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Mike Dunn - My House From All Angles (Moreaboutmusic:MAMBB001)
Mike Dunn - My House From All Angles

何があったのか昨今のシカゴ・ハウスに於ける名作のリイシューラッシュの勢いは驚くべきもので、Dance ManiaやTraxにChiwax等含む多くのレーベルから数え切れない程に過去の作品の掘り起こしが行われている。そんなシカゴ・ハウスが賑わう状況で2018年にはそのレジェンドであるLarry HeardことMr.Fingers名義のアルバムが24年ぶりに発表された事は記憶に新しいが、それにも負けないのが2017年の年末にリリースされたMike Dunnによる2ndアルバムである本作で、こちらは何と1990年以来の27年ぶりのアルバムになる。Dunnはシカゴ・ハウスの黎明期から活動するDJでゲットー地区生まれと言う事も影響しているのか、そのTB-303やTR-808を用いたアシッド・ハウスは荒々しく正にジャッキンなもので、それだけに留まらず数々の変名を用いてガラージやディープ・ハウスにも取り組んでいたが、アルバムを制作しなかったのはやはりDJツール的な音楽性が故だったのだろうか。しかし本人曰くやる気とアイデアが湧いてきたそうでこのアルバムへと繋がったのか、そして久しぶりのアルバムと言う事もあるのか不穏なアシッド・ハウスだけではなくボーカル・ハウスや流麗なテック・ハウス気味の曲もあったりと、ベテランとしての集大成的な構成にはただ野蛮なけではなく完成されたベテランとしての貫禄が漂っている。出だしの"Acid Rush"はうねるアシッドのベースが古典的なアシッド・ハウスではあるものの、魔術的な呟きの導入もあってか激しいと言うよりは催眠的でアシッドの幻惑的な効果が打ち出されている。"Body Muzik"もファンキーなボーカル・サンプルや呟きが用いられており、こちらはよりラフなハイハットやリズムの鳴りがジャッキンに響いており、オールド・スクールでB-Boy的だ。だがアルバムは進む毎に多様な表情を見せるようになり、4曲目の"DJ Beat That Shhh"ではMD X-Spressをフィーチャーして野暮ったくもどこかメロウな歌とスカスカなリズムのヒップ・ハウスを聞かせ、"Have It 4U Babe"では切り刻んだようなサンプリングやディスコなベースラインを用いて熱量あるソウルフルなハウスを展開し、"Modulation"に至っては潜めるようなアシッドを混ぜながらも快楽的で美しいシンセのリフがモダンで洗練されたヨーロッパ的な雰囲気のテック・ハウスを匂わせており、Dunnに対する古典的なアシッド・ハウスのアーティストという間違ったイメージを正しく塗り替える。それでも尚安っぽくて垢抜けなくも狂気が滲むアシッド・ハウスの魔力は魅力的で、その後にも"Move It, Work It"のようにたどたどしいTR系のリズムとねちっこいTBのアシッドなベースの単純な構成のシカゴ・ハウス等も用意されており、長い経験から生まれた幅のある豊かなハウス・アルバムでありつつアシッド・ハウスというルーツは変わっていない。久しぶりのアルバムだからと言って甘い評価は必要なく、シカゴの重鎮としての力量が爆発したファンキーな一枚だ。



Check Mike Dunn
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Soul Clap - Watergate 19 (Watergate Records:WG 019)
Soul Clap - Watergate 19
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今までに数多くのレーベルやDJがパーティーでの雰囲気を仮想的に体験出来るMIXCDを制作していたものの、現在ではWeb上には無料でのミックスが無造作に溢れる事で公式で販売する事のメリットは薄まり、徐々にその市場は狭まりつつある。しかしベルリンの大型クラブであるWatergateはこんな状況の中でもMIXCDをシリーズ化しているが、その最新作はSoul ClapによるWatergateでの今年7月のプレイをライブ録音したものを作品化している点で、これこそ正にパーティーの臨場感をはっきりと体験出来る点で意義を見出す事が出来る。Soul ClapはUSのボストンにて活動する二人組でR&Bやヒップ・ホップまで内包するモダンなディスコ・ハウスを手掛け、人気を博す中で最近ではFunkadelicでの共作でも名前が出たりと、非常に勢いを感じさせるユニットの一つだ。そんな彼等がピークタイムから太陽が燦々と降り注ぐクローズに向かっての時間帯に繰り広げたプレイは、意外や意外、ヴァイナルのみを使用してクラシカルなハウスやディスコを中心とした選曲でオールド・スクールな雰囲気を爆発させている。歓声が湧き上がるスタートからいきなりDeep Dishの変名であるChocolate Cityの"Love Songs (Taxi Luv)"で黒いファンキーさを打ち出したハウスで始まり、Alexander EastやRoy Davis Jr.など90年代後半のフレーヴァーが放出する往年のディープ・ハウスで上げるのではなくメロウな雰囲気に染め、中盤では爽やかなパーカッションが乱れ打つ"Say That You Love Me (FK-EK Percussive Dub)"から気の抜け方が面白いシカゴ・ハウス"Dance U Mutha"やエレガントなトリップ感溢れるアシッド・ハウス”Koukou Le (Jori Hulkkonen Remix) ”などで緩やかなピークタイムを演出。そこからは生臭さが強くなるようにサイケデリックなディスコ・ダブや暑苦しいディスコで一旦熱気を高めてから、Francois DuboisやChez Damierのスムースで透明感さえも見せる美しいテック・ハウス〜ディープ・ハウスを通過し、最後はRon Trentによるフュージョン・テイストの強い"Traveler"で闇を這い出た先にある太陽光が降り注ぐ爽やかな世界へと足を踏み入れ、実際にはパーティーはまだ続いていたのだろうがこの作品はここで終了する。音楽的な新鮮さで見れば懐古的な面は否定出来ないものの、これはそのパーティーの場所や時間帯の雰囲気を考慮して選曲したという点からは、確かにオープンエアのそのパーティーの開放感には適切だった事が伝わってくる。なかなか朝まで残れないというパーティーピープルにとっては、朝方の至福な気分を疑似体験出来る意味でも面白い作品なのではと思う。



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| HOUSE11 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hardcore Traxx Dance Mania Records 1986-1997 (Strut:STRUT114CD)
Hardcore Traxx Dance Mania Records 1986-1997
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ジューク/フットワークの隆盛と共にその原点として再度注目を集め出しているシカゴ・ハウスだが、本作品はその決定打とも言えるシカゴ・ハウスの老舗・Dance Mania Recordsの2枚組コンピレーションだ。Dance Maniaは1986〜1997年の活動期間にアナログで膨大な作品を残しシカゴ・ハウスの基礎を成したレーベルである事に間違いはないが、シカゴ・ハウスらしく良くも悪くも玉石混淆であり全ての作品が高品質ではなく、その点からも公式にレーベル・コンピレーションが手掛けられた事は素直に喜ぶべきであろう。さて、Dance Maniaというと当方もそうだが一般的な評価としてゲットー・ハウス系のイメージが先行しているが、本作においてはレーベル初期の作品を多く収録する事でそのイメージを覆す事にも成功している。CD1にはレーベルの初期〜中期までの作品を収録しているが、これが予想外にもオーセンティックなハウスが並んでおり、Dance Maniaにもこんな時代があったのかと意外な印象を受けつつ普遍的なハウス作品として素晴らしい。特にVincent Floydによる"I Dream You"やDa Posseによる"Searchin' Hard (Mike Dunn's AC Mix)"はピアノの旋律がラブリーなディープ・ハウスで、その流れは90年代のメロディアスなUSハウスにも通じるものがある。その他にもジャッキンな感覚を強調した安っぽくもファンキーなトラックもあったりと、しかしまだテンポはまだ加速せずに普通の形態を保っている。CD2にはレーベル中期〜後期の作品が収録されているが、その辺りからレーベルはゲットー・ハウスなるシカゴ・ハウスの変異体としてより注目を集めるようになっていたようだ。特に今再度高い評価を獲得しているDJ Funkは2曲収録されているが、チージーな音質ながらも高速ビートに合わせ下品なボイスサンプルを執拗に重ねた作品は、これぞファンキーなゲットー・ハウスの一例だろう。またPaul JohnsonやRobert Armaniの曲はもはやテクノ方面で評価されるべきハードなスタイルへと進化しているし、今をときめくTraxmenは"French Kiss"をパクったようなリフにアホアホボイスサンプルを被せて遊び心とファンク溢れる曲を披露するなど、Dance Maniaが一般的なシカゴ・ハウスのその先へと向かった軌跡を見つける事は容易い。その点で当方のようなシカゴ・ハウスが単純に好きな人には当然お勧めなコンピレーションだが、ジューク/フットワークと呼ばれる音楽に魅了された若者にとっても、そのルーツを掘り起こす意味で本作は価値のある作品である。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Gene Hunt Presents Chicago Dance Tracks (Rush Hour Recordings:RH115CD)
Gene Hunt - Presents Chicago Dance Tracks
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シカゴ・ハウスの氾濫。間違いなく皆が感じているであろうシカゴ・ハウスの逆襲は、遂には未発表音源の発掘にまで至る。元々CDRなど無かった80年代、出来上がった曲はオープンリールと言うテープに記録され、それをDJがクラブで使用してフロアの反応を見ていたそうだ。そう云ったアーティストが制作した新譜は別のDJに手渡されリリースまでに漕ぎ着けた物もあれば、そのまま日の目を浴びる事なく倉庫の奥底に追いやれてしまう事もあったであろう。時代の流れと共に多くの遺産は、そのまま封印されてしまった…が、今やシカゴ・ハウスの時代が戻ってきている。そして一際その流れを作り出しているオランダのRush HourとシカゴのベテランDJ:Gene Huntが手を組み、彼がかつて友人から手渡された1982〜1989年までの時代に埋もれし作品をコンパイルしてしまった。勿論どれも未発表かつヴァイナル化されていない貴重な作品なのは言うまでもなく、Larry Heard、Farley "Jackmaster" Funk、Lil Louis、そしてRon Hardyら大御所までの作品が眠っていた事自体に驚くであろう。今これらの楽曲を聴いてもダサい、古臭い、そう云った言葉が思い浮かぶのは当然で、TR系の渇いたキックやパーカッションやチープなアナログシンセが生み出す荒削りな初期シカゴ・ハウスが、如何に理論よりも衝動や勢いを重視していたかは聴けば納得するであろう。平坦でドタドタしたグルーヴ、質素で味気ない音質など確かに完成度と言う点においては足りない点もあれど、しかしファンキーさを超越したマッドな悪意さえ感じられる不穏な空気に神経も麻痺させられるであろうし、シカゴ・ハウスの最初期の時代を感じられる事に意義があるのだろう。

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| HOUSE7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gilles Peterson - In The House (ITH Records:ITH23CD)
Gilles Peterson-In The House
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Defectedの名物であるハウスミックスシリーズ"In The House"の最新作は、なんとクラブジャズ第一人者であるGilles Petersonが担当。偉業とも言えるDJの選択ですが、どうやら本人はかなり本気でいるらしく久しぶりに最高の作品が出来たと自画自賛しております。確かにボリュームは3枚組ととんでもない量になっておりますが、さて内容はと言うと。

まずDISC1は完全にハウスをコンセプトにしており、伝統的なNYハウスから始まり、パーカッシブなハウス、テッキーなハウスと緩やかに盛り上がりを見せる好内容。爽やかに甘くライトな印象ながらも、滑らかな音触りが耳に心地良いですね。わざと難解にする事もせずハウスファンの多くが知っているであろうアーティストの曲も多く使われていて、ストレートにハウスの良さが分かる一枚ですね。

そしてDISC2はGillesのルーツが詰まっていると言う、ファンクやディスコを中心にミックスしております。と言っても自分はこの手の音楽は全く聴かないのでコメントが難しい。イメージとしては昔のディスコで流れる様な音楽でしょうか。生演奏中心でハウス史以前のハウスに近い物、ファンキーでブラック色が強くノリノリな感じですね。

最後のDISC3はこの企画の為に多くのアーティストが新曲を提供し、それを収録したミックスされていないコンピレーションです。ジャジーなハウスもシカゴハウスもラテンハウスも含め色々ありますが、そのどれもが新曲と言うのは凄いですね。クラブミュージックシーンでのGillesの信頼度、尊敬度の表れでしょうか。想像していたよりも格好良い曲が詰まっていて、曲を提供したアーティスト側も本気だと言う事です。

3枚組と言うなかなか聴くのは大変なボリュームですが、これは一聴の価値有りの名盤だと思います。また"In The House"シリーズにおいても、上位にランクインする素晴らしい出来ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
DJ Deep Presents City To City Part 02 (BBE:BBECD068)
DJ Deep Presents City To City Part 02
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フランスのディープハウスシーンなら俺にまかせろーいと言わんばかりの勢いであるDJ Deepが送る、デトロイト、シカゴ、ニューヨークのハウスヒストリー。サブタイトルが「A Retrospective Journey Through Chicago, Detroit And New-York Underground House Sounds」の通り、アンダーグラウンドハウスの回顧展みたいなMIXCDとなっております。「City To City Part01」(過去レビュー)もなかなかのマニアックぶりでしたが、今作も前作にまけじと玄人っぷりを発揮しています。だいたいの曲は90年前後のハウスサウンドなのですが、正直大半の曲は僕も分かりません。昔懐かしのTR-808のリズムトラックを使用したチープなシカゴハウスが多く、ここら辺の作品には芸がないものの伝統工芸みたいな一貫性を感じますね。単純に古臭い音と言えばそれまでですが、時が経てば経つ程ソウルが滲み出てくると思います。デトロイトハウスではUrban Culture名義でCarl Craigの傑作「Wonders Of Wishing」が一曲目に使われています。セクシーな女性ボーカルサンプルがこだまするディープハウスですが、Carlさんはほんと何やらせても天才だなって思わせる一曲ですね。Lowkeyの「Rain Forest」って曲は2006年作らしく、何故かまだ未リリースなのが収録されています。太く硬くかつソウルフルなハウスで、ちょっと気になりました。最近はハウスも聴いたりする僕なのですが、やっぱり昔の曲は全然わからん。そんな所にこうゆう隠れた名作を紹介してくれるMIXCDが出ると、大変参考になりハウスへの興味も更に増し、昔の音源も聴いてみたくなります。そうゆう意味ではこうゆう回顧録にも、しっかりと意味があるのだと思いますね。

ちなみにCD2はCD1の曲をミックスせずに収録したのと、ボーナストラックを3曲追加。ここでやはり目玉はCarl Craigが手掛けたNaomi Danielleの「Feel The Fire」でしょう。かなりレアな曲でもあるのですが、内容がまた最高にヤバイんです。それは聴いてのお楽しみって事で。

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Check "DJ Deep"

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |