Park Hye Jin - If U Want It (clipp.art:CLIPPV002)
Park Hye Jin - If U Want It
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レコードショップのウェブで試聴をしていると年に数回あるかないかではあっても、驚くべき輝く才能を持ったアーティストに出会う事があり、一聴して耳を惹きつけられてぞっこんになってしまう。この韓国の弱冠24歳のシンガーソングライターでありラッパーでありDJでもあるPark Hye Jinのデビュー作は、正にクラブ・ミュージックという大きな夜空に稀にしかない見つからない新星だ。メルボルンのclipp.artはほぼ毎週新作を出す事を心情としているが、逆にそのスピード感がために基本的には配信でのリリースとなるのだが、そんなレーベルから2018年末に配信された本作はその人気が故に2019年4月にはアナログ化されるという快挙を果たし、Jinに対するアーティストとしての評価が決定付けられたという事でもある。音楽的に何か新しいスタイルであるという事はないが、しかし曲そのものの出来が圧倒的に素晴らしい。ストレンジなシンセの鳴りから始まり、綺麗にトリートメントされたコード展開とすっきり硬めの4つ打ちハウス・グルーヴに入っていく"If U Want It"は、韓国語の歌が艶っぽくそれに合わせて抑えめにエモーショナルなコードで実にモダンな雰囲気を発しており、熱くならずにひんやりクールな感覚ながらも心に訴えかける。耽美なピアノが舞いパーカッシヴなリズムが爽やかなハウスの"ABC"は、英語での甘く誘うような歌が単純な言葉が故に耳に残り、言葉も曲の構成も単純な繰り返しでダンス・ミュージックのツールとしての面でも優れている。また"I Don‘t Care"は語り口調の気怠い歌が印象的で、シンセ・ポップのような可愛らしいシンセのメロディーで始まるが、対してどすどすと骨太なキックを刻みながらやや陰鬱で暗めのコード展開を用いる事で、内向的に心の内に潜っていくようなフロアを意識したディープ・ハウスだ。そしてメランコリーなピアノに揺られ、ロウでざっくりなビート感のヒップ・ホップ色が強い"Call Me"は、そのゆったりとしたテンポも相まって特に胸を締め付ける如く感傷的な曲。どの曲も雰囲気は異なれど彼女自身の歌が感情を吐露しながらとても艶っぽく印象的で、またベースとなる曲自体も時代に左右されないであろう耳を惹き付けるなメロディーやコードがある事で、流行云々の流れに依らずに普遍的な魅力を持つのだ。



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| HOUSE14 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |