Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF (tearbridge records:NFCD-27351)
Moodman - Crustal Movement Volume 03 - SF
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最初に断言しておくとこのアンダーグラウンドなダンス・ミュージックを様々なスタイルで纏め上げた"Crustal Movement"シリーズは、MIXCDが良くも悪くも大量に生産されるこのご時世において決して安い値段ではない。がミックスの技術からメジャーでリリースする事によるライセンス許可の取得、そしてマスタリングまで手抜き無しに仕事がされている事を考慮すればこその価格であり、実際に聴き終えた後にはその価格に見合った内容であると理解出来た。このシリーズは国内の3人のDJによって同時に3枚リリースされたのだが、今日紹介するのはジャンルに囚われる事なく振り幅を敢えて持ちながら時代を駆け抜けてきたMoodmanが手掛けている盤だ。本作が面白いのはもう15年以上も前のJohn BeltranとTerraceの曲である往年のインテリジェンス・テクノから始まり、そしてKirk Degiorgioのリミックスへと続いて行く事だ。序盤にしていきなり90年代前半を象徴するスタイルが出現するが、実はそれ以降はここ2~3年の作品で纏められており、特に後半は近年のダブ・ステップがそれ自体を強く主張させる事なく自然と並んでいる。インテリジェンス・テクノ、ブロークン・ビーツにダブ・ステップ、ディープ・ハウスやエレクトロニカと小刻みに曲調は変わっていくのだが、不思議とその直列には違和感はなく自由奔放なビートの組み合わせが各所に散りばめられているのだ。恐らく本人もインタビューで述べているように曲としてではなく素材/ツールとしてデジタル的なミックスを行った事がそれを可能としているのだろうが、曲自体が存在感を主張しない為にBGM的な平たくスムースなムードを生み出し、何時の間にか聴き終わっているような心地良さが発せられている。とてもさり気なく過去から現在へと繋がりを聴かせる知的さ、そして今と言う時代の空気も取り込んだ洗練さを兼ね備え、大人の余裕さえ漂う音にただただうっとり。

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| HOUSE9 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Midland - Placement (Remixes) (Aus Music:AUS1238)
Midland - Placement (Remixes)
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Ramadanmanとの共作が話題となったUKハウスの注目株であるHarry AgiusことMidland。ダブステップにも微妙に接近をしつつも、UKらしい洗練されたハウスを披露しAus Musicの有望株として着々と評価を高めている。そんな彼の新作はリミックスのみを収録した作品だが、なんとリミックスを提供したのが新生R&Sを支えるLoneにドイツ・ディープ・ハウスの重要アーティストだるMotor City Drum Ensembleと、否が応にも手が伸びてしまう話題盤。先ずはLoneによる"Placement (Lone Remix)"はビートメーカーらしく鋭利に切り込んでくるリズムがダブ・ステップ的なパンチ力のある音とブロークン・ビーツのしなやかさを持ち合わせていて、原曲のハウス色は一掃したLone色に染め上げている。しかし完全に塗り替える事もせずUKベースな美しい上モノの音響は生かしてもおり、バランス良くLone自身の個性とMidlandの個性を纏めたリミックスだ。意外な仕事をしたのがMotor City Drum Ensembleで、"What We Know (Motor City Drum Ensemble Dub)"と言う通りに原曲から無駄な音を省きつつダブな奥深い音響を生み出している。シカゴ・ハウスの悪びれた音質のリズムトラックやレイヴィーなギラギラしたシンセの上モノが毒々しく驚きはあるが、MCDEらしい粘着力のある重心の低いグルーヴはいつも通りで納得の出来だ。両者とも今の時代を象徴するような音作りで、フロアでもばっちりはまるであろう一枚だ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ramadanman & Appleblim - Void 23 EP (Aus Music:AUS1031)
Ramadanman & Appleblim - Void 23 EP
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ダブステップの界隈で注目を集めているらしいRamadanmanとAppleblimのコンビ。自分は全く知らないものの、Carl Craigがエディットを手掛けているので迷わず購入。オリジナルの方はダブステップ…ではなくて、淡々とイーヴンキックが続く4つ打ちのテクノで肩透かしを喰らうも、アシッディーな低音やら奇妙なシンセがミニマルに展開され、スカスカなトラック構成ながらも老体に鞭を打つような強烈さが際立っております。徐々に肉付けされて行く展開はワイルドピッチスタイルでもあり、これは当然フロアでも盛り上がりそう。そしてC2のエディットはオリジナルを尊重しながらも奥深い音響の上物や重い低音、トライバルなパーカッションや奇妙なSEで派手に肉付けした狂気の滲み出るドープなテクノ。デトロイトテクノと言うよりはプログレッシヴなC2の音楽その物と言った感じで、大技小技が光っており流石の出来ですね。曲尺は9分もあり聴き応えも文句無し。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Apparat - DJ-Kicks (Studio !K7:!K7270CD)
Apparat - DJ-Kicks
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設立25周年と波に乗っているStudio !K7の名物MIXCDシリーズ最新作には、エレクトロニカを経由してテクノへと踏み込んできているApparatが参戦。このシリーズはテクノと言う枠を越えて幅広くジャンルを掬い上げているのですが、本作でもテクノだけでなくエレクトロニカやアブストラクト、ダブステップまでを匠なセンスによって纏め上げておりました。トラックリストを見てもワクワクする内容で、Carl CraigやRippertonのテクノにOvalやThom Yorkeらのエレクトロニカが絡み、更にはBurialやMartin、T++らダブスッテプまで挿入されてしまう。ポップでカラフルなエレクトロニカとダークで陰鬱なダブステップの自然な陰陽の切り替わりもさる事ながら、どこをとってもどんなジャンルであろうと、最初から最後までダンスなグルーヴを保ち続けるその選曲眼は類稀なるもの。単純でミニマルな4つ打ちで押していくのではなく、多用なリズムを用いて変幻自在な世界を生み出しつつ腰に来るグルーヴを保つのだからこれは凄い。いや、凄いと言う前に本当に独創性と遊び心に溢れた面白いミックスで、こんなプレイもあるんだなと新しい息吹を感じさせてくれました。

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| TECHNO8 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kode9 - DJ-KiCKS (Studio !K7:!K7262CD)
Kode9 - DJ-KiCKS
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ダブステップのシーンで一躍トップに躍り出たBurialですが、そのBurialをデビューさせたのがKode9が主宰するHyperdubでありまして、つまりはKode9こそBurialの後見人と言えるでしょう。Kode9の作品自体は聴いた事が無いので何とも言えないのですが、Hyperdubのリリース暦を見る限りでは決してダブステップだけに固執している訳でもなくテクノやディープハウスからヒップホップやレゲエまでリリースしており、Kode9の音楽性も単純にダブステップだけと言うのでもなさそうです。それは彼にとって2枚目のMIXCDとなるこの!K7からの名物MIXCDシリーズ"DJ-KiCKS"を聴けば分かる通りで、ブロークンビーツで幕開けしダブステップのみならずグライム、ダンスホール、レゲエ、エレクトロなどを自由自在に渡り歩いて行く音楽性があります。緩急を付けて非常にすっきりと軽快な -しかし軽くはない- 素早く変化して行く多種多様なリズムは野性味に溢れているし、そしてなによりテクノと邂逅が進むダブステップが多い中で、Kode9はむしろルーツミュージックと共に歩みを進めているようです。MartynやScubaがテクノを取り込みシリアスで洗練を伴う路線を進むのに対し、Kode9は悪く言えばチープだけれどもダブステップの初期衝動が感じられ、ジャマイカの臭いさえも漂よわせます。美しいと言うより卑猥でファンキーな、そして非常に生臭い。

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| ETC3 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Scuba - Sub:Stance (Ostgut Ton:OSTGUTCD11)
Scuba - Sub:Stance
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近頃ダブステップが盛り上がっているようですが、テクノに接近しているダブステッパー・Scubaが何故かベルリンミニマル最前線のOstgut TonからMIXCDをリリース。ダブステップとテクノの邂逅は最早珍しくも無いですが、このMIXCDはその中でも決定打とも言える程に素晴らしい出来。ダブステップと言えばやはり横揺れ系の独特のリズム、硬質で引き締まったキックなどが特徴ですが、本作ではそれらの要素が目いっぱい詰まっていて目まぐるしい流れが展開。まるで山あり谷ありのジェットコースターのようでもあり、否応なく体が揺さぶられてしまう勢いがあります。そして闇夜の中から這い出してくる叙情とメランコリーはデトロイトテクノともリンクし、真暗な空間の広がりを感じさせるダビーな音響はBasic Channelのようでもあり、暗いインダストリアルな音の中にも壮大なドラマツルギーが展開し、破壊力と美しさが混在しているのです。Basic Channelがデトロイトテクノとダブスタップに取り組んだら、もしかしたらこんな音になるのかも?ベルリンミニマルとダブステップの新たなる胎動がここには詰まっております。先日の来日プレイに行っておけば良かったなと多少後悔が残る位の快作。

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| TECHNO7 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |