David Alvarado - Machines Can Talk
David Alvarado - Machines Can Talk
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前のアルバムから実に13年ぶり、通算4枚目となるアルバムを完成させたDavid Alvarado。近年はOvum Recordings等から極僅かながらもEPをリリースする程度の活動で日本への来日も過去に一度だけと、少々地味な存在のために注目される事は少ないが、DJ/アーティストとしてもっと評価を受けてもおかしくはない。かつてPeacefrog RecordsやNRK Sound Divisionからリリースしたアルバムは深い残響と弾けるパーカッションが爽快で、ミニマルな展開を軸にしたダビーなテック・ハウスとして実にフロア受けの良い楽曲性があり、また数枚のMIXCDでは前述の音楽性からプログレにデトロイトからソウルフルなハウスまで使い分けてグルーヴィーなプレイを披露している。海外では幾らかは日本よりも評価は高いのだろう、事実彼が手掛けた曲は多くのMIXCDに用いられている。さて、それはさておき久しぶりのアルバムは、どのレーベルに属す事もなく配信のみでリリースされている(極限定でアナログもあったようだが)。その意味ではレーベル性に束縛されずに自身が本当に作りたい音楽であろうと推測出来るが、過去の音楽に比べるとやや変化は感じられる。始まりの"Translat"こそ静謐さが広がるアンビエントかつダビーな音響に、静かな中にも壮大なテック感が感じられるが、続く"Gabriel's Run"も確かに奥深い残響やパーカッシヴなリズムは息衝いているが、ギラギラした上モノはプログレッシヴ・ハウス的にも思われる。颯爽と小気味良いグルーヴに浮遊感があり幻想的な上モノに覆われていく"Hope Between The Lines"はかつての作風にも近く、エモーショナルと言うかドラマティックと言うかスケール感の大きさが際立っている。一方で"Language"はリズム感が平坦に続く展開に、光沢感あるシンセのシーケンスでじわじわと盛り上げていく構成で、流れを適度に抑制しながら持続感を打ち出す事で既存の作風からの変化が汲み取れる。"Machines Can Talk"も同じタイプの曲で快楽的なシンセのフレーズはほぼプログレッシヴ・ハウスであり、重いキックは弾けるパーカッションで揺らすのではなく、耳に残るメロディーで恍惚を誘うタイプだ。そういった点で以前よりも浮遊感や開放感よりもシンセのメロディーや響きに重きが向いているように思われ、また全体的にダビーな残響に頼り過ぎる事なく躍動感を程よくコントールして落ち着いた雰囲気も持たせた点には、ある意味ではアーティストとして丁寧に聞かせるタイプへの成長と捉えられなくもない。ここまで随分と待たされ過ぎた感は否めないが、大人びたDavid Alvaradoの今がここにある。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
John Beltran - Ambient Selections 1995 - 2011 (Delsin:88dsr/jbn-cd1)
John Beltran - Ambient Selections 1995 - 2011
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素晴らしい、本当に言葉を失う程に素晴らしいベストアンビエントセレクション。真夏の到来と共にやって来たむさ苦しい真夏の為のカンフル剤とも言える。John Beltranは若かりし頃にデトロイトテクノに影響を受け、Carl Craigの伝説的なレーベル・RetroactiveからPlacid Angles名義で衝撃的なデビューを飾る。初期はデトロイトテクノやアンビエントに影響を受けたテクノをR & S RecordsやPeacefrog Recordsからリリースするも、その後はジャズやラテンなどの有機的な音楽へと矢先を向けてしまった。勿論創作性の高い彼ならではのラテンジャズの楽曲でもヒット作は出していたものの、世界各地での音楽活動に疲れた彼が最終的に求めたのはアンビエントであった。そして今だ、彼のアンビエントな楽曲を網羅したコンピレーションが届けられた。タイムレスと言う言葉が相応しい、そう16年間の歳月を全く感じさせない普遍的かつ夢見心地で郷愁を帯びた微睡みのアンビエント。雲一つ無いクリアブルーな空が脳内に拡がるドリーミーな音色に、身も心も全てを委ねて解放されるべき音楽。只のビートレスでだらしない音を垂れ流すBGMでもなく、宗教的で胡散臭いヒーリングとも違う、エレクトロニクスと生演奏の両方を通過してきたからこそ成し得る有機的なデジタルソウルを奏でる芳醇なアンビエント。心身の隅々まで洗われるようにピュアな音が血潮に乗って体を循環し、気怠いこの夏に於いても貴方の心を癒してくれるであろう傑作だ。

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| ETC3 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jose Gonzalez - Veneer (Peacefrog Records:PFG066CD)
Jose Gonzalez-Veneer
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ソニーヨーロッパのブラビアのCMに"Heartbeats"が起用された事で人気が出たと思われるアルゼンチンのアーティスト・Jose Gonzalez。下にも動画を張っておきましたが、音楽も良いけれど映像の方も本当に素晴らしいです。現在の日本ソニーからは到底出てこないようなイメージを膨らませるCMで、眺めているだけでもほっとしますね。さてこのアルバムは2003年にスウェーデンのレーベルからリリースされていたのが、UKの名門クラブミュージックレーベルのPeacefrogに認められ、2005年にライセンスされリイシューされております。基本的にはボーカルとアコギ、それにパーカッションとトランペットが少々加えられたシンプルなフォークソングが中心。あれこれと音を無闇に加える事はせずに無駄を削ぎ落とした事でボーカルに焦点が向かうのですが、枯れた味わいを感じさせる侘しい声はトラックにもぴったり。大半が3分以下のコンパクトなトラック構成も、だれる事が無いので良かったのかな。疲れた時やむさ苦しい時に聴くと、緊張もほぐされてほっと出来ると思います。



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| ETC3 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jose Gonzalez - Japan Tour E.P. (OCTAVE-LAB:OTCD-2134)
Jose Gonzalez-Japan Tour E.P.
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先日書いた北野誠の芸能界追放の件は、学会の圧力ではなかったようですね。どうやら北野誠が「バーニングの社長はホモで893」と発言したのが、バーニングの逆鱗に触れたようです。学会に対し、そして誤った情報を流してしまった事に関しては反省、ごめんなさい。勿論今回のバーニングの圧力も100%真実かと言う確証は無いので、結局は個人の判断に委ねるしかないのだが。ネットの情報はリアルタイムで早いのがメリットだけど、誤った情報が一旦広がるとなかなか収集がつかないのがデメリットですね。

友人からの貰い物。Jose Gonzalezは両親がアルゼンチン人でスウェーデン生まれのフォークシンガーだそうで、自分は知らなかったのですがUKの名門クラブミュージックレーベル・Peacefrogからリリースをしているそうだ。最近のPeacefrogは一時期に比べると迷走気味と言うか活気が無いと言うかぶっちゃけかなり心配なレーベルですが、Jose Gonzalez自体は凄い気に入りました。基本はアコギとボーカルだけのシンプルな歌物中心で、とっても朗らかで柔らかい空気を纏ったフォークだと思います。シンプルな分だけ逆に歌・トラックが良くないと聴く者を魅了出来る訳ありませんが、メロウな旋律や侘び寂びを感じさせる歌が優しく心に響き渡ります。アコギの臨場感のある響きは繊細かつ柔軟で、普段自分が聴く電子音とは違った魅力がありますね。やっぱりレコードは生、ビールも生、そして音も生が良い時もあるのです。電子音も勿論大好きだけどね。原曲は悲壮感の漂っていたJoy Divisionの"Love Will Tear Us Apart"のカヴァーも、どこか牧歌的でのどかになってしまったのはあら不思議。でもこれはこれで格好良いね。Kylie Minogueのカヴァー曲"Hand On Your Heart"なんかも収録されていて、全7曲とは言え十分に聴き応えのある内容です。



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| ETC3 | 00:10 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Charles Webster - Coast 2 Coast (NRK Sound Division:NRKCD042)
Charles Webster-Coast 2 Coast
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PeacefrogやDefected、NRKを含め数々のレーベルから数々の変名を用いて活動しているUKのアーティスト・Charles Webster。基本的には欧州的な洗練された美しさが光るハウスを得意するアーティストですが、女の子受けする様な陶酔と甘さが持ち味ですね。と言っても全然下品じゃないし、むしろ気品に満ちているのが他の人との違い。近年は一向に新作が出ないのでヤキモキしておりますが、去年はNRKからのMIXCDシリーズ・Coast 2 Coastに参加しておりました。MIXCDにおいても彼の特徴である甘さや気品は充分に活かされていて、アッパーに盛り上げるのではなくてしっとり聴かせるタイプのハウスミックスを披露しております。派手なミックスや過剰なイコライジングは聴かせる事はなく、終始一曲を長めにつないで曲その物の良さを知って貰う落ち着いたプレイ。ミックスプレイ自体には特徴はないんだけど、その選曲の良さが素晴らし過ぎる内容ですね。夜の似合うアダルティーな音楽、それはただ下品にエロイのとは異なり上品なエロスを伴う官能的な妖艶さ。一歩引いた大人の美学とも言えるかもしれない。Charles Webster、この人のそんなエロさが今宵も体を火照らすのでした。

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| HOUSE4 | 06:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moodymann - Mahogany Brown (Peacefrog Records:F074CD)
Moodymann-Mahogany Brown
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デトロイトの漆黒のハウサー・Moodymann。昨年末来日した際には、入場制限がかかる程の人気だったらしい。自分もクローズ前のYELLOWで彼のDJを聴いた事があるが、本当に素晴らしいとしか言えないプレイでした。彼は何度も何度もファッキンと叫んでいて馬鹿みたいと思うかもしれないが、それが彼の戦いなんだろう。

で去年はリイシューばっかだったけど今年もその流れは止まらないのか、不機嫌な男の廃盤2NDがリイシュー。自分は勿論持っているのでこの恩恵に与る事は無いが、持っていない人は購入しておいて損は無いはず。と言うかデトロイトやハウスと言う言葉に関心があるのであれば、不機嫌な男は絶対に避けては通れない。とにかく濃い。ファンクやソウルまでも飲み込んだどす黒いハウスだが、サンプリングセンスが段違いに素晴らしい。一曲目の"Radio"からしてサンプリングやコラージュを多用し、デトロイトの街を再現したかの様なイントロだ。その後から続く真っ黒なグルーヴに支配された曲群は、ぶっといキックやらループやらで段違いのタフネスを演出。打ち込みだけじゃなくエレピとかギターとかも使用して、生の質感を生かした暖かさもあったり不機嫌な男の怒りの下に隠れた優しさも感じられる。そして、ねっとりと濃厚にエロくて熱いソウルが漲っている。もしデトロイトにMoodymannが居なければ…と思う程、彼の功績はでかい。デビューから既に10年以上経っているが、未だに唯一無二のサウンドを発し続けている。何か適切な言葉で表現するのであれば、ライオットエレクトロブルースなんてところか。

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| HOUSE4 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Theo Parrish - First Floor (Peacefrog Records:PF076CD)
Theo Parrish-First Floor
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今年は兎にも角にもリイシューラッシュでしたけど、そればっかりな音楽業界って行き詰っているって事なのでしょうか?自分もリイシューに恩恵を受けているし決して悪い事じゃないんだけれどね。で今年最後のビッグリイシューは、デトロイトハウスの巨匠・Theo Parrishの超レア1stアルバム。自分は持っているのでリイシューは買う予定はありませんが、販売数は少ないので持ってない方は是非この機会に。既に10年前、うーん、10年前といえば自分もまだクラブミュージックに入り始めた頃だったけれど、既にこの時点で今のセオのスタイルは出来上がっていたのですね。それから殆どと言ってよい程スタイルが変わらないのは、ある意味完成したハウスのスタイルだからなのでしょうか。セオのハウスは、個人的にはシカゴハウスの延長だと思っていて、芯の太いリズムトラックがありコンプで過剰に音を潰したりして敢えて汚くしているのですが、シカゴハウスとの違いはやはりテンポ。基本的にそんなにBPMは早くないし、音自体がねっとりしていて絡み付くような濃厚さがあるんですよね。ファンクもソウルもハウスもセオの前では境界は無く、ただの黒い音楽として認識され、一つのダンスミュージックとして聴かせてしまう。ブラックミュージックのドグマとカオスが根底に渦巻き、荒々しくも熱い息吹が迸るセオのソウルミュージック。発売から10年経った今でも輝きは、一向に色褪せておりませんでした。

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| HOUSE4 | 06:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Gemini - In And Out Of Fog And Lights (Peacefrog Records:PF070CD)
Gemini-In And Out Of Fog And Lights
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連日テクノ関連が続いていてたまには他ジャンルの紹介もしないとバランスが取れないと言う訳で、今日はUKの名門レーベル・Peacefrogからのハウスアルバム。と言っても自分はPeacefrogからのリリースと言うだけで購入しただけで、Geminiについては全く知らないんですわ。ネットで調べてみるとシカゴハウスのアーティストだそうで、かつてはCajualやReliefからもリリースしていた事があったそうです。しかし本作ではそんな経歴からは予想出来ないデトロイトっぽさも取り込んだエレクトロニックなハウスが中心で、随分と厳かで深淵な雰囲気を醸し出しています。シカゴハウスの人なら普通はパンピンでお下品で卑猥なハウスを予想するのですが、本作ではそんな音は皆無なんで正直予想を裏切られました。しかし予想は裏切っても期待を裏切らないのがPeacefrog。上品でムーディーなハウスはCarl Craigらにも繋がる内容で、かなり高品質なのは断言します。透き通る美しいシンセの音色には最近のミニマルっぽいヒプノティック感もあるし、リズムトラックはジャジーで滑らかな流れが心地良く、クラブだけでなくホームリスニングで聞き込んでも楽しめる音楽なんですね。シカゴハウスやってた人が、一体どうしてこんなムーディーな路線になってしまったんでしょうね?

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Kenny Larkin - Keys, Strings, Tambourines (Planet E:PLE65303)
Kenny Larkin-Keys, Strings, Tambourines
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Carl Craigらと共にデトロイトテクノの発展に貢献してきた一人・Kenny Larkinの新作が、なんとCarl CraigのPlanet Eからリリースされました。Kennyは今までにもR & S Records、Warp Records、Transmat、Peacefrog Recordsなど数多くのレーベルから素晴らしいトラックをリリースしておりましたが、今回はPlanet Eからのリリースと言う事もあり特に期待して待っていました。が期待し過ぎたのが裏目に出てしまったのか、どうも自分にはしっくり来ずに残念なのが今の気持ちです。何でしょうね、色々な事をやり過ぎている印象が強いのでしょうか、テクノ・ジャズ・ミニマル・プログレなどから少しずつ要素を抽出して作り上げた様なアルバムなんですよね。逆にオールドスクールなデトロイトテクノの要素が少なめで、シンセパッドやストリングスががんがんに効いたトラックが無くて肩透かしを喰らった感じ。また音などは整理されて上手くまとめられた様な作りなんだけど、逆にラフさが無くてデトロイトの衝動で曲を創る良い点が失われている気がしたんですよね。どうもデトロイトフォロワー的な音楽性なんでしょうかね、ヨーロッパから出てきた様な音の印象を受けました。キラートラックも無かったし正直残念です。

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
David Alvarado - Mayasongs (Peacefrog Records:PFG010CD)
David Alvarado-Mayasongs
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David AlvaradoのMIXCDを気に入った方は、彼のオリジナルアルバムもついでにどうぞ。本作は彼がUKの優良レーベル・Peacefrogから2002年に出した2NDアルバム。それ以降は一年に一枚程度EPを出すか出さないか程度の活動で、来日もしていないしファンをヤキモキさせている状態です。しかしながらその分作品の質は総じて高く、本作もフロア仕様に耐えうるダブテックハウスが充分に堪能出来る内容となっております。基本的には浮遊感のある上物シンセと、ダビーで重みのあるリズム、抜けの良いパーカッションの組み合わせだけで説明が済んでしまう様な彼の作風なので単調と言えば否定も出来ませんが、テクノ・ハウス・プログッレシヴハウスのどの方面にも通用する音は非常にDJにとって便利な物なんじゃないでしょうか。特に壮大な展開を作る事に関しては太鼓判を押したくなる程で、フロアでの鳴り方は相当に気持ち良いんだろうと容易に想像出来ます。フランソワケヴォーキン辺りは、この手の音は大好きに違いない。日本だと岩城健太郎がよくプレイしてますね。それはさておき来日するなり新作出すなり、何か活動して欲しいですね、まじで。

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| HOUSE4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Articulations By David Alvarado (Plastic City:PLAC055-2)
Articulations By David Alvarado
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リリース数は多くないもののPeacefrogやNRK、Ovumなどから大箱受けするディープなテックハウスをリリースしているDJ・David Alvarado。自分の記憶に間違いがなければ日本には一度だけ来日していて、新宿リキッドルームで壮大なテックハウスプレイを聴かせてくれました。来日はしないしリリース量も多くないものだから知名度的にはそこまで高くはないけれど、実力に関してはトップクラスだと思っています。新作がリリースされないのは残念ですが、代わりに最新のトラックをふんだんに使用したMIXCDが届けられました。驚いたのは2007年にリリースされた物ばかりをプレイしていて、いわゆる過去の名作・クラシックに頼らない内容である事。普通どんなDJだって山場には売れ線を持ってくる事が多いのだけれど、Davidは敢えて近年の音を披露する方向に進んだ訳ですな。その考えは結果的に成功したようで、ハウシーな音楽を中心にデトロイトやミニマル、テックを見事に調和させた展開になっていました。以前新宿リキッドで聴いた時のリズムにのせる事を目的としたパーカッシヴなテックハウスは封印されて、ここではより情緒的なメロディーを生かし幻想的でディープな音楽性が強調されています。どちらが良いと比較するのではなく、これがDavidの今のモードだと言う事でしょう。勿論パーカッシヴではなくとも芯に重さを感じるグルーヴはあるし、適度に緩やかな4つ打ちは丁度心地良いビートを刻んでいて気持ち良いですよ。山場は中盤の"Sweet Sensation"、Satoshi Fumiなる日本人のテックハウスです。Satoshi Fumiのアルバムもリリースされたばかりなので、今度チェックせねば。

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Detroit Escalator Co. - Soundtrack [313] [Limited Edition] (Spiral Records:WQAW-1010)
The Detroit Escalator Co.-Soundtrack [313]
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さて3回連続で"Electric Soul Classics"シリーズ第3段の紹介ですが、今日は特にレアな作品となっていたThe Detroit Escalator Co.の1stアルバムをどうぞ。実はこの作品は元々はFerox Recordsから僅かにリリースされていて、その後Peacefrogから"Excerpts"(過去レビュー)として再編集されてリリースされていた隠れた名盤でございます。この作品にはあるエピソードがあって、The Detroit Escalator Co.ことNeil Ollivierraがある寝付けない夜にDATを携えて真夜中のデトロイトを自転車に乗って駆け巡り、その時録音した音を利用してこのアルバムを制作したとか(と野田努が書いていた様な記憶がある)。確かにそれもなるほど〜と言うべきダブアンビエントハウス〜テクノな奥深い音は、真夜中のデトロイトと言う迷宮に迷い込み一度彷徨っては抜け出せない程に不思議な空間に満ちています。実際真夜中のデトロイトは相当危険だとは思うけど、ここではむしろ安堵と快適さに満ちた夢想の世界が展開され心地良い夜を過ごす事が出来ます。感情的にソウルフルでは無いけれど、ちょっと知的さを感じさせる音響空間はデトロイトの者にしては珍しいですね。ちなみに今までもリイシューの依頼があったそうですが本人がずっと断っていたらしく、今回の"Electric Soul Classics"のコンセプトに共感した彼が今回のみの約束でリイシューをOKを出したそうです。またもやすぐに廃盤となると思われるので、お早めにどうぞ。

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| TECHNO5 | 21:15 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Aril Brikha - Ex Machina (Peacefrog Records:PFG097CD)
Aril Brikha-Ex Machina
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本当に久しぶりのフルアルバムが登場、デトロイトソウルを継ぐ者・Aril Brikhaの7年ぶりのアルバム。Derrick Mayに才能を見出されTransmatとその傘下のFragile Recordsから作品をリリースし、特に大ヒットとなった"Groove La Chord"はテクノ、ハウスの垣根を越えて数多のDJがスピンし今でもクラブでしょっちゅう耳にする劇的なトラックで、デトロイトフォロワーの中でも最も注目を浴びていたアーティストです。しかし1stアルバムリリース後は全くと言って良い程活動を停止し、その間にデトロイトからは数多くの新人が現れ欧州からもフォロワーが追随し、もうAril Brikhaの出番はないのかなとさえ思っていました。また今年になってからPoker FlatやKompaktからEPをリリースする等突如として活動を再開するものの、新曲がかつての彼の音とは全く別物となっていたので多少の危惧を感じていたのも事実でした。しかし、しかしである、このPeacefrogからリリースされたアルバムは、かつてTransmatからリリースされた1stアルバムを継承する新作だと断言して間違いないでしょう。エモーショナルなシンセサウンドやエッジが効きミニマルなリズムトラック、奥深い浮遊感のある幻想的な空間演出は、我らファンが長年待ちわびていた音であると思います。余りにもコテコテでデトロイトの影響を全面に打ち出して新しい何かと言うのは期待も出来ないのですが、洗練されて研ぎ澄まされたソウルが確実にここに存在しています。ただやはりフォロワーらしくストリングス等の音は一杯あっても、黒いファンキーさというのは殆ど感じられないですね。昔と違って今Aril Brikhaの音を聴くと、かなりヨーロッパ寄りのプログレッシヴな音も感じられました。ソウルフルと言うよりはドラッギー、そして覚醒的なテクノ。でも長年待ちわびただけありまして、アルバムとして想像以上に充実した作品となっているので満足です。

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| TECHNO4 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Alton Miller - Selected Works (Octave Lab.:OTLCD-1055)
Alton Miller-Selected Works
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ここ数日取り上げたデトロイトハウスのオリジネーター・Alton Millerですが、その彼の輝かしい活動を一つにまとめたベスト盤が登場です。オリジナルアルバムは全部持っていると言う方も、今作はEP中心にまとめられているので注目しておくべきでしょう。何と言ってもTrack Mode、Distance、Moods & Grooves、Guidance Recordings、Planet E、Mahogani Music、Peacefrog Records、Deeper Soulなどハウス系において名門と言われる多岐に渡るレーベルから作品をリリースしてきたAlton Millerの価値ある作品が、一気に聴けてしまうのは真に有り難い事であります。まーベスト盤なんで悪い訳が無いし特に説明する事もないんだけど、Planet Eからリリースした"Exstasoul"だけはやっぱり異色ですね。テッキーでエレクトロニックな作品は、Carl Craigにも通じる未来的な予兆があって格好良いです。他はAlton色まんまのソウルフルなディープハウスや、漆黒のビートダウンハウス、生っぽい質感のジャジーなハウスなどどれも水準以上の安心出来るハウスが一杯でした。これと言って大推薦したいベスト盤と言う訳でもないんだけど、何だかんだ安心してお勧め出来るベスト盤ではあるんですよね。地味ながらも色々なレーベルから作品をリリースしているのは、やっぱり周りが彼の音楽性を認めているんだろうなと思いました。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2007/01/19 7by7 @ Unit
今日はPeacefrogレーベルの二人、Charles WebsterとIan O'Brienが来日していたので久しぶりにUNITへ行ってきました。特にIan O'Brienは彼自身が作る曲も素晴らしいけれど、DJでも彼が敬愛するデトロイトテクノを惜しみなく回してくれるので、僕のお気に入りのアーティストであります。一方Charles Websterはオールドスクールなハウスから、シカゴ、デトロイトなども回しますが基本はハウスですね。つかこの二人組、2年前も一緒に来日してたし、以前には新宿リキッドにも一緒に来日してたから仲が良いんでしょうな。
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| EVENT REPORT1 | 08:40 | comments(8) | trackbacks(1) | |
The Beauty Room (Peacefrog Records:PFG060CD)
The Beauty Room
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UK屈指のデトロイトテクノフォロワーとして注目を浴び、そこからクラブジャズへの回帰を見せたりしつつも時にピュアなテクノ作品をリリースしたり、まあ分かり易い経緯を辿るKirk Degiorgio。今作はThe Beauty Roomと言うユニットを組んで、ボーカルを全編採用した予想外のイビザの空気を取り込んだソフトロック路線??巷ではバレアリックAORなんて言われているけれど、意味が良く分かりません。ユニット名からしてかなり耽美的な雰囲気が漂っていますが、実際に出てくる音は想像以上にとろける甘さ。殆どがギターやシンセ、ドラム、ストリングスを使用し、機械に頼るのは一部。それらが絹の様に優しく紡がれて、極上に甘くメロウなハーモニーを奏でます。Kirk Degiorgioの作品だと思って、テクノだとかクラブジャズだとかを期待していると裏切られます。ただ僕はこのリラックスしたアコースティックサウンドは耳に優しく入ってくるし、ベチャベチャと砂糖も溶けてしまう様な耽美な甘さも有りだと思いました。ちなみにギターを演奏するのは、Kirkの盟友Ian O'Brienです。秋の夕暮れ時、海のサンセットを見ながら佇んで聴きたいなー。

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| ETC1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
John Beltran - Americano (Exceptional Records:EXLPCD0201)
John Beltran-Americano
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先日紹介したデトロイトのアーティスト・John Beltran、彼の中の転機となった作品がこの「Americano」。かつてはCarl CraigのRetroactiveやDerrick MayのTransmat、もしくはUKのPeacefrog Recordsから作品をリリースした様に、テクノが中心となりそこにジャズやアンビエントを注入した作品が多かったです。しかしこのアルバムからはテクノ色は徐々に弱くなり、オーガニックなアコースティック路線が前面に出て来ました。それまではデトロイト在住だったらしいですが、この作品からマイアミに住み始めたのが関係あるのでしょうか。この後にリリースされたアルバム「Sun Gypsy」はモロにラテン過ぎて微妙でしたが、今作ではディープハウス、ラテン、ドラムンベース、ダウンテンポ、アンビエントなどが自然に存在しています。幻想的、透明な空気を一杯に含んだ柔らかい音色で、午後の昼下がりの微睡みを誘発する世界観。ラテンの要素が入っていても決して暑苦しくないのは、アンビエントに含まれるチルアウトなムードがあるからでしょう。大海原に太陽が沈んでゆく黄昏時の瞬間の、海がオレンジに輝いている景色が浮かんでくるね。イビザみたいな享楽的な世界観とは異なるしっとりした高揚感が感じられます。夏がぴったりな傑作です。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Anthony Nicholson - Dance Anthology (Peacefrog Records:PF089CD)
Anthony Nicholson-Dance Anthology
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本日部屋に散らかったレコードを整理していたら、大量のClairaudience RecordsのEPを目にしました。Clairaudienceと言えばシカゴハウスの秀才・Anthony Nicholsonが立ち上げた、コアな人気を誇るハウス/クロスオーバーなレーベルですよね(今は活動してなさそうだけど)。シカゴハウスって言ってもモロにファンクファンクってのではなく、Ron TrentやChez Damier、NEEDSらと交流があった様に陶酔系ディープハウスで煌びやかで哀愁漂うシンセが使われたりする曲が多いですね。その彼が何故かPeacefrogから一枚のアルバムをリリースしています。アルバムと言ってもEP2枚をコンパイルした物で、8曲収録ではありますが別バージョンが幾つか収録された物になっています。完全なオリジナルアルバムと言う訳じゃないですけど、その質は絶対保証致します。特に黄昏時の侘びしさを感じさせる切ないメロディー、彼の作品には絶対にかかせない物です。微かな甘さと胸を打つ郷愁が混ざり合い、高揚ではなく夜のしっとり感を演出します。リズムはストレートな4つ打ちからパーカッシブな民族系、またはラテン系まで幅広く、重くはないが芯がしっかりとあり突き抜ける爽やかさがナイスです。音の空間処理が上手く、果ての無い広がりを感じさせ気持ち良いですね。Ron TrentにしろNEEDSにしろ、このAnthony Nicholsonにしろ、分かり易いハウスながらも安っぽさが皆無で、ハウスアーティストとして超一級の才能を感じます。ここら辺のアーティストは大好きなんで、プッシュしまくりな私でありました。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Detroit Escalator Co. - Excerpts (Peacefrog Records:PF099CD)
The Detroit Escalator Co.-Excerpts
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Derrick Mayに初期Transmatのマネージャとして雇われていた経歴のある、Neil OllivierraことThe Detroit Escalator Co.。Ian O'Brienなんかもリリース歴のあるFerox Recordsから「Soundtrack (313)」と言うアルバムを1996年にリリースしたのですが、レーベル消滅と共にアルバムも廃盤となり余り日の目を浴びる事がありませんでした。そこで手を組んだのがPeacefrog Recordsで、「Soundtrack (313)」に新曲等を加えて再編集した「Excerpts」が2000年にリリースされました。元のタイトルである「Soundtrack (313)」から察する通り、Neilがデトロイトの街を駆けめぐりその時に録音した音も利用して作られているそうです。つまりはデトロイトと言う街の空気を目一杯吸い込んだ、真のデトロイトテクノとも言える作品なのです。まるで暗黒の世界とでも言うべきデトロイトの町並みの迷路に吸い込まれて行く様に、ずぶずぶと深い奥底に沈んでゆくダブ残響音。浮遊感のあるアンビエントダブで心地良くは感じるものの、やはり空虚に溢れどこか物悲しいメロディーがデトロイトが未だに廃退している事を気付かせます。しかしそう行った荒んだ世界の中にも、ひっそりと佇む揺るぎない美しさがあり希望は捨ててはいません。デトロイトアーティストによるデトロイトテクノ好きへのサウンドトラック。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lucien-N-Luciano - Blind Behaviour (Peacefrog Records:PFG052CD)
Lucien-N-Luciano-Blind Behaviour
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昨日紹介したクリック〜ミニマルハウスシーンの雄、Lucianoが初めて作り上げたオリジナルアルバムは、このLucien-N-Luciano名義のアルバムです。Peacefrog Recordsからリリースするにあたり、レーベル側はLuciano名義のダンスミュージックを希望していたそうですが、Lucien-N-Luciano名義ではホームリスニング的な音楽を目指しているそうです。確かにそう言われるとLuciano名義ほどビートは強くないし、ラップトップで制作したであろうにも関わらず妙に生温かみがあったり、音がファットだったり微妙に普段と異なる様子。何よりも違うのは哀愁を思わせるメロウネスがある事。以前はかなり無機質で機械的なファンキーな音を発していたのが、ここでは有機的で肉感的な音質に様変わりしています。西洋的な整合の取れたクリッキーな感は無く、くにゃくにゃと捻れたグルーヴが全編支配しているのはチリのまたは南米の音楽の影響なのでしょうか。ダブやレゲエの影響も感じさせる蒸し暑さも伴って、一気に湿度が上がってしまいます。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dan Curtin - We Are The Ones Weve Been Waiting For (Headspace Recordings:HS-019CD)
Dan Curtin-We Are The Ones Weve Been Waiting For
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ここ数年いまいちぱっとしなかったからどうでも良かったんですけど、90年代中期に人気を誇っていたデトロイトフォロワー・Dan Curtinのニューアルバムが6年ぶりに出ました。Peacefrog Recordsからリリースしていた頃は、スピリチュアルでジャズとテクノをハードに混ぜ合わせた様な素晴らしい曲が多かったのですが、近年は余り活動もしてなかったのかな?ちょっとシーンに埋もれていて、危うく忘れかける所でした。しかし久しぶりの新作はベテランらしく、派手ではないもののバランス良くまとめられている作品だと思いました。デトロイトテクノの流れを組んだ流麗なシンセ音を基調に、全体的に丸みのある音で耳への当たりが優しいですね。デトロイト本家の音と言うより、ヨーロッパ産のデトロイトフォロワー的な音でファンキーさは少なく少々薄味ではあります。その分洗練された綺麗目のプロダクションで、落ち着きがあってしっとりしてますな。僕にはFabrice Lig辺りの音がすぐに頭に浮かんできましたよ。復活作としては及第点を差し上げましょう。

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Plaid - Parts in the Post (Peacefrog Records:PFG030CD)
Plaid-Parts in the Post
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5月26日にageHaでWarp Recordsのショウケースイベントが行われるんですけど、その際にWarp Recordsの中心的ユニットの一つ、Plaid(EX.The Black Dog)も出演するんですよねー。Warp Recordsと言えばかつてはUK屈指のテクノレーベルで革新的なアーティストばかりが集まっていたヤバイレーベルなんですが、最近はロックやヒップホップ方面でも面白いアーティストを発掘したりして、時代を捕まえる嗅覚をいつでも持っているんですね。その中でもThe Black Dog時代の彼らは、UKからデトロイトへの回答とでも言えるAI(Artificial Intelligence)シリーズの一旦を担い、特に「Bytes」(過去レビュー)はAIシリーズの中でも最高傑作とも思える作品です。残念な事にメンバーが仲違いし、その内の二人がこのPlaidを結成した訳でありますな。Plaidとなってからの彼らはAIシリーズのインテリジェンスな面を保ちつつも、ヒップホップやブレイクビーツなどの側面も強く打ち出してきて、Warp Recordsの雑食性をそのまま表現してるかの様でしたね。デトロイトのソウルフルな感情をブレイクビーツに載っけてしまったり、より深化した知性的で精密なテクノを打ち出したり、どんどん多様性が増して来てるのではないでしょうか。そんな彼らのある意味裏ベストと言えるのが、このリミックス作品集です。有名所のリミックスから全然知らないアーティストのリミックスまで、ざっくばらんに彼らの多様性がそのまま詰まっています。個人的には教授の「Riot In Lagos」が聴けただけでも満足ですがね。

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Alton Miller - Stories From Bohemia (Peacefrog Records:PFG044CD)
Alton Miller-Stories From Bohemia
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デトロイトテクノ・ハウスにおいて伝説となっているクラブ、「Music Institute」のレジデントDJであったAlton Miller。そう、かつてはChez DamierやDerrick Mayとも共に活動をしていた、デトロイトハウスの牽引者である。活動歴も大変長いのだが、まだアルバムは「Stories From Bohemia」を含め2枚しか出ていない。しかしやはり大ベテラン、丁寧にしっとりと作り込まれソウルフルなディープハウスを提唱している。同じデトロイト系でもTheo ParrishやMoodymann程どす黒くはなくて、しっとりと生暖かくしんみり心に染み入る様な作風が特徴。多彩で渋いパーカッションと流麗なエレピやストリングスを、音数を絞ってシンプルに使う事でエモーショナルなメロディーが強調されている。派手な作風ではなく夜に小耳を傾けて、お酒でも飲みながら聴き入りたくなってしまう。Larry Haerdとかのハウスが好きなら、間違いなく聴かれるべき作品。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recloose - Hiatus on the Horizon (Peacefrog Records:FG064CD)
Recloose-Hiatus on the Horizon
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むむむぅ…Carl Craig主宰のPlanet Eから注目を浴びてデビューし、シーンの賞賛を浴びたデトロイト新世代のReclooseでしたが、新作はなぁ…デトロイトとは全く無縁な音楽だし、期待が大き過ぎたのかもしれないな。ニュージーランドに移籍しそこで作られた音楽との事ですが、トロピカルで妙に明るい。いや、明るいのは嫌いじゃないんだけどなんなの?この変に陽気で緊張感の全く無い楽天的な音楽は?Reclooseには求めてないんだよ、こんな音楽。別に悪くはないけど、これってReclooseがしなくたって良いじゃないかと激しく突っ込みしたくなる南国ブロークンビーツって感じ。ジャジーでありソウルフルでもあるが、どこか炭酸が抜けて美味しくないビールだよ、これじゃあ。あぁ、Reclooseに合掌…

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joe Lewis - The Return of Joe Lewis (Peacefrog:PFG059CD)
Joe Lewis-The Return of Joe Lewis
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うへ〜またPeacefrogから素晴らしいアルバムが出てますよ。Peacefrog関連は何度も紹介しているけど、このレーベルは本当に本当に偉大です。どれだけ素晴らしいアーティストがアルバムを出している事か…敬意さえも湧いてきますね。今回のJoe Lewisについては全く名前さえも聞いた事が無かったので少々調べた所、シカゴハウスの重鎮らしく一時期活動していなかった所このアルバムで復活した様です。でもね〜音はまんま初期デトロイトテクノだよ、こりゃ(笑)これはデトロイトテクノ好きは絶対好きだわ、間違いないっ!だって初期のバリバリテクノだった頃のCarl Craigの音まんまじゃん?別にぱくりとまでは言わないが、Carl Craig名義で出されたら誰も別人だとは気付かないと思いますよ。そうゆう意味では僕のだ〜い好きな音だから、全然問題なし。しかし革新性も無し(笑)シャリシャリするハイハットとかディープで透明なシンセの上物を、グルーヴィーな展開からアンビエント調の曲にまで目一杯使った典型的デトロイトテクノ。物真似かどうかを無視して音だけ聴けるなら、最高にお勧め出来ます。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Stasis - Past Movements (Peacefrog:PFG046CD)
Stasis-Past Movements
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90年代の初頭からデトロイトテクノのリバイバルがあり、その影響はUKにも及ぼし(むしろアメリカよりもUKでの方が人気があるのだが)デトロイトテクノへの回答と思われる作品が数多く発表されました。ただその多くはマイナーレーベルから発売されていた事もあり、流通量が少ない、もしくはすぐに廃盤になってしまったりと良質な音楽であるにもかかわらず、一部の人々にしか届かないと言う事は少なくなかったであろうと思います。特にこのStasisはその当時でもかなりコアな位置に置かれていて、一部のテクノオタしか存在に気付いていなかったかもしれません。そんな彼の作品が2枚組ベストとして再度世に送り出されています。一枚はベスト盤、もう一枚は未発表曲群、どちらもレア度はかなり高くもちろんお勧めなのですが、それはレアだからと言う事ではなく単純に素晴らしい作品だからです。UKからデトロイトテクノへの回答として、インテリジェンステクノやピュアテクノと言うジャンルも生まれましたが今になって聴くと、デトロイトテクノとなんら変わりは無いと言うのが僕の見識です。もちろんデトロイトテクノのファンキーな点などは受け継がれてはいませんが、繊細で緻密に練られた構成と幽玄で深みを持った音色はUKならではと感じさせます。インテリジェンステクノと命名されるのも分からなくもない、知性と創造性を兼ね備えた未来の音楽であると再度認識する事が出来ました。そして失われた音楽が発掘され新たなファンの手に渡る事を、大変嬉しく思います。

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| TECHNO2 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marco Passarani - Sullen Look (Peacefrog:PFG053CD)
Marco Passarani-Sullen Look
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あんま詳しく知りませんがイタリアテクノシーンの重鎮だそうです。イタリアって言うとイタロディスコってイメージですが、やっぱおいらはテクノですよ。しかもUK屈指のテクノ・ハウスレーベルであるPeacefrogからとなれば、その内容も折り紙付き。ちょっとださめでチープなシンセ音がピコピコ…こ、これは冗談抜きで時代に逆行してる。しかし所々にアシッドハウス調のハットやベースラインが入ったり、もしくはデケデケのファットなベースラインが待っている。これは何だろう、デトロイトのダークなエレクトロを思い出す。もちろんURやDrexciya程の狂気じみたエレクトロでは無いけれど、ポップでセンチメンタルな音でありながらその音は硬く、テクノビートと断言出来る格好良い物だ。ピコピコとエレクトロ?これはDrexciya+Kraftwerkとも言えるかもしれない。まあKraftwerkを持ち出すなんておこがましいけれど、その位ポップな事は間違いないです。暑苦しい熱帯夜に清涼な風が吹いてきました

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| TECHNO2 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Charles Webster - Remixed on the 24th of July (Peacefrog:PFG037CD)
Charles Webster-Remixed on the 24th of July
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Charles Websterが再来日するので先日「Born On The 24th Of July」を紹介したのですが、そのリミックスアルバムも存在します。その参加アーティストが何とも豪華で、Pepe Bradock、Ian O'Brien、Herbert、Theo Parrishなど比類無きアーティストが勢揃い。オリジナルアルバムが好きだった人は、こちらも是非聴いて頂きたいと思います。それ程有名ではないですがThe Detroit Escalator Companyの迷宮的アンビエントリミックスは、奥深く打ち寄せては引くような感覚が心地よいです。Ian O'Brienは10分にも及ぶ大作ながらも、今回はハイテック路線ではなくボサノバ風味。清涼な空気一杯の軽めな仕上がりです。Daniel Wangは相変わらずディスコ風で、お洒落かつ懐かしさを感じさせます。Presence名義でのCharles Websterのリミックスは、けだるさの中に甘さもあり、かつディープでミニマルな意外とフロア対応な仕上げ。Herbertの場合はリミックスをしても、彼自身の作品と殆ど変わらない感じですね。でCharles Websterと有り得ない組み合わせのTheo Parrishはと言うと…相変わらずスモーキーで荒めの音響。原曲が思い出せないな、これは。オリジナルアルバムが濃厚な甘さ一杯の西洋ケーキだとしたら、リミックス盤は渋めのお茶と和菓子と言った作品。甘すぎた後にはさっぱりするのも必要って事でしょうか。じっくり噛みしめてください。

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| HOUSE1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Charles Webster - Born on the 24th of July (Peacefrog:PF097CD)
Charles Webster-Born on the 24th of July
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今週末遂にIan O'Brienと共にCharles Websterが再来日を果たします。前回の来日の際はHi-tech Jazzなんかも回してたっけ?新宿リキッドルームでのプレイが懐かしいです。そんなCharles Websterも活動歴はゆうに10年を越えるらしいですが、その名が知れ渡ったのはこのPeacefrogからの本人名義でのアルバムからでしょう。本人名義初にも関わらずかなり濃密で、ベテランらしいしっとりとしたハウスを披露しています。前半はダウンテンポ中心でラウンジミュージック的な落ち着いた空気に満ち、甘酸っぱい青春の様な、もしくは愛らしくキュートな雰囲気です。女の子とベッドに寝っ転がりながらいちゃついちゃったりして、そんな時にぴったりな感じ。中盤以降はストレートな西洋4つ打ちハウスがメイン、あぁやっぱりこうゆう盛り上がりもあると良いよね。アメリカのファンクネスたぎるハウスとは別物の、お洒落で耽美に満ちたハウス。透明感溢れる幻想的な音響にスウィートなメロディーが奏でられ、ベッドでいちゃついてその後のセックス最中にぴったり(か?)。徐々に内に籠もっていた心が開放されて、闇の中に光が射し込んでくるかの様です。彼女がいればこのCDをプレゼントしてあげたいなぁと思ったりする一枚です。

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| HOUSE1 | 22:55 | comments(0) | trackbacks(1) | |
David Alvarado - Transfiguration (NRK Sound Division:NRKCD015)
David Alvarado-Transfiguration
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キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ キター!!!!!
アマゾンで注文してて首を長くして待ってたこのアルバム。去年Transfiguration EPとしてダブルパックで発売されたのだけど、すぐに売り切れちゃって購入出来なかったのです。しかし評判が良かったらしく、新曲を加えてめでたくCDアルバムとして発売されたのです。さてDavid Alvaradoとは何者何でしょうか?僕も詳しい事は分からず、House Of Liquidで一度だけDJを体験した事がある位です。ダビーなボトムと浮遊感あふれる上物がナイスなテックハウスをプレイしていて、その時からこのアーティストの事を好きになっていました。アルバムも2枚程Peacefrogから出していて、やはりDJの時と似た様な雰囲気を持っています。

今回のこのアルバムも当然今までの路線を引き継ぐテックハウス路線なんだけど、これが予想以上に素晴らしいです。特にEPに収録されていた「Luna」、「Aire」、「Sol」のこの3曲は近年のテックハウスの中でもベストに近い作品でしょう。Basic Chennelの様に繰り返される深いエコーとダビー処理、そして揺らめく空間を演出する薄いシンセのベールが、聴いている者を徐々に覚醒させてゆきます。又、ひたらすディープな作りで反復ミニマルな4つ打ちなので、クラブ使用時にも存分に利用する事が出来るトラックだと思います。このアルバムの為に追加された新曲はと言うと、ダウンテンポ路線でシングル曲との間に挟まれて箸休め的な存在になっていると思います。やはり壮大な空間処理で、広がりと言う物を感じさせられます。こいつの作る空間は素晴らしい、ただその一言ですね。輸入量が少ないせいか量販店では見かけませんが、今ならアマゾンで即発送です。買い逃し厳禁、猛烈にプッシュするNOWなアルバムです。

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| TECHNO1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Suburban Knight - My Sol Dark Direction (Peacefrog:PFG025CD)
Suburban Knight-My Sol Dark Direction
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遂に明日Galaxy 2 Galaxyの来日ライブがある訳だが、そこにUnderground Resistanceの裏番長、James PenningtonことSuburban Knightも一緒に来日します。Suburban Knightは既に15年以上の長いキャリアがあるにも関わらず、とても寡黙なアーティストで作品は数える程しかない。URやTransmatなどからEPを出しているが、一般的にダークテクノの先駆けと言われている「The Art Of Stalking」は、正に暗黒パワーと負のエネルギーに満ちている。きっとデトロイトのネガティブな面を表しているのではないかと、僕は勝手に思いこんでいるのだが。そんな曲も収録したキャリア初のアルバムが、2003年に何故かPeacefrogから発売されました。個人的に一番クラブ映えする曲は「Midnight Sunshine」で、やはりダークながらも青い炎が揺らめきながら徐々に熱を帯びていく様な、ダークかつ躍動的なハードテクノである。しかしながらアルバム全体のトーンとしては、やはり暗い。何故そこまでにSuburban Knightは暗いのか?かつてのDrexciyaばりのエレクトロとハードテクノを足した様な感さえもある。決して彼の作品を聴いてハッピーな気持ちになれる事はないだろう。これは決して良い環境とは言えなかったデトロイトで育ったSuburban Knightの心情を、表現したアルバムなのかもしれない。さあ、明日のDJはどうなんだい?今まで2度程聴いた事はあるけれど、DJの時はデトロイトクラシックも多用してダークな一面以外にもポジティブな面も見せてくれた。明日もきっと僕らを楽しませてくれるのだろうか…

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| TECHNO1 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Secondhand Sounds: Herbert Remixes (Peacefrog:PFG021CD)
Secondhand Sounds: Herbert Remixes
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Herbertは凄い。自身の曲作りも凄い。その上のリミックスに関しても、とてつもなく凄い。リミックスの上手さに関してはCarl Craigと並ぶ程の凄さを持っている。このリミックスアルバムはもちろん他人の曲をリミックスしたものを集めただけなのだが、それ以上のものだろう。単なるハウスとは一線を画す、マイクロハウス。音を選びつつ端正に散りばめられた音、隙間を生かし少ない音数ながらも独自の世界を作り出す。既存の音は使わないと言う、音には最大のこだわりを持つ彼独自の音と、独自の音の配置が相まって最大の効果をもたらすのだろう。知性のかたまりの様な彼だが、また子供の無邪気な遊び心に溢れたユーモアのな一面も見せる。そしてお洒落でキュートな音楽でもあるのに、硬派なテクノよりもテクノらしい音楽でもある。実験性と実用性を兼ね備えたトラックと言うものは、きっとこうゆうものなだろう。何度も言おう、これはリミックスアルバムだがこれは紛れもなく彼自身のアルバムだ。ある意味Herbertの最高傑作。

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ian O'Brien - A History Of Things To Come (Peacefrog:PFG009CD)
Ian O'Brien-A History Of Things To Come
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かつてはデトロイトフォロアーとして、Mad Mike病を公言していたIan O'Brien。それはそれで質も高いし良かったと思うけど、オリジナリティーが有ったかと言うと少々疑問。しかしそんな彼も作品を出す毎にデトロイトをゆったりと離れ、今ではデトロイトを通過したフューチャージャズを代表するアーティストと成っている。特にこの3rdアルバムは彼のジャズやフュージョンへの愛を深く示した壮大な作品だ。今まではテクノ的影響が大きかったが今作は生楽器を大胆に導入し、4つ打ちを排し複雑なビートが絡み合う。特にパーカッションが多様され、非常にリズミカルなトラックを作り出している。僕は4つ打ちが好きだけど、このブロークンビーツには何故か惹かれるものがある。きっとここには宇宙を超えたものを僕は感じている。かつてMad Mikeが「Galaxy 2 Galaxy」で銀河を横断したように、方法は違えどIan O'brienも同じ世界観を演出するなんて誰が思えただろうか。宇宙(そら)を見上げてごらん、そこには幾つもの星や惑星が輝いている。そしてIan O'Brienは銀河を超えて、未来へと進んでいく。そしてそこにはUK版「Hi-Tech Jazz」が待っている。これはアルバム一枚を通してストーリー性のある神秘的「Hi-Tech Jazz」なのだ。ラストには予想だにしなかった感動が貴方を待ちわびているだろう。

More Fusion, More Jazz, More Cosmic!

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 20:59 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Ian O'Brien With Hi-Tech Soul
Ian O'brien-Heartstrings Jazzanova-Days To Come(Remixes). Querid-Object Orient
左から「Heartstrings」、「Jazzanova-Days To Come(Remixes)」、「Querida-Object Orient EP」。「Tatto Jazz」のジャケは見つかりませんでした。

イアンオブライエンと言えば初期の頃はUnderground Resistance、特にHi-Tech Jazzに影響ありまくりのデトロイトフォロアーだったと思います。まだまだ認知度が低かったせいで初期の頃のEPは僕は持っていなかったのですが、運良くも手にする事が出来たので紹介してみようと思います。

「Tatto Jazz」はもろにUR影響を受けた分かりやすい曲です。シンセが水を得たかのように縦横無尽に暴れまくり、ビブラフォンが華を添えるように控えめに鳴り、リズムはアッパーに跳ねまくるURの影響受けまくりの超絶名曲。このオプティミスティック感は初期の頃の特徴で、キラキラした感じは彼特有の物でしょう。最近中古で購入しましたが、凄いレアなので是非とも再発すべきなEPですよ。

続いてはUKの偉大なPeacefrogから出した、「Heartstrings」。これはアフロパッカーシブなリズムが大地の躍動を思わせる、ブロークンビーツ風のトラックです。彼の場合ストレートなテクノも良いけど、生音を多様したパッカーション炸裂の曲も素晴らしいです。エレピとストリングスによって綺麗目に仕立て上げられています。B面にはやはりUR調の曲と、もろにフューチャージャズな曲があり懐の深さを伺わせます。

オリジナルトラックも素晴らしいけど、リミックスもほぼ神レベルな彼。その中でも「Days To Come (Ian O' Brien Remix)」は一大スペクタルな曲です。デトロイト以上にデトロイト、これこそが待ち望んでいたハイテックソウル。電子音が宇宙を飛び交うように交差し、そしてついに弾ける瞬間、宇宙旅行をするかのようにストレートなテック系4つ打ちが始まるギャラクシージャーニーです。今年の6月のYellowでLaurent Garnierが一番最初に使っていた曲です。フロアで聴いて宇宙に飛ばされました。「Jazzanova-Jazzanova Remixed」の2枚組アルバムにも収録されています。

そして一番新しい作品がQuerida名義の「Object Orient EP」。A面はやはりDays To Come (Ian O' Brien Remix)のハイテック感に似たような感じもあるけど、もっとテクノよりでよりシリアスになっていますが、コズミックな電子音が未来を垣間見せます。B面2曲も生っぽいトラックなのに、タフなビートでカッコいいですね。今後はもっとテクノよりのなるのを予感させます。

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| TECHNO1 | 21:04 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Robert Hood - Wire To Wire (Peacefrog:PFG042CD)
Robert Hood-Wire to Wire
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元Underground Resistanceのメンバーで、Jeff Millsとも違うミニマルテクノを推し進めてきたRobert Hood。渋めのトラックが多くて派手ではないし、いまいち他のデトロイトのアーティストより地味な存在だけど男気溢れるトラックメイカーだとは思います。今作はミニマルを意識しつつも、デトロイトに回帰したような一面も見せ意外でした。薄く切れ味のある煌びやかなシンセが全編を通して使われていて、暖かみさえ感じるような出来です。中には今までのようにハードな4つ打ちの曲もあるけど、それにも綺麗目のシンセが使われて全体的にエレガントに仕上げられています。ハードなのは2曲位で、それ以外は控えめでアーティスティックな作品が中心です。相変わらず一般受けが良いとは思えないし、終始ストイック、しかし彼のデトロイトへの愛着を示した好盤です。90年代前半AI(Artificial Intteligence)シリーズのピュアなテクノなんかも思い浮かんだりしましたね。

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| TECHNO1 | 21:00 | comments(1) | trackbacks(1) | |
Planetary Assault Systems - Archives Two (Peacefrog:PFG033CD)
Planetary Assault Systems-Archives Two
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Luke Slaterのメイン活動でもあり、Alan Sageと組んだユニットがこのPlanetary Assault Systemsである。地味な活動ながらもPeacefrogからコンスタントに作品を出し続け、UKにおいて初期からハードなテクノを作り続けてきた信頼出来るアーティストだ。初期の頃はハードでアシッドな作風が多く、アッパーで荒々しい物が多かった。その後ハードでグルーヴィーな作品を作り続けアルバムも出したりする訳だが、このアルバムはその集大成とも言えるベスト第2弾である。基本はファンキーでハードなテクノだが、一辺倒になるわけでもなくディープでミニマルな作品や、スペーシーな上物シンセが気持ち良いハウス風な作品等もある。しかしどの作品もほんとに骨太い。音の厚みが盛り盛りって感じで体の芯まで響いてくる。こういったモロにアナログな音は大好きだ。洗練されてはいないけど、頭で考えたのではなく勢いで作ったような雰囲気。初期から変わらないクオリティは凄い。

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| TECHNO1 | 16:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Moodymann - Silence in the Secret Garden (Peacefrog:PFG036CD)
Moodymann-Silence in the Secret Garden
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これはBlack Mahoganiの一つ前の作品。この当たりからちょっと生っぽくなってきてました。まだディープハウスだけどBlack Mahogani程にはジャジーでもない。エレピとトランペットの絡みがセクシャルな一曲目、これぞ正にMoodymann。その後も危険と隣り合わせで刺激的な官能を感じられる曲が続く。最後の「Sweet Yesterday」は深く美しくどす黒いソウルハウス。Moodymann史上一番官能的なアルバムだと思う。音数を絞ったスカスカな作りはシカゴハウスとも共振するが、これはそれよりももっとソウルフルに思える。ジャケットの薔薇、そして「秘密の花園の静寂」が何よりもアルバムを物語っている。デトロイトの最後のミステリー、Moodymannの新たなる一面が発揮された一枚。

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| HOUSE1 | 22:05 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Moodymann - Black Mahogani (Peacefrog:PFG050CD)
Moodymann-Black Mahogani
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Moodymannが変わった?今までの怪しげなサンプリング路線が少なくなって、温かみのある生音メインでの曲が殆どになっている。黒い雰囲気自体は変わってないんだろうけど、その内容がなんだか違う気がする。今までは怒りとか憎しみとかを含んだような音だったけど、今作は心暖まるソウルフルな一枚となっている。ハウスと言うよりジャジーな感じが強くて、喫茶店でかかってても違和感が無い官能的な音楽だ。しかし中盤以降は深く、そして混沌さも増してきて、これぞMoodymannと思える展開も待っています。僕個人的には今までのファンキーなサンプリング路線が好きだけど、これはこれでムーディーで良いと思います。しかし不機嫌な男と言う名前には似つかわしくない音楽ですね(笑)

-追記-
REMIX編集部の春日正信に依ると、「奪われ、打ちひしがれた者たちのための賛美歌」と言う事。Moodymannの抵抗は終わっていないのかもしれません。

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| HOUSE1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |