Edward - Giigoog (Giegling:giigooog)
Edward - Giigoog

もはやテクノやハウスと言った枠組みの定形には収まらず、そしてフロアを激しく揺らす事もからも開放され音楽を芸術的に捉えているようにも思われるドイツのGieglingは、特に奇才が集まるレーベルの一つだ。その中心に居る一人が Oskar Offermannとのタッグでの活躍も目を見張るEdwardだ。ディープ・ハウスらしさを残しつつもエレクトロやダウンテンポの要素に、そして表現のし難い音響を持った不思議な音楽を手掛けるアーティストは正に奇才と言う他に無いが、この新作はやはり奇妙なエキゾチック感がありつつも比較的フロアでもハマりやすそうな作品が収録されている。A面に収録された12分にも及ぶ"Bebe"はFrancis Bebeyによるアフリカン音楽である"Forest Nativity"を大胆にサンプリングしており、キックレスな状態ながらもそのネタである歌を執拗に反復させる事で呪術的な魔力を引き出し、一見激しさは全く無く弛緩した状態から体を揺らすグルーヴを生み出している。乾いた土着的なパーカッションや繊細で効果音的な電子音を散りばめながら、殆ど展開という展開は作らずにある意味ではミニマルらしい構成でサイケデリックな感覚が侵食するこのトラックは、フロアに於いても気が抜けつつも奇妙な高揚感を生み出すに違いない。"IoIo"も同様にサンプリング・ベースの曲で、ここではFrank Harris With Maria Marquezの"Canto Del Pilon"を用いて原曲からそれ程乖離しない作風を見せている。祈りにも似た女性の歌から始まり爽やかなハンドクラップも加わり少しずつ熱量が高まり盛り上がっていくエキゾチックな曲で、中盤以降はやっと原始的なリズムに加え様々な動物の鳴き声も導入され雑然とした生命力が溢れてくる。"Bongo Herbaoe"も恐らくサンプリングによる曲なのだろうが、こちらは元ネタは不明。土着的で濃密なアフロ・グルーヴの下地から幻惑的なシンセがうっすらと浮かび上がってきて、肉体的な躍動が溢れるこのダンス・トラックは太古の祭事のような訝しさに満ちている。どれもこれも太古の大地から鳴り響くような原始的な感覚があり、エキゾチックな要素を活かして肉感溢れるグルーヴへと変革させた異形のハウス(?)は、Edwardの個性的な音楽性が見事に反映されている。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I'm Starting to Feel Okay Vol.7 (Mule Musiq:MULE MUSIQ CD 53)
Im Starting to Feel Okay Vol.7
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恐らくダンス・ミュージックで括られるレーベルの中でも、Mule Musiq程に幅広く才能あるタレントを抱えたレーベルを他に列挙するのは難しいだろう。例えばこのレーベルに所属するアーティストだけでパーティーを行ったとしても、それはフェスティバルとして成立してもおかしくはなく、間違いないのない審美眼と継続してリリース出来る運営力を兼ね備えた日本が誇るべきレーベルだ。そのように多くのタレントを抱えているからこそ、多様な個性を一つに集約するコンピレーションの体裁はMule Musiqに適しているのだろうか、近年は2年おきにショーケース的なコンピレーションをリリースしている。本作はその第7弾でここ2年間にリリースされた既発の曲や、また本作の為に制作されたであろう新作までが纏められており、例えレーベルに興味が無くとも参加したアーティストの豪華さに惹き付けられてもおかしくはない。レーベルに初参加となるLord Of The IslesやFrankey & SandrinoにKim Brown、または蜜月の関係を築いているEddie CやOskar OffermannにFred P、そして日本からはお馴染みのKuniyuki TakahashiにSauce81、その他に多くのアーティストが収録されているのだが、その幅の広さと各々の素質の高さが際立つ人選に頭を垂れる思いになる。Eddie Cによるサンプリングをベースとした生っぽいニューディスコの"Flying Blue"、Rubiniによるエレクトロニックな質感を活かしたディープ・ハウスの"Still Clock"、Kuniyukiがニューウェーブからの影響を受けて退廃的な雰囲気を打ち出した"Newwave Project #11"など、それぞれの個性は自然と表現されながらそのどれもがフロアに即したダンス・ミュージックである事を外れない。また、Bell Towersによる柔らかな音色とゆったりとしたグルーヴで広がるディープ・ハウスの"Midday Theme"、Fred Pによるエモーショナルなパッド使いが素晴らしいテック・ハウスの"Days In Time"辺りを聴くと、Mule Musiqが決して真夜中の享楽的なクラブで踊る事を目的とした音楽だけではなく、リスニングとしても耐えうる普遍性も目指している事が感じられる。意外なところでは奇抜なエレクトロニカを奏でるGold Pandaが変名のDJ Jenifaで"Dresscode"を提供し、Gold Pandaとは異なりシカゴ・ハウス風の乾いたビートで不良的なハウスを披露してたり、またAril Brikha & Sebastian Mullaertが"Illuminate"で彼等の個性を発揮したトランス感の強いミニマルなトラックを提供していたり、レーベルに控え目程度ではあるが新風を吹き込んでいる。既に大御所レーベルとしての存在感がこれだけのアーティストを集約出来るのだろうが、それでも尚レーベルの質の高さが全く失われないのは、やはりレーベルを主宰するToshiya Kawasakiによるセンスの賜物に違いない。



Tracklistは続きで。
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| HOUSE11 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/2/20 Mule Musiq presents CATS @ Arc
ドイツのアンダーグラウンドなハウス・レーベルであるWhiteの主宰者であるOskar Offermannが、昨年は遂にMule Musiqからアルバムをリリースするなど、その活動は浮上をして日本でも注目を浴びつつあるように感じられる昨今。今までに2回の来日経験があり、GrassrootsやLiquidroomなど場所の大小問わずしてその個性的なDJで評判を集めるが、今回はMuleからのリリースに合わせてレーベルのパーティーであるCATSへの出演が決まった。日本から迎え撃つは同レーベルの中心的存在であるKuniyuki TakahashiやMuleのボスであるToshiya Kawasaki、Rainbow Disco ClubのSisiと、リリパに対してしっかりを脇を固めた布陣となった。
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| EVENT REPORT6 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Oskar Offermann - Le Grand To Do (Mule Musiq:mule musiq cd 50)
Oskar Offermann - Le Grand To Do
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Oskar Offermannが主宰するWhiteは盟友であるEdwardをはじめとした奇異なアーティストを率いて、ドイツの底の見えないアンダーグラウンドなディープ・ハウスを手掛け、ダンストラックではありながらも快楽的なパーティーとは対照的な機能的な美学を追求する点において個性を発揮していた。当然Offermannが制作するトラックもその路線上にあり、そして人肌の温もりが伝わるメロウな性質も伴って、ベルリンのモダンなディープ・ハウス一派の急先鋒であった。とは言いながらもやはりというか、特に日本での知名度はまだまだであったものの、2枚目となるアルバムは日本が世界に誇るMule Musiqからのリリースとなるのだから、もはや目を背けるわけにはいかないだろう。本作は生活リズムが不安定なDJ故の不眠な生活から脱却すべく、菜食主義と瞑想を始めた頃に制作された曲が纏められているそうで、そんな生活の変化が本作には影響しているそうだ。奇妙な夢の中にいるようなシンセと自身の呟きによるイントロの"August '14"から始まり、ロウなマシンビートの上に眠くなるようなシンセが浮遊する繊細なディープ・ハウスの"Find Yourself"と、アルバムの序盤からやはり強烈なグルーヴ感よりもじわじわと沁みるメロウな性質が聞こえてくる。続く"Carol's Howl"は歯切れの良いハイハットやすっきりした4つ打ちが滑らかなグルーヴ感を生んでいるが、深い精神世界へと誘うような微睡みの上モノは幻惑的だ。もこもこと篭ったキックと執拗な呟きの反復による覚醒的な"Banunanas"や、エレクトロ気味の尖ったビートと奇妙なシンセの複合が織りなすトリッピーな"Embrace The Condition"など、勢いのあるグルーヴは無くとも実験的な要素を織り込みながらディープに嵌める展開は、内省的でありながら艷やかだ。アルバムの最後はスムースなハウスグルーヴの中に滴るような繊細なピアノのメロディーを落とし込んだ"Understandable"で、最後まで夢から覚めないようにメランコリーな世界を継続させる。前作である『Do Pilots Still Dream Of Flying?』(過去レビュー)から大きな路線の変更はなく、安息の日々が続くかのような落ち着いてリラックスした感は、(実際にクラブでDJが使用するではあろうが)リスニングとして聴いても楽しめるメロウネスがある。勿論、Offermannがはまっていると言う瞑想のお供にも適しているであろう。



Check "Oskar Offermann"
| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Manuel Fischer - Neighbourhood (White:WHITE 026)
Manuel Fischer - Neighbourhood
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ここ数年、ベルリンにおけるハウスミュージックの躍進は目覚ましいものがある。その一つとしてOskar Offermann & Edwardらを輩出したWhiteも繊細かつメランコリーな要素をよりモダンに磨き上げた音楽性が評判となっており、決してメジャーな扱いを受ける事は無くとも堅実に良質な音楽のリリースを続けている。そんなレーベルの2015年第1弾はスイスからのニューカマー、Manuel Fischerによる作品だ。Fischerについて詳細は見つからないものの、おそらくまだ24歳の若手アーティストでありこれが初めての音源リリースとなるようだが、Whiteが認めただけあってその質は保証されている。デトロイト・テクノを思わせる叙情性の強いメロディーは何だかふわふわと掴み所がないが、そこにカタカタとしたロウなビートや個性的な分厚いアシッド・ベースを組み合わせた"Like One Of Yours"は、軽い浮遊感も伴う大らかな展開に身を任せたくなる。一方"Loft"もシンセのメロディーが前面に出ているが、ぼんやりとしたベースラインと相まってミステリアスな空気を含みながら、かっちりとしたキックやハイハットが端正な4つ打ちを刻むモダンなディープ・ハウスを聞かせる。裏面には再度アシッド・ベースが空間の奥で不気味に蠢きシカゴ・ハウスのような乾いたリズムからも廃れた世界観が漂ってくる"Neighbourhood"、物哀しいピアノのコードやオルゴールらしき旋律が特徴となり真夜中に闇夜の中を徘徊するようなミステリアスな世界観の"Merida Dub"と、こちらもメロディアスな作風ながらも時間帯は完全に真夜中のパーティータイムを思わせる。Fischerにとって初のリリースではあるが、Whiteの音楽性を踏襲しながら実に今っぽいハウスミュージックに仕上がっており、是非注視しておきたいアーティストとなるであろう。



Check "Manuel Fischer"
| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/1/31 House Of Liquid @ Liquidroom
2013年の年の瀬が近くなった頃に初来日し、ディープ・ハウスを軸に独特の審美眼から選びぬかれた曲をミックスして期待を超えるDJを披露したEdward & Oskar Offermann。ドイツにてWhiteを主宰し繊細な美しさと異端な空気を放つディープ・ハウスを手掛けながらも、彼等自身はPanorama BarやRobert Johnsonのような大箱でもプレイするなど、その評価と人気は着実に高まっている。今回は1年ぶりの再来日となるが、前回の来日で評判が良かったおかげか前回出演したGrassrootsからLiquidroomへと場所を移して、ハウス・パーティーでは名物となるHouse Of Liquidへの出演となる。日本から迎え撃つのはこのパーティーでは代表格であるMoodman、そして前回もEdward & Oskar Offermannと共演したKabutoと、この上なく最高の相性であろうDJなのだから期待しない訳にはいかないだろう。
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| EVENT REPORT5 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Oskar Offermann - Do Pilots Still Dream Of Flying? (White:WHITE 018CD)
Oskar Offermann - Do Pilots Still Dream Of Flying?
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一年ぶりに再来日するEdward & Oskar Offermannは、しつこいようだがベルリンのモダンなディープ・ハウスにおける注目の的だ。細かい事はEdwardによる"Teupitz"(過去レビュー)の記事を参照して頂くとして、本作はそんな二人の片方であるOskar OffermannがEdwardに続いて2012年にリリースした初のアルバムだ。ドイツのディープ・ハウスといえば内向的かつメロウなSmallville Recordsは外せないが、Oskarが主宰するWhiteのカタログにはSmallville勢も名を連ねており、つまりはダンス・ミュージックではあるものの派手なパーティーの喧騒とは異なる内なる精神性に目を向けたような方向性はSmallvilleの次世代と呼んでも差し支えないだろう。そんなレーベルの代表であるOskarによるアルバムなのだから、当然と言えば当然でシカゴ・ハウスやUSハウスの影響を感じさせながらもしっとりとした艶のある欧州的なディープ・ハウスで纏まっており、Whiteというレーベルを象徴するような作品でもある。タイトル曲となる"Do Pilots Still Dream Of Flying?"はカタカタとしたシカゴ・ハウスを思わせるビートで始まるが、遠く離れた郷里への思いを馳せるようなメランコリーなサウンドが貫き、アルバムの始まりから切なさが満ち溢れる。続く"Heading Out"では凛とした美しさを放つピアノのコード展開と色気のあるボーカルに魅了され、"Felt Comfty Right Away"では奇妙なボーカルサンプルを用いたながらもジャジーに展開する小洒落た感もあり、"Technicolour Dreams"ではシャッキリとしたビートと浮遊感のある上モノが伸びて飛翔するような軽快さも生み出しと…ディープ・ハウスとは説明したものの、その実ディープな内向性はありながらも音自体は軽やかで柔らかい。ドイツには幾つものディープ・ハウスのレーベルがあり、中にはドラッギーかつ妖艶な作風で大箱向けの作風を得意とするレーベルもあるが、Oskarを始めとしてWhiteの作品はビートの細ささえも音色の美しさをより際立たせるような繊細な音楽性があり、決して大袈裟な展開や派手なネタを用いずに心に染み入るような音楽なのだ。そんな音楽性はEdward & Oskar OffermannによるDJにも反映されており、是非とも今回の来日の際にはそんなDJを体験して欲しいと思う。



Check "Oskar Offermann"
| HOUSE10 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Edward - Teupitz (White:WHITE 016)
Edward - Teupitz
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一年ぶりに再来日するEdward & Oskar Offermannは、ベルリンのモダンなディープ・ハウスにおける注目の的だ。まだ日本ではそれ程知られた存在ではないだろうが2013年にはひっそりと初来日し、小箱であるGrassrootsで奇跡的なDJセットを披露してその実力を知らしめた。事実としてヨーロッパではPanorama BarやRobert Johnsonなどの大箱でもプレイし、またOskarが主宰するWhiteはディープ・ハウスを軸に他の要素も取り入れながら洒落も効いた作風で独自の路線を歩み、DJとしてもアーティストとしてもレーベル主宰者としても実力が認知されている。本作はそんな二人の片方、Edwardが2012年にリリースした初のアルバムであるが、やはりディープ・ハウスを根底に据えながら単なるディープ・ハウスには収まらない作風が見ものだ。何でも本作はEdwardがドイツはブランデンブルク州の"Teupitz"と呼ばれる御伽話に出てくるような村で元となる曲を書いたようで、自然と静寂に対する深い愛を再発見したのを契機に真のハウス・ミュージックへ辿り着いだそうだ。と、そんな背景がある影響か本作はディープ・ハウスを基軸にしながらもフロア・オリエンテッドと言うよりは随分と穏やかで、決して快楽的なダンス・ミュージックだけを目的としているようには見受けられない。勿論DJツールとしての前提は押さえつつも強迫的に踊らせるダンスのグルーヴは存在せず、全体的に線は細く無駄な音も削ぎ落とされ、最小限のメロディーやリズムで揺蕩うようなエモーションを発している。決して熱くなり過ぎずに、決して壮大に盛り上げ過ぎずに、ハウスだけでなくダウンテンポやテクノの要素も取り込みながら夢の中で聞こえるような繊細ながらも心地良いサウンドを鳴らすのだ。研ぎ澄まされ無駄を排した装飾的なダンス・ミュージックは、まるで芸術的でもあり非常に洗練されたモダンなハウス・ミュージックの体を成している。アルバムという形を活かして曲毎に変わった側面を見せる事で掴み所のない飄々とした作風ではあるものの、気軽でリラックスした音楽性は彼がプレイするDJの姿勢にも通じるものがあり、このアルバムから少なからずともDJの方向性は伝わってくるだろう。



Check "Edward"
| HOUSE10 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/12/14 WHITE Label Night @ Grassroots
とあるアーティストにEdward & Oskar Offermannが来日するから、是非聴いてみてと紹介されたものの、当方はその存在を全く知らなかった。調べてみるとドイツでWHITEと言うディープ・ハウスのレーベルを主宰し、またPanorama BarやRobert Johnsonでもレギュラーでプレイするなど、海を超えたドイツでは注目を集めているようだった。ただそんなネット情報だけでは実力は未知数だったものの、ドイツはテクノだけでなくハウスでも栄華を極めている状態である。また日本からはLAIRやCABARETで活躍しているKabutoらが出演する事もありパーティー自体は期待出来そうだったのに、ならばこの機会にEdward & Oskar Offermannを聴いてみよう思い立ってGrassrootsへと行く事にした。
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| EVENT REPORT4 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Flori - Re-Foldings (Aim:Aim 011)
Flori - Re-Foldings
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Oskar Offermann / Edwardらで注目を集めているベルリンのWhiteレーベルが、新たに立ち上げたディープ・ハウスのレーベルがAimだ。Christopher RauやMoominなど既に実力のあるアーティストを手掛けているが、この新しい期待の星であるJamie TaylorことFloriも注目を集めている。SecretsundazeやQuintessentialsからもリリース歴があるこのアーティストは、前作はAimからEPをリリースしていたが、新作はその作品を他アーティストがリミックスした曲を纏めている。注目はベルリンアンダーグラウンドのベテランであるLowtecによる"Dusty Socks (Lowtec Remix)"で、原曲のスモーキーな黒さを残しつつもよりもミニマリズムと硬質でざらついた質感を強調し、DJツールとして機能性を高めたディープ・ハウスへと生まれ変わっている。初耳ではあるがDorisburgによる"Forsty Leo (Dorisburg Cave Jam Mix)"は、デトロイト・テクノ風だった原曲からアシッドシンセや奇妙なシンセが異国情緒漂うメロディーを発する妖艶で深いハウスへと塗り替えられ、陽から陰へとがらっと雰囲気を変えているのが面白い。そして前述のChristopher Rau & Moominによる変名で手掛けた"SU 3150 (Roaming Remix)"、鋭いハイハットやキックが淡々とリズムを刻む上にうっすらと情緒あるパッドを反復させるが、原曲よりもエモーショナルな感情を抑えるように仄かに温かい感情を放出するロウなディープ・ハウスとなっている。そしてBergによる少々ハードな音質ながらも幽玄さを兼ね備えたミニマル・ハウスの"SU 3150 (Berg Reduktion)"と、計4曲収録。元々がどれも素晴らしい作品だったのだが、リミックスの方も期待を裏切らないベルリンサウンドが堪能出来る。

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| HOUSE9 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I'm Starting To Feel Okay Vol. 5 (Endless Flight:Endless Flight CD 7)
I'm Starting To Feel Okay Vol. 5
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世界各地の実力派アーティストを擁し世界有数のレーベルにまで成長した日本発のMule Musiq。その傘下にはこれまた癖のあるアーティストを揃えたEndless Flightがあり、Mule Musiqが比較的有機的な演奏力を伴うハウスな印象を持つのに対し、Endless Flightもハウスがベースと言う点では同じだがサンプリング・ベースなフロア寄りのコンセプトで運営しているそうだ。そんなEndless Flightのレーベルコンピも5枚目となりましたが、この新作はLawrence以外のアーティストは完全に新曲を提供しておりレーベル運営の充実っぷりが伝わってきます。幕開けには今大人気のVakulaが清涼感のある軽くてゆる〜いジャジーディープハウスを提供しており、その洗練された透明感がアーバンで流石の内容。そしてレーベル常連であるEddie Cは彼らしいサンプリングを使用し、スローにねっとりと反復するミニマルディスコを提供。Philpotからもリリース歴のあるRoman Rauchはざらついたリズムトラックと共に繊細なピアノのメロディが耳に残るディープハウスを、そして日本からはこれまたレーベルを初期から支えるKuniyukiが人肌の温もりを感じさせるメロウでパーカッシヴなハウスをと、各アーティスト共にエレクトロニックでありながら生っぽい質感もあるソウルネスな楽曲が揃っているのがレーベルの強みでしょう。かと思えばJuju & Jordashによるクラウト・ロック風なサイケ感とアシッド風味なハウスの融合の面白みもあれば、MCDE主宰者であるCreative Swing Allianceのジャジーなピアノ・コードと無機質なスポークンワードから生まれる最高にグルーヴィーなビートダウン・ハウスもあります。ハウスをベースに様々なスタイルの多様性を持ちつつ何処かで必ずソウルを感じさせる共通項もあるEndless Flight、お世辞抜きに脂が乗っている充実したレーベルコンピだと思います。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |