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名作MEZZANINEリリース時に予定されていたマッド・プロフェッサーによるダブ・バージョンが、今になりリリース。こちらはアナログ盤。
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Rick Wilhite - The Godson IV (Mahogani Music:MM-42)
Rick Wilhite - The Godson IV
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デトロイト・ハウスの重要レーベルであるMahogani Musicと言えばKenny Dixon Jr.が率いるだけあり、何はともあれどんなアーティストによる作品だろうと最新のリリースはひと目置かれるが、2018年8月頃にリリースされた本作は特に注目せずにはいられない作品だ。手掛けているのはDixonらとも3 Chairsを結成していたりしたデトロイト・アンダーグラウンドのベテランの一人であるThe GodsonことRick Wilhiteで、所謂スローモーで重心の低いデトロイト・ビートダウンを広めた立役者の一人でもある。本作はアナログではダブルパックながらも4曲のみ、つまりは片面1曲のみと気合の入った構成で、その上Moodymannのかつての名曲"Technologystolemyvinyl"のリミックスも収録されているのだから、是非ともアナログで入手して頂きたいものだ。"Xanadu 3.0"は典型的なビートダウン・ハウスと呼べるだろうか、淡々と刻むキックは錆び付いたような響きでローファイ感があり、そこにジャジーでくぐもったエレピ風のコードを展開するが、大きな衝動を生む事もせずクールな空気感でただただマシンビートが虚空に響く。"Sonar Funk"は呻き声のようなサンプリングから始るが、直ぐに金属が錆びてざらついたキックやハイハットが走り出し、そこに闇の中で蠢くようなキーボードがぼんやりと情緒を添える。奥底では鈍い電子音が微小な音量でループしておりヒプノティックな感覚も加えて、すっきりしながらも荒々しいグルーヴと合わせて燻りながら熱くなるファンキーなハウスを聞かせる。目玉はやはり"Technologystolemyvinyl (Godson's Cosmic Soup Mix)"だろう、キーボードにAmp FiddlerやトランペットにPitch Black Cityらのデトロイトのアーティストを迎えるなど、豪華なアーティストが揃ってのリミックスだ。オリジナルはサンプリングを駆使しながらも生々しくファンキーなジャズ・ハウスであったが、このリミックスではその音楽性を継承しながらも生演奏中心で再現する内容で、けたたましく野性的ながらもジャジーなドラミングと優美なエレピの装飾、そこに熱く咆哮するトランペットも加わって衝動的かつライブの創造性に満ちたジャム・セッション版ハウスを構築している。そして最後はデトロイトのユニットであるFolson & Tateの曲をリミックスした"Is It Because I'm Black (Godson's Flip Mix)"、スカスカな音の構成ながらもどっしりと重いビート感とゴスペル・ハウス風な歌も一緒くたになりP-FUNK風なノリもあるが、このプリミティブなファンク感は正にデトロイトという地から生まれた音楽で、Mahogani Musicからのリリースも納得の出来だ。どうせならこの流れでアルバムのボリュームで作品を聞きたくなる程だが、一先ずはここに収録された曲はどれもDJがフロアでプレイしても盛り上がるであろう内容で、ビートダウン先駆者としての貫禄が発揮されている。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rick Wilhite - Vibes New & Rare Music 2 (Rush Hour Recordings:RHM 010 CD)
Rick Wilhite - Vibes New & Rare Music 2
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Theo ParrishやMoodymannにMarcellus Pittmanと共に3 Chairsのメンバーとして、またデトロイトのレコ屋である「Vibes」(現在は閉店)のオーナー兼バイヤーとして、そしてDJ/アーティストとしても高い評価を得るRick Wilhite。2010年にはオランダのRush Hourと手を組み"Vibes : New & Rare Music"(過去レビュー)なるデトロイト/シカゴのアンダーグラウンドな音楽を集めたコンピレーションを手掛けた際に、そこで大物から隠れた原石まで引っ張り出して新旧世代を交えたソウルフルな音源を集め、流石のローカルなベテラン故の音楽センスを披露した。それから4年、再度Rush Hourと協力して手掛けた続編となる作品が本作なのだが、ここでは前作以上に意外ともとれるアーティストが集まっている。例えばニュージャージ・ハウスからBlazeのJosh Milan、NYハウスのベテランであるJovoon、シカゴの変態的なK-Alexi、そしてまだ余り名の知られていないJon Easleyがそうだろう。その一方ではデトロイトからはGerald MitchellやMoodymannにOrlando Voorn、Urban TribeことDJ Stingrayも招集し、Rickのセレクターとして人望の厚さが伝わってくる程のアーティストが揃っている。このように前作よりもその幅の広い人選故に音楽的にも多少のばらつきは見受けられるが、Josh Milanによる"Electro Dreams"にしても彼らしいソウルフルな温かさはありながらも、普段のBlazeよりは幾分かより無骨な質を強めていて、方向性としてはやはりデトロイトのハードな気質が勝っているようだ。Gerald Mitchellはいつも通りで"It's The Future"と言うタイトルを表現するような希望に満ちたアフロ・ハウスを展開し、Orlando Voornは"The Recipe"で煌めくような明るさを発するビートダウンを聞かせ、デトロイト勢はあるがままに自身の音楽性を披露している。レコ屋の元バイヤーとしての手腕を存分に発揮しているRickだが、アーティストのしての腕も間違いなく、Norm Talleyとの共作である"30 Years Later"では地面を這いずり回るような重心の低いビートダウン・ハウスで粘着質な黒さを発している。アルバムとしてジャンル的な纏まりはないかもしれないが、精神的な意味での音楽に対するアティチュードではアンダーグラウンドであり、その心意気は存分に伝わってくるだろう。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jerome Derradji - Stilove4music (Stilove4music:STILOVE4MUSIC01CD)
Jerome Derradji - Stilove4music
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2004年にシカゴに生まれたStill Musicはアナログから生まれるソウルを元にデトロイト周辺のアーティストを世に送り出してきた良質なレーベルだが、2005年からは並行してStilove4musicというエディット物を中心としたレーベルも始動させ、DJを虜にするような作品をリリースし続けている。そんなレーベルを運営しているのがJerome Derradjiでアーティストというよりはレーベル・マネージャーとしての手腕で評価は高いが、本人もStilove4musicから複数のEPをリリースしており、今回はそんな作品を初のCD化した。CD1にはJeromeによるエディット作品が収録されており、SeawindやEarth Wind & FireにPeople's Choiceらのファンクやディスコといった古典的な作品が、オリジナルの持ち味を無くさないように手が加えられている。オリジナルを聴いた事がないのでどれ程の編集がされているかは分からないが、恐らくオリジナルから殆ど乖離する事がないDJツール向けにエディットされたかなと感じる程度のエディット集であり、その意味ではオリジナルを知っている人にも安心して聴けるようなノスタルジーを発する時代感がたっぷりつまった作品である。そしてCD2には同じくStilove4musicからリリースされてきたEPから複数のアーティストの曲が収録されており、Rick WilhiteやJustus Kohnckeといった有名な人から、シカゴのBruce IveryやRicardo Mirandaらアンダーグラウンドな人までが、こちらもCD1と同じく古典のエディットを披露している。がディスコやブギー、ファンクやフュージョンなど黒人音楽を元にしているのは同じだが、エディットと言うよりはサンプリングを用いたリミックスに近い作風で、現代っぽい4つ打ちのリズムやベースラインを強調した作風はよりフロアで機能するだろう。全編どれもがエディット作品と音楽的な新鮮味は薄いものの、黒人音楽を下地にシカゴ・フィーリングな力強く荒っぽい性質も付加した作品は、ダンス・ミュージックとしての衝動に溢れている。今となっては入手困難な作品が一纏めになっている事もあり、ディスコやファンク好きな人にとっては間違いのないコンピレーションだろう。



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| HOUSE10 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
In The Dark : Detroit Is Back (Still Music:STILLMDCD011)
In The Dark : Detroit Is Back
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以前に比べると神格化された感もあったデトロイトの音楽に対する評価は落ち着いてきているように思われるが、それを尻目に一貫してデトロイトの魂を守り続けているレーベルも存在する。その代表として挙げられるのがJerome Derradjiが主宰するStill Musicで、レーベル自体は2004年にシカゴで生まれているものの、デトロイト周辺のアンダーグラウンドなアーティストに焦点を絞って作品を手掛けている。2005年にはデトロイト・ハウスの - 特に表舞台と言うよりは長年地下で土台を支えてきたような - アーティストの作品を収録した「In The Dark (The Soul Of Detroit)」と名付けられたアルバムを纏め上げたが、本作はタイトル通りにその続編となる2枚組のデトロイト・ハウスのコンピレーションだ。レーベルが提唱するには「デトロイトの地下クラブ、スタジオや倉庫で鳴っている音」だそうで、Delano SmithやRick WilhiteにMike Clarkらのベテラン勢から、Patrice ScottやKeith WorthyにDJ 3000などこれからの世代を担う人材まで、デトロイトのローカル色を強く打ち出したアーティストが集められている。デトロイトと言うとどうしてもベルヴィル・スリーやUR周辺に注目が集まりがちだが、本作を聴くとやはり現在の音楽制作的な面から見るのであれば世代は確実に変わってきている事を実感する。音的には世界の流れからは外れつつもエモーショナルな熱量を濃厚に煮詰め、アナログ感覚の強い温かい音質を打ち出したソウルフルなハウスを中心に纏められた本作には、デトロイトと言うブランドに頼らずとも評価されるパーティーに在るべき音楽が詰まっている。所謂クラブ・アンセムと言われるような派手な曲があるわけではないが、各アーティストの実直なデトロイト・ソウルが伝わってくる事もあり、デトロイト入門としてもお薦めしたくなる作品集だ。勿論アンダーグラウンドなデトロイト好きな人にとっては、長く愛せる作品となる事は言うまでもない。

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| HOUSE9 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio Presents Sambatek (Far Out Recordings:FARO176CD)
Kirk Degiorgio Presents Sambatek
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インテリジェンス・テクノからデトロイト・テクノ、果ては本格的なフュージョンやジャズにまで造詣の深いKirk Degiorgioが新たに向かった先は、ブラジリアン音楽の一つであるサンバだ。実は以前にFar Out RecordingsからOffworldプロジェクトとしてAzymuthと共同制作したアルバムをリリースしているが、今回のプロジェクトに関して言えばサンバのリズムを取り込んだ"テクノ"である。本作でもOffworldプロジェクトにも参加していたAzymuthのメンバーであるIvan Contiが楽曲提供を行い、Kirkはあくまでプロデューサーとしての立場であるそうだが、結果として出来上がった音はKirk流のモダンなテクノとなっている。Ivanが作曲したブラジリアン音楽をKirkが現代のテクノへと変換する作業は、サンバの乱れ打つリズムで揺れる躍動感を保ったまま、Kirkらしい洗練されたテックな音を付加する事で完成を見ているが、そこにはブラジリアン音楽とテクノの乖離は全く見られない。強烈かつ執拗に弾けるパーカッションはKirkの作品にしては珍しいが、テクノの音として自然と取り込んでしまうその手腕は、フュージョンやジャズなどの古典音楽にも傾倒し理解が深いからなのだろう。またUKテクノのピュアで洗練された感覚だけでなく、現在のテクノの中枢であるベルリンシーンをも意識したような、暴力的な唸りを上げるミニマルなトラックもあり、アルバムの大半の曲はフロア向けのDJツール的な要素も増長されている。Kirkらしいしなやかで優雅なインテリジェンスな要素は少ないが、そう言えばEP単位ではハイテックな作品を量産していたKirkも、純然たるテクノのアルバムはここ10年近く出していなかった。そう思うとここまでパーカッションの力強いリズムが活きたテクノを聴くと、素直に嬉しく思う。オリジナル曲以外にもRick Wilhite、Jonas Kopp、NX1のリミックスを収録しており、これらはより踊るための機能性に絞った作風で要注目だ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Masterpiece Created By Carl Craig (Ministry Of Sound:MOSCD303)
Masterpiece Created By Carl Craig
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ジャンルを限定せずにダンス・ミュージックに於ける重鎮を起用して人気を博しているMIXCDシリーズ「Masterpiece」、その最新作には遂にデトロイト・テクノの中心に居座り続ける重鎮・Carl Craigが登場した。彼について言及しておくとアーティスト的な面でデトロイト・テクノをそこからより多方へと飛翔させた手腕の評価は誰もが認めているだろうが、その一方DJ面については大箱やレイブでは受けはするであろうド派手なプレイが際立ち、求道的に個性を確立させた音はそれ程聞こえてはこない。ここで本作に注目するとMIXCDはCD1の"Aspiration"だけであり、他は"Inspiration"と"Meditation"のコンピレーションとなっているので、つまり彼のDJに然程魅力を感じていない人に対しても十分な価値を持たせるものとなっている。

"Aspiration"について言えばデトロイト発のアーティストの作品を多用はしているものの、ここでは殆どデトロイト・テクノ的なエモーションを感じられる瞬間は無いだろう。出だしこそKyle Hallによる凶悪なアシッドテクノで強い印象を打ち付けるが、そこからはヨーロッパ的なテック・ハウス/プログレッシヴ・ハウスの端正な電子音を打ち出して、スムースなミックスを施しつつズンドコしたグルーヴ感と心地よい陶酔が広がるテック感を継続させ、良い意味では万人受けしそうな分り易い展開を作っている。後半ではヒット曲の応酬でフィルター・ディスコやデトロイト・ハウスにオールド・エレクトロなどCarlの派手な音楽性が見事に炸裂しており、盛り上がりと言う観点からすると十分な内容ではある。決して長年の経験を重ねた深みがあるわけではないが、大箱でのプレイを体験するようなエンターテイメントとして楽しめるMIXCDとして価値はあるだろう。

そして”Inspiration”はそのタイトル通りにCarlが影響を受けた音楽を選び抜いており、アーティストの背景を知る楽しみを持ち合わせている。年代もジャンルも多岐に渡り、ファンクにレゲエやダブ、ヒップホップにR&B、ジャズやボサノバ、そして勿論テクノまで収録しており、こんな選曲をクラブでは無理だとしても今回のようなプロジェクトの中でMIXCDとして披露すれば余計に面白いのではと思うところもある。

本作でリリース前に最も注目を集めていたのは"Meditation"ではないだろうか。なんと全曲未発表曲でボリュームはアルバム級と、つまり久しぶりのオリジナルアルバムと考えれば熱心なファンが反応するのは当然だろう。しかし"黙想"と名付けられているようにここには彼らしいファンキーなグルーヴも実験的なサウンドも無く、沈静化したアンビエントが広がる正に"Meditation"な音が待っている。フロアからは遠ざかった神妙で張り詰めたムードがあるが、その一方では電子音と戯れながら自由に音を鳴らしたようなラフスケッチ的な印象も受け、作品としては少々煮え切らなさもある。ただ目を閉じ音に耳を傾ければ、世の中の喧騒から解き放たれ雑念も消えるような瞑想音楽としては確かに合っているようでもあり、就寝時のBGMとして心地良さそうだ。Carlによる最新のダンス・ミュージックが聴きたかったのも本音だが、先ず先ずは新作が聴けただけでも嬉しい限りだ。

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| TECHNO10 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2013/8/16 Marcellus Pittman Japan Tour 2013 Feat. Re:Funk @ Amate-raxi
デトロイトには本当の意味でスペシャルなユニットである3 Chairsがいるが、そのメンバーの一人がMarcellus Pittmanだ。他のメンバーがKenny Dixon Jr.、Theo Parrish、Rick Wilhiteである事を考えると、彼等と同列しているMarcellusも見過ごしてはならない存在だ。3 Chairsとしての活動以外にもSound SignatureやTrack Mode、そして近年は自身が設立したUnirhythmからの作品をリリースなど制作の面でも確実に評価を得つつあるが、当方はようやく彼のプレイを初めて聴く機会があったので非常に楽しみにしていた。
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| EVENT REPORT4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rondenion - Soul Desire EP (Roundabout Sounds:RS008)
Rondenion - Soul Desire EP
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後藤宏文がデビューしたのはもう既に12年前の2001年、Frogman Recordsより突如世に送り出したアルバムでだった。日本人なのに随分とファンキーな作品を作るものだと注目していたが、レーベルの消滅と共に後藤宏文の活動も立ち消えていたように思われる。そして再度日の目を見る事になったのが2005年、Rondenion名義でStill Musicから出したアナログが海外で高い評価を得た時だった。その後の活動はもう言うまでも無いだろうが、Rush HourやAesthetic AudioにFaces Records、そして自身が立ち上げたRagrange Recordsからの日本人離れした黒さとファンキーさを伴うハウストラックが、世界的に注目を集めている。前置きが長くなったが、そのRondenion名義による初のアルバムが遂に発売される事になり、先ずはそこからの先行EPがリリースされている。本作では今までのサンプリングを多様した荒々しいディスコ/ファンクな音楽性は封印し、"He Said, She Said"なんかはセクシーな呟きも入った官能的なディープ・ハウスを披露しており、黒さはそのままに全体的にぐっと大人っぽさを増した感が強い。妙に手数の多いポコポコしたパーカッションに幻惑的なシンセのフレーズを被せた"Bialowieza"は、デトロイト・ビートダウンをお手本にミニマル化した現在形のトラックだ。ディスコの音を打ち出した煌めくハウスからのダークな作風への転身は、一体何を意味するのだろうか。そして裏面にはデトロイトからRick WilhiteとベルリンからBaazと、ハウス系では玄人からの注目も高いアーティストのリミックスを収録している。生々しい芯の図太いリズムトラックと錆びついて鈍く黒光りするような音でスモーキーさを演出した前者、しっとりダビーな音響と仄かにエモーショナルなシンセで包み込む正しくディープ・ハウスを体現した後者と、どちらもアーティストの個性を如実に表したリミックスを提供している。全4曲、アルバムの出来を占う作品として、また単純にフロアで映える楽曲として太鼓判を押す。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kirk Degiorgio Presents Sambatek - The Remixes (Far Out Recordings:JD 26)
Kirk Degiorgio Presents Sambatek - The Remixes
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テクノからインテリジェンス、フュージョンからAORまで器用にこなすUKテクノの重鎮中の重鎮、Kirk Degiorgioのニュープロジェクト・SambaTekの作品が遂にリリースされた。プロジェクト名から推測するにパーカッシヴなサンバのリズムと最新のテクノの融合でも目指しているのだろうと推測されるが、本作はアルバムからの先行シングルながらも全てがリミックスの為、そのプロジェクトの全容を知る事は出来ない。が、リミキサーにはデトロイトからのベテランDJであるRick Wilhiteにヨーロッパからは新鋭のNX1、Spatialらが招かれており、Kirkが現在目を付けているテクノと言う視点から楽しめる作品にはなっている。Wilhiteは"Babilonia"のリミックスを2バージョン提供していて、雑然としたラフな質感は普段とそれ程変わらないが、いつものハウスではなく重厚感のあるどっしりしたテクノを披露しているのが興味深い。無駄な音を省いたミニマルなスタイルながらも上辺で鳴るヒプノティックなシンセリフは中毒的で、ドイツやUKの最近の音にも適合しそうな印象だ。裏面にはNX1、Spatialと自分が未だ知らぬアーティストのリミックスが収録されていたのだが、こちらも予想していたより素晴らしいリミックスとなっていた。"Borel (NX1 Remix)"は完全な4つ打ちではなく崩れたビートが激しく刻まれるインダストリアルなテクノで、その上を色気のないマシーナリーなシンセが淡々と鳴っている。人間味を排した無感情な世界観が激しいグルーヴ感に上手く適合しており、Kirkの世界観とは全く異なる魅力を生み出しているのだろう。"Morro De Formiga (Spatial Remix)"は最もサンバのパーカッションが体感出来るリミックスとなっているが、それを現代のシーンを象徴するダブ・ステップに適合させているのが面白い。上モノなんかは洗練された上品なテッキーな音が鳴っておりUKテクノらしいインテリジェンスな感覚もあるが、その下ではつんのめるような前のめりのキックが先行し、サンバとダブ・ステップがしっかりとフロアで機能する融合を果たしている。基本的には全てのリミックスがテクノ仕様となっており、今っぽいテクノを十分体験出来るのではと感じられた。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
3 Chairs - Demigods (Three Chairs:3CH07)
3 Chairs - Demigods
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デトロイトのMoodymannことKenny Dixon Jr.、Theo Parrish、Rick Wilhite、Marcellus Pittmanとどす黒い4人が集結したスペシャルユニット・3 Chairsの7年ぶりとなる新作が到着。個々の才能だけでも並々ならぬ異形めいたものではあるが、そんな4人が集まっただけで話題となるのは当然であろう。実のところこのユニットにおける制作の役割や分担は明確にされていないので、個々のアーティストの音楽性がどれ程反映されているかは掴めないところがあるのも実情だ。しかし"Demi Gods"を聴く限りではハイハットやキックが味気なく鳴る中で、シカゴ・ハウスの悪さが滲み出る中毒的なアシッドサウンドが低い所で這いずり回るのを聴くと、これは恐らくはTheoとMarcellusが掛けているのではと思う。続く"Elephant Ankles"では一転してドタドタしたリズムがスモーキーな音像に包まれるも、光沢のあるスピリチュアルなジャズを意識した作風はこれもTheoによる制作に思われる。気が抜けて湿ったキックが妖艶なビートダウンの"6 Mile"は、掴みどころの無いファンクネスが感じられるのを考慮するとMoodymannによる曲なのかもしれない。"Celestial Contact"も随分と粗い音質のビートではあるもののミニマルで骨が露出したような無駄の無いハウスで、これもTheoとMarcellusが手掛けているのだろうか。本作ではRickらしい直球ストレートでファンキーなハウスは収録されていないが、何処にどう絡んでいるのかは分からないままだ。とは言っても表面的には異なる音が出つつも、しかしどれも地味にドープな黒光りをしているところにはデトロイトからの音である事を示しており、流石の存在感を放っている。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcellus Pittman - Pieces (Unirhythm:UNICD 01)
Marcellus Pittman - Pieces
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デトロイトには最も強く黒光りする集団である3 Chairsが居る。そのメンバーこそMoodymannことKenny Dixon Jr.とTheo ParrishとRick Wilhiteであり、4本目の椅子の足となるのがこの度初のアルバムリリースに至ったMarcellus Pittmanである。正直に言ってしまえば前者の3人程には経歴も知名度も及ばないのは事実かもしれないが、彼等の作品の制作にも加わりつつ様々なレーベルから自身の作品を世に送り出し、着々と経験を蓄え才能を磨き上げていたのだ。10年以上に及ぶ活動を経てのこのアルバムも派手な展開は皆無で一聴した限りでは地味に聴こえる…と言うか何度聴こうが地味には間違いないが、前述の音を彫刻するTheoや卑猥でセクシーな音を奏でるMoodymann、そしてラフながらも感情を揺さぶるRick Wilhiteとはまた異なる個性を持ったアーティストである事が分かる。前述の3人に比べれば汗臭く感情的などす黒さは感じられる事は少なく、テクノ的な無機質な音の使い方を強調し音を無理に重ねる事なく、逆に必要最小限なまでに間引きながら骨格を露わにしたハウスを奏でている。非常に機械的とも言える単調で冷たいリズムトラック、感情の起伏を抑えた落ち着いたメロディーと曲調自体は控え目な印象ではあるが、ある種シカゴ・ハウスとも共通する無骨で粗暴なトラックの作りに硬派な男気と何かが生まれようとする胎動が感じられると評するのは言い過ぎだろうか。ディープ・ハウスと呼ぶには音の剥き出し感が余りにも強過ぎるのだが、しかしこれもまたデトロイトと言うソウルの街から生まれたハウスなのである。"Pieces"と言うタイトル通りに断片だったアナログを纏めたアルバムではあるが、Marcellus Pittmanの全容を知るには最適な作品であろう。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rick Wilhite - Analog Aquarium (Still Music:stillmcd004)
Rick Wilhite - Analog Aquarium
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デトロイト・ハウスユニットの3 Chairsの本当に3人であった頃のメンバーでもあるRick Wilhite…と言う肩書きは最早不要か、EP中心に地味にアンダーグラウンドな道を突き進んでいたベテランが長い活動を経ての初のアルバムで遂に浮上した。と実はここに至るまでに昨年の彼のEPの編集盤と、彼が手掛けたシカゴ〜デトロイトのディープハウス編集盤により既にある程度の知名度を得ていたであろうが、やはり最後の決めてはこの初のアルバムに集約されている。制作には3 ChairsのメンバーでもあるTheo ParrishとMarcellus Pittman、スピリチュアルハウスのOsunlade、そしてTheoとも関係の深いBilly Loveはボーカルとして全面的に参加しているが、しかし聴けば分かる通りRick Wilhiteの音で埋め尽くされたと言っても過言ではないアルバムだ。以前の編集盤で自分はRickの音を「ソウルフルでファンキーな」と述べたが、このアルバムではそれだけでなくサイケデリックでミニマルで不穏で野蛮な面も強調されている。タイトル通りに剥き出しで精錬されていないアナログの音が感情にダイレクトに突き刺さり、一見過剰なまでの汚らしく粗い未熟なトラックのようでありながら、じっくりと低音で燃焼し続ける炎らしくどす黒いソウルは燻り続けている。以前の編集盤に比べればトライバルあり、ブラジリアンあり、ブギーありと幅は広いものの、分り易い明るさや叙情は少ない…が、それでも得体の知れないマッドな空気感と黒さには抗えない物がある。新機軸までには至らないが、Theo ParrishやMoodymannを追随するデトロイトの才能がようやく開花した。

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| HOUSE6 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Rick Wilhite - Vibes : New & Rare Music (Rush Hour Recordings:RH111CD)
Rick Wilhite - Vibes - New & Rare Music
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オリジナル3 ChairsのメンバーでもあるRick Wilhite aka The Godson。昨年はRush Hour Recordingsから2枚の貴重なる名作がリイシューされたおかげで正当なる知名度を得た事でしょうが、その流れを継続して今度は彼がデトロイト〜シカゴを経由するハウスコンピレーションを手掛けました。流石に地味に活動の長いベテランだけあって伝手があるのか、デトロイトからTheo Parrish、Marcellus Pittman、Urban Tribeらのベテランから話題急騰中の新鋭・Kyle Hall、シカゴからは大ベテラン・Glenn UndergroundとRicardo Mirandaらを招集。更にVincent Halliburtonなるアーティストも収録されているのだけど、経歴を調べたらD-HA名義やThe Beat Addicts名義でUnderground Resistance周辺のレーベルからリリース歴のある人でした。と言う訳でこれだけの面子が集まれば試聴せずとも買えるレベルであるのは当然なので説明も不要なのですが、そもそもここに集まってる人達は流行に左右されずにマイペースに自身の作風を貫くタイプなので、ローファイで生臭い感情が溢れるオールドスクールなハウスを十分に堪能出来る一枚になっております。時代を越えて新世代と旧世代が交差するハウスコンピレーション。

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| HOUSE6 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Rick Wilhite Presents The Godson & Soul Edge (Rush Hour Recordings:RH-RW1 CD)
Rick Wilhite Presents The Godson & Soul Edge
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近年デトロイト系のリイシューに躍起になっているオランダのRush Hourは、昨年遂にRick Wilhiteのレア盤であった"Soul Edge"と"The Godson E.P."をリイシューした。Rick Wilhiteと言えばTheo Parrish、Moodymann a.k.a. Kenny Dixon Jr.と共にオリジナルの3 Chairsメンバーである。とは言え後者の二人に比べると知名度的には劣るのも事実だが、リイシューされた2枚のEPとそして"The Godson II"からのトラックをまとめた本作を聴けば、Rick Wilhiteがハウスと言うフォーマットを利用しブラックミュージックを色濃く継承している人物である事が分かるだろう。TheoやKDJの様な空間や重量さえもねじ曲げるような過激で強烈な凄み、汚らしくも時折見せる錆びれた美しさはRick Wilhiteには殆ど存在しない。むしろハウスの重要な要素であるソウルフルでファンキーな味と規則正しい4つ打ちを強く前面に打ち出していて、それはかつてのディスコサウンドにも通じる煌びやかなムードさえある。勿論TheoやKDJとも共通するラフで汗臭い黒いグルーヴがあるのは言うまでもないが、それは彼らに比べると穏やかで人懐っこささえ感じられるであろう。お勧めは何と言っても"Drum Patterns & Memories"、去年から様々なDJがプレイしておりフロアを熱く賑わしている。

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| HOUSE5 | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/02/12 bug III @ Lazy Workers Bar
小野島大さん、24noさんが開催しているbug IIIでちょこっと回してきました。場所は渋谷の小さなバー・Lazy Workers Bar。以前は無かったDJブースが作られていて、しかも最新のCDJも用意されていたり、なかなかの設備。20名入ればいっぱいになってしまう小さなバーですが、むぅなかなか侮れん。

自分が着いた頃にはハッチΨさんがプレイ中。90年代のシューゲイザーを中心に回してましたが、ダムドの予想外なゴシックな曲も回したりしてびっくり。ダムドってパンクだけじゃなかったんだ…

で自分は一時間の中で下記のトラックをプレイ。新しいトラックと懐かしめのトラックを混ぜながら、黒っぽさとムーディーさとエモーショナルな音を表現したつもりです。しかしまあ好きな曲をかけると気分爽快ですね、スカッとしました。
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| EVENT REPORT2 | 09:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
3 Chairs - Spectrum (Three Chairs:3CH CD2)
3 Chairs-Spectrum
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世界で最もどす黒いグルーヴと、そして濃密なファンクネスとエロスを聴かせるデトロイトのユニット・3 Chairsの貴重なコンピレーション。つまりは3 ChairsがMoodymann a.k.a. Kenny Dixon Jr.、Theo Parrish、Rick Wilhiteの本当に3人だった時のEPを集めた初期作品集。実はユニットの体制をとりつつ個別に曲を作っているのだけど、久しぶりに過去の作品を聴きなおしてみたら割りと重いキックを生かした4つ打ちディープハウスが中心だったのか。いや〜黒いね、汗臭くてドロドロとした血が煮えたぎる漆黒の黒さだよ。ディスコやガラージからの影響が強く感じられる古臭くも懐かしい寂れた音響なんだけど、とてもソウルフルでムーディー。感情を前面に爆発させる事はせずに内でじわじわと燃やすような感覚で、ただ単純に踊れれば良いと言うクラブミュージックの枠を越えたソウルとは何かと言う問答を喚起させるような音楽だと思う。彼らのバックボーンや音楽に対しての誠意、熱意がひしひしと感じられ、尊敬の念さえ浮かんでくる実直なディープハウスであり、ソウルであり、黒人音楽である。これで熱さを取り戻せ。

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| HOUSE5 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Detroit Beatdown (Third Ear Recordings:3ECD 001)
Detroit Beatdown
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デトロイトと言えばテクノ。そんな風に考えていた時期が俺にもありました…。あぁ、でも本当はテクノもハウスも根底の一つには同じブラックミュージックがある訳だし、区別なんか必要無かったんですね。URの最初のリリースだってハウスだったし、Carl CraigやKevin Saundersonだってハウス作ってるし、デトロイトには昔からハウスと言う音楽は存在してたのでしょう。そんなデトロイトハウスの最良のコンピレーションが、本作"Detroit Beatdown"。つまりはテンポを遅くした、ビートを落とした音楽なんですが、ここら辺はあくまでテクノの外向的で衝動的なエネルギーに対して、ビートダウンは比較的ゆったりとして内向的なだけです。もっと注目すべきはよりルーツであるジャズやディスコ、ファンクを意識した音楽であり、黒き熱きソウルが燻り続ける様なホットな音楽であるって事。未来を突き進むテクノの攻撃的なパワーは無いかもしれない。だけどビートダウンにはひっそりと燃え続ける内なるソウルがあり、それは音の強度だけではない芯のある強さを感じさせてくれるものなのです。艶かしい色気のある曲もあれば、手に汗握るファンク、メロウでジャジーなハウスまで、とにかくデトロイトの感情がぎっしり詰まっている。デトロイトの荒廃した街で逞しく生きる人達のソウルミュージックとはこれだったのか。

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| HOUSE4 | 05:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
3 Chairs (Three Chairs:3CH3CDJP)
3 Chairs
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お目出たい事に現在は廃盤となっている3 Chairsのアルバムが、この度リイシューされる事になりました。3 ChairsとはMoodymannことKenny Dixon Jr.、Theo Parrish、Rick Wilhite、Marcellus Pittmanの4人から成るデトロイトのユニットです。面子からしてハウス好きは必ず手が伸びてしまう様な固まりで、2004年にごく少数プレスされた本2枚組みは当然の如く即廃盤となった名盤です。これだけ濃い面子が集まっているので音の方も揺ぎ無いタフなソウルが存在していて、ハウスのフォーマットはしているもののその前にブラックミュージックだと言いたくなる真っ黒さ。セオやムーディーマンらしいコンプの効いたざらついた音は粗野で汚いのに、何故こんなにもねちっこいグルーヴを生み出すのだろうか。地べたを這いずり回るような重いリズムトラックは、沼の底へ底へと足を引きずりこむ様です。ここにはとてもハッピーになれる様な音なんか無くて重苦しい雰囲気に包まれている、でも彼らのソウルは熱く火照っている。楽観的なムードなんか全く無いけれど、強い信念と希望を見出せるような音が鳴っている。これこそがデトロイトの廃退的かつ美しいハウス、ソウルなミュージック。

セオが手掛けた"Instant Insanity"は911事件の直後に製作されたトラック。Marvin Gayeの"Inner City Blues"と911事件への人々の討論がサンプリングされた、不安と絶望が溢れる超大作。

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| HOUSE4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Analog Soul - Still Music Compilation (Underground Gallery Productions:UGCD-SM001)
Analog Soul-Still Music Compilation
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以前リリースしていたコンピの副題が"Soul Of Detroit"なのでデトロイトのレーベルだと思っていたら、実はシカゴのレーベルだったStill Music。しかもレーベル主のJerome Derradjiはフランス出身なので、余計に意外性が強い。2004年設立の新興レーベルながらもカタログ数はもはや30近くとかなり勢いのあるレーベルで、シカゴだけに限らずデトロイト、日本、ヨーロッパ全体からまだそれ程有名ではなくとも才能のあるアーティストの作品をリリースしている。本コンピでもデトロイトからLos HermanosのGerald Mitchell、The GodsonことRick Wilhite、Delano Smith、Paul Randolph、日本からは先日クローズしたFrogman Recordsからデビューを飾っていたHirofumi GotoことRondenion、ヨーロッパからPatchworksやFrancois Aなど、地域を限定せずとにかく良い作品を選定している。何と言ってもタイトルの"Analog Soul"って響きが素晴らしい。参加しているアーティストの多くがアナログ機材を使用しているからそう命題したらしいのだが、やっぱりアナログの音って耳に優しいから人間にしっくり来る。スムースで柔軟な肌触りのディープハウス満載で、このレーベルの質の高さが伺える。今後はこのレーベルは要チェックだ。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Detroit Beatdown Remixes (Third Ear:XECD-1043)
Detroit Beatdown Remixes
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テクノはデトロイト、シカゴはハウスなんていつの間にかそんな大きな区分けがされてしまった時、デトロイトにハウスを復権させたのはMoodymannやTheo Parrishだったんだろうな。もちろん彼らは超有名なアーティストな訳で誰もが知る存在なんだけど、よりデトロイトのハウスを掘り下げる為にMike "Agent X" Clarkは「Beatdown」を提唱した。それが2002年にリリースされたデトロイトハウスの最強コンピレーション「Detroit Beatdown」だ。黒人音楽を高密度の圧縮したこの低速ハウスコンピレーションには、Theo Parrish、Eddie Fowlkes、Mike Clark、Alton Millerから隠れた存在であるNorm Talley、Delano Smith、Rick Wilhite、Malik Alstonらの楽曲を収録。今までに類を見ない濃いデトロイトハウスである事は間違いない。そしてそのアルバムを多方面のアーティストがリミックスしたのが、この「Detroit Beatdown Remixes」だ。参加アーティストは、Carl CraigやAmp Dog Night、Gilb'r(Chateau Flight) らの有名処から、まだ一般的には知られていないアーティストまで色々。元々が濃い作品だらけだったのでどう調理されるかも楽しみだったのですが、リミックス後もやっぱり濃かったの一言。多くを述べる必要は無い。ハウスが好きな人ならば、きっと一回耳にするだけでこの「Beatdown」の素晴らしさが分かるはず。デトロイトは何度目かの春を迎えようとしている。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Detroit Beatdown In The Mix Mixed By The Beatdown Brothers (Third Ear:XECD-044)
Detroit Beatdown In The Mix Mixed By The Beatdown Brothers
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もう3年位前だったかな、「Detroit Beatdown」と言うコンピレーションアルバムが発売されたのですが、どうにもテクノで有名なデトロイトに於いてハウスはそれ程脚光を浴びない訳みたい。もちろんTheo ParrishやMoodymannなんかはいるし、Carl CraigやUnderground Resistanceだってハウスは作る訳だけど、決してそれらだけがデトロイトハウスなんかじゃなく地道に活動を続けるアーティストいるのでありまして、晴れてそのコンピレーションに於いて世の中に紹介されたのでありました。URにも参加した事のあるMike Clarkが提唱した"Beatdown"とは、言葉通りであるならばテンポを落とせと言う事なのでしょう。しかしそれ以上に深い音楽性があり、ジャズやファンク、ディスコから継承した黒いソウルがあります。テクノも勿論黒人音楽を昇華した結果ではあるのですが、ハウスはよりストレートに濃く凝縮されているものだと思います。そんなハウスを紹介した「Detroit Beatdown」は、デトロイトハウスの金字塔と言っても差し支えないのですが、更にそれらを The Beatdown Brothersがミックスしたのが、この「Detroit Beatdown In The Mix」です。The Beatdown BrothersとはMike Clarkに、「Detroit Beatdown」にも参加したNorm Talley、Delano Smithを加えた3人組の事で、名前からしてもう素晴らしいです。「Detroit Beatdown」のオリジナル曲、リミックス曲をソウルフルに熱を帯び、ファットに図太く、スムースに心地良く繋げていきました。久しぶりに心温まるハウスミックスに出会った気がします。デトロイトテクノは聴くけれどデトロイトハウスは聴かない、そんな人達にもきっと伝わるソウルがあるはず。カウントダウンにThe Beatdown Brothersがやってくるので、興味の有る方は是非。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Upcoming Event
2004/09/03 ESCAPE presents Deep Space @ Yellow
Francois K(Dub Set)

2004/09/17 VADE @ WOMB
Ben Sims,Ken Ishii

2004/09/18,20 3 Chairs Album Release Party @ Yellow
3 Chairs (Theo Parrish,Rick "The Godson" Wilhite,Malik Pittman,Kenny Dixon Jr.)

2004/09/19 Plus Tokyo @ AIR
Kevin Saunderson

2004/09/25 DIMENSION K presents ZOOM - ageHa @ Stuido Coast
DJ Rolando,Ken Ishii

time sensitive 2004 - Jeff Mills weekly residency @ WOMB
2004/10/08 Opening Party for Jeff Mills Residency
Special Guest:Francois K (The first techno live set)

2004/10/15 Detroit Techno Revenge
Special Guest:Octave One,Random Noise Generation feat. Ann Saunderson

2004/10/22 Turn it up,turn it loose
Special Guest:DJ Muro

2004/10/29 The Experience Jeff Mills Residency Closing Party
Special Guest:Ken Ishii

フランソワのYELLOWは行きたいけど、ダブセットなので悩んでいたらWOMBで1週目に初めてのライブセットではないか!でもWOMB…糞箱。ジェフは今回はフランソワかRNGの週に行くか行かないか程度(多分行かないけど)。Underground Resistanceが来た去年程興味涌かず。ベンシム行きたいけど、これもWOMB…糞箱。ケビンサンダーソンはこの時期、去年も行ったけどDJまじ上手い。デリック、ホアン、ケビンなら絶対ケビンだ。曲はハウスが多いのに、DJはアップテンポハードデトロイトテクノです。最後にロランド+ケンイシイで締め。美味しい組み合わせです。3 Chairsは行きたいけど激混み必至なのと、ケビンが翌日なのでスルー。
| UPCOMING EVENT | 23:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |