St Germain - St Germain (Warner Music France:0825646122011)
St Germain - St Germain
Amazonで詳しく見る(US盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
失礼であるのは申し訳ないが、忘却の彼方にあったと呼ばれても誇張ではないアーティストがLudovic NavarreことSt Germain。フランスのFnac(後にLaurent Garnierが主宰するF Communicationsの前身)からデビューし、ジャズやラテンの風合いを持ち込んだディープ・ハウスを繰り広げた『Boulevard』(過去レビュー)、そして前述のGarnireやShazzとはChoice名義での永遠のクラシックである「Acid Eiffel」を共同で制作するなど、つまりはフレンチ・ディープ・ハウスの立役者の一人でもある。がしかし2003年のトランペット奏者とのコラボ作である『Memento』は旧来のアシッド・ジャズへと回帰してしまい、一般的な評価で言えば決して芳しくはなく、そのまま表舞台からは久しく姿を消す事になってしまった。それから12年、いや完全なソロ作では15年ぶりとなるアルバムの本作で、St Germainは見事に華麗なる復活を果たした。15年という歳月は決して短い時間ではないものの、その空白の埋めるには十分過ぎる程の力作である事を先ずは祝福したい。元々制作には様々な演奏家を招いていたようにこの新作でもギターやベースにパーカッションだけでなく、ンゴニやコラなどアフリカの演奏家も参加し、アフリカはマリの音楽性とも融和した最新のディープ・ハウス/フューチャー・ジャズとして刷新する事に成功した。St Germainの音楽性で特筆すべきはこのように演奏家をフィーチャーしながらも、決してバンドスタイルのみへと帰結するのではなく、根本にはNavarreのプログラミングによるダンス・ミュージックのグルーヴがある事で、決してDJが陥りやすい不自然なバンド・アルバムにはなっていない。先行EPである「Real Blues」を聴けば分かる通り確かにメロディーやパーカッションはエキゾチックで生々しく感情を揺さぶる質感があるが、そこに感じられるのはディープ・ハウスとしての雰囲気であり、ライブ演奏のノリではない。"Sittin Here"ではハウスの太いキックが顕著で、そこに官能的なギタープレイや魂を揺さぶるボーカルが情熱的な展開を繰り広げるアフロなディープ・ハウスで、その艶かしさはこの上ない。逆にアフリカンな雰囲気が強調された"Hanky Panky"はリズムも自由に躍動し、"Mary L"では夜の帳が下りる頃の湿った色気を放つダウンテンポを展開するなど、決してハウスだけではなく枠を大きく広げた懐の深さは以前からの持ち味だ。ハウスとジャズとダウンテンポにアフリカの音楽まで加わって事で、滑らかにクロスオーヴァーする音楽はより一層の大人びて熟成を帯びたものとなり、正に完全復活を約束する事だろう。アルバム名にユニット名を冠している事からも、本人の自負も感じられるのだから。



Check "St Germain"
| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Timmy Regisford - Restricted Access Volume One (Life Line:LLCD1005)
Timmy Regisford-Restricted Access Volume One
Amazonで詳しく見る

昨日に引き続きTimmy Regisfordの作品紹介と言う事で、今日はオリジナルアルバムではなく彼の真価が窺えるMIXCDのご紹介。この人のクラブでのDJプレイはどうやら半日以上プレイするのが当たり前の様で、テクノばかり聴いている自分にとってはその長さは驚異的(テクノは2〜3時間プレイするのが普通)。しかし半日以上もプレイしているんじゃ一晩に同じ曲も回すんじゃないかと思っていたら、実際に同じ曲を2度も3度も回す事は珍しくないそうで。そこら辺は結構適当なんですね。それではCDでのミックスプレイはと言うと、80分と言う限られた時間の中で程良くヒット曲を詰め込んだベーシックなハウスが中心で聴き易いですね。Kimblee、A:Xus、Dennis Ferrer、Glenn Underground、Masters At Work、Passion Dance Orchestraらのハウスファンお馴染みの曲が目一杯詰まっているので、良く言えば良質なハウス、悪く言えば当たり障りの無い内容。しかも気になったのは強引な繋ぎで、曲と曲のテンポが多少ずれていたり余りスムースじゃないんですよね。まあそれは既に雑誌などでも指摘されている事で、多分Timmyのプレイにはそんな繋ぎとかのテク以上に大切な事があるのでしょう。それはきっと熱い魂の籠もった音楽を聴かせるって事で、そう言う意味ではメロディーを大事にした心にグッと来る曲を中心にした内容ですね。ハウスが昔から歌やメロディーを大事にしているのは今も変わらない事で、その様なハウスの魅力が存分に感じられるのが本作の醍醐味なのでしょう。

Check "Timmy Regisford"

Tracklistは続きで。
続きを読む >>
| HOUSE4 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Shazz - Shazz (Columbia Records:COL 489973 2)
Shazz-Shazz
Amazonで詳しく見る(UK盤1)
 Amazonで詳しく見る(UK盤2) Amazonで詳しく見る(日本盤)
かつてLaurent Garnierはフランスにダンスミュージックシーンを根付かせるべく、F-Communicationsを創設しました。自分の中ではどちらかと言うとF-Comはテクノと言うイメージが強いですのが、実際はそうでも無くてハウスやダウンテンポの方が多いかもしれません。今日はその中でもGarnierとレーベル設立前からも一緒に活動をしていた、Shazzを紹介します。ShazzとGarnierの関係は一緒に作品も作っていた位の中で、特にテクノリスナーにはChoice名義の「Acid Eiffel」なんかが有名ではないでしょうか。ただShazzソロの作品は、奇をてわらないオーソドックスなディープハウスが中心です。彼の音はアップリフティングな高揚感よりも、心にじっと染みこむソウルフルなテイストに溢れ、そして儚い。また演奏もリズム以外は、ピアノやトランペット、サックスなどを生演奏で行い、非常にしっとりとしたムードに染まっています。時折エレガント過ぎてフランス特有のスノッブさも感じられなくも無いですが、ダンスミュージックの俗っぽさと上品さが自然に融合しているのは流石です。フランスでフィルターハウスなんかが流行っていた頃に、こうゆう普通のハウスを出していたのもある意味冒険です。もちろん時代に流されない芯のある作品なので、今聴いても全然通用しますよ。

Check "Shazz"
| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |