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Robert Hood - DJ-Kicks (!K7 Records:K7376CD)
Robert Hood - DJ-Kicks
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オリジナル・デトロイト・テクノの重鎮、そして頑固一徹ミニマル・ネーションとでも呼ぶべき作風を貫く生粋のミニマリストであるRobert Hood、久しぶりにMIXCDへと参戦したその作品は長く続く老舗MIXシリーズの「DJ-Kicks」だ。このシリーズ自体はジャンル問わずに多方面のアーティストを起用する事でバラエティーを拡張しマンネリを避けているようにも思われるが、そんな中に飛び込んだミニマリストはやはりミニマル・テクノから全くぶれずに求道的に自分の道を貫き通している。近年はFloorplan名義を復活させてゴスペル性も伴ったディスコ・ハウスによって別の魅力も開花させていたが、ここで聞けるのはミニマル・テクノ、それもルーマニアやチリの官能と陶酔による揺らぎをもたらすそれではなく、ある意味では古臭くもありそれが味でもある直線的なグルーヴで猪突猛進するテクノだ。勿論ベテランだからといって昔を懐かしんだりクラシックに頼ったミックスではなく、それどころかヨーロッパの最新のハードなテクノを軸に選曲を行っており、しっかり現在形のDJである事を証明している。ヒスノイズのような凍てついた音響が続く"Connected (Intro)"によって幕が開き、即座にこのシリーズの為に書き下ろされた弾性のあるキックが鉄槌の如く振り下ろされるダークなテクノの"Focus (DJ-Kicks)"で直線的なビートが走り出す。ざらつきのあるリズムに睡眠的な電子音のループに引き込まれる"Terminal 5"、薄い電子音響を張り巡らせつつハードなキックが地面を揺らす"Remain"など、序盤から豊かさを排除しながら退色した世界観の中を疾走するこれぞHood流ミニマル・テクノな流れ。恍惚感のある電子音にハンドクラップが刺激的な"Mirror Man"からファンキーなサンプリング系の"King (Gary Beck Remix)"の流れはやや大箱を意識したであろう派手さがあり、中盤に入っても息抜きや下げもなく常に高いテンションで爆走するスタイルは、上手い下手で評価されるべきではなく愚直なまでのミニマルへの信仰を喜ぶべきだろう。ハードなだけではなく快楽的なループによって意識を融解させる"Signs of Change (Robert Hood Remix)"や、Floorplanの音楽性に近いファンキーなゴスペル・テクノとでも呼ぶべき"Make You Feel Good"など印象的な曲も用いつつ、そして壮大で派手なブレイクも導入して直線的で平坦なグルーヴながらもしっかりと盛り上げる場面も作っている。そのまま終盤までドスドスと太いキックが4つ打ちで大地を揺らし、最後は簡素なドラム・マシンによるリズムのみがファンキーさを生む"Protocol"でミニマルとして相応しい締め方だ。展開的な面白さという点では余り推せる内容ではないものの、妄信的なまでのミニマルなスタイルは骨太な芯があり、興味の無い人にとっては全く興味が無い代わりに好きな人にとっては一生愛せるミックスになり得る可能性も秘めている。兎にも角にも痛快な音楽性である事は断言する。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Koze - DJ-Kicks (!K7 Records:K7325CD)
DJ Koze - DJ-Kicks
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生まれては埋もれていくMIXCDシリーズが多い中で、1995年に開始したDJ-Kicksは20年以上もの歳月を経ても勢いが衰えるどころか、続々と新興勢力も巻き込みながら発展をしている。テクノやハウスから始まりダウンテンポやレゲエ、果てはエレクトロニカやダブ・ステップまで吸収し、そして作品毎に手掛けたアーティストの新曲を収録する事で、常に新鮮な状態でダンス・ミュージックの現在形を紹介する役割があるのだ。そして栄えある第50作目の監修に選ばれたのは、Stefan KozallaことDJ Kozeだ。現在は自身で主宰するPampa Recordsも軌道に乗る中で奇抜さとユーモアを持ったダンス・ミュージックを手掛けるなど、その稀有なアーティスト性はオリジナルかつ変態性を伴っている。そんな彼が久しぶりに手掛けたMIXCDは、いや実際には殆どミックスされていないのでコンピレーション的な意味合いが強いが、正にDJ Kozeのそんな自由な創造性を夢のような甘い世界に溶け込ませたような彼らしい音が浮かんでは消えていく。冒頭はDJ Kozeによるエクスクルーシヴな"I Haven't Been Everywhere But It's On My List"だが、カットアップされた声とヒップ・ホップ的なリズムにドリーミーなシンセが組み合わさったポップな一曲で、この時点で既にDJ Kozeの世界観に魅了されるに違いない。続く"Can't Get Used To Those? (Kosi Edit)"は生温く風変わりなブレイク・ビーツで、そして牧歌的な雰囲気で軽快なビートを刻むエレクトロニカの"Dead Dogs Two (Boards Of Canada Remix)"、更にスモーキさが広がる訝しいドラミングが特徴の"Holiday (Kosi & Fink's Edit)"など、序盤は長閑な雰囲気ながらもヒップ・ホップ的なビート物が中心だ。中盤に入れば更に束縛から解き放たれビートは希薄化しつつフォークやシティーポップにジャズまで展開し、後半に入ればクラブらしい雰囲気のディープ・ハウスやミニマル・テクノまで飛び出す変幻自在の流れが待っている。ただそれは決してバラバラに離散しているのではなく、様々なビートや音色が一つの流れに合わさるようにポップかつドリーミーに仕立てあげられ、まるでサウンド・トラックにも感じられる心象風景を浮かび上がらすのだ。DJ Kickが決してダンス・トラックを集めただけの内容ではなく、当初から続く「奇妙なホームリスニング」というコンセプトを再度知らしめる、そんな意思さえも伝わってくるようだ。DJ Kozeが制作する奇妙な音楽の性格がそのまんまMIXCDに反映されている点でも、期待通りと言うべきで非常に面白く切ない一時間を体験させてくれる事だろう。



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| ETC4 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Marcel Fengler - Fokus (Ostgut Ton:OSTGUTCD27)
Marcel Fengler - Fokus
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日本においてMarcel Fenglerの名を聞くようになったのはここ数年に思われるが、実は90年代半ばから活動をしている大ベテランだ。2004年にベルリンにてBerghainがオープンしてから現在に至るまでレジデントを任され、2007年からはBerghainが主宰するOstgut Tonからも作品をリリースし、その音楽の活動を広げている。本作はそんな彼にとっての初のアルバムとなるのだが、その内容は長い活動を経た後の集大成とも呼ぶべき完成度を誇っている。Berghainと聞けばハードなテクノを想起させるが、その関連として00年代前後のハードミニマル時代を思い出す。ハードミニマルが全盛を誇っていた時代にハードミニマリストがDJではなくアーティストとしてアルバムをリリースした結果として、DJとしての個性を埋没させハードでもなくリスニングとしても微妙なアルバムが産み捨てられていた時代があった。ハードミニマルと言う音のみが彼らの個性を際立たせていた時代だったと思う。そして同じくハードなスタイルを貫くBerghain、しかしBerghainに生きるアーティストはよりクレバーでより柔軟な姿勢を持っているのか、アルバム制作においても失敗する事なく時代と適合をしているのだ。このアルバムには歪んだ金属音が炸裂するテクノや宇宙系ミニマルに乾いた質感のシカゴ・ハウス、意外なる静謐なアンビエントも、そしてスタイルとしてダンスフロアを刺激するものからベッドルームで聴けるものまで収録されているが、空気としてはBerghainの緊張感ある電子的な音に統一されている。アルバムの冒頭とラストは完全にノンビートの曲が用意されているが、その流れがあるからこそハードな曲はよりハードな個性が際立ち、ドラマティックな曲では安らぎの瞬間が訪れるのだろう。かつてのハードミニマリストがアルバムで個性を発揮出来なかったのに対し、Berghain勢はアルバムにストーリ性を持たせながらダンストラックとエクスペリメンタルの架け橋を行ないながら、それが実に自然体として表現されている事に深さを感じさせる。知名度が高まり商業化が進んでいるとも噂されるBerghainではあるが、まだまだベルリンを引率する求心力は失っていないだろう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/10/14 Sound of Berghain feat. Marcel Fengler @ Eleven
"Sound of Berghain"、そのタイトルまんまに世界のテクノシーンをリードするクラブ・Berghainのサウンドを日本のクラブで再現するパーティー第二弾。今回フィーチャーされたのはMarcel Fengler、まだBerghainの他のアーティスト程には知名度はないものの、日本ではLabyrinthに2年連続招待されるなど期待を背負っているDJだ。そして日本から迎え撃つはBerghainでのプレイも称賛を浴びたDJ Nobu。彼が主宰するFuture TerrorにもFenglerは呼ばれた事があり、音の相性は抜群と言う他にあるまい。
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| EVENT REPORT3 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Fengler - Berghain 05 (Ostgut Ton:OSTGUTCD19)
Marcel Fengler - Berghain 05
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現在のドイツテクノシーンの引率するクラブ・BerghainのオフィシャルMIXCDシリーズ"Berghain"、その最新作はそのクラブでもレジデントを務めているMarcel Fenglerが手掛けている。日本に於いてはLabyrinthやFuture Terrorなど大きなパーティー出演しているが、しかしBerghainの他のタレントに比べるとまだその存在感は及ばないであろう。実際に自分も彼の音源は殆ど聴いた事は無い…が、Ostgut Tonからのリリースに加え、Luke Slaterが主宰するMote-Evolverもリリースしている事を考えると、注目しても損は無いだろう。さてBerghainのMIXCDと言えばどれもモノトーンなミニマルやら硬質なテクノが中心だが、本作もその例に漏れずやはり光の射さない暗い深海を航海するようなテクノミックスだ。しかしそれだけではなく、怪しく蠢くテクノから始まり凍てつくエレクトロ、厳しさの立ち込めるインダストリアル、感情的なテックハウス、そして終盤ではバンギンなテクノから深いダブテクノへと様々なテクノの海を航海して行く。色々と詰め込み過ぎたようでありながらしかしBerghainの灰色の世界観や硬い金属的な音質は保っており、なにより意外にもじわじわ染み入る感情的な流れも感じさせ、ハードな印象を残すBerghainに新しい息吹を吹き込むようでもある。決して臨界点を突破する過剰なエナジーは無いけれども、幅の広い選曲を一つの空気に纏め上げ心地よいグルーヴを生み出しており、Berghainの深部を体験出来るMIXCDである。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Funf (Ostgut Ton:OSTGUTCD15)
Funf
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現在のベルリンテクノシーンを圧巻するクラブ・Berghain/Panorama Barが主宰するOstgut Tonですが、今年で5周年らしくその記念として2枚組コンピレーションが制作されました。曲を提供したのはOstgut Tonで活躍するアーティストに加え、Berghain/Panorama Barでレジデントを担当しているDJやそこにゲストに呼ばれたDJなど、つまりは完全にBerghain/Panorama Barの最新のモードを体現している人達です。そして驚くべきは全曲新曲な上に、なんとBerghain/Panorama Bar内で録音・編集がされたと言う事。世界屈指と言われるクラブの独特な音の鳴りまでも取り込んだ手の込んだ内容で、そしてアーティストに何も制限を設けずに楽曲制作が行われたそうです。そんな訳でメジャーな音の一切を拒絶する甘さ全く無しの冷たいテクノが聴けるのは当然で、硬い金属音が鳴りが響く無機質なテクノや暗闇の広がる陰鬱なミニマルなど、クラブでの鳴りが良さそうなトラックが多め。どうしてもツールとしての利便性の高い楽曲が多くなるのは事実として、ただコンピレーションとしてもベルリンテクノの今を感じる事が出来ると言う意味での楽しみもあります。聴いている内に体もうずうずしだしてクラブの爆音でこんなベルリンテクノを一晩中浴びたくなるような魅力もあり、テクノ好きには是非とも聴いて欲しいコンピレーションです。

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| TECHNO8 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |