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Pepe - Life Signs EP (Church:CHURCHM006)
Pepe - Life Signs EP
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Pepeといっても鬼才Bradockではなく、スペインのプロデューサーJose Bernatのプロジェクトは、2016年頃から作品をリリースし始めた事からすると比較的若手のアーティストなのだろうか。過去の作品を聞いてみるとロウな質感のハウスやメロディアスで陽気なテックハウス、またはエレクトロ調やオールド・スクールなハウスと、EP毎にやや振れ幅を持っているようだが、基本的にはフロアフレンドリーながらもどれも明るくエモーショナルな性質が感じられる。そしてこの2019年作、今やジャズやダウンテンポも吸収しながらクロスオーヴァーな方向性では特に先陣を切っているSeb Wildblood率いるロンドンのChurchからとなり、レーベルのブランド性もあってより一層Pepeの注目度は高まる筈だ。本作の特徴は何を差し置いても躍動的なブレイク・ビーツを用いている事で、"Life Signs (Roll Mix)"からして90年代風レイヴを思わせるしなやかなブレイク・ビーツを刻みつつ、そこに8ビット風の電子音やファンキーなサンプリングの効果音などを織り交ぜ陽気に展開する。そして中盤にはビートを消し去りつつドラマティックに展開するブレイクも差し込み、そこから美しいパッドも広がりながらアンビエント・ハウスな感覚もあったりと、跳ねるようなリズムに乗りつつ実にエモーショナルな作風だ。別バージョンとなる"Life Signs (Bleep Mix)"も大幅には変化はないものの、更にコンピューターゲーム風なメロディーが打ち出され、ピコピコな響きにはレトロフューチャーな味わいがある。"You Must Not Be Me"は序盤エレクトロ風なビートと繊細でキラキラする電子音に引っ張られつつ、途中からやはりブレイク・ビーツへと変化するも細く軽いリズムが爽快感を纏っており、透明感のある薄いシンセに覆われて太陽光を全身で浴びているような輝かしい響きは、多幸感に溢れていて屋外向けの曲だろう。そして意外な一曲が"Recollection"で、全くのビート無し状態に陽炎が揺らめくような幻想的な電子音のドローンが伸びるアンビエントは、それまでの激しいブレイク・ビーツなハウスとは対照的に、内向的なベッドルームのリスニング志向。快活に弾ける陽気なダンスからドリーミーなアンビエントまで、レトロな空気感を含みながらもどれも現在のレイヴやブレイク・ビーツが再燃するシーンに適合した音楽性で、これからを期待させるには十分な内容だ。



Check Pepe
| HOUSE14 | 18:00 | comments(0) | - | |
Aura Safari - Aura Safari (Church:CHURCH017)
Aura Safari - Aura Safari
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All My ThoughtsとCoastal HazeとUKのモダンなダンス・ミュージックの界隈で注目を集めるレーベルを主宰するSeb Wildblood、その彼がまた別に主宰しているChurchはテクノやハウスのみならずジャズやクロス・オーヴァーな方向にも振れて、現在特に面白いレーベルの一つになっている。そのようにここ数年ロンドン界隈では、ディープ・ハウスにジャズの要素を盛り込んだ音楽がまた再燃してきているように感じられるが、このChurchから突如デビューしたAura Safariなるバンドのアルバムは特に出来が良い。このイタリアの5人組バンドについて詳しい情報は持ち合わせいないものの、メンバーにはQuintessentialsや4 Lux等のレーベルでも活躍するディープ・ハウス系DJのNicholasも含まれており、もしかしたらそれぞれがキャリアのあるDJやミュージシャンなのだろうか。5人ものメンバーがいる影響か音楽性もディープ・ハウスにジャズ、バレアリックやファンクにブギー等正に多様にクロス・オーヴァーする内容で、それが上手く一つの世界観に纏められている。オープニングのエレピにしんみり切ない気持ちにされられる"Music For The Smoking Room"、トロピカルで快活なパーカッションと肉感的なベースも用いたフュージョン風の曲を聞けば、おおよそAura Safariの音楽性は理解出来るだろう。"Sahara"はハイハットが効いた複雑なリズムや生々しいベースによってジャズやフュージョンへとより傾倒しており、柔軟でしなやかなグルーヴやベースや鍵盤のセッション性の強い演奏はライブ感に溢れている。タイトル通りにインタールードの"Albaia Interlude"でもトランペットやエレピの情緒的な響きが深いメロウネスを奏でているが、それ以上にスモーキーな音像は例えばデトロイトのディープ・ハウス系のDJがルーツへと取り組んだような雰囲気も。同じジャジーな作風でも"The Lost Reel"はもっと視界が開けて青空が広がるバレアリックな爽快感があり、一転安定した4つ打ちを刻む"Saturn and Calypso"は乾いたパーカッションによるラテンフレーバーに陽気なブギー感覚があり、一曲一曲に個性が込められている。"Midnight Discipline"は特に打ち込みのリズムを活かしたディープ・ハウス調で、力強いビート感はクラブ寄りだがそこに艶めかしいサックスとしっとりしたエレピを被せて、程好くクラブ・ミュージックと親和性のあるジャズ・ハウスになっている。リリース元のレーベルがChurchという事もあり、ジャズやフュージョンに振り切れるのではなくハウス・ミュージック等の融和を軸にしており、ジャズ等を普段聞かない人達にとっても垣根を壊して興味を抱かせるには十分な内容であろう。Aura Safariの音楽によってリスナー側にとっても、分断されていた層がクロス・オーヴァーさせられるようだ。



Check Aura Safari
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ3 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Seb Wildblood - Sketches Of Transition (All My Thoughts:AMT010)
Seb Wildblood - Sketches Of Transition
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テクノ/ハウスの境界を越えていくモダンなChurchにAll My ThoughtsとCoastal Hazeと、3つの勢いを増す注目すべきレーベルを並行して運営するSeb Wildbloodは、音楽への審美眼を含めてA&Rとしての才能は疑うべくもない。では自身をプロデュースする手腕について、つまりは自身のアーティスト性の確立についてはどうだろうか。勿論その才能についてもまごうことなきもので、目下最新EPである『Grab The Wheel』(過去レビュー)では彼らしいバレアリックやアンビエントの感覚に、テクノやエレクトロの要素を加えてダンスな性質を強めた方向性も見せて、現在もアーティストとして進化中である事を示していた。そして4枚目となるこのニューアルバム、決してダンスではないとは言わないがリスニング志向が強く、そして何よりも多彩なリズム感とムードによる音楽性の拡張を果たしつつ温かみのあるオーガニック性や純朴なバレアリック性が通底している。チャカポコとした抜けの良いパーカッションと切ないシンセのメロディーが印象的な生っぽくスローモーなハウスの"Sketches"で始まり、ディレイをかけたギターや生っぽいベースを用いて広大な開放感を感じさせるダウンテンポの"Twenty Eight"、繊細ながらも耽美なエレピや甘ったるく気怠い歌が陶酔させられざっくりとしなやかなにうねるリズムを刻むネオ・ソウルの"Thought For Food"と、アルバム冒頭3曲からしてまったりメランコリーな雰囲気が充満している。"Small Talk"はアルバムの中では比較的一般的なディープ・ハウス色が強く、すっきり端正なグルーヴと透明感のあるパッドや電子音によって、快適な浮遊感に包まれながら優雅さに酔いしれるだろう。また力が抜けて気怠い歌とポップなサウンドで懐かしさを呼び覚ますシンセ・ポップ/ニューウェーブ寄りの"Amelia"、電子音が抽象的に揺れ動き空間を満たしながら微睡み状態が続くビートレスなアンビエントの"One For Malcolm"まで、アルバムには実に様々な要素が混在しながらバレアリックなムードで統一されている。パーティーの派手派手しい華やかさや喧騒とは無縁で決して熱狂的な興奮を呼び起こすような音楽ではないが、心の中からしみじみとしたメランコリーを呼び覚まし現実ではない何処かへ連れて行ってくれるこの音楽は、安らぎを提供するセンチメンタル・ドリームだ。10曲で40分とコンパクトな構成ながらも、逆にすっきり気軽に聞けてリラクゼーションにも最適である。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Parviz - Zerzura (Omena:OM025)
Parviz - Zerzura
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HNNYやSeb WildbloodにBooks(Hugo Mari)らをリリースし、新興勢力のハウスにおいて存在感を示して台頭してきているスウェーデンはストックホルムのOmena。バレアリックやクロスオーヴァーといった現在形の音を取り込みモダンという表現が相応しいレーベルだが、そこからの最新作はペルシャ系フランス人のAlain-Parviz Soltaniによるもの。Parvizは2017年にFHUO Recordsからデビューしたばかりで、この作品でまだ3作目とまだまだ実力は未知数なアーティストだが、過去にリリースした作品を聞く限りでは生っぽく艷やかなジャジー要素の強いハウスが魅力的だ。本作でもその流れは基本的に変わらずどころか、その路線を完全に手中にしたようで、タイトル曲の"Zerzura"からしてざっくり生っぽいジャジー・グルーヴに官能的で切ないサックスや耽美なエレピを重ねて、甘美なロマンチシズムに浸らせる。サハラ砂漠に存在したという言い伝え上のゼルズーラという幻のオアシスをモチーフにしているそうで、確かに途方も無い広大な砂漠の中で緑が茂るオアシスの楽園的な雰囲気というか、リラックスした空気の中から情熱的な感情が溢れてくる。"Odalisque Au Fauteuil Noir"も感傷的なフェンダー・ローズと抜けの良いコンガのパーカッションによってじんわりと温まり、そこから太いキックも入ってくればディープ・ハウスとラテンが邂逅した情熱的なダンス・ミュージックになり、サックスやオーケストラにピアノも加わってくると壮大さを増して熱帯夜の祭りのようだ。特にジャズ要素が強いのは"Ozymandias & The Shrine Of Abu Simbel"で、開始のジャズ・ドラムと艶めかしいサックスの絡みに魅了されつつ、そこから切れのあるジャジーなリズムは走り出し優しく添えるピアノがしっとり装飾したり、または動きのあるベースが躍動感を打ち出したりと、実にライブ感溢れる構成と生々しい響きでぐいぐいと引き込んでいく。"Lunar Baedeker, Odious Oasis"はアダルトなスムース・ジャズか、甘美な夜を彩る艷やかなトランペットやしとやかなエレピが絡み合い、そして肩の力が抜けた柔らかなリズムが浮遊感さえ思われる軽やかなグルーヴを生む。どの曲も鍵盤系のピアノと木管楽器のサックス等をメインに用いて官能性や情緒性を強調したジャジーなディープ・ハウスで、やや似通った印象が強すぎるきらいがないわけでもないが、それでも一聴して耳を惹き付ける魅力は十分。今後の活躍が楽しみなアーティストだ。



Check Parviz
| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hidden Spheres Ft Oscar Jerome - Words Can't Explain (Church:CHURCH014)
Hidden Spheres Ft Oscar Jerome - Words Cant Explain
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Seb Wildblood率いるロンドンのChurch、テクノ/ハウスのみならずジャズやダウンテンポと手を広げて面白い作品をリリースする近年注目すべきレーベルで、そこからの新作もジャズからの影響が滲むハウス作で興味深い。手掛けているのはRhythm Section InternationalやMoods & Groovesからも作品をリリースしているTom HarrisことHidden Spheresで、そういったレーベルからの曲もベースは勿論ハウスながらもジャズの要素を散りばめて艶かしく情緒豊かな作品をリリースしており、本作でもその流れは更に強まっている。ロンドンのジャズ・グループであるKokorokoからOscar Jeromeをフィーチャーしている事からもジャズへの傾倒は感じ取れるだろうが、実際に"Words Can't Explain"は湿っぽく仄かにエモーショナルなフェンダー・ローズや大人びてソウルフルな歌が洗練されたニュージャズの延長線上にあり、小気味良いブロークン・ビーツ調なドラムに生き生きとしたシンセ・ベースやギターが躍動を生み出して、実に耳を惹き付けるアーバンでモダンなハウスだ。甘く感情を吐露する歌が入っているバージョンも良いが、"Words Can't Explain (Dub)"のインスト・バージョンの方を聞いてみると、より黒い音楽性の強いハウス/ディスコのミックスの流れの中に違和感無く組み込まれるように思われる。そして本作で特筆すべきはSecond CircleやArcaneからのエクスペリメンタルかつバレアリックな作品で一躍注目を集めている中国生まれのYu Suがリミックスを提供している事で、寧ろこのYu Suの名があったからこそ購入したようなものだ。ここでの"Words Can't Explain (Yu Su Remix)"は奇を衒う事はなく原曲を尊重してジャジーな雰囲気は残しつつも、ざっくりロウな響きのリズムがクラブ・ミュージック色を増して軽くも弾けるグルーヴ感を獲得している。元のしなやかなジャジー・グルーヴではなく直線的で4つ打ちへと接近し、全体をエレクトロニックな質感で滑らかに染め直して、一見クールなテクノ/ハウスながらもローファイ感が微熱を感じさせる点はYu Suらしい。



Check Hidden Spheres
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rai Scott - Detached Observation (Church:CHURCHW016)
Rai Scott - Detached Observation
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Seb Wildblood主宰のChurch Recordsはアンビエントやバレアリックといった流れを汲む新興ディープ・ハウスのレーベルとしては勢いがある一つで、リリースするアーティストもベテランよりはこれからの世代を担うであろう存在が多い。そして2019年の初作はユニットである2DeepSoulとしても活動するスコットランドの女性アーティストであるRai Scottによるもので、過去にはInner Shift MusicやTH Pressingから透明感ある美しいサウンドによる叙情的なディープ・ハウスをリリースしており、おおよそ統一されたその世界観は大らかに包み込むアンビエント性さえ感じ取る事が出来る。ソロ作としては3年ぶりとなる本作もその流れからぶれる事はなく、A面に収録された"Paradise Of Crane"は深い古された言葉で表現するならアンビエント・ハウスといったところか。しかしその緩やかなグルーヴ感は浮遊感が心地好く、大らかなアンビエンス性は澄み切った程に綺麗で、靄がかかったようなパッドの薄い層の上に仄かに情緒を漂わせるシンセが遠くで鳴りながら、深遠な夢の中へ誘う瞑想系ディープ・ハウスはひたすらフラットで安堵の時間が続く。ベルリンからディープ・ミニマルを実践するValentino Moraがリミックスをした"Paradise Of Crane (Valentino Mora Remix)"は硬いリズムによって上下の揺れが生まれてややテクノ化しているが、原曲の大きな空間の感覚を損なわずに、それどこからディレイやダビーな残響を用いる事でより奥深い鳴りを作り出して、体をゆっくりとしかし大きく揺らすダブ・ハウスへと生まれ変わっている。"Lazy Sunshine"も作風は同様で穏やかでフラットなビート感が何処までも伸びていき、しかしここでは薄っすらしたパッドの上にメランコリーな笛らしき音色の旋律がドラマチックな景色を見せる。最後のタイトル曲である"Detached Observation"、フラットな感覚はこれも変わらずだがビートはやや躍動感を増し、そしてパッドの層は厚みを増して空間に充満するように湧き出して、じわじわと壮大に盛り上がっていくスケールの大きさもありEPの中では最もダンスフロア寄りだろうか。どの曲もやや似ている所もありもう少しバリエーションもあると曲毎の個性も際立つかとは思うが、しかし滑らかでフローティング感あるアンビエント・ハウスが彼女の作風でもあり、十分にアーティストの魅力が込められている。



Check Rai Scott
| HOUSE14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Seb Wildblood - Grab The Wheel (All My Thoughts:AMT009)
Seb Wildblood - Grab The Wheel
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日本からはAquarium aka 外神田deepspace、または新興勢力のTom VRやFolamourらがカタログに名を連ねるそのレーベルが、Churchとその傘下のAll My Thoughts、そしてCoastal Hazeで、それらを纏めて主宰しているのが南ロンドン出身のSeb Wildbloodだ。異なる複数のレーベル運営を軌道に乗せており特にモダンなハウスへの審美眼は確かなものだが、Wildblood本人もアーティストとして積極的に制作活動を行っており、郷愁を帯びて懐かさを誘うディープ・ハウスの作風は現代のバレアリックのシーンとリンクするような親和性があり、作曲家としても目が離せない存在だ。さて、本作は過去のやや内向的で落ち着きのあった作風に比べると、より躍動感あるリズム感やフレッシュな活力に溢れていて、テクノやエレクトロに接近した作風さえも見受けられる。"Leave It Open"は開始こそ透明感のある幻想的なシンセにバレアリック感があるものの、直ぐに細くも切れ味あるエレクトロ調なビートが快活にリズムを刻みだす。そこにキラキラとしたシンセのフレーズや叙情的なシンセストリングスも加わる事で大らかなバレアリックの雰囲気を保っているが、小刻みにステップを踏むようなリズム感は間違いなくダンスフロア向けだ。"Bad Space Habits"は更に太いキックを用いてシャッフルする大胆なグルーヴが印象的だが、ただアッパーなだけではなくそこにエモーショナルなシンセやトリッピーな効果音や爽快なボイス・サンプルも加える事で多幸感のある雰囲気を保っており、大空を飛翔するように勢い付く。"Grab The Wheel"はオールド・スクールな懐かしい響きのハウス・グルーヴで比較的過去の作品に近い路線だが90年代レイブなブレイク・ビーツ調でもあり、浮遊感のある複数のシンセが豊かな色彩感覚を生んで清涼な感覚に富んだダンス・トラックだ。ラストの"Landing"も繊細で細いエレクトロなリズムを用いているが、それと共に最も過去の作風寄りな内向的なアンビエント感覚もある上モノが切なく、しんみりとノスタルジーを誘発しながらEPを締め括る。本作は明らかに過去の作風よりもダイナミックで強いエネルギーも伴う事でよりフロアに接近する事になったが、勿論バレアリック性やエモーショナル性という点も全く失われておらず、アーティスト性を損なう事なく進化が感じられる。



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| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Seb Wildblood - The One With The Remixes (Omena:OMR001)
Seb Wildblood - The One With The Remixes
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Seb Wildbloodなるアーティストについて特に存じていたわけではないが、アルバム『:~^』からのリミックス企画となる本作には注目すべきアーティストがリミックスを提供しており、十分な話題性を持っている。バレアリック・ハウスの新世代として注目を集めるTelephonesやD.K.、You're Meの一人であるYu Su、話題のStudio Barnhusを主宰するKornel Kovacsと、それぞれ異なる音楽方向を向きながらも皆が個性を持ち確かな実力を持っているのだから、当然リミックス企画としても期待しないわけにはいかない。何はともあれ11分にも及ぶ大作の"Wet Plants (Telephones Remix)"がお世辞抜きに素晴らしいバレアリック・ハウスで、ポコポコとした抜けのよいパーカッションと跳ねるようなキックの4つ打ちのハウス・グルーヴは意外にもタフだが、そこに澄んだように透明でメロウなシンセがレイヤーとなって覆い尽くしていくドリーミーな世界は南国の新緑が茂り水飛沫が弾けるエキゾチックかつトロピカルなムードで、フロア受けする事間違いなしのリミックスだ。対してブロークン・ビーツ寄りに崩れたビートとローファイな音質の"The One With The Emoticon (Yu Su Remix)"は、その無駄が無く骨が浮かび上がったリズム感に物哀しげに望郷の念が込められたような切ないメロディーでダウナーにさせる音楽性で、確かにYu Suの淡くメロウな音の鳴りをしている。"Wet Summer (Kornel Kovacs Remix)"も同様にメロウではあるが、更にローファイ寄りで音の隙間はありながらも硬いブレイク・ビーツでリズミカルに躍動しつつ、牧歌的で淡くほのぼのした音使いが昼下がりのうたた寝を誘う。そして神々しいボイスも用いて幻想的かつ神秘のニューエイジ風に仕上げた"Interlude (DK Remix)"は、オーガニックで温かい響きを活かしながらドリーミーな旋律ともやもやとした音響でぼかして、トロトロ甘い夢の世界へ誘うようだ。おおよそどのリミックスも大雑把に括ればバレアリックな方向性があり快適性は抜群だが、それでもダンスからリスニングまで明確に各々の個性を打ち出して、十分に手腕が発揮されたリミックス集で素晴らしい。



Check Seb Wildblood
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |