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Bartosz Kruczynski - Baltic Beat II (Growing Bin Records:GBR019)
Bartosz Kruczynski - Baltic Beat II
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アンビエントやニュー・エイジの再評価は過去への視点だけでなく未来へも向いており、その後者において特に躍進を果たしたのがポーランドのBartosz Kruczynskiだ。Earth Trax名義ではレイヴ色の強いドラッギーなディープ・ハウスを、Pejzaz名義では甘く気怠いチルウェイブやダウンテンポを、Ptaki名義ではダビーなニュー・エイジ寄りと、それぞれの活動でも注目を集める才人であるが、大本命こそはこのKruczynski名義である事に異論を唱える者は少ないだろう。この名義でのデビューとなったGrowing Bin Recordsからの2016年作『Baltic Beat』(過去レビュー)は、有機的な響きが幻夢に溶け込む叙情的なサウンド・スケープで、その年を代表するアンビエント・アルバムの一つであったと思う。それから3年、その続編となる本作も前作同様にフィールド・レコーディングやギターやベースにフルート等のオーガニック性を盛り込んだ内容で大きな変化は無いが、より瞑想的な作用を増して深い自己の世界へと潜っていく世界観を獲得している。川のせせらぎのサンプリングで始まる"Pastoral Sequences"は、そこに静けさが際立つ静謐なピアノと電子音が微細な装飾を行いながら、途中からは祈りのような歌とミニマルなマリンバのフレーズも入ってくると途端に瞑想感を増して、宗教的な空気もあるニュー・エイジ風の曲。"In The Garden"は優しいピアノの和音と共にボッサ風なパーカッションが軽いビート感を生み、流麗なストリングスや穏やかなマリンバの旋律が心の奥に眠った懐かしい記憶を呼び起こすようなセンチメンタルなバレアリック系。微細なパルス音が持続する中に"Petals"もビートレスなアンビエントだが、動きの多い電子音の反復に合わせて悲哀のピアノが情緒を付け加えて、躍動を感じさせる。"Voices"になるとマリンバと電子音のシーケンスは現代音楽のミニマル的で、そこにギターやピアノがキャンバスに絵を描くように感情の高まりを加えていく。B面に移るとより現代音楽的な雰囲気は強くなり、"If You Go Down In The Woods Today"はマリンバや弦楽器のミニマリズムに霊的なコーラスが加わりまるでSteve Reichの"Music for 18 Musicians"を思わせ、その反復をベースにした流れでぐっとインナースペースへと潜っていく催眠性を発揮する。"The Orchard"も同様にマリンバの反復を基盤にしつつ咆哮しながら遠くへと霞となって消えていくようなギター風な響きや、微睡んだシンセが流体の如く動いて、宗教的な匂いもあるニュー・エイジ色が強くなっている。そんな観念的な世界から一転して"Along The Sun-Drenched Road 1 & 2"はフルートやピアノ等も導入しながら有機的な響きをただ垂れ流すように聞かせ、何も無いおおらかな大自然の中で一人夢想し佇むような感覚に陥る安堵に満たされたバレアリックな世界観で、もはや意識さえも霧散する。アコースティックとエレクトロニクスの自然な調和に安寧を感じ、瞑想や催眠をしつつも魂の開放を目指すおおらかなサウンド・スケープは、またしても2019年のアンビエントやニュー・エイジを代表する一枚となった。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Musica Esporadica (Nigra Sintezilo Rekord:NSR-24)
Musica Esporadica
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アンビエントやニュー・エイジの再考/再興が著しい電子音楽のシーンにおいて、神秘的でありながら深い叙情性によって心に染み入る音楽を制作するSuso Saizはそのムーブメントを本人が意図せずとも結果的に牽引しているアーティストの一人だ。その為新作のリリースのみならず過去の作品も積極的に再発や編纂されており、その流れの一環になるのがMusica Esporadica名義では唯一の作品である本作だ。リリースされた1985年当時はSaizは歌手のMaria VillaとパーカッショニストのPedro Estevanと共にOrquesta De Las Nubesというバンドを組んでおり(2018年に『The Order Of Change』(過去レビュー)というコンピレーションがMusic From Memoryより発売されている)、更にそれが発展してより辺境音楽らしい神秘性にミニマルの性質等も取り込んだプロジェクトがこのMusica Esporadicaだ。前述の3人に加え、フレームドラム奏者のGlen VelezとLayne Redmond、そしてスペインのギタリストであるMiguel Herreroが加わったこのプロジェクト、結果的には本作のみしか歴史に残す事は出来なかったがたった一枚の作品だからこそ現代という時代の中でより強い視線を向けられる事にもなっている。コンガやカリンバの民族的であり軽く爽快に広がるパーカッションが心地好い"Musica Esporadica"、SaizやHerreroによる繊細で掴みどころのない神秘性を生む透明感のあるギターや電子音響が浮遊しながら、そこに祈りを捧げるような声も加わってひたすら静かに漂流する如く12分にも渡ってアンビエントの海を漂う。"I Forgot The Shirts"ではマリンバとギターの音階やミニマル性は現代音楽のミニマル、もっと言えばSteve Reichを強く思い起こさせる作風で、囁くような声も歌というよりはミニマル性を強めるリズム的に用いられており、繰り返しという構成ながらも少しずつ変化を行い実に豊潤な響きを生み出している。再び"Meciendo El Engano"は静けさが支配するニュー・エイジ色の強い曲で、どんよりとしたフレームドラムが薄っすらとリズムを刻む中で、そこに線の細い浮遊感あるギターや透明感のある綺麗な電子音、可愛らしいヴィブラフォンがゆったりと絡み合い溶けていくようで、穏やかな空気がゆっくりと満ち溢れて安堵する。そしてどこか古代的な感覚もあるドラムのリズムに肉体性なり生命力を感じる"Combustion Interna"、そこにマリンバのミニマルな音階が動きを作り電子音が豊かな色付けを行っていくこの曲は、現代音楽のミニマルに影響を受けながらもバレアリックな雰囲気もあり心も自然と弾む。僅か4曲だけではあるがそこにはミニマルに民族音楽、アンビエントやニュー・エイジといった要素が含まれており、それらが一体となった霊性サウンドは正にSaizの音楽そのもの。プロデュースはSaizなのだからそれも当然で、実質Saizの作品と呼んでも過言はない名作だ。



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| ETC4 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motohiko Hamase - Reminiscence (Studio Mule:studio mule 10)
Motohiko Hamase - Reminiscence
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アンビエントやニューエイジの再評価、そして7〜80年代の日本の音楽の再発掘、ここ数年のこの動きは最早一種のムーブメントであるのは間違いなく、そんな動きに追随するのはダンス・ミュージックの業界において日本から世界へと羽ばたいたMule Musiqだ。別ラインとして立ち上がったStudio Muleはダンスに拘らずに制約から解放され、その動きは現時点では和モノへと向かっているようで、2018年にはジャズ・ベース奏者である濱瀬元彦の『Intaglio』(過去レビュー)をリメイクという形で復刻させている。それから間髪入れずにリメイクされたのが本作『Reminiscence』で、こちらは1986年にリリースされた濱瀬の初のソロアルバムだ。本作も『Intaglio』と同様に諸般の事情により本人によって新たに再レコーディングとなっているが、一般的なジャズという音楽から想像される音楽そのものではなく、エレクトロニクスも大幅に導入しながら現代音楽のミニマル性やアジアのエキゾチックな雰囲気、勿論濱瀬の武器でもあるフレットレス・ベースのジャズ性もあり、もし何かの言葉で述べるとすればアンビエント・ジャズという事になるのだろうか。木琴系のミニマルなフレーズがパーカッションが先導する"Childhood"はその構成が現代音楽的な要素があり、そこにオーケストラも加わるとクラシックにも聞こえ、咽び泣くような感情的なベースやしみじみとした笛の音色も渾然一体となり、幕開けから非常にドラマチックに展開する。"Intermezzo"も高速に連打されるマリンバのミニマルなフレーズが耳に付くが、静かに躍動するフレットレス・ベースはジャズのスウィング感があり、エキゾチックな軽く響くパーカッションの連打も加わって後半に向かって徐々に盛り上がっていく流れはミニマル性が活かされている。もう少しジャズの要素が感じられるのは"Tree"だろうか、繊細で優美なピアノのメロディーや朴訥とした笛の音色、そして自由に踊るベースラインはエモーショナルなのだが、そこに民族系のメタル・パーカッションや壮大なオーケストラも入ってくるのは最早ジャンルの形容がし難く面白い。"Na Mo Che"では打楽器や木管系の笛も用いて、メロディーというよりはリズム的に用いる事でビートは入っていないものの疾走するリズム感を生んでおり、Steve Reichを思い起こさせる世界観もあるのはやはりコンテンポラリー・ミュージックや現代音楽としての要素も含んでいる。ただどの曲にしても濱瀬によるフレットレス・ベースはリズムとなるための単なるベースラインではなく、これが曲の印象を作っていくメロディーの一つとして存在している事で、それがジャズの雰囲気を醸している事もありベース奏者らしい音楽性も十分にある。こんなユニークな音楽が80年代の日本にあった事は驚きだが、廃盤になった憂う状況から現代になって再評価されるも、時代を越えて聞けるエモーショナルかつメロウな普遍性があるかであり、文句無しに素晴らしい名作と断言する。



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| ETC4 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2017
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。近年の日本における音楽業界の厳しさは今年も変わらずクラブ/パーティーも以前に比べるとパワーが低下しているのは否めないですが、それでもその逆境の中から特に日本人アーティストによる素晴らしい作品も生まれたりと、希望が見えたりする事も感じる一年でした。当方が以前程には新譜発掘やレビューに時間を割く事が難しく、またパーティーへ行ける機会も減る中でなかなか流行なり時代なりの音を追いかける事も手に付かない状況ですが、その代わりに時代に左右されないタイムレスな音楽にも向き合う事が出来たとも感じております。以下に選んだ作品は正にそんなタイムレスと呼んでも差し支えない物ばかりで、当ブログ開設時からかなり方向性は変わって決してダンス・ミュージックだけではないですが、音楽としての素晴らしさにジャンルは関係ないですよね。これが何か少しでも皆様の音楽ライフの充足の為の手助けになれば幸いです。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vermont - II (Kompakt:KOMPAKT CD 114)
Vermont - II
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Motor City Drum Ensembleとして名を馳せるDanilo Plessowと、Innervisionsからの作品で高い評価を受けるMarcus Worgullによる異色タッグのプロジェクト、Vermontによる2枚目のアルバムがケルンはKompaktより到着。彼等が普段制作するエモーショナルでパワフルなディープ・ハウスとは異なり、ヴィンテージなアナログ・シンセ等を用いて抽象的で深い精神世界を探求するようなジャーマン・プログレやクラウト・ロックの系譜に連なる音楽性を展開し、直球のダンス・ミュージックではなく実験としての探究心を推し進めたであろうプロジェクトだ。路線としては前作から大きな変化はないが、しかしミニマルなアコースティック・ギターを用いた1曲目の"Norderney"は現代ミニマルのSteve ReichやManuel Gottschingを思わせる作風で、研ぎ澄まされたアコギの耽美な旋律を軸に瞑想的な電子音やコズミックなSEを散りばめて穏やかな宇宙遊泳を楽しむような感覚だ。"Gebirge"は70年代の電子楽器と戯れるジャーマン・プログレの延長線上で、半ばミステリアスささえ漂わせる電子音が闇の中で不気味に光るように響いて瞑想的なアンビエントの感覚も生んでいる。"Demut"や"Hallo Von Der Anderen Seite"もビートが入る事はなく強弱と旋律に動きのある奇妙な電子音を最小限用いて、その分だけ音の隙間が空間的な立体感を生んでおり、何か物思いに耽るような磁場が作られている。普段のDaniloやMarcusの音楽に慣れ親しんでいればいる程、肉体を刺激する音楽とは対照的なコズミックな電子音によって精神へ作用する音楽を展開するこのプロジェクトには意外に感じるだろうが、それが単なる小手先の音楽になっていないのは二人のジャーマン・プログレに対する理解の深さ故なのだろう。電子音との戯れはKompaktらしい実験的なアンビエントの響きもあり、異色さだけで注目されるべきではない深い精神世界を彷徨うリスニング・ミュージックとしてお勧めしたい。



Check "Motor City Drum Ensemble" & "Marcus Worgull"
| TECHNO13 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/3/2 Steve Reich 80th ANNIVERSARY "Tehillim" @ 東京オペラシティー
2008年、2012年に続き東京オペラシティーにて来日コンサートを敢行するSteve Reich。最小限の音型の反復からズレや展開を用いて現代音楽、特にミニマル・ミュージックの先駆者として功績を残す巨匠の一人であり、その影響は当ブログの読者であるダンス・ミュージックをこよなく愛する人にまで及んでいる。楽器からテープや環境音だけでなく、政治的スタンスや宗教観まで取り込みながら、しかし機械的にも思われるミニマルな展開の中に人間味溢れる豊かなハーモニーや響きを持ち込んで、色彩鮮やかな音楽性を聞かせるその音は眠気を誘う程の心地良さを誘発する。今回は決して知名度が高いという訳ではない"Tehillim"や"Mallet Quartett"、そして日本初披露となる"Quartett"等が演目になっているが、果たしてコンサートは如何なものとなったのか。
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| EVENT REPORT6 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Bartosz Kruczynski - Baltic Beat (Growing Bin Records:GBR006)
Bartosz Kruczynski - Baltic Beat

A.r.t. Wilson(=Andras Fox)の作品をリリースしているレーベルとしても知られているドイツはハンブルクのGrowing Bin Recordsは、ニューエイジ/アンビエント系のレーベルとして人気を高めている。そのレーベルの第6弾はポーランドのBartosz Kruczynskiによるアルバムで、Ptaki名義ではシンセ・ポップの要素もあるニューエイジをリリースしたり、最近ではEarth Trax名義でアンビエント感もある有機的なディープ・ハウスをリリースしたり、複数の名義を使い分けて活動をしているようだ。さて、この本名での初の作品だが緑に覆われた森の静謐なジャケットのイメージ通りに、フィールド・レコーディングも取り入れつつオーガニックな瞑想世界を展開し、得も言われぬ現実離れをしたサウンド・スケープを描き出している。何と言ってもA面丸ごと使用した"Baltic Beat"は20分にも及ぶ大作で、シンセやギターにドラムマシンやパーカッションなどを自身で演奏しナチュナルな響きを強調している。森の奥深くへ消え入るように響くギターサウンド、ミニマルに優しく微睡むようなマリンバのメロディーが軸となっており、そこに雷鳴などの環境音や幽玄な電子音も取り込んでここではない何処かの神秘的な世界へと誘うのだ。ミニマルな現代音楽と電子音響の組み合わせとしてSteve ReichとTangerine Dreamが邂逅したような音楽と表現すればよいだろうか、パターン化された構築で段々と展開する様は組曲的でもある。裏面は計4曲収録しており、マリンバのアルペジオに幻惑的なギターが咆哮して霞として浮遊するような抽象的アンビエントの"Post Tenebras Lux”、温かく広がりのある電子音や小鳥の囀りを用いて自然性の強いバレアリック感を打ち出した"Parco Degli Acquedotti"、静謐なピアノが神々しく降り注ぐメディテーション系の"Supplement 1"など、こちらもどれもリラックスしつつ神秘的な荘厳さがあり、ジャケットのイメージは嘘偽りない。Music From Memory辺りの美しい音響を聞かせる音楽が好きな人にとっては、間違いなく心酔する一枚に違いない。



Check "Bartosz Kruczynski"
| ETC4 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Funk D'Void - Balance 022 (Balance Music:BAL006CD)
Funk DVoid - Balance 022
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大物のテクノ/プログレッシヴ・ハウス系のDJを起用して人気を博しているミックス・シリーズ"Balance"の最新作は、グラスゴーを代表するテクノ・アーティストであるFunk D'Voidが担当している。綺麗目のテック・ハウスや壮大な展開のプログレッシヴ・ハウスもこよなく愛すD'voidならば、このシリーズに起用されるのも至極当然であり、恐らく多くの人が彼に期待しているミックスを期待通りに手掛けている。本作では彼自身のルーツをも意識してミックスしたそうで、CD1にはLos Hermanos、Vince Watson、Spirit Catcher、Delano Smith、Monty Lukeなどデトロイト周辺、またはそれに影響を受けたアーティストの曲が多く収録されている。基本的には4つ打ちのダンススタイルではあるが無闇にアッパーにする事もなく、D'Voidらしい透明感や清潔感を保ちながらテクノ/ハウス/ミニマルを滑らかに綱渡りするスタイルだ。高低差のある山と谷を行き交う派手は展開は無いが、スムースなミックスによってじわじわとD'Voidのテッキーな世界へと引きずり込む手腕はなかなかのもの。一方CD2の方は真夜中の熱狂的なダンスフロアからは少々距離を置き、どちらかと言えば朝方になりなだらかに終焉に向かって行くような、またはベッドルームでのBGMにも適したリスニング系として選曲されている。Lucid Nationのシネマティックな曲から始まり、Kolomboによる極上のバレアリックを通過後、Steve Reichによるミニマルなアンビエントの"Electric Counterpoint"へと繋がる序盤の流れは本当に素晴らしい。その後Space Dimension Controllerの切ないスペーシーなテクノである”Journey To The Core Of The Unknown Sphere"、Vince Watson変名の男泣きアンビエント"Celtic Beauty"、Joris Voornによる"Re-2001"など幻想的なシンセの壁に包まれ、そこから流麗なテック・ハウスで穏やかな波に揺られつつ終盤ではファンキーな流れでクライマックスを迎える。2枚組と言う事で少々情報過多な量に食傷気味になるのも否めないが、そこは2枚のCDでコンセプトを分けた点である程度は解消されているし、Funk D'Voidらしさは期待を裏切る事なく表現されていると思う。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/12/4 Steve Reich's Drumming @ 東京オペラシティー
2008年には現代音楽に於ける不朽の名作と言える「Music For 18 Musicians」を日本公演で披露し、多くのリスナーを魅了したSteve Reichが4年ぶりに来日公演を行った。Reichと言えばその理論的で緻密なミニマリズムがクラブミュージックにも少なからず影響を及ぼしており、彼の楽曲がクラブミュージックにサンプリングされたり、または著名なDJがReichの楽曲をリミックスしたりしている。そんな事もあってか私もReichの大ファンであり、2008年に続き今回も公演に行ってきた。曲目は「クラッピング・ミュージック」、「ナゴヤ・マリンバ」、「マレット楽器、声とオルガンのための音楽」、「ドラミング」の4曲。特に「ドラミング」は2008年にはパート1のみの演奏だったものの、今回はパート1〜4までのフル演奏と言う触れ込みだったので期待していたのだった。
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| EVENT REPORT4 | 12:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Lovebirds - Honeybadger EP (Teardrop:TD 005)
Lovebirds - Honeybadger EP
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The Orbがサンプリングしてチルアウトネタとしても有名になったSteve Reichの"Electric Counterpoint"が、またしてもクラブミュージックでリサイクルされたと言う話題の作品。本作を手掛けたのはドイツ出身のSebastian DoringことLovebirdsで、80年代風のシンセを生かしたハウス作品をリリースしているようだ。Freerange Recordsなどの大御所レーベルからもリリースする傍ら、自身では近年Vincenzoと共にディープハウス向けのレーベル・Teardropを設立し、徐々に注目を集めている。さて本作で聴くべきはやはりReichネタの"Running Backwards"で、あのPat Methenyの官能的なギターフレーズをまんまサンプリングし、ファンキーなベースラインとディスコティックなリズムと組み合わせた郷愁垂れ流しの一曲。これは是非ともクラブの朝方で疲れもどっしり溜まった時間の、体の隅々まで染み渡る癒しの音楽として聴きたい名曲。また黒っぽいスモーキーな音に染められビートダウンハウス的な"Don't Give A Shit"や、声ネタがファンキーに反復するディープハウスの"Chasing Things"など、3曲ともブラック・ミュージックへの傾倒もありながらモダンな洗練さもあり秀逸。



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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Cinematic Orchestra - Late Night Tales (Late Night Tales:ALNCD22)
The Cinematic Orchestra - Late Night Tales
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"真夜中の物語"とタイトルからして素晴らしいシリーズ物の最新作を手掛けるのはThe Cinematic Orchestra。The Cinematic Orchestraは電子ジャズを展開する人気ユニットだそうですが、自分は彼らについてはよく知らないものの選曲が興味深い内容だったので迷わず購入。オープンニングは注目を集めるFlying Lotusのアラビナンで荘厳なトラックから始まり、序盤はアコースティックな響きが優しく広がるフォークやジャズなどで深い夜への誘いが待ち受けます。中盤ではThom YorkeのポストロックやReichの現代音楽などで意外性を打ち出しながらも、しっとりと情緒を漂わせながらBjorkのメランコリーな歌物へと繋がり妖艶なムードが広がりました。そこからはSt GermainとSongstress、Sebastian Tellierとクラシック3連発で、一転して真夜中の狂騒に導かれ興奮はピークに。そして盛り上がった余韻を残したままBurialや自身らのサウンドトラックで、静かにしかしドラマティックに狂騒の終わりを向かえ就寝につく展開は、まるで真夜中の一大絵巻みたいですね。色々なジャンルが詰まっているせいかミックスと言うよりはコンピレーションの様な印象を受けるミックスですが、対称的な夜の喧騒と静寂を含んだ選曲で見事にコンセプトを100%表現していると思いました。良い意味でBGMらしく部屋で流しておくと自然と空気に馴染み、生活の邪魔にならない優しい夜の音楽です。

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| ETC3 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ken Ishii - The Works + The Unreleased & Unexpected (Music Mine:IDCK-1006)
Ken Ishii - The Works + The Unreleased & Unexpected
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日本が誇るテクノゴッドことケンイシイも、今年で遂に日本デビューから15周年だそうです。進化と変化を短いサイクルで繰り返すクラブミュージックシーンにおいて、デビューから常に前線で活躍し続ける彼の功績に異論は無いでしょう。そんな彼の名曲リミックスや未発表曲をまとめたのが本作。珍しい所ではテクニークを運営している佐久間英夫のプロジェクト・Subvoiceのレアなトラックや電気グルーヴの名曲"N.O."、そして大御所デリックメイやインナーシティーの名曲、現代音楽家・スティーブライヒのミニマルなトラックまでリミックスをしていて、なかなか今まで聴く機会の少なかった曲を一同に聴けるのは嬉しい限り。正直な事を言うと元ネタのジャンルがバラバラなだけにリミックスにも統一感は余り感じられないのだけど、それでも共通しているのは一聴して分るケンイシイの音が存在している事。レーザー光線の様な透明感とあの未来的な輝きを持ったシンセサウンド、これこそがケンイシイの音の象徴だったはず。徐々にケンイシイもダンストラックを作り始めた事でその特徴は残念ながら薄れて行く訳だが、この編集盤にはまだそのユニークな音色が溢れていて懐かしさと共に今でも新鮮さを失わずに輝いている。しかしデリックメイの"The Beginning (Ken Ishii Remix)"は、真夜中の高速道路をハイスピードでドライブしている感覚があり格好良いねぇ。

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| TECHNO7 | 10:00 | comments(3) | trackbacks(2) | |
2009/11/14 CLASH49 @ ageHa
テクノゴッド・Ken Ishiiのライブ+DJ、そしてデトロイトからDerrick Mayと言うゴールデンコンビでのパーティーとなれば行かない訳にはいきませぬ。しかもデリックは自分は去年の渚以来となるので、今回はどうだろうと少しだけ期待していたのですが…

まずケンイシイのライブ、レーザー光線の様な輝きを感じさせる音色が特徴的な"Sunriser"で幕開け。そしてヒット曲"Iceblink (Ken Ishii's Beat The Strings Attack Mix)"、パーカッシブで流麗なメロディーが響き渡るケンイシイ流デトロイトテクノ的な名曲。その後はケンイシイの中で一番ハードな"Butter Bump Blaster"、ズンドコズンドコのキックと荒れ狂うノイジーな上物でフロアに狂乱を呼び起こす。ラストは永遠のアンセム"Extra"、オリジナルよりも低音を太く引き締めダンサンブルにしたバージョンでがっつんがっつんに踊れて最高に格好良かった。真夜中のハイウェイをドライブしているような気分だった。ライブに関しては文句無し。
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| EVENT REPORT2 | 10:30 | comments(8) | trackbacks(0) | |
Henrik Schwarz / Âme / Dixon - The Grandfather Paradox (BBE:BBE120CCD)
Henrik Schwarz / Âme / Dixon-The Grandfather Paradox
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ミニマルミュージックとはなんぞや、そんな問いに応えるべくInnervisionsメンバーが勢揃いし50年に渡るミニマルミュージックをミックスした面白いコンセプトのMIXCD。つまりはテクノ以前のミニマルをも包括した内容で、現代音楽のミニマル代表格・Steve Reichやジャーマンエレクトロニクスの奇才・Conrad Schnitzler、Yesにも一時期参加していたPatrick Morazに混じって、デトロイトミニマルのRobert HoodやフレンチハウスのI:CubeやLa Funk Mob、ポストロックのTo Rococo Rotなどジャンルを軽く超越した選曲になっております。展開的にはかなり地味な部類でひたすら淡々とテンション低めで繋げていくリスニング仕様なんですが、一曲一曲がかなり奇抜な音を放っていてミニマルと言う枠を超えたエレクトロニックミュージックの変態性を感じられるミックスだと思います。どれ一つとしてまともな所謂ポピュラーな音を感じさせる事はなく、感情を排した電子音が無限とも思われる時間の中で繰り返されるのみ。しかしその反復の中で見えてくるミニマルの恍惚感、反復から生じる覚醒感は、ミニマルミュージックにしか成し得ないものかもしれません。実力ある3人が揃った割には地味だと感じるかもしれませんが、麻薬的にはまる深い世界観はやはり一級品。折衷主義的ミニマルに酔いしれろ。

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| TECHNO6 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |
2008/05/22 Composium 2008 Featuring Steve Reich @ 東京オペラシティー
い、行ってきたよー、Steve Reichのコンサート。現代音楽の巨匠、ほぼ12年ぶりの来日コンサート。とにかく"Music For 18 Musicians"が聴きたくて聴きたくて、この時をどれだけ待ち望んでいたか。クラシックなり現代音楽なりは殆ど聴く機会は無いけれど、この曲だけは今でも頻繁に聴いていて、特に寝る前にかけておくと丁度良い睡眠剤と化します。実際この日も眠りに落ちかけやばかったですが…。席はかなり前の方が取れたおかげでステージから10m以内とかなり良い環境で聴く事が出来ました。それにコンサートホールはやっぱり音響が良いですね。響きが突き抜ける様に澄んでいて、綺麗に音が通るんですよ。また座席に座って寛ぎながら聴けるので、クラブより楽ちんで良いですわー。
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| EVENT REPORT1 | 11:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Steve Reich - Music For 18 Musicians (ECM Records:1129 422 821 417-2)
Steve Reich-Music For 18 Musicians
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5月22日は待望のSteve Reichのコンサートです。ライヒと言えば兎にも角にも"Music For 18 Musicians"、テクノリスナーの多くもご存知であろう屈指の名曲。今回のかなり久しぶりの日本公演でやっと生でこの曲を聴く事が出来るので、もう気分はわくわく。大枚叩いて一番高い席(一万円)を購入しましたが、音響の素晴らしいコンサート会場でアンサンブルが聴ける事を考えれば安いもんです。さてライヒ、そしてこの"Music For 18 Musicians"は現代音楽の分野に当てはまるのですが、実際にこの曲はそんな気難しく構える必要なく、むしろ聴いていてウトウトとまどろみに落ちてしまう非常に快適性に満ちた曲であります。ピアノ、マリンバ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネット、ヴォイスなどの必要最低限の18人のプレイヤー構成から織り成されるミニマルを極めた一時間にも及ぶ壮大な音波の連続。各楽器の短いパートの繰り返しが入っては消え入っては消え、徐々に展開が流れていくだけの単調な演奏なのですが、静と動の変化や一定間隔で発せられる音色の移り変わりが余りにも情緒的で現代音楽と言う難儀な音楽性は微塵も感じられません(実際にはライヒの理論に基づいているはずですが)。各パートはシンプルな演奏を繰り返しているだけなのに、それらが同じ軸に重なる事により万華鏡の様なカラフルな色彩を生み出します。そしてコンサートでは演奏者の動きも面白いそうなので、見た目にも楽しめそうな予感。いやー、本当にコンサートが楽しみです。

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| ETC2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kerri Chandler - The Dark One, The Moon And The Candle Maker (Deeply Rooted House:DRH005)
Kerri Chandler-The Dark One, The Moon And The Candle Maker
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皆様DJ Deep主宰のDeeply Rooted Houseはご存じですか?フランスのレーベルながらもUS産に負けじと良質なハウスをリリースする新興レーベルでございます。そしてDJ Deepと親密な関係にあるKerri Chandlerもこのレーベルの為に率先して楽曲を提供していて、特に本作はかなりの力の籠もった内容となっております。お勧めはA面の"Six Pianos"、これ実はSteve Reichの"Six Pianos"にインスパイアされた作品で、ピアノのアルペジオが主導となってビルドアップして行く高揚感のあるハウスです。ピアノと並んでシンセも同じメロディーをなぞってきて、力強さと優雅さを兼ね備えた一曲です。B面の"Mental Moolight Fiesta"は哀愁漂うギターが特徴的な土着的なハウス、そして普段のKerri節が聴けるメランコリックな"Light The World"とこちら側も良質な2曲となっております。Deeply Rooted Houseはレーベル買いしても損はしないですね。

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| HOUSE4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nik Bartsch's Ronin - Stoa (ECM Records:ECM1939)
Nik Bartsch's Ronin-Stoa
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引き続き"宇宙からの歌、宇宙への音"(過去レビュー)からのCD紹介。今度はジャズに分類されるであろうNik Bartschと言うスイス人の作品。Roninとは勿論"浪人"の事で、本人が武士道にも興味があるそうで多分親日家なんでしょう。本の中ではテーマ的にジャズに分類されているんだけど、更に現代音楽やミニマルにも分類されそうな不思議な音が聞こえてくる本作。ピアノ、ベース、ドラム、バスクラリネット、パーカッション編成からなる演奏で、独特の拍子を打ちながら永遠とも思われるフレーズを何度も繰り返す。自分の中ではSteve Reichがイメージに浮かんできましたが、Riech程分かり易いメロディーは含まれておらずどちらかと言うと渋みが効いております。最初は淡泊な作品だなと思っていたのですが、じっくり耳を傾けている内に反復による覚醒効果がもたらされいつの間にかズブズブに引き込まれていく感じ。徹底的に感情を排し機械的なプレイだけれども、緊張感かつうっすらと情緒が漂っていてなんとも不思議な感覚を覚えますね。宇宙的かどうかは謎だけどジャズってこんな進化の方向もあるんですね、おもしろーい。

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| ETC2 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Koss - Four Worlds Converge As One (Mule Electronic:MED06)
Koss-Four Worlds Converge As One
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はぁ〜、やっと自信を持って紹介出来る久しぶりのアンビエントミュージックがリリースされましたよ。北海道を拠点にオーガニックでディープなハウス作品をリリースするKuniyuki Takahashiさんは、電気的でよりミニマルな面を強調したKoss名義でも活動していて、ドイツ・Kompaktとも共振する和製レーベル・Mule ElectronicからKossの新作を届けてくれました。まず驚くべきは4曲収録で計77分と言う、かなり壮大な展開が予想される長尺な作り。そして4曲は4つのエレメント「水、火、空気、大地」を表し、またそれは「北海道、本州、四国、九州」で感じた物が、それぞれ反映されているのだとか。では実際に中身を聴いてみると…圧巻はオープニングの「水」。30分近くもある曲なのですが、殆ど展開も無くただゴォーっとシンセが鳴り響くのみ。空気の揺らぎの如く、薄いシンセ音もゆっくりとゆっくりと揺らぎを繰り返すのですが、この余りにも深淵で美しい世界はMike InkのGas名義を彷彿させます。時々コポコポと水の様な音も聞こえてきて、延々と変わらない時間の中で体の中から癒されますね。「火」ではじっくりとか弱く萌える炎の様に、静かな佇まいの中にも徐々に変わりゆく変化が聞こえます。業火では無く、ローソクの火の様な静けさです。「空気」はフレッシュで清々しい空気が満ちていき、ストリングスが取り入れられSteve Reichを思い出させるミニマルミュージックを聞かせます。そして最後の「大地」では、予想通りと言うべきかパーカッションが蠢く大地を表現し、地球本来の生命力を感じさせます。地球の全てを包括する深淵さが、ここに聞こえるのです。Koss名義では電気的と言いましたが、今作ではその中に自然の温かみも含まれていて、全く無機質ではなくそれどころか有機的です。寝る時に良い塩梅に効くヒーリングアンビエントですね。また4つの曲を同時にプレイすると新たな1曲になるそうなのですが、誰か実践してくれないでしょうか…。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dennis Desantis - Five Minutes,Today,Forever (Third-Ear:XECD-1036)
Dennis Desantis-Five Minutes,Today,Forever
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たまたまタワレコで試聴して良かったので即購入。今年はデトロイトテクノが盛り上がっているとは言え、又してもイチオシのアルバムです。全然知らないので少し調べてみた所、パーカッショニストでありまた現代音楽の演奏家でもありSteve Reichの作品に参加した事もあるそうな…。面白い経歴だけどこのアルバムは貫禄の一枚です。デトロイトテクノと言うよりは彼の地を遠くより見つめ、望郷への帰還を待っている様な哀愁系デトロイトフォロワー。透明感溢れるシンセサウンドは美しくもあり儚い。オリジナルデトロイトテクノが大好きなんだなと感じさせる音であり、そのものに成りたがっていると感じさせます。パーカッショニストであるからか細かく入るリズムトラックもファンキーであり、ボトムは適度にファットな厚みがあります。浮遊感溢れるトラック作りでシンプルながらも、高揚感と快適性を持ち合わせています。いいよいいよいいよ〜!デトロイトとかテックハウス好きな人、もっと言えばDavid AlvaradoとかFunk D'Void好きな人は買うべし!

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| TECHNO2 | 21:30 | comments(3) | trackbacks(1) | |
Koss - Ring (Mule Electronic:MUELCD002)
Koss-Ring
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KompaktディストリビュートによるMule Electronicから、天使のブラならぬ天使の羽の様な快適性を持ったアルバムが届けられました。以前にもアルバムは出ているようですが、これが世界規模でのデビュー盤。6曲のみの収録ですが総時間は60分超え。完全にリスニング向けで、まどろみに陥るにはぴったりな作品です。ディレイを繰り返し少しずつ音階が変化していく様はSteve Reichの様であり、まるでこのCDを掛けている間だけ時間の進み方が遅くなっている様です。アンビエントな音ではあるけれど、ずぶずぶで重厚な作りではありません。暖かみのある音が心地良く繰り返し、瞑想の世界に彷徨い込む様です。イベントのアフターアワーで火照った体をさます時に聴いてみたり、日曜の午後にちょっと都会の喧騒を忘れたい時に聴いてみたり、そんな感じで癒しが必要な時にぴったりです。Kompakt好きには間違い無いでしょう。

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収録曲が被ったKoss-Live Ring EPなんてのもあります。
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| TECHNO2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Steve Reich - Works 1965-1995 (Nonesuch:79451-2)
Steve Reich-1965-1995
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以前に友人のVaderに紹介をしてもらって以来Steve Reichは大好きなアーティストになったのですが、ちまちまアルバムを買うのも面倒なので大人買い!10枚セットのBOXを買いました。正直聴くだけで一苦労です。Reichはテクノではないけれど、ミニマル感はテクノとも共振するものを感じるしアンビエント風な曲もあるのでテクノ好きな人の中でも隠れファンは多いのではないのでしょうか?

いくつか紹介すると「Come Out」は、二つのCome Outと言う復唱が少しずつずれていくミニマルな曲。少しずつずれが大きくなっていき、最終的にまた元に戻る。声以外の音は入っていません。最小のズレによって最大の効果を表現する実験的なシンプル極まりないミニマルミュージック。

「Drumming」は打楽器のみを使った作品ですが、最初は太鼓だけなのかと思っていたら徐々にマリンバ?とか鉄琴も入ってくるではありませんか。打楽器だけとは思えない繊細で緻密な可愛らしい作品。

多分一番有名なのは「Music For 18 Musicians」。18人の音楽家によるアンサンブル。いくつもの楽器が波の様に引いては押し寄せて、同じメロディーを幾度となく繰り返し最高の高揚感とトリップをもたらす楽曲です。テクノと似たパルスの様に一定のリズムを刻む幾つもの音の重なりが、聴く者をあっちの世界に連れて行きます。これを聴く為だけに買っても損はしないと断言します。これを聴いてると眠くなるのは人の性、許して下さい。

他にもメロディーが美しい「Six Marinbas」、「Desert Music」、「New York Counterpoint」、「Eight Lines」などもあります。後期は比較的メロディー重視な作品が多く、前期はズレを利用した作品が多いかな。

Reichについて詳しくは知りませんが特定の楽器だけを使った楽曲も多くあり、なかなか楽しく聴けます。クラシックとは違うし一応現代音楽と言う事になるのだろうけど、難しく考えずに気持ちの良い音楽に耳を傾けて身を任せてみてはどうでしょうか。

取り敢えず「Music For 18 Musicians」だけでも試聴してみて下さいよ。

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| ETC1 | 18:08 | comments(8) | trackbacks(2) | |