Marcos Valle - Sempre (Far Out Recordings:FARO211CD)
Marcos Valle - Sempre
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9年ぶりのアルバムという事でちょっとした話題になっているみたいなMarcos Valleの新作。普段クラブ・ミュージック中心に聞く筆者にとっては余り縁の無さそうなアーティストだが、2015年には"1985"をTheo Parrishがリミックスをして話題になっていた事もあり、この新作も軽く試聴してみたところアーバンかつブギーなディスコ/ラテンな作風が直ぐに耳に馴染んだので購入した次第。Valleは60年代から活動するブラジルのアーティストで、ボサノヴァから始まりMPBにディスコ、そしてジャズやファンクにAORやソウルと様々な要素を咀嚼する事で結果的に時代に適合しながら生き抜いてきているように思われるが、過去の作品を聞いてみるとどの時代にもポップなソングライティングが発揮されておりその音は実に懐っこい。そして注目すべきは90年代後半以降はダンス系のブラジリアン・ミュージックでは筆頭格のFar Out Recordingsから作品をリリースしている事で、その点からも少なからずクラブ・ミュージック的な方面からも違和感無く聞けるダンスなグルーヴ感も存在しており、クロスオーヴァー性はここでも発揮されている。そこからのこの新作、Pat Metheny Groupに参加していたパーカッショニストのArmando Marcal、Azymuthのベースプレイヤーとして活動していたAlex Malheirosといった様々なアーティストが参加しているが、特筆すべきはIncognitoのリーダーであるJean-paul Maunickの息子であり、ハウス・ミュージックのアーティストであるDokta VenomことDaniel Maunickがプロデュース&プログラミングを担当しており、その影響として大きくブギー&ディスコな性質が打ち出されている事だ。冒頭の"Olha Quem Ta Chegando"からいきなりファンキーなギターカッティングにトランペットの情熱的な響きが聞こえ、ドタドタとした生っぽいドラムが躍動するディスコな曲で、しかし熱くなり過ぎずにサマーブリーズな爽快な涼風が舞い込んでくる。"Odisseia"では実際に生ドラムを用いた臨場感あるリズムに豊潤なフュージョン風のシンセや甘美なエレピを重ねて、派手さのあるラテンファンクかつサンバながらも哀愁も込み上げる切ない一曲。バラード風なスローテンポの"Alma"では光沢感のある優雅なシンセやしみったれたギターメロディーが活きており、AORで大人のアーバンな雰囲気には余裕たっぷりな円熟味が。そして再びディスコ・ファンクな"Vou Amanha Saber"、ズンズンと力強い生ドラムがリズムを刻み、ギターやベースがうねりつつ豪華さを彩るホーンが響き渡る、陽気さに溢れ肉体感を伴う熱いダンス・ミュージックを聞かせる。音楽的な新しさは皆無ではあるものの色々なスタイルが元からそのままであるように馴染みながら、エネルギッシュに脈動するダンスからしっとりと聞かせるリスニングまで丁寧なソングライティングが耳馴染みよく、取り敢えず老獪なベテランに任せておけばOKみたいな安心感のあるアルバム。真夏は過ぎてしまったけど、蒸し暑い時期にも体感温度を下げる爽やかなブラジリアン・フレーバーが吹き込んでくる。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Far Out Monster Disco Orchestra - Black Sun (Far Out Recordings:FARO 202CD)
The Far Out Monster Disco Orchestra - Black Sun
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ブラジリアン・ミュージックのオーソドックス - 例えばジャズやサンバにボサノヴァなど - そしてモダンなダンス・ミュージックまで、過去と未来を紡ぐように展開するFar Out Recordingsは、この類に造詣は無い人にとってもレーベル名は聞いた事がある位に著名な存在だ。そんなレーベルの15周年の活動として2008年頃に始まったプロジェクトがThe Far Out Monster Disco Orchestraで、その中心にいるのがレーベル設立者であるJoe Davis、Incognitoの息子であるDaniel Maunick(=DJ Venom=Dokta Venom)、そしてAzymuthのプロデュースも手掛けるDavid Brinkworthらで、その周りをブラジリアン・ミュージックの実力者が固めるというだけあって音楽的な素養の高さは保証されたプロジェクトだ。2014年には初のアルバムである『The Far Out Monster Disco Orchestra』(過去レビュー)でソウルやディスコにファンクも咀嚼したブラジリアン・ミュージックを豊かに聞かせていたが、それから4年を経て遂に2ndアルバムが完成した。ここでも前述のアーティストが中心となりながら、他にはブラジリアン・ミュージックの女性ボーカリストであるHeidi VogelやAzymuthの元キーボード担当であったJose Roberto BertramiにベーシストのAlex Malheirosなど、その他大勢のアーティストを迎える事でゴージャスな響きを生み音楽に豊かさを込めている。アルバム冒頭の"Step Into My Life"からしてゴージャスで華麗な音が鳴っており、ストリングスやホーン帯も加わった生演奏を主体とした流麗なサウンド、ギターやベースのファンキーな響き、そしてうっとりする程に甘くそしてソウルフルな歌が一つとなり、晴々とした涼風が吹くようなブラジリアン・ディスコだ。"Black Sun"は動きの多く力強いベースや切れのあるギターカッティングがファンキーで、そこに情熱的な歌やコズミックなシンセにサックスやトランペットの豪華な音が加わり、次第に熱量を増して盛り上がっていく。一転して"Flying High"は落ち着いたテンポでしっとりと甘い女性の歌を聞かせるバラード的なディスコで、微睡みを誘う優美なピアノのコードや豊潤な響きのシンセのメロディーを軸にして、胸を締め付ける切なさに満たされる。フェンダー・ローズの繊細で美しいソロから始まる"The Two Of Us"もミッドテンポでしっとり系の曲で、晴れやかで和んだ歌と甘いコーラスに優しいピアノやフェンダー・ローズでメロウネスが込めて、じっくりと甘い世界に浸らせる。アルバム12曲の内5曲はインスト・バージョンなので実質7曲になるが、ノリの良いブギーなダンスからメロウに聞かせる曲までどれも耳に残る魅力的なメロディーや生楽器の富んだ響きが活かされており、流石実力者揃いのバンド・プロジェクトによる本格ディスコだ。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ3 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nick Anthony Simoncino - Mystic Adventures (Vibraphone Records:VIBR 012)
Nick Anthony Simoncino - Mystic Adventures
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2015年に復活を果たしたイタリアの伝説的レーベルであるVibraphone Recordsは、92〜93年頃の僅か短い期間だけ活動を行っていた。復活後も当初は以前にリリースされていた作品のリイシューが中心だったものの、再評価に伴い活動も軌道に乗っており、今では積極的にイタリアの現在形のアーティストの後押しを行っている。そしてレーベルとしてはやや古典的なハウスを得意としているが、イタリアにおけるシカゴ・ハウス狂のアーティストと誰を差し置いてもSimoncinoなわけで、このレーベルとの相性の良さは説明するまでもないだろう。基本的にどのレーベルからのリリースであろうとSimoncinoの作風に大きな差はなく良くも悪くも金太郎飴的、本作においてもアナログサウンド全開の簡素な味わいのディープなシカゴ・ハウスが中心だ。TR系の音に近似したドタドタとしたキックと生々しいハイハットが骨のある4つ打ちを刻み、そこに毒々しくヒプノティックなシンセのフレーズを被せた"Mystic Adventures"は、非常にシンプルな構成が故にシカゴの狂気や荒々しさが端的に表現されたハウスだ。中毒的なアシッド・ベースが這いずり回る開始から淡々として無機質なキックやハイハットが加わりビートを作っていく"Righteous Rule"も、基本的に似たような作風でミステリアスなメロディが不気味な空気を発している。"Alba Techno"も無機質な4つ打ちビートという点では全く同じだが、浮遊感のある上モノやSE、そしてダビーな残響の効果によって荒々しさだけでなくディープな雰囲気も伴う。攻撃的で粗暴なトラックである"Galactic Devotion"は膨らみのあるキックや粗いハイハットによってラフさとパワフルな圧を生み、トランシーでもある快楽的な上モノも用いてレイヴ風なケバケバしさもある。動物の鳴き声みたいな効果音がユニークな"RX5 Theory"のみは抜けの良いパーカッションも加わってトライバルな感覚もあるが、それにしてもやはり無機質というか淡々としたリズムマシンの音が何処か空虚だ。シカゴ・ハウスへの愛が故に一本調子な安っぽいアナログ・サウンド全開、良く言えば非常に分かりやすい音楽性でぶれる事はないし、好きな人にとっては浮気させない位の変わる事のない魅力を放つ作品でありアーティストだと思う。



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| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Afterglow Meditation (Suburbia Records:SUCD1008)
Good Mellows For Afterglow Meditation
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遂にシリーズ通算10枚目に到達。渋谷カフェブームの発端であるCafe Apres-midiを運営する橋本徹によるその名も『Good Mellow』シリーズは、メロウをコンセプトにレコードのみの音源や貴重な楽曲も用いて、その作品毎に各時間帯や風景を喚起させる。例えばそれは週末の海辺だったり夜明けや夕暮れの時間帯、または星降る夜空だったりとシーンは変わりながらも、そこにぴったりのメロウネスを投影する手法によりどの盤を聞いても心が落ち着きドラマティックな時間を過ごす事が出来る。そんな新作のコンセプトは「余韻と瞑想」と謳われており、一見言葉だけでは掴めない所もあるものの、実際に聞いてみると瞑想という言葉から今までの屋外の開放的な雰囲気に対してやや内面と向き合うような神妙な感覚があり、その解釈が間違っていないのであれば成る程である。勿論今までのシリーズと同様にジャンルの枠で限定する事はなく、メロウという音楽に対して多面的な視野を以て選曲は成されており、幕開けはLord Echoがプロデュースするジャズ・トリオによる"Montreux Sunrise"で開始。シンプルな構成を活かしてピアノの美しい響きを聞かせるジャズ・トラックから、そこに繋がるのは一転して80年代のエクスペリメンタル系のTranceによる"Ambiente"だが、決して難解でもなく実験的な面もありながらサイケデリックなシタールと浮遊感のある電子音により瞑想へと導かれる。更にシリーズでもお馴染みのバレアリックを先導するInternational FeelのボスであるMark Barrottによる"Winter Sunset Sky"、遠くへと広がっていく郷愁のギターが心地良いナチュラルなバレアリック感が堪らない。中盤に差し掛かる頃にはまたもやInternational FeelからCFCFによるフォーキーなアコギとオルガンにより牧歌的な雰囲気が広がる"Chasing (Apiento Edit)、もう甘美な響きによって自身の世界へと没頭してしまうだろう。そして橋本氏が強く推しているGigi Masin、ここではリミックスとして"Bella Ciao (Gigi Masin & Leo Mas & Fabrice Laguna Mix)"が用いられているが、原曲のアフロな土着感に洗練されたピアノや透明感のある電子音によってアンビエント性が加わり、芯はありながらも落ち着いたバレアリック感を演出。そして前述したように決してジャンルを限定するわけでなく、全体の雰囲気を壊さぬように大らかな包容力を持ったビートダウン系の"Steppin Out (Mark E Merc Dub)"、やや古き良きメロウなシカゴ・ハウスらしさを含む切なさが滲む"Afterglo"と、後半にはダンス・トラックで内向的ながらも肉体が震える瞬間も迎える。そして最後はUyama Hirotoによるピアノやサックスが感傷的に心に染みるダウンテンポ/ジャズな"Magicnumber (Saxmental Version)"、ぐっと雰囲気を落ち着かせて夜の帳を下ろすようなドラマティックな流れに強い余韻を感じずにはいられない。元々シリーズ自体が感傷的で切ないものではあるが、本作はより落ち着きがあり自己と向き合う瞑想の80分を体験する事が出来るだろうが、それは一貫してメロウである事は言うまでもない。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Artefakt - Kinship (Delsin Records:122DSR)
Artefakt - Kinship
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オランダからの新鋭、Robin KoekとNick Lapien - 個別にも活動しており、それぞれSoul People MusicやREKIDS等からも作品をリリースしている - によるArtefaktの初のアルバムは、同じくオランダのDelsin Recordsよりリリースされている。Delsinと言えばヨーロッパに於いて屈指のデトロイト・テクノ愛を示すレーベルの一つであり、本作でもそれに共鳴するようなSF世界観やエモーショナル性を含んでいるが、Artefakt自身は過去にPrologueから作品をリリースしている事もあり、より機械的でひんやりとした質感と機能性を打ち出したグルーヴにディープな音響を活かした作風が特徴だ。例えばDonato DozzyやNeel周辺の音楽性とも親和性は良いであろうし、Delsinというレーベルの中でも特に視点がフロアへと向いている。アルバムはオーロラのように揺らめく美しいパッドと痺れるような鈍い電子音が組み合わさった"Kinship"で開始するが、ノンビートの闇の奥底で蠢く残響や渋谷駅のアナウンス等を用いてアンビエンスな空気が満ちている。続く"Tapestry"からビートが入ってくるが、冷え切って硬質なマシンビートと微かな残響が持続するトラックに、朧げでスペーシーな上モノも被さってディープ・スペースなテクノへと突入。"Entering The City"は12分超えの大作で膨張したリズムとアシッド・ベースがうねりつつ、空間の奥で奇妙なSEが微かに鳴っている完全なツール系トラックだが、次第にデトロイトを思わせる幻想的なパッドやメロディアスなフレーズも入ってきて、壮大な宇宙空間を飛行するかのようなアルバムの中でもキラートラックに当たるだろう。そしてざらついたビートがエレクトロ的で無機質な電子音がシーケンスするロウ・テクノな"Somatic Dreams"、アシッド・ハウス気味なベースラインが前面に出ながらも奥深い空間を作る残響が効果的なディープ・テクノの"Fernweh"とフロアを痺れさす強烈な曲で攻めつつ、ラストはアルバムの始まりと同様にアンビエント性の強い"Tapeloop 1"によって激しいテクノのグルーヴが過ぎ去った後に残る心地良い疲労感を癒やすようにフィナーレを迎える。僅か7曲のアルバムではあるが起承転結のある流れ、そしてどの曲もディープな音響による空間演出と脳髄がビンビンと痺れる電子音が効果的に用いられており、現在形のテクノとして大いに評価したい。



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| TECHNO13 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/1/13 Nick The Record Japan Tour 2017 @ Vent
伝説とまで呼ばれる日本に於けるレイヴ・パーティーの先駆け「Life Force」のレジデント、そして現在は「TAICOCLUB」のクローズを例年務める事が馴染みになっているNick The Record。レア・グルーヴからテクノやハウス、のみならずディスコからワールド・グルーヴまで幅広い知識と確かなセンスを持ったDJとして高い評価を受けるが、今回は表参道にオープンしたVentに初登場かつ早割で入場料が1000円という破格の内容であり、これは是非とも行かねばと注視していたパーティーだ。当然ロングセットが予定されており、期待せずにはいられない。
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| EVENT REPORT6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Louie Vega - Louie Vega Starring...XXVIII (Vega Records:02VEG04)
Louie Vega - Louie Vega Starring...XXVIII
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Kenny Dopeと共に結成したMasters At Workに於けるハウス・ミュージックへの功績はもはや説明不要であろうが、ジャズやラテンをハウスに落とし込んだ特異性だけでなく、大勢のアーティストを起用し大規模な共同制作によってプログラミングだけに頼るのではなく生演奏の魅力も打ち出したセッションの高い音楽は、もはやハウス・ミュージックの枠に収まりきるものではなかった。Vegaは同様の手法をElements Of Lifeプロジェクトによる『Eclipse』(過去レビュー)でも用いたが、その延長線上としてソロ名義では初となる本アルバムでも多くのアーティストのとのコラボーレションを行う事で、ハウスの枠組みの拡張とソウルフルなハウスの再確認を同時に行っている。アルバムの始まりはFunkadelicとのコラボレーションと言うか、リミックスである"Ain't That Funkin' Kinda Hard On You? (Louie Vega Remix)"で、ねっとり熱量の高い原曲のP-Funkをラフな質感は残しつつも颯爽としたハウス・ビートへと生まれ変わらせ、出だしから軽快ながらもソウルフルな歌の魅力を発揮させている。続くは3 Winans Brothersの"Dance"のリミックスだが、ざっくりとしながらも軽快なラテンビートと怪しげなオルガンにリードされながらもコーラスも加わったボーカルにより、これぞNYハウスらしい温かみに溢れたクラシカルなハウスになっており、今の時代に於いても歌の重要性を説いているようだ。女性シンガーのMonique Binghamを迎えた"Elevator (Going Up)"は、舞い踊るピアノと甘くもキリッとしたボーカルが軽やかに疾走し、南アフリカのシンガーであるBucieをメインに、そして制作にBlazeのJosh Milanを迎えた"Angels Are Watching Me"はモロにBlazeらしいメロウかつ耽美なエレピや爽やかなコンゴが響き渡る歌モノハウスで、期待通り以外の何物でもないだろう。そして本作では所謂古典と呼ばれる名作のカバーも収録しており、Convertionによる”Let's Do It (Dance Ritual Mix)”やBobby Womackによる”Stop On By”、そしてStevie Wonderによる"You've Got It Bad Girl"まで、ハウスにR&Bやヒップ・ホップにファンク等の要素を自然に溶け込ませてクラシックを現在の形へと生まれ変わらせている。CD2枚組計28曲の大作が故に全てが完璧とは言えないものの、過去の作品への振り返りにより現在/未来へと良質な音楽の伝達を行い、そしてボーカリストに演奏者らアルバムの隅々まで数多くのアーティストの協力を得る事で、本作はハウス・ミュージックの一大エンターテイメントとでも作品である事に異論は無いだろう。ソウルフルで、古典的な、そして歌モノのハウスのその魅力を再度伝えようとしているのだ。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nick Anthony - Battle Of The Beats EP (Rowtag Records:RTG 004)
Nick Anthony - Battle Of The Beats EP

日本ではいまいちパッとしないものの、ここ数年自分が追いかけ続けているイタリアのNick Anthony Simoncinoは、オールド・スクールなシカゴ・ハウスやデトロイト・テクノを愛し、ヴィンテージなドラムマシンやシンセを愛用する偏執的なアーティストとして名高い。Mathematics RecordingsやSkylaxにL.I.E.S.やCreme Organizationなど、その他にも多くのレーベルから作品をリリースしており、非常に多作ながらも全くと言ってよい程にぶれない作風は、正に彼の偏執狂な音楽センスを示している。という訳でやはりなのかこの新作もヴィンテージなアナログ機材を用いた作風だそうで、いつも通りの変わらないレトロで何だか時代を感じる古臭いハウスが並んでいる。作品の頭にはドラマティックな幕開けを演出する"Jarre Tape"が待っており、SF的な未来の街の風景を喚起させるシンセが美しいノンビートの曲でぐっと心を鷲掴み。そこに続く"Escape From Area"では物哀しいアナログシンセのフレーズが絡みながら、ドタドタとした辿々しいキックやパーカッションがビートを刻む初期シカゴ・ハウスのような味わいを感じさせ、その音の古臭い鳴りがより一層哀愁を強めている。"Il Sole Boogie"もはやり簡素な質のキックなもののビートはよりハウシーで、絡み合うような綺麗な流れのシンセやしっかりと低音を支えるベースなど、もっさりと垢抜けない懐かしみがあるオールド・スクールを体現するシカゴ・ハウスだ。裏面にはやたらと手数の多いパーカッションが目立つも陽気なムードのメロディーが温もりを生む"La Luna Boogie"や、切れのあるハイハットとジャッキンなベースが前面に出たリズム重視のファンキーな"Bite The Bass"と、これらも当然レトロな時代感が堪らない。新作であろうが金太郎飴のような作風には一切の気負いはなく、Simoncinoにとってはただただ修行僧のように丹念に繰り返しルーツを追い求め続ける事が、彼の音楽人生のように思えるのだ。



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| HOUSE11 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chris Tietjen - Zehn (Cocoon Recordings:CORMIX049)
Chris Tietjen - Zehn
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ここ数年は全盛期程の勢いは見られないものの、90年代から00年代にかけてのドイツのダンス・ミュージックと言えばSven VathによるCocoon Recordingsは中心の一つだったと思う。特にレーベルとしてだけではなく、イビサはAmnasiaにて開催していた「Cocoon Club」では世界中の著名なDJ/アーティストを巻き込んで、一大ムーブメントと呼んでも良いほどの勢いのあるパーティーに感じられた(が、それ故にどうしてもCocoonに対しては未だにミーハーな印象を拭えない)。そんなCocoon Recordingsがレーベル・ショーケース的な意味合いで2006年からMIXCDを毎年リリースしており、その初めての作品である「Eins」からミックスを今まで担当していたのがChris Tietjenだ。1985年生まれだと言うからまだその当時は齢21歳だったのだが、その若さにしてSvenに認められた才能は結局本物であった事は、現在までシリーズを担当した事で証明されたようなものだ。しかしながらそのシリーズもドイツ語で10を意味する本作「Zehn」によって10年の幕を閉じる事がアナウンスされているが、集大成らしくCocoon Recordingsのクラシックを惜しみなく使用しつつ、またレーベルの多様性を十分に体験させてくれる選曲がなされ十分に出汁が染み出たミックスである事を断言する。スタートは微かな残響が心地良いダブテクノの"Cow, Crickets And Clay"で静かなる船出だが、そのまま重心の低さと硬質感を保ちつつ闇の中から花弁がゆっくりと開くような美しさを伴う"Dead Room"をミックスし、Cocoonにもこんなシリアスな作風があるのだなと意外な展開だ。徐々に重さよりも加速度を増しながら浮かび上がり、エレクトロ気味のアクの強い曲や歌モノも織り交ぜて、そして中盤のハイライトである派手なプログレッシヴ・ハウスの"Unrelieable Virgin"でCocoonらしい快楽的な世界観に染めていく。そこからは持続感のあるミニマル寄りな選曲を中心として深みと恍惚感を継続させ、往年の跳ねた勢いのあるハード・ミニマルな曲も少々プレイしつつ、ハイエナジーな"Pump"からトライバル調の"Deep Down Inside (Reboot Rmx)"で再度のピークを迎える。そこからはなだらかにクローズに向かってテンションを落ち着かせながら、アンビエントな空気も纏うような"Seconds (Colour & Sound)"によってパーティーの終わりを告げるような物哀しい最後を迎える。レーベルの音楽性を十二分に披露したこのミックスは、70分に於ける音楽の旅と呼んでもよいだろう。そして何よりも大量のマテリアルをシームレスかつ重層的にミックスする事で、単に曲を繋ぐ以上のオリジナルからの変化を生み出したChrisの手腕が、ここでも素晴らしく光っている。



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| TECHNO12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Seaside Weekend (Suburbia Records:SUCD1001)
Good Mellows For Seaside Weekend
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ジャンルに拘らずに良質な音楽をコンパイルする『Free Soul』シリーズを立ち上げ、そして現在のカフェ・ブームの発端となった仲間と寛げる場所である『Cafe Apres-midi』を手掛けた事で知られる橋本徹。そんな彼が新たに立ち上げたSuburbia Recordsは、入手困難ながらも良質な音楽をアナログ化、またはアナログ音源のみをCD/配信の商用に乗せるなど、彼が素晴らしいと思う音楽をフォーマットの領域を超えて広げていく事を目的としているようだ。そんなレーベルの第一弾は由比ヶ浜にあるバーガーショップ“Good Mellows”でDJを行なった時の経験を端緒としているそうで、タイトルからも分かる通り海辺の夕暮れ時のメロウな感覚を表現おり、『Free Soul』との違いはよりバレアリックやチルアウトの成分が強い事だろうか。オープニングにはいきなりJoe Claussell率いるMental Remedyによる"Just Let Go"を持ってきており、溶けるように絡み合う清らかなアコギとピアノの甘美な調べからは正に夕暮れ時のしみったれた感情が染み出し、人がコントロールし作り出す事の出来ない神聖な風景が目の前に広がるようだ。続く期待の若手であるAxel Bomanによる"Fantastic Piano"も、やはりピアノがフィーチャーされた桃源郷のような世界が広がるダウンテンポだが、単に甘いだけでなく癖のある奇抜な作風がイージーリスニングとは一線を画している。そしてバレアリック最前線のInternational FeelからL.U.C.A.による"Blue Marine"が続き、海鳥の鳴き声と波の音のイントロから始まり広大な海へとのんびりとした航海を始めるような大らかなダウンテンポにより、ジャンルを越えて音楽の旅へと繰り出していく。その後も優美な輝きを放つアシッド・ジャズ、しっとりと有機的なフュージョン・ディスコ、フォーキーなダウンテンポ、夢に浸るアンビエント感のあるニュー・ディスコなど垣根を越えながらも、メロウと言うコンセプトの元に週末の浜辺の長閑ながらも切ないムードに染めていく。アルバムの最後には正に真夏の一曲である憂愁が満ち溢れる"Summer Daze"を橋本徹がエディットしたものを配置したおかげで、しんみりとした余韻を残して最高の流れで幕を閉じる。派手なミックスを必要とせずに一曲一曲をフルにプレイするスタイルは、選曲重視で存分に曲の良さを引き出しながら、海辺のサウンド・スケープを描き出すへと繋がっているのだ。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Far Out Monster Disco Orchestra (Far Out Recordings:FARO 181DCD)
The Far Out Monster Disco Orchestra
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ロンドンにて運営を続けるFar Out Recordingsはブラジリアン音楽を根底にクラブ・ミュージックを取り込みながら、時代に則しながら様々なアーティスト・音楽の発信を行っている。元々はその活動15周年の記念として2008年頃からFar Out Recordingsに所属するリオのアーティストが集まり立ち上がったプロジェクトがFar Out Monster Disco Orchestraであり、またプロデューサーとしての立場でレーベルオーナーであるJoe DavisとIncognitoの息子であるDaniel Maunickも参加している。2010年にはようやく初の作品がリリースされたのだが、そこにはオリジナルは収録されずJohn MoralesやMarc Macのリミックスのみが聞けたのだが、その後も同じようにリミックスのみを収録したEPを2013年まで計8枚リリースし続けていた。そして2014年、レーベルの20周年記念としてようやくプロジェクトのオリジナル音源を収録したアルバムである本作がリリースされた。ブラジリアン音楽と共にディスコやファンクを愛する音楽性はオーケストラも起用する方向へと繋がり、ライブ感溢れる演奏と生々しい音の連なりは南国の陽気なムードと胸に染み入るサウダージをさらっと表現している。音楽自体の斬新性というよりはブラジリアン音楽への実直な愛を曝け出すクラシカルな作風で、そこにディスコのビートやファンクの熱量が融け込みクラブとしてのダンス・ミュージックの機能も兼ね備えているが、切ない歌や哀愁のメロディーはどこか望郷の念を呼び起こすようで人肌の温度感が心地良い。当方がブラジリアン音楽に教養があるわけではないが、ディスコ/ファンクの影響も含まれている事もあってか軽快でしなやかなダンス・グルーヴが耳に馴染む事もあり、特に生音系のそれが好きな人にはこんなブラジリアン音楽も気に入るのではと思う。そしてCDには今までにリリースされたリミックスEPも収録されており、テクノからビートダウンまで色々なスタイルが聞けるが、特にTheo Parrishのリミックスが圧巻だろう。オリジナル/リミックスの豪華2枚組と大変お得なアルバムになっているので、ブリジリアン音楽好きもダンス・ミュージック好きにもお薦めだ。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
XLAND Records Presents XMIX 03 Kenji Takimi (KSR Corp.:KCCD558)
XLAND Records Presents XMIX 03 Kenji Takimi
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2011年に新設されたFreaks Music FestivalはいきなりDJ Harveyを招致し度肝を抜いたが、2012年にはXLANDと名を変え野外フェスとして注目を集める。そのXLANDが手掛けるMIXCDシリーズがこのXMIXで、第一弾にはDJ Harveyを、第二弾にはRub N Tugを起用し捻りの効いたセンスで話題となるが、第三弾は日本からバレアリックを体現する瀧見憲司を起用し、更なるエスプリっぷりを披露している。元々普通でないダンス・ミュージックをプレイし現実離れした異形な世界を創出する手腕には定評があったが、公式では6年ぶりのMIXCDではその手腕には更に磨きを掛けて、最早ダンス・ミュージックですらある事を放棄したかのようにディスコやハウスだけでなくフォークやロックやジャズなどジャンルを横断しつつ、しかしリスニングとダンスのバランスを取りつつ極限までにロマンティックな世界を繰り広げていた。特に冒頭の4曲目辺りまでは享楽的なダンスの興奮を呼び起こすもなく、フォーク〜バレアリック〜コズミックなうっとりと甘美な音によって白昼夢へと誘われる。そこからは快楽的なニューディスコやファンキーなディープ・ハウス、幻惑的にサイケなロック(My Bloody Valentineのカヴァーまである!)など大きな振り幅をもってして、エグい音も織り交ぜながらBPMとジャンルを意識させることなく大胆な展開を作っていく。肉体へ作用する生命力に溢れたグルーヴと、精神に作用する倒錯的なサイケデリックと快楽的なバレアリックの応酬には、抗う事さえ出来ないだろう。終盤には見計らったように感動的な流れを用意しているが、物哀しいラウンジ系ハウスの"Cafe de Flore (Charles Webster's Latin Lovers Mix)"からNina Simoneのジャズ名作"My Baby Just Cares For Me"でそれまでの興奮を沈めるかのように、甘美ながらも和やかな空気で心地良い余韻を残してDJミックスは終わる。70分のDJミックスに収められた瀧見憲司によるストーリーは、快楽的で刹那的で、そして狂おしい程に美しい。

試聴

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| HOUSE9 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Simoncino - Open Your Eyes (Mathematics Recordings:MATHEMATICSCD122)
Simoncino - Open Your Eyes
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L.I.E.S.やSkylaxにQuintessentialsなどその他多くのハウスレーベルから作品をリリースし、アンダーグラウンドの方面では引く手数多の存在となっているイタリア人のNick Anthony Simoncino。シカゴ・ハウスへの偏愛は狂信的な程に制作する音楽へと表れており、このご時世に於いてはシカゴ外からのオーセンティックなシカゴ・ハウスの第一人者と言っても過言ではない。昨年リリースした1stアルバムも古典的なアナログ機材を使用してLarry Heardばりの枯れた郷愁たっぷりのハウス作品となっていたが、この2ndアルバムもその流れから全くぶれずに踏襲したハウスアルバムで、もはや伝統芸能とも言える普遍的な空気が漂っている。ヴィンテージなマシンから生み出される安っぽくも素朴なリズムはジャッキンなシカゴらしさがありながら、それとは対照的な全身を優しく包み込むような温もりのあるシンセのメロディーは幻想的で、どうしようと古いマシンが人間臭く温かみのある音を鳴らしているのだ。一見淡々として俗世から距離を置いた乾いた世界観ながらも、内に燻る感情を静かに発露する控え目な叙情感はこの上ないもので、ハウスの抽象的な初期衝動が隠れて存在しているようだ。またリミキサーとしてRon TrentやDream 2 ScienceのGregg Foreが参加している事や、曲名でLarry Heardへの忠実な愛を示す"Fingers Theme"と言うのが付けられている事からも、本物のオールド・スクールなシカゴ・ハウスを現代に指し示そうとしている事に気付くだろう。流行り廃りでシカゴ・ハウスの復権に取り組んでいるのではない、Simoncinoはイタリア人ながらも心は完全にシカゴに染まりきっている。諸手を上げて大絶賛するハウスアルバムだ。

試聴

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| HOUSE9 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/6/15 House of Liquid @ Liquidroom
リキッドルームの名物パーティーであるHouse of Liquidが久しぶりに開催される事になり、そこに国内外で活躍するディープ・ハウスのアーティストが集結した。フランスからは唯一無二の個性を発する変態系トラックが評判高いPepe Bradock、UKからは野外レイヴから小さな小箱まで沸かしてきたNick The Record、そして日本からはどんなパーティーであろうと自由自在に対応可能な奥深さを見せるMoodman、三者三様のハウスを体験出来るこの上ない一夜だ。
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| EVENT REPORT4 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/2/23 Lifeforce - Pure Dance - @ SECO
数々のパーティーには足を運びつつも未だLifeforceには遊びに行った事がなかったが、この度そのLifeforceにFrank Bookerが出演するので良い機会だと思いパーティーに参加してきた。Lifeforceと言えばご存知Nick The Recordが93年頃から開催しているレイヴパーティーで、それが野外であろうと屋内であろうと通常のクラブパーティー以上のモノを作り上げる事で新たなファンを獲得していた。そしてFrank Bookerは2009年に初の作品をリリースしたばかりとトラックメーカーとしてはまだ新参なものの、温かい感情をたっぷりと含んだブギー/ディスコスタイルの音楽は数々のDJを魅了している。出演するDJ、そして開催されるパーティーそのどちらもが自分にとっては初となる体験に胸が高鳴っていた。
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| EVENT REPORT4 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luciano - Vagabundos 2012 (Cadenza Records:CADCD10)
Luciano - Vagabundos 2012
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近年は当初思っていたよりもアーティスティックと呼ぶべきか芸術的に崇高さも兼ね備えた音楽性を表現し、自身が主宰するCadenza Recordsも含め良くも悪くも上手く売る術を理解しているLuciano。とまあ少々皮肉を込めた言い方をするのは近年の作品の完成度が高いのは言うまでもないのだけど、初期の頃のもっと単純なワクワク感と言うものが薄れてきているからで、まあそれは活動が長くなれば仕方ない事でもあるのだが。そんな中で4年ぶりとなるこのMIXCDは先行でデジタル版がリリースされていたものの、CD版ではタイトルは同じでも内容は全く異なる選曲で纏められている。選曲を見れば分かる通りで本作はPCを使って各曲をパーツとしてミックスしながら再構築を行うデジタルミックスとなっており、曲の大半が近年リリースされたテックハウスやミニマルなものの、Lucianoらしい陽気なパーカッション使いや異国情緒漂う怪しさに相反する軽やかなエレガンスを伴う空気は流石と言うしかないだろう。特に文句の付けようもない程にバランス良く様々なエッセンスを取り込みしっとりしたグルーヴで品の良い音を聴かせてはくれるのだが、しかしPCを使ったにしても余りにも機械的と言うかかっちりと固めて制作し過ぎなのはミックスに必要なライブ感が欠けてやしないだろうか。展開も押し並べて平坦でクラブでのピークタイムのように突き抜ける瞬間も無く、良く言えばスムースに聞き流して何時の間にか終わってしまう印象なのだ。勿論彼が素晴らしいトラックを作ってきた事は事実だし、DJに於いても彼らしいチリアン発の個性はあると思うが、それでも少々Lucianoと言う名前だけが一人歩きしてしまっている感も否めないのである。真価は生でミックスを体験し評価するしかないのであろう。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nick Anthony Simoncino - The Dream Of Amnesia (Thug Records:THU0007)
Simoncino - The Dream Of Amnesia

「アムネジアの夢」と冠されたタイトル、そしてその空気をそのまま投影した美しいジャケット、もし貴方がこのアルバムについて何も知らなかったとしてもレコード屋で見かけただけで魅了されるだろうパッケージに違いない。このアルバムを制作したのはイタリア人のDJ/アーティストであるSimone VescovoことSimoncinoで、Nicholasと並びイタリアからオールド・スクールなシカゴ・ハウス/デトロイト・テクノへの復権を推し進める気鋭のアーティストだ。今までにもリミキサーとしてシカゴの伝説的な才人を起用するなどその妄信的な音楽愛は真のモノであったが、この初のアルバムもトラック制作の段階からしてTR808やTR909などの古いドラムマシンからヴィンテージなシンセサイザーにカセットテープのレコーダーまで使用し、完全に時代に逆行したローファイを目指してコンピューターやソフトウェアを一切排除して作り上げた作品だ。現世から隔絶されたタイトルやジャケットの透明感、そしてその制作方法から思いつくのがLarry Heardであろうが、実際のトラックも質素で生々しいキック/パーカッションや透明感のある幻想的なシンセが人肌の温もりを表現する80年台のシカゴ・ハウスだ。この作品を聴いて今が本当に2012年なのかと疑いたくなるが、間違いなくこれは2010年台から生まれたシカゴ・ハウスであり、音自体はチープで味気ないのに何故にこうも切ない程に感傷的であり、地味ながらも芯のある荒々しさを伴うのか。全体的な温度感は低めで瞬発力で盛り上がる曲は無いが、じわじわと低温で燻りながら何時の間にか心に火を灯すようなスルメ的なハウスで、もうこれはイタリアからのなんて説明は不要な位に本物のシカゴ・ハウスだ。その証拠にアルバムのラストには本家からLarry Heardがリミックスを提供しており、またこれが12分超えのアシッドが不気味かつ激渋メロウなディープハウスで、その金太郎飴的な作風も極めれば偉大である。データ配信もCDも無しのアナログ2枚組と言うフォーマットでのリリースで、リリースまでの全てにこだわりを持ったアルバムにほとほと頭が下がる思いだ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Simoncino - The Warrior Dance Part Three (Skylax:LAX 125)
Simoncino - The Warrior Dance Part Three

昨年から怒涛の勢いでEPをリリースしているイタリアのSimoncino。本名はNick Anthony Simoncino、最近では同郷のNicholasと共に制作を行ったり、SkylaxやQuintessentialsなどの重要なハウスレーベルからリリースするなど、新進気鋭のアーティストの一人。古き良きシカゴ・ハウスからの影響が感じられる楽曲性が特徴ですが、本作ではリミキサーにRon TrentとChez Damierを迎えシカゴ・ハウスへの傾倒を強く感じさせます。タイトル曲となる"Warriors Dance"ではTR系の渇いて辿々しいキックやハットにおどろおどろしいパッドが、シカゴ・ハウス初期の不気味な訝しさを漂わせておりまるでTrax Recordsの作品の様でもあります。また簡素なハンドクラップを多用しながら覚醒感のあるシンセが脳をクラクラさせる"Tropical Vibe"も、オールドスクールな安っぽさも含めて格好良いですね。そして裏面にシカゴ・ハウスの御大二人がリミキサーとして曲を提供しておりますが、これらは言わずもがな往年のハウスクラシック的な作風で流石です。"Warriors Dance (Ron Trent Remix)"は古臭いシカゴ・ハウス風味を残しつつも、Ronらしいフュージョンテイスト溢れる美しいピアノのコードや抜けの良いパーカションを付け加え、爽やかさと開放感溢れるリミックスを施しております。そしてChezのロマンティックな音が強く出た朝方の穏やかさに包まれるディープハウス"Inga's Creme (Chez Damier Morning After Mix Part II)"は、アンビエントな空気も漂っており正にアフターアワーズに最適なリミックス。この二人を引っ張ってくる辺りのSimoncinoの音楽センス、今後も非常に楽しみですね。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - Conducted (Music Man Records:MMCD036)
Marcel Dettmann - Conducted
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現在ドイツを代表するクラブ・Berghainでレジデントを張り、またOstgut Tonなどのレーベルからストイックに研ぎ澄まされたミニマルテクノをリリースするMarcel Dettmann。ここ日本に於いてもBerghainやOstgut Tonと言う単語は半ばブランド化しテクノファンの注目を集めるに至ったが、しかしここからはハイプは淘汰されどこまでが残っていくか試されるとOstgut TonのレーベルマネージャーであるNick Hopperが語っていた。その意味ではMarcelにとって2枚目となるこのMIXCDは、絶対なる評価を得たその後の試金石と言える作品なのかもしれない。彼が以前来日してプレイした時には過剰なエネルギーを放出するハードなミックスを行なっていたが、本作では所謂ハードテクノと言う言葉は相応しくないだろう。オープニングからしてSandwell Districtのビートレスなアンビエントで、そしてドタドタとしたSignalやRoman Lindauの重厚なテクノへと繋がっていく。決してハイテンションかつハードではない…が、しかしビリビリと得体の知れない不気味な何かが蠢くように音が振動し、グルーヴよりもテクスチャー重視のプレイをしている。そして新旧関係なく彼が好きだと言うトラックを使用した本作には、90年代のロウなテクノ/ハウスも収録されており、質素で乾いたリズムにはシカゴ・ハウスのそれにも通じる粗悪さが感じられる。勿論最新のテクノであるMorphosisやShed、Redshape、O/V/Rもプレイしているが、これらも冷たい感情が通底するダークなテクノだ。突き抜けるハードさよりもラフな質感とディープな情感を表現した本作は、分り易い爆発力は無いがオールドスクールと現在のドイツテクノを理解した彼が、静かな凶暴性を隠し持ち新旧を融合させている。派手さはないがしかし徹底してダークに染められた流れには、ドイツテクノの硬派な洗礼を浴びせかけられるはずだ。



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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Far Out Monster Disco Orchestra - Keep Believing (Far Out Recordings:FOMDO6)
Far Out Monster Disco Orchestra - Keep Believing
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たとえそれがオリジナル作品であろうとリミックスであろうとどんな音楽でも自分の色に染め上げてしまうアーティストは少なからずいるもので、その中でもTheo Parrishの手掛ける作品は普遍性と強い個性を兼ね備えた物が多く、試聴せずに手を出してもまず裏切られる事は無い。本作はUKにおいてブラジリアン・ミュージックの発信を行うFar Out Recordingsの16周年記念の一環で、レーベルオーナーであるJoe DavisとHarmonic 313のメンバーでもあるDave Brinkworth、そしてIncognitoのメンバーの息子であるDaniel Maunickらによるプロジェクトで、リミキサーとしてTheo ParrishとKompleksが参加している。当然の如く白眉なのがセオのリミックスで、ナイーブな女性の呟きに儚げなストリングスとピアノが被さり幕を開き、そこからゆっくりとしかし荒れ狂う様に脈打つドラムが差し込み、正にセオらしい美しさとローファイさを伴っている。ジャズなのかデトロイト・ビードダウンなのかと言う括りさえ霞んでしまうセオ流スピリチュアルな世界観は、一聴してセオの物と分かる程にアクの強い個性を放っている。裏面には最近デビューを果たしたばかり?らしいKompleksなるユニットのリミックスを収録。こちらもピアノの旋律を主張させゆったりとしたアレンジながらも、4つ打ちに徹しダビーなエフェクトで奥深さを演出した粘り気のあるダブハウスで、なかなか良いサイケ感を醸し出している。本作も限定1000枚らしいので、ファンならば無くなる前に是非とも。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Linkwood - From The Vaults Part 1 (Prime Numbers:PN10)
Linkwood - From The Vaults Part 1
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UKエディンバラのカルトレーベル・Firecracker Recordingsと、そして同じくUKマンチェスターにおいてTrus'me主宰のPrime Numbersからポストビートダウンを担う作品をリリースしているNick Moore aka Linkwood。アルバム"System"(過去レビュー)以来2年ぶりとなる新作が到着しておりますが、ここでは以前よりもアッパーでグルーヴィーさを打ち出したディープハウスを披露。A面の"Dirty Love"はエレガントなパッドが反復する単純な構成ながらも、途中から自由に暴れまくる手弾きのシンセや呟き風のガヤ声も微かに浮上し、どす黒くファンキーに変容を見せるアッパーなディープハウス。B面にはトラック名無しが2曲収録されていますが、こちらの方がよりLinkwoodらしいビートダウンと言える内容ですね。覚めない夢の中に溶け込むように物憂げで悲壮感も漂う"Untiteld1"、乾燥したキックや虚無感に満ちたベースラインがシカゴハウスを思わせる"Untiteld2"と、光の射さないマイナーな鳴りがジメジメしていてビートダウン的。デトロイトハウス好きならLinkwoodは要チェックです。

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Future Disco Vol.3 City Heat (Needwant Recordings:NEEDCD002X)
Future Disco Vol.3 City Heat
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ニューディスコ・リエディット系のアーティストを擁するUKの新興レーベル・Needwant Recordingsが、"未来のディスコ"と銘打ったシリーズをリリースしておりますが、その最新作がコレ。自分はこのジャンルに詳しくはないものの、Lindstrom、The Revenge、Greg Wilson、Todd Terje、Tensnake、Ray Mangなどの売れ線からまだメジャーではない若手までコンパイルされているそうで、例えこの手のジャンルに音楽的な造詣が無くても急速に成長している現代のディスコシーンを体験出来るのが本作のコンセプトだそうな。ディスコと言う時代を感じさせるジャンルながらもモダンバージョン的にアップデートされたフューチャーディスコは、ディスコの愛くるしくキャッチーでホットな感覚を維持しつつ、今風に綺麗にエレクトロニック化されキラキラ感や上品さも伴った音楽へと進化しております。ディスコと言うとダサい音を意識的に強調したのもありますが、本作を聴いている限りでは懐かしさはあるけれど決してダサめを狙う事もなく、そのダサさが苦手だった人にも受け入れ易くなったモダンディスコなのかなと思います。MIXCD形式でジワジワと、しかしリラックスして聴けるポップなセンスに溢れた一枚。

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| HOUSE6 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2010/05/01(SAT) CABARET @ Unit
Live : DBX
DJ : Daniel Bell, yone-ko, masda, sackrai

2010/05/01(SAT) FORWARD @ Air
DJ : Francois K., Calm

2010/05/01(SAT) Mother presents UNIVERSAL SOUND OF ORCHESTRA @ ageHa
Live : System 7, Son Kite and more
DJ : Mixmaster Morris, Artman, Sinn and more

2010/05/02(SUN) Thomas Fehlmann Japan Tour 2010 @ Eleven
Live : Thomas Fehlmann
DJ : DJ Wada, Universal Indiann

2010/05/02(SUN) Rainbow Disco Club @ 晴海客船ターミナル臨港広場特設ステージ
"RAINBOW DISCO"
DJ : DJ HARVEY, METRO AREA, KENJI TAKIMI, KOJIRO, MATT EDWARDS, NICK THE RECORD, GO KAMINOMURA

"THE TOP"
LIVE : VINCE WATSON, MIRKO LOKO, SIDE B
DJ : AME, LEON & SKINNI PANTS, TEZ & KUSDA, LOUD MINORITY RADIO, KELIE

2010/05/04(TUE) LARRY HEARD JAPAN TOUR 2010 @ Air
DJ : Larry Heard, DJ Sprinkles a.k.a. Terre Thaemlitz

2010/05/04(TUE) Redshape Japan Tour @ Module
Live : Redshape
DJ : Keihin, Gonno, Naoki Shinohara

2010/05/04(TUE) MINUS CONNECTED #8 @ Womb
DJ : Richie Hawtin

2010/05/07(FRI) CLUB MUSEUM 7th Anniversary!! "777" @ Unit
DJ : FREQUENCY 7 aka Ben Sims + Surgeon - 7 HOURS Show ! -

2010/05/08(SAT) DJ HARVEY 2010 tour of Japan @ Eleven
DJ : DJ HARVEY, DJ GARTH

2010/05/15(SAT) FUTURE TERROR VS BLACK CREAM @ Liquid Loft
DJ : FUTURE TERROR(DJ Nobu, Haruka, Kurusu) & BLACK CREAM(HATTORI, SE-1, Apollo)

2010/05/21(FRI) root & branch presents UBIK @ Unit
DJ : Norman Nodge, DJ Nobu

2010/05/29(SAT) Real Grooves Volume 41 Samurai FM Relaunch Tokyo @ Eleven
Live : Pier Bucci, Yasuharu Motomiya
DJ : Pepe Bradock, MX

2010/05/30(SUN) SOLAR FREQUENCY @ お台場青海シーサイドコート
【GALAXY STAGE】
DJ : JEFF MILLS, TAKKYU ISHINO, KEN ISHII, DJ NOBU, LOUD ONE

【WOMB SATELLITE STAGE】
DJ : DJ Aki, THE AMOS, Dr.SHINGO, RYUSUKE NAKAMURA, DJ LUU, スガユウスケ, DJ HARRY

【YOUNAGI AREA】
DJ : IZURU UTSUMI, DJ YOGURT, Shhhhh, Q, SINN

まだGW近辺の仕事の予定に目処がつかないので、どのパーティーにいけるかは未定。Thomas Fehlmannのライブは良いよ〜、エレガンスなダブテクノ。Larry Heard+DJ Sprinklesも行きたい、オールドスクールなハウスが多そう。そして最近軟弱になっている自分にはベンシム+サージョンのハードミニマル7時間地獄が気になるが、一夜を耐えきる自信は無いし、男臭そうなパーティーだよなぁ…。だがそこに痺れる憧れる!
| UPCOMING EVENT | 08:00 | comments(9) | trackbacks(0) | |
2010/01/06 EXCLUSIVE!! @ Grassroots
新年一発目のパーティーはGrassrootsで!東高円寺にひっそりと佇むバーのようでバーでなく、クラブのようでクラブでない不思議な場所。とっても小さなそんな所にLife ForceのNick The Recordが来るんだから、そりゃ行くしかないだろと。

一時過ぎに着くと平日なのにお客さんがわんさか。皆様お仕事は大丈夫なんでしょうかと心配になりつつ、Taro Akiyamaなる人が緩めのテクノ〜ハウスをプレイ中。自分も酒を飲みつつ音に身を委ねる。ここは小さい箱なんだけど、内装とかその場の雰囲気とか流れる音とか含めて質が高い。何度来ても心温まる場所だよね。

そんなこんなで酒に酔いながら二時過ぎになるとNick The Recordの登場。箱に合わせてかアッパーな流れは出さずにメロウでうっとりするような緩めのハウスが中心。生っぽくて艶のあるトラックが多く、そこにファンクとかジャズとかガラージな味付けもしたりして、酒や会話を楽しむ場を壊さないようにまったりと場を温めるプレイ。聴け!じゃなくて空気のように漂う音を感じて欲しい、そんな音でした。

最後はCro-MagnonのTsuyoshi Kosugaがプレイ。ジャズとかジャズ色の強いハウスとかで朝方の疲れを癒すまったりとろとろなプレイ。って平日の朝なのに結構お客さんが残っていて、本当にGrassrootsのお客さんは気合い入ってるな。途中で"Love Is Everywhere"のカヴァーがかかった瞬間は本当に涙腺が緩くなってしまったよ。激しくがつがつ踊る一夜も良いですが、今日みたいにじっくり音に耳を傾けて音楽を聴く、そんな一夜も素敵ですね。

■Life Force Mixed By Nick The Record(過去レビュー)
Life Force Mixed By Nick The Record
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| EVENT REPORT2 | 19:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Life Force Compiled And Mixed By Foolish Felix (Cutting Edge:CTCR-14495~6)
Life Force Compiled And Mixed By Foolish Felix
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友人からの頂き物。日本で長年に渡り開催されているアンダーグラウンドなダンスパーティーである"Life Force"、その名を冠したMIXCDの第2弾をFoolish Felixなるアーティストが担当。自分は初耳の人なんでどんな人なのか知らないのですが、どうやらディスコダブ方面で活躍しているアーティストだそうです。確かにこのMIXCDでもハウスを基調にはしているものの、例えば熱を帯びたソウルフルなNYハウスでもなければエレクトリックでスムースなテックハウスでもなく、やはりここから聴けるのは生っぽくてズブズブしてて、どこかディスコ的な懐かしい煌びやかさのあるディスコダブなのは明白。エネルギッシュと言うよりはグダグダで、若くて健康的と言うよりはアダルティーかつ妖艶で、熱いと言うよりは温い感じ。何故だかディスコダブと言うのは懐かしい感情が浮かんでくるんだけど、やっぱりそのディスコと言うエッセンスがそんな気持ちを呼び覚ますのでしょう。ボーナスディスクにはFoolish Felixが運営するレーベルであるCynic Recordsの音源がまとめてあり、やはりズブズブなディスコダブが並んでおります。

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| HOUSE5 | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Darren Emerson - Global Underground GU36 : Bogota (Global Underground Ltd.:GU036CD)
Darren Emerson-Global Underground GU36 Bogota
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プログレッシヴハウスのMIXCDシリーズとしては最長を誇るであろうGlobal Undergroundの最新作は、元Underworldと言う肩書きはもはや不要なDarren Emerson。Underworld加入以前からDJとしては活躍していたそうなので、ある意味ではDJが本業の今こそ彼の才能を感じられる時なのかもしれない。さてGUシリーズでは本作で既に3枚目となるのですが、以前のシリーズが比較的オールドスクールな曲も使用していたのに対して、本作では完全に現在のフロアモード。プログレッシヴハウス〜テックハウス、そしてミニマルなども取り入れてドラッギーにじわじわ上げてくるプレイ。クラブでは大ネタをプレイしまくっていたのでこのMIXCDでの渋いプレイはちょっと意外だったけど、これこそ彼のやりたい事なはず。お勧めはDISC2でオープニングの煌びやかなテックハウスで始まり、中盤のJosh Winkのミニマルアシッドでずぶずぶな展開に突入、ディープさと疾走感を伴いつつ終盤に入り、Joris Voornの"Blank"でドラマチックな終焉を迎えるのが良いです。最後は自身も関わった"Mmm Skyscraper...I Love You"でもう一度盛り上げて終わり。普段はさほどプログレ系は聴かないけど、最近はプログレもテクノもミニマルもみんな垣根が低くなって一括りでミックスされる事も多く、本作もそんな内容なので割と自分でも聴いていて違和感は感じなかったです。とは言いつつもまたセカンド・サマー・オブ・ラブやハシエンダを意識した様な懐かしめのプレイも聴いてみたい気がする。

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| HOUSE4 | 01:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/03/28 春休み @ ageHa
社会人に春休みはありませんが、ageHaには春休みがある!しかも今回は面子がテラやばかったので、オープン11時から突撃君してきた。さすがにオープン同時だと全く並ばなかったので、快適だったよ。4月の割引券貰ったけど、4月のパーティーで行きたいのは無いから意味無しなのが残念。

11時はまだIsland Barしか空いてなかったので、酒を飲みつつSINKICHiのダブアンビエントセットをじっくり堪能。ビート弱めなゆるゆるダウンテンポ中心で、耳を澄ましてじっくりと心地良さを味わえた。しかしIsland Barはソファーが多くて休むにはぴったりな場所。大箱だからこそ出来る事なんだけど、ムードも良くてしかも音もしっかりしてるから良い場所だわ。日本にはもっとチルアウトスペースが用意されたクラブが増えて欲しいと思う。

0時からアリーナーが開いて、DJ Quietstorm aka 桑田つとむ!!ってこれが80年代のシカゴアシッドハウスを連発しまくってて笑った。ウニョニョニョビキビキなTB-303のアシッドレインの雨あられ状態で、脳髄をぐりぐりとハンマーで叩かれるような衝撃。桑田つとむがシカゴハウス中心の選曲だとは聞いていたが、ここまでのオールドスクーラーだったとは驚きでした。

その後テントやWater Barとかにも移動しつつも、Island BarのDJ Kenseiのプレイを聴きに行く。おっ、今回はジャジーヒップ中心の緩めでメロウなときめく選曲ですね。ビートも複雑な曲を多用していてどうやって繋げるのかと冷や冷やしたけど、難なく普通に繋いでしまう辺りは流石のベテラン。最後に"Naima"のカヴァーがかかって、個人的に盛り上がった。

その直後にバースペースでムッチリムチムチな外国女子が、"Smack My Bitch Up"に合わせてポールダンスを始める。おまたご開帳〜〜ってな踊りを披露していて、男共は目を釘付けにされました。

でアリーナのDJ EYEを聴きに行くが、なかなかの混雑っぷり。テクノとハウス中心なんだけど、なんとも派手というか総天然色でハッピーな感じの宇宙大爆発みたいなプレイ。ずんどこトライバルで楽しかった。

でぶらぶらしつつ、またIsland Barに戻る。って人が溢れてる!!HIKARUがずんどこドコドコなハウス中心で、めっちゃ盛り上げてるよ。アッパーでグルーヴィーで、どうしたって踊らずにはいられん!そしてIsland Barの方が世界ランキング7位の渋谷の某クラブより音もでかくて音圧もあるんだが、渋谷の某クラブも見習って欲しい。それはさておき友人とも出会えてみんなで踊りまくった。

そして最後はアリーナで初体験のNick The Record。生っぽいハウス中心の人だと思ってたんだけど、この日はディープテック中心で硬めの音でうっすらと情緒を漂わせていました。でもミックスも非常にスムースで丁寧なので、バキバキに踊るんじゃなくてゆらゆらと踊れる様な感じ。終盤では朝っぽいスウィートな音になったり、アンコールではディスコっぽいのも流して素敵な朝を迎えられました。つか久しぶりに踊りまくって足がパンパン。最初から最後まで素晴らしすぎるパーティーでした。

■OUTERLIMITS inc. presents DJ Kensei in Classic Classics(過去レビュー)
OUTERLIMITS inc. presents DJ Kensei in Classic Classics
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■Life Force Mixed By Nick The Record(過去レビュー)
Life Force Mixed By Nick The Record
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| EVENT REPORT2 | 17:30 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Joris Voorn - Balance 014 (EQ Recordings:EQGCD024)

Joris Voorn-Balance 014
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新次元…と言うのは言い過ぎかもしれないが、これが最新のテクノの形である事にもはや疑いはないだろう。世界各地、日本においても大人気となったJoris Voornの最新MIXCDはアルバム2枚に100曲ものトラックを使用した驚愕の内容。とは言えこのPCを使ったスタイル自体は、2001年のRichie Hawtinの"DE9"(過去レビュー)の時点で完成系を成しているので、実は最新であるとは言い切れない。が、このスタイル自体がテクノと言う世界に普及しているのは間違いない。各曲から一部分をパーツとして切り出し、それをPC上で細かにループ・エディットを繰り返し、本人が言うように"絵を描く"様な作業を繰り返すスタイル。全く異なる曲の一部が同じ時間・場所に存在する事により、全く異なる新しい音楽へと変容を遂げる進化。もはやこれはMIXCDと言うよりも、Jorisのオリジナルアルバムとさえ言える様な境地にまで達している。"Mizurio mix"は(比較的)アッパーでグルーヴィーなテクノ、ミニマル、テック系中心の内容で、しかしながら覚醒感を刺激するドラッギーさも感じさせます。対して"Midori Mix"はエレクトロニックミュージックをより幅広く吸収したフリースタイルな選曲で、テクノの中にディスコダブやバレアリック、ダウンテンポ、ジャズも取り入れられて開放感のある音が持ち味。どちらのミックスも各曲が自然に融解し、そして再度融合し、今まで違う世界観が繰り広げられ非常に興奮出来る内容でした。同じ事を既にやっているRichie HawtinのMIXCDに比べると、カラフルなのが特徴でこれはこれで素敵です。

ただ欲を言わせて貰うと、本作があくまでホームリスニング仕様である事。これは結局はクラブではプレイする事の出来ない内容だから。かつてJeff Millsがアナログを一時間に40枚程も矢継ぎ早に回していたプレイは、既に過去の物となってしまったのか?いや、そうではないと思う。そこには瞬間瞬間に生まれる独創性や閃きがあったはずで、あれにこそ僕は人間的な熱や魂を感じる訳で。だからJorisにも一枚位はコンピューターを使用しないで、クラブで再現出来る単純だけども爆発力のあるプレイが聴けるMIXCDを出して欲しいと言う気持ちもあります。テクノロジーが必ずしも全てを豊かにする訳じゃないんだ。

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| TECHNO6 | 00:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
2009/03/07 (SAT)
FLOATRIBE @ Unit
DJ : KAORU INOUE, KENTARO IWAKI, YUMMY

2009/03/08 (SUN)
SYNCHRONICITY @ O-EAST
Live (MAIN STAGE) : 渋さ知らズオーケストラ, 曽我部恵一BAND, 犬式 a.k.a. dogggystyle, Tegwon, Anchorsong

DJ (3F DJ FLOOR) : Kentaro Iwaki, CALM, DJ YOGURT, L?K?O, Ko Umehara

2009/03/14 (SAT)
SiCK! @ ANGELO
GUEST DJ : Alton Miller
DJ : SiCK DJs
LIVE PAINTING : Abdul Qadim Haqq

2009/03/19 (THU)
VATON @ Module
DJ : MARCEL DETTMANN, yoshiki
Live : ditch

2009/03/19 (THU)
dB UKi Events and HORIZON @ Unit
DJ : Oliver Ho, KIHIRA NAOKI

2009/03/19 (THU)
mule musiq 5th anniversary party pt.2 "endless flight" @ Womb
DJ : DJ Koze aka International Pony, Adolf Noise, Toshiya Kawasaki
LIVE : Lawrence, Foog
DJ Sprinkles Deeperama LOUNGE : DJ Sprinkles aka Terre Thaemlitz, Lawrence, Dr.nishimura

2009/03/20 (FRI)
Organza meets Ostgut-ton @ Womb
DJ : Ben Klock, DJ PI-GE
LIVE : Shed

2009/03/21 (SAT)
FUTURE TERROR @ QUEENS CLUB
Special Guest DJ : MARCEL DETTMANN
DJs : DJ NOBU, CMT, KURUSU

2009/03/27 (FRI)
TAICOCLUB presents So Very Show! @ Womb
DJ : DJ KRUSH, DJ KENSEI, Koushik, DJ BAKU, Eccy

2009/03/28 (SAT)
春休み @ ageHa
DJ : Nick The Record, EYE, ALTZ, 桑田つとむ, Cro-Magnon ,SOFT, 宇川直宏, MOODMAN, DJ KENT, DJ NOBU, REE.K, FUNKY GONG, MOKMAL SOUND CREW, SANDNORM

Island Bar -Amami Eclipse Lounge eclipse2009-
DJ : JUZU a.k.a. MOOCHY, DJ KENSEI, HIKARU, SINKICHi

SYNCHRONICITYは前売り買ってあるんで確定。14日のAlton Millerも気になるな。仕事あるけど有休使えば行けない事もないが、遠い…うむー。19…19日、え…テクノのパーティー被りすぎだろ…。しかも仕事で行けないよ、オワタ。20日はOstgut TonからBen KlockとDelsinからShedか、こりゃ相当熱いね、そこまで混まないだろうし安心だ。21日はFUTURE TERROR @ 千葉…非常に遠い、いや行きたいのに行きたいのに。翌日有休でも使うかな。28日の春休みは最高、相当面子やべーな、うほっ!
| UPCOMING EVENT | 00:50 | comments(5) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2008/12/19 (FRI)
HMV SHIBUYA & ONLINE 10TH ANNIVERSARY presents CARL CRAIG Supported by MTV @ Womb
DJ : Carl Craig, Ryo Watanabe

2008/12/22 (MON)
WOMBADVENTURE'08 AFTER PARTY @ Womb
DJ : Luciano

2008/12/26 (FRI)
turquoise presents Color Number Vol.2 @ Club Asia
DJ : Ian O’Brien, DJ NOBU, OMB, M.S.K., NEWDEAL

2008/12/27 (SAT)
CHAOS @ Unit
DJ : Fumiya Tanaka, Sammy Dee

2008/12/28 (SUN)
CLUB MUSEUM “The SOUL of DETROIT” @ Unit
SPECIAL GUEST LIVE : Octave One
DJ : Kihira Naoki, Rok Da House, Taro,Sugawara

2008/12/29 (MON)
Air & ButtON presents DJ Spinna Japan Tour @ Air
DJ : DJ SPINNA

2008/12/31 (WED)
UNIT NEW YEAR'S PARTY 2009 @ Unit
LIVE : SCHOOL OF SEVEN BELLS
DJ : TOM MIDDLETON, KAORU INOUE, KENTARO IWAKI, HIKARU, Salmon

2008/12/31 (WED)
"LIFE FORCE" New Year Cowntdoun @ Seco Lounge
DJ : Nick The Record, Foolish Felix, Juzu a.k.a. Moochy, MaNA

2009/01/04 (SUN)
Chillout Village 09 @ 高井戸倶楽部
DJ : Mixmaster Morris, Artman, Utsumi, Kensei, Q, Sinn, Hiyoshi

2009/01/11 (SUN)
FLOATRIBE -NEW YEAR'S SPECIAL- @ Unit
DJ : Kaoru Inoue, Kentaro Iwaki

さて今年も残り2週間。歳をとると時間が経つのも本当に早く感じられます。今年はYELLOWがクローズし、色んな箱でパーティーが中止になったり、クラブシーンに対し風当たりがだんだんと強くなっていて残念です。昨日もWOMBで何かあったらしいけど、マジで大丈夫か?と言う事で行くかどうかは別として気になるパーティーを幾つか。ミックスマスターモリスは未経験なんで、生で聴いてみたい。
| UPCOMING EVENT | 19:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2008/10/04 (SAT)
CLASH39×STANDARD @ ageHa
DJ : Francois K., Ken Ishii

2008/10/04 (SAT)
Animismic ~Deep Spiritual and Organic~ @ Unit
DJ : Ron Trent, DJ Olive

2008/10/04 (SAT)
groundrhythm @ Air
Guest Live : Aril Brikha
DJ : Kaoru Inoue, Shutaro Tanizawa

2008/10/04 (SAT)
Double Force @ Seco Lounge
DJ : Nick the Record, Frederic Galliano

2008/10/11 (SAT)
TWO SENSES @ Air
DJ : Toshiyuki Goto, DJ Katsuya, Kazuaki Kawamura

2008/10/11 (SAT)
OVUM presents JOSH WINK @ Womb
DJ : Josh Wink

2008/10/12 (SUN)
HORIZON presents MADCHESTER NIGHT ~20 years from The Stone Roses~ @ Unit
DJ : YODA, Kenji Takimi, Sugiurumn

2008/10/12 (SUN)
Escape @ Air
DJ : Derrick May

2008/10/24 (FRI)
Awake @ Unit
LIVE : Exercise One
DJ : Oliver Bondzio, DJ Wada, HINA

2008/10/25 (SAT)
URBANGROOVE @ Seco Lounge
DJ : Frankie Feliciano, DJ AK
LIVE : Trans Of Life

2008/10/25 (SAT)
WOMBNOISE @ Womb
DJ : Anderson Noise, Ken Ishii

2008/10/31 (FRI)
Air Tokyo Presents Halloweeeeeen Party @ Air
DJ : Ken Ishii

WOMBはがさ入れが入ったそうで、もう流石に終焉の雰囲気を感じるな。そんなに好きなクラブでもないけれど、都内のクラブは本当にやばい状態だ。クラブ摘発より政治家とヤクザを摘発してください、警察は。クラブは悪くなんかないんです。ただ音楽好きが集まってるだけなんです。しかしYELLOWのオーナーが脱税してたそうで、移転→新規開店は難しくなるのかな。どうでも良いけれど4日(土)にイベントが固まり過ぎだよ!自分は久しぶりにケンイシイとフランソワが聴きたいので、アゲハに行きますが。
| UPCOMING EVENT | 09:45 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Life Force Mixed By Nick The Record (Cutting Edge:CTCR-14443)
Life Force Mixed By Nick The Record
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Nick The Record、イギリス人ながらも日本のアンダーグラウンドなパーティー"Life Force"のレジデントを90年代から長きに渡り務めているDJ。またパーティー自体もどうも不定期な様で大掛かりな宣伝もしないせいか僕もかすかに耳にした事がある位で、実際にどんな感じの音楽がかかったりするのかは正直知らないです(多分ハウス中心なんだろうけれど)。なんで機会があれば行ってみたいなと思っております。そんな僕の様な人の為に"Life Force"の名を冠したNick The RecordのMIXCDがリリースされているので、パーティーの雰囲気を掴むには参考になりますね。ええ、やはり正統派のハウス中心で非常に丁寧で滑らかなプレイは、熟練者たる落ち着きと円熟味を感じられます。余裕しゃくしゃくでプレイしているのが浮かんでくるなリラックスした雰囲気ですが、それは決して手を抜いているのではなく音楽を熟知しているからなんでしょうか。ハウス中心ながらもUK系の小洒落たブロークンビーツも挿んだりして、上品かつ優雅な空間を創り上げておりますよ。全体的にNY系の黒っぽいハウスと言うよりは、ヨーロッパの洗練された面が前面に出ていますね。派手な展開は無くともセンスの感じられる一枚。

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Gilles Peterson - In The House (ITH Records:ITH23CD)
Gilles Peterson-In The House
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Defectedの名物であるハウスミックスシリーズ"In The House"の最新作は、なんとクラブジャズ第一人者であるGilles Petersonが担当。偉業とも言えるDJの選択ですが、どうやら本人はかなり本気でいるらしく久しぶりに最高の作品が出来たと自画自賛しております。確かにボリュームは3枚組ととんでもない量になっておりますが、さて内容はと言うと。

まずDISC1は完全にハウスをコンセプトにしており、伝統的なNYハウスから始まり、パーカッシブなハウス、テッキーなハウスと緩やかに盛り上がりを見せる好内容。爽やかに甘くライトな印象ながらも、滑らかな音触りが耳に心地良いですね。わざと難解にする事もせずハウスファンの多くが知っているであろうアーティストの曲も多く使われていて、ストレートにハウスの良さが分かる一枚ですね。

そしてDISC2はGillesのルーツが詰まっていると言う、ファンクやディスコを中心にミックスしております。と言っても自分はこの手の音楽は全く聴かないのでコメントが難しい。イメージとしては昔のディスコで流れる様な音楽でしょうか。生演奏中心でハウス史以前のハウスに近い物、ファンキーでブラック色が強くノリノリな感じですね。

最後のDISC3はこの企画の為に多くのアーティストが新曲を提供し、それを収録したミックスされていないコンピレーションです。ジャジーなハウスもシカゴハウスもラテンハウスも含め色々ありますが、そのどれもが新曲と言うのは凄いですね。クラブミュージックシーンでのGillesの信頼度、尊敬度の表れでしょうか。想像していたよりも格好良い曲が詰まっていて、曲を提供したアーティスト側も本気だと言う事です。

3枚組と言うなかなか聴くのは大変なボリュームですが、これは一聴の価値有りの名盤だと思います。また"In The House"シリーズにおいても、上位にランクインする素晴らしい出来ですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
ele-king presents Wildman's House (Ki/oon Records:KSC3913)
ele-king presents Wildman's House
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acid over the rainbowのびびんばさんがお勧めしていたので、気になって購入してみた一枚。びびんばさんは自分の手が届かない痒い所をさり気なく紹介してくれるナイスなセンスを持ったお方です。音楽以外にもお酒の紹介もしてくれていて、飽きないブログで大変お勧めなんで是非ご覧になって下さいね。

さてまずタイトルに注目。はい、"ele-king"ですよね、知ってる方はオタク。現リミックス編集長の野田努がかつて発行・編集していたテクノ雑誌です。アンダーグラウンドな音楽を率先して紹介していた雑誌で好きだったんだけど、やっぱりアングラは売上が延びないのか廃刊しちゃったんですよね、残念。その"ele-king"の野田努や中田久美子(テクノ好きな写真家兼翻訳家でいいのかな?)らが選曲を行ったこのMIXCDですが、彼らによるとディープハウスを集めたとの事。まあしかし色々なアーティストがざっくばらんに入っていて、フレンチハウスのMotorbassにカナダのNick Holder(Track Heads)、デトロイトハウスのMoodymanとAlton Miller、ロンドンのPhil Asher(Basic Soul)、スウェーデンテクノのJesper Dahlback、ラテンハウスのBasement Jaxx、そして日本から横田進と田中フミヤ(Karafuto)とひとえにディープハウスと言えども一つにはまとめられない幅広さがあります。ここでの野田努のディープハウスとは"音楽性に意識的であろうとするアンダーグラウンドなハウス"を指すらしいが、確かに一般的に見ればアンダーグラウンドな選曲でも堅苦しい音楽を聴かせる訳でもなく、意外とノリの良いハウスが多くハッピーな気分で受け入れられると思います。かといって享楽的にただ盛り上げるだけのMIXCDとも違い、統一されたエモーショナルな雰囲気が自然と存在していて、そうゆう意味で確かにディープハウスなんだなーと感じました。昔の野田努はセンスが良かったなと感慨深くなる一枚。

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| HOUSE3 | 19:50 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Fuse Presents Technasia (Music Man Records:MMCD022)
Fuse Presents Technasia
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先日WOMBでTECHNASIAのCharles Siegling(誰か正しい発音を教えてちょ!)とAmil Khanのプレイを聴いてきたのですが、Charlesは今回は思ったより普通にテクノが強調されていましたよね。しかしCharlesの真価と言えばやはりシカゴハウステイストを強調したプレイでありまして、それが見事に聴けるのが本作です。彼自身もシカゴハウスからの影響はかなり大きい事を公言していますが、実際に彼のプレイって相当に猛々しくラフで荒くて、とにかく技術より勢いって感じなんですよ。決してDJが下手とかそうゆうんじゃなくて、何はともあれ爆発力全開で一気に引っ張っていってしまうスタイルを確立しているんだと思います。そしてまた音が何よりもファンキーで、この黒いファンキーさと言うのはやはりシカゴハウス生まれの物なんですな。しかもシカゴハウス、エレクトロ、ハードミニマルなど悪ぶれた音ばかりで繋ぐかと思えば、時には綺麗なシンセ系のトラックやデトロイト系も混ぜたりしてしっかりツボを押さえた憎たらしい演出でございます。今ではそうは見られなくなった70分に40曲近くを詰め込んだ展開が早く、そして緩急自在に流れを支配する怒濤のMIXCDですね。これを聴いて思い出したのは、かつてのJeff Millsの傑作「Mix-Up Vol.2」(過去レビュー)。こちらもかなりシカゴハウス色濃厚で、黒いテクノと言っても差し支えなかったですね。あ、でも元々テクノは黒い所から始まったんですよね。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Laurent Garnier, Carl Craig - The Kings Of Techno (Rapster Records:RR0063CD)
Laurent Garnier, Carl Craig-The Kings Of Techno
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Disco、Funk、Hip Hop、House、Jazz、Digginと続いた「The Kings Of 〜」シリーズに、遂にTechnoがやってきました!このシリーズ、過去のレアな名作を掘り出すと言うなかなか味のあるシリーズなのですが、なんと今作はヨーロッパからはLaurent Garnierを、そしてデトロイトからはCarl Craigを招いてコンパイルを行っています。コンセプトはヨーロッパから見たデトロイト、またデトロイトから見たヨーロッパをイメージしておのおのが選曲&ミックスをした様です。なので普段の様なフロアを意識したプレイとは違うのですが、二人のルーツや好みを感じられる非常に興味深い物となっています。Garnierの選曲は、テクノやエレクトロは当然として、ヒップホップのJay DeeやロックのThe Stooges、ファンクのFankadelicなどデトロイトの音楽をジャンルを越えて抽出しています。目玉はラストのURの「Amazon (Live Version)」!!Rex Club15周年記念に行われたURのライブ音源なのですが、なんとGarnierがMad Mikeに頼み込んで収録したそうです。Mad Mikeの語りも入った激ヤバ音源、これだけでも充分価値があります。Garnierも気合い入れすぎて、トラック分けは無し。最後まで聴いてやっと「Amazon (Live Version)」が聴けますよ。対するCarlさんは、しっかりトラック分けされているからご安心を(笑)。選曲はニューウェーブ、テクノポップ、インテリジェンステクノなど、確かにCarlさんのルーツがしっかり感じられる物が多いです。音は確かに過去の物そのものなのに、そこから発する景色は未来の物。また難解な音楽でも無く、楽天的な気持ちになれる良い意味でポップな曲が多いですね。TECHNOのMIXCDでは無いけれど、現在のTECHNOシーンで絶大な人気を誇る二人のルーツを聴いてみるのもまた一興。今ならアマゾンで2000円でお買い得です。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Miguel Migs - Nite:Life 03 [Original recording remastered] (NRK Sound Division:NRKMX003)
Miguel Migs-nite:life 03
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朗報が入ってきました。以前にも紹介した「Miguel Migs - Nite:Life 03」が再発される事になりました。Neked MusicやNRK Sound Divisionから心地良いディープハウスをリリースしている西海岸ハウスの雄、Miguel Migsが担当した傑作MIXCDですよ。以前も紹介したのにアマゾンでは売り切れとなっていましたが、この度リマスターされて再発ですよ。ほんと熱いですよ!いや、熱いと言うよりしっとりムーディーで、大人の色気や優雅さを持ち合わせています。洗練された都会派ハウス、大人の余裕すら見受けられてワイングラス片手に聴いたらお洒落な世界に没頭してしまいます。と言うとただのお洒落なハウスで軽く片付けられそうですが、図太いトラック、パーカッシブなリズムも織り交ぜて、グルーヴィンに締まりのあるプレイで踊らせてくれます。いやーしかし最高に気持ち良い展開で、Nite:Lifeのタイトルを最もよく表現しているんじゃないでしょうか。これが再発されたのも、きっと多くの人が待ち望んでいたに違いないからですね。Franck Roger、Needs、Nick Holder好きな人には真っ先にピンと来るMIXCDだと思います。過去のレビューも参考にしてみて下さい。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Carl Craig - Fabric 25 (Fabric Records:FABRIC49)
Carl Craig-Fabric 25
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名作Fabricミックスシリーズに、遂に天才Carl Craigの登場です。発売前から期待を膨らましていたものの、トラックリストを見た時はハウスセットか〜と微妙な気持ちになったり。ようやく実際に耳にしてみると、生ハウス、テックハウス、テクノが程よく分配されて、Craigの大きな音楽性を充分に見せつける流れがありました。今までだって思い出してみると彼のプレイはどちらかと言うとハウス色が濃厚だった訳で、今回は特に湿っぽく艶めかしい質感が強いです。終始ビートはそれ程上がらず前半から中盤はハウス、中盤過ぎから硬めのテックハウスで少し盛り上げ、ラスト前に一端落とす。そしてラスト2曲はCarl Craig、Tokyo Black Starのヒット曲を立て続けに回して、感動的なラストを飾ります。Carlと言えば下手くそなDJだったのに、最近はDJの方も腕を上げたようでロングスパンでの緩急の付け方が上手いですね。テクノセットじゃないからダメだなんて思ってる人は、騙されたと思って聴いて欲しいし、ハウス好きな人には問題なく推薦出来ます。近年活動が乏しかったエレクトロニックミュージックにおける天才が、ここに来て完全に復活しています。来年以降のCarl Craigが楽しみで止みません。(12月20日現在1900円でお得です!)

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Kenji Takimi - SESSIONS VOL.2”THE DJ AT THE GATES OF DAWN-DANCESTONELIVE-” (Musicmine:IDCH-1009)
Kenji Takimi-SESSIONS VOL.2”THE DJ AT THE GATES OF DAWN-DANCESTONELIVE-”
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瀧見憲司、CRUE-L RECORDSの主宰者でありアンダーグランウンドなハウスDJ、否ダンスミュージックDJとして人気を博しています。なんて言いつつもまだDJプレイは未体験、彼のユニット:CRUE-L GRAND ORCHESTRAのバレアリックなチルアウトアルバムがお気に入りな僕です。じゃあDJの方はどうよって感じで、ヤフーオークションでお安く購入。まずトラックリストを拝見すると…お〜殆どの曲知らないぞ。Doc MartinとかDJ Garthのアメリカ西海岸ハウス位しかわかんね〜。幕開けはディスコっぽいけど、すぐに前半は適度にあげつつトライバル風のハウスの連続。時折ニューウェーブを感じさせる古臭いボーカル物を入れたり、流行のディスコダブでずぶずぶと沈めてくれる。ところが中盤以降はぐちゃぐちゃになっちゃって、テックハウスやディスコダブ、ディスコ、なんだかわからん物が規則性無しに並んでいる。DJMIXと言う物は大抵スタイルと言う物があるのだろうけど、この人のDJMIXには無国籍を感じる。一体どこの国の音楽なんだろう?東南アジアの危険な香りがするとも言えるがそれだけでは無いし、アメリカ西海岸の清涼な景色も思い浮かべられる。だが後半ではどこかの民族の怪しい呪術を聞かせられてもいる様な…。彼のDJMIXにはその呪術に依って、決して忘れる事が出来ず虜となってしまい何度も聴きたくなる様な魅力がある。スタイルを破壊して無国籍の音楽、つまりハウスミュージックでは無くダンスミュージックを創造している。僕自身はジャンルがばらばらなMIXCDは受け止め方が難しいけれど、そんな事はどうでも良くなってしまう。瀧見憲司のセンスが僕の心をロックした。

Check "Kenji Takimi"

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |