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Museum - Sandra (Indigo Aera:AERA023)
Museum -  Sandra

デトロイト・テクノのエモーショナル性と共振しながらヨーロッパ的な洗練されたモダン・テクノを送り続けるIndigo Aera、そのレーベルの最新作は過去にも同レーベルからリリース歴のあるMuseumによるもの。MuseumはRadialとしても活動するJeroen LiebregtsとAnton Pieeteによるユニットで、それぞれ長いキャリアを持ちソロ活動や過去のMuseum名義ではMarcel Dettmann RecordsやDrumcodeにRejectedやOvum Recordingsからもリリースしていた事からも分かる通り、ハードで機能的なテクノの音楽性が強く一見Indigo Aeraとの親和性については不可解と思う点もあるかもしれない。しかし蓋を開けてみれば90年代前半のデトロイトにあったミニマル・テクノとエモーショナルなテクノの自然な融和が成されたテクノが詰まっており、Indigo Aeraらしい叙情性に寄り添いながらMuseumのハードな作風を貫いている。冒頭の"Plex"はこん棒で乱打するようなキックやカチカチしたパーカッションがハードさを演出しているが、途中からはコズミック感と躍動感を伴うシンセの旋律によってデトロイト・テクノらしくなるメロディアスなテクノで、疾走する勢いもあって非常にフロア映えするであろう曲だ。それに対し変則的なリズムで揺らぎを作る"Sandra"はやはり動きの多いシンセが控えめに叙情性を匂わせて、シンセの音自体もリズムとなって軽く跳ねるようなグルーヴを刻む事でツール性も強く表現されている。"Cafe"は例えばPurpose Maker路線のトライバル感もあるリズム感がファンキーなテクノで、ミステリアスなシンセの使い方は近年のスペーシーな路線のJeff Millsを思い起こさせる一面もあり、やはりデトロイトのテクノへのシンパシーが感じられる。"Sum"はデトロイト・テクノがダブ化したらこんな曲だろうか、切れ味鋭いリズムと音の隙間を目立たせながらダビーなシンセを用いる事で空間の広がりを感じさせ、EPの中では地味な作風ながらも機能性を体現している。結果的にはIndigo Aeraらしさ、そしてMuseumらしさのその両方のいいとこ取りな音楽性が表現されており、どれもフロアで耳を引き付ける魅力を持っている。それはデトロイト・テクノ好きにも、そしてモダンなテクノが好きな人にとっても訴求する。



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| TECHNO14 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - Test-File (Ostgut Ton:O-ton114)
Marcel Dettmann - Test-File
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世界的名声を獲得しているクラブ・Berghainのレジデントの中でも、取り分けて高い人気を(日本においても)博しているMarcel Dettmann。DJとしてはベルリンらしい硬質なテクノを軸に、そこに機能的なミニマルから狂気のシカゴ・ハウスに鈍い響きのエレクトロまで織り交ぜて、退廃的で色褪せたテクノの世界を創り上げるプレイが素晴らしく、その手腕は一流である事に異論は無いだろう。一方でアーティストとしてはただ単にハードで勢いだけのテクノではなく、やはりDJ志向の機能的なグルーヴを武器にクラブでの鳴りを意識したテクノを制作しており、DJとアーティストの活動がおおよそ同じ方向を向いている。Ostgut Tonからは久しぶりとなるソロ作品である本作もやはり基本はフロアでいかにミックスの中でツールとしてハマるか、という事が念頭に置かれたようなミニマルな作風で、それはある意味では展開の少ない地味な響きをしているがそこをディープな世界観でカバーしている点は流石だ。たった6曲のみのDJツールを寄せ集めた感さえもありながら、それぞれの曲の個性が尖っていて、例えば変則的に切り込んでくるキックの連打とパーカッションに逆回転風の音響が空を浮遊する"Test-File"は、明確なメロディーや大胆な展開も無いがその躍動するリズムと不安気な音響が真夜中のパーティーでの興奮を高める。"Ascending"はもっと分かりやすいゴツゴツとした粗いノイジーなテクノで、これも殆ど展開という展開もせずにひたすら嵐のようなノイズと激しいビート感で終始攻めてている。一方で音を削ぎ落として間を活かしたハウス調の"Autumn77"は、その代わりに骨太なキックが大地に突き刺さりながら空間の広がりを感じさせる電子音や怪しいボイス・サンプルによって、精神作用のあるヒプノティックな響きを強調する。また特に強烈な曲が"Torch"で、液体が爆ぜるようなリズムに合わせて呻き声を思わせる電子音とヒスノイズが持続し、聞いているだけでも疲労が溜まり精神がすり減らされていくインダストリアル風なテクノは、地下深くの一寸の光も届かない荒廃したテクノフロアの景色が浮かび上がってくる。それぞれツール性に特化されながら3〜5分台の曲尺とコンパクトな構成ではあるが、DettmannがDJ時に作り上げる世界観そのものがここにあり、アーティスト/DJの活動が相互作用として働いている事が伝わってくる新作だ。



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| TECHNO14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - Selectors 003 (Dekmantel:DKMNTL-SLCTRS003)
Marcel Dettmann - Selectors 003
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世界有数のフェスティバルとして評価の高いDekmantelがレーベルとしても始動して、そして新たに立ち上げた『Selectors』はMotor City Drum EnsembleやYoung Marcoと実力派アーティストを招きながら、例えば彼らのルーツや埋もれてしまった名曲等を紹介する意味で非常にコンセプト性の強いシリーズだ。そしてその第三段はベルリンテクノを代表する一人でBerghainでもレジデントを行うMarcel Dettmannが担当していているが、DJプレイでは最新系のテクノから古いシカゴ・ハウスからエレクトロまで網羅する彼がこのシリーズでは一体どんな選曲を行うのか興味深かったのだが、蓋を開けてみればインダストリアルやポスト・パンク中心と驚きを隠せない。本人の説明では"プレ・テクノ・コンピレーション"との事なので、その意味では彼にとってのルーツの紹介、そしてテクノに影響を与えた音楽の紹介という点で面白さがあるだろう。アルバムの開始はエレクトロニック・ボディ・ミュージック(EBM)を代表するユニットの一つ、Front 242の1985年作である"Don't Crash"で始まるが、破壊的なドラムマシンやノイジーなシンセなど退廃的なムードながらも肉体性もあるグルーヴ感は今で言うダンスとロックの繋ぎとしても成り立っており、そしてこの荒廃した雰囲気はDettmannのDJプレイにも感じられるものだ。The Force Dimensionは当方は初耳のユニットだが、"Algorythm (Manipulating Mix)"はパンキッシュで痺れるビート感ながらもポップなメロディーやベースの使い方はシンセ・ポップのキャッチーな響きもあり、かなりダンス色の強いEBMとして魅力的だ。逆にフィラデルフィアのインダストリアルユニットのExecutive Slacksによる"So Mote It Be"は、鈍い朽ちたようなマシンビートに呪詛的で呻き声のようなボーカル、そして金属がネジ曲がるようなサウンドを織り交ぜて、一般的にイメージする破壊的なインダストリアルというものを伝えてくれる。そしてただ単にオリジナルを収録するだけではなく、A Thunder Orchestraの"Diabolical Gesture (Marcel Dettmann Edit)"はDettmannがDJセットにも組み込みやすいようにエディットを行っており、この場合だと原曲よりもBPMを上げてパーカッシヴなロウテクノ風に変換しているのも面白い。他にもCabaret VoltaireやMinistryなどインダストリアルの大御所からマイナーなユニットまで網羅しているが、しかしどれも痺れるような電子ビートを軸に破滅的な金属サウンドからウキウキするシンセ・ポップまで、この手のジャンルの幅広さを伝えるような選曲になっており、正に『Selectors』としての役割を果たしている。テクノを期待していると少し肩透かしを喰らうかもしれないが、アーティストのルーツを掘り下げながら未知なる音楽に出会う機会を作ってくれるだろう。



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| ETC4 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/5/3 Marcel Dettmann @ Contact
Berghainを代表するDJ、特に日本に於けるそのクラブの知名度を高めた貢献者と言っても嘘偽りはないMarcel Dettmannが遂にContactに初登場。クラブやフェスでと頻繁に来日はしているものの、やはりContactというクラブに初出演する事に期待していたが、今回は日本から迎え撃つはFuture TerrorのHarukaと言う事もありその期待は十二分。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - DJ-Kicks (Studio !K7:K7340CD)
Marcel Dettmann - DJ-Kicks
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長きに渡りテクノ/ハウスに限らずダンス・ミュージックのリスナーを楽しませてきているMIXCDシリーズ『DJ-Kicks』、その最新作には遂にベルリンはBerghainでレジデントを務め、日本に於いてもその知名度を高めるのに貢献したMarcel Dettmannが登場。過去には『Berghain 02』(過去レビュー)、『Fabric 77』(過去レビュー)、『Conducted』(過去レビュー)とまた人気を博すMIXCDシリーズも手掛けているが、やはりこのDJ-Kicksシリーズはそれらとは異なり真夜中のダンスフロアを意識するよりはアーティストの個人的な好みを反映させたものが特色だろう。そう言った意味ではDettmannによる本作は比較的ダンスフロアにも適応しつつ、他アーティストのシリーズに比べると果敢なチャレンジ精神は少ないかもしれないが、オールド・スクールなテクノからエレクトロやニューウェーブまで取り込んでホームリスニングにも適した構成は、確かにピークタイムのダンスフロア的ではないが彼のパーソナリティーは如実に反映されている。スタートは90年代の古いテクノであるCybersonikをDettmannがリミックスしたバージョンで開始するが、ビートの無くなったリミックスによって静謐な立ち上がりとなっている。そこにOrlando VoornやDettmann自身の硬質でロウなテクノを繋げていき、更にはInfinitiによる古き良きテクノを自らリミックスした"Skyway (Marcel Dettmann Remix)"もセットする事で激しさだけではなく不思議なムードを纏ってリスニング性を保っている。しかし彼のミックスにしては意外にも展開の振れ幅は大きいだろうか、中盤までのMystic BillによるバウンシーなハウスやDas Kombinatによる鞭で打つようなエレクトロ、Clarence Gによるラップ等の流れはDJ-Kicksの特性を意識しているようだ。そこからも闇の陰鬱なムードを保ちながらもハードさを回避し、リズムやグルーヴを常に変容させながら普段の持続感とは異なる展開の多さによって耳を惹きつけ、終盤にはThe Residentsのユーモア溢れるニューウェーブから最後はデトロイトの叙情性もある"Let's Do It (Rolando Remix)"によってエモーショナルなラストを作り上げている。彼が今までに手掛けたMIXCDに比べると本作がベストであるとは言えないものの、しかし普段はプレイしない選曲や自身の特別なエディット/リミックスも多用した点にも興味深さはあり、DJ-Kicksらしさは十分にあるだろう。



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| TECHNO12 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/4/23 Laurent Garnier @ Contact
オープニングパーティーからいきなりパーティー途中で営業中止となり、幸先が危ぶまれたContact。それから3週間が経過してようやくオールナイト営業へと戻り、久しぶりの来日となるLaurent Garnierのパーティーも準備は万全。テクノやハウスだけではなくジャンルを横断し、正に音楽の旅を表現するGarnierのプレイは今夜は一体どんな道を進むのか。
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| EVENT REPORT6 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2014
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年も昨年に引き続き毎週パーティーライフを楽しみ、素晴らしい音楽にも出会う事が出来ました。やっぱりパーティーは最高だなと思った一年ですが、オールナイトにおけるパーティーについての問題では、風営法改正案の大きな動きもありました。今後良い方向へと進む事を期待するのみですが、現実的な問題として夜遊びたいと思う人は減っているのかなと思う時も多々あり。私個人的にはやっぱりパーティーは絶対にオールナイトのクラブでないと!という気持ちは強くあります。しかし時代に合わせて多様性を許容する事も無視は出来ないと思うのも事実で、ニーズに合わせてパーティーを作っていく必要はあるのかもね…でもやっぱりパーティーはオールナイトと言う考えは譲りませんが。また音楽自体がインスタントなものになり無料の配信だけで聴かれるような状況ではありましたが、ダンス・ミュージックの分野に関して言えばやはりアナログでのリリースは根強く、プレス数は減ってもその分多くの作品がリリースされていました。そんな作品を毎週買っては聴く生活の繰り返しで、ブログの更新が追い付かない程に良質な音楽は今でも生み出されている事を実感した一年でもありました。ちなみにこのブログも夏頃に発足から10年が経過しましたが、これからも色々な音楽・パーティーを発信する為に2015年も頑張って続けたいと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - Fabric 77 (Fabric Records:fabric153)
Marcel Dettmann - Fabric 77
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ドイツで最大級の人気を博すクラブ・Berghain、そこでレジデントを持つDJは複数いるが、その中でもやはりクラブの顔として存在感を放つのは(少なくとも日本では)他ならぬMarcel Dettmannだろう。日本に来日する度にパーティーでもフロアを満員にする程の人気を誇っているが、その音楽性は余りにもハードな面を持つ一方で、伝統的なシカゴ・ハウスから最新のダークなテクノ、又は理路整然とした機械的なマシンビートのミニマルに深遠なアンビエントまで網羅し、オールド・スクールからモダンを一つの世界に収めたテクノとしてミックスする手腕が持ち味だ。本作は彼にとって3作目となるMIXCDだが、その音楽性自体に大幅な変化は見られない。やはりオープニングには闇の奥底から静かに浮かび上がるダークなアンビエント"Arthure Iccon"でゆっくりと始まるが、続く"Sun Position"では錆び付いた金属が擦れるようなビートを、更に"Inside Of Me"でくらくらとした目眩を誘発する催眠的なミニマルをミックスし、序盤からして既にDettmannの淡々としながらも静かに重圧をかけていくようなグルーヴが疾走っている。そして序盤のピークはAnswer Code Requestによる"Transit 0.2"において現れる。空虚で機械的なビートの上に何度も被さっていくシンセのレイヤーが、爆発を伴い疾走感を増していくようで、そこから真っ暗なフロアの中に潜って行くように荒くれたテクノ〜幻惑的なミニマル〜不気味に唸るエレクトロまでミックスされ、甘さの全く無い廃退的な音が続いていく。しかし作品として制作されるMIXCDを聴くと、パーティーで彼のプレイを聴く時以上に理知的というか、単にハードな音楽をミックスしハードな展開を作るDJとは全く異なる抑制の取れたグルーヴ感がDettmannのDJを特徴付けているように思われる。表面的にはハードな曲は既にそれ程使用されていないが、曲の持つムードや鈍い響きにロウなビート感などを感じ取り、それらを的確にミックスしながらフロアの喧騒に内面的なハードさとストーリーを与えていくのだ。そして、本作の魅力はそれだけでなく、ここに収録された多くの曲が自身が主宰するMDRからの未発表曲でもあり、このMIXCDが未来へと繋がっていると言う点でも興味を掻き立てられるだろう。



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| TECHNO11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deetron - Fabric 76 (Fabric Records:fabric151)
Deetron - Fabric 76
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これでもにもメジャーからアンダーグラウンドまで数多のDJを起用し、人気を博しているMIXCDシリーズ「Fabric」の76作目は、スイスを代表するテクノアーティストの一人であるDeetron。00年代のハードミニマル全盛の時代に芽を出し、そのハードなスタイルにデトロイト・テクノにも通じるメロディアスな要素を加えた作風は、その世代の中でも個性が際立っていた。そしてハードミニマルが衰退する中で多くのアーティストが作風を変え、Deetronもよりディープかつ歌モノを手掛ける事で、時代に即しながら活動を続けている。本音でいうと当初はそのスタイルにも疑問はあったのだが、このMIXCDを聴く事でそんな変化もようやく馴染んできたのではと思う内容で、デトロイト・テクノ/シカゴ・ハウスのクラシックから現在形のトラック、果てはダブ・ステップやロックまで持ち込んでDeetronの私的な好みも匂わせ、ハードなスタイルから感情の起伏を感じさせるスタイルへの転身が結実している。出だしでいきなりジャジーな"Picadillo (Carl Craig's Breakdown Version)"を用意し、そこからスムースに透明感のあるメローなテック・ハウスへ移行、そこからファンキーなシカゴ・ハウスへと即座に展開が広がっていく。RedshapeやRippertonらのモダンなテック・ハウスもミックスし、中盤ではクラシックであるGalaxy 2 Galaxyの"Timeline"をさらりと落とし込むが、大ネタを用いながらも大袈裟になる事はなく揺蕩うようなリラックスした流れは実に大人びている。前半は4つ打ちを中心としたテクノ/ハウスが中心だったのに対し、中盤以降はパーソナルな音楽性を表現するようにバラエティー豊かに変則的に刻むリズムや癖のあるメロディーを伴うブレイク・ビーツやダブ・ステップも織り込み、Deetronのメロウで柔軟な音楽性が素直に打ち出されている。しまいには物悲しくもサイケデリックなAtoms For Peaceの"Before Your Very Eyes"も飛び出すが、そこにディープかつミニマルな"Falling The Same Way (Dommune Version)"が繋がる瞬間には、はっと息さえ飲むだろう。そしてラスト3曲ではパーティーの興奮が終息するようにがくっとテンションを落とし、しみじみとした余韻を残すシネマティックな流れでミックスは終わりを迎える。結果としてここにはかつてのハードなスタイルは殆どなく、クロスオーヴァーとでもいう柔軟かつ豊潤な音楽性があり、そして何よりもエモーショナルなムードが通底している。Deetronが製作するトラックがエモーショナルな方向に傾いている事を考慮すれば、このMIXCDもその結果として自然なように感じられるだろう。




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| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Answer Code Request - Code (Ostgut Ton:OSTGUTCD31)
Answer Code Request - Code
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現在に於いても尚隆盛を誇るベルリンテクノの中でも、特にパーティーとしてだけでなく作品を残す事にも熱心な活動を行っているOstgut Ton。DJ向けのツールとしてEPを手掛けるのは当然として、そこからよりアーティストの表現力という観点からアルバムにも重点を置いた運営は、テクノのいうジャンルでは特に評価すべきであろう。そのOstgut Tonからリリースされた最新のアルバムは、2011年にデビューしたばかりのPatrick GraserことAnswer Code Requestによるものだ。自身のレーベルからのデビュー曲が評価され、その後はMusic Man RecordsやMarcel Dettmann Recordsからも作品をリリースし、遂にこの初のアルバムへと至っている。Ostgut Tonの慣習に従うように本作もアルバムとしての流れがあり、幕開けとなる"Code"は1分程のナレーションも交えたイントロとして配置されている。続く"Blue Russian"では荒廃した工場地帯を思わせる音響の中から静かに重厚なキックが入り出し奇怪なサウンドが蠢き、"Field Depth"では鋭利に飛び跳ねるようなリズムの中で冷たい残響が支配し、この時点でアンビエントにインダストリアル、ベース・ミュージックやダブ・ステップなど様々な要素が汲み取れる。重厚なダンスビートを刻みつつもアルバムの中には"Odyssey Sequence"のようにビートが全く入らない荘厳でシネマティックな流れもあり、そこにシャッフルする躍動感あるビートにデトロイト・テクノを思わせる抒情的なメロディーを組み合わせた"Zenith"や無機質な4つ打ちの中にドローンのようにひっそりとミステリアスなパッドが浮かび上がる"Status"などが続く事で、アルバムは単調な流れに陥らずにクラブの雰囲気とホームリスニングの性質を両立させたバランスの良い作品となっているのだ。特にアルバムのラストに待ち受けると大袈裟な展開がレイヴサウンドを思わせる"By The Bay"とメランコリーなメロディーと空気のようにふわふわした音響が快楽的な"Thermal Capacity"は、アルバムの終わりを告げるようにドラマティックな流れを作り出し、実に自然な流れでアルバムは展開される。テクノのDJ/アーティストがEP単位での活動が多い中で、定期的にアルバムとしての価値を引き出すOstgut Tonは、やはりレーベルとして注目すべき存在なのだ。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Sims - Fabric 73 (Fabric Records:fabric145)
Ben Sims - Fabric 73
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時代と共にシーンに寄り添うアーティストも入れば、そんなのはお構いなしと愚直なまでに自分のスタイルを貫き通すアーティストもいる。Ben Simsは間違いなくその後者に属するアーティストで、90年代後半のハードミニマル隆盛の時代からシーンの最前線へと飛び出し、00年代に入ってから周りがエレクトロやディープなテクノへと転身する中で、今でもスタイルを守りつつ残っている数少ない存在だ。ヒップホップのDJからスタートしたと言う彼の芸歴は本作でも活きており、3台のCDJを使用してライブミックスを行った上にエディットを施し、それらを最終的にAbletonでミックスし直した事で怒涛のハードグルーヴが渦巻くミックスとなった。ベテランからアンダーグラウンドなアーティストまで44曲にも及ぶトラックを使用し、その中には自身によるエディットを含め18曲も未発表曲が含まれていると言う事実は驚愕だが、音自体はBen Simsと言わざるを得ないどこか古臭さも残りながら野性的で図太い。執拗なまでの4つ打ちを貫きつつ矢継ぎ早にミックスされる事で、全体を通して一つの音楽となるような曲の境目も気にならない痛快なプレイだが、恐らく現在のシーンと照らし合わせるとやはり何処か野暮ったいと言うか時代から取り残されている感は否めない。しかしこの音こそがBen Simsを個性付けているとしたら、疑う事なく自身の道を歩み続ける彼の気概は本物だ。エレクトロやシカゴ・テクノのファンキーさとハードテクノのシャッフルする疾走感、そこに少々のミニマルのディープな要素も織り交ぜつつ、後半に進むに連れて草を刈り取る芝刈り機のように全てを巻き込みながら爆走するグルーヴ感の前には抗う事など出来やしない。ハードなだけの音楽には飽きつつもある当方だが、たまにこんな愉快痛快で突き抜けたミックスを聴くと何だか心が沸き立ってくる。

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| TECHNO10 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Dettmann - Dettmann II (Ostgut Ton:OSTGUTCD28)
Dettmann - Dettmann II
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ベルリンテクノ隆盛の一端となっているレーベルのOstgut Ton、そしてクラブのBerghain、その両者に於いてカリスマ的な存在にまで上り詰めたMarcel Dettmann。今年のDJを聴いた限りではオールド・スクールなテクノやロウハウスにシカゴ・ハウスをプレイするなど、最先端を切り開くと言うよりは原点回帰のような傾向が見受けられていたが、3年ぶりとなったアルバムはどうだろうか。他のOstgut Tonのアーティストが単にDJツールとしてではなく、音楽性の幅を広げながら新たなファンを獲得するようなアルバムを制作しているのに対し、Dettmannはデビュー・アルバムから一貫して淡白でモノクロームなサウンドスケープ的な世界観を表現している。自身で「DJであってプロデューサーではない」と断言している事からも分かる通り、恐らく豊かな演出に拘るよりは機能美を追求しているのだろう。この新作も前作と同様に徹底して灰色や漆黒に染め上げられた退廃的なミニマル・テクノが中心となっており、俗っぽい享楽を限りなく排したストイックな作品となっている。オープニングに配置された"Arise"は闇の中で何かが生まれる胎動にも似たビートレスな曲だが、そこから続く"Throb"や"Ductil"などは無駄を排して一定のリズムを刻むシンプルなミニマル・テクノとなっており、豊潤な成分を取り込むのではなくミニマルとしての純度を高めている。その合間にはインタールード的な曲も幾つか配置され、アルバムにある程度の展開を付けてはいるが、それでも闇の中で蠢いているような密閉空間を維持しているのだ。単調さを極めたリズムと闇の中に浮かび揺らめく仄かなメロディー、そして控え目なドローン音響の組み合わせによる簡素なテクノは正にDettmannの個性として確立され、この頑ななスタイルの維持にはDJとしてのプライドさえ聞こえてくるようだ。アルバム全体の流れが最高だとは言わないが、1曲1曲に「テクノ」と言う音楽を主張する魅力が感じられる。

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| TECHNO10 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vedomir - Musical Suprematism / Dreams (Marcel Dettmann Remixes) (Dekmantel:DKMNTL012)
Vedomir - Musical Suprematism / Dreams (Marcel Dettmann Remixes)
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最近ディープ・ハウス方面のアーティストがハードなテクノへと接近する事象があるが、このアナログ盤もその類に属している。Vedomirと言えばビートダウン系のハウスでは一躍注目を集めているVakulaの変名なのだが、なんと彼の作品をドイツはBerghainを代表するMarcel Dettmannがリミックスしたのだから、驚きを隠す事は出来ないだろう。両面に1曲ずつの収録だがどちらもDettmannがリミックスを施しており、DJ御用達と言った1枚と言えるだろう。オリジナルは生っぽくコズミックなビートダウン系だった"Musical Suprematism"は、より電子音のクリアな音像と躍動感のあるベースラインを強調し、ビリビリと振動するようなSEや不安を煽るマッドなボイスサンプルを追加し、闇の中を突き進むダークなミニマル・テクノへと塗り替えている。そして元々は安っぽく乾いたシカゴ・ハウスだった"Dreams"も、やはりベルリンらしく硬い金属音へと変化したインダストリアルな雰囲気さえあるテクノへと変貌しているが、決して無味乾燥としているわけでもなく狂騒に満たされたフロアを喚起させる汗臭さもあり、強靭な音質と強迫的に迫るグルーヴ感が素晴らしい。どちらも基本的にはフロアを意識した作風なので部屋で聴くと地味な印象は拭えないが、これが現場でミックスされる事により凶暴なアクセントを加える事になるに違いない。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/6/21 Liquidroom Presents Marcel Dettmann @ Liquidroom
先週に引き続き今週もリキッドルーム。ハウスDJが揃った先週とは打って変わって、今週はドイツはBerghainのレジデントを務めるMarcel Dettmannに、日本からはGonnoとCMTとテクノ一色に染まったパーティーとなる。Berghainと言う今では肥大化し産業化したクラブからの音に対し、日本のアンダーグラウンドシーンで活躍するDJがどう迎え撃つのかなどにも興味を持ちつつ、Dettmannの現在形を知る絶好の機会となった。
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| EVENT REPORT4 | 17:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dave Clarke - Wisdom To The Wise (Red 2) (Boysnoize Records:BNR102)
Dave Clarke - Wisdom To The Wise (Red 2)
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トランスやテクノにしてもメロディアスな作風が多かった時代に、1994年のシーンに衝撃的な鉄槌を振り下ろしたのがDave Clarkeによる"Wisdom To The Wise"こと通称"Red 2"と言われている。メロディーではなくイコライジングの操作によって展開を付けるシンプルな構成は、完全にDJが使用する為のツール性に特化された内容で、恐らくこの前後からテクノ全体がミニマルな方向へと傾いていったようだ。そしておよそ20年の時を経てそんな名作がリミックスされて蘇ったのだが、そこに参加したのがエレクトロのBoys Noize、Berghainを代表するMarcel Dettmann、同じくBerghainにおいても評価の高いA.Mochiと時流を意識したアーティストだ。オリジナルがシカゴ・サウンドを意識したラフな作風だったものの、"Boys Noize Wild Pitch Remix"はメロディーも随分と明確に浮かび上がり、音全体に厚みが出ており随分と派手な印象を受けた。フィルターによるキレよりも重厚なサウンドを意識しており、大箱でプレイするDJには受けそうだ。そして"Marcel Dettmann Remix"は完全にアンダーグラウンド仕様で、展開の少ない鈍重なリズムトラックをベースに無機質な上モノが再現なく反復する暗黒ミニマルなスタイルになっている。原曲の粗野な雰囲気は損なわずにDettmannらしい闇を付加したリミックスは、ぐうの音も出ないお仕事だ。最後は"A.Mochi Re-Edit"なのだが、エディットと表記している通りにリミックスではなくエディット作品だ。当然オリジナルに最も忠実な作風のフィルター系ではあるが、今聴くとペナっと感じる原曲よりも音の重厚感は相当にかさ増しされ、極悪かつ凶悪な空気が迸る現在形のテクノへと生まれ変わっている。個人的にはこれが一番カッコいいなと思うし、実際最近のパーティーでもプレイされる事がしばしばある。ちなみに配信音源にはSteve Rachmadのリミックスも2種類収録されている。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Paul Simon / Global Communication - Diamonds (Âme Private Edit) / Maiden Voyage (Ripperton Edit) (Philomena:PHILOMENA 08)
Paul Simon Global Communication - Diamonds (Âme Private Edit) Maiden Voyage (Ripperton Edit)

2009年からInnervisions傘下で謎めいた活動を続けるPhilomenaは、InnervisionsからのÂmeやDixonにHenrik Schwarz、レーベル外からはPrins ThomasやMarcel Dettmannなど著名なアーティストを招いてマル秘なエディットを手掛けている。作品は毎回高価格でリリースされながらも極少数の生産の為、リリースと共に即座に市場からは姿を消す事で更にその秘匿性を高めているようだ。そのPhilomenaの最新作はなんとSimon & GarfunkelのあのPaul Simonと、テクノファンには懐かしいGlobal Communicationのエディット集だ。Simonの曲をÂmeがエディットした"Diamonds (Âme Private Edit)"は、インディーダンス的な緩いノリの要素もあったオリジナルを理路整然とすっきりしたミニマルハウスへと仕立てあげている。ゴージャスに装飾されていた音は削ぎ落とされた事でファンキーなベースラインが前面に出ているが、決して元の牧歌的な和やかさや祭事的な祝福感を失わずにDJツールとして的確にエディットされている。そして何と言っても昔からのテクノファンの胸を熱くするのが、Global Communicationの"Maiden Voyage (Ripperton Edit)"だろう。元々は"5:23"としてビートレス仕様でリリースされていた曲だが、ここではRippertonが当然の如くダンスバージョンへとエディットを施している。リミックスとまでは及ばない原曲を尊重したエディットは、エッジの効いたハイハットや明確なキックを挿入し4つ打ち仕様へと変え、どろどろとした酩酊が渦巻く原曲をはっきりとした覚醒感を伴うサイケデリックなダンス・ミュージックへと昇華させているのだ。いや、まさかあのアンビエントの名曲がこうも実用性の高いトラックへと成るとは、リリースから20年を経ての素晴らしい生まれ変わりである。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Norman Nodge - Berghain 06 (Ostgut Ton:OSTGUTCD23)
Norman Nodge - Berghain 06
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近日、elevenの3rd Anniversaryで来日予定のNorman Nodge。音楽制作の面ではここ数年でようやく顔を出し始めた印象だが、DJとしての活動歴は長くなんとあのMarcel Dettmannの師匠とも言える存在であるらしい。ドイツに於ける最高峰のクラブ・Berghainでレジデントを務めるDJではあるが、メインの時間帯と言うよりはその前後をサポートする事が多いそうで、その意味ではパーティーの縁の下の力持ち的な印象だ。そんな彼のプレイを来日前にも予習として体験出来るのが、BerghainのMIXCDシリーズの最新作である本作だ。このシリーズも6作目になりBerghainの音楽性も十分に知れ渡ってはきているが、しかしNormanのプレイを聴くとまだまだBerghainの底は窺い知れない事に気付く。例えばディープだったりインダストリアルだったり、ミニマルからダブ・ステップへも繋がるBerghainサウンドだが、その中でもNormanのプレイは非常にテクノらしいテクノと言えるかっちりとしたビートで固められている。序盤の痺れる電子音が支配しながらもシネマティックに始まる序盤からして、その後の練られたストーリー性が広がっているのは想像に難くないだろう。そこから金属質な音と横揺れのダブ・ステップや平坦なミニマルでじわじわと上げていくが、その後のJeff Millsのトラック前後では一転して宇宙系のディープな世界で精神を瞑想へと導いていく。決して最新の曲だけでなく、いやむしろタイムレスな音への原点回帰も同時に行うBerghainらしく、Jeff MillsにDJ T-1000やTim Taylorらの旧体質なゴリゴリしたテクノにテクノスピリッツを感じてしまうのだ。中盤以降は音の密度を上げBPMも加速させてピークタイムへと雪崩れ込むが、しかし汗臭さや温度は皆無でやはり冷えきって無感情な空気が一貫して満ちている。後半での面白さは基本はモノトーンな色調ながらも時折トランシーなメロディーや印象的なリフも流れだして変化球も見せつつ、ラスト間際でのRadioactive Manによる錆びついたエレクトロやラストのXosarによる牧歌的なテクノでがらりと世界観を変えてしまう点だろう。それまでの暗き闇を抜けだして感動的なクライマックスを迎える流れで、上手い具合にストーリー仕掛けに締め括ったと印象だ。まだBerghain勢の中ではそれ程知名度が高くないのは事実だが、しかしBerghainを支えるレジデントの実力は本物だろう。

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| TECHNO10 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Klock - Fabric 66 (Fabric Records:fabric131)
Ben Klock - Fabric 66
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Ostgut Ton、Berghein勢が気を吐いて活動するベルリンのシーンにおいて、Ben Klockもまた独自のテクノ路線を突き進む個性的なアーティスト/DJだ。Bergheinに於ける活動が認められ一躍トップクラスのDJとなった彼ではあるが、そのせいか近年はアーティストとしての活動よりもDJとしての側面が強く、新作はアーティストアルバムではなく名門MIXCDシリーズのFabricへミックスを提供する事になった。正直に言うと最近は作品も出していなかったしリリース前はそれ程期待してなかったのだが、蓋を開けてみれば凍てついた空気にベルリンの幅のあるテクスチャーを織り交ぜた展開になっていて溜飲が下がった程だ。本人が「普段のセットで盛り上がる作品にはしたくなかった」と意識したのが影響したのか、勢いのあるテクノだけではなく幅広い音を取り込みながら深みや広がりを聞かせ、例えば真っ暗闇の深海を潜っていくように未知なる旅を繰り広げるスリリングな内容となっている。重苦しい音圧や過激なグルーヴ感に頼るのではなく冷たく無機質な音のムードで荒廃したベルリンテクノのイメージを生み出し、やたらめったら体感的にハードな音ではなく精神的にストイックな音に統一されている所にテクノと言う言葉から感じられるマシンソウルが見え隠れするのだ。非4つ打ちの暗黒な音に包まれる前半、その後殺伐としたアシッドやミニマルを通過したかと思えば、荒れ狂うトライバルや硬質な音がダビーに広がるダブ・ステップもあり、後半に入ればハードで機械的な音とディープな空気が混ざりながら終盤のピークへと上り詰めていく。そして最後はピークから静寂へと一気に裏返り、何とAlva Notoの夢幻の世界に溺れるアンビエントで厳かな佇まいの中、静かに終焉を迎える。様々な要素で畳み掛けるプレイがあったからこそラストがより感動的に演出されたのだろうか、Ben KlockのDJの素晴らしさを再度認識する事が出来た素晴らしいMIXCDだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/5/5 Sound of Berghain @ eleven
ベルリンを代表する、いや世界のテクノパーティーで最も注目を集めているであろうOstgut-Ton presents Sound of Berghain。その日本開催も4回目となりましたが、今回はBerghainで最大の人気を誇るであろうMarcel Dettmannが2年ぶりに登場。そしてそれを迎え撃つはBerghain日本支部代表と言っても過言ではない程にDettmannに信頼を寄せられているDJ Nobu。この二人だけによるロングセット対決となれば当然期待も高まる訳で、GWのラストを飾るパーティーに遊びに行ってきました。
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| EVENT REPORT3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2011
あけましておめでとうございます。2011年は東日本大震災や原発事故と言う想像だにしなかった災害が日本を襲い、その影響で音楽シーンにも暗い影を落としていたように思われます。しかし多くの海外からの支援や、また国内のチャリティー活動もあり少しづつではありますが、復興に向けて進んでいるのも事実です。そしてそれは音楽と言う文化に於いても同様で、一時期は萎縮してしまったパーティーやクラブミュージックも今ではまた以前と同じ位までに活動を盛り返しております。そんなご時世の中で素晴らしい音楽も、特にそれが日本から多く出てきた事は本当に喜ばしい事で、そんな音楽は僕に人生を楽しく過ごす為の原動力となってくれています。さて今年も本当に沢山の音楽を聴きそれぞれが素晴らしかったのでどれがベストと言うのも難しいのですが、今の気持ちで気に入っている作品を選んでみました。皆様のポジティブな力の原動力となる事を祈って紹介致します。
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| BEST | 09:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Marcel Dettmann - Conducted (Music Man Records:MMCD036)
Marcel Dettmann - Conducted
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現在ドイツを代表するクラブ・Berghainでレジデントを張り、またOstgut Tonなどのレーベルからストイックに研ぎ澄まされたミニマルテクノをリリースするMarcel Dettmann。ここ日本に於いてもBerghainやOstgut Tonと言う単語は半ばブランド化しテクノファンの注目を集めるに至ったが、しかしここからはハイプは淘汰されどこまでが残っていくか試されるとOstgut TonのレーベルマネージャーであるNick Hopperが語っていた。その意味ではMarcelにとって2枚目となるこのMIXCDは、絶対なる評価を得たその後の試金石と言える作品なのかもしれない。彼が以前来日してプレイした時には過剰なエネルギーを放出するハードなミックスを行なっていたが、本作では所謂ハードテクノと言う言葉は相応しくないだろう。オープニングからしてSandwell Districtのビートレスなアンビエントで、そしてドタドタとしたSignalやRoman Lindauの重厚なテクノへと繋がっていく。決してハイテンションかつハードではない…が、しかしビリビリと得体の知れない不気味な何かが蠢くように音が振動し、グルーヴよりもテクスチャー重視のプレイをしている。そして新旧関係なく彼が好きだと言うトラックを使用した本作には、90年代のロウなテクノ/ハウスも収録されており、質素で乾いたリズムにはシカゴ・ハウスのそれにも通じる粗悪さが感じられる。勿論最新のテクノであるMorphosisやShed、Redshape、O/V/Rもプレイしているが、これらも冷たい感情が通底するダークなテクノだ。突き抜けるハードさよりもラフな質感とディープな情感を表現した本作は、分り易い爆発力は無いがオールドスクールと現在のドイツテクノを理解した彼が、静かな凶暴性を隠し持ち新旧を融合させている。派手さはないがしかし徹底してダークに染められた流れには、ドイツテクノの硬派な洗礼を浴びせかけられるはずだ。



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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Scuba - DJ-KiCKS (Studio !K7:K7291CD)
Scuba - DJ-KiCKS
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UKから生まれた猛威を振るうダブステップを、半ばテクノの聖地化しているドイツのBerghainに持ち込み"Sub:Stance"と言うダブステップのレギュラーパーティーを確立させたPaul RoseことScuba。彼がドイツにダブステップを持ち込んだのか、それともドイツテクノの魅力にダブステップが引き寄せられたのか。最近ではテクノ名義のSCBだけでなくScuba名義に於いてもテクノ色の方がより前面に出るようになり、このMIXCDではベース・ミュージックとしての要素は薄く黒さを排除したベルリンサウンドを打ち出しております。勿論選曲だけ見ればダブステップも使用はされているのですが、感情的な要素は抑えて機械的な温度感を打ち出し、更にはダブステップの特有の横に揺らすグルーヴよりはテクノの直線的でスムースなグルーヴを保つ事に終始気を遣っているように思われます。特に前半の荒廃した金属音ゴリゴリな展開はどう聴いたってBerghainなわけで、Scubaの好みがテクノに傾いているのは言うまでもないでしょう。中盤以降では気を利かせたのか猥雑なダブステップやエレクトロも混ぜてしまうのは残念ですが、そこからまた薄氷の上を進むように緊張感のあるミニマルに回帰し、そしてテンポは落としながらも重く深く沈み込んでダウナーな世界に消え行くように幕を閉じます。昨年リリースした"Sub:Stance"(過去レビュー)もその時点で十分テクノ色濃厚だなとは感じておりましたが、そこから一年を経て更にメランコリーを削ぎ落としテクノの冷たくマッドな質感や重厚感を強めた本作は、テクノリスナーにこそ楽しめる内容でしょう。欲を言えばもっと攻撃的に突き抜けたら最高だったと思いますが。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Fengler - Berghain 05 (Ostgut Ton:OSTGUTCD19)
Marcel Fengler - Berghain 05
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現在のドイツテクノシーンの引率するクラブ・BerghainのオフィシャルMIXCDシリーズ"Berghain"、その最新作はそのクラブでもレジデントを務めているMarcel Fenglerが手掛けている。日本に於いてはLabyrinthやFuture Terrorなど大きなパーティー出演しているが、しかしBerghainの他のタレントに比べるとまだその存在感は及ばないであろう。実際に自分も彼の音源は殆ど聴いた事は無い…が、Ostgut Tonからのリリースに加え、Luke Slaterが主宰するMote-Evolverもリリースしている事を考えると、注目しても損は無いだろう。さてBerghainのMIXCDと言えばどれもモノトーンなミニマルやら硬質なテクノが中心だが、本作もその例に漏れずやはり光の射さない暗い深海を航海するようなテクノミックスだ。しかしそれだけではなく、怪しく蠢くテクノから始まり凍てつくエレクトロ、厳しさの立ち込めるインダストリアル、感情的なテックハウス、そして終盤ではバンギンなテクノから深いダブテクノへと様々なテクノの海を航海して行く。色々と詰め込み過ぎたようでありながらしかしBerghainの灰色の世界観や硬い金属的な音質は保っており、なにより意外にもじわじわ染み入る感情的な流れも感じさせ、ハードな印象を残すBerghainに新しい息吹を吹き込むようでもある。決して臨界点を突破する過剰なエナジーは無いけれども、幅の広い選曲を一つの空気に纏め上げ心地よいグルーヴを生み出しており、Berghainの深部を体験出来るMIXCDである。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Damon Wild - Avion Return (Synewave:SW100)
Damon Wild - Avion Return

Joey Beltramと対を成すNYミニマルテクノの双璧の一人・Damon Wild。初期のど派手なアシッドテクノから徐々にクールでファンキーなミニマルテクノへと変遷し、その後も一貫してグルーヴィーで硬派なテクノを創り続けているNYテクノの重鎮。そして彼が長年に渡り運営してきたNYテクノを代表するレーベル・Synewaveの100作目は、なんと彼の代表曲でもある"Avion"のリミックス。かつてのハードテクノの時代を象徴する一曲でもあり生半可なリミックスでは許されない、そこで登用されたのは現在のハードテクノシーンを代表するベルリンからMarcel Dettmann。しかしこれがまた予想を越えた悶絶死なリミックスで、ドコドコと地響きが迫り来るキックの上に星の瞬きの様な効果音を加え、更にはスペーシーなパッドも薄く伸ばし、ハードでありながら浮遊感も感じさせる非常に痺れるテクノを披露しておりました。そしてベルリンを拠点に活動している88uwのリミックスは、荒々しく図太いアナログ的な音でより原曲に近い作風ながらも、原曲以上に暴走じみたエネルギーがほとばしり強烈な印象を残します。ハードテクノが復権する中でかつての大傑作を知らない世代にもアピール出来る内容で、若い人も中年にも是非とも聴いて欲しい傑作です。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
DJ Nobu - On (Music Mine:MMCD20002)
DJ Nobu - On
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東京ではなく敢えて千葉と言う場所で孤軍奮闘しながらFuture Terrorと言うアンダーグラウンドなパーティーを主宰し、ベルリンテクノで隆盛を極めるBerghainやDommuneでのプレイで更なるファンを獲得しつつあるDJ Nobuが、その勢いで彼の現在の音をCDに収めてしまいました。この一年で彼のプレイをフロアで聴いた時は、筋肉質な肉体感とソリッドで金属系の硬い音がする音を合わせた様なパワフルでスピード感のあるセットが多かった気がしますが、ここでは意外にもそう言ったフロア寄りの音だけでなく、ダビーな音響を生かしたディープなテクノから幕を開けます。そして上げ過ぎずに、ベースやキックの低音に頼らずに、ハット等でメリハリを付けつつも深みに嵌めていく。徐々に加速しながら金属が金切り声を上げるようにノイジーな音が被せられ、ひりつくような緊張感の中混沌とした暴風雨に襲われ圧倒的なテクノの洪水に埋もれるだろう。ディープとアッパーを行き来しながら、不良の様に荒くれた刺々しさが肉体に深く突き刺さる。光明が差す気配も無いまま終焉に近付き、闇の中でゆったりと静寂を迎えるラストの瞬間にははっとする瞬間が待っているであろう。ノッている、スイッチが入っていると言う意味で、まさに"On"と言うタイトルがこのアルバムを象徴していると言っても過言ではない。

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| TECHNO8 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Funf (Ostgut Ton:OSTGUTCD15)
Funf
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現在のベルリンテクノシーンを圧巻するクラブ・Berghain/Panorama Barが主宰するOstgut Tonですが、今年で5周年らしくその記念として2枚組コンピレーションが制作されました。曲を提供したのはOstgut Tonで活躍するアーティストに加え、Berghain/Panorama Barでレジデントを担当しているDJやそこにゲストに呼ばれたDJなど、つまりは完全にBerghain/Panorama Barの最新のモードを体現している人達です。そして驚くべきは全曲新曲な上に、なんとBerghain/Panorama Bar内で録音・編集がされたと言う事。世界屈指と言われるクラブの独特な音の鳴りまでも取り込んだ手の込んだ内容で、そしてアーティストに何も制限を設けずに楽曲制作が行われたそうです。そんな訳でメジャーな音の一切を拒絶する甘さ全く無しの冷たいテクノが聴けるのは当然で、硬い金属音が鳴りが響く無機質なテクノや暗闇の広がる陰鬱なミニマルなど、クラブでの鳴りが良さそうなトラックが多め。どうしてもツールとしての利便性の高い楽曲が多くなるのは事実として、ただコンピレーションとしてもベルリンテクノの今を感じる事が出来ると言う意味での楽しみもあります。聴いている内に体もうずうずしだしてクラブの爆音でこんなベルリンテクノを一晩中浴びたくなるような魅力もあり、テクノ好きには是非とも聴いて欲しいコンピレーションです。

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| TECHNO8 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/08/14 Ostgut-Ton presents Sound of Berghain @ Eleven
昨日がPanorama Barなら今日はBerghain、二夜連続Ostgut-Ton勢が来襲、ベルリンテクノを生で体験出来るスペシャルな企画。本日はOstgut-Tonを主宰するMarcel Dettmannに、同レーベルで活躍するShed、そしてBerghainにて日本人初となるDJを行ったDJ Nobuが登場。
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| EVENT REPORT2 | 09:30 | comments(6) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2010/08/06(FRI) ene presents The Backwoods 1st Album "The Backwoods" Release Party @ Eleven
DJ : The Backwoods aka DJ KENT
Guest DJ : 5ive
Live : Kaito Exclusive Live & DJ Set, 9dw

2010/08/09(MON) 月光 @ Grassroots
DJ : Hikaru, DJ Yogurt, Q

2010/08/13(FRI) HEY MR.MELODY vol.100 @ Bar MOVE
DJ : Altz, ミスターメロディー, Yakenohara, タカラダミチノブ

2010/08/14(SAT) Ostgut-Ton presents Sound of Berghain @ Eleven
DJ : Marcel Dettmann, DJ Nobu
Live : Shed

2010/08/21(SAT) SATURN -CLUB SEATA SUMMER PARTY- @ Club Seata
Live : The Sunpaulo, DJ Yougrt & Koyas
DJ : Hiroshi Kawanabe, KEIZOmachine!, W2+Buppa.9 a.k.a 4039, Anthony

2010/08/28(SAT) Raid @ Unit
DJ : Altz, DJ Kensei, DJ Nobu, Shinya
Live : Dachambo, Soft, Fran-key, Crystal & Roger, Rub-A-Dub Market, Green Green, ngoma, DJ Duct
| UPCOMING EVENT | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Klock - Berghain 04 (Ostgut Ton:OSTGUTCD13)
Ben Klock - Berghain 04
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現在のテクノシーンを引率するベルリンテクノの重要レーベル・Ostgut Tonから、レーベルの中心的存在の一人であるBen KlockがMIXCDをリリース。大半が新曲や未発表曲と言う現在のテクノシーンの最先端を披露しつつも、実はOstgut Ton音源の使用率も高かったり、またデトロイト系やシカゴハウスも使用したりと、意外や意外にミニマル一辺倒ではありません。以前クラブで彼のプレイを聴いた時はもっとハードで疾走感があるミニマル中心だった気がしますが、本作はそこまでハードでもなく深海を航海する潜水艦の様なディープな印象が強いですね。とは言え音自体はモノトーンで陰鬱、そして金属的な硬い鳴りとざらついたインダストリアル的な音もあるので、Ostgut Tonらしいと言えば確かにそうかも。そして時折真っ暗な深海に光が刺し込むが如く叙情漂うデトロイティッシュなトラックも入ってきたりと、効果的なアクセントもつけられております。しかしクラブで聴けばそれなりに盛り上がる内容ではあるんだろうけれど、家で聴いている限りだとシリアス過ぎて内に内にと沈み込んでしまいそう。彼がレジテントを務めるBerghein/Panorama Barにおいて、ゲルマン達はこの様な音楽で狂喜乱舞しているのだろうか?謎である。

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| TECHNO8 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dettmann (Ostgut Ton:OSTGUTCD12)
Dettmann
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現在のテクノシーンにて最も注目を集めるクラブ・Berghainのレジデントとして、そしてアーティストとしても最も注目を集めているドイツのMarcel Dettmannの初のアルバムが到着。ここ数年の硬質なミニマルの復権はドイツのOstgut Tontrager勢一派による影響が大きいのでしょうが、勿論Dettmannもその中の一人。そんな訳でこのアルバムも予想に違わない無駄を削ぎ落としたシンプルなフロア向けミニマルのみで構成されています。暗く無感情で、そしてシンプルな繰り返しによるミニマルを極めているトラックばかりなので、正直言ってしまうとこれを家で一枚通して聴いても面白みは少ないかもしれない。だがノイズ混じりでどこかインダストリアルで荒廃した雰囲気も感じさせる音は、クラブの爆音の中でミックスされる時こそ最大の効果を得るのも予想出来て、彼が本作をDJの為に向けて作ったのは明白でしょう。ドイツのレコード店・Hard Waxで働いている影響もあるのかBasic Channelから繋がる適度なダビーな音響もあり、そしてダブステップにも通じるリズムの組み方もあり、現在のベルリンテクノの先端の音である事は間違いないですね。アルバムとしては淡白な印象も受けますが、DJには受けが良いのかなと思います。

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| TECHNO8 | 12:30 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Ben Klock - One (Ostgut Tontrager:ostgutCD07)
Ben Klock-One
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今週末、WOMBにベルリンからの刺客・Ben Klockが来日します。一時期は低迷していた旧ミニマルテクノですが、最近は徐々にハードな作風も戻ってきて硬派なミニマルが復活しつつあるのは嬉しい限り。その流れの中心となっている一つが、ベルリンで隆盛を誇るクラブ・Panorama Barが運営するレーベル・Ostgut Tontragerであります。Ostgut TontragerはMarcel Dettmann、Shed、Âme、Len Fakiなど現在のダンスフロアを盛り上げているその人達もリリースをしているレーベルで、Ben Klockは活動暦10年にしてようやく同レーベルから1stアルバムをリリースしました。初のアルバムとは言えども充分過ぎる内容で、カチッとした四角い硬めのリズムトラックはやはりミニマル一直線。甘さ無し、ストイックで渋めのダークな音が中心ですが、無駄が無いすっきりした音でテクノと言う言葉がしっくりくると思います。そこまでハードな展開は無いものの、音が硬めなのでかつてのミニマルテクノが好きだった人には、それだけでも気持ち良く感じられるはず。ミニマルとは言えアルバムの中ではデトロイトっぽい情緒もあったり、飽きない様にバリエーションがあるのでアルバム通して聴ける様になっているのも好印象。ベルリンテクノには今後も注目。

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| TECHNO6 | 01:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
2009/03/07 (SAT)
FLOATRIBE @ Unit
DJ : KAORU INOUE, KENTARO IWAKI, YUMMY

2009/03/08 (SUN)
SYNCHRONICITY @ O-EAST
Live (MAIN STAGE) : 渋さ知らズオーケストラ, 曽我部恵一BAND, 犬式 a.k.a. dogggystyle, Tegwon, Anchorsong

DJ (3F DJ FLOOR) : Kentaro Iwaki, CALM, DJ YOGURT, L?K?O, Ko Umehara

2009/03/14 (SAT)
SiCK! @ ANGELO
GUEST DJ : Alton Miller
DJ : SiCK DJs
LIVE PAINTING : Abdul Qadim Haqq

2009/03/19 (THU)
VATON @ Module
DJ : MARCEL DETTMANN, yoshiki
Live : ditch

2009/03/19 (THU)
dB UKi Events and HORIZON @ Unit
DJ : Oliver Ho, KIHIRA NAOKI

2009/03/19 (THU)
mule musiq 5th anniversary party pt.2 "endless flight" @ Womb
DJ : DJ Koze aka International Pony, Adolf Noise, Toshiya Kawasaki
LIVE : Lawrence, Foog
DJ Sprinkles Deeperama LOUNGE : DJ Sprinkles aka Terre Thaemlitz, Lawrence, Dr.nishimura

2009/03/20 (FRI)
Organza meets Ostgut-ton @ Womb
DJ : Ben Klock, DJ PI-GE
LIVE : Shed

2009/03/21 (SAT)
FUTURE TERROR @ QUEENS CLUB
Special Guest DJ : MARCEL DETTMANN
DJs : DJ NOBU, CMT, KURUSU

2009/03/27 (FRI)
TAICOCLUB presents So Very Show! @ Womb
DJ : DJ KRUSH, DJ KENSEI, Koushik, DJ BAKU, Eccy

2009/03/28 (SAT)
春休み @ ageHa
DJ : Nick The Record, EYE, ALTZ, 桑田つとむ, Cro-Magnon ,SOFT, 宇川直宏, MOODMAN, DJ KENT, DJ NOBU, REE.K, FUNKY GONG, MOKMAL SOUND CREW, SANDNORM

Island Bar -Amami Eclipse Lounge eclipse2009-
DJ : JUZU a.k.a. MOOCHY, DJ KENSEI, HIKARU, SINKICHi

SYNCHRONICITYは前売り買ってあるんで確定。14日のAlton Millerも気になるな。仕事あるけど有休使えば行けない事もないが、遠い…うむー。19…19日、え…テクノのパーティー被りすぎだろ…。しかも仕事で行けないよ、オワタ。20日はOstgut TonからBen KlockとDelsinからShedか、こりゃ相当熱いね、そこまで混まないだろうし安心だ。21日はFUTURE TERROR @ 千葉…非常に遠い、いや行きたいのに行きたいのに。翌日有休でも使うかな。28日の春休みは最高、相当面子やべーな、うほっ!
| UPCOMING EVENT | 00:50 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Tadeo - Contacto (Net28:NET28CD2)
Tadeo-Contacto
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もうね、マスゴミのミスリードは酷すぎ。京大生が大麻所持で逮捕されたんだけど、わざわざ見出しで「クラブで入手」とか強調する意味あんの?大麻を手に入れる場所がまるでクラブみたいな書き方しているけれど、実際は他の場所で入手する方が数は多いはずでしょ?クラブを悪者みたいな扱いにしたりしているけれど、実際にクラブ来ている人の中でドラッグやってる率とか調べてから書け、ボケマスゴミが。

身になるミニマル。巷ではどんどん有機的な方向に流れていっているミニマルですが、今でも頑なにJeff Mills系のミニマルを継承している人も僅かながらはおりまして、このTadeoもその一人。去年TadeoのEPでリミキサーにSubstanceとCassyが起用されていた事で僕は注目し出したんだけど、実際には2004年頃から活動してたみたいですね。最初に述べた様にJeff Mills系統なので、Sleeparchiveらにも共振する発信音の様な上物が特徴的なコズミックなミニマルが聴けるのですが、確かに流行の有機系ミニマルに比べると地味だから一般的な知名度が低いのはしょうがねーかなと言うのが率直な気持ち。でも実際にはRichie HawtinやMarcel Dettmann、LucianoがMIXCDで使用している辺り、ミックスにおいての機能性と言う意味では非常に使い易いのかなと思います。昔ながらのミニマルだから大きな展開は無いし音数も多くないから、ミックスしてこそ生きる様なミニマルなんですよね。地味には違いないけれど、一つ一つの音の美しさが際立つスペーシーなミニマルアルバムでした。激渋硬派!

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| TECHNO6 | 07:30 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Fuse Presents Deetron (Music Man Records:MMCD033)
Fuse Presents Deetron
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ふしゅ〜ぅぅぅぅぅ…(気の抜けた音)。何だろう、この焦燥感は…。ベルギーテクノ名物・Fuseの最新作を担当するのは、かつてIntecやPhont Musicからハードテクノ+デトロイトテクノな作風でヒット作を量産していたDeetron。彼が以前出したMIXCDはデトロイトとハードなトラックを高速で繋いでいくかっちょいー内容だったのだけど、新作はまあ時代に流されたと言うべきかミニマルやらハウス、テックハウス中心の気だるくディープな音が中心。う〜ん、どうなん?この変わり様?僕が時代遅れなのかな?一応フォローしておくと確かに元からミニマル系だと言う概念があるのであれば、素直に格好良いと思えるよ。ただDeetronにかつて期待していた物を求めていた人は、合わないのかな。速さは無くとも粘りのグルーヴはあるしDJとしての底力は感じさせるけど、Deetronの個性はここに感じる事は出来ないんですよね。古いシカゴハウスなりが回されてオールドスクールなムードがある点には救われましたが。

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| TECHNO6 | 20:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Âme - Fabric 42 (Fabric:FABRIC83)
Ame-Fabric 42
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いきなりですが、これは傑作です!ミニマルシーンで奉られながらも本人達はミニマルと言われる事に辟易しているそうなÂmeが、人気MIXCDシリーズ・Fabricに遂に登場。Fabricは名作が多いけれどÂmeもここに来て地力を発揮し、想像以上にドゥープなプレイを披露してくれました。ミニマルは嫌いなんて言いながらも序盤から酩酊すれすれのミニマルをプレイしておりますが、どこか民族的な音色を感じさせるパーカッションが入っていて既に不気味な雰囲気を漂わせております。中盤からはシカゴハウスも投入し狂気のアシッディーなハウスでじわじわと攻め上げ、そして後半では自身のトライバルでアシッドな新曲を披露し一気に盛り上げます。後半のハウス中心ながら極限までのファンキーなグルーヴは本当に見事な物で、他のミニマル勢とは一線を画す非凡なる才能が全開になっております。そして最後はデトロイトトラックの名作で綺麗にしめておりますが、徹頭徹尾貫くハウスグルーヴが本当に素晴らしい。やっぱりÂmeのプレイはミニマルと言うよりはハウスと言った方が適切な音で、他のミニマル勢みたいに奇をてらう事はなく割りとハウスに忠実な気がします。ディープで無慈悲な世界観と、ねっとりと絡みつくグルーヴ感は本物。

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| HOUSE4 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Marcel Dettmann - Berghain 02 (Ostgut Tontrager:ostgutCD05)
Marcel Dettmann-Berghain 02
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ドイツこそがテクノ帝国である事は現状の繁栄を考えれば察しがつくと思いますが、近年良質なテクノをリリースしている新興レーベルのOstgut Tontragerもドイツ発信であります。Ostgut Tontragerはベルリンのクラブ・Berghainが運営しているレーベルであるらしく、そこのレジデントを務めているのがこのMIXCDを手掛けたMarcel Dettmannです。ドイツと言えば自分にとってはとにかく、ミニマル色濃厚なテクノと言うイメージが一番強く、いわゆるテクノらしいテクノを感じられます。そしてDettmannのプレイもやはりミニマル、そしてテクノをふんだんに使った内容で、最近のミニマルとは微妙に異なる昔のミニマルが感じられとても硬派な音でした。Radio Slave、T++(Monolake)、Deetron等の冷ややかなミニマル中心で淡々とストイックに、そして興奮と冷静の間を突き抜けていく様な中庸な展開を終始貫き、そのバランスの良さは絶妙の一言。そんな中、時折Kevin Saunderson、Shed、Strand、Tadeoなどのデトロイト系を差し込み、ぐっと盛り上げる表情を付けていくのもまた素晴らしいです。どこまでも無機質に、そして金属の様に硬く続く音楽、これこそ自分の求めるテクノの一つだと思いました。最近のひ弱なミニマルテクノに嘆いている人は、本作の様なミニマルテクノを聴いては如何でしょう。

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |