CALENDAR
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
Satin Jackets - Solar Nights (Eskimo Recordings:ESK510720CD)
Satin Jackets - Solar Nights
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
2016年の初アルバムである『Panorama Pacifico』(過去レビュー)で、都会のキラキラとしたネオンライトのような眩さに包まれる多幸感に満ち溢れたニューディスコを展開し、洗練された艶やかさを持つそのサウンドはバレアリックでもあり、そしてモダンなシンセ・ポップでもありと、何処かで聞いた事のあるような懐かしくロマンティックな世界観が素晴らしかったSatin Jackets。ドイツ人であるTim Bernhardtによるこのプロジェクトは2010年に開始したのだが、本記事を書くに当たって調べてみたところ実はBernhardt自身は90年代後半から複数のユニットでずっと活動を続けていたようで、ならば歴史の浅いSatin Jacketsの音楽が非常に円熟味があったのも当然の事だと今になって理解した。アンダーグラウンドな方面でも活動していたBernhardtが、しかし人生において愛し続けていたディスコを探求すべくChicやNile Rogersのような艷やかな音楽性を目指して立ち上げたプロジェクトがSatin Jacketsでそうで、それらを今という時代にアップデートさせる事に成功したこの音楽はモダン・ディスコを象徴している。アルバムは帰還を示すであろう"Welcome Back"で始まるが、哀愁たっぷりなピアノコードと切ないギターカッティングを用いた滑らかに溶けていくようなミッドテンポのディスコは、もうこの時点でアルバムが夢のようにロマンティックな世界観を示しており安心させられる。続く"Just Like You"はややR&B風というかしっとりしたリズムと愛らしい女性の歌を起用しつつ、クリアで光沢感のあるシンセを用いて色彩豊かなポップ性を表現したミッドテンポなシンセ・ポップ。そして爽やかかつ甘く誘うような男性ボーカルを起用した"Automatic"、滑らかな落ち着いた4つ打ちに流麗なピアノコードと美しく幻想的なシンセパッドを合わせて、うっとり陶酔させられるニューディスコはあまりにもスムースで心地好い。"Northern Lights"はDavid Harksをボーカルに起用して大ヒットした先行EPの一曲で、オーロラで知られるノルウェーの美しさに影響を受けて制作されたそうで、確かに爽やかなギターカッティングと共に美しい幻想的なシンセのパッドとほんわか温まるコードを重ねて、開放感あるバレアリックな作風と親近感のあるポップな雰囲気一つなった晴れ晴れしいニューディスコとなっている。大半の曲でボーカリストを起用し作風はおおよそ統一されているのだが、"All For You"のようにインスト曲だとエレクトロニックなシンセベースに対して耽美に染めるピアノや美しく伸びるシンセパッドがしっとり綺麗に装飾をするのが明確に分かり、より曲自体の情緒的でドラマティックな構成を感じ取れる事だろう。ゴージャスかつポップながらも淀みの無いクリアな響きのモダン・ディスコは、何処を切り取っても色鮮やかなドリーミーさとロマンスがあり、その人工的な甘味料たっぷりのような甘い世界に没入せずにはいられない。古いクラシカルなディスコのファンは本作についてどう感じるだろうか、しかし表面的な音に違いはあれどこれも間違いなくディスコであり、華やかで感情性豊かな音楽として聞いてみて欲しい。



Check Satin Jackets
| HOUSE15 | 12:00 | comments(0) | - | |
Satin Jackets - Diamonds Are Forever (Pole Jam Vinyl:PJV007)
Satin Jackets  - Diamonds Are Forever
Amazonで詳しく見る(MP3)

まだまだ熱いニューディスコ界隈で近年頭角を現したのが、ベルリンのプロデューサーであり制作を担当するTim BernhardtとDJ側を担当するDennis HurwitzからなるSatin Jacketsで、2010年頃から積極的に配信において多くの曲をリリースしていたようだ。その人気を決定付けたのは2016年の初アルバムである『Panorama Pacifico』(過去レビュー)で、ゴージャスなシンセ・ポップな音や蜜をぶちまけたような甘ったるいボーカル、そしてレトロ・フューチャーな世界観は、ニューロマンティックの現代版と呼んでも過言はないだろう。そんな彼等の過去の作品は今や入手が出来ない物もあったのだが、2018年に本人らによってそんな作品を纏めたのが本作。かなり初期の曲を中心に集められているのでこれこそSatin Jacketsと呼べる音楽性、そして初期ベストと呼べる位に魅力的な曲が揃っており、アナログでは4曲ながらもどれもフロアでのキラートラックと成り得る可能性を秘めている。ぼんやりとしたシンセの持続音から始まる"Latin Jackets"、ダビーで爽快なパーカッションやポップなメロディーも加わりそしてズンズンとした安定感のある4つ打ちが入ってくれば、モダンで快楽的なニューディスコへと入っていくこの曲からして、Satin Jacketsらしいシンセの魅力が感じられる上に豊かなバレアリック性もある。よりディスコ的な生っぽいリズムやギターカッティングらしい音、そしてしっかりと底辺を支えるベースラインがファンキーさを生む"Got To Be Love"は、もう少し古典的なディスコの雰囲気を纏っていて、そしてゴージャスなシンセストリングスや華麗なピアノのコードも加わってくると、ディスコの人間臭さとハッピーな空気が溢れ出す。歌モノのニューディスコとして秀逸なのが"Hollywood"で、切ないギターカッティングや物哀しいピアノのコードでシンセバリバリなサウンドは懐かしさ満載で、そこに甘過ぎてメロウなエフェクトを掛けた歌が更に郷愁を誘うニューロマンティックそのもので、コテコテ濃密な甘さに胸が締め付けられる。"Olivia"も同様に女性を起用した歌モノで、こちらは美しくしなやかに伸びる光沢感のあるシンセやズンズンと安定感あるディスコなリズムによって、雄大にスケール感大きく展開するバレアリックにも寄り添った曲で素晴らしい。尚、配信ではリミックス含め3曲追加となっているが、このリミックスも完全にSatin Jackets色に染まったゴージャスなシンセを打ち出した懐メロ系で、お薦めである。



Check "Satin Jackets"
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | - | |
Satin Jackets - Panorama Pacifico (Eskimo Recordings:541416507583)
Satin Jackets - Panorama Pacifico
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
ベルギーを代表するニューディスコ系のレーベルと言えばEskimo Recordingsがあり、2013年からは『The Pink Collection』(過去レビュー)に始まる全曲新録のカラーシリーズを立ち上げ、現在の『黄色』に至るまで年に1枚のペースでリリースを続けるなど、今も尚ニューディスコの普及に務めている。本作はそんなシリーズにも曲を提供していたドイツの二人組、Dennis HurwitzとTim BernhardtによるユニットのSatin Jacketsの初のアルバムで、アートワークから想像出来る通りのキャッチーなシンセ・ポップ/ニューディスコが満載だ。ポップアートのようなカラフルで大衆的なジャケット、それがそのまま音にも反映されており、これでもかと分かり易く懐っこいメロディーと甘いボーカルを軸に置いた曲は、単にダンス・ミュージックの枠に収めてしまうだけではもったいないだろう。アルバムの始まりである"Feel Good"からして朝日が登り始めるような明るいトラックに、爽やかで清らかなボーカルを合わせたシンセ・ポップで、その汚れのない素朴さが何とも可愛らしい。続く"We Can Talk"はやや俗世的でゴージャス感のあるシンセも用いて派手派手さもあるが、ゆったりまったりな4つ打ちディスコビートとシンセベースがレトロフューチャーで懐かしさを誘う。かと思えば哀愁滲むギターのフレーズと甘く溶けるようなコーラスを打ち出したダウンテンポな"Keep Moving On"、インストな分だけよりフロア寄りの弾けるビート感があるニューディスコな"Cala Banana"など、ポップな作風で統一感はありながらも幅を持たせる事にも成功している。特に黄昏時の切なさが強い"Say You"、そのしんみりとした女性ボーカルやカラフルなシンセの響きから発せられる郷愁には胸が締め付けられるだろう。アルバムの最後は2013年のEPから"You Make Me Feel Good"で、広大な青空に飛び出したようなバレアリック感のある爽快なシンセ・ポップにより、心残りのない清々しいラストを迎える。こんなにポップでラブリーな音楽は、是非ともパーティーの朝のフロアで聞いたら幸せになれるに違いないが、ダンス・ミュージックに詳しく無い人にだって訴えかけるキャッチーさがある。



Check "Satin Jackets"
| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Pink Collection (Eskimo Recordings:541416 506032)
The Pink Collection
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
ベルギーのEskimo Recordingsと言えばLindstrom & Prins Thomasを輩出していたりとニュー・ディスコ系に強いレーベルではあるが、それと共にOptimoやIvan Smagghe、Rub' N' Tugらフリーキーなアーティストが個性的なMIXCD/コンピーレションを手掛けている事でも知られている。そのレーベルからの新たなシリーズが"The Pink Collection"なるニュー・ディスコのコンピレーションで、何と全曲新録と気合の入ったアルバムになっている。ジャケットからは大人びてお洒落なイメージが伝わってくるが、実際にそれは間違っておらずディスコ的な汗臭さや熱狂は皆無で、モダンかつ洗練された甘いなディスコが満載だ。特にかつてのディスコ的な生音よりも綺麗に伸びる電子音が強調され、シンセの快楽的で甘い旋律と覚醒的なシンセベースのブリブリとしたラインが基軸になったトラックは、ディスコの一聴して耳に残る性質を伴いながらも再生ではなく進化と言った意味でのニュー・ディスコと呼ぶ表現が相応しい。キラキラと煌めくようなゴージャスな音使いでは熱いと言うよりは温かく、ソウルフルと言うよりはスイートで、また全曲がミッドテンポでゆったりと聞かせるタイプである事がより大人びたゆとりとなり、バレアリック感を増長させているのだ。ニュー・ディスコに対し造詣があるわけでもないので収録されているアーティストを知らなかったが、ベテランから新鋭まで起用しているそうなので、これからこの周辺の音楽を知るための道標にもなりそうである。



Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE9 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |