Hacienda 30 (Newstate Entertainment:newcd9121)
Hacienda 30
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1982年5月21日、ロンドンなどの先進都市に比べれば到底モダンとは言えない工業都市であるマンチェスターにて、後々語り草となるクラブ"Hacienda"はオープンした。途方もない資金を投資し野暮ったい街には似つかわしくないハイセンスなクラブを造り、エクスタシーが流行ったせいで酒が売れずに常に赤字経営にもかかわらず、クローズするまで妄信的にもHaciendaを走らせ続けた共同運営者の中にはNew OrderのPeter Hookもいた。決して経営的には成功とは言えないこのクラブが、しかし名声を獲得したのはジャンルを超越したオープンマインドな音楽性だった。当方も含め勿論リアルタイムでそれを体験している人はそれ程多くはないだろうが、それでもこのHacienda創立30周年記念のCDを聴けば幾らかは、いや十分に時代の空気を感じ取れる筈だ。本作でミックスを手掛けたのは前述のPeterに、HaciendaのレジデントDJでもあったGraeme ParkとMike Pickeringだ。Graemeは徹底的にハウスに拘りを見せ、ソウルフルで胸が熱くなるトラックから覚醒感のあるアシッディーなトラックを緩いBMPながらも跳ねたグルーヴで繋ぎ、Mikeは毒気付いたブリープ・ハウスから始まり粗悪なシカゴ・ハウスやレイヴィーなテクノまでクラブの混沌とした空間を描き出している。Peterはお世辞にも上手いDJとは言えないが(笑)、お得意のロッキンな曲もふんだんに使用しマッドチェスターな時代を再現している。ここにパッケージされたその多くの曲が、今となってはクラシックと呼ばれる時代を越えて愛される曲であり、Haciendaを狂乱の渦に包み込んでいた曲であったのだろう。決して新鮮味があるでもないし余りにも時代を象徴し過ぎている音はダサくもあるのだが、このごった煮な狂騒が一夜をどんなに素晴らしいものとしていたかは、きっと伝わってくるだろう。

Check "Graeme Park", "Mike Pickering" & "Peter Hook"

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| HOUSE8 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Hacienda : How Not To Run A Club / Peter Hook (著)
The Hacienda : How Not To Run A Club Peter Hook
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The Hacienda、1982〜1997年まで営業を続けていたマンチェスターの元祖スーパークラブ。Factory Recordsが手掛ける作品としてFAC51のカタログナンバーを持つクラブであり、そしてUKにおけるアシッドハウス・ムーヴメントの起点にもなった伝説的なクラブだ。それを運営していたのがFactoryのメンバーでもあるかの有名なTony WilsonやRob Grettonであったのだが、そこにNew Orderのメンバーも共同経営者として参加させられてしまった。本書はNew Orderとして活躍していたPeter Hookの視点から見たThe Haciendaに纏わるストーリーであり、Peter Hookの波乱万丈な人生の回顧録でもある。Hookの記憶によれば真実のみを書いたと言う本書を読むと、The Haciendaの負の側面として認められているエクスタシーをクラブで使用していた人は実際には多くても1割だった言う意外な話や、New Orderが産み出した多くの利益はThe Haciendaと言うブラックホールの殆ど飲み込まれていたと言う冗談にも聞こえた伝聞が、今やっと真実として受け止める事が出来る。そして80年代前半、Paradise Garageの音楽とオーディエンスこそが全てと言う姿勢に影響を受けライブハウスからクラブ営業へとシフトし、80年代後半のアシッド・ハウスとエクスタシーによる大爆発を得るまでの音楽的な変遷を読むだけでも面白いのだが、その裏で常に赤字を垂れ流していたのがThe Haciendaだったのだ。お粗末にも経営的手腕が無いメンバーがしかし音楽に対する深い愛情があったからこそ、その様なクラブが成功(?)を収めた事には悦びと共に虚無感も漂うが、もしNew Orderが売れて利益を出していなかったらThe Haciendaとその後に続くカルチャーも無かったのかもしれないのだ。全てはFactory RecordsのメンバーとNew Orderの音楽への愛情が成せた変革だったのかもしれない。そしてドラッグと結び付いたアシッドハウス・ムーヴメントの過剰な盛り上がりは、負の側面としてドラッグ密売や暴力と言った問題を生み出し、その結果クラブの衰退へと繋がっていくのは何とも皮肉な事だ。クラブでの11周年記念ではDavid Moralesがゲストに呼ばれていたのだが、誰かがMoralesの背中を瓶で殴り彼の背中がぱっくりと切れてしまったそうだ。その時のMoralesの発言が「血を流すほどのギャラはもらってないんだけど」とあり、いかにクラブ内が混沌と危険に満ちてしまったかのかを示唆している。Hookにとっては暗くなるような話もあるが、当時のシーンを皮肉混じり語る筆者の口調に陰鬱さはなく興奮や隆盛が素直に伝わってくる作品だ。
| FOOD,TRAVEL,HOT SPRING,ETC2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/08/12 SONICMANIA @ 幕張メッセ
普段クラブばかり行って大型フェスには行かない自分ですが、今年はPrimal Screamの"Screamadelica"誕生から20周年。その記念の一環としてバンドは"Screamadelica"ライブツアーを行っており、日本にも来る事になったのでこれ目当てにSonicmaniaへと行ってきました。まあ最初に結論を言うとSonicmaniaと言うフェス自体は正直つまらなかったな〜と言う気持ちです。
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| EVENT REPORT3 | 09:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
The Stone Roses - Elephant Stoned (Yo&Ko Super Long Edit) (White:YOKO002)
The Stone Roses - Elephant Stoned (Yo&Ko Super Long Edit)

一時代を築いたグレートブリテンの奇跡、The Stone Rosesの名曲を謎のYo&Koユニットがエディット。ちなみに原曲が収録されているローゼスの1stはJohn Leckieがプロデュースしておりますが、"Elephant Stone"だけは実はNew OrderのPeter Hookが手掛けております。そのせいか彼らの楽曲の中でも、やたらとダンスグルーヴが強調された曲でもあります。このYo&Koエディットでは原曲のエヴァーグリーンなイメージは壊さずに、4つ打ち仕様かつロングエディットしたフロアでミックスし易い様にアレンジされております。終わるかと思っても終わらない何度でも何度でも盛り上がりと高揚が押し寄せてくる展開、キラキラとした輝きが辺りを包むポップなサウンド、これを至福と言わずして何と言う。20年以上も前の曲なのに、現在も尚光り輝く珠玉の名曲です。そして裏面にはインストと言うかダブミックスが収録。ボーカルが無い分だけ、エディットされた状態がより明確になりトラックそのものの良さを感じられるバージョンです。

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| HOUSE6 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hacienda Acid House Classics Compiled And Mixed By Peter Hook (New State Music:NEWCD9054)
Hacienda Acid House Classics Compiled And Mixed By Peter Hook
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New OrderのPeter Hookが選曲&ミックスを行ったクラブハシェンダの夜を蘇らすアシッドハウスコンピレーション。って、この手の企画は今までにも山ほど出てるんだけど、なんか似たようなのが去年にもあった気がする。と思ったら「The Hacienda Manchester,England Acid House Classics Vol.2 Compiled By Peter Hook」(過去レビュー)の事か!!!幸いにも収録曲は被ってないので良かったけど、流石に乱立させ過ぎじゃないでしょうか。でもまあ内容に関してはなかなか良いと言うか、割とクラシカルなアシッドハウスが収録されていて、この手のコンピを持ってない人には十分に楽しめる内容だと思います。基本的にビキビキなアシッドフレーズが炸裂するチープなハウスが中心で、懐メロ大会みたいな感じかな。目玉もちゃんとある。Peter Hookがこの作品の為に作ったのかどうかは知らないが、Manray名義で新曲を2曲提供しているのだ。そして名曲"True Faith"のダブバージョンである"True Dub"なんて言う珍しい曲もある。哀愁漂う"Last Rhythm"もセンチメンタルで泣ける位素晴らしい。狂気と歓喜に溢れたハシェンダの空気が、正にこのコンピレーションに詰まっているはず。

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| HOUSE5 | 09:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Hacienda Manchester,England Acid House Classics Vol.2 Compiled By Peter Hook (DefSTAR Records:DFCP52)
The Hacienda Manchester,England Acid House Classics Vol.2 Compiled By Peter Hook
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マンチェスター、ファクトリー、アシッドハウス、セカンド・サマー・オブ・ラブ、そしてハシエンダ。90年前後、イギリスでロックとダンスが歩み寄りインディーダンスなんてジャンルも生まれ、みんなが夜な夜なEを喰らって踊り狂っていた時代があったそうで。Stone Roses、Happy Mondays、Primal Scream、Charlatans、Inspiral Carpetsなどなど数多くのロックバンドがダンスに接近し、短い時間の中を夢見ていた頃があった。そしてそんな時代を誘発した音楽こそ、狂気のアシッドハウス。TB-303の調子外れの覚醒的なベース音こそが人々を狂わせるには絶好の薬だったのです。とそんな時代の音楽をそんな時代を生き抜いてきたNew OrderのPeter Hookがコンパイルしたのが本作です。流石に時代が時代の音だけに古臭さは否めず、リアルタイムでその時代を体験していない僕には本作を聴いても大した感動も無いのですが、これを聴くだけでもその時のクラブでの一夜はさぞかし楽しく狂えたであろうと予想出来る快楽と享楽に満ちた選曲です。この様な編集盤を聴いていると、テクノやらハウスだとかロックだとかそんな事はどうでも良くて、とにかく快楽的に踊れれば良いと言う本能に忠実な気持ちになれます。ハシエンダでは今ではスーパー有名なDJもプレイしていたりとにかく色んな意味で凄いクラブだったらしいけれど、最終的にはドラッグ関連の殺人事件などが引き金になってクローズしてしまいました。音楽(とドラッグ)の魔力は人をも狂わせたのでした。

しかしよ、この手のアシッドハウスコンピはどれだけリリースされれば気が済むんだ?既にアシッドハウスコンピは、家に10枚位は溜まっている気がする…

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |