Tominori Hosoya - Winter EP (Night Vision Records:NV030)
Tominori Hosoya - Winter EP
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キャリア初となるアルバムが待ち構えているTominori Hosoya、またTomi Chairとしても東京を拠点に活動する生粋の作曲家は、今アーティストとして春を迎えている。deepArtSoundsやSoul Print Recordingsを始め世界各地のレーベルから引く手数多の存在と言っても過言ではなく、耽美なピアノや水しぶき弾ける爽やかなシンセの叙情感に爽快なパーカッションを用いたリズムから生まれるロマンティックなディープ・ハウスは、彼の音楽を象徴する個性となっている。そんな音楽性に魅了されたのだろうか、デトロイトの重鎮の一人であるOrlando Voornが主宰するNight VisionからHosoyaの作品がリリースされようとは、まさか誰も予想出来た者はいないだろう。レーベルの音楽性としてはややハードで無骨なテクノが多いのでHosoyaの音楽性の親和性という点では未知数なところもあったのだが、もしエモーショナルや叙情性という言葉で現される心を突き動かす要素という面から捉えれば、全くずれているわけでもないのだろう。タイトル曲となる"Winter"は正にHosoyaの音楽性そのものであり、天井から降ってくるような清々しく美しいピアノのメロディーとモヤモヤとしながらもエモーショナル性の強いシンセストリングスの融和を用いており、そこに軽く浮遊する如く爽快な4つ打ちのハウスビートを走らせて、空へと舞い上がって大空で遊泳を楽しむドラマティックな世界観は底抜けにオプティミスティックだ。そこにVoornが手を加えた"Winter (Orlando Voorn Mix)"は神秘的な女性のコーラスや内向的なシンセのリフも加え、何処か宗教的というか神秘的で謎めいたテック・ハウスへと生まれ変わっており、デトロイトのエモーショナルという共通項を残しながらも滑らからに研磨されたビート感が心地好い。"06 March 2015"もタイトル曲と同様で動きのあるシンセとキレのあるパーカッシヴなリズムで疾走するように引っ張りながら、中盤から入ってくる身体を洗い流す如く降り注ぐピアノの粒が滴り落ちてくると途端に抒情性を増し、清涼感溢れるピュアな空気に満たされる。そしてラストは彼のアンビエント/チルな方向性が打ち出された"Reminiscence (49 Days Later)"で、ダビーで爽快なパーカッションで奥深い空間を創出しながらしっとりした重心の低いビート感でしっかりと地を掴み、オーロラのような幻想的なシンセを伸ばして情緒深さで空間を埋めていく流れは、パーティーの朝方のフロアを癒やす時間帯にもはまりそうだ。どの曲もやはりピアノの旋律やシンセの美しい響きが際立っておりメロディーを大切にしているのが率直に伝わってくるが、その上でフロアの中で全身で浴びても爽快なビート感も共存しており、心から素敵な曲を作るアーティストだと思わずにはいられない。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Frequency VS Atkins - Mind Merge LP (Out Electronic Recordings:OUTA05)
Frequency VS Atkins - Mind Merge LP
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デトロイト・テクノのパイオニアであるJuan Atkins、そして同じくデトロイト・テクノの大ベテランであるOrlando Voorn、決してデトロイトがかつての繁栄を保っていない中でベテラン勢の中でも逆に息巻くアーティストもおり、両者とも今尚そのテクノの聖地としての存在を守るように新作を制作し続けている。本作はベルリンにて2010年に設立されたOut Electronic Recordingsからリリースされたもので、Voornを含めたデトロイト系のアーティストによる作品もカタログに載っており、レーベルにはアンダーグラウンド性の強いテクノの方向性があるようだ。AtkinsとVoornという所謂タレント的な存在によるコラボーレーションと言う事であれば作品的にも何か特別なモノを求めてしまうのは自然かもしれないが、プレスによれば「デトロイトのエレクトロ、ファンク、テクノの美しい真髄」という通りで、決して派手な作品ではないが彼らしい正しくファンクネス溢れるオールド・スクールなテクノを創り上げている。アルバムはミステリアスな空気を生むメロディーとエレクトロ気味の、例えば故Drexciyaを思わせるようなビートを刻む"Beyond The Beyond"で始まり、深海を潜航するようなディープなレトロ・テクノが広がっていく。続く"Entourage"は如何にもなシャッフルしてスピード感のあるリズムがAtkinsやVoornのテクノらしく、ファンキーなグルーヴ感に合わせて初期デトロイト・テクノらしいSF的なシンセを聞ける事に安心する。"Pure Soul"なんかはAtkinsのInfiniti名義の音楽性であるミニマル性が打ち出ており、ひんやりクールなマシン・ビートが特徴だ。コズミック感を生む動きのあるシンセが続くタイトル曲の"Mind Merge"、どっしりと重いキックが骨太なグルーヴとなり鋭利なシンセのフレーズと一緒になりファンキーさを感じさせる"Spacewalkers"、細くも叩き付けられるような刺激的なビートのエレクトロである"Back To The Future"、本作の何処を聞いても恐らく最新のテクノの音を感じる事はないだろうが、これこそがデトロイト・テクノだと言うパイオニアの自負のようなものが込められているのではないだろうか。何か変わった事をするでもなく今までと変わらぬテクノ/エレクトロを披露する辺りに、自分達が育ててきた音に対する信頼があるのだ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Marcel Dettmann - DJ-Kicks (Studio !K7:K7340CD)
Marcel Dettmann - DJ-Kicks
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長きに渡りテクノ/ハウスに限らずダンス・ミュージックのリスナーを楽しませてきているMIXCDシリーズ『DJ-Kicks』、その最新作には遂にベルリンはBerghainでレジデントを務め、日本に於いてもその知名度を高めるのに貢献したMarcel Dettmannが登場。過去には『Berghain 02』(過去レビュー)、『Fabric 77』(過去レビュー)、『Conducted』(過去レビュー)とまた人気を博すMIXCDシリーズも手掛けているが、やはりこのDJ-Kicksシリーズはそれらとは異なり真夜中のダンスフロアを意識するよりはアーティストの個人的な好みを反映させたものが特色だろう。そう言った意味ではDettmannによる本作は比較的ダンスフロアにも適応しつつ、他アーティストのシリーズに比べると果敢なチャレンジ精神は少ないかもしれないが、オールド・スクールなテクノからエレクトロやニューウェーブまで取り込んでホームリスニングにも適した構成は、確かにピークタイムのダンスフロア的ではないが彼のパーソナリティーは如実に反映されている。スタートは90年代の古いテクノであるCybersonikをDettmannがリミックスしたバージョンで開始するが、ビートの無くなったリミックスによって静謐な立ち上がりとなっている。そこにOrlando VoornやDettmann自身の硬質でロウなテクノを繋げていき、更にはInfinitiによる古き良きテクノを自らリミックスした"Skyway (Marcel Dettmann Remix)"もセットする事で激しさだけではなく不思議なムードを纏ってリスニング性を保っている。しかし彼のミックスにしては意外にも展開の振れ幅は大きいだろうか、中盤までのMystic BillによるバウンシーなハウスやDas Kombinatによる鞭で打つようなエレクトロ、Clarence Gによるラップ等の流れはDJ-Kicksの特性を意識しているようだ。そこからも闇の陰鬱なムードを保ちながらもハードさを回避し、リズムやグルーヴを常に変容させながら普段の持続感とは異なる展開の多さによって耳を惹きつけ、終盤にはThe Residentsのユーモア溢れるニューウェーブから最後はデトロイトの叙情性もある"Let's Do It (Rolando Remix)"によってエモーショナルなラストを作り上げている。彼が今までに手掛けたMIXCDに比べると本作がベストであるとは言えないものの、しかし普段はプレイしない選曲や自身の特別なエディット/リミックスも多用した点にも興味深さはあり、DJ-Kicksらしさは十分にあるだろう。



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| TECHNO12 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Orlando Voorn - In My World (Rush Hour Recordings:RHM 017CD)
Orlando Voorn - In My World
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近年はヨーロッパの方の勢いの影に隠れてしまっている感もあるデトロイト・テクノだが、所謂カリスマ的な存在感を放つベテランの新作のリリース量が事が減っているのは原因の一つとしてあるだろう。やはりパーティーが開催されるクラブという場所で新しい曲がプレイされる事が前提である業界で、新しい風が吹かなければ後光も色褪せていくのは避けられない。そんな中でもデトロイトの古参の一人であるOrlando Voornは時代を問わず様々な名義を使用しながら、膨大な量の新作を送り出し続けている信頼に足るアーティストだ。デトロイトのパイオニアである先輩らに比べれば確かに知名度では劣るものの、デトロイトのエモーショナルな作風にパーティー受けする機能的なダンス性を取り込んだ曲はいつだって変わらず、20年以上も途切れる事なく音楽活動をするその姿勢は評価すべき事だ。そんなVoornによる新作はオランダからデトロイトを常に後押しし続けていたRush Hourからとなり、この組み合わせであれば期待せずにはいられないのも当然だ。とは言っても名義毎に異なる作風を見せる彼だからこそ、このアルバムも決して4つ打ちテクノ一直線というわけではない。瞑想的なアンビエンスを放つ序盤からジャーマン・プログレらしいコズミックなダウンテンポへと変化する"Turn Left Right Here"からして、いかにもデトロイト的という路線からはやや外れている。続くシャッフルするようなリズムに不思議な笛の音ようなメロディーが反復する"Space Age"、重く太いキックに浮遊感のあるパッドが酩酊を誘う"Let Me Lead The Way"からは、フロアに飛び出して勢いのあるグルーヴを増し情熱的な雰囲気も発するようになる。キックは抜かれながらも疾走感を産み出す"Anti Political"は非常にデトロイト・テクノらしい懐かしい雰囲気があり、逆にダビーな音響が闇に潜む奥深い世界へと誘うダブ・テクノの"Chicago By Night"はVoornの骨太な性質が現れ、そして忘れてはならないエレクトロ色全開のコンピューターボイスも使用した"Predator's Cave"など、その多彩な才能を詰め込みながらも決して分離しないようにデトロイトというバックボーンを基にアルバムは纏められている。やはりと言うか本作も決して時代に痕を残すような印象的な作品ではないのだろうが、Orlando Voornらしい無骨なファンクネスと熱いエモーションが込められており、安心して聴けるデトロイト・テクノなのである。



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| TECHNO12 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Asian Psilocybe Foundation - Cosmic Dance EP (New Heroes:NH001)
Asian Psilocybe Foundation - Cosmic Dance EP

まだ作品数は少なく、2014年にHypnotic Roomからリリースされたスプリット盤の『Tokyo EP Vol. 1』でデビューを飾るやいなや、そして何と海外からはスイスのMental GrooveとデトロイトのOrlando Voornによる新レーベルのNew Heroesからのリリースが決まり、何だかよく分からない状態ではありながらこれからの飛翔の予兆があったのがAsian Psilocybe Foundationだ。soundcloud上では多くの楽曲を公開しているが、単にミックスのためのツール性よりは感情がはっきり出ながらメロディーの豊かさとライブ感を重視したテクノからディープ・ハウスにアンビエントまでと、電子楽器を巧みに操りながら作曲家としての実力は期待を裏切らない。発表から約1年程経過して先ずはリリースされたのはVoornのレーベルからの本作で、ここでは何とVoornのリミックスのみならずUnderground ResistanceことTimelineのメンバーであるJon Dixonのリミックスも収録と、破格のサポートを頂いて新レーベルの門出を祝うようだ。だがしかし、何と言っても素晴らしいのは"Cosmic Dance"のオリジナルバージョンで、ベタではあるだろうがそのタイトルが嘘偽りなくその性質を体現している。ガツガツと攻める粗いスネアと図太いキックのグルーヴ感はかなりテクノ寄りな勢いを感じさせるが、その上を滑るような色とりどりの豊かな音色を持ったシンセのメロディーはコズミックと呼ばずにはいられない。デトロイト・テクノの叙情性や希望に満ちたエモーションが炸裂した躍動的なメロディーは、内側から弾けるようなエネルギーを放出しながら疾走し、広大な宇宙の星の間を駆け抜けるようだ。一方で"Jon Dixon Timeline Remix"はオリジナルとは対照的にメロディーもビートを落ち着きを取り戻し、ぼんやりとした音色のシンセをミニマルに配して細かな効果音も散りばめながら、ずぶずぶと潜っていくような重心低めのディープ路線へとアレンジされている。逆に"Orlando Voorn Remix"は元のコズミック感を上手く活用しており、ビートレスなイントロでその凛としたメロディーの展開を我慢強く引き伸ばして溜めを作りつつ、そして徐々にシャッフルするビートが入れば、遂にロケットに乗って宇宙へと飛び立つような飛翔モードへと突入する劇的な展開を繰り広げる。それぞれに異なる味わいがあり場面それぞれで使い道はあるだろうが、やはりAsian Psilocybe Foundationによるオリジナルが何よりもそのタイトルを体現しており、デトロイト・テクノ好きな方にも是非ともお薦めな一枚だ。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rick Wilhite - Vibes New & Rare Music 2 (Rush Hour Recordings:RHM 010 CD)
Rick Wilhite - Vibes New & Rare Music 2
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Theo ParrishやMoodymannにMarcellus Pittmanと共に3 Chairsのメンバーとして、またデトロイトのレコ屋である「Vibes」(現在は閉店)のオーナー兼バイヤーとして、そしてDJ/アーティストとしても高い評価を得るRick Wilhite。2010年にはオランダのRush Hourと手を組み"Vibes : New & Rare Music"(過去レビュー)なるデトロイト/シカゴのアンダーグラウンドな音楽を集めたコンピレーションを手掛けた際に、そこで大物から隠れた原石まで引っ張り出して新旧世代を交えたソウルフルな音源を集め、流石のローカルなベテラン故の音楽センスを披露した。それから4年、再度Rush Hourと協力して手掛けた続編となる作品が本作なのだが、ここでは前作以上に意外ともとれるアーティストが集まっている。例えばニュージャージ・ハウスからBlazeのJosh Milan、NYハウスのベテランであるJovoon、シカゴの変態的なK-Alexi、そしてまだ余り名の知られていないJon Easleyがそうだろう。その一方ではデトロイトからはGerald MitchellやMoodymannにOrlando Voorn、Urban TribeことDJ Stingrayも招集し、Rickのセレクターとして人望の厚さが伝わってくる程のアーティストが揃っている。このように前作よりもその幅の広い人選故に音楽的にも多少のばらつきは見受けられるが、Josh Milanによる"Electro Dreams"にしても彼らしいソウルフルな温かさはありながらも、普段のBlazeよりは幾分かより無骨な質を強めていて、方向性としてはやはりデトロイトのハードな気質が勝っているようだ。Gerald Mitchellはいつも通りで"It's The Future"と言うタイトルを表現するような希望に満ちたアフロ・ハウスを展開し、Orlando Voornは"The Recipe"で煌めくような明るさを発するビートダウンを聞かせ、デトロイト勢はあるがままに自身の音楽性を披露している。レコ屋の元バイヤーとしての手腕を存分に発揮しているRickだが、アーティストのしての腕も間違いなく、Norm Talleyとの共作である"30 Years Later"では地面を這いずり回るような重心の低いビートダウン・ハウスで粘着質な黒さを発している。アルバムとしてジャンル的な纏まりはないかもしれないが、精神的な意味での音楽に対するアティチュードではアンダーグラウンドであり、その心意気は存分に伝わってくるだろう。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Orlando Voorn - Divine Intervention (Subwax Excursions:SUBWAXEXCCD01)
Orlando Voorn - Divine Intervention
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現在では音楽面においてデトロイトとオランダの蜜月な関係は周知の事実だが、早くからそのコネクションに貢献していたのがオランダ出身のOrlando Voornだろう。90年代半ばからデトロイトのアーティストと制作を共にしながらデトロイト・テクノを自身のモノとし、また個人では様々な名義を用いてテクノやハウスにエレクトロなど現在に至るまで大量のアナログ作品を残している。その一方ではDJツールに特化した制作を進めていたせいかアルバムは全くリリースしていなかったが、なんと14年ぶりとなるアルバムが突如届けられた。そもそもが大量の作品を残しているので彼の全てを把握する事は困難であったが、本作ではアルバムと言う形態を意識してかデトロイト・テクノに拘る事なくより多彩な懐の深さを聞かせる作品となっている。特に粘り気のあるデトロイトのビート・ダウンや色気のあるベース・ミュージックを思わせる要素が盛り込まれていて、今までの印象を塗り潰していく意外性のある作品となっている。アルバム冒頭の"The Realness"はファットなリズムを打ち出したベース・ミュージックで、女性ボーカルのサンプルがセクシーながらも切ない心情が込み上げるソウルフルな曲だ。続く"Come With Me"ではシンセポップを思わせる綺羅びやかな音色やヴォコーダーの導入が目立ち、このポップな感覚には意外性もあるがダンス・ミュージックとして自然と成り立っている。そしてブレイク・ビーツを用いたリズムが躍動的な"Majestic"は、一方で透明感のあるアンビエンスに包まれフューチャリスティックな世界が広がっている。"Find A Way"に至っては麗しいエレピやサックスを導入したジャジー・ハウスで、この爽快な風が吹き抜けるリズムをOrlandoから想像出来る人は殆どいないだろう。とアルバムの中で大風呂敷を広げている印象もあるが、デトロイト・テクノやOrlandoの根底にあるものを今一度掲示しようと言う意識も感じられ、結果的にはデトロイト・テクノのエモーショナルな感覚からはそうは外れていないように思われる。アルバムと言う形態を意識しての多彩性がありながら、デトロイト・テクノのオタクも納得させる素晴らしい一枚だ。

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| TECHNO10 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Orlando B - The Harlem Connection EP (Undertones:UT013)
Orlando B - The Harlem Connection EP

UKはエジンバラ出身のOrlando Bが流麗でディープなハウス作品を続けて送り出しています。特に10、11年と続いてデトロイト〜シカゴのハウスに力を入れているYore RecordsからEPをリリースした事で着実に成果を上げ、そしてなんとDerrick MayのMIXCDにも曲が使用されると言う快挙を成し遂げ、脂の乗ったタイミングでの新作もこれまた黒さとエモーションを兼ね備えた内容です。タイトル曲は粘り強いベースラインやどっぷり地に根を下ろしたリズムでじわじわ侵食するビートダウン系で、迫力あるスクラッチや端整なシンセのリフを導入しファンキーなディスコっぽさをモダンに解釈した逸品。そしてそれを日本から世界に羽ばたいたハウスDJ・Kez YMがリミックスしているのですが、こちらは一転力強い4つ打ちに仕立て上げておりますが艶のある音色やボトムの厚みがより真夜中のピークタイム仕様に適しており、DJ活動が楽曲制作にも良い影響を与えているのだろうと感じられます。裏面には"Back 2 Basics"なる恥ずかしくなるような直球タイトルの曲が収録。これがタイトルまんまでスムースにドスドス地面を打ち付けるキックに軽快なパーカッションが絡み、優美なストリングスが舞い踊りピアノが控えめに上品さを演出するディスコハウスで、ここまで恥ずかしげもなくオールドスクールな味を打ち出されるとそりゃ抗えません。今後に期待を抱かせるには十分過ぎる気持ちの良いハウスの一枚です。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ken Ishii - Daybreak Reprise -Sunriser Remixed- (70Drums:IDCK-1003/1004)
Ken Ishii-Daybreak Reprise -Sunriser Remixed-
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テクノゴッド・ケンイシイが2006年に放ったテクノアルバム"Sunriser"(過去レビュー)から2年、そして再度日はまた昇る。ケンイシイと交流のあるアーティストらによってケンイシイの楽曲が、新たなる輝きを伴って生まれ変わった。参加アーティストはデトロイトからLos Hermanos、そしてデトロイトテクノを敬愛するFabrice Lig、Orlando Voorn、近年テクノ化しているハウスアーティスト・Jerome Sydenham、ディスコテックを追求するSpirit Catcher、そして日本からは7th Gateと秘めたる新人Publicmindともう文句の付けようの無い素晴らしき人選。これはケンイシイが年に半分は海外で過ごすと言うグローバルな活動から生じる交流のおかげであり、多くのアーティストがケンイシイの音楽性に信頼を寄せている証である。これだけの面子が揃ったわけで、もはや音に関しては説明不要であろう。Los Hermanosは期待通りの疾走感に満ちたコズミックなリミックスを披露し、7th Gateはオリジナル以上に壮大な展開を見せる感動的なリミックスを創り上げ、Spirit Catcherは完全に自身の色に染め上げた煌くディスコテックを聴かせてくれた。皆がテクノをまだ信じている、そんな印象を受ける純然たるテクノリミックスだ。DISC1はそんな各楽曲を使用しケンイシイがミックスをしていて、MIXCDとしても楽しめる。DISC2はアンミックスなので、DJが使用するのに適しているだろう。やはりケンイシイはテクノゴッドだったのだ。

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| TECHNO6 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ican - Caminos Del Nino (Ican Productions:ICAN-004)
Ican-Caminos Del Nino
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Galaxy 2 GalaxyのライブをサポートするDJ S2=Santiago SalazarとEsteban Adameのユニット・Icanの、自身のレーベルからの4枚目。UR一派の中では珍しくもラテン系ハウスを押し進めておりますが、タイトル曲はラテンなヴォーカルとコズミックなシンセの絡みが熱く舞い上がる一曲。途中からはいるパーカッションも南国の情熱的な踊りを誘発し、血が熱く煮えたぎります。リミックスにはオランダからOrlando Voornが参加、こちらは原曲より図太いトラックに作り替えテクノ色を強めた内容。ざくざくと重いリズムトラックに変わっていて、原曲が更に格好良くなってます。またSantiago Salazarのソロ曲も収録されていて、これはブリブリとアシッディーなシンセが反復するミニマルトラック。テクノ・ハウスの両方面でDJが使い易そうな内容です。

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Sims - Ekspozicija 08 : Escapism Pt.2 (Explicit Musick:EXPLICITCD008)
Ben Sims-Ekspozicija 08 : Escapism Pt.2
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一時期は隆盛を誇ったハードグルーヴテクノももはや過去の遺産。ハードなプレイをしていた多くのDJがハードテクノに見切りをつけて、流行のエレクトロやミニマルにあっさり鞍替えする悲しい世の中。そんなハードグルーヴが下火なこのご時世の中、一人息巻いている真の漢がいる。その人こそかつてハードグルーヴで一躍シーンの最前線に躍り出たBen Sims。現在でもターンテーブル3台をフル活用し、バカテクで迫力に溢れたグルーヴを聴かせるハードテクノ好きにとっての神である。はっきり言って今のシーンの流れでは正直ベンシムスタイルでの活動は難しいと思われるのに、頑なにスタイルを変えない彼の心意気には敬意さえ抱いております。

さて本作でも以前と変わらぬバカテクで70分の中に41曲も詰め込む尋常ならざるミックスを披露していて、あれよあれよと移り変わる音の変遷はやはり凄い。一曲の中で良い箇所だけを繋げて常に盛り上げるのがこの手のミックスプレイの醍醐味で、かつてJeff Millsが実践していた事を現在に引き継ぐ巧みの技であります。選曲は彼の大好きなシカゴアシッドやデトロイトテクノ、そしてヨーロッパのテクノまで混ぜてざっくりと野性味溢れる音に仕上げております。しかし曲をただ繋げるだけではなく、多くの曲に彼がエディットを施していて良い感じのドンシャリした音になっていますね。音は洗練されておらず野暮ったいし曲も繋ぎ過ぎでどこかせわしないけれど、ファンキー度とトライバル度はやはり並々ならぬ内容と言えましょう。元々Jeff Millsに影響を受けていた自分には、この手のミックスは永遠に外せないですね。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Orlando Voorn - Ignitor (Submerge Recordings:SUBCD-3026-2)
Orlando Voorn-Ignitor
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まだまだ続くデトロイト関連物。今日はオランダ出身ながら一時期はUnderground Resistanceにも短い間加わっていた(はず)Orlando Voornのアルバムです。これはオリジナルアルバムだと思い込んでいたのですが、よくよく調べてみると彼がSubmerge傘下に設立したIgnitorから様々な名義でリリースしたEP(しかもそれら自体も90年代の曲をリイシューしてただけみたい)から、ベスト的な内容で曲を選んだベストアルバムみたいです。完全に一から作り上げたオリジナルアルバムだと思い込んでいたのでちょっと残念な気持ちもありますが、OrlandoのEPは特に集めていない分一まとめに彼の実力を知るにはもってこいの内容です。さてオランダと言えばデトロイトフォロワーの中でも屈指の実力を誇っているのですが、このOrlandoもその実力に嘘偽りはありません。特にフォロワーにありがちなソウルを薄め綺麗に纏まってしまった感は全く無く、むしろ本家に近い良い意味でのオールドスクールで粗雑な音の在り方が好印象ですね。もちろんシンセストリングスを前面に出したフューチャリスティックな楽曲もあるし、ヒップホップのリズムを取り込んだファンキーな楽曲もあり、何でも自由にこなせる幅の広さもアーティストとしての才能を窺わせます。色々なMIXCDにも使われている名曲"Flash"も収録されておりますが、これは1992年作です。随分と昔から活動していた人だったんですねー。余り注目していなかったけど、やはり世の中には目立たなくても素晴らしい人がいるもんですね。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Skurge - Radio UR Vol.1.1 - A Lost Transmission (Underground Resistance:UGCD-UR004)
DJ Skurge-Radio UR Vol.1.1-A Lost Transmission
今年のMetamorphoseの目玉は何と言ってもデトロイトテクノのレジェンド・Model 500(Juan Atkins)の日本初のライブだったと思います。知名度で言えばDerrick May、Kevin Saundersonには負けていますが、やはりテクノの始まりはJuan Atkinsだったのです。自分はメタモには行ってないけれど、Model 500だけは聴きたかったですね。で実はその時のライブのサポートメンバーが"Mad" Mike BanksとURコードナンバー064のDJ Skurgeだったそうで、ついでにメタモ会場でこのCDが販売されていたのです。メタモに行かないと買えないのかーと残念な気持ちだったのですが、ラッキーな事にHMVとUnderground Galleryで限定666枚販売される事になりました。中途半端な流通と出荷量には首を傾げるものの、今回はUR音源に拘らずに自由なプレイが聴けるので"Radio UR... Vol.01"(過去レビュー)とはまた違ったデトロイトらしさがありますよ。前作がハードコア一直線なエレクトロだったのに対し、本作は一般的に人気のあるデトロイトテクノ色が濃厚でざらついたアナログ的な耳障りがあり、そこに適度なトライバルなリズムやら軽くエレクトロも繋いでバランスの取れたプレイになっていると思います。Vol.01は思いっきりURのダークサイドだったので聴く者を選ぶ内容だったのに対し、本作ならデトロイトテクノ入門者にも聴き易いですよ。しかしURのメンバーがヨーロッパのフォロワーの曲なども回しているのを考えると、良い意味でヨーロッパの中でデトロイトテクノが育っていると言う事でしょうか。URは親日家なのだから、日本でももっとデトロイトを追求するアーティストが出て来てくれると嬉しいです。

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| TECHNO5 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Orlando Voorn - Sessions From The Deep (cynet:media:Cynet-CD002)
Orlando Voorn-Sessions From The Deep
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発売から時間が経ちましたがオランダのテクノシーンの重鎮・Orlando Voornが、Claude Youngの新レーベル・cynet:mediaからリリースしたMIXCDが素晴らしいので紹介します。さてOrlandoについてどこから話せばいいのか、最近だとUnderground Resistanceに加入してBlak Prezidentz名義でMad Mikeとユニットを組んでいたはずだが、それはいつの間にか解消していた。あと自分がよく知っている事だとFix名義の"Flash"は色々なMIXCDで回されていて、また地味な存在だけれど数々の名義で数々のレーベルから使えるデトロイトテクノのトラックを出しまくってます。今では有名となったデトロイトテクノを追求するDelsinとかRush Hourなどのオランダのレーベルはありますが、Orlando Voornはそれよりももっと前からデトロイトを追求していたようです。このMIXCDではそんな自分で創ったデトロイト系の楽曲を自分でミックスしていて、適度なファンキー加減と適度なエモーションがバランス良く配合されていてストレートなテクノミックスとして格好良いです。デトロイトフォロワーの場合、単にデトロイトテクノのシンセストリングスだけをぱくってたりする事は少なくないんだけど、このMIXCDに関しては土着的で図太いリズムが入ってたり4つ打ち以外のグルーヴもあったり、通り一辺倒にならずに上手く抑揚を付けております。DMCチャンピオンになった事もあるそうで、何の違和感も無く最初から最後までスムースに繋げてしまって、あれれ?とびっくりする位普通に聴けてしまいました。世界観が統一されているから、自然と聴けてしまうと言うのかな。デトロイトテクノと言う言葉を抜きにして、ストレートなテクノらしいテクノとして聴ける内容ですよ。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Blak Presidents - Fight The Future (Submerge Recordings:SUBJPCD-0012)
Blak Presidents-Fight The Future
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自分のテクノのルーツであるデトロイトテクノの中でも最も大好きなアーティスト・グループ・レーベルが、Mad Mike率いるUnderground Resistanceであります。デトロイトのアーティストが電子楽器を手に黒人音楽を新たな次元に進めたのが"テクノ"で、URはテクノの中でも最も尊敬と畏怖されていると言っても過言ではないでしょう。彼らも他のデトロイトのアーティストと同様に電子楽器を武器に、ソウルやファンク、ジャズ等を吸収し愛と怒りに満ちた情熱的な音楽を何度も届けてくれました。ここで重要なのは電子楽器、つまりはエレクトロニックな音が彼らの道を切り開いて来た訳ですが、本作では何故か今になってギターなどの生演奏に依ってハードロックをやっています。

UR関連では初名義のBlak Presidentsとは、ヴォーカリストのBrian Shannon、URのライブでドラムを叩くお馴染みのRaphael Merriweathers Jr.、ギターのDuminie DePorres、ベースのAndre' Womackの4人から成るロックバンドです。作曲やプロデュースにはMad MikeやMr.De'も参加していますが、Mad Mikeのプロジェクトでは無くなってしまったみたいですね。確か元々は2006年のMetamorphoseでOrlando Voorn+Mad Mike=Blak Presidentzで参加予定だった(けど結局キャンセル)のに、Orlando Voorn自体の存在が無かった事になっているのかな?それはおいといてハードロックと言う事であんまり期待せずに聴いてみましたが、予想していた以上には良かったかも。まず何だかんだキャッチーなリフとかメロディーがあるし、久しぶりにハードで鋭いギターの音を聴くと元々ロック小僧だった自分の血も騒ぎ出します。余りにも正当なロックで直球ど真ん中から体をぶち抜いて、これはこれで彼らの熱意も伝わらない訳がありません。ただ大半のURファンはこうゆうスタイルは期待していないんじゃないかな?僕も別にURにロックを求めている訳ではないし、やっぱりテクノとかハウスが聴きたいよ。テクノとかしか聴かない人は、ここからロックを知ると言う事では意味があるかもしれないですね。

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| ETC2 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ DEX a.k.a. Nomadico - Invisible Show Case Vol. 01 Part One & Two (Submerge:SUGCD-002-1~2)
DJ DEX a.k.a. Nomadico-Invisible Show Case Vol. 01 Part One
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DJ DEX a.k.a. Nomadico-Invisible Show Case Vol. 01 Part Two
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昨日で今年のCDレビューは最後と言いましたが、すいません、嘘こきました。とても大事なMIXCDを紹介し忘れていたので、今日もレビューします。そもそも何故このMIXCDを今まで紹介していなかったと言うと、アマゾンでは販売されていないから。Part OneはタワーレコードやHMVなど大型レコード店で、Part TwoはCisco、Disk Union、Underground Galleryなどのレコード専門店で販売されると言う変則的なリリースだったのですね。ただ内容に関しては今年一番聴き込んだ程に素晴らしく、今まで数多くリリースされたMIXCDの中でも最上級に位置する物だと僕は思っています。それを作ったのがコードナンバーUR061を冠するUnderground Resistanceの新参者・DJ DEXことDan Cabelleroで、TimelineやLos Hermanosのメンバーの一人でもあります。勿論URのコードナンバーを与えられる辺りでMad Mikeも才能を認めているのは周知ですが、DJ DEXのミックスはまじで眉唾物です。元々ヒップホップ上がりらしいのですが、そんな経歴を思わせる巧みでスムースかつパワフルなプレイで怒濤の流れを作っているんですわ。殆どがUR関連の曲で固められていますが、過去の名曲から新曲、Re-Editを含む未発表曲、そしてジャンルはテクノ、ハウス、エレクトロ、ラテンを何の違和感も無く混ぜています。URの歴代オフィシャルDJでもあるJeff Mills、James Pennington、DJ Rolandoも本当に才能ある人達だったのですが、DJ DEXもそれ以上に広がりと奥深さをを見せてきていますよね。今時にしては珍しいタンテのみを使った一発録りの為か、勢いや攻撃性が前面に出ている時もあるかと思えば、未来を夢見るデトロイトのロマンティックな音が沸いてきたり、URの歴史がここに結集している様に聞こえます。しかし幾ら僕がここで説明しても、きっと真価はなかなか伝わらないと思いますし、トラックリストだけ見たって良さは分からないでしょう。だから是非とも自分の耳で確かめて欲しい、DJ DEXのプレイを。これを聴けばデトロイトにも新しい息吹が吹こうとしているのを感じ取れるはずです。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Rolando - From There To Here & Now (NRK Sound Division:NRKCD025X)
DJ Rolando-From There To Here & Now
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Underground Resistanceの3代目DJとして、そしてGerald Mitchellと新たに立ち上げたユニット・Los Hermanosのメンバーとして活躍したDJ Rolando。しかしながらより広大で自由な活動を望むDJ Rolandoにとって、半ばコンセプト化されたURに居座り続けるには窮屈過ぎたのだろうか、人気を保ったままURを脱退。その後特にどんな活動をしているのかも耳に入らなくなって一年以上経ったのだが、遂に再始動なのか新たなるMIXCDをリリースする事になりました。しかも以前にも「Nite:Life 016」(過去レビュー)と言う名作MIXCDをリリースしたNRKから、今度は2枚組の大作でファン泣かせなリリースです。

Disc1はモロにハウス満開、軽く爽やかなアフロハウスから黒光りするディープハウス、キャッチーなアッパーハウス、温かみのあるソウルフルなハウスなど、どこをとっても4つ打ちハウスに囲まれています。以前生でDJ聴いた時は、ゴリゴリでミニマルなテクノ〜デトロイトテクノで鬼気迫る迫力のプレイだったけれど、このMIXCDでは幾分か肩の力が抜けてより自身のルーツに近いラテン的な面が出ている様な気がしますね。UR在籍時のハードで暗黒エレクトロをリリースしていた頃と同人物とは思えない程の変わり様ですが、このMIXCDの様なプレイをするのならばURとは一線を画すのも納得かな。デトロイト色が余りないから離れるファンも出てくるかもしれませんが、僕は素直に格好良いハウスだと思います。緩めの前半からキャッチーな中盤、疾走感溢れる後半(テクノ少々)まで手堅く盛り上げます。DJ Rolandoがまさか「Bar A Thym」をプレイするなんてって思ったけど、そんなプレイが彼のこれからの道を示唆しているんでしょう。

対してDisc2はダンサンブルながらもどちらかと言うと緩めの選曲で、夜にしみじみと聴くのに良いムードが出ています。Tread、David Alvarado、Vince Watsonらのテックハウス、Trackheadz、Indigenous Space People(Ron Trent)、Tokyo Black Star(DJ Alex From Tokyo)らのディープハウス、そしてデトロイト好きは見逃せない「Sueno Latino(Derrick May Illusion Mix)」を収録。ほぼフルレングスで収録してあるので、ミックスと言うよりはDJ Rolandoの自分用のリラクシングCDな意味合いが強そうです。たっぷり踊った後は体を休ませて、静かに時間を過ごそうって事なんでしょう。Disc1とは対照的に落ち着いて聴きたいですね。

さあ、後は新曲を待つのみ。DJ Rolandoの今後に期待が膨らむばかりです。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Underground Resistance - Interstellar Fugitives 2 (Destruction Of Order) (Underground Resistance:UGCD-UR2005)
Underground Resistance-Interstellar Fugitives 2 (Destruction Of Order)
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世の中はクリスマスムードですが、そんな時期にもアンダーグラウンドな世界からクリスマスプレゼントが届きました。今年、Galaxy 2 Galaxy名義(以下G2G)でもっとも音楽シーンで話題をかっさらったであろうUnderground Resistance(以下UR)から、2枚組のオリジナルアルバムが発表されています。URと言えばMad MikeとJeff Millsが設立したレーベルであり、またユニットでもあり、集合体でもあるデトロイトテクノの功労者。彼らの活動の根底にあるのはそのレーベル名そのものであり、音楽に依って自らを解放する事であります。彼らの音楽は希望や夢、もしくは怒りや闘争(暴力ではない)によって生み出されるのですが、今年前半のG2Gのコンピレーションアルバム「A Hi Tech Jazz Compilation」は前者から成るフュージョンテクノ、フュージョンハウスな音楽です。そしてこの度発売された「Interstellar Fugitives 2」は後者の、怒りや闘争の音をイメージさせるハードなエレクトロがこれでもかと言わんばかりに詰め込まれています。きっとデトロイトと言うハードな街で生き抜く為には、ハードな心が必要になるのかもしれません。G2GがMad Mikeを中心に進められ希望や夢に依って障害を突破するプロジェクトであるならば、このアルバムは反骨精神に溢れたURと言うある一種の民族を越えた共同体から成るプロジェクトなのでしょう。とまあ、URについてはライナーノーツにこれ以上もっと詳しい詳細が書いてあるので、そちらを読んで頂いた方が良いですね。とにかくMad Mike風に言うならばこのアルバムは最高にシットで、最高にイカシテルって事です。元々エレクトロ方面のURは結構苦手だったのですが、今作はテクノ色が強めでRed PlanetやLos Hermanos系のメランコリック路線もあったりで、比較的聴き易いのではないでしょうか。それでもタフでハード、ダークでソリッド、決して売れる様な音では無いと思います。しかしG2Gとは音色そのものは異なろうとも、見据える先は同じ所に向いています。だからこそ面と向かい合い彼らのソウルを感じたいし、聴き過ごす事なんて出来やしません。Mad Mike、いえURとしての活動に期待をせずにはいられません。

蛇足ながら、最近のURのアートワークなり音なりが小綺麗になっているのは、何か彼らに変化でもあったのでしょうか?G2Gのコンピ、Los Hermanosのアルバム、そして今回のジャケの変に洗練された感じは明らかに今までと異なります。また「Return Of The Dragons」以降の音も、妙に小綺麗と言うかクリアになったと言うか。単にレコーディング環境が良くなっただけなのでしょうか?アートワーク、音共にいかにもアナログだった頃と変化が見れるので少々気になりますね。

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| TECHNO3 | 13:00 | comments(3) | trackbacks(4) | |
Various - Techno Sessions (Sessions:SESHDCD224)
Various-Techno Sessions
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うわー買っちゃったよ…。良く考えると別に買う必要も無かったのだけど、まあ何となくトラックリストに釣られて購入。新旧テクノの名曲を押さえたコンピレーションで、これからテクノを聴こうと思ってる人には超お薦め!参加アーティストに関してはもう口を出す必要が無い位で、Jeff Mills、E-DnacerとInner City(Kevin Saunderson)、Rhythim Is Rhythim(Derrick May)のデトロイト系から、Funk D'void、Laurent Garnier、Technasiaのデトロイトフォロアー系、Slam、Tomaz Vs Filterheadz、Bryan Zentz等のハードテクノ系、他にも新進気鋭なAgoriaまで収録。まあこうやって全部一緒に聴くと、テクノにも色々ジャンルがあるんだねと頷いてしまう。最初はデトロイトから始まったテクノも徐々に細分化して、このコンピレーションに含まれている様な色々なテクノに枝分かれ。遂にはデトロイトテクノの面影も残さない様な姿にまで変化を遂げた。個人的にはデトロイト関連の曲がやっぱりお気に入りで、Jeff Millsの曲は特に良い。この曲の頃のJeffは今とは異なり、ファンキートライバル系で最高に格好良かった時。その後、他のアーティストが真似しまくったせいでJeffはその路線を進まなくなったと発言していた。Jeffには又ファンキートライバル系の曲を作って欲しいと、切に願うばかりだ。後は日本とは異なりUKで大人気のSlamの初期大ヒット曲「Positive Education」なんかも、今聴くと懐かしさを感じる。リアルタイムで聴いていた訳ではないけれど、93年頃からこんなグルーヴィーで太いボトムの曲を作っていたなんて、ある意味奇跡だ。現在のテクノが求心力を失いつつある様な気がするけれど、確かに今のテクノでもこんなに素晴らしいトラックはそうはないと思う。そんな中、フランスの新人Agoriaには、これからのテクノを引っ張っていって欲しいと期待している。特に目新しさがある訳ではないが、センチメンタルでフューチャリスティックなトラックを披露。Agoriaは期待しちゃっていいと思う。さて他にも良い曲が一杯ありすぎてコメント出来ない位なので、後は自分で聴いて確かめてみて欲しい。ノスタルジックに浸るのも、参考書にするのもそれは君の自由だ。

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各アーティストのお薦めのアルバムも以下に紹介しておきます。
Derrick May-Innovater
Funk D'void-Volume Freak
Jeff Mills-Exhibitionist
Agoria-Blossom
Technasia-Future Mix

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| TECHNO1 | 22:20 | comments(4) | trackbacks(1) | |