Mt. Fuji
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Manuel Gottschingとはトランスだったのだ!

今更わざわざ説明するのも必要のないManuel Gottsching先生とは、ジャーマンプログレッシブロックのアーティストであり、数々のクラブアーティストにリミックスされた"E2-E4"(過去レビュー)のおかげでロックシーンよりもクラブシーンで人気を得てしまった不思議なお方であります。彼本人は多分クラブとの接点なんか求めていないはずなのに、エレクトロニックでミニマルな作品はクラブでこそ効果を発揮したのかもしれないですね。

さて前は置きはそれ位にして、2006年4月に行われた日本のフェスティバル「PRISM」でのライブを収録した本作は掛け値なしに素晴らしいです。PC,ギター、シンセサイザーでの完全に電子化されたライブは、音的にはかなりテクノに近寄りつつあります。まあビートはそれ程強調されていないのでガツンガツンに踊ると言うよりは、ゆらゆらと空中浮遊する感覚に溢れたトランスミュージックなのでした。ここで言うトランスとはジャンルとしてのトランスではなく、要素としてのトランス、つまりはミニマルな反復から生まれる恍惚感が最大限に発揮された音楽なのです。ジャーマンプログレと言うと空間を歪めるような圧倒的に重厚なサウンドでトランス感覚を生み出す物が多いのですが、Gottsching先生は完全に振幅と反復に依って意識を朦朧とさせて現実と夢想の世界を行き来するのでした。何も難しく複雑な旋律を奏でる事はなく、分かる通り(いや意外にも)Gottsching先生がロマンティストである事を証明する幻想的なフレーズが何度も繰り返されます。物静かな人の雰囲気はあるけれど、想像以上に彼の心は蒼く広大で、何事にも捕らわれる事のない自由性を持っているのでしょう。泣けるな〜、これ生で聴いたらきっと泣くよ。もうGottsching先生は、ジャーマンプログレから遠く羽ばたいて自由の音楽を奏でているよ。

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| ETC2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Klaus Schulze - Moondawn (Revisited Records:REV031)
Klaus Schulze-Moondawn
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本日もまだまだ引き続きジャーマンプログレッシブロックの紹介です。こんなマニアックな特集を組んでいるせいか、徐々にアクセス数が減っていて寂しいこの頃です。でもテクノを聴く者の宿命として、ジャーマンプログレ特集は続けるぞと。昨日はManuel Gottsching様を紹介したので、今日はその友人であるキーボーディストのKlaus Schulze氏を紹介します。Gottsching様とSchulze氏と言えば元Ash Ra Tempelのメンバーとして、完全にラリッている瞑想(迷走?)サイケデリックロックをプレイしていました。"E2-E4"のGottsching様しか知らない人には到底聴く事の出来ない強烈な音楽でありまして、その時はSchulze氏はドラマーとして超絶に自由奔放なリズムを叩いていたんですね。アルバム一枚を出した所でSchulze氏はバンドを脱退するのですが、ソロになった時点から彼のシンセサイザー奏者としての道が始まったのです。さて名作として誉れ高い本作は、珍しくもドラマーを引き入れて電子音の演奏と生演奏を共演させています。電子音と言うかシンセサイザーはたんまり利用されているものの、分かり易い音ではなくて難解なジャーマンプログレを象徴しているドロドロと重苦しい雰囲気に包まれています。曲の途中からメランコリックなシーケンスも入ったりしてくると、テクノっぽい連続的な繰り返しも出てくるのですが、やっぱり爽快感は皆無ですな。ただ細かく入っているSEとか浮遊感のあるシンセのエコー、ミニマルなシンセのシーケンスの使い方とかは、とても76年に一人で作ったとは思えない出来です。またそれに合わせたドラムの躍動的なグルーヴがあるおかげで、だれる事無く大きなうねりを生み出しボーナストラック含め3曲78分と言う壮大なストーリーを聴き通す事が出来るようになっています。いやしかし気持ち良い音なんだか不快な音なんだか分からないけど、とても深い世界である事には間違いないですね。

Check "Klaus Schulze"
| ETC1 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Manuel Gottsching & Michael Hoenig - Early Water (Spalax Music:CD14536)
Manuel Gottsching & Michael Hoenig-Early Water
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本日も更に引き続きジャーマンプログレッシブロックの紹介です。今日は皆様お待ちかね?"E2-E4"で有名なManuel Gottsching様と、全く名前の知らないMichael Hoenigのコラボーレートアルバムです。Manuel Gottschingと言えばとにかく"E2-E4"によってジャーマンプログレのみならず現在のテクノまで深々と影響を残し、後世に語り継がれるべき存在のギタリストであります。そしてMichael Hoenigはとあるバンドのキーボーディスト。この二人のコラボレーションは結果は奇跡的にも、この本作の中に壮大で深い一大絵巻として残される事になったのでした。テクノ好きの方は当然"E2-E4"はご存じだと思いますが、本作はそれにも負けない位の瞑想力と快楽さを発揮して、1曲48分28秒と言う長い長いインナートリップへと引き込むのです。Hoenigに依る単調に繰り返されるシンセシーケンスの上を、Gottschingがギターをフリーキーに又はあるパターンを繰り返し演奏するだけのある意味な変化の少ない楽曲。そういった意味ではやはり"E2-E4"と同類な訳ですが、"E2-E4"が星の煌めく様に音の一つ一つが主張する訳のに対し、本作は月の静かな光の様に滑らかでスムースな音響ですね。角が立っておらず丸いアナログ的な音は聞き易く、一般的にもヒーリングミュージックとして聴ける物だと思います。Gottschingのギターは咆吼してもHoenigの優しいシンセ音がそれをも包み込み、全体的に優しい音作りになるのですね。1976年作にレコーディングされたのに、実際のリリースは1995年とは非常にもったない。何であれ"E2-E4"を好きな人は、必ず聴いた方が良いですよ。

Check "Manuel Gottsching" & "Michael Hoenig"
| ETC1 | 21:45 | comments(6) | trackbacks(2) | |
Cluster - Cluster (Brain:POCP-2385)
Cluster-Cluster
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テクノとの関連も深いジャーマンプログレッシブロックの名盤の数々が目出度く再発される事になったので、今日から当面はジャーマンプログレ特集を続けます。テクノが好きな方は是非ともこの機会にジャーマンプログレにも耳を傾けるべきでしょう。有名どころで挙げればKraftwerkやManuel Gottschingなんかは皆様ご存じだと思いますが、実は70年代初期には同じくドイツからエレクトロニクスを駆使した新世代のロックバンドが続々と生まれていたのです。彼ら新世代はロックとは言いつつも既存のフォーマットから外れた構成力と前衛的な実験精神を伴って、予定調和にならない電子音楽を生み出したのです。そしてそれら音楽はその後、テクノの活性化に伴い新たに日の目を浴びる事となったのでした。

さてジャーマンプログレ特集初日は、Dieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusの二人からなるCluster。ジャケットをまずは見て貰いましょう。星が無数に散りばめられているけれど、正にそんな感じのラリパッパーな音楽です。ビートとかリズムなんてものは存在しないし、明確なメロディーもありません。電子楽器が無機質で不安定な旋律をなぞり、この世とは思えない異次元の様な不思議な音を発しているだけなのです。ふらふらとふらつく電子音には浮遊感覚を覚えるのですが、それが快楽を生み出すかと言えばそうでもなく密閉空間に閉じこめられた如く陰鬱で重い空気が漂っています。ビヨンビヨンとかゴォォーとかずっとそんな感じで電子音が鳴っているだけで単調ですが、テクノだって単調なリズムが基本。そうゆう意味ではテクノ好きが最も好感を示すジャーマンプログレかもしれません。単純に電子音好きな人も聴く価値は有りです。

Check "Cluster"
| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2006
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年はPRIDEの不祥事で格闘はK-1しかTV放映されません。非常に残念です。さて、今年の年越しは万座温泉で過ごすので、31日から3日までは外出しています。なのでこの更新も前もってまとめておいたのが、自動でアップされるようになっています。今日は年間ベストを選ぶと言う事で、時間をかけて今年リリースされた物で印象に残ったのを探していたのですが、あちらを立てればこちらが立たず状態でどれを切るか本当に迷いました。年間ベストとは謳っておりますが、実際の所数日後に選び直したらまた内容は変わるだろうし、今の時点の気持ちで選んで物と考えた頂いた方が宜しいかと。でもどれも最高に素晴らしい音楽ばかりなんで、是非参考にしてみてくださいね。

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| BEST | 12:00 | comments(12) | trackbacks(4) | |
2006 Best Seller
今年も遂に終わりがやってきました。と言う事で年間ベストなんですが、その前に今年も年間売上ベストを行おうと思います。皆様今年もこの「Tokyo Experiment」経由@アマゾンで、多くの商品を購入して頂いてありがとうございました。とここまでは、去年と全く同じ文章を使わせて頂きました、手抜きですいません。さて売上ベストですが、結果を見るとなかなか面白い結果でありまして、2年以上も前にリリースされた作品が今でも売れていたり意外でした。しかしブログで紹介した甲斐はあったなと、嬉しい気持ちでもあります。これからも素晴らしい音楽を紹介し続けられる様に更新がんばらないとね。では早速売上上位から発表したいと思います。

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| BEST | 12:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Âme...Mixing (Sonar Kollektiv:SK096CD)
Ame...Mixing
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近年テクノ、ハウスの垣根を越えて大ヒットした「Rej」を送り出したÂme。ミニマルで覚醒感のあるハウシーな楽曲は、様々なアーティストがDJプレイで使用しフロアに熱狂の渦を呼び起こしてきました。あんなにもじわじわと神経を蝕む様に毒気があるディープなハウスは滅多に聴く事もなく、本当に何度聴いても格好良いなと思います。そんな彼らの根本にある音楽は一体どんな物なのでしょうか?それを解き明かす鍵が、Âmeに因るこのMIXCDです。ジャンルは本当にざっくばらんで、イタロディスコからデトロイトテクノ、ミニマルハウス、ディープハウス、果てはプログレッシブロックまで何でもありですね。また新旧時代が幅広く取り入れられて、時代を跨ぐ作品集とも言えます。技術的に感動を覚える箇所は特に無いのですが、選曲自体は渋くもなかなか侮れないセンスがあるのかなと思いました。幾つか気になる曲を挙げるなら、ジャジーで未来的なCarl Craigのリミックスや、ファンキーでコズミックなDerrick Mayのリミックス。またDouble、Nexusらイタロディスコ系は、近年のディスコダブに通じるズブズブかつエモーショナルな作風が良し。ミニマルハウス最先端のLucianoの曲も、中毒的に深い音で素晴らしいです。最後のトランシーなAshra(Manuel Gottsching)は、当然テクノ好きな方はご存じですよね?ジャンルはばらばらなれど、深い音響を生かした選曲でべたっとした流れながらも地味に神経に効きます。まったりゆったり、そしてズブズブの世界に落ちていきましょう。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ashra - New Age of Earth (Virgin Records:CDV2080)
Ashra-New Age of Earth
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「Inventions For Electric Guitar」で新機軸を開拓したManuel Gottschingですが、更にそこから歩を前に進めた作品が「New Age of Earth」。Ash Ra Tempel改めAshraと改名してからの初のアルバム。ニューエイジってな瞑想的かつイージーリスニング的なジャンルがありまして、その名前が入っている位だから今までよりも更に快楽的な音楽面もちこっと顔を見せたりします。何よりもここでのGottschingはギターに拘らずにシンセサイザーやエフェクトを多用し、今までの陰な世界から陽の世界へと飛び羽ばたいています。一曲目の「Sunrain」が何よりも素晴らしく、太陽の光が燦々と降り注ぐようにシンセ音が断層的にエコーを繰り返しミニマルの様に反復します。今までは多少重苦しさなり難解さなりがあったものの、ここでは徹底的に気持ち良さを優先させているんじゃないでしょうか。三曲目の「Deep Distance」は覚えもある方はいるのでは?そうそう、去年Joe Claussellがリミックスをしていましたよね(過去レビュー)。これもシンセを多用して、広大に延びてゆく空を表現する様なロングジャーニ。す〜っとどこまでもシンセは延びて行き、美しい旋律を奏でながらシンセは鳴り続けます。いや〜まじでいいわ〜。二曲目と四曲目は現代風に言えばアンビエント、昔ならニューエイジなのか?シンセがシュワーとかドロドロ鳴ってて、瞑想するにはもってこい。ここではギターも炸裂して、かなり混沌とした瞬間もあります。作品が古いだけに多少は安っぽい音が多いけれど、アナログの味があると言えばありますね。「E2-E4」前夜のアルバムなだけに、このアルバムもお見逃し無く。

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| ETC1 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(2) | |
Ash Ra Tempel - Inventions For Electric Guitar (King Record:KICP2855)
Ash Ra Tempel-Inventions For Electric Guitar
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Manuel Gottschingの「E2-E4」前の傑作と言えば、Ash Ra Tempelと言うバンド名義の「Inventions For Electric Guitar」でしょう。バンドとは言ってもオリジナルメンバーは既にGottsching以外は脱退していたので、このアルバムは初ソロアルバムと言う事になるのでしょうか。そのせいもあってか今まではドロドロなジャーマンプログレッシブロックだったのですが、このアルバムでは相当にトランシーでアンビエント風な作品に風変わり。とは言ってもギターとエフェクター、テープレコーダーのみを使用した創り上げたそうで、リズムマシンやシンセサイザーの使用は皆無だそうです。しかしその音たるやそんな事を全く感じさせないミニマルで快楽的なトリップサウンドで、この時点で「E2-E4」を予感させる物です。特に一曲目の「Echo Waves」がずば抜けて素晴らしく、ギターのディレイやエコーが幾重にも打ち寄せる波の様で、反復する立体的なギターサウンドには妖艶なトランス音楽性さえも見出す事が出来るのでは。この幻惑的なミニマルなギターフレーズを、シーケンサーを使わずに人力で行っているのも驚きですが、その驚き以上に快楽の大きさに小宇宙に飛ばされてしまいます。二曲目の「Quasarsphere」は、哀愁漂ういかにもプログレッシブロックな感じで、まだ過去の脱却が出来ていない様な。三曲目の「Pluralis」では、その過去の難解なプログレと「Echo Waves」のミニマルでトランシーな点を上手く取り入れ、薬でラリパパの世界ですね。三曲のみならがも計45分収録で、のんびり微睡みの世界に落ちるには十二分でしょう。ジャケットを見れば、アルバムに対するGottschingの満足度も分かるってもんだw

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| ETC1 | 23:00 | comments(5) | trackbacks(3) | |
Manuel Gottsching - E2-E4 (Re-masterd) (Arcangelo:ARC7168)
Manuel Gottsching-E2-E4
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今年のMETAMORPHOSEの目玉は何と言っても、Manuel Gottschingによる「E2-E4」世界初ライブであろう。実は既に「E2-E4」のライブは、オーケストラ+アコギセットで行われているのだが、今回はなんとリズムマシーンやエレキでのセットと言う事で、これこそが真の「E2-E4」初ライブと言えるだろう。「E2-E4」って何でしょうと言う人は、私の過去レビューをまず参照して頂きたい。

さて、とにもかくにも「E2-E4」のクラブシーンへの影響はとても大きい。テクノ、ハウス、ガラージのクラシックスとして各アーティストに影響を与え、Sueno Latinoによるアンビエントハウスを誘発し、そしてDerrick MayとCarl Craigによるリミックスは今でも燦然と輝きを放つ。

しかし今になって「E2-E4」の初ライブが日本で行われるなんて驚き以外の何でもないし、むしろ今までライブが行われていなかった事の方がもっとびっくりだ。ジャパンマネーの力を想像するのは容易いが、それでも野外であの官能的なギターサウンドを一時間も体験出来るのであれば、それはきっと至福の時となる事も間違いないだろう。今年はチケットの値上げだったり、いまいちしっくりこない面子が多いのでMETAMORPHOSEには行かないけれど、「E2-E4」のライブだけはマジで聴きたいな。

取り敢えず廃盤になっていたこのアルバムが、リミスター済みで再発される事に乾杯!

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| ETC1 | 23:40 | comments(6) | trackbacks(3) | |
Calm Presents Conception For The Street Noise Scene 3 (KSR:KCCD-061)
Calm Presents Conception For The Street Noise Scene 3
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ブログ更新しようとしていたら大雨ですよ、河川の氾濫ですよ。東京に住んでいてこんな自然災害は初めてだったと思います。うちの半地下にも水が入ってくるし、ほんと大変でした。

さて、そんな疲れた心を癒してくれるのが相変わらずCALM選曲・監修のこのコンピです。今までのシリーズがフューチャージャズ中心の選曲でしたが、今作はダウンテンポ中心かつ日本人の作品を集めた癒しの一枚となっております。みんなも知っているアーティストが集められ、特にハラカミレイがタンツムジークの曲をリミックスした物は極上の出来です。柔らかい丸みを帯びた音がらんらんとスキップする様なノリで、完全にハラカミ色に染まっています。サイレントポエツのキラキラと朝焼けが降り注ぐ様なアフターアワーズ的トラックも素敵ですね。ベッドの中で微睡みを感じつつ、気持ち良い朝を迎えられそうです。個人的に注目はシュガープラネットの「E2-E4」カバーでしょうか。そう、Manuel Gottschingの「E2-E4」カバーなのですが、ストイックな面は潜めて逆に優しさに包まれる様なギターが密かに彩りを添えて、スウィートなボーカルも加わりダウンテンポバージョンとして再生しております。「E2-4」のリメイクは色々ありますが、これが案外いけてるんですわ〜。「Sueno Latino」のパラダイス風快楽トラックとは異なり、むしろ天上界の穏やかさみたいですね。この他にも質の高い曲が多数収録され、全体通して全く外れがありません。ヒーリングコンピレーションが数あれど、これが本当の癒しの一枚だと言わんばかりのCALMの選曲に脱帽です。

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| ETC1 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Ash Ra Tempel - Deep Distance
Ash Ra Temple-Deep Distance
なんか考えが及ばなかった組み合わせによる一枚が出ています。ジャーマンプログレ〜ニューエイジ〜ミニマリズムを横断するManuel Gottsching率いるAsh Ra Tempelの曲を、スピリチュアルハウスを提唱するJoe Claussellがリミックス!原曲は6分にも及ばないのにそれをJoeが一球入魂の23分越えのリメイク。かなり長い曲にもかかわらず全く長さを感じさせず、むしろもっともっと遠くにダイブしたい気持ちにさせる様なロングジャーニー。どこか愛くるしさを感じるメロディーラインと奥行きのある空間、薄く薄く延びては繰り返すエコー、そして終わる事の無い4つ打ちのリズム。これを聴いた人はその時点でインナートラヴェラーと化す。派手さはないものの、確実に効く一枚。

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| HOUSE1 | 21:33 | comments(6) | trackbacks(1) | |
K.F.re-presents CALM - Bathing in Sunshowers (Music Conception:MUCOCD-009)
K.F.re-presents CALM-Bathing in Sunshowers
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以前にCALMのK.F.名義の「Key Free」を酷評しましたが、その評価は今でも変わりません。はっきり言ってかなりしょっぱい作品です。なんで今からK.F.名義の作品を買うなら、このミニアルバムを買った方が良いと思います。ミニアルバムで4曲しかないけど、計40分の大作でなんと言っても「Manuel Gottsching - E2-E4」のリメイクが収録されているのですから。

以前に「E2-E4」もレビューをしましたが、それは本当に素晴らしい作品であり今も輝きを放つ名作であります。それをCALMは「Deep In The Forest(K5-C5 Pt.1)」と「Deeper In The Forest(K5-C5 Pt.2)」としてリメイク致しました。今までも「Sueno Latino」等としてリミックスされてきましたが、今回のは一番ハウスっぽいリメイクです。オリジナルは官能的なのに対して、CALMはオーガニックにそして4つ打ちでフロア対応に仕上げました。「Key Free」でのキックの弱さも改善されて、普段のCALMのしなやかさが完全に戻っています。あくまで原曲のミニマリズムも尊重して淡々と同じメロディーを繰り返しますが、途中でピアノやギター、シンセが導入されてピークで盛り上がる仕様にされているのではないでしょうか。さすがフロア指向のK.F.名義だと思わせられるリメイクです。

この2曲以外にも「Key Free」に収録されていた「Sunshowers」もリメイクされています。鳥の鳴き声などのSEで幕を開け、アコースティックギターの儚い調べ、重厚なゴスペルが加わり壮大なボーカルハウスが始まります。中盤からはダンスフルな4つ打ちに変化して、確実に大勢で合唱するアンセムになりそうな曲。「Key Free」の中でも際だっていた曲ですが、リメイクも十二分に素晴らしいですね。元からこんな調子でアルバム作ってれば良かったのに…と思いました。力強さとポジティブなエネルギーに満ちた一枚なのです。

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| HOUSE1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Klaus Schulze - Irrlicht (TKO Magnum Music:CDTB133)
Klaus Schulze-Irrlicht
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ジャーマンプログレシーンで最も有名なキーボード奏者と言うと、このKlaus Schulzeになるに違いない。元々Tangerine Dreamのドラマーであったが1stアルバム発売後に脱退、その後Manuel GottschingAsh Ra Tempelを結成するもこちらも1stアルバム発売後に脱退。そして何故かドラムを捨ててシンセサイザーを手にし、エレクトロニクスミュージックを始めた。鍵盤楽器に触れてから3週間で作ったと言う1stアルバムがこのIrrlichtだ。1stアルバムにして傑作と言う評判だが、僕は他のアルバムを聴いた事が無いのでまだ断言は出来ません。しかしながら、このバッドトリップ感はジャーマンプログレの中でも断然に群を抜いています。メロディーと言うメロディーは無いし、聴いていて凹ませるような鬱感しかなく、真夜中の墓地に火の玉でも出るようなおどろおどろしい感じです。オーケストラとの競演らしいが、どの音がオーケストラでどの音がシンセサイザーなのか全くもって区別がつきません。とにかく終始重厚でブゥゥ〜ンとかゴォォ〜とした音が続くばかり。ジャーマンプログレの難解さが一番際だつ作品ですね。CDの帯には「ジャーマントランスのカリスマ」とか書いてあるけど、トランスはトランスでもキメすぎちゃってやばい方のトランスじゃないのかな。快楽とは全く対極の音楽です。こんな事書いて、興味持つ人いるのだろうか…。

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| ETC1 | 15:34 | comments(1) | trackbacks(1) | |
Manuel Gottsching - E2-E4 (Racket Records:715037)
Manuel Gottsching-E2-E4
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プログレッシブロックの本を読み返していたら、ジャーマンプログレの事を思い出した。テクノを聴いている人はジャーマンプログレを聴く人も多いと思っているが、それはやはり電子楽器を多様していたからに他ならないだろう。テクノとも共通するミニマル感覚もあったり、古い音楽なのに今聴いてもなかなかのインパクトはあると思う。と言う訳でしばらくジャーマンプログレ特集を組んでみる。

栄えある第一回目はやはりこれ、「E2-E4」。Manuel Gottschingと言えばAsh Ra Tempelではブルージーなサイケデリックロックをやって、次第にトランシーなミニマルな作風に移行し、この「E2-E4」によって後になってテクノ方面から絶賛された人だ。このアルバムは60分一曲の超大作で、官能的なシンセに反復するリズムマシーンを使い、その上にブルージーなギターソロがまとわりつく殆ど展開のないミニマルな曲で、テクノでもないのによくもこんなにも長い曲を作ったなと思う。ギター以外は展開のないミニマルな作品だからこそテクノ方面からの支持が高いのだろうと思うが、結局後にSueno Latinoによる「Sueno Latino」と言うリメイクをなされ官能的ハウスとして生まれ変わった。そしてその後、Derrick Mayが「Sueno Latino」をリミックスすると言う事件が起きたのだ。そして奇跡は起きた。なんとCarl Craigが「Remake」と言うタイトルで、原曲に最も忠実なリメイクを施すと言うとんでもない事件だったのだ。きっとこういった事件がなければ、「E2-E4」だって今の様な絶大な人気は出なかったのかもしれない。そして3度のリメイクがあったからこそこれほど認知されたのも確かだが、一曲60分のオリジナルバージョンこそが最も官能的で最も溺れる事が出来る曲なんだと思う。

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| ETC1 | 21:00 | comments(7) | trackbacks(3) | |