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Deutsche Elektronische Musik (Soul Jazz Records:SJRCD213)
Deutsche Elektronische Musik
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テクノを聴く者にとっても、またそうでなくともジャーマンプログレ(クラウトロック)の影響と言うのは今でも色濃く残っている。特にテクノ方面に限って言えばAsh Ra Tempel(Manuel Gottsching)、Cluster、Tangerine Dream辺りの瞑想的電子音響世界はテクノのそれと共通しており、テクノのルーツの一部がジャーマンプログレである事は明白だ。そして多方なジャンルに渡って旧譜の掘り下げから新譜の普及まで努めているSoul Jazz Recordが、今度はジャーマンプログレのコンピレーションをリリースした。コンセプトはこうだ - "1972年から83年の実験的なジャーマンロックと電子音楽"。CD2枚組には前述のバンドと共にCan、Harmonia、Popol Vuh、Amon Duul、Nue!など有名どころからIbliss、Between、Kollectivと言ったマイナーなバンドなど、とにかくジャーマンプログレの骨の髄まで収録している。これだけのバンドが揃えば単にジャーマンプログレと言っても一つの言葉で形容出来る訳もなく、Popol VuhやBetweenの自然回帰的な内省的で静謐な曲もあればCanの様にハッピーなコズミックディスコもあり、RoedeliusやMichael Bundtの現代にも通ずるアンビエント、HarmoniaたNue!のオプティミスティックでトランス感覚に満ちたミニマル、Conrad Schnitzlerの派手派手しくネオンライトの輝くイタロディスコ風まで、現代の定型化したロックからは想像も出来ない自由な発想力に溢れた音楽が広がっている。普通から逸脱する事を恐れずに自分達の信じる音を追求した結果がジャーマンプログレ(クラウトロック)になった訳だが、当時はクロウトと言う言葉は馬鹿にする意味で使われていた様だ。しかし後々にその評価は覆され、特にテクノ方面ではその電子的音楽のみならず枠に収まらない創造性も受け継がれ今に至っている。もしそんな野心的な音を聴きたければ、そしてテクノに関心が無い人にとっても、きっとこのコンピレーションは貴方のジャンルの枠を取り払ってくれる作品に成り得るであろう。

試聴

Tracklistは続きで。
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| ETC3 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Cluster - Sowiesoso (Captain Trip Records:CTCD-598)
Cluster - Sowiesoso
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先日来日公演を行ったClusterの76年作。初期のClusterと言えば無感情に奇妙な発信音や電子変調音を鳴らしているだけの抽象性を極度に高めた音楽でしたが、NEU!のMichael Rotherと結成したHarmoniaの活動を経てからは重みや閉塞感も減り、むしろ外向的で奇天烈ながらもほのぼのとしたムードの漂う電子音楽性が強くなりました。特に本作のジャケットを見れば感じるであろうこの自然回帰志向。これまでのおどろおどろしい重さは皆無で、逆にどこまでもフラットに伸び行く叙情溢れるシンセや環境音の様なSEが導入され、色彩鮮やかなロマンスさえ溢れている。タイトル曲の"Sowiesoso"は開放感に溢れオプティミズムの塊その物ではないか。勿論これまでの電子楽器を弄くり回して遊ぶ様なユーモア溢れる音使いは健在ながらも、単に鳴っているだけの音楽から美しい色彩さえも感じられる人間味が表現された事は、テクノソウルにも通じる物があるのでは。ラストの"In Ewigkeit"は自己主張、抑圧の無いただ奇妙な音が鳴っているだけのいかにもClusterらしい曲だが、これは後のアンビエントテクノとも言えるでしょう。実験的・前衛的ではあるけれど、同時にポップなエレクトロニックミュージックとしてお勧めです。



Check "Cluster"
| ETC3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mickey Guitar Project - Flowers (Captain Trip Records:CTCD-596)
Mickey Guitar Project-Flowers
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皆さん元気ですか?僕は元気じゃありません。クソ暑い毎日でだるさで体が満たされています。でも毎日このCDを聴いているおかげで、何とか死なずに夏を越す事が出来るかもしれません。

ちなみに皆さん、CAPTAIN TRIP RECORDSってご存じですか?多分知っている人の大半は変な人だと思います。でもその手の中じゃ超有名で、ジャーマンプレグレッシヴロックを中心に過去の異形な音楽ばかりをリイシューしつつ、国内外の世間ずれしたアーティストの作品をリリースしまくる日本のレーベルでありまして、有名所だとCan、Cluster、Neu!、Ash Ra Temple関連のリイシューが熱いですね。

前置きが長くなりましたが、CAPTAIN TRIP RECORDSの経営者・松谷健が送るMickey Guitar Projectのアルバムこそ、この真夏にぴったりな冷却剤となっております。ユニット名の通りギターを使用した爽やかアンビエントアルバムなのですが、ギターの音は微かに鳴る位でそれよりもホワホワした音がただずっと鳴っています。70曲70分の心地良い夢が永遠と続くオプティミスティックな世界は、まるでKLFの"Chill Out"(過去レビュー)にも匹敵するぶっ飛び具合。あ、でもこちらはKLFみたいな悪意は感じないし、素直に音の揺らぎに耳を傾けられますよ。お家で聴けば体感温度2℃は下がるだろうし、野外のレイブで朝方に聴けば心地良い時間が生まれる事でしょう。ここにあるのは涅槃の世界か、星の瞬きの音か、真夜中の海辺の潮騒か。とにかく気持ち良いって事ですよ。

Check "Mickey Guitar Project"
| ETC2 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Harmonia - Harmonia (Brain:UICY-9559)
Harmonia-Harmonia
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本日も残りわずかになってきましたがジャーマンプログレッシブロックの紹介です。話題は元に戻りまして、Cluster関連のアルバムを聴いてみようと思います。本作をリリースしたHarmoniaとはClusterの二人に、元NEU!のMichael Rotherが合体したバンドです。このNEU!ってのがまたジャーマンプログレの中でも面白くて、アパッチビートとかハンマービートと呼ばれる頭打ちのミニマルなドラムが特徴なんですね。パンキッシュかつヒッピーで楽天的なのに攻撃的な音楽であり、ジャーマンプログレと言うよりはニューウェーブを想像して貰えると分かり易いロックバンドです。さて生真面目なClusterにそんな元NEU!のアーティストが加わると、予想通りと言うかClusterの荘厳で重々しい雰囲気は薄れポップで開放溢れる楽しい音楽になっていました。曲はノンビートとビート入りが半々位になっていますが、ビート入りの曲ではやはりNEU!の様に永遠に不変なミニマルなドラムが打ち鳴らされています。言葉では表現し辛いドタドタしたリズム、そして素っ気ない音の質感こそ正にNEU!直系。そしてRotherのギターとClusterの電子音は底抜けに明るく、奇妙な音もここでは桃源郷の様な心地良い空間を創り出します。またノンビートの曲は人力アンビエントと言っても差し支えない程良い意味で気が抜けていて、静謐の中を重く深い音が立体感をしっかりと生み出しています。これもClusterだけならばきっと重苦しさが残ってしまうのでしょうが、やはりRotherの参加のおかげでリラクゼーション的な和みが効いています。両方のアーティストの長所が上手く融合されていて、これぞコラボレーションの醍醐味が発揮されていると断言します。

Check "Cluster" & "Michael Rother"
| ETC2 | 21:40 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moebius & Plank - Material (CAPTAIN TRIP RECORDS:CTCD-576)
Moebius & Plank-Material
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今日も昨日に引き続きジャーマンプログレッシブロックの紹介です。昨日はMoebius & Plankコンビの1stアルバムを紹介しましたが、今日は同ユニットの2NDアルバムを紹介します。本作も限定1000枚のみのリイシューなので、気になる方はお早めに購入しますように。さて本作にも関わっているConny Plankなんですが、ジャーマンプログレッシブロックにおいては欠かす事の出来ない存在でありまして、Cluster以外にもKraftwerkやNEU!、Ash Ra Tempel、Guru Guruなど多くのバンドのプロデューサーやエンジニアを務めていました。そして80年代に入ると数多のニューウェーブバンドから手を引かれる状態となり、音楽制作においてかなりの影響を及ぼしたそうです。で本作なのですが、確かにジャーマンプログレと言うよりは音が鋭角的でニューウェーブの方に近いかと思われます。電子楽器の利用は当然なのですが、ギターなども導入されて荒々しく生々しい臨場感のある音が特徴ですね。81年作なのに古臭い感覚を匂わせる事もなく、ソリッドで切れ味鋭い音とか立体的な音響が今でも新鮮に聞こえます。もちろんエレクトロニクスも存分に使われていて、太いアナログシンセの音や廃墟から生じる様な寂れた音がパンク精神を感じさせますね。完全にConny Plank色全開です。

Check "Dieter Moebius" & "Conny Plank"
| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Harmonia - De Luxe (Polydor K.K.:POCP2388)
Harmonia-De Luxe
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ClusterのメンバーとNEU!脱退後のMichael Rotherが一時的に手を組んだユニット。Clusterの方は元々Klusterと言う名前で活動をしていて、フリーインプロヴィゼーションによる音楽と言うよりは音が鳴っているだけの物らしい。そしてMichael Rotherは元Kraftwerk、そしてNEU!結成→脱退と言う経歴。こんな人たちが一緒になって奏でた音楽は、予想外にもポップ!NEU!のパンキッシュで衝動的な部分がより強調され、そして明るい。どこまでも突き抜けるかの様に、幸福感に満ちあふれている。きっとMichael RotherのNEU!での活動がこのアルバムに影響しているのだろう。リズム帯もNEU!の様な勢いのある反復ビートを思わせるし、その上を開放感のあるシンセサイザーやギターが縦横無尽に駆け巡る。ジャーマンプログレでここまで躍動的な音楽は、他にはあまり無い気がする。中にはシンセサイザー中心の曲もあり、現在のアンビエントにも通ずる心地良さを感じる事が出来る。こちらはClusterの影響が大か。最後の曲なんてカエルの鳴き声や、水の流れる音、鳥の鳴く音などがミックス(現在で言うサンプリング?)されてチルアウト状態。こんな音楽を聴いていたら家に引き籠もっていないで、外に出て太陽の光を浴びたくなってしまう。Kraftwerkがテクノの元祖と言われているけれど、Harmoniaだってそう言われてもおかしくないかも。

Check "Cluster" & "Michael Rother"
| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Neu! - 2 (Groenland:7243 53078126)
Neu!-2
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最初期KraftwerkのメンバーであるKlaus DingerとMichael RotherがKraftwerkを脱退後に作ったバンドが、この”新しい”と言う意味のNEUだ。Kraftwerkの電子音楽とは異なり、こちらはパンキッシュでロッキンなのちのPILJoy Divisionにも通じるような音楽が特徴。ギターを掻きむしり、ベースがベンベン唸る。と言ってもやはりジャーマンプログレ、尋常ではない。ハンマー・ビートと言われる反復リズムが特徴らしいが、僕には良く分かりません。しかし明らかにこの後のテクノに通じる反復ミニマルが既に確立されている。そしてその上に強烈で過激なエフェクトが施され、現在のサンプリングにも負けず劣らずな効果を生み出している。またテープを使い曲の途中でスピードを少しずつ変えていったり、明らかに今までのロックには無かった作風もある。そして何よりもKraftwerkは生真面目にそして精密に作品を作るのに対し、NEU!は衝動的と言うか音楽を作る時の勢いが作品自体に新鮮に封じ込まれている。聴いていて清々しく、悩みも吹き飛ぶような新鮮な作品だ。重苦しい作品だけがジャーマンプログレではないのだ。

Check "NEU!"
| ETC1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |