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Inner City - We All Move Together (Armada Digital:ARDI4262)
Inner City - We All Move Together
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今や世界各地に細分化して広まったテクノの起源、それはデトロイトのベルヴィル・スリーと呼ばれる3人が発明した音楽であり、テクノという音楽を軸にそれぞれが異なるスタイルによってその礎を築いた。その3人の中で売上的な面で最も貢献したのがKevin Saundersonで、彼が中心となって活動していたユニットのInner Cityはどちらかというとボーカルとキャッチーなメロディーを武器にしたハウス・ミュージックによって、その派手で大仰ながらもソウルフルな音楽性はある意味では大衆的でヒットしないわけがなかった。しかし正直に言うと金太郎飴的な作風どころか自身のネタの使い回しもあったりと、発展的な面は少なく生産性の無かった点も事実で、ベルヴィル・スリーの他の2人に比べるとメジャー志向過ぎるきらいもあった。と、前置きは長くなってしまったが、そんなInner Cityの1992年のアルバムから28年ぶりとなるニューアルバムが発売されたのだが、本作では息子であるDantiez、そして新たなるボーカリストのSteffanie Christianがメンバーに加わり制作されのだが、これが過去のInner Cityの音楽性と大差はなく、ある意味ここまでポジティブでソウルフルなハウスは清々しい。ナレーションを交えながらサウンドトラック的な荘厳な始まり方の"We All Move Together"でアルバムは幕を開けるが、曲の途中からヒプノティックなテクノ的なリフと分厚い4つ打ちキックによるぶんぶんベースが唸るダンスへと突入し、初っ端からKevinらしいド派手な展開だ。そして続く"SoundwaveZ"ではぐっと熱い女性の歌とメランコリーなピアノ×綺麗なシンセを生かしたソウルフル・ハウスを聞かせ、これぞ現在に蘇ったInner Cityと言わんばかりの情熱的な曲だ。"Your Love On Me"は出だしが完全に"Good Life"のリサイクルネタで苦笑してしまうが、跳ねるように勢いのあるリズム感に官能的な歌とゴージャスなシンセのリフを合わせたキャッチーな作風は、有無を言わさぬポピュラー性を得ている。基本的にはどの曲もアッパーな4つ打ちハウスのリズムに派手な装飾の如くピアノやシンセを用いて、魂を揺さぶるソウルフルな歌も被せながら、聞く者をハッピーに鼓舞させるような曲調で金太郎飴的な内容だが、中には"I Can Feel My Heart Again"のように荘厳なストリングスで彩りながらしっとりとした情熱を帯びたR&B調の曲もあり、アルバムの中でアクセントも付けている。どの曲も3分前後と非常にコンパクトな作りで、それぞれがノリの良い事もあって勢いに乗ってサクサクと聞き通して、ぐっと感情が熱くなりながらも爽快感に満ちたアルバムは、良い意味でのコマーシャル性に長けている。本人もInner Cityをやり直したと説明している通り、往年のInner Cityそのものな音楽は新鮮味には欠けるものの、ファンがデトロイトに求める音楽としては適切であるのも事実。現在の世界を覆い尽くす不安やどんよりした空気を吹き飛ばすような、非常にポジティブなアルバムだ。



Check Kevin Saunderson
| HOUSE15 | 12:00 | comments(0) | - | |
Pacific Coliseum - How's Life (Let's Play House:LPH075)
Pacific Coliseum - Hows Life
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南国の木々の向こうに見えるビビッドな青々しい空と緑の海、このトロピカルな楽園系のジャケットからしてアルバムの中身を示唆するようで、当方はそれに惹かれて試聴したところ予想通りなドリーミーかつバレアリックな音楽がドンピシャ。Pacific Coliseumはカナダ人のJamison Isaakの変名の一つで、この名義では過去には新興レーベルでは勢いのあるCoastal Hazeから既に2枚のアルバムをリリースして注目を集めていたようだ。他にもドリーム・アンビエントを展開するTeen Dazeなど複数の名義で10年以上の活動歴がありベテランではあるようだが、その中では最近はハウス・ミュージックを中心にしながらチルアウトやアンビエントにダウンテンポといった肉付けもしながら緩く和んだ音楽性のPacific Coliseum名義が特に注目を集めているように思われる。最初に述べた通りに閉塞的な闇の空間とは全く真逆の、屋外で太陽光が降り注ぐ楽園のような雰囲気の音楽性がアルバムの軸にあり、現在のコロナ禍に於ける閉塞的な気分を少しでも和らげるには最適なBGMと成り得るヒーリングの効果さえもある。軽やかでパーカッシヴな4つ打ちのハウス・グルーヴ、そこに繊細なエレピやメロウな笛に生っぽいベースを合わせたジャズ・ファンク的な"An Evening In"で始まり、同じくエレピの透明感に満ちた綺麗なメロディーがリードするアシッド・ジャズ調の"Relief"、そしてねっとり絡みつくベースと煌めく上モノにうっとりなスローモー・ディスコの"Really Gone"と、冒頭3曲からして生っぽい温かい音質と気怠くもあるレイドバックした世界観は軽く踊れながらもチルアウトを誘発し、日中のティータイムの寛ぎにも最適だ。しかし瞑想的な電子音のループで牧歌的な田園風景を想起させる"Floating Petals"はアンビエントやニューエイジ寄りの作風で、一時の白昼夢による現実逃避か。そして何だか忘れ去った昔の思い出が蘇るようなセンチメンタルなAOR調の"Closer Feel"、ビートを落としながらもブギーな爽快さのある心地好いパーカッシヴなハウスの"Turquoise"とゆっくりと散歩を楽しむように進み、"Endless Journey"では物哀しい重層的なシンセから発せられる夕暮れ時のようなメランコリーにより、再度深い慈しみに満ちたニューエイジが訪れる。最後は豊潤なドローン音響を用いいつつそこに清らかな鍵盤を重ねたニューエイジ調の"Water Movements"で、桃源郷の真っ只中な気分のままアルバムは穏やかな終わりを迎える。穏やかながらもダンスとしてのグルーヴも適度にありリスニング向けに抑制されたアルバムで、全編に通底する忙しない日常から開放されたリゾート感覚は、パーティー後の踊り疲れた体にも最適なオーガニックなチルアウトにもなる。ハウスの枠を越えて多様な作風を盛り込みつつ、その世界観はバレアリックに統一されて穏やかな時間を提供してくれるだろう。



Check Pacific Coliseum
| HOUSE15 | 12:00 | comments(0) | - | |
Move D - Building Bridges (Aus Music:AUSLP010)
Move D - Building Bridges
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90年代から長きに渡りソロ活動のみならず多くのアーティストのコラボレート・プロジェクトを行う事によって、テクノやハウスにダブやアンビエントにエレクトロまで、音楽的な深さを獲得するに至ったDavid MoufangことMove D。例えば有名なプロジェクトであればJonah Sharpとのインテリジェンス・テクノに取り組んだReagenz、比較的近年であれば前述のReagenzにJuju & Jordashも加わり4人から成るジャムセッションを主体とするThe Mulholland Free Clinicなど、他アーティストと交流をする事が滞留せずにアーティストとしての進化(深化)を促しているように思われる。このAus Musicからリリースされた6年ぶりのソロアルバム、しかしソロアルバムとは言いながらも収録曲の半分はコラボレート作品であり、1999〜2019年の間に録音された事もあって、その意味ではアルバムというよりはコンピレーション的な風合いが強いだろうか。その分だけ各曲がそれぞれの個性を持っており、例えばオープニングの"Cycles"は遠くまで伸びていく軽やかなダブ音響を用いつつも籠もったような音響処理を加えた作風は、フローティング感覚のあるフレンチ・フィルター・ディスコそのもので、しかしファンキーに振り切れる事もなく包容力のある優しい世界観が9分にも渡って展開する。続くDmanとのコラボである"Init"ではぼやけたような浮遊感のある上モノは同様だが、リズムはミュートされ詰まったダウンテンポ調で、内向的で穏やかに落ち着かせる。リズムもメロディーも無駄を削ぎ落として隙間を活かした長閑なディープ・ハウスの"Dots"を通過し、Magic Mountain High名義の"Tiny Fluffy Spacepods"では序盤の透き通った音響のアンビエンスから、次第に浮遊感あるディープ・ハウスへと変遷するが、展開の幅の広さはこのプロジェクトのセッション性が活かされている。そしてまさかのrEAGENZ名義ではベルリンのダブ・テクノ御大であるThomas Fehlmannとコラボした"One Small Step..."、これはもう完全に予想通りなしっとり艶めかしいアンビエントなダブテクノで、サイケデリックに揺らめく微かなギターやもやもやとしたダブの音響が融解し、何か大きな衝撃が待ち受ける訳でもないのにズブズブと快楽の沼に沈んでいく。今をときめくUSのテック・ハウサーであるFred P.とのコラボである"Building Bridges (Move D's Inside Revolution Mix)"も想定通りで、ややオーガニックで温かい響きと共に微細なアンビエンス音響を交えて、彼らしいエモーショナルかつスピリチュアルな空気も纏う荘厳なテック・ハウスを10分にも渡って展開する。全体を通してクラブの喧騒とは乖離したしっとりと情緒的なディープ・ハウス寄りの作風で、例えばダンスとして捉えたとしてもクラブの密室内よりは屋外の開放的な場所に合うような、リラックスして揺蕩うようにして聴きたい大人びなアルバム。その意味では踊り疲れた後のチルアウト的な聴き方、または寝る前の安静の時間帯にもぴったりで、繊細な音にじっくりと耳を傾けて聞きたくなる。



Check Move D
| HOUSE14 | 19:00 | comments(1) | - | |
Alton Miller - Infinite Experience (Local Talk:LT 96)
Alton Miller - Infinite Experience
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デトロイトの伝説的クラブであるMusic Instituteの創始者の一人…という経歴だけでも強い存在感を放つデトロイトのディープ・ハウス方面の大ベテラン、Alton Miller。ジャジーでソウルフルかつエモーショナルな、新鮮さよりは古典的なディープ・ハウスを追求する伝道師的な存在は、時代の流行に関係なく自身の揺るぎない音楽性によって聞く者を魅了する。暫くアルバムは出ていないもののEPに限って言えばここ数年量産体制を継続しており、Sound SignatureやNeroliにMoods & GroovesやSistrum Recordings、その他多くの実力派レーベルに作品を提供しており、前述のようにクラシカルな作風がぶれないからこそ色々なレーベルから信頼を寄せられているのだろう。さて、勢いに乗ってリリースされた新作はスウェーディッシュ・ハウスを引率するLocal Talkからとなるが、レーベルがジャジーなりクロスオーバーなりの音楽性に理解があり、その意味ではMillerの音楽性との親和性は抜群である事は説明不要だろう。クラブ・トラックである事は前提としても単に打ち込んだ機能性に特化しました…という作風ではなく、鍵盤弾きであろう豊かなメロディーラインやオーガニックな響きを前面に打ち出したソウルフルな作風がMillerの特徴で、"Afro Grey"でも弾けるパーカッションが爽快なリズムを刻み豊かなパッドの伸びに合わせて、光沢感あるフュージョン風なシンセが優雅に舞い踊るテッキーながらも温かみのあるディープ・ハウスは、エレクトロニックとオーガニックの実にバランス感の良い曲だ。"By The Way She Moves"はテンポを抑えて緩やかでざっくりとしたリズムが生っぽくもあるハウスで、勢いを抑えた分だけテッキーなシンセのリフと切ない鍵盤のメロディーがより湿っぽく感情的に迫ってきて、ジャジーなMiller節をより堪能出来るだろう。また配信限定で"One Way Back"も収録されているが、これはスキップするような軽快なアフロ・パーカッションが跳ねる躍動感溢れるハウスで、古典的なオルガンのコード展開に煌めくようなシンセソロが彩りを施して、優美にピアノの鍵盤も加わってくれば実に華麗なクロスオーバー系のダンストラックとなる。曲調としては過去から続く切なくエモーショナルなハウスを得意とするMillerの音楽そのもので、目新しさは皆無なもののこういった音楽こそが流行にかかわらず聞かれるべきものだ。



Check Alton Miller
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | - | |
2020/1/17 GUIDANCE 15th × SLEEPING BAG @ Vent
1月のこの時期は毎年恒例のGuidanceのアニバーサリー・パーティーで、15周年となる今年はファッションとダンス・ミュージックに携わるSleeping Bagとの合同企画。そんな祝祭の日にゲストとして予定されていたのは近年多大な注目を集めるようになったパレスチナからのSama'だったのだが、直近になりキャンセルが発表され期待が削がれた人も決して少なくはないだろう。しかし元々Guidanceは日本のDJ/アーティストを積極的に後押ししてきたパーティーであり、今回も過去Guidanceに参加してきたDJ/アーティストを招いてある意味ではこれがGuidanceらしくなった。DJとして参加する予定だったAltzは久しぶりのソロライブへと変更し、ヒップ・ホップ〜ハウスとフリーフォームなDJをするKensei、Ventに初登場となるDJ Yogurt、Sleeping Bagの面々がメインフロアを担当する。
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| EVENT REPORT7 | 17:30 | comments(0) | - | |
BBRB - King Kiang (Fragrant Harbour:FGHB006)
BBRB - King Kiang

全く前知識の無いEPならがも手を出してしまったのは、今世界をDJツアーで周る程に高い人気を獲得した日本の女性アーティストのPowderがリミックスを提供していたから。このBBRBなるアーティストの初作品であるが、実はMove Dらのユニット・L'Amour Fouの一員であるBenoit Bouquinと、Riles Jay Bilgoという香港在住のアーティスト二人組のユニットのようである。前述したようにPowderのリミックスがお目当てだったもののオリジナルも決してダンス・トラックとして遜色はなく、勢いに頼らずにディープ&アシッドな要素による妖艶の中に潜むメランコリーを引っ張り出した作風は快楽的だ。真夜中の艷やかで快楽的なシンセのフレーズと底辺で蠢くアシッドのライン、そしてシカゴ・ハウスのような乾いたリズム感でジワジワとなだらかに展開する"Cat Slave"は、大きく羽ばたく事もなく不気味にドラッギーさを滲ませるが、Innervisons風な持続する覚醒感がある。"Two Policemen"もスローモーな流れで鈍いベースラインにざらついたハイハットやキックが荒んだ感覚だが、途中からテッキーな上モノのループが高揚感を打ち出して、暗いミステリアスな空気の中から色めく艶やかさにしっとり。そしてやはり何と言っても素晴らしいのはPowderによる"Cat Slave (Powder Remix)"で、軽く疾走するビート感に均しつつ繊細でヒプノティックなシンセのシーケンスを組み合わせて、モダンな感覚に研ぎ上げつつ果ての見えない地平線まで永遠を走り続けるようなミニマルな持続感で、心地好い浮遊感とソフトなサイケデリック感によって睡眠を誘うようだ。そしてESP Instituteなどでも活躍するMr. Hoによる"Two Policemen (Mr. Ho Snake Cop Mix)"、こちらはより無機質で金属的なリズムマシンが淡々と冷えたビートを刻みつつ、快楽的なアシッドにダブ処理も加えてより快楽性を極めたエレクトロで、オリジナルよりも壮大な展開でフロア受けしそうである。どれも疾走するのではなく深みや持続性によってしっかりと耳を惹きつけられる作風で、それぞれのアーティストの個性も打ち出されており、デビューEPながらも今後に期待させられる。



Check BBRB
| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
New World Science - Osmos (Movements) (Temple:TMPL005)
New World Science - Osmos (Movements)

電子音楽の界隈で見直されるニューエイジやアンビエントの世界、それらが活発化する事で現在の時代に即したモダンなそれらも生まれているが、カナダはモントリオールから初めて耳にするNew World Scienceなるユニットのアルバムは2019年度のニューエイジでも特に目を見張るものがある。ニューカマーなのかと思っていたものの調べてみるとPrioriとしても活動するFrancis Latreilleを筆頭に、TempleのレーベルオーナーでありEx-Terrestrialとして活動するAdam Feingold、サックスフォン奏者のEmあmanuel Thibau、ニューエイジやレフトフィールド路線で活躍するRamzi、そしてTempleから作品をリリースしているRichard Wengerの5人組プロジェクトである事が分かった。電子音楽やニューエイジの方面で経験を持つぞれぞれのアーティストの技術を反映させ、ヴィンテージなシンセにフルートやサックスにギター、コンガやパーカッションも用い、電子とアコースティックの調和、即興的でありながら構築的な作風によって深い瞑想世界へ誘うモダンなニューエイジを展開する。"Movement 1"は15分にも及ぶ大作でどんよりとしながらアンビエンスを発するドローンから始まり広がるシンセのリフレインに合わせ、抽象的でスピリチュアルなサックスが現実世界でなく異空間へと誘うディープ・メディテーションな一曲。ゆっくりとした速度感でドロドロと変容しながら15分にも渡って、深い精神世界の旅が始まる。"Movement 2"ではドラムマシンやギターも用いられたダンス寄りの作風だが、朗らかなシンセのメロディーに奇妙な効果音を重ねながら土着的なパーカッションや生々しいリズムが民族間溢れるニューエイジ性を発し、原始的な祭事の踊りのようだ。そしてシンセのアルペジオが牧歌的でバレアリックな雰囲気もある"Movement 3"は、複数のシンセの層が淡い絵の具の色をぼかしていくような透明感溢れる美しさがあり、その中で叙情的なサックスフォンが引っ張っていく。"Movement 4"は5人のメンバー総員で制作した曲で、コンガ等の土着的なリズムの中に生暖かいフルートやサックスフォンが混沌と溶け合いながら生命の胎動の如く自由さがあり、ジャズやアンビエントに現代音楽等の要素が融解して一つになったようなインプロビゼーション性溢れる本EP屈指のニューエイジだ。内向的/外向的、ダンス/リスニングと振れ幅を持ちながらどれにもニューエイジによく引用される辺境性とスピリチュアル性が備わっており、例えばSuso Saiz辺りの音楽性が好きな人にとってはこのNew World Scienceもピンとくるだろう。



Check New World Science
| ETC4 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Muro - Elegant Funk ~Japanese Edition~ (Victor Entertainment:VICL-65091)
Muro - Elegant Funk ~Japanese Edition~
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おおよそ10年程前の日本のポップスや演歌をネタにしたエディット・ブーム、そして近年のジャパニーズ・アンビエント/ニューエイジの再発見と、何故か日本の中からではなく外の世界から再発見/再評価される日本の音楽。その理由が何であれ兎にも角にも日本人自らが気付かなかった日本の素晴らしい音楽に光が当てられるのは喜ばしい事であるが、その流れに日本のディガーとして世界的にも評価を獲得しているMuroが参戦している。数年前から既に「Elegant Funk」をコンセプトにしたミックスを手掛けていたのだが、これはライナノーツによればDaytonの"The Sound Of Music"に代表されるスタイリッシュなファンクを指しているそうで、ネオンライトの光に包まれた都会的な煌めきや芳香のする音楽という事なのだろう。そんな中で日本の音楽の再評価に合わせてこのJapanese Editionがリリースされたのも当然の流れではあるが、こちらには80年代の日本のポップスやファンクにディスコやブギーといった音楽が収録&ミックスされており、もう一回聞いただけで(当時これらの音楽を知らなかったのに)懐かしさに満たされる内容だ。フュージョン/シティポップで人気の高い佐藤博やカシオペア、演歌歌手の長山洋子、ファンク・バンドのChocolate Lips、シティポップのシンガーの国分友里恵やAOR性の強い岩崎宏美など、その他当方も全く知識を持ちあせていないアーティストが名を連ねており、程好くダンス・グルーヴと心に染みるポップなリスニング性を伴ってスムースな流れのミックスで気持ち良く聞かせてくれる。勿論ミックスはされているものの曲の性質上、テクノやハウス等におけるクラブでの4つ打ちガンガンで持続性というものではなく、あくまで曲自体が主体でそのものの魅力を主張するミックスなので、じっくりと各曲を堪能する事が可能だ。優雅なファンク、それはそれでこの作品から受ける印象は間違っておらず、曲がポップスであろうとフュージョンであろうとアタック感の強い打ち込みキックに透明感や煌めきを感じさせる豪華なシンセの響き、ファンキーなギターカッティングや肉体感あるベースで共通点があり、確かに音自体は古臭い筈なのにそれがださくなく洗練されて聞こえる(それは当時これらの音楽を体験していなかったため、逆に新鮮に感じられるのか?)。賑やかで華々しい雰囲気は勝手なイメージでは80年代のバブルで熱狂する日本のゴージャスな時代感さえもあり、ポジティブで輝きのある音楽は今聞いても眩しい位だ。屈指のディガーにより纏められたバブルな雰囲気を持った音楽、しかしそれは少しも下品ではなく永遠の輝きを放っている。

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| ETC4 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Darling - Tulipa Moves (Safe Trip:ST 012-LP)
Darling - Tulipa Moves
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Young Marcoが主宰するSafe Tripは現在形のダンス・ミュージックのレーベルではあるが、何処か懐かしい時代感を含んで特にシンセサイザーの多幸感ある響きにこだわりがあるように思う。実際にMarcoはイタロ・ハウス/ディスコの再燃への貢献、またはGaussian Curveの一員としてモダンなバレアリック/ニュー・エイジの開拓に励んでおり、Safe Tripの音楽性はいなたくもほのぼのとした快楽性がある。Darlingはそんなレーベルで中心的に活動する一人で、本作は2018年にリリースされた彼にとっての初のアルバムだ。オランダのアーティストであるという以外はDarlingについての詳細は不明なものの、過去の作品を聞いても辿々しいドラムマシンによるリズムやアナログであろうシンセを用いて、イタロの系譜上にありディスコやエレクトロも盛り込んだダンス・ミュージックは古い味わいもありながら若々しいエネルギーに満ち溢れている。そしてこのアルバム、ダンスのリズムがある電子音楽ではあるが熱狂的なクラブの中のダンス・ミュージックではなく、ほのぼのとした田園風景が広がる仄かにバレアリックな曲群は底抜けにポジティブでドリーミーだ。神秘的な電子音のソロから始まり闊歩するようなリズムが入ってくる"Estimu"からして、無意味ながらも楽観的で豊かな電子音のメロディーや動物の鳴き声にも似た電子音の反復がコズミック感を作っており、70年代の電子音と戯れていたジャーマン・プログレが幾分かダンス化するとこんな曲調だろうか。"Tulipa Moves"はTR系の乾いたリズムがカタカタと軽快に躍動しオールド・スクール感のあるハウス調だが、透明感のある清涼な電子音の上モノは遊び回りながら長閑な世界に包んでいく。落ち着きながらもエレクトロ気味のリズムである"So Did We"はやや内向的で沈み込むようなメランコリーがあり、しかし光沢感のあるサウンドはシンセポップ調でもある。"The M Song"ではリズム無しで神秘的なシンセが描くメランコリーな旋律は、火照りを冷ますニュー・エイジやチルアウトの系譜上にある。"Pillow People"はその安っぽく原始的なリズムが初期テクノを思わせ、チャイムらしき可愛らしい音色や幻想的なシンセのメロディーも加わる事で、90年代のベッドールーム・テクノであるArtificial Intelligenceを思い起こさせる。アルバムは曲それぞれが異なる個性を持っているが総じてレトロフューチャーと呼ぶべきか、ヴィンテージな音の響きや野暮ったいリズム感を伴っており最新の音楽でありながらどこか懐かしく、聞いていると心がほっと安心する穏やかさに満ちあふれている。



Check Darling
| TECHNO14 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2018
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年は節約も兼ねてBandcamp等の配信でも積極的に音楽を購入するようになった結果、輪をかけて購入する量は増えたもののそのおかげで聴き込めていない音楽も増えてしまい、レビューも書けずにこの年末のベスト紹介で掲載する機会も逃してしまう始末。また昨年に続きパーティーへと足を運ぶ機会も減っており所謂ダンス・ミュージックに対する関心は減少というか、良い意味でそこへの拘りは少なくなり、その半面ホームリスニングにも耐えるうバレアリック/アンビエント/ニュー・エイジといった音楽への興味がより増えた一年でした。そんな今の趣向から選んだ年間ベストは当ブログの昔のベストに比べると確かに方向性が変わったのは事実ですが、音楽への愛や興味は全く変わっておりません。また来年も素敵な音楽に出会い、そして色々と紹介出来たらと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Steffi & Martyn - Air Texture Volume VI (Air Texture:AIR006CD)
Steffi & Martyn - Air Texture Volume VI
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2011年にニューヨークにて設立されたAir Textureは、KompaktのPop AmbientシリーズやExcursions In AmbienceにInstinct Ambientといったレーベルに触発されているそうで、端的に言うとアンビエントに焦点を絞ったそのレーベル名まんまのシリーズを提供している。それぞれの作品はCD2枚組で1枚のCDを1アーティストがコンパイルを担当し、そして収録曲は未発表曲のみで構成されているという、アンビエントのシリーズ作品としては十分に期待を寄せられるだけの魅力が伝わってくる(当方はこの6弾がリリースされるまで、このシリーズの存在を知らなかったが)。そして最新作はOstgut Ton等でも活躍し近年交流を深めているSteffi & Martynが担当しているのだが、過去のシリーズが比較的ノンビート中心でアンビエントやドローンに焦点を絞っていたのに対しここではダンス・フロアを沸かすDJの性質故か、基本的にはダンス・フロア寄りでありながらアンビエントな性質もある、もっと言ってしまうと現代版「Artificial Intelligence」と呼んでも差し支えない曲が選曲されている。事実Steffiが主宰するDolly周辺はAIテクノの影響を匂わせているし、Martynの作風にしてもダブ・ステップやデトロイト・テクノからの影響を滲ませ、両者とも単純な4つ打ちからの乖離してリズムの自由さやベッドルーム内での想像力を働かせる音楽性があり、それらが端的に表現されているのが本コンピレーションだ。AIテクノの現代版という説明は決して過去を懐かしむようなものではなく最新のアーティストによる曲がある事で、例えばApollo等でも活躍するSynkroの"Observatory"は夢の中へと落ちていくようなパッドを用いたねっとりとしたダウンテンポを披露しており、穏やかな近未来感が心地好い。Ostgut Ton一派のAnswer Code Requestもここでは普段のハードな作風は封印しているが、ハートービートのようなリズムに美しく広がる残響を用いたディープなアンビエントの"Pasiris"を披露し、熱狂に入っていく前のパーティー序盤の感覚がある。元祖AIで忘れてはいけないのがKirk DegiorgioことAs Oneで、"The Ladder"は90年代前半のそのAIテクノそのものな自由なブレイク・ビーツや流麗な響きのシンセのメロディーなど、一見踊り辛いようなテクノがしかし今の多様性の中では自然と鳴っている。他にも知名度の高いテクノ系のアーティストから殆ど作品をリリースしていないマイナーなアーティストまで、それらは区別される事なく収録されており、テクノやエレクトロにブレイク・ビーツやダブ・ステップなどのジャンルも、大きな枠で捉えるとアンビエント的な感覚に包まれている。これらがしかも全て未発表曲というのだから、その質の高さも含めて驚いてしまう。



Check Steffi & Martyn

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| TECHNO14 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Thomas Fehlmann / Terrence Dixon - We Take It From Here (Tresor Records:TRESOR302)
Thomas Fehlmann / Terrence Dixon - We Take It From Here
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古くから今に続くデトロイトとベルリンの繋がり、そうURことX-101を世界へとデビューさせたのはTresor Rrcordsであったし、90年初期にはJuan AtkinsとMoritz von OswaldとThomas Fehlmannによる3MBという黄金トリオもTresorからだった。遠く離れた2つの地はしかし音楽と人で強いコネクションを保ち、それぞれに影響を与えながら進化した。そんな関係性は今も変わらず、ベルリン・テクノの重鎮である前述のFehlmannとデトロイト・テクノの中でもミニマル性の強いTerrence Dixonが今ここに邂逅したのだが、しかもリリース元はベルリン・テクノの老舗であるTresorからと、徹頭徹尾デトロイト×ベルリンな特別のプロジェクトなのだ。何でも2017年にデトロイトで開催されたMovement前後にセッションを行い(Movementでライブも披露した)、ダンスフロア向きの制作を行ったそうだ。とは言ってもデトロイトの中でも定義し辛く独特のミニマリズムを持つDixon、深く繊細な音響に才能を発揮するFehlmannのコラボレーションとなれば非常に独特で個性的なテクノになるのは明白で、ベテランとしての貫禄に満ち溢れた音楽性を発揮している。ざらついてロウなビート感と古いモジュラーシンセから発せられたようなヒプノティックな上モノ、ひんやりとした温度感と機械的なサウンドの"Dreaming Of Packard"はDixonの影響が強いだろうか。続く"The Corner"も掴みどころのない電子音が散りばめられているが、そこに入ってくる幽玄でダビーなパッドのレイヤーやシャッフル調のずんどこしたリズムは恐らくFehlmannによる影響で、腰をどっしり落ち着かせながらも太いグルーヴを鳴らしている。すかすかな音響の中で金属的な鳴りのリズムとブリーピーかつフリーキーな電子音の反復によって、リズム重視のツール性へと向かった"Patterns And Senses"にしても派手さは全くないがフロアでの鳴りを重視したような作風が際立っている。ドスドスと無機質で粗い4つ打ちに浮遊感ある上モノとサイケデリックな電子音が広がる"Strings In Space"は、アンビエント性もありやや明るめの曲調ではあるが熱くなる事はなくやはり低温で淡々とした世界観。最後の"Landline"だけは重苦しく荘厳なドローンが充満し、その中を幻想的だったり不気味だったりする電子音が散りばめられたアンビエントで、やはりこういったタイプの曲だと尚更二人の奥深い音響効果が活かされており、美しい電子音響を体験出来るだろう。ベテラン二人が集まった作品はしかしそのネームバリューに比べると派手さは削ぎ落としながら、研ぎ澄まされた音響や機能的なグルーヴが発揮される作品となり、いぶし銀な一枚となっている。




Check Thomas Fehlmann & Terrence Dixon
| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep & Lars Bartkuhn - Sonics & Movements (Neroli:NERO 041)
Trinidadian Deep & Lars Bartkuhn - Sonics & Movements

イタリアにて優美なハウス・ミュージック〜クロスオーヴァー系には定評のあるNeroli、その新作はTrinidadian Deep & Lars Bartkuhnによる共作だ。Ron Trent直系でオーガニックかつアフロ・パーカッシヴなフュージョン・ハウスを量産するTrinidadian Deep、そして元Needsのメンバーでありジャズやフュージョンからの要素をハウス・ミュージックへと昇華させ耽美な世界観を創造するBartkuhn、そんな二人の音楽性がNeroliに合わない訳もなく、そしてその二人がコラボレーションしたのであれば興味を惹かずにはいられない。A面にはTrinidadian Deepのソロが2曲収録されているが、揺れるリズムに軽やかで爽やかなパーカッション使い、そして煌めきのある耽美なシンセにダビーな処理を加えて奥行きも演出した爽快感溢れるディープ・ハウスの"Native Palo"は、おおよそアーティストに期待している音楽そのものだ。途中から入ってくる麗しいシンセソロなど、一曲の中で魅力的な展開も作っている。"The People"はよりトロピカルなパーカッション使いに体も軽やかになり、スティールパンの朗らかな旋律やオルガンソロが躍動して、ラテン×フュージョンのような陽気なハウスだ。そして裏面には二人の共作がバージョン違いで収録されているが、"The Parish (Full Experience)"こそ両者の音楽性が正にフュージョンして、壮大でエレガント、豊かな表情を見せるディープでアフロなハウス傑作になっている。10分を超える大作なれど様々な要素を持ち込み飽きさせる事なく、かもめの鳴き声らしいオープニングから土着的で軽やかなパーカッションが快活なリズムを刻み、すっと伸びる光沢感あるシンセと耽美なエレピのリフで優雅に引っ張っていく。咽び泣くようなエモーショナルなシンセソロでぐっと郷愁を強めつつ、ダビーなパーカッションが空間の広がりを創出し、次には繊細なピアノが滴るように入ってきて、あの手この手で装飾するように展開を繰り広げる作風はアーティスト性の強いBartkuhnの手腕が発揮されている。バージョン違いの"The Parish (Dub)"はそのタイトル通りで、民族的なパーカッションが空へと響き渡るように爽快さが強調されており、特にオリジナル以上のダブ処理によってより躍動感を獲得している。どの曲もNeroliというレーベルの華麗な美しさを纏う音楽性に沿っており、二人のアーティストの相乗効果も抜群に作用した名作と断言する。



Check Trinidadian Deep & Lars Bartkuhn
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moomin - Yesterday's Tomorrows (Wolf Music Recordings:WOLFLP004)
Moomin - Yesterdays Tomorrows
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AimやWhiteといった繊細な美しさを放つディープ・ハウスのレーベルから、そしてハンブルクの特に叙情的なムードが強いディープ・ハウスを武器とするSmallville Recordsからのアルバムのリリースなどからも分かる通り、ダンス・ミュージックではありながらリスニングとしての性質に長けた音楽性を得意とするSebastian GenzことMoominの3枚目のアルバムがリリースされている。Smallvilleの美学を体現するような存在であった彼が、しかし意外にもWolf Musicからとなったその背景を知る由もないが、本作ではそんなレーベルの変化は音にも現れており今までの耽美な音を守りながらもヒップ・ホップやドラムン・ベースにまで手を広げて音楽の拡張を行っている。幕開けの"Daysdays"こそぼんやりとしたパッドのループと潜めた甘美なエレピ、そしてすっきりした4つ打ちで淡々としながらもムーディーの染めるディープ・ハウスで、途中から入ってくるボイス・サンプルの繰り返しでうっとりと微睡んでいく。続く"In Our Lifetime"も前作を踏襲するように膨らみのある大らかなハウス・グルーヴに合わせて耽美な鍵盤を合わせて、激しく訴えるかけるのではなくじんわりと染み込んでいく淡い情緒の世界観に心も温まる。しかし"Shibuya Feelings"では荒々しいハイハットと弾けるキックのブレイク・ビーツが現れ、Moominらしい優美な上モノとは対照的ながらも、揺れるリズム感を強調してやや意外性を含んでいる。ディスコ・サンプルであろうループを用いた"Maybe Tomorrow"はざっくりしたリズム感も相まってファンキーな鳴りもしているが、そこから続く4曲はドラムン・ベースとダウンテンポへと向かった正に彼にとっての新基軸だ。"Move On"は激しくもしなやかなリズムを刻むドラムン・ベースで、甘く誘うような女性ボーカルと幽玄な上モノのループを繰り返し、Moominらしい繊細な美麗音響を放ちながらもリズムは躍動するアートコア系。そこから一転してぐっとテンションを抑えたヒップ・ホップ調の"949494"も重心はずっしり低めながらも、ファンキーな管楽器のソロも加わってきたりと生っぽくざっくりした質感が新鮮だ。アルバムの前半と後半で表面的には作風はガラッと変わっているのが印象的で、しかしどんなリズムを用いようともMoominらしい幽玄な世界観は通底している。秋の夕暮が似合うようなしんみりしたアルバムだ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ewan Jansen / Trinidadian Deep - Various Vol.1 (Chubby!:CHUB-001)
Ewan Jansen Trinidadian Deep - Various Vol.1

オーストラリアはシドニーを拠点とするパーティー/ポッドキャストであるChubby!がレーベルとしての活動を始めたそうで、その第一弾は耽美なディープ・ハウスを手掛けるオーストラリアのEwan Jansen、そして同様に耽美かつアフロなディープ・ハウスを武器とするTrinidadian Deepの二人によるスプリット盤だ。そして特筆すべきはデトロイトのベテランであるMike Grant、そして再評価を受けるジャパニーズ・ハウスの先駆けであるMissing SoulことMr. YTがリミキサーとして参加しており、つまりハウス・ミュージック好きな人にとってはその参加しているアーティストだけで十分に魅力的と言える一枚だ。Jansenによる"Plants"はスムースかつ芯のあるハウスの4つ打ちに合わせて透明感溢れる優美なパッドを伸ばし、輝きを含んだゴージャスなシンセのメロディーを配して、徐々に勢いを付けて飛翔するように壮大さを増していくハウスで、豊かに装飾されながらもけばけばしくはなく彼らしいエレガンスが光っている。対してGrantがリミックスをした"Plants (Mike Grant Remix)"はしっとり落ち着いた4つ打ちに抑えつつムーディーなエレピのコード展開を軸に控え目にシンセ等も散らし、より内向的と言うか豪華さを包み込んで控え目にする事でより耽美な空気が程良く発せられており、大人のディープ・ハウスと言った趣きは官能的ですらある。一方でディープ・ハウスという同じスタイルながらもアフロなパーカッションが印象的なTrinidadian Deepによる"Move Me"は、また彼が得意とするオルガンのソロが自由に大空を飛び回るように躍動し、鮮やかなパッドと絡み合いながら爽快な風と情熱的な空気を吹かせる。そして昔ながらのジャジー・ハウスを得意とするMr. YTによる"Move Me (Mr.YT Remix)"は、オリジナルよりも更に硬いパーカッションを弾けさせ新鮮かつ大胆なエネルギーの感じられるリミックスに仕上げており、同じパーカッシヴな味付けでもアフロではなく何処かジャジーな雰囲気があるのはやはりMr. YTの個性が故だろう。おおよそどの曲も目新しさや流行とは無縁で、それどころか各々の個性に沿ってオーセンティックなハウスを尊重したような作風は、しかしその力量があるからこそ時代に関係なく聞ける質がある。これぞディープ・ハウス。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mike Dunn - My House From All Angles (Moreaboutmusic:MAMBB001)
Mike Dunn - My House From All Angles

何があったのか昨今のシカゴ・ハウスに於ける名作のリイシューラッシュの勢いは驚くべきもので、Dance ManiaやTraxにChiwax等含む多くのレーベルから数え切れない程に過去の作品の掘り起こしが行われている。そんなシカゴ・ハウスが賑わう状況で2018年にはそのレジェンドであるLarry HeardことMr.Fingers名義のアルバムが24年ぶりに発表された事は記憶に新しいが、それにも負けないのが2017年の年末にリリースされたMike Dunnによる2ndアルバムである本作で、こちらは何と1990年以来の27年ぶりのアルバムになる。Dunnはシカゴ・ハウスの黎明期から活動するDJでゲットー地区生まれと言う事も影響しているのか、そのTB-303やTR-808を用いたアシッド・ハウスは荒々しく正にジャッキンなもので、それだけに留まらず数々の変名を用いてガラージやディープ・ハウスにも取り組んでいたが、アルバムを制作しなかったのはやはりDJツール的な音楽性が故だったのだろうか。しかし本人曰くやる気とアイデアが湧いてきたそうでこのアルバムへと繋がったのか、そして久しぶりのアルバムと言う事もあるのか不穏なアシッド・ハウスだけではなくボーカル・ハウスや流麗なテック・ハウス気味の曲もあったりと、ベテランとしての集大成的な構成にはただ野蛮なけではなく完成されたベテランとしての貫禄が漂っている。出だしの"Acid Rush"はうねるアシッドのベースが古典的なアシッド・ハウスではあるものの、魔術的な呟きの導入もあってか激しいと言うよりは催眠的でアシッドの幻惑的な効果が打ち出されている。"Body Muzik"もファンキーなボーカル・サンプルや呟きが用いられており、こちらはよりラフなハイハットやリズムの鳴りがジャッキンに響いており、オールド・スクールでB-Boy的だ。だがアルバムは進む毎に多様な表情を見せるようになり、4曲目の"DJ Beat That Shhh"ではMD X-Spressをフィーチャーして野暮ったくもどこかメロウな歌とスカスカなリズムのヒップ・ハウスを聞かせ、"Have It 4U Babe"では切り刻んだようなサンプリングやディスコなベースラインを用いて熱量あるソウルフルなハウスを展開し、"Modulation"に至っては潜めるようなアシッドを混ぜながらも快楽的で美しいシンセのリフがモダンで洗練されたヨーロッパ的な雰囲気のテック・ハウスを匂わせており、Dunnに対する古典的なアシッド・ハウスのアーティストという間違ったイメージを正しく塗り替える。それでも尚安っぽくて垢抜けなくも狂気が滲むアシッド・ハウスの魔力は魅力的で、その後にも"Move It, Work It"のようにたどたどしいTR系のリズムとねちっこいTBのアシッドなベースの単純な構成のシカゴ・ハウス等も用意されており、長い経験から生まれた幅のある豊かなハウス・アルバムでありつつアシッド・ハウスというルーツは変わっていない。久しぶりのアルバムだからと言って甘い評価は必要なく、シカゴの重鎮としての力量が爆発したファンキーな一枚だ。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Stingray - Kern Vol. 4 (Tresor Reocrds:KERN004CD)
DJ Stingray - Kern Vol. 4
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バラクラバを被った印象的な顔写真がジャケットに起用された本作を見ると、例えば匿名性の高いアンダーグラウンドな活動を行っていたUnderground Resistanceを思い起こすのもおかしくはない。そのアーティストは、アーティスト名とバラクラバはデトロイト・エレクトロの最深部でありURの一員でもあったDrexciyaの故メンバーから貰ったのだと言う事からも分かるであろうが、つまりはオリジナルのデトロイト・エレクトロを今に継承する人なのだ。その人こそUrban TribeとしてPlanet-EやMo Waxでの活動で注目を集め、その後はRephlexやMahogani MusicからDrexciyaの魂を受け継ぎデトロイト・エレクトロを開拓してきたSherard Ingramである。今、彼の音楽は面白い事にヨーロッパで求められており例えばBerghainでもプレイをしたり、または2017年のTresorでの年越しパーティーにもブッキングされるなど、水面下に沈んでいた本場エレクトロがアンダーグラウンドと言う世界から浮上し大衆から渇望されているように思われる。しかしアーティストとしての活動は多くの人はご存知だろうが、そもそもDJとしての活動(日本への来日も数える程だ)は決して注目を集めていたわけでもないだろうし、一体どんなDJをするのか?と気にはなっていたが、本作で蓋を開けてみればエレクトロ節全開でオールド・スクールから現在形のそれまで懐古的になる事なく未来の視線を向いた内容になっていた。先ずはDrexciya繋がりのDopplereffektで始動を告げるように8ビット風のピコピコな電子音で幕を開け、隙間だらけのカクカクしたエレクトロビートが鞭打つように入ってくれば、もう勢いは早くも増していく。続いて連打するような忙しないビートの"We Run Your Life"でスピード感を得て、"Mind At Sea"や"Dissociation"辺りは電子音震えるモダンなテクノで、直線的なビートの勢いに飲み込まれていく。そして評価すべきはSherardが時代の止まったエレクトロ盲信者ではなく、近年のクールでデトロイト・ソウルを継承したエレクトロを積極的にプレイし、過去と現在がしっかりと線になり繋がっている事だ。勿論最も古いものでは1989年産の暗くもヒップ・ホップかつストリート系の"Professor X"もプレイしたり、そして中盤ではDrexciyaの爆発的なエネルギーを持ちながらもメランコリーも含んだ"Lost Vessel"でピークを作ったりと、元祖への愛情と言うか敬愛も含まれている。Drexciyaの曲が多いのはご愛嬌といったところだが、しかし1時間に27曲を繋ぎ合わせるミックスによって矢継ぎ早な展開がギクシャクしたリズムと直球4つ打ちのリズムを掻き混ぜるように緩急自在に躍動し、肉体が震える程の刺激を生み出している。エレクトロを軸にテクノな音も同居し刺々しい攻撃性の中にもダークなメランコリーもあり、確かにこれはDrexciyaを継ぐ者である。予想以上に骨太なプレイに踊らずにはいられない。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Mulholland Free Clinic - The Mulholland Free Clinic (Away Music:AWAYLP001)
The Mulholland Free Clinic - The Mulholland Free Clinic
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元々Reagenzというユニットとして繋がりがあるMove DとJonah Sharp、またMove DとJuju & JordashによるMagic Mountain Highというユニットもあり、それら3アーティストが一緒くたになった新プロジェクトがThe Mulholland Free Clinicだ。元々はハードウェア機材をベースにフェス等でジャムセッションを行った事がきっかけで本作の制作に繋がったようだが、この作品自体もベルリンで行った3時間のパフォーマンスが元になっている事からライブ盤と捉えるべきか。そのライブ自体も当然の如くアナログのハードウェア主体、完全即興のジャムだそうで、その意味では緻密に作り込まれた印象はないもののリラックスした雰囲気のライブ感が味わえるテクノ/アンビエントのセッションだ。LPでは3枚組というボリュームからも分かる通りそれぞれ長尺で、中には17分にも及ぶ曲もあり、瞑想へと誘う抽象性の高いアンビエント性が強い。その端的な例がアルバムの冒頭にある"Vital Signs"で、微かなSEを背景にアナログシンセが流動的にゆっくりと変化し続けて無重力空間のディープ・スペースを17分に渡って生むのだが、大きな展開もなくただただ音の波に揺られるようなドローン・アンビエントは、セッション性を活かした自由さによって成り立っている。続く"Boneset"でようやく弛緩したビートが刻み始めるが、やはり上モノのシンセはふらつくように虚ろで手の平をするすると擦り抜けるような掴み所のないエクスペリメンタルなハウスだ。シャッフルする比較的ダンスビートの強い"Gone Camping"は、弾けるリズム感とエモーショナルな旋律に引っ張られてSF的な世界を喚起させ、かつてのReagenzのようなAIテクノらしさが感じられる。続く"Ebb & Flow"もスムースに走るグルーヴに引っ張られるが、そこにブルージーで自由な旋律を描き出すギターと点描のようなシンセを散りばめて浮遊感とトリップ感を打ち出し、長い時間に渡って自由度の高いセッションの波に揺らされる。このアルバムに何か目新しさを感じる事はないし、また揃った面子以上のマジックを生み出しているわけでもないが、確かにそれぞれのアーティストのアンビエント感/ライブ性等の音楽性が一つになっていて、セッションを重視したプロジェクトとしては成功しているだろう。昼間の野外のフェス等で聞く事が出来たら、それは心地良い昼下がりの体験になるに違いない。



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| TECHNO13 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - DJ-Kicks (Studio !K7:K7340CD)
Marcel Dettmann - DJ-Kicks
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長きに渡りテクノ/ハウスに限らずダンス・ミュージックのリスナーを楽しませてきているMIXCDシリーズ『DJ-Kicks』、その最新作には遂にベルリンはBerghainでレジデントを務め、日本に於いてもその知名度を高めるのに貢献したMarcel Dettmannが登場。過去には『Berghain 02』(過去レビュー)、『Fabric 77』(過去レビュー)、『Conducted』(過去レビュー)とまた人気を博すMIXCDシリーズも手掛けているが、やはりこのDJ-Kicksシリーズはそれらとは異なり真夜中のダンスフロアを意識するよりはアーティストの個人的な好みを反映させたものが特色だろう。そう言った意味ではDettmannによる本作は比較的ダンスフロアにも適応しつつ、他アーティストのシリーズに比べると果敢なチャレンジ精神は少ないかもしれないが、オールド・スクールなテクノからエレクトロやニューウェーブまで取り込んでホームリスニングにも適した構成は、確かにピークタイムのダンスフロア的ではないが彼のパーソナリティーは如実に反映されている。スタートは90年代の古いテクノであるCybersonikをDettmannがリミックスしたバージョンで開始するが、ビートの無くなったリミックスによって静謐な立ち上がりとなっている。そこにOrlando VoornやDettmann自身の硬質でロウなテクノを繋げていき、更にはInfinitiによる古き良きテクノを自らリミックスした"Skyway (Marcel Dettmann Remix)"もセットする事で激しさだけではなく不思議なムードを纏ってリスニング性を保っている。しかし彼のミックスにしては意外にも展開の振れ幅は大きいだろうか、中盤までのMystic BillによるバウンシーなハウスやDas Kombinatによる鞭で打つようなエレクトロ、Clarence Gによるラップ等の流れはDJ-Kicksの特性を意識しているようだ。そこからも闇の陰鬱なムードを保ちながらもハードさを回避し、リズムやグルーヴを常に変容させながら普段の持続感とは異なる展開の多さによって耳を惹きつけ、終盤にはThe Residentsのユーモア溢れるニューウェーブから最後はデトロイトの叙情性もある"Let's Do It (Rolando Remix)"によってエモーショナルなラストを作り上げている。彼が今までに手掛けたMIXCDに比べると本作がベストであるとは言えないものの、しかし普段はプレイしない選曲や自身の特別なエディット/リミックスも多用した点にも興味深さはあり、DJ-Kicksらしさは十分にあるだろう。



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| TECHNO12 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sun Palace - Raw Movements / Rude Movements (BBE Records:BBE389ACD)
Sun Palace - Raw Movements / Rude Movements
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過去の作品のリイシューという行為を単に懐古的と見るかどうかは人それぞれだが、少なくとも現在のダンス/ミュージックに興味を持ち、そこから遡って埋もれた作品に辿り着く事を促すリイシューには十分な価値がある。本作は正にそんな遺産の発掘であり、1983年にMike Collins & Keith O'ConnelからなるユニットのSun Palaceがリリースした"Rude Movements"らのオリジナル音源に多数の未発表曲やデモ音源を加えてアルバム化した作品だ。何でもタイトル曲はダンス・ミュージックのDJとして始祖である故David Mancusoも愛用したというロフト・クラシックだそうで、最初期のドラムマシーンやアナログシンセを用いて制作されており、ギタリストや鍵盤奏者である二人のプレイヤーが生み出した音楽はディスコというダンス/ミュージックをベースに、ファンクやフュージョンの要素も持ち合わせて所謂ツール的なモノではなく音楽的に豊かな展開を伴っている。本作の元になった"Rude Movements"にしてもふにゃふにゃとした光沢のあるシンセや優しくタッチするエレピが甘い調べをなぞり、ドラムマシーンがシンプルでローファイな4つ打ちを淡々と刻み、ディスコと言うよりは楽天的なムードが溢れるコズミック・フュージョンとでも呼ぶべきか。古臭さは熟して今になり豊潤な響きとなるような、決して懐古的になるのではなく埋もれた名作が今も尚輝く事を証明している。恐らくそのデモ・バージョンとなる"Raw Movements"はまだラフなスケッチの如くセッションの途中のような荒削りな印象もあり、オリジナルへと繋がる過程が感じ取れる。未発表曲も粒揃いでデモとして埋もれたままにしておくにはもったいなく、メロウで繊細なエレピ使いや渋いギターのカッティングにより哀愁漂わせる"What's The Time"や、優美な笛の音色とぐっと迫る分厚いベースでうっとり陶酔モードのフュージョンな"I'm Going To Lie Down"、染みるギターリフーやコズミックなシンセの効果音が甘くセクシーに染める"Love Train II"など、どれもこれも音楽的な展開や演奏を尊重したダンス・ミュージックだ。あれこれ綺麗に装飾し洗練された今のダンス・ミュージックとは異なり、まだ荒さを残しつつもその素朴な音色や単純な構成が何とも心に沁みてくる名作だ。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Mark Farina - Mushroom Jazz Eight (Mushroom Jazz:MJ012)
DJ Mark Farina - Mushroom Jazz Eight
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もうすぐ久しぶりの来日を予定しているアメリカは西海岸ダンス・ミュージックのシーンを代表すると言っても過言ではないMark Farina。シカゴ生まれでサンフランシスコで長く活動をする彼は例えば同郷の盟友であるDerrick Carterらとも活動しているが、その周辺の中でもFarinaの特異性を端的に表しているのがこの「Mushroom Jazz」シリーズだろう。シカゴ・ハウスではなくヒップ・ホップやダウンテンポを中心に気怠く甘美な夢の中へ誘うような世界を展開するそのプレイは、マッシュルームを喰ってジャジーな雰囲気に意識も朦朧とさせるような…かはさておき、ひたすら溶けるように気持ちが良いのは間違いない。ヒップ・ホップ中心ながらもガシガシと激しく繋ぐのではなくスムースにメロウに、しっとりとした質感と地に足が着いたグルーヴによって意外にもチルアウトな感覚させ漂わせる至高のミックス。前作から実に5年半とシリーズ物にしては随分と間が空いてしまったが、しかし全くその音楽性に陰りはなく相も変わらずトロトロとした白昼夢を体験させてくれる事だろう。このシリーズ、Farinaのファンがハウス・リスナーである事を差し引いても例の如く馴染みのアーティストの楽曲は少なく、当方もセットリストを見ても何が何だかではあるのだが、しかし一旦そのミックスを聴いてしまえば途端に魅了される事は間違いない。燦々と太陽の陽が降り注ぐ海辺をリラックスして散歩するような長閑な始まりから、ジャジーグルーヴも現れてうっとりと白昼夢に浸り、気怠さは保ちながら鋭利なビート感覚で体を揺らし始める中盤、ハウス感を増して滑らかなビートで心地良く揺らす後半と、実に大人びて優雅なプレイは真夜中のパーティーの興奮とは異なる昼間の陽気なムードが満ち溢れている。これがきっとサンフランシスコの温和な雰囲気なのだろうか、非常にアンダーグラウンド性の高い選曲をしながらも決してこれみよがしになる事はなく、弛緩して開放感溢れる気持ち良さをそのままに体験させてくれる事にDJとしての姿勢が現れている。今回の来日でもハウス・セットだけでなくMushroom Jazzセットを予定しているそうなので、その予習としてもお勧めする。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sad City - Shapes In Formation (Emotional Response:ERS025)
Sad City - Shapes In Formation
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昨年のレビューには申し訳ない事に間に合わなかったものの、2016年度のベストに選出したい程に聴く回数の多かったアルバムが本作だ。手掛けているのは北アイルランド出身、グラスゴーを拠点に活動するGary CaruthによるSad Cityで、Phonica Records Special Editionsからのたった2枚のEPが注目を集め、長らくアルバムが待たれていたアーティストだ。フィールド・レコーディングを多用しつつアンビエントとサイケデリアの幻想的な風景を描き出すそのサウンドは、現実と非現実が交錯する夢の狭間と言うべきか、立体的な空間が目にも浮かぶような音響を奏でている。アルバムも以前からの作風から変わる事はなく期待通りにフィールド・レコーディングを用いる事で、リアルな音楽体験をより打ち出す事に成功している。始まりは溜息のようなサンプルが反復する"Rain Call"、視界も歪むパルスのようなビートはカットアップしたような効果もあり、そこにドリーミーな上モノがぐっと情感を植え付けて微睡みの中へと誘い込まれてアルバムは開始する。現代音楽らしい静謐なエレクトロニカの前半から、雑踏の呟きのようなサンプルが反復しグリッチ的なヒップ・ホップのリズムへと変化していく"Pace, Movements I-IV"は、11分にも及ぶ壮大なサウンド・スケープを描き出す。細く鋭角的なリズムが用いられた"People + Plants"は最もハウシーな作風だが、ここでもフィールド・レコーディングは効果的に使用され、そして間を活かした繊細なグルーヴも相まって創造力をより働かせるような曲になっている。"Steady Jam"も12分近くの大作だが、朝の清々しい目覚めを呼ぶようなボーカル・サンプルとジャジーでロウなビートから始まり、徐々に輝かしく生々しいピアノが天上から降り注いだりする流れは、その剥き出し感強いサウンドが明るいロウ・ハウスにも思われる。特に"Smoke"ではサイケデリックな正にスモーキーな音響が覆い尽くす中に、凛とした電子音が散りばめられたアンビエントなディープ・ハウスで、何処か荒々しいエモーショナルなデトロイトのそれを思わせる作風だ。そしてアルバムは環境音が持続する"Water"と、ざらついたフィールド・レコーディングの中に不思議な呟きが挿入される"Again"の短い2曲で、旅の終わりを示唆するように儚く音が消えていく。全編おしゃべりのようなサンプリングや環境音が用いられる作風は、それにより現実的な体験を強くする効果とサイケデリックな感覚をより強くし、Sad Cityの儚くも美しい桃源郷への旅へと誘うのだ。アナログ盤にはダウンロードコードも付随しており、そちらでボーナス・トラック3曲も落とせるようになっているので、アナログリスナーには是非アナログ盤の購入をお勧めしたい。



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| ETC4 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/11/2 Grassroots 19th Anniversary Party !!! - DAY - @ Grassroots
随分と遠くまで来たものだ、東高円寺にぽつんと存在する小さなクラブ、もとい酔いどれ酒場のGrassrootsが19周年を迎えている。決して何百人が踊れる大きなフロアがある訳でもなく、派手なライティングや都会的な雰囲気も無いが、音楽好きやDJに愛される場所として重要な存在感を放っている。RAが特集した東京のミュージック・バーの記事でもGrassrootsが紹介され、DJ NobuやGonnoなど著名なDJのお墨付きでもある事も明らかにされた通り、ここで育ち全国規模へ巣立っていったDJも決して少なくはない。小箱だからこその友達の家に足を踏み入れたような安心感、そしてDJの自由度の高さが許される客層の許容度があり、音楽や踊る事が好きな人達が集まる素敵な酒場なのだ。そんな19周年の初日はDJ Nobu、Conomark、DJ Hikaru、YA△MAと正にこの場所で経験を積んだDJが集結した。
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| EVENT REPORT6 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sauce81 - Make It Move (Endless Flight:ENDLESS FLIGHT 73)
Sauce81 - Make It Move
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若く新しい才能を育てる事を目的として設立されたRed Bull Music Academy、そこには勿論日本人も抜擢され世界へと羽ばたいて行ったDJもいる。そして2008年の卒業生の中には、ファンクやソウルなどをライブフィーリングたっぷりに披露する仮面を被ったN’gaho Ta’quiaとして、またはブラック・ミュージックを元に自由な形を見せる77 Karat Goldというユニットの一員として、そしてこのソロユニットであるSauce81として、様々な名義を用いての活動が花開いたアーティストである日本人のNobuyuki Suzukiがいる。Sauce81名義では2008年にコンピレーションに曲が収録されたのをきっかけに、それ以降はWonderful Noise ProductionsやCatuneにEglo Recordsなど注目すべきレーベルからもソロ作品をリリースし、そして今度は日本が世界に誇るEndless Flightからの新作となれば注目を浴びる事は必至だろう。Sauce81も基本的にはブラック・ミュージックが根底にあるのは変わりはないが、方向性としてはハウスやディスコなどより直球ダンス的な要素が強いだろう。耽美なエレピやストリングスにうっとりと陶酔する"Faithless Egos"は、しかし弾けるベースやブギーなリズム感が肉体的な躍動を含んでおり、ヒップ・ホップやジャズの感覚を匂わせるハウスでいきなり耳を惹き付けられる。今年のEndless Flightのコンピレーションに収録された"Make It Move"は、雑然としたガヤ声や引っ掛かりのあるスラップ・ベースを用いる事で黒さ滲むファンキーさが強調され、そこに端正なシンセのコードも交えて滑らかなビートで闊歩するようだ。そしてもはやハウスと言うよりはバンド演奏らしさを発するファンクかフュージョンか、鮮烈なシンセの響きが前面に出つつローリングするベースラインに揺さぶられる"Dissonance In Control"、またグッとテンポを落としたメロウなトラックに熱い感情を吐露するような歌が挿入された真夜中のソウルである"Nothing Solved"と、クラブ・ミュージックにリンクしながらもボーカリスト/演奏者としての手腕が活きた作風は見所だ。



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| HOUSE12 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I'm Starting to Feel Okay Vol.7 (Mule Musiq:MULE MUSIQ CD 53)
Im Starting to Feel Okay Vol.7
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恐らくダンス・ミュージックで括られるレーベルの中でも、Mule Musiq程に幅広く才能あるタレントを抱えたレーベルを他に列挙するのは難しいだろう。例えばこのレーベルに所属するアーティストだけでパーティーを行ったとしても、それはフェスティバルとして成立してもおかしくはなく、間違いないのない審美眼と継続してリリース出来る運営力を兼ね備えた日本が誇るべきレーベルだ。そのように多くのタレントを抱えているからこそ、多様な個性を一つに集約するコンピレーションの体裁はMule Musiqに適しているのだろうか、近年は2年おきにショーケース的なコンピレーションをリリースしている。本作はその第7弾でここ2年間にリリースされた既発の曲や、また本作の為に制作されたであろう新作までが纏められており、例えレーベルに興味が無くとも参加したアーティストの豪華さに惹き付けられてもおかしくはない。レーベルに初参加となるLord Of The IslesやFrankey & SandrinoにKim Brown、または蜜月の関係を築いているEddie CやOskar OffermannにFred P、そして日本からはお馴染みのKuniyuki TakahashiにSauce81、その他に多くのアーティストが収録されているのだが、その幅の広さと各々の素質の高さが際立つ人選に頭を垂れる思いになる。Eddie Cによるサンプリングをベースとした生っぽいニューディスコの"Flying Blue"、Rubiniによるエレクトロニックな質感を活かしたディープ・ハウスの"Still Clock"、Kuniyukiがニューウェーブからの影響を受けて退廃的な雰囲気を打ち出した"Newwave Project #11"など、それぞれの個性は自然と表現されながらそのどれもがフロアに即したダンス・ミュージックである事を外れない。また、Bell Towersによる柔らかな音色とゆったりとしたグルーヴで広がるディープ・ハウスの"Midday Theme"、Fred Pによるエモーショナルなパッド使いが素晴らしいテック・ハウスの"Days In Time"辺りを聴くと、Mule Musiqが決して真夜中の享楽的なクラブで踊る事を目的とした音楽だけではなく、リスニングとしても耐えうる普遍性も目指している事が感じられる。意外なところでは奇抜なエレクトロニカを奏でるGold Pandaが変名のDJ Jenifaで"Dresscode"を提供し、Gold Pandaとは異なりシカゴ・ハウス風の乾いたビートで不良的なハウスを披露してたり、またAril Brikha & Sebastian Mullaertが"Illuminate"で彼等の個性を発揮したトランス感の強いミニマルなトラックを提供していたり、レーベルに控え目程度ではあるが新風を吹き込んでいる。既に大御所レーベルとしての存在感がこれだけのアーティストを集約出来るのだろうが、それでも尚レーベルの質の高さが全く失われないのは、やはりレーベルを主宰するToshiya Kawasakiによるセンスの賜物に違いない。



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| HOUSE11 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/3/26 Xtal Debut Album “SKYGAZER” Release Party @ Circus Tokyo
長い活動の末、2016年2月に遂に初のソロアルバムをリリースしたCrystal改めXtal。Crue-l Recordsからリリースされたその作品は、それまでにフロアを賑わせてきたダンストラックを収録しつつシューゲイザーやポップな要素も兼ね備え、聴く者を光に包み幸せな気分にする素晴らしいアルバムとなった。そんなアルバムを祝うべくリリースパーティーが開催される事になり、レーベルの創始である瀧見憲司やアルバムで共同制作をしたGonnoらが集結し、Xtalは一晩でライブとDJを敢行するという実に充実した布陣が組まれる事になった。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Freaks - Let's Do It Again (Part 2) ( Music For Freaks:MFF15002V)
Freaks - Lets Do It Again (Part 2)
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UKはロンドンのアンダーグラウンド・ハウスを長きに渡って引率するMusic For Freaks。その主宰者であるJustin HarrisとLuke SolomonによるユニットがFreaksであり、シカゴ・ハウスとも共振しながらアシッドやエレクトロも取り入れ、UKベースのハウスを開拓している。但しレーベル自体はここ数年動きが無かったものの、ようやく動き出した末にリリースされたのがFreaksの過去の曲を新たにリミックスし直した企画で、本作はその第2弾。第1弾に続いてリミキサーに抜擢されたのは奇才には奇才をという意味が込められているのかRicardo Villalobosと、そしてUSの新世代ディスコ・デュオであるSoul Clapだ。当然注目すべきはVillalobosによる"Eighties Throwback (Villalobos Greiner Remix Two)"で、元々は4分にも満たないダーティーで卑猥なディープ・ハウスが、リミックスによって14分越えの麻薬的なミニマルへと変容しているのだ。序盤こそ奇妙なボイス・サンプルを交えて滑りながらも明確な4つ打ちを保つミニマルなものの、木魚か何か怪しげなパーカッションが奥で鳴りながら、後半ではビートが削ぎ落とされて形あったものが融解していくような変化を見せる。長尺さを全く感じさせないその効果は正にドラッギーな覚醒感、いや、精神を麻痺させる麻酔薬だろうか、FreaksとVillalobosの相乗効果でトリップ感はこの上ない。"Washing Machine (Soul Clap's Static Cling Mix)"も期待以上の出来ではないだろうか、原曲の陽気に弾けるノリを更に強調した上で、綺麗なシンセのメロディーが華々しく花開くモダン・テック・ハウスは勢いが感じられる。メロディーの分かり易さと共に爽快なパーカッションが心地良く響き、ピークタイムにも合わせられる高揚感を纏っている。"Robotic Movement"は1stアルバムに収録されていた曲だが、ブレイク・ビーツ気味のビートの上に郷愁を帯びたメロディーが薄っすらと広がるハウスで、Freaksにはこんな作風もあるのかと新鮮な思いだ。ちなみにアナログに収録されている"Eighties Throwback (Villalobos Greiner Remix Two)"は、何故か配信音源では"He's Angry (Argy & Honey Dijon Remix)"と差し替えになっているのだが、一体どういう理由なのだろうか。ならば当然買うのはアナログしかないだろう。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/12/28 SLOWMOTION @ Grassroots
ネット上の案内によると「青山はManiac Loveで生まれたSlowmotionは当時のハードミニマルやドラムン・ベースへのカウントーとして開かれ、アゲアゲ路線のパーティーとは異なる方向を向き、ゆっくりと落ち着いた変化球なダンス・ミュージックを志向」としていた、それがSlowmotion(詳細はこちらを参照下さい)。90年代中盤から始まったこのパーティーはその時代には早過ぎたのか、結果的にはレギュラーパーティーとしては成功しなかったものの、ここ数年はようやく時代にはまってきたのか当時のメンバーであるMoodmanやMinoda、そしてSports-KoideやTangoも加わって不定期開催されており、そして2015年も終わりが近付いたこの時期にGrassrootsでの開催が決まった。上げる事を強要されない、そして寛容のある客層が多いGrassrootsだからこそ、Slowmotionがしっくりとはまるのは間違いない。
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| EVENT REPORT6 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/12/11 THE OATH -every friday night- @ Oath
今年も12月と最後の月になったものの、気付いたら半年以上もOathから足が遠ざかっていた。決して大きなクラブではなくどちらかと言うとバーと呼ぶ風合いが強い場所ではあるものの、日本人のDJを中心にした構成とリーズナブルに楽しめながらも良質な音響でダンス・ミュージックを楽しめる場所として、魅力のあるクラブの一つだ。そんな折、丁度ソウルフルなハウス・ミュージックのプレイに定評のあるDazzle Drums、Capricious Recordsを運営しているJun Kitamura、Oathでも頻繁にプレイをしているKAZZとベテランが揃ったパーティーが開催されるので、この機会に久しぶりに足を運ぶ事にした。
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| EVENT REPORT6 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/10/9 宇宙の海 〜Ascension @ Space Orbit
三軒茶屋はSpace Orbitで開催されているらしい『宇宙の海』は、どうやらアンビエント系のパーティーであるらしく、靴を脱いでラウンジスペースとしての空間で一夜を寛いで体験出来るような触れ込みだ。まだ行った事のないクラブという点でも気にはなっていた上に、しかも今回はDJ Yogurtによる年に1〜2回プレイするかのレアなアンビエントDJやKo Umeharaも出演する事があり、意を決して遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT6 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/8/7 PYRAMID ROOTS presents "SPHERE" @ Bonobo
神宮前Bonoboにて2014年10月にグラフィックアーティスト・IPPIによって始動したPYRAMID ROOTSは、DJやライブだけでなくフード出店やマッサージなど小さい場所に盛り沢山な内容で、まだパーティーとしては始まったばかりなものの注目すべきパーティーの一つだろう。3回目の開催となる今回はメインフロアには日本のDJの黎明期から活動するDJ NoriやMoodmanを招き寄せ、そして2階のお座敷ラウンジにはRyo Nakaharaやmaaによるアンビエント・セットも用意されるなど、今回も全く隙のない布陣でのパーティーに期待が高まる。
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| EVENT REPORT5 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/4/17 Roundhouse @ Air
2014年に始動したハウスパーティーのRoundhouseはAirにて4回に渡り開催され、海外からは都度ハウス・ミュージックに於ける名実共にトップクラスのDJを呼びつつ日本からもハウスには定評のあるDJを揃え、徹底的にハウスに拘った形で記憶に残る内容だった。そしてその勢いは止まる事なく2015年もRoundhouseはハウスの復権を担うべく、装いも新たに始動する。さて今年の第1回はシカゴ・ハウスのレジェンドの一人であるMarshall Jeffersonがゲストで、何と8年ぶりの来日となるとか。"Move Your Body"や"Open Our Eyes"などの作品により初期シカゴ・ハウスの様式美の確立を担った存在でもあり、トラックメーカーとしての存在感の大きさは説明するまでもないだろう。そんなアーティストがどのようなDJを行うのか、そして日本からはシカゴ・ハウス狂いのRemiやStockにSinoらが迎え撃つ一夜、ハウス好きには間違いのないパーティーである。
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| EVENT REPORT5 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/2/21 Secretsundaze @ Air
昨年に引き続き今年もロンドンのサンデーアフタヌーンパーティーであるSecretsundazeがAirで開催されるに合わせ、レジデントのJames PriestleyとGiles Smithが来日する。本国では午後の早い時間帯から開催される事から、テクノやハウスだけでなくジャズやソウル、ファンクにブロークン・ビーツなどフリースタイルでゆっくりとフロアを温めていくスタイルだったと彼等は述べるが、ここ日本ではオールナイトでの開催が恒例となっている。またパーティーを主宰するだけでなくThe Secret Agencyなるエージェンシーも運営し、将来有望な若手から実力が認められているベテランまでアーティストのプロモートを行うなど、DJとしての活動だけでなくシーンを作っていくような動向は目が離せない。
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| EVENT REPORT5 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Life Recorder - Hope In The Soul (Soul Print Recordings:SLPVNL 002)
Life Recorder - Hope In The Soul
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2014年は4枚ものヴァイナルをリリースしたLife RecorderことKriss Kortz。フランス出身のこのアーティストは90年代のテクノやハウス、特にデトロイトとシカゴからの影響を強く受け90年半ばからDJのキャリアを開始し、2005年頃からは楽曲制作も行いトラックメーカーとしても活動をしている。2014年の複数の作品を聴けば遂にその才能が花開くような状態である事を感じるだろうが、本盤もそれを指し示す作品の一つだ。タイトル曲である"Hope In The Soul"はデトロイト・テクノ好きな人の食指を動かさずにはいられない作品で、青々しい広大な空が広がるような透明感のあるシンセの重なりとシャッキリとした軽快かつ跳ねるようなビートはどこまでも爽やかで、そして純真無垢な情緒を発している。"Night Moves"も同様の路線だが切ない郷愁を誘うシンセのコード展開が前面に出て、幾分か内向的なディープ・ハウスという趣もある。どちらの曲も彼が影響を受けたという90年代の懐かしく人肌の温もりを感じるような音質が打ち出され、古き良き時代が蘇るような懐かしさに溢れている。そして注目すべきはB面にはイタリアのシカゴ・ハウス狂いであるSimoncinoが3曲もリミックスを提供している事だ。ビートレスな上に夢のようなシンセを浮遊させてアンビエント風に仕上げた"Hope In The Soul (Simoncino Spirit Mix)"、そしてL.I.E.S.からもリリース歴がある事を思い出させるキックやパーカッションが強調されリズムを強めた意味でのダブ・ミックスな"Hope In The Soul (Simoncino Pressure Dub Mix)"、最後はシカゴ・ハウスの荒ぶるビートと物哀しくも心に染み入るようなパッドが覆う"Hope In The Soul (Simoncino Morning Mix)"と、Simoncinoらしさが存分に感じられる異なるタイプのリミックスが収録され、DJとしてもそれぞれに使い道を見い出せるであろう。



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| HOUSE10 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/1/30 UGFY Records presents ”Ugly.” 2nd Anniversary @ Oath
もうすぐ初のアナログがリリース間近となるYou Forgot。DJとしてもアーティストとしても成長著しい彼が、Oathで主宰するパーティーが"Ugly."だ。当初は平日開催だったものの2014年からは奇数月の第1金曜日開催へと格上げされ、1DJ/1hourのショートラリー方式で一晩で各DJが2〜3回転しながらプレイするスタイルのパーティーが好評を博している。そんな"Ugly."も2周年を迎えたのだが、その記念の夜となるパーティーのスペシャル・ゲストにはどんなジャンルでも難なくこなしてしまうプロ中のプロであるMoodman、そしてMariiやBOWをゲストに迎え、そこにレジデントのYou Forgotが迎え撃つ。
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| EVENT REPORT5 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2014
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年も昨年に引き続き毎週パーティーライフを楽しみ、素晴らしい音楽にも出会う事が出来ました。やっぱりパーティーは最高だなと思った一年ですが、オールナイトにおけるパーティーについての問題では、風営法改正案の大きな動きもありました。今後良い方向へと進む事を期待するのみですが、現実的な問題として夜遊びたいと思う人は減っているのかなと思う時も多々あり。私個人的にはやっぱりパーティーは絶対にオールナイトのクラブでないと!という気持ちは強くあります。しかし時代に合わせて多様性を許容する事も無視は出来ないと思うのも事実で、ニーズに合わせてパーティーを作っていく必要はあるのかもね…でもやっぱりパーティーはオールナイトと言う考えは譲りませんが。また音楽自体がインスタントなものになり無料の配信だけで聴かれるような状況ではありましたが、ダンス・ミュージックの分野に関して言えばやはりアナログでのリリースは根強く、プレス数は減ってもその分多くの作品がリリースされていました。そんな作品を毎週買っては聴く生活の繰り返しで、ブログの更新が追い付かない程に良質な音楽は今でも生み出されている事を実感した一年でもありました。ちなみにこのブログも夏頃に発足から10年が経過しましたが、これからも色々な音楽・パーティーを発信する為に2015年も頑張って続けたいと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Koze - Reincarnations Part 2 - The Remix Chapter 2009 - 2014 (Pampa Records:PAMPA 010CD)
DJ Koze - Reincarnations Part 2 - The Remix Chapter 2009 - 2014
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テクノ/ハウスというダンス・ミュージックにおいて奇才と呼ばれるアーティストに誰がいるだろうか。単に奇抜なだけではなく、それがダンス・ミュージックとして実用性を兼ね備えながらアーティストの個性を確立させるとなると、それは非常に限定されるかもしれない。しかしドイツはハンブルクのStefan KozallaことDJ Kozeは、自信を持って奇才と呼ぶに相応しい存在だ。彼の活動は実験的な要素の強いAdolf Noise、ポップな音楽性を打ち出したInternational Ponyと複数の名義に渡るが、最もテクノやダンス・ミュージックにユーモアを加えているのがDJ Koze名義なのだ。本作は2009年にリリースされたリミックス集である"Reincarnations : The Remix Chapter 2001-2009"(過去レビュー)の続編となり、DJ Kozeが2009〜2014年までに手掛けたリミックス作品が収録されている。リミックスを"Reincarnations"="再生"と表現するその作風は、確かにそこに何か別のものを何か加えて生まれ変わらせているとしたら、これ程的確な表現はないだろう。正直に言えばDJ Kozeのその奇才は強過ぎる個性を発する故か、全てのリミックスが万人受けするわけではない。だが"Jo Gurt (DJ Koze Remix)"を聴いてみて欲しい、霧もやの奥に妖精たちが住む風景が浮かび上がるような幻想的に微睡んだ世界観は、ダンス・ミュージックに童心のような遊び心を加えている。原曲の物哀しくもポップな空気を纏いつつも機能的なミニマルなグルーヴに生まれ変わらせた"Bad Kingdom (DJ Koze Remix)"や、柔らかいビートとアブストラクトな音像でアンニュイさを強めた"It's only (DJ Koze Remix)"など、そのリミックスの方法は一方通行ではなくフロアで活きる機能性とポップな趣向や自堕落なユーモアなどが共存し、リスニングとしても耐えうる独自の音楽に再生させているのだ。本作はDJ Kozeによるリミックス集ではあるものの、最早これはオリジナルアルバムと呼んでも差し支えない程にDJ Kozeの個性が光っており、風変わりなダンス・ミュージックを愛する者の心をくすぐる一枚となるだろう。




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| HOUSE10 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Adventures In Techno Soul 3 (Ferox Records:FERLP9)
Adventures In Techno Soul 3

先ず以てして「テクノ魂の冒険」というタイトルからして素晴らしい。本作はRuss Gabrielが主宰するFerox Recordsの同名タイトルの第3弾、16年ぶりとなる新作であり、レーベルの方向性を示すであろうショーケース的なコンピレーションだが、特に昔からのファンにとってはこのシリーズは胸が高鳴るのを思い出すのではないだろうか。過去の同シリーズにおいてはCarl CraigやKenny Dixon Jr.、Ian O'BrienやDerrick Carter…など今では大御所となったアーティストを早くから起用し、その上でArtificial Intelligenceの系譜上にある単なるダンス・ミュージックの枠を飛び越える自由な創造性を重視した音楽性で、エモーショナルなテクノの可能性を提示していた。この新作でもその路線に大幅な変化はないが、時代に合わせてこれからの時代を切り開くであろう新人から実力派のベテランまでバランス良くアーティストを収録している。特にアルバムの冒頭を飾るDarren Harris - 驚いた事に全くの新人だ - による"Orion Nebula"が素晴らしく、プリズムのように美しい光が溢れ出るように美しいシンセサウンドが広がり、4つ打ちの枠に収まる事なくキレのある変則的なビートが揺れるこの曲は、正にテクノ・ソウルという言葉を体現している。過去にはFeroxとも繋がりもあったAffie Yusufも"Cornish Pasty"を提供しており、何処か懐かしさを感じさせつつも澱みのないピュアな音色を活かしたテック・ハウスには理知的な趣が感じられるだろう。また最近の注目株であるFred Pも収録している点にこのシリーズが現在形である事を示しており、序盤の瞑想的なノンビートの流れから徐々に重厚な4つ打ちへと変化していく"Perception"は壮大なコズミック感に溢れている。勿論レーベル・オーナーであるRuss Gabrielも新曲を提供しており、全くの汚れがない透明感に溢れ欧州的に解釈したデトロイト・テクノとも呼べる"Live In Tokyo"もレーベルの性質を表している。その他にもベテラン勢のMove DやBush Funk (Steve O'Sullivan)、また新興勢力のNebraskaなどが参加しており、それぞれがスタイルは異なれどエモーショナルなテクノ・ソウルを表現している。もしテクノに魂が籠っているとしたら、それはこんな音楽性なのではというコンピレーションだ。




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| TECHNO11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deetron - Fabric 76 (Fabric Records:fabric151)
Deetron - Fabric 76
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これでもにもメジャーからアンダーグラウンドまで数多のDJを起用し、人気を博しているMIXCDシリーズ「Fabric」の76作目は、スイスを代表するテクノアーティストの一人であるDeetron。00年代のハードミニマル全盛の時代に芽を出し、そのハードなスタイルにデトロイト・テクノにも通じるメロディアスな要素を加えた作風は、その世代の中でも個性が際立っていた。そしてハードミニマルが衰退する中で多くのアーティストが作風を変え、Deetronもよりディープかつ歌モノを手掛ける事で、時代に即しながら活動を続けている。本音でいうと当初はそのスタイルにも疑問はあったのだが、このMIXCDを聴く事でそんな変化もようやく馴染んできたのではと思う内容で、デトロイト・テクノ/シカゴ・ハウスのクラシックから現在形のトラック、果てはダブ・ステップやロックまで持ち込んでDeetronの私的な好みも匂わせ、ハードなスタイルから感情の起伏を感じさせるスタイルへの転身が結実している。出だしでいきなりジャジーな"Picadillo (Carl Craig's Breakdown Version)"を用意し、そこからスムースに透明感のあるメローなテック・ハウスへ移行、そこからファンキーなシカゴ・ハウスへと即座に展開が広がっていく。RedshapeやRippertonらのモダンなテック・ハウスもミックスし、中盤ではクラシックであるGalaxy 2 Galaxyの"Timeline"をさらりと落とし込むが、大ネタを用いながらも大袈裟になる事はなく揺蕩うようなリラックスした流れは実に大人びている。前半は4つ打ちを中心としたテクノ/ハウスが中心だったのに対し、中盤以降はパーソナルな音楽性を表現するようにバラエティー豊かに変則的に刻むリズムや癖のあるメロディーを伴うブレイク・ビーツやダブ・ステップも織り込み、Deetronのメロウで柔軟な音楽性が素直に打ち出されている。しまいには物悲しくもサイケデリックなAtoms For Peaceの"Before Your Very Eyes"も飛び出すが、そこにディープかつミニマルな"Falling The Same Way (Dommune Version)"が繋がる瞬間には、はっと息さえ飲むだろう。そしてラスト3曲ではパーティーの興奮が終息するようにがくっとテンションを落とし、しみじみとした余韻を残すシネマティックな流れでミックスは終わりを迎える。結果としてここにはかつてのハードなスタイルは殆どなく、クロスオーヴァーとでもいう柔軟かつ豊潤な音楽性があり、そして何よりもエモーショナルなムードが通底している。Deetronが製作するトラックがエモーショナルな方向に傾いている事を考慮すれば、このMIXCDもその結果として自然なように感じられるだろう。




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| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/9/27 Ron Trent Japan Tour 2014 @ Air
一般的には荒々しく粗野な音楽と認識されるシカゴ・ハウスという枠の中でも、特にアフロなリズム感と華麗なメロディー使いに長けて黒いグルーヴを生み出すRon Trent。シカゴの伝説的レーベルであるPrescriptionでの活動は今日のハウス・ミュージックに今尚多大な影響を及ぼし、そして現在進行中のFuture Vision Recordsでの音楽制作は多くのDJを魅了している。DJにおいてもそのトラックメイキングの延長線上を行く個性を発揮し、パーティーピープルを幾度となく踊らせてきたアーティストが、2年ぶりに来日を果たす。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/8/2 DAIKANYAMA UNIT 10TH ANNIVERSARY 2000 @ Unit
7月から続いているUnitの10周年記念の関連として、Unit名物の"2000"が開催。「出演者、オーディエンス、スタッフ、そこにいる全ての人がパーティーを作り上げる」というコンセプト、そして25時までに入場の場合は一律2000円とノーゲスト/ノーディスカウントで主宰するパーティーだが、その上今回はUnitではFuture TerrorのボスであるDJ Nobuがオープン〜ラストで、Saloonではdj masda × KabutoのCabaretクルーがオープン〜ラストと商業的な臭いを完全に排除した内容で無骨なスタイルを貫き、正にアンダーグラウンドな夜を演出する一夜が待ち受けていた。
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| EVENT REPORT5 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Move D - Fabric 74 (Fabric Record:fabric147)
Move D - Fabric 74
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ロンドン屈指のクラブであるFabricが送り出すMIXCDシリーズも既に74作目、ミックスを手掛けたのはDavid MoufangことMove Dだ。アーティストの面から言えば90年代のReagenz名義ではインテリジェンスなテクノを開拓し、故Pete Namlookとは実験的なアンビエントに取り組み、近年のMagic Mountain High名義ではよりロウで奇妙なハウスを試みている。その長い音楽活動をただ一つのジャンルに定義するのは難しい程に、アーティストとして多才である事は明白だ。がこのMIXCDにおいてはそんな多岐に渡る音楽性とは真逆の、フロアを意識したハウスに焦点を絞っている。幕開けはRoy Davis Jr.による余りにもエモーショナルなディープ・ハウスで始まるが、太いボトムがありながらも決して享楽的になり過ぎずに、慎ましい世界観にインテリジェンスを感じる。そこからもしっとりした音質をベースにファンキーな歌モノやソウルフルなハウスで、熱狂的ではなく穏やかな微熱で包み込むような音が続くが、中盤では幾分か昂揚するパーティー感を演出するように開放的なサウンドが増えていく。しかしやはり安定感、継続感のあるハウスの4つ打ちを頑なに守り、決して道を外すような独創的なミックスは行わずにハウスに収束する。思い出すと2年前にパーティーで彼のDJを聴いた時には、ハウスだけでなくディスコやエレクトロなども巧みに混ぜながらパーティーを盛り上げるプレイだった記憶があるが、このMIXCDでは敢えてハウスに焦点を絞っているのが意外に思える。アルバムの後半に進むと再度しっとりとしつつリズムは落ち着きを取り戻し、深く潜って行く厳かで流麗なディープ・ハウスへと回帰し、儚くも夢の世界にいたような余韻を残してミックスは終了する。作曲家としての多才さとは真逆のハウス一本に絞った本作は確かにMove Dの個性を感じ取るのは難しいだろう。しかし90年代のクラシカルなハウスと、またJuju & JordashやSmallpeopleなど近年のモダンなハウスまでが自然に編み込まれ、最初から最後までメロウな聞かせる音で貫き通した事でセンチな感情に浸れるのは請け合いだ。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/3/22 C.E, The Trilogy Tapes & Unit present Kassem Mosse @ Unit
ベルリンのWorkshopと言えばReagenzやLowtec、Marvin DashやMove Dなど一癖も二癖もあるディープ・ハウス系のアーティストを手掛けて、アンダーグラウンドシーンでは脚光を浴びているレーベルであるが、今回はその中でもライブ活動に定評のあるがKassem Mosseが来日。Workshopのみならず本人名義のGunnar WendelではデトロイトのFXHE Recordsからも作品をリリースするなど、その音楽性は所謂ロウハウスの方面からも注目を集めている。そして日本からは過去のKassem Mosseの来日公演にも参加したDJ Nobuが再度参戦、そして普通のテクノセットではなく普段とは趣の異なるセットを披露すると言う事で期待値の高いパーティーに足を運んだ。
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| EVENT REPORT5 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Hell - Kern Vol. 02 (Tresor Records:KERN002CD)
DJ Hell - Kern Vol. 02
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現在のテクノシーンの中心地とも言えるベルリン・テクノは多様性とアンダーグラウンド性を伴いつつ隆盛を誇っているが、昔からのジャーマン・テクノのファンにとってはベテランでもありInternational Deejay Gigolosを主宰するDJ Hellも馴染み深いのではないだろうか。本作はベルリンの重要なテクノレーベルであるTresorが新たにスタートさせたMIXCDシリーズ「Kern」の2作目で、DJ Hellも単に一括りにテクノと言うだけでなくアフロ・アシッドやエレクトロ、ブレイク・ビーツ、デトロイト・テクノにインダストリアルなものまでプレイし、多様性とアンダーグラウンド性を両立させている。しかし音のムード自体は先進的と言うよりは懐古的なオールド・スクール感を打ち出されており、良い意味で言うと流行や時代感に頼る事なく自身のタイムレスかつ破茶滅茶なノリが息衝いている。出だしから管楽器の怪しいメロディーが先導する民族的な"Movements 1-4"で始まると、暗い雰囲気とレトロなビートのハウス"Quad 1"、そしてやはり暗く退廃的なエレクトロの"Club Therapy"、更にはDJ Hellのデトロイト愛を示す"War Of The Worlds"と序盤からシリアスながらもジャンルを横断した個性を見せ付ける。そしてやはり目立つのは前述のDark ComedyにInner City、Robert Hood、DBXなどデトロイト系のアーティストの曲が惜しげも無く使われている事だが、一方では近年のテクノシーンで俄に脚光を浴びるJonas KoppやReconditeの冷たいマシーンサウンドを軸にインダストリアル色の強いテクノも投入して、より暗闇の中をひたすら突き進む。DJ Hellにしては随分と生真面目で一見地味なようには聞こえるが、しかし音の古さゆえなのだろうかジャンルの幅広さ故なのか、何でもありのレイヴ的な快楽主義に覆われたところにDJ Hellの個性を感じ取る事が出来るだろう。ドイツではBerghain系のテクノが圧倒する中で、DJ Hellはそれに安易に寄り添う事なく自分の道を歩んでいる。



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| TECHNO10 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Sims - Fabric 73 (Fabric Records:fabric145)
Ben Sims - Fabric 73
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時代と共にシーンに寄り添うアーティストも入れば、そんなのはお構いなしと愚直なまでに自分のスタイルを貫き通すアーティストもいる。Ben Simsは間違いなくその後者に属するアーティストで、90年代後半のハードミニマル隆盛の時代からシーンの最前線へと飛び出し、00年代に入ってから周りがエレクトロやディープなテクノへと転身する中で、今でもスタイルを守りつつ残っている数少ない存在だ。ヒップホップのDJからスタートしたと言う彼の芸歴は本作でも活きており、3台のCDJを使用してライブミックスを行った上にエディットを施し、それらを最終的にAbletonでミックスし直した事で怒涛のハードグルーヴが渦巻くミックスとなった。ベテランからアンダーグラウンドなアーティストまで44曲にも及ぶトラックを使用し、その中には自身によるエディットを含め18曲も未発表曲が含まれていると言う事実は驚愕だが、音自体はBen Simsと言わざるを得ないどこか古臭さも残りながら野性的で図太い。執拗なまでの4つ打ちを貫きつつ矢継ぎ早にミックスされる事で、全体を通して一つの音楽となるような曲の境目も気にならない痛快なプレイだが、恐らく現在のシーンと照らし合わせるとやはり何処か野暮ったいと言うか時代から取り残されている感は否めない。しかしこの音こそがBen Simsを個性付けているとしたら、疑う事なく自身の道を歩み続ける彼の気概は本物だ。エレクトロやシカゴ・テクノのファンキーさとハードテクノのシャッフルする疾走感、そこに少々のミニマルのディープな要素も織り交ぜつつ、後半に進むに連れて草を刈り取る芝刈り機のように全てを巻き込みながら爆走するグルーヴ感の前には抗う事など出来やしない。ハードなだけの音楽には飽きつつもある当方だが、たまにこんな愉快痛快で突き抜けたミックスを聴くと何だか心が沸き立ってくる。

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| TECHNO10 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Kaoru Inoue - Etenraku (Quantonic Remix) (Seeds And Ground:SAGV032)
Kaoru Inoue - Etenraku (Quantonic Remix)

井上薫が掲示する"A Missing Myth"="(未来の)失われた神話"と謎めいたタイトルを付けられたアルバムから、その神話が未来へと続くようにリミックス作品がシングルカットされた。アルバムに収録されていた"Etenraku"は越天楽という雅楽の演目から名付けられているそうで、アフリカンな躍動感のあるパーカッションを用いながらもどことなく和の神妙な香りを放っていた。それをリミックスしたのがCitiZen of Peace名義でも活動するIgnat Karmalitoで、今作ではQuantonic名義を用いてトラベラー気質なトランス感を打ち出した音楽性を添加する事で、和の音色を含みながらもよりワールド・ミュージック的な異文化を感じさせる音楽へと昇華している。ベースとなるリズム自体がフロア寄りの4つ打ちへとなった事で当然の如く疾走感溢れるダンス・ミュージックに変わっているが、それと共に恍惚感溢れるぶっといシンセが重層的に織り込まれ体の内側からエネルギーが溢れ出るような勢いは、世界各地を旅して体験した原始的な衝動が反映されているようだ。ワールド・ミュージックと言う音楽的な相性で考えても、井上薫とIgnatの相乗効果がトランス作用として働いている。裏面にはEsoteric Movement名義で2曲が収録されているが、こちらはより井上薫らしい人間の奥底に眠る踊る欲求を呼び覚ますような、一般的なクラブ・ミュージックとは異なるも踊る為の音楽として取り組んだ成果が表れている。本人の発言では日本の伝統的な祭り音楽をモチーフにダンス・ミュージックとして制作したそうだが、人間に生来備わっている本能の解放を目指す爆発的なエネルギーは、確かにダンス・ミュージックのそれと同じものなのかもしれない。原始的で土着的な分だけむしろ本能を刺激する効果は高く、井上薫によるワールド・ミュージックへの造詣が感じられる作品だ。



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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
In The Dark : Detroit Is Back (Still Music:STILLMDCD011)
In The Dark : Detroit Is Back
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以前に比べると神格化された感もあったデトロイトの音楽に対する評価は落ち着いてきているように思われるが、それを尻目に一貫してデトロイトの魂を守り続けているレーベルも存在する。その代表として挙げられるのがJerome Derradjiが主宰するStill Musicで、レーベル自体は2004年にシカゴで生まれているものの、デトロイト周辺のアンダーグラウンドなアーティストに焦点を絞って作品を手掛けている。2005年にはデトロイト・ハウスの - 特に表舞台と言うよりは長年地下で土台を支えてきたような - アーティストの作品を収録した「In The Dark (The Soul Of Detroit)」と名付けられたアルバムを纏め上げたが、本作はタイトル通りにその続編となる2枚組のデトロイト・ハウスのコンピレーションだ。レーベルが提唱するには「デトロイトの地下クラブ、スタジオや倉庫で鳴っている音」だそうで、Delano SmithやRick WilhiteにMike Clarkらのベテラン勢から、Patrice ScottやKeith WorthyにDJ 3000などこれからの世代を担う人材まで、デトロイトのローカル色を強く打ち出したアーティストが集められている。デトロイトと言うとどうしてもベルヴィル・スリーやUR周辺に注目が集まりがちだが、本作を聴くとやはり現在の音楽制作的な面から見るのであれば世代は確実に変わってきている事を実感する。音的には世界の流れからは外れつつもエモーショナルな熱量を濃厚に煮詰め、アナログ感覚の強い温かい音質を打ち出したソウルフルなハウスを中心に纏められた本作には、デトロイトと言うブランドに頼らずとも評価されるパーティーに在るべき音楽が詰まっている。所謂クラブ・アンセムと言われるような派手な曲があるわけではないが、各アーティストの実直なデトロイト・ソウルが伝わってくる事もあり、デトロイト入門としてもお薦めしたくなる作品集だ。勿論アンダーグラウンドなデトロイト好きな人にとっては、長く愛せる作品となる事は言うまでもない。

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| HOUSE9 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2013
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。ElevenやSecoの閉鎖、関西方面ではオールナイトのパーティーは禁止となるなど、相変わらずパーティーを楽しむ人にとっては厳しい状態が続いております。その一方でOrigamiやLouverと言った新しいクラブもオープンしたり、また日本人が中心となるパーティーも増えているように思われるし、素晴らしいパーティーを作りたいと燃えているアーティストやオーガナイザーの熱い志に触れる機会があった一年でした。音楽にしても売れる量は確かに減っているものの、アナログ・レコードはその存在感を強めているし、良質なダンス・ミュージック作品も多かったと思います。で年間ベストに選んだ作品はリスニングとして耐えうる作品が中心になっているのですが、流行とかとは無縁なある意味ではベタな作品が多くなりました。結局時代に関係なく聴ける作品が自分の中で印象に残っているみたいですが、それとは別に毎週パーティーで最新のテクノやハウスを聴く事で、新しい成分を補完していた一年だったかなと。現場へ行く事で新しい音楽仲間の輪が繋がる事も多いわけで、その意味ではやはりパーティーへ足を運んで体験する事は重要な要素だったと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 13:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2013/11/23 Future Terror 12th Anniversary @ Unit
12年に渡って千葉と言う場所だけに限って開催され続けていた、正に地元密着型の叩き上げパーティーがFuture Terrorだ。DJ Nobuを中心に音楽もメンバーも変化を遂げながら、しかし千葉と言うローカル性を守りながらファンを増やし続けてきた。今年の3月にも千葉でパーティーがあったものの、既にキャパオーバー状態であったのが実情で、12周年はそんな問題も考慮して遂に東京はUnitへの初進出となった。そんな12周年のゲストにはまだそれ程知名度は高くないのだろうが、DJ Nobuが惚れ込んだMetaspliceとVrilを招致している。当方もこの2アーティストについては情報を持ち合わせていないものの、有名無名に限らずDJ Nobuが惚れ込み自信を持って勧めるアーティストなのだから、期待せずにはいられない。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/11/15 Grassroots 16th Anniversary Special LAIR @ Grassroots
先日16周年を迎えた高円寺Grassroots、その狂騒の余韻はまだまだ続いており、Kabuto主宰によるLAIRにはMoodmanとDJ Sprinkles a.k.a. Terre Thaemlitzを呼び寄せた。Moodmanと言えばジャンルに制限される事なく臨機応変に柔軟なプレイが出来るベテランであり、DJ Sprinklesと言えば古き良き時代のハウスの様式美を今に受け継ぐDJであり、そしてKabutoが揃ったとなればディープ&ドープなハウスの一夜になる事を期待されたも同然だ。
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| EVENT REPORT4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/9/8 Block Party - House Classics Set @ 0 Zero
Loopの閉店と共に2013年1月に一旦はファイナルを迎えたDazzle Drums主宰のBlock Party。幸運な事にLoopが近くへ移転し青山0(Zero)として心機一転してオープンしたのと共に、Block Partyも7月から再度歩みを始めている。このパーティーは毎月第二日曜の15〜21時開催のレギュラーパーティーだが、ハウスに馴染みのない若い世代にとっても楽しめる機会を与える場になり、また歳を重ねてオールナイトで遊ばくなった大人にとっても再度クラブに足を運ぶ機会となり、その意味ではハウス・ミュージックの魅力を実直に伝えようとする熱意が感じられる。たまには私も健康的な週末を過ごすかと言う事で、今回初めてBlock Partyへと遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/8/10 Slowmotion @ Grassroots
1996年にManiac Loveで産声を上げたSlowmotion。その当時のハードハウスやハードテクノに対抗するように遅いBMPのディープ・ハウスを基調とし、テック・ハウスやデトロイト・テクノにフレンチ・ハウスなども織り交ぜながら、アゲアゲのパーティーとは対照的に日常から続く音楽観を重視した内容だったようだ(その辺の詳しい話はこちらを参照)。それを開催していたのがMoodmanやMinoda、ライターとしても活動していた三田格と杉田元一、そして今では全国各地で活躍するDJ Yogurtらだったが、Maniac Loveの閉店後は場所を都度移しながら不定期開催となっていた。そして今回のSlowmotionはおそらく初であろうGrassrootsでの開催となり、Minoda、Moodman、Sports-Koideの3人がスローモーな一夜を創り上げる事となった。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/6/15 House of Liquid @ Liquidroom
リキッドルームの名物パーティーであるHouse of Liquidが久しぶりに開催される事になり、そこに国内外で活躍するディープ・ハウスのアーティストが集結した。フランスからは唯一無二の個性を発する変態系トラックが評判高いPepe Bradock、UKからは野外レイヴから小さな小箱まで沸かしてきたNick The Record、そして日本からはどんなパーティーであろうと自由自在に対応可能な奥深さを見せるMoodman、三者三様のハウスを体験出来るこの上ない一夜だ。
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| EVENT REPORT4 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Nobu - Crustal Movement Volume 01 - Dream Into Dream (tearbridge records:NFCD-27349)
DJ Nobu - Crustal Movement Volume 01 - Dream Into Dream
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日本のアンダーグラウンドを地で行きながら、千葉と言うローカルの地にて熱狂的なFuture Terrorを長年に渡り主宰する事でいつしか日本各地のテクノリスナーを虜にしたDJ Nobu。海外の人気DJとパーティーに出演する時も臆する事なくゲストに負けない爆発力のあるプレイを披露し、日々新たなファンを獲得しているように思われる。本作は国内の3人のDJによって同時に3枚リリースされたシリーズの内の1枚だが、その中でもアーティストに期待している音からは想像出来ない程に変容を遂げた衝撃的な作品となっている。DJ Nobuに対しては昔からのファンであればハウスの時代を思い出すであろうし、近年ではベルリンに接近したハードなテクノを好んでいる印象だが、本作は所謂普通のダンス・ミュージックの類ではない。いや、確かにテクノでもあるがドローンやノイズにミュージック・コンクレートやインダストリアルなど電子音響系と呼ばれるような作品が中心だ。今思うと少し前からDJ Nobuのプレイをクラブで聴く時に何かいつもと異なる違和感を感じる事があったのだが、もしかしたらその時から既に試行錯誤しながらフロアで新機軸の実践をしていたのかもしれない。本作ではヴァイナルでのラフな爆発力を生むプレイではなく、Abreton Liveを用いる事により前述の実験的な音楽を緻密に組み立てる事で、ミックスと言うよりはコラージュと呼ぶべき音の切り貼りをしている。制約と言う殻を破った曲だからこそ使い方は難しくなるが、果敢にも彼の個性であるひりつくような緊張感は保ちつつも電子音の自由な創造性と弄れるように、無機質で淡々としながらも変化に富んだグルーヴを紡いでいる。例えばシンプルなループを用いた4つ打ちの音楽が肉体を踊らせるものであれば、ここで聴けるトリッピーで歪んだ音の羅列は神経や脳髄を刺激するもので、ある意味では体を小刻みに痙攣させるような痺れる電子音の世界が広がっているのだ。もしクラブでのDJ Nobuのプレイを期待しているとしたら最初は違和感を抱くかもしれないが、しかし本作は自身のアーティスト性を塗り替える事に成功した自己啓発な作品であり、そして単純にかっこいい。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF (tearbridge records:NFCD-27351)
Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF
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最初に断言しておくとこのアンダーグラウンドなダンス・ミュージックを様々なスタイルで纏め上げた"Crustal Movement"シリーズは、MIXCDが良くも悪くも大量に生産されるこのご時世において決して安い値段ではない。がミックスの技術からメジャーでリリースする事によるライセンス許可の取得、そしてマスタリングまで手抜き無しに仕事がされている事を考慮すればこその価格であり、実際に聴き終えた後にはその価格に見合った内容であると理解出来た。このシリーズは国内の3人のDJによって同時に3枚リリースされたのだが、今日紹介するのはジャンルに囚われる事なく振り幅を敢えて持ちながら時代を駆け抜けてきたMoodmanが手掛けている盤だ。本作が面白いのはもう15年以上も前のJohn BeltranとTerraceの曲である往年のインテリジェンス・テクノから始まり、そしてKirk Degiorgioのリミックスへと続いて行く事だ。序盤にしていきなり90年代前半を象徴するスタイルが出現するが、実はそれ以降はここ2~3年の作品で纏められており、特に後半は近年のダブ・ステップがそれ自体を強く主張させる事なく自然と並んでいる。インテリジェンス・テクノ、ブロークン・ビーツにダブ・ステップ、ディープ・ハウスやエレクトロニカと小刻みに曲調は変わっていくのだが、不思議とその直列には違和感はなく自由奔放なビートの組み合わせが各所に散りばめられているのだ。恐らく本人もインタビューで述べているように曲としてではなく素材/ツールとしてデジタル的なミックスを行った事がそれを可能としているのだろうが、曲自体が存在感を主張しない為にBGM的な平たくスムースなムードを生み出し、何時の間にか聴き終わっているような心地良さが発せられている。とてもさり気なく過去から現在へと繋がりを聴かせる知的さ、そして今と言う時代の空気も取り込んだ洗練さを兼ね備え、大人の余裕さえ漂う音にただただうっとり。

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| HOUSE9 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/4/27 CLUB MUSEUM 10th Anniversary! 『HOUSE OF GOD』 @ Unit
CLUB MUSEUM10周年記念パーティーは、SurgeonがUKはバーミンガムで開始したパーティー『HOUSE OF GOD』の20週年記念との合同開催。よってそれに関係するアーティストが招致され、Surgeonを筆頭にHOGの設立者であるTerence Donovan、またそのMCであるChris Wishart、そしてSurgeonの長年の盟友であるRegisと、ハードなテクノに魅了された人間を刺激するアーティストが集結した。
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| EVENT REPORT4 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Aril Brikha - Definition Of D (Art Of Vengeance:AOV 006)
Aril Brikha - Definition Of D
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デトロイト・テクノのファンの心を虜にするスウェーデンから届けられるAril Brikhaの音楽は、今その活動に於けるピークを迎えているのかもしれない。00年代は黙々とかなりのんびりとした活動を行なっていたが、2010年以降は自身でArt Of Vengeanceを立ち上げ精力的に新作をリリースし、トラックメーカとして邁進しているようだ。タイトル曲の"Definition Of D"はこれぞAril節と呼ぶべきメランコリーなテック・ハウスで、細かく揺れ動くシンセのリフは半ばトランシーでもあるがこの陶酔感は言葉を飲む程に美しい。ハイハットやキックが丁寧に組まれた4つ打ちは見事に疾走しているし、非の打ち所など見つからない極上の深遠な世界が広がっている。裏面には"People Mover"と"Shifting Gear"が収録されているが、これらはタイトル曲に比べると幻想的ではありながら浮揚するトランシーさは控え目で、パーカッシブなリズムトラックが無骨で野性味溢れる力強さを打ち出している。しかしその中にも繊細なシンセのメロディーが差し込んでくると、やはりArilらしい叙情的なエレクトリック・ソウルがあるのだと再認識させられる。もはや金太郎飴的な作品のリリースが続いているが、自身の音を完全に確立させていると解釈するべきであろうし、この作風が好きな人は一生着いて行いけるだろう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/1/5 KMS RECORDS "TRIBUTE TO DETROIT" @ Air
2013年も遂に始まりましたが、その一発目のパーティーはデトロイトテクノのベルヴィル・スリーの一人であるKevin Saundersonが登場。Juan Atkinsがオリジネーターであり、Derrick Mayはイノベーターであり、そして一方Kevin Saundersonはと言うとエレベーター、つまり売り上げ的な面も含めて最もデトロイトテクノを高みに上がらせたアーティストです。コマーシャルな作風ではありつつもテクノ/ハウスの両面でヒット作を量産し、メジャーへ殴り込みを掛けたその功績は疑うべくもありません。そして今回は彼が主宰するKMS Recordsをフィーチャーしたパーティーと言う事で、日本からもデトロイト・テクノ/ハウスに造詣の深いSTEREOCiTIやDifferent World(Claude Young & Takasi Nakajima)らが招かれ、デトロイト好きには堪らないパーティーが開催されました。
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| EVENT REPORT4 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/12/15 Kenny Dope & DJ Spinna present ANYTHING GOES Japan Tour 2012 @ Eleven
普段はテクノやハウスのパーティーばかりに踊りに行っている私ですが、昨日は珍しくKenny Dope & DJ Spinna、そしてDJ Kenseiが出演するヒップホップ系のパーティーに足を運んできた。勿論ヒップホップだけならばわざわざ聴きに行く事はないが、彼等がそれ意外にもソウル/ファンク/ハウス/ポップスをプレイする事の出来るDJであり、つまりはAnything Goesな音楽を楽しめるパーティーを期待していたからである。
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| EVENT REPORT4 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/6/23 SALSA SOURCE @ Unit
UNITのHPからの引用では、SALSA - 其れはスペイン語でソースだったりダンスだったり、はたまた楽しさ・面白さを意味する言葉。日本のアンダーグラウンドなクラブミュージックの、そしてテクノ/ハウス/ヒップホップ/ファンクなどの格分野のDJ/アーティストが、一斉に集結した正に色々なSAUCE(SOURCE)が混ざり合うパーティー、それがSALSA SOURCE。UNIT、UNICE、SALOONの3箇所のフロアを使用し360度全方向型のパーティーは各フロアが人でごった返す程に充実したパーティーとなりました。
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| EVENT REPORT3 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/04/14 SIGNATURE vol.02 @ Sound Museum Vision
Sound Museum Visionと言う大型クラブだからこそ成し得るパーティーがあるとしたらやはり豪華なブッキングを突き詰める事だと思うが、その端的な例が今回のパーティーではなかろうか。デトロイトからテクノとラテンを融合させたライブを行うLos Hermanosを招致し、日本からは若かりし頃にデトロイト・テクノに魅了されたKen Ishii、デトロイトの叙情的な音楽感とも共通する方向性を持つHiroshi Watanabe、そしてデトロイトテクノを愛するTakamori K.が出演すると言うフェスティバルに勝るとも劣らない素晴らしいアーティストが集結した。
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| EVENT REPORT3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kevin Saunderson In The House (Defected Records:ITH43CD)
Kevin Saunderson In The House
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来日目前にしてデトロイト御三家の一人・Kevin Saundersonの5年ぶりのMIXCDが、なんとハウスレーベルではメジャーとも言えるDefectedよりリリースされました。originaterであるJuan Atkins、innovatorであるDerrick Mayと比べるとSaundersonの知名度は日本に於いても低い様に思われますが、elevatorとして認められる彼の功績は其の実三人の中で最も売上を伸ばした事であります。特にInner City名義によるソウルフルな歌物ハウスはデトロイトと言う枠組みを越えてメジャーシーンに於いても大ヒットし、前述の二人がテクノを開拓するのに対しSaundersonは徹底的にハウスに拘りデトロイトの知名度を上げるのに貢献していたのではないでしょうか。逆に言うと(今回もDefectedと組んでいるし)結構商業的な面は否めないのですが、その分だけDJプレイについては比較的広い層に受ける大箱向けの大味なセットも得意で盛り上がるのだと思います。ただ以前はトライバルかつハードなテクノ中心でズンドコと上げ目なプレイをしていた彼も、本作ではDefectedとの絡みの影響もあるのかスピード感は抑えてハウシーな要素の強いトラックで焦らすように低空飛行を続けるプレイを披露しております。00年代のハードテクノの終焉と共に時代に合わせて変化したのか、そんな点も含めて上手くシーンに適応する才能はやはり御三家の中では一番ですね。そして一番の醍醐味は躊躇なく自身のクラシックや現在ヒットしている曲をプレイする事で、本作に於いてもリリースしたばかりの"Future"や"Good Life"の2011年バージョンを回すなど、焦らしてからのタイミングを測ってお祭りの如く盛り上げるプレイが特徴です。どうせ派手にするなら硬めのテクノも織り交ぜて突き抜けても良かったんじゃないかと思いますが、Inner Cityでの活動はハウスである事を考慮すると本作に於いてもハウス中心なのは何もおかしくない訳ですね。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/3/10 Move D JAPAN TOUR 2012 @ AIR
今週はMove DことDavid Moufangのジャパンツアーが予定されておりましたが、その一つであるAIRでのパーティーにはSTEREOCiTIやDJ Nobuが一緒に参加する事になっていたので、面白そうな一夜になると確信し遊びに行ってきました。David Moufangと言えば16年前のReagenz名義でのアルバムが素晴らしいアンビエント作品なのですが、最近ではMove D名義でPhilpotやWorkshop、Uzuri等から有機的でメランコリーなディープハウスをリリースしており一体どんなDJを披露するのか、そして他の日本人もMove Dを意識したセットを披露するのかと興味深い一夜でありました。
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| EVENT REPORT3 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Jackin' House Beatz Edited and Mixed by NEBU SOKU (KSRCorp.:KCCD-474)
Jackin' House Beatz Edited and Mixed by NEBU SOKU
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"Jackin'"と言う言葉が冠されたタイトルならば条件反射で反応してしまうのは、シカゴ・ハウス好きな人の性。ハウス、特にUS西海岸ハウスやシカゴ・ハウスへの実直な愛情を表現しているKai Ishikawa & MEGUMILKによるNEBU SOKUが、"Jackin'"なハウスをコンセプトにしたMIXCDをリリースした。内容を語る前に先ずは"Jackin'"が何であるかを説明せねばならないが、昔のハウス・クラシックスに於いてはある種のステータス的にタイトルや歌詞で使われていた言葉だ。ライナーノーツにはKai Ishikawaによる解説がなされているので参考にして欲しいが、自分はクレイジーな猛威を奮う感覚的なモノだと捉えている。またはハンマーで叩かれたように痺れる感覚があり、黒いファンキーさを伴う中毒的なモノでもあるかもしれない。人によって感じ方は異なるだろうが、そこに何か共通する事があるかもしれない。それを解読する為に内容に移ろう。本作では幕開けから飛ばしまくっていて、ピアノやホーン等と熱の入った歌のオーガニックな面とド派手なサンプリングの面を生かしたハウスを中心にヒップホップやディスコ、ラテン、ロック等様々な要素を垣間見せながら疾走する。73分に36曲を詰め込んだメガミックス的な展開は息をつく暇もなく行き先も見えぬまま突っ走るが、ファンキーな跳ね感に妖しいエロスやソウルフルな情熱、洗練された洒脱な感覚もあったりとジャンルと共に様々な空気が入れ代わり立ち代わりで注ぎ込まれていく。自分は中盤以降のちょっとセンチメンタルにしっとりした音が出てくる所から終盤までの流れが気に入っているが、腰を揺らすグルーヴ感は徹頭徹尾貫いている。つまり本作は汗を伴う肉体感のパーティー・ミュージックである事を主張しており、それこそが"Jackin'"な音楽なのであろう。



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| HOUSE7 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2011/10/7 SOULPHICTION @ Eleven
ドイツの地下ディープハウスを切り開いてきたレーベルPhilpotの頭領・Soulphiction aka Jackmateが来日。Philpotはデトロイトやシカゴの意匠を受け継ぎながらもヨーロッパの洗練も兼ね備えたレーベルで、音的には自分の好みと言う事もありSoulphictionのプレイを聴きに行ってきました。
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| EVENT REPORT3 | 10:30 | comments(0) | - | |
Dionne - Back On The Planet (Smallville Records:SMALLVILLE23)
Dionne - Back On The Planet
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2006年ドイツはハンブルグで設立されたLawrenceらに依るレーベルかつレコードショップ・Smallville Recordsは、まだまだ歴史は浅いながらもMove DやSTLなどのミニマルハウス〜ディープハウスに長けたアーティストを擁し、注目を集めるレーベルの一つとなっております。Just von AhlefeldことDionneもそんなレーベルの共同運営者の一人で、同レーベルからは2枚目となるアナログをリリースしております。ムーディーでジャジーな音楽に注目していると言う彼等の言葉通りに、Dionneの新作、特に"Back On The Planet"はまるでLarry Heardの"Can You Feel It"の再来と言っても過言ではないかもしれません。素朴で乾いたTR-909風なキックやハットのリズム、アシッディーなのに優しいベースライン、崇高にさえ感じられるエモーショナルなシンセストリングスの調べは、単純な旋律の反復なのに尚叙情を喚起させるあの名曲と同じ空気を纏っております。そして裏面にはハンドクラップを使用した古き良き時代のシカゴ・ハウスを意識した"What You Are"と、ミニマルな展開とミステリアスな雰囲気が深みにはまらせる"Capsule"の2曲を収録。全てにおいて言えるのは古典主義なシカゴ・ハウスを下敷きにしつつ、綺麗に纏め上げたモダンな作品でありレーベルの方向性を端的に表しているのではないでしょうか。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks (Studio !K7:!K285CD)
Motor City Drum Ensemble - DJ Kicks
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タイコクラブへの出演が決まっていたにも拘らず、東日本大震災の影響で来日がキャンセルとなったMotor City Drum EnsembleことDanilo Plessowでしたが、その穴を埋めるには十分な作品がリリースされました。Studio !K7の長らく続く名物MIXCDシリーズの最新作としてMCDEが抜擢された訳ですが、これが予想以上に幅広いジャンルを詰め込でおり、まるでダンスミュージックの歴史を掘り返すと言っても過言ではないような気がします。年代で言えば1977〜2011年までの34年を横断し、Sun Raのスピリチュアル・ジャズで始まりRhythm & Sound(Basic Channel)のレゲエで黒い泥沼に嵌り、Mr. Fingers(Larry Heard)の垢抜けないローファイな初期シカゴハウスの温もりに包まれる。そしてFred Pの華美なディープハウスもあればRobert Hoodの芯の強いミニマルテクノも通過し、笹暮だったファンキーなMotor City Drum Ensembleの新曲の後にはAphex Twinのメタリックなアンビエントで冷水を浴びせられる。ラストにはフュージョン・ソウルの傑作"Sweet Power, Your Embrace"が待ち侘びて、ほっこり酸いも甘いも噛み締めるボーダレスな選曲。しかし特筆すべきはMCDEが創り出す世界観の統一で、年代に差はあれど根底にはブラックミュージックの生温かい血潮が通っており、ジャンルとしての多彩さは感じられてもその幅の広さ程には違和感が無い事にMCDEの音楽への造詣の深さが伺えます。色々詰め込み過ぎてクラブ直結MIXCDと言うよりはコンピレーション的な印象もありますが、どんな音も黒く染め上げる手腕はTheo Parrishとも通じる物があり、ビートダウンな展開をじっくりと味わえる好内容ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
DJ Mark Farina - Mushroom Jazz 7 (Mushroom Jazz:MJ-010)
DJ Mark Farina - Mushroom Jazz 7
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合法的に白昼夢に溺れる音楽、その名もマッシュルームジャズ。間違いなくいかがわしい意味から付けられたであろうこのMIXCDシリーズも、通算7枚目。楽天的なシーンであるアメリカ西海岸ハウスの先駆者・Mark Farinaがハウス、ヒップホップ、R&Bなどをレイドバックさせて紡ぐ夢の1時間。艶めかしい質感を伴うセクシーでメロウなトラックを、ゆるゆると気怠いジャジーグルーヴで紡ぎ合わせた全編ダウンビートな極楽浄土への鈍行列車片道切符。ピアノやサックスの渋くもメロウな響き、緩くもしっかりと地に根ざしテンポよく刻まれる横に揺れるグルーヴ、スペーシーかつセクシーな歌物などが入り乱れ、徹底的にサンフランシスコの開放感や燦々と太陽光の降り注ぐ楽天的な雰囲気を表現する。昼間にかければリラックス出来るお茶の間のBGMとして、真夜中にかければラグジュアリーなシーンを演出するアダルト向けの音楽として、朝から晩まで24時間全時間帯に気持ち良く作用するマッシュルーム。本物のキノコはやっちゃだめだけど、これは幾ら聴いても合法的に作用する。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/2/20 moved @ The Room
日曜日の夕方ですが、渋谷のThe Roomで注目しているDJがプレイするんでちょっくら遊びに行ってきました。その人こそ日本人で唯一ドイツMojubaから作品をリリースするSTEREOCiTI。Mojubaからは深淵なるディープハウスを送り出し、その成果が認められPanorama Barにも早くから招致され、国内外問わず現在注目すべきアーティストの一人です。
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| EVENT REPORT3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Plan - D. Part Vol.1 Innerspace (Submerge Recordings:SUBCD-3022-2)
The Plan - D. Part Vol.1 Innerspace
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昨年末からアマゾンでもデジタル配信が開始されておりますが、URとも交流の深いデトロイトのレーベル・Submerge Recordingsの音源も続々デジタル化されております。本作はMike Banksも賞賛しているCliff ThomasとJon MacNishの二人から成るThe PlanのMIXCDで、リリース自体は2007年なのですが目出度くデジタル化されました。デトロイトの新世代が取り組んだだけあって、デトロイトテクノ/ハウスのクラシックを惜しみなく使用した豪華な選曲ですが、プレイ自体は35曲も使用しているだけあって矢継ぎ早に曲を被せまくってファンキーな面が目立ちます。デトロイトの暗く狂気なエレクトロの面も、琴線を震わすエモーショナルな面も、未来指向なハイテックな面も、黒人音楽から生まれた熱いハウスの面も、デトロイトの根源の一部でもあるKraftwerkの音も、ありとあらゆるデトロイト関連のダンスミュージックを詰め込んだ疾走感溢れるテクノセットで若々しい力を感じさせます。音自体の目新しさは感じないけれど、逆にここまでデトロイトミュージックに入れ込んだMIXCDも珍しいし、怒涛の勢いでミックスされたファンキーなプレイなので一聴の価値ありですね。

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| TECHNO8 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/11/02 E-NAUT @ Eleven
E-NAUT、それはMade In Japanを掲げる国産電子音楽をショーケース。世界に誇れる日本の電子音楽を十分に味わってもらおうと言うコンセプトを重視した非常に意義のあるパーティーで、今回は最も早く日本から世界に飛び出したKen Ishiiと、そしてアンダーグラウンドを地で行くDJ Nobu、そして今年大躍進中のDJ Yogurt & Koyas、新鋭Shotaro Hirata、このパーティーを主催するTakamori.Kが集まりました。
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| EVENT REPORT3 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Surgeon - Fabric 53 (Fabric:fabric105)
Surgeon - Fabric 53
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UKのマット・デーモンとも呼ばれる(嘘です)Anthony ChildことSurgeon。眼鏡を掛けたその知的な見掛けとは裏腹に、彼の繰り出す音は暴力的でサドスティックなインダストリアルテクノが特徴。流行に振り回される事なく一貫したハードな美学を持ちつつも、このFabricシリーズの最新作ではダブステップも取り込んだ上で相変わらずのハードな音を鳴らしておりました。もっとも彼自身も数年前からダブステップには接近していたので本作への流れも違和感は無いのですが、ダブステップのみならずデトロイトテクノやミニマルも使用し、相変わらずの幅の広さ故の面白さを感じさせてくれます。跳ねと疾走間に溢れたグルーヴ、中にはメランコリックな流れもあり、そして強靭で厳ついハードな音は確かにSurgeonの専売特許。雑食性がありつつもハードな音の統一感は流石その筋のベテランであり、Jeff Mills以降のハードミニマルの分野を率先して開拓して来た人物だけあります。かつて多くのハードミニマリストが路線変更を必要としたのに対し、Surgeonの視点に今も昔もブレは全くありません。信頼のおけるアーティストとは、かくあるべき。

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| TECHNO8 | 09:30 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Mogwai - Special Moves (Rock Action Records:ROCKACT48CD)
Mogwai - Special Moves
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今年のMetamorphoseでも感動的なライブを行ったそうな(自分は遠くで横になりながら聴いていたので、朧げにしか聴けず)UK屈指の轟音ギターバンド・Mogwai。10年前のフジロックで彼らのライブを体験した際は、余りに圧倒的なギターのノイズに包まれて観客の殆どが棒立ち状態と言う不思議な瞬間を体験したのですが、きっと今年のメタモでも同様の状態だったのでしょう。そしてそんな感覚を体験出来るのがこのCD+DVDのセットになったライブ盤で、内容は2009年のNYでのライブ公演をまとめた物となっております。轟音ギターバンド…しかしながら五月蝿いだけじゃない、ノイジーなだけじゃない。どこまでも攻撃的でありながら甘美な旋律を奏でる轟音ギターが空間に充満し、怒りとも悲しみとも似通いながらも異なる感情が止めどなく溢れ、聴く者は甘美なノイズにまみれて意識も融解する。まるでギターノイズの広大な海を彷徨う様に意識はふらつき、そして何時の間にか恍惚への極みへと達する瞬間がやって来る。感情ダダ漏れなある意味コテコテな印象もあるけれど、全くの静寂の間から怒号の如く爆発する瞬間への切り替わりのダイナミズムや、轟音ギターに埋もれないでしっかりとした音圧を感じさせるドラムやベースの主張もあり、単に音がバカでかいだけのロックバンドとは異なるテクニックなども持ちあわせているんですね。DVDを見ると膨大な数のフットペダルがあり、きっと様々なエフェクトを駆使してこの様な轟音ギターを産み出しているんだなと想像してしまいます。あぁ、やはりメタモでしっかりと聴いておけば良かったなと後悔も今更感じてしまいましたが、その穴埋めはこのライブ盤で。

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| ETC3 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Autechre - Move Of Ten (Warp Records:WAP505CD)
Autechre - Move Of Ten
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3月にアルバム"Oversteps"(過去レビュー)をリリースしたばかりのAutechreが、半年と間を空けずにEPをリリース。アルバム製作時の後半でライブの準備を行う過程で出来上がったトラックが中心との話ですが、それも納得の内容。アルバムが静だとしたら本作は動。一聴して上物の音などは確かにアルバムと同じネタを使用していて冷たく無感情で世の末の様な退廃美を感じさせますが、更には刺々しい歪なリズムが前面に顔を出しインダストリアルな印象が再度戻ってきた印象を受けます。確かにライブを意識した攻撃的で躍動感のあるトラックが多く、中にはかつてのヒップホップのビートや4つ打ち蘇えらせたトラックもあるのですが、しかしそう簡単には踊らさせてくれない(※4つ打ちトラックは除く)のがAutechreの弄れた所。欲を言えば上物はそのままでもっとシンプルな4つ打ちトラックも聴いてみたいなと思うけれど、それは求められてはいないのかしら。まあEPとは言え50分近くもあるし、同じプロセスから異なる目的で作られた音を楽しむと言う意味では、アルバムと比較しながら聴くと面白いのかも。

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| TECHNO8 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Kode9 - DJ-KiCKS (Studio !K7:!K7262CD)
Kode9 - DJ-KiCKS
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ダブステップのシーンで一躍トップに躍り出たBurialですが、そのBurialをデビューさせたのがKode9が主宰するHyperdubでありまして、つまりはKode9こそBurialの後見人と言えるでしょう。Kode9の作品自体は聴いた事が無いので何とも言えないのですが、Hyperdubのリリース暦を見る限りでは決してダブステップだけに固執している訳でもなくテクノやディープハウスからヒップホップやレゲエまでリリースしており、Kode9の音楽性も単純にダブステップだけと言うのでもなさそうです。それは彼にとって2枚目のMIXCDとなるこの!K7からの名物MIXCDシリーズ"DJ-KiCKS"を聴けば分かる通りで、ブロークンビーツで幕開けしダブステップのみならずグライム、ダンスホール、レゲエ、エレクトロなどを自由自在に渡り歩いて行く音楽性があります。緩急を付けて非常にすっきりと軽快な -しかし軽くはない- 素早く変化して行く多種多様なリズムは野性味に溢れているし、そしてなによりテクノと邂逅が進むダブステップが多い中で、Kode9はむしろルーツミュージックと共に歩みを進めているようです。MartynやScubaがテクノを取り込みシリアスで洗練を伴う路線を進むのに対し、Kode9は悪く言えばチープだけれどもダブステップの初期衝動が感じられ、ジャマイカの臭いさえも漂よわせます。美しいと言うより卑猥でファンキーな、そして非常に生臭い。

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| ETC3 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2010/08/06(FRI) ene presents The Backwoods 1st Album "The Backwoods" Release Party @ Eleven
DJ : The Backwoods aka DJ KENT
Guest DJ : 5ive
Live : Kaito Exclusive Live & DJ Set, 9dw

2010/08/09(MON) 月光 @ Grassroots
DJ : Hikaru, DJ Yogurt, Q

2010/08/13(FRI) HEY MR.MELODY vol.100 @ Bar MOVE
DJ : Altz, ミスターメロディー, Yakenohara, タカラダミチノブ

2010/08/14(SAT) Ostgut-Ton presents Sound of Berghain @ Eleven
DJ : Marcel Dettmann, DJ Nobu
Live : Shed

2010/08/21(SAT) SATURN -CLUB SEATA SUMMER PARTY- @ Club Seata
Live : The Sunpaulo, DJ Yougrt & Koyas
DJ : Hiroshi Kawanabe, KEIZOmachine!, W2+Buppa.9 a.k.a 4039, Anthony

2010/08/28(SAT) Raid @ Unit
DJ : Altz, DJ Kensei, DJ Nobu, Shinya
Live : Dachambo, Soft, Fran-key, Crystal & Roger, Rub-A-Dub Market, Green Green, ngoma, DJ Duct
| UPCOMING EVENT | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Thomas Fehlmann - Gute Luft Remixe (Kompakt:KOM 213)
Thomas Fehlmann - Gute Luft Remixe
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今年アルバムをリリースしたベルリンテクノの重鎮・Thomas Fehlmannが、アルバムからリミックスをカット。リミキサーにはビートダウン系を得意とするSoulphictionと、Reagenzの一員でもあるベテランテクノアーティスト・David MoufangことMove Dが参加。Soulphictionのリミックスは完全に彼の作風に変化していて、闇の奥底でシンセがざわめき艶めかしいパーカッションが湿度を高め、妖艶な雰囲気を醸し出すビートダウンハウス。原曲の痕跡が跡形もないようなリミックスではありますが、Soulphictionの味が出た絶妙なリミックスだと思います。Move Dは2曲リミックスを提供しておりますが、滑らかで浮遊感のあるテックハウスに仕上げた"Softpark"が秀逸。柔らかな心地良いシンセの反復がリードする中、色々な音も細かく配置して少しずつ展開を作っていき盛り上がって行きます。嫌味でないエレガントな佇まいもあり、如何にも現代的なモダンな作風でこちらも素晴らしいです。

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| HOUSE5 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/05/30 SOLAR FREQUENCY @ お台場青海シーサイドコート
肌寒い天候の中、宇宙から帰還した(と言う設定になっている)Jeff Millsを聴きにSOLAR FREQUENCYに行ってきました。パーティーの趣旨は2012年東京の金環日食に向けてカウントダウンをするとかそんな感じですが、ようは野外フェスで音楽を楽しもうって感じです。今回は野外フェスと言う緩い環境や、友達と行ってぐだぐだ飲んで酔っぱらってだらだらと音楽を聴いていたので、レビューもさくっと。
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| EVENT REPORT2 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Koss - Ocean Waves (Mule Electronic:Mule Electronic 68)
Koss - Ocean Waves
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高橋クニユキが実験的な音を追求するエレクトロニックユニット・KossのリミックスEP。収録曲全て"Ancient Rain"(過去レビュー)から"Ocean Waves"のリミックスとなっておりまして、どれもよりクラブ仕様な調理がされております。クニユキ自身による"Return To Ring Mix"は、マリンバが瞑想的な世界を演出するスローなディープハウス。煙がモクモクと立ちこめるように視界は遮られ、暗く深淵な洞窟へと誘われるようなアンビエンスでもあります。もう一つ"Mercury Dub"もクニユキ自身のリミックスで、こちらはトランス風な上物がサイケデリックに響くダンストラック。淡々と、そしてじわじわとエクスタシーを誘発するトリッピーなリミックスですね。で今回ぶっ飛んだリミックスを提供してくれたのがMinilogue。"Minilogue Moves The Waves To The Woods"は10分以上に及ぶ長尺なトラックで、潜水艦の中で金属音が乱反射するようなサイケデリックでミニマルでダビーなテクノを披露。多段に反射するエコーが最高に気持ち良くて、なのにドロドロした不気味な感覚もあり、恍惚と不安の狭間を彷徨う様です。これはクラブで聴いたら相当ヤバイ事になりそうな予感。

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| TECHNO7 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2000 And One - Voltt 2 (Voltt:voltt002)
2000 And One - Voltt 2
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デトロイトラブなシーンが存在するオランダの中でも、特に歴史が長くデトロイトテクノの影響を受けている(最近はそうでもないようですが)レーベルが"100% PURE"。豆知識ですが"100% PURE"からはDerrick Mayも作品をリリースしていたんだけど、Derrickは勝手にリリースされたとかで両者が揉めていたそうです。その"100% PURE"を主宰している2000 And OneことDylan Hermelijnが、20年にも及ぶ活動を経て遂に初のMIXCDをリリース。が内容はここまでの説明通りのデトロイト色は無く、Cadenza、Desolat、Oslo、100% PURE傘下のRemote Area音源などのハードではないタイプのミニマルテクノが中心。序盤は乾いたパーカーションが空虚に響くミニマルでフラットな展開を作り、時折声ネタなどと使いつつ上げもせず下げもせずじわじわと。そして中盤からようやく流麗なシンセのメロディーが入るトラックが増えてきて、妖艶な色気が空間に満ちていきます。そこからはCadenzaらしい神秘的な華麗さとファンキーなリズムで終盤まで上げたテンションを保ち、最後にはLucianoのエスニックと耽美さが合わさった不思議な感覚の"Conspirer"でドラマティックにクローズ。今流行のミニマルを十分に堪能出来るのではないでしょうか。

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| HOUSE5 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Four : Twenty Recordings Presents Music : 03 (Four:Twenty Recordings:four:mix002)
Four : Twenty Recordings Presents Music : 03
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デトロイトのPlanet-Eからの作品や"% Black"シリーズでの奇天烈でディープなミニマルトラックで注目を浴びたGlimpseが、ブリストルのテクノレーベル・Four:Twenty音源を使用しミックス&エディットを行ったMIXCDが発売。Four:Twentyと言うレーベルは初耳ですが、Loco DiceやMartin Buttrichらも作品をリリースしているからミニマル/テックハウス系なのでしょうか。ここでは27曲を使用しながらも8つのセクションに分けられており、滑らかで自然な流れでありながら早々と景色が移り変わるような展開があり、一時さえも目を離せないプレイを披露しております。基本は透明感と恍惚感の強いシンセが鳴るディープなテックハウスが中心ですが、音の統一感がしっかりある割には飽きが来ないのは、やはり多くのトラックを詰め込み展開を調子良く作ったおかげでしょう。廃退的で暗めのムードの中にもしっとり聴かせる叙情があり、それがロマンティックな煌きになる瞬間もあり、リスニングとしてとても心地良い空気を生み出していると思います。そしてがっつり踊るだけがテクノではなく、こんなアダルティーで色気のあるテクノも真夜中のフロアで聴いてみたいですね。

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| TECHNO7 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Cox - Global Underground GU38 Black Rock Desert (Global Underground Ltd.:GU038CD)
Carl Cox - Global Underground GU38 Black Rock Desert
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UKテクノシーンにおいて絶大な人気を誇るDJ・Carl Coxの最新MIXCDは、アメリカの砂漠で行われている"Burning Man"と言う世界で最も過酷なフェスティバルでのライブ録音と言う話だったのですが、ライナーノーツを読んだ限りだとスタジオ録音って書いてある。実際にMIXCDを聴いてみたら音が普通に良かったので、きっとスタジオ録音でしょう。しかしトラックリスト見ても分からないアーティストばかりで、もう時代についていけないよ。Coxと言えばとにかく限界ぎりぎりまでバキバキズンドコと音数大目でアッパーなハードテクノを回して、すんげぇ太いグルーヴを生み出していた記憶があるのですが、このMIXCDは良くも悪くも今風でそこそこにはアッパーだけと随分と落ち着いたと言うか大人になった印象。クリッキーなミニマルとかパーカッションがポコスカ鳴っているミニマルとか、ブリープでぎとぎとしたテクノや上物が妖艶なトランシー系とかか回しているものの、ソリッドで勢いのあるテクノは殆ど無くて残念。じわじわと恍惚の深みにはまらせるタイプのMIXCDだと受け止めれば理解は出来なくもないけれど、Coxにそれを求めているリスナーっているのかね?爆音の中で何も考えずに無邪気に踊れるような勢いのあるテクノを聴かせて欲しかったです。

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| TECHNO7 | 11:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Frankie Knuckles - Motivation Too (Nervous Records:20921)
Frankie Knuckles - Motivation Too
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House of Godfatherによる久しぶりのMIXCDは、非常に真っ当で直球なNYハウス。近年の本場のハウスの落ち込みには目も当てられない惨状だけど、本作を聴いて胸の奥から何か熱い物が込み上げてくるのを僕は感じた。そうだ、ハウスとは永遠に120前後のBPMでバスドラ鳴らし続けるディスコであり、そしてソウルがあり愛があり、メッセージを投げかけるパーティーソングだったんだ。本作においてKnucklesは歌物のNYハウスをこれでもかと回しているけれど、もぉ〜これがソウルフルでグッと心に来る物ばかりでどうしたって音楽を人を愛さずにはいられなくなってしまう。普段テクノと言うインスト音楽を聴く事が多い僕には歌はそれ程重要では無いのだけれど、ハウスにおける歌とは言霊であり、それ自体が人の精神へ作用し希望や安心を生み出す物だと僕は信じている。派手な展開もスキルを見せ付けるミックスも無いけれど、愛があり心がある。完全に選曲勝ちの心温まるハウスミックス。House Is Love!

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| HOUSE5 | 09:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Modeselektor - Body Language Vol.8 (Get Physical Music:GPMCD032)
Modeselektor-Body Language Vol.8
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続・あべっくすのS子ちゃんがくれた物。Radioheadのライブの前座にも出た事のあるエレクトロ〜ヒップホップユニット・ModeselektorのMIXCD。Modeselektorに関しては全く知らないものの、この"Body Language"シリーズはなかなか評判が良いので楽しみにしていたのですが…箱を開けてみると、予想よりもぶっ飛んでいて楽しい!バラエティー、雑食性に富んだハチャメチャな選曲でテクノ、ミニマル、エレクトロ、ヒップホップ、ダブステップ、サイケロックともう好き放題に繋げちゃったぜ的な愉快痛快な展開なの。確かにかなり幅が広くて音の統一感は無いけれど、そんな事はどうでもよくなってしまうファンキーで尖った音があってとにかく面白い。どんどんと勢い良く新しい音が投入されて、じっくり味わう前に代わり代わりでお腹を満たされていく様な気分。また矢継ぎ早にミックスされているのでとにかく勢いがあって、色んなジャンルが混じっているにもかかわらずすっごいダンサンブルで腰にグルーヴがビンビンと来るんですわ。ムードも基本的に楽天的でハッピーだし勢いもあるしで、これを聴けば嫌でも気分も盛り上がってしまうハイテンションな一枚。後半にアニコレ使われますね、最近クラブシーンでもアニコレ大人気?

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| TECHNO7 | 13:10 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Samuel L Session - Again On Monoid (Monoid:monoidcd007-2)
Samuel L Session-Again On Monoid
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スウェーディッシュテクノを代表する一人・Samuel L Sessionが送る、ノリノリでヒット曲満載のテクノミックス。Samuelって言えば2000年位からハードミニマルとかの流行にのって頭角を表してきたアーティストの一人なんだけど、彼のトラックはハードでトライバルだけでなくデトロイトっぽさやメロディアスな面もあったり、一辺倒にならない器用さが目立っておりました。大ヒットした"Merengue"は、"Jaguar"ばりのメランコリーにハードなリズムが合わさっていて、本当に素晴らしかったですね。本作はそんな彼の音楽センスがモロに前面に出ていて、やはりアッパーでハードな硬めのテクノにメロディアスで流麗なトラックも混ぜて、勢いよくガンガンに曲を繋げていきます。非常に流れの早いミックスで、だいたい1分半程度で曲が繋がれていくんだけど、本作はハードミニマルではないものの勢いに任せたそのプレイは確かにハードミニマルが流行っていた時代を感じさせます。自身の曲やPaul Mac、Adam Jay、Deetron、Len Faki、Daniel Jacquesなどのごっついトライバル系、そしてRenato Cohen、Joris Voorn、Alexander Kowalskiらの浮遊感漂うメロディアスなトラックなどを、山あり谷ありで混ぜて最初から最後まで飽きない流れを作っているんです。まるでジェットコースタに乗っているかの様な激しい展開で、愉快痛快爽快な清々しささえ感じられます。でもこれって実はまだ4年位前の作品なんだけど、たった4年と言う期間なのにテクノのシーンも随分と変わった様に感じられますね。テクノシーンの移り変わりは本当に速いのです。

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| TECHNO7 | 09:15 | comments(0) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
2009/10/02 (FRI)
CLUB MUSEUM "The Art of Intelligence" @ Unit
Live : THE BLACK DOG
DJ : KIHIRA NAOKI, ROK DA HOUSE, 'NOV'

2009/10/03 (SAT)
REDBOX 3rd anniversary party @ J-Pop Cafe
DJ : Motor City Drum Ensemble, STEREOCiTI and more
Live : Move D

2009/10/03 (SAT)
groundrhythm @ Air
Live : Kaito
DJ : Kaoru Inoue, PSYCHEDELIC BUS aka HIROKI MURAI

2009/10/03 (SAT)
RIS FESTIVAL [a sense of space] @ Unit
Live : SPECTRUM a.k.a SONIC BOOM, DJ KENSEI, JEBSKI & YOGURT, L?K?O and more
DJ : TOBY, Ackky, YAMADA the GIANT and more

2009/10/09 (FRI)
root & branch presents UBIK featuring THE FIELD @ Unit
Live : THE FIELD, KAITO
DJ : DJ YOGURT, DJ HIKARU

2009/10/10 (SAT)
Makin' Love Mix @ Grassroots
DJ : DJ Yogurt, SHIRO THE GOODMAN

2009/10/10 (SAT)
Cosmic Soul @ Air
DJ : Ian O'brien, Claude Young, Takamori K.

2009/10/17 (SAT)
CLASH48 @ ageHa
DJ : Adam Beyer, Joel Mull

2009/10/17 (SAT)
@ Air
DJ : ken Ishii, Jerome Sydenham

2009/10/31 (SAT)
De La FANTASIA 2009 -Vol.ZERO- FANTASIA Night @ Liquidroom
Live : Lindstrom, Nikakoi aka Erast, AOKI takamasa, d.v.d
DJ : TOWA TEI, EYE, MOODMAN

3日は迷う、初来日のMCDEかgroundrhythmか…?9日はField、Kaito、DJ Yogurt、DJ Hikaruと好みの面子がびっしり。10日はCosmic Soulと被ってしまったが、DJ YogurtのMakin' Love Mixへ行こう。今男女の股間を最も濡らすパーティー、エロ過ぎる。シローさんがムーディーなセットをかましてくれるらしい。ムーディーな雰囲気のあるグラスルーツでムーディーな音楽、きゃわいいおんにゃのこいっぱい来てください。17日、ドラムコードで震撼するか、Airでのケニシのプレイも熱い。31日のリキッドルームも面白そうなんで行く予定。
| UPCOMING EVENT | 07:30 | comments(6) | trackbacks(0) | |
Kevin Saunderson - History Elevate (KMS:KMSHISTORYCD01)
Kevin Saunderson-History Elevate
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うほっ、どう見てもゴリラです…。あーちゃん?

相変わらず一向に新作の出ないデトロイトの御三家ですが、その中で一番商業的には成功しているであろうケビンサンダーソンが過去の遺産を活かして新譜をリリース。内容はDISC1は今までのKSのリミックスワーク集なんだけど、さすがに90年前半の仕事も多くて時代を感じせるし、今聴くとちょっと古いかな。KS特有の図太いベースが響く大箱系トラックが多いけれど、そんなに目を見張る点は無し。本作の醍醐味はやはりKSのトラックを現在のヒットメーカーがリミックスしたトラックを集めたDISC2の方。2年に渡って5枚のEPでリリースされていたリミックストラックを、更にKSが全部繋げたミックス仕様。DJでもなければ全てのEPを集める人も少ないからその点でも本作は価値があるだろうし、何よりリミキサーが豪華で素晴らしい。チリアンミニマルのLuciano、デトロイトの至宝・Carl Craig、若きテクノ貴公子・Joris Voorn、ハードテクノからはBen SimsやChristian Smith & John Selway、ミニマルの前線に立つLoco Dice等々、どんだけ人気アーティストを集めたんだよと思います。これだけの面子が集まれば文句は無かろう、完全にフロアで馬鹿受けするトラックばかりに決まっている。ただよぅ、過去の遺産に頼らずに音楽製作してくれよな〜。完全新曲がやっぱり聴きたいよ。

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| TECHNO7 | 07:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Factory Records : Communications 1978-92 (Warner Music UK Ltd.:2564-69379-0)
Factory Records : Communications 1978-92
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イギリスのマンチェスターで創立された伝説のインディーレーベル・Factory。まさに音楽の工場的にJoy Division(New Order)やHappy Mondays、The Durutti Column、A Certain Ratioらを輩出した素晴らしく馬鹿馬鹿しいレーベルだ。そんなレーベルの音源を時代順に正しく収めた4枚組みのコンピレーションが本作。Factoryと言えばやはりクラブハシエンダを忘れてはならない。オマンチェブームの発端であり、UKにおいてアシッドハウス爆発のきっかけになったクラブでもある。しかしドラッグが流行ってお酒が売れないから常に赤字経営だったとか、ドラッグ抗争による危機に晒されていたとか、とにかくその知名度とは裏腹に不安定なクラブだったらしい。そして母体Factory、初期のニューウェーブから後期のダンスムーブメントまで時代を作っていったレーベルの一つである事は言うまでも無い。本作収録曲を見て驚いたのは、Cabaret VoltaireやJamesまでの作品もリリースしていたと言う事。確かに前衛的だったんだね。自分もNOやハピマン位は聴くものの他のアーティストに関しては聴く機会が無かったので、この手のコンピは大変有難い。時代が時代だけに音が古いんだけど、そのダサささえも愛らしい。そしてブックレットには収録曲の解説やジャケット絵も収録されていて、その美しいアートワークにも感動物だ。非常に美味しいコンピレーションですな。

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| ETC3 | 01:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Kings Of House Compiled By Masters At Work (Rapster Records:RR0045CD)
The Kings Of House Compiled By Masters At Work
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長らくNYハウスミュージックの歴史を切り開いてきたMasters At Workが、ハウスミュージックを根こそぎ掘り下げたMIXCDが本作。最近のハウスはほぼ皆無、なのでまあこれに食い付くリスナーはだいたい30歳以上とかのクラバーが多いんじゃないかと。Kenny Dope Gonzalezはシカゴ〜デトロイト、Little Louie Vegaはシカゴ〜ニューヨークのハウスを中心にガチなオールドスクールっぷりを発揮。80年代のトラックが多めでやっぱり音自体は古いと言うか時代を感じるし、最近の綺麗目でお洒落かつ洗練されたハウスに慣れている人は、こんな昔のハウスを聴いてどう感じるのだろうか。確かにここら辺の80年代のトラックは素人臭さの残る未完成な部分もあったりするんだけど、それでも何かが生まれる胎動や衝動も確かに存在している。技術や知識よりも勢いや気持ちが前に出ていて、とにかくハウスが爆発しようとしていたその瞬間の空気がここにはあるんじゃなかろうか。特にKenny Dopeの方はシカゴアシッドとかデトロイトのクラシックがたんまりと使用されていて、デトロイトファンとしは血が騒ぐってもんです。最初期のハウスの歴史を知る為の教典として、そして昔を懐かしむためのアーカイブとしても良さそうです。

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| HOUSE4 | 00:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Motley Crue-L House (Crue-L Records:KYTHMAK080DA)
Motley Crue-L House
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瀧見憲司が率いる狂えるCrue-L Records。近年の作風は和製バレアリック、昔は詳しく知らないが今とは違ったっぽい。どっちかと言うとクラブミュージックにシフトした近年の作品の方が好きです。本作は勿論タイトル通りにハウスを中心とした選曲になっていて、特にEP収録の曲や未発表曲が中心になっているので大変便利なコンピレーションになっております。ハウスとは言ってもそこは狂えるCrue-L、一筋縄ではいかない色んなハウスが詰まっております。"More Than Paradise"はFreaks(Luke Solomon)のリミックスが施されているんだけど、原曲のチリングな切なさはそのままにフロア対応になっていて素敵。EMMAがリミックスしている"La Dolce Vita"も、圧倒的なドライヴ感がありながらもはっと息を飲む美しい瞬間があり、静と動の対比が強調されてますね。井上薫も制作に参加した"Sheeprian Flying"は、正にバレアリックと言わんばかりの南国パラダイスな桃源郷トラック。エレガンスな美的センスは、世界レベルです。他にも荒っぽいディスコダブやらクラシック調のハウスやらあるけれど、Crue-Lらしいバレアリックな美意識で統一されていてレーベルの方向性を知るには丁度良いですね。今後もこの路線から外れずにバレアリック路線を極めてくれると嬉しいなと思います。

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| HOUSE4 | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Henrik Schwarz / Âme / Dixon - The Grandfather Paradox (BBE:BBE120CCD)
Henrik Schwarz / Âme / Dixon-The Grandfather Paradox
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ミニマルミュージックとはなんぞや、そんな問いに応えるべくInnervisionsメンバーが勢揃いし50年に渡るミニマルミュージックをミックスした面白いコンセプトのMIXCD。つまりはテクノ以前のミニマルをも包括した内容で、現代音楽のミニマル代表格・Steve Reichやジャーマンエレクトロニクスの奇才・Conrad Schnitzler、Yesにも一時期参加していたPatrick Morazに混じって、デトロイトミニマルのRobert HoodやフレンチハウスのI:CubeやLa Funk Mob、ポストロックのTo Rococo Rotなどジャンルを軽く超越した選曲になっております。展開的にはかなり地味な部類でひたすら淡々とテンション低めで繋げていくリスニング仕様なんですが、一曲一曲がかなり奇抜な音を放っていてミニマルと言う枠を超えたエレクトロニックミュージックの変態性を感じられるミックスだと思います。どれ一つとしてまともな所謂ポピュラーな音を感じさせる事はなく、感情を排した電子音が無限とも思われる時間の中で繰り返されるのみ。しかしその反復の中で見えてくるミニマルの恍惚感、反復から生じる覚醒感は、ミニマルミュージックにしか成し得ないものかもしれません。実力ある3人が揃った割には地味だと感じるかもしれませんが、麻薬的にはまる深い世界観はやはり一級品。折衷主義的ミニマルに酔いしれろ。

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| TECHNO6 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Joris Voorn - Balance 014 (EQ Recordings:EQGCD024)

Joris Voorn-Balance 014
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新次元…と言うのは言い過ぎかもしれないが、これが最新のテクノの形である事にもはや疑いはないだろう。世界各地、日本においても大人気となったJoris Voornの最新MIXCDはアルバム2枚に100曲ものトラックを使用した驚愕の内容。とは言えこのPCを使ったスタイル自体は、2001年のRichie Hawtinの"DE9"(過去レビュー)の時点で完成系を成しているので、実は最新であるとは言い切れない。が、このスタイル自体がテクノと言う世界に普及しているのは間違いない。各曲から一部分をパーツとして切り出し、それをPC上で細かにループ・エディットを繰り返し、本人が言うように"絵を描く"様な作業を繰り返すスタイル。全く異なる曲の一部が同じ時間・場所に存在する事により、全く異なる新しい音楽へと変容を遂げる進化。もはやこれはMIXCDと言うよりも、Jorisのオリジナルアルバムとさえ言える様な境地にまで達している。"Mizurio mix"は(比較的)アッパーでグルーヴィーなテクノ、ミニマル、テック系中心の内容で、しかしながら覚醒感を刺激するドラッギーさも感じさせます。対して"Midori Mix"はエレクトロニックミュージックをより幅広く吸収したフリースタイルな選曲で、テクノの中にディスコダブやバレアリック、ダウンテンポ、ジャズも取り入れられて開放感のある音が持ち味。どちらのミックスも各曲が自然に融解し、そして再度融合し、今まで違う世界観が繰り広げられ非常に興奮出来る内容でした。同じ事を既にやっているRichie HawtinのMIXCDに比べると、カラフルなのが特徴でこれはこれで素敵です。

ただ欲を言わせて貰うと、本作があくまでホームリスニング仕様である事。これは結局はクラブではプレイする事の出来ない内容だから。かつてJeff Millsがアナログを一時間に40枚程も矢継ぎ早に回していたプレイは、既に過去の物となってしまったのか?いや、そうではないと思う。そこには瞬間瞬間に生まれる独創性や閃きがあったはずで、あれにこそ僕は人間的な熱や魂を感じる訳で。だからJorisにも一枚位はコンピューターを使用しないで、クラブで再現出来る単純だけども爆発力のあるプレイが聴けるMIXCDを出して欲しいと言う気持ちもあります。テクノロジーが必ずしも全てを豊かにする訳じゃないんだ。

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| TECHNO6 | 00:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Metro Area - Fabric 43 (Fabric:fabric85)
Metro Area-Fabric 43
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先日ディスコティックなアルバムをリリースしたMorgan Geistと、Darshan Jesraniから成るディスコでポップなユニット・Metro Areaが、Fabricシリーズに参戦。と言う事なれば特に説明が無くともだいたいの想像がつく、イタロディスコ、シンセポップ、ニューウェーブな曲のオンパレード。自分はここら辺の音楽に造詣は深くないのでちょっと戸惑いを隠せませんが(なら買うなよって話ですが…)、クレジットを見る限りだと80年前後の曲が中心みたいですね(Ministry、Devo位しか分からん)。まー古臭いのは言わないでも分かるでしょうが、ドタドタとした垢抜けない4つ打ちやらレトロなキラキラ未来感やら、ブリブリっとしたベースラインなど本当に懐かしさを漂わせるミックスCDですよ。どちらかと言うと先進性が強いFabricシリーズの中では逆に先祖帰りで古典的な内容ですが、無意識に空気を和ませてくれるポップな感じはグッドオールドデイズってな懐かしさを誘いこれは悪くない。ハウスパーティーの朝方なんかのまったりとした感傷的な時間に近いイメージかな。DJ Harvey、Lindstrom、Prins Thomas、Chicken Lips辺りが好きな人には、マジで恋する5秒前でしょう。

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| HOUSE4 | 09:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Trax Records The 20th Anniversary Edition Mixed By Maurice Joshua & Paul Johnson (Trax Records:CTXCD5001)
Trax Records The 20th Anniversary Edition Mixed By Maurice Joshua & Paul Johnson
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取り合えず本日で一旦シカゴハウス特集は終わり。最後はシカゴハウスにおいて最も重要な二つのレーベルの内の一つ・Trax Recordsについて。自分は勿論Trax Recordsが設立された当時(84〜85年?)はまだお子ちゃまな訳で当時の状況に関しては詳しく知らないのですが、Larry Shermanによるレーベル運営に関しては相当酷いもんだったらしいです。レコードの売り上げに対しての対価を払わないだとか(Larry Heardはその事のうんざりして自分のレーベルを立ち上げた)、最も有名な酷いエピソードはレコードプレスには材料費がかかるので、売れ残ったレコードを買い集めてそれを再プレスし販売していた(だからTrax Recordsのレコードの音は悪いそうです)とか、とにかく無茶しまくり。それにやたらめったら何でもかんでもリリースしていたから、音楽の質にもばらつきがあって決して優良なレーベルであるかと言うとそうでもないんです。それでもAdonis、Phuture、Joey Beltram、Larry Heard、Marshall Jefferson、Vincent Lawrence、Sleezy D、Frankie Knuckles、Armando、Farley Jackmaster Funkを含め多くの素晴らしいアーティスト達がここを経由して行った事を考えると、やはりシカゴハウスだけに限らずハウスと言う音楽においてとても重要な存在であった事は否定出来ません。

さて前置きはそれ位にしてそんなTrax Recordsの20周年記念盤が本作。1、2枚目はMaurice JoshuaとPaul JohnsonがTrax音源を使用しミックスを施していて、3枚目はアンミックスのコンピレーションとなっております。チープでファンキーなシカゴハウスや毒々しいアシッドハウス、そしてディスコな歌物までTraxの魅力が満載で、80年代のハウスの流れを知るには十分過ぎる内容となっております。音楽としての完成度は決して高い訳じゃないから聴く者を選ぶ感じなんだけど、ハウスについて掘り下げようと思うなら決して避けては通れないですね。

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Check "Paul Johnson" & "Maurice Joshua"

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| HOUSE4 | 21:15 | comments(6) | trackbacks(1) | |
DJ Mitsu The Beats - The BBE Sessions (Octave:OTCD2125)
DJ Mitsu The Beats-The BBE Sessions
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自分はあんまりヒップホップは聴かんです。ラップが苦手なんす。でもJay DeeことJ Dillaを聴く様になってからは、ヒップホップにも比較的免疫が出来てきました。しかしJ Dillaを知ったきっかけは、彼が亡くなった時に色々なメディアで悲報が流れた事に因るもので、なんだか出会いが別れみたいで寂しいです。さてさてJ Dillaもリリースを重ねていた良質なヒップホップを送り出すレーベル・BBEの音源を使用したMIXCDが、日本企画盤でリリースされております。ミックスを手掛けるのは日本のヒップホップユニットのGAGLEでトラックを製作しているDJ Mitsu the Beats。良いですね、このMIXCD。何が良いって、J Dillaのトラックの様にメロウでスモーキーなヒップホップがたくさん使用されていて、しっとりとしたムード感が心地良いのですわ。かといってリズムがひ弱な訳でもなく、カチッとした芯のあるビートがしっかりと根を張っていてタフでもあるし。格好良いなぁ格好良いなぁ、スクラッチも決まりまくりだぜ。ヒップホップが苦手な人でもこれならいけるはず、太鼓判を押しちゃいます。

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| ETC2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Hacienda Manchester,England Acid House Classics Vol.2 Compiled By Peter Hook (DefSTAR Records:DFCP52)
The Hacienda Manchester,England Acid House Classics Vol.2 Compiled By Peter Hook
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マンチェスター、ファクトリー、アシッドハウス、セカンド・サマー・オブ・ラブ、そしてハシエンダ。90年前後、イギリスでロックとダンスが歩み寄りインディーダンスなんてジャンルも生まれ、みんなが夜な夜なEを喰らって踊り狂っていた時代があったそうで。Stone Roses、Happy Mondays、Primal Scream、Charlatans、Inspiral Carpetsなどなど数多くのロックバンドがダンスに接近し、短い時間の中を夢見ていた頃があった。そしてそんな時代を誘発した音楽こそ、狂気のアシッドハウス。TB-303の調子外れの覚醒的なベース音こそが人々を狂わせるには絶好の薬だったのです。とそんな時代の音楽をそんな時代を生き抜いてきたNew OrderのPeter Hookがコンパイルしたのが本作です。流石に時代が時代の音だけに古臭さは否めず、リアルタイムでその時代を体験していない僕には本作を聴いても大した感動も無いのですが、これを聴くだけでもその時のクラブでの一夜はさぞかし楽しく狂えたであろうと予想出来る快楽と享楽に満ちた選曲です。この様な編集盤を聴いていると、テクノやらハウスだとかロックだとかそんな事はどうでも良くて、とにかく快楽的に踊れれば良いと言う本能に忠実な気持ちになれます。ハシエンダでは今ではスーパー有名なDJもプレイしていたりとにかく色んな意味で凄いクラブだったらしいけれど、最終的にはドラッグ関連の殺人事件などが引き金になってクローズしてしまいました。音楽(とドラッグ)の魔力は人をも狂わせたのでした。

しかしよ、この手のアシッドハウスコンピはどれだけリリースされれば気が済むんだ?既にアシッドハウスコンピは、家に10枚位は溜まっている気がする…

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Steve Bug - Bugnology 2 (Poker Flat Recordings:PFRCD16)
Steve Bug-Bugnology 2
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近年のミニマル隆盛と共に知名度を上げたPoker Flatのボス・Steve BugのMIXCD。既に結構な量のMIXCDをリリースしていて、本作は2006年にリリースされた物。彼のMIXCDはほぼ全部揃えているのですが、どの作品も淡々としていてクールなプレイが多いのが共通しています。リリースが増えるにつれてどのMIXCDも音が似通ってきているので、個人的にはもっと違ったプレイも聴いてみたくなってきたこの頃。だからと言って決して本作の質が低い訳でもなく、やはりミニマル系のDJでは安定したプレイでぼちぼちの質を保っております。ミニマルと言ってもただヒプノティックな音を追求するのではなくて、もっと肉体的と言うかリズムが直感的に体に来る感じのトラックが中心でしょうか。カチコチ系のパーカッションをベースに不安げで陰鬱なシンセがどろどろ入ってきて、ずーっと暗い夜道を彷徨う様なダークな展開で控えめに言っても派手は展開は無し。音数の少なさや不気味なベース音やら狂気を感じさせる雰囲気やら、そんな所にシカゴアシッドの影響なんかも感じたりしますね。事実他のMIXCDではシカゴハウスも回してますし。しかしまあ本当に地味と言うか淡々と冷たく、まるで能面の如く無表情なプレイですな。体感温度が下がりそうなひんやりとした音楽だね。

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| TECHNO6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ricardo Villalobos - Love Family Trax (Goodlife Records:RTD 314.5002.2)
Ricardo Villalobos-Love Family Trax
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先日Ricardo VillalobosのDJプレイを生で体験したのですが、自分が持っている彼のMIXCD三枚全てと実際のプレイに差があり最初は結構驚きました。もちろん生のプレイも良かったしMIXCDも良いので、MIXCDを気に入った人は実際にDJプレイを聴きに行く事をお勧めします。本日紹介するMIXCDはVillalobosの初のMIXCDなのですが、調べた所によると市場での価値が高騰していてとんでもない額で転売されております。自分は丁度日本でクリックハウスなるムーブメントが流行っていた頃に、良く分からずに本作を購入したのである意味運が良かったのかなと。そして内容も彼のMIXCDの中ではピカイチですが、最近の作風とは結構かけ離れていてポクポクな土着系リズムも聴けるのですが、それ以上にトランシーな要素が大きいです。クリクリと丸みを帯びたキックが入るリズムトラックを中心にハウシーなグルーヴを紡いでいくのですが、上物にトランスに近い感じのうっすらと情緒漂う音が入ってきたりして最近のVillalobosからは窺えない音が見え隠れしています。ミニマルとテックハウスの中間位の音と言えば良いでしょうか、なかなかの美メロが聴ける内容です。そう言えば昔は彼もエレガンスなメロディーを多用したトラックをリリースしていたけれど、最近は作風がほぼ土着系に定着してしまってるんですよね。土着系も悪くないけれど彼には本作から窺える耽美でセクシーなトランス要素も期待している訳で、昔の作風の復活をどうしても望んでしまいます。本作は少々音が薄っぺらくて線が細い気はしますが、これ位の方がメロディーがリズムトラックに負けないので丁度良いのでしょう。

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tom Middleton - Renaissance 3D (Renaissance:REN40CD)
Tom Middleton-Renaissance 3D
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昨日に引き続き今日も大作MIXCDなので聴くのもレビュー書くのも正直しんどい。そんな作品を手がけたのは90年代の輝けるアンビエントシーンを築いたGlobal Communicationの片割れ・Tom Middleton。この人かなり多くのMIXCDを手掛けていて、まあ当たり外れがあるんだけど本作は当たりに属す内容だと思います。しかし本作を聴いて思うのは、もはやTomにGCの過去の栄光を求める必要も無く、アンビエント性が無くとも素晴らしいアーティストだと断言出来る事。本3枚組みCDではクラブでのプレイを意識した"Club"、彼のスタジオワーク集である"Studio"、そして彼のお気に入りの曲を集めた"Home"とそれぞれコンセプトを明確にし違った内容を楽しめる物になっています。

まず"Club"、DJプレイを意識しているだけあって4つ打ちでグルーヴィーですが、結構ハウスビートが強めでスムースなプレイは心地良いですね。透明感、恍惚感に溢れたテックハウスを多めに使用し、上げもせず下げもせず比較的緩やかな波を作りながら舞い上がる様なプレイ。勿論クラブで聴いても絶対気持ち良いのだろうけど、部屋の中で晩酌しつつ聴いてもうっとり出来る内容ですよ。

対して"Home"ではTomの好きなようになんでもかんでもごちゃ混ぜなプレイで、テクノ、アンビエント、ダウンテンポ、ブロークンビーツなどが一つのミックスの中に存在しています。全く統一感の感じられないプレイですが、これはTomにとって思い入れのある曲や特別な意味合いを持つ曲を選んだ為でしょう。哀愁じみた懐かしさが沸いてくるメロウな内容で、チルアウト的な感覚で受け入れられると思います。

そして最後は彼の作品やリミックスワークを収録した"Stuido"ですが、アルバムリリースの無いCosmosやThe Modwheel名義での曲が収録されているので、大変嬉しい内容ですね。しかしここでの彼の仕事を聴く限りだと既にアンビエントには心あらずと言った感じで、アッパーでキャッチーなハウスが最近の彼の作風なんでしょうかね。内向的だったGCから比べると全く正反対な外向的かつオプティミスティックな音は少々戸惑いも感じますが、美しいシンセの使い方などは昔と変わらず今も冴えています。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Gilles Peterson - In The House (ITH Records:ITH23CD)
Gilles Peterson-In The House
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Defectedの名物であるハウスミックスシリーズ"In The House"の最新作は、なんとクラブジャズ第一人者であるGilles Petersonが担当。偉業とも言えるDJの選択ですが、どうやら本人はかなり本気でいるらしく久しぶりに最高の作品が出来たと自画自賛しております。確かにボリュームは3枚組ととんでもない量になっておりますが、さて内容はと言うと。

まずDISC1は完全にハウスをコンセプトにしており、伝統的なNYハウスから始まり、パーカッシブなハウス、テッキーなハウスと緩やかに盛り上がりを見せる好内容。爽やかに甘くライトな印象ながらも、滑らかな音触りが耳に心地良いですね。わざと難解にする事もせずハウスファンの多くが知っているであろうアーティストの曲も多く使われていて、ストレートにハウスの良さが分かる一枚ですね。

そしてDISC2はGillesのルーツが詰まっていると言う、ファンクやディスコを中心にミックスしております。と言っても自分はこの手の音楽は全く聴かないのでコメントが難しい。イメージとしては昔のディスコで流れる様な音楽でしょうか。生演奏中心でハウス史以前のハウスに近い物、ファンキーでブラック色が強くノリノリな感じですね。

最後のDISC3はこの企画の為に多くのアーティストが新曲を提供し、それを収録したミックスされていないコンピレーションです。ジャジーなハウスもシカゴハウスもラテンハウスも含め色々ありますが、そのどれもが新曲と言うのは凄いですね。クラブミュージックシーンでのGillesの信頼度、尊敬度の表れでしょうか。想像していたよりも格好良い曲が詰まっていて、曲を提供したアーティスト側も本気だと言う事です。

3枚組と言うなかなか聴くのは大変なボリュームですが、これは一聴の価値有りの名盤だと思います。また"In The House"シリーズにおいても、上位にランクインする素晴らしい出来ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
2008/01/26 FACE presents Andre Collins Japan Tour 2008 @ Space Lab Yellow
む〜ぶゆぅあばでぃ〜、む〜ぶゆぅあばでぃ〜、む〜ぶゆぅあばでぃ〜!って事で2008年一発目のクラブイベントはNYハウスのベテラン・アンドレコリンズのパーティーに行きました。昨年末に久しぶりにハウスのイベントに行ったら、ハウスの気持ち良さに感激して今回もハウスのイベントを選んだ訳さ。ちなみにYELLOWの近くにYAOCHO BARと言う小洒落たバーがありまして、YELLOWに行く際にはここで一人で飲んで燃料を注入しておきます。一人でも入れる安心感と堅苦しくなく落ち着いた雰囲気があり、金額的にも高くはないので最近はよく利用しております。お勧めナリよ。
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| EVENT REPORT1 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Dave Angel - 39 Flavours Of Tech Funk (React:REACTCD130)
Dave Angel-39 Flavours Of Tech Funk
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中古5枚1000円で買った内の一枚、Dave AngelのMIXCD。テクノシーンで「あの人は今!?」をやったら真っ先に名前が挙がりそうな位最近は落ち込んでおりますが、10年以上前は当時隆盛を誇っていたR & Sや自身のRotationからヒット作を量産してたんですよね。デトロイトテクノにまんま影響を受けたファンキーでエモーショナルな作風は、本当に才能を感じさせてたのに最近の低落っぷりと言ったら目もやれません。それはさておき中古で安かったからこの2枚組MIXCDを買った訳だけど、どうも聴き所に欠ける作品ですね。BPMはそこそこ早めでファンキーなテクノを集めているんだけど、ミニマルテクノ程の反復に因る高揚感は感じられないし、かといって一気に爆発するようなピークも見受けられないし、なんか全てにおいてどっちつかずな作品だなと思います。また音自体がどうも薄っぺらくて重みが感じられないので、家で聴いていても全く迫力が無いのは致命的ですな。しかも10年前の作品と言う事を差し引いても古臭すぎる音。折角エモーショナルな作風が得意だったんだから、それを生かしてDJして欲しかったですね。

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| TECHNO5 | 23:50 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deepburnt Mixed By Frankie Valentine (R2 Records:R2CD002)
Deepburnt Mixed By Frankie Valentine
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Frankie Valentineはロンドン生まれのDJ/アーティストで、既にDJ業は20年以上に渡るベテランだとか。アーティストとしては生楽器を多用したオーガニックでジャジーなハウスを作っていて、中堅所として活躍しているようです。まあ彼に関してはさほど知識を持ち合わせていなかったのですが、このMIXCDはジャケットが素敵だったので何となく購入。選曲はDennis Ferrer、Sylk 130(King Britt)、Metro Area、Osunladeなど黒系のハウスを感じさせますが、実際に聴いてみるとそこまでどす黒いファンキーさを感じる訳でもなく、むしろしっとり来るメロウな展開が待っています。一応ディープハウスと言う区分けにはなりそうだけど、汗かく程濃厚でもないし適度な軽さ加減があって爽やかな空気が心地良いですね。彼の生音志向はDJにも出ていてオーガニックを感じさせる音が、より爽やかさや軽やかさを強調しているのだと思います。

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| HOUSE3 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fuse Presents Steve Bug (Music Man Records:MMCD028)
Fuse Presents Steve Bug
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テクノの定番MIXCDシリーズ・FUSEの最新作は、近年のミニマルハウス流行の中で大躍進を遂げたPoker Flatのボス・Steve Bugが担当しています。数年前まではそこまで人気無かった気がしますが、近年では現在の時流の音であり、またドイツを象徴する音でもあり、思ったよりも知名度も実力に追いついてきたなと感じます。この人は今までも何枚かMIXCDをリリースしているのですが、どれを聴いても強引に盛り上げる無理な展開は無く徐々に自分の世界に引き込んでしまう魅力があるんですね。本作も今までの路線を強襲したディープ目のミニマルハウス、テックハウスを中心に淡々としたミックスを披露しています。相変わらず派手な音は皆無で冷たさと暗さで一杯で、半ば秘めたる狂気さえも感じさせます。今作が面白いのはシカゴハウスのオールドスクールな曲を混ぜている事で、それらが最新の音と違和感無く並んでいるのはなんとも不思議ですね。ドイツの音と言うと不穏なアシッディーさも特徴なので、それらはシカゴハウスと相性が良いのかもしれないですね。正直この手のMIXCDが大量にリリースされ少々食傷気味ではありますが、やっぱりベテランのプレイと言う物は質が高いなと感心致します。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Sessions Mixed By Derrick Carter (Ministry Of Sound:MOSCD110)
Sessions Mixed By Derrick Carter
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数日前にシカゴハウスを中心にジャーマンディープハウスまでも取り込んだ名レーベル・Classic Music Companyのコンピを紹介したので、今度はそのボス・Derrick CarterのMIXCDを紹介しようじゃないですか。リリース元は老舗・Ministry Of Soundでこの"Sessions"シリーズにはGreen Velvet、Josh Wink、Mark Farina、DJ Sneakなどなかなか通好みのDJが参加していて注目しておいて損はないでしょう。と言っておいてなんですが、Derrick Carterが担当した本作はCarter節を期待しているとちょっと肩透かしを喰らうかも。普段見せるゴリゴリでファットなシカゴハウスはなりを潜め、変態じみたベース音やピコピコなディスコサウンドが幅を利かせた種が異なるシカゴハウスをプレイしています。これも間違いなくシカゴハウスの一種ではあるはずだけれども、なかなか荒削りで豪快なパンピンシカゴハウスが聴けないのはちょっと物足りない。あーこれってオールドスクールを意識しまくったシカゴハウスで、まだこなれてはないし安っぽい音ではあるけれど、初期のファンキーで狂おしいまでの変態性が滲み出ている音なんだね。原点回帰しまくった感もあって懐かしさというか古さを感じずにはいられないけれど、実は大半は2000年以降にリリースされた曲が収録されています。今のご時世でもこんなハウスがリリースされ続けているなんて、ちょっと意外だな。それはさておきファンキーではあるけれど、妙な明るさと言うか変に楽天的な音が今作は微妙でした。確かに痺れるベースラインもあったりはするけれど、全体的にはそんな好みの音ではありませんな。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fila Brazillia - Another Late Night (Azuli Records:ALNCD01)
Fila Brazillia-Another Late Night
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連日HMVで格安で購入したアルバムを紹介していますが、それも今日で最後です。最後は名前を聞いた事ある位しか知らないFila Brazilliaが手掛ける、"Another Late Night"シリーズの一枚目。まじでFila Brazilliaがどんなユニットか知らなくてちょっと調べたのですが、ジャズ、ソウル、ファンクなどを滑らかに溶かしてゆるゆるにプレイした感じの音楽性らしいです。オリジナルアルバムは一度も聴いた事ないから判断の仕様がありませんが、午後三時のお昼寝時に聴くのどかな音楽と予想します。そんな彼らが選曲&ミックスを務めたのがこの"Another Late Night"なんですが、ミックスはかなり適当と言うか差し障り無い程度に繋いでいますよってな感じです。なのでミックスプレイを期待している人は、間違っても買わない方が良いでしょう。音楽的にはもっさりとしたファンクを中心にジャズとかダウンテンポを繋いでいる様ですが、だらだらと垂れ流しになっている雰囲気はのどかでリラックスした空気を纏っていますね。可もなく不可もなくただただ流れているBGMとして聴いてしまいますが、全く重みもないし嫌味もないしそうゆう意味では本当にBGMらしいですね。アコースティックな湿っぽい感触と爽やかな空気感に、そして少々郷愁を足した微睡み系ダウンテンポは徐々に眠気を誘うのでした。ところで真夜中の音楽と謳われているけれど、どうしたって昼下がりの音楽だと思うんだけどね。

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| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Skurge [UR064] - Radio UR... Vol.01 (Underground Resistance:UGCD-UR003)
DJ Skurge [UR064]-Radio UR... Vol.01
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まあなんですな、最近はやたらとUnderground Resistance関連の作品がリリースされますな。個人的には彼らの音源が絶え間なく聴けるのは嬉しくもあり、またアンダーグラウンドと言う言葉が既に意味をなしてない気もしたり微妙な気持ちですが、やっぱり何だかんだURは大好きであります。さてそのURの最新作は、コードナンバー64を持つMilton BoldwinことDJ SkurgeのMIXCD。現在はDrexciyaの意志を受け継ぐThe Aquanautsの一員でもありまして、既にダークで攻撃的なエレクトロを披露しURの次世代として活動しています。元々はロックバンドのギタリストとして活動していた彼ですが、URの"Final Frontier"に感銘を受けてテクノ/エレクトロに移行していったそうで、このMIXCDを聴く限りでも何となく元ロックアーティストであった事を感じられるアグレッシブさが聞こえてきます。URのラジオショウをイメージしたと思われるこのMIXCDには、当然UR関連の曲ばかりで構成されているのですが、選曲を見るとかなり渋いですな。いわゆるURに皆が期待しているポジティブで高揚感のある曲は少なく、むしろ凶暴で鋭利に研ぎ澄まされたエレクトロが大半です。後半ではかつてはハードコアテクノなんて呼ばれた"Message To The Majors"なんかも聞けて、URのダークサイドが満開となっています。ハードコアテクノ、エレクトロ、アシッドとどこを切っても妥協や甘えが全くなく、「A Hi Tech Jazz Compilation」(過去レビュー)とかしか知らないURファンがこれを聴いたらびっくりするでしょうな。僕自身もURのエレクトロ作品を熱心に聴く事は少ないんだけど、DJ Skurgeがエネルギッシュなテンションを保ってミックスしてくれたおかげで最後までエレクトロミックスを楽しむ事が出来ました。冒頭で既にURはアンダーグラウンドではないと書きましたが、やはりこの音を聴くと確実に彼らのスピリッツはアンダーグラウンドなままなんだと実感出来ます。血管ぶち切れ、体液沸点越え確実の凶悪なMIXCDだぜ!

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| TECHNO4 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Deetron In The Mix (Music Man Records:MMCD020)
Deetron In The Mix
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群馬温泉の旅行から帰ってきました。温泉に一杯浸かったので疲れは取れましたが、音楽の紹介は滞らずに行わなくては!と言う事で新年一発目の紹介は、スイスのハードトライバル野郎・Deetron。ハードなテクノを作りつつも、デトロイト系でも名作を作る事が出来る器用な男です。アーティストとして一流なのはフロアで使えるトラックをリリースしまくっているのでご存じでしょうが、DJとしても僕はかなり好きです。彼のMIXを好きになったきっかけは、彼が手掛ける公式MIXCDとして一枚だけ発売されている「Deetron In The Mix」のおかげです。使われているトラックは計37曲、さすがJeff Mills影響下にあるDJです。矢継ぎ早に曲をミックスして流れを損なう事なく、最後までだれずに聴けます。そして注目すべきはハードミニマルとデトロイトテクノを並べてミックスしている事。テクノ好きならばこの両者の掛け合わせで満足出来ない人なんて居ないんじゃない?ハードミニマルだけだと単調さが嫌って言う人もいるかもしれないし、デトロイトテクノだけだとちょっと激しさが足りないよねって事になるかもしれない。けれどもDeetronのプレイは、ハードテクノの激しい流れとデトロイトテクノの未来的なシンセサウンドが交互にやってきて、お互いを補完しあう様な相乗効果を見せていると思います。またハードはハードでも、かなりファンキーなトライバル調の曲が多いです。つまりは太鼓がポコポコ鳴り腰を直撃するパーカッシブな野性味に溢れ、まあ分かり易いと言えば分かり易いミックス。これを聴いて踊れないならば不感症の可能性有り!踊れる要素が全て詰まっているさ。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Christian Smith - Ekspozicija 05 Tronic Treatment (Explicit Musick:EXPLICITCD005)
Christian Smith-Ekspozicija 05 Tronic Treatment
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テクノシーンでコンビを組むと素晴らしい作品を量産するアーティストがいる訳ですが、その中でも有名なのがChristian Smith & John Selwayでしょう。Intec Records、Tronic、Underwater Records、Ovum Recordingsなど人気レーベルからバカスカとヒット曲を量産し、フロアを賑わせる有名コンビです。Christian Smithは何度か日本に来日しているのですが、彼の過去のMIXCDを聴く限りだとグルーヴィーでハード、そして派手目のメロディーを使ったトラックも回して存分に盛り上がりやすいプレイだと思います。そして彼の久しぶりのMIXCDが先日リリースされました。一応ハードテクノのアーティストなのでハードな展開を期待していたのですが、序盤はクリックを通過した緩めのテクノ。う〜ん、彼までもクリック流行に毒されてしまったのか…。と思いきや4曲目・Robotmanで、ミニマルかつアシッディーなどどどファンキーな流れに身も引き締まります。そのままエレクトロハウスやディスコティークなベースの重いテクノを、徐々に肉厚に音を増していくようにじっくりと練り上げていきます。以前ならばフルスロットルでかなり盛り上げていたのでしょうが、今作では粘りのあるグルーヴに重点を置いている様に感じます。なのでハードテクノは殆ど使われておりません。終盤では多少ハードで派手な展開を持った自身の曲も回してピークを作りますが、またすぐにテンションを下げたり突き抜ける事がないですね。なんだか腑に落ちない点もありまして最初に聴いた時は、正直期待はずれだったなと言うのが本音。ただ何度か聴く内に、アッパーでハードな展開に頼らず一曲一曲を濃密に聴かせるプレイも、これはこれでぐっと来るなと認識を改めました。まあしかし、テクノと言うジャンルも以前とは本当に音が変わってきているなーと複雑な気分でもあります。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sessions presents Cajmere VS Green Velvet (Ministry Of Sound:MOSCD130)
Sessions presents Cajmere VS Green Velvet
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今となってはMIXCDもシリーズ化するのが常套手段。UKのMinistry Of Soundもそんなご時世に当然ハウスのMIXCDシリーズ「Sessions」を立ち上げて、Derrick Carter、DJ Sneak、Mark Farina、Josh Winkら渋い面子を引っ張って来ていましたが、遂にシカゴハウスの変態野郎・Curtis Alan JonesことGreen Velvet/Cajmereを参戦させました。一人二役を演じる面白いコンセプトで、Cajmereではハウスを、Green Velvetではテクノをプレイしています。CajmereプレイのCD1ではエレクトロニックでファンキーなスカスカハウスをプレイ。意外なのは彼にしては熱い衝動を感じさせるソウルフルな音が感じられ、狂気じみた変態プレイ以外も出来るんだねーと初めて思いました。ファミコン世代のダサ目の音が、逆に郷愁を誘います。Green VelvetプレイのCD2はまあいつも通りと言うか、CD1と変態性は一緒でも更に凶悪でダークなエレクトロ、アシッド、テクノをプレイ。一曲目からいきなりビキビキとアシッドベースでまくり立てられて、二曲目で自身の不穏なエレクトロ「Flash」を投入。もはや常軌を逸脱した狂気の音楽、暗黒の音に包まれます。中盤では切れ味鋭いファンキーなテクノも混ぜたりして、パンピンに盛り上げもします。と言っても音自体はシカゴハウスが根底あり、無駄の削ぎ落としたスカスカの音は格好良いですね。その後もエレクトロ、テクノを使って上げ下げしてまるで目まぐるしいジェットコースターに乗ってるみたい。CD1、CD2とも異なるプレイで楽しめるし、シカゴハウスの中でも一番強烈な音を聴かせてくれてほんとサイコー!お見事としか言い様がないですね。



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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Hernan Cattaneo - Renaissance : Master Series Volume 2 (Renaissance:REN18CD)
Hernan Cattaneo-Renaissance : Master Series Volume 2
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先日はHernan Cattaneoのイベントに行ったのですが、今日ユニオンに行ったら彼のMIXCDが安く売っていたので即座に購入。ちなみに普段はプログレッシブハウスのCDなんて一切購入しませんから。Hernan Cattaneoはアルゼンチンを代表するプログレッシブハウスのDJらしく、Paul Oakenfold、Sasha、John Digweed、Deep Dishらも実力を認めるベテランらしい。本人曰く「極限までディープなハウス」をプレイするとの事。でも先日のageHaでのプレイはディープどころか、アゲアゲな大箱セットでディープな流れは少なかったかな…。

さてそんなプレイに落胆していた僕ですが、このMIXCDでは彼の真価を遂に伺う事が出来たと思います。有名なDJが彼のプレイを認めるのも頷ける、本当に奥が深く広大な展開を持った素晴らしいプレイですね。音は太くても長く低空飛行を続けるようなゆったりとしたプレイで、ジワジワとビルドアップしてゆく気持ち良さ。ageHaの時はずっとドスドスキラキラしっぱなしで疲れたけど、このCDでは抑えて抑えてガマン汁溢れる展開に痺れます。ハウスって行ってもプログレなんで全編エレクトロニック満載、透明感溢れる薄いシンセの音に囲まれていつの間にか極彩色な世界に導かれます。低い地べたから高い空の上まで上昇していく高揚感、終盤ではビシッと上げてきて覚醒的なシンセサウンドがこれでもかと耽美に鳴り続けます。酸いも甘いも知り尽くした完璧なプレイ、これをageHaで聴けたら最高だったのにな。久しぶりに自分の中でメガヒットな一枚です。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Hardfloor - X-Mix Jack The Box (Studio !K7:!K7068CD)
Hardfloor-X-Mix Jack the Box
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ちょー期待していたのに先日のWIREでは期待を裏切れたプレイをしたHardfloor。いや、音が悪いでもなくやっぱり最高にファンキーな音は出していたのに、単純にレイヴに合った選曲じゃなかったのが原因。全体的に地味過ぎて盛り上げに欠けたのは否めないでしょう。

基本的にHardfloorと言えばライブなのですが、実はMIXCDなんかも出したりしてます。まだまだそんなにMIXCD自体が流行っていなかった頃、Studio !K7が率先して「X-Mix」シリーズを展開していて有名なDJが名を連ねていましたよね。その中にHardfloorも含まれているのですが、やはりアシッドハウスの先駆者だけあって選曲もオールドスクールなアシッドハウスが多いです。ここではHardfloor以前のアシッドハウスに敬意を込めているのでしょうが、Phuture、Fast Eddie、Adonis、Sleezy D.など説明する必要の無い位アシッドハウスの中心人物の曲ばかり回しています。Hardfloor自身はテクノ色が強いアシッドハウスなのに対し、前述のオリジネーターたちはやはり言い方が悪いけどチープです。はっきり言って古臭い音なのは間違いなし。アシッドハウス=Hardfloorだと思っているならば、きっとそれよりも前のアシッドハウスの音の古臭さに閉口するかもしれないでしょう。しかし、そこから生じる音の不穏さと言えば近年のアシッドハウスを余裕で上回ると断言します。機材だとかテクニックだとかじゃなく、作り手のソウルが違うんだろうな。全編ビキビキアシッドハウスだけれども、結構緩めなのでまったりと進んでいくMIXCDですね。Hardfloorを好きならば、彼らが影響を受けた音楽を聞くのも楽しみ方の一つではあると思います。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fuse-In Live Sets Vol.2 (ナウオンメディア:NODD-00067)
Fuse-In Live Sets Vol.2
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2000年からデトロイトシティーを盛り上げるべく、そしてテクノの聖地としてテクノを知らしめるべく、Carl Craigが立ち上げたDetroit Electronic Music Festival(DEMF)。ただ元々は無料フェスであった為イベントの資金難は現在まで続き、デトロイト市との確執もあったりでCarl Craigが蚊帳の外に出されたり、色々と苦難に阻まれているイベントがDEMF。そんな苦難があって2003〜4年はDerrick Mayが主宰し、自らの資産をなげうってまでDEMF改めMovementを開催するも、結局は借金漬けになってしまう。2005年はKevin Saundersonが有料のフェスとしてFuse-Inに改め開催するも、多くの人間を集める事は叶わず彼も借金を背負う事に。2006年はプロモーターが見つかりなんとか開催するも、出演アーティストの大半はデトロイトに関係ない人だったり。となんともまあ厳しい現実ではあるDEMF。これはきっとアメリカではデトロイトテクノはヨーロッパ程深く浸透しておらず、またデトロイトがテクノの聖地だと言う認識もないからではあると思う。多分DEMFがヨーロッパや日本で行われれば多くの人を集める事が出来るだろうに、なんとも悲しいアメリカの現実だ。

さて、このDVDは2005年のFuse-In参加アーティストから、Model 500(Juan Atkins)、Kevin Saunderson、Stacey Pullen、James Pennington、Aril Brikhaら約20アーティストを収録。Juan Atkinsのエレクトロライブは初めて見たけど、やっぱり本物は格好良い。でも糖尿病のせいか痩せ過ぎな気もして、ちょっと心配だぞ。James Penningtonも硬派で芯のあるプレイ、さすがURのメインDJだ。しかし地元デトロイトハウスの重鎮・Mike Clarkよりも、ミニマルテクノのMarco Corolaの方が人気あったり、なんだかイベントの主旨ぶち壊しな面も…。ヒップホップのSlum Villageが出たりしているのは、許容を広げると言う意味では良いかもね。でもまあ、かつては荒廃していたデトロイトから毎年の如くこうやってダンスミュージックイベントが行われるなんて、ほんと素晴らしい事だとは思うよ。後はデトロイトアーティストを中心にイベントが行われ、かつ客をしっかり繋ぎ止める事が出来るようになれば、その時こそ本当の成功だと言えるだろうね。
| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vince Watson / Yohei Ishijima - Live At Irizo (Fenomeno Inc.:XQAU-1001〜2)
Vince Watson Yohei Ishijima-Live At Irizo
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ベテランから新進気鋭のアーティストまで、知名度に関係なく素晴らしいアーティストをフューチャーし、WOMBで隔月行われるテクノイベント・IRIZO。2006年3月10日にはUK出身、デトロイトテクノに影響を受けるVince Watsonがライブ出演しました。なんとその時のライブをそのまんまCD化し、更にはIRIZOレジデントのYohei Ishijimaのその時のDJプレイも収録しています。

ではまずVinceサイドなのですが、やはりCD化すると音が鮮明と言うかクラブだと分からなかった音がしっかり聴けるのが良いですね。クラブだとズンドコ節が強調されて透き通る美しいメロディーが分かりづらかったのですが、CDではハードなリズムと美しいメロディーが類い希なる融合を果たしています。イベントの時には「金太郎飴の様に同じ音」と思ったのですが、CDで聴いても確かに終始同じ展開で同じ音なんだけれど、曲その物が素晴らしいから最初から最後まで一気に聴けてしまいますね。ライブをCD化すると音圧が感じられなかったりする事も多いけれど、しっかり分厚い音が表現されているのも好印象。怒濤のテンションで一気に突き抜けるプレイは、まじでカッチョイイです!

そしてYohei Ishijimaサイドは、実際にイベントでは殆ど聴く事が出来なかったのですが、こちらは対照的にストイックなプレイで好印象。音はテクノでありながらハウスグルーヴの4つ打ちで、じわりじわりと練り上げていく構成力のある方ですね。比較的音数少なめのトラックを使用していて、ゆるゆると聴かせつつもいつの間にかダークな世界観に引き込まれていく感じです。毒気のあるヤバメの音が多くて、今度はイベントでしっかり聴いてみたくなりました。

激しいライブと聞かせるDJプレイ、対照的なCDが2枚セットで2500円。内容も素晴らしく、大変お得ですよ。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Soul Heaven Presents Kerri Chandler & Dennis Ferrer (Soul Heaven Records:SOULH04CD)
Soul Heaven Presents Kerri Chandler & Dennis Ferrer
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良くも悪くも売れ線のハウスの量産するDefectedが大物DJをフューチャーしたMIXCDシリーズを立ち上げておりますが、その名もなんとSoul Heaven!う〜ん、なかなかイカシタシリーズ名でありますが、Blaze、Masters At Workと来てKerri Chandler & Dennis Ferrerの黄金コンビを召喚しました。まあこの二人が揃えば悪い物など出来るはずもなく、素晴らしきディープハウスMIXCDがちょちょいと出来上がってますね。まずはケリチャンサイドなんですが、出だしはあれ?っと言った感じで緩めのソウルフルなハウスから。いつもは重いキックが特徴な彼なんですけど、今回はちょっと違います。そこから空間系ディープハウス「Dub Life」に繋げて、中盤ではかなり明るめでデトロイト風のシンセが鋭く入る「Shimmering Stars」でピークを持ってきます。それ以降もNY系のボーカルハウスを多用して、かなりメロウだったりジャジーだったりな展開ですねー。全体的にのびのびとスムースな流れで、アフターアワーズに聴くとぴったりなスウィートな出来ですね。意外なプレイだけど、これはこれで素晴らしいです。

対する初のMIXCDとなるフェラーさんは、出だしは同じく緩めのメロウなハウスから。と思いきや2曲目でいきなり超ディープな「Rej」を打ち込み、深く落としてきます。そこからは普段のケリチャン並にパーカッシブに盛り上げていき、なかなか図太いボトムラインで体を揺さぶります。でもしっかり透明感のある優しいメロディーもあって、耳に馴染みやすい音だと思います。終盤は太鼓がかなり入るアフロトライバル系の曲が多く、土着臭強し。ディープとアフロを程よくブレンドさせて、良くも悪くもそつのない出来ですね。

今作はケリチャンもフェラーさんも、ガツガツとぶっといボトムで攻めるよりはハーモニーを強調している気がしますね。デジタルを駆使したトラック作りが特徴のケリチャンの割りには、なかなか湿っぽく生暖かいソウルフルな面が前面に出ています。盛り上がるよりもしっとりと耳を傾けて聴きたいタイプですね。ボーナスCDの3枚目は、ケリチャンとフェラーの素晴らしいトラックが半分ずつ収録。硬めのディープハウスもしっかり収録で、トラックメーカーとして才能を感じます。不朽の名作「Inspiration(Main Vocal Mix)」が聴けるだけでも、美味しすぎるボーナスCDですね。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Josh Wink - Profound Sounds V2 (Ovum Recordings:OVM9003)
Josh Wink-Profound Sounds V2
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アシッドテクノでキ○ガイっぷりを発揮した才能を見せつけたJosh Winkですが、DJプレイも地味に人気があったりします。生プレイは未経験ですが、このMIXCDを聴く限り相当に円熟味のあるプレイが出来る様ですね。自分が作るトラックの様にアシッドテクノや派手な曲は余り回さず、むしろディープでミニマルなハウス調のテクノを多用していますね。出だしはゆらゆらと睡眠を誘うクリッキーなハウスで始まり、地味に大きな流れも作らず淡々と曲が繋がれていきます。なんてぼーっと聴いているといつの間にか、じわりじわりとグルーヴも強められていて心地良いミニマルの世界に沈み込んでいます。中盤以降は少々ハード目のクールなテクノをここぞとばかりに投入し、ラストまでスムースな流れで盛り上がりを作ってくれました。地味と言ってはいけないですね、これは大人の渋さに満ちていると言う表現が正しかったです。ガシガシ素早く曲を繋いでいくのではなく、全体の流れを熟知して一曲一曲を上手く聴かせるDJなんだと思いました。来日したらガンガン盛り上がるプレイではなく、こう言ったディープなセットで聴きたいと思います。

ちなみにボーナスディスク付きなんですが、そちらがかなり豪華でLil Louis「French Kiss」ネタの「How’s Your Evening So Far?」や「Evil Acid」、「Superfreak」などの狂気に満ちたアシッドテクノが収録されております。DJプレイと全然違うやんけ!と言った突っ込みは無しで、真のアシッドテクノを体験してみてください。

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Journeys By DJ John Selway - Lightwave (Journeys By DJ:JDJCDS003)
Journeys By DJ John Selway-Lightwave
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Christian Smithとタッグを組み、バキバキのミニマルテクノや流麗なテックハウス、シカゴ経由のアシッドテクノなどを量産してきたJohn Selwayの2001年作のMIXCD。前述の通り自分の中ではJohn Selwayはハードなテクノアーティストってイメージだったのですが、実はトランスなんかも作ってたりしてたらしくその趣味がまんまこのCDに反映されています。元々メロディアスな作風で気持ちの良い曲が多かったのですが、そんな曲がこれでもかと回されてほぼトランス状態。序盤はリラックスした空気でゆったりまったりハウシーな感じで、徐々に勢いを付けて滑らからテックハウスに変わっていきます。基本的に綺麗目のシンセやら流麗なシンセストリングスが入ってる曲で固められて、恍惚感は相当に出ているのではないかと。終盤はテンポもテンションも上げ上げで更に美しい展開なんで、盛り上がらない訳にはいきません。Technasiaの「Future Mix」がじわりじわりと入ってくる辺りは、激カッコイイですよ。アッパーなのにアンビエントにも似た高揚感があり、最初から最後まで芸の無いトランシーな音ながらも気持ちの良さには抗えないですね。Kaito、David Alvarado、Technasiaなどが好きな人向けかも。

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Annie - DJ Kicks (Studio !K7:!K7190CD)
Annie-DJ Kicks
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Studio !K7が送る名MIXCDシリーズ・DJ Kicksの最新作は、ノルウェーの歌姫・Annieが手掛けております。つか、全然知りません、Annieって誰?ここでちょっとググッて調べた所、元々は90年代はロックバンドにおいて歌い手を務め、その後はDJ活動を初めてクラブシーンにも足を踏み入れ、2005年には1STアルバム「Anniemal」をリリースとの事。ってどうゆうアーティストと絡みがあるかもよく分からないし、未だに詳細は不明。とにかく、名MIXCDシリーズと言うだけで購入しました。しかしこれはこのシリーズの中でも一番独特と言うか、めくるめく万華鏡の世界って感じか?最初にぶっちゃけ言うと、繋ぎも下手だしテンポもめちゃめちゃだし、スキルはないと思うよ。ただそれを差し置いて、ロック、エレクトロニカ、テクノ、エレクトロを破天荒におもしろおかしくミックスしていて、聴いているだけでウキウキする気分になります。鋭い棘のありそうなパンキッシュサウンドでありながらも、どこかキュートで女の子らしい可愛いプレイなんじゃないでしょうか。流行のエレクトロクラッシュなミックスが好きなら、ご機嫌で聴けちゃう事でしょうね。若々しい弾けるパッション、子供の様に無邪気な遊び心があって、元気のない人にエネルギー注入ってか。

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| ETC1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Southport Weekender Vol.4 Mixed By Tony Humphries & DJ Spen (SuSU:SUALBCD14)
Southport Weekender Vol.4 Mixed By Tony Humphries & DJ Spen
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数年前は考えもしなかった量のMIXCDが、現在は大量にリリースされています。その中で注目を集めるにはやはりネームバリューや実力が必要な訳ですが、この「Southport Weekender」シリーズも十二分にブランド力がある中の一つだと思います。今までには以下のアーティストがミックスを手掛けております。

「Southport Weekender」Mixed By Joey Negro、Miguel Migs、Giles Peterson
「Southport Weekender Vol.2」Mixed By Blaze、Joe Claussell
「Southport Weekender Vol.3」Mixed By Dimitri From Paris、Jazzie B、Quentin Harris

そして最新「Southport Weekender Vol.4」はTony Humphries、DJ Spenが担当しています。半ば定番化しつつあるこのシリーズですが、きっとハウス好きには今回のチョイスもきっとグッと来るものなのでしょう。Tonyサイドは軽やかでスムース、直球ハウスなプレイ。爽やかな甘さと陽気なフレイバーに溢れ、どっちかと言うと部屋で落ち着いて聴きたいミックスですね。そして対照的にDJ Spenは起伏に富んだアップリフティングなプレイを見せつけています。こちらも甘さはありつつも、硬めの4つ打ち、ソウルフル系、ディープ系など程よく取り入れ、最後まで盛り上げて行くタイプかと。どちらかと言うとDJ Spenサイドの方が僕は気に入りました。とか言いつつも、このシリーズ自体には多少飽食気味なのも事実。質が低い訳でもないんだけど、やっぱりミックスシリーズが際限なくリリースされる時代、もうちょっとインパクトがあれば良いのにね。可もなく不可もなくと言った感じか。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
E-Dancer - Heavenly (Planet E:PE65241CD)
E-Dancer-Heavenly
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新年そうそう最初のレビューは、去年大躍進を果たしたデトロイトテクノからビルヴィレー・スリーと呼ばれる内の一人、Kevin SaundersonのE-Dancer名義のベスト盤を紹介します。KevinはDerrick May、Juan Atkinsに比べるとハウス色が強くまた派手で盛り上がるトラックメイキングが得意です。大柄な体格に似ていてDJプレイもとにかく派手で、ジェットコースターの様に緩急自在に最大限に盛り上がる選曲でほんとに上手いです。でこのベスト盤なんですが、ベスト盤だけあって全ての曲のクオリティーが最上級。特にざらついたフィルター使いが特徴で硬く荒々しい音を出しつつも、ムーディーなメロディが導入されテクノとハウス両方で使えるトラックが多数。Ken IshiiやJeff Mills、その他色々なアーティストが今でも、「World Of Deep」、「Pump The Move」、「Velocity Funk」などを回しているのはクラブに行った事がある人ならば周知の事実でしょう。しかしやっぱり体格同様、彼のトラックはまじで図太いですね。ズンドコ節でクラブヒットしない訳がないですね。EPでいちいちシングルを集めるのは面倒なので、こう言ったベスト盤は大変重宝します。一家に一枚お勧めします

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - Fabric 25 (Fabric Records:FABRIC49)
Carl Craig-Fabric 25
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名作Fabricミックスシリーズに、遂に天才Carl Craigの登場です。発売前から期待を膨らましていたものの、トラックリストを見た時はハウスセットか〜と微妙な気持ちになったり。ようやく実際に耳にしてみると、生ハウス、テックハウス、テクノが程よく分配されて、Craigの大きな音楽性を充分に見せつける流れがありました。今までだって思い出してみると彼のプレイはどちらかと言うとハウス色が濃厚だった訳で、今回は特に湿っぽく艶めかしい質感が強いです。終始ビートはそれ程上がらず前半から中盤はハウス、中盤過ぎから硬めのテックハウスで少し盛り上げ、ラスト前に一端落とす。そしてラスト2曲はCarl Craig、Tokyo Black Starのヒット曲を立て続けに回して、感動的なラストを飾ります。Carlと言えば下手くそなDJだったのに、最近はDJの方も腕を上げたようでロングスパンでの緩急の付け方が上手いですね。テクノセットじゃないからダメだなんて思ってる人は、騙されたと思って聴いて欲しいし、ハウス好きな人には問題なく推薦出来ます。近年活動が乏しかったエレクトロニックミュージックにおける天才が、ここに来て完全に復活しています。来年以降のCarl Craigが楽しみで止みません。(12月20日現在1900円でお得です!)

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Steve Bug - Bugnology (Poker Flat Recordings:PFRCD13)
Steve Bug-Bugnology
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ドイツには本当に素晴らしいテクノレーベルが一杯あるのですが、テックハウス好きにはPoker Flat Recordingsが頭に浮かぶでしょうか。近年はよりミニマルさを増した作風にシフトしている様な気がしますが、Poker Flatのドン・Steve Bugのプレイは派手ではないものの僕のお気に入りです。以前にもこの人のMIXCDを紹介した事はあるのですが、相変わらずそんなに大人気って訳でもなさそうなので、ここでひとまず紹介しておこうかなと。最初に紹介した通り派手なプレイは特になく、最初から最後までディープめのミニマル、テックハウスで平たく緩やかに延々と聴かされる感じです。このくつろげる程の揺るやかさが個人的にお気に入りなのですが、かといって踊れないって事ではないんですね。アッパーに踊らされるのではなく、自然と体が揺らぐ感じと言うべきなのかな、体に馴染みやすいテンポ・グルーヴなんですよ。こういった所はハウスから音を継承しているのかなと思いますが、透明感が有り流麗な電子音はテクノでもあるかなと。また地味と言えば地味ながらも、中盤では妖艶さを見せるドラマティックな曲も挟んだり、しっかりとヨーロッパ的耽美さを感じさせてくれます(Justin Martin、I-cubeの曲が素晴らしい)。クラブで彼のプレイを聴いた時はガンガン上げていたんですけど、実際の生プレイでもこういった緩やかな展開のプレイを聴いてみたい!と思いますが、まだまだ日本のシーンではこういった音を出すイベントは多くなさそうですね。もちろん激しいプレイも好きなんですけど、緩い音楽を酒を飲みなつつ体をゆらゆら揺らしながら聴きたいな〜って思います。

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| TECHNO3 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nite:Life 05 Mixed By Nick Holder (NRK Sound Division:NRKMX05)
Nite:Life 05 Mixed By Nick Holder
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昨日に引き続き本日もNick Holderですが、今回は名作ハウスMIXCD・Nite:Lifeシリーズを担当した盤を紹介致します。Nite:Lifeは自分のブログでも何度か紹介させて頂いておりますが、著名なDJが召喚され素晴らしいMIXを披露しており、Nick Holderのこの一枚も素晴らしいであります。この人のオリジナルの曲もそれ程派手な曲は無くむしろ地味目なのですが、MIXCDも同様に地味ですよね〜…って確かに地味なんだけど、枯れたとは異なる地味な渋さがありますね。ジャジーディープハウス中心でほのかにメロウであり、透明感のある世界がどこまもで広がっていき清々しい。丁度良い強さのパーカッシブなリズムが小気味良いグルーヴを生みだし、淡々と時間は進んでいくのですがいつのまにか彼の世界観に引き込まれていますね。派手でもないし特別な盛り上がりを見せる訳でもないのに、熟練のプレイとはこうゆうものを指すのかな?有名な曲を使えばそりゃ誰でも盛り上げられるけど、そうじゃなくても盛り上げられるのが一流のDJだと言わんばかりのプレイです。これはほんと今でも良く聴く機会が多い位お気に入りの盤なので、是非ともハウス好きは聴いて欲しいですね。Nick Holderの生プレイを聴いてみたいの一言。

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| HOUSE2 | 23:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Christian Smith - Live @ Womb 01 (Womb Recordings:WOMB004)
Christian Smith-Live @ Womb 01
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先日Wombのイベントに行った時、いつもは小さい音が今回はばかでかかったです。やっぱり音は大きい方が良いよね。そんなWombですが最近はレーベルとしても力を入れているらしく、Christian SmithのWombでプレイしたDJMIXを収録したMIXCDなんかも出したりしています。Christian Smithと言えばJohn Selwayとのタッグでバンギンなミニマルトラックからメロディーを強調したテックハウスまで、とにかくDJが喜ぶ使えるトラックばかり量産しているイケテル野郎です。このMIXCDはChristian Smithの良い所が完璧に生かされてハードミニマルからパーカッシブなトライバル、メランコリーなテックハウスまで程よく使われていて確実にフロアを直撃する選曲となっています。実際にフロアで「Mispent Years (Funk D'Void Remix)」が流れたら涙無くしては聴けないだろうとか思ったり、「Evergreen (Technasia Remix)」〜「Carnival」のメロディアスなトラックとハードトライバルを行き来するその盛り上げ方には上手いな〜の一言だし、派手過ぎなのにここまでやればむしろ誇りに思うべきだと感じました。ハードな展開の間に綺麗目シンセのトラックを入れる事は、テクノに入り始めた人も聴きやすいしやっぱ単純に盛り上がるプレイだなと思います。要所要所に山あり谷ありで単調に陥らず、最後まで超特急で爽快にぶっ放せますよ!

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| TECHNO2 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(2) | |
2005/10/22 JEFF MILLS presents CONTACT SPECIAL @ WOMB
期待に胸を膨らませて「未知との遭遇」を体験しに行ったWOMBで待っていたものは…。

24時過ぎにWOMBに到着、早速入ると激混み〜。Jeffの1stセット半ばでしょうか、ディープめのトライバルで良い盛り上がり具合。「CONTACT SPECIAL」って言うコンセプトなのかと思うくらい、Purpose Maker路線の選曲。でもこっちのが好きなんでOKです。自身の昔の曲も回したりして徐々に上げていき、そしてキター!!「Strings of Life(DK Edit)」。でも折角ならオリジナルを期待したかったのですが、やっぱり大盛り上がり。その後あんまり覚えてません…。
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| EVENT REPORT1 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Doc Martin - Mix the Vibe : Sublevel Maneuvers (Nite Grooves:KCD-246)
Doc Martin-Mix the Vibe : Sublevel Maneuvers
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名MIXCDシリーズ「Mix the Vibe」にサンフランシスコハウスシーンの雄、Doc Martinが遂に登場、これは快挙の一言。今までも有数のDJが参戦していたけれど、今回はアンダーグラウンドかつディープな人選と言え好きな人には心底手放せなくなるMIXCDとなっています。この人のDJって適度な緩さ加減が気持ち良いのですが、アッパーになるかそれともまったりになるのかそのぎりぎりの境界をウロチョロする様なプレイなんですよね。例えるならHの時に前戯で気持ち良くさせてくれるんだけど、なかなか挿れさせてくれないみたいな(笑)そんなイライラもとい、じらしのあるプレイが彼の特徴なんじゃないでしょうか。使うトラックも適度に空気感のある中の抜けた様なのが多く、重心は常に低めでディープハウスまっしぐら。ダブ感を強調したサウンドは躍動的でありつつも、時折美しいメロディーのあるトラックを入れる事により陶酔感、トランシー(トランスではない)さも生み出しています。そう、Docのプレイってその頭の中にすっと入ってくるトランシーさが最高なんですね。単純なディープハウスでもないし、アッパーハウスでもないし、大人のエロDJって感じかな。聴く者の気持ちが良いツボを知り尽くしているからこそ、こんなプレイをする事が出来るんでしょうね。

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| HOUSE2 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Kentaro Iwaki a.k.a. Dub Archanoid Trim - Italo Old - Old School Cuts Of House Music Scene In Italy 1990-1995 (King Record:KICP5034)
Kentaro Iwaki a.k.a. Dub Archanoid Trim-Italo Old - Old School Cuts Of House Music Scene In Italy 1990-1995
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岩城ケンタロウ特集第三弾。Dub Archanoid Trimこと岩城ケンタロウはStylusと言うレコードショップのバイヤーにしてDJ・アーティストであり、井上薫と共にレジデントを務める「Floatribe」などでも活躍し、既にクラブミュージックに感心の深い人には知れ渡っているアーティストであります。連日彼のMIXCDの紹介をしてきましたが、今回もまたMIXCDの紹介です。これまたIrma音源を使ったMIXなのですが、「Dubmosphere Mix」とは打って変わってもろにイタロディスコ的なMIXになっています。やっぱりディスコって言うとデケデケベースラインとか、どこかポジティブで楽観的な明るさがあり聴いてるだけで単純に気持ち良くなれますね。と言っても岩城節であるダビーで深い世界観も失う事なく、オプティミスティックな開放感あふれる世界観を演出しています。早過ぎもなく緩すぎも無い一番心地良いテンポの4つ打ちを刻み、徹底的にトラックのキャッチーな部分を使用し快楽を持続させるのそのプレイは、彼のMIXCDの中でも一番単純に気持ち良い物かもしれません。3枚もMIXCDを出していてこれ程までに各MIXCDごとに特色を出し、またクオリティーを高く保つなんて素晴らしいの一言。確実にこれからのシーンを背負っていける人であると思います。

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| HOUSE2 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
King Of New York 2 Mixed By Andre Collins & Nick Jones (Cutting Edge:CTCR14441)
King Of New York 2 Mixed By Andre Collins & Nick Jones
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もしかしたら世界で一番有名かもしれないハウスレーベル、King Street Sounds。ハウス好きじゃなくてもその名は聞いた事があるだろうそのレーベルの設立者は、なんとヒサイシオカ氏日本人なのである。いや、まさか本場USでそんなレーベルを日本人が作ったなんてほんと凄い事だと思います。でもそれは彼の嗅覚の成せる業、アンダーグラウンドなダンスミュージックから時代の流れに沿った最先端のハウスまで、良質な音楽を提供する姿勢があるからこそなのでしょう。そんな彼の下には数多くの才能あるアーティストが集結し、数多くの天才がKSSに楽曲を提供しています。そしてヒサ氏はクラシックなハウスだけに止まらずより自由な楽曲を送り出す為に、Nite Groovesと言うレーベルも設立し当然そちらも大成功。そしてKSS設立12週年を記念したMIXCDがこれです!ミキサーには、Andre Collins & Nick Jonesだそうで僕も名前くらいは聞いた事があるアンダーグラウンドながらも、ヒサ氏が信頼をして送り出す位の素晴らしいDJです。DISC1のAndre Collinsはアッパーにどす黒く、がつんと踊れるピークタイム仕様。しかしソウルたぎるそのプレイは、聴く者の心を熱くさせるエモーションがあります。またDISC2担当のNick Jonesは、ラテンハウスやジャジーハウスを多様しスウィートかつリラックスしたプレイを見せます。いやいや、しかし一つのレーベルだけでこんなに素晴らしい楽曲が揃うなんて、本当に凄い事じゃないかな?KSSはこれからも時代をリードして、新たなる才能を発掘してくれると確信しました。EP中心のダンスシーンに於いて、こういったレーベルサンプラー的MIXCDは大層嬉しいのですが、レーベルサンプラー以上の質を伴っています。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fuse-in Live Set Vol.1 (ナウオンメディア:NODD-00049)
Fuse-in Live Set Vol.1
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2000年Carl Craigが中心になって開催されたDEMF(Detroit Electronic Music Festival)は、デトロイトをもっと世界的に知って貰う為にと開かれたイベントであった。しかし2001、2002年はデトロイト市とアーティスト側で溝が出来てしまい、DEMF本来のあるべき姿が失われつつあった。2003年主導権をアーティスト側に取り戻そうと、Derrick Mayが自腹を切って出資しDEMF改めMovementを開催。そして2004年も同じイベントを見事に成功させた訳だが、やはり無料でのイベントでは金銭面でのやりくりも難しいのだろう。2005年は主導権をKevin Saundersonに譲り、Fuse-inとイベント名を改め初めてのチケット制を導入させた訳だが、Galaxy 2 Galaxyもライブ出演するなど内容は充実していた様だ。

とまあデトロイトの音楽祭典の話だけれども、2003年2004年のMovementの映像を収録したDVDが出ています。Kevin Saunderson、The Detroit Experiment、Stacey Pullen、Francois Kなど豪華アーティストが勢揃いで、イベントの空気がダイレクトに伝わってきます。ただ各アーティストが10分位ずつの収録でロングセットを聴く事が出来ないのが残念。イベントの紹介的DVDなのでしょうがないですかね。だからめちゃめちゃデトロイトが大好き!とにかくデトロイト関連は集めたい!って人なら購入してみても良いかもね。
| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ben Sims - Welcome To My World (Womb Recordings:WOMB011)
Ben Sims-Welcome To My World
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みんな最近はハードミニマル系のMIXCDで良い物がねえなぁ〜って思ってませんでした?僕は思ってました。一時期は充実してたんですけど、今年はさっぱりですよね〜って、思ってたら

キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━ !!!!!!!!!!

ベンベンベンベン、ベンシムズのトライバル+ハードミニマルな超絶MIXCDがキタんですよ!!!やっぱりこいつ凶悪ですな、ターンテーブル3台+CDJ2台をフル活用した音数多めの激しく興奮するプレイを見せてますよ。当初はWOMBでのプレイを録音した物と思っていたのでかなり不安になっていたのですが、スタジオ録音と言う事で音質も良好。Jeff MillsからChester Beatty、Renato Cohenや今をときめくJoris Voorn、果ては自身のKilla ProductionsやGreenwich Allstarsなどハードミニマル勢の大御所を惜しげもなく使いまくり、テンションが一向に下がる事がありません。最初から最後まで全てがピークタイム仕様で休む暇を与えず、徹底的にハードグルーヴで攻めまくります。疲れている時には聴く気がしないけど、力を持て余している時にはこれを家で爆音でかけたいっ!周りの民家なんか気にするんじゃねえ!(嘘です。)体中の血をたぎらせ踊り狂うのだ!

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| TECHNO2 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Dave Clarke - World Service 2 (Resist:RESISTCD45)
Dave Clarke-World Service 2
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テクノ好きな人はきっと既に持っているであろうDave Clarkeの2枚組MIXCD。エレクトロサイドとテクノサイドに分かれていて、二つの味の楽しめるナイスなMIXなんだけど、ほんと良いDJだなDave Clarkeは。去年出た2NDアルバムには失望してたけど、やっぱりDJとしては一流ですよ。まずエレクトロサイドなんだけど、すっごい痺れるね。エレクトロ特有のチープな音がこれでもかとびきびき鳴り、ニューウェーブ調の曲も混ぜて懐古的な面もありつつ肌に突き刺さる様な刺激があります。でもやっぱりオススメはテクノサイドでしょっ!ゴリゴリのハードテクノにスカスカのシカゴハウス、鋭い切れがあるフィルター系をこれでもかと繋いでいきます。非常にざらついた質の悪そうな音が逆に、ワイルドで熱の籠もったプレイを感じさせます。高音と低音を強調した様な派手なMIXで、更には後半に進むに連れて卑猥度も増していきます。やぱり彼はシカゴハウスの影響下にあり、巧みに吸収して自分なりのプレイを創り出していますね。どこを切ってもピーク時の様なテンションには、頭が下がる思いですがそんな事を考える余裕も無いくらいパワフルです。うんうん、最近テクノでは良いMIXCDがなかっただけに満足ですな。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(2) | |
Southport Weekender Vol.3 (SuSU:SUALBCD11)
Southport Weekender Vol.3
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Joey Negro、Miguel Migs、Giles Petersonが担当した「Southport Weekender」、Blaze、Joe Claussellが担当した「Southport Weekender Vol.2」、そして三作目は何とDimitri From Paris、Jazzie B、Quentin Harrisの異色の組み合わせ。つうか3枚もあって一通り聴くだけでもお腹イパーイです。喜ばしいシリーズではあるが、ほんとファン泣かせなシリーズでもありますね。Dimitriは予想通りなディスコ系でとにかく弾けています。Quentinはムーディーな典型的NYハウス。個人的に一番気に入ったのが、Jazzie Bのソウル・ファンク系のMIX。基本的にはハウス系のMIXCDなのである程度スムースな選曲ではあるけれど、腰に来るリズムと艶めかしいファンキーさがツボです。ダウンテンポ〜アッパーまで自在に展開を広げて、終わりまで休む暇もなく楽しめますね。他の二人はセオリー通りのハウスとは別に、こうやって異色なMIXがあると逆に新鮮さが際立ちます。また三者三様の味があるので、自分の好みの一枚って言うのが必ずあるのではないでしょうか。全て聴く時は気合いを入れて聴きましょう。

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| HOUSE1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Stasis - Past Movements (Peacefrog:PFG046CD)
Stasis-Past Movements
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90年代の初頭からデトロイトテクノのリバイバルがあり、その影響はUKにも及ぼし(むしろアメリカよりもUKでの方が人気があるのだが)デトロイトテクノへの回答と思われる作品が数多く発表されました。ただその多くはマイナーレーベルから発売されていた事もあり、流通量が少ない、もしくはすぐに廃盤になってしまったりと良質な音楽であるにもかかわらず、一部の人々にしか届かないと言う事は少なくなかったであろうと思います。特にこのStasisはその当時でもかなりコアな位置に置かれていて、一部のテクノオタしか存在に気付いていなかったかもしれません。そんな彼の作品が2枚組ベストとして再度世に送り出されています。一枚はベスト盤、もう一枚は未発表曲群、どちらもレア度はかなり高くもちろんお勧めなのですが、それはレアだからと言う事ではなく単純に素晴らしい作品だからです。UKからデトロイトテクノへの回答として、インテリジェンステクノやピュアテクノと言うジャンルも生まれましたが今になって聴くと、デトロイトテクノとなんら変わりは無いと言うのが僕の見識です。もちろんデトロイトテクノのファンキーな点などは受け継がれてはいませんが、繊細で緻密に練られた構成と幽玄で深みを持った音色はUKならではと感じさせます。インテリジェンステクノと命名されるのも分からなくもない、知性と創造性を兼ね備えた未来の音楽であると再度認識する事が出来ました。そして失われた音楽が発掘され新たなファンの手に渡る事を、大変嬉しく思います。

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| TECHNO2 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Afterdark:Chicago (Kinkysweet Recordings:KSW013)
Afterdark:Chicago
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全然気付かなかったのだけど、いつの間にかその地方のレーベルに焦点を当てたハウスシリーズが出ていました。今回はChicago!今までに「New York City」「Paris」「San Francisco」など出ていますがやはりChicagoですよ。しかしChicagoと言えでもシカゴハウスでは無くて、ディープハウスのGuidance RecordingsとLarge RecordsのレーベルMIXCDであります。

Guidance Recordingsを担当するのはなんとディープハウス/クロスオーヴァーで大人気のAnanda Project!でもこの人ってDJ気質よりアーティストだよね?と言う事で予想通りお世辞にも余りMIXとは言えませんでした。ま、この人の場合選曲センスだよね。透き通る様でアトモスフェリック、基本的にちょっと憂いを帯びたメロディーのトラックが多い。ガツガツアッパーと言うよりは湿気を含み、ミドルテンポで緩急控えめに聴かせてくれる。もう夏間近なのに秋の夕暮れに合う様な、ムード満点のMIXCDだ。Guidance Recordingsのテーマ曲とも言える「Larry Heard-Theme From Guidance」、これを聴く為だけでも価値があります。Larry節満開の儚く、そして孤高の天上天下トラックだ。

片やLarge RecordsのMIXを担当したのは、Jask…ん〜全然知らないなぁ。そもそもこっちの選曲はちょっと微妙。Kerri ChandlerのDigitalsoulシリーズから一曲も入ってないし、Dennis FerrerやRoy Davis Jr.の曲も入っていない。どうゆうこっちゃぁぁぁぁ!!まあ内容は悪くないな。夏の海岸をドライビングしている時、真夏のビーチでバカンスする時、そんな気分にしてくれるアップリフティングでヘヴィーボトムなトラック満載です。ストレートな4つ打ちで腰をくねくね踊らせて、盛り上がれるでしょう。伸びのある切ないシンセ音が多用されて、微妙にテックハウス気味でもありますな。まあしかし何度も言うが、Digitalsoulシリーズ入れとけや…。このシリーズは良い曲一杯なのにな。MIXには合わないと言う事なのでしょうか?

どちらもMIXの流れを楽しむと言うよりは、レーベルの音を知る為のMIXCDって感じでしたな。どちらのレーベルも素晴らしい曲満載です。レコードを購入しない人にとっては、為になるMIX&コンピレーションCDです。

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| HOUSE1 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
DJ Funk - Booty House Anthems (Underground Construction:UCCD-034)
DJ Funk-Booty House Anthems
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前々から欲しかったがなかなか手に入らなくて、遂に再発されたのでアマゾンでボタンをポチッと押して購入。DJ FUNKって言うと古くはJeff Millsの「MIX-UP Vol.2」にも使われていたので、知っている人も多いのではないのでしょうか。とにかくハイテンションでブーティー、ダーティー、ファンキーな人です。このMIXCDも大半は本人の曲で、とにかくノリ一発でやっちゃったようなパンビンアホアホハウスです。ここまで潔いと笑うしかありません。笑うつうか苦笑って言うの?どんなに凹んでる人間だってこれを聴かせれば、元気一発!!!しかし見事にスカスカでめちゃめちゃチープな音なのに、今聴くと逆に新鮮なトラック群。自分がリアルタイムで聴いてないだけか…。これだけがシカゴハウスな訳ではないが、これは正にシカゴハウスのお下品な一面を極端に表している。お下品だが確実に男のチ○ポを揺さぶる一枚だ。彼女に聴かせたら距離が遠くなるでしょう。

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Slam - Fabric 09 (Fabric (London):FABRIC17)
Slam-Fabric 09
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SLAMが日本にやって来る!!(5月7日ageHaに来襲)やって来るけど、特に注目はされていないのでこの機会にみんなに聴いてみて欲しいです。日本での不当とも思える評価の低さはどうゆうことなんでしょう?Soma Recordsのオーナーにして、デトロイトテクノとハードテクノを渡り歩き、ファンキーかつディープ、そしてハードなのにグルーヴィーなテクノを作る事が出来る本当に素晴らしいユニット。多分大のデトロイトテクノ好きで、MIXCDには山場でデトロイトクラシックを使ったりもします。そして彼らのMIXCDの中でも一番の出来だと思うのが、FABRICシリーズのコレ。序盤はプログレッシブハウス風にゆる〜くプレイ。相変わらず太いベースラインが素晴らしいです。4曲目辺りからデトロイトを意識したような、キラキラしたシンセが入ってきます。まだまだ緩いですがスムースなプレイで、グルーヴを保っています。8曲目辺りから疾走感溢れるハードテクノにシフトチェンジ。しかし冒頭からそうなんですが、必ずと言って良いほどハードでもメロディーを大事にした曲を回します。12曲目で今でも多くのDJが多用する「Bryan Zentz - D-Clash」を投入!SLAM MIXなのでかなりファットな仕様になっています。そこからは更にアゲてきてズンドコハード節、ハードミニマルテクノをゴリ押しです。し、しかし…最後には予想だにもしない感動の展開が!17〜19曲は完全にデトロイト系のトラックで、涙腺を振るわす事間違いなし。そして徐々に響いてくるこのスピリチュアルなシンセの音は?そう、「UR-Inspiration」ですっっ!やばいっ!まさかMIXCDでこの曲が聴けるなんて。つーことで、興味持った方は自分で聴いてみましょう。こんな感動、誰が予想できましょうか?

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| TECHNO2 | 21:16 | comments(0) | trackbacks(1) | |
DJ Deep - City to City (BBE:BBECD052)
DJ Deep-City to City
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最近のハウスシーンではデトロイトテクノの曲も回される様になった。実際「Body & Soul」でも「Jaguar」は回されるし、ハウスパーティーで「Strings Of Life」や「Hi-tech Jazz」が回される事も珍しくは無くなった。そうゆう意味でデトロイトテクノがようやく世界的に認められたと嬉しい気持ちも反面、ハウスシーンでの扱われ方には少々悲しい物がある。今までだってデトロイトテクノは存在していたのだ。「Strings Of Life」なんて一体何年前の曲だと思っているのだろう。それを今になって回して賞賛を浴びるのはどうかと思うし、そんな事は孤高のミニマリストのJeff Millsがハードミニマルプレイの中で「Strings Of Life」回す事で、ずっと前から実践していたのだ。またハウスシーンに取り込まれた事によって食い物にされて、「Strings Of Life」はDefectedから最低なバージョンでリメイクをされる事になってしまった。なんとも下品なボーカルを入れて気持ちの悪いシンセ音を被せ、デトロイトテクノに敬意を感じられないリメイクを施したのである。いくらハウスシーンが停滞してるからと言って、安易にデトロイトテクノを利用する事には警報を発したい。

DJ DeepのこのMIXCDは、安易にデトロイトテクノやシカゴハウスを使ったのではなく玄人受けするようなMIXをしているので、否定せずに受けいられる事が出来た。曲目を見れば一目瞭然で、ちょっとかじった程度の人には分からない様な選曲がされている。出だしから「Acid Tracks」、「Phylyps Track Volume 1」、「Expanded」の3曲が同時に回される箇所があるんだけど、凄い使い方だ。アシッドビキビキで、アブストラクナな音が被り、浮遊感のあるシンセが振れ動く初めての体感。Derrick Mayの曲を使うにしても「Kaos」、「Sinister」の裏方的な曲だったりするけれど、MIXで使われると新鮮に聞こえてくる。Carl Craigの「Elements」もMIXCDで聴くのは初めてだな、DJ Deepめマニアック過ぎるぞ。そしてラスト2曲は怒濤のUR連発。敢えて「Hi-tech Jazz」では無いし、ラストの「Your Time is Up」はURのファーストEPじゃないか!最高にソウルフル過ぎるぜ!シカゴハウスとデトロイトテクノで構成されたこのMIXCDは、一部のマニアにとっては最高にプレゼントになるに違いない。

そしてMIXCDのみならず、CD2のハウスコンピレーションもお世辞抜きに素晴らしい。Glenn UndergroundやCajmere、Kerri Chandler、Ron Hardy、Ron Trentらの重鎮のトラックが揃っているからと言う事ではない。本当に収録されている曲のどれもが素晴らしいのだ。ソウルフルなボーカルハウス、大人の渋みを感じさせるディープハウス、流麗なジャジーハウス、スカスカなシカゴハウスなどDJ Deepのセンスの良さを体に感じる事が出来るコンピレーションなのだ。CD1、CD2合わせて久しぶりに会心の一撃、いや二撃って感じだ。ちなみにプレスミスでCD1とCD2の内容が入れ替わっています、ご注意を。

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| HOUSE1 | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Body & Soul NYC Vol.3 (Wave Music:WM50060-2)
Body & Soul NYC Vol.3
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さぁ、今年も遂にこの時がやってきました。Danny Krivit、Francois K、Joe Claussellの3人が揃って催している「Body & Soul」 in Japan!!とにもかくにもハウスパーティーの中では一番の名実があり、現在では年に一度日本でしか行われていないので外人も参加したければ日本に来るしかないと言う、外人にとってははた迷惑なイベントだろう。そんなイベントを家でも体験出来るのがこのMIXCD。この3人が揃えば当然優良な物しか出来ないので、安心して買う事が出来ると思います。ディープハウスからトライバルハウス、ジャジーハウス、そしてデトロイトテクノまでおのおのの名曲がずらりと納められています。前半は深くトライバル的な展開で始まりますが、「Romain-Philly's Groove」が凄いな〜。素晴らしいトラックだとは小耳に挟んでいたけど、初めて今回聴いた瞬間にキタッ!!て感じだ。ぶっといグルーヴに躍動的なパーカッションが弾け、高らかに響き渡るトランペット?の音。クラブでかかればノリノリで腰をフリフリ、踊らずにはいられまいって曲だね。中盤ではデトロイトクラシックが2曲連続で使われているけれど、これはFrancois Kの趣味だなと思う。3人の中では一番前衛的と言うかやっぱり他の二人より頭一つ抜けている人だと思っています。Francoisは最近じゃDerrick Mayとも競演したり、テックハウス路線に力を入れたり自分の好みにも合っているしね。「Jaguar」は言わずもがなハウスに比べて人気のないテクノが、ハウスシーンに多大なる影響を及ぼした曲。深淵でもの悲しげな雰囲気に、神秘的なメロディーが反復し聴く者全てを魅了します。「Groove La Chord」もテクノ、ハウス両シーンで人気のある曲。切れ味鋭いシンセが被さる独特な曲です。後半ではメロウなハウスに移ってまた大きなボムが投入されちゃいます。そう「Elements of Life」、これがフロアを狂喜乱舞の世界に陥れる傑作です。ラテン調の陽気な打楽器が軽快に打たれ、爽やかな風に包まれる名曲です。そして爽やかになったのにラストではまたホットな「Casa Forte」によって暑くなってしまいます。Joe Claussellのリミックスと言う事もあり、強烈なトライバル感。この人ジャングルにでも住んでいたのでしょうか…。全体的に通して飽きずに聴ける、優良印を押して勧める事が出来るMIXCDですね。「Body & Soul」イベントの前にこれで予習するのが吉でしょう。

しかし日本でしかこのイベントを開催しない事には、やはりマネーの力が絡んでいるのだろうと少し寂しくなりますね。

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| HOUSE1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
V.A. - Kanzleramt Vol.5 (Kanzleramt:KA117CD)
V.A.-Kanzleramt Vol.5
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ドイツは素晴らしいテクノ国家だ。Kompakt、Tresor、Basic Channel、そしてかつてはForce Inc.と言ったレーベルが揃っていて、その水準たるや世界一と言っても過言では無い位だ。そして最近成長著しいのがこのKanzleramtと言うレーベルで、テクノ好きな人ならば既に注目しているであろう。オーナーであるHeiko Lauxや、Diego、Alexander Kowalski、Johannes Heilと言ったアーティストを擁し最近では、Fabrice LigやQuerida(Ian O'Brien)と言ったアーティストまでもが作品を発表している。このレーベルの音はデトロイトテクノを通過したジャーマンテクノとでも言うべき、スタイリッシュでソリッドな作品が特徴でまあどれも似たり寄ったりだが水準は高い。

今回のコンピレーションはレーベルの作品をHeiko LauxがMIXしたと言う事で、購入に至りました。ただのコンピだったら買わなかっただろうけど、MIXCDには弱いですね、僕。ジャケットの裏にBPMが書いてあって、最初は126から始まり、終盤では138まで上げていく盛り上げMIXですね。レーベルの各アーティストの曲もバランス良く使われているのでコンピとして聴く事も出来るし、MIX自体も楽しむ事が出来ると思います。個人的にはやはりQuerida(Ian O'Brien)の曲が、頭一つ抜けているかなと感じました。ちょっと前までは生音重視に走っていましたが、ここに来て原点回帰のエレクトロニックなハイテックジャズ系に戻って来ましたね。はよ、アルバム出せやって感じです(Kanzleramtから出るらしいですけどね…)。他のアーティストの曲はやはり似たり寄ったりかなと思いますが、鋭いシンセとハードな作風は良い感じです。Kanzleramtのアーティストのアルバムは何枚か持っていますけど、ほんとどれも似たり寄ったりなので飽きられるのも早いかもしれないなぁ…と危惧していますが、まあテクノなんて飽きられるの早いしね。じゃあみんな飽きる前に今の内に聴いておくのが、良いんじゃないでしょうか?けなしてるんだか褒めているんだか分かりませんが、今の所僕はこのレーベルは好きですよ。

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| TECHNO1 | 23:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Funk D'Void - In The Mix iFunk (Cocoon Recordings:CORMIX008)
Funk D'Void-iFunk
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昨日Pascal FEOSのIn The Mixシリーズを紹介したので、ついでにこれも久しぶりに聴きました。Funk D'VoidはSOMA Recordsから毎回高品質なデトロイトライクなテックハウスを発表していて、そのシンセの美しさには定評があります。リミックスワークも外す事なく、リスニング系からアッパー系まで良い感じの仕事をしています。とにかくFunk D'Voidはアーティストとして素晴らしい才能を持っていて、僕の大好きなアーティストの一人であります。そんな彼のMIXCDがIn The Mixシリーズに初登場したのが、去年の話。実際のプレイはハードグルーヴと言う話を聞いていたので初めてこのCDを聴いた時、予想外にも結構大人しめで聴かせるプレイだったので困惑したものでありました。テックハウスメインなので音的には本人のイメージその物なのですが、終盤までとにかく緩い。メロウな曲をじっくり聴き込むための様な選曲です。流行のクリックハウスもエレクトロディスコも時折混ぜて、終盤までまだかまだかと引っ張ります。途中Carl Craig、Future Beat Allianceのデトロイト系を2発差し込み、少しだけはっとさせられました。でもまだまだ盛り上がりが足りません。結局ラスト2曲の綺麗目シンセなデトロイト系で感動的な盛り上がりを見せて終わるのですが(特にAdrenogroov等から作品を発表しているDan Corco & Fred Carreiraは素晴らしいです)、なんだか食い足りない感じでした。結局全体的にビートが弱かったと言うか、もう少しだけでもハードな4つ打ちが欲しかったかなと思います。緩いなら以前紹介したSteve BugのMIXCDも同じじゃないかと思いますが、あちらは4つ打ちミニマルで反復の高揚感がありました。こちらはミニマルでも無いし、グルーヴが稀薄になったJohn TejadaのMIXって感じですね。

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| TECHNO1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ian O'Brien Presents Abstract Funk Theory (Logic Records:74321 69334 2 )
Ian O'Brien Presents Abstract Funk Theory
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まあ、Ian O'Brienが選曲してるんだし、本人の曲も入ってるし間違いないよね?買っちゃう?…買っちゃいました。Abstract Funk Theoryは今までシリーズになっている物でCarl CraigやMixmaster Morrisも参加してるけど、特にIanの選曲は素晴らしい。スピリチュアルジャズと呼べば良いのだろうか?ハイテックテクノを通過して、スペーシーなジャズまで辿り着いたIanならではの選曲だと思う。ここにテクノの面影はないが、彼の宇宙指向がこのコンピレーションに凝縮されていると思って良いだろう。そして最近のURのコンピにはまっている人は、是非ともこちらのソウルフルでロマンティックなジャズを聴くべきだろう。デトロイトの天才たちがテクノから生音重視のジャズへ回帰した様に、Ianのルーツにもジャズと言う物があるのだろう。自身の新曲Midday Sunなんて、惚れ惚れする程ロマンティックだしコンピに収めておくのがもったいない位です。不治の病のAnthony Shakirも参加していて、ハウス風ブロークンビーツを披露。どこか内向的でちょっとダークな雰囲気を思わせます。なんか悲しげ。Jazzanovaはスウィートでゆったり落ち着けるラウンジ的な音楽で、相変わらず質がお高いようで。意外にもClaude Youngも参加していてどんな曲かと思ったら、テック系ジャズって言えば良いのかな。極彩色でパッション弾ける爽快な曲でした。以上の様にこのアルバムは落ち着いて聴けるムーディーな曲から、アップテンポでクラブ仕様な踊れる曲まで良い塩梅で収録されていて、クラブジャズ系のコンピとしては相当質が高いと思います。デトロイトテクノ好きも、クラブジャズ好きも、また宇宙指向?の人も聴いてみてください。最近はKanzleramtからテクノ作品を出したIan O'Brienの向かう先は、テクノかジャズか一体どちらなのでしょう。。。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
groundrhythm non stop mixed by Kaoru Inoue (Toysfactory:TFCC88244)
groundrhythm non stop mixed by Kaoru Inoue
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Freedom Villageの復習の旅もそろそろ終わりが来てしまいました。最後は日本のクロスオーバーDJ、井上薫のMIXCDを紹介です。Freedom Villageでは見る事が出来なかったけど、この人のジャンルレスなプレイには定評があります。MIXCDも何枚か出していますが、中でも自分のオーガナイズするパーティー名(groundrhythm)を冠したこのMIXCDは予想以上の力の入れ様です。まずは自身の「Calling(6 am mix)」で始まります。アフロなパーカッションに朝日の様な美しいシンセのベールに覆われて、「Silent Poets-To Come...」で目覚めを迎えます。そのままダビーで深いアジアン旅行に突入し、前半のハイライト「THE IRRESISTIBLE FORCE-Fish Dances」でシタールの音に誘われて昇天します。その後はジャズやラテン調の南国の世界に連れて行かれ、熱気溢れる陽気な世界を堪能します。そして後半には最大級の盛り上がりが待っています。そう、Francois KもMIXCDで使用した「KYOTO JAZZ MASSIVE-Nacer Do Sol」、その曲です。スウィートで美しいジャズソングが、身も心もスウィングさせます。そして旅が終焉に近づくにつれ、今までの壮大な旅を祝福するかのような感動な展開に向かいます。そしてラストのアフロコズミックな「D-NOTE-The Garden of Earthy Delights」によって楽園に辿り着いた旅は、ここで終わりを迎えます。70分と言う時間に関わらず多様な音楽を織り込み、それを一連の旅としてまとめてしまう井上薫のプレイには感嘆します。何よりもこのMIXCDに好感が持てるのは、日本人のトラックが多く使われていると言う事ですね。クラブミュージックに関しては日本人は受け身な点も多かったと思いますが、本当は日本からも隠れた良質な楽曲がたくさん出ていると言う事を気付かせてくれます。このMIXCDは井上薫渾身のパラダイスミュージックです。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Carl Cox - Mixed Live 2nd Session Area 2 Detroit (Moonshine:MM80186-2)
Carl Cox-Mixed Live 2nd Session
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君はCarl Coxを見た事があるか?!脂ぎっててめちゃファットな体型をしていて、なんつー奴だってのが最初の感想。海外での評価はかなり高いけど、MIXCDは初期の頃のトラックリストを見ても食指が動かずスルーしていました。しかししかししかし、このMIXCDを聴いて彼への評価は180°変わりました。Live in Detroitと言う事も関係あるのかもしれないけど、体型に似合ったぶっとい音で突っ走るハードグルーヴテクノ。最初はいきなり大ヒットの「Lazy People」で始まるけど、何を思ったのかコックスが喋り出す。きっとノリノリで気分が良かったのでしょう。その後も展開を無視して猪突猛進、ズンドコハードグルーヴの一点張りで通します。キングオブ定番「D-Clash」は盛り上がらない訳がないし、Slam、Samuel L. Session、Christian Smith & John Selwayと言ったアーティストの曲でゴリゴリ攻めまくります。そして最後のキングオブ定番「Pontape」は盛り(以下略…)。はい、展開もアゲサゲも無視です。ここにあるのはファットなボトムと熱気溢れるライブ感、そして男気。ここまで筋を通せば文句を言う人はいないと思います(文句がある人は本人に言ってね)。ま、冗談は抜きにしてファットな体がそのままMIXに溢れ出ていますよ。体もMIXもKevin Saundersonばりです。兄弟ではないけれど、兄弟に近い物を感じます。今週末ageHaとYellowに来日するので紹介してみました。きっと日本でのプレイも、アセアセしながら脂ぎったプレイを見せてくれる事でしょう。

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| TECHNO1 | 18:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Carl Craig - The Workout (React:REACTCD227)
Carl Craig-The Workout
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デトロイトテクノの発展の中心となっていたCarl Craigはアーティストとして超一流だと思います。でも昔のDJMIXを聴くとしょぼ〜って感じで、実際生でDJを聴いた時もあんまり興奮しなかった記憶があります。そんな彼も最近はなかなかのプレイをするようになったと、このMIXCDを聴いて思いました。2枚組、どこをとってもデトロイト。と言っても結構ハウスよりなMIXで、丁寧で大人しめ、部屋でまったり聴く感じです。お薦めは2枚目の方で、開始からNewworldaquarium→Terry Brookes→Soul Designer(Fabrice Lig)の繋がりは格好いいですね。Niko Marks、Urban Culture(Carl Craig)、Aardvarckとかその他もろもろデトロイト風味の曲が使われていてジャジー、テクノ、ハウスを上手く使い分けています。テンションを上げずにミドルテンポでムーディーで良い感じだけど、Carlが凄いって言うか選曲が良いだけなんだろう。いや、それでもデトロイト好きな人にはよだれが出る選曲に違いない。Carlが本気になったせいか曲毎の頭出しは無し、最初から最後までノンストップで聴くしかない。入門編の為にも、頭出し位はつけてやれよと思いました。発売元のレーベルは倒産済みなので、見かけたら早めに購入するのが吉でしょう。

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| HOUSE1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fumiya Tanaka - Mix-Up Vol. 4 (Sony Music Entertainment:SRCS8140)
Fumiya Tanaka-DJ MIX 1/2[MIX.SOUND.SPACE]
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昨日はディープ目のMIXを紹介したので、今日はFumiya Tanakaの本気汁モードの激ハードMIXを紹介。Mix-Upと言えば「Jeff Mills-Mix-Up Vol.2」と同じシリーズ。このシリーズは良いですね。これは96年のライブ録音で今よりも荒々しさ、猛々しさみたいなのを感じます。今もハードなんだけど、今はもっとシンプルでストイック。96年頃は若さ溢れんばかりのパワーで押し切る感じのMIXですね。Jeff Mills、Steve Bicknell、Regis、Surgeonみたいなミニマル勢にFunk、Robert Armani、Traxmenみたいなシカゴハウス勢、その他有名無名勢関係なくガンガン繋いでいきます。オープニングからテンション高くて、途中中だるみにはなるけれど55分位からはもうノンストップ爆走状態で、ハードミニマルの真骨頂を見せてくれます。日本版Jeff MillsなのでJeff Mills好きは是非。amazonで売ってないけど、中古屋では良く見かけるので探してみて欲しいです。しかしスタートIDが入っていないので、曲を飛ばす事は出来ず入門にはお薦めするには悩む所です。

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| TECHNO1 | 21:17 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2004/09/25 DIMENSION K presents ZOOM - ageHa @ Stuido Coast
この日は待ちに待った、Ken Ishii&DJ Rolando。さすがにこの二人が回すとなるとageHaもなかなかの盛況っぷりです。さて12:40分頃に着くともうケンイシイがプレイ中。1時頃にEnvoy-Shoulder 2 Shoulder→R-Tyme-R-Themeの繋ぎで会場を盛り上げます。これはこの日の自分のハイライト。ドラマチック過ぎますよ(泣)その後もJoris Voorn-Shining、Paperclip People-Climax、Joris Voorn-Incident→FLR-Emergency Exit 1.1等でヒット曲満載。2時頃からは硬めのセットでKen Ishii-Awakening (Smith & Selway Remix)、FLR vs The Blunted Boy Wonder-Kjoh-Zonも回してバキバキ会場を盛り上げます。ケンイシイは今年3回目の体験ですが、今回が一番アゲていて最高のプレイです。テクノゴッドだからこそ許せるセットですね。Joris Voornの曲は毎回使用していますが、10月1日に出るアルバム「Future History」は必ず買いましょう。

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| EVENT REPORT1 | 17:05 | comments(2) | trackbacks(0) | |
A Clairaudience Compilation - Songs Inspired By Life + Movement (Music Mine:IDCZ-1001)
A Clairaudience Compilation-Songs Inspired By Life + Movement
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NEEDS布教活動第2弾。このアルバムはAnthony Nicholson率いるClairaudienceのコンピレーションです。Anthony NicholsonはかつてRon Trentと組み、アフロテイスト溢れるどディープなハウスを作り上げた。その後Clairaudienceを立ち上げ、生楽器重視のジャズ、アフロ、ソウルを融合させたクロスオーバー的ハウスな作品を発表している。このアルバムで注目はなんと言っても、NEEDS - Flyingだろう。青天の中、どこまでも突き抜けるかの如く爽やかなフュージョンハウス。NEEDS節炸裂な傑作です。それに呼応するかの様に、アルバムの半数を占めるAnthonyの作品(Descendents、Space 7、Afterglow Suite、Kwame名義)もアンビエント、フュージョン、ソウル、ジャズ等各幅広い音楽性を持っていち早くシカゴハウスの束縛から逃れた作品を作っている。最近クロスオーバーなんて言葉を良く見かけるけど、本当にそれを体現しているのはアーティストは少ないと思います。AnthonyはLegacy名義でNEEDS MUSICから「Sexy Love Song」と言うEPを出していますが、小鳥のさえずるような甘いボーカルにジャジーなトラックが絡むこの曲も素晴らしいですよ。最近Clairaudienceの活動がどうなっているのかは謎ですが、要注目です。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 17:15 | comments(0) | trackbacks(1) | |
V.A. - House Things Vol.5 (Flower Records:FLRC-022)
House Things Vol.5
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NEEDSのパーティーでNEEDSの知名度が意外と低い事が分かったので、NEEDS布教活動を始めるとする。今回は第1弾。このコンピはFlower Recordsの高宮永徹がレコードでしか聴けないような旬な曲や、ハウスクラシック、未発表音源等をまとめた物である。クリーエーターの作家性に敬意を示し敢えてMIXは行っていないとの事です。と言うだけあって良い曲揃いです。3曲目のTouch Oneと言うのがNEEDSのLarsとAnthony Nicholsonとの共作で、普段のNEEDSとは多少違った雰囲気。ヴォコーダーのボイスにちょっと緩めのビートでほんわかした雰囲気です。郷愁を感じさせますね。4曲目のWalter JonesのMaurice Fulton Remixはハウスと言うのか苦言するが、奇天烈で変態な音を出しています。現在「MU」と言う日本人女性とのユニットで一躍名を挙げているらしいです。8曲目のKerri Chandler - Atmospheric BeatsはLarsも先日回していた曲のリメイクですが、これはほんと素晴らしい。ヘヴィーボトムなリズムにトランペットが高らかに鳴り響くクラシック中のクラシック!5-7曲目は浮遊感たっぷりのテックハウスで、夢見心地で気持ちの良い曲です。粒ぞろい、いや良い曲揃いなので普段EPを買わないハウスファンにとっては、自信を持ってお薦め出来る一枚です。

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| HOUSE1 | 19:26 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jeff Mills - Mix-Up Vol.2 (Sony Music Entertainment:SRCS7969)
jeff mills-mixupvol2
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1995年10月28日、Jeff Millsはリキッドルームに舞い降りた。そしてその時の神懸かったプレイを記録したのが、このMIXCDである。テクノ好きならば誰もが通るJeffなので語る事は少ないが、元Underground Resistanceでその後ハードで過激な作風でミニマルテクノを世に知らしめた張本人である。DJに至ってはとにかくファンキーで、3台のターンテーブルを使って矢継ぎ早にレコードを変えてはMIXを繰り返していく。その曲の良い所だけど抜き出してプレイするのであれば、もちろん悪い訳がない。余りにもMIXは早く1時間に40枚程はレコードを使う程だ。このMIXCDでは自身の曲を多く含みつつも、Jeffのフォロワーの曲も使い、未来的な兆候を感じさせながらも時にファンキーに、時にソウルを感じさせる。最初の8曲位までは前半のハイライトだが、圧巻は中盤の「Strings Of Life」だろう。Jeffは何故か昔からこの曲をほぼ回している。何故ミニマルプレイでこの曲を回すのか?それはJeffがソウルのこもったプレイをするからに他ならないだろう。最近はHOUSEのアーティストもこの曲を回したりするけど、やっぱりJeffが使ってこそだと思います。

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| TECHNO1 | 21:24 | comments(0) | trackbacks(1) | |