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Stacey Pullen - Detroit Love Vol.1 (Planet E:PEDL001CD)
Stacey Pullen - Detroit Love Vol.1
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「デトロイト・ラブ」、何とも直球ストレートなタイトルのMIXCDシリーズが立ち上げられたのだが、そのプロジェクト元はデトロイト重鎮のCarl Craigだ。2014年頃からデトロイト・テクノ/ハウスのシーンの後押しをする目的で同名パーティーを世界各地で行っているが、その雰囲気を家でも体験出来るようにとMIXCDとしても企画されている。その第一弾を担当しているのは当然デトロイトのDJでありまたベテランの一人でもあるStacey Pullenで、現在は制作活動は見受けられないものの数年に一度はMIXCDをリリースしてはいるので、DJとしての手腕が買われているのだろうか。過去に手掛けたMIXCDではアフロ・パーカッシヴなファンキーなテクノやハウスから、ヨーロッパ系の流麗なテック・ハウス系、派手なプログレッシヴ・ハウス調までその時々で色々な音楽性を披露しているが、今回はUSの作品を軸とした作品になっている。開始こそUS勢ではないSoulphictionの"Ann Arbor"だがアフロなパーカッションが土着的なドス黒いハウスで重厚感があり、そこからはデトロイト勢の曲が続く。どっしり重さを保ってサイケデリックな"The Fader"、ミニマルなスタイルで洗練された"They're Coming"、そして序盤のピークはざらついた質感がファンキーな名曲のハウスの"Raw Cuts (Marcellus Pittman Remix)"でやってきて、低空飛行ながらもじわじわくるスムースなハウスの流れが序盤を作っている。中盤からはやや上げてきてベテラン勢の一人Gary Martinによる"Galaxy Style"の爽快なパーカッションがなるファンキーなハウスから、ギャラクティックな上モノと荒々しいリズムに躍動する"Horney Chords"、ダークな雰囲気からデトロイトらしいエモーショナルな旋律が浮かび上がってくるテクノの"Delray"、ディープな雰囲気を作る太いベースラインが脈動する"Wired Everything"など、デトロイトというコンセプトはありながらも一般的なデトロイト・テクノ/ハウスというイメージよりは更に拡張性が感じられるだろう。終盤はテンションを落としてきて空間の広がりと浮遊感が存在するスペーシーな"Purple Pulse"から女性のシャウトが印象的なトライバル系の"Low Down"、最後はデトロイトの叙情性が発揮されたアンビエント系の"Detroit State of Mind"で気分を落ち着かせながら幕を下ろす。所謂昔の安っぽさや素朴さの中にファンクネスやスペーシーな感覚が込められたデトロイト・テクノというタイプの選曲ではないが、これが現在のデトロイトのシーンの一部である事を提示するような音楽性で、その意味では懐古的ではなく未来の視点を向いたMIXCDだ。テクノとハウスを横断し大人びてスムースな流れのプレイはベテラン的だが、欲を言えばもっと野性的で荒々しいファンキーなプレイも聞いてみたいとも思うが、このシリーズには今後も期待したい。



Check Stacey Pullen

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| TECHNO14 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - Selectors 003 (Dekmantel:DKMNTL-SLCTRS003)
Marcel Dettmann - Selectors 003
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世界有数のフェスティバルとして評価の高いDekmantelがレーベルとしても始動して、そして新たに立ち上げた『Selectors』はMotor City Drum EnsembleやYoung Marcoと実力派アーティストを招きながら、例えば彼らのルーツや埋もれてしまった名曲等を紹介する意味で非常にコンセプト性の強いシリーズだ。そしてその第三段はベルリンテクノを代表する一人でBerghainでもレジデントを行うMarcel Dettmannが担当していているが、DJプレイでは最新系のテクノから古いシカゴ・ハウスからエレクトロまで網羅する彼がこのシリーズでは一体どんな選曲を行うのか興味深かったのだが、蓋を開けてみればインダストリアルやポスト・パンク中心と驚きを隠せない。本人の説明では"プレ・テクノ・コンピレーション"との事なので、その意味では彼にとってのルーツの紹介、そしてテクノに影響を与えた音楽の紹介という点で面白さがあるだろう。アルバムの開始はエレクトロニック・ボディ・ミュージック(EBM)を代表するユニットの一つ、Front 242の1985年作である"Don't Crash"で始まるが、破壊的なドラムマシンやノイジーなシンセなど退廃的なムードながらも肉体性もあるグルーヴ感は今で言うダンスとロックの繋ぎとしても成り立っており、そしてこの荒廃した雰囲気はDettmannのDJプレイにも感じられるものだ。The Force Dimensionは当方は初耳のユニットだが、"Algorythm (Manipulating Mix)"はパンキッシュで痺れるビート感ながらもポップなメロディーやベースの使い方はシンセ・ポップのキャッチーな響きもあり、かなりダンス色の強いEBMとして魅力的だ。逆にフィラデルフィアのインダストリアルユニットのExecutive Slacksによる"So Mote It Be"は、鈍い朽ちたようなマシンビートに呪詛的で呻き声のようなボーカル、そして金属がネジ曲がるようなサウンドを織り交ぜて、一般的にイメージする破壊的なインダストリアルというものを伝えてくれる。そしてただ単にオリジナルを収録するだけではなく、A Thunder Orchestraの"Diabolical Gesture (Marcel Dettmann Edit)"はDettmannがDJセットにも組み込みやすいようにエディットを行っており、この場合だと原曲よりもBPMを上げてパーカッシヴなロウテクノ風に変換しているのも面白い。他にもCabaret VoltaireやMinistryなどインダストリアルの大御所からマイナーなユニットまで網羅しているが、しかしどれも痺れるような電子ビートを軸に破滅的な金属サウンドからウキウキするシンセ・ポップまで、この手のジャンルの幅広さを伝えるような選曲になっており、正に『Selectors』としての役割を果たしている。テクノを期待していると少し肩透かしを喰らうかもしれないが、アーティストのルーツを掘り下げながら未知なる音楽に出会う機会を作ってくれるだろう。



Check Marcel Dettmann

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| ETC4 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pablo Valentino - My Son's Smile (MCDE:MCDE 1215)
Pablo Valentino - My Sons Smile
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MCDE主宰、自身としてもCreative Swing Allianceの一員として活動しフランスのディープ・ハウスにおいて前線に位置するPablo Valentino。ジャズやファンクにディスコといった音楽を咀嚼して、実にエモーショナルなハウスを聞かせる音楽性は、だからこそMotor City Drum Ensembleと共鳴するのも納得だ。さて、ソロ名義では実に4年ぶりとなる新作は、EPのタイトルからも分かる通り彼の息子へと捧げられている。タイトル曲の"My Son's Smile"は正にレーベルの音楽性が発揮されており、優美でしとやかなフェンダー・ローズのメロディを用いつつディスコを思わせる効果音やファンキーなベースを挿入した味わいのあるディープ・ハウスになっているが、息子の笑い声もサンプリングに用いて雰囲気作りに一役買っている。一方で"Atlantic's Calling (One For Portugal)"はデトロイトのビートダウン・ハウスにも接近したスローモーで重心のどっしりした作風で、ざらついたビートが生々しさに繋がりつつも華麗なエレピがしっとりと情緒を付け加えていて、ゆっくりじわじわと染みるエモーショナル性がある。そしてざっくりとしたメロウなヒップ・ホップの"Good Ol' Days"においてもValentinoのエモーショナル性は際立っているが、これもジャズやファンクのみならず黒人音楽というものに対しての造詣があるからこそで、懐の深さは流石MCDEを主宰するだけある。またタイトル曲をSound Signature等でも活躍するNYのアーティストであるGe-Ologyが"My Son's Smile (Ge-ology 'Teach The Babies' Remix)"としてリミックスしているが、オリジナルのフェンダー・ローズから透明感のある綺麗なシンセに置き換え、またリズムは跳ねるような躍動感を獲得してオリジナルよりも綺麗で流麗なテック・ハウスへと変化し、素晴らしいリミックスを披露している。レーベルとしてのMCDEに期待している音楽性がここにはあり、やはりMotor City Drum EnsembleのみならずValentinoも要注目なアーティストである事を証明している。



Check Pablo Valentino
| HOUSE13 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Young Marco - Selectors 002 (Dekmantel:DKMNTL-SLCTRS002)
Young Marco - Selectors 002
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Dekmantelが企画するコンピレーションシリーズの「Selectors」、第一弾はDanilo PlessowことMotor City Drum Ensembleが担当し注目を集めて企画としては成功を収めており、その勢いに乗って第二弾が登場。担当はオランダからバレアリック/イタロ・ハウスの深掘りをYoung Marcoで、何でも「高価盤やレア盤の寄せ集めにならないように選曲した」そうで、第一弾が今では高価になってしまったレアなハウスをふんだんに使用していたのとは対照的にも感じ取れる。勿論Plessowも単に高価な曲の寄せ集めではなく手に入りずらい素晴らしい曲をDJとして使用して欲しいという意図も込められてはいたので、その意味ではこのMarcoの選曲も前者と大きく外れている事はない。本作について言えばハウス・テイストもあるものの、もう少しディスコティックやシンセポップ等のプロト・ハウス的な音楽性が中心で、レトロな世界観に懐かしさを感じる事だろう。同郷オランダからはDanny Boyの僅かに発表された作品の一つ"Diskomix (Disko Version)"があり、1983年作と言う事を考慮してもネオンライトをイメージさせる光沢感あるシンセ使いが懐かしく思われるシンセ・ポップな作品は、「アチョー」という声やロボットボイスの影響で中華テイストが面白く聞こえる。続くGerrit Hoekemaもオランダのアーティストで、実はコンピ等への曲を提供するのみでソロ作品をリリースした事はない点で非常にレア度は高いのだが、"Televisiewereld"はプロト・ハウスとでも呼ぶべきいたないビート感が味わい深く、奇妙な効果音がよりユニークさを強めている。勿論正統派ハウスな作品もあり、それこそシカゴのディープ・ハウス伝道師であるLarry Heardによる"Dolphin Dream"で、Heardらしい無駄のないエレガントな響きとチルアウトな感覚のある慎ましいハウスは素朴でもあり他の曲との調和を崩す事はない。現在形のアーティストであるWolf Mullerは未発表曲を提供しているが、"Pfad Des Windes"はジブリの名曲をカバーした異色作。ジブリらしい懐かしい田舎風景のムードがありながらも、エキゾチック・ディスコな響きはやはりレトロ調の味わいがある。他は90年代の作品が多く、シカゴのFrank Youngwerthによる90年前半の"Whirr"はやけに軽快なパーカッションが弾むヒップ・ハウス調で、非常に時代の空気が強い。Green Baizeの"Spick And Span"は90年代初期のイタロ・ハウスで、シカゴやデトロイトからの影響も感じさせるチージーな響きの中にエモーショナルな感情を込めた作品だ。全体を通してモダンとは対照的なレトロ調のバックトゥルーツな意図が感じられ、時代の幅やジャンルの差はあれど全体の空気の統一感として全く違和感無く纏められている。単なるレアな曲の寄せ集めでは当然なく、ミックスせずともYoung Marcoのバレアリックやイタロな音楽性を投影した世界観は、部屋を彩る素晴らしい音楽集になるだろう。勿論DJにとっては使い勝手の良い武器になるに違いない。



Check "Young Marco"

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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vermont - II (Kompakt:KOMPAKT CD 114)
Vermont - II
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Motor City Drum Ensembleとして名を馳せるDanilo Plessowと、Innervisionsからの作品で高い評価を受けるMarcus Worgullによる異色タッグのプロジェクト、Vermontによる2枚目のアルバムがケルンはKompaktより到着。彼等が普段制作するエモーショナルでパワフルなディープ・ハウスとは異なり、ヴィンテージなアナログ・シンセ等を用いて抽象的で深い精神世界を探求するようなジャーマン・プログレやクラウト・ロックの系譜に連なる音楽性を展開し、直球のダンス・ミュージックではなく実験としての探究心を推し進めたであろうプロジェクトだ。路線としては前作から大きな変化はないが、しかしミニマルなアコースティック・ギターを用いた1曲目の"Norderney"は現代ミニマルのSteve ReichやManuel Gottschingを思わせる作風で、研ぎ澄まされたアコギの耽美な旋律を軸に瞑想的な電子音やコズミックなSEを散りばめて穏やかな宇宙遊泳を楽しむような感覚だ。"Gebirge"は70年代の電子楽器と戯れるジャーマン・プログレの延長線上で、半ばミステリアスささえ漂わせる電子音が闇の中で不気味に光るように響いて瞑想的なアンビエントの感覚も生んでいる。"Demut"や"Hallo Von Der Anderen Seite"もビートが入る事はなく強弱と旋律に動きのある奇妙な電子音を最小限用いて、その分だけ音の隙間が空間的な立体感を生んでおり、何か物思いに耽るような磁場が作られている。普段のDaniloやMarcusの音楽に慣れ親しんでいればいる程、肉体を刺激する音楽とは対照的なコズミックな電子音によって精神へ作用する音楽を展開するこのプロジェクトには意外に感じるだろうが、それが単なる小手先の音楽になっていないのは二人のジャーマン・プログレに対する理解の深さ故なのだろう。電子音との戯れはKompaktらしい実験的なアンビエントの響きもあり、異色さだけで注目されるべきではない深い精神世界を彷徨うリスニング・ミュージックとしてお勧めしたい。



Check "Motor City Drum Ensemble" & "Marcus Worgull"
| TECHNO13 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rebirth 10 - Compiled And Mixed By Larry Heard A.K.A. Mr. Fingers (Rebirth Records:REB036CD)
Rebirth 10 - Compiled And Mixed By Larry Heard A.K.A. Mr.Fingers
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シカゴ・ハウスのレジェンド…とだけで括るのでは恐れ多い、時代を越えて何時までも残る曲を制作する音楽家として孤高の位置に存在するMr. FingersことLarry Heard。初期シカゴ・ハウスのロウで荒ぶれる作風から、次第にそこにツール性のみならず趣深い情緒や琴線に触れるエモーショナル性を加えた張本人であり、伝説的な存在として尊敬の眼差しを浴びながらも今も音楽家として制作を続け、求道的な生き方を続けている。アーティストとしての技量は言うまでもないが今までにDJとして公式にミックスをリリースした事はなく、活動歴30年を経てようやくMr. Fingers名義でのミックスがここに届けられた。オフィシャルでの初のミックスである事は非常に貴重ながらも、今回はイタリアのレーベルであるRebirthの10周年を記念した作品とあって、あくまでレーベルの音楽性を伝えるショーケースが前提になっている。レーベルからの作品にはテクノからハウスにディスコ、USから欧州まで幅広い要素があり、レーベルを追い続けている人でなければその全容を計り知るのは困難だろう。しかし決してDJとしては超一流という訳でもないLarryが、ここでは穏やかで慎み深い点で音楽的には親和性のある事をベースに、ショーケースとしては十分に魅力あるミックスを披露している。ショーケースというコンセプトが前提なのでトリッキーさや派手な展開はほぼ皆無で、曲そのものの良さを打ち出す事を前提としたミックス - それは普段のLarry Heardのプレイでもあるのだが - で、幽玄なディープ・ハウスからアシッド・ハウスに歌モノハウス、またはディープ・ミニマルも使用して、穏やかな地平が何処までも続くような優しさに満ちた音楽性だ。丁寧に聞かせる事でしっとりと体に染み入るような情緒性を含みつつも、勿論ダンス・ミュージックとして体が躍り出すようなグルーヴ感もあり、Larryらしい大らかな包容力とレーベルの美しく幽玄な音楽性が見事にシンクロして相乗効果を発揮している。リスニングとしての快適性が故に部屋で流していて自然にさらっと聞けてしまうBGM風にも受け止められるが、それもLarryやレーベルの音楽性としてはあながち間違っていないのかもしれない。願わくば次はショーケースとしてではなく、よりパーソナリティーを打ち出したMIXCDも制作して欲しいものだが、さて今後の活動を気にせずにはいられない。



Check "Larry Heard"

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| HOUSE12 | 12:00 | comments(3) | trackbacks(1) | |
Motor City Drum Ensemble - Selectors 001 (Dekmantel:DKMNTL-SLCTRS001)
Motor City Drum Ensemble - Selectors 001
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デトロイトの音楽性も咀嚼し黒い芳香と粘性の高いディープ・ハウスやビートダウン・ハウスを完成させ、一躍時の人となったDanilo PlessowことMotor City Drum Ensembleは、作曲家としてでだけでなくDJとしての評価も一際抜きん出ている。5年前のMIXCDである『DJ Kicks』(過去レビュー)においてもテクノやシカゴ・ハウスのみならず、懐かしいディスコやコズミックなジャズに湿地帯を匂わせるダブもミックスし、ブラック・ミュージックを根底に置きながら単に踊る為だけ以上の豊かな音楽性を披露した。そこに当然必要となるのが各DJ毎のネタ、つまりはレコードとなる訳だが、デジタル配信が増えた現在に於いてもまだデジタル化されない貴重な音源は数多く、それらを如何に入手するかがDJにとっての一つの仕事である事に異論はないだろう。だがしかし、Plessowはそういった秘密兵器を隠す事なく、多くの人と共有する事を躊躇わない。そんな背景もあってDekmantelからリリースされた本作は、正に彼の秘密兵器を公開し、そして他の若いDJ達にも使って欲しいという思いも込められた正に「Selectors」としての内容だ。古くは1978年のファンクから最も新しいのでは1997年のディープ・ハウスまで、しかし一般的には恐らく知れ渡っていないであろうレアな曲が収録されている。アルバムの前半は主にハウスで、DJ Slym Fas(知らなかったのだが何とTony Ollivierraの変名だ)の"Luv Music"の耽美なエレピの旋律やコズミックなシンセの使い方が特徴の野暮ったいディープ・ハウスは、例えばMCDEの新曲だと言われても気付かない位に音楽性に類似点が見受けられる。House Of Jazzによる典型的な90年代のUSハウスである"Hold Your Head Up"の甘くもゴスペル的な歌、20 Belowの弾力性のあるファットなベースがうねりシンセが優雅な芳香を匂わせる"A Lil Tribute To The Moody Black Keys"など、これらもMCDEのDJセットに入るのもその音楽性を理解すれば極自然に思われる。アルバムの後半は更に時代を遡り、Lickyによるアフロな熱さもある陽気なファンクな"African Rock"、RAhzzのテンション沸騰で血が滾るゴージャスなディスコの"New York's Movin"など、ファンク/ソウル/ディスコといったよりルーツ的な選曲だ。ミックスではなく敢えてコンピレーションとしたのは当然DJとし使って欲しいという気持ちの表れだが、そのおかげでリスニングとしても各曲の魅力をそのままに体験出来るに事にも繋がっており、DJにもリスナーにもありがたい作品なのだ。MCDEのルーツを探る意味でも、面白さもある。



Check "Motor City Drum Ensemble"

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| HOUSE11 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Harvey Sutherland - Bermuda (MCDE:MCDE 1213)
Harvey Sutherland - Bermuda
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Motor City Drum Ensembleの活動の場であるMCDEから作品をリリースする事は、ある意味ではそれだけでお墨付きを貰ったようなものだ。生々しくファンキーなビートダウン・ハウスを手掛ける事においては、なかなか右に出る者はいない。そして、そんなレーベルから新たにお墨付きを貰ったのがオーストラリア発のMike KatzことHarvey Sutherlandだ。時を遡り過去の作品を調べてみると、2014年にはVoyage Recordingsから"Brothers"なるEPをリリースしていたが、その時点でも既にアナログで新鮮なライブ感のあるディープ・ハウスを手掛けており、確かにMCDEが惚れ込むのも納得の出来だ。そしてその流れからの新作は、彼の知名度を一躍高める事間違いなしの褒め称えるべき内容となっている。一時はセッション・ミュージシャンでもあったというKatzの作風は、単なるツールとしてではなくハーモニーやメロディーと鮮やかな音色を尊重し、生演奏的にも聴こえるライブ感を打ち出した曲調が特徴だ。"Bermuda"においてもジャズ・ファンクのようなざらついた質感のリズムと、艶のある優美なメロディーと腰に来るベース・ラインを軸に、その他にもストリングスやシンセなど多層に装飾されながらゴージャスで陽気な気分を振りまくブギーなハウスだ。裏面の"New Paradise"はぐっとテンションを抑えながら、小洒落たエレピのコード展開に薄っすらと着飾るように美しいストリングスを添え、途中から入ってくる光沢を放つシンセのメロディーにより切なさを増していくディスコとハウスの甘美な邂逅だ。ややもすれば突き詰めると懐古的な音楽性へと回帰するだけになりがちなハウスという音楽において、懐かしくも全く古臭くもないモダンさと揺るぎない豊かな音楽性を以ってして、聴く者を納得させるだけの完成度がここにはある。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/1/10 groundrhythm -new year's party- @ Air
昨年末に12周年を迎えて尚その軌跡を進めているAIR屈指のレギュラーパーティーであるgroundrhythm。2015年最初のgroundrhythmは井上薫と共に勝手知ったるDJ Yogurt、DJ Hikaruという長年計画されてきたメンバーがようやく集結し、またRESPONSEクルーであるDJ Yu-TaとA Boy Named Hiroがメインフロアのオープニングを務める事になった。それだけでなくシーシャバーやフードに物販、またメインフロアには特別な形のスクリーンも持ち込んでVJも用意し、ラウンジには昭和感溢れるデコレーションを施すなど、今までのgroundrhythmの中でも特に気合の入った一夜だ。
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| EVENT REPORT5 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2014
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年も昨年に引き続き毎週パーティーライフを楽しみ、素晴らしい音楽にも出会う事が出来ました。やっぱりパーティーは最高だなと思った一年ですが、オールナイトにおけるパーティーについての問題では、風営法改正案の大きな動きもありました。今後良い方向へと進む事を期待するのみですが、現実的な問題として夜遊びたいと思う人は減っているのかなと思う時も多々あり。私個人的にはやっぱりパーティーは絶対にオールナイトのクラブでないと!という気持ちは強くあります。しかし時代に合わせて多様性を許容する事も無視は出来ないと思うのも事実で、ニーズに合わせてパーティーを作っていく必要はあるのかもね…でもやっぱりパーティーはオールナイトと言う考えは譲りませんが。また音楽自体がインスタントなものになり無料の配信だけで聴かれるような状況ではありましたが、ダンス・ミュージックの分野に関して言えばやはりアナログでのリリースは根強く、プレス数は減ってもその分多くの作品がリリースされていました。そんな作品を毎週買っては聴く生活の繰り返しで、ブログの更新が追い付かない程に良質な音楽は今でも生み出されている事を実感した一年でもありました。ちなみにこのブログも夏頃に発足から10年が経過しましたが、これからも色々な音楽・パーティーを発信する為に2015年も頑張って続けたいと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/11/30 choutsugai presents -Pablo Valentino Japan Tour In Tokyo- @ Solfa
Motor City Drum Ensembleの立役者…という説明も最早不要だろうか、ジャズやファンクにビートダウンまでをカバーするMCDEとFaces Recordsを主宰し、また自身ではCreative Swing Alliance名義でも活動するPablo Valentino。DJにおいてもハウスのみならずファンクやヒップ・ホップなど縦横無尽にブラック・ミュージックを包括するプレイで魅了するが、そんなPabloが一年ぶりの来日を果たす。また日本からはデトロイト・ハウス〜ロウ・ハウスからの影響を公言するYou Forgotも出演と、日仏ハウス合戦が日曜の夕方に繰り広げられた。
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| EVENT REPORT5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vermont - Vermont (Kompakt:KOMPAKT CD 114)
Vermont - Vermont
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2014年の初頭だろうか、ドイツはKompaktからVermontなる聞き慣れぬアーティストのアルバムがリリースされる事がアナウンスされたが…実はこのユニットはMotor City Drum Ensembleとして活動するDanilo PlessowとInnervisionsのMarcus Worgullによるものである事が明かされ、リリース前から話題性は抜群であった。個々のソロ活動では踊らす事を前提としたダンス・ミュージックを手掛ける二人が交わる時、どのような化学変化を見せるのか期待をしない者はいないだろうが、しかしその成果は多くのリスナーの予想を覆す古典的なシンセを用いた観念的なジャーマン・プログレの系譜上に位置している。真夜中の興奮を駆り立てるようなビートが入る事はなく、その代わりに生き物のように自由な動きを見せる即興的なシンセのメロディーや効果音が主導となり、か弱い星の輝きが瞬くようなコズミックな風景を描いていく。70年代のジャーマン・プログレには電子楽器を用いながら、枠に当てはまる事を拒否しながら自由な創造性があったが、本作に感じられるのはそれと同じような童心の遊び心だ。勿論かつてのジャーマン・プログレと比較すればそこまでアブストラクトでもなく、二人のソロ活動に於けるエモーショナルな音楽性が前面に出ており、単なる模倣でもない事は確かだ。そして注目すべきは"Cocos"や"Macchina"では元祖ジャーマン・プログレのCanのドラマーであるJaki Liebezeitがドラムを叩いており、前者では鎮静をはかりながらも呪術的な、そして後者では神経を蝕むようなドラッギーなシンセに呼応するように原始的でトライバルなリズムを叩き出し、よりプログレ/コズミック感を増長する事に寄与している。"Lithium"においてはケルンのDJであるLena Willikensがテルミンを付け加えているが、その制御の効かない音色がおどろおどろしさと共に宇宙の浮遊感を誘発し、フリーキーではありながら安堵するようなベッドルーム・ミュージックとして成立している。DaniloとMarcusの両者から生まれたとは到底思えない、場合によっては本作を聴いて落胆する人もいるかもしれないアルバムだが、しかし二人の自由気ままなシンセによるセッションの音楽はお気楽なアンビエントとしては効果的であろうし、Kompaktからリリースされたのも納得というものだ。



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| TECHNO11 | 09:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
2014/9/13 groundrhythm @ Air
代官山はAirにおける最長不倒を更新しているレギュラーパーティーのgroundrhythmは、井上薫が中心となりながらその時その時で国内の若手からベテランまでジャンルと年代を越えるようにDJ/アーティストを起用し、新鮮さと懐かしさを伴いながら歩みを続けている。そして今回のgroundrhythmでは過去にSILICOMとしても活動し前衛的なテクノを展開するAOKI takamasa、そしてニュー・ディスコ方面で名を上げつつある二人組のユニットであるMonkey Timersら、またもやgroundrhythmに初出演となるアーティストを起用し変化をもたらす事となった。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Garnier - KL 2036 EP (MCDE:MCDE 1212)
Garnier - KL 2036 EP
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2014年は5つのレーベルから異なるジャンルの作品をリリースすると豪語していたLaurent Garnierだが、本作はその4作目となる作品でMotor City Drum Ensembleを手掛けるMCDEからとなる話題作だ。これより前に出た3作ではテクノやシカゴ・ハウスにヒップ・ホップを披露していたが、ハウスにも造詣の深いGarnierだからこそ、MCDEのようなヨーロッパからデトロイトへの回答とも思えるビートダウン作品を世に放つ事は自然とも取れる流れなのだろう。A面の"Psyche-Delia"はエチオピアのジャズから影響を受けて制作されたそうだが、確かにアンニュイで妖艶なシンセのメロディーやマイナー調のエレピのコードがサイケデリックな空気を生み出すディープ・ハウスで、確かにタイトル通りな印象をもたらしている。B面の"Whistle for Frankie"は説明不要だとは思うが故Frankie Knucklesへと捧げられたであろう曲で、だからといって典型的なNYハウスではなく、黒い芳香を醸し出すボイスサンプルや暗いムードの中に優美さを添える流麗なエレピ・ソロを配したミッドテンポのハウスで、パーティー序盤のじっくりと盛り上げていく時間帯には嵌りそうだ。どちらもMCDEらしい低重心で黒さを感じさせるビートダウン・ハウスではあるのだが、ただMCDEのカタログの中で際立っているかというとそうでもない。またGarnierのジャンルを越えた多様性の一部としてディープ・ハウスを披露してはいるものの、良質なディープ・ハウスが溢れる現在のシーンの中ではどうにも凡作に思えてしまう。MCDEという強烈な個性を持つレーベルとの絡みだからこそ相乗効果を期待していたわけだが、結果としてはレーベル性に沿っただけの作品になってしまったようだ。



Check "Laurent Garnier"
| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - Raw Cuts Remixes (MCDE:MCDE 1211)
Motor City Drum Ensemble - Raw Cuts Remixes
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ドイツ出身のDanilo Plessowは複数の名義とユニットで活動をしているアーティストで、その中の一つで最も有名な名義であるMotor City Drum Ensembleは初めてのリリースから既に7年が経過しているが、この名義がもはや彼にとってのメインプロジェクトである事は間違いない。特にデトロイト・ビートダウンに影響を受けたであろうロウでファンキーな、そして怪しい黒さを発する"Raw Cuts"はMCDEの存在感をシーンに知らしめたシリーズであり、今尚フロアでプレイされる名作だ。本作はそんなシリーズの中から"Raw Cuts #5"のリミックスし直した作品なのだが、驚くべき事はMarcellus PittmanやMike HuckabyにReclooseとデトロイトのシーンで活躍してきたアーティストをリミキサーに起用しており、やはりこのシリーズがデトロイト・ハウスとは切っても切れない関係である事を示唆している。原曲のクラクラする陶酔感を払拭しより直線的なビート感や荒々しい金属的なパーカッションを用いて硬質さも加えた"Marcellus Pittman Remix"、そして奇妙な男性のボーカルサンプルや眠気を誘うような幻想的なシンセを導入しデトロイトのエモーショナル性を打ち出した"Mike Huckaby"、そのどちらもがMCDEにあるロウな音楽性を活かして荒々しさを引き出しつつも各DJの個性も反映されたリミックスになっている。しかし本作で注目すべきはデトロイトの中でも奇才を放っていたReclooseによる"Recloose Remix"で、近年の彼の作風に見られるエレガントなストリングス使いや跳ねるようにしなやかなビートを用いて、更にはコズミックなサウンドも織り交ぜる事で優雅なフュージョン・テックへと変容し、原曲の雰囲気をがらっと変えながらも更に上質なりミックスへと昇華しているのだ。ここまでの変化を見せると既にMCDEの作品ではなく、Reclooseとしての新曲に近い印象も受けるが、兎に角まあ素晴らしいリミックスだ。ちなみに"Raw Cuts"シリーズはこれにて終了するアナウンスがされているが、MCDEとしての活動は続けてくれる筈なので今後の活動にも期待したい。



Check "Motor City Drum Ensemble"
| HOUSE10 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pablo Valentino Presents Japan Tour 2013 (Faces Records:FACES CD004)
Pablo Valentino Presents Japan Tour 2013
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デトロイト・ハウス、またはビートダウンと呼ばれる音楽はUSから海を越えてヨーロッパへと渡り、それぞれの場所で根を張りその個性を育んでいる。特にオランダやドイツではその影響は強いが、例えばフランスでその例を挙げるのであればFaces Recordsは忘れてはならない。フランス出身のPablo Valentinoが主宰するこのレーベルはディスコやジャズやファンクにも影響を受けた上でのハウスにフォーカスしたレーベルであり、特に黒人が発するスモーキーな芳香を纏っているが、Motor City Drum Ensembleのために設立されたレーベル・MCDEの設立者がPabloである事を知れば、Pabloが目指す音楽性も理解出来るだろう。本作はそのPabloが来日ツアーを行った際にパーティー会場で販売されていたFaces Recordsのレーベル・コンピレーションであり、レーベルの方向性を占うと共に未発表曲も多く含まれているなど、話題性は抜群だ。日本からはKez YMとRondenionの二人が曲を提供しているが、両者ともディスコをサンプリングしたであろう方向性を支持しながら黒人音楽への真摯な愛情が現れたファンキーなハウスを披露。Ketepicaによる生っぽく艶やかなジャジートラックや、Champsによる優雅なメロディーとしなやかなビートが弾けるブロークン・ビーツからは、Faces Recordsが単なるハウス・レーベルではなく黒人音楽がルーツにある事を証明もしている。またフランスのアンダーグラウンドから浮上し最近話題となっているS3Aを早くからフィーチャーしていたりと、Pabloの音楽に対する目の付け所は正当に評価されるべきだろう。勿論Pabloも本人名義に加えCreative Swing Alliance名義でも煙たく仄かに情緒的なビートダウンを提供し、更にはMotor City Drum Ensembleによる新曲も収録するなど話題に事欠かさない充実した内容だ。レーベルの方向性としてDJに使用して貰う事を前提にEP/アナログでのリリース中心なので、こうやってCDや配信でレーベル・ショーケース的に様々な作品を聴ける点でも価値がある一枚だ。



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| HOUSE10 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/9/22 FACES Records 2013 Tour of Japan Tokyo @ Seco
ロウなディープ・ハウス/ビートダウンで一際注目を集めているMotor City Drum Ensembleを送り出したMCDE、そのレーベルを主宰するのがPablo Valentinoだ。MCDE以前からジャジーヒップホップやブロークンビーツも手掛けるFaces Recordsを立ち上げ、最近ではより黒いディープ・ハウスへとシフトしつつあるが日本のRondenionやKez YMの作品もリリースするなど、ジャンルの垣根を取っ払い黒い音楽の開拓を進めている。今回は2年ぶりの来日となるが、日本からはKez YMとA Little Spice (Kiccio & DJ Noa)がサポートに入り、日本ツアーの最後の夜を演出した。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/4/19 Forestlimit 3rd Anniversary Party Smoke & Mirros @ Forestlimit
幡ヶ谷でひっそりとではあるがパーティーを開催しているForestlimitも、いつの間にか3周年を迎えたそうだ。その記念に5日間に渡ってアニバーサリーパーティーを予定しているのだが、その初日はCMTと二見裕志とDNTと珍しい組み合わせで、そもそもForestlimitと言う箱に興味はありながらも未だ未開の地であったので、この機会に遊びに行ってみた。
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| EVENT REPORT4 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - Send A Prayer (MCDE Recordings:MCDE 1210)
Motor City Drum Ensemble - Send A Prayer
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リリースする作品がことごとく高い評価を得ているMotor City Drum Ensembleが、単独作品としては一年半ぶりとなる新作をリリースした。それまでにも Jayson Brothers名義でのスプリット盤への曲提供などを行なってはいたので、そんなに久しぶりと言う印象もないのだが、しかし自身のレーベルからMCDE名義での作品となれば期待は高まるものだ。A面には"Send A Prayer"のPt.1、Pt.2を収録しているが、重心の低い粘性の強いグルーヴにゴスペル風な蒸し暑いボーカル、そしてラフなハンドクラップを用いた如何にもMCDEらしい作品となっている。そして本作ではスピリチュアルな妖艶さを醸し出すホーンの導入もあり、それがどちらも埃っぽい黒さを身に纏わせる事に結び付いている。B面には分厚いベース音が前面に出つつタイトル通りに奇妙な効果音が覚醒感を煽る"The Stranger"と、獰猛なグルーヴが下地となりながら物憂げな女性ボーカルサンプルやマイナー・コードの美しいシンセが情感を呼び起こす"SP11"の2曲が収録されており、どちらもDJユースに応えた作品と言えよう。MCDEとしてはスタイルが固定されもう新鮮味はないのだが、デトロイト・ハウスの系譜として充実した作品を送り出す頼り甲斐のあるアーティストとして今後も目が離せない。

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| HOUSE8 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rondenion - Montage EP (Faces Records:FACES 1213)
Rondenion - Montage EP
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ここ一年程は自身が運営するRagrange Recordsと自身の楽曲制作を並行して積極的な活動を行なっているRondenion。勢い留まるところを知らず更なる新作は、前作に引き続きMotor City Drum Ensembleも関連するフランスのFaces Recordsからとなる。Theo ParrishやKDJも引き合いに出されるビートダウンかつファンクネス溢れる作風は本作でも健在で、ガヤガヤとした雑踏の音とピッチのずれたような幻惑的な呟きが入る幕開けから始まり、徐々にキレのあるファンキーなリズムが浮かび上がりディスコっぽいサンプリングのループへと突入する"Herb"が非常に勢いがあり耳を惹きつけられる。次の"Surely"ではハウスと言うよりはヒップホップを下敷きにした引っかかりのあるグルーヴの上に、朧気なパッドや生音のサンプリング等を混ぜながら、そして吐息を吐くようにかすかな呟きにソウルをのせている。裏面の"Convulsions"はこれでもかとガヤ声やホーンなど様々なサンプリングを敷き詰め、チョッパーベースの攻撃的な音を強調した勢いのあるブギーなハウスで雑然・混沌とした黒さに染まった点が魅力的だ。エレクトロ/ブギー系で注目を集めているそうなInkswelによる"Surely (Inkswel Remix)"は、オリジナルよりも無駄を削ぎ落として身軽になったチージーで親近感のあるエレクトロであり、これはデトロイトの原始的なファンクを喚起させる初期エレクトロにも通じている。どの曲もつまるところ日本離れしたファンクネスが炸裂していて、海外から注目を集めるのも至極当然と言う訳だ。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
MCDE 1209 (MCDE:MCDE 1209)
MCDE 1209
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Pablo Valentinoが主宰する欧州からのビートダウン推進レーベル・MCDEの9作目は、レーベルの顔であるMotor City Drum Ensembleの変名であるJayson BrothersにCreative Swing AllianceとPablo Valentinoの作品を収録したスプリット盤。Jayson Brothersは"Drop Back"と"North & Pulask"の2曲を提供しており、どちらも夜道を彷徨うようなマイナー調のコード展開と呟きのボイスサンプルを執拗に繰り返す黒光りするハウスを披露。生っぽい質感もありながら上品に蒸留されたモダンな音質で、今のフロアの感覚にぴったりと嵌るトラックメイキングの安定感は流石だ。しかしこのEPで耳に残ったのは裏面の2曲でCreative Swing Allianceの"Yeah!"とPablo Valentinoの"Like it was '99"だ。"Yeah!"はそのタイトル通りにイエーと呟くファンキーなサンプルをループさせ、エレクトロニック音を華麗にコード展開させて軽やかに舞い踊るグルーヴが生み出したフュージョン・ハウスで、これは本当にパーティーで盛り上がるであろう多幸感に溢れた名曲だ。一方で"Like it was '99"はぐっと重心を落とした粘り気のあるグルーヴに控え目なエレピが仄かに上品さを演出する正にビートダウンとでも呼ぶべきハウスで、生っぽいファンキーなベースラインや艶のあるボーカルサンプルが余計に黒さを色濃くしている。安堵感に溢れたこの曲は疲れの溜まった朝方のフロアで聴けたら気持ち良さそうだ。計4曲、MCDEと言うレーベルのブラックミュージックに向かう方向性をしっかりと感じられる内容で、今回も間違い無しの一枚だ。

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| HOUSE8 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Creative Swing Alliance - Mother Water (Tsuba Records:TsubaLimited008)
Creative Swing Alliance - Mother Water

UKからアンダーグラウンドなディープ・ハウスを送り出しているTsuba Recordsの限定シリーズの最新作は、MCDE主宰のPablo ValentinoとSteven Joyce Amesから成るCreative Swing AllianceのまたまたディープなEP。先日Endless Flightから新作をリリースしたばかりだが、この新作も質を妥協する事なく彼等らしいハウスとなっており脂が乗っている事を肌で感じられる。タイトル曲である"Mother Water"はもはやハウスに定型化している規則正しい太い4つ打ちは当然で、そこに浮揚感と透明感のある幻想的なパッドと色気のある艶かしいボーカルを控え目に入れているが、古き良きディープ・ハウスのクラシカルな空気と共に洗練に磨きをかけたモダンな上品さも持ち合わせている。対して"Higher Ground"はテンポをぐっと落としてギターカッティングっぽい音やガヤガヤしたサンプリングをループさせて、生の質感と黒いファンキーな音を強調するビートダウンとなっており、Motor City Drum Ensembleを思い起こさせる作風だ。そしてまだデビューを果たしたばかりのMedlarが"Mother Water (Medlar Mix)"を提供しているが、こちらは華麗なピアノを配したディープ・ハウスな場面とシカゴ・ハウス風なドラムサウンドを強調した場面が切り替わる思い切った仕掛けを用意してあり、新人ではありながら無難に纏まる事なく大胆で意欲的なリミックスとなっている。しかし最近は勢いの無いUKからも、こう言った良質なハウスが出てくるとはUKもまだまだ捨てたものではない

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| HOUSE8 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Creative Swing Alliance - Give It To Me (Endless Flight:endless flight 46)
Creative Swing Alliance - Give It To Me
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ドイツ発のデトロイト・ビートダウンに接近するMotor City Drum Ensembleが表とするならば、彼の為にMCDEと言うレーベルを設立して世に送り出したPablo Valentinoは影の立役者だろう。一方では多様なジャンルを含むFaces Recordsも主宰し、日本のKez YMやRondenionの作品もリリースするなど音楽的な嗅覚の才能は疑うべくもない。彼自身は1995年からDJ活動自体は行なっていたようだが、しかしアーティストとして注目を浴びるようになったのはまだここ1〜2年の事だ。それこそPabloとSteven Joyce Amesから成るCreative Swing Allianceで、作品数は少ないながらもMotor City Drum Ensembleに負けず劣らずなディープでファンキーなハウスを送り出している。太く躍動感のある4つ打ちとパーカッシヴなリズムの上を昂揚感のあるシンセがコード展開し、更にエフェクトを掛けたボイスサンプルがファンキーな空気を演出する"Assabo"。そして揺蕩うグルーヴの中で控え目なエレガンスを生み出すピアノが特徴的な"Everybody Stand Around"は、これぞデトロイト・ビートダウンと言うべき黒い土臭さを醸し出している。裏面にはPablo Valentino名義で"Give It To Me"を収録しているが、不明瞭なボーカルサンプルやマイナー調のコード展開が謎めいていて、粘土の高いグルーヴに絡みつかれて混沌の泥沼に嵌り込んでいく作風が絶品だ。これまでそれ程表立っていなかったPabloではあるが、確かな実力者としての面目躍如たる一枚を送り出した。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Midland - Placement (Remixes) (Aus Music:AUS1238)
Midland - Placement (Remixes)
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Ramadanmanとの共作が話題となったUKハウスの注目株であるHarry AgiusことMidland。ダブステップにも微妙に接近をしつつも、UKらしい洗練されたハウスを披露しAus Musicの有望株として着々と評価を高めている。そんな彼の新作はリミックスのみを収録した作品だが、なんとリミックスを提供したのが新生R&Sを支えるLoneにドイツ・ディープ・ハウスの重要アーティストだるMotor City Drum Ensembleと、否が応にも手が伸びてしまう話題盤。先ずはLoneによる"Placement (Lone Remix)"はビートメーカーらしく鋭利に切り込んでくるリズムがダブ・ステップ的なパンチ力のある音とブロークン・ビーツのしなやかさを持ち合わせていて、原曲のハウス色は一掃したLone色に染め上げている。しかし完全に塗り替える事もせずUKベースな美しい上モノの音響は生かしてもおり、バランス良くLone自身の個性とMidlandの個性を纏めたリミックスだ。意外な仕事をしたのがMotor City Drum Ensembleで、"What We Know (Motor City Drum Ensemble Dub)"と言う通りに原曲から無駄な音を省きつつダブな奥深い音響を生み出している。シカゴ・ハウスの悪びれた音質のリズムトラックやレイヴィーなギラギラしたシンセの上モノが毒々しく驚きはあるが、MCDEらしい粘着力のある重心の低いグルーヴはいつも通りで納得の出来だ。両者とも今の時代を象徴するような音作りで、フロアでもばっちりはまるであろう一枚だ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rondenion - Volare EP (Faces Records:FACES 1211)
Rondenion - Volare EP
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近年は自身のレーベルを立ち上げコンスタントに新作をリリースしているRondenionは、元々は日本より海外から注目されてRush HourやStill Musicからリリースされていた経歴があります。そして新作はMotor City Drum Ensembleのリリースでを行なっているハウスレーベル・MCDEを主宰するPablo Valentinoが、そことは別ラインに主宰しているFaces Recordsからのリリースとなりました。ちなみにFaces Recordsは少し前にKez YMのEPもリリースしており、国境を越えて確かな才能を嗅ぎ付けるセンスがあるレーベルだと思います。さてタイトル曲の"Volare"は彼にとってはお馴染み声ネタやブルージーなギターのサンプルをループさせたミニマルファンクディスコですが、ここまでそのスタイルを徹底されるともう文句の一つも言えない程にカッコよくなりますね。音の抜き差しで上げ下げの展開をじわじわと繰り返すだけなのに、ツールとしての機能性だけでなくそれ単体で聴ける楽曲性もあって素晴らしいです。そしてセクシャルなボーカルサンプルや優雅なピアノの響きが官能的なジャジーハウス"Devotion"、泥臭さが際立ち粘度と黒さが高いビートダウンな歌物"Song A"と、どれもが熱気ムンムンなソウル度高めで日本人離れした黒さは本物。海外からの評価が高いのも当然で、このままどんどん世界へと羽ばたいて行って欲しいですね。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jazzanova - Upside Down (Sonar Kollektiv:SK232CD)
Jazzanova - Upside Down
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Jazzと言う単語を含んだそのユニット名以上にテクノ、ハウス、ソウル、ヒップホップなど幅広いジャンルを咀嚼し、ベルリンのクロスオーヴァー可を押し進めたJazzanova。人気、実力共にトップクラスである事はご存知ながらも、彼らが主宰する"Sonar Kollektiv"も含め時代から取り残されつつある事も事実。ならば現在のクラブミュージックシーンに於いて前線で活躍しているアーティストに再構築させるのも、Jazzanovaを時代に最適化させる手段としてはベストな方法であったのだろうか、まあそんな目論見があったかどうかまでは知らないが兎に角Jazzanovaの名曲群を著名なDJ/アーティストにリミックスさせた作品集がリリースされました。リミックスを提供したのはJazzanova本体からAlex Barck、Innervisions組からHenrik SchwarzやÂme、ドイツディープハウスの雄であるMotor City Drum Ensemble、UKのブロークン・ビーツで活躍したAtjazzなどクロスオーヴァーな音楽を手掛ける事を苦としないアーティストが揃っています。だいたいは想像が付くかと思いますが、生の質感を含むディープハウスや透明感のあるシンセサウンドと研ぎ澄まされたビートを組み合わせたテックハウス、またはライブ感のある生演奏が主張するジャズハウスなどで、Jazzanovaの丹念に精錬された上品な空気やインテリな面を損なわない様に手堅いリミックスを披露しております。勿論彼等の安定感のある作品も良いのですが、本作にて注目すべきはそう言った著名どころではなく余り名が知れ渡っていないYe:Solar、Soldiers Of House、Midnight Maraudersらのリミックスだと思います。Ye:Solarは完全にジャズ化させメロウで渋い枯れ感を漂わしているし、後者の二人は夜のクラブにフィットした幻想的な音に包まれる穏やかなディープハウスを披露し、知名度とは反比例するかの様に各々の個性を出しつつ質の高い踊れるクラブトラックを提供しております。オリジナルトラックは未聴なので断定は出来ませんが、本作を聴くと恐らくJazzanova本体よりもよりクラブへ上手く馴染むトラックが多い様に思われました。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kez YM - Stride EP (Faces Records:FACES 1210)
Kez YM - Stride EP
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日本だけではなく国外に於いて高い評価を得ているKazuki YamaguchiことKez YM。デトロイトソウルに沿ったハウスをリリースするAndy Vaz主宰のYore Recordsに所属し、また2010年にはPanorama Barにも出演するなど、ゆっくりとしかし着実に自分の立ち位置を築いている日本のハウスアーティスト。そして新作はMCDEを主宰しているPablo Valentinoが平行して運営しているFaces Recordsからのリリースと、Kez YMのブラックネス溢れる音楽性が良質なブラックミュージックを追求するレーベルに認められた証で、本作にて更に高い評価を得るのは間違いないだろう。Motor City Drum Ensembleにも通じるマイナーコード調のスムースなハウス"Alley Of Mind"、鍵盤が華麗なコードを奏でるファンキーな"Rusty Parade"、雑踏のざわめきを感じさせる湿っぽいジャジーなハウス"Diffusion"等、そのどれもが控えめながらも秘めたるソウルを隠し持つデトロイトを意識したハウスだ。瞬発力や爆発力に任せた派手なだけの音楽とは全く異なり、滑らかなハウスのグルーヴにファンキーなメロディーや豊かななコード感を掛け合わせ、じんわりと心に響く音楽性を持っている。本場デトロイトの異形な黒さは無いが、その分だけKez YMの音楽は上品な艶を生んでいるように思われる。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - L.O.V.E. (Remixes) (Studio !K7:!K7285EP2)
Motor City Drum Ensemble - L.O.V.E. (Remixes)
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!K7が手掛けるMIXCDシリーズ"DJ-KiCKS"は担当したアーティストの新曲を収録する事が恒例ですが、ドイツのディープハウサーであるMotor City Drum Ensembleも自身の"DJ-KiCKS"に新作である"L.O.V.E."を収録。更にそこから発展してデトロイトの新星・Kyle Hall、Kompaktの総帥でもあるミニマリスト・Wolfgang Voigt、Underground Quality等からもリリースしているハウスユニット・Smallpeopleを招いてのリミックス盤もリリースしている。最近著しく高い評価を獲得しているKyle Hallのリミックスは、極度にコンプレッサーをかけ -例えばTheo ParrishやOmar Sのように- 金属が錆び付いたような鳴りを強調している。音質が悪くさえ聴こえる程にグシャッと潰しながらも、しかしメロウなパッドも被せたデトロイト仕様で低温で燻りつ続ける火のような温かさが感じられる。そしてWolfgang Voigtは当然の如くミニマル仕様かと思いきや、ブルージーなディープハウスを披露していて意外にもこれが一番デトロイト・ビートダウンな作風になっている。正確な4つ打ちのミニマルなリズムの上をシンセストリングスが郷愁の旋律を奏でていて、非常にしっとりとしたハウスだ。Smallpeopleは透明感のあるエレピのリフを生かしたテックハウスで、しかし足元ではアシッドハウス風のベースラインも主張していて、デトロイトとシカゴを行き交うオールドスクールな味が効いている。三者三様にエモーショナルな空気も醸しだしており、MCDEの味を受け継ぎつつ上手くアップデートしているナイスな一枚。

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| HOUSE7 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks (Studio !K7:!K285CD)
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks
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タイコクラブへの出演が決まっていたにも拘らず、東日本大震災の影響で来日がキャンセルとなったMotor City Drum EnsembleことDanilo Plessowでしたが、その穴を埋めるには十分な作品がリリースされました。Studio !K7の長らく続く名物MIXCDシリーズの最新作としてMCDEが抜擢された訳ですが、これが予想以上に幅広いジャンルを詰め込でおり、まるでダンスミュージックの歴史を掘り返すと言っても過言ではないような気がします。年代で言えば1977〜2011年までの34年を横断し、Sun Raのスピリチュアル・ジャズで始まりRhythm & Sound(Basic Channel)のレゲエで黒い泥沼に嵌り、Mr. Fingers(Larry Heard)の垢抜けないローファイな初期シカゴハウスの温もりに包まれる。そしてFred Pの華美なディープハウスもあればRobert Hoodの芯の強いミニマルテクノも通過し、笹暮だったファンキーなMotor City Drum Ensembleの新曲の後にはAphex Twinのメタリックなアンビエントで冷水を浴びせられる。ラストにはフュージョン・ソウルの傑作"Sweet Power, Your Embrace"が待ち侘びて、ほっこり酸いも甘いも噛み締めるボーダレスな選曲。しかし特筆すべきはMCDEが創り出す世界観の統一で、年代に差はあれど根底にはブラックミュージックの生温かい血潮が通っており、ジャンルとしての多彩さは感じられてもその幅の広さ程には違和感が無い事にMCDEの音楽への造詣の深さが伺えます。色々詰め込み過ぎてクラブ直結MIXCDと言うよりはコンピレーション的な印象もありますが、どんな音も黒く染め上げる手腕はTheo Parrishとも通じる物があり、ビートダウンな展開をじっくりと味わえる好内容ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Various - MCDE 1206-07 (MCDE:MCDE 1206-07)
MCDE 1206-07
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タイコクラブへの出演も決まったMotor City Drum EnsembleことDanilo Plessowが、自身のレーベルからダブルパックのコンピレーションをリリース。ドイツからデトロイトハウスとも共振するビートダウン系のハウスを送り出す今脂が乗りまくっているアーティストの一人で、この新作もリリースから即座に売り切れ続出となる人気っぷり。自身の新曲"Monorail"からして秀逸で、トリッピーな効果音が鳴り続けその下をくぐもったシンセがゆらゆらと浮遊するブルージーで情緒漂う横ノリ系ディープハウス。途中からストリングスが華麗に舞い、力強いグルーヴに揉まれて高みに到達する文句無しの一曲。更にそれをJohn Robertsがリミックスした曲も、シカゴハウスよろしくなラフなキックと哀愁香るピアノで古い時代へと時間を戻し、懐かしさを増量した素晴らしい内容です。またMCDEの共同運営者でもあるPablo Valentinoのユニット・Creative Swing Allianceのセクシーでしなやかなディープハウス、Danilo Plessowの変名ユニット・Hundred20のどぎつい毒を発散するアシッドハウスなど、シカゴ〜デトロイトを経由した伝統をバックに完成度を高めた二人のトラックも収録しており、充実したコンピレーションとなっております。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Osunlade - Occult Symphonic (R2 Records:R2CD016)
Osunlade - Occult Symphonic
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奇っ怪な飾り物を鼻にぶっ刺した姿が特徴的なアフロでスピリチュアルなアーティスト・Osunladeの新作MIXCD。ここ数年アルバムやらMIXCDやらを大量にリリースしている気もしますが、この新作はその中でも特に上玉。ジャンルで言えばハウスなんだけど、彼のルーツでもある生臭いトライバルな音や宗教めいたスピリチュアル性は控えめに、エレクトロニックな質感や深いダブの音響に取り組んだ選曲で、進化と言うか深化したOsunladeがここに居ます。テンション自体はかなり抑え目で一見地味な様ですが、実はオープニングからどろどろのダブハウスで黒いグルーヴに引きずり込み、中盤からは緩やかにテックな音に移行し真夜中の妖艶な色気を発し、そして終盤のリラックスしたディープハウスで華麗に終着点を迎えると言う非常にハイセンスな展開。派手に盛り上がり滝の様な汗をかく瞬間は皆無ながらも、エレガントで柔軟な音色やスムースな変遷にはムーディーと言う言葉がぴったり。例えばクラブのメインフロアよりも、ラウンジで酒を片手に男女で語らいながら聴きたくなるBGMとでも言えばいいのか。勿論踊っても一向に構わん。

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| HOUSE6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Drumpoems Verse 2 (Drumpoet Community:dpc_025-2)
Drumpoems Verse 2
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一年前のリリースなのですがなかなか質の高いコンピレーションなので紹介させて頂きます。スイス発のレーベル・Drumpoet Communityは2006年にCompost Records傘下に設立され、リリースされるアーティストもまだ若手中心と、レーベルとアーティスト共に成長中な期待の新興レーベルです。しかしながら最近ではJohn DalyやMotor City Drum Ensembleの変名・Jayson Brothers、そして日本人の超若手・Yosa(まだ若干22歳!)もリリースするなど徐々に注目を集めつつあります。基本的にはエレクトロニックなテックハウスな作風が多いようで、本作を聴いた限りでは特にしっとりと落ち着きのある滑らかでソフトな音使いがレーベルの特徴なのかなと感じました。熱は帯びずに終始クールで、そして透明感のある耽美なシンセ、ソフトトランスとでも言うべき過激ではなく優しいトランス感覚と、いかにも白人向けで西洋的なアーバンな内容。突出したオリジナリティーはまだ希薄なものの、レーベルの音の統一性や全体的な水準に関しては保証出来ると断言致します。この勢いでEPのみならずアーティスティックなアルバムリリースも期待したいですね。

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| HOUSE6 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jayson Brothers - The Game / Keep On Dancin' (Drumpoet Community:dpc_029-1)
Jayson Brothers - The Game / Keep On Dancin
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近年注目を集めつつあるスイス発のディープハウスレーベル・Drumpoet Community(クラブミュージック好きなら注目しておいて損は無いレーベル)より、Jayson Brothersなるアーティストの新譜。実はデトロイト系ビートダウンを追求するDanilo PlessowことMotor City Drum Ensembleの変名です。A面の"The Game"はディスコ風ボイスサンプルを使用した黒いハウス。フィルターをかけて展開を作るミニマルなフィルターハウスでもあり、スモーキーでくぐもった音はTheo Parrishにも通じる点もあり、そして何より最高にファンキーで汗臭くダンス出来るトラックです。B面の"Keep On Dancin'"は女性ボーカルを挿入したセクシーなハウス。A面に比べると幾分かテッキーで、そして夜を感じさせるしっとり加減。夜が深まるまでにじわじわとテンションを上げていくのに使いたいなと思います。四の五の言わずに買っておけば、フロアで使える最高の一枚なのは保証する。

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| HOUSE5 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gui Boratto - Renaissance : The Mix Collection (Renaissance:REN55CD)

Gui Boratto - Renaissance : The Mix Collection
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プログレッシヴハウスのレーベルでは世界一と言っても過言ではないRenaissanceから、Kompaktなどでも活躍しているGui Borattoの2枚組みMIXCDがリリース。プログレ系レーベルからとは言え彼の音楽性がぶれる事は全くなく、Boratto特有のシューゲイザーな音やポップさとメランコリーを兼ね備えた内容で、MIXCDでありながらまるで彼のオリジナルアルバムを聴いているかの様でもある。特にその特徴が出ているのはDISC1の方で、エレクトロニカっぽい曲やエレクトロハウスなどの曲も使って淡いメランコリックな夢の世界と牧歌的でのどかな田園風景を行き来し、そしてポップな歌物までも聴かせてうっとりとドラマティックに展開する選曲。陶酔する甘さと、そして相変わらずのBorder Communityの様な毒々しいアシッディーなシンセも混じって、覚醒感と恍惚感を誘発するのは彼の得意技。DISC2の方は比較的ダンストラックが中心で、起伏は少なくミニマル色を前面に出した展開が待っている。Boratto特有の音と言うよりは、フロアを意識してじわじわとミニマルの沼にはめてくる感じ。どちらも音の図太さに頼るのではなく旋律やグルーヴを重視して、存分に音を聴き事が出来ながらもダンストラックとしても成り立っていて素晴らしい。RenaissanceではなくKompaktのポップな音が華麗に花開いた一枚。

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| TECHNO7 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
2010/03/01 (MON)
@ Eleven
DJ : DJ Nobu, Gerald Mitchell, Santiago Salazar, Esteban Adame

2010/03/05 (FRI)
DJ Yogurt & Keihin 二人会 @ Grassroots
DJ : DJ Yogurt, Keihin

2010/03/06 (SAT)
Legend @ ageHa
DJ : Frankie Knuckles

2010/03/13 (SAT)
Sound Signature @ Eleven
DJ : Theo Parrish, DJ Conomark

2010/03/13 (SAT)
Skinni Pants Indoor Festival in concert with Hitomi Productions @ Unit
Live : Roy Ayers with Philip Woo Band, Dachambo, 9dw
DJ : Motor City Drum Ensemble, Shuya Okino, Stereociti, Grooveman Spot

2010/03/19 (FRI)
Mark E Japan Tour 2010 @ Eleven
DJ : Mark E, Moodman, DJ Kent

2010/03/20 (SAT)
CHAOS @ Eleven
DJ : Fumiya Tanaka, Sammy Dee

2010/03/26 (FRI)
ALMADELLA @ Module
Live : Shackleton
DJ : Karafuto, Keihin, Rilla, Yusaku Shigeyasu

2010/03/26 (FRI)
a la mode @ Heavy Sick Zero
DJ : Altz, DJ Yogurt, DJ Hiroaki, O.P.P., Masa

2010/03/27 (SAT)
mule musiq 6 years anniversary pt.2 @ Womb
Live : Henrik Schwarz
DJ : Levon Vincent, Toshiya Kawasaki, KZA

1日のElevenは平日なのに随分豪華ですね〜、行けませんが。

5日のGrassrootsは小箱でしか出来ない予想のつかないカオスなパーティーになるそうです。行くよ〜

13日はMCDE行きたかったけど、出演者が大勢なせいか値段も高くて断念。313はデトロイトの日!ならばセオパリッシュ@Elevenに行くしかない!

19日のMark Eは行きたいけど、次の日結婚式があるし難しいな。翌日のCHAOSなら行けそうか。

27日のHenrik Schwarzライブ、ちょっと気になるが…。
| UPCOMING EVENT | 11:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Steve Bug - The Lab 02 (NRK Sound Division:LAB002)
Steve Bug-The Lab 02
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ミニマル旋風の中で着実に評価を上げてきたPoker Flatのボス・Steve Bugが、重要ハウスレーベルの新たなるMIXCDシリーズ"The Lab"の第二段に抜擢されました。この人の作るトラックは凄い秀でてる訳じゃないけれど、DJMIXに関しては中々グルーヴィーで色気やディープさを伴いベテランらしい大人なプレイが多く、アーティストと言うよりはDJ気質なお方だと思います。今回は2枚組みでそれぞれコンセプトを分けてプレイ。CD1はハウス〜ディープハウスの現代的要素をフューチャーした滑らかで深みのある音をコンセプトに、小さなクラブで一晩中プレイするのを意識した展開だそうです。実際殆どアッパーにはならずに緩みのあるグルーヴで、ミニマルでパーカッシヴなずぶずぶと深みにはまるプレイ。終盤テッキーで幻想的な場面も出てくるけれど、結構地味かな…。対してCD2はアップリフティングに、でもソウルフルかつテッキーな大箱向けのプレイだそうですが、う〜ん、やっぱり地味じゃないかな。ディープなミニマルを中心に終始陰鬱な音が続いて、ずっと沼の底に陥るような印象。これが今のクラブのメインストリートなの?なんかいかにもテクノって感じではないんだよな、ハウシーではあるけれど。一晩中こんな落ち着いたのを聴いて踊るほど自分はまだ歳くっちゃいないし、もっとテクノらしい衝動がある方が俺は好きだけどな。それに以前は聴けたセクシャル、アダルティーな要素が薄まっているのも個人的には残念。自分とSteve Bugの求める音に距離感を感じました。

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| TECHNO7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - Raw Cuts Vol.1 (Timothy Really:TIMO0015)
Motor City Drum Ensemble - Raw Cuts Vol.1
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今年はレギンスが流行っているみたいだけど、あの可愛さは木亥火暴級!!レギンス穿いているだけで、100倍は魅力的に映ってしまう。パンツじゃないから恥ずかしくないもん。

今年自分が最も注目しているアーティスト、Danilo PlessowことMotor City Drum Ensemble。MoodymannやTheo Parrishらとも比較されるディープでファンキーかつ、黒いグルーヴを鳴らす期待の新人。こんな音をドイツ人が作ってるんだから、そりゃたまげてしまう。実は先日の初来日は体調不良によりキャンセルとなっていたらしいので、次の機会を期待したいと思います。それまでは今までにアナログでリリースされた"Raw Cuts"シリーズをまとめた本作でも聴いて楽しんで。うむ、自分が期待していたよりも更に素晴らしい漆黒のディープハウス。確かにMoodymannやTheoと比較されるのも納得なディスコ風の古びた音響と不良っぽくて汚らしいざらついた音が特徴なんだけど、そこに更にミニマルな要素が加わったミニマルハウスとも受け取れるフロア仕様。実際以前に田中フミヤがDJで使用していた位、ミニマルでディープな踊れる要素を強めていると思う。かなり直球なダンスグルーヴが渦巻いているので、前述の二人よりも癖が無く聴き易さがあり、この手のジャンルの入門としてもお勧め出来ると思う。だからと言って安っぽい訳じゃなく、昔からのオールドスクールなシカゴハウスやディープハウスが好きな人にも当然受ける本気なブラックミュージックですよ。太鼓判押しておきます。

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| HOUSE5 | 09:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2009/10/02 (FRI)
CLUB MUSEUM "The Art of Intelligence" @ Unit
Live : THE BLACK DOG
DJ : KIHIRA NAOKI, ROK DA HOUSE, 'NOV'

2009/10/03 (SAT)
REDBOX 3rd anniversary party @ J-Pop Cafe
DJ : Motor City Drum Ensemble, STEREOCiTI and more
Live : Move D

2009/10/03 (SAT)
groundrhythm @ Air
Live : Kaito
DJ : Kaoru Inoue, PSYCHEDELIC BUS aka HIROKI MURAI

2009/10/03 (SAT)
RIS FESTIVAL [a sense of space] @ Unit
Live : SPECTRUM a.k.a SONIC BOOM, DJ KENSEI, JEBSKI & YOGURT, L?K?O and more
DJ : TOBY, Ackky, YAMADA the GIANT and more

2009/10/09 (FRI)
root & branch presents UBIK featuring THE FIELD @ Unit
Live : THE FIELD, KAITO
DJ : DJ YOGURT, DJ HIKARU

2009/10/10 (SAT)
Makin' Love Mix @ Grassroots
DJ : DJ Yogurt, SHIRO THE GOODMAN

2009/10/10 (SAT)
Cosmic Soul @ Air
DJ : Ian O'brien, Claude Young, Takamori K.

2009/10/17 (SAT)
CLASH48 @ ageHa
DJ : Adam Beyer, Joel Mull

2009/10/17 (SAT)
@ Air
DJ : ken Ishii, Jerome Sydenham

2009/10/31 (SAT)
De La FANTASIA 2009 -Vol.ZERO- FANTASIA Night @ Liquidroom
Live : Lindstrom, Nikakoi aka Erast, AOKI takamasa, d.v.d
DJ : TOWA TEI, EYE, MOODMAN

3日は迷う、初来日のMCDEかgroundrhythmか…?9日はField、Kaito、DJ Yogurt、DJ Hikaruと好みの面子がびっしり。10日はCosmic Soulと被ってしまったが、DJ YogurtのMakin' Love Mixへ行こう。今男女の股間を最も濡らすパーティー、エロ過ぎる。シローさんがムーディーなセットをかましてくれるらしい。ムーディーな雰囲気のあるグラスルーツでムーディーな音楽、きゃわいいおんにゃのこいっぱい来てください。17日、ドラムコードで震撼するか、Airでのケニシのプレイも熱い。31日のリキッドルームも面白そうなんで行く予定。
| UPCOMING EVENT | 07:30 | comments(6) | trackbacks(0) | |