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FRKWYS Vol.15: serenitatem
FRKWYS Vol.15: serenitatem (JUGEMレビュー »)
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Detroit Swindle - The Circular City EP (Heist Recordings:HEIST020)
Detroit Swindle - The Circular City EP
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2013年にDetroit Swindle自身が設立したHeist Recordingsはまだ発足から3年足らずなものの、自身の作品と共に未来ある新星のアーティストもフックアップし、ブギーかつエモーショナルなハウスとしては一大勢力となるレーベルまでに成長している。本作はHesitからリリースされたDetroit Swindleの作品として当然注目を集めない訳はないが、その上に鬼才・Matthew Herbertがリミキサーとして参加しているのだから、自然と手が伸びてしまうのも仕方ない。先ずはDetroit Swindleによる"Circular Cityだが、どっしりと重心低めでざらつきのある4つ打ちが安定感を備えており、そこにうねるマッドなベースやキレのあるカットアップ風なサンプルを持ち込み、そこにアシッド風なメロディーが乗ってくる事でキャッチーなだけではなく悪っぽさもあるファンキーなハウスとして十分な魅力を持っている。しかしHerbertが手を加えればそれは彼自身の音となるのは周知の通りで、"Circular City (Matthew Herbert's Let Yourself Go Mix Featuring Zilla)"では新たにボーカリストを起用した事でポップさを加えつつ8ビットらしい上モノも響き、Herbertらしいユーモアやキッチュな音が打ち出たエレクトロニック・ハウスへと生まれ変わっている。裏面では官能的な音から始まる"Sugar Sugar"は、しかし直ぐに切れのある4つ打ちやファンキーなベースラインがうねりながらブギーな躍動を見せ、耽美な上モノを散りばめる事で優雅さも兼ね備えたハウスとなっている。ざっくりしたビートの生っぽい質感や光沢感のある上モノの使い方もあって何だかフュージョン風な要素もあり、所謂クラブトラックではありながらも温かい響きに人間味を感じさせている。そして"Runningoutof..."もやや前のめりで勢いのあるビートに引っ張られつつも、妙な動きをするベースラインが軸となったミニマルな展開のハウスで、ツール性重視ながらもブギーな雰囲気が満載だ。Herbertのふざけたような独特の世界観を持ったリミックスは言うまでもなく素晴らしいが、Detroit Swindleもそれに負けずと彼等らしいブギーな音楽性に磨きを掛け、どれも魅力あるハウスとして十分な一枚だ。



Check "Detroit Swindle"
| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pampa Records Vol.1 (Pampa Records:PAMPALP011)
Pampa Records Vol.1
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レーベル初のショーケース・コンピレーションとは謳いながらも、レーベル外からもアーティストを招きこのアルバムの為に新曲を提供させて、しかしそれらは最終的には適切にレーベルらしい音源に纏まっている…という作品がドイツはベルリンのPampa Recordsのコンピレーションだ。2009年に設立とまだ7年程の運営ながらもレーベルを主宰するDJ Kozeを筆頭にAxel BomanやNathan FakeにLawrence、奇才と呼んでも差支えのないIsoleeにRobag Wruhme、マイナーながらも可能性を秘めるDurerstubenにDntelなど多くのDJ/アーティストの作品をリリースしてきたが、それらは単にDJとしての機能性だけではなく捻くれて奇妙なポップ性も包括した作風を確立した点で、Pampa Recordsのオリジナティーを認めさせた。当然そんな音楽性は本作にも存在し、フォークシンガーであるLianne La Havasの曲を奇才・Herbertがリミックスした"Lost & Found (Matthew Herbert Remix)"は、甘く清純な歌とポップな旋律に遊び心も感じられる構成があり、そしてダンス・ミュージックとしての滑らかに流れるハウスビートが心地良いグルーヴを生む。アルバムの中で最もポップでメランコリーなのはAdaが手掛けた"You And Me"であり、キュートで囁くような女性ボーカルとほっこりと暖かいシンセのメロディーが可愛らしい旋律が絡み合い、パーティーの朝方に使えばフロアを優しさに包み込むだろう。Pampa組のDntelは"Snowshoe"はチョップ気味なピアノや浮かんでは消える荘厳なシンセの動きが不思議なハウスを提供しており、奇妙な響きの中から優美な輝きが零れ落ちるようで、ユーモアと芸術性が混在している。Pampa外からの参入で目を見張るのが支離滅裂な電子音楽を創造するGold Pandaで、彼にしては随分と整ったハウスビートを刻む"Black Voices"は、しかしエレガントなストリングスが舞い踊り耽美なピアノが控えめに装飾する上品なダンス・ミュージックになっている。またメジャー側からはJamie XXが参加し、Kosi Kos(DJ Kozeの変名)と共同で"Come We Go"を手掛けているが、キラキラとしたレトロフューチャーなディスコの世界観と端正な4つ打ちにDJ Kozeの捻れた音響を持ち込んだ作風は、その奇妙さがやはりPampaらしくなるのだ。これら以外にも多数のアーティストが多様な音楽性を披露しており、それらは尚ポップとユーモアな感性を同居している点でDJ Kozeのレーベルを運営する上での審美眼が冴えており、本作によって信頼の置けるレーベルとしての評価を更に得るだろう。



Tracklistは続きで。
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| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - Part Eight (Accidental:AC82)
Herbert - Part Eight
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先日Herbert名義では9年ぶりとなるアルバム『The Shakes』(過去レビュー)をリリースしたMatthew Herbertの活動の中でも、特に生粋のクラブ・ミュージックのファンから高い評価を得ていたのは『Part』シリーズだろう。初期『Part』シリーズは『100 Lbs』(過去レビュー)として纏められ、その後のミニマル・ハウスの青写真としての存在と今尚高い機能性を保つなどHerbertの才能が爆発したシリーズであったが、2000年代に入ってからのHerbertは正直迷走していた感は拭えない。しかし2014年に再度『Part』シリーズを復活させたのは彼の中にも何かしらの回帰の思いがあるのだろうか、兎にも角にも『The Shakes』に納得出来なかったファンこそ、この『Part』シリーズは聴くべきであろう。でこれは2014年から続くPart6、7に続くPart 8であり、今の所これが最終作品のようだ。勿論この一連のシリーズが初期と全く同様なミニマル・ハウスであるかと言えばそうではないが、"The Wrong Place"に於ける普通ではないポップな感覚はHerbertの音楽に於けるユーモアと実験精神の表れであり、不思議なパーカッションがふざけたように鳴っている中にムーディーな女性の歌が色気を添加していくボーカル・ハウスは、ダンスとリスニングの中庸なバランス上にある。"Remember Ken"に至っては優美なストリングスやキーボードの音色に比重を置きながらアンニュイなボーカルを起用して、ジャズ/ハウスのムードを持ち込んだかの傑作である『Bodily Functions』に収録されていてもおかしくない程に、甘くエレガントな曲として素晴らしい出来栄えだ。裏面にはHerbertらしい遊び心溢れる2曲が収録されており、カチカチとしてパーカッションやシンセの動きが忙しなく続きおかしなファンキーさも感じられる"Ticket"や、心地良いノイズにも思われるパーカッションと対照的にドリーミーなメロディーにうっとりと陶酔させられる"Her Face"と、決して一筋縄ではいかない奇抜な音楽性が光っている。正直『The Shakes』の内容が期待程ではなかったので、この『Part』シリーズをアルバム化した方がよりHerbertの独創性を認知させられる事が出来たのではという思いだ。なのでHerbertのファンならばターンテーブルを買ってでも、『Part』シリーズは聴くべきであろう。



Check "Matthew Herbert"
| TECHNO11 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - The Shakes (Accidental:AC84CD)
Herbert - The Shakes
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実験精神とポップな音楽性にフロアでの機能性と様々な要素を盛り込んで、テクノ/ハウスのシーンにおいて多大なる影響を残すMatthew Herbert。その音楽性の広さは名義の多さへと繋がっており、名義毎に何が何だか…というような状況でもあるが、兎にも角にもHerbert名義では『Scale』(過去レビュー)以来9年ぶりとなるアルバムがリリースされた。その間にもマーラー交響曲第10番の再構築や『ONE』シリーズ三部作を手がけ、2014年にはHerbert初期活動におけるミニマル・ハウスを確立させた『Part』シリーズを復活させるなど活動自体は続いていたものの、本作には特筆すべき点がある。それはジャズ/ハウスのムードやポップな感覚、そして全編ボーカルを導入と初期音楽性への回帰であり、つまり彼のプロジェクトの中核でもあるHerbert名義の作品の系譜に正に属している事だ。但し、『Bodily Functions』(過去レビュー)を引き合いに出すような宣伝が見受けられるが、流石に歴史的傑作として今尚嶄然と輝く『Bodily Functions』と比べるには物足りなさが残る。トランペットやサックスにギターやキーボード、そしてボーカリストを起用し、そして従前からある自身の奇抜なサンプリング・ソースを導入した製作法ではあり、奇抜なリズムや鳴りの構成と共にとっつきやすいポップな感触と優美な佇まいには確かにHerbertらしく、コンセプト重視であった近年の作品よりは確かに取っ付き易い親近感に溢れている。トリッピーでカラフルに溢れ出す音にはHerbertらしい遊び心が感じられ、過去のビッグバンド的なゴージャス感も加わって非常に陽気なライブ感溢れる音楽へと踏み込んでいる。だからこそ、ポップ・ミュージックに行き過ぎた本作からは所謂ダンスフロアの感覚が希薄化し、『Bodily Functions』に存在するアンニュイなムードや繊細なバランス感も当然存在しないのだ。逆にアルバムの後半に進むとビート感は後退し、仄かに染み入る甘い陶酔感とアンニュイなムードが強くなり、フロアからは乖離した結果が上手くボーカルトラックとして馴染んでいるように思う。何だかんだ言いつつもこのポップ・ミュージックの普段着的な馴染みやすさは悪くもなく、しかしHerbertの音楽史の中で記憶に残るような作品であるかと言うとそうでもなく…。



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| HOUSE11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - Part Seven (Accidental:AC81)
Herbert - Part Seven
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奇想天外なテクノを生み出し、音の魔術師とも呼ぶべき才能を見せ付けるMatthew Herbert。そんなHerbertの中でも特にフロア寄りかつ玄人評価の高いシリーズが95年辺りにリリースしていた「Part」シリーズで、2014年には18年ぶりにそのシリーズを復活させている。本作は復活後では2作目に当たるPart 7となるが、やはりこのシリーズに於いてこそHerbertの童心のような遊び心と自由な創造性は輝いており、これこそがHerbertが音の魔術師たる所以だと強く印象付けている。前作同様にRahel Debebe-Dessalegneをボーカルとして器用しているが、"Bumps"は甘い歌声とノイジー気味なサウンドとカタカタとした歪なリズムが不思議な共存を見せ、ダンス・ミュージックでありながら実験的な要素も含んだトラックで正にHerbertらしさが現れている。ポニョポニョした奇妙な効果音とドタドタとしたリズムから始まる"Sucker"は、突如としてギクシャクとしたリズムも添加され角張ったリズムが壊れた機械仕掛のミニマルなダンス・トラックを思わせる。ポップな要素も強かったPart 6と比較すればこのPart 7はより実験的な方向へと傾倒しているようで、それは裏面の2曲を聴けばより実感する事だろう。トライバルなのか何なのか、形容のし難い生々しくも機械的なリズムを刻む"Get Strong"は、ピチカート奏法による小気味良いストリングスも軽快さを生み、素早いスキップをするように弾けたダンス・トラックになっている。"Pretty Daddy"でも効果音にも近い変な音が複数絡みながら、終いには赤ん坊がじゃれているようでもあり狂ったようなボーカルサンプリングもループし出して、音楽としての構成は混迷を極めていく。テクノとしての実験精神を重視しながらも、それでも尚体を揺さぶるグルーヴやポップな要素を残すその音楽性は、従来からHerbertの個性として認められているものであり、この溢れ出る才能は更にPart 8へと続いていく。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - Part Six (Accidental:AC79)
Herbert - Part Six
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近年は名義で実験的な「ONE」シリーズで注目を集めたMatthew Herbertだが、なんとHerbert名義の初期代表作である「Part」シリーズを18年ぶりに復活させた。95〜96年の間にデビューと共に「Part 1〜5」まで立て続けにリリースし、いわゆるミニマル・ハウスの先駆者的な存在として天才ぶりを発揮していたが、それ以降もジャンルにこだわる事なくジャズやポップなダウンテンポにコンセプト重視の電子音響、そして交響音楽のリミックスまで開拓の手を止める事はなかった。その一方で特に初期からのファンにとってはクラブ・ミュージックから乖離するHerbertに対し、もやもやを感じていた事は少なくないだろう。その意味ではこの「Part」シリーズの復活は、Herbertに対しクラブ・ミュージックを求める古くからのファンとポップな音を求める新しいファンの溝を埋める事を可能とする。事実"One Two Three"からして甘くも抑制のとれたボーカル、そしてエレクトロニカ的なシンセがポップな質感を感じさせるが、カチカチとした軽快な4つ打ちは正にDJが生み出すビートそのものだ。かつての「Part」シリーズと比較すれば硬質なビートやあそこまでの実験的なミニマル・ハウス性は弱まっているものの、リスニング色も伴うポップなセンスとのバランス感は窓口をより広げる事に成功している。より実験的な面が出ているのは"Manny"だろうか、ロールするようなビートと奇妙なボイスを執拗に反復させた点でミニマルな要素を披露しDJツール性が強く現れているが、それでもストイックというよりは音を遊戯のように用いている部分がHerbertのユーモアなのだ。裏面の"My DJ"や"Grab The Bottle"もかねてからのファンを満足させるであろう、特にメロディーよりも特徴的なリズムが体を揺らすであろうクラブ・トラックであり、しかもそれが単に機能的である以上に実験的で奇抜な鳴りがHerbertの音楽を特徴付けるのだ。この作品をHerbertの復活と呼ぶかどうかは人それぞれだと思うが、素直に好きだったHerbertが帰ってきたと当方は喜ぶ。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Webster Wraight Ensemble - The Ruins Of Britain (Miso Records:Miso 027)
Webster Wraight Ensemble - The Ruins Of Britain
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UKのベテランハウスアーティストのCharles Websterは様々な名義を用いて膨大な作品を残しているが、トラックメーカとしてはここ暫く名前を聞く事は減っていた。本作はそんなWebsterからの久しぶりの新作で、Matthew Herbert Big Bandでアレンジャー兼指揮者を務めていたPeter Wraightも加わり、本格的にジャズバンドとして取り組んでいる。タイトル曲はWebsterらしい甘いメランコリーが漂う楽曲で、艶のある女性ボーカルやストリングスにホーンなどゴージャスに装飾を纏いながらも、けばけばしくなる事なくエレガントに仕立て上げる作風で、スタイルは変わっても方向性としては以前から一貫している。ただ聴くのであればやはりアルバムの流れの中でが適切であり、本EPの注目はフランスの奇才ハウスアーティストのPepe Bradockによるリミックスだろう。跳ねるようなリズムも入ってフロア仕様に生まれ変わっているが、Pepeらしい狂ったように変容するエレクトロニックでダビーな音響空間を創り上げていて、原曲のエレガントな空気とPepeによる不気味な空気が侵食していく様に耳を奪われる。完全にPepe Bradockのトラックとして成立していて、この狂おしくも美しい個性は唯一無二の存在だ。またそのリミックスからビートを抜いたアカペラも収録されており、こちらはより不協和な音響を堪能する事が出来るようになっている。

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| HOUSE9 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Koze - Amygdala Remixes (Pampa Records:PAMPA 018)
DJ Koze - Amygdala Remixes
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2013年には一際注目を集めていたようにも思われるベルリンのPampa Records。熱心に聴き込んでいるレーベルではないので断言は出来ないが、単にDJツールと言う枠組みを超えたポップな作風も見受けられる面白いレーベルだと思う。そんなレーベルによる2013年の最後にリリースされた作品が、レーベルを主宰するDJ Kozeのアルバムからのシングルカットだ。リミキサーには以前にもDJ Kozeと絡みのあったMatthew Herbertと、ベルリンのディープ・ハウス系アーティストであるEfdeminを迎えている。目玉は何と言っても"Magical Boy (Matthew Herbert Not 'Till It Stops Mix)"だろう。これがHerbertにとっては黄金時代とも言える"Bodily Functions"の頃の作品を思い起こさせるラウンジ風ハウスとなっており、Herbertのポップな作風が花開いている。原曲にはMatthew DearとDani Sicilianoの歌もフィーチャーされていたが、リミックスでは新しく再録したものへと差し替えらているようで、より歌らしくとろける甘さを強調している。トラック自体も奇妙な赴きがあった原曲よりも、よりドリーミーで牧歌的なハウスグルーヴを強調しながらも、Herbertらしい音をこねくりまわすように様々な音を緻密に配置し、童心的な遊び心と曲のツール性を両立した往年の作風が戻ってきている。Herbertにはやはりこの路線のハウスが似合っているので、再度このスタイルでアルバム制作を期待したいものだ。裏面には"La Duquesa (Efdemin Cose Cosi Mix)"が収録されているが、こちらは闇に包まれた深海を進む潜水艦のソナー音のような音響が幻惑的なディープなミニマル・ハウスへと仕上がっている。原曲よりも滑らかなハウスのグルーヴを太く強調してツール性を増しながら、しかしミステリアスなメロディーが闇の奥底に誘い込むような深みを与えていて、更には最後には日本語による電車内のアナウンスが流れる展開が空虚さを付加している。



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| HOUSE9 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/12/31 Zero New Year Eve 2013/2014 Spectacular @ 0 Zero
あけましておめでとうございます。2014年もどうぞ宜しくお願い致します。さて、2013年のカウントダウンは円高などの影響なのか、大物外タレを呼ぶパーティーは確実に減っていて、逆に国内アーティストが中心になっていたように思われる。そんな状況の中でどのパーティーに行こうか少々迷ったものの、CalmやDJ NoriにDazzle Drumsが出演する青山のZeroへと行く事にした。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Wishmountain - Tesco (Accidental Records:AC58CD)
Wishmountain - Tesco
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まさかの14年ぶりの新作となるWishmountain。Wishmountain、またの名をMatthew Herbert、数々の変名で活動する名義の中で最もメジャーラインからは外れるであろう奇抜さが群を抜く名義であると考えている。そもそもどの名義でも実験とユーモアを共存させる事を当たり前にこなしている彼が、この名義でやろうとしている事はサンプリングのみでシンプルなテクノを追求しているように見受けられる。Doctor Rockitではラウンジ/モンドに接近したB級感を演出し、Herbertではジャズ/ハウスを取り込み優美な官能を突き詰めていたが、Wishmountainは他の名義と同様に既存音源を使用しないPCCOM理論に則りながらもよりシンプルさを突き詰め、Herbertの洗練とは対極的なラフな手作り感のある力強いテクノをやっているのだ。そしていつもコンセプトを掲げた音楽を作っている彼が本作で提示するコンセプトは、英のスーパーマーケット"Tesco"における2010年の売上げトップ10の商品を利用した音楽と言う事だ。商品名がそのまま曲名となっているが、例えば"Nescafe"や"Coke"などの日常生活用品を叩くなり何かをして発せられた音をサンプリングし、そのサンプルだけを元にトラックを構成している。そんなトラックはまるで家の中で色々な生活用品を手に取って遊んでいるのが目に浮かんでくる愉快さがあり、そして日常に結び付いた何だか親近感のある音として鳴っている。そしてWishmountainでやろうとしているシンプルなラフさは臨場感へと結び付き、それは更に馴染みのある日常生活を描き出す事へと繋がっているのだ。ただ14年前のアルバムに比べるとコンセプトありきになり過ぎていて、以前に比べるとユーモアがどこか抑制されているようにも感じられる。Wishmountain名義にはもっとネジの外れた奇抜な音楽を求めてしまうのだ。

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| TECHNO10 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - Bodily Functions (Special 10th Anniversary Edition) (Accidental Records:AC66CD)
Herbert - Bodily Functions (Special 10th Anniversary Edition)
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誰が何と言おうとMatthew Herbertが2001年にリリースした"Bodily Functions"は、彼の数ある作品の中でもベストである事を覆す事は出来ない。いや、それどころか21世紀に入ったばかりにして、後世に名を残すであろうエポックメイキングな作品になった。ドラムマシンや既存のプリセット音源、既存音源からのサンプリングを禁止したPCCOMと言うコンセプトを掲げて、実験的な創造と並行しながらユーモアとポップな音を両立させた奇跡的なまでのバランスの上に存在するハウスアルバムだ。本作品はそれから10年以上が経った事を記念してのリイシューとなるのだが、オリジナル盤を持っている人もこのリイシューは買って損はしない、いや購入すべき作品である事を断言する。何故ならばボーナスディスクとして当時アナログでリリースされていたリミックスが纏めて収録されており、リミキサーにはJamie LidellやPlaidにMatmosと言った奇才から、Reclooseや竹村延和に意外にもJane's AddictionのPerry Farrell、そして新録リミックスにはDJ KozeとDave Ajuまでもが参加しているのだから。どのアーティストも強い個性を発するからこそHerbertの作品をどう塗り替えていくのかと言う楽しみがあるのだが、オリジナルのポップな遊び心は残しつつもそこにモータウン・ソウルやカットアップしたようなファンク、華麗なブロークンビーツにPCと睨めっこしたIDMやエレクトロニカ、そして端正なディープ・ハウスまで見事に個性を開花させたリミックスが聴けるのだ。またオリジナルが半ばリスニング向けであったのに対し、やはりアナログEPに収録されていた事も影響があるのかリミックスは比較的フロアに寄り添った傾向であるのも興味深い。実験的でありながら肉体を揺らすグルーヴ感も添加され、クラブ・ミュージックとしてのリミックスワークを分かりやすく体験させてくれる模範的な仕事と言えるだろう。オリジナル盤にリミックス盤も付いて、お買い得と言う以外に言葉が見つからない。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Invisible - Generational (Ninja Tune:ZEN12342)
The Invisible - Generational
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Matthew HerbertのAccidentalからデビューし、その後はヒップホップやブレイク・ビーツを開拓したかのNinja Tuneへと移籍し活動を続ける事は、言うまでもなくユニークな音楽性を持っている事の証だろう。そんな経歴を持つのがUKのトリオバンドであるThe Invisibleだが、本作で驚くべきはそんなバンドの作品をTheo Parrishがリミックスを施している事だ。ジャンルを超えてさえその手腕が求められた結果と、そしてNinja Tuneとの絡みと言う意外性も楽しみではあるが、先ずはThe Invisibleのオリジナルについて。"Generational"はくぐもったサイケデリックなギターが目も眩むような毒々しさを放つが、それと共に哀愁がたっぷり乗ったボーカルやメロディーが現世に意識を保つエレクトロニックなロックだ。ラフで荒々しい音作りは良い意味での臨場感や空間の広がりへと繋がってロック感を生み出しているが、DJによってはミックスの中に組み込めるダンスな4つ打ちのビートもある。それを完璧に自分の色に染め上げたのが"Generational (Theo Parrish Remix)"なのだが、先ず驚くべきは5分程のオリジナルを15分と言う大作に生まれ変わらせている事だ。その上でロック色を払拭したロービートの無骨なリズムが下地を強化し、もやもやと奥の方で鳴る不鮮明なシンセとは対照的に表面ではギラついた光沢のあるシンセが酩酊のメロディーをなぞり、徹底して底を這うようにずぶずぶとした足取りのグルーヴで異形の世界へ引きずり込む音響が圧巻だ。テンポは遅いのにひりつくような緊張感、神経質に差し込んでくる気の抜けない音が、15分と言う長い時間を全く飽きさせる事なく強い吸引力を持って耳を惹きつけるのだ。もはや完全にオリジナルと呼べる程までのリミックスで、Theo Parrishの個性がひしひしと感じられる一枚だ。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Herbert - Bodily Functions Remixes (Accidental Records:AC61)
Herbert - Bodily Functions Remixes
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Matthew Herbertが2001年にリリースした大傑作である"Bodily Functions"が、12年の時を経てリイシューされるのに合わせ新たなリミックスを収録し先ずはEPがリリースされました。新録はエレクトロニック・ミュージックの奇才であるDJ Kozeとポップでユーモア溢れるテクノを手掛けるDave Ajuによる2曲で、実験的なHerbertの曲を生まれ変わらせるのに最適な人選だったと言えるでしょう。"You Saw It All (DJ Koze Mix)"はワルツ風に優雅な舞踊を思わせるギクシャクとしたリズムに作り変え、笑い声やノイズ交じりの可笑しな音響の中にオーボエや鉄琴など可愛らしい音も盛り込んで、脱力気味なダウンテンポとして再生させています。一方原曲の物憂げなイメージを追いかける"Foreign Bodies (Dave Aju Mix)"は、細かな音が入り組んだ原曲から音を削ぎ落として歌によるムードをより強調したディープなダウンテンポへと作り替えています。どちらもHerbertの小洒落た感覚と実験的な精神を受け継ぎながら、しかし決して難解さを強調するような事もなく、あくまでユーモア溢れる愛らしい作品である事が素晴らしいですね。裏面には2001年当時にリリースされていた"Back To The Start (Mr.Oizo 'Non' Mix)"も再録されていますが、こちらはMr.Oizoらしい癖のあるファンキーなエレクトロトラックで、オリジナルの繊細で耽美なメロディーを払拭した完全個性派仕様。どれも踊り疲れた朝方のフロアで良いムードで聴けそうな内容で、是非ともDJによってミックスされながら聴きたいものです。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Matthew Herbert - One Pig (Accidental:AC48CD)
Matthew Herbert - One Pig
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作品毎にあっと驚くコンセプトを以って物議を醸すMatthew Herbertが展開していた「One」シリーズも、豚の一生をコンセプトにした本作「One Pig」でラストを迎えた。2009年の8月に生まれた豚を2010年2月に殺されるまで追い続け、豚の鳴き声を録りそれを基にHerbertの例の如くPCCOM理論(既存の音源の使用不可などの制約)に沿って創り上げたのが本作だ。アルバムを聴く前に「One Pig」の愉快で独創的なライブを体験してしまい、後からアルバムを聴いても満足出来ないのでは…と言う杞憂もあったが、蓋を開けてみれば豚の鳴き声や咆哮を駆使しつつも喜怒哀楽が感じられる作品となっていた。Herbertのエレクトロニクスと共に豚の鳴き声をサンプリングした"Pig Drum"や"Pig Sly Guitar"を使用した楽曲は、リズムさえも豚の鳴き声でありまるで豚がどんちゃん騒ぎをしているようだ。ただ本作に於いては踊らせるグルーヴも無ければしっとりと聴かせるメロディーも少なく、Herbertの実験精神が爆発したサンプリングの魔術師としての音響的な面が強く、今までの作品のようにポップな音を望むべきではない。しかし豚の一生に纏わる鳴き声は怒号にも似た唸りから愉快な奇声まで及び、哀(愛)も喜びも感じられる非常に豊かな感情を持っている。そして2010年8月に豚が調理される曲から、ラストの2011年5月にHerbertによる豚へのレクイエムである歌へと繋がれ、豚が死んでから更に人間の糧にまでなるまでを含めた一生を聴き終えた後には、いつもより豚への愛着が増している事だろう。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Phil Parnell - Ambient Jazz Electronic - Romance & Ruse (P-vine Records:PCD-93443)
Phil Parnell - Ambient Jazz Electronic - Romance & Ruse
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Phil Parnell、ニューオリンズ出身のジャズピアニスト。そして忘れてはならないのがMatthew Herbertとの出会いが、互いのその後に音楽性に影響を与えた事。Herbertのハウス大傑作"Bodily Functions"(過去レビュー)においてピアノを弾いていたのがParnellであり、またParnellはクラブミュージックとの出会いを機にソロ作品でもハウスとジャズをブレンドした奇天烈な音楽性を開花させた。両者の邂逅はまさにミラクルと言う言葉が相応しい出来事だったのだろう。そしてParnellのソロ名義としては実に9年振りとなるアルバムは、確かな奇天烈さを残しながらも以前よりもアンニュイな、タイトル通りに受け取るのであればアンビエンスを伴うジャズエレクトロニカとなっていた。夢現なロマンスとトリッキーな様々な電子音によるアンビエンス、しかしそれは「流しておける」ものではなく対峙して「聴く」べきジャズピアニストが創り上げた電子音楽だ。元々がアルバムとして想定されていた訳ではないので、クラブミュージックへと接近したハウスから電子のドローン、現代ジャズ、奇妙なエレクトロニカまで収録しているが、それぞれの音にジャズの要素も兼ね備えた温故知新な音楽性もあり、決して聴く者の耳を放置するような気持良いだけのアンビエントミュージックとも異なっている。技巧派ジャズピアニストが可能性の拡がるエレクトロニカに取り組んだら…心地は良いのだが軽くはなく、何とも面白いアンビエントジャズが出来てしまった。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/09/22 LIQUIDROOM 7th ANNIVERSARY and Hostess Club presents Matthew Herbert's ONE PIG @ Liquidroom
音を創造するMatthew Herbertが近年取り組んでいた"One"シリーズの最後は、豚が生まれてから調理されて料理になるまでの豚の人生を辿る"豚の一生"。そのコンセプトを引っ提げてHerbertバンドご一行が来日ライブに来たので、久しぶりに彼のライブを体験しに行きました。
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| EVENT REPORT3 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2010
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。世間では音楽が売れないだとか、アナログ文化の衰退だとか音楽業界の悲鳴が聞こえてきておりますが、決して音楽自体がつまらない物になった訳ではないと思います。ようは今までは金かけて宣伝していた物が売れていただけで、今はそのシステムが通用しなくなったので心底なファンしか買わなくなっただけなのでしょう。そんな時代だからこそ、自分の耳を信じて意識的に聴く事を、興味と探究心を持って新しい音楽を探す事を行い、受身でなく積極的に自ずから音楽を聴くようなリスナーが増えればなと思います。さてそれでは毎年恒例の年間ベストと共に、来年も良いお年を!
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| BEST | 11:30 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Matthew Herbert - One Club (Accidental:AC44CD)
Matthew Herbert - One Club
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音の魔術師・Matthew Herbert、今年で3枚目のアルバムとなる本作は「ONE」シリーズの第2弾・クラブ。本作ではPCCOM理論(既存の音源の使用不可などの制約)を復活させたのか、ドイツのクラブ・Robert Johnsonにマイクを持ち込みフロアに置いたり壁に吊るしたり、DJブースの中や果てはトイレの中まで持って行き、クラブの一夜のありとあらゆる場所で音を採取し、それをサンプリングで加工して創り上げたアルバムとなっております。しかし一聴して思い出したのはRadio Boy名義での"The Mechanics Of Destruction"。確かにクラブと言う現場の音を取り込んだダンスアルバムではあるかもしれないが、そこに明確な音階やメロディーと言う物はなくノイズ混じりで簡単に踊らせない歪なトラックは、むしろ娯楽的なクラブからは距離を置いているようにも感じられます。かつては反体制的な場所であったクラブが今では逆にそれらを忘れる場所になってしまった、と言う事に警報を鳴らすべく本作を制作したそうですが、まあ結果的にはHerbertはHerbert、一筋縄に収まらない破壊的ガラクタサウンドになるのがオチ。前作の素朴で感傷的な音楽性から180度変わりパワフルで破天荒なHerbert、しかしこれも彼のユニークな側面の一部に過ぎない。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recomposed By Matthew Herbert - Mahler Symphony X (Universal Music Classics & Jazz:06025 2734438 6)
Recomposed By Matthew Herbert - Mahler Symphony X
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2008年のCarl Craig & Moritz von Oswaldコンビによるクラシック再構築シリーズに続くのは、音の魔術師・Matthew Herbertによるグスタフ・マーラーと言う作曲家・指揮者の"交響曲第10番〜アダージョ"のRecomposed。クラシックに全く知識の無い自分は当然オリジナル音源も知らないので、原曲と再構築の違いを楽しむ事は出来ないのだけれども、比較的クラシック的な音を壊してはいない気がする再構築なのかなと感じました。Carl Craig & Moritz von Oswaldコンビが原曲をサンプリングしてミニマル展開したのに比べると、Herbertは旋律の調べをそのまま使用したのかオーケストラの静謐で美しい調べを生かしつつ、悲壮感を漂わせながら後半にはバカでかいエレクトロニックな音が炸裂するドラマティックな展開を作っておりました。特にトラック7の劇的な瞬間からトラック9のラストに至る音が無音に溶けこんで行くまでの流れは、微小な音のえも言われぬ美しい佇まいにうっとりする程でした。

クラシックと、そしてテクノにも精通している國枝志郎氏によるMatthew Herbertへのインタビューで作品に対しての詳しい話が聞けるので、是非読んで頂ければと思います。

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| ETC3 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Matthew Herbert - Globus Mix Vol.5:letsallmakemistakes (Tresor:Tresor157CD)
Matthew Herbert-Globus Mix Vol.5 Letsallmakemistakes
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ちょっと前にDommuneにも出演して面白いDJプレイを披露したMatthew Herbertですが、その彼が2000年にリリースしたMIXCDが再発されております。Dommuneで彼のDJを久しぶりに聴いた感想は、普通にDJしてる!と言うのが第一印象。と言うのも確か2003年にHerbertが新宿LiquidroomでDJをしたのですが、繋ぎも出来なければぶっこみも出来ないと言う金も取れないレベルのDJをして度肝を抜かれた経験があるからです。自分としては本作みたいな面白いプレイを期待していただけに、生でDJを聴いた時には怒りを飛び越えて呆れた位でしたよ。んで本作の話に入りますが、10年前の作品とは言え今聴いても当然面白いと言うか、昔よりも更にしっくり来る感じ。当時はDBXやGreen Velvet、Theo Parrishらオールドスクールなハウスと、IsoleeやErrorsmith、Pantytecの新しいミニマルハウス、そしてSi Begg、Mr. Oizoのエレクトロ、果てはHerbert周辺のRadio BoyとWishmountainが同じ時間軸に存在する事に意識的ではなかったのです。結局は彼が創作する音楽が遊び心に溢れた物である様に、彼の手にかかればどんなトラックも玩具の様なツールとして機能する事がこのMIXCDで証明されていたのかも。特にリズムへの拘りは並々ならぬ物で、ファンキーと言うには余りにも奇怪なリズムのトラックが並んでおりますが、それを違和感無く同軸に並べてしまう彼の手腕こそ音の魔術師たる所以かもしれませんね。

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| HOUSE5 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Matthew Herbert - One One (Accidental:AC 40CD)
Matthew Herbert - One One
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元ミニマルハウス職人でサンプリング職人でもあり、現?ビッグバンド主宰のMatthew Herbert最新作。00年代前半でクラブミュージックとのリンクがピークに達したのを機に、それ以降は逆に少しずつ距離をおきながらビッグバンドを編成しジャズにも取り組むなど、音楽性を広げてきた彼が行き着いた場所はハウスの影響が無くなった歌物ポップ。以前彼が提唱していたPCCOM理論(既存の音源の使用不可などの制約)は取り払われ、彼が全ての楽器を演奏し更には自ら歌ってしまうなど、明らかに今までとは変化が見受けられます。まあしかし、今までの作品と比べると随分と地味で内向的、聴いていると内に内にと沈み込むような音楽であります。クラブミュージックとしての性質も無く踊る事は当然出来ず…だが、それでも彼の穏やかな歌とドリーミーな楽曲は、眠る為の子守歌の様でもあり和みと憂いが充実している。僕は彼が徐々にフロアから遠のいて行く度に失望していたのだけれでも、この作品に限っては素直に評価したいと思える程だ。今までの複雑な理論や奇天烈な音楽性は見事に裏返り、シンプルな歌物でメロディーや歌の魅力を実直に伝えるアルバムだと感じる事が出来ます。シリーズ物の第一段らしいので、今後のシリーズにも期待してしまいますね。

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| ETC3 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Matthew Herbert Big Band - There's Me And There's You (Studio !K7:!K77232CD)
The Matthew Herbert Big Band-Theres Me And Theres You
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さて…ここ数年見事に期待を裏切られ続けているMatthew Herbertの新作は、ビッグバンド名義での2枚目。Herbertに関しては当ブログでも嫌と言うほど紹介しているので読者の方もご存知だと思いますが、取り敢えず"Bodily Functions"(過去レビュー)に関してはクラブミュージックリスナーではなくても聴く価値のある一枚だと断言しましょう。但しそれ以降が問題で、どうにもこうにも近年は迷走しているのか以前ほどの輝きが感じられません。かつては時代を先走りミニマルハウスの先駆者的アーティストの一人でもありましたが、最近はジャズバンドやらポップ方面に走り過ぎていて既に時代に取り残されている気さえもします。ね〜だって、Herbertがジャズとかやる必要なくない?勿論Herbertがジャズをやったって彼なりのサンプリングを主体としたエレクトロニクスは使われているけれど、それは彼が既に使い古した手法なので新鮮味も感動も無いのですよ。だったら後は楽曲その物のクオリティーを高める事でしか聴く価値を見出せないんだけど、前作よりは生演奏とエレクトロニクスの絡みは自然になったかもしれないけれど、それでも心に残る物は無いですね。政治性だとか実験的だとかそんな事はもうどうでもいいから、以前の様にクラブトラックを作ってれればそれだけで良いんだが。金を掛けるゴージャスなビッグバンドではなく、金を掛けなくても出来る一人でのエレクトロニックミュージックを聴かせて欲しいです。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Matthew Herbert - Score (Studio !K7:!K7212CD)
Matthew Herbert-Score
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音の魔術師・Matthew Herbertの新作は、様々な映画の為に作ったトラックを集めたコンピレーションアルバム。近年人気は鰻登りなので今作もそこそこにはヒットするんでしょうが、人気とは裏腹に僕の興味は薄れていました。と言うのも単純にHerbertがフロアから距離を置いてしまっている為。最近のバンドタイプに傾倒したHerbertの作品の質が落ちているとも思いませんが、自分が期待しているのはエレクトロニクスをこねくり回して踊れるグルーヴを生み出す事。そしてHerbertの新作ですが、もうHerbertに今後期待をしてはいけないのかなと思いました。ブラスバンドで楽しいパーティーが思い浮かぶ音、クラシカルで上品な気高い音、昔なじみの電子楽器で奇妙な世界を創り出す音、どれをとってもHerbertらしいユーモアとユニーク性があり素晴らしい構成力だとは思います。でもHerbertの視点は一体どこを向いているのだろうか?もうダンスフロアは見てないの?変わっていく事は昔のファンを失う可能性も有り勇気のいる事で、挑戦心を失わずに前に進み続けるのは大変難しい事だと思います。だからHerbertに対して失望なんかはしないけれど、この路線が好きかと言われれば即座に否と答えます。悪いとは言いません、好きじゃないだけです。テクノとは一人でも電子楽器を使えば、自由な音楽を創れる所が重要だったんだよね。基本に戻っても良い頃だと思うのですが、どうでしょうHerbert先生。

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| ETC2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Swayzak - Fabric 11 (Fabric:FABRIC21)
Swayzak-Fabric 11
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近年の名MIXCDシリーズと言えば、何を差し置いても「Fabric」シリーズでしょう。テクノ、ハウス両方面で素晴らしい人材を起用して毎度毎度とヒットさせ、次のシリーズは誰が器用されるのかとファンを楽しませてくれるのですよ。その11弾はポップでキュートなエレクトロから透明感のあるテックハウスまでこなすユニット、Swayzak。この人達以前にも「Groovetechnology v1.3」(過去レビュー)と言うディープでミニマルなハウス調のMIXCDを出しているのだけれど、彼ら自身のオリジナルアルバムより断然MIXCDの方が面白いんですよね。オリジナル作品も悪くはないんだけど、MIXCDだと選曲が自分のツボにはまるのが多いんですよね。でこの2003年作のFabricのMIXCDですが、これもやっぱり自分のツボにはまります。前半はミニマルかつディープなハウスで、ゆるゆるとした適度なノリと幻想的なメロディーが素晴らしいですな。Akufen、Luomoら辺の曲で序盤に一回昇天してしまいますよ。と思ったらその後はエレクトロやディスコっぽい選曲で、スムースに浮かび上がるようなノリがなくなってしまい残念。結局ラストまでそんな感じの懐かしめなディスコっぽいメロディーとかが耳にこびり付いて、前半の選曲は一体何だったのかと小一時間問いつめたい。まあでも後半の選曲は彼らが楽曲作りで得意とするポップなエレクトロなので、彼らの本領発揮でもあるんでしょうね。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herbert - 100 Lbs (Studio !K7:!K7209CD)
Herbert-100 Lbs
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遂にキター!Herbertの廃盤となっていた最初期傑作が、レアトラックなどを集めたボーナスディスク付きの2枚組でリイシューです。個人的に近年のHerbertはつまらない作品が多いのに、人気は鰻登りと言うおかしな現象が続いていたと思います。厳しい言い方をすれば新作を良く評価している人達の大半は、この入手困難なアルバムなどは聴いていない人達が多いだろうし、多分そこまで普段クラブミュージックを聴き込んでいる人も多くはないと思います(勝手な推測ですが)。だからやっとこの永らく廃盤となっていた「100 Lbs」が手に入りやすくなったのは、大変喜ばしい事で過去の作品を知らないファンにとっては新たなるHerbertの評価に繋がる事だと思います。

久しぶりに聞き返してみて率直に思ったのは、やはりフロア直球なダンストラックが多い事。近年みたいなポピュラーな音楽性は全く放棄していて、完全に踊らせる事を目的としているのが感じられます。ドスドスな4つ打ちハウスが基本なのですが、とにかくバスドラが硬い硬い。Herbertの中でも一番テクノなサウンドをしていて、これだけでもテクノファンは胸がキュンとなる事でしょう。更には無駄を排したミニマリズムを追求していて、現在の作風しか知らない人だとちょっと淡泊に感じるかもしれないですね。でもやっぱりこれがHerbertの構成力の凄さと言うべきか、ミニマルの単純なグルーヴは一番腰に来ると思うんですね。そんなリズムトラックに合わせて、幻想的で小洒落たメロディーが上品なムードを演出します。決して突き放す様なマニアックな作品ではなく遊び心に溢れ、踊れて楽しめるHerbertの作品としてHerbertファン御用達の一枚です。オリジナル作品を持っている自分ですが、レアトラック集ボーナスディスク付きなので買い直ししたくなりました。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(6) | trackbacks(2) | |
Radio Boy - The Mechanics Of Destruction (Accidental:AC03)
Radio Boy-The Mechanics Of Destruction
2001/11/30の夜、日本で二つの伝説が同時に残る事となった。Electraglideにおいてテクノの狂った天才・Aphex Twinは、意外にもハードな4つ打ちテクノで万もの観衆を踊り狂わせ伝説となった。そして僕が選んだ伝説は、新宿リキッドルームにおけるRadio Boy A.K.A Herbertのユニークなライブでした。この時ばかりはさすがにスケジュールを恨みました(泣)多分僕と同じ様に困った人は、相当な数がいたのだと思う。Electraglideが行われていたにも関わらず、リキッドルームには溢れんばかりの観衆が集まっていたのだ。それもRadio Boyのライブを見る為に…。

浜崎あゆみのCDをパンパンッと割り、歌舞伎町で買ったばかりのマクドナルドのポテトフライをシャカシャカと震わし、新聞をくしゃくしゃと潰す。僕らの身の回りにある物、普段僕らが食し利用する物を次々と壊していく。(それは彼の政治への意識的な反抗を示した態度であるが、僕には良く分からないので割愛)。とにかく現場で生まれた音をすぐさまマイクで集め、サンプリングを行い音を振り分けていく。Herbert博士のぎくしゃくとした動きも面白いし、物をどんどんぶち壊していくその様も愉快そのもの。そして出てくる音はオモチャ箱をひっくり返した様に、つんのめったビートながらも笑みが浮かんでくる面白い音なのでした。彼のひょうきんな動きに合わせてリキッドルームに集まった観衆もヒートアップし、凄い盛り上がりを見せていた事が今でも思い浮かびます。

僕がAphex TwinでなくHerbertを選んだ訳は、実はこのイベントに来た人だけが貰える「The Mechanics Of Destruction」と言うRadio Boyのアルバムが欲しかったから。このアルバムはあの時のライブをほぼ再現した物であるはずですが、きっとライブを体験しないとこの凄さは伝わらないと思います。それでもやはり聴きたい方もいるかとは思いますので、期間限定で音源をアップしようかなと。以下から是非どうぞ。

The Mechanics Of Destructionをダウンロード

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(2006/06/11追加)自分で忘れてましたが、2004/10/25にレビュー済みでした…
| TECHNO3 | 22:30 | comments(10) | trackbacks(0) | |
Herbert - Around The House (Studio !K7:!K7105CD)
Herbert-Around The House
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現在ではHerbertなんて言えば一般的に知られている存在ですが、まだクラバーの中でしか騒がれていなかった頃のHerbertの傑作が「Around The House」。元々リリースしていたレーベルが倒産の為永らく廃盤でしたが、近年の人気獲得に伴いこの傑作も再プレスされております。いやーこれは「Bodily Functions」に負けず劣らず大好きでありまして、まあそっちに比べると比較的まだストレートなハウス表現が多いんですね。現在のミニマルハウスに繋がるハウス表現、音の隙間を生かした妙技、独特な音を生み出すサンプリング、控えめな甘さと幽玄な佇まいを持ち合わせたムードがあり、完璧としか言えない世界観を創りだしています。「Bodily Functions」がクラブカルチャーにポップな明るさを調和させたのに対し、この作品はまだまだアンダーグラウンドな点が強くだから当時は大ヒットはしなかったのかも。でも「Bodily Functions」が好きなら、この作品も絶対気に入って頂けると思います。かつてはBasic ChannelやRichie Hawtin、Mike Inkと並んでミニマルを極めていたHerbertが、こんなムードのある作品を創るなんて誰も予想だにしえなかったであろう。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Herbert - Scale (Studio !K7:!K7202CD)
Herbert-Scale
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近年Doctor Rockit、Matthew Herbert Big Band、Matthew Herbert、Roisin Murphyなどの名義で活動してきたHerbertが、5年ぶりに大傑作「Bodily Functions」(過去レビュー)以来のHerbert名義でのアルバムを創り上げました。今作も今までと同様にPCCOM理論に沿って、ドラムプリセット、既存音楽からのサンプリングを廃し、自然音からのサンプリングのみで音楽を創ると言う制約の下にアルバムを制作したそうです(毎度の事だけどよくよく考えると凄い!)。さてさて期待のアルバムを聴いてみると…、どポップだね。もちろん大衆的なただのポップでは無いけれど、今作は底抜けに明るいな。Herbertの奥様のDani Sicilianoが大半の曲でボーカル参加してるせいなのか、華やかで陽気な空気に溢れています。またホーンやストリングスも大幅に取り入れられて、スウィングジャズの様な軽快さも見受けられます。ハッ…それってMatthew Herbert Big Bandと一緒じゃん。実験性と遊び心、そして実用性を見事に調和させるHerbertの手腕はまことに素晴らしいのですが、今作もやはり何か物足りない。きっとそれは電子音楽と言う面が少なくなってきているからなのだろう。まだミニマルハウスを創っていた頃のHerbertにはクラブ向けの楽曲が多かったし、そこにジャズやハウスを完璧に取り込んだ「Bodily Functions」はクラブ・ホームの両方で聴くに耐えうる素晴らしい作品でした。でもこの作品にはハウス心が足りない、単純にそれなんです。随所にチャカポコとしたサンプリングが散りばめられて格好良いんだけど、ハウスのビートと電子音がもっと聴きたいのです。これは完全に自分の好みの問題になってしまうけれど、やっぱりクラブミュージック向けのHerbertが好きなんですよね。良い作品ではあるけれど、「Bodily Functions」以降Herbertに対して欲求不満気味です。



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| ETC1 | 20:00 | comments(8) | trackbacks(0) | |
Matthew Herbert - Plat Du Jour (Accidental:AC19CD)
Matthew Herbert-Plat Du Jour
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みなが期待して止まないユーモア溢れる奇才、Matthew Herbert。Doctor Rockit、Radio Boy、Wishmountain、そしてHerbertを名義を使い分けた末に辿り着いた場所はMatthew Herbert名義でのフルアルバム。実験を繰り返した挙げ句、ミニマルハウスから陶酔系ジャジーハウス、奇天烈でハチャメチャなテクノからビッグバンドを率いてのジャズアルバムと、数々の遺産を残してきました。そして今作では「食」をテーマにしたサウンドメイクを…って説明するのは面倒だから、自分でWEB検索してみてくり。すぐにHerbert位なら検索で見つかるからさ。で新作はと言うといまいち掴み所がないなぁ。大傑作「Bodily Functions」では際どくもPOPであり、また実験的でもあったハウス/ジャジーサウンドが今作では実験面が勝ちすぎている様な気がします。いや、もうなんて言うか現代音楽のレベルにまで言っちゃっている様な、そう定型が無いんですよ。枠組みを壊してオリジナリティー溢れる音楽だとは思うけど、ダンス/クラブミュージックとしての観点がここには無く、完全にホームサウンドになってしまったなと。相変わらずがらくたをこねくり回した様な独自な音作りには目を見張る物があります。子供がおもちゃと戯れる様にHerbertは音と無邪気に戯れる事が出来ますが、うっとりする様なエモーショナルな曲が少ない。どうしたぁぁぁ、Herbert。これならマイクロハウスの「Around the House」か大傑作「Bodily Functions」の方を、お先に勧めてしまいますね。辛口な様ですがHerbertはこんなものに収まる様な人じゃないと思っているからこそ、辛辣な発言をしてしまいます。ま、ライブに来たら当然行くけどさ…

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| TECHNO2 | 18:00 | comments(5) | trackbacks(2) | |
Roisin Murphy - Ruby Blue (Accidental:C20CD)
Roisin Murphy-Ruby Blue
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発売前から話題になっているRoisin Murphy。何と言ってもHerbert+Molokoの新プロジェクトなので盛り上がるのも当然と言えば当然ですが、僕はMolokoに関しては全くの範囲外。普段どんな音楽を作っているのかも知りません。Herbertに関してはBasic ChannelやMike Inc以降のミニマルテクノ・ハウスを追求し、その後はジャジーなテイスト+ハウスで大好評を博した「Bodily Functions」で一躍シーンの最先端に躍り出ました。そしてジャズバンドも組んで「Goodbye Swingtime」と言ったジャズアルバムも出したのですが、それはちょっと方向性が違うんじゃないかと微妙な気持ちでした。それで今度はですよ、Molokoのヴォーカルをフューチャーしましたがどうでしょう?音的には完全にHerbertその物だと思います。相変わらず音をごっそり削ぎ落とし、ハウスでも無くテクノでも無くラウンジ系でも無く、ポップで切ないヴォーカル系。ホーン系の音も入っていて「Goodbye Swingtime」の続編的な所も多少あるけれど、ジャジーな点は薄味でもっとユーモアと悪ふざけな心に溢れています(それが普段のherbertなのだが)。ただ完全なHerbertの作品に比べると気高い気品や高貴な美しさが足りないと思い、遊び心の方に重心が偏りすぎていると思いました。あとヴォーカルもHerbertの奥さんのDani Sicilianoの方が個人的には好きでしょうか。夢の中に消えゆくような霞むヴォーカルが好きだったのすが、今回のMolokoのヴォーカルはどっかの古いバーで流れる曲に載るヴォーカルの様です。当然内容は充実した内容なので安心して聴けますが、「Bodily Functions」の再来はもう無いのでしょうか。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(3) | |
Secondhand Sounds: Herbert Remixes (Peacefrog:PFG021CD)
Secondhand Sounds: Herbert Remixes
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Herbertは凄い。自身の曲作りも凄い。その上のリミックスに関しても、とてつもなく凄い。リミックスの上手さに関してはCarl Craigと並ぶ程の凄さを持っている。このリミックスアルバムはもちろん他人の曲をリミックスしたものを集めただけなのだが、それ以上のものだろう。単なるハウスとは一線を画す、マイクロハウス。音を選びつつ端正に散りばめられた音、隙間を生かし少ない音数ながらも独自の世界を作り出す。既存の音は使わないと言う、音には最大のこだわりを持つ彼独自の音と、独自の音の配置が相まって最大の効果をもたらすのだろう。知性のかたまりの様な彼だが、また子供の無邪気な遊び心に溢れたユーモアのな一面も見せる。そしてお洒落でキュートな音楽でもあるのに、硬派なテクノよりもテクノらしい音楽でもある。実験性と実用性を兼ね備えたトラックと言うものは、きっとこうゆうものなだろう。何度も言おう、これはリミックスアルバムだがこれは紛れもなく彼自身のアルバムだ。ある意味Herbertの最高傑作。

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Matthew Herbert - Globus Mix Vol.5:letsallmakemistakes (Tresor:Tresor157CD)
Matthew Herbert-Globus Mix Vol.5 Letsallmakemistakes
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一昨日新しく届いたCDプレーヤーが昨日突然壊れました。サポセンに電話したら今日引き取りに来てくれて修理と言う事になり、早い対応には感心しましたがPCでしか音楽が聴けなくなりました。
そして今日はPCのデータが一部ぶっ飛びました。今も応急処置でネットは出来ますが、いつまた壊れるか分かりません。こう何度もデータが消えるのはHDDに問題あるんじゃないかと。HDDのエラーチェックをするとやはりエラーばかり。おいおいぉぃ、これは不良品なのか?買ったばかりのHDDなのに…。

と言う事でかなりモチベーションも低く、音楽を聴く時間もかなり減っています。でHerbertが21日に来日DJと言う事で、彼のMIXCDを紹介しましょう。アーティストとしては抜群のセンスを誇る彼ですが、MIXCDの方はどうなんでしょうか?やはりMIXの方でも奇才を発していて、スカスカのハウスが中心な独特なプレイ。ともすればアシッドハウスにも似たようでもあり、このスカスカ加減はDBXやRicardo Villalobosのプレイにも似たような感じが。しかし後半ではCristian Vogel一派のノーフューチャー系の展開に行ったり。やはり一筋縄ではいかない奇才です。普段のエレガントでお洒落なHerbertとは異なり、クールで芯のあるミニマルを淡泊にこなしています。生のプレイは2度聴いた事あって下手だし面白くも無かったのですが、このMIXCDはシカゴハウスな雰囲気があって見直しました。

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(3) | trackbacks(1) | |
Upcoming Event
2005/01/07 (FRI) VADE feat. ADAM BEYER @ WOMB
DJ:ADAM BEYER, SODEYAMA

2005/01/09 (SUN) HUMP ZERO 5 @ ageHa
DJ:DERRICK L. CARTER & LUKE SOLOMON, Dego, DJ KENSEI
DJ HIRAGURI、Greenkeepers, etc

2005/01/21 (FRI) a night with DJ Matthew Herbert @ CAY
DJ:Matthew Herbert, DJ KENTARO IWAKI
LIVE:PAINTING:nu:g

2005/01/22 (SAT) UNITE @ Unit
DJ:TOM MIDDLETON, DJ KENT, HIROSHI WATANABE

2005/01/29 (SAT) JET SET PRESENTS route #15 @ Yellow
DJ:HAKAN LIDBO, TOWA TEI, KZA(FORCE OF NATURE)
Laetitia a.k.a HITOSHI OHISHI
LIVE:DATA 80

2005/02/04 (FRI) Breath @ AIR
DJ:DJ Katsuya, yoshihisa.h
LIVE:Special Guest

2005/02/13 (SUN) metamorphose presents SUBMERGE TOUR @ Liquidroom
LIVE:Galaxy 2 Galaxy, Los Hermanos, Mr.DE'
DJ:James Pennington, B.CALLOWAY

年越しイベントは終わっても、パーティーは今年も続いてゆく。Herbertが来ますけどDJなので、多分行かないでしょう。注目はUNITでのTOM MIDDLETON & HIROSHI WATANABE。アンビエントで有名なTOM MIDDLETONはDJではテクノ、ハウスを横断したプレイで期待出来るし一緒にワタナベさんも出るので今回はまじで行かないと。HUMP ZERO 5も行きたいが金が無い…。DERRICK L. CARTERのダーティーでハードなハウスはテクノ並のあげっぷりでやばいっすよ。DATA 80(=HAKAN LIDBO)のライブも気になるなぁ。「One More Time」のメランコリー+テックハウスって感じです。

そしてもう言わずとしれた伝説が現実になる瞬間の到来、Galaxy 2 Galaxyが来日です。前回TIMELINEで来てますけど、多分演奏内容に大差は無いと思います。しかしそれでも期待せずにいられないのは、やはりデトオタのさだめ。
| UPCOMING EVENT | 19:36 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Doctor Rockit - The Unnecessary History Of Doctor Rockit (Accidental:AC09CD)
Doctor Rockit-Unnecessary History of Doctor Rockit
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今年も遂に終わりが来ました。友達の薦めで始めたこのブログも皆様の暖かい応援により、新しい年を迎える事が出来そうです。これからも古いのも新しいのも関係なく紹介していきますので、少しでも皆様の参考になるよう頑張らせて頂きます。Thank For Everyone!

さて終わりと言っちゃなんですが、Herbertの実験的名義のDoctor Rockitも遂に終わっちゃいました。ジャケットからしてお墓ですからね、ちょっと残念です。これはいわばDoctor Rockitの葬式の為のベスト盤、今は亡きClearレーベルの作品から最新作「Veselka's Dinner」までを網羅した物になっています。僕はDoctor RockitのレアなCDからレコードまで持っているので特に目新しい曲は無いのですが、昔のレアな作品を持っていない方は是非このCDはお薦めします。Herbert名義ではシリアスでお洒落なハウスを展開していますが、この名義ではユーモアを見せつけます。遊び心を忘れずにあくまでPOPに明るく楽しんでいるHerbertが目に浮かんできますね。オモチャ箱をひっくり返して、ごちゃごちゃしたり、缶を引っぱたいたり…。無邪気な子供の電子音響世界と言った感じで、お茶目で愉快なHerbertだと思いました。比較的近年の「Veselka's Dinner」や「Cafe De Flore」ではアコーディオンも投入してサロンミュージック?みたいになっちゃってるし、なんじゃこりゃーっ!って感じです。しかし「Cafe De Flore」は琴線震わす感動の曲で、これは本当にイイですよ。(近年のクリック系に近い物は感じるが)テクノともハウスとも言い難く完全に独自の路線を突き進んできたDoctor Rockit。今後はHerbert路線で頑張って欲しいですね。

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| TECHNO1 | 13:26 | comments(1) | trackbacks(1) | |
Radio Boy - The Mechanics Of Destruction (Accidental:AC03)
The Mechanics Of Destruction
Herbertは自身名義以外にもDoctor Rockit、Wishmountain、そしてWishmountainから派生した最も実験性の高いRadio Boyと言う名義でも活動していて、この「The Mechanics Of Destruction」はRadio Boy名義で唯一発表しているアルバムだ。実験性の高いと言うのはPCCOM理論(詳しくはHerbertのHP参照)に沿って作られていて、既存の音を使わずに音を出している。まあアルバムではなんのこっちゃって感じなんだけど、ライブを体験した人にはその凄さが分かるでしょう。ライブでは目の前でCD(確か浜崎あゆみだったはず)を叩き割ったり、新聞紙を丸めたり破ったり、コーンフレークの箱をぶちまけたり、そしてその瞬間に出る音を拾ってサンプリングを行い、その場で音を作ってライブをすると言うとにかくとんでもないものだった。ライブにありがちな静かな曲間も、一曲ごとに音をサンプリングするおかげでみんな大はしゃぎ。エンターテイメント性として目を見張る物があるし、かといってそれで音楽がつまらなくなってる訳でもない。あくまで音楽がしっかりある上に、エンターテイメントも成り立っていて唯のポップスターとは違いますよ。テクノのライブはつまらんと言う奴は、いっぺんRadio Boy(Herbertでも可)のライブを見てこいと断言します。でこのCDはそのライブでしか配っていないんだけど、現在は下記の彼のHPでも購入出来るので興味があれば注文しては如何でしょうか。CDだけじゃ凄さが余り実感出来ないのが残念です。

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| TECHNO1 | 21:30 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Herbert - Bodily Functions (Studio !K7:!K7097CD)
Herbert-Bodily Functions
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なかなか最近CDをじっくり聴く時間がないので、かなり聴き込んだCDを紹介。と言っても誰もが知っているHerbertです。とにかく信頼をおけるアーティストであり、テクノの中でAphex TwinやBasic Channelと並ぶ世紀の天才です。以前は無駄を削ぎ落としたミニマリズムなハウス中心だったのだけど、この作品ではジャジーな面を前面に出してきてお洒落系CDとしてもかなりヒットしたと思います。普段この手のジャンルを聴かない様な人まで引きつけていたようです、あくまでお洒落系として…。ま、それだけ素晴らしい内容なんですよ。現奥様のDani Sicilianoが全面的にボーカル参加、ナイーブな声で聴く者を魅了します。そしてPhil Parnellは小粋なピアノでジャジーな世界を演出。かと思えば正統派ハウストラックもあって、今までのファンの事も忘れてはいません。そしてどの曲にも共通するのは控えめな美しさと言う事でしょうか。POPなだけならこの作品以上にPOPな物は一杯あるけど、Herbertは丁度良い境界を知り尽くしている。甘過ぎずかといって、難解過ぎず。そして聴く者を魅了する術を知っている、正に天才です。Herbertは既成の音は使わずに音楽を作ると言う面白い理論を持っていて、その為か音には最大のこだわりを持っているのではないかと思うくらい音も繊細で素晴らしいです。まあそんな事は考えずに、夜にでもしっとりこの音楽に耳を傾けてはどうでしょうか。

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(3) | |