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Neil Tolliday - Music For Deathbeds (Emotional Response:ERS039)
Neil Tolliday - Music For Deathbeds
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2019年5月に180分にも及ぶ全く意味を込めないドローン状態のダークアンビエントなアルバム『Mallumo』(過去レビュー)を発表したNeil Tolliday。それから間髪入れず7月にリリースしたアルバムが本作。まさか90年代にはClassicやStrictly 4 GrooversからクラシカルなハウスをリリースしていたNail名義のその人が、全く方向性が異なるそのような音楽を制作した事は驚きであったが、何でも鬱病になった際にセラピーの一環としてアンビエントを手掛けるようになったそうだ。それは2000年頃に始まり様々な楽器や機器を元に何百ものトラックが制作され、ここ数年に渡りBnadcamp上で変名を用いてリリースされていたもののプレスに発表される事はなく、そして数週間でそれらは削除されるといった事を繰り返していたと、本作のプレスで述べられている。結果的にそれらの断片的な作品の中から一部纏められたのが本作で、当然というかこれも陰鬱で閉塞的なアンビエントが中心となっており、正にタイトル通り「臨終の為の音楽」というのも納得な内容だ。『Mallumo』と比べると元からアルバムとして制作された曲群ではないので作風が豊かというか散漫というかアンビエントでも幅は広くなっており、コンピレーション的な風合いが強いか。波の音に合わせてオーケストラや祈りのような歌を用いて荘厳な賛美歌を思わせる"Yearn"でアルバムは始まり、ぼんやりとしたドローンが続く不鮮明な音響の中に美しいオーケストラや電子音が混在する"Milky Less Milk"、サイケデリックな電子音が浮遊し不明瞭な音像のエレクトロニカ風な"Swipperb"と、序盤からアンビエントが根底にはありつつも作風はばらばらだ。パルスのように強烈に振動する電子音から壮大なアルペジオへと展開しビートレスながらも躍動感ある"Aftershave Pt.7"、対して静けさが広がる中に胎動のような電子音に美しいシンセのコードが被さり静謐さが際立つ"Specific Gravity"、繊細でか細いシンセのメロディーと荘厳なオーケストラ風のパッドによって神聖な雰囲気を醸すヒーリング系の"6:30"など、曲毎にアンビエントの姿も変えて時に刺激的に時に安らぎを誘い、鬱病の最中に癒やしとなるかどうかは別としても只々ぼんやりと音の中に意識を埋めるには最適なのかもしれない。催眠のような永続的なドローンの統一感の心地好さで言えば『Mallumo』が優れているのだが、本作はラフスケッチ的にTollidayの多彩な音楽性を堪能する事が出来て、これもまたアンビエントの豊かを体験する意味で面白い。



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| ETC5 | 16:00 | comments(0) | - | |
Neil Tolliday - Mallumo (Utopia Records:UTA007)
Neil Toliday - Mallumo
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2019年もクラブ・ミュージックの界隈でアンビエント・ミュージックが大旋風を巻き起こしていたが、一言でアンビエントと言っても自然回帰的なニューエイジ調から踊り疲れた後のチルアウト、日常空間に馴染むサウンド・デザインまで多様な要素が混在している。本作はそんなアンビエントの中でも殆ど展開がなく70分4節に渡ってどんよりとしたドローンが続く意味を込めない音響によるアンビエントで、精神を安静へと導く治癒的な作用もあるような音楽だ。このNeil Tolidayについては知らなかったものの手を出した理由は、時代とジャンルを超越しながらオブスキュアな音楽を提唱するUtopia Recordsからのリリースという事もあり興味を持った訳だが、結果的には非常に良質なアンビエントに出会う事が出来た。が実はこのTolidayは後から気付いたのだが90年代からハウス・アーティストとして活躍しClassic等からもリリースのあるNail名義その人であり、近年もPressure TraxxやRobsoulからファンキーなオールド・スクール系のハウスを多く手掛けているベテランで、何故に突如としてこのようなアンビエント大作を手掛けるに至ったか。プレスリリースによると鬱病の期間中に自己療法として作られたようだが、明るくもなくただただ陰鬱にも近い暗さがあるからこそ心を落ち着かせるのだろう。曲名も付けずにただI〜IVとだけ記されたパート、やはり音に合わせて意味を含ませない事を意識しているようで、どのパートも朧げでどんよりとした暗いムードのドローンがレイヤーとなり、粘度の高い液体がじっくりと形を変えていくように微細な変化を起こし、そこに微かに時折メロディーや環境音らしき音が入ってくる。大きな展開はなくドローンがうねりながら重厚感も伴い、一寸の光も見えない閉塞空間の響き。まるで大きな大聖堂の中で音が反射しているような荘厳で壮大な音響で、そういった意味では静謐で宗教的な祈りにも思われる。似たような音楽であればWolfgang VoigtによるGas名義のアンビエントを思い起こすが、そちらがまだビートがあり交響組曲からのサンプリングで華やかしさがあるものの、こちらは完全に閉塞的なダーク・アンビエントに振り切れている。なお、配信の完全版では170分近くのボリュームで、存分にずぶずぶとした内なる精神世界へと瞑想出来る事だろう。



Check Neil Tolliday
| ETC4 | 14:30 | comments(0) | - | |