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Thomas Fehlmann - Los Lagos (Kompakt:KOMPAKT CD148)
Thomas Fehlmann - Los Lagos
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ベルリンのニューウェーブ変異体であるPalais Schaumburgの元メンバーであり、Moritz von Oswaldとの3MBによってベルリンとデトロイトを結び付け、そして何よりもThe Orbのメンバーとしての輝かしい功績を持つベルリンのダブ・テクノ/アンビエントの重鎮中の重鎮であるThomas Fehlmann。DJではなく生粋のライブアーティストである彼が生み出す音楽は、揺らめくダビーな音響と緻密な電子音の変化、そしてシャッフルするリズムを組み合わせてダンスとしての機能性に芸術的な美学を持ち合わせた職人芸的なものだ。特にその音響面の才能は、例えばAlex Patersonがコンセプトを生み出すThe OrbではFehlmannがダブ音響の多くを担っているのではと思う程に、研ぎ澄まされた電子音の響きには個性を持っている。ソロアルバムでは前作から8年ぶりと随分と間は空いてしまった本作、繊細な音響面に於いては全く陰りは見られないものの年を経たせいもあるのだろうか、一聴して以前よりは地味でアブストラクト性を増している。オープニングの"Loewenzahnzimmer"は地を這うようなのそのそとした粘性の高いダブ・テクノで、モワモワとしたヒスノイズの奥には繊細な電子音響が散りばめられ、闇が広がる深海を潜航するようだ。続く"Window"で浮遊感ある上モノとしっとりしながらも軽く走り出す4つ打ちのテクノに移行するが、過剰な残響を用いずとも空間に隙間を残してダブらしき音響効果を作っている。"Morrislouis"ではお得意のシャッフルするビートで軽快に上下に揺さぶられ、徹底的にミニマルな構成ながらも微細な鳴りの変化によって展開を作り、ヒプノティックな世界に嵌めていく。元Sun Electricの一人であるMax Loderbauerが参加した"Tempelhof"は比較的幻想的なアンビエントの性質もあるが、シャッフルするリズムに加えて敢えて金属的な歪な響きの電子音を加えて目が眩むようなトリッキーさを加えている。しかしここまで聞いても以前と比べると随分とアンビエントの性質や甘美なメロディー等は抑えられており、ひんやりとした温度感で閉塞的な印象だ。しかし中盤以降、官能的ですらある妖艶なメロディーのループと溶解するようなねっとしたダブ・アンビエントの"Freiluft"、ギターサンプリングのループや色彩豊かな電子音を用いて祝祭感が溢れ出すダウンテンポの"Neverevernever"、そして惑星や星々が点在する無重力の宇宙に放り出されたかのように繊細な電子音が散りばめられたノンビート・アンビエントの"Geworden"と、前半とは打って変わって途端に鮮やかな色彩を伴いながら叙情性が現れて、こちらの方が以前のFehlmannの作風の延長線上だろう。アルバムの前半後半でがらっと雰囲気が変わる点でバランス感はやや崩れているが、それでもベルリン・テクノの音響職人としての才能はいかんなく発揮されており、するめのような噛みごたえのあるアルバムだ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joris Voorn - Fabric 83 (Fabric Records:fabric165)
Joris Voorn - Fabric 83
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かつてRichiw Hawtinが成し遂げたPCによって各曲を最小のパーツにまで分解し、それらを再度組み立て上げて同時に複数のパーツを層のようにミックスする事で、新たなる曲として創造する手法は今では決して珍しいものではない。またその手法が時としてライブ感を失い、見せびらかすように芸術的な面だけを強調してしまう恐れは多々あり、例えばオランダのテクノ貴公子ことJoris Voornについては典型的にその例に挙げられよう。活動の初期は複雑なミックスをする事なくテクノ・クラシックも多用しながら若いエナジーが溢れがつがつとフロアを盛り上げていたプレイも、近年リリースしたMIXCDでは多数の曲を糸を細かく編み込むような芸術的なミックスを披露する事に専念し、何かクラブの衝動は欠けていたように思われる。そんな折、新たに発表されたFabricシリーズからのMIXCDには、何と20トラックの中に65曲を詰め込むという以前からの手法を踏襲した内容だ。そこにまたもクラブの熱狂は存在しているのか不安になったが、そんな心配はどうやら杞憂だったようだ。本人が「Abletonがターンテーブルなどでは成し得ない、エディットとミックスとリミックスを可能にした」と述べているように、正にPCでしかありえない重層的なミックスをしながら各曲の繋ぎ目さえも消え去ったシームレスなプレイを披露しているが、それはまた目的ではなく手段として活かしながら、ミックスによって新たなる曲を創造しながらフロアのディープな感覚も確実に残す事に成功している。Jorisらしい美しいメロディーや感傷的なムードに甘い陶酔感はたっぷりと発揮されているが、侵食され何時の間にか抜け出せないミニマルな機能美やドラッギーなトランス感は間違いなく真夜中のフロアで体験出来るそれであり、それらが自然と一体化してドラマティックな世界観を構築している。また単にテクノやミニマルだけでなく、プログレッシヴ・ハウスやスピリチュアルな歌モノやエレクトロニカなど、多様なジャンルの音から要素を抽出しながらそれを違和感なく溶け込ませる手法は、ここをピークに迎えているようだ。勿論本作のような余りにも緻密な構成は生のプレイでは再現する事は不可能だろうが、しかしリリースされる作品としては本作は究極的な表現でもあり、それがフロアの空気も伴っているのだから素晴らしい。



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| TECHNO12 | 20:30 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Sounding Lines (Honest Jon's Records:HJRCD72)
Moritz Von Oswald Trio - Sounding Lines
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2008年に初のライブをお披露目した特別なプロジェクトが、まさか今日に至るまで継続的に活動し作品もリリースすると思っていた人は、当時は殆どいなかったのではないだろうか。それこそがMoritz Von Oswald Trioであり、ミキシングやPCを担当するMoritzにシンセサイザーなどをプレイするMax Loderbauer、そしてお手製のメタルパーカッションやドラムを叩くVladislav DelayことSasu Ripattiのトリオによるプロジェクトだ。各々が単独でも強烈な個性を発するアーティストがそれぞれの個性を掻き消す事なく融合したインプロビゼーション・プロジェクトは、恐らく奇跡的なバランスの上に存在していたのだろう。それが顕著に感じられたのは2013年には残念ながらVladislav Delayが脱退し、そして2014年の新生プロジェクトとしてのライブを行なった時だろう。何と代わりのドラマーとしてアフロ・ビートのTony Allenを加入させたのだ。意外性とそのタレント性から一際注目を集めたのは事実だったが、しかしライブ自体はMvOTの肝であったダブ残響を伴うメタル・パーカッションの鋭角的な切れ味は損失し、代わりに生温く湿ったパーカッションがしなやかなグルーヴを生み出していたものの、結果的にはMVoTのひりつくような緊張感は消え去り期待は失望へと変わった。そしてそんなプロジェクトが作品化されたのが本作であり、やはりここでもTonyによる生々しく繊細な人力ドラムがフィーチャーされている。上モノに関しては今まで基本的な差異はなく、ダビーなエフェクトを用いて電子音に揺らぎを加えつつしっとりと落ちる水滴のように音を配置させ、相変わらず間を強調した静謐な構成はミニマルの極北だ。だがそんな電子音と土着的なドラムの相性はどうかと言えば、どうにもこうにも上手く融け合う事もなく、リズムの乾いた質感が浮いてしまっている。ドラマーが代わる事でこうも音楽性が代わる事に驚きつつ、その上でVladislav Delayのメタル・パーカッションの重要性はやはり本物だったと痛感せざるを得ない。尚、本作ではミックスをRicardo Villalobosが担当しているが、それも本作に於ける無味乾燥とした味わいを残している事の要因の一つではと思う所も。これだけのタレントが揃いつつも、それ以上の相乗効果を見い出せないのが残念だ。



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| TECHNO12 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nightmares On Wax - Aftermath (Ricardo Villalobos & Max Loderbauer Remixes) (Warp Records:WAP368)
Nightmares On Wax - Aftermath (Ricardo Villalobos & Max Loderbauer Remixes)
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UKにおけるダウンテンポの先駆者であり、ダブ/レゲエサウンドを極めるGeorge Evelynによるユニット・Nightmares On Wax。革新的な電子音楽の開拓をし続けるWapr Recordsの古参でありながら、レーベルの中でも周りの動向に左右される事なく、マイペースにメロウなダウンテンポの制作に邁進する。とは言いながらも1990年はUKにてブリープ・テクノが全盛の時代、Nightmares On Waxはブリープ・テクノも手掛けながらダウンテンポの可能性を探っていたのだが、その成果としてブレイク・ビーツも取り入れた"Aftermath"はクラブ・クラシックとして今も尚高い評価を得ている。それから24年、そんな名作を現代に蘇らせたのが近年タッグを組み続けて奇抜なリミックスを披露するRicardo Villalobos & Max Loderbauerだ。とにかくこの二人が揃えば一般的なダンス・ミュージックからは想像出来ないような不思議な音響テクノを生み出すのだが、"Aftermath"もその例に盛れず原曲の影も残さない彼等のカラーに完全に染まっている。原曲は6分にも満たない曲だったのだが、"Ricardo Villalobos & Max Loderbauer Dub"では18分越えの大作へと生まれ変わっており、もはやここまでになるとリミックスと言うよりは彼等のオリジナルと呼んでも過言ではないだろう。元々あった硬いブレイク・ビーツは見る影もなく、その変わりに湿ったポチャポチャとしたキックやパーカッションが催眠的な効果を生み出し、呻き声のような不気味なボイス・サンプルも加えられ、微細な変化を伴いながら20分にも及ぶミニマルな展開が迷宮に迷い込んだようなトリップ感を誘発する。"Ricardo Villabobos & Max Loderbauer Electric Jazz Version"も16分を越える壮大な展開ではあるのだが、こちらはより変化に富んでいてガムランのような民族的な打楽器やバックには微かに生っぽい弦楽器の音も入ってきて変則的なリズムに惑わし、エキゾチックで雑食性の高いワールド・ミュージックのような趣がある。既にクラブ・ミュージックの粋を越えて彼等のサウンドとしか呼べない位置にまでその個性を磨きあげているが、しかしその個性の強さ故にこういったトラックがどんなパーティーでプレイされるのだろうかという疑問さえも生まれてくる。




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| TECHNO11 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/3/4 Red Bull Music Academy Moritz Von Oswald Trio featuring Tony Allen & Laurens Von Oswald @ Liquidroom
究極とも言えるミニマルを確立させたMoritz Von Oswaldが、更なる進化を求めて立ち上げたインプロビゼーション・バンドがMoritz Von Oswald Trio。Moritzを中心にMax Loderbauer、Vladislav Delayと言う才能が集まったバンドは、即興電子音楽ライブを行いミニマルに自由を与えた音楽を展開している。今回の再来日ではVladislav Delayの代わりにアフロ・ビートのTony Allenがドラムを担当、そして残念ながら体調不良で参加出来なくなったMax Loderbauerの代わりに、Moritzの甥で最近の作品にもエンジニアとして参加しているLaurens Von Oswaldが急遽加わり、恐らく一夜限りとなるであろうセッションを繰り広げる事となった。
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| EVENT REPORT5 | 13:30 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Audio Tech - Dark Side (Metroplex:M-040)
Audio Tech - Dark Side

にわかにざわめき立つデトロイトのJuan Atkinsと、そしてドイツのBasic Channel一派の絡み。先立ってJuanとBCからMoritz Von Oswaldがコラボレートを果たしたが、今度はJuanとBCのもう一人であるMark Ernestusが、Audio Tech名義で共演を果たした。そもそもがこの名義はJuan単独の変名だったものの、16年ぶりの新作では何故かMarkも加わっての名義となっているのは謎だが、相互作用は予想以上の相乗効果を発揮している。浮遊感のあるスペーシーなシンセ使いとモノトーンな呟きはJuanのものであるが、そこに生音ぽいベース音や滑りのあるダブ的なリズムの付加は恐らくMarkによるものであろう。叙情的なパッドが薄く伸びながらも、まるでRhythm & Soundのようなぬちゃぬちゃと湿り気を帯びさせた生っぽさが、宇宙を飛翔するデトロイト・テクノとはならずに泥沼に埋もれるミニマル・ダブらしさを強調している。そして本作がより注目を集めているのは、ここ暫くタッグを組んでいるMax Loderbauer+Ricardo Villalobosによる"Vilod Remix"であろう。12分にも拡大解釈されたリミックスは、もはや元の様相を保っておらずに乾いたパーカッションが複雑なリズムを構築し、様々な音が絡み合いながらまるで芯を抜かれた生物のようなふにゃふにゃとしたグルーヴ感を醸し出している。指の隙間からこぼれ落ちるようなとらえどころのなさが不思議な恍惚を生み出しているが、細部まで丹念に編み込まれた繊細なトラックは芸術的ですらある。4つ打ちから融解するように解け、そして再度徐々に定型を成すように4つ打ちへと変遷していくトラックは、12分と言う長い時間をかけてじっくりと堪能とする事で、何時の間にかトリップする蠱惑的なミニマルだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Blue (Honest Jon's Records:HJP073)
Moritz Von Oswald Trio - Blue
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アルバム、またはシングルと言う形態を分けなければ、一年に一枚の安定したペースで新作を量産しているMoritz Von Oswald Trio。Moritz Von Oswald+Max Loderbauer+Vladislav Delayらミニマル・ダブを極めた才人から成るこのユニットは、定型に収まるのを打破すべくライブ志向であるインプロビゼーションを繰り広げながらミニマル・ダブの裾野を更に広げている。この新作では"Blue"とそのダブバージョンである"Blue (Dub)"の2曲しか収録していないものの、彼等が今尚ミニマルの極北に存在する事を示している。淡々とリズムを刻みながらも有機的な響き方をするキックやメタルパーカッションと共に、浮遊する弦楽器風な電子音のメロディーや慎ましくも無感情に反復を繰り返すシンセリフから形成される"Blue"は、極少ない音で空間に隙間を作り奥行きを持たせた正にミニマル・ダブと言える曲だ。実はミックスにはJuan Atkinsも加わっており、その影響として重力を感じさせないスペーシーな性質も加わっているように思われる。そして一方"Blue (Dub)"だが、こちらはMoritzのレゲエ方面のプロジェクトであるRhythm & Sound路線を踏襲した深すぎるダブ音響を強調している。執拗に纏わり付くような湿り気を帯びた音質、そして視界も揺らめく残響音の微細な抜き差しが非常に土着的で、ずぶずぶと沼に沈んで行く重さがオリジナルとは対照的で面白い。曲そのものは至って地味な音響ミニマル・ダブなものの、流行り廃りからは距離を置いたオリジネーターとしての揺るぎない自負を感じずにはいられない。



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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - Soulman (Cooking Vinyl:FRYLP536)
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - Soulman
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発売前から話題騒然となっていたThe Orbの"Soulman"をRicardo Villalobos & Max Loderbauerがリミックスした作品。この一年間だけでも2人によるリミックス、オリジナル含め音楽制作は結構なボリュームとなっているが、一体何処までこのタッグは続くのだろうかと思う程に両者は親密な距離に居る。緻密な音響への拘りを持つ2人が揃えばThe Orbのトラックとて非常に研磨された音楽へと昇華するのだが、EP盤では”Villod A"と"Villod B"なる作風の異なる2つのリミックスを提供している。オリジナルは俗世的なギラつきがあり随分とダンサンブルだったレゲエトラックだったものの、”Villod A"ではまるで坊さんが木魚を叩きながら念仏を唱えているかのような、快楽的な俗世から切り離され溜まった脂をこそげ落としたエスニックミニマルへと変貌を遂げている。更には時折過剰なダブ処理による飛ばしの音や不気味に蠢くシンセを綿密に配置し作り込みを極度に行いつつも、理論を超越したフロアに於ける実践的なトラックとして成り立っているのだから、やはりこの2人は現場のアーティストなのだ。そして後半がズブズブと泥沼に足をとられ混沌とした音響空間へと雪崩れ込んでいく"Villod B"は、オリジナルがLee Perryの歌も含めて微塵もなく解体されほぼノイズ化したトラックとなっている。ちなみにデータ音源では"Villod Remix"以外も収録されているので、それぞれ聴き比べるのも良いだろう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ricardo Villalobos - Dependent And Happy (Perlon:PERL92CD)
Ricardo Villalobos - Dependent And Happy
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近年はMax Loderbauerと手を組んでのリミックス作業が目立っていたミニマルハウス最高峰のRicardo Villalobos。人気・実力と共にトップクラスである事は間違いないものの、最近の彼が手掛けたリミックスはお世辞にも派手ではないどころか実験に挑むかのような作風が目立ち、人気だけが先走っていたような感は否めない。事実、自分の中でも以前のVillalobosらしい作風から乖離していく内に、以前程には熱狂的になれなくなっていた。そして前作のミニアルバム"Vasco "から4年ぶりとなる本作も、確かに一聴した際には丹念に練り上げたミニマルではあるもののやはり地味だと言う印象を持った。その後何度もアルバムを聴き込んだのでも到底一般的に幅広く受け入れられる作風ではないとは思うのだが、しかし何時の間にか感覚が鈍く麻痺していくこの中毒性は一体何なのだろうか。かろうじて4つ打ちを保つようなふらついたグルーヴの酩酊感は尋常ではなく、大音量で聴くとはっきりと全容が浮かび上がる過剰とも思われる緻密かつ変幻自在なリズムトラックによる成せる業なのか、体にしっかりと響く躍動感はありつつも決して定型化する事なく常に揺れている印象を受ける。また大小膨大な音を隙間なく埋めているにもかかわらず、むしろ音を間引いたように音の隙間と言う空間も用意する事で、全体としてはリズムの強度は保ちつつもすっきりとしたシャープなハウス・ビートが走っているのだ。そしてVillalobosらしい妖しいボイスサンプルや朧気な無国籍のメロディーなど様々な音は前面に出て主張する様子もなく、浮遊しながら融合を果たすように浮かんでは消え浮かんでは消え…。湿っているのか乾燥しているのか、有機的なのか無機的なのか、それすらも分からない程に各要素は入り混じり妖艶で官能的な音を鳴らしている。クラブミュージックらしからぬ芸術的なまでに編み込まれた楽曲でありつつも、その上でクラブでの踊りに適した躍動感や心地良く酔うトランス感をも伴っているのだから、やはりVillalobosの実力は本物なのであろう。小さい音でちまちまと聴くのではなく、絶対にボリュームを上げどでかい音で体感するのが最高の聴き方なので、これは是非ともクラブで聴いてみたいものだ。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Fetch (Honest Jon's Records:HJRCD67)
Moritz Von Oswald Trio - Fetch
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Moritz Von Oswald+Max Loderbauer+Vladislav Delay=Moritz Von Oswald Trioの通算4枚目のアルバムは、更にベースとサクソフォンにトランペットが加わったセクステットによるもので、最早トリオと言うバンド名以上の即興電子音楽となっている。この新作での目に見えて分かる変化は今まで抽象性を保った曲名だったのが、ここでは"Jam"、"Dark"、"Club"、"Yangissa"と曲調をタイトルとして表現したのだろうか具体性を意識している事だ。最も即興音楽としてのジャズの手法を踏襲しているのが"Jam"であり、ここに決まりきった展開と言うものはなく各プレイヤーの裁量に任せたような演奏をしながら徹底的に抽象性を高める手法により、電子音楽と言う半ばシーケンスに固定されがちな音楽の殻を打ち破る事に成功している。そして"Dark"はと言うとリズムは具体性を増しながらシーケンスを守るものの、朧気に浮かび上がるシンセサイザーやダブの音響で加工されたパーカッション群は明確な姿を見せる事なく、暗闇の中でドロドロと融解する重力場を表現している。"Club"はもう正にタイトル通りにフロア仕様なミニマルダブで、Moritzが取り組んでいたRhythm & Soundの土着レゲエを人力テクノ化したものだろう。異空間から這い出してくるDelayのメタルパーカッションや鈍く原始的な鳴りを聞かせるシンセサイザーには、脈々とし血が通う人間臭いファンクネスさえ感じられる。そしてラストの”Yangissa”は何を示しているのかは分からないが、ワルツ調の跳ねたリズムと歪なパーカッションの攻めと闇の奥に鳴るホーンの音が妖艶なエキゾチシズムを生み出している。初期の頃は微細な変化を遂げるミニマルミュージックの手法を活かしたテクノをやっていたMoritz Von Oswald Trioも、作品数を重ねるに連れて生の即興性をより理解し制約から解放されて自由なプレイをしているように思われるが、本作はもう行き着く所まで来てしまった感さえある力作だ。

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| TECHNO9 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Conrad Schnitzler - Zug Reshaped and Remodeled By Ricardo Villalobos & Max Loderbauer (M=Minimal:MM012CD)
Conrad Schnitzler - Zug Reshaped and Remodeled By Ricardo Villalobos & Max Loderbauer
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現代音楽/ジャズを手がける名門レーベル・ECMをリコンストラクトさせた"Re:ECM"(過去レビュー)での仕事で気を良くしたのか、Ricardo Villalobos & Max Loderbauerが再度手を組んで手掛けるのは、ジャーマン・プログレの電子音楽偏執狂であるConrad Schnitzler。残念ながらConradは昨年他界しているのである意味では本作は追悼盤にも成りうるのですが、音と自由に弄れ自在に操る実験的電子音楽のパイオニアであったConradの作品を、音響への偏執的な拘りを持つ二人がリコンストラクトした事は偶然ではなかったのかもしれないでしょう。二人による作品は2曲、"Aktion-Mix"と"Sorgenkind-Mix"。原曲を未聴なのでどのような革新があったのかは言及出来ないのですが、現在のクラブトラックとしても機能する乾いた情感を保ったミニマルの前者に、ヌチャヌチャとした泥沼の様な湿った音響が不気味さにVillalobos色が特に感じられる後者と、異なる作風で生まれ変わらせつつもConradの無感情な音響世界を残してオリジネーターに敬意を払っている気持ちは伝わってきます。更に本CDには2010年にアナログでリリースされていたベルリン・ミニマル・ダブのPoleとBorngraber & Struverのリミックスも収録しています。Poleによるリミックスは彼にしてはハイハットなどのリズムの手数が多いものの、下地となるベースラインやキックにはダブの要素が含まれており、粘着性と疾走感がおかしなバランスで混ざっています。そしてBorngraber & Struverによるリミックスは一番まっとうとも言える規則的な4つ打ちを組んだトラックになっているが、何処か宗教的な重苦しさを感じさせるどんよりとした空気の中にもトランス的な覚醒感があったりと、元々はジャーマン・トランスだった人の名残があります。ただ今話題のアーティストが揃った割りには少々地味なアルバムで、期待値には及ばずと言うのが正直な気持ちでした。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Shangaan Shake (Honest Jon's Records:HJRCD58)
Shangaan Shake
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本コンピレーションで初めて耳にするジャンルでアフリカ発祥の"Shangaan"なる音楽。調べてもなかなか詳細が見つからないが、恐らくアフリカのシャンガーン人が鳴らしていた音楽の様だ。2010年にリリースされた"Shangaan Electro"で聴けるのはベースレスで高速ビートのチープな電子音楽と言った印象で、アフリカにやってきたニューウェーブとも言えるだろう。そんな"Shangaan Electro"を現在のダンスミュージックに於ける精鋭達がリメイクし直したのが本作で、オリジナル楽曲を知っていなかろうが食指が動くアーティストが参加している。デトロイトからはAnthony Shake ShakirやTheo Parrish、ダブステップからはActressとPeverelist、ダブテクノのMark ErnestusやDemdike Stare、ジャズやレゲエに造詣の深いBurnt Friedman、その名も轟くRicardo Villalobos & Max Loderbauer、ミステリアスな活動・作風であるOni Ayhunなど幅広く才能豊かな面子が集まったと思う。オリジナルを知らないので各アーティストがどのように"Shangaan"を解釈し直したかも知る由も無いが、現在形のダンスミュージックとアフリカからの新たなるサウンドの絡みをただ楽しむだけでも十分に価値がある。Mark Ernestusは音を削ぎ落とした軽快なダブテクノを披露しているが、土着なパーカッションや謎めいた上物のトランス感はアフリカンを意識したのか。奇妙なSEが入り乱れながら不規則なビートを打ち出すActressのダブステップは、クラブでの狂乱騒ぎに拍車をかける様なリミックスだ。ざらついたハット使いは彼らしいが妙に手数が多くビートが早いTheo Parrishのリミックスは、愉快に踊り狂うエレクトロ・ファンクで意外でもある。Anthony Shakirのお祭り気分の陽気なファンク、裏打ちのキックがトリッピーなレゲエ色の強いBurnt Friedmanのリミックスもアフリカンな味が感じられるだろう。Ricardo & Max組はぬちゃぬちゃとした質感が漂うファンキーかつドープなミニマル仕様で、生音っぽいのに低温が続くどうにも絶頂を迎えない焦らしのリミックスだ。まだまだ他にもアフリカンな音楽を個性的に作り替えた曲が収録されており、元ネタがアフリカンと言う以外は統一性がないものの色々な音楽性を楽しむ事も出来るし、"Shangaan"への足を踏み入れるきっかけになる作品であろう。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vladislav Delay - Latoma (Echocord:echocord051)
Vladislav Delay - Latoma
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Moritz Von Oswald Trioへの参加の影響からか自身でもVladislav Delay Quartetを組み、ジャズの影響を受けたアブストラクトな生演奏を聴かせたVladislav DelayことSasu Ripattiが、2年ぶりにデンマークのダブ・テクノを量産するEchocordより新作をリリース。2年前のアルバムでは管楽器や鍵盤楽器を取り入れ有機的な方向に向かった彼も、ここではEchocordのレーベル性を意識したのか、再度エレクトロニックなダブテクノを推し進めている。しかし明らかに以前よりも手数が増えゆったりとしたBPMながらもクラブサウンドへグルーヴの傾倒が感じられ、Vladislav Delay=リスニングミュージックと言う今までのイメージを壊しつつもある。初期の退廃的で不協和音が入り乱れるような混沌とした世界観も戻ってきており、Vladislav Delayの過去への懐かしみと共に進化もあり良い具合に変わったなと言う印象。そしてリミキサーにはRicardo Villalobos & Max Loderbauerがコンビで参加しており、こちらも彼ららしいミステリアスな内容。オリジナルのぼやけた上物を使用しながらも音を差引いて身軽になりつつ、リズムはカットアップさせたようにブツブツと切れたり、ぶちゃぶちゃとしたファットなキックが印象的だったりと、ダブテクノながらも妙な躍動感が目立つ怪作。気持ち良いのか悪酔いなのか、中庸を行き交う不思議なトランス感覚がある。

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| TECHNO9 | 00:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Ricardo Villalobos & Max Loderbauer - Re:ECM (ECM:2211/12)
Ricardo Villalobos & Max Loderbauer - Re:ECM
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ここ数年、現代音楽やクラシックへのクラブミュージック側からの再構築が目立っておりますが、今度はドイツの名門老舗ジャズレーベル・ECMも再構築が成されました。ECMと言えば先ずはジャズレーベルと言うイメージが先行しますが、実はミニマルな作風も取り込んだ現代音楽も手掛けるなど、禁欲的でありながら野心的なレーベルでもあります。ジャズは然程聴かない自分も、そんなレーベルカラーに興味を持ち数枚はレーベルの音源を所持しておりましたが…しかしここに来てミニマルハウスの大御所・Ricardo Villalobosと、元Sun Electricで現在はMoritz Von Oswald Trioのメンバーとして活躍するMax LoderbauerがECM音源を再構築したとなれば、そりゃ期待も高まる訳でして。で実際に蓋を開けてみるとこれがまさに現代音楽的と言うか、自分が勝手に想像していたクラブミュージック的なグルーヴは皆無で、レーベルの生真面目さを更に凝縮して音と音の隙間を生かしたエレクトロニクスと生演奏の共演となっております。原曲を全く知らないのでそれがどう再構築されているかは分かりませんが、蛇口から水がしとしとと垂れ続けるように生音がこぼれ落ちては波紋の様に広がり、静寂の中に張り詰めたテンションを構築していくのです。それに加えて奇妙なモジュレーションの音の追加やダブ処理により謎めいた神秘性も添加され、隙間だらけのテクスチャーにも拘らず極めて重厚な音の壁を作り出しております。Villalobosらしいミニマルな作風、Loderbauerお得意の奥深い音響は確かに形成されており、ECMの静謐なレーベルコンセプトを延長したと言う意味では成功なのでしょう。ただ個人的にはもっと単純に踊れるミニマルハウス/テクノを想像していたので、肩透かしを喰らったのも事実。完全にリミックスと呼べるまでに解体/再構築した音源も聴きたかったですね。

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| ETC3 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Moritz Von Oswald Trio - Horizontal Structures (Honest Jon's Records:HJRCD54)
Moritz Von Oswald Trio - Horizontal Structures
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ミニマルのある一つの理想型を創り上げたBasic Channelの一人・Moritz Von Oswaldが、ミニマルな構成を保ちながらも更にそこから乖離、又は更なる飛躍を遂げているMvOT。本人のプログラミングにVladislav Delayのメタルパーカッション、Max Loderbauerのシーケンス、その上Paul St. Hilaire(Tikiman)のギターとMarc Muellbauerのダブルベースも加わった最早トリオではない完全なるバンド化した本作。1stアルバムから2年も経たずにライブ盤、そしてこの2ndアルバムと早急にも思える活動ながらも、しかし遥か遠く未知なる境地へと向かっているのは間違いない。60分4曲と言う大作志向かつ余りにも時間軸の遅く感じられるスロウな展開故に、ミニマルに馴染みのない人にとっては退屈と思われる瞬間もありうるが、しかしそれでも間違いなく訪れるカタルシスへと向かう助走から幕を開けいつしか緊迫した絶頂へと達するピークの瞬間が待ちわびている。パーカッションは雷鳴の如く空間に響き渡り、そのバックで酔っているかのようにふらふらと控えめに鳴るギター、低音で地味に主張するベースライン、そしてミニマルな構成の軸となるエレクトロニクス群は、即興演奏と言う鬩ぎ合いによりひりついた緊張感を生み出している。ただ聴いているだけでは気難しく難解な音楽にも思えてしまうが、アクシデントなプレイさえも収録した本作はミニマルから無定形なフォームへと羽ばたいている自由な音楽でもある。クラウトロックやプログレ寄りな音楽性ながらも、彼らの得意とするミニマルダブも残されており、微妙にクラブとの繋がりも保っている怪作だ。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Moritz Von Oswald Trio - Restructure 2 (Honest Jon's Records:HJP54)
Moritz Von Oswald Trio - Restructure 2
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単発のプロジェクトではなかったのかMoritz Von Oswaldのユニットの新作が到着。今回はいつものMoritz Von Oswald、Max Loderbauer、Vladislav Delayのトリオに加えて、TikimanのギターとMarc Muellbauerのダブルベースも加わったクインテットと更にパワーアップ。最早テクノと言うよりはジャーマンプログレやクラウト・ロックとでも呼ぶべきような無定形な電子音が浮かんでは消える即興演奏的であり、ここにジャンルやら既存のフォームを求めるのは無意味なレベルにまで達しております。前作まではエレクトロニクスを中心としたセッションがまだ残っていたものの、ここでは人力によるギターやベースの生演奏が入るおかげで無機質な電子音に生暖かい音質も加わって、ブルージーな人間臭さまで伴っているでないか。12分にも及ぶ微細な変化を繰り広げるミニマルな展開の中で、時間の感覚が麻痺する程に中毒的にドープな内容です。そしてリミックスにはダブステップで注目を浴びるDigital MystikzのMalaが起用されており、地響きのするどでかいベースや強烈なキックが主張しつつもコズミックなSEがどこかスペーシーでもある深遠なダブステップを披露。奥深いダブ処理や過激で猛烈な勢いがあるこのリミックスは、踊る事を渇望する新世代の為のベースミュージックだ。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Moritz Von Oswald Trio - Live In New York (Honest Jon's Records:HJRLP53)
Moritz Von Oswald Trio - Live In New York
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今年のMetamorphoseにおいてメインステージのラストを圧巻のライブで締めくくったMoritz Von Oswald Trioのライブ盤。これがなんとも凄いメンバーが集結しておりまして、Moritz Von Oswald Trio=Moritz Von Oswald+Vladislav Delay+Max Loderbauerに、ゲストにはCarl CraigとFrancois Kも加わった限りなく奇跡に近いスペシャリスト達の共演盤となっております。音響や音質に対しては並々ならぬ拘りを持ち、そしてダンスミュージックの最前線を駆け抜けてきたレジェンズが、ひりつくような緊張感の中から生まれる臨場感溢れるライブセッションを繰り広げており、テクノやロック、ジャズと言った要素がミックスされております。個人的には古典的なジャーマンプログレッシヴロックのエレクトロニクス度を高め、更にはミニマルなシーケンスを微妙に変化させていくミニマルミュージックとも思えるし、そして空間へ空虚に鳴り響くダビーなメタルパーカッションはトライバルな要素もあり、続々と挿入されるSEはコズミックで宇宙へと飛ばされる瞬間もあります。オリジナルアルバムを軽く凌駕する心地良いトビ感、ダビーなエフェクトはやはりCarl CraigやFrancois Kの技量なのか、もうとてもこの世とは思えない恍惚の世界を作り出しておりました。生真面目と言うかどシリアスなライブセッションではあるけれど、しかし単に実験的な方向だけに進むのでなく電子音楽ファンの心を掴む内容でもあり、とにかく皆様に聴いて欲しいアルバムです。CD+LP2枚組のセットなので、是非ともターンテーブルにレコードをセットして聴いて欲しいですね。

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| TECHNO8 | 16:00 | comments(1) | trackbacks(1) | |
2010/09/04 Metamorphose 10 @ 修善寺 サイクルスポーツセンター
2005年のメタモ以来、5年ぶりとなるメタモに行ってきました。今回はクラブ仲間御一行に車を相乗りさせて頂きまして、更にはテントやイスなどのキャンプ道具を完備する人もいたおかげで、かなり快適に過ごす事が出来ました。そのせいか終始お酒を飲む状態で、まともに音楽を聴く状態でなかったのが反省点でもありますが、楽しく過ごせたかな。幾つか聴いたアーティストについて軽くコメント。

まずはManuel Gottsching performs "more INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR" with Steve Hillage, Elliott Sharp & Zhang Shouwang。一番期待していたのですが、やはり素晴らしかったです。ギター3人とPC1人(知人の話では4人全員ギターだそうです。譜面台でギターが隠れて分からなかったみたい)のライブセットで、最初は"INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR"に収録されている"Echo Waves"。ペケペケしたギターのディレイが織り成すエレガントでトランシーな、そしてノンビートチルアウトと言っても差し支えない名曲。空間にフワフワと心地良いギターが浮遊し、そして拡がっていく。酔っていたので、これだけ聴いて後は寝ながらグダグダ。

Mogwaiのライブはステージから遠く離れたキャンプ地で、またもグダグダ寝ながら聴く。遠くからでも分かる圧倒的なギターの音圧、そしてそのノイジーな中から垣間見える美しい旋律。ちょっと以前ライブを聴いた時よりも、なんとなくテンポが早かったような?

そして伝説のMike Banks+Jeff Mills=X-102。これはまあだいたい予想していた通りで、やはり90年代前半のハードコアテクノを彼らなりにコズミックな要素を加えた、音自体は古いけれど臨界点を突破するようなエネルギーに溢れたテクノでした。流行り廃りとか古い新しいとかを超えた彼らのコズミックなコンセプトを表現していたんじゃないかな、グダグダに酔っていたので正確な事は言えませんが。

そこからは朝まで撃沈してしっかり仮眠を取り、ラストのMoritz Von Oswald Trioを迎える。最初に言ってしまうと2年前のUnitの公演を遥かに凌駕するライブで、今回は期待以上の物を聴かせてくれました。Moritz von OswaldとMax Loderbauerはエレクトロニクスを操り、Vladislav Delayは世にも見慣れぬ不思議なメタルパーカッションを叩く。重力から開放されたようにシンセのシーケンスは空間を自由に浮遊し、微小な変化を繰り返しながらミニマルな展開を作る。Delayが叩くパーカッションはディレイも効果的に使われ、鋭角的な音が空間を切り裂くように、しかしダビーに拡がり、そして圧倒的な音圧と重低音を鳴らしていた。2年前のライブの結果から踊れないと思っていたものの、今回は粘着性の高い重いグルーヴが生まれていてしっかりと踊れる内容でもありました。何度も色々なライブを体験すると本当に稀ではあるけれど背筋が凍りつく瞬間があるのですが、今回はまさにそれを体験。75分2曲の現在成しうる究極のエレクトロニックインプロビゼーションミュージックと言っても過言ではないと思います。

今回は終始メインステージに居たので殆ど踊らなかったのだけど、貴重なライブ体験を出来たし音楽友達と楽しく過ごせて良かったです。野外の開放感がグダグダを誘発するのだけど、たまにはそんなイベントも良いのかも。今回お世話になった方々には、この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
| EVENT REPORT3 | 21:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Moritz Von Oswald Trio - Vertical Ascent (Honest Jon's Records:HJRCD45)
Moritz Von Oswald Trio-Vertical Ascent
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お塩さんやっちゃいましたね、さすが我ら凡人には辿り着けない境地を感じさせます。しかし矢田亜希子って言うのは結婚した時点で分かってたけど、男を見る目は全く無いんだよな。宮崎あおいなんかもそうだけど幾ら彼女たち自身に魅力はあっても、男を見る目が無い女ってのはそれだけで評価を落とすよなぁ…

一年前から話題になっていたユニットのアルバムがようやく登場。なんと言っても面子が尋常ならざるユニットで、Basic ChannelのMoritz Von Oswald、Vladislav DelayやLuomo名義で活動するSasu Ripatti、元Sun ElectricのMax Loderbauerとテクノの歴史の中で音響には人一倍こだわりを持つ人達が集結しているのです。だからこそ耳を集中させて聴いて欲しい。ここには流行や売れ行きを意識した音は一切入っていない。彼等が頑なに信じる自分達の音響の美学を、テクノとジャーマンプログレの狭間で融解させ新たなるテクノの世界観を作り上げている。テクノとは打ち込みがメインでライブ性の少ない音楽ではある…と言った既成観念はここでは通用せず、Ripattiはメタルパーカッションを叩き、Loderbauerはシンセサイザーを弾き、Moritzは様々なエレクトロニクスを駆使し、展開と拡張性を伴った演奏を披露している。細かに配置された様々な音が浮かんでは消えて、ミニマルではありながら微細な変化を伴いながら展開しつつ、廃退的な余韻が残っていく。余りにも生真面目過ぎる音楽ではありますが、フロアやクラブと言った娯楽的な要素を越え、テクノの制限を越えて生きているテクノに全力で打ち込んだ結果が本作なのではないでしょうか。ベルリンテクノだけど、何故かアフリカンなパーカッションは古代の踊る欲求を呼び起こします。

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| TECHNO7 | 00:05 | comments(2) | trackbacks(3) | |
2008/07/11 UNIT 4th Anniversary @ UNIT
テクノの生きる伝説・Basic ChannelからMoritz von Oswald TrioがUNITに襲撃。と言ってもまさか今時の若い人が今更ベーチャンに興味なんか持ってないだろうと高を括ってましたが、すんません、UNITが久しぶりに超混んでました。12時過ぎにクラブに入ったんだけど、その時点でフロアは人混みでパンパン。全然前に行けないし、勿論踊る事も不可能。YOUTUBEのライブ映像を見た限りだとどう聴いても踊れないライブなのに、まさかそれでもMvOTを聴きたい人があんなにいるなんて、自分も含めて極度にどMなクラバーは意外と多いのですね。
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| EVENT REPORT1 | 17:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2008/07/05 (SAT)
DEFECTED presents Charles Webster Release Party @ AIR
DJ : Charles Webster
Special Live & DJ : Jazzin' Park

2008/07/11 (FRI)
UNIT 4th Anniversary @ UNIT
Live : Moritz von Oswald Trio feat. Vladislav Delay & Max Loderbauer (ex. Sun Electric, NSI), Flying Rhythms
DJ : Fumiya Tanaka, Juzu a.k.a. Moochy, Hikaru (Blasthead) and more

2008/07/12 (SAT)
LIQUIDROOM 4th ANNIVERSARY @ LIQUIDROOM
Live : Los Hermanos
DJ : Larry Heard

2008/07/20 (SUN)
Real Grooves Volume 28 "Musique Risquee Label Night" @ UNIT
DJ : Akufen, Maxxrelax
Live : Deadbeat

2008/07/25 (FRI)
CLUB MUSEUM "4 HOURS of DETROIT ROOTS !!" @ UNIT
GUEST DJ : SUBURBAN KNIGHT a.k.a. James Pennington
DJ : Kihira Naoki, Rok Da House

予定が空いてしまったので、Moritz von OswaldとLos Hermanos+Larry Heardのどちらにも行ける事になりました。YELLOW亡き後UNITががんばっております。この調子でUNITは良いパーティーを開催して頂けると助かります。
| UPCOMING EVENT | 14:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |