DJ Nature - Let The Children Play (Jazzy Spot:JSPCDK-1021)
DJ Nature - Let The Children Play
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ブリストルの伝説的ユニットとも言えるMassive Attack、その前身として存在したThe Wild BunchのメンバーにMilo JohnsonことDJ Miloが居た。しかしアブストラクトなヒップホップにも多大なる影響を及ぼしながらも、90年代の活動と言えば表街道を突き進むMassive Attackとは対照的にアンダーグラウンドに身を沈めていた。そのDJ Miloが再度日の目を見るようになったのが2010年からのGolf ChannelからリリースしたDJ Nature名義の一連の作品であり、その行き先は様々なブラック・ミュージックをコラージュ的に掛け合わせた"Return Of The Savage"(過去レビュー)へと繋がった。同時にDJ Natureは並行して日本のJazzy Spotとも接続し幾つかのEPをリリースしていたのだが、その作品も高い評価を得た成果がこのニューアルバムへと結実した。Golf Channelの作品群と同様にブラック・ミュージックへの愛情は変わる事はないが、それらと比べると本作はハウス・ビートが中心となっており、生っぽいざらつきを残しながらもより清廉とした音の選び方がある。エレピやサックスはアドリブ的に自由さを残した旋律を奏で、そこに優雅な佇まいを演出するストリングスが彩りを施し、デトロイト・ビートダウンのようなざらついたリズムが臨場感を生んでいるが、そのどれもが過度に鳴り過ぎる事もなく控え目に情緒を演出する事に繋がっている。コラージュの魅力と雑っぽくも力強いビートへこだわった前作とは異なり、アフロやジャズにソウルなどブラック・ミュージックを丁寧に発酵させ成熟させたような大人っぽさがあり、良い意味でも非常にお洒落で優雅なハウス・ミュージックでもある。"Return Of The Savage"が裏街道だとしたら、"Let The Children Play"は表街道か、2枚どちらも聴く事でDJ Natureの魅力をより理解する事が出来るだろう。



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| HOUSE9 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Silent Poets - Another Trip From Sun (ANOTHER TRIP:ANTP-001)
Silent Poets - Another Trip From Sun
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日本におけるダウンテンポの先駆者である下田法晴ことSilent Poets。メロウな叙情と湿り気を帯びたダブ処理を施したダウンテンポはMassive Attackへの日本からの回答とも思われるが、決してオーバーグラウンドを行くでもなくその音楽性は実に寡黙で静かに心に火を灯す。そして8年ぶりとなる新作は前作"SUN"(過去レビュー)を解体/再構築したダブアルバムなのだが、元々がダブであった筈なのにこのダブアルバムとは一体?

その謎はこちらのインタビューで本人が述べているのだが、その当時共同プロデューサーとして参加したDJ YellowことAlain Hoが選んだエンジニアが、Silent Poetsとして求めるダブ的センスとは異なっていたと言うのが実情のようだ。結局はその方向性の違いを修正出来ないままアルバムは完成したものの、長らく心の中にはモヤモヤとした違和感が残り続けていたのだろう。

そして2013年、過去の作品でエンジニアを担当していた渡辺省二郎と再度手を組み完成させのたが、この"Another Trip From Sun"だと言う。物悲しくも優雅なストリングスが主張していたオリジナルに対して、このダブアルバムはその通りに残響をより強調し奥行きのある空間演出をする事でダブらしさを引き出している。豪華に纏っていたストリングスなどは残しつつも後退し、踊る欲求を呼び起こすようにダブ処理されたリズムが前面へと出る事で、全体として随分と身が引き締まったように感じられる。当方は決してオリジナル盤を今でも否定はしないが、下田氏が違和感として感じていたのは恐らく綺麗に着飾りすぎていた事なのではないだろうか。そんなオリジナル盤に比べると本作はメランコリーな空気としては変わらないものの、無駄な音は削ぎ落して少ない音が間を強調し、寂静感が美しいメロディーをより際立たせる事になっていると思う。まるで湖畔に朝靄が立ち込めるような幻想的な風景が浮かび上がり、そして淡い朝日が少しずつ差し込んでくる微睡みの時間帯、そんな心地良いムードがあるダブアルバム。目覚めの時がやってきた。

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| ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Nature - Return Of The Savage (Golf Channel Recordings:Channel 024)
DJ Nature - Return Of The Savage
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Massive Attackの母体となり所謂ブリストル系へと繋がるきっかけとなったThe Wild Bunch。そのメンバーこそNellee Hooper、Daddy G、Robert Del Naja、Andrew Vowles、そしてDJ MiloことDJ Natureであった。残念ながらメンバーの分裂によりユニットは解散してしまうもののNellee Hooperは表舞台のプロデューサーとして、そして残りの三人はMassive Attackとして華々しい活躍を見せたが、最後の一人であるDJ Natureは長らく陽の目を浴びる事はなかった。いや地味には活動をしていたようではあるし、02〜03年にはMIXCDやDJ Milo名義でのアルバムもリリースをしていたが、決して元The Wild Bunchとしての風格を見せつけるまでではなかったと思う。転機はおそらく2010年にGolf ChannelやJazzy SportからDJ Nature名義でのリリースを始めた事だろうが、そこではハウスにディスコ/ファンク/ジャズと言った様々なブラックミュージックの要素を溶かし込みより生っぽくとロウな質感のDJ的なトラックを披露していた。2年に渡り9枚ものEPをリリースしそのどれもが正統な評価を得たが、ようやく完成したアルバムは全曲が新曲と言う意欲作だ。これは初期のMassive Attackが持ち合わせていた黒さやスローなビートを同じく含んではいるが、表向きは敢えてMassive Attack程の整ったプロダクションは聴かせず、わざとざっくりとした質感を残す事でアルバム・タイトルである"野蛮人の帰還"へと繋がっているようだ。全体的にスローに絡み付くビートを張り巡らしながら、ピアノ/オルガンと言った鍵盤系からトロンボーン/サックスのホーン系に美しいストリングスなどこれでもかと生っぽくコラージュし、その上を官能的なボーカルで黒く紫煙で染め上げていく。そして基本はハウスの4つ打ちではあるがその中にもルーツを感じさせるブラックミュージックの咀嚼があり、過去を振り返りつつも今のアンダーグラウンドなクラブミュージックへと至る流れがしっかりと感じられるのだ。何というかとても人間臭い音楽で、そして包容力のあるダンス・ミュージックであると思う。ちなみにCD/アナログどちらもダウンロード・コード付きなので、是非アナログで買うべきだろう。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Massive Attack - Blue Lines 2012 Mix Master (Virgin Records:WBRCDR1)
Massive Attack - Blue Lines
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兎にも角にも音楽業界は名作・傑作と言われる盤のリイシューに力を入れているが、ブリストルの音楽を決定付けたMassive Attackの永遠のクラシックである"Blue Lines"も20年余の時を経て復活した。勿論当時のままリイシューさせるだけでは売れる訳もないのでリマスターと言う作業を行うのだが、本作では新たにミックスもし直されているとの事。その結果としてベースラインなどの低音の響きは重厚になり、また空間の広がりや奥深さがより際立ちを見せ、くっきりとした明瞭な音質になったように聞こえる。リマスター&リミックスさまさまなリイシューは嬉しい限りだが、昔からのファンでなくとも本作は多くの人に聴いて欲しいと思えるアルバムだ。これがリリースされた当時は(既に死語ではあるが)トリップ・ホップとも称されたその音楽性は、ヒップホップをベースにロックやソウル、ファンクにレゲエなどを取り込んでUKブラックと言える黒くて図太く、そして麗しいモノだった。そして忘れてはならないのが本作にはMassive Attackの前身であるWild Bunch時代から続くDJとしての音楽性が如実に表れている事であり、床を這いずりまわるベースラインやゆったりとそして並のようにうねるビートプログラミングやループの多用など、彼らが如何にクラブミュージックに結び付いていたかが感じられるだろう。2000年以降のユニットが極度に肥大化するに連れ過去を振り払うかのようにロックに接近し黒さを失って行くのとは対照的に、本作ではあくまで彼らを育てた場所の音楽を吸収し咀嚼した上でのヒップホップを体現していたのだ。複数のシンガーを起用しつつ自身ら3人のメンバーもラップを披露し、曲毎に歌やラップが時に暗く陰鬱に、時にソウルフルに響き暗い世界感に湿度の高い叙情を付加していた点も聴き所だろう。その結果として本作に収録された"Unfinished Sympathy"は、テクノやハウスのDJにもプレイされる事になり今尚クラブミュージックの現場では活躍している。余りにも90年代前半のUKと言う時代を感じさせる作品ではあるものの、本当に素晴らしい名曲が並んでいるのだからクラシックと呼ぶしかないのだ。



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| ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/5/18 PRIMITIVE INC. & UNIT presents KOMPAKT JAPAN 02 @ Unit
日本に於けるKompaktのレーベルショーケース第2弾のパーティーには、ブラジルからのGui BorattoとKompaktのブッキングマネージャーも務めるScharre、そして日本のKompakt代表であるKaito aka Hiroshi Watanabe、そしてDJ Yogurtが出演する徹頭徹尾テクノナイト。特にGui Borattoは前回の来日が平日であった為に聴く事が出来る人も多くなかったのですが、この度念願叶って週末でUNITへの出演をようやく果たしました。
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| EVENT REPORT3 | 17:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2010/10/10 MADCHESTER NIGHT 2010 @ SEATA
イギリスにおいて90年前後に爆発したムーブメント、それがマッドチェスター。ダンスとロックの邂逅によるインディーダンス、アシッドハウスによるトリップ、危険なエクスタシーの誘惑はクラブ・ハシエンダでの狂乱を呼び起こし、ロック野郎共さえもダンスの道に引き込んでしまった。今回はマッドチェスターの時代を体験したDJ Yoda、Kenji Takimi、DJ Yogurtの3人がそんな時代を再現した。

内容に関してはもうツボに入りまくりの選曲で、Primal Scream、My Bloody Valentine、The Stone Roses、New Order、The Charlatans、James、The La's、KLF、The Boo Radleys、Rideなどのロックミュージックのダンスリミックスを中心とした踊れてロッキンなプレイ。つまりはロックとダンスが交差して個人的には一番ロックが楽しかった時代を思い出させる内容で、今となってはちょっとダサさも漂うインディーダンスを懐かしくも思いつつ腰にグイグイくるグルーヴでしっかりと踊らせて頂きました。予想していたアシッドハウスやアンビエントハウスは殆どかからなかったはずで、踊れるロックと言うコンセプトでプレイしたのかもしれないですね。残念ながら朝方4時頃にクラブを出てしまったのでDJ Yodaのプレイは聴けなかったのですが、その後にもBlurやMassive AttackもプレイされUKロック満載な一夜だった様です。一年に一度のパーティーだそうですが、たまにはこんな時代を感じさせるコテコテなパーティーは懐かしさもあって楽しいものです。また来年も是非!
| EVENT REPORT3 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Michael Mayer - Immer 3 (Kompakt:KOMPAKT CD 83)
Michael Mayer - Immer 3
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KOMPAKTの共同設立者・主宰者であるMichael Mayerが手掛けるImmerシリーズ4年ぶりの3作目。KOMPAKTの他のコンセプトがあるMIXCDやコンピに比べると、このシリーズはMayer独壇場の好きな曲をプレイすると言うパーソナリティーの強い内容となっております。歌物テクノやベルリンミニマル、テックハウス、シューゲイザーなど一見まとまりの無い選曲ながらも、KOMPAKTの要素の一つであるポップなキュートさとニューウェーブ的な不安を感じさせる陰鬱な空気が混じり合い、今までのシリーズをほぼ継承しております。ただ前作に比べると多少重苦しくそしてクラブ的なダンスのグルーヴは弱まっていて、一つ一つの曲をじっくり聴く印象が強め。元々収録されている曲がどれも個性やアクが強い分、ミックスの流れや妙技を楽しむと言うよりはコンピ的な聴き方になってしまうのですね。Round Twoの傑作ディープハウスをクラシック風にカヴァーした"New Day"や、話題になっているMassive Attackの"Paradise Circus(Gui Boratto Remix)"など、確かに存在感のある曲がずらりと並んでいて気の利いた内容ではあるのかな。

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| TECHNO8 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Massive Attack - Heligoland (Virgin:CDV3070)
Massive Attack - Heligoland
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既に活動暦も20年に及ぶブリストル系の先駆者・Massive Attackの7年ぶり通算5枚目のアルバム。これだけ活動が長ければ当然音にも変化が生じるのでしょうが、もう彼らはクラブサウンドには全く興味が無いんだと感じさせるのが本作。1stでのヒップホップやレゲエ、ダブをサンプリングなどを駆使して練り上げたトリップホップなる音は本作には皆無で、ここでは以前よりも更に生演奏の割合が増えポストロックとエレクトロニカの折衷主義が前面に出ています。その分地面を這うような重いベースラインは全く聴こえてこず、薄っぺらい上物の平坦なメロディーだけでだらだら引っ張る曲が多数。腰を揺らすリズムの妙や光と闇を行きかう色彩豊かな感覚、そして滲み出ていた絶対的な黒さは失われ、モノトーンで人工的な感触だけが残りました。サンプリングやプログラミングを多用しクラブサウンドだった頃の方が、今よりも吐息も漏れる艶があり温かい血が通っていたのはなんとも皮肉な事でしょうか。クレジット見る限りだとDaddy Gはプロデュースに名を連ねていないし、もしかしたらボーカルとして参加しているだけの気がする。と言う事はやはり本作も3Dが指揮を取って制作したアルバムの可能性が高いけれど、それでマッシブアタックと言うユニット名を名乗るのは正直どうなのよと思う。マッシュルームが抜けてからのマッシブアタックは精彩を欠いているけれど、3人揃ってこそ輝いていた事からも音楽はマジックなのだと痛感した。

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| ETC3 | 06:30 | comments(6) | trackbacks(1) | |
2009/12/15 T.P.P. @ EFFECT
AT-FIELDメンバーがT.P.P.へ出張プレイ。90年代縛りのパーティーで、自分的にはマッドチェスターとかセカンド・サマー・オブ・ラブ辺りの音楽は大好きなんで、そう言ったのを意識した選曲でやらせて頂きました。以下トラックリスト。前半はダブ系でゆったりと、中盤でアンビエントからトランシーなのに移行し、ラスト3曲の歌物でぐっと締めた感じです。選曲が偏っているけれど、どうしても自分はそこからは逃げられないのです。

Nightmares On Wax - Les Nuits
Primal Scream - Screamdelica
Massive Attack - Be Thankful For What You Got
Primal Scream - The Big Man and the Scream Team Meet the Barmy Army Uptown
The Orb - Towers Of Dub (Live)
Primal Scream - Higher Than The Sun
System 7 - Davy Jones' Locker
Reload - La Soleil Et La Mer
The Orb - Assassin (Live)
Orbital - Halcyon (Tom Middleton Re-Model)
System 7 - Night Owl
Denki Groove - Niji
Last Rhythm - Last Rhythm (Tom Middleton Re-Model)
Round One - I'm Your Brother
Larry Heard - I Need You
SWV - Right Here (Human Nature Remix)

フジカワさんや全玉 aka しょーこ+下川カユコ aka 中川ユカコのBack 2 Backは、ダンスロックやテクノ、レイブ物まで幅広い選曲で90年代を表現しておりました。自分には無いユーモアを持っているので、自分も見習いたいなぁ〜と思う事は多々あります。

そしてど平日なのに来て下さった多くの方々、どうもありがとうございました。やはり聴いてくれる方がいると素直に嬉しいし、DJにも力が入ります。これからも機会があれば、どしどし回せるようにしたいですね。
| EVENT REPORT2 | 16:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Silent Poets - For Nothing (Toy's Factory:TFCC-88216)
Silent Poets-For Nothing
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和製版Massive Attackと言えば分かりやすいでしょうか、下田法晴のユニット・Silent Poets。一時期リリースを全くしていなかったので気付きにくいのですが、実は90年代前半から長きに渡って活動しているベテランなんです。そのユニット名の通り静的な音楽ながらも奥に秘めたるソウルは温かく、聴いていてとてもリラックス出来るダウンテンポな音楽。最初にMassive Attackとか言っちゃったけどあちらと違ってサンプリングネタ勝負の音楽ではなくて、プログラミングや生演奏も取り入れて全部オリジナルな音源のみで静かな佇まいを演出しています。一時期はかなりレゲエ色を強めた時期もあったけどこの作品では汗臭さは皆無で、ムーディーさ・アダルティーさが前面に出ていて重苦しさよりも快適さが感じられます。言うならば朝日が昇る頃のまだ夢うつつな時間にぴったりな内容で、とても優しく静謐な世界が広がっています。ピアノやストリングスの使い方が繊細かつ上品で、嫌味っぽいどころかユニット名にしっくり来るムード。普段はノリノリなテクノとか聴いているけれど、疲れた時なんかにはこんな落ち着きのある音が耳には良いのです。日本にSilent Poetsと言うユニットが居る事は、世界に誇るべき。

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| ETC2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Massive Attack vs. Mad Professor - No Protection (Wild Bunch Records:WBRCD3)
Massive Attack vs. Mad Professor-No Protection
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果たして本当に新作が出るのか、そして新作が出たとして期待に応える作品が出せるのか、現在は相当懐疑的になっているMassive Attack。DJ MushroomことAndrew Vowlesが脱退して以降は主導権を握っている3DことRobert Del NajaとDaddy GことGrant Marshallの意思疎通も取れているのか疑わしく、どうも今後の活動に一抹の不安を感じております。新作が出ないのでなんとなく今まで購入を見送っていた本アルバムを購入してみました。この作品は2NDアルバムである"Protection"(過去レビュー)を、ダブをやらせたら随一のMad Professorにリミックスさせた作品。今まで購入していなかったのはそこまでダブ自体を普段聴いてないからでして、しかしやはり本作を聴いて食わず嫌いは良くないねと痛感致しました。いやーこれ良いよ、オリジナルアルバムに負けじ劣らず。元々がメランコリックな作風だったのですがその感触は失わずに、リヴァーブやエコーなどのエフェクト処理により奥行感が断然に増しております。また時には音をぐちゃっと潰したりして破壊的で荒廃した雰囲気を創り出したりし、オリジナルとは違った闇や陰鬱な音を聴かせてくれます。そしてそんな中でこそ映える美しさ、そうメランコリックな情緒が原曲以上に更に輝きを見せるのだと思いました。

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| ETC2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Bjork - Debut (Mother Records:521 323-2)
Bjork-Debut
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中古5枚1000円で買った内の一枚、ビョークのソロデビュー作品。個人的にはこの頃のビョークが一番好きです。ジャケットもこの頃が一番可愛かった(萌え〜)のに、リリースを重ねる内にCGで加工してサイバー化していった元ロリータ。そして音の方も同様にエレクトロニック度を深め、初期の頃からは想像出来ない方向に行ってしまったよ(泣)。まあボーカルだけは今も変わってないと思う。それはさておきこの人の売り方の上手さは、アルバム毎にその時代の音であるアーティストをプロデューサーに迎えている事でしょうか。今までにLFOのMark Bell、Matmos、808 StateのGraham Massey、Tricky、Howie B.などがアルバムに参加していて、この人選を見る限りビョークってクラブミュージックが好きなんだね。そして本作では何とMassive Attack、Soul II Soulで名を馳せたNellee Hooperがプロデュースを手掛けております。うむ、ビョークは音楽のセンスが良いですね。と言う事でやはり本作は、彼女の作品の中ではかなりクラブミュージック(ハウスビート)色が濃厚です。踊れる、またはスムースに気持ち良いビートが満載ですが、またそれと同時に若さを感じさせるポップなメロディーが多く良い意味で聴きやすいです。でもボーカルだけは既に妖艶さを伴っていて、アルバム全体を崇高な雰囲気に染め上げているのは流石です。どうでもいいけれど、ほんとにこのジャケは萌えだ。萌え〜萌え〜

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| ETC2 | 22:40 | comments(6) | trackbacks(2) | |
Massive Attack - Protection (Virgin Records:7243 8 39883 2 7)
Massive Attack-Protection
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毎度毎度アルバムリリースの間隔が長くて、ファンをヤキモキさせるブリストルシーンの最重要ユニット・Massive Attack。トリップホップと呼ばれるジャンルを開拓したそのサウンドは、ヒップホップやダブ、レゲエを高密度に圧縮し練り上げた非常に粘性の高い音で、一大ムーブメントを引き起こしたと言っても過言ではないでしょう。そんな彼らの1994年リリースの2NDアルバムが"Protection"。基本的に彼らの作品に駄作は無し(最新作を除く)と思っていますが、このアルバムも非常に素晴らしいです。彼らの中では一番レゲエとかヒップホップ色が強いと思うこのアルバムですが、それだけだったら僕は聴くのは逆にしんどいですね。どうして僕が彼らのアルバムを聴ける事が出来るのかと説明するならば、ブルージーなギターカッティングやメランコリックなピアノの音色、柔軟で広がりのあるストリングス、どこか陰りがあり神妙めいたゲストボーカルの歌などを、細かく緻密に配置してドラマチックで精美な世界観を創り上げているからです。Everything But The GirlのTracey Thornがボーカルをとる"Protection"を聴いてみなよ。後半のピアノアルペジオが流れる辺りでは、じんわりと心の底から込み上げる物があります。Trickyが歌う"Karmacoma"は、ズブズブと沼にはまっていくマッドな音ですね。Craig Armstrongがピアノを演奏する"Heat Miser"も、闇の中に光明が射してくるみたいで泣けてきます。ブラックミュージックを基にはしているのだけれど、それをUK流の美しい音と組み合わせ再構築した作業は確実に新たなるシーンを創り出したと言えるでしょう。Nicolette、Horace Andy、Nellee Hooperとゲスト陣も強力でこれ以上は考えられない最高のトリップホップアルバムだと思いますね。しかし異様に湿度が高いと言うか、何だこのずぶ濡れの音は…。

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| ETC1 | 23:00 | comments(5) | trackbacks(1) | |
Burial - Burial (Hyperdub:HDBCD001)
Burial-Burial
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最近ですねー、ダブステップなる音楽が流行っているらしいんですよ。一体どんな音楽なんだろうと調べてみたのですが、いまいちわかりません。グライムやUKガラージ、2ステップが更に進化したもの?なのでしょうか。でもその前にグライムとか2ステップとかも、全く訳が分かりません。しょうがないので某雑誌で超推薦盤のBurialなるアーティストのアルバムを買ってみました。まずレーベル名からして、かなりキテます。

その名も「Hyperdub」。ハイパーダブ??!!

一体どんなダブやねんって感じですが、実際聴いてみるとまああながち嘘でもないかなと。全盛期のMassive Attackにも負けないメランコリーと、ズブズブの黒いグルーヴ。楽天的なムードは皆無で、重く暗く完全に閉塞された世界観。レゲエ、ダブ、ドラムンベースなどがドロッと混じり合った泥臭い音で、密閉された空間にスモーキーな空気が満ちてきます。開放感なんて物は全くないけれど、でもどこか人間の温かさに触れる事の出来るソウルフルな感触もあります。決して悲観はせずに、希望を見出すような、先の信じる事の出来るエネルギーが詰まっています。スローで黒光りする音の泥に包まれて、奇妙な恍惚感に出会いました。これがダブステップなのね…結局、言葉じゃ説明し辛いですね。

Basic ChannelことRhythm & Soundとは無関係ですが、音的には近いのでRhythm & Sound好きな人も要チェック!

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Nightmares on Wax - DJ-Kicks (Studio !K7:!K7093CD)
Nightmares on Wax-DJ-Kicks
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気付いたらもう12月、今年も残るは一ヶ月だけですね。時の流れはどんどん速くなり、どんどん歳を食う自分にしみじみ。気になる音楽は一杯リリースされてのんびり聞き込む時間は減ったし、こんなブログの更新の仕方で良いのかな。とぼやいてもしょうがないし、年末に向けてまだまだベターな音楽を紹介してゆきます。

せわしない毎日の中でゆったりと寛ろぎたいなら、やはりダウンテンポでスロウな音楽が良いよね!と言う事でテクノレーベル・Warp Recordsの異端児・Nightmares on WaxのMIXCDがお勧めです。彼はヒップホップ、ソウル、レゲエをトロトロに融合し、重くねちっこい黒人音楽を再生させたのですが、ヒップホップが苦手な僕にも聴きやすいムードを演出するのですね。そんな彼がDJをすればヒップホップだってレゲエだって、たちまち落ち着いて洒落の感じさせるダウンテンポなミックスプレイに様変わり。僕がヒップホップが苦手な訳はあの独特なラップにあるのですが、Nightmares on Waxの場合そこにメロウで憂いのある要素を注入する事で、ファンキーな音を失わずにムードを生み出すんですわ。ビートはかなり複雑で落ち着かないと思いがちですが、重く低くべた〜っとしたグルーヴなので、ゆるゆるの空気を作り出して気持ち良いですよ。後半ではビートが多少強くなって、黒いファンクネスも増していきついつい踊り出しちゃう展開も…。全体的にMassive Attackをもうちょっと艶めかしくした様な雰囲気があって、そこまではヘヴィーじゃなくて聞き易いですよ。

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| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Everything But The Girl - Walking Wounded (Virgin Records:CDV2803)
Everything But The Girl-Walking Wounded
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昨日紹介したBen WattのメインプロジェクトがEverything But The Girl。メインにボーカルを務めるのはMassive Attackらのアルバムにも参加経歴のあるTracey Thorn。このTracey ThornとBen Watt、1984年頃からEBTGとして活動を始めるものの、当初はアコースティック色の強いボサノヴァ風の曲などをリリースしていました。既にそう言った曲調の時代から人気はあったようですが、一気に名前を広げたのは1995年リリースの「Walking Wounded」に依ってであります。その時のご時世と言えばとにもかくにもドラムンベースで、お店に行っても雑誌でもドラムンベースの言葉を見ない事は無かった気がします。そんな流れに一緒に乗っかりEBTGもごく自然とドラムンベースやハウスサウンドを取り入れ、アコースティックな時代とは別れを告げます。この冒険はかくも世間に受け入れられ、今ではEBTGはクラブ系ユニットとしての認識されています。しかし一気に作風をガラリと変えるのは危うさを含むのに、EBGTはよくぞやったなと驚きを隠せません。この作品で爆発的に人気が出たのは流行に乗った事がきっかけなのは当然ですが、一過性に終わらなかったのは彼らの書く曲が本当に素晴らしかったからでしょう。Traceyの声はウィットで太く力強く、またバックの曲はしっとりとメランコリーを感じさせ馴染みやすいメロディーながらも落ち着きがあります。難しい流れを用意する事なく、一聴して耳に残るシンプルなメロディーはやはり素晴らしいです。夜を感じさせるマイナーな曲調が、ここまでぴったりなユニットはそうは多くないかもしれないですね。近年はEBTGの活動が止まっているので、早く再開を望みます。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(6) | trackbacks(2) | |
James Holden - At The Controls (Resist Music:RESISTCD59)
James Holden-At The Controls
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今でこそテクノやハウス方面でも注目の的になっているJames Holdenですが、元々はプログレッシブハウス畑の人です。オックスフォード大学在学中の19歳の時にリリースした「Horizons」が注目を集め、その後はSashaと共同作業をしたりリミックスを量産したり、プログレ界では若き新星として人気を誇っていたそうです。ところがその人気とは裏腹にHolden自身はレーベルの制約に縛られ、自分の好きな音楽を創れなかったと語っているのです(それで売れるなんて皮肉めいてますが…)。ならば制約に縛られない自分のレーベルを作るかと言う事で出来上がったのが、今最も旬なレーベル・Border Communityです。情報の早い人はご存じ、Nathan Fakeらを擁するプログレッシブハウスに捕らわれない真の意味で前衛的なレーベルです。ここから発信される音は、テクノともハウスともプログレともロックとも言える独特な音で、クラブミュージックとしての固定概念はありません。本当に好きな音楽を創っていると感じられるのは、その自由性の為でしょう。(逆に過去のプログレ時のHoldenが好きだった人は、今のHoldenにどう感じているんでしょうね?)

前置きが長くなりましたが、James Holdenの趣味満開のMIXCDが遂にリリースされました。これは本当に凄い、今まで数多くのMIXCDを聴いてきた僕でも結構な衝撃を受けました。いや、衝撃と言うよりもただ単純にぞっこんになってしまっただけなのですが。Richie HawtinとAphex TwinとMassive Attackが共存し、自身やBorder Communityのアーティストの曲、またはエレクトロニカやポストロックまで、多岐に渡って色々な曲が収録されています。かつては「Balance 005」(過去レビュー)と言うバリバリトランシーなMIXCDをリリースしたHoldenの姿はもはや無く、完全に一段階上がったHoldenがここに居ます。本人曰くベッドルームで聴く音楽を意識したという通り、直球ストレートなダンスミュージックはここにはありません。その代わり10代の甘酸っぱい青春を思わせる郷愁とギラギラと怪しく輝く恍惚感が共存し、身も心も溶けてしまいそうなドラッギーな世界観は今まで以上に強くなっています。Holdenの発する音は、それがプログレだろうとテクノだろうと関係無く、いつだってサイケデリックなんですね。ジャンルはばらばらでも統一感があり、そこにHoldenのセンスと言う物を感じます。これこそ新世代の到来を告げるMIXCDですよ。

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| TECHNO3 | 18:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Massive Attack - Collected (東芝EMI:TOCP66554・55)
Massive Attack-Collected
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深遠なるブリストルからの使者、Massive Attackのベスト盤が登場。ダブやレゲエ、ヒップホップなどをルーツに、煙たくじめじめと粘りけのあるブリストル系と言うジャンルを確立したMassive Attackの功績は周知の通りで、今でも唯一無二の先駆者として人気を博しています。活動歴15年ながらもアルバムは4枚と寡黙な方達ではありますが、その分駄作は決して作りません。しかしその4枚の変遷を辿ってみると彼らなりの変化もあるようで、初期の「Safe from harm」、「Karmacoma」「Sly」などははまだヒップホップ色が強めで、いかにもブラックミュージックからの流れである事を感じさせます。初期の大傑作「Unfinished sympathy」はオーケストラを取り入れた異色ながらも泣きの一曲です。3RDアルバムではかなりロック色を強めて、ギターがぐぉ〜んと唸りを上げています。彼らの中でも一番危険な香りのする廃退的サウンドで、「Angel」、「Risingson」辺りがそうですね。「Teadrop」は廃退的でありながら、闇の中に徐々に光が差し込む至高の一曲ですね。で4THアルバムの前にメンバーの一人が脱退、その上4THアルバムは残った二人の内の一人で作られたアルバムと言う事で、かなりパーソナルな出来となってしまいました(賛否両論でしたね)。「What your soul sings」、「Butterfly caught」などを聴いて貰うと音の違いが分かるかと思います。黒い粘り気が無くなり、逆に神々しくエレクトロニカを取り入れたような電子音楽化してしまいました。ん〜これには僕は理解に苦しむ物があって、彼らの評価を著しく下げてしまいましたね。そして現在の最新曲「Live with me」は、電子音楽とヒップホップの中間と言う感じ。ストリングスも取り入れ美しくも壊れやすい繊細さを感じさせますが、まだ模索段階と言った所でしょうか。とまあベスト盤の紹介をしましたが、アルバム全部持ってる自分はベスト盤なんかいらん!実は限定盤のボーナスディスクが欲しかっただけ。こっちにはレアトラックや未発表曲、ライブ音源を収録しているんですわ。Madonnaとのコラボなんかもあって、結構充実してまっせ。

どうせ買うならボーナスディスク付きの限定盤がお勧めですが、US限定盤は更に豪華でデュアルディスク仕様でCD+DVDになっています。DVDにはなんとプロモビデオが入っているとの事。アマゾンの説明だとリージョンフリーっぽいので、日本盤を買わずにUS盤を待っても損はないかも。

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| ETC1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Vladislav Delay/Antye Greie/Craig Armstrong - The Dolls (Huume:HUUME-006)
Vladislav Delay,Antye Greie,Craig Armstrong-The Dolls
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LUOMOとしても大活躍しているフィンランドのテクノ貴公子Vladislav Delayが、Antye Greie、Craig Armstrongとコラボレート。Antye Greieに関しては元々AGF名義で、Vladislav Delayとコラボレートしている女性ボーカリスト。Craig ArmstrongはMassive AttackやBjorkのアレンジャーとして、または映画に曲を提供していたりするそうです。とあんまりVladislav Delayとの繋がりは良く分かりませんが、その組み合わせは意外にも良かったです。Delayの作った不鮮明で荒廃したトラックの上に、Armstrongのメランコリックで切ないピアノが乗っかるだけで、あれよあれよと闇の世界に一筋の光が差し込んで来るようです。今にも消え入りそうで儚いGreieのボーカルと相まって、優しい温かい心で徐々に満たされていくのが分かります。Delayも普段程アブストラクさを強調する訳でもなく、どちらかと言うとメロディーを強調させる為に比較的シンプルなリズムトラックを作ったのではないでしょうか。Vladislav Delayソロよりよっぽど聴き易いですが、かといってセルアウトした訳でもなく、高みを目指す為の意味のあるコラボレーションだと思います。Massive Attackとかの奥に秘めたる美しさみたいなのがありますが、それ程黒い音ではありません。テクノって言うよりは、エクスペリメンタルジャズテクノ?でもMassive Attackとかが好きなら、気に入って頂けると思います。

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| ETC1 | 18:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Massive Attack - Mezzanine (Virgin Records:7243 8 45599 2 2)
Massive Attack-Mezzanine
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3D(Robert Del Naja)、Daddy G(Grant Marshall)、DJ Mushroom(Andrew Vowles)の3人体制での作品は、このアルバムが最後のMassive Attack。作品毎の期間が毎回4年位あるし寡黙な彼らですが、オリジナル体制の最後を飾るに相応しい最高傑作です(「Blue Lines」と言う意見も有り)。ドロドロとした粘度の高いグルーヴ、光の見えない暗闇の世界、そして垣間見せる神々しいまでの美しさは相変わらず変わっていませんが、今作の黒光り度はMassive Attack史上最強。何だろう、このヌメリと輝く怪しい黒光りする物は?ファンキーさとも違うし、ソウルとかとも違う。ジャケットの黒光りするかぶと虫が全てを物語っていると思うのだが、とにかく相当に黒の密度が濃い。また一番ロック色が強いアルバムで、廃退したディストーションギターがこれでもかと導入され、荒んだ廃墟の奥から爆音で音が出てくる様だ。これによって、「Blue Lines」派か「Mezzanine」派かで分かれると思うが、個人的には「Mezzanine」のロック的ダイナミックさが気に入っている。特に冒頭4曲は何度も何度も聴く位の素晴らしさ。今までのヒップホップ、ダブ、レゲエらしさも失われておらず、一段階進化したMassive Attackがここに有る。
(12月9日現在1,566円で安いです!)

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| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Massive Attack - Blue Lines (Virgin Records:V3126)
Massive Attack-Blue Lines
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近年のブリストル系を世界に広めたのはこのMassive Attackである事に、誰も異論は無いであろう。またはトリップホップとも呼ばれていた彼らの音楽であるが、確実に彼らの音は唯一の物であった。3D(Robert Del Naja)、Daddy G(Grant Marshall)、DJ Mushroom(Andrew Vowles)の3人で活動していたが、DJ Mushroom脱退前、後でははっきりと音楽性も異なり、3人で活躍していた頃が一番であったかなと。驚愕のこの1stアルバム、僕がこういったヒップホップから流れてきた音楽には興味が無かったものの、これにはやられた。ヒップホップ、ダブ、レゲエ、黒い粘っこいビートが地を這い回り、ずぶずぶと暗闇の中に引き込まれていく。どうしてこうもブリストル系はダークなんだろう、闇だ、夜の帷が下りてくる。うねりにうねるベースラインや精巧にループするリズムトラックなど、シンプルなトラックながらも非常に整っていて暗い音なのに美しい。そしてソウルからの影響を受けた熱を帯びたヴォーカルが、暗さの中に光を灯す。秘かに弱いながらも光は確実に存在し、ドラマチックにソウルフルにメランコリックに色を帯びていく最高の曲「Unfinished Sympathy」。ストリングスを大胆に導入し、美しいピアノとの交わりが相乗効果を生み出す。この曲の為だけでもこのアルバムを買う価値は有る。勿論それだけではなくブリストル系、トリップホップ系の音楽に興味が有るのであれば、Massive Attackを第一に聴くべきだ。

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| ETC1 | 23:30 | comments(4) | trackbacks(4) | |
Karafuto - Cisco Techno Shop 3rd Anniversary
Fumiya Tanaka

田中フミヤと言えばミニマル/クリックハウスのDJだと思われていますが、想像以上に器用なDJでありましてハウスのMIXCDなんかも出したりしていました。シスコの記念イベントで手に入れる事が出来たこのMIXCDは、P2Pソフトなんかでも流れているので容易に手に入ったりするのですが、実に販売しないのがもったいない位の素晴らしいハウス系のMIXCDであります。普段の田中フミヤからは想像出来ない穏やかで優しく、そしてアンビエントテイスト溢れるディープハウスを終始プレイ。トラックリストは付いてないので曲は詳しくはわかりませんが、Larry HeardやAphex Twin、Massive Attackなんかも使用されています。淡々とクールな田中フミヤの様ですが、やっぱり熱いソウルの持ち主と言うか普段はそういった面を隠していただけの様ですね。リズムありきのテクノMIXではなく、メロディーありきのハウスMIXでストレートに叙情性を打ち出しています。テクノと違ってMIXに関して難しいテクだとかそんな披露をする事もなく、ただただ緩やかに気持ち良い曲を繋げていき終始リラックスした空気を保ち続けているんですよね。これ、販売すれば相当売れると思うんですけどね…。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(9) | trackbacks(0) | |
Silent Poets - Sun (Rush! Production:ACCR-10043)
Silent Poets-Sun
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Silent Poets6年ぶりの新作、待ちわびていた人も多数(勝手な憶測)。初期Massive Attackにも通じるけだるくも美しいダウンテンポな作風が特徴ですが、6年経ってもその作風に大きな変化はみられませんでした。前作の後、メンバーが一人脱退して下田法晴のソロユニットになっているのですが、今作には共同プロデューサーとしてDJ YellowことAlain Hoが参加しています。ハウス好きな人にはピンと来るアーティストなのですが、正直Alain Hoの影響がどう及ぼしたのかは謎。やっぱり今作もメランコリックなストリングスが多用されて、心臓からじわじわと全身に血が巡って熱が伝わっていく暖かさがあります。ソウルフルと言うのもちょっと違う感覚で、熱気溢れると言うよりもほっとする様な暖かさですよね。また現実の忙しい生活から時間が遅れていくんじゃないかと思うほどビートは遅く、美しいサウンドに更に深みを出させています。もちろんダブが基調となっているものの粘っこさや暑苦しさもないので、普段ダブを聴かない僕なんかにもすんなり音が耳に入ってきます。一撃でやられる音楽ではないけれど、何度も聴きたくなる様な気持ち良さを感じられる良い作品だと思います。取り敢えず、活動再開した事自体に嬉しく思います。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(6) | |
Silent Poets - A Once in A Lifetime Opportunity〜Best Of Silent Poets Rare And Classics 92-02 (Flavour Of Sound Ltd:PUCA-7001)
Silent Poets-A Once in A Lifetime Opportunity〜Best Of Silent Poets Rare And Classics 92-02
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Silent Poets、そのユニット名の響きだけでも充分素晴らしいユニット。「無音の詩」とはよくぞ言ったもので、ボーカルの入っていない曲でもまるで音自体が歌っている様な世界があります。かれこれ10年間の軌跡を一まとめにしたベストアルバムなので、当然どの曲も選び抜かれ良い曲しか入っていません。全体的にけだるく艶めかしい雰囲気が漂うダウンテンポな基調なんですが、レゲエ・ダブを取り入れたその残響音の深さが時間を徐々に遅めていくかの様です。どこまでも沈みきった時にも、天上の雲の間から降り注ぐ光の様に儚いピアノの音が闇を照らし、決してダウナーになる事はありません。また曲自体の美しさを引き上げるストリングス、ソウルフルなピアニカの導入などによりダブなどが苦手な人でも聴き易いメロディアスなサウンドになっています。ずぶずぶとした夏っぽい音で、ベッドで目の重い時に聴くとベストマッチング。Massive Attack好きな人にはお勧めできるし、部屋に彩りを付けるBGMにも向いています。

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| ETC1 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
DJ Yogurt - Makin' Love Again Mix (Upset Recordings:MIXCD001)
DJ Yogurt-Makin' Love Again
UpsetsのメンバーであるDJ Yogurtのメロウでトロトロに溶ける様な夏に向けてのMIXCD。Upsetsは僕も以前にも紹介した様に、快適な睡眠薬と成り得るナチュラルなアンビエントミュージックを作っている地味だけど素晴らしいユニットです。そして今回のMIXCDはそういった快適性も保持しつつ、今度は真夏の男女の距離をぐっと近づける様なムードも持ち合わせています。今日の夕方これをかけながらベッドでゴロゴロしていたら、徐々にまどろみの中に落ちていってしまいました。本当にスロウでメロウで、すぅ〜っと心を楽にしてくれました。ダウンテンポなヴォーカル物がメインにMIXされていて、忙しい都会の生活を忘れさせてくれる様な空気が満ちてきます。Upsetsは都会では無いどこかの島みたいな快楽性を打ち出してきましたが、MIXCDでは普段の生活の中で一時的な快適性を感じる事が出来ます。何気ない日常の中にも心休める時間、空間があるんじゃないかと。そんな事を思い出させてくれます。また何よりもタイトル通り、これは男女の関係を深めるのにも持ってこいの一枚です。濃厚な甘さでは無く適度な甘さと、その場の空気を和ませる優しい音に依って、二人の距離はいつも以上に近くなる事間違いなし。女の子が自分の部屋に遊びに来たらテクノをかけないで、このMIXCDをかければ間違いなしです。後は電気を消してベッドイン…

Cisco、Union、Jet Set、HMVで購入可。

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| ETC1 | 22:49 | comments(7) | trackbacks(0) | |
Daddy G - DJ-Kicks (Studio !K7:!K7170CD)
Daddy G-DJ kicks
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Massive Attackのメンバーの1人、Daddy GがMIXと言う事で取り敢えず買ってみた。あぁ、やっぱりヒップホップやソウル、レゲエの影響が多くてずぶずぶとした感じが良いです。メンバーが1人抜けた後のMassive Attackからは感じられない、この黒さ。ダビーで原始的なリズムが強調され、都会にいるのに自然に回帰してゆくかのようです。終盤はダンサンブルになり、ラストのMassive Attack-Unfinished Sympathy(Perfecto Mix by Paul Oakenfold)はアーバンライフを思わせる、ビューティフルな名曲。途中までのヒップホップやレゲエ等の流れは無かったのか様に、感動のラストを迎えます。しかしこれも紛れもなくMassive Attackの一面でしょう。次のニューアルバムでは、又初期のような黒さを持った曲を作って欲しいですね。

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アルバムの裏面にはStudio !K7のコピー文句、「NO Copy Protection-respect the music」の文字が!つまりコピーガードは施さないと言う事です。コピーを推奨してる訳ではなく、音楽を大事にしようと言う事です。JASRACの馬鹿な会社の「respect our music」とは大違いです。音楽はJASRACの物ではありません。最近横暴の目立つJASRACは氏んで下さい。
| ETC1 | 22:38 | comments(0) | trackbacks(3) | |