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Silvestre - Silvestre Is Boss EP (Secretsundaze:SECRET026)
Silvestre - Silvestre Is Boss EP
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およそ2年間の間リリースの無かったSecretsundazeが2019年の中頃に再始動し、複数のEPをリリースしているが、その内の一枚がリスボン生まれでロンドンを拠点に活動するSilvestreによるものだ。本作の前には東京のレーベルであるDiskotopiaから『Girar』(過去レビュー)をリリースしており、テクノ/ハウスの中に雑食性の強い幅広い要素を取り入れた音楽性を披露して、国境やジャンルの境目を乗り越えるユニークな音楽性が魅力的だ。だからこそ少なからずディープ・ハウスをコンセプトにしたSecretsundazeからリリースされたのは意外な感もあるが、実は同レーベルは2015年頃からテクノやブレイクビーツに目を向けた新たなラインであるSZEも立ち上げており、その両者の溝を埋める意味では本作はなる程と思えなくもない。EPはイントロと題された2分程の"Jumping Intro"で始まるが、気怠く緩いブレイク・ビーツとダーティーなベースライン、そして訝しい呟きを用いて不良っぽく悪びれた感がこれから盛り上がる予兆を匂わせる。続く"Lights"も揺れるブレイク・ビーツを用いているがややリズムは軽くなる事で浮遊感を会得しつつ、やや情緒的でありながらも不明瞭な旋律の上モノを用いる事でアブストラクトな雰囲気を作り、そして"Fuego"では更に太いキックやスネアが弾ける如くパワフルなリズムを刻んで、そこに効果音的にトリッピーな電子音を散りばめながらけばけばしくもエネルギッシュなレイヴ風に仕立て上げいる。小刻みながらも金属的な鳴りのリズムが退廃的に響く"Paying The Rent"は、チョップ風のアシッド・ベースと唸りのようなボイスサンプルも用いて、ハードな質感ではないものの暗く不気味な雰囲気が闇のダンスフロアに適しているだろう。またニューエイジ・ハウス方面で名を馳せるD.K.がリミックスした"Fuego (D.K. Remix)"は、完全にD.K.のその音楽性に染まっており、原曲のブレイク・ビーツから4つ打ちへと姿を変えながらも宗教的というかスピリチュアルな佇まいが、パワフルなダンストラックでありながら深い瞑想を誘う。激しい直球ダンストラックというわけではないが、本作ではどれもブレイクビーツによる揺れるリズムを活かしつつレイヴの悪っぽい雰囲気がダンスフロアのドラッギーな感覚を思い起こさせ、Silvestreが何でも咀嚼する懐の深さを持ちつつそれらを享楽的なダンスへと仕立てる才能を持っている事を証明しているのだ。



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| TECHNO14 | 19:00 | comments(0) | - | |
Silvestre - Girar (Diskotopia:DSK045)
Silvestre - Girar
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A Taut Line (Matt Lyne)とBD1982 (Brian Durr)によって2011年に東京に設立されたDiskotopiaは、自身らの作品とまた世界各地のちょっと変わった音楽性を持つアーティストを、配信のみでリリースしてきたレーベルだ。テクノやハウスのフォーマットに何処か異邦の地の要素を盛り込んだようなちょっと奇抜な作風であるが、そんなレーベルが遂に物理メディアになるアナログでのリリースを開始。その第一弾が本作で、ポルトガルはリスボン出身で現在はロンドンで活動するJoao Silvestreによるもの。Silvestreは2015年にDiskotopiaからデビューしこのEPが同レーベルからは3枚目となるなど、レーベルの一押しのアーティストとも読み取れる。実際に初のヴァイナル作品に抜擢されたのも納得な充実作で、公式サイトの説明では「デジ・トロピカルの人工的なタペストリ」と述べられており、トロピカルなりエキゾチックなりの雰囲気があるハウス・ミュージックながらも完全オーガニックでもない作風は正にその説明通り。密林の中の響きを思わせるコンガのリズムに誘われる"Ir A Sagres"は、ミステリアスなアルペジオとドラッギーなベース・サウンドの効果もあって、土着的ながらもしかし色彩豊かな大自然の中のダンス・ミュージックで緩くもトリップ感がある。"Deptford Bus"はもう少しディープ・ハウス寄りなゆったりと落ち着いたグルーヴに朧気なパッドが叙情を演出するが、しかし刺激的なハンド・クラップや爽やかなタムも加わると途端に訝しいエキゾチック性が強くなる。"RC Surfer"はレゲトン×ダブ×ハウスみたいな跳ねたブレイク・ビーツと重い低音が特徴の曲で、ダビーな残響さえもが怪しくも官能的に広がり、このEPの中では異色ながらも雑食性を示している。そして最後の"Everybody Is Happy"は淡々としたブレイク・ビーツなハウスが下地になっているが、東洋の雰囲気がある笛らしきメロディーに引っ張られ、和のニュー・エイジ風な響きが今風っぽい。曲毎に異なるスタイルを披露しつつ国境を跨ぎながら融和する個性があり、その雑食性が面白いダンス・ミュージックとして成立している。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |