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Chez Damier - Mental Breakdown (Mojuba:MOJUBA G.O.D. 4)
Chez Damier - Mental Breakdown

ダビーで美しい音響の深遠なるディープ・ハウスを聞かせるドイツはMojuba Recordsは、その一方でシカゴ・ハウスのレジェンドを招いてもはや古典とも言えるディープ・ハウスをリリースしたりと新旧関係なく素晴らしい音楽に取り組んでいるが、その後者の方で活動盛んな一人がChez Damierだ。近年は他アーティストと共演しモダンなミニマル・ハウスへの接近も見せたりしているが、ここMojubaに於いてはやはりDamierらしい叙情的でメロウな人間味溢れる作風が反映されている。本作では新作1曲と共に過去にリリースされたリミックス2曲を収録しているが、レーベルを主宰するDon WilliamsことOracyがエディットした"Mental Breakdown (Oracy's Psychic Rainfall Edit)"はシカゴ・ハウスの荒々しいファンキーさとデトロイト・テクノの叙情性が一つになったような作風で素晴らしい。シャリシャリとした粗くざらついたハイハットが目立つビート感は寒々しいものの、次第に入ってくるオーケストラを思わせる荘厳なストリングスは正にデトロイト的な響きがあり、Damierの作品にしてはややテクノ的な質感を感じるが跳ねた感のあるグルーヴと合わせてファンキーかつエモーショナルな太いハウスになっている。裏面には1994年にリリースされたリミックスの再録にはなるが、ハウスのグルーヴはありながらもDamierのボーカルをぶつ切りサンプリング的に用いながらミニマル的な持続感とアシッド・サウンドもひっそりと混ぜて持続性を重視した"Never (Jeff + Gregg’s Favourite Original Foxy's Classic)"、そしてフレンチ・ハウスの名手であるSt. GermainによるDamierのソウルフルなボーカルを活かして気品さえもある洗練されたジャジー・ハウスに仕上げた"Never (St Germain Revamp)"と、90年代クラシックのような時代性を感じさせつつも時代を越えていく普遍性もある楽曲は魅力的だ。こういったリイシューが単に懐古主義とみなされるのではなく、アーティストの再評価に繋がる意味でMojubaの掘り起こしは評価すべきだろうし、そして現在のDamierの後押しになるに違いない。



Check Chez Damier
| HOUSE13 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
St Germain - St Germain (Warner Music France:0825646122011)
St Germain - St Germain
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失礼であるのは申し訳ないが、忘却の彼方にあったと呼ばれても誇張ではないアーティストがLudovic NavarreことSt Germain。フランスのFnac(後にLaurent Garnierが主宰するF Communicationsの前身)からデビューし、ジャズやラテンの風合いを持ち込んだディープ・ハウスを繰り広げた『Boulevard』(過去レビュー)、そして前述のGarnireやShazzとはChoice名義での永遠のクラシックである「Acid Eiffel」を共同で制作するなど、つまりはフレンチ・ディープ・ハウスの立役者の一人でもある。がしかし2003年のトランペット奏者とのコラボ作である『Memento』は旧来のアシッド・ジャズへと回帰してしまい、一般的な評価で言えば決して芳しくはなく、そのまま表舞台からは久しく姿を消す事になってしまった。それから12年、いや完全なソロ作では15年ぶりとなるアルバムの本作で、St Germainは見事に華麗なる復活を果たした。15年という歳月は決して短い時間ではないものの、その空白の埋めるには十分過ぎる程の力作である事を先ずは祝福したい。元々制作には様々な演奏家を招いていたようにこの新作でもギターやベースにパーカッションだけでなく、ンゴニやコラなどアフリカの演奏家も参加し、アフリカはマリの音楽性とも融和した最新のディープ・ハウス/フューチャー・ジャズとして刷新する事に成功した。St Germainの音楽性で特筆すべきはこのように演奏家をフィーチャーしながらも、決してバンドスタイルのみへと帰結するのではなく、根本にはNavarreのプログラミングによるダンス・ミュージックのグルーヴがある事で、決してDJが陥りやすい不自然なバンド・アルバムにはなっていない。先行EPである「Real Blues」を聴けば分かる通り確かにメロディーやパーカッションはエキゾチックで生々しく感情を揺さぶる質感があるが、そこに感じられるのはディープ・ハウスとしての雰囲気であり、ライブ演奏のノリではない。"Sittin Here"ではハウスの太いキックが顕著で、そこに官能的なギタープレイや魂を揺さぶるボーカルが情熱的な展開を繰り広げるアフロなディープ・ハウスで、その艶かしさはこの上ない。逆にアフリカンな雰囲気が強調された"Hanky Panky"はリズムも自由に躍動し、"Mary L"では夜の帳が下りる頃の湿った色気を放つダウンテンポを展開するなど、決してハウスだけではなく枠を大きく広げた懐の深さは以前からの持ち味だ。ハウスとジャズとダウンテンポにアフリカの音楽まで加わって事で、滑らかにクロスオーヴァーする音楽はより一層の大人びて熟成を帯びたものとなり、正に完全復活を約束する事だろう。アルバム名にユニット名を冠している事からも、本人の自負も感じられるのだから。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Cinematic Orchestra - Late Night Tales (Late Night Tales:ALNCD22)
The Cinematic Orchestra - Late Night Tales
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"真夜中の物語"とタイトルからして素晴らしいシリーズ物の最新作を手掛けるのはThe Cinematic Orchestra。The Cinematic Orchestraは電子ジャズを展開する人気ユニットだそうですが、自分は彼らについてはよく知らないものの選曲が興味深い内容だったので迷わず購入。オープンニングは注目を集めるFlying Lotusのアラビナンで荘厳なトラックから始まり、序盤はアコースティックな響きが優しく広がるフォークやジャズなどで深い夜への誘いが待ち受けます。中盤ではThom YorkeのポストロックやReichの現代音楽などで意外性を打ち出しながらも、しっとりと情緒を漂わせながらBjorkのメランコリーな歌物へと繋がり妖艶なムードが広がりました。そこからはSt GermainとSongstress、Sebastian Tellierとクラシック3連発で、一転して真夜中の狂騒に導かれ興奮はピークに。そして盛り上がった余韻を残したままBurialや自身らのサウンドトラックで、静かにしかしドラマティックに狂騒の終わりを向かえ就寝につく展開は、まるで真夜中の一大絵巻みたいですね。色々なジャンルが詰まっているせいかミックスと言うよりはコンピレーションの様な印象を受けるミックスですが、対称的な夜の喧騒と静寂を含んだ選曲で見事にコンセプトを100%表現していると思いました。良い意味でBGMらしく部屋で流しておくと自然と空気に馴染み、生活の邪魔にならない優しい夜の音楽です。

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| ETC3 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Francois K. - Essential Mix (London Records:8573 82178 2)
Francois K-Essential Mix
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フランソワケヴォーキン、NYクラブミュージックシーンの生き字引。数々の有名なアーティストの音楽制作に手を貸すと共に、自身でWave Musicを設立し才能あるアーティストの育成に貢献し、そして自身はジャンルレスな選曲で音楽を紡ぎダンスミュージックの素晴らしさを世に伝える。彼の前ではどんな音楽だろうとそれ自身が良ければ差別される事なくミックスの中に放り込まれ、ディープスペースを形成する一つ流れの中に組み込まれる。フランソワは数多くのMIXCDを発表してきたがその中でも最も評価が高く、そして最もディープスペースを感じ取れるのがこの"Essential Mix"。正にタイトル通りの極めて重要で極めて基本的なミックス。彼の長年に渡るDJ生活の中でも特に彼が好み重要な曲を余す事なく注ぎ込んだ極上のミックスであり、NYダンスミュージックの歴史でもある。テクノ、ハウス、エレクトロ、ファンク、ヒップホップ、クラブジャズ、ドラムンベースなどが違和感無く同じ時系列に存在し、ダンスミュージックの多様性と過去を感じさせ、未来への展望を伺わせる内容。選曲は言わずもがな各曲の自然な繋ぎ方、展開のまとめ方はさすがベテランと言うべきもので、文句の付け所の無い歴史的傑作だと断言出来ましょう。惜しむらくは現在廃盤となっていて入手困難かつ、オークションなどでもかなり高額化してしまった事だろう。



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| HOUSE4 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
St. Germain - Boulevard : New Version : The Complete Series (F-Communications:F022CD)
St. Germain-Boulevard : New Version : The Complete Series
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昨日に引き続きF-Communicationsからのディープハウス名盤を紹介。なんと英「Muzik」誌においても1995年のベストアルバムと選ばれた超ヒット作品は、サンジェルマンの1stアルバム。フランスからのハウスと言えどもその内容は、アメリカのハウス、特にLarry Heardにも通じる憂いのあるシルキーな肌触りのディープハウス路線。そこにジャズの要素を組み込んだジャズハウスとも言えるアルバムですが、プログラミングだけに頼った作品にする事もなく、ピアノ、サックスフォン、トランペット、フルート、パーカッションなどは人の手によって演奏されています。単純に音だけをジャズ"風"にすれば良いと言う訳でなく、生演奏する事によりソウルの籠もった温かみのある作品に仕上がっていると思います。もちろんリズムは4つ打ちでダンスミュージック的な作りにはなっていますが、生演奏によって奏でられる有機的な音の絡み具合はライブ感たっぷりで、エモーションとファンクを兼ね備えたジャズハウスになっています。大仰な展開も無ければモロにキャッチーな旋律もありませんが、フランスらしい洗練された作りでムードがありメロメロになっちゃいました。このアルバム以降はどんどんジャズ化したので、余り興味は無くなってしまったんですけどね。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |