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Detroit Swindle - High Life (Heist:HEISTCD01)
Detroit Swindle - High Life
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次世代ハウス・ミュージックの先鋒の一つであるHeist Recordingsは、ベテランではなく若手の強力なアーティストを多く起用しディスコ/ジャズ/ファンクといった要素をブレンドしたハウスを武器にしたレーベルで、そんなレーベルを主宰するのがオランダのLars DalesとMaarten Smeetsのから成るDetroit Swindleだ。彼等自身は2012年にDirt Crew Recordingsからデビュー以降、Freerange RecordsやTsuba Records等の著名なレーベルからも作品を出して着実に評価を高め、2014年には初アルバムであるハウスを軸にクロスオーヴァーな方向性を見せた『Boxed Out』(過去レビュー)で彼等の評価を決定付けていた。あれから4年、彼等にとって2枚めとなるアルバムは自身のホームであるHeistにとって初のアーティスト・アルバムとなり、またDetroit Swindleの音楽性を更に拡張させる事に成功した素晴らしい作品となっている。オープニングには幕開けに相応しいノンビートの"Ketama Gold"で耽美なエレピやファンキーなベースラインを活かしたインスト曲で、ビートは無いながらも洗練されたモダンソウルを感じさせ、落ち着きながらもしかし高揚感を刺激する。その流れから続くタイトル曲の"High Life"で輝きを伴う優雅なストリングスが映えるブギーなハウスへと突入し、大胆に動くファンキーなベースラインやざっくりしながら跳ねるようなリズム感は躍動的で、清々しく喜びに満ちたハウスを展開する。"Call Of The Wild"ではパーカッションやジャンベのリズム帯、サックスやトランペット等に演奏家を起用して、アフロなグルーヴ感やジャジーなムードが入り乱れて、徐々に熱量を高めて情熱的に盛り上がっていくソウルフルなハウスを聞かせる。ギターやボーカルにTom Mischを起用した"Yes, No, Maybe"はリラックスしたビート感の気怠さにMischの飄々とした歌も加わってウキウキとノリの良いブギーな曲で、フューチャー・ソウルとでも呼びたくなる明るくもエモーショナルな面が際立っている。そしてインタールード的なロマンティックなシンセの響きを聞かせる"The Girl From Shiraz"を挟み、Seven Davis Jr.をフィーチャーした"Flavourism"で情熱的な歌と光沢感あるシンセのリフでぐっとエモーショナル性とファンキー性を強めたディープ・ハウスで、アルバムの中でピークタイムを作り上げる。その後には一転して毒々しいアシッド・ベースを用いたダークさと厳ついビート感を打ち出したテクノ寄りな"Freeqy Polly"、レイヴ調のブレイク・ビーツで切り込んでくるような攻め方の"Ex Machina"とフロアを強烈に揺らすトラックが続き、ラストには眠りに落ちていくような甘いアンビエントの"Lucky Number 13"で、徐々に心を落ち着かせて長いパーティーの終わりを迎えたようにアルバムは閉じられる。起承転結で纏まったアルバム構成、また一曲一曲のリスニング性とフロアの機能性を両立させた出来と、文句の付けようのない完成度だ。ジャズ、ファンク、ソウル、ブギー等多彩な要素も飲み込んでハウスとして展開する作風は正にHeistというレーベルを象徴するようでもあり、流石レーベルのボスとしての音楽性を発揮している。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Seven Davis Jr. - Future Society (R2 Records:R2CD027)
Seven Davis Jr. - Future Society
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USの次世代ハウスで頭角を現しているSeven Davis Jr.が、2015年の初のアルバムである『Universes』(過去レビュー)に続きリリースするのは、彼が選曲を担当したコンピレーションだ。Seven Davis Jr.と言えばかの伝説的なレーベルであるClassic Music Companyにも見初められ、そして現在はハウスへの接近を見せるNinja Tuneとも繋がり、今旬のハウス・アーティスト/シンガー/ライターである事に異論は無いだろう。Pファンク由来の熱いファンクネスと骨太な荒々しさを伴うハウス・ミュージックは、流行に寄り添う事なくSeven Davis Jr.の個性を光らせ、アーティストとしての期待を担っている。さて、そんな音楽性は本作にも如実に反映されており、大半の曲が未発表曲であるもののその熱量の高さや感情の揺さぶりはSeven Davis Jr.の音楽性に確かに通じている。Colm Kによる"Dream"は洒落たローズの下では艶かしいベースがうねり、熱くも優美でソウルフルなハウスだ。Perlairの"Dance With Me"は切れのあるジャジーグルーヴや明るめのシンセで弛緩したムードがあり、そこに囁き声のポエムも持ち込んで昼下がりの白昼夢にいるかのようだ。Ugly Discoの"Nutz"やOcnotesの"My Religion"など、土臭く荒削りな音を活かしたハウスは野性味があり、Seven Davis Jr.のファンクな音楽性と共通項を見出すのは容易い。Cave Circlesによる鈍いアシッド気味のベースがうなる"Living With Everyone"は、言われなければSeven Davis Jr.の新曲と思うようなロウでファンクなハウスだ。同じく熱量の高いのがJonna & Samwellによる"Alright"で、ディスコ風なトラックにゴスペル風なボーカルの導入もあって、血が滾るソウルフルなハウスは興奮を誘う。収録されたアーティストについて知っている事は殆どないものの、ここでSeven Davis Jr.がピックアップした事で彼等の後押しになる事は間違いなく、だからこそ未来への向かう事を示した“Future Society”と名付けられたのも納得だ。



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| HOUSE12 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Seven Davis Jr - Universes (Ninja Tune:ZENCD224)
Seven Davis Jr - Universes
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ヒップ・ホップやブレイク・ビーツにロックなど雑食性が高く癖のある音楽性を得意とするNinja Tuneにとってでさえ、2015年はレーベルにとって印象に残るような一年となるだろう。何と言っても二人の才能ある若かりし新星が共に初のアルバムをリリースしており、一人はUKはロンドンからのRomare、そしてもう一人がこのロサンゼルスを拠点に活動するヴォーカリスト/プロデューサーのSeven Davis Jrだ。何でもシンガーとしてメジャー・レーベルからのお誘いもあったようだが、本人がライター/プロデューサーとしても経験を積みたかった為にそれを断り、アンダーグラウンドな場所での活動を選んだそうだ。結果的には2014年には名門Classic Music CompanyからもEPをリリースし、更にはNinja Tuneとの契約も決まるという、新人にしてはこれ以上はない位のサクセス・ストーリーを歩む事になったのだから、その選択は間違っていなかったのだ。それにしたってこのようなハウス・ミュージックのアーティストがNinja Tuneからアルバムをリリースするのは意外としか思う事は出来ないのだが、しかし実際にアルバムを聞いてみればその雑食性の高い音楽性があればこそ、レーベルにとっては意外でも何でもなかったと痛感する。事実このアルバムには多様な要素が散りばめられており、アルバムのイントロ的な"Imagination"からして既に生々しい血潮がたぎるネオソウルな熱さとアブストラクトな音像を含み、Seven Davis Jrの世界へと誘い込む。続く"Freedom"はけたたましいドラムキックが炸裂する上に妙に明るいシンセがリフレインする - しかし普通のハウス・ミュージックではない - ダンス・トラックで、なのに何故か黒人音楽のファンキーな要素も兼ねている。そして"Sunday Morning"はデトロイト・ハウスにも似た訝しさを伴う黒いハウスで、自身の流暢なボイス・サンプルを反復させながら、カオティックな勢いで飲み込んでいく。かと思えば前のめり気味なビートにコズミックなSEやゴスペル風なオルガンを導入した"Everybody Too Cool"は、この猥雑としながら陽気なノリのグルーヴ感は正にPファンク由来のごった煮ハウスだろう。サンプリングだろうか、ループを多用したディスコ・フィーリング全開の"Good Vibes"にしても、純然たるクラブ・ミュージックと言うには余りにもライブ的な躍動がありカオティックだ。アルバムの終盤に用意された"Afterlife"にしても、もはやハウスと言うダンス・ミュージックよりはその優美な光沢感のあるサウンド使いや適切なコード使いなどがモダン・ソウルを思わせ、やはりSeven Davis Jrが既存のハウス・アーティストとは一線を画す道を進んでいる事を強く象徴している。かなり個性的が故に好き嫌いは正直分かれるアルバムだとは思うが、これ程までに黒人音楽というルーツを掘り下げながら、それを模倣ではなく自身の音として鳴らしているSeven Davis Jrは、兎にも角にも注目の的である事は間違いない。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Deetron - Fabric 76 (Fabric Records:fabric151)
Deetron - Fabric 76
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これでもにもメジャーからアンダーグラウンドまで数多のDJを起用し、人気を博しているMIXCDシリーズ「Fabric」の76作目は、スイスを代表するテクノアーティストの一人であるDeetron。00年代のハードミニマル全盛の時代に芽を出し、そのハードなスタイルにデトロイト・テクノにも通じるメロディアスな要素を加えた作風は、その世代の中でも個性が際立っていた。そしてハードミニマルが衰退する中で多くのアーティストが作風を変え、Deetronもよりディープかつ歌モノを手掛ける事で、時代に即しながら活動を続けている。本音でいうと当初はそのスタイルにも疑問はあったのだが、このMIXCDを聴く事でそんな変化もようやく馴染んできたのではと思う内容で、デトロイト・テクノ/シカゴ・ハウスのクラシックから現在形のトラック、果てはダブ・ステップやロックまで持ち込んでDeetronの私的な好みも匂わせ、ハードなスタイルから感情の起伏を感じさせるスタイルへの転身が結実している。出だしでいきなりジャジーな"Picadillo (Carl Craig's Breakdown Version)"を用意し、そこからスムースに透明感のあるメローなテック・ハウスへ移行、そこからファンキーなシカゴ・ハウスへと即座に展開が広がっていく。RedshapeやRippertonらのモダンなテック・ハウスもミックスし、中盤ではクラシックであるGalaxy 2 Galaxyの"Timeline"をさらりと落とし込むが、大ネタを用いながらも大袈裟になる事はなく揺蕩うようなリラックスした流れは実に大人びている。前半は4つ打ちを中心としたテクノ/ハウスが中心だったのに対し、中盤以降はパーソナルな音楽性を表現するようにバラエティー豊かに変則的に刻むリズムや癖のあるメロディーを伴うブレイク・ビーツやダブ・ステップも織り込み、Deetronのメロウで柔軟な音楽性が素直に打ち出されている。しまいには物悲しくもサイケデリックなAtoms For Peaceの"Before Your Very Eyes"も飛び出すが、そこにディープかつミニマルな"Falling The Same Way (Dommune Version)"が繋がる瞬間には、はっと息さえ飲むだろう。そしてラスト3曲ではパーティーの興奮が終息するようにがくっとテンションを落とし、しみじみとした余韻を残すシネマティックな流れでミックスは終わりを迎える。結果としてここにはかつてのハードなスタイルは殆どなく、クロスオーヴァーとでもいう柔軟かつ豊潤な音楽性があり、そして何よりもエモーショナルなムードが通底している。Deetronが製作するトラックがエモーショナルな方向に傾いている事を考慮すれば、このMIXCDもその結果として自然なように感じられるだろう。




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| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/7/11 Kyle Hall Asia Tour @ Air
テクノ聖地のでもあるデトロイトで16歳にしてOmar-SのFXHEよりデビューを飾り、その翌年にはWild Oatsという自身のレーベルを立ち上げ、それと並行しThird Ear RecordingsやHyperdubからも作品をリリースし、そしてヨーロッパ含め世界的に大きなフェスティバルにも出演…と、性急な成長を遂げ若くして既に大きな注目を集めているKyle Hall。デトロイト・テクノ/ハウスという括りだけには収まらずロウ・ハウスの先駆け的な音楽性もあり、既存のデトロイトの音楽を更に上書きしていく活動は、正にデトロイトから久しぶりの本物の新星が現れた事を意味している。そんなKyleが待望の初来日をするのだが、日本からはかつてデトロイト・ハウスにも接近していたDJ Nobu、マシン・グルーヴで黒人音楽を解釈するSauce81、デトロイト・ハウスからの影響を公言するYou Forgotらが出演と、それぞれが考えるブラック・ミュージックが一体となったパーティーが開催された。
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| EVENT REPORT5 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |