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ACID CITY 3
ACID CITY 3 (JUGEMレビュー »)
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Miruga - Atmospheric EP (Foureal Records:FOR001)
Miruga - Atmospheric EP.

デジタルのみで、そしてベテランから新鋭まで日本人のみに焦点を当ててリリースを行ってきたShinya Okamoto主宰によるFoureal Recordsが、遂にヴァイナルでの制作を始動させた。デジタル配信が拡大する時代の中で、一部のレーベルは逆にヴァイナルのみのリリースに拘るなどこれは制作側にとってはある種の憧れにも近いのだろうが、当然リスナーにとってもヴァイナルで出す事の意味はそれなりの期待や品質の保証と捉えており、Foureal Recordsにとってはここからが新たなるステージの始まりを示唆しているようだ。ヴァイナルの第一弾には過去に同レーベルからもリリース歴のあるMiguraが抜擢されており、Ethereal SoundやBalance MusicにRough House Rosie等著名なレーベルにも作品を提供した経歴がある実力者である。ややエレクトロニックでハード目のテクノから情緒的なディープ・ハウスにジャジーなグルーヴまで作品毎にややスタイルを変えるが、基本的にはどの曲にもエモーショナルな響きを込められている。本作はややテクノ寄りな質が強いだろうか、"Predic"は硬めでダビーなパーカッションが空間を切り裂くような刺激があり変則的なビートで揺れる曲だが、浮遊感を伴い薄く伸びるようなパッドや美しいシンセのサウンドはひんやりとしながらも情緒的で、胸の内にソウルを秘めたように慎ましくもある。"Nature Drop"もダビーなパーカッションが奥深い空間の広がりとハードな響きを感じさせるが、キックはどっしりと地面に食い込むような安定の4つ打ちを刻んでおり、音響系のダブ・テクノと叙情性のディープ・ハウスが混ざりあったような爽快な曲だ。膨らみのあるキックと激しく打ち鳴らされるパーカッションによって疾走感を得る"Circle"、これももやもやとした幻想的なパッドが淡い情感を感じさせ、激しさの中にもMirugaらしいエモーショナル性が込められたテクノだ。レーベルの紹介ではオープンエアの朝方からクラブパーティーの早い時間帯向けとなっているが、確かにピークタイムの狂騒の中でと言うよりは成る程じっくりと耳を傾けて聞いて欲しい音楽性がある。



Check "Miruga"
| TECHNO13 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deep House Japan (Loft Soul Recordings:LSR-003CD)
Deephouse Japan
Amazonで詳しく見る(日本盤)

「日本のディープ・ハウス」…これ以上にない程に分り易い直球タイトルの本作は、その名の通り日本人DJ/アーティストのディープ・ハウスを収録したコンピレーションだ。手掛けたのはRhythm of Elementsとしても活動する内川マサヒコで、80年代からクラブでDJ活動をしている大ベテランだ。そんな風に日本でも長い経験を積んだ現在形のDJは増えており、尚且つ海外はディープ・ハウスの隆盛の中にある状況ながらも、日本にも素晴らしいDJ/アーティストは居るにもかかわらず日本のディープ・ハウスは一体何処に?とそんな思いに応えるような本作には、岩城ケンタロウや高橋邦之にHideo KobayashiやYoshi Fumi(Satoshi Fumi+Yoshi Horino)など既に貫禄ある実力者から、新鋭のIori Wakasaに若手のYusuke Hiraokaまで収録し、「日本人のアイデンティティによって生まれたハウスミュージック」をテーマに掲げている。流石の貫禄を発揮しているのはKuniyukiで、大気の振動さえも感じさせるトライバルなパーカッションに有機的なシンセや静謐なピアノを用いて神々しささえも含む"End Of Night"は、Kuniyukiという個性を象徴するディープ・ハウスだ。黒さ滲むファンキーなハウスも得意とするIori Wakasaは、声ネタのサンプリングやヒプノティックなシンセをループにさせ、どっしりと鈍重なグルーヴからねっとりと黒さが放出するディスコティックな"Toy Box Disco"にてディープ・ハウスの解釈をしている。NYハウスやテクノまで手掛けるHideo Kobayashiは、逆に長閑なアンビエンスさえ感じさせる開放的な"Your Aias"を提供しているが、一見ふっと脱力する浮遊感がありながらも深みもあるのだ。アルバムの中でも情緒的な世界観が強いのはYusuke Hiraokaによる"Sunrise"と、そしてKay Suzuki x Leonidasによる"Interstellar Vibraions"だろうか。滑らかなハウスビートに乗せて温かみのあるメロディーをしっとり聞かせる前者、ビートを落としてファンキーなベースやダビーなパーカッションを加えつつ大らかな電子音に包み込んでスケール感を強調した後者、それぞれテンポやグルーヴ感に差異はあれどこれらも広義な意味でディープ・ハウスだろう。また内川自身もMirugaとの共同制作で"Wild Ones"を提供しており、アシッド・ベースを用いながらも都会のナイトクラブの興奮や陶酔感のある洗練されたディープ・ハウスを鳴らし、アルバムの開始を高らかに宣言している。本作は日本的な…という音のディープ・ハウスではないかもしれないが、少なくともここに収録された曲のそれぞれは決して海外にディープ・ハウスに劣る物ではなく、やはり日本のそれも世界に通用する事を伝えている。古い和製ハウスを掘り下げる外人も多いからこそ、今こそ今の時代の和製ハウスが世界に発信されるべきだ。

Tracklistは続きで。
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| HOUSE12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Stuntman Mike Car's Soundtrack (Part.2) (Troubled Kids Records:TKR013)
Stuntman Mike Cars Soundtrack (Part.2)

スペインのディープ・ハウスのレーベルと自称するTroubled Kids Recordsは、ヴァイナルのメディアに拘りディープな音楽性を貫く。本作は、映画「Death Proof」の中に出演するキャラクターであるStuntman Mikeがドライブ中に流すサウンド・トラックという位置付けのEPのようで、2013年にはその第一弾もリリースされている。この第二弾にはデトロイトからAlton Miller、日本からはMiruga、スペインからはErnieとレーベルオーナーのJesus Gonsevとそれぞれ正しくディープ・ハウスを得意とするアーティストが参加しており、その面子からも作品の質の高さはおおよそ予想はつくだろう。Millerの"When The Morning Comes 2nd"は2010年にリリース済みの別バージョンだが、控え目に優美なローズのコード展開と生っぽく爽やかなビートを軸に麗しいシンセソロが舞い踊り、ソウルフルで王道的なデトロイト・ハウスがベテランとしての貫禄を感じさせる。Gonsevによる"Traits Of Humankind"もズンドコとした太い4つ打ちに柔らかく温かみのあるメロディーが華麗さを演出し、際立った個性を感じさせる作風ではないがディープ・ハウスとしての基本的なスタイルを守っている。非常に個性的なのはMirugaによる"Endless Waltz"で、力強く跳ねるようなジャジーなリズムの上にエレガントさを添える耽美で躍動的なエレピの旋律が華を添え、そこに様々な音色が重層的な厚みを出して華やかながらも生々しいグルーヴを生んでいるのだ。そしてErnieによる"Sharepoint"は空気感のあるパッドやリバーブを効かしたボイスサンプルを用いて、奥行きや壮大な空間の広がりを感じさせる作風で、他の3曲よりもアンビエント性も感じさせるがこれもディープ・ハウスの一種だろう。サウンド・トラックという体裁のコンセプトは理解出来ないものの、収録された曲自体は正しくハウスのパーティーで映える曲ばかりで、一見の価値ありだ。

| HOUSE12 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Miruga - Be Free (Altered Moods Recordings:amr 36)
Miruga - Be Free
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)

今まさにブレイクを果たそうとする邦人アーティストのMiruga。2012年にEthereal Soundからアナログデビューを果たし、そこからソロでEPをリリースする傍らBalanceやRough House RosieにAesthetic Audioなど著名なレーベルのコンピレーションにも曲が収録される等、その名前は徐々に世界的にも浸透しているのは間違いない。リリース元となったレーベルを眺めれば幽玄なディープ・ハウスやエモーショナルなデトロイト性を伴う音楽性である事は理解出来るだろうが、実際にはそれだけでなくアンビエントのムードや4つ打ちに囚われないリズム感など、より広範囲に渡った作風が様々なレーベルに取り上げられる要因であるのかもしれない。新作でも確かにディープ・ハウスに括られておかしくはない音を鳴らしているが、収録された4曲それぞれに持ち味があるのだ。耽溺するような甘い笛の音色から始まり幻想的なパッドに覆われる"Be Free"は、そこからも輝きを含む綺麗なシンセの音色が優美な旋律を奏で、しっかりとファットなキックが刻まれながらもアンビエント・ハウスを思わせるような心地良い雰囲気が広がる。一方で"Blizzard"はそのタイトルの如くややハードなサウンドが前面に出ており、荘厳なシンセの使い方でありながらも切れのあるビートとの相乗効果で、強風が吹く大雪の極寒地帯を思わせる険しさが襲い掛かる。しかし裏面では逆に繊細なパッドやリズムの揺らぎを強調した"Blue Space"があり、軽快でジャジーなグルーヴの上に滴るエレピが耽美な装飾を行っている。最後の"The Old Beauty"も薄く伸びるパッド使いが郷愁を誘うが、カタカタとした簡素なリズムトラックはシカゴ・ハウスのその音質で、昔を思い出すような懐かしさに溢れている。どれも人肌を感じさせる温かいメロディーが通底しており耳を惹く作品ではあるが、それぞれパーティーの早い時間帯からピークタイム、そして朝方にまでフィットするであろう異なる雰囲気もあり、Mirugaの音楽性を十分に堪能出来る一枚となっている。



Check "Miruga"
| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Miruga & Fulbert - Suzaka Motor City EP (Rawthenticity:CITY08)
Miruga & Fulbert - Suzaka Motor City EP

フランスはパリを拠点とするRawthenticityの新作は、レーベルを主宰するTimothee VictorriことFulbertと邦人アーティストのMirugaによる共作だ。前者は今絶好調のLocal Talkの初期に作品をリリースするなどモダンでエモーショナルなハウスを手掛けており、後者はEthereal SoundからRough House RosieにBalance等からディープかつダビーなテクノ/ハウスをリリースして粛々とその活動を広げている。このMirugaは2013年にもRawthenticityからFulbertとのスプリット盤をリリースしている事もあり、レーベルからの信頼を得ているアーティストの一人なのだろう。その結果として本作はスプリットではなくFulbertとの共作へと至ったのではないかと推測するが、その影響だろうかそれぞれの曲毎に異なる音楽性が現れている。何と言っても先ず印象に残るのがタイトル曲である"Suzaka Motor City"で、片面をたっぷりと使用した15分にも及ぶ大作だ。須坂にあるMirugaの父とそのガレージ(ここで収録されたそうだ)に捧げられたという本作は、エレクトロニックなハウスにジャズのヴァイブスを取り入れたように聞こえ、ぐっと前に迫り来るベースに可愛らしいヴィブラフォンのメロディーや幽玄なシンセを散らしながらも、不鮮明な風景が広がるようなアブストラクトなディープ・ハウスを形成する。パーティーで盛り上がるようなダンス・トラックと言うよりは、早い時間帯にディープな流れに移り変わる時間帯に映えそうなタイプだ。裏面の"Inside"はMiruga単独による曲だが、これは彼の中でもかなり爽快でエモーショナルなディープ・ハウスで異色の出来栄えだ。空へと広がるような笛の音色と美しく耽美なピアノのメロディーが交互に現れながら、エネルギーが弾ける小気味良いグルーヴでぐいぐいと疾走し、気分は高揚を続けるばかり。そして"Ghost Of Oiwa"は攻撃的で変則的な低重心のビートに揺さぶられつつ、ぐぐっと分厚いシンセが放出される事で荘厳さも含み、荒々しくも情緒的なブレイク・ビーツ×ディープ・ハウスな面白い作風だ。作品としても素晴らしくありつつ面白みもあるのだが、残念ながら日本には殆ど入荷されていないのがもったいない。



Check "Miruga" & "Fulbert"
| HOUSE11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Various - Jujiro EP (Rough House Rosie:RHR 006)
Various - Jujiro EP
Amazonで詳しく見る(MP3)

アンダーグラウンドなハウスを追いかけている人にとっては、ケルンのRough House Rosieは見逃す事は出来ない。2013年の初頭から始動したこのレーベルは、ケルンに活動の場所を置いてはいるが主宰者であるGeorge Beridzeがグルジア出身という事もあり、いわゆる近年評価を高めているロシアン・ディープ・ハウスの流れとして捉えるべきであろう。レーベル発足当初からGigi JikiaことHVLにShine Grooves、A5やGamayunなどロシア系の新興勢力を掘り起こす事に力を入れ、女優クララ・バウの顔をロゴマークにした印象的なアートワークも相まって、レーベルは注目を集めている。そんなレーベルの新作は日本人のアーティストに焦点を絞った「Jujiro」(サイレント・ムーヴィーである「十字路」を引用だそうな)で、テクノからブレイク・ビーツにビートダウンまで深く掘り下げるベテランの白石隆之(Takayuki Shiraishi)にEthereal SoundからもリリースするMiruga、そしてMitsuaki KomamuraやMahalらの作品を収録している。元々はレーベル側から白石隆之に強いオファーがあったそうで、最終的には新作ではなく2002年作の"Nightfall"を提供しているのだが、これが今聴いても全く古くない早過ぎたビートダウンかつディープ・ハウスとして素晴らしい。床を這いずり回る重心が低めのビートに、朧気に浮かび上がってくるゆらゆらしたサウンドが心地良い酩酊感を持続させ、どこか色褪せたようなぼんやりした景色を見せるのだ。決して激昂させるようなアッパーな音でもなく、多幸感に満ちた陽気な音でもなく、禅にも通じる求道的な音は和式のビートダウンだ。対してMirugaの"Meeting Of The Mind"は透明感溢れるパットが広がり、爽快なパーカッション使いや太いキックのおかげでテック・ハウスとしての印象が強く、広大な空へと飛び立つような開放感に満ちあふれている。またMitsuaki Komamuraはアシッドな音を用いながらも抑圧的にはならずに仄かな感情を込めたようなロウ・ハウス的な"Full Moon Hike"を、そしてMahalはデトロイト・テクノのエモーショナルな音をより柔軟かつしなやかなビートに乗せてモダンに仕上げた"Daydream Maze"を提供しているが、やはり派手になり過ぎずにどこか奥ゆかしいムードはレーベルの方向性に沿っているだろう。本作において日本のアーティストがフィーチャされた事は、結果的には和の侘び寂びの世界観がレーベルの音楽性と上手く適合し、レーベルの進む道をより明瞭化したのだ。

| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/10/17 Rough House Rosie “V.A./Jujiro EP” Release Party @ Saloon
サイレント映画の女優・Clara Bowのラベルが目を引くドイツはケルンのRough House Rosie。ロウな質感、仄かにエモーショナルで、そして何処か非現実的な神秘な感覚もあるハウスを手掛けるレーベルは、アンダーグラウンド志向な新興勢力を積極的に掘り起こしている。この度は何とレーベル側からのラブコールで12年前の作品を提供した白石隆之、そしてMahal、Mitsuaki Komamura、Mirugaの4人の邦人アーティストを収録したアナログがリリースされた記念として、Saloonにてそのリリースパーティーが行われる事となった。(残念ながら体調不良によりMirugaのライブはキャンセルとなってしまった。)
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| EVENT REPORT5 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chez Damier Presents Purpose By Design 1 (Balance:BMUK002)
Chez Damier Presents Purpose By Design 1

近年になり活動が慌ただしくなっているシカゴ・ハウスの重鎮のChez Damierが、自身のみならずこれから先を引率するであろうアーティストを世に伝えるレーベルがBalanceだ。本作はそのレーベルのコンピレーションであり、日本からはYoshiki TsuchiyaことMiruga、Balanceからの常連であるBrawtherとGSM、謎の新人らしいIntrospectiveの4アーティストの作品が収録されている。Chezが監修をしているだけありその質の高さはお墨付きだが、Mirugaによる"Midnight Theme"はレーベルのエレガントな黒さを代弁しているようだ。アトモスフェリックなコードのパッド展開の上で優雅に泳ぎ回るエレピはのびのびと優雅で、どっしりと安定感のある4つ打ちのキックをベースに浮遊感のあるディープ・ハウスを実践している。レーベルによって発掘されたBrawtherの"Endless (Underground Mix)"は過去の作品の未発表バージョンで、オリジナルよりもエモーションは控え目にミニマル仕様となっているが、その分ダビーなシンセを用いて空間の奥深さを演出したツール向けに仕立てあがっている。そして初めに耳にするアーティストであるIntrospectiveの"The Way I Feel When I Think Of You"は、余りにもベタなピアノのコード使いは確かにChezが好みそうな響きもするハウス感があり、まだ青臭さが残る作風ながらもジャジーな生っぽいリズムと相まってディープな陶酔を奏でている。GSMの"Tell Me What It Is (Matthew Bandy Mix)"も滴り落ちていくピアノに股も濡れそうになるが、パーカッシヴながらもリラックスしたビートメイクと湿っぽい男性ボーカルが大人の色気を強く打ち出しており、なんだか往年のNYハウスなんかも思い出してしまった。全曲ハウスの伝統を素直に表現しているようで、こんなオーソドックスなハウスには今だからこそ胸が熱くなるものがあった。

試聴
| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |