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Luciano - Sequentia Vol. 1 (Cadenza:CADENZA 118)
Luciano - Sequentia Vol. 1
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かつてはチリアン・ミニマルでRicardo Villalobosと双璧を成すとまで称されたLucien NicoletことLucianoは、しかしその前者の神々しく圧倒的なまでの存在感と比べると、この数年は控えめに言っても余り高い評判を聞く事は多くない。当方が自身で彼のDJを聞いているわけでもないし体験すらせずに批評する事は正当な判断ではないが、しかしそれでもやはり特にアンダーグラウンドな方面からはLucianoがコマーシャルになってしまったという批判が出ていた事も事実だ。それに従ったわけではないが当方も積極的にLucianoの作品を追う事は少なくなったものの、本作は彼が主宰するCadenzaの15周年を記念したシリーズの一環だそうで、何となく試聴してみたところなかなかの出来だったので購入した次第である。アナログでは2枚組で5曲だけの収録ながらも通して50分もある内容はアルバム級と言っても差し支えはなく、その長尺な構成を活かしたミニマルを軸にしながら妖艶な美しさを放つオーガニックかつトライバルな作風は、かつての名作『Tribute To The Sun』(過去レビュー)の芸術的な美しさを思い起こさせる。いきなり12分超えの大作である"The Amazing Lilou"は民族的で土臭い、しかし細く繊細な響きのリズム感であっさりとした軽快なビートを刻み、そこにしとやかで幽玄なシンセストリングスや覚醒感を煽る電子音を絡ませながら、大きな展開を作る事なく催眠術のように執拗にほぼ同じような繰り返しを続けながら酩酊させる如何にもなミニマルだ。よりダンスのグルーヴが活きているのは Rebelskiをフィーチャーした"Hiding Hearts"で、有機的な響きのパーカッションやタムにやスネアを効果的に用いて複雑に跳ねるリズムを刻む様相は正に異国情緒溢れるトライバル・ビートで、そこに哀愁たっぷりな弦楽器の泣きの旋律が入ってくれば、それは真夏の夕暮れ時の海のセンチメンタルな時間帯が現れる。"Nabusima"もラフなドラムの音が生っぽく湿り気を帯びたアフロと言うかカリビアンなグルーヴ感があるが、それとは対照的にか弱く繊細なピアノや細い電子音で控え目に上品さを加えているこの曲は、天にも昇るような楽園的な雰囲気がある。"Magik Mechanics"はエレクトロニック性が強いややメジャー感もある機能性に沿ったミニマルだが、それでも音圧に頼らない繊細なビートやメロディーで音を削ぎ落とした無駄の無い美しさが表現されている。特に個性的だったのはタイトルが示すように東洋の雰囲気がある"Tirana Del Oriente"、寺院の中で鳴ってそうで宗教臭くもある太鼓系のパーカッションが複雑なリズムから始まり、弦楽器の妖艶な響きに酩酊させられながらグルーヴが疾走るでもなくただゆらゆら感が続く呪術的なムードで、キックが入らずともフロアでもきっと踊る者を魅了するに違いない。こうやって作品を聞くとチリアン・ミニマルの中でもその繊細な美しさは一つ飛び抜けていると思うし、少なくとも作曲家としてはやはり才能が光っている事を実感する。



Check Luciano
| TECHNO13 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rebelski - The Rift Valley (Cadenza Records:Cadenza 88)
Rebelski - The Rift Valley
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夏頃にパーティーで耳にして気になっていたものの、誰の曲だか分からなかったものが本作にて遂に判明した。その作品こそCadenzaが送り出すMartin Roman RebelskiことRebelskiの8年ぶりの新作だ。Rebelskiは00年代前半から活動しているUKロックバンドのDovesのサポート・キーボーディストとしての経歴もあるアーティストだが、本作にて突如としてCadenzaが彼の作品がリリースした。そんな流れもあってか"The Rift Valley"のオリジナルバージョンは、賛美歌を歌い上げるような女性ボーカルと清らかなハープのアルペジオが絡み、神々しさに包まれるドラマティックな曲にはなっているものの、曲尺はそれ程長くもなく一般的なダンストラックにある機能性は強くはない。と言う事でやはりDJにとって融通が利くのは"Luciano Remix"で、Lucianoらしいパーカッシヴながらも線の細く軽いグルーヴ感を活かしながら、オリジナルの繊細で柔らかなメロディーや神々しい世界観をそのままに、極楽浄土へと登っていくような多幸感ばりばりのリミックスは言うまでもなく素晴らしい。Lee Van Dowskiも同じく機能性を高めているが、Lucianoが変則ビートだったのに対しこちらは奇を衒わずに芯のあるキックが4つ打ちを刻むパーカッシヴ・ミニマルで、叙情に抑制をかけつつもより肉体を直接的に揺さぶるような効果が高い。どのバージョンも一度聴いたら耳から離れない程の強い個性を放っており、バレアリックなクラシックとなる可能性を秘めている。

試聴

Check "Rebelski"
| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |