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Takayuki Shiraishi - Missing Link (Studio Mule:Studio Mule 22)
Takayuki Shiraishi - Missing Link
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世界的な和モノの再発見・再評価の動きの中でそれに追随するMule Musiq傘下のStudio Muleから、まさかの全く予想だにしていなかった白石隆之の埋もれた作品が発掘された(この経緯は実は白石が過去に組んでいた「BGM」というユニットのアルバムのリイシューをStudio Muleが考えていたが、契約の問題で難航していて、それならばと白石の未発表曲をリリースする事になったようだ。尚、本作の後結果的には「BGM」のアルバムも同レーベルよりリイシューされている)。本人の説明では1987年から数年の間に作られた作品を纏めたようで、内容は完全なダンスでもなくしかし現在の電子音楽へと繋がっていくようなエクスペリメンタルやアンビエントの音楽性も伝わってきて、まだ初期衝動が残るテクノのプロトタイプ的な印象も受けるユニークな音楽だ。電子音楽やデトロイト・テクノに触発されてダンス・ミュージックへと没入した白石だが、本人の説明では元々ポストパンク/ニューウェーブに触発されて音楽活動を始めながらもその衰退を目にしつつ、新しい音楽であるテクノ/ハウス/エレクトロといった新しい音楽と出会いがこの作品に影響しているようで、ポストパンク/ニューウェーブの残香も含まれている点が30年も前の音楽ながらもより一層個性的な印象を植え付けるように思われる。当方も白石のファンで過去リリースされた多くの作品を所持しつつ、今でも気長に新作がリリースされるのを待つような人間なのだが、そんなファンにとってはこれはもう完全に新作と受け止めても問題は無いだろう。"Dark Sea"はタイトルがそのまま音を表し、どんよりと淀んで薄暗い海を漂流するようなエレクトロニカと呼べばよいか、今風に言うならば冷えた温度感のダークウェイヴだろう。パンキッシュなリズムが躍動感を生む"Eardrum"は、金属的でマシーナリーなパーカッションが刺激的な一方でジャーマン・プログレ風なコズミックなシンセが伸びるサイケデリック性があり、アルバムの中でもダンス性が強い。ノンビートの"Blue Hour"はアンビエントの体を成しているが、パルス風のヒプノティックな電子音が重力によって吸い寄せるような引力を感じ、決して軽々しくはないどころかどんよりとした重厚感が満ちている。やはりローファイながらもアナログ感覚のシンセがトリップ感に繋がっている"Dynamo No.2"は、リズムも崩れている事でアブストラクトな雰囲気へと繋がっており、90〜00年代のブレイク・ビーツやエレクトロニカの先駆けと言ってもあながち間違いではない筈だ。または金属的な響きのダビーな残響が奥深い空間演出となり、インダストリアルを思わせるようなダークなシンセが振動する"Dance In The Fog"は荒廃して凍てついた感覚があり、ニューウェーブの残像を見せる退廃的な電子音楽だ。途中で再度ぼやけたような持続音とディレイの効いたシンセが抽象的なイメージを作るアンビエント成分もある"360°"を通過し、最後はアタック感の強いスネアやキックを用いながらもスローモーなビートで粘性の高さを演出した"Gray Shadows"で、どろどろとした融解していくような酩酊感のある曲でこれまでの全てが消失する如く綺麗にすっきり切れよく終わりを迎える。作り込まれた作品ではない点が原始的でもあり、しかし完全なテクノ/ハウスに振り切れる前のニューウェーブからの影響を残した手探りな雰囲気が、逆に折衷主義的な音楽性へと繋がり今という時代の中で面白く聞こえるのはたまたまだろうか。勿論その後のアブストラクトなディープ・ハウスへと繋がっていく要素も散見され、白石隆之の情緒深くも渋い世界観は十分に堪能出来るだろう。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Studio Mule - BGM (Studio Mule:Studio Mule 18 CD)
Studio Mule - BGM
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今や世界レベルでの重要なレーベルとなった日本のMule Musiqが、ここ数年再燃する日本の音楽にターゲットを合わせて、クラブ・ミュージックからは少し距離を置いたStudio Muleを設立したのが2017年の暮れ。それ以降、日本のシティポップのコンピレーションや日本のジャズやフュージョンにアンビエントの名作を復刻してきたが、並行してレーベル名を冠したStudio Muleというプロジェクトも進めていた。これはレーベル主宰の川崎氏によれば「特定のメンバーを持たないユニット」による「オブスキュアな日本の名曲のリワーク」を目的としているそうで、今までにもDip in the Poolの甲田益也子をボーカルに起用しMule Musiq代表格のKuniyuki Takahashiがプロデュースを手掛けて、大貫妙子による"カーニバル"を含むカバーEPの3枚をリリースしていた。懐かしい時代感を含む国産ポップスはその空気を壊さずに現代版へと生まれ変わり、昔からそれらに魅了されていた人にとっても今新たにシティポップにはまっている人にとっても、それは新鮮な風が吹くシティポップとして新しい魅力となって聞こえるものだった。その流れからのアルバムは、前述の甲田に加え渋谷系元祖と呼ばれる佐藤奈々子やシンガー・ソング・ライターの寺尾紗穂も迎えて、全てが名作カバーと呼んでも差し支えない程に充足した内容になっている。小池玉緒による"鏡の中の十月"はなんとYMO名義では唯一のプロデュースだったそうだが、ここではそのときめきテクノポップな雰囲気は損なわずに滑らかなビート感と音の厚みを増しながらも洗練したクリアな響きとなり、確かに古き良き時代感覚はありながらも今風という表現が相応しいアレンジだ。また、甘美な囁きのウィスパーボイスが特徴的な佐藤の歌も胸キュンキュンで、テクノポップなトラックに上手くはまっている。近年再発が成された山口美央子の"夕顔"はオリジナルはアンビエント・テイストの強い歌だったが、ここではエレクトロニック性を強めつつダビーな音響で奥深さも生まれており、そこに寺尾の悲壮感さえもある歌が切なさを増幅させる。そしてなんとYMOの"バレエ"のカバーまで収録されているのはテクノファンにとっては嬉しい限りだが、こちらも原曲のアンニュイで陰鬱な空気はそのままにリズムはやや力強さを覚え跳ねており、シンセベースも太みを増してファンキーなうねりとなるなど、現在のダンス・ミュージックに長けたKuniyukiの手堅いプロダクションが見事だ。大沢誉志幸のヒット曲である"そして僕は、途方に暮れる"はインストカバーだが、そうした事で清々しくも甘酸っぱい青春を感じさせるシンセのメロディーやアタック感の強い打ち込みリズムが明確に打ち出され、現代的に言えばバレアリックとでも呼ぶべきなのか、都会のネオンに囲まれたクリスタルな気分の多幸感に溢れる曲になっている。勿論前述の先行EPである"カーニバル"に"心臓の扉"や"Face To Face"も収録と、全てが名曲以外の何物でもない素晴らしいリワークが並んでおり、ジャパニーズ・アンビエントやシティポップのリバイバルの流れに乗った見事なプロジェクトだ。リミックスのようにリミキサーの新たな個性で塗り潰す如く手を加えるでもなく、シティポップをそのままシティポップとして現代風に解釈しているが、それはオリジナルへの愛が故だろう。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Motohiko Hamase - Reminiscence (Studio Mule:studio mule 10)
Motohiko Hamase - Reminiscence
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アンビエントやニューエイジの再評価、そして7〜80年代の日本の音楽の再発掘、ここ数年のこの動きは最早一種のムーブメントであるのは間違いなく、そんな動きに追随するのはダンス・ミュージックの業界において日本から世界へと羽ばたいたMule Musiqだ。別ラインとして立ち上がったStudio Muleはダンスに拘らずに制約から解放され、その動きは現時点では和モノへと向かっているようで、2018年にはジャズ・ベース奏者である濱瀬元彦の『Intaglio』(過去レビュー)をリメイクという形で復刻させている。それから間髪入れずにリメイクされたのが本作『Reminiscence』で、こちらは1986年にリリースされた濱瀬の初のソロアルバムだ。本作も『Intaglio』と同様に諸般の事情により本人によって新たに再レコーディングとなっているが、一般的なジャズという音楽から想像される音楽そのものではなく、エレクトロニクスも大幅に導入しながら現代音楽のミニマル性やアジアのエキゾチックな雰囲気、勿論濱瀬の武器でもあるフレットレス・ベースのジャズ性もあり、もし何かの言葉で述べるとすればアンビエント・ジャズという事になるのだろうか。木琴系のミニマルなフレーズがパーカッションが先導する"Childhood"はその構成が現代音楽的な要素があり、そこにオーケストラも加わるとクラシックにも聞こえ、咽び泣くような感情的なベースやしみじみとした笛の音色も渾然一体となり、幕開けから非常にドラマチックに展開する。"Intermezzo"も高速に連打されるマリンバのミニマルなフレーズが耳に付くが、静かに躍動するフレットレス・ベースはジャズのスウィング感があり、エキゾチックな軽く響くパーカッションの連打も加わって後半に向かって徐々に盛り上がっていく流れはミニマル性が活かされている。もう少しジャズの要素が感じられるのは"Tree"だろうか、繊細で優美なピアノのメロディーや朴訥とした笛の音色、そして自由に踊るベースラインはエモーショナルなのだが、そこに民族系のメタル・パーカッションや壮大なオーケストラも入ってくるのは最早ジャンルの形容がし難く面白い。"Na Mo Che"では打楽器や木管系の笛も用いて、メロディーというよりはリズム的に用いる事でビートは入っていないものの疾走するリズム感を生んでおり、Steve Reichを思い起こさせる世界観もあるのはやはりコンテンポラリー・ミュージックや現代音楽としての要素も含んでいる。ただどの曲にしても濱瀬によるフレットレス・ベースはリズムとなるための単なるベースラインではなく、これが曲の印象を作っていくメロディーの一つとして存在している事で、それがジャズの雰囲気を醸している事もありベース奏者らしい音楽性も十分にある。こんなユニークな音楽が80年代の日本にあった事は驚きだが、廃盤になった憂う状況から現代になって再評価されるも、時代を越えて聞けるエモーショナルかつメロウな普遍性があるかであり、文句無しに素晴らしい名作と断言する。



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| ETC4 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Midnight In Tokyo Vol. 2 (Studio Mule:Studio Mule 6 CD)
Midnight In Tokyo Vol. 2
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近年再発掘がされる和モノはもはやムーブメントに近い勢いとなっているが、その流れに乗るレーベルも少なくはない。2005年の設立以降、ダンス・ミュージックのシーンにおいて世界規模での成功を成し遂げた日本のMule Musiqもその流れに同調し、2018年初頭からダンス・ミュージックという制限を取り払ったStudio Muleから和モノのシリーズとして『Midnight In Tokyo』を開始させている。第一弾はディスコやブギーが主題となっていたが、その第二弾となる本作は全体としてエレクトロニックなフュージョンやジャズ、またはシティーポップが中心となっており、当方は収録されているアーティストについて大半は知らないもののそれでも尚直ぐに魅了される程の普遍的な魅力を持った曲が集められている。オープニングはサックス奏者の沢井原兒による"Hikobae"だが、これがかなり異形なフュージョンで面白い。回転数が狂ったのかスローモーなテンポに和なのかエキゾチックなのか訝しいサックスのメロディーに民族的なパーカッションも加わり、空間も歪むようなサイケデリックな感覚に満たされるこの曲は、Bill Laswell率いるMaterialがプロデュースしたとの事で納得。続くTodayʼs Latin Projectはラテンのカバープロジェクトだったようで、"Danza Lucumi"は燦々とした太陽の日が降り注ぐカリビアンの長閑な雰囲気に溢れており、その青々として清々しいイメージは正に南国だ。そして坂本龍一も制作に加わった鈴木茂による"On The Coast"は、AORやシティー・ポップの範疇だろうかレトロながらもキラキラとした都会的な響きで、特に咽び泣くようなメロウなギターが心に染みる。一方でかなりジャズ色の強い曲もあり、King Kong Paradiseによる"Samarkand"はリズムは大胆かつライブ感溢れて展開しギターも感情が爆発した如く咆哮し、ラテンとジャズが融合したセッション性の強い激熱な展開が繰り広げられる。そしてアルバムの終盤は特にメランコリーなフュージョンが中心で、鳥山雄司による透明感のあるシンセに切ないギターが表情を付けていくアーバン/ブギーな"Bay/Sky Provincetown 1977"、しんみりとしたエレピに女性ボーカルも起用して切なくしとやかなAORに仕上げた奥慶一による"Heat Wave"、そして最後はSafariによる南国のリラックスしたビーチサイドな雰囲気が溢れる郷愁のレゲエ風味もあるラテン・フュージョンの"Day Dream At The Bob's Beach"と、メランコリーな曲調が続きぐっと引き込まれる事間違いなし。7〜80年代の日本に、そしてクラブ・ミュージックではないものの、こんなに素晴らしい音楽があったなんて今更ながら再発見であり、こうやって素晴らしい音楽に出会う機会を提供するStudio Muleの役目は非常に大きい。



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| ETC4 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Motohiko Hamase - Intaglio (Studio Mule:8)
Motohiko Hamase - Intaglio
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世界的にも再評価著しい和モノ音楽、特に昨今のニューエイジ/アンビエント発掘の中で和モノも例外から漏れずに名盤珍盤が掘り起こされているが、その流れに与するようにMulu Musiqの新ラインであるStudio Muleは昔の日本の音楽に目下焦点を当てている。そんなレーベルが次に目を付けたのは濱瀬元彦による1986年作だ。濱瀬は1970年代から活動するジャズベーシストだそうで勿論基本はジャズであるが、このソロ作品ではシンセサイザーも多用してコンテンポラリー・ジャズところかニューエイジとも受け止められるリスニング性の高い音楽を披露しており、ジャズと言うジャンルを特に意識せずとも聞かれるべき内容だ。その上特筆すべきは原盤権利の関係でリイシューが出来ないため、本作では本人によって全て再録音された制作されている事で、単なるリイシューではなく生まれ変わった現代版として新たなる作品になっている。柔らかい笛やマリンバのミニマルな旋律から始まりストリングスも加わって優雅でありながら催眠的である"Circlet"、しかし中盤からはフレットレス・ベースも加わってジャズらしい動きも見せて、ジャズと現代音楽の混合といった印象を受ける。"Rain Calls For Bird"でも笛らしき音とシンセの音が絡み付くように重層的な旋律をなぞり、荘厳なシンセボイスやピアノが加わるとスピリチュアルなニューエイジ性も出てくるなど、曲のパーツ毎でも異なる音楽性がありミニマルでありながらも躍動的だ。アタックの強いドラムに引っ張られつつも笛やシンセのミニマルなフレーズが続き、そして中盤からマリンバの優しい音色の反復に切り替わる"Lung"も、やはり自由な構成が現代音楽的でそしてメロウな世界観に心酔する。"Symptom"や"Elan Vital"もシンセや生楽器を多用して夜のしっとりムードある曲調だが、濱瀬によるフレットレスベースの躍動的な響きも存在感があり、コンテンポラリー・ジャズとしての一面も存分に感じられる。そしてラストのタイトル曲である"Intaglio"は笛や鉄琴にマリンバなど多数の楽器によって重層的にひたすら美しい旋律を鳴らし、鋭い音のドラムによる衝動的なリズムで迫力を増し、そしてフレットレス・ベースは色っぽいムーディーさを演出するなど、場面がどんどん切り替わっていくようなシネマティックで想像性豊かな構成の曲だ。どれも再録音された事で音質も向上しクリアな響きとなっているのは言うまでもないが、本作を聞くと和モノ再評価が単なる流行りではなく音楽の質そのもので評価されていると思う程に快適なBGMになる音楽性があり、時代を超える=タイムレス、つまりはクラシックな作品だからこそ埋まり変わり今リリースされたのだろう。



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| ETC4 | 17:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Midnight In Tokyo Vol. 1 (Studio Mule:Studio Mule 1 CD)
Midnight In Tokyo Vol. 1
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日本発のレーベルでダンス・ミュージックの業界で最も知られているレーベル、おそらくそれはMule Musiqである事に異論を唱える者は少ないであろう。国境を越えて日本を含む世界各国から知名度だけに頼らず確かな才能を持ったアーティストの作品を送り出し、レーベルの成長の過程で音楽性によってEndless FlightやMule Electronic等にも分岐しながら、今や世界的に見てもトップレーベルの一つになっている。そんなレーベルの新たな試みが現在のダンス・ミュージックにこだわらないStudio Muleという姉妹レーベルで、初めは日本の昔の音楽に焦点を絞っているそうだ。レーベル第一弾である本作は7〜80年代の日本産ブギー&ディスコがコンセプトで、当方には知らないアーティストの作品が名を連ねているものの、だからこそ逆にそのどれもが懐かしい響きと共に新鮮な音楽に聞こえてくる。オープニングはハーモニカ奏者の八木のぶおによる"Mi Mi Africa"、土着的なパーカッションの導入からファンクなベースにゴージャスなブラスやハーモニカが入ってきて、情熱的なアフロ・ファンクを聞かせる。続く清水信之による都会的でレトロ・モダンな雰囲気のあるシンセ・フュージョンの"Silver Top"、Piperによる爽やかな風が吹いてくるメロウなAORの"Samba Night"など、当時の時代の空気を含んだ懐かしさがいっぱいながらも色褪せないメロウネスには潤いが感じられる。こちらも輝かしい光沢のあるブラスやシンセに装飾された高村亜留による和風ポップスの"Koi Wa Saikou (I'm In Love)"、愛らしくキュートな歌も相まってもうメロメロだ。KraftwerkやYMO辺りに触発されたようなHonma Expressのポップなエレクトロ・ビートが聞ける"What The Magic Is To Try"は、テクノポップという表現がぴったりだ。同様に少女隊 & Red Bus St Projectに"Electric City"もエレクトロニックなビート感を前面に、刺激的なニューウェーブ感も盛り込んで刺々しさが格好良い。またミニーによる"Rocket 88"は随分と哀愁が漂っており何だか昔のアニソンのような雰囲気もあるが、感情を熱くするボーカルやベースやシンセが躍動するシンセファンクな曲調によって、ぐっと盛り上がる一曲。和モノを軸にしっとりメロウから肉体の躍動感までバランス良く選曲されており、外れなしの間違いないコンピレーションは流石Mule Musiqだ。第二弾も既にリリース間近と、世界的に盛り上がる和モノの中でもこのシリーズもきっと存在感を強めるに違いない。



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| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Atlas - Breeze (Studio Mule:CD 2)
Atlas - Breeze
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Mule Musiqから始まりEndless FlightやMule Electronic等のサブレーベルも用いて多角的な音楽性で世界規模へと成長した日本が世界に誇るレーベルは、2017年新たにクラブ・ミュージックに固執しないStudio Muleを立ち上げた。近年はダンス・ミュージックの界隈でも和モノと呼ばれる日本のポップスやブギーにディスコの再発見の流れは著しく、そんな流れを汲み取ったのかMuleからも和モノに焦点を当てた動きがようやく日の目を見る。勿論Mule Musiq等の活動でもレーベルの音楽的センスは信頼するに足るものだと理解はしているが、結果的にこのAtlasのリイシューを聞くとやはりそれは間違いでなかったと再認識する。Atlasは難波弘之、川村栄二、今泉敏郎による1980年代のフュージョン・トリオで3枚のアルバムしか残していないようだが、この『Breeze』は1987年にリリースされたラストのアルバムだ。潮風というタイトル通りにメロウなムードに満ちた流麗なフュージョンは今で言うバレアリック感もあり、実際にアルバムは波の押し寄せる音で始まり穏やかな郷愁と青々しい爽やかさが広がる歌モノフュージョンの"Mediterranean Breeze"で開始し、リラックスしながらBGM的に心地良い雰囲気を作り出す。続く"Simpatia"は女性ボーカルを起用して光沢のあるシンセや伸びやかなパッドも用いて華麗な装飾を見せつつ、熱くなり過ぎずに都会的なクールさと言うか洗練されたポップな感覚が全く古びていない。軽やかに抜けるパーカッションと弾けるように踊るピアノを軸としたサンバの"After Brunch With You"も、軽快なグルーヴ感の中で途中の可愛らしいティンパニのソロにはっと耳を奪われる瞬間もあり、やはり海のメロウなムードが現れている。そこから波の音も持続させながら始まる"Summer Breeze"はヨットに乗って航海へと出たような旅情が感じられ、シンセやギターは大きな青空へと広がっていく開放感のある響きがあり、やや大人びたフュージョンだ。そこから一転ぐっとテンポを落として夏の終わりの感傷的な切なさを強めた"Never Come Into Your Eyes"、ラストの切ないメロドラマで流れるような悲哀の強いピアノや歌、そして泣くようなギターの咆哮がドラマチックな"Madrigl"と、これらも波の環境音をバックにこれでもかとばかりにメランコリーに包み込んでいく。全編通して正に海をコンセプトにしたメロウでバレアリック、そしてポップなフュージョンは流すだけでその空間の雰囲気を変える程のBGM性があり、まさか日本にこんな素晴らしい音楽があったとはただただ驚くばかり。Studio Muleによる和モノの再発見という役目を果たしたリイシュー、これからもこのレーベルの動きに刮目せざるを得ない。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |