2018/7/18 System7 & Mirror System Cafe Seven Release JP Tour 2018 live In Concert Tokyo @ Unit
ダンス・ミュージック界きってのおしどり夫婦ユニットであるSteve HillageとMiquette GiraudyによるSystem 7、既に齢65を超える大ベテランではあるものの今も尚アグレッシヴにテクノからトランス、そしてアンビエントやプログレッシヴ・ハウスといった要素を取り込みながらスケール感の大きい音楽を聞かせる稀有な存在。電子楽器とギターを武器に二人で展開するライブは豊かな表情を見せながらもハイエナジーでその実力は一級品だが、海外では大きなフェスティバルを中心にライブを行うなど当然の如く人気もトップクラスで、そんなユニットのライブを日本に於いては中規模のライブ会場で体験出来るのはある意味では特別だろう。今回はSystem 7、そしてアンビエント名義であるMirror Systemが一つとなったライブを披露する点でも、興味は尽きない。
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System 7 & Mirror System - Cafe Seven (A-Wave:AAWCD020)
System 7 & Mirror System - Cafe Seven
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ダンス・ミュージック界きってのオシドリ夫婦ユニット、Steve HillageとMiquette GiraudyによるSystem 7の最新作は、近年並行して活動を行っているアンビエント/バレアリック方面のMirror Systemとの活動が、今まで平行だったものが徐々に接近しながら遂にここで一つになったように同じアルバムの中で共存している。計10曲の内それぞれの名義で5曲ずつ制作を行っており、元々テクノからトランスにアンビエントやバレアリックまで網羅する幅広い音楽性があったものの、敢えて2つの名義を一枚のアルバムに収めた事で集大成的な意味合いがあるのではないか。実際に名義毎に作風は明確に分けられており、冒頭のMirror System名義の"First Wave"は透明感ある美しいシンセのレイヤーやかもめが鳴くようなディレイのかかったギターを用いて、ゆったりと波が広がっていくようなダウンテンポスタイルのバレアリック性の強い曲で、青い大空が広がる下で聞きたくなるような開放感がある。続くSystem 7名義の"Big Summit"は4つ打ちテクノの疾走するビート感に合わせ毒気のある電子のベースラインやサイケデリックなシンセがうねり、当然特徴的なディレイのかかったギターが高揚感を誘って、プログレッシヴ・ハウスとトランスの要素を含んだ快楽的な曲だ。また彼等の活動に於いて欠かせないコラボレーションは本作でも健在で、邦人ユニットであるSudoの曲を"Sensation (System 7 Remix)"としてリミックスしており、元のディープでテッキーな曲調に対しビート感はすっきりさせながらも快楽的なギターのフレーズ等を加える事で空間の広がりを感じさせる壮大さが増している。見逃せないのはMarcus Henrikssonとのコラボである"Million Suns"だろう、洗練されたミニマルなビート感に繊細でトリッピーな電子音を丁寧に編み込んだようなサイケデリックなテクノは、Henrikssonの音楽性が正しく反映されながらSystem 7の音としても鳴っており互いの音楽性が相乗効果として融合している。またJoujoukaによる"And Justice Killed (System 7 Remix)"は当然の如くサイケデリック・トランスな音だが、ロック風なギターリフが激しく咆哮したりハイエナジーな攻撃性が全く違和感無いのも、貪欲に色々なアーティストとコラボし音楽性を広げてきたSystem 7ならではだろう。そして終盤の"Cloudface (Mirror System Remix)"でぐっとテンションを落とし、ディレイが効果的なギターや電子音によって広がりを生む事で無重力空間の浮遊するようなドリーミーなアンビエントを聞かせ、熱狂的な曲調からチルアウトへの切り返すアルバムの流れはドラマチックでもある。見事にSystem 7らしくバリエーション豊かなアルバム構成で、65歳を越えたベテランながらも一向に衰える事のない創造力は今も尚新鮮なダンス・ミュージックを生み出している。



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| TECHNO13 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
System 7 - X-Port (A-Wave:AAWCD019)
System 7 - X-Port
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オリジナルアルバムに対してダブ・バージョンやアンビエント・バージョンを制作する事は今となっては然程珍しくもないが、System 7が1994年に『Point 3』をリリースした当初は、そういったプロジェクトはまだ殆ど行われていなかった。『Point 3』はダンス寄りの「Fire Album」とアンビエント寄りの「Water Album」の2枚として制作され、元は同じ曲が異なる魅力を放つ作品として興味を惹く内容であったが、それから21年が経過してSystem 7は再度同じ試みに挑戦した。Point 3 × System 7 = 21年…つまり1994年のあの時から21年が経ったから、二人の音楽活動の軌跡を祝うメモリアル的な意味合いも込めているそうだ。System 7名義の本作は勿論ダンス・ミュージック寄りのアルバムだが、そんな背景も知ってから聴いてみると確かに20年前のプログレッシヴ・ハウスやトランスなどのジャンルを巻き込みながら、音自体もほんの少し90年代を思わせるような安っぽいケバさが感じられなくもない。少なくとも4年前の前作『Up』(過去レビュー)でミニマル化しDJ寄りになった作風とは異なり、ある意味ではこれぞSystem 7とも呼べる猥雑感とライブのノリを重視した方向性へと回帰している。アルバムはフニャフニャとしたスペーシーなシンセがこれからの壮大な旅を予感させるイントロの"Hinotori Call Sign"で幕を開けると、ダンス・バージョンとして構築された"Chic Psychedelic (X-Port Version)"でフルスロットルで一気に加速する。骨太でエナジー溢れる4つ打ちと快楽的なシンセのリフ、そこに控え目にSteve Hillage特有の不思議なギターが効果音的に挿入され、トリップ感満載で突き抜けるこの曲は正にSystem 7らしい。そしてSystem 7と言えば何といっても他アーティストとのコラボも醍醐味の一つで、本作では活動当初から関係のあるThe OrbのAlex Patersonが”The Queen”や"Angelico Presto"に参加し、重苦しくはないがダブの効果を活かした空間の広がりを打ち出したり、以前に共同でアルバムを作り上げたRovoの曲をトランス感に染め上げた"Batis (System 7 Remix)"で再構築したりと、何でも使える要素はどんどん取り込んでいく雑食性の高さは愉快でもある。その他にも清々しく壮大なシンセの明るい基調がプログレッシヴ・ハウス風の"Love for the Phoenix (X-Port Version)"や、毒々しく攻撃的なシンセベースと覚醒感溢れるギターが咆哮するサイケデリック・トランスな"Opal Flash"など、作風は何でもありだった90年代を思わせるようだ。個人的な好みとしてはテクノ色の強いSystem 7の方に愛着があるが、しかし本作のような雑多な要素を持っているのがSystem 7なのだから、これこそが彼らしいのだろう。



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| TECHNO12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/7/13 FREEDOMMUNE 0<ZERO>ONE THOUSAND 2013 @ 幕張メッセ
昨年に引き続き今年も宇川直宏氏によるFreedommuneが開催される事になった。”東日本大震災復興支援イベント”と言う姿勢は変わらないものの、昨年の一人平均160円しか募金がされなかった事を考慮して、今年は入場の際に一人最低1000円の募金が義務付けられている。出演するアーティストは音楽イベントに出演はしないであろう少々変わった面白味のある人もいて、募金額が0円だろうと1000円だろうと、もしくはそれ以上であっても行ってみたいと思わせられる魅力がある。
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| EVENT REPORT4 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2011/11/5 Rovo × System 7 "Phoenix Rising TOUR" @ O-EAST
一体どんな経緯があったのか謎ですが日本の人力トランスバンド・Rovoと、テクノ界きってのおしどり夫婦ユニット・System 7がコラボレートし、更には一緒にツアーも行っている。自分は初期の頃のRovoの作品が大好きでかつてはライブも結構行ってたのだが、最近はクラブミュージックばかり聴くようになり、Rovoのライブを聴いたのも6年前のメタモが最後と随分ご無沙汰。そしてSystem 7に関しても7年前のUnitで観て以来と随分ご無沙汰。どちらも音楽性に関しては文句無しのぶっ飛びサウンドを披露するライブバンドであり、期待を胸に久しぶりに両者のライブを体験してきた。
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| EVENT REPORT3 | 01:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
System 7 - Up (A-Wave:AAWCD014)
System 7 - Up
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テクノシーンきってのおしどり夫婦ユニット・System 7。Gong時代からの活動を含めれば既に活動歴35年以上になる齢60のSteve Hillage、そしてその奥さんであるMiquette Giraudyは、音楽への創作意欲が留まる所を知らない。そして通算10枚目となるアルバムは、2000年以降プログレッシヴハウスやトランス色を強めていた彼等が、この10年の中で最もテクノに接近したアルバムとなっております。コラボーレーションを得意とする彼等は本作でもA Guy Called Geraldや、Rovoの勝井祐二、Funky Gongと共同作業を行い、そしてJosh Winkのリミックスも収録するなど様々な音楽を咀嚼し時代に合わせて変化していく自由なユニットですが、しかしながらSystem 7節とも言える統一感も存在し一聴して彼等の音と分かる程。本作では以前よりもミニマルなリフや展開を全面に打ち出しつつシンプルなダンスグルーヴを強調しておりますが、Hillageのフニャ〜ンと重層的に広がるディレイを多用した独特のギターサウンドとGiraudyの透明感のある華麗なシンセパッドはそのままに、System 7らしい派手で壮大な展開とエモーショナルな旋律を見事に鳴らしております。以前まであった宗教的・呪術的なトランス色はかなり後退しつつも、都会のクラブにおける熱狂的な夜のダンスミュージックらしくアグレッシヴな高揚感は感じられ、どれだけ歳をとっても前に進み続ける姿勢には頭が下がります。シングル曲でもある"PositiveNoise"と言うタイトルからも分かる通り、アルバム全体が飛翔するかの様な前向きな力に満たされているのですね。



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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2010/09/04 Metamorphose 10 @ 修善寺 サイクルスポーツセンター
2005年のメタモ以来、5年ぶりとなるメタモに行ってきました。今回はクラブ仲間御一行に車を相乗りさせて頂きまして、更にはテントやイスなどのキャンプ道具を完備する人もいたおかげで、かなり快適に過ごす事が出来ました。そのせいか終始お酒を飲む状態で、まともに音楽を聴く状態でなかったのが反省点でもありますが、楽しく過ごせたかな。幾つか聴いたアーティストについて軽くコメント。

まずはManuel Gottsching performs "more INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR" with Steve Hillage, Elliott Sharp & Zhang Shouwang。一番期待していたのですが、やはり素晴らしかったです。ギター3人とPC1人(知人の話では4人全員ギターだそうです。譜面台でギターが隠れて分からなかったみたい)のライブセットで、最初は"INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR"に収録されている"Echo Waves"。ペケペケしたギターのディレイが織り成すエレガントでトランシーな、そしてノンビートチルアウトと言っても差し支えない名曲。空間にフワフワと心地良いギターが浮遊し、そして拡がっていく。酔っていたので、これだけ聴いて後は寝ながらグダグダ。

Mogwaiのライブはステージから遠く離れたキャンプ地で、またもグダグダ寝ながら聴く。遠くからでも分かる圧倒的なギターの音圧、そしてそのノイジーな中から垣間見える美しい旋律。ちょっと以前ライブを聴いた時よりも、なんとなくテンポが早かったような?

そして伝説のMike Banks+Jeff Mills=X-102。これはまあだいたい予想していた通りで、やはり90年代前半のハードコアテクノを彼らなりにコズミックな要素を加えた、音自体は古いけれど臨界点を突破するようなエネルギーに溢れたテクノでした。流行り廃りとか古い新しいとかを超えた彼らのコズミックなコンセプトを表現していたんじゃないかな、グダグダに酔っていたので正確な事は言えませんが。

そこからは朝まで撃沈してしっかり仮眠を取り、ラストのMoritz Von Oswald Trioを迎える。最初に言ってしまうと2年前のUnitの公演を遥かに凌駕するライブで、今回は期待以上の物を聴かせてくれました。Moritz von OswaldとMax Loderbauerはエレクトロニクスを操り、Vladislav Delayは世にも見慣れぬ不思議なメタルパーカッションを叩く。重力から開放されたようにシンセのシーケンスは空間を自由に浮遊し、微小な変化を繰り返しながらミニマルな展開を作る。Delayが叩くパーカッションはディレイも効果的に使われ、鋭角的な音が空間を切り裂くように、しかしダビーに拡がり、そして圧倒的な音圧と重低音を鳴らしていた。2年前のライブの結果から踊れないと思っていたものの、今回は粘着性の高い重いグルーヴが生まれていてしっかりと踊れる内容でもありました。何度も色々なライブを体験すると本当に稀ではあるけれど背筋が凍りつく瞬間があるのですが、今回はまさにそれを体験。75分2曲の現在成しうる究極のエレクトロニックインプロビゼーションミュージックと言っても過言ではないと思います。

今回は終始メインステージに居たので殆ど踊らなかったのだけど、貴重なライブ体験を出来たし音楽友達と楽しく過ごせて良かったです。野外の開放感がグダグダを誘発するのだけど、たまにはそんなイベントも良いのかも。今回お世話になった方々には、この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
| EVENT REPORT3 | 21:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
UPCOMING EVENT
2010/09/04(SAT) Metamorphose 10 @ 修善寺 サイクルスポーツセンター
Act : Manuel Gottsching performs "more INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR" with Steve Hillage, Elliott Sharp & Zhang Shouwang, X-102, Moritz Von Oswald Trio, Mogwai, Larry Heard and more

2010/09/10(FRI) Hyper Modern Music Salon -Dinosaur Meets TECHNO! @ Mado Lounge
DJ : Hiroshi Kawanabe, A.Mochi, CALM, Hiroshi Watanabe aka Kaito, no.9, Haruka Nakamura
Live : evala

2010/09/10(FRI) HI-TECK-SOUL Japan Tour 2010 @ Eleven
DJ : Derrick May, Ryo Watanabe

2010/09/10(FRI) SOLAR FREQUENCY @ Womb
Galaxy Stage
DJ : DJ Tasaka, DJ Nobu, The Backwoods
Future Lounge
DJ : DJ Yogurt, JZ, Leyziro

2010/09/10(FRI) CLUB MUSEUM "DETROIT LEGEND" @ Unit
DJ : Kevin Saunderson, Cloude Young Jr., Rok Da House

2010/09/22(WED) GUIDANCE @ Eleven
DJ : Michael Mayer, Takkyu Ishino

2010/09/24(FRI) Urban Tribe Japan Tour 2010 @ Eleven
Live : Urban Tribe
DJ : DJ Stingray (aka Sherard Ingram / Urban Tribe)

2010/09/25(SAT) AIR 9th ANNIVERSARY "DIXON × AIR Release Party @ Air
DJ : Dixon, Ko Kimura, DJ Sodeyama

2010/09/26(SUN) ShinKooeN fes 10' @ 神奈川県茅ケ崎市柳島海岸
DJ : Altz, DJ Nobu, DJ Quietstorm, DJ Yogurt, Ko Kimura and more
Live : Dachambo, Kaoru Inoue, O.N.O and more
| UPCOMING EVENT | 07:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The 69 Steps Reflector Compiled & Mixed by Mirror System (Wakyo Records:WKYCD027)
The 69 Steps Reflector Compiled&Mixed by Mirror System
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テクノ界随一のおしどり夫婦、Steve Hillage+Miquette Giraudy=System 7の変名・Mirror SystemによるMIXCDは、綺麗目の音が詰まったプログレッシヴハウス〜ソフトトランスとでも呼ぶべき極上の一枚。もともとGongとして活動していた頃からヒッピー思想のロックでぶっ飛んだ音を出していて、そこからエレクトロニック化かつクラブ向けになったSystem 7でもひたすらアンビエンスと享楽なムードを醸し出していただけに、今更ソフトトランスだろうが別段驚くべき内容ではないけれど、多分本作での快楽はSystem 7史上で最強じゃないでしょうか。まあトランスちゅうと物によっては下品じみていてアレな物も多いけれど、ここではトランスの最大の効果(つまりトランス=覚醒)だけを見事に抽出していて、徹底的に天上界への昇天に向かう音が感じられるのです。アッパーではないけれど滑らかに紡がれるグルーヴはソフトな心地良さがあり、そしてふわんふわんな浮遊感覚とトリッピーさに溢れ、ミニマル、アンビエント、プログレ辺りの快楽志向な曲ばかりを繋げているので、そりゃ誰だってEが無くともぶっ飛べるさ。まあしかし60歳近くの二人がこんなに踊れて爽快な音楽を聴かせてくれるなんてね、凄いとしか言いようがないよ。

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| TECHNO7 | 12:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
System 7 - Phoenix (Wakyo Records:WKYCD013)
System 7-Phoenix
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ジャケットが印象的なSteve Hillageとその奥さん・Miquette GiraudyによるSystem 7の最新作。本作は見ての通り手塚治虫の"火の鳥"が題材な訳ですが、その巡り合わせは偶然か必然か、System 7と"火の鳥"の世界観はどこか通じる物がある。System 7の音楽がサイケデリックである事はファンならばご存じでしょうが、終わりが始まりで始まりが終わりで、次元を超越するストーリーである"火の鳥"もまたある意味サイケデリックである。一体何の事やらと言う人は、まず"火の鳥"を読んだ方が良い。とにもかくにも"火の鳥"にインスパイアされて出来上がった楽曲は、近代の発達した文明から遠く離れた人知の及ばない世界のミステリーを象徴し、単なるダンスミュージックとは一線を画している。ここ数作サイケトランス色が濃厚だったが、本作ではそのテクノ、プログレッシヴハウス、アンビエント、トランスが自然と混在し普通に考えればサイケ色は後退するはずなのに、以前よりも恍惚感はより増している。アッパーではあるが派手に盛り上げる訳でもなく、音に因る精神との交信により意識を越えて脳の中に眠る本能に訴えかける方法は、まるで漫画の中で火の鳥がテレパシーに因って人間と交信をするかの様だ。相変わらずHillageの奇妙なギターサウンドも健在で、衰えを知らぬ爺ちゃん婆ちゃん一歩手前の二人は本当に凄い。

"Hinotori"のPVがカッコイイので是非見て欲しいです。
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| HOUSE3 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Art of Chill 4 Mixed By The Orb (Platipus:PLATCD160)
>The Art of Chill 4 Mixed By The Orb
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アンビエントMIXシリーズである"The Art of Chill"の最新作は、アンビエントのマスター・The Orbが原点を見つめ直しそして現在をまとめた彼の自伝的な作品です。ライナーノーツを読む限りだと89年にAlex PatersonがPaul Oakenfoldに"Land Of Oz"のチルアウトルームでプレイする様に頼まれて、踊って熱くなったクラバーの体の火照りを冷ます為に新旧構わずチルアウトトラックを回していたそうな。その時のクラシックを中心としたのが一枚目、そして近年のアンビエントを中心としたのが二枚目と時代を隔てた構成になっています。一枚目はやはり古めの曲が多いせいかテクノと言うよりはポストロックやダブなども収録され、アコースティックな音が強調されております。チルアウトと言うよりは神秘的で神々しいオーラが出ていて、古き良き音楽に対し敬服したくなる、そんな真摯な内容ですね。対称的に二枚目は近年の音かつKompaktメンバーが揃っていて、これはテクノ好きな人ならばみんなハマル内容でしょう。大半がノンビートもしくは緩めのビートで、トロトロとただ甘くメランコリーで、電子の音だからこそ成せる幻想的な音を聴かせてくれます。アンビエントであり一時のチルアウトを体感出来る極上の内容です。いやー、最近出たニューアルバムより遙かに快楽度が高くうっとりしてしまいました。

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| TECHNO5 | 17:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - The Dream (Traffic Inc.:TRCP-14)
The Orb-The Dream
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傑作と謳われる前作「Okie Dokie…」(過去レビュー)ではThomas Fehlmannと手を組みThe Orbの新たなる面を見せつけ復活の狼煙を上げましたが、それから2年、今度は盟友YouthやSystem 7のSteve Hillageと手を組んだ新作がやってきました。前作では見事に研ぎ澄まされた知性を感じさせるKompakt流テクノだったのですが、本作はと言うと…古っー!!!Alex Patersonはぼけちゃったのか、とち狂ったのか?いえいえそんな事はありません。確かに初期を意識したレゲエ、ダブサウンドは時代錯誤感がありますが、内容自体は決して悪くないしぼちぼちと言った所かな。初期を意識してはいるけれど幾分かポップでドリーミーだし、1stがEでぶっ飛んだ世界なら本作はそこまでヤバイ空気はありません。アンビエントの要素も当然あるんだけれどもそれよりも僕はダンスミュージック的なご機嫌なグルーヴを感じたし、"夢"と言うタイトルの幻想的なイメージよりももっと悪ふざけしてニヤニヤしているAlexの顔が浮かんでくるよ。前作が余りにもシリアスだったその反動なのか、本作でAlexのお茶目な面が前面に出てきたのだと思います。サンプリング、ブレイクビーツもばりばり入っていてウニョウニョと横揺れ系のトラックが多く、The Orbの中でもかなり踊れる要素が高いかと。あ、でもなんだかTransit Kings名義のアルバムとも似てる気がしてきた。何にしても幾ら古くさい懐古的な音だろうが、これを聴けばAlexが未だ元気なの位は分かるよ。昔からのThe Orbファンなら本作を聴いて懐かしい気持ちになれるだろうし、昔の冗談の様に長い曲もないからこれからThe Orbに触れる人も抵抗は少ないのでは。

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| TECHNO5 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
宇宙からの歌、宇宙への音 (Rittor Music)
宇宙からの歌、宇宙への音
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宇宙、それは果てしなく広大で人知の及ばない未知の世界。老若男女問わず誰しもがその大きな存在に畏敬の念を感じ、そして人間は宇宙の前ではちっぽけな存在に過ぎないと思わせられてしまう。しかし昔から人間は宇宙に魅了され続け、ある者は星を観察しある者は壮大な物語を描き、そして音楽で宇宙を体現する者も。そんな宇宙を感じる音楽を集めたのが本書であり、ロックやヒップホップ、ファンクからジャズ、ワールドミュージック、そして一番宇宙がぴったりなテクノまで、ジャンルを越えて宇宙音楽を集めてしまった。しかし宇宙音楽とは一体?近未来的な電子音が鳴っていれば、それで宇宙?ただ想像力を喚起する瞑想的な物が宇宙?いや、そんなはずじゃないはず。無限の広がりをイメージした宇宙だってあれば、自分の心の中に存在するインナーシティーだって宇宙かもしれない。テクノのThe OrbやIan O'Brienと並んでプログレのPink FloydやHawkwindもいれば、VangelisやBrian Enoもいるし、ジャズのPharoah SandersやHerbie Hancookもいる。煮えたぎるファンクバンドのFunkadelicや"Planet Rock"で有名なAfrika Bambaataaも入ってるし、インドやアジアの民族・宗教音楽など馴染みのないものまで、とにかく宇宙、コズミック、スペーシーを喚起させる音楽ばかり。自分はテクノ、ジャーマンプログレには関しては頷く作品ばかりだったが、それ以外のジャンルに関しては知らない作品ばかりだったので、余裕が出来たら購入してみようと思った。ありそうで無かったコンセプトの本なので、誰でも楽しめるはず。

8/23追記
この本に載っているCDでいくつかは既に本ブログでレビューを掲載していましたので、リンクを張っておきます。
Steve Hillage - Rainbow Dome Musick
Harmonia - De Luxe
Cluster & Eno
Manuel Gottsching & Michael Hoenig - Early Water
Ian O'Brien - Gigantic Days
Global Communication - 76:14
Pub - Summer
| ETC2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Steve Hillage - Rainbow Dome Musick [Original Recording Remastered] (Virgin Records:CDVR1)
Steve Hillage-Rainbow Dome Musick
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昨日に引き続きSystem 7のメンバー・Steve Hillageのソロアルバムを紹介。これも79年にリリースされた過去のアルバムなのですが、リマスター済みで再発です。リリースはかなり前なんですけど、音はかなりのぶっ飛び具合のアンビエントなのでSystem 7好きにも難なく受け入れられる作品だと断言します。GONG脱退後、完全にソロになったHillageは奥様のMiquette Giraudyと共に音楽活動を始めるのですが、二人の相乗効果は多大なる影響を及ぼし総天然色、楽天・快楽主義が全開になった「Rainbow Dome Musick」を生み出したのでした。タイトルはそのまんま内容を表してると言え、フルカラーの音が空から降臨してくるように辺りを包んでいきます。スペイシーなギターだけでなく、エレクトロニクスも貪欲に取り入れたサウンドは、現System 7の原型とも言えるべきトランシーな効果を発揮して、言葉では表現出来ない程の幻想的な世界を表現していますよね。今聴いても全然古臭くないし、中途半端な最近のアンビエントなんか比類にならない位快楽の度合いが高いと思います。余りにも色数が多すぎて仕舞には、眩い光だけになり自分も光の中に溶け込んでしまいそうだし。これを79年に作ったなんて先人恐るべしですよ。Steve Hillageの過去作品を復習したら、今度はSystem 7も聴いて過去と現在を比べるのも一興です。

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| ETC1 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Steve Hillage - Fish Rising [Original Recording Remastered] (Virgin Records:CDVR2031)
Steve Hillage-Fish Rising [Original Recording Remastered]
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突然ですがSystem 7のメンバー・Steve Hillageのソロアルバムの紹介。突然つか1975年の作品が、リマスターされて再発されるからなんだけどね。僕を含めて今の世代にはやっぱりSystem 7の方が有名で、トランシーでハイパーサイケデリックなテクノサウンドは歳を経る毎にパワーアップしてゆく格好良いおじさん代表なんですが、そんな人の過去の作品をこの機会に聴いてみるのもどうでしょうか。この人元々はGONGと言うフランスのプログレッシブロックバンドのギタリストで、半分いっちゃってるようなかなりオプティミスティックな音を出していたのですが、GONGでの経験を生かして作ったファーストソロアルバムが「Fish Rising」です。リリースされた年を考えれば分かると思いますが、全然テクノちゃいますよ。普通に昔のプログレッシブロックなんですが、でもHillageらしいトリッピーな快楽がヘナヘナで極彩色のギターに依って表現出来ているんじゃないかな。でもSystem 7に比べるとトランシーと言うよりは底抜けに明るいポップな音で、気の抜ける脱力サウンドは面白可笑しいです。これが20年後に現役バリバリのテクノユニットになるなんて、本人も想像だにしなかったでしょうな。

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| ETC1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
System 7 - Live Transmissions (A-Wave:AAWCDP010)
System 7-Live Transmissions
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元プログレッシブバンド・GongのメンバーであったSteve Hillageがギターの代わりにシンセサイザーを手にすると…ハイパーサイケデリックユニット・System 7に大変身(今でもギターは演奏しているけどね)。時代に合わせてプログレッシブハウス〜アンビエントハウス〜テクノ〜サイケデリックトランスと貪欲に音楽を消化してゆく素晴らしきアーティスト。そんなSystem 7が2002年の8月17日に伝説の新宿リキッドルームでライブ公演を行い、それをそのまま収録したCDが出ました。今までは彼らのウェブサイト直販のみでしたが、今では普通の音楽ショップで購入出来る様になったんですよね。ちなみに僕もその時のライブを見に行ったのですが、System 7以外の面子は本当につまらないトランスばかりで正直しんどかった記憶が残っています。で当のSystem 7はと言うと、スペーシーで覚醒的なシンセサウンドとエコーのかかるサイケデリックなギターの相乗効果でかなり危なげな音を発し、ロック風のダイナミックな演奏で会場をもりもり盛り上げていました。齢50を越えた人達が奏でる音とは思えないすっごい迫力!何度も繰り返されるシンセリフで徐々に高揚感を増していき、広大でドラッギーな亜空間を見事に作り上げてしまうんですよね。一時期テクノにシフトしていた頃のSystem 7が個人的には好きなんだけど、この頃傾倒していたサイケデリックトランスも生半可なクオリティーではなく、つまらないパラパラトランスを聴いている人達にはこれを聴かせたいですね。「Alpha Wave」と言う曲では、わざわざアシッドテクノに作り替えられたPlastikman(Richie Hawtin) Remixを演奏しているのが興味深いです。全曲ノンストップミックス構成の疾走感溢れる展開で、文句の付けようもございません。

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| TECHNO3 | 19:00 | comments(6) | trackbacks(1) | |
Mirror System - Mirror System (Beat Records:BRC-135)
Mirror System-Mirror System
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テクノシーンに於いて齢50を越えたカップルが今でも元気に、シーンの最前線で活躍しています。元GONGと言うプレグレッシブロックバンドの肩書きを持ち、80年代にはテクノに影響を受けてエレクトロニックミュージックに傾倒し、そして90年代にはデトロイトテクノやプレグレッシブハウスとリンクしつつ再度華を咲かせたSystem 7(Steve Hillage+Miquette Giraudy)。バレアリックで快楽的なプログレッシブハウスから浮遊感溢れるアンビエント、またはシリアスなデトロイトテクノから覚醒的なサイケデリックテクノまで、とにかく時代を嗅ぎ分ける嗅覚を持ち合わせているスーパーユニットと言えます。近年はちょっとサイケデリック〜ゴアトランス色が強くなり過ぎてちょっと微妙な感もありますが、System 7が新たに始動させたアンビエントユニット・Mirror Systemは適度な緩さ加減のアンビエンスと黄昏時のイビザを表現した様なサウンドでヨダレが出る程気持ちが良いです。他のユニットと一線を画すのはやはり元はロックバンドな為か必ずと言って良いほどギターが挿入されるのですが、カモメの鳴く様なその清涼な音がトニックの様に心を一瞬で清涼にします。広大な空を自由に羽ばたくかの如く、ギターもシンセも徹底的に美しく原始的で、そして郷愁のこもった音を奏でるのです。いつものアッパーでSystem 7はここには無く、ダウンテンポでしんみりと心に入ってくる様な優しいサウンドが存在します。最近快楽的なチルアウトから離れていましたが、この無限の宇宙かの如く壮大で疲れた心をリフレッシュする音に目が覚めました…いや眠くなりました。素晴らしきSystem 7、ほんと大好きなアーティストであり尊敬しています。

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| TECHNO2 | 21:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
The Orb - The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld (Big Life:BLRDCD05)
The Orb-The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld
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さあ、まだまだFreedom Villageの復習は続きます。先日Freedom VillageでもTransit KingsとしてプレイをしていたAlex Patersonですが、メイン活動はこのThe Orbです。特にこの1stは彼らの中でも最高傑作と謳われている作品で、参加メンバーも超豪華です。KLFやTransit KingsのJimmy Cauty、System 7のSteve Hillage、老いて尚盛んなThomas Fehlmann、そして元Killing Jokeで現在はゴアに走っているYouth等が参加しています。

内容はと言うとアンビエントテクノの金字塔とも謳われる作品だけに、とにかくぶっ飛び具合は半端じゃないです。KLFの「Chill Out」も実はAlex Patersonが殆ど作ったのではないかと言われているけれど、その噂も理解出来ます。Orbのアンビエントは単純なアンビエントではなく、ダブを多様した腰にずっしりくるグルーヴが特徴です。泥沼にズブズブとはまっていき抜け出せないような重さ、そしてスペーシーな上物がキラキラと入ってきたり、陰と陽を行ったり来たりする感じです。コンセプトは「地球軌道」、「月起動」、「超世界」と三つの世界と言う事で曲名もそれにちなんだ名前が付けられています。取り分け「超世界」のダビーでドゥープな曲群は、まるで異次元世界に彷徨ってしまったかのような錯覚を覚えます。ラストの通称「Lovin' You」=「A Huge Ever Growing Pulsating Brain That Rules From The Centre Of The Ultraworld」は19分にも及ぶ大作ですが、どうしてAlexがこんな曲と思いついたのか全くもって謎ですね。ラリッてないと作れない曲だと思います。これにはJimmy Cautyも参加していますけど、やっぱり黄金コンビは偉大です。

先日のTransit Kingsのライブは、まだパラレルワールドの入り口を垣間開いただけでは無かったのでしょうか。今度は是非The Orbのウルトラワールドを体験してみたいですね。

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| TECHNO1 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
System 7 - Seventh Wave (A-Wave:AAWCD007)
System 7-Seventh Wave
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先日素晴らしいライブを披露したSystem 7の通算7枚目のフルアルバム。GONGの頃からの活動歴を考えると相当ベテランなのですが、未だ持ってテンションが全く落ちないのはほんと凄いです。このアルバムでもアッパーでサイケデリックなテクノ〜プログレッシブハウスを展開しています。元GONGと言う事もあってロックのアグレッシブさもあり、又トランシーでもあります。特にエレクトニック系のユニットにも関わらず、ギターは咆吼して唸りをあげてディレイを繰り返しSystem 7を特徴付ける音を出します。Alex Peterson参加の「Soft Rain」ではやはりダブアンビエントを展開し、「Sal Del Mar」や「The Abyss」ではイビザみたいな快楽的な心象が浮かんでくる。ライブではアッパーな曲しか演奏しないけど、アルバムはバランスが取れていて家で聴くには良い感じですね。90年前半はこういったバレアリック関係のユニットが色々あった感じがするけど、今でも残っているの少ないんではないでしょうか。昔の「Steve Hillage-Rainbow Dome Musick」とかも心地よいアンビエントでお薦めですが、今も昔も実はそんなに音楽性が変わって無い事に気付くでしょう。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2004/10/15 ELECTRIC SKYWALKERS SYSTEM 7 JAPAN TOUR “ENCANTADO” @ UNIT
トランスを聴く訳ではないのだが、System 7のライブがあるのでトランスのイベントに行ってきました。UNITに行くのも初めてだったけど、あのBALLROOMの下だったのか。BALLROOMと言えばMETAMORPHOSEのFreedom Villageを良くやっていたけど、最近はそのイベントが無いので残念です。UNITは地下1-3階の構造で、レストラン、フロア、ラウンジがあり結構でかい。フロアも意外に大きくて、音量音質もYELLOW程ではないが充分だと思います。照明も暗くて良く分かっていらっしゃる。新興クラブだけど、イベント充実させてがんばって欲しいですね。

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| EVENT REPORT1 | 22:54 | comments(1) | trackbacks(2) | |