CALENDAR
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
Rondenion's Ragrange Symphony - Triple Joker (Ragrange Records:UGRR-01)
Rondenions Ragrange Symphony - Triple Joker
Amazonで詳しく見る(日本盤)

かつては日本は世界中から膨大なレコードが集まり、大小様々なクラブに世界各国のDJ/アーティストが出演する特別な場所であった。そう言った環境面からは優れていたのは事実であるが、しかし制作面から見ればやはり日本から世界へと飛び立つ事は今尚容易くはない。そんな状況に於いても海外でこそ認められ、逆輸入的に日本での評価が高まったアーティストもいるが、Rondenion's Ragrange Symphonyはそんな一例と言えるだろう。2010年の"Tokyo Connection EP"(過去レビュー)での共演、そこからユニットへと進化した"Ragrange Symphony"(過去レビュー)、そしてRondenion's Ragrange Symphony名義で遂にアルバムを完成させたのが、日本の中でも黒い音楽の化身と化しているRondenionとKez YMとNo Milkだ。彼等の単独の活動と言えばRush HourやYore Recordsからのリリースと海外では高い評価を得ていたが、しかし不遇にも日本に於ける扱いは海外程ではなかったように思える。そんな状況を打破すべくRondenionが日本のアーティストを紹介すべく立ち上げたレーベルがRagrange Recordsであり、本作はその活動の集大成と言っても過言ではないだろう。予てからサンプリングと言う手法を得意とする面々が集まっただけあり、本作でもサンプリングによるミニマルなループが軸となっているが、ハウスをベースにしながらもテクノやヒップホップにディスコなど黒人音楽由来の要素がこれでもかと詰まっている。荒々しく逞しく野太いグルーヴに色気を発する猥雑な雰囲気が広がる音楽は、日本人離れしている程にファンキーに黒く染まっており、彼等が以前から実践してきた音楽が自然と混ざり合い一つの融合体となっているのだ。サンプリングを使用しながらも機械的になる事もなく、むしろそこには生きているかのような躍動が込められており、シカゴ・ハウスやデトロイト・ハウスのように洗練されていない"粗雑さ"が強調されている。またこのユニットは決して固定メンバーではなく拡大を伴う流動的なユニットでもあるそうで、1stアルバムにて既にACA3もメンバーとして名を連ねている。ならばこそ、この先に待っている世界はこれまで以上に広く、Rondenion's Ragrange Symphonyが更なる飛躍をする事を期待せずにはいられない。



Check "Rondenion"
| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kez YM - Root Bound EP (Faces Records:FACES 1215)
Kez YM - Root Bound EP
Amazonで詳しく見る(MP3)

海外のYore Recoredsからのリリースで日本のビートダウン・ハウスを先取り、最近ではRondenionやNo Milkともコンビを組んでRagrange Symphonyとしても活動しているKez YM。海外のハウス系のDJMIXにも曲が使用されるなど着実な評価を得ており、DJとしてだけでなくアーティストの側面からでも信頼出来る日本のハウスDJである。新作は2年前にも作品をリリースしたフランスのFaces Recordsからとなるが、良い意味で言うと基本となるスタイルは変わっていない。ボーカルサンプリング、エレピやキーボードのメロウなコード展開、パーカッシヴなリズムトラックなどなどを組み合わせて、黒人が生み出すソウルフルな雰囲気を再現しつつフロア対応のトラックとして完成されている。軽い質感の爽やかなパーカッションに被さる綺麗目のシンセによるコード展開が陶酔を誘うも、男性のボイスサンプルがディスコな雰囲気を纏う"Amplified Soul"、控え目に情緒のあるマイナー調のキーボードと複雑なパーカッションが肉体に刺激する"Random Collision"、そのどちらもがDJが使い易いタフなグルーヴ感を保ちながら実にエモーショナルな空気も纏っている。裏面のつんのめるような荒々しいリズムに隠れるようにエレピが鳴っている"Alive"は初期のMoodymannのようなどす黒さと怪訝なセクシーさがあり、うねるエレピ使いが華麗ながらも曇った短いボーカルサンプルがアクセントとなっている"Passing Through"は生々しい臨場感を含んでいる。基本的にどの曲も非常に躍動感と耳に残るメロディーがある、即戦力である事は間違いない。ただ前述したように制作のスタイルとして予測されてしまうような面が見受けられ、過去の作品に対して曲の個性を差別化が出来ていない点は否めない。どの曲もお世辞抜きに格好良いとは思うので、曲毎に音色やビート感に個性を持たす事が出来れば更にKez YMと言うアーティスト性が光るのでは。



Check "Kez YM"
| HOUSE9 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ragrange Symphony - Ragrange Point EP (Ragrange Records:RR04)
Ragrange Symphony - Ragrange Point EP
Amazonで詳しく見る(MP3)

Rondenionが主宰するレーベル・Ragrangeから"Ragrange Symphony”なるレーベル名を冠した謎のユニットのデビュー作が発表された。実はそのユニットこそRondenionにKez YM、No Milkが加わった日本に於いて屈指のブラックミュージックへの偏愛を示す猛者集団であり、この面子が集まって期待しないわけがない。タイトル曲である"Ragrange Point"からして期待通りの黒くワイルドなエナジーを発散する粗暴なハウスであり、この荒々しく逞しい威風堂々のグルーヴ感が通底している。確かに力強く骨太な4つ打ちのリズムが先導しているが、しかし繊細に彩りを添えるエレピやセクシーなボーカルサンプルは控えめに優雅さも演出しており、野性的なファンクネスと都会的な優美さを兼ね備えたビートダウン・ハウスとなっている。また"Energy"では金属的にテッキーな上モノを前面に出して黒さを濾過したデトロイトフォロー的なトラックを披露しているが、彼らにしてはこの西洋的なテックハウスに取り組んだ意外性を感じさせつつ、跳ねるビート感もしっかりあってクールな曲となっている。裏面にはこれぞデトロイト・ハウスな"Up in The Dimension"を収録していて、終始バックでがや声が流れ続ける中でエレピやホーン系の覚束ないメロディーがサイケデリックな空気を生み出している。そしてマイナー調のシンセのコード展開はしっとりとした落ち着きを、ジャストな4つ打ちは安定感を生み出し、どっぷりと黒く染め上げるディープ・ハウスは本当にセクシーだ。どれも本場のデトロイトやNYに負けないファンクネスが迸っており、こんな音が日本からも出てくるなんて本当に喜ばしい事だ。

試聴

Check "Ragrange Symphony"
| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |