Paolo Di Nicolantonio - Close To Me EP (Craigie Knowes:CKNOWEP9)
Paolo Di Nicolantonio - Close To Me EP
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リリース元のレーベルもアーティストについても全く知らなかったものの、色々と試聴している内に一聴して魅了されて購入した本作。グラスゴーの新しいレーベルであるCraigie Knowesからイタリア人のPaolo Di Nicolantonioによるもので、YoutubeではSynthManiaなるチャンネルを主宰しており、特にシンセサイザーやキーボードのマニアとして様々な電子楽器を紹介している。また元々90年代から音楽家としも活動はしていたようだが、本作がEPとしては初のリリースになるようだ。"Pyramid"はいきなりシンセのシンセらしい音色を発揮したバレアリックな曲で、ビート無しながらも光沢感を伴うゴージャスなシンセをメロディアスに展開して甘ったるいドリーミーな世界に即座に引き込み、イタロ・ディスコからリズムを抜いたらこんな曲になるのだろう。そしてお待ちかねビートも入ったダンス曲の"Close To Me"では、綺麗めの伸びやかなシンセストリングスで優雅なメロディーを配し、少々エグみもあるシンセベースがイタロな雰囲気を醸し、そこに安定感あるリズムマシンの4つ打ちと抜けの良いパーカッションを被せてずんずんと意気揚々と闊歩するようなバレアリック/イタロ・ディスコを聞かせる。シンセの音色の魅力を伝えるべく常に電子音が鳴っていているものの決してしつこくなり過ぎてはなく、青空を喚起させるような爽快なシンセの音色は野外パーティーにもはまる外向的なバレアリックで、8分という長さも全く長尺に感じさせない程の白昼夢だ。それをリミックスしたのはデトロイト・テクノ寄りでメロディアスな作風を得意とするJohn Shimaで、繊細で生っぽい響きのつまらせたリズムで変化を持たせ、シンセの音色はどちらかというと内向的で落ち着きを持たせて何だか90年代のAIテクノや初期のデトロイト・テクノへと接近した作風になった"Close To Me (John Shima Remix)"。元の太陽の光に照らされたような陽気な雰囲気に比べると、レトロ・フューチャーな懐かしく未来的なSFの世界をイメージさせる点で想像力を掻き立てる作風だ。原曲もリミックスも各々のアーティストの個性がしっかりと反映されているが、どちらもやはりメロディーに重きを置いている点が共通している。是非ともDJ向けのEPではなく、アルバムもと期待したくなる作品だ。



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| HOUSE13 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |