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Thomas Fehlmann / Terrence Dixon - We Take It From Here (Tresor Records:TRESOR302)
Thomas Fehlmann / Terrence Dixon - We Take It From Here
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古くから今に続くデトロイトとベルリンの繋がり、そうURことX-101を世界へとデビューさせたのはTresor Rrcordsであったし、90年初期にはJuan AtkinsとMoritz von OswaldとThomas Fehlmannによる3MBという黄金トリオもTresorからだった。遠く離れた2つの地はしかし音楽と人で強いコネクションを保ち、それぞれに影響を与えながら進化した。そんな関係性は今も変わらず、ベルリン・テクノの重鎮である前述のFehlmannとデトロイト・テクノの中でもミニマル性の強いTerrence Dixonが今ここに邂逅したのだが、しかもリリース元はベルリン・テクノの老舗であるTresorからと、徹頭徹尾デトロイト×ベルリンな特別のプロジェクトなのだ。何でも2017年にデトロイトで開催されたMovement前後にセッションを行い(Movementでライブも披露した)、ダンスフロア向きの制作を行ったそうだ。とは言ってもデトロイトの中でも定義し辛く独特のミニマリズムを持つDixon、深く繊細な音響に才能を発揮するFehlmannのコラボレーションとなれば非常に独特で個性的なテクノになるのは明白で、ベテランとしての貫禄に満ち溢れた音楽性を発揮している。ざらついてロウなビート感と古いモジュラーシンセから発せられたようなヒプノティックな上モノ、ひんやりとした温度感と機械的なサウンドの"Dreaming Of Packard"はDixonの影響が強いだろうか。続く"The Corner"も掴みどころのない電子音が散りばめられているが、そこに入ってくる幽玄でダビーなパッドのレイヤーやシャッフル調のずんどこしたリズムは恐らくFehlmannによる影響で、腰をどっしり落ち着かせながらも太いグルーヴを鳴らしている。すかすかな音響の中で金属的な鳴りのリズムとブリーピーかつフリーキーな電子音の反復によって、リズム重視のツール性へと向かった"Patterns And Senses"にしても派手さは全くないがフロアでの鳴りを重視したような作風が際立っている。ドスドスと無機質で粗い4つ打ちに浮遊感ある上モノとサイケデリックな電子音が広がる"Strings In Space"は、アンビエント性もありやや明るめの曲調ではあるが熱くなる事はなくやはり低温で淡々とした世界観。最後の"Landline"だけは重苦しく荘厳なドローンが充満し、その中を幻想的だったり不気味だったりする電子音が散りばめられたアンビエントで、やはりこういったタイプの曲だと尚更二人の奥深い音響効果が活かされており、美しい電子音響を体験出来るだろう。ベテラン二人が集まった作品はしかしそのネームバリューに比べると派手さは削ぎ落としながら、研ぎ澄まされた音響や機能的なグルーヴが発揮される作品となり、いぶし銀な一枚となっている。




Check Thomas Fehlmann & Terrence Dixon
| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Transport (Remixed) (Tresor Records:Tresor.298)
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Transport (Remixed)
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デトロイト・テクノの生みの親であるJuan Atkins、そしてミニマル・ダブの求道者であるMoritz Von Oswald、その伝説的な二人によるデトロイト×ベルリン同盟の夢のタッグがBorderlandだ。単発的なプロジェクトで終わる事なくアルバムも2枚リリースする等、ベテランによるテクノへの飽くなき情熱は今も尚続いているが、そこに更に絡んできたのはデトロイト・テクノを躍進させたCarl Craigだ。ここ最近はリミックス中心で新作は以前に比べると少なくなっているものの、デトロイト・テクノのアーティストの中では特に制作に秀でている事は間違いなく、ここではアルバム『Transport』(過去レビュー)に収められた「Transport」に対しオリジナルに負けず劣らずの未来的な響きと重厚感溢れるリミックスを施している。オリジナルはリズムは控えめながらも電磁波が空間に散乱して間を体感させる見事なミニマル・ダブ×デトロイトな作風だったが、Craigは上モノに大きく手を加える事はせずに重厚感を引き継ぎつつ、20分という長尺を活かして上モノを焦らすように展開させながらじわじわと快楽へと上り詰めていく壮大なスケール感を生み出している。遠くで微かに聞こえる電子音や繊細なリズムを導入し、途中からは圧力のある太いキックによる角ばったリズムが入ってくる事で大胆なうねりを引き出し、電子音が入り乱れる混沌とした流れも通過しながら電子狂想曲とも呼べる圧倒的な音響空間を旅する20分は、どこを切っても全く隙きが無い。本作では更に面白い事に前述の曲をDJ DeepとRoman Poncetが手を加えた"Transport (Carl Craig Remix - DJ Deep & Roman Poncet Rework)"が収録されている事で、こちらは近年のDJ Deepの作風であるベルクハイン系の硬質で凍てついた温度感のハードな4つ打ちテクノへと生まれ変わっているが、単にハードなだけでもなく音の隙間を残しつつ切れ味を磨いた鋭さがあり、ピークタイム向けなテクノとして肉体を震撼させる機能性がある。尚、アナログだとCraigのリミックスは10分程にエディットされているものの、DLコードが封入されており完全版がダウンロード出来るので、是非ともアナログをお勧めしたい。



Check Juan Atkins & Moritz Von Oswald
| TECHNO13 | 12:01 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2017
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。近年の日本における音楽業界の厳しさは今年も変わらずクラブ/パーティーも以前に比べるとパワーが低下しているのは否めないですが、それでもその逆境の中から特に日本人アーティストによる素晴らしい作品も生まれたりと、希望が見えたりする事も感じる一年でした。当方が以前程には新譜発掘やレビューに時間を割く事が難しく、またパーティーへ行ける機会も減る中でなかなか流行なり時代なりの音を追いかける事も手に付かない状況ですが、その代わりに時代に左右されないタイムレスな音楽にも向き合う事が出来たとも感じております。以下に選んだ作品は正にそんなタイムレスと呼んでも差し支えない物ばかりで、当ブログ開設時からかなり方向性は変わって決してダンス・ミュージックだけではないですが、音楽としての素晴らしさにジャンルは関係ないですよね。これが何か少しでも皆様の音楽ライフの充足の為の手助けになれば幸いです。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Angles (Tresor Records:resor296)
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Angles
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Tresorがかつて成し遂げたデトロイト×ベルリンの交流の成果、それはレーベルの第一弾が今となっては奇跡的なX-101(Underground Resistance)である訳だが、今も尚その交流は別の形となって現れている。それこそがデトロイト・テクノのパイオニアであるJuan Atkinsとミニマル・ダブのオリジネーターのMoritz von OswaldによるBorderlandで、2013年に発足したこのプロジェクトは単発プロジェクトに留まらずに進化を続けている。2016年には2ndアルバムとなる『Transport』(過去レビュー)をリリースしたばかりだが、音楽への意欲は全く留まる事を知らずベテラン二人は更なる新作を投下した。僅か2曲のみの新作ではあるが、その内容たるや熟練者としての洗練された音響とテクノへの純粋な愛が表現されたもので、流石の貫禄を感じさせる。"Concave 1"は程よく厚みのあるベースラインや無機質なハイハットが機械的でひんやりしたビートを作りつつ、Atkinsらしい浮遊感とスペーシーな鳴りを伴う上モノのシーケンスで、無駄な音を付加する事なく微細な変化を織り交ぜながら徹底的にグルーヴ重視のフロア・トラックに仕上がっている。一方"Concave 2"はMoritz色が打ち出たのかBasic Channelを思い起こさせるリバーブを用いた上モノのモヤモヤした音響の艶めかしさ、曲尺は10分近くにまで延ばされてよりミニマルに、そして空間の奥ではアシッド的な電子の靄が渦巻いて、亜空間的なミニマル・ダブ音響を構築している。どちらのバージョンにも言える事は余計な音を削ぎ落としながら隙間を感じさせる空間的な響きがあり、またデトロイト・テクノ特有の宇宙への思いが馳せるようなシンセの使い方と、つまりは前述のデトロイト×ベルリン同盟の交流の成果の証なのだ。流行の音楽に一切左右されず、自ら開拓してきた道を更に伸ばしていくその仕事は職人的でさえある。



Check "Juan Atkins" & "Moritz Von Oswald"
| TECHNO13 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Various - Dreamy Harbor (Tresor Records:Tresor.291CD)
Various - Dreamy Harbor
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テクノ帝国ドイツにおける元祖ベルリン・テクノと言えば何を置いてもTresor Recordsである事に疑いようはなく、デトロイトとベルリンの交流を成功させ1991年以降浮き沈みの激しいダンス・ミュージックの流れの中を生き抜き、今もストイックな活動を続ける伝統的なレーベルかつクラブだ。流石にレーベルとしての活動の長さ故に確かにクラシックと呼ばれる作品を多くは残しつつも、最近はやや往年のテクノというイメージが拭えないものの、今も尚ベテランから新鋭まで抱え込み大量に作品をリリースするテクノの工場のような運営はなかなか他にはない。そして2016年はレーベルにとって25周年となる年だったが、その記念の一環としてリリースされたコンピレーションが本作だ。既発の曲から完全なる新曲まで、テクノの歴史に名を残すベテランから新世代まで、選曲から意図は読み取れないもののこれぞテクノだと誇らしげに紹介出来る曲ばかりを纏め上げている。例えば正に前述のデトロイト×ベルリン的なJuan Atkins & Moritz von Oswaldによる"Electric Dub"、デトロイトのコズミックな宇宙感とベルリンのダブ・テクノの融合は非常にTresorらしくある。こちらも生粋のTresor組のTV Victorによる"La Beff"は96年作で、何だかアフロで土着的にも聞こえるリズムの爽やかなダブ的処理が心地良く、ダンスではなくリスニングとして催眠的な効果が感じられる。元々は廃墟となったデパートを利用したクラブであったTresorの雰囲気は、例えばMarcelusによる凍てついた温度感と錆びついたような金属的な鳴りのするテクノな"Odawah Jam"からも匂ってくるようで、このようなダークなテクノがベルリンらしさの一部でもあったと思う。勿論本作には新世代も参加しており、Tresorとの関連性は余り無い筈だがイタリアの人気アーティストであるDonato Dozzyが暗くもトリッピーさを活かした覚醒感抜群の"The Night Rider"を提供し、コンピレーションに新しい息吹をもたらしている。他にもShaoやMonicなどTresor新世代、または70年代後半から活動するワールド・ミュージックのJon Hassellらが曲を提供しており、本コンピレーションの曲調に特に一貫性はないものの言われればTresorらしさは感じられなくもないか。Tresor世代の人にと言うよりは、これからテクノを聞く若い世代にテクノの入門としてお勧めしたくなるアルバムだ。



Tracklistは続きで。
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| TECHNO13 | 12:30 | comments(1) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2016
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年も例年と変わらず音楽/パーティー三昧…とはいかず、私生活の変化により忙しくなりなかなか音楽へ時間を割く事が出来ない一年でしたが、それでも音楽に対する情熱は全く変わらず新しい音楽への探求が途切れる事は変わりませんでした。パーティーに関しても新風営法が現場の感覚にはやはり馴染んでいないと感じる点がありつつも、新しいクラブが生まれ少しずつではあるけれどこの業界も活気を取り戻しているようにも思われ、ダンス・ミュージックの未来に展望が見えてきた年でもありました。当方は今後も毎週のようにパーティーに行く事は出来ないと思いますが、来年も新しい音楽も古き良き時代の音楽も分け隔てなく楽しみ、そして素晴らしい音楽をこのブログでアウトプットしていく事を続けられたらという気持ちは変わりません。そんな気持ちで選んだ年間ベスト、皆様の素敵な音楽ライフに少しでも参考になれば。それでは、来年も良いお年を!

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| BEST | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Transport (Tresor Records:Tresor.285CD)
Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland - Transport
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かつてドイツを代表するテクノレーベルと言えば、Tresor Recordsであった事に異論はないだろう。デトロイトとベルリンを結び付ける重要な役割を果たしたレーベルが今年で遂に25周年を迎えたが、そこにアニバーサリー企画の一環として迎えられたのは正にTresorに相応しいプロジェクトで、デトロイト・テクノの開祖であるJuan Atkinsとミニマル・ダブの御大であるMoritz von OswaldによるBorderlandの新作だ。既に2013年には1stアルバム『Borderland』(過去レビュー)をリリースしており、そこでは彼等の個性であるコズミックな浮遊感にミニマルの構成とダブの音響を肩の力が抜けたセッションによって融和させていた。それから3年、彼等はシンプルさの中にデトロイト・テクノの宇宙観とミニマル・ダブの音楽性に磨きを掛けて、よりテクノ的な音楽性を強調したこれぞ王道と言わんばかりの貫禄を持つ作品を創り上げた。始まりはアルバムタイトルである"Transport"で、タイトなベースラインが深海の奥底で鳴っているような暗さを演出し、重厚なシンセの反復音が黙々と続く。時折ドラッギーな電子音の残響が舞う事で奥深い空間演出も行うダブの音楽性が光り、余り展開の無いミニマルな構成はMoritzによる業だろう。続く"Lightyears"では引き締まったミニマルなグルーヴを貫きながらも一気に開放感を増し、控えめに情緒を発する揺らぐような上モノが浮遊感を生み出している。この作風はMoritzがエンジニアとして参加していたModel 500の『Deep Space』の延長線上になるが、その時以上に構成は研ぎ澄まされ単純なループによって深みにハマらせる音楽性は円熟の極みに達している。先行EPである"Riod"のデトロイトらしいスペーシーなシンセによる宇宙の無重力感や贅肉を削ぎ落とし引き締まったグルーヴのミニマル・ハウス性は、正に『Deep Space』の続編である事に間違いはなく、あれから20年を経て二人のパイオニアの成長がはっきりと現れている。一方でダブ・ステップらしき崩れたビートに催眠的な電子音の反復や微かなリヴァーブを用いて闇の深さを垣間見せる"Merkur"は、現代っぽさを取り込みながらもテクノである軸はぶれていない。ノイズのようなエグい電子音が唸りながらもJuanによるコズミック性が強く出た"2600"を経て、ラストは二人による自由なセッションを繰り広げたように夢想のメロディーが広がっていく"Zeolites"で、無限に広がる宇宙の星々の間を旅するようにロマンティックで穏やかな体験が待ちびわている。決して驚くべき展開がある訳でもなく終始淡々としたクールな作品ではあるが、トレンドも商業性も全く意識する事なくこれがパイオニアの伝統工芸だと言わんばかりの強度を持った音はテクノである事を物静かに主張しており、色褪せる事のないクラシカルなテクノとしての品格を漂わせている。



Check "Juan Atkins" & "Moritz Von Oswald"
| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Yogurt - Dub Techno and Smoky House (Upset Recordings:UPSETMIX33-34)
DJ Yogurt - Dub Techno and Smoky House

これまでにもテクノやハウス、R&Bにジャズ、アンビエントやダブ/レゲエと多岐に渡ってコンセプト重視なMIXCDを手掛けているDJ Yogurt。パーティーに合わせてそのスタイルを自由自在に変えるプレイがMIXCDによって家でも聴けるのは非常にありがたく、クラブに行けない人にとってもDJ Yogurtの長年の経験に裏打ちされた幅広く深いダンス・ミュージックを体験出来る点で、価値のあるシリーズだ。そんなMIXCDの最新作は今までありそうで無かったダブ・テクノとスモーキー・ハウスという音に焦点を当てた内容で、2枚組でも1500円弱なお値打ちな事もありお勧めの作品だ。先ずはダブ・テクノの方であるが、これはミニマル・ダブやダブ・ハウスと呼んでも差し支えないのない選曲で、いきなりRhythm & Soundの乾いた残響がうっすらと広がるダブの"Music A Fe Rule (Part 2)"で始まる辺り、もうこの手の音が好きな人にとっては間違い無しの内容だ。基本的にはBasic Channelが生み出したミニマル・ダブの揺らぐ残響を伴うテクノ〜ハウス〜レゲエ辺りが中心となっており、じわじわと侵食する序盤からズブッとヌメった深みにハマる展開、極限まで無駄を削ぎ落として骨格が浮かび上がるダブな時間帯、そして軽快で膨らみのあるグルーヴが心地良いダブ・ハウスなど、つまりはBasic ChannelやDeepchord周辺のディレイやエコーによる音の広がりが感じられるトラック中心なのだ。後半では上げ気味なハウスのグルーヴから一転して重心の低いドタドタしたレゲエ色の強い展開まで広がり、そこから"E2E4 Basic Reshape"のように官能的なミニマル・ダブやアフロ・アフリカンなダブの"Ole (A Remix by Moritz von Oswald)"など、またしてもDJ Yogurtが惚れ込むベーチャンの流れで音が熟すように温かくなり終わりを迎える。そしてスモーキー・ハウスというタイトルが付けられながらも、肩の力が抜けてリラックスしたディープ・ハウスやテック・ハウス中心の方は、上げ過ぎる事なくリズミカルな4つ打ちを軸に滑らかな流れで心地良く闊歩するようだ。気怠く夢のようなメロディーや柔らかく肌に染みこむような鳴りがあり、また密閉されたクラブよりは開放的な屋外の雰囲気を感じさせる和やかなムードで、燦々と太陽光が降り注ぐ真夏の海沿いをドライブするのにぴったりな陽気なノリが感じられる。真夜中のクラブ的なダブ・テクノ、昼間の屋外なスモーキー・ハウスみたいな相反する性質も感じられたり、2枚セットで楽しめるMIXCDだ。

Check "DJ Yogurt"
| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Juan Atkins & Moritz Von Oswald Present Borderland - Riod (Tresor Records:Tresor.284)
Juan Atkins & Moritz Von Oswald Present Borderland - Riod
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かつてドイツ・テクノの象徴と言えばベルリンを発端とするTresor Recordsだった事に、異論を唱える者は少ないだろう。クラブとしてのアンダーグラウンドな活動、そして今では有名となった多くのタレントを輩出し、90年代に栄華を極めていた。特筆すべきはベルリンとデトロイトとの結び付きであり、レーベルの第1弾作品はUnderground ResistanceのX-101であり、その後もJuan AtkinsとMoritz von Oswaldの共作もリリースするなど、デトロイト・テクノとの関係は根強かったのだ。そしてレーベル発足から25年、その邂逅が時代が一巡りして戻ってきたのが前述の二人が立ち上げたプロジェクトのBorderlandで、レーベル25周年を記念したアルバムが近々リリース予定となっている。既に3年前には本プロジェクト初のアルバムである"Borderland"(過去レビュー)をリリース済みであり、そこではミニマル+ファンク+ジャズセッションを成し遂げたテクノを体現していたが、この新作ではフロア寄りのテクノへと回帰し、90年代にJuan AtkinsがModel 500名義で制作した内なる宇宙を夢想させる『Deep Space』の音楽性へと寄り添っているように思われる。"Riod (Original Mix)"は正にその通りで、Moritzのミニマル・ハウス名義であるMaurizioのすっきり肉を削ぎ落としかつディープなグルーヴ感に、もやもやとしたスペーシーなシンセと有機的なベースに浮遊感を生む奥深い音響が加わり、この二人に求めるものが見事に表現されている。そしてダブバージョンとなる"Riod (Version)"では、更に視界が霧でぼやけるような効果が加えられキックやハイハットなどのリズムが現れては消え、揺れるような酩酊効果が強調されたアブストラクトな作風はDJツール向けなのだろうか。この後にはニューアルバムが控えているが、その前哨戦としては期待以上に二人の個性が発揮されており、テクノのパイオアニアである彼等が理想とするテクノを提示してくれるに違いない。



Check "Juan Atkins" & "Moritz Von Oswald"
| TECHNO12 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Paradise Goulash (Eskimo Recordings:541416507275)
Prins Thomas - Paradise Goulash
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ノルウェーのニューディスコ大使と称されるPrins Thomasによる新作は、計3枚にも渡ってジャンルの壁を取っ払って、兎に角あらゆる音楽を楽しんで貰う意図でミックスされた大作だ。そのタイトルからも分かる通りNYの伝説的なクラブであるParadise Garageへのトリビュート的な内容であり、確かにジャンルレスという点においてその意思を受け継ぐコンセプトであろう。元々2007年には同様にニューディスコだけに限定されずに底抜けの多幸感を打ち出した怪作である『Cosmo Galactic Prism 』(過去レビュー)を披露しており、それを前提とすると2014年にリリースされた『Rainbow Disco Club Vol.1』(過去レビュー)はテクノを中心としたミックスとなった事で奇妙なユーモアは後退し、彼らしい賑やかなごった煮サウンドによる恍惚感は喪失してしまっていたと思う。そんな流れを踏まえて、本作は再度ジャンルレスかつタイムレスな選曲を行う事で、単にダンス・ミュージックの躍らせるという機能性だけにこだわらずに、変幻自在な流れによって惑わされながら何処か掴み所のない恍惚状態を引き起こす面白い作品に出来上がったと思う。勿論様々なジャンルは用いながらもバランスを壊す突飛な流れにはなっておらず、CD1〜3の流れに沿って大まかなジャンルの区分けはされている。CD1は最もレイドバックしており、牧歌的なロックから始まり民族的なジャズや懐かしみのあるハウス、夢現なアンビエントから艶かしいファンクを通過してのディープなアシッド・テクノまで、肩の力が抜けたプレイでゆっくりと温めながら多用なリズムと音色によって先ずは肩慣らし的な導入だ。CD2では2000年以降のニューディスコやテクノにハウスなど現代的なダンス・ミュージックが中心となり、徐々にビートは力強さを増しながら夜のパーティーへ向かうざわめきを喚起させる魅惑の快楽的な時間帯へと突入する。その流れを引き継いだCD3ではより快楽的な真夜中の時間帯から始まり、ディープかつミニマルな流れを保ちながらエクスペリメンタルな電子音楽へと遷移し、湿っぽく可愛らしいジャズやライブラリーミュージック的なリスニングの曲、そして熟成したような味わいのあるプログレッシヴ・ロックを経過して下降気味に終焉へと向かう。CD3枚に渡って起承転結がはっきりとした流れは非常にスムースで、パーティーの始まりから終わりまでを意識したようにも感じられるし、多数のジャンルを過剰に詰め込んだ事でその情報量の多さに抵抗の出来ない恍惚感も生まれている。流石に3枚合わせて200分越えなのでお腹いっぱいにはなるものの、Thomasらしく外向きの享楽的なパワーが発散するDJプレイが目に浮かぶようで、やっぱりこんなミックスが彼らしいと思わせられる内容だ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2015/10/9 宇宙の海 〜Ascension @ Space Orbit
三軒茶屋はSpace Orbitで開催されているらしい『宇宙の海』は、どうやらアンビエント系のパーティーであるらしく、靴を脱いでラウンジスペースとしての空間で一夜を寛いで体験出来るような触れ込みだ。まだ行った事のないクラブという点でも気にはなっていた上に、しかも今回はDJ Yogurtによる年に1〜2回プレイするかのレアなアンビエントDJやKo Umeharaも出演する事があり、意を決して遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT6 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/9/18 HOUSE OF LIQUID -15th ANNIVERSARY- @ Liquidroom
新宿の歌舞伎町時代から合わせると15年にもなるというLiquidroom名物のHouse of Liquid。その名通りにダンス・ミュージックに於けるハウスを根幹に様々なアーティストを招いて、その可能性を広げてきた信頼足りうるパーティーの一つだ。今回はその15周年記念に合わせてベルリンからミニマル・テクノ/ダブのパイオニアでもあるBasic ChannelからMoritz von Oswaldをゲストに、日本からは当パーティーのレジデントと呼んでも差し支えないMoodman、鰻登りで評価を高めるGonno、ユニークな電子音楽のライブを行うAOKI takamasaと贅沢過ぎる出演者での開催となった。
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| EVENT REPORT6 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Sounding Lines (Honest Jon's Records:HJRCD72)
Moritz Von Oswald Trio - Sounding Lines
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2008年に初のライブをお披露目した特別なプロジェクトが、まさか今日に至るまで継続的に活動し作品もリリースすると思っていた人は、当時は殆どいなかったのではないだろうか。それこそがMoritz Von Oswald Trioであり、ミキシングやPCを担当するMoritzにシンセサイザーなどをプレイするMax Loderbauer、そしてお手製のメタルパーカッションやドラムを叩くVladislav DelayことSasu Ripattiのトリオによるプロジェクトだ。各々が単独でも強烈な個性を発するアーティストがそれぞれの個性を掻き消す事なく融合したインプロビゼーション・プロジェクトは、恐らく奇跡的なバランスの上に存在していたのだろう。それが顕著に感じられたのは2013年には残念ながらVladislav Delayが脱退し、そして2014年の新生プロジェクトとしてのライブを行なった時だろう。何と代わりのドラマーとしてアフロ・ビートのTony Allenを加入させたのだ。意外性とそのタレント性から一際注目を集めたのは事実だったが、しかしライブ自体はMvOTの肝であったダブ残響を伴うメタル・パーカッションの鋭角的な切れ味は損失し、代わりに生温く湿ったパーカッションがしなやかなグルーヴを生み出していたものの、結果的にはMVoTのひりつくような緊張感は消え去り期待は失望へと変わった。そしてそんなプロジェクトが作品化されたのが本作であり、やはりここでもTonyによる生々しく繊細な人力ドラムがフィーチャーされている。上モノに関しては今まで基本的な差異はなく、ダビーなエフェクトを用いて電子音に揺らぎを加えつつしっとりと落ちる水滴のように音を配置させ、相変わらず間を強調した静謐な構成はミニマルの極北だ。だがそんな電子音と土着的なドラムの相性はどうかと言えば、どうにもこうにも上手く融け合う事もなく、リズムの乾いた質感が浮いてしまっている。ドラマーが代わる事でこうも音楽性が代わる事に驚きつつ、その上でVladislav Delayのメタル・パーカッションの重要性はやはり本物だったと痛感せざるを得ない。尚、本作ではミックスをRicardo Villalobosが担当しているが、それも本作に於ける無味乾燥とした味わいを残している事の要因の一つではと思う所も。これだけのタレントが揃いつつも、それ以上の相乗効果を見い出せないのが残念だ。



Check "Moritz Von Oswald"
| TECHNO12 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chris Tietjen - Zehn (Cocoon Recordings:CORMIX049)
Chris Tietjen - Zehn
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ここ数年は全盛期程の勢いは見られないものの、90年代から00年代にかけてのドイツのダンス・ミュージックと言えばSven VathによるCocoon Recordingsは中心の一つだったと思う。特にレーベルとしてだけではなく、イビサはAmnasiaにて開催していた「Cocoon Club」では世界中の著名なDJ/アーティストを巻き込んで、一大ムーブメントと呼んでも良いほどの勢いのあるパーティーに感じられた(が、それ故にどうしてもCocoonに対しては未だにミーハーな印象を拭えない)。そんなCocoon Recordingsがレーベル・ショーケース的な意味合いで2006年からMIXCDを毎年リリースしており、その初めての作品である「Eins」からミックスを今まで担当していたのがChris Tietjenだ。1985年生まれだと言うからまだその当時は齢21歳だったのだが、その若さにしてSvenに認められた才能は結局本物であった事は、現在までシリーズを担当した事で証明されたようなものだ。しかしながらそのシリーズもドイツ語で10を意味する本作「Zehn」によって10年の幕を閉じる事がアナウンスされているが、集大成らしくCocoon Recordingsのクラシックを惜しみなく使用しつつ、またレーベルの多様性を十分に体験させてくれる選曲がなされ十分に出汁が染み出たミックスである事を断言する。スタートは微かな残響が心地良いダブテクノの"Cow, Crickets And Clay"で静かなる船出だが、そのまま重心の低さと硬質感を保ちつつ闇の中から花弁がゆっくりと開くような美しさを伴う"Dead Room"をミックスし、Cocoonにもこんなシリアスな作風があるのだなと意外な展開だ。徐々に重さよりも加速度を増しながら浮かび上がり、エレクトロ気味のアクの強い曲や歌モノも織り交ぜて、そして中盤のハイライトである派手なプログレッシヴ・ハウスの"Unrelieable Virgin"でCocoonらしい快楽的な世界観に染めていく。そこからは持続感のあるミニマル寄りな選曲を中心として深みと恍惚感を継続させ、往年の跳ねた勢いのあるハード・ミニマルな曲も少々プレイしつつ、ハイエナジーな"Pump"からトライバル調の"Deep Down Inside (Reboot Rmx)"で再度のピークを迎える。そこからはなだらかにクローズに向かってテンションを落ち着かせながら、アンビエントな空気も纏うような"Seconds (Colour & Sound)"によってパーティーの終わりを告げるような物哀しい最後を迎える。レーベルの音楽性を十二分に披露したこのミックスは、70分に於ける音楽の旅と呼んでもよいだろう。そして何よりも大量のマテリアルをシームレスかつ重層的にミックスする事で、単に曲を繋ぐ以上のオリジナルからの変化を生み出したChrisの手腕が、ここでも素晴らしく光っている。



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| TECHNO12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/3/4 Red Bull Music Academy Moritz Von Oswald Trio featuring Tony Allen & Laurens Von Oswald @ Liquidroom
究極とも言えるミニマルを確立させたMoritz Von Oswaldが、更なる進化を求めて立ち上げたインプロビゼーション・バンドがMoritz Von Oswald Trio。Moritzを中心にMax Loderbauer、Vladislav Delayと言う才能が集まったバンドは、即興電子音楽ライブを行いミニマルに自由を与えた音楽を展開している。今回の再来日ではVladislav Delayの代わりにアフロ・ビートのTony Allenがドラムを担当、そして残念ながら体調不良で参加出来なくなったMax Loderbauerの代わりに、Moritzの甥で最近の作品にもエンジニアとして参加しているLaurens Von Oswaldが急遽加わり、恐らく一夜限りとなるであろうセッションを繰り広げる事となった。
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| EVENT REPORT5 | 13:30 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Audio Tech - Dark Side (Metroplex:M-040)
Audio Tech - Dark Side

にわかにざわめき立つデトロイトのJuan Atkinsと、そしてドイツのBasic Channel一派の絡み。先立ってJuanとBCからMoritz Von Oswaldがコラボレートを果たしたが、今度はJuanとBCのもう一人であるMark Ernestusが、Audio Tech名義で共演を果たした。そもそもがこの名義はJuan単独の変名だったものの、16年ぶりの新作では何故かMarkも加わっての名義となっているのは謎だが、相互作用は予想以上の相乗効果を発揮している。浮遊感のあるスペーシーなシンセ使いとモノトーンな呟きはJuanのものであるが、そこに生音ぽいベース音や滑りのあるダブ的なリズムの付加は恐らくMarkによるものであろう。叙情的なパッドが薄く伸びながらも、まるでRhythm & Soundのようなぬちゃぬちゃと湿り気を帯びさせた生っぽさが、宇宙を飛翔するデトロイト・テクノとはならずに泥沼に埋もれるミニマル・ダブらしさを強調している。そして本作がより注目を集めているのは、ここ暫くタッグを組んでいるMax Loderbauer+Ricardo Villalobosによる"Vilod Remix"であろう。12分にも拡大解釈されたリミックスは、もはや元の様相を保っておらずに乾いたパーカッションが複雑なリズムを構築し、様々な音が絡み合いながらまるで芯を抜かれた生物のようなふにゃふにゃとしたグルーヴ感を醸し出している。指の隙間からこぼれ落ちるようなとらえどころのなさが不思議な恍惚を生み出しているが、細部まで丹念に編み込まれた繊細なトラックは芸術的ですらある。4つ打ちから融解するように解け、そして再度徐々に定型を成すように4つ打ちへと変遷していくトラックは、12分と言う長い時間をかけてじっくりと堪能とする事で、何時の間にかトリップする蠱惑的なミニマルだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Blue (Honest Jon's Records:HJP073)
Moritz Von Oswald Trio - Blue
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アルバム、またはシングルと言う形態を分けなければ、一年に一枚の安定したペースで新作を量産しているMoritz Von Oswald Trio。Moritz Von Oswald+Max Loderbauer+Vladislav Delayらミニマル・ダブを極めた才人から成るこのユニットは、定型に収まるのを打破すべくライブ志向であるインプロビゼーションを繰り広げながらミニマル・ダブの裾野を更に広げている。この新作では"Blue"とそのダブバージョンである"Blue (Dub)"の2曲しか収録していないものの、彼等が今尚ミニマルの極北に存在する事を示している。淡々とリズムを刻みながらも有機的な響き方をするキックやメタルパーカッションと共に、浮遊する弦楽器風な電子音のメロディーや慎ましくも無感情に反復を繰り返すシンセリフから形成される"Blue"は、極少ない音で空間に隙間を作り奥行きを持たせた正にミニマル・ダブと言える曲だ。実はミックスにはJuan Atkinsも加わっており、その影響として重力を感じさせないスペーシーな性質も加わっているように思われる。そして一方"Blue (Dub)"だが、こちらはMoritzのレゲエ方面のプロジェクトであるRhythm & Sound路線を踏襲した深すぎるダブ音響を強調している。執拗に纏わり付くような湿り気を帯びた音質、そして視界も揺らめく残響音の微細な抜き差しが非常に土着的で、ずぶずぶと沼に沈んで行く重さがオリジナルとは対照的で面白い。曲そのものは至って地味な音響ミニマル・ダブなものの、流行り廃りからは距離を置いたオリジネーターとしての揺るぎない自負を感じずにはいられない。



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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Juan Atkins & Moritz von Oswald - Borderland (Tresor Records:Tresor.262CD)
Juan Atkins & Moritz von Oswald - Borderland
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テクノの聖地とでも呼ぶべきベルリンとデトロイトから、またそれぞれの地のオリジネーターであるMoritz von OswaldとJuan Atkinsが奇跡的な邂逅を果たしてから20年。よもや再度コラボレートする事など夢にも思っていなかったが、彼等は長年の経験から生まれた円熟を携えて還ってきた。先ず以て述べておくと、この大きなネームバリューを持つプロジェクトから想像するような大仰で派手な作品どころか、真逆の一聴して地味で落ち着いた佇まいのあるテクノだと言う事だ。例えばJuanが手掛けた"Deep Space"のミニマルかつファンクな宇宙感覚とMoritzが近年取り組んでいる有機的かつ流動的なジャムセッションが、自然と溶け合わさった延長線上の作風と言っても良いだろう。ベースとなるリズムトラックだけを聴けばミニマルに抑制されたシンプルな4つ打ちを刻んでいるのだが、本作での肝はやはり上モノの繊細な電子音が生み出す浮遊感とデトロイトの黒いジャジー/ファンクな感覚だろう。揺蕩うように多種多様の楽天的な電子音が浮かび上がっては消え、明確なメロディーをなぞる事もなく透明感のある音が流れるように可変的に変化し、ある音に至っては虫の鳴き声にも近いフィールドレコーディングを思わせる有機的な鳴り方をしている。ジャズを想起させるこのインプロビゼーション的な電子音には、Moritzらしい空間の奥を感じさせるダブの音響も施されており、その効果も抑圧から解き放たれた開放的な方面へと向かっているのだ。アルバムを通して代わり映えの無い景色が少しずつ変化をするような地味な展開ではあるが、全体を通して刺々しさや重みが全く無い清々しい程の快適性が通底しており、変化の少なさから生まれる気怠ささえもが心地良いのだ。重力から解放された無限の宇宙へと向かい、そこで音を弄れるように二人がセッションをしたような、そんな自由なアルバムだ。



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| TECHNO10 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Masterpiece Created By Carl Craig (Ministry Of Sound:MOSCD303)
Masterpiece Created By Carl Craig
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ジャンルを限定せずにダンス・ミュージックに於ける重鎮を起用して人気を博しているMIXCDシリーズ「Masterpiece」、その最新作には遂にデトロイト・テクノの中心に居座り続ける重鎮・Carl Craigが登場した。彼について言及しておくとアーティスト的な面でデトロイト・テクノをそこからより多方へと飛翔させた手腕の評価は誰もが認めているだろうが、その一方DJ面については大箱やレイブでは受けはするであろうド派手なプレイが際立ち、求道的に個性を確立させた音はそれ程聞こえてはこない。ここで本作に注目するとMIXCDはCD1の"Aspiration"だけであり、他は"Inspiration"と"Meditation"のコンピレーションとなっているので、つまり彼のDJに然程魅力を感じていない人に対しても十分な価値を持たせるものとなっている。

"Aspiration"について言えばデトロイト発のアーティストの作品を多用はしているものの、ここでは殆どデトロイト・テクノ的なエモーションを感じられる瞬間は無いだろう。出だしこそKyle Hallによる凶悪なアシッドテクノで強い印象を打ち付けるが、そこからはヨーロッパ的なテック・ハウス/プログレッシヴ・ハウスの端正な電子音を打ち出して、スムースなミックスを施しつつズンドコしたグルーヴ感と心地よい陶酔が広がるテック感を継続させ、良い意味では万人受けしそうな分り易い展開を作っている。後半ではヒット曲の応酬でフィルター・ディスコやデトロイト・ハウスにオールド・エレクトロなどCarlの派手な音楽性が見事に炸裂しており、盛り上がりと言う観点からすると十分な内容ではある。決して長年の経験を重ねた深みがあるわけではないが、大箱でのプレイを体験するようなエンターテイメントとして楽しめるMIXCDとして価値はあるだろう。

そして”Inspiration”はそのタイトル通りにCarlが影響を受けた音楽を選び抜いており、アーティストの背景を知る楽しみを持ち合わせている。年代もジャンルも多岐に渡り、ファンクにレゲエやダブ、ヒップホップにR&B、ジャズやボサノバ、そして勿論テクノまで収録しており、こんな選曲をクラブでは無理だとしても今回のようなプロジェクトの中でMIXCDとして披露すれば余計に面白いのではと思うところもある。

本作でリリース前に最も注目を集めていたのは"Meditation"ではないだろうか。なんと全曲未発表曲でボリュームはアルバム級と、つまり久しぶりのオリジナルアルバムと考えれば熱心なファンが反応するのは当然だろう。しかし"黙想"と名付けられているようにここには彼らしいファンキーなグルーヴも実験的なサウンドも無く、沈静化したアンビエントが広がる正に"Meditation"な音が待っている。フロアからは遠ざかった神妙で張り詰めたムードがあるが、その一方では電子音と戯れながら自由に音を鳴らしたようなラフスケッチ的な印象も受け、作品としては少々煮え切らなさもある。ただ目を閉じ音に耳を傾ければ、世の中の喧騒から解き放たれ雑念も消えるような瞑想音楽としては確かに合っているようでもあり、就寝時のBGMとして心地良さそうだ。Carlによる最新のダンス・ミュージックが聴きたかったのも本音だが、先ず先ずは新作が聴けただけでも嬉しい限りだ。

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| TECHNO10 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Moritz Von Oswald Trio - Fetch (Honest Jon's Records:HJRCD67)
Moritz Von Oswald Trio - Fetch
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Moritz Von Oswald+Max Loderbauer+Vladislav Delay=Moritz Von Oswald Trioの通算4枚目のアルバムは、更にベースとサクソフォンにトランペットが加わったセクステットによるもので、最早トリオと言うバンド名以上の即興電子音楽となっている。この新作での目に見えて分かる変化は今まで抽象性を保った曲名だったのが、ここでは"Jam"、"Dark"、"Club"、"Yangissa"と曲調をタイトルとして表現したのだろうか具体性を意識している事だ。最も即興音楽としてのジャズの手法を踏襲しているのが"Jam"であり、ここに決まりきった展開と言うものはなく各プレイヤーの裁量に任せたような演奏をしながら徹底的に抽象性を高める手法により、電子音楽と言う半ばシーケンスに固定されがちな音楽の殻を打ち破る事に成功している。そして"Dark"はと言うとリズムは具体性を増しながらシーケンスを守るものの、朧気に浮かび上がるシンセサイザーやダブの音響で加工されたパーカッション群は明確な姿を見せる事なく、暗闇の中でドロドロと融解する重力場を表現している。"Club"はもう正にタイトル通りにフロア仕様なミニマルダブで、Moritzが取り組んでいたRhythm & Soundの土着レゲエを人力テクノ化したものだろう。異空間から這い出してくるDelayのメタルパーカッションや鈍く原始的な鳴りを聞かせるシンセサイザーには、脈々とし血が通う人間臭いファンクネスさえ感じられる。そしてラストの”Yangissa”は何を示しているのかは分からないが、ワルツ調の跳ねたリズムと歪なパーカッションの攻めと闇の奥に鳴るホーンの音が妖艶なエキゾチシズムを生み出している。初期の頃は微細な変化を遂げるミニマルミュージックの手法を活かしたテクノをやっていたMoritz Von Oswald Trioも、作品数を重ねるに連れて生の即興性をより理解し制約から解放されて自由なプレイをしているように思われるが、本作はもう行き着く所まで来てしまった感さえある力作だ。

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| TECHNO9 | 15:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Infiniti - The Remixes Part 3/3 (Tresor Records:Tresor. 250 C)
Infiniti - The Remixes Part 3/3
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Tresorの通算250作目記念の第3弾も、デトロイトからInfinitiことJuan Atkinsを迎えてのリミックス盤。今作でもやはりドイツと言う国、そしてTresorとの関連性を意識してSleeparchiveとMoritz Von Oswaldをリミキサーに迎えております。Juanによる1994年作の"Think Quick"のオリジナルは、彼にしては黒人のファンキーな要素を抑えて随分とミニマルに特化した退廃都市的なベルリンテクノを掲示していますが、この前にはMoritz von OswaldやThomas Fehlmannともプロジェクトを組んでいた事からその影響が出ているのかなと思います。そしてSleeparchiveによるリミックスは、横滑りするように滑らかに平たく精製されたディープなミニマルダブへと深化しています。蠢くような低音の胎動、そしてアクセントのある高音のハイハット、そして執拗なミニマルのループに途中からは劈くような効果音も加わって、無機質かつ工業的な反復を極めたグルーヴは狂っているようでもあります。そして裏面にはベルリンの孤高のミニマリストであるMoritz Von Oswaldがリミックスを提供していますが、実はこれは1994年当時に既にリリースされた物をリマスターの上で再収録しています。最近の彼の作風に比べるとダンス的な要素も強く、また今程洗練もされていないのですが、しかしキックの図太さがとにかく半端ではなく厚みが凄い。過剰なエコーやリバーブは使用していないにもかかわらずアブストラクトな質感や、突き刺さるような音の圧力やグルーヴの緊迫感は、流石ミニマルダブの隆盛を極めたイコライジング処理が光っています。現在のフロアでも聴く者を圧倒するであろうダンストラックであり、10分近くある長尺な曲なのでフロアでも上手く機能するのではないでしょうか。これにてTresor250作目記念3部作の紹介は終了です。

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| TECHNO9 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Popol Vuh - Revisited & Remixed 1970-1999 (SPV Recordings:SPV 70442 2CD)
Popol Vuh - Revisited & Remixed 1970-1999
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かつてはクラウト・ロック(※蔑称している表現)とも呼ばれ評価の低かったドイツのプログレッシヴ・ロックですが、その後はテクノ・ハウスの分野から再評価をされた経緯がある事からも分かる通り、ドイツのロックはエレクトロニクスを駆使し既成概念に囚われない独自の音楽を生み出しました。その点でジャーマン・プログレとテクノの相性は抜群なのですが、ドイツのPopol Vuhと言うプログレ・バンドのリーダー・Florian Frickeの没10年目にして、追悼盤としてテクノ系アーティストがリミックスを提供したコンピレーションがリリースされました。実はFlorian Frickeは初期作品にてムーグ・シンセサイザーを利用していたものの、宗教観にそぐわないと言う理由によりムーグをKlaus Schulzeに売り飛ばしてしまい、それ以降の作品では自然回帰の姿勢でニューエイジ化しました。本コンピレーションの一枚目には70〜99年までの作品が収められているのですが、やはり新しい時代の作品は(特にサントラ曲は)穏やかな酩酊感を感じさせるだけの楽曲が多く、正直な所ジャーマン・プログレの狂った高揚感は無く物足りないのが本音です。しかし二枚目にはリミックスが収録されており、Thomas FehlmannやMika Vaini(Pan Sonic)の重厚なアンビエント、Moritz von Oswaldの研ぎ澄まされたダブテクノ、Stereolabのヒーリング色のあるお洒落なラウンジ系など、こちらはそれなりにアーティスト毎の個性が感じられる電子音楽となっており楽しめるのではないでしょうか。まあ作品の善し悪しを抜きにしても、テクノの原点の一部を知ると言う意味に於いては価値のある作品だと思います。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vladislav Delay - Latoma (Echocord:echocord051)
Vladislav Delay - Latoma
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Moritz Von Oswald Trioへの参加の影響からか自身でもVladislav Delay Quartetを組み、ジャズの影響を受けたアブストラクトな生演奏を聴かせたVladislav DelayことSasu Ripattiが、2年ぶりにデンマークのダブ・テクノを量産するEchocordより新作をリリース。2年前のアルバムでは管楽器や鍵盤楽器を取り入れ有機的な方向に向かった彼も、ここではEchocordのレーベル性を意識したのか、再度エレクトロニックなダブテクノを推し進めている。しかし明らかに以前よりも手数が増えゆったりとしたBPMながらもクラブサウンドへグルーヴの傾倒が感じられ、Vladislav Delay=リスニングミュージックと言う今までのイメージを壊しつつもある。初期の退廃的で不協和音が入り乱れるような混沌とした世界観も戻ってきており、Vladislav Delayの過去への懐かしみと共に進化もあり良い具合に変わったなと言う印象。そしてリミキサーにはRicardo Villalobos & Max Loderbauerがコンビで参加しており、こちらも彼ららしいミステリアスな内容。オリジナルのぼやけた上物を使用しながらも音を差引いて身軽になりつつ、リズムはカットアップさせたようにブツブツと切れたり、ぶちゃぶちゃとしたファットなキックが印象的だったりと、ダブテクノながらも妙な躍動感が目立つ怪作。気持ち良いのか悪酔いなのか、中庸を行き交う不思議なトランス感覚がある。

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| TECHNO9 | 00:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Ricardo Villalobos & Max Loderbauer - Re:ECM (ECM:2211/12)
Ricardo Villalobos & Max Loderbauer - Re:ECM
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ここ数年、現代音楽やクラシックへのクラブミュージック側からの再構築が目立っておりますが、今度はドイツの名門老舗ジャズレーベル・ECMも再構築が成されました。ECMと言えば先ずはジャズレーベルと言うイメージが先行しますが、実はミニマルな作風も取り込んだ現代音楽も手掛けるなど、禁欲的でありながら野心的なレーベルでもあります。ジャズは然程聴かない自分も、そんなレーベルカラーに興味を持ち数枚はレーベルの音源を所持しておりましたが…しかしここに来てミニマルハウスの大御所・Ricardo Villalobosと、元Sun Electricで現在はMoritz Von Oswald Trioのメンバーとして活躍するMax LoderbauerがECM音源を再構築したとなれば、そりゃ期待も高まる訳でして。で実際に蓋を開けてみるとこれがまさに現代音楽的と言うか、自分が勝手に想像していたクラブミュージック的なグルーヴは皆無で、レーベルの生真面目さを更に凝縮して音と音の隙間を生かしたエレクトロニクスと生演奏の共演となっております。原曲を全く知らないのでそれがどう再構築されているかは分かりませんが、蛇口から水がしとしとと垂れ続けるように生音がこぼれ落ちては波紋の様に広がり、静寂の中に張り詰めたテンションを構築していくのです。それに加えて奇妙なモジュレーションの音の追加やダブ処理により謎めいた神秘性も添加され、隙間だらけのテクスチャーにも拘らず極めて重厚な音の壁を作り出しております。Villalobosらしいミニマルな作風、Loderbauerお得意の奥深い音響は確かに形成されており、ECMの静謐なレーベルコンセプトを延長したと言う意味では成功なのでしょう。ただ個人的にはもっと単純に踊れるミニマルハウス/テクノを想像していたので、肩透かしを喰らったのも事実。完全にリミックスと呼べるまでに解体/再構築した音源も聴きたかったですね。

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| ETC3 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Agoria - Fabric 57 (Fabric:fabric113)
Agoria - Fabric 57
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今年オリジナルアルバムを出したばかりのフレンチテクノの貴公子・Agoriaですが、その熱も冷めやらぬ間に名門FabricからMIXCDもリリースさせました。今までにもジャンルレスに縦横無尽なMIXCDを3枚もリリースしているけれど、今年出たアルバムから毒々しさが消えて洗練されたのと同様に、本作もかつての作風に比べると艶はありながらもやんわりと落ち着いた印象を受けました。序盤のVainqueurやMoritz von Oswaldのダブテクノなどどっしり重たいグルーヴから深く始まり、歌物テクノも多用して刺激的に盛り上げつつ、そこからSpace Dimension ControllerやInfiniti、そして自身のヒット曲"Speechless"などデトロイト系で一気に未来へと加速して行く中盤。ただヒット曲をプレイするだけでなくそこに声ネタを被せて原曲以上の盛り上がりも作る技も披露しつつ、ゴリゴリのブギーハウス〜アシッドハウスで攻撃的になったと思いきや、終盤ではJose JamesやCarl Craig(本当C2の曲はよく使うな)でぐっと夜のアダルティーな世界へと突入するディープハウスからElla Fitzgeraldのジャズトラックでしっぽりと終焉を迎えるドラマティックな展開。散々色んな方向へと引きずり回されながらも、そこはAgoriaの審美眼で選びぬかれた曲が使われており、派手な夜の喧騒と言うよりはエレガントな大人の舞踏会の夜のようです。ベテランらしく深化したと言う表現がしっくりきました。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Moritz Von Oswald Trio - Horizontal Structures (Honest Jon's Records:HJRCD54)
Moritz Von Oswald Trio - Horizontal Structures
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ミニマルのある一つの理想型を創り上げたBasic Channelの一人・Moritz Von Oswaldが、ミニマルな構成を保ちながらも更にそこから乖離、又は更なる飛躍を遂げているMvOT。本人のプログラミングにVladislav Delayのメタルパーカッション、Max Loderbauerのシーケンス、その上Paul St. Hilaire(Tikiman)のギターとMarc Muellbauerのダブルベースも加わった最早トリオではない完全なるバンド化した本作。1stアルバムから2年も経たずにライブ盤、そしてこの2ndアルバムと早急にも思える活動ながらも、しかし遥か遠く未知なる境地へと向かっているのは間違いない。60分4曲と言う大作志向かつ余りにも時間軸の遅く感じられるスロウな展開故に、ミニマルに馴染みのない人にとっては退屈と思われる瞬間もありうるが、しかしそれでも間違いなく訪れるカタルシスへと向かう助走から幕を開けいつしか緊迫した絶頂へと達するピークの瞬間が待ちわびている。パーカッションは雷鳴の如く空間に響き渡り、そのバックで酔っているかのようにふらふらと控えめに鳴るギター、低音で地味に主張するベースライン、そしてミニマルな構成の軸となるエレクトロニクス群は、即興演奏と言う鬩ぎ合いによりひりついた緊張感を生み出している。ただ聴いているだけでは気難しく難解な音楽にも思えてしまうが、アクシデントなプレイさえも収録した本作はミニマルから無定形なフォームへと羽ばたいている自由な音楽でもある。クラウトロックやプログレ寄りな音楽性ながらも、彼らの得意とするミニマルダブも残されており、微妙にクラブとの繋がりも保っている怪作だ。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Moritz Von Oswald Trio - Restructure 2 (Honest Jon's Records:HJP54)
Moritz Von Oswald Trio - Restructure 2
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単発のプロジェクトではなかったのかMoritz Von Oswaldのユニットの新作が到着。今回はいつものMoritz Von Oswald、Max Loderbauer、Vladislav Delayのトリオに加えて、TikimanのギターとMarc Muellbauerのダブルベースも加わったクインテットと更にパワーアップ。最早テクノと言うよりはジャーマンプログレやクラウト・ロックとでも呼ぶべきような無定形な電子音が浮かんでは消える即興演奏的であり、ここにジャンルやら既存のフォームを求めるのは無意味なレベルにまで達しております。前作まではエレクトロニクスを中心としたセッションがまだ残っていたものの、ここでは人力によるギターやベースの生演奏が入るおかげで無機質な電子音に生暖かい音質も加わって、ブルージーな人間臭さまで伴っているでないか。12分にも及ぶ微細な変化を繰り広げるミニマルな展開の中で、時間の感覚が麻痺する程に中毒的にドープな内容です。そしてリミックスにはダブステップで注目を浴びるDigital MystikzのMalaが起用されており、地響きのするどでかいベースや強烈なキックが主張しつつもコズミックなSEがどこかスペーシーでもある深遠なダブステップを披露。奥深いダブ処理や過激で猛烈な勢いがあるこのリミックスは、踊る事を渇望する新世代の為のベースミュージックだ。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
BEST OF 2010
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。世間では音楽が売れないだとか、アナログ文化の衰退だとか音楽業界の悲鳴が聞こえてきておりますが、決して音楽自体がつまらない物になった訳ではないと思います。ようは今までは金かけて宣伝していた物が売れていただけで、今はそのシステムが通用しなくなったので心底なファンしか買わなくなっただけなのでしょう。そんな時代だからこそ、自分の耳を信じて意識的に聴く事を、興味と探究心を持って新しい音楽を探す事を行い、受身でなく積極的に自ずから音楽を聴くようなリスナーが増えればなと思います。さてそれでは毎年恒例の年間ベストと共に、来年も良いお年を!
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| BEST | 11:30 | comments(4) | trackbacks(1) | |
2010/12/28 Killing Joke @ 青山蜂
火曜日と言うど平日ですが当日でようやく仕事納め、そして久しぶりに友達の國枝志郎さんがオールナイトのパーティーで回すので、青山蜂に遊びに行ってきました。蜂は2〜4階までフロアがあり、今回は4階にほぼ居座る事に。そこは絨毯が敷き詰めてあり靴を脱いで寛げるラウンジ風な場所で、DJがかける曲もダンスミュージックから外れた緩めの音が中心。國枝さんの前まではSky Records(ジャーマンプログレのレーベル)やECM(ジャズの名門レーベル)等、その他色々ジャズやらラウンジ風やら気の抜けたロック、ファンクなど踊る事を要求しないリラックスした雰囲気のある選曲だったかな。他のお客も絨毯でゴロリとしながら皆で団欒していて快適な居心地。
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| EVENT REPORT3 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Live In New York (Honest Jon's Records:HJRLP53)
Moritz Von Oswald Trio - Live In New York
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今年のMetamorphoseにおいてメインステージのラストを圧巻のライブで締めくくったMoritz Von Oswald Trioのライブ盤。これがなんとも凄いメンバーが集結しておりまして、Moritz Von Oswald Trio=Moritz Von Oswald+Vladislav Delay+Max Loderbauerに、ゲストにはCarl CraigとFrancois Kも加わった限りなく奇跡に近いスペシャリスト達の共演盤となっております。音響や音質に対しては並々ならぬ拘りを持ち、そしてダンスミュージックの最前線を駆け抜けてきたレジェンズが、ひりつくような緊張感の中から生まれる臨場感溢れるライブセッションを繰り広げており、テクノやロック、ジャズと言った要素がミックスされております。個人的には古典的なジャーマンプログレッシヴロックのエレクトロニクス度を高め、更にはミニマルなシーケンスを微妙に変化させていくミニマルミュージックとも思えるし、そして空間へ空虚に鳴り響くダビーなメタルパーカッションはトライバルな要素もあり、続々と挿入されるSEはコズミックで宇宙へと飛ばされる瞬間もあります。オリジナルアルバムを軽く凌駕する心地良いトビ感、ダビーなエフェクトはやはりCarl CraigやFrancois Kの技量なのか、もうとてもこの世とは思えない恍惚の世界を作り出しておりました。生真面目と言うかどシリアスなライブセッションではあるけれど、しかし単に実験的な方向だけに進むのでなく電子音楽ファンの心を掴む内容でもあり、とにかく皆様に聴いて欲しいアルバムです。CD+LP2枚組のセットなので、是非ともターンテーブルにレコードをセットして聴いて欲しいですね。

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| TECHNO8 | 16:00 | comments(1) | trackbacks(1) | |
2010/09/04 Metamorphose 10 @ 修善寺 サイクルスポーツセンター
2005年のメタモ以来、5年ぶりとなるメタモに行ってきました。今回はクラブ仲間御一行に車を相乗りさせて頂きまして、更にはテントやイスなどのキャンプ道具を完備する人もいたおかげで、かなり快適に過ごす事が出来ました。そのせいか終始お酒を飲む状態で、まともに音楽を聴く状態でなかったのが反省点でもありますが、楽しく過ごせたかな。幾つか聴いたアーティストについて軽くコメント。

まずはManuel Gottsching performs "more INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR" with Steve Hillage, Elliott Sharp & Zhang Shouwang。一番期待していたのですが、やはり素晴らしかったです。ギター3人とPC1人(知人の話では4人全員ギターだそうです。譜面台でギターが隠れて分からなかったみたい)のライブセットで、最初は"INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR"に収録されている"Echo Waves"。ペケペケしたギターのディレイが織り成すエレガントでトランシーな、そしてノンビートチルアウトと言っても差し支えない名曲。空間にフワフワと心地良いギターが浮遊し、そして拡がっていく。酔っていたので、これだけ聴いて後は寝ながらグダグダ。

Mogwaiのライブはステージから遠く離れたキャンプ地で、またもグダグダ寝ながら聴く。遠くからでも分かる圧倒的なギターの音圧、そしてそのノイジーな中から垣間見える美しい旋律。ちょっと以前ライブを聴いた時よりも、なんとなくテンポが早かったような?

そして伝説のMike Banks+Jeff Mills=X-102。これはまあだいたい予想していた通りで、やはり90年代前半のハードコアテクノを彼らなりにコズミックな要素を加えた、音自体は古いけれど臨界点を突破するようなエネルギーに溢れたテクノでした。流行り廃りとか古い新しいとかを超えた彼らのコズミックなコンセプトを表現していたんじゃないかな、グダグダに酔っていたので正確な事は言えませんが。

そこからは朝まで撃沈してしっかり仮眠を取り、ラストのMoritz Von Oswald Trioを迎える。最初に言ってしまうと2年前のUnitの公演を遥かに凌駕するライブで、今回は期待以上の物を聴かせてくれました。Moritz von OswaldとMax Loderbauerはエレクトロニクスを操り、Vladislav Delayは世にも見慣れぬ不思議なメタルパーカッションを叩く。重力から開放されたようにシンセのシーケンスは空間を自由に浮遊し、微小な変化を繰り返しながらミニマルな展開を作る。Delayが叩くパーカッションはディレイも効果的に使われ、鋭角的な音が空間を切り裂くように、しかしダビーに拡がり、そして圧倒的な音圧と重低音を鳴らしていた。2年前のライブの結果から踊れないと思っていたものの、今回は粘着性の高い重いグルーヴが生まれていてしっかりと踊れる内容でもありました。何度も色々なライブを体験すると本当に稀ではあるけれど背筋が凍りつく瞬間があるのですが、今回はまさにそれを体験。75分2曲の現在成しうる究極のエレクトロニックインプロビゼーションミュージックと言っても過言ではないと思います。

今回は終始メインステージに居たので殆ど踊らなかったのだけど、貴重なライブ体験を出来たし音楽友達と楽しく過ごせて良かったです。野外の開放感がグダグダを誘発するのだけど、たまにはそんなイベントも良いのかも。今回お世話になった方々には、この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
| EVENT REPORT3 | 21:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Recomposed By Matthew Herbert - Mahler Symphony X (Universal Music Classics & Jazz:06025 2734438 6)
Recomposed By Matthew Herbert - Mahler Symphony X
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2008年のCarl Craig & Moritz von Oswaldコンビによるクラシック再構築シリーズに続くのは、音の魔術師・Matthew Herbertによるグスタフ・マーラーと言う作曲家・指揮者の"交響曲第10番〜アダージョ"のRecomposed。クラシックに全く知識の無い自分は当然オリジナル音源も知らないので、原曲と再構築の違いを楽しむ事は出来ないのだけれども、比較的クラシック的な音を壊してはいない気がする再構築なのかなと感じました。Carl Craig & Moritz von Oswaldコンビが原曲をサンプリングしてミニマル展開したのに比べると、Herbertは旋律の調べをそのまま使用したのかオーケストラの静謐で美しい調べを生かしつつ、悲壮感を漂わせながら後半にはバカでかいエレクトロニックな音が炸裂するドラマティックな展開を作っておりました。特にトラック7の劇的な瞬間からトラック9のラストに至る音が無音に溶けこんで行くまでの流れは、微小な音のえも言われぬ美しい佇まいにうっとりする程でした。

クラシックと、そしてテクノにも精通している國枝志郎氏によるMatthew Herbertへのインタビューで作品に対しての詳しい話が聞けるので、是非読んで頂ければと思います。

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| ETC3 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2010/09/04(SAT) Metamorphose 10 @ 修善寺 サイクルスポーツセンター
Act : Manuel Gottsching performs "more INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR" with Steve Hillage, Elliott Sharp & Zhang Shouwang, X-102, Moritz Von Oswald Trio, Mogwai, Larry Heard and more

2010/09/10(FRI) Hyper Modern Music Salon -Dinosaur Meets TECHNO! @ Mado Lounge
DJ : Hiroshi Kawanabe, A.Mochi, CALM, Hiroshi Watanabe aka Kaito, no.9, Haruka Nakamura
Live : evala

2010/09/10(FRI) HI-TECK-SOUL Japan Tour 2010 @ Eleven
DJ : Derrick May, Ryo Watanabe

2010/09/10(FRI) SOLAR FREQUENCY @ Womb
Galaxy Stage
DJ : DJ Tasaka, DJ Nobu, The Backwoods
Future Lounge
DJ : DJ Yogurt, JZ, Leyziro

2010/09/10(FRI) CLUB MUSEUM "DETROIT LEGEND" @ Unit
DJ : Kevin Saunderson, Cloude Young Jr., Rok Da House

2010/09/22(WED) GUIDANCE @ Eleven
DJ : Michael Mayer, Takkyu Ishino

2010/09/24(FRI) Urban Tribe Japan Tour 2010 @ Eleven
Live : Urban Tribe
DJ : DJ Stingray (aka Sherard Ingram / Urban Tribe)

2010/09/25(SAT) AIR 9th ANNIVERSARY "DIXON × AIR Release Party @ Air
DJ : Dixon, Ko Kimura, DJ Sodeyama

2010/09/26(SUN) ShinKooeN fes 10' @ 神奈川県茅ケ崎市柳島海岸
DJ : Altz, DJ Nobu, DJ Quietstorm, DJ Yogurt, Ko Kimura and more
Live : Dachambo, Kaoru Inoue, O.N.O and more
| UPCOMING EVENT | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2009
2009年も当ブログをご愛読頂きありがとうございました。今年は転職したりDJしたりと転機もあり、山あり谷ありながらも充実した一年でした。また様々な方にご迷惑&お世話になり謝罪と感謝の気持ちで一杯です。歳と体は成長しても精神面では相変わらず小学生のノリなので、来年からは落ち着いた大人になりたいものです。

さて音楽業界にも不況の波が訪れておりますが、決して音楽の質が落ちている訳じゃありません。夜空には目には見えないけれども数多くの星が輝いている様に、音楽だってまだ僕も貴方も見つけていない素敵な音楽が埋もれている筈。音楽に対し愛を持ち自分の心に忠実になり耳を澄まして、貴方を幸せにしてくれる音楽を見つけて欲しいと思います。最後に自分の中での2009年ベストを選んでみました。が、あくまで今の気分なんで、また後で選び直したら変わるでしょう。それでもミュージックラバーの参考になれば幸いです。ではでは来年も良い一年になる事を祈って…
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| BEST | 00:10 | comments(4) | trackbacks(2) | |
2009 Best Seller
今年も残り二日ですね、皆様お疲れ様でした。当ブログでもせっせと良質な音楽を紹介してきたつもりですが、読者様には一体どんな作品が人気があったのか?当ブログで売れ行きの良かった作品を紹介したいと思います。それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2010/01/03 (SUN)
Chillout Village 09 @ 高井戸倶楽部
DJ : Mixmaster Morris, DJ Kensei, DJ Hikaru, Utsumi, Q a.k.a. Insideman, Sinn, Hiyoshi
Live : Dr.Tetsu ft. Arata

2010/01/08 (FRI)
LIQUIDROOM & root and branch PRESENTS MORITZ VON OSWALD TRIO - Vertical Ascent Japan Tour 2010 @ Liquidroom
Live : MORITZ VON OSWALD TRIO
DJ : DJ Nobu, DJ Tasaka, DJ Wada

2010/01/10 (SUN)
2010: An Inner Space Odyssey @ Microcosmos
DJ : Cloud Young, Takamori K., and more

2010/01/10 (SUN)
IOOIIO -unfinished sympathy is finished! - @ Solfa
DJ : DJ Yogurt, kai Kunimoto, Foliday
Live : Dorian

2010/01/16 (SAT)
THE GAME -The 10th Chamber Of Liquidloft Vol.2- @ Liquidloft
DJ : DJ Nobu, N.R.B.K.J(CMT, UNIVERSAL INDIANN, Shhhhh)

2010/01/22 (FRI)
Klass @ Module
DJ : Sven Weisemann, Naoki Shinohara, RANUMA, Ko Umehara

2010/01/22 (FRI)
DJ DEEP JAPAN TOUR 2010 @ Microcosmos
DJ : DJ DEEP, DJ AGEISHI, DJ NARIAKI

2010/01/23 (SAT)
Bound for Everywhere New Year Party @ Liquidloft
DJ : Calm

年が明けてもパーティーは竹の子の様に湧いてくる。まずはラグジュアリーなChillout Villageで優雅な一時を。MvOTは仕事で行けません(泣)。今超絶期待のSven WeisemannとDJ Deepが被ってしまったなぁ…Svenに行くと思うけど。CALMのB4Eは音に拘ったパーティーだそうで、かつLiquidloftと言うお洒落な場所で開催なので、ちょっと期待している。
| UPCOMING EVENT | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig, Moritz Von Oswald - ReComposed - New Mixes By Francois Kevorkian & Moritz Von Oswald (Deutsche Grammophon:272 4750)
Carl Craig, Moritz Von Oswald - ReComposed - New Mixes By Francois Kevorkian & Moritz Von Oswald
一年前にリリースされたクラシックをテクノ化した名作"Recomposed By Carl Craig & Moritz von Oswald"(過去レビュー)から、Francois Kevorkianが手掛けたリミックスシングルが到着。C2、Moritz、FK…なんて面子だい、豪華にも程がある。A面はFK+Moritz Von Oswaldによるリミックスで、どっしりとタイトなキックとダビーな音響、ちきちきとした上物が入ったダビーテックハウス。空間の奥深さがリアルに迫ってくる音響効果は流石で、広がりを感じさせる音が心地良し。更に途中から原曲のホーンがパラララ〜と入ってきて、その妙な恍惚感でラリパッパしそう。B面にはMoritz単独によるアフリカン臭が漂う土着ダブアンビエントが収録。こちらはRhythm & Sound名義の音に近い感じで、ずぶずぶなダブ・レゲエの湿っぽさもあり暗黒の沼に引きずり込まれるドゥープな一曲。闇の奥底で何かが蠢いている…そんな印象。取り敢えず買っておいて損はしない。

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| TECHNO7 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vladislav Delay - Tummaa (Leaf:BAY 72CD)

Vladislav Delay-Tummaa
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冷静になって気付くその2、クラブ行かない子が良いなんて一瞬でも思った俺が馬鹿でした。俺が求めている女の子はやはり、ミニマルやテクノが格好良い、バレアリック最高とか、音楽の共通の気持ちを分かち合える人なんだ。ちょっとオタでアングラでレコードに愛着があったり、そんな痺れるセンスを持った子に惹かれる自分がいる。昼下がりの午後3時、コーヒー飲みながら好きな人と一緒にレコード聴くとか最高でしょ。我ながら妄想の中だけでは完璧だ。

元Basic Channel系列、そして今ではミニマルダブ、ハウス、ダウンテンポと色々な音楽に取り組んでいるSasu RipattiことVladislav Delay。ここ数年はLuomo、Uusitalo、The Dolls名義でのリリースや過去の作品のリイシュー、そしてMoritz Von Oswald Trioにも参加するなど尋常ならざるペースで音楽製作をしており、もうDelay名義で新作が出たのかと驚くばかり、着いて行くのも大変です。さて待望の新作は前作と雰囲気はがらりと変わって、不鮮明でノイジーな印象は弱まり音の一つがくっきりと浮かび上がってくるアブストラクトなアンビエントになっておりました。一聴して気付くのは音自体が柔らかく有機的になっていて、今までのエレクトロニックで冷たい印象が後退している事。これはCraig Armstrongによるローズピアノやピアノ、そしてサックスフォンやクラリネット、そしてDelayによるパーカッションなどの生演奏が大幅に加わった事がそのまま影響しているんでしょう。相変わらずの型にはまらない自由自在なリズムや展開は変わらないけれど、所々で情緒的な音色が流れてきてうっとりする瞬間があるのは聴き所。Vladislav Delay名義の中では一番聴き易く(それでも他のアーティストに比べればとっつきにくい)、安定と平静の感じられるムードミュージックだと思う。Delay名義は今後はよりアコースティックな路線に進むらしいが、その第一歩なのでしょう。

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Check "Vladislav Delay"
| TECHNO7 | 10:30 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Moritz Von Oswald Trio - Vertical Ascent (Honest Jon's Records:HJRCD45)
Moritz Von Oswald Trio-Vertical Ascent
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お塩さんやっちゃいましたね、さすが我ら凡人には辿り着けない境地を感じさせます。しかし矢田亜希子って言うのは結婚した時点で分かってたけど、男を見る目は全く無いんだよな。宮崎あおいなんかもそうだけど幾ら彼女たち自身に魅力はあっても、男を見る目が無い女ってのはそれだけで評価を落とすよなぁ…

一年前から話題になっていたユニットのアルバムがようやく登場。なんと言っても面子が尋常ならざるユニットで、Basic ChannelのMoritz Von Oswald、Vladislav DelayやLuomo名義で活動するSasu Ripatti、元Sun ElectricのMax Loderbauerとテクノの歴史の中で音響には人一倍こだわりを持つ人達が集結しているのです。だからこそ耳を集中させて聴いて欲しい。ここには流行や売れ行きを意識した音は一切入っていない。彼等が頑なに信じる自分達の音響の美学を、テクノとジャーマンプログレの狭間で融解させ新たなるテクノの世界観を作り上げている。テクノとは打ち込みがメインでライブ性の少ない音楽ではある…と言った既成観念はここでは通用せず、Ripattiはメタルパーカッションを叩き、Loderbauerはシンセサイザーを弾き、Moritzは様々なエレクトロニクスを駆使し、展開と拡張性を伴った演奏を披露している。細かに配置された様々な音が浮かんでは消えて、ミニマルではありながら微細な変化を伴いながら展開しつつ、廃退的な余韻が残っていく。余りにも生真面目過ぎる音楽ではありますが、フロアやクラブと言った娯楽的な要素を越え、テクノの制限を越えて生きているテクノに全力で打ち込んだ結果が本作なのではないでしょうか。ベルリンテクノだけど、何故かアフリカンなパーカッションは古代の踊る欲求を呼び起こします。

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Check "Moritz Von Oswald"
| TECHNO7 | 00:05 | comments(2) | trackbacks(3) | |
2009/01/23 TAICO CLUB presents SO VERY SHOW! @ Womb
昨日はVADERを家に呼んでマチュ家と一緒に夕飯を一緒したので、封印しておいた兄貴からの頂き物「Bernachon」のチョコを開封。VADERと一つずつ頂きましたが、上品で綺麗に消えゆく甘さの極上のチョコレートでした。僕もベルナシオンのチョコを買おうと思ってたら「やじうまプラス」で放送されちゃったせいか、その直後にネットでも売り切れ(ほんとにただのやじうまだわ)。でもクラブ行く前に再度「サロン・ド・ショコラ」を見たら、購入可に戻っていたので即購入。

家で飯食べてがっつり酒飲んだ後は、一人で子宮に向かう。なんだかエロイ表現ですが、常識的に考えてWOMBです。常識的に考えて昨夜はミニマルナイト、流石にそんなに客入らないかと思ってたら人いっぱいになったので、何だか嬉しかったです。最初はKaitoことHiroshi WatanabeのDJですが、普段よりも幾分か硬めのテックハウスだった気が。重厚で幻想的なシンセヴェールの曲を回しながらも、ドンチク重めのリズムでアッパーに盛り上げておりました。
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| EVENT REPORT1 | 09:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2008
昨日の続き。先行きの暗い日本ではありますが、個人的には良い事も…あったっけ?いやいや、ありました。本人には面と向かっては恥ずかしいので言いませんが、当ブログを通して出会えたa4mさんには感謝しております。多分当ブログの読者で初めて会った人なんだけど、何故か今までは特に誰とも会う事は無かったのです。がa4mさんがパーティーに誘ってくれて、更には友達のクラバーを紹介してもらったり、新しい出会いがありました。周りからすればそんなの大した事ないじゃんと思うでしょうが、本来引き篭もりむっつり根暗系の自分は人付き合いもそんなに上手ではないので友人も多くもないし、まさか当ブログの読者に会うなんて事は考えてなかった訳ですよ。だから彼女が誘ってくれたのは嬉しかったし、彼女の気さくさと言うか親近感は見習いたいものです。つーことで、オイラもRevolution For Changeするよ。クラブで音楽を楽しめる方(ナンパとかしたい人はお断り)なら一緒にクラブでも楽しい時間を共有出来ると思うから、良かったら一緒に踊りに行きましょう。酒好きで女好きだけど、音楽も好きだから気軽に楽しみましょう。男の人でも、阿部さんみたいな人なら会いたいな、ウホッ!

しかし最近このブログも色んな人が見ているようで自分でもびっくりするけど、読者数が増えるにつれてシモネタや毒舌は控えないといけないねと思ったり、そこら辺のバランスは難しいですね。ま、そんなこんなで激動の一年でしたが、この一年間どうもありがとうございました。また来年も宜しくお願いしまーす。

では続きで自分の中の2008年ベストを紹介しようと思います。
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| BEST | 00:30 | comments(13) | trackbacks(3) | |
2008 Best Seller
今年も残り二日ですね〜時間が経つのは早いです…。ちょっとこの二日間で今年を振り返ってみると、まずは悪かった事から。彼女に振られた。別れて半年位経つので、そろそろ新しい出会いもキボンヌ。リーマンブラザーズ破綻のせいで日経平均大暴落、ついでに所持している株の総資産も超減った。嘘だと言ってよ、バーニィ(泣)。来年からはプラチナ積立貯金を始めるわ。今プラチナが超安くなってるねん。それとシフト制の仕事のせいでメタモ(G2G、アシュラ)、フジロック(マイブラ)に行けず(泣)。仕事の為に生きている訳ではないので、来年現場変えを頼んでそれが無理なら転職だわ。満足に趣味の出来ないライフなんて、死んでるも同然。あとは不景気のせいで年末の派遣切りは本当に心苦しいね。自分は運良く正社員なのでまだ良いけれど、派遣って制度自体やっぱダメだろ。規制緩和した小泉元首相は切腹すべき。特定技術向けの派遣以外は全部廃止しる。または同一労働同一賃金は保証しないとな。派遣を雇ってまで経費削減しないと黒字化しない会社は、利益が出る収益システムを確立出来てないと言う事なんだから、そんな会社は遅かれ早かれいずれ潰れる。とまあ本当に若者にとっては苦しくなるばかりの日本だな。自民党は票が欲しいので老人向けの政治しかやならないし。若者の皆さん、人生はゲームです。みんなは必死になって戦って、生き残る価値のある大人になりましょう!と言う事で残りはまた明日…

無駄口が続きましたが今年も当ブログ経由で色々と商品をお買い上げどうもありがとうございました。当ブログ読者には一体どんな商品が人気あったのか?以下に人気商品を挙げてみたいと思います。それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recomposed By Carl Craig & Moritz von Oswald (Universal Music Classics & Jazz:00289 4766912 8)
Recomposed By Carl Craig & Moritz von Oswald
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(日本盤)
限りなく奇跡に近い夢の競演。デトロイトテクノの至宝・Carl Craigと、ベルリンミニマルダブの最高峰・Moritz von Oswald(From Basic Channel)が手を組んだ。彼等が題材にしたのはクラシック。Herbert von Karajan指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による「ボレロ」、「スペイン狂詩曲」、「展覧会の絵」を再構築すると言う偉業を成し遂げたのだが、決して話題性だけに陥る事なくTECHNOとして完全にリメイクされている事は褒め称えるべきであろう。誰しも耳にした事がある原曲のフレーズをサンプリングしてミニマルに展開しているのだが、徐々に融解してエレクトロニクスと侵食し混ざり合っていくカオスな状態が不思議な恍惚感を生み出している。また彼等が生み出すエレクトロニクスの音に関してはやはり一級品で、研ぎ澄まされた金属的な質感や荘厳な音色はただそれだけで気持ちの良い音となっている。静謐な雰囲気を漂わせながら非常に重厚感のある楽曲で、殆どがノンビートである事はアンビエントとして聴くのが最適そうではあるが、それと共にミニマルでありながら大きなうねりや躍動感もある事に気付くであろう。面白い作品だが、それだけでなくTECHNOとして格好良いのだから素晴らしい。彼らのアイデアの深さにはただただ感嘆するだけである。

試聴

Check "Carl Craig" & "Moritz von Oswald"
| TECHNO6 | 20:40 | comments(1) | trackbacks(4) | |
UPCOMING EVENT
2008/11/08 (SAT)
Escape @ Air
DJ : Âme -Open - Last 7 Hours Long DJ Set-

2008/11/14 (FRI)
root & branch presents UBIK @ Unit
DJ : Moritz von Oswald, Tohru Takahashi, DJ NOBU

2008/11/15 (SAT)
X-Party @ Womb
DJ : Ken Ishii
Live : Technasia Solo Live By Charles Siegling, A-Inc A.K.A. Akira Ishihara

2008/11/22 (SAT)
PHUNK!!! Regis Japan Tour @ Colors Studio
DJ : Regis, Rok Da House, N.A.M.I.

2008/12/05 (FRI)
groundrhythm -7th Anniversary- @ Air
DJ : Kaoru Inoue -7 Hours Long DJ Set-

2008/12/12 (FRI)
root & branch presents UBIK @ Unit
Live : Le Petit Orb
DJ : Alex Paterson, Thomas Fehlmann

2008/12/12 (FRI)
MOODYMANN “DET.RIOT 1967” JAPAN TOUR 2008 @ Liquidroom
DJ : Moodymann, Moodman

2008/12/13 (SAT)
Spirit Catcher Japan Tour @ Air
DJ : Spirit Catcher

取り敢えず幾つか行きたいパーティー。モウリッツはライブに続きDJでも来日ですか、今度も激混みが予想されますね。ムーディマンとルペティオーブは同日か、両方行きたいのに。後は暇があればちょこちょこと小さなパーティーに行ければ良いかな。

追記
Moritz von Oswaldは急病で来日中止だって(泣)
| UPCOMING EVENT | 22:00 | comments(7) | trackbacks(0) | |
Model 500 - Starlight (echospace [detroit]:echospace313-2)
Model 500-Starlight
Amazonで詳しく見る

昨年にLPのみで限定リリースされていたModel 500の"Starlight"リミックス集が、ようやくCDでリリース。CDも500枚限定らしいですが、マジなんでしょうか?リミキサーにはDeepchord、Echospace、Intrusionなどの名で活動しているRod ModellとStephen Hitchell、あとはデトロイトで活動しているSean Deason、Convextion、Mike Huckaby。原曲はBasic ChannelのMoritz von Oswaldがエンジニアとして参加しているせいか、デトロイトテクノと言うよりはディープなミニマルでModel 500にしては珍しい作風です。そんな曲を各アーティストがリミックスしているのですが、ものの見事に大半はベーチャンまんまな過剰なリヴァーブの効いたミニマルダブを展開しております。一つ一つの曲で評価するならば文句無しに格好良いんだけれど、さすがに一曲のバージョン違いを延々と聴かされるのはなかなかしんどいです。Sean Deasonだけはシャッフルしたリズムを使ってデトロイトテクノに仕上げているので、口直しに丁度良かったですね。まあしかしQuadrant Dubみたいな曲の連続だわな、艶っぽくてエロい。

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Check "Juan Atkins"

Tracklistは続きで。
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| TECHNO6 | 18:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2008/07/11 UNIT 4th Anniversary @ UNIT
テクノの生きる伝説・Basic ChannelからMoritz von Oswald TrioがUNITに襲撃。と言ってもまさか今時の若い人が今更ベーチャンに興味なんか持ってないだろうと高を括ってましたが、すんません、UNITが久しぶりに超混んでました。12時過ぎにクラブに入ったんだけど、その時点でフロアは人混みでパンパン。全然前に行けないし、勿論踊る事も不可能。YOUTUBEのライブ映像を見た限りだとどう聴いても踊れないライブなのに、まさかそれでもMvOTを聴きたい人があんなにいるなんて、自分も含めて極度にどMなクラバーは意外と多いのですね。
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| EVENT REPORT1 | 17:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Quadrant - Infinition (Basic Channel:BC-QD)
Quadrant-Infinition
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 Amazonで詳しく見る(UK盤2)
遂にライブが明日に迫ったMoritz von Oswald Trioですが、そのMoritzとMark Ernestusの伝説的ユニット・Basic Channelの名作を一つ紹介。彼らは色々な名義で活動していますが、その一つQuadrantは1993年になんとPlanet Eからリリースされた物。すぐにR & S Recordsにもサブライセンスされ大ヒットした名作中の名作ですが、僕が持っているのは2004年にBasic Channelからリイシューされた盤です。リイシューだとオリジナル盤から数曲が削除され2曲しか収録されていないのが残念ですが、それでも十分に価値のある一枚でしょう。特に注目すべきは彼らの作品の中では結構まともにダンストラックを披露していて、クラブでかかったら本当に気持ち良さそうな音である事。A面の"Infinition"では強烈な4つ打ちキックが続いていて、その上をアトモスフェリックな残響音が反射していく心地良いダブテクノ。柔らかいシンセのディレイが空間に満たされ、ほわほわな浮遊感を生み出しております。B面の"Hyperprism"もシンセのメロディーを多用した珍しいトラックですが、どことなく不安気で物悲しい感じです。ディレイやエコーは余り使用せず、ディープなテックハウス辺りに属する音ですね。しかし本作が既に1993年に生まれたいたなんて、やはりオリジネーターの力は偉大だなあ。

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Check "Basic Channel"
| TECHNO6 | 08:20 | comments(2) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2008/07/05 (SAT)
DEFECTED presents Charles Webster Release Party @ AIR
DJ : Charles Webster
Special Live & DJ : Jazzin' Park

2008/07/11 (FRI)
UNIT 4th Anniversary @ UNIT
Live : Moritz von Oswald Trio feat. Vladislav Delay & Max Loderbauer (ex. Sun Electric, NSI), Flying Rhythms
DJ : Fumiya Tanaka, Juzu a.k.a. Moochy, Hikaru (Blasthead) and more

2008/07/12 (SAT)
LIQUIDROOM 4th ANNIVERSARY @ LIQUIDROOM
Live : Los Hermanos
DJ : Larry Heard

2008/07/20 (SUN)
Real Grooves Volume 28 "Musique Risquee Label Night" @ UNIT
DJ : Akufen, Maxxrelax
Live : Deadbeat

2008/07/25 (FRI)
CLUB MUSEUM "4 HOURS of DETROIT ROOTS !!" @ UNIT
GUEST DJ : SUBURBAN KNIGHT a.k.a. James Pennington
DJ : Kihira Naoki, Rok Da House

予定が空いてしまったので、Moritz von OswaldとLos Hermanos+Larry Heardのどちらにも行ける事になりました。YELLOW亡き後UNITががんばっております。この調子でUNITは良いパーティーを開催して頂けると助かります。
| UPCOMING EVENT | 14:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Sebbo - Watamu Beach (Desolat:Desolat003)
Sebbo-Watamu Beach
Amazonで詳しく見る(MP3)

ミニマルダブの極北・Basic Channelの曲と言えば必ずしも踊れる曲ではない事もあるのですが、音の深遠なる美しさは半端ない物があります。そんなベーチャンの"Q1.2"をサンプリングして、踊れるトラックにリメイクしたのが本作。まあ平たく言えば単純に4つ打ちのリズムと不気味な男の呻き声を加えただけなんですが、元ネタのダビーな音像の印象は強烈でどうしたって魅かれてしまうんですな。それがダンスバージョンになったならば、フロアでの爆発力はもう言うまでも無いでしょう。先日のYELLOWのパーティーで田中フミヤが使用していて、フロアが興奮の渦に巻き込まれたのがその証。で驚くべきはB面にベーチャンの片割れ・Moritz von Oswaldが、リミックスを提供している事。マジで?一見モーリッツのリミックスはそれ程ダビーさは強調していないので地味に聞こえますが、しっとりと湿度を感じる奥深い音響はまるで密林の奥深さの様で妖気なムードが漂っています。曲の終盤に近付くに連れて徐々にカオスに満ちた展開に突入し、もはや原曲をぶち壊しまくりな流石と言うべき業を見せ、オリジネーターの実力をまざまざと感じさせてくれました。

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Check "Sebbo"
| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Quantec - Unusual Signals (Echocord:echocordcd03)
Quantec-Unusual Signals
Amazonで詳しく見る(US盤)
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最近はBasic ChannelのMoritz Von Oswaldも本格的に活動を再開しておりますが、そのベーチャンフォロワーもデトロイトのDeepchordなど目を見張る物があります。そして今度はデンマークのコペンハーゲンからSven SchienhammerことQuantecが登場。ベーチャンフォロワーなんでDeepchordと同じく特に説明も要らない音楽性ですが、Deepchordが過剰なエフェクトで奥深い空間を演出するのに対し、Quantecは引き算の美学に向かった作品と言えるかと思います。音数は隙間が生かされる様に削ぎ落とされて、残った音には適度なディレイやエコー処理を施し、それが丁度良い残響音を感じられる空間を生み出しているのです。やり過ぎではないから耳も疲れないし、またその適度な残響音には気品漂う大人の色気さえ漂ってくる様な、そんな一歩上を進むハイソなミニマルダブではないでしょうか。静かな佇まいの中、音の揺らぎ、ディレイ、エコーをじっくりと感じられる高品質な音響空間が広がっていきます。本作は最近の大推薦盤です。

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Check "Quantec"
| TECHNO6 | 19:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Tony Allen - Lagos Shake : A Tony Allen Chop Up (Honest Jon's Records:HJRCD34)
Tony Allen-Lagos Shake A Tony Allen Chop Up
Amazonで詳しく見る(UK盤)
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アフロの帝王・Tony AllenのオリジナルアルバムからEPのみでリミックスがカットされてきましたが、遂にその最終章としてアルバムとしてまとめられてリリース。もしオリジナルアルバムを持っていなかったり、例えTony Allenを知らなくても、本リミックス集はテクノ好きの興味を誘う事間違い無しの面子が集まっております。なんとデトロイトテクノの至宝・Carl Craig、そしてミニマルダブの極北・Basic ChannelからMoritz Von OswaldとMark Ernestusがそれぞれソロでリミックスを提供しているのです。Carlさんはアフロな原曲に更にヒプノティックなシンセを上乗せした、まあいかにも彼らしい未来的なテクノに仕上げております。そしてMark Ernestus、こちらは近年の彼の好みを繁栄したレゲエやダブの奥深い音響空間を生かしてもわ〜んとしたダブハウス。蒸し暑い南国の湿度に満たされ、ラリパッパーな世界ですね。そして極め付きはMoritzのリミックスですが、抜けの良いアフロパーカッションを生かしつつもドロドロとした低音の効いたベースとキックが重苦しく支配し、いつの間にか密林の奥地に誘い込まれる様なミステリアスなミニマルダブ。完璧、文句のつけようのないプロダクションでしょう。で他にもリミキサーが多数参加しているのですが、自分の知らない面子ばかりでした。それでもファンクやサンバ、どこかネジの飛んだエレクトロニカ風など全体的に統一感は全く無しですが、どの曲も強烈な存在感を感じさせ、アルバムとしての聴き応えは有り楽しめる一枚だと思いますよ。

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Check "Tony Allen"

Tracklistは続きで。
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| ETC2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Tony Allen - Ole (Honest Jon's Records:HJP36)
Tony Allen-Ole
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アフリカンなドラムを打ち鳴らすアーティスト・Tony AllenのEPにおいて、なんとBasic ChannelのMoritz Von Oswaldがリミックスを担当。原曲は民族的なリズムと明るいノリの歌が入るホットな曲なんですが、リミックスは完全にベーチャン、もしくはRhythm & Soundスタイル。奥深い音響のダブハウスで、もわ〜んとしっとり湿度の高いムードは適度に気持ち良い。アフロなパーカッションはそのまま利用しているものの、こうもダウナーに雰囲気を変えてしまうお仕事はやっぱりベーチャンの凄さですね。ドラムキックのずしりと来るダブ加減が、ただそれだけで良いのです。またうっすらとアンビエンスを感じさせる音が張られていて、昔のベーチャンっぽさも垣間見えていますね。まるで秘境で鳴っている音楽みたい。

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Check "Tony Allen"
| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Model 500 - Deep Space (R & S Records:RS95066CD)
Model 500-Deep Space
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本日で一旦は"宇宙からの歌、宇宙への音"(過去レビュー)からのCD紹介は終わり。トリを飾るのはテクノのパイオニア、Juan AtkinsがModel 500名義でリリースした傑作"Deep Space"。タイトルからして深い宇宙なのですが、それを裏切らない予想以上に素晴らしい内容です。この作品以前のJaunと言えばエレクトロが中心だったのですが、90年以降Basic ChannelのMoritz Von Oswaldらとの交流によって、ミニマル・テクノ色を前面に出した作品が増えてきました。そして機を熟しModel 500名義での初のオリジナルアルバムとなったのが本作なのですが、単に叙情性だけを強調したデトロイトテクノとは全く方向性が異なっていて、ファンク、ミニマル、ハウス、テクノなどが自然と混在していてパイオニアとしての格を見せ付けている圧巻の内容。ひんやりと熱量の低い雰囲気、無駄を排除したミニマルな音の配置で一見デトロイトテクノらしからぬ音ですが、それはきっとベルリンで全編録音されたからなのでしょうか。エンジニアは何とMoritz Von Oswald!中にはベーチャンよろしくな音響の深いミニマルテクノもあり、Juanの新たなる才能が開眼と言った感じです。だからと言ってデトロイトの夢見るロマンスが失われている訳でもなく、控えめな甘美さも存在していてモードのバランス感覚に思ったよりも長けている事が分かります。決して派手な作風ではありませんが、宇宙に存在する星の煌きの如く音の一つ一つが静謐に輝いていて、"Deep Space"のタイトルに偽りなしの名作と言えるでしょう。

試聴

Check "Juan Atkins"
| TECHNO5 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Thomas Fehlmann - Good Fridge (Flowing Ninezer Onineight) (Apollo:AMB8951CD)
Thomas Fehlmann-Good Fridge (Flowing Ninezer Onineight)
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Kompaktからの新作がヤバイ事になってそうな感じの御代・Thomas Fehlmannですが、このApolloからリリースされていたベスト盤も相当にヤバイです。The Orbにおいての手腕、Basic ChannelのMoritz von Oswaldらとドイツにデトロイトテクノを持ち込んだ成果に依って才能を認められた彼ですが、Kompaktに身を移す以前から既に彼の音楽性と言うのは確立されたいた事が本作に依って証明されています。本作は彼の90〜98年の音楽活動の総集編とも言えるベスト盤なのですが、大半が未発表曲なのでオリジナルアルバムと言っても差し支えない内容ですね。最近の作品に比べると重厚さは稀薄ですがダビーな残響音の深さは既に表れていて、やはりBasic Channelとの親交の深さが見え隠れしています。そして何よりもえも言わせぬ美しい音、特に粒子の輝きの如く繊細でしなやかな上音は身も心も柔らかく包む様でふわふわと浮遊感を生み出しています。一言で言うと格が違う、さすがベテランだと言わんばかりの存在感。だからと言って気難しい音楽を聴かせるでもなく、むしろよりテクノの可能性の広がりを示唆していた自由性はむしろこの頃の方が上だと思います。テクノはクラブだけで聴くと思っている認識を根底から覆す奇想天外な構成で、まるで完全にコントロールされた知性を以てして創られたアートにさえ思う事でしょう。自由な音楽なのにコントロールされたとはこれ如何にとなりますが、フォームは無くともこの美しい音響はFehlmannの統治下にあるのです。Alex Paterson、Moritz von Oswald、Sun Electricが参加し、マスタリングはPoleことStefan Betkeとかなり豪華な面子が脇を固めており、その面子に違わぬ素晴らしい一枚です。

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| TECHNO4 | 21:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rhythm & Sound - See Mi Yah (Burial Mix:BMD-4)
Rhythm & Sound-See Mi Yah
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アブストラクトなミニマルテクノの極北・Basic Channel、そしてMaurizio。Mark ErnestusとMoritz von Oswaldから成るこのミステリアスなユニットは、ここ数年はダブ・レゲエに傾倒しています。正直な所、テクノを離れてしまった彼らには余り興味も示さないのですが、惰性で彼らの作品は購入し続けています。Rhythm & Sound名義での4枚目のアルバムとなる「See Mi Yah」ですが、実はワンウェイアルバムでありまして、全曲トラックは同じ物。曲毎に異なるMCをフューチャーして変化を付けて、アルバム一枚で壮大な流れを楽しむと言った感じなのでしょうか。一応曲毎にイコライジングやエフェクトでアレンジを微妙に変えているみたいですが、私にはほぼボーカル以外は同じに聞こえてしまいます。う〜ん…レゲエとかってこんなのが当たり前なの?こんな作品が毎回リリースされるなら、今後Basic Channelには興味はもう示さないかも。テクノ好きな私には、素直に昔のBasic Channelの方が格好良かったかな。敢えて良い所を探すなら、相変わらず音の深さは仙人級の凄さ。幻惑的なリヴァーブ使いやアナログ楽器からの柔らかな音は、やはり彼らがアブストラクトなシーンでは崇拝されるその理由でしょう。レゲエとかってそんな好きじゃないけれど、こんな糞暑い日にはこんなズブズブした音が合うかな。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(3) | |
Juan Atkins - 20 Years Metroplex 1985-2005 (Tresor:Tresor.216))
Juan Atkins-20 Years 1985-2005
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昨日の素晴らしいデトロイトテクノコンピに続き、本日はデトロイトテクノの始まり、Juan Atkinsのベスト盤を聴いて欲しいと思います。全ては彼から始まったと言っても過言では無く、デトロイトテクノいやテクノのゴッドファーザーとして現在も活躍中なその人です。テクノと言うよりもエレクトロと言うべきCybotron名義から始まり、ファンキーでコズミックな精神を注入したModel 500名義、ストレートで硬派なテクノ系Infiniti名義、意外なるハウスを披露したVision名義、そして遂にはジャーマンテクノとシンクロした3MB(Moritz Von Oswald+Thomas Fehlmann) feat. Juan Atkins名義など、彼の20年に渡る活動は本当に偉大なテクノ軌跡であり、テクノの一つの指標に違いありません。テクノと言うシーンの流れが早い中で20年もの間、その世界に降臨し続ける事自体が驚くべき事なのですが、今でも彼の活動意欲は衰えを見せず素晴らしいテクノを創り続けています。Underground Resistanceの様に神懸かりに近い奇跡や、Carl Craigの様に未来を超越するセンス、またはDerrick MayやKevin Saundersonの様な大ヒットもないかもしれない。それでもJuan Atkinsはこれからもテクノと言うシーンを支えていく人で有り得るし、彼こそがオリジネーターである事に変わりはありません。「Ocean To Ocean」や「The Flow」のファンキーでエモーショナルな音には心が揺さぶられるし、「I Wanna Be Free (I Wanna Be Thereが正しいタイトル)」や「Jazz Is The Teacher」には深い精神世界を感じられさせ、「Game One」や「Skyway」には硬派で頑固一徹なテクノ精神が宿っています。Juan Atkinsだけがデトロイトテクノではありませんが、彼は紛れもなくデトロイトテクノの真髄でしょう。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Luomo - The Present Lover (Force Tracks:FT62CD)
Luomo-The Present Lover
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昨日紹介したDATA 80と同じレーベルに所属していたForce Tracksの中心的存在だったのが、このLuomoだろう。またの活動の名をVladislav Delay、そうかつてはBasic Channel系列のChain Reactionや、Force Tracksの兄弟レーベルのMille Plateauxからアブストラクトでエクスペリメンタルな作品を出していたその人である。今までのダークで余り一般的とも言えない作風から、突如としてLuomo名義では煌びやかで艶のある耽美的ハウスを送り出した。そしてこの2NDアルバムはよりポップによりセクシーに、ほぼ全編女性ボーカルを取り入れ非の打ち所のない物となっている。USにはディープ、アフロ、ゴスペル等のハウスがあるけれど、Luomoは徹底してヨーロッパ的な音を感じさせる。とても美しく泥臭さとは無縁な音。何なんだろう、このナイーブでセンチメンタルな感傷は。男が作ったハウスと言うよりは、か弱い女性的な感じ。しかし音の広がりや奥深さには、やはり並々ならぬ物がある。何と言ってもマスタリングにはBasic ChannelのMoritz von Oswaldが参加しているのだから。この人を引っ張り出す位だから、これだけでもこのアルバムが素晴らしいと予想が付くのではないだろうか。うむ、これだけ素晴らしい作品を出していたのにForce Tracksが倒産とは、世の中儚いものだ。残念であ〜る

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| HOUSE1 | 20:40 | comments(0) | trackbacks(4) | |
Thomas Fehlmann - Visions Of Blah (Kompakt:KOMPAKT CD20)
Thomas Fehlmann-Visions Of Blah
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今週末UnitにThomas Fehlmannがライブの為来日をします。かなり以前から活動している人で、Palais Schaumburgとしてバンドを組んでいたり、The OrbやSun Electricに参加、そしてJuan AtkinsやBasic ChannelのMoritz Von Oswaldとも交流があり、コネクションは凄い。そんなお方が2002年にKompaktから出した作品は長年の実績を感じさせる、重厚で荘厳な魅惑の作品となった。最近のThe Orbにも似たシャッフルするリズムに、シャリシャリしたシンセが乗っかった曲。オーロラの様に透き通るようなシンセに包まれた美を極めた曲。果てはBasic Channelの様にアブストラクトでダビーな曲。The OrbやBasic Channelの良いとこ取りの様な感じだけど、これはFehlmannでしか有り得ない音と言うのを出している。長年素晴らしいアーティストと競演する事により、自身の才能も高めていった結果なんだろう。老いて尚盛んなThomas Fehlmann、これからも期待出来るアーティストです。

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| TECHNO1 | 13:05 | comments(0) | trackbacks(0) | |