Inner City - Big Fun - Big Hits! The Collection (Music Club Deluxe:MCDLX158)
Inner City - Big Fun - Big Hits! The Collection
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デトロイト・テクノがまだあくまで前衛的なダンスミュージックを聴く者の中で評価が高かった80年代後半、デトロイトのビルヴィレー・スリーと呼ばれる中でいち早くメジャー路線で才能を開花させたのがKevin Saundersonだ。幾らデトロイト・テクノが一部の耳の肥えたリスナーを満足させていたとは言え、それらがメジャーチャートに昇る事は無かったはずだ。しかしKevin SaundersonがボーカルにParis Greyを迎えたユニットであるInner Cityには、妖艶な歌があり分り易いメロディーがあり、そしてポップなセンスがあった。デトロイト・テクノが新世代のダンスミュージックだったのに対し、Kevinはディスコ/ハウスなど既存のダンスミュージックを彼なりに押し進める事に未来を視ていた。結果的に言えばInner Cityは大成功を収め、US/UKのメジャーチャートにも幾つかのヒットシングルを送り込んだ。本作はそんな経歴のあるInner Cityの2枚組ベスト盤なのだから、はっきり言って悪い訳がない。今でもクラブでかかる事は珍しくないソウルフルな傑作ハウス"Good Life"や"Big Fun"、時代を感じさせるレイヴィーな"Your Love (Serial Diva Paris Is Burning Club Mix)"や"Hallelujah 92"(なんとLeftfeildのリミックスだ!)など、コテコテな程に濃厚なセクシーさを放出する歌にハウスでは定番のピアノの整ったコード展開が繰り広げられるクラシカルなハウスチューンがこれでもかと揃っている。まあこれがデトロイトかどうかと言う事はさておき、確かにメジャー感ばりばりな曲ではあるがKevinの歌物トラックへのセンスの良さは間違いはないし、このボリュームで1000円弱のお値頃な事を考えれば買って損はしないだろう。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier - Can You Feel It (New York Dub) - The Steve Bug Remixes (Dessous Recordings:DESLTD02)
Chez Damier - Can You Feel It (New York Dub) - The Steve Bug Remixes
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ここ数年で完全に復活を果たしたシカゴ・ハウスの巨匠であるChez Damier。自身のBalance関連のレーベル運営や過去の名作のリイシュー、リミックスの提供に加え新作の制作まで非常に活発な動きを見せておりますが、今度は92年にKMSよりリリースされた彼の代表曲とも言える"Can You Feel It (New York Dub)"のリミックス盤がリリースされました。Damierのディープハウスはドイツのそれとも親和性が高いのか、本作ではドイツのミニマルハウスを切り開くSteve Bugがリミックスを担当しております。先ずA面の"Steve Bug Re-Mix"ですが、原曲のヒプノティックな質感は損なう事なくよりエレガントに、よりスマートな洗練を極めたクールなテックハウス仕様で、見事に現在形のハウスへと昇華させたリミックスと言えます。そしてB面には同じくBugによる"Steve Bug Re-Dub"を収録しておりますが、こちらはタイトル通りにボーカルよりもシンセの美しく伸びるトラック自体へと注目がいくツール的な仕様で、トラックの荘厳で幻想的な美しさが際立ちます。そしてもう1曲、なんと"Can You Feel It (New York Dub)"自体もリマスターされて収録されているのですが、実はこれを手掛けていたのはMKことMarc KinchenとDerrick Mayなのです。90年代前半のミドルスクールな空気感、NY系ハウスとも結び付くこのシンプルな4つ打ちにシンプルなシンセリフやストリングスを組み合わせたこのハウスは、古き良き時代感を持っているのは当たり前だがプリミティブな響きと力強いグルーヴを伴っており、今尚輝きをは失っておりません。時代を軽々と飛び越えるこのクラシカルな曲は、ハウスの踊れる心地良さを雄弁に語っております。

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| HOUSE7 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Defected Presents House Masters MK (ITH Records:HOMAS14CD)
Defected Presents House Masters MK
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肥大化し過ぎたせいで余りにも商業的な作品ばかりになったDefectedですが、その大きな資本を活かして傘下のIn The House Recordsからは古典ハウスの重要なアーティストに的を絞った"House Masters"なるシリーズを手掛けています。その最新作はMKことMarc Kinchenの変名での作品やリミックスを纏めた2枚組コンピレーションです。MKは90年代前半の僅かな期間ながらもデトロイトから始まりNYハウスに至る音楽性で注目を集め、特にKMSや今となっては伝説のRetroactiveから作品をリリースしていたカルト的な存在。90年代初頭のNY系歌物ハウスは今となっては時代を感じるものの、MKの作品は殆どCD化されていない為本作はかつての伝統的なハウスの真髄を体験出来る点に価値があります。自身の作品と共にハウスの歴史人であるChez DamierやByron Stingily、Masters At Work、そしてデトロイトからはThe Reese Project(Kevin Saunderson)やR-Tymeらのリミックスまでも網羅した本作ですが、基本的には派手さとは無縁の素朴でチージーさも漂いながら真摯にソウルフルなハウスが満載です。現代のハウスは良く言えば丁寧に作りこまれ音もぶ厚く装飾され安定感があるのは言うまでもありませんが、このMKの仕事を聴いているともっと原始的ながらも肉間的で、そして胸の奥底に秘めたる厳かな抒情性もあります。スタイルとしては旧時代の物だし曲調もNYハウスに忠実な故に狭くはありますが、その分過剰に加工される事なくありのままのハウスを聴ける事は、ハウスの歴史を紐解く上で非常に重要な経験と言えるでしょう。ハウスがハウスとして一番輝いていたであろう90年代、そのNYハウスは今も尚その輝きを失っていない事を証明するコンピレーションです。

House Masters MK by Defected Records

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lawrence Burden - 430 West Presents Detroit Calling (Concept Music:CEPTCD2)
Lawrence Burden-430 West Presents Detroit Calling
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デトロイトにRandom Noise Generation、またの名をOctave Oneと名乗るBurden5兄弟がいます。結構昔から地道に活動していてハウス・テクノ両方面で時折名作を生み出し、近年では世界的大ヒット曲「Blackwater」が記憶に懐かしいユニットであります。5兄弟の中で日本にDJをしに来ているのは、基本的に長男のLawrence Burdenがもっぱら。と言うか他の兄弟がDJをしに来たと言うのは、聞いた事ないですね。じゃあ実際Lawrenceのプレイはどーなんよと言うと、これ「430 West Presents Detroit Calling」を聴けば分かります。「デトロイトが呼んでいる」と言うタイトル通り、Octave One、Dark Comedy(Kenny Larkin)、Aril Brikha、E-Dancer(Kevin Saunderson)、Jeff Mills、Designer Music(Carl Craig)、DJ Rolandoなどデトロイト関連の曲ばかりが並んでいて見ただけでお腹一杯ですね。ただ実際に聴いてみると、ハウスとテクノが上手く混在してはいるのですが、何故だか余り印象に残らないのです。何だろうね、この不思議な感じは?ある程度緩急を付けているはずなのに、どこか一本調子で平べったい後味だけが残るのです。聞き込めばまた印象が変わるのかもしれませんが、う〜ん。個人的には5男・Lorne Burdenの「430 West presents Back To The Rhythm」(過去レビュー)の方が好みです。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |