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Mark Barrott & Pete Gooding - La Torre Ibiza Volumen Tres (Hostal La Torre Recordings:HLTR003)
Mark Barrott & Pete Gooding - La Torre Ibiza Volumen Tres
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いつしか現行バレアリックを提示する作品として定着したシリーズの『La Torre Ibiza』。手掛けているのはバレアリック代表格のInternational FeelのボスであるMark Barrott、そしてイビサのクラブ「Cafe Mambo」でレジデントを担当するPete Goodingの二人。元々はBarrottが「Hostel La Torre」というイビサにあるホテル内のパーティーでBGMを担当していた事が発端となり、その「エッセンスとスピリット」をCD化すべく始まったシリーズ。一般的なイビサのイメージと言えばやはり享楽的で俗世的なダンス・ミュージックのクラブというのが第一だろうが、しかし同じイビサに在住するBarrottはと言えばそういった場所からは距離を置き、緑が生い茂り平穏な大地が続く田舎風景の中でジャンルではなくバレアリックというスタイルの音楽を追求する。そんな音楽はオーガニックとエレクトロニックの邂逅、そしてジャンルと時代を越境しつつクラブ・ミュージックからの視点も失わずに自然な状態を保つチルアウトな感覚が込められている。ただ単にバレアリックの一言で片付けてしまうと間口を狭めてしまうのでもうちょっと明らかにすると、本作でもアンビエントやエクスペリメンタル、シンセ・ポップにフォークやロック、ハウスにディスコやダブまで言葉だけで見れば纏まりは一切無いような幅広い選曲ではあるにもかかわらず、肩の力が抜けた緩く心地好い平静な空気感がバレアリックなのだ。民族的なダブ・パーカッションの効いたアンビエント感もあるハウスの"Alsema Dub"から始まり、生々しい生命の営みが感じられるモダン系エキゾ・ファンク"'A Voce 'E Napule"、ドリーミーで可愛らしい響きのハウストラックな"Ocean City"と、序盤は比較的ダンス要素がしっかりと打ち出されているが、そこからギターの入ったポストロックな"Up With The People"へと続くが牧歌的な穏やかさが雰囲気を自然と紡ぐ。同じ日本人として嬉しい事に中盤にはSatoshi & Makotoのビートレスながらも無重力のフローティング感覚に溢れたアンビエントの"Crepuscule Leger"が差し込まれ、そこからソフトなサイケデリック性のある憂いのロックな"On the Level"へのしんみりした流れは胸が切なくなる。バレアリックを象徴する一曲でBarrottがリミックスをした"Head Over Heels (Sketches From An Island Sunrise Mediation)"は大らかな包容力と清純な快楽感が広がり、そこにコズミックな酩酊感のジャーマン・プログレな"Ambiente"が繋がる瞬間も意識が飛ぶようなトリッピーさにチルアウトする。終盤にはまさかのSwing Out Sisterの曲もと意外な選曲だが、メランコリーを誘う牧歌的なシンセポップの"After Hours"だからこそバレアリックな流れに溶け込み違和感は全く感じる事がない。終始なだらかな清流が流れるような安らぎ、俗世の喧騒から隔離された平穏が続き、ジャンルを越えて心が穏やかになる音楽をそっと提供するその選曲の良さは素晴らしく、バレアリックを先導するだけある審美眼だ。また聞く者にとってはジャンルの垣根を取っ払い、音楽の知識を豊かにしてくれる一枚でもある。



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| ETC4 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mark Barrott & Pete Gooding - La Torre Ibiza Volumen Dos (Hostal La Torre Recordings:HLTR002)
Mark Barrott & Pete Gooding - La Torre Ibiza Volumen Dos
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現行バレアリック最前線、International Feelを束ねるその人こそMark Barrott、そしてPete Goodingと二人でイビサのバレアリックな空気を音像化したのが本作『La Torre Ibiza』シリーズだ。イビサ島にあるホテル「Hostel La Torre」でBGMを担当する前者、同じくイビサにある「Cafe Mambo」でレジデントを担当する後者、そのバレアリック・シーンの中心で活躍する二人だからこそイビサの長閑な雰囲気を伝えるにはこれ以上はないだろう。狂乱にも似たような興奮の坩堝であろうイビサのクラブというイメージはそれは局所的なイメージでしかなく、しかし小さなイビサ島とは言えども平穏で落ち着いた田園地帯もあるわけで、Barrottの示すバレアリックとは正に自然豊かな明るい陽が降り注ぐ開放的なサウンドなのだ。このシリーズは基本的には二人がホテルやカフェでプレイする曲から選曲しているようだが、激しいダンス・ミュージックは皆無でしっとりと肌に寄りそうなラウンジ色が強い。先ずはMusic From Memoryもリイシューを行ったDip In The Poolのクールで洗練されたポップの"On Retinae (East Version)"で開始し、ユニークさもある崩れたビートのディープ・ハウス"Tema Perr Malva"、民族的なソウル・ミュージックと呼ぶべきかアフロな感もある"Diya Gneba"とジャンルとしては全くの統一感無く、しかし平穏な時間帯に浸る事を前提とした選曲。それはバレアリックがジャンルではなく、雰囲気である事を宣言する。 まさかネオアコのThe Duritti Columnの"Otis"まで飛び出すなんて想像だに出来ないが、大空へと響き渡る軽やかなアコギの響きはバレアリックと呼んでも違和感は全くない。中盤のLord Of The Islesの"Expansions"、Tornado Wallaceの"Today"など落ち着いた陶酔感のムードたっぷりな現在形のダンス系もあれば、そしてVangelisによるシネマティックで静かに心に火を灯す"Abraham's Theme"まで情感たっぷりに少しずつ夜の帳が落ちるような雰囲気も。夜とは言っても当然騒ぎ立てるのではなく淑女のような官能が満ち始める闇で、アンビエントで静謐な美しさが光る"Finding"からBarrott自身による新曲である豊かな自然風景も喚起させ開放感溢れる"What About Now ?"まで落ち着いた興奮を呼び起こし、最後は映画「ニキータ」からエキゾチックな響きにニューエイジ風な神聖さも加わった"Learning Time"でうとうとと眠りに落ちていく幕切れ。文章だけでは一見取り留めのない選曲…と思うかもしれないが、これが極上のリラクシング・ミュージックであり、そしてただの部屋をラグジュアリーな雰囲気へと一変させるムード・ミュージックであり、何よりもイビサという街を訪れた事のない人に対してもそこを旅させるような喚起力がある。International Feelを引率するだけあり、非常に説得力のあるコンピレーションだ。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |