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Chmmr - Auto Remixes Pt.1 (Full Pupp:FPLP 013 RMX 1)
Chmmr - Auto Remixes Pt.1
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ノルウェーのニューディスコ旋風の一派であるPrins ThomasとStevie Koteyが主宰するFull Puppは、本人の作品からこれから注目になるであろう若手までの楽天的なニューディスコを軸に紹介するレーベルで、このレーベルからの作品であれば少なからず太鼓判が押されたようなものだ。そのレーベルでアルバムもリリースするなど躍進を果たしているのが同じくノルウェーからEven BrendenことChmmrで、2014年から同レーベルからEPをリリースし出してからはここを拠点に活動し2017年の初のアルバム『Auto』へと繋がっているが、本作はそのアルバムからのリミックス作品となる。手掛けているのは同様にこのレーベル初期に作品をリリースしていたTelephones、そしてDJ DogことFett BurgerとDouble Dancerのコンビで、両者とも原曲を軽く凌駕しながら新たなる個性を植え付ける素晴らしいリミックスを披露している。爽快な多幸感を含むバレアリックな音楽性を得意とするTelephonesは正に期待に応えたリミックスを提供しており、"Pretty Space (Telephones' Energized Mix)"は原曲のイメージを大きくいじってはいないもののそれよりもドライブ感のあるビートで力強くリズムを刻み、清流のような透明感のあるシンセの音色も加えて源泉から豊かな色彩を持った音が溢れ出すようなトロピカルなハウスを展開。対照的に"Pretty Space (Telephone's Gren Fatarik Oo-mox Dub)"はそのダブというタイトル通りで豊かなメロディーの展開を抜き去りリズム中心のトラックにした事で、荒々しいハイハットや太いキックと奇妙な効果音が前面に出て、ツール性を高めて持続感を持ったファンキーな曲に生まれ変わっている。奇抜さと言う点ではFett BurgerとDouble Dancerのリミックスが勝っており、いきなり酔ってふらついてたようなトランペットのメロディーから始まる"WALL-Y (DJ Dog & Double Dancer's Spit Daddy's Jazz Lounge Mix)"はしかしスペーシーなシンセで流麗が入ってきて、そして力強い4つ打ちのキックがドシドシと地面を揺らすように刻みキレのあるパッカーションが弾け、宇宙の中を駆け巡るようなスペーシーな多幸感に満たされる。トリッキーなボイスサンプルや効果音的な電子音も各所に織り交ぜて絶妙なトリップ感を含ませながらも、基本的には爽快なダンス・トラックとしてフロアで映える作品だ。そして"WALL-Y (DJ Dog & Doubler Dancer's Spit Daddy's Hock-A-Loogie Mix)"はスペーシーな上モノが取り除かれたダブ・バージョン的な意味合いか、骨太なグルーヴ感やロウな響きのパーカッションによって逞しさが強調されており、展開の少なさもあってツール的な作風になっている。4曲どのリミックスも文句無しに素晴らしいのだが、但しFett Burgerはアナログ信仰らしく彼のリミックスはデジタルには収録されていないので、聞くにはアナログ盤を買うしかない。



Check Chmmr
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - 5 (Prins Thomas Musikk:PTM 001 CD)
Prins Thomas - 5
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ニューディスコの隆盛の中で特に影響力の大きいノルウェーから一派であるPrins Thomasは、その中でも多くのEPやアルバムを送り出しMIXCDも手掛けるなど、アーティストとしてもDJとしてもこのムーブメントを引率する一人だ。アンビエントへと向かった傑作の『Principe Del Norte』(過去レビュー)から早1年半、早くもリリースされたニューアルバムは原点であるニューディスコへと回帰しているが、それは単にルーツへ戻るだけでなくそこにはクラウトロックやテクノにエクスペリメンタルやアンビエントにアシッドなどが存在しており、ニューディスコを軸にその深みを醸したような円熟味のあるアルバムになった。"Here Comes The Band"の正にバンド的な生音が主張する生き生きとしたディスコ・サウンドから始まり、ブリブリとしたベースラインが躍動感を生みコズミックな上モノが広がるバレアリック系の"Villajoyosa"、眠気を誘うような朧気な電子音が揺らめくアンビエント寄りの"Bronchi Beat"と、アルバムの冒頭からニューディスコを軸に多方面への拡張を行っている。アルバムの多様性を特に示すのが"Æ"で、何かをとち狂ったかのようなネトネトした粘性の高く暗くミニマルなアシッドは普段のThomasからは予想も出来ない作品だが、決してそれがアルバムに組み入れられた事で雑然とした雰囲気にはなっていない。また最もドラマティックに盛り上がり多幸感に包まれる"Lunga Strada"は、様々な打楽器が鳴るパーカッシブなイントロから輝かしいシンセが伸びながら徐々にギターも入ってくるコズミック・ディスコで、艷やかな光沢感は眩しくもある。ニューディスコらしく心地好い陶酔感のあるアルバム、しかし瞬発力やアッパーな曲調は後退し寧ろ全体のムードとしては地味でさえある程に落ち着きある内容だが、だからこそ逆にしっかりと噛み締めて味わいたくなる良く練られた作品だ。



Check Prins Thomas
| HOUSE13 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lindstrom - It's Alright Between Us As It (Smalltown Supersound:STS320CD)
Lindstrom - Its Alright Between Us As It
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コズミック・ディスコの一大拠点である北欧はノルウェーにはこの手の音楽では外せない才人を擁しているが、Hans-Peter LindstromことLindstromもその内の一人だ。Prins Thomasとのコンビで話題をさらった彼も近年はソロでの活動が中心だが、ギターやベースにドラムも弾けるマルチプレイヤーとしての力量を発揮して、過去以上にニュー・ディスコやディープ・ハウスのみならずジャーマン・プログレやジャズの要素も咀嚼して、姿を変えるように奇天烈な音楽性を開花させている。特に5年前の『Six Cups Of Rebel』(過去レビュー)では派手派手しい響きやクラウト・ロック的なダイナミズムを取り入れた大作志向となっていたが、本作では再度フロア寄りに回帰しミュンヘン・ディスコやイタロ・ハウスにシンセポップ等のメジャー感が前面に出たダンス・トラックを手掛けている。ショーの幕開けのようなゴージャスで光沢感ある短いイントロの"It's Alright Between Us As It Is"で始まると、続く"Spire"ではディスコティックなドラムから徐々にけばけばしい程の輝きを放つシンセが導入されるシンセポップかエレクトロニック・ディスコか、しかしその艷やかで豊かな音色とスムースで美しい旋律に自然と高揚感を増していく。先行シングルである"Tensions"はLindstromらしいニュー・ディスコであり、シンセのアルペジオや陶酔感ある上モノと軽快に疾走するリズムで心身湧き立つダンス・トラックだが、そこにポップなムードや浮揚感もあって実に清々しい。本作ではボーカル物も用意されており、シンセベースが快楽的な上に色っぽい妖艶な女性ボーカルも起用してイタロ的に仕上げた"Sorry"、ややニューヨーク・ハウスらしくもある歌とエレクトロニック・ディスコを基調にした"Shinin"と、光沢感あるシンセをがっつり使用して派手な装飾を行いながらも歌による効果で情熱的だったりムーディーだったりと変化も見せる。アルバムの中では異色のバレアリック感の強い"Drift"は、ギターやシンセの残響を活かしながら屋外の開放感を感じさせる広がりのあるニュー・ディスコで、長閑な田園地帯をドライブするような雰囲気もあってアルバムの展開の中で落ち着く瞬間となる。そこから色気で誘うミステリアスなボーカルが乗っかった風変わりなディスコ変異体とも言える"Bungl (Like A Ghost)"を通過して、ラストの"Under Trees"は正にラストに相応しい極上の桃源郷が広がっている。透明感を生む神秘的なピアノのコードやメロディーが展開しながら、晴々しい方向に振り切れるかと思いきや混沌の中で情熱が燻り続けるような流れが続き、最後はそのまま淡い余韻を残して消えていく。ダンス・トラックと前衛の融和を見せる不思議な感覚がありながら、最後を締め括るには相応しい感動的な一曲だ。最初にこのアルバムがダンス・アルバムである事は書いたが、しかしそれだけではなくそこに演奏家らしい表現力や多彩な要素を盛り込む事で独自の奇異性も獲得している。やはり北欧のニュー・ディスコ勢の面白さは、こういった奇抜さも一因にあるのだろう。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Michael Mayer - DJ-KiCKS (Studio !K7:K7348CD)
Michael Mayer - DJ-KiCKS
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クラブに行かなくても、そしてCDすら買わなくても、最早オンラインでパーティーでのプレイを録音したDJMIXが無料で聞けてしまう時代に、敢えてお金を取ってMIXCDを販売する意味を見つけるのは難しい(勿論音が良いとか、良く練られているとかはあるだろうが)。だからこそ逆説的にクラブの雰囲気ではなくパーソナルな感情を綴ったようなDJMIXとして成功したのが、このStudio !K7が送る『DJ-KiCKS』シリーズだ。1995年に開始して20年以上60作を超えるこのシリーズは、浮き沈みの激しいダンス・ミュージックの業界に於いては最早ど定番と呼んでも差し支えないが、その一方でクラブのハイエナジーな雰囲気を再現しただけのMIXCDとも異なる点で独自性を確立させていた。本作はKompaktの主宰者の一人であるMichael Mayerによるもので、普段はテック・ハウスを軸にミニマルなグルーヴ感でポップやニューウェーブの雰囲気を含むプレイをする記憶があるが、ここでは本人も「できるだけパーソナルな内容にしたかった」と述べている通り一般的な真夜中のダンス・パーティーで聞けるプレイよりもリラックスした緩やかさと程良い甘さがあり、そして丁寧に各曲の魅力を伝える事に専念するかのように1曲を長くプレイしている。幕開けはアバンギャルドなトロンボーン楽曲の"The Tape Is Chill"で夢現の朧気な雰囲気で、そこに自身の新曲であるパーカッシブなハウスの"The Horn Conspiracy"を繋げてビートが動き出す。ギラついて毒っ気もあるニューディスコ調の"The Darkness (I:Cube Remix)"からジャーマン・プログレのダンス版みたいな"Feuerland"の流れは、Kompaktらしいユーモアとポップさもあるのはやはり頭領だけの事はあるか。中盤でのロックでニューウェーブ調の"Gary"で俗世的に攻めつつ、"Apart (Michael Mayer Remix)"や"Please Stay (Royksopp Remix)"等のメランコリーな歌物やポップなニューディスコによってしっとり感情が温まる後半の流れは盛り上がりどころで、そして"Hot On The Heels Of Love (Ratcliffe Remix)"によるエクスペリメンタルながらも叙情性ふんだんなダンス・トラックで多幸感はピークに達する。そしてビートが消失して落ち着きを取り戻す牧歌的な"Landscapes"から、再度力強くリズムを刻み出して感情を昂ぶらせる"Abandon Window (Moderat Remix)"でドラマティックなフィナーレを迎える。やや陰鬱さや内向的な要素もありながら、しかしポップでメランコリーに振れる展開もあり、普段のミニマル寄りのプレイと違っても確かにここにはうっとりと酔いしれてしまうような魅力があり、『DJ-KiCKS』として存在意義も感じられる好内容。夜の
ベッドルームでじっくり耳を傾けて聞くのにぴったりだ。



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| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Carmen Villain - Planetarium (Smalltown Supersound:STS31612)
Carmen Villain - Planetarium
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多くの人気アーティストも作品を提供しているノルウェーはオスロのSmalltown Supersound新作は、Carmen Villainなる女性アーティストによるもの。耳にした事のないアーティストだったので調べてみると、元スーパーモデルであり音楽にはまって現在はシンガー・ソングライターとして活動しているそうで、2013年頃からSmalltown Supersoundを拠点にリリースを始めている。音楽性はロックからフォークにエレクトロニカまで及んでいるようだが、EPではBjorn TorskeやPrins Thomasらもリミックスを提供しており、ニューディスコ系のダンス・ミュージックにも興味があるのだろう。新作で注目すべきは近年再評価著しい電子音楽作家のGigi Masinが2曲もリミックスを提供している事で、Masinのファンであれば見逃しは厳禁だ。"Planetarium"は音数の少ない静けさを強調するピアノや電子音を軸に、ウイスパーボイス風な歌も用いて静謐な佇まい際立たせるアンビエント/エレクトロニカ色の強い曲で、闇夜に瞬く星のような静まり返った美しさを持っている。このオリジナルからしてMasinの音楽性との親和性は十分にあるのだが、やはりと言うかMasinのリミックスはそれがMasinの曲にさえ感じられるに新たに装飾されている。ピアノはそのまま用いつつ朧気で儚い電子音も加えた事で何処か冷えた世界観の中にもアンビエントなムードを落とし込んだ"Gigi Masin Remix"、世の中の喧騒から距離を置いた寂静で無垢な曲は侘びしくもある。一方"Gigi Masin Alternate Mix"は彼の電子音響の方面が打ち出ており、ピアノの音色は消え去り繊細な電子音にボーカルが静かに浮かび上がるリミックスは、しかし途中から硬質で締まりのあるハイハットのビートやシンセのシーケンスによって動きを増し、壮大なバレアリック・ミュージックとして生まれ変わっている。今年来日した際にはアコースティック・セットだけではなくテクノ・セットのライブも披露していたが、これは間違いなくその後者に属する曲だ。そして最後にもう1曲、Villain によるインストメンタルの"Safe"も水滴が滴り落ちるようなピアノの旋律と透明感のある電子音が揺らぎ、胸を締め付ける程の感傷を誘うアンビエント風な曲で物悲しい余韻に引きずられる。Villainのオリジナルの楽曲にも魅了されたが、VillainとMasinの音楽的な相性は思いの外良く相乗効果として働いており、リミックスも期待異常の出来だ。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Principe Del Norte Remixed (Smalltown Supersound:STS294CD)
Prins Thomas - Principe Del Norte Remixed
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コズミック系やニュー・ディスコと呼ばれる音楽では特に人気を博すPrins Thomasが、そこからアンビエントへと向かった大作『Principe Del Norte』(過去レビュー)はクラウト・ロックやテクノも取り込み、意外性だけでなく音楽的な豊かさを見せつけた傑作だ。コズミックな要素のあるニュー・ディスコにアンビエントの夢想やクラウト・ロックのサイケを合成し、ダンス・フロアだけに囚われない表現の拡張を行い、アーティストとして更に高みに達する事に成功した。そしてその延長上に待っていたのは世界各地から実力はアーティストを招いたリミックス集で、アンビエントマスターのThe Orbやミニマル・ハウスの重鎮であるRicardo Villalobos、フレンチ・ハウスからはI:CubeにRunning Back主宰のGerd Janson等がそれぞれの作風を活かしつつオリジナルを尊重したり、又は個性的に染め上げたりして自由なアルバムになっている。オリジナル盤を活かしたと言う意味ではやはりThe Orbによる"H (The Orb Orbient Mix)"がまっとうで、無重力空間を演出する電子音が浮遊してノンビートながらも心地良いうねりのグルーヴを生んでいくアンビエント・ダブは、音楽的な相性の良さもあり期待通りのリミックスだ。ユニークなリミックスを披露しているのはサイケ・プロジェクトであるSun Arawによる"B (Sun Araw Saddle Soap Remix)"で、多幸感あるギターサウンド等ニュー・ディスコの面影は残しつつも、何処かコミカルな電子音がふざけたようなユーモアとなっており、気の抜けた牧歌的サイケを展開する。原曲は13分もあった大作の"C"だが、メランコリーで湿り気を帯びたディスコ・ハウスへと変化させた"C (I:Cube Remix)"、オリジナルのバレアリック感に優しくアシッドベースを加えて多幸感を増長させた"C (Young Marco Remix)"、そして完全に贅肉を削ぎ落として自身のスカスカなツール性重視のミニマルへと仕立てあげた"C (Ricardo Villalobos King Crab Remix)"と、三者三様のリミックスは比較しても面白いだろう。勿論それらのみならずThomas自身による未発表曲も秀逸で、多幸感に満ち溢れた緩過ぎるアンビエントから弛緩しながらも眩い輝きを放つニュー・ディスコまで披露し、『Principe Del Norte』の世界観がここに継承されている事は明白だ。リミックス集としての面白みは当然だが、Thomasによるアンビエントへの傾倒が一時的なものではない事に期待が膨らんでしまう。



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| HOUSE12 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Keita Sano - Keita Sano (Rett I Fletta:RIF 010 CD)
Keita Sano - Keita Sano
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2016年は大躍進を果たしたKeita Sano、瀧見憲司に見初められClue-L Recordsからアルバム『The Sun Child』(過去レビュー)をリリースするやいなや、今度はPrins Thomas主宰のRett I Flettaから更にアルバムである本作をリリースと、他にも同年に7枚のEPをリリースしている事を考えると異常な程のハイペースな量産体制に驚かずにはいられない。その活発な制作活動と共にテクノからニュー・ディスコにロウ・ハウスやブレイク・ビーツと的を絞らせない振り幅の大きな音楽性が彼の特性で、型破りにも思えるエネルギッシュな活動がOppa-laで彼のライブを見たPrins Thomasを刺激し、その結果として本アルバムのリリースに至ったのは実力主義が認められた証拠だ。そんな本作を本人は「テクノ、ハウス、ディスコを解釈したアルバム」と述べているが、正にその通りで当初からのごった煮なサウンドを彼らしいやんちゃなムードで染めており、Crue-LからリリースしたアルバムよりもSanoの初期の個性がより際立っている。ロウな4つ打ちとスネアがロールする光が溢れてくるディスコティックな"Full Of Love"から始まり、金属がひしゃげるような音が特徴のロウ・ハウスの"Leave The Floor"ではアシッド・ベースがうねり奇妙なトリップ感を生み出している。毒々しいトランス作用のあるアシッドから始まる"Honey"では、途中から祝祭感のある電子音やディスコなベースも走り出し、じわじわと多幸感を増していくアシッド・フィルター・ディスコでフロアでの作用も抜群に違いない。"Vood"は一風変わった曲で序盤はビートレスな中で鈍い金属音が持続し、途端に重厚なキックが入ると冷気を帯びたテクノへと変化するツール性の高い内容で、しかしこのトリッキーさもSanoの音楽性そのものだ。アルバムの中で最もパーカッシヴな"Sucker Pt. 2"は何か原始的な胎動も伝わってくるが、射し込んでくるキラキラした光のようなシンセがディスコ色に染める爽快な曲だ。僅か7曲のアルバムとは言えここにはSanoの音楽性が存分に展開されており、荒々しくもその初期衝動的なエネルギーや骨太さが、愉快痛快で気持良い位だ。



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| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/1/21 Guidance 〜導き導かれる人生〜 12th Anniversary Day 2 @ Unice
都内各地のクラブをジプシーのように渡り歩き、そしてベテラン〜若手までの充実した国内勢から国外のニュージェネレーションまで招致し、デコレーションやVJにフード等細かい所にまで力を入れ、音楽だけでなくトータルとしてパーティーの魅力を体験させる『Guidance 〜導き導かれる人生〜』。クラブという業界が賑わっていた10年前ならいざ知らず、それからも尚継続的にここまでパーティーを続けるのは楽な事ではないが、音楽やパーティーへの愛こそが原動力となり遂に今年で12周年を迎える。今回のゲストはカナダよりMulti Cultiを主宰するThomas Von Partyが初来日となるが、当方も彼については知識を持ち合わせていないものの普通のテクノ〜ハウスとは異なる国境を越えた感覚があるそうだ。そんな特異なDJに対して日本から迎え撃つならばやはり瀧見憲司、そして他にもCHIDAやy.を迎えてアニバーサリーらしい充実した布陣で夜が待ち受けている。
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| EVENT REPORT6 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Michael Mayer - & (!K7 Records:K7337CD)
Michael Mayer - &
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熱狂的な一夜を作り上げる一流のDJが、素晴らしい音楽センスを持ったレーベルオーナーが、必ずしも音楽制作に於いて同様の才能を発揮するとは限らない。淡々とレーベル運営に専念するアーティストもいれば、制作はせずにプレイのみで自己を主張するDJもいるが、Michael Mayerは日々DJを行いながらKompaktという巨大なレーベルの運営と制作を並行して行っている。レーベルを成長させた音楽に対する審美眼や非凡なるDJの才能については言うまでもないが、一方それらに対し楽曲を制作する事に於いては決して突出した個性を表現出来ているわけではない。新作はタイトルの『&』が示すようにMayerと親しい友人とのコラボレーションを纏めたアルバムになっているが、一人では出来ない事を多数のアーティストの協力を得て補完する事で、充実した音楽性を持った作品として成り立たせている。Gui Borattoとのコラボである"State Of The Nation"は正に彼の音が主張するシューゲイザー&プログレッシヴが打ち出された高揚感のあるテクノとなっており、アルバムの中でも特に喜びや多幸感に包まれる曲だ。一方でMiss Kittinをフィーチャーした"Voyage Interieur"は彼女のダークかつゴシックな雰囲気にエレクトロなベースラインを用いた個性ある曲で、その暗さの中にも妖艶なボーカルがそっと色気を発している。"Blackbird Has Spoken"ではフランスからAgoriaを迎え、透明感のあるシンセを用いたメロディアスで叙情的なテック・ハウスを聞かせ、その中にもちょっとした遊び心や毒気のある電子音を混ぜて強い印象を残すようだ。アルバムの最後はKompakt組であるAndrew Thomasとの共作である"Cicadelia"で、キラキラとした煌きを放つ電子音が散りばめられたアンビエントな雰囲気もあるテクノは、当然Thomasの音楽性が反映されている。他にもVoigt & VoigtやKolschのkompakt勢や、Roman FlugelやBarntにPrins Thomasといった才能豊かなアーティストが集結しており、それぞれの曲で彼等が得意とニュー・ディスコやディープ・ハウスにポップなものまで幅広く音楽性を披露している。そのおかげでバラエティー豊かなアルバムであるのは言うまでもないが、逆にアーティストとしてのオリジナル・アルバム的な意義は希薄となり、Mayer自身の個性を発揮するまでには至っていない。それでもMayerが監修したような見方をすれば、そのチョイスに間違いはないだろう。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gerd Janson - Fabric 89 (Fabric:fabric 177)
Gerd Janson - Fabric 89
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今年9月に薬物により若者二人が亡くなった事が原因で閉鎖へと追い込まれたUKは名門Fabric(その後、再開が決定している)は、暗雲立ち込めるクラブの状況とは異なりレーベルとしては安定した軌跡を辿っている。名のあるベテランからこれからをリードする若手までMIXCDシリーズのFabric/Fabric Liveに起用し、数多くの名作と呼んで間違いの無い作品を残してきた。さて、そのFabricシリーズの89作目は今をときめくRunning Backを主宰するGerd Jansonが担当しているが、Running Back自体がニューディスコからディープ・ハウスにテック・ハウスまで手掛ける掴み所のないレーベルだけに、このMIXCDもそんなレーベル主として音楽性を主張するように実に手広くジャンルを纏めあげている。いきなりトリッピーな電子音に惑わされる"Snooze 4 Love (Luke Abbott Remix)"で始まり、"Voices (Fabric Edit)"や" Love Yeah"等の控え目に美しさを放つ平坦なハウスを通過し、じわじわと引っ張りまくる危うい雰囲気のアシッド・ハウスの"Severed Seven"から一転して"Apex"では光に満たされるコズミック・ディスコへと展開し、激しいプレイではないもののじっくりと山あり谷ありの流れだ。中盤の耽美なエレピのメロディーが反復するメロウなディープ・ハウスの"Mess Of Afros (Glenn Underground Remix)"、そこに繋がる情熱的なピアノのコードが炸裂するデトロイト・ハウス的な"MoTP"の流れは、本作の中でも特に熱量が上がる瞬間だろう。そこからも弾ける高揚感のアシッド・ハウスやダーティーながらも黒さ滲むディープ・ハウス、そしてコンガやハイハットのアフロなリズムだけで繋ぐ"Rhythm"を通過し、終盤は落ち着きを取り戻すようにScott Groovesによる穏やかでメロウなディープ・ハウスの"Finished"から摩訶不思議な電子音が飛び交うコズミック・ディスコの"Sun (Prins Thomas Diskomiks)"でドラマティックに締め括られる。確かに色々と詰め込み過ぎているようにも感じるかもしれないが、比較的近年にリリースされた曲を用いた事による時代性があり、そして短い時間でパーティーの一夜を再現したような展開の大きさは、十分に濃縮される事でJansonの音楽性が表現されたのではないだろうか。



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| HOUSE12 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/4/30 GET BETTER ANDREW !!!!! @ Womb
久しぶりの来日という事で楽しみにしていたAndrew Weatherallが、パーティー直前になり体調不良でキャンセルというショッキングな状態。そこで急遽組まれたパーティーは国内勢のアーティストのみという潔さが伝わってくる内容で、元々出演予定であったGonnoに加え、国内外で活躍し最近Transmatから新作をリリースしたHiroshi Watanabe、エレクトロニカ系の牛尾憲輔ことagraph、そしてWombでもレジデントを担当する石野卓球が参戦と一夜を楽しむには十分な面子が集結した。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I'm Starting to Feel Okay Vol.7 (Mule Musiq:MULE MUSIQ CD 53)
Im Starting to Feel Okay Vol.7
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恐らくダンス・ミュージックで括られるレーベルの中でも、Mule Musiq程に幅広く才能あるタレントを抱えたレーベルを他に列挙するのは難しいだろう。例えばこのレーベルに所属するアーティストだけでパーティーを行ったとしても、それはフェスティバルとして成立してもおかしくはなく、間違いないのない審美眼と継続してリリース出来る運営力を兼ね備えた日本が誇るべきレーベルだ。そのように多くのタレントを抱えているからこそ、多様な個性を一つに集約するコンピレーションの体裁はMule Musiqに適しているのだろうか、近年は2年おきにショーケース的なコンピレーションをリリースしている。本作はその第7弾でここ2年間にリリースされた既発の曲や、また本作の為に制作されたであろう新作までが纏められており、例えレーベルに興味が無くとも参加したアーティストの豪華さに惹き付けられてもおかしくはない。レーベルに初参加となるLord Of The IslesやFrankey & SandrinoにKim Brown、または蜜月の関係を築いているEddie CやOskar OffermannにFred P、そして日本からはお馴染みのKuniyuki TakahashiにSauce81、その他に多くのアーティストが収録されているのだが、その幅の広さと各々の素質の高さが際立つ人選に頭を垂れる思いになる。Eddie Cによるサンプリングをベースとした生っぽいニューディスコの"Flying Blue"、Rubiniによるエレクトロニックな質感を活かしたディープ・ハウスの"Still Clock"、Kuniyukiがニューウェーブからの影響を受けて退廃的な雰囲気を打ち出した"Newwave Project #11"など、それぞれの個性は自然と表現されながらそのどれもがフロアに即したダンス・ミュージックである事を外れない。また、Bell Towersによる柔らかな音色とゆったりとしたグルーヴで広がるディープ・ハウスの"Midday Theme"、Fred Pによるエモーショナルなパッド使いが素晴らしいテック・ハウスの"Days In Time"辺りを聴くと、Mule Musiqが決して真夜中の享楽的なクラブで踊る事を目的とした音楽だけではなく、リスニングとしても耐えうる普遍性も目指している事が感じられる。意外なところでは奇抜なエレクトロニカを奏でるGold Pandaが変名のDJ Jenifaで"Dresscode"を提供し、Gold Pandaとは異なりシカゴ・ハウス風の乾いたビートで不良的なハウスを披露してたり、またAril Brikha & Sebastian Mullaertが"Illuminate"で彼等の個性を発揮したトランス感の強いミニマルなトラックを提供していたり、レーベルに控え目程度ではあるが新風を吹き込んでいる。既に大御所レーベルとしての存在感がこれだけのアーティストを集約出来るのだろうが、それでも尚レーベルの質の高さが全く失われないのは、やはりレーベルを主宰するToshiya Kawasakiによるセンスの賜物に違いない。



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| HOUSE11 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Principe Del Norte (Smalltown Supersound:STS269CD)
Prins Thomas - Principe Del Norte
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ノルウェーはOsloからのニュー・ディスコ旋風を盛り上げた一人でもあるPrins Thomasの新作は、何と KLFやThe OrbにThe Black Dogなどから影響を受けたというアンビエント寄りの作品だと聴いた時に、衝撃を受けた者は少なくないだろう。当然筆者も何故に彼がアンビエントと言う思いはあったが、しかしパワフルな弾け具合と大仰な煌きを纏った彼のDJプレイとは対照的に、彼が制作していた音源はスペーシーな浮揚感を伴うクラウト・ロックの要素を盛り込んだものもあったわけで、その行き着く先としてテクノ化したものを想像するならアンビエント・テクノであったとしても間違いではないだろう。アルバムは2枚組でどの曲も10分前後の大作志向であるが、特にアンビエント寄りなのはCD1だ。レトロなシンセのアルペジオで始まる"A1"は、徐々に光沢を含むシンセに飲み込まれ、表層的なビートは無いもののダイナミックをうねりを見せるような爽やかなアンビエントを展開する。シームレスに続く"A2"では序盤に動きが落ち着きながらも、再度瞑想へと誘うようなどんよりとしたシンセのフレーズに透明感のあるパッドが覆い被さり、90年代アンビエントの指標の一つでもあるGlobal Communicationのイマジネーション溢れるアンビエントを思わせる点も。陰鬱でサイケデリックなギターを導入し、そこから混沌としたシンセが胎動する”B”は奇妙な電子音の鳴りをユーモアと多幸感に費やした70年代のジャーマン・プログレの延長だろう。そして最も幻覚性を放つアンビエントの極みはCD1のラストに待ち受ける"D"で、環境音らしきノイズの中からコズミックな電子音や官能的なシンセが浮かび上がり、電子の仮想空間に意識が溶け込むようなトリップ感を誘発する。対してCD2は普段のThomasの作風の延長線上であり、ざっくりと生っぽいドラムによる緩やかなビートにコズミックなシンセが反復するコズミック・ディスコの"E"、光り輝く星が降り注ぐようなドラマティックで多幸感いっぱいの躍動するニュー・ディスコの"Gなど、端的に言えばフロアで浴びれば祝祭感に繋がるであろうダンス・トラックが中心だ。それはそれで十分に魅力的なのだが、やはりThomasの新たな才能が萌芽したCD1の瞑想じみて心地良い夢想に浸れるアンビエントは、合法的な安眠剤として効果抜群なのである。



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| TECHNO12 | 19:30 | comments(1) | trackbacks(1) | |
Magnus International - Echo To Echo (Full Pupp:FPCD012)
Magnus International - Echo To Echo
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Prins Thomasが主宰するFull Puppはノルウェーのニューディスコを手掛ける著名なレーベルの一つで、本人の作品のみならず輝きを放つ前の原石とも呼べるアーティストまで発掘し、今も尚活発な活動を続けている。本作はそんなレーベルの初期から散発的に作品をリリースしているMagnus InternationalことMagnus Sheehanによる初のアルバムで、彼がレーベルから初めてEPをリリースしたのが2006年なのだから、当初からファンだった人にとっては随分待たされたに違いない。当方はこのアルバムでSheehanの存在を知ったので特に待った訳ではないのだが、しかし初めて耳にするだけでも耳を惹き付けたのだから、その才能は推して知るべしだろう。何でも本作の制作中には古いテクノやハウスを聴いており、そんなダンス・ミュージックのフィーリングをアルバムに取り込みたかったそうで、特にデトロイト・テクノやLFOにAphex Twin等のWarp Recordsの音にも影響を受けたそうだ。そんな背景もあってか如何にもFull Puppらしいディスコ・フィーリングは弱いものの、レーベルの光沢あるキラキラした音も伴いつつモダンなテクノ〜ハウス路線のブレンドは、ニューディスコのファン以外にも訴求出来るような音楽になっている。ミッドテンポで長閑なグルーヴから切れのあるファンキーなベースが躍動し、そこから煌めくゴージャスなシンセが浮かび上がってくるオープニングの"Big Red"から、既に爽快かつ開放感のあるハウスで空へとゆったりと羽ばたくようだ。滑らかなパッドのコードの上を舞い踊るように流麗なシンセが奏でられる"Energi"、か弱くふんわりとしたストリングスをバックに奇妙なボコーダーや煌めくシンセのフレーズが彩る"Rise Above"など、緩くはあるが地に足の付いた安定感のあるディスコ系ハウスなど、やはりその緊張とは無縁な世界観はFull Puppらしくもある。奇妙なシンセを効果音として用いつつブリブリしたベースが地を這う"Metroid Boogie"は正にコズミックなニューディスコの典型だが、シャッフル調に弾けるゴージャスなメロディーや快活なリズム感が程良い高揚感を生む"A Man Called Anthony"はTodd Terjeらしい茶目っ気が感じられる。豊かな色彩を感じさせるメロディーや音色、それは決してケバいものではなく上品な華麗ささえも感じられ、一聴して耳を離さないメロディアスな作風は本作の特徴だろう。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Paradise Goulash (Eskimo Recordings:541416507275)
Prins Thomas - Paradise Goulash
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ノルウェーのニューディスコ大使と称されるPrins Thomasによる新作は、計3枚にも渡ってジャンルの壁を取っ払って、兎に角あらゆる音楽を楽しんで貰う意図でミックスされた大作だ。そのタイトルからも分かる通りNYの伝説的なクラブであるParadise Garageへのトリビュート的な内容であり、確かにジャンルレスという点においてその意思を受け継ぐコンセプトであろう。元々2007年には同様にニューディスコだけに限定されずに底抜けの多幸感を打ち出した怪作である『Cosmo Galactic Prism 』(過去レビュー)を披露しており、それを前提とすると2014年にリリースされた『Rainbow Disco Club Vol.1』(過去レビュー)はテクノを中心としたミックスとなった事で奇妙なユーモアは後退し、彼らしい賑やかなごった煮サウンドによる恍惚感は喪失してしまっていたと思う。そんな流れを踏まえて、本作は再度ジャンルレスかつタイムレスな選曲を行う事で、単にダンス・ミュージックの躍らせるという機能性だけにこだわらずに、変幻自在な流れによって惑わされながら何処か掴み所のない恍惚状態を引き起こす面白い作品に出来上がったと思う。勿論様々なジャンルは用いながらもバランスを壊す突飛な流れにはなっておらず、CD1〜3の流れに沿って大まかなジャンルの区分けはされている。CD1は最もレイドバックしており、牧歌的なロックから始まり民族的なジャズや懐かしみのあるハウス、夢現なアンビエントから艶かしいファンクを通過してのディープなアシッド・テクノまで、肩の力が抜けたプレイでゆっくりと温めながら多用なリズムと音色によって先ずは肩慣らし的な導入だ。CD2では2000年以降のニューディスコやテクノにハウスなど現代的なダンス・ミュージックが中心となり、徐々にビートは力強さを増しながら夜のパーティーへ向かうざわめきを喚起させる魅惑の快楽的な時間帯へと突入する。その流れを引き継いだCD3ではより快楽的な真夜中の時間帯から始まり、ディープかつミニマルな流れを保ちながらエクスペリメンタルな電子音楽へと遷移し、湿っぽく可愛らしいジャズやライブラリーミュージック的なリスニングの曲、そして熟成したような味わいのあるプログレッシヴ・ロックを経過して下降気味に終焉へと向かう。CD3枚に渡って起承転結がはっきりとした流れは非常にスムースで、パーティーの始まりから終わりまでを意識したようにも感じられるし、多数のジャンルを過剰に詰め込んだ事でその情報量の多さに抵抗の出来ない恍惚感も生まれている。流石に3枚合わせて200分越えなのでお腹いっぱいにはなるものの、Thomasらしく外向きの享楽的なパワーが発散するDJプレイが目に浮かぶようで、やっぱりこんなミックスが彼らしいと思わせられる内容だ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Bjorn Torske - Nedi Myra (Smalltown Supersound:STS239CD)
Bjorn Torske - Nedi Myra
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北欧ノルウェーから世界へと羽ばたいたコズミック・ディスコ - それはニュー・ディスコへと繋がる - を知らしめたのは、LindstromやPrins Thomas、そしてTodd Terjeによる功績が大きいだろう。しかしそんな彼等に特に影響を与えた存在として同郷のBjorn Torskeの存在を忘れてはならない。前者に比べれば一般的な知名度は低いだろうが、変名も用いて90年代から活動していた彼の音楽は後進にも確実に影響を与え、現在のニュー・ディスコ隆盛への流れを作った事は否定出来ない。そんなTorskeにもまだコズミック・ディスコへと至る前の時代もあったのが、それが1998年にFerox Recordsからリリースした本作であり(その後2002年にはTelle Recordsからもリリースされている)、この度念願叶ってリマスタリング済みでリイシューされている。98年のFerox RecordsといえばまだIan O'BrienやRuss Gabrielが中心的存在であった時代だと思うが、本作でもそのようにコズミック・ディスコというよりはデトロイト・テクノやハウスの影響が強く現れており、現在のように典型的なダンス・ミュージックから外れたディスコはまだ萌芽していない。アルバムは奇妙な音は用いているもののまだフィルター・ハウスの枠組みに収まった"Expresso"で始まり、そして続く"Station To Station"は前述のIan O'Brienスタイル…と言うよりも完全にURの"〜 2 〜"シリーズを意識したハイテック系のフュージョン・ハウスで、この底抜けにポジティブな世界観はまだ変態性はないもののコズミック・ディスコと共振するものはあるだろうか。"Eight Years"ではブロークン・ビーツの要素を取り入れながらディスコのようであってディスコでない優美な煌きを発し、"Smoke Detector Song"ではコズミック・ディスコの不思議なSEを加えながらもトリップ・ホップのような湿り気もあり、そして"Beautiful Thing"ではディープ・ハウスとジャズが鉢合わせしたような幻想的ながらも繊細なグルーヴ感がある。曲毎に様々なスタイルを用いており当時の音楽を色々咀嚼したのだろうか、それは実験的でもあるのだろうが、やはり近年の作品と比較すればかなりまともなダンス・ミュージックとして聴ける。デビュー・アルバムだからまだ当然青臭く最近の円熟味のある奇抜なコズミック・ディスコ程の個性はまだ発露していないものの、しかしだからこそテクノ/ハウス好きな人にとっては本作のような正にジャケットが表すエヴァーグリーンの新鮮な涼風が吹く本作に魅了されるのではと思う。デトロイト・テクノ好きな人にとっては、それこそ間違いない。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Telephones - The Ocean Called EP (Running Back:RB047)
Telephones - The Ocean Called EP
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今更というか時期外れというかリリースから随分と時間は経ってしまったが、しかし今年リリースされた作品の中でもサマー・アンセムとして認定するこのEPは、紹介しない訳にはいかない。Gerd Jansonが主宰するRunning Backの中でも特にバレアリック方面へと傾いたこの作品は、ノルウェーのHenning SeverudことTelephonesが手掛けている。過去にはPrins Thomasが主宰するFull Puppからもリリース歴があり、つまりは闇が支配するフロアを底抜けに明るくするような音楽性は既にあったわけだ。何といっても"Blaff"こそが夏の一曲なのは間違いない、この陽気で明瞭なコード展開を刻む爽快なシンセに弾けるような丸みを帯びたリズム感が生み出すムードは、燦々とした太陽の光が降り注ぐ真夏の海を歓喜させる。一点の曇りさえない光に満ち足りたこのバレアリックな多幸感、感情の昂ぶりを誘いながらも切なさに染めていく夏の間だけの一時の夢、季節感を非常に感じさせるニュー・ディスコとして文句無しだ。それだけではない、裏面には同じようにパッション弾ける清涼なシンセが躍動し心が舞い踊る軽快なリズムによって、タイトル通りに真夏の島でバカンスを楽しませるかのような"Untitled (The Island)"や、もう少々感傷的なメロディーが夏の終わりから秋へと移り変わっていく景色を浮かび上がらせるしっとりしたニュー・ディスコの"Hot Destinations For A Cooler You"など、収録された全てが外れなしの現実を逃避しながら幸せな気分に満たしてくてる最上級のバレアリック感が通底している。余りにも季節感が強い曲群ではあるかもしれないが、それでも尚朝方のダンス・フロアを光に包んでくれる多幸感は、間違いなく聴く者を笑顔にさせてくれるだろう。



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| HOUSE10 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/12/6 DAWD @ Oath
Jun Kitamura、REMI、haraguchic、SINOによる不定期開催パーティーであるDAWD、年内最後の開催となる今回のゲストには初のアルバムをリリースしたばかりであるDazzle Drumsが抜擢された。今回のDAWDへの出演はアルバムリリースツアーの一環にも組み込まれているが、約1年前にもDAWDに出演したDazzle Drumsとレジデント陣との相性の良さは既に確認されており、当然期待出来るパーティーになるであろう。
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| EVENT REPORT5 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Rainbow Disco Club Vol.1 (Endless Flight:ENDLESSFLIGHTCD13)
Prins Thomas - Rainbow Disco Club Vol.1
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2010年より東京晴海の海を望むロケーションで開催されているRainbow Disco Clubは都市型フェスとして定着してきているが、その音楽感を更にMIXCDとして表現したシリーズがEndless Flightと共同でスタートした。その第一弾にはRDCにも出演歴のある北欧ノルウェーのニュー・ディスコ大使であるPrins Thomasが抜擢されている。Prinsは過去にもニュー・ディスコを中心としたバレアリック路線なMIXCDをリリースしていたが、本作では一転して幅広い楽曲/音楽性を含みながらもテクノとしてのスタイルを披露している。しかし、それも最近テクノ路線のレーベルであるRett I Flettaを彼が始動させた事を考慮すれば、極自然な流れだったのだろう。始まりはDonato Dozzyによるビートレスかつトリッピーな電子音響なテクノから始まり、この時点で今までのPrinsとは異なる空気が発せられている。続くFloating Pointsによるディープなダブ・ステップで低空飛行を続け、The Shooktのサイケデリックな曲から遂にリズムに動きが見せ始める。Deepchordによる機能性を重視したミニマル・ダブ、Bjorn Torskeによる無邪気で陽気なムードに溢れたニュー・ディスコ、Marcellus Pittmanによる錆びた無機質なビートが鳴るロウ・ハウスなど、ジャンルは多彩だがロングミックスによって曲がいつ入れ替わったのかを曖昧とする自然な流れによって、不思議ととっ散らかった印象はない。寧ろ様々な音楽性がミニマルなミックスによって一つの流れを生み出し、特に中盤以降はビート感の強い曲が並んだ事でライブ感のある盛り上がりを見せている。ラストの盛り上げ方も圧巻だろう、一端Shedによる望郷の念を呼び起こすロマンティックな曲で仕切り直しをしつつ、最後にNY's Finestのハウス・クラシックで感情の昂ぶりを保ったままミックスは終了する。確かに以前のようなキラキラした底抜けの幸福感は薄れており、その分だけクラブを意識したグルーヴ感重視なプレイではあるのだが、しかしその中にもやや緊張感のあるコズミックな多幸感も存在する。何よりもニュー・ディスコなアーティストと言う自身の特徴や個性を振り払うかのような挑戦心あるミックスであるが、それがファンの期待を失う事なく新たな魅力を伴っている事は、Prins Thomasが単なるニュー・ディスコだけのアーティストではない事を気付かせてくれるのだ。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Pink Collection (Eskimo Recordings:541416 506032)
The Pink Collection
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ベルギーのEskimo Recordingsと言えばLindstrom & Prins Thomasを輩出していたりとニュー・ディスコ系に強いレーベルではあるが、それと共にOptimoやIvan Smagghe、Rub' N' Tugらフリーキーなアーティストが個性的なMIXCD/コンピーレションを手掛けている事でも知られている。そのレーベルからの新たなシリーズが"The Pink Collection"なるニュー・ディスコのコンピレーションで、何と全曲新録と気合の入ったアルバムになっている。ジャケットからは大人びてお洒落なイメージが伝わってくるが、実際にそれは間違っておらずディスコ的な汗臭さや熱狂は皆無で、モダンかつ洗練された甘いなディスコが満載だ。特にかつてのディスコ的な生音よりも綺麗に伸びる電子音が強調され、シンセの快楽的で甘い旋律と覚醒的なシンセベースのブリブリとしたラインが基軸になったトラックは、ディスコの一聴して耳に残る性質を伴いながらも再生ではなく進化と言った意味でのニュー・ディスコと呼ぶ表現が相応しい。キラキラと煌めくようなゴージャスな音使いでは熱いと言うよりは温かく、ソウルフルと言うよりはスイートで、また全曲がミッドテンポでゆったりと聞かせるタイプである事がより大人びたゆとりとなり、バレアリック感を増長させているのだ。ニュー・ディスコに対し造詣があるわけでもないので収録されているアーティストを知らなかったが、ベテランから新鋭まで起用しているそうなので、これからこの周辺の音楽を知るための道標にもなりそうである。



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| HOUSE9 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/7/14 Prins Thomas Japan Tour 2013 supported by RESPONSE @ Amate-raxi
北欧のニューディスコ大使だかディスコ王子だか呼ばれているPrins Thomasが来日。それをサポートするのが吉祥寺で長らくパーティーを開催しているRESPONSEクルーやGuidanceクルーで、アーティストの招集のみならずAmate-raxiのメインフロアからラウンジまでフロア内のデコーレーションやライティング、フードやシーシャバーまで用意して楽しみ盛り沢山のパーティーを開催した。
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| EVENT REPORT4 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF (tearbridge records:NFCD-27351)
Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF
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最初に断言しておくとこのアンダーグラウンドなダンス・ミュージックを様々なスタイルで纏め上げた"Crustal Movement"シリーズは、MIXCDが良くも悪くも大量に生産されるこのご時世において決して安い値段ではない。がミックスの技術からメジャーでリリースする事によるライセンス許可の取得、そしてマスタリングまで手抜き無しに仕事がされている事を考慮すればこその価格であり、実際に聴き終えた後にはその価格に見合った内容であると理解出来た。このシリーズは国内の3人のDJによって同時に3枚リリースされたのだが、今日紹介するのはジャンルに囚われる事なく振り幅を敢えて持ちながら時代を駆け抜けてきたMoodmanが手掛けている盤だ。本作が面白いのはもう15年以上も前のJohn BeltranとTerraceの曲である往年のインテリジェンス・テクノから始まり、そしてKirk Degiorgioのリミックスへと続いて行く事だ。序盤にしていきなり90年代前半を象徴するスタイルが出現するが、実はそれ以降はここ2~3年の作品で纏められており、特に後半は近年のダブ・ステップがそれ自体を強く主張させる事なく自然と並んでいる。インテリジェンス・テクノ、ブロークン・ビーツにダブ・ステップ、ディープ・ハウスやエレクトロニカと小刻みに曲調は変わっていくのだが、不思議とその直列には違和感はなく自由奔放なビートの組み合わせが各所に散りばめられているのだ。恐らく本人もインタビューで述べているように曲としてではなく素材/ツールとしてデジタル的なミックスを行った事がそれを可能としているのだろうが、曲自体が存在感を主張しない為にBGM的な平たくスムースなムードを生み出し、何時の間にか聴き終わっているような心地良さが発せられている。とてもさり気なく過去から現在へと繋がりを聴かせる知的さ、そして今と言う時代の空気も取り込んだ洗練さを兼ね備え、大人の余裕さえ漂う音にただただうっとり。

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| HOUSE9 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Paul Simon / Global Communication - Diamonds (Âme Private Edit) / Maiden Voyage (Ripperton Edit) (Philomena:PHILOMENA 08)
Paul Simon Global Communication - Diamonds (Âme Private Edit) Maiden Voyage (Ripperton Edit)

2009年からInnervisions傘下で謎めいた活動を続けるPhilomenaは、InnervisionsからのÂmeやDixonにHenrik Schwarz、レーベル外からはPrins ThomasやMarcel Dettmannなど著名なアーティストを招いてマル秘なエディットを手掛けている。作品は毎回高価格でリリースされながらも極少数の生産の為、リリースと共に即座に市場からは姿を消す事で更にその秘匿性を高めているようだ。そのPhilomenaの最新作はなんとSimon & GarfunkelのあのPaul Simonと、テクノファンには懐かしいGlobal Communicationのエディット集だ。Simonの曲をÂmeがエディットした"Diamonds (Âme Private Edit)"は、インディーダンス的な緩いノリの要素もあったオリジナルを理路整然とすっきりしたミニマルハウスへと仕立てあげている。ゴージャスに装飾されていた音は削ぎ落とされた事でファンキーなベースラインが前面に出ているが、決して元の牧歌的な和やかさや祭事的な祝福感を失わずにDJツールとして的確にエディットされている。そして何と言っても昔からのテクノファンの胸を熱くするのが、Global Communicationの"Maiden Voyage (Ripperton Edit)"だろう。元々は"5:23"としてビートレス仕様でリリースされていた曲だが、ここではRippertonが当然の如くダンスバージョンへとエディットを施している。リミックスとまでは及ばない原曲を尊重したエディットは、エッジの効いたハイハットや明確なキックを挿入し4つ打ち仕様へと変え、どろどろとした酩酊が渦巻く原曲をはっきりとした覚醒感を伴うサイケデリックなダンス・ミュージックへと昇華させているのだ。いや、まさかあのアンビエントの名曲がこうも実用性の高いトラックへと成るとは、リリースから20年を経ての素晴らしい生まれ変わりである。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Freeform Five - Weltareh (Eskimo Recordings:541416 505778)
Freeform Five - Weltareh
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Lindstrom & Prins Thomasらの作品を送り出しているベルギーのEskimoからの新作は、ロンドンの4人組ユニットであるFreeform Fiveによる妖艶なニューディスコ。作品数は多くないもののNRK Sound DivisionやClassic Music Companyなど確かな音楽性を持つレーベルからのリリース歴があり、エレクトロ/ハウス/生演奏を組み合わせたひねくれたポップさが印象に残っている。しかしこの新作はEskimoと言うレーベルを意識してか相当にエレクトロニックなディスコ路線で、その上でアフロやエスニックと言った要素も取り込みながら訝しさが充満している。クレジットを見るとリティ奏者であるJuldeh Camaraをフィーチャーし、そしてFreeform FiveのメンバーであるAnu Pillaiによる共作となっているが、Juldehのまるで呪詛的な歌が単なるニューディスコに麻薬的な飛びっぷりを付加し、そしてリティや笛にAnuの生演奏によるギターやベースがより湿った生臭さを強いものとしている。エレクトロなシーケンスの上を徐々に渾然一体となって盛り上がって行く様は、まるで宗教的な祭事の中で神懸かりながら祈りを捧げているようでもあり、圧倒的なグルーヴに心酔してしまう程だ。裏面ではレーベル繋がりなのかPrins Thomasが3バージョンもリミックスを提供している。その内の一つはPrinsらしくエレクトロニックな層を削ぎ落とし軽快になりつつ、より生身感のあるギターらしき音をメインにエコーを効かしながら酩酊するサイケ感を醸し出している。そしてそれから上モノとリズムトラックをそれぞれ分離した2バージョンがDJツールとして用意されており、使い道は貴方次第と言った感じだ。Prinsによるリミックスもなかなかだが、やはりFreeform Fiveのオリジナルが今年のアンセム級のトラックであり、是非ともフロアで聴きたいものだ。尚、アナログと配信では一部収録曲が異なっている。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Neneh Cherry & The Thing - Dream Baby Dream / Cashback (Smalltown Supersound:STS23412)
Neneh Cherry & The Thing - Dream Baby Dream / Cashback
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偉大なるフリー・ジャズ系トランぺット奏者であるDon Cherry、その義理の娘であるNeneh Cherryのアナログを私が購入したのは意外に感じるられる人もいるかもしれないが、リミキサーにFour TetとLindstrom & Prins Thomasが起用されているのだから食指が動くのは当然です。A面はSuicideの"Dream Baby Dream"をNenehがカヴァーした曲を更にFour Tetがリミックスしているが、当初思っていたよりも勢いのある正確な4つ打ちを基調にしているのは驚きました。しかしジャズ調のホーンの音は残しつつも原曲の混沌とした空気は吹き飛ばし、Four Tetらしく電子音と生音をファンシーに織り込んだ曲調に緊張感は感じられず、ある種牧歌的なムードさえ漂うダンスミュージックは体が揺れつつも気分は和むばかり。B面にはノルウェーを代表するコズミック・ディスコの代表格であるLindstrom & Prins Thomasが"Cashback"をリミックスしていますが、こちらがど本命でしょうか、吹っ切れ具合が素晴らしいです。ウニョウニョと躍動するシンセのリフレインにベースライン、前へ前へと猛進するボトムが効いたハウスビート、そこに加わる色っぽい女性ボーカルや血潮がたぎるホーン、それらが一体となり快楽の極みへと突き進んでいくコズミック・ディスコの快楽性と言ったら…。かなりイケイケで世俗的で享楽的なダンスミュージックではあるけれど、この豪華に装飾された綺羅びやかな世界観はクラブで酒を飲んで盛り上がりたくなりますね。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Walls Vs. Gerd Janson & Prins Thomas (FM X:FM X / Walls 001)
Walls Vs. Gerd Janson & Prins Thomas
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ハードテクノ全盛のドイツにおいてそれには一向に寄り添う事なく、シューゲイザーにも手を出し音楽性を広げているドイツの老舗テクノレーベル・Kompakt。その中でエレクトロニカやシューゲイザーにロック的なノリも持ち込んでテクノと枠を飛び越えて活躍するニューカマーのWallsが、Gerd Janson & Prins Thomasのリミックスを含む限定EPをリリースした。Prinsと言えばノルウェーを代表するニュー・ディスコ大使であり、片やGerdは今ドイツで注目を集めているRunning Backを主宰するニュー・ディスコの有望株だ。この二人が手を組んでリミックスとなれば当然晴々しく開放的なニュー・ディスコ以外には成り得ないわけで、オリジナルが淡いノイズで空間を埋め尽くすドリーミーなシューゲイザー+ディスコな4つ打ちだったのに対し、二人によるリミックスは濃霧を吹き消しながら煌めきシンセサウンドとブリっとした重いベースを前面に打ち出して徹底的に楽天的なムードに染め上げたバレアリック・ディスコで、クラブの真夜中ではなく終盤の朝方のフロアで全身で浴びたくなる爽快な内容だ。そして裏面にはWalls自身によるエディットが収録されていて、こちらはオリジナルよりもリズムが先導する部分を引き伸ばし、フロアで使い易くなったダンス仕様と言えるエディットが施してある。ギターらしき淡いノイズやキュートなシンセがふんわりと空間に充満し、可愛らしくメロウな世界観に溺れてしまいたくなる曲だ。Kompaktの次世代を担う存在としてWallsは目が離せない。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Masterpiece Created By Andrew Weatherall (Ministry Of Sound:MOSCD287)
Masterpiece Created By Andrew Weatherall
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Ministry Of Soundが提供する「Masterpiece」、そのタイトルからしてDJ中のDJが担当すべき3枚組MIXCDシリーズの最新作は、遂に久しぶりのクラブでの来日プレイを控えているUKテクノ番長のAndrew Weatherallが担当。テクノ、ロック、ダブ、パンク、ハウス…そこに境界線を引く事なくあらゆる音楽を一夜の内に自分のモノとして表現出来る素晴らしいDJが、CD3枚と言うボリュームに渡って繰り広げる音楽は、彼が2010年からロンドンで開催しているパーティーである「A Love From Outer Space」がコンセプトになっているそうだ。夜の11時、12時、1時と1時間毎に区切りをつけてはいますが、アッパーなテクノや沈み込むディープハウスは封印して、BMP105〜120までに抑えたロッキンでパンキッシュ、そしてディスコディックでダブな雑食性の高いプレイは、これこそWeatherallの真価と呼べるでしょう。1枚目は特にWeatherallのリミックスや制作した曲が含まれているせいか、ねちねちとした足取りながらも鉄槌で叩かれるようなグシャッとしたキックが破滅的で、途中のダークなアシッドも入ってきたりすると90年前後のインディーダンスにかかわっていた頃のサイケな空気も漂ってきます。対して2枚目は重苦しい空気も晴れたようにコズミックなディスコダブや、煌きのある奇妙なシンセ音が印象的なニューウェブやエレクトロなどで、無心になり楽天的なダンスミュージックを軽快なノリで楽しむ様な音楽が聴ける事でしょう。そして3枚目はパーティーのラスト1時間を飾るが如く昂揚感と開放感が混ざり合うドラマティックな展開が待っていて、ダンスビートを強めながら獰猛なしばきによって鼓舞されつつ、終盤では盟友であるPrimal ScreamのWeatherall Remixでふっと放心し、ラストのWeatherallがインスパイアを受けたA.R. Kaneの”A Love From Outer Space"でハッピーにパーティーは終焉を迎えます。と3時間に渡る異形のダンスでロッキンなDJ、あっと驚く様なトリッキーな技は無くとも本当にWeatherall以外に成し得ない弾けるパワーと痛快なユーモアが感じられる選曲で、3時間にもかかわらず全く飽きないどころか中毒性の高いプレイは流石です。今までにも多くのMIXCDをリリースしてきた彼ですが、これはお世辞抜きに現時点での最高傑作と言えるでしょう。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Lindstrom - Six Cups Of Rebel (Feedelity:STS 221)
Lindstrom - Six Cups Of Rebel
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Prins Thomasとの黄金コンビでニュー・ディスコと呼ばれる音楽を盛り上げてきたLindstrom。その人気や影響力は確かに感じ取っていたものの、正直に言うと以前までのアルバムにはそれ程のめり込む事も出来ずBGMとして軽く聞き流す位の印象しか持っていなかった。そして新作もまあ同じ路線なんだろうと高を括っていたのだが、これが見事に大化けして最高に弾けるアルバムとなっていたのだ。いきなり鎮魂歌の様に始まる荘重なパイプオルガンのアルペジオが暫く続くのだが、ある時真っ暗闇の視界があっという間に開けるとそこからは遊園地のパレード風にゴージャスなキラキラとした音が一気に雪崩込んで来るのだ。特にダンスミュージックとしてノリやグルーヴ感が強くなりながらも、プログレッシヴ・ロック的に生演奏のテクニックを見せつけるように展開を最大限に広げ、電飾のカラフルな彩どりの如く煌く生の音もコズミックな電子音もくどい位に注入し、半ばポピュラーになり過ぎじゃないかと思う位にゴージャスなサウンドを高らかに響かすのだ。とにかく派手でポップで悪い見方ではセルアウトと言われる可能性もあり、単にジャーマン・プログレへの先祖帰りだなんてやっかみもあるかもしれないが、ここまで突き抜けた作風を堂々と表現したのであればそれはもう個性と呼んでも間違いではない。大作志向は相変わらずで曲の尺は長いのだがそれらが更にMIXCD風にミックスされており、組曲的に華々しく展開する構成は派手なトラックとの相性もばっちりで文句の付けようもない。どんなに気が滅入っていても、これさえ聴けば一時でも現実を忘れてファンタジーの世界に逃避出来るだろう。



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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Todd Terje - Remaster Of The Universe (Permanent Vacation:PERMVAC 055-2)
Todd Terje - Remaster Of The Universe
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Prins ThomasやLindstrom、Idjut Boysらとも並ぶ人気を誇るノルウェーのコズミック・ディスコ王子・Todd Terjeが、今までのリエディット/リミックスをまとめたMIXCDとコンピレーションのセット2枚組アルバムをリリース。まだ弱冠29歳と言う若さながらも、ジャンルや年代、そして合法・非合法問わず様々な音楽をバレアリック風ディスコに再構築する手腕でシーンのトップに躍り出ておりますが、ようやく彼の音源がまとめて初CD化だそうです。基本的にはポジティブでキラキラとした輝きを感じさせるディスコアレンジが多く、古い時代を感じさせると共に古典音楽にお洒落な現代風の洗練さも加えたポップな音楽性が感じられます。単なる懐古的な方向に向かうのではなく、新しい懐かしさなり過去の遺産への敬意が込められており、原曲を全く知らない自分でもTodd Terjeの音楽への愛を共有している気持ちになれました。普段はそれ程ディスコ系は聴かないのですが、メロディー重視の楽曲性なのでポップな音楽が好きであれば誰でも共感出来るのでは。非合法のエディット作品は当たり前ですが収録されていないのに残念ですが、アナログで膨大なカタログを揃えるのは困難なので有り難い作品集ではあります。

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| HOUSE6 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Crue-L Grand Orchestra - Endbeginning - DJ Nobu Remixes (Crue-L Records:KYTHMAK132)
Crue-L Grand Orchestra - Endbeginning - DJ Nobu Remixes
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瀧見憲司主宰、アンダーグラウンドでありながら地道に良質なダンスミュージックを追求するCrue-L Grand Orchestraの新譜。本作はリミックス盤となりますが、リミキサーには千葉から叩き上げで育ったDJ Nobuが起用されております。"Endbeginning"の"Dazz Y Nobu Omi Dub 12" Remix"はブリーピーなベースラインとは対称的に華麗なピアノが花咲くようで、ギトギトアシッドな感覚とミニマルな展開でずぶずぶと深みはまるタイプのハウス。熱くなったフロアに冷や水を浴びせるようでもある。そして同トラックの"Nobu's Dub"は更にピアノのラインを差し引き、よりミニマルな面を強調してDJツールとして使い易い仕様になっております。不気味なボイスサンプルが空虚に響きますね。そしてB面にはなんと"Psycho Piano"をPrins Thomasがリミックスしたトラックが収録(既発ですがリマスターされているそうな)。これが非常に素晴らしいバレアリックディスコダブで、どっしり地に着いたボトムラインとトリッピーに空に響く上物が絡み合いながら高揚感がどんどん広がるオプティミスティックな一曲。クラブの疲れが溜まったアフターアワーズタイムに聴いたら、誰しも昇天するであろう幸せに満ち、笑みがこぼれるに違いない。絶品である。

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| HOUSE5 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Agoria - Balance 016 (EQ Recordings:EQGCD029)
Agoria - Balance 016
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フレンチテクノシーンの奇才・Agoriaが、名物MIXCDシリーズとなっている"Balance"の16作目を担当。今までに2枚のMIXCDをリリースしていてそれらもジャンルレスで強烈なぶっ飛び感覚を感じさせる内容でしたが、この新作もやはり同様にテクノだけではなく様々な音を組み合わせ、フロアとチルアウトルームを行き来する様な変態的なミックスを披露しております。ジャンルの多様性はテクノ、ハウス、ダウンテンポ、ディスコダブ、アンビエント、ミニマル、ニューウェーブなどまでに及び、最早このMIXCDがどんな音に当てはまるのかを説明するのは意味が無い状態にまでなっております。そして単純に曲を繋げるだけではなく曲の一部のサンプルを途中に混ぜ込んだり、同じ曲を2度も使用する事で、1度目で感じた印象が2度目で更に強まる効果を誘発するなど、展開の作り方は確かに印象的。何よりも彼の創る音源からも感じられるギトギトでドラッギーな感覚が終始漂っていて、リズムトラックの強さやノリで引っ張っていく勢いのあるタイプのミックスとは異なる、つまりは精神作用の大きい麻薬的な覚醒感の大波に飲み込まれるミックスは、彼特有のトリッピーな感覚があり独創性が存分に感じられる事でしょう。その分振れ幅や展開の浮き沈みも大きく、また音の余りのどぎつさに体力が無い時は聴くのもしんどいかなと感じる点もあります。インパクトがある分だけ聴く人を選ぶ内容でもありますが、はまる人には心底はまって抜け出せなくなるのではないでしょうか。

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| TECHNO7 | 10:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
I'm Starting to Feel Okay Vol.3 Mixed By KZA (Endless Flight:EFCD3)
Im Starting to Feel Okay Vol.3 Mixed By KZA
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日本には素晴らしいクラブミュージックのDJやアーティストがいるのにもかかわらず、日本のクラブミュージックを手掛けるレーベルは停滞なり閉塞閉があるのですが、このMule Musiqはリリースの量の多さと共に質の高さも伴っていて期待せざるをえないレーベルの一つです。そんな日本発の世界標準テクノレーベル・Mule Musiqのレーベルショウケース的なMIXCDが、傘下のEndless Flightからリリース。ミックスを手掛けたのはForce Of Natureの一人・KZA、そして選曲はレーベルオーナーである河崎氏が担当。と言ってもここ1〜2年、このレーベル関連のコンピやMIXCDが竹の子の様にたくさんリリースされてきたので、少々食傷気味だったのは事実。今年の5月にも岩城健太郎が同レーベルのテック系のMIXCDをリリースしていたしね。だがそこは質の高さを保つMule Musiq、本作においても妥協の無いアンダーグラウンドな感性を伴うディスコ〜ディープハウス〜テック系を中心としたナイスな音楽が閉じ込めらております。全体的にテンポは緩めで統一されていて、ディスコの生っぽくてハッピーな流れから流麗でヒプノティックなテック系までスムースに繋がれていて、ゆるりとした時間の中で深い世界に引きずり込まれて行きます。特に後半のテックな展開はアッパーではなくともメランコリーな旋律と緩い横ノリのグルーヴの相乗効果で、ふわふわとした心地良さが感じられ気持ち良いですね。

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| HOUSE5 | 08:50 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Life Force Compiled And Mixed By Foolish Felix (Cutting Edge:CTCR-14495~6)
Life Force Compiled And Mixed By Foolish Felix
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友人からの頂き物。日本で長年に渡り開催されているアンダーグラウンドなダンスパーティーである"Life Force"、その名を冠したMIXCDの第2弾をFoolish Felixなるアーティストが担当。自分は初耳の人なんでどんな人なのか知らないのですが、どうやらディスコダブ方面で活躍しているアーティストだそうです。確かにこのMIXCDでもハウスを基調にはしているものの、例えば熱を帯びたソウルフルなNYハウスでもなければエレクトリックでスムースなテックハウスでもなく、やはりここから聴けるのは生っぽくてズブズブしてて、どこかディスコ的な懐かしい煌びやかさのあるディスコダブなのは明白。エネルギッシュと言うよりはグダグダで、若くて健康的と言うよりはアダルティーかつ妖艶で、熱いと言うよりは温い感じ。何故だかディスコダブと言うのは懐かしい感情が浮かんでくるんだけど、やっぱりそのディスコと言うエッセンスがそんな気持ちを呼び覚ますのでしょう。ボーナスディスクにはFoolish Felixが運営するレーベルであるCynic Recordsの音源がまとめてあり、やはりズブズブなディスコダブが並んでおります。

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| HOUSE5 | 00:30 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas Presents Cosmo Galactic Prism (Eskimo Recordings:541416 501724)
Prins Thomas Presents Cosmo Galactic Prism
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Lindstromとのコンビでディスコダブブームを席巻するPrins Thomasの、タイトル通りでスペーシーな2枚組MIXCD。ジャーマンプログレのHolger Czukay、ファンクのParliament、スペースロックのHawkwindに混じって、Boards Of CanadaやTres Demented(Carl Craig)などのテクノ、日本からはCrue-L Grand OrchestraやDub Archanoid TrimとWaltz(Altz)、そしてハウスやイタロディスコ、レアグルーヴなどがまとまり一つの宇宙を形成する面白いミックスだと思います。本人曰わく2枚まとめて一つの作品だと言う事で1枚目のラストから2枚目の出だしが繋がっておりますが、1枚目は2枚目までにじわじわと上げていくゆったりとした内容、2枚目はよりダンサンブルでよりエモーショナルな内容。いやダンサンブルではあるんだけどやはり肩の力が抜けリラックスしふらふらとしたトラックが多く、ベッドルームで広がっていく宇宙を想像しながら聴けるような音で、決して馬鹿になって大騒ぎする様な音楽じゃあないです。でもバレアリックでもコズミックでもスペーシーでもサイケでも何でも良いんだけど、開放的で楽天的な恍惚の中毒がじわじわと浸透してくるんですね。選曲の幅の広さとは対称的に音の雰囲気にばらつきは感じられず、CosmoでGalacticでPrismなキラキラとしたハッピーな音に統一されていて気持ちEーです。力作っちゅーか怪作っちゅーか、ブームの先端にいるアーティストの本領が炸裂したお勧めの2枚。

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| HOUSE4 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Metro Area - Fabric 43 (Fabric:fabric85)
Metro Area-Fabric 43
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先日ディスコティックなアルバムをリリースしたMorgan Geistと、Darshan Jesraniから成るディスコでポップなユニット・Metro Areaが、Fabricシリーズに参戦。と言う事なれば特に説明が無くともだいたいの想像がつく、イタロディスコ、シンセポップ、ニューウェーブな曲のオンパレード。自分はここら辺の音楽に造詣は深くないのでちょっと戸惑いを隠せませんが(なら買うなよって話ですが…)、クレジットを見る限りだと80年前後の曲が中心みたいですね(Ministry、Devo位しか分からん)。まー古臭いのは言わないでも分かるでしょうが、ドタドタとした垢抜けない4つ打ちやらレトロなキラキラ未来感やら、ブリブリっとしたベースラインなど本当に懐かしさを漂わせるミックスCDですよ。どちらかと言うと先進性が強いFabricシリーズの中では逆に先祖帰りで古典的な内容ですが、無意識に空気を和ませてくれるポップな感じはグッドオールドデイズってな懐かしさを誘いこれは悪くない。ハウスパーティーの朝方なんかのまったりとした感傷的な時間に近いイメージかな。DJ Harvey、Lindstrom、Prins Thomas、Chicken Lips辺りが好きな人には、マジで恋する5秒前でしょう。

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| HOUSE4 | 09:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Kaito - Contact To The Spirits (Kompakt:KOMCDJ002)
Kaito-Contact To The Spirits
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キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
このアルバムの情報が上がってからずっと楽しみにし、そして期待していたKaitoことワタナベヒロシが手掛けるKompakt音源のみを使用したスペシャルなMIXCD。もうKompaktに関しては説明など必要ない位に現在のテクノシーンの中心にある存在で、テクノのみならずハウス、トランス、ミニマル、ディスコ、アンビエントなどの要素を果敢に取り入れ、商業的な面よりも音の本質を追究する事に信念を置く今最も世界で信頼の於けるレーベルです(それと言うのもレーベルオーナーかつアーティストでもある、Wolfgang VoigtやMichael Mayerの選球眼のおかげであります)。そしてそんなKompakt、そしてKompakt傘下のサブレーベルの音源を使ってKompaktを代表するアーティストまでに成長した日本のワタナベさんがMIXCDを作ったなんて、本当に心から嬉しく思います。まあ当然と言えば当然だけどこれだけの条件が揃って悪いMIXCDなんて出来る訳もないですが、改めて聴いてみると期待を上回る程に素晴らしいです。色々な音が入っているから説明は難しいんだけど、空気感のあるテックハウスやらダークなミニマルやら幻想的なアンビエント、サイケデリックなディスコハウスまで、正にKompaktの総集編とでも言うべき内容です。しかしKaitoと言うフィルターを通す事に因りどこを取ってもメランコリックで情緒的な雰囲気が満ちていて、ある種トランスにも似た高揚感をテクノにもたらしていますね。ライナーノーツでMichael Mayerは「Kaitoがトランスの汚名を払拭した」と書いてますが、このMIXCDを聴けばその意味が分かるかと思います。またこのMIXCDの為に新たに制作した"Everlasting(Dub Mix)"は、よりダビーさを増した空間処理が幻想的で息を飲む美しさです。ますますKaitoは神懸かってきてますねー!とにかく今テクノを聴くなら絶対Kompakt、そしてこのMIXCD。これらを聴かずして一体どんなテクノを聴くの?と問いつめたい位です。もちろん現在の時流の音ではあるけれど、ただの流行で終わるレーベルでも無い事は音を聴けば分かります。

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| TECHNO5 | 22:30 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Quietwave (Village Again:VIA48)
Quietwave
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今まで数多くのCDを紹介してきましたが、その中でも断トツの心地良さ、リラックスした空間を創り上げるコンピレーションが登場しました。その名も「Quietwave」=「静かな波」。選曲を担当するのはKyoto Jazz Massiveの沖野修也で、アルバムのコンセプトは映画館(映画ではない)のサウンドトラック。アルバム内の彼自身の解説を参照すると、海の見えるラウンジでリラクゼーション的な効用を持つ音楽を集めたとの事。キーワードは波、α波、音波、波動、波形。後は貴方自身でコメントを参照して頂きたいが、本当に落ち着いてムードのある音楽が集められたなーと率直に思います。単純にミーハーでお洒落な曲を集めたのではなく、Ian O'Brien、Kirk Degiorgion、Aurora(Kaoru Inoue)、Lindstrom & Prins Thomas、Lars Bartkuhn(A.K.A. Needs)ら各シーンで新時代を切り開いてきた一線で活躍するアーティストの曲を、しかも特にヒットした曲でもないのによくぞ堀探してきたなと思わせる曲ばかりを集めています。だから決してこれらの音楽を聴いても高揚する事は無く、むしろ体の火照りを冷ましじっくり静かな音に耳を傾けてくつろげる時間が提供される事でしょう。ジャズ、フュージョンの中にもテクノやエレクトロニックな音が混じり合い、決して懐古的なイメージは持たせません。2100円と言う買いやすい金額ながら、内容は最上級のリラクゼーション(チルアウトの享楽的な心地良さとは別の心地良さ)。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Steve Bug - Bugnology (Poker Flat Recordings:PFRCD13)
Steve Bug-Bugnology
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ドイツには本当に素晴らしいテクノレーベルが一杯あるのですが、テックハウス好きにはPoker Flat Recordingsが頭に浮かぶでしょうか。近年はよりミニマルさを増した作風にシフトしている様な気がしますが、Poker Flatのドン・Steve Bugのプレイは派手ではないものの僕のお気に入りです。以前にもこの人のMIXCDを紹介した事はあるのですが、相変わらずそんなに大人気って訳でもなさそうなので、ここでひとまず紹介しておこうかなと。最初に紹介した通り派手なプレイは特になく、最初から最後までディープめのミニマル、テックハウスで平たく緩やかに延々と聴かされる感じです。このくつろげる程の揺るやかさが個人的にお気に入りなのですが、かといって踊れないって事ではないんですね。アッパーに踊らされるのではなく、自然と体が揺らぐ感じと言うべきなのかな、体に馴染みやすいテンポ・グルーヴなんですよ。こういった所はハウスから音を継承しているのかなと思いますが、透明感が有り流麗な電子音はテクノでもあるかなと。また地味と言えば地味ながらも、中盤では妖艶さを見せるドラマティックな曲も挟んだり、しっかりとヨーロッパ的耽美さを感じさせてくれます(Justin Martin、I-cubeの曲が素晴らしい)。クラブで彼のプレイを聴いた時はガンガン上げていたんですけど、実際の生プレイでもこういった緩やかな展開のプレイを聴いてみたい!と思いますが、まだまだ日本のシーンではこういった音を出すイベントは多くなさそうですね。もちろん激しいプレイも好きなんですけど、緩い音楽を酒を飲みなつつ体をゆらゆら揺らしながら聴きたいな〜って思います。

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| TECHNO3 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |