Mark Barrott & Pete Gooding - La Torre Ibiza Volumen Dos (Hostal La Torre Recordings:HLTR002)
Mark Barrott & Pete Gooding - La Torre Ibiza Volumen Dos
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現行バレアリック最前線、International Feelを束ねるその人こそMark Barrott、そしてPete Goodingと二人でイビサのバレアリックな空気を音像化したのが本作『La Torre Ibiza』シリーズだ。イビサ島にあるホテル「Hostel La Torre」でBGMを担当する前者、同じくイビサにある「Cafe Mambo」でレジデントを担当する後者、そのバレアリック・シーンの中心で活躍する二人だからこそイビサの長閑な雰囲気を伝えるにはこれ以上はないだろう。狂乱にも似たような興奮の坩堝であろうイビサのクラブというイメージはそれは局所的なイメージでしかなく、しかし小さなイビサ島とは言えども平穏で落ち着いた田園地帯もあるわけで、Barrottの示すバレアリックとは正に自然豊かな明るい陽が降り注ぐ開放的なサウンドなのだ。このシリーズは基本的には二人がホテルやカフェでプレイする曲から選曲しているようだが、激しいダンス・ミュージックは皆無でしっとりと肌に寄りそうなラウンジ色が強い。先ずはMusic From Memoryもリイシューを行ったDip In The Poolのクールで洗練されたポップの"On Retinae (East Version)"で開始し、ユニークさもある崩れたビートのディープ・ハウス"Tema Perr Malva"、民族的なソウル・ミュージックと呼ぶべきかアフロな感もある"Diya Gneba"とジャンルとしては全くの統一感無く、しかし平穏な時間帯に浸る事を前提とした選曲。それはバレアリックがジャンルではなく、雰囲気である事を宣言する。 まさかネオアコのThe Duritti Columnの"Otis"まで飛び出すなんて想像だに出来ないが、大空へと響き渡る軽やかなアコギの響きはバレアリックと呼んでも違和感は全くない。中盤のLord Of The Islesの"Expansions"、Tornado Wallaceの"Today"など落ち着いた陶酔感のムードたっぷりな現在形のダンス系もあれば、そしてVangelisによるシネマティックで静かに心に火を灯す"Abraham's Theme"まで情感たっぷりに少しずつ夜の帳が落ちるような雰囲気も。夜とは言っても当然騒ぎ立てるのではなく淑女のような官能が満ち始める闇で、アンビエントで静謐な美しさが光る"Finding"からBarrott自身による新曲である豊かな自然風景も喚起させ開放感溢れる"What About Now ?"まで落ち着いた興奮を呼び起こし、最後は映画「ニキータ」からエキゾチックな響きにニューエイジ風な神聖さも加わった"Learning Time"でうとうとと眠りに落ちていく幕切れ。文章だけでは一見取り留めのない選曲…と思うかもしれないが、これが極上のリラクシング・ミュージックであり、そしてただの部屋をラグジュアリーな雰囲気へと一変させるムード・ミュージックであり、何よりもイビサという街を訪れた事のない人に対してもそこを旅させるような喚起力がある。International Feelを引率するだけあり、非常に説得力のあるコンピレーションだ。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pitto - Objects In A Mirror Are Closer Then They Appear (Green:GR104CD)
Pitto - Objects In A Mirror Are Closer Then They Appear
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2009年にJoris Voorn主宰のRejected Musicよりリリースした"Feelin'"がクラブヒットとなったGeurt KersjesことPitto。そこから暫く沈黙を続けておりましたが、今度は同じくJoris Voorn主宰のGreenへとレーベルを移して初のアルバムを完成させました。"Feelin'"と言えば当時は多くのDJがクラブのピークタイムで使用していた程に注目を集めていて、キャッチーなフィルダー・ディスコには自分の耳も虜になっていたものでした。その流れでアルバムもイケイケなダンスミュージックで来るだろうと予測していたのですが…、出てきた音は予想の斜め上を行く全編歌物エレクトロニックハウスで正直困惑しております。DJユースでフロア向けのRejected Musicに対し豊かで洗練された音楽性を伴うGrennとして考えるならば、確かにレーベルの方向性からはそれ程ずれてはいないものの、あれだけイケイケだった人がこんなにも内向的なアルバムをリリースするのはどうなのでしょう。湿り気のあるアンニュイな女性ボーカルや人肌のように温もりのあるまったりとしたハウストラックは、夕暮れから夜の帳が下りるまでの時間帯に酒を飲みながら聴くのに適していて、まあ間違ってもフロアで馬鹿騒ぎして聴きたいと思う曲は皆無です。期待していた分だけに期待外れっぷりが凄い…。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |