Mark Pritchard - The Four Worlds (Warp Records:WARPCD296)
Mark Pritchard - The Four Worlds
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
伝説的なアンビエント・ユニットであるGlobal Communicationの一員であり、そして様々な名義を用いて多方面の音楽へ手を広げて活動を拡張させてきたMark Pritchardは、しかし2016年にようやく本人名義での初のアルバムをリリースしていた。そこでの手応えを感じたのだろうか、次なるアルバムである本作も本人名義でのリリースとなるが、前作の今までの雑多な音楽性を咀嚼した方向性から今度はメランコリー×アンビエントの静謐な音楽へと転換している。とは言いながらもアルバム冒頭の"Glasspops"だけは4つ打ちのビートが入ったプログレッシヴとアンビエントな雰囲気のあるテクノで、何でも5年の歳月を掛けて制作された11分にも及ぶ大作との事。ブリーピーなシンセが下からじわじわぐぐっと迫り上がってくるも決してアッパーにはならずに内部に情熱を貯め込むような感傷的なテクノは、シンフォニックな響きが荘厳な美しさも伴っており、確かにアルバムの中でもその個性は際立っている。がそれ故に残りのビートレスな7曲とのバランスはやや崩れてしまっているのも事実で、ピアノがリードする美しくも真夜中の不気味さと不穏な空気も漂ってくるクラシック的な"Circle Of Fear"や重厚なドローンがのしかかる中で暗い呟きが魔術的な"Come Let Us"らは、ビートが無い事も関連はしているがよりムード重視な音楽性でフロアからは乖離している。かと思えばハープシコードらしき明るい音の連なりとストリングスによって光に包まれる牧歌的な"The Arched Window"、無重力空間に電子音を放ち自由に漂わせるようなジャーマン・プログレ×アンビエント調の悲壮感漂う"Parkstone Melody II"など多少の外向的な雰囲気もあるが、アルバム全体のイメージはやはりメランコリーな室内楽的だ。尺も全体で30分弱と随分とコンパクトな構成で、トラック自体もPritchardに大して期待しているものからはややずれているようにも思われ、アーティストに対しての期待は大きいだけに物足りない。



Check Mark Pritchard
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mark Pritchard - Under The Sun (Warp Records:WARPCD244)
Mark Pritchard - Under The Sun
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
恐らく彼の経歴の中で最も有名なGlobal Communication、そしてHarmonic 33やJedi KnightsにTroubleman名義など多数の名義を持つMark Pritchardにとって、活動20年以上を経てようやく本名でのアルバムが完成したのは意外だろう。その名義の多さはアンビエントやテクノ、エレクトロにニュージャズ、そしてジュークやグライムなど音楽性の幅広さを象徴しているが、本作ではその多様性がシームレスに溶け合い数々の名義が一つとなってPritchardの根源を表現するような印象が感じられる。アルバムの始まりを飾る"?"は厳かな音響が静かに湧き立つアンビエント性があり、重厚感の中にもムーディーな風景が広がる。続く"Give It Your Choir"ではレーベルメイトのBibioをフィーチャーし、随分とメランコリーで何だか教会の中で響くような荘厳な気高さがある。決してテクノだけではなく"Falling"のように可愛らしい電子音が子守唄のように響く曲もあり、2〜3年掛けて出来上がった曲を当て嵌めるように纏めたと言うのも納得だ。ロック方面からの目玉はThom Yorkeをフィーチャーした"Beautiful People"だろうが、悲壮感を含むボーカルと物憂げなトラックは救いを祈りにも聞こえる。その一方でBoards Of Canadaを思わせる何処でもない何処かにいるようなサイケデリアを演出する"Where Do They Go, The Butterflies"や、メロトロンが牧歌的な長閑さを生み穏やかな気分に包む"Sad Alron"など、Global Communicationの時代を思い起こさせるような曲調もある。フォークシンガーのLinda Perhacsをフィーチャーし、物哀しいアコギも導入した"You Wash My Soul"は、最早シンプルさを強調したフォークだったりと、テクノへの拘りは無く感情の赴くままにアルバムを制作したのだろうか。アルバムのコンセプトは特に無いと言う本人の説明通りに、確かに本作はある特定の音楽性に的を絞っている志向はなく、しかしメランコリーやムードを尊重した点での共通項があり、それらはサウンド・トラックの様に一場面がさくさくと移り変わる風景を喚起させる。欲を言えばもっとインストに拘って、敢えてボーカルを起用しないアルバムでも良かったのではと思うが、そこは何でもこなせる器用さがあるからこその挑戦に違いない。



Check "Mark Pritchard"
| TECHNO12 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Far Out Monster Disco Orchestra (Far Out Recordings:FARO 181DCD)
The Far Out Monster Disco Orchestra
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(オリジナル盤/MP3) Amazonで詳しく見る(Remix盤/MP3)
ロンドンにて運営を続けるFar Out Recordingsはブラジリアン音楽を根底にクラブ・ミュージックを取り込みながら、時代に則しながら様々なアーティスト・音楽の発信を行っている。元々はその活動15周年の記念として2008年頃からFar Out Recordingsに所属するリオのアーティストが集まり立ち上がったプロジェクトがFar Out Monster Disco Orchestraであり、またプロデューサーとしての立場でレーベルオーナーであるJoe DavisとIncognitoの息子であるDaniel Maunickも参加している。2010年にはようやく初の作品がリリースされたのだが、そこにはオリジナルは収録されずJohn MoralesやMarc Macのリミックスのみが聞けたのだが、その後も同じようにリミックスのみを収録したEPを2013年まで計8枚リリースし続けていた。そして2014年、レーベルの20周年記念としてようやくプロジェクトのオリジナル音源を収録したアルバムである本作がリリースされた。ブラジリアン音楽と共にディスコやファンクを愛する音楽性はオーケストラも起用する方向へと繋がり、ライブ感溢れる演奏と生々しい音の連なりは南国の陽気なムードと胸に染み入るサウダージをさらっと表現している。音楽自体の斬新性というよりはブラジリアン音楽への実直な愛を曝け出すクラシカルな作風で、そこにディスコのビートやファンクの熱量が融け込みクラブとしてのダンス・ミュージックの機能も兼ね備えているが、切ない歌や哀愁のメロディーはどこか望郷の念を呼び起こすようで人肌の温度感が心地良い。当方がブラジリアン音楽に教養があるわけではないが、ディスコ/ファンクの影響も含まれている事もあってか軽快でしなやかなダンス・グルーヴが耳に馴染む事もあり、特に生音系のそれが好きな人にはこんなブラジリアン音楽も気に入るのではと思う。そしてCDには今までにリリースされたリミックスEPも収録されており、テクノからビートダウンまで色々なスタイルが聞けるが、特にTheo Parrishのリミックスが圧巻だろう。オリジナル/リミックスの豪華2枚組と大変お得なアルバムになっているので、ブリジリアン音楽好きもダンス・ミュージック好きにもお薦めだ。



Check The Far Out Monster Disco Orchestra

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mark Pritchard - Lock Off (Beat Records:BRC-400)
Mark Pritchard - Lock Off
Amazonで詳しく見る(日本盤)

近年日本のパーティーでもジューク/フットワークと呼ばれる音楽 -シカゴのゲットー・ミュージックの現代版とでも呼ぶべきスタイル - は、イベントではなくパーティーと言う状態を生み出す為に渇望されていた音楽として注目を集めている。筆者自身がこの手のジャンルに造詣が無いため耳にする機会は少ないのだが、しかしそれをGlobal Communicationの一人であるMark Pritchardが手掛けているのだから、最早この流れを無視するわけにはいかない。周知の通りGlobal Communicationではアンビエントの金字塔を打ち立てたMarkだが、しかしその活動は彼の創作活動の一つであり、様々な名義を用いつつ一つのジャンルに留まるを拒否するかのようにスタイルを変えてきた。ブロークンビーツに取り組んだTroubleman、ヒップホップ/エレクトロを進化させたHarmonic 313、そして雑食性の高いAfrica Hitechなどその他も含めれば数えきれない程にその活動は多岐に渡る。本作はそんなMarkによる初のアルバムだが、内容は2013年にリリースした3枚のEPと2012年のHarmonic 313名義のEPの合計4枚のEPを纏めた編集盤となっている。しかしかつてアンビエントを手掛けていたMarkが、こんなにも猥雑で悪っぽい音楽を手掛けるとは誰が予想出来たであろうか。ジューク、ダブ・ステップ、ジャングル、ドラムン・ベースと言った様々な要素が聞こえてくるが、とにかく大仰しく毒気たっぷりなシンセベースと回転数の早いマシンガンのようなビートが本作の肝だろう。細かく刻まれる変則的なビートは過度な早さを体感させ、確かにフットワークの様に足を激しく動かす事を強要する。4つ打ちの継続する陶酔感とは異なるビートの多様性の刺激と言うべきか、内に篭もるのではなく外向的でハイエナジーな感覚と言うべきか。そして早急なビートと重低音とどぎついシンセが濁流となって押し寄せる様からは、90年代の踊れれば何でもOK的な享楽的なレイヴ・ミュージックの臭いが漂っている。ごちゃごちゃとした勢いに飲み込まれるいかがわしい音楽ではあるが、確かにこの強烈なビートがパーティーでこそ人を魅了するのも納得だ。Mark Pritchardの雑食性とプロダクションの巧さが光る凶悪な一枚である。



Check "Mark Pritchard"
| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Far Out Monster Disco Orchestra - Vendetta (Far Out Recordings:FOMD08)
Far Out Monster Disco Orchestra - Vendetta
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)

ロンドンにてブラジリアン・ミュージックを発信するFar Out Recordings。その15周年のプロジェクトとして始まったFar Out Monster Disco Orchestraは、レーベルを主宰するJoe Davisや、Incognitoのメンバーの息子であるDaniel Maunickが集まったユニットで、2011年から継続してEPをリリースしている。本作はそのシリーズの8作目であり伝説的なアンビエント・ユニットのGlobal CommunicationからMark Pritchardと、デトロイトから古参アーティストのMarcellus Pittmanがリミックスを提供している。意外な仕事をしているのはMark Pritchardの方で、オールド・スクールなシカゴ・ハウスを思わせる音の隙間が目立つ簡素なハウスリミックスを披露し、普段の彼の作風からはちょっと想像は出来ない。感情の起伏を隠すように平坦なリズム感と落ち着いた展開が続くが、仄かに情緒的なパッドを配しながらほのぼのしたシンセのメロディーが先導し、パーティーの朝方に聴きたくなる穏やかな地平が広がっている。Marcellus Pittmanmのリミックスもローファイと言う点では共通点もあるが、ふらつくようなストリングスと土着的なパーカッションが原始的な響きをする展開が長く続き、途中からは野暮ったいスリージーなマシンビートと生の質感を強調したジャジーなピアノが絡むスモーキーなデトロイト・ハウスへと変化し、錆び付いたようなざらついたビート感が黒光りしている。どちらも実に人間の温かみが伝わる作品ではあるが、洗練されたUKと古き良きデトロイトと言う地域性の違いが音に表れており、その対比も面白い。

試聴

Check "Far Out Monster Disco Orchestra"
| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Global Communication - Back In The Box (NRK Music:BITBCD05)
Global Communication - Back In The Box
Amazonで詳しく見る(MIX盤)
 Amazonで詳しく見る(UNMIXED盤)
アンビエント、テクノ、ハウス、ボサノバ、エレクトロ、クラブジャズ、そしてダブステップ…Tom MiddletonとMark Pritchardのそれぞれソロとして、又は二人でのユニット・Global Communicationとして、テクノ黎明期から様々なジャンルを開拓してきた二人。ここ15年以上はお互いに距離を置き別の道を歩んできた二人が、今年になり遂にGlobal Communicationとして復活を果たしライブ活動も行うなど期待を感じさせますが、その流れでを受け継ぎGlobal Communication名義でのMIXCDも制作しました。しかもNRKが提唱するバック・トゥ・ザ・ベーシックスのシリーズを担当するなんてきたら、そりゃ彼等のマニア心も駆り立てられたのか、80年後半から90年前半のデトロイト・テクノやAI系と呼ばれるピュアテクノ、そして美し過ぎるアンビエントまで盛り込んだテクノ黄金時代を象徴する選曲を行っております。所謂テクノクラシックと呼ばれる作品を選びつつも、表立ってはいなかったものの玄人受けする隠れ名曲まで掘り起こすその知識とセンスたるや、流石に時代の寵児であった事を感じさせずにはいられません。R & SやWarp Records、Eevo Lute、Planet-Eをはじめとするその時代を象徴していたレーベル等から今尚輝きを失わない名曲を選りすぐりし、Disc1はダンスオリエンテッドに、Disc2はリスニング寄りのプレイを聴かせてくれます。新鮮味は当然皆無ながらも再度90年代前半のテクノを聴くと、今よりも洗練さや熟練と言う点では劣るものの、それ以上にアイデアや衝動を重視しテクノの自由な創造性が溢れていた事が感じられます。そう、テクノとは元来解放されたエクスペリメンタルな音楽であるべきで、それを遂行していたのがGlobal Communicationでもあったのだから、ここで聴けるテクノは彼等の指標でもあったのでしょう。普通のクラブで盛り上がるようなDJMIXとは全然違うけれど、テクノの歴史を紐解くアーカイブとして大層役立つ内容である事は断言します。

試聴

Check "Global Communication"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Agoria - Balance 016 (EQ Recordings:EQGCD029)
Agoria - Balance 016
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
フレンチテクノシーンの奇才・Agoriaが、名物MIXCDシリーズとなっている"Balance"の16作目を担当。今までに2枚のMIXCDをリリースしていてそれらもジャンルレスで強烈なぶっ飛び感覚を感じさせる内容でしたが、この新作もやはり同様にテクノだけではなく様々な音を組み合わせ、フロアとチルアウトルームを行き来する様な変態的なミックスを披露しております。ジャンルの多様性はテクノ、ハウス、ダウンテンポ、ディスコダブ、アンビエント、ミニマル、ニューウェーブなどまでに及び、最早このMIXCDがどんな音に当てはまるのかを説明するのは意味が無い状態にまでなっております。そして単純に曲を繋げるだけではなく曲の一部のサンプルを途中に混ぜ込んだり、同じ曲を2度も使用する事で、1度目で感じた印象が2度目で更に強まる効果を誘発するなど、展開の作り方は確かに印象的。何よりも彼の創る音源からも感じられるギトギトでドラッギーな感覚が終始漂っていて、リズムトラックの強さやノリで引っ張っていく勢いのあるタイプのミックスとは異なる、つまりは精神作用の大きい麻薬的な覚醒感の大波に飲み込まれるミックスは、彼特有のトリッピーな感覚があり独創性が存分に感じられる事でしょう。その分振れ幅や展開の浮き沈みも大きく、また音の余りのどぎつさに体力が無い時は聴くのもしんどいかなと感じる点もあります。インパクトがある分だけ聴く人を選ぶ内容でもありますが、はまる人には心底はまって抜け出せなくなるのではないでしょうか。

試聴

Check "Agoria"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO7 | 10:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Modeselektor - Body Language Vol.8 (Get Physical Music:GPMCD032)
Modeselektor-Body Language Vol.8
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
続・あべっくすのS子ちゃんがくれた物。Radioheadのライブの前座にも出た事のあるエレクトロ〜ヒップホップユニット・ModeselektorのMIXCD。Modeselektorに関しては全く知らないものの、この"Body Language"シリーズはなかなか評判が良いので楽しみにしていたのですが…箱を開けてみると、予想よりもぶっ飛んでいて楽しい!バラエティー、雑食性に富んだハチャメチャな選曲でテクノ、ミニマル、エレクトロ、ヒップホップ、ダブステップ、サイケロックともう好き放題に繋げちゃったぜ的な愉快痛快な展開なの。確かにかなり幅が広くて音の統一感は無いけれど、そんな事はどうでもよくなってしまうファンキーで尖った音があってとにかく面白い。どんどんと勢い良く新しい音が投入されて、じっくり味わう前に代わり代わりでお腹を満たされていく様な気分。また矢継ぎ早にミックスされているのでとにかく勢いがあって、色んなジャンルが混じっているにもかかわらずすっごいダンサンブルで腰にグルーヴがビンビンと来るんですわ。ムードも基本的に楽天的でハッピーだし勢いもあるしで、これを聴けば嫌でも気分も盛り上がってしまうハイテンションな一枚。後半にアニコレ使われますね、最近クラブシーンでもアニコレ大人気?

試聴

Check "Modeselektor"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO7 | 13:10 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Warp20 (Recreated) (Beat Records:BRC-242)
Warp20 (Recreated)
Amazonで詳しく見る

冷静になるとブログにひでぇ事書いたなぁと気付く。時々狂ったりモヤモヤすると書かずにはいられなくなるが、これじゃあただのキモメンがスーパーキモメンになり、今まで以上に女の子はドン引きだ。しかし記録は記録、自分への戒めとして消去はしない。

テクノと言う常に改革を望む世界において、一つのレーベルが20年も続くと言うのはある意味奇跡でもある。そんな奇跡を実現したのがUKのWarp Recordsで、今年で遂に20周年だそうだ。それを記念してリリースされたのが本2枚組で、Warpの音源をWarpのアーティストがリメイクしたコンピ。とは言え正直なところ自分には物足りなさの残る企画で、昔のWarpの音を期待している人は完全に肩透かしを喰らうだろう。当たり前の事なんだけど、これはテクノの殻をぶち壊してレフトフィールド的な自由性を持った音楽性を進んでいる今のWarpの音が中心だと言う事。僕はやっぱり昔のインテリでダンスフルな頃のWarpに思い入れがあるから、その時点でこの企画とはもう合わなかったんだろう。またリミキサーにBoards Of CanadaやAndrew Weatherall、Aphex Twin、Speedy Jら重鎮が入ってないのは、物足りなさどころか失望さえ隠せない。ぶっちゃけな話90年代の重鎮に比べると、今のWarpのアーティストってそんなに魅力的には感じられないんだ。色々手を広める事で時代を生き抜いてきたのは分かるけど、テクノの可能性をもっと見つめ直して欲しい。ま、単純に言えばもっとテクノを聴かせろってだけだ!

試聴

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO7 | 09:45 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Harmonic 313 - When Machines Exceed Human Intelligence (Warp Records:WARPCD175)
Harmonic 313-When Machines Exceed Human Intelligence
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
90年代前半の輝けるアンビエント黄金時代を謳歌したGlobal Communicationのメンバーの一人、Mark Pritchardがテクノに還ってきました。一時期はTroubleman名義でブラジリアンハウスやボサノバに傾倒しておりましたが、このHarmonic 313名義では彼が影響を受けたデトロイトテクノ/エレクトロやヒップホップをどっぷり掘り返した内容となっております。プロジェクト名に付いている313(デトロイトのエリアコード)からも分かる通り、かなりの本気っぷり。つか余りにも先祖返りしていて、ちょっと吹いた。本作はどう聴いても最凶のエレクトロユニット・Drexciyaの影響がでかい。極太のベースラインとかコズミックなシンセサウンドとか、何と言う時代外れなレトロフューチャーな音なんだろう。ザクザクとしたエッジの強いリズムはホップホップからの影響がそのまんまだし、まさかここまでオールドスクールな方向に行くとは思いもしなかった。が、流石は音響派の元GCのメンバーだけあって、レトロではあるが緻密に構成された音楽を聴かせてくれるのも事実。オールドスクールではあるが雑ではなく、その荒々しい逞しい音は保持しつつUKっぽい洗練・上質な雰囲気も持ち合わせている。またテクノではあるが生きたビートも打ち鳴らされ、テクノには魂が通っている事を気付かせれくれる。デトロイトを外部の視点から見たアーティストが作ると本作になる、そんな模範的な音。ここまで先祖返りするのは予想外だったけど、テクノにとってデトロイトは聖地であり尊敬の地でもあるのでご愛嬌ですね。

試聴

Check "Mark Pritchard"
| TECHNO6 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Muting The Noise 01 (Innervisions:INNERVISIONSCD02)
Muting The Noise 01
Amazonで詳しく見る(日本盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤)
現在、ミニマルやハウスと言った音楽では最も注目を集めているであろうレーベルが、ドイツのInnervisions。Âmeの大ヒットに続き、Tokyo Black Star、Henrik Schwarz、Marcus Worgullら注目株だけでなく、フランスのテクノ伝道師・Laurent GarnierやChateau Flightさえもこのレーベルから新作を発表するなど、才能あるアーティストが続々とInnervisionsに集結しております。ところで現在のダンスミュージックシーンの最先端を進んでいるであろうInnervisionsですが、本作はビートレスな曲中心の非ダンスミュージック的なコンピレーションです。"Muting The Noise"と言うタイトルからも分かる通り、肉体に躍動を呼び起こすのではなく精神に安堵と快適をもたらすはずの静かな内容です。と言ってもアンビエントやチルアウトの様に浮遊感があって底抜けに享楽的かと言うとそうでもないし、内省的でどこか重苦しさを感じます。シンセの音色などは美しいけれどInnervisionらしいドゥープな面も見え隠れしていて、快楽の中に一滴だけ毒液が注入された様なイメージ。個性が強いので場合によっては逆に落ち着けなくなる様な音ではありますが、Innervisionsがそれだけ独特の音を放っていると言う事かもしれません。ジャーマンプログレの大御所・Klaus Schulzeを参加させたのは驚きですが、相変わらず18分と長尺な曲を提供していてどぅぅぅ〜んと気分も重くなりました。

試聴

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO6 | 18:15 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Jedi Selector Mixed By Tom Middleton (Smugg Records:G-GUMSCD004)
Jedi Selector Mixed By Tom Middleton
Amazonで詳しく見る

これはびっくりこのレビューの時点で1000円札一枚出せばおつりが返ってくる金額で、Global Communication(以下GC)のMIXCD(2000年作)が購入出来てしまいます。今作はGCのメンバーであるTom MiddletonとMark PritchardがJedi KnightsやSecret Ingredientsなどの変名でリリースした曲を、TomがMIXしたアルバムでございます。最初に言っておきますが全然アンビエントテクノではありまんせが、これもGCの傑作です。彼らの初期の活動はアンビエント中心であったのですが、近年のソロ活動ではハウスやらブレイクビーツやらボサノバなんかにも手を出したりして雑食性をより高めていて、その始まりがJedi Knights名義であったのでしょう。かなりファンキー度が高めのオールドスクールなシカゴハウス、ブロークンビーツばかりの連発。わざとださめのエレクトロ風な音も使用していて、完全に旧時代の音を再現していますね。上下に揺さぶられるテンションの高いリズムでズンズンと体を弾ませ、そこに美麗な上物も混じったりしてしっかりメロディアスな点もキープ。アメリカ産のハウスに負けない超ファンキーな出来で、GCの豊かなる才能がアンビエント以外でも見受けられます。内容も素晴らしく破格の値段で購入出来るので、これは要チェック。

試聴

Check "Global Communication"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Troubleman - The First Phase (Far Out Recordings:FARO093CD)
Troubleman-The First Phase
Amazonで詳しく見る

一悶着ありそうなユニット名を持つTroublemanとは、実は90年代のアンビエントシーンを代表するGlobal Communication(以下GC)のメンバーの片割れ・Mark Pritchardだ。GCについてはこのブログでも何度か紹介しているの深くは紹介しないが、今でもカルト的な人気を誇るユニットであるのは間違い無い。さて、このTroublemanの2NDアルバムだが、実は新作や未発表曲、EP収録のAzymuthやStereo Peopleのリミックスも収録した変則的アルバムである。AzymuthやStereo Peopleが出た所で察しの良い方は気付いたと思うが、Troublemanは実はブラジリアンボッサハウスみたいな音楽をやっている。正直GCとは別物として接してもらうしかないのだが、爽やかなブロークンビーツを奏でる1stアルバム(過去レビュー)は結構好きだったんだな。2NDもまあ内容的にはほぼ一緒なんだけど、若干曲のメロウ度が下がったように感じる。リズムも相変わらず良く跳ねてはいるけれど、これも1st程の強烈なビートや起伏は減ったかも。一般的に見れば充分な水準には達しているとは思うが、GCのメンバーなのでそれ以上を期待しちゃうんだよね。しかしドラムはプログラミングなのかな?小気味良いノリでざっくりした感じが生っぽいけど、なかなか良いグルーヴは出してるじゃない。もうちょっと上物がテッキーだったら、面白い作風になるかもね。

試聴

Check "Mark Pritchard"
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Global Communication - 76:14 (Discotheque:DQFDD014)
Global Communication-76:14
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(UK盤)
90年代のアンビエントシーンにおいて、The Orb、KLF、Mixmaster Morrisと並ぶ重要なユニット・Global Communication。かつてはAphex Twinとも活動していたと噂のあるTom MiddletonとMark Pritchardから成るユニットなのですが、前述の3人とはまた異なるアンビエントを繰り広げています。悪意とユーモアに満ちたThe Orb、ナンセンスなKLF、トラベラーズ志向のMixmaster Morrisに対し、Global Communicationは極めて真面目で音そのものの気持ち良さを追求している様に思います。このアルバムでは曲のタイトルに曲の演奏時間を付ける事により、無駄なイメージが働かないようにされ、より音その物から想像する喚起力を持っています。全編ほぼノンビートで構成されスピリチュアルなシンセ音が空間を埋め尽くし、謎めいた神秘の世界にいつのまにか誘われます。強烈な亜空間を生み出すでも無く、ドラッグでの快楽を生み出すでも無く、ただただ心地良い音色に耳を傾けるだけで良い。優しい夢の世界に身も心も任せてしまえば良いのです。

そして90年代の屈指の名盤ながらも廃盤となっていたこのアルバムが、2005年にスペシャルエディションとしてリイシューされたので、持ってない人は是非この機会に購入すべし。なんとボーナスディスクに、彼らのEPやリミックスワークを収録。アンビエント以外にもブロークンビーツやらハウスやらをやっていて、彼らの音楽性の広さを伺えます。ボーナスディスクも充実した内容で、これまら素晴らしいです。

2008/03/14追記:US盤は安いですがDISC1のみです。

試聴

Check "Global Communication"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Global Communication - Fabric 26 (Fabric Records:FABRIC51)
Global Communication-Fabric 26
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
90年代においてアンビエントテクノは時代を謳歌し、確実に最良の瞬間がありました。その当時活躍していたのはThe OrbやKLF、The Irresistible Force、そしてこのGlobal Communication(以下GC)で、彼らこそアンビエントテクノの代表者と言っても過言ではないでしょう。GCはTroublemanとしても活躍するMark PritchardとTom Middletonから成るユニットなのですが、近年は全く活動をしてなかったので解散したと思っていました。ところがなんとFabricシリーズにGC名義で参加が決まってびっくりです。もちろんMarkとTomの二人によるミックスではありますが、更にびっくりなのは全然アンビエントテクノでは無い事。Tomは元々クロスオーヴァーなプレイをするのを聴いていたので違和感は無いのですが、GC名義でもダウンテンポ、トリップホップ、テクノ、ハウスとごちゃまぜでこれはGCファンには確実に物議を醸し出すプレイかもしれません。しかし個人的には序盤のダウンテンポでけだるいスモーカーズサウンドから、徐々にジャジーでスイングする展開になり、盛り上げ気味にテックハウスのクールな4つ打ちに移行する流れが素晴らしかったです。前半のダウンテンポには最初は戸惑うかもしれませんが、後半への布石と考えるとこれはこれで良いのかなと。後半はやはりテクノのユニットらしく、エレクトロニックな洗練された音でまとめて良い感じで締めましたね。またFabricシリーズに名作が加わりました。全編アンビエントなプレイも聴いてみたいと言う欲望もありますが、それはまたいつか。

試聴

Check "Global Communication"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Troubleman - Time Out of Mind (Far Out Recordings:FARO 085CD)
Troubleman-Time Out of Mind
Amazonで詳しく見る

TroublemanことMark Pritchardと言えば、元Global Communicationの片割れです。そんな人がTroubleman名義で出したアルバムは、何故かアンビエントハウスでは無くブラジリアンハウス。そしてこれが予想以上に素晴らしい。アンビエントのかけらも全くないのに、ファンを納得させられるのだろうか?いえいえ、これが納得させるには充分な内容を持っているのです。ブラジリアンフレイヴァーたっぷりのこの音楽は、夏が最も似合うアルバムだろう。くそ暑い都会の中でもこれをかければ、一気に熱が引き涼しげな昼下がりを満喫出来るに違いない。ボッサやブロークンビーツ調の曲もあり、お洒落なラウンジミュージックとしても通用するに違いない。時には音楽に合わせて陽気な気分で踊ってしまうかもしれない。そして表題曲はブラジリアンテックハウスとも言えるスペーシーな曲で、最近のIan O'Brienなんかにもリンクする音になっている。と言ってもテクノ調では無く、あくまで生音メインで高揚感を表現していますが。今が冬なので季節が合わず残念だが、真夏のサウダージ感たっぷりの意外な名作です。

試聴

Check "Mark Pritchard"
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |