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MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog]
MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog] (JUGEMレビュー »)
Massive Attack
名作MEZZANINEリリース時に予定されていたマッド・プロフェッサーによるダブ・バージョンが、今になりリリース。こちらはアナログ盤。
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Hoavi - Phobia Airlines (Fauxpas Musik:FAUXPAS 029)
Hoavi - Phobia Airlines
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
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NocowやRising Sunといったレーベルを初期から支えるアーティストに、そしてSven Weisemann変名のDesolateやConforce変名のSevernayaら著名なアーティストもカタログに名を連ねるドイツはライプツィヒのFauxpas Musikは、テクノからハウスにブレイク・ビーツからリスニング系まで多少なりとも幅を持った音楽性のあるレーベルだが、おおよそどの作品にも共通する要素は包み込むような温かいアンビエント性だろう。本アルバムもそのレーベル性に沿った内容で、手掛けているのはサンクトペテルブルク出身のKirill VasinことHoaviだ。Web上にもアーティストの詳細は余り公開されておらず作品数も多くないためどういったアーティストかは不明だが、まだ20代後半と比較的若手の存在である。アルバムの出だしこそ落ち着いたノンビート構成の"Cloud9"で深い濃霧に覆われたような視界もままならないディープなアンビエントだが、人肌の温もりを感じさせる温度感は非常に情緒的。そこからは曲毎に様々な変化を見せ、湿度のあるキックに硬いパーカッションが打ち付ける"Kill The Lama"はアシッド・サウンドが飛び交いつつアンビエントなパッドに覆われ、"Can't Explain"ではぐっとテンポを抑えたダウンテンポに80年代風のローファイなパーカッションやアシッドを絡めた叙情的ながらもヒプノティックな響きがあり、そして"Phobia Roadlines"ではしなやかなドラムン・ベースかブレイク・ビーツかと言わんばかりの小刻みなリズムを刻みつつ無重力で浮遊感のある上モノを張り巡らせたアトモスフェリックな作風と、とても一人のアーティストとは思えない程にバリエーションの豊かを強調する。"Contour"辺りは安定感あるキックとディレイを用いたダビーな音響による幻惑的なディープ・ハウスで、特に幽玄なエレクトロニックの響きに陶酔させられる。時に激しく振動するリズムから大らかな波のようにゆったりとしたグルーヴまで、曲毎に動静の変化を付けてリスニングとダンスを行き交うアルバム構成だが、一環して霞がかった深い音響によるディープなアンビエント性は鎮静作用があり、睡眠薬の如く微睡みを誘発する。前述のSven Weisemannらの静謐で残響心地好い音楽性と共鳴する内容で、まだアーティストとして未知な部分は多いものの期待が寄せるには十分だ。



Check Hoavi
| TECHNO14 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Session Victim - Dawn EP (Delusions Of Grandeur:DOG71)
Session Victim - Dawn EP
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近年は遂に自分達のレーベルであるPen & Paperも立ち上げて更なる躍進を果たしているSession Victim。ディスコやファンクにジャズの要素をサンプリングを用いて取り込み、ライブフィーリング溢れるディープ・ハウスの制作を得意とする彼らの活動は、事実DJではなくライブによって完成する。つまりキモはサンプリングとライブ性にあるのだが、彼らの拠点の一つでもあるDelusions Of Grandeurからの新作は、様々なアーティストをフィーチャリングする事でより豊かな音楽性を獲得する事に成功している。先ずタイトル曲である"Dawn"は音楽的に共通項が多く同様にサンプリングやエディットを武器にするNebraskaとの共同制作で、ざらついて生々しいハウスの4つ打ちを下地にファンキーで温かいベースライン、そして耽美なピアノやギターカッティングらしき音など生音風な要素を合わせて非常にSession Victimらしいエモーショナルなディープ・ハウスを展開している。目新しさとか流行とかそんな物には一切目もくれず、どれだけ自分達のスタイルの濃度を高められるかという気概さえ感じられる作風で、これだけでSession Victimの魅力は十分に伝わる筈だ。"The Taste Of Life"ではシンセサイザーにJimpsterとKettenkarussellの一人でもあるLeafar Legovが参加するなど非常に豪華な人選だが、こちらもざっくりと艶めかしいジャジー・グルーヴを基調に、シンセ・ファンク的なボーコーダー使いやふわふわとした耽美なシンセが多層に展開し、リラックスしつつメロウな雰囲気を作り出しているのはシンセサイザーに起用された二人の音楽性が影響を及ぼしているのは明白だ。またIron Curtisとの共同制作である"Hear The Sun"も強力な曲で、ボーコーダーを用いたボーカルのレトロ感覚にコズミックかつ哀愁滲むシンセワークによって、懐かしさと切なさがぐっと込み上げる感動的な展開を繰り広げるディスコ・ハウスは特に耳に残る。そして意外な組み合わせにはなるのだろうが、深遠なダブ音響を得意とするエレクトロニックなディープ・ハウスのSven Weisemannがリミックスで参加している。"Dawn (Sven Weisemann's ReDawn Inbassed Mix)"は完全に原曲のイメージをWeisemannの個性で塗り替えており、音の隙間を強調しながら残響によって美しい余韻を作るダビーなディープ・ハウスで、やや温度感を下げて淡々としたムードに抑制しながら美しさを閉じ込めたような上品というか優美なリミックスだ。4曲どれも文句無しの力作で期待を軽く越えてきたEP、その才能は本物でまだまだSession Victimの躍進は止まりそうもない。



Check Session Victim
| HOUSE14 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kim Brown - Pleasuredome Continuum EP (Needwant Recordings:NEEDW 056)
Kim Brown - Pleasuredome Continuum EP
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Sven Weisemannの変名でありつつ当初は謎のアーティストだったJouemや全く経歴の分からないProstituneらを送り出してきたJust Another Beat自体も派手な活動をするでもなくミステリアスな佇まいを発しているが、そんなレーベルの主軸であるのがこのKim Brwon。当初はソロアーティストかと思っていたら、実はJi-Hun KimとJulian Braunの名からアーティスト名を取ったユニットである事が判明するなど、やはりその幻のような存在感は他のレーベルメイトと同様だ。柔らかい有機的な音色や美しい電子音のパッドを活かしたディープ・ハウスは、静謐の一言でダンス・ミュージックと言うよりはリスニング性が強く、気品ある響きは熱狂や興奮とは真逆の快適性に優れている。しかし目下最新作である本作は過去のどの作品よりも躍動感を増してダンス寄りに接近し、明らかに夜のフロアを意識した音楽性へと向かっている。"Helical Scan"はそんな躍動感をエネルギッシュで生々しいブレイク・ビーツで表現しており、そこに羽毛のようにふわっとしたパッドが幻想的な旋律を被せながら、真夜中のダンス・フロアから朝焼けが登ってくる時間帯にかけての雰囲気を伴った清々しい高揚感を得たエモーショナルな展開をし、ダンスでありながらもKim Brownらしい情緒豊かな作品だ。同様にブレイク・ビーツを用いた"Ceramic Unicorns"は疾走するのではなく抑えめのビート感で、マイナーコード調のか細いパッドにディレイをかけながら奥深い空間演出を行うが、ざくざくとした荒々しいハイハットなどのリズムがオールド・スクール感を強めている。そして他にはLet's Play Houseなどからもリリースする新興勢力のEarth Boysと、ブリストルのニューカマーであるKembackがリミックスを提供している。"Helical Scan (Earth Boys Remix)"は原曲の雰囲気を全く損なわずにリズムはフラットなディープ・ハウスに均し、その分だけ水平線をすっと滑っていくような心地好い浮遊感が生まれており、透明感のある上モノも上手く綺麗に活きたリミックスになっている。対して"Ceramic Unicorns (Kemback Remix)"は原曲よりも厳ついキックを用いて杭を打ち込むような力強い4つ打ちを刻み、反復するヒプノティックな上モノやアシッド寄りなドラッギーなベースラインも強調して、ピークタイム向けのパワフルなハウスでがらっと様相を変えているが、このEPの中では単純に一番盛り上がれる印象だ。Kim Brownにしては随分と荒ぶれたリズムを刻むダンス性の強いEPではあるが、それと共に流麗でエモーショナルなシンセワークも健在で、彼等の魅力を損なわずに新たなる魅力も獲得している。



Check Kim Brown
| TECHNO14 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Bilateral Relations EP (Echocord:echocord 075)
Sven Weisemann - Bilateral Relations EP
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ダブ・テクノという音楽に対して一切ぶれる事なく追求を続けるドイツのEchocord、今までにもダブ・テクノに於ける探求者の作品を数多く送り出してきたが、そのカタログに新たに名を刻むのがSven Weisemannだ。ベルリンのディープ・ハウスでは随一のレーベルであるMojubaの躍進に貢献したアーティストであり、その深い残響に美しさを込めた作品は最早芸術的でさえある。中にはダンス・トラックと言うよりはサウンドトラック的な風景を描き出すようなエモーショナルな作風もあり、例えばそれは"Lunation"において顕著だ。つんのめるような、しかし遅く侵食するようなリズムに荘厳で霧のように霞んだシンセが入れ替わり立ち替わり現れて幻想の中に誘い込むようなアブストラクトな作風だが、抽象的な響きながらも火を灯したようなほっとする温度感があり、リスニング性に優れている。逆に無駄を削ぎ落としながら端正に整ったリズムと反復するディレイの電子音が浮遊感を生む"Bilateral Relations"は、ミニマルとダブの要素があるしっとり湿度感のあるダンス・トラックだが、とは言っても勢いではなく雰囲気で魅了する楽曲性がある。"Monistic"も似た雰囲気を含んでいるが、霞に消えいくような霞んだ声や繊細な電子音と残響を用いて重力を感じさせない軽やかなグルーヴ感によってより耳を引き付けるリスニング性があり、そして"Decimation (Valve Tr9 Mix)"では逆にキレのあるキックやハイハットを用いて躍動感のあるビート感を作りつつ鈍いアシッディーな音も導入し、EPの中では最もダンス・トラックとしての要素が強いすっきりしたダブ・テクノだ。結果的にはいつも通りのWeisemannらしい繊細なダブの美しい音響を聞かせる作品でもはや金太郎飴的に完成はしているが、それは高い水準にあるからしてやはり今も尚彼の作品を追い続けている自分がいる。



Check Sven Weisemann
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jouem - Episodes 5/8 - The Edict Of Restoration (Mojuba:mojuba jouem 5)
Jouem - Episodes 5/8 - The Edict Of Restoration

2012年に開始したJouemの「Episodes」シリーズも5年をかけてようやく5枚、つまり平均すると1年に1枚のペースなので合計8枚を予定している事から残りは3年。随分と長い時間をかけて完結に至るこのシリーズは、8枚のEPのジャケットを合わせると1枚のアートワークが完成するというコンセプチュアルな内容だ。手掛けているのはMojubaを代表するアーティストの一人であるSven Weisemannで、複数の名義を用いて活動している事もありこのシリーズとしては実に2年ぶり。少々時間は空いてしまったもののSvenらしい繊細な美しさや叙情性の強いムード、そして深いダビーな残響を活かした作風に変わりはなく、ダンスからリスニングまで作風はありながら深遠な世界を覗かせる。A面にまるまる収録された"Anomalous Diffusion"はテンポよく心地良い4つ打ちを刻むダンス・トラックではあるが、ぼやけた男性声のサンプリングや紫煙のように抽象的なアンビエントな上モノを用いて幻惑的な揺らぎを生みつつ、スモーキな音像の中に反復する電子音が道を指し示すようで、ヒプノティックな性質が強い。よりアンビエントなりディープな要素が強い"Kazumi Cycle"は湿り気を帯びながらも無感情に淡々とした4つ打ちがJouemらしく、底から浮かび上がってくるパッドは薄く薄く伸びていく中にひんやりとしたパルスも織り交ぜ、感情を排してアンビエントの霧の中を突き進む。隙間の目立つ緩やかなブレイク・ビーツを刻む"Contagion"は異色さに面白さを感じるが、悲壮感漂う繊細なピアノの美しさや変則リズムから広がっていく残響が奥深さへと繋がっており、ダブ・テクノの深遠さを特に物語っている。毎度の事ではあるがこの幻想が広がる残響の中に情緒性も交えたWeisemannの作風は、その強い個性が故に逆にレーベルに対してのイメージも植え付ける程で、Mojubaを代表すると言っても過言ではない。とアーティストとして非常に才能があるにもかかわらず、ここ何年も来日が無いのは至極残念である…と思っていたところ、当記事執筆中に来日が決定したようだ。



Check Sven Weisemann
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Separate Paths EP (Delsin Records:121dsr)
Sven Weisemann - Separate Paths EP

ベルリンから美しさに秀でた音響ディープ・ハウスを追求するSven Weisemann、テクノ〜ハウス〜ダブと振り幅を持ちながらもどの作品に於いても彼らしい静謐な美的センスが現れており、ダンス・ミュージックとリスニングの間を上手く渡り歩くアーティスト。過去にはオランダに於いてデトロイトの叙情性ともシンクするDelsin RecordsからEPをリリースしていたが、同レーベルに2年ぶり復帰したのが本作だ。ともすればフロアから意識的に乖離したようなリスニング向けの作品を作る事もある彼が、ここではDelsinというレーベル性に沿ったように比較的ダンス色の強いトラックを聞く事が可能で、それでも尚繊細なダブ音響も体感出来る点で秀逸だ。特にA面の2曲が素晴らしく、うっすらと浮かび上がる叙情的で空気感のある上モノに合わせてずんずんと胎動のような4つ打ちで加速する"Dopamine Antagonist"は、朧気な呟きやリバーブの効いたサウンドを活かして奥行きを演出したディープなダブ・テクノで、勿論フロアでの機能性は前提としながらも揺らめくような官能性にうっとりとさせられる。A面のもう1曲である"Cascading Lights"はややテクノのプロトタイプのようなたどたどしさが打ち出た音質のリズムで、そこにしなやかに伸びるパッドを用いて初期デトロイト・テクノらしいエモーショナルな響きを合わせ、例えばCarl Craigの初期の作品とも共鳴するようなあどけなさが感じられる。またB面にも落ち着きを伴うダンス・トラックが収録されており、淡々とした4つ打ちで冷静さを取り戻しつつしっとりとしたダブの音響や音の強弱を用いつつ、暗闇の中で煌めくようなシンセワークも用いてBasic Channelの作風を踏襲したダブ・ハウスの"Maori Octopus"と、ビートが極端に落ちた分だけ正に空気の如く揺らぐダビーな音響が強く感じられるダブ/レゲエをテクノとして解釈したような"Separate Paths"と、これらもWeisemannの音響への拘りが如実に発揮された作品だ。僅か4曲のみ、しかしそこには個性と振り幅があり最大限にアーティストの音楽性を体験するには十分過ぎる内容だ。



Check "Sven Weisemann"
| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kim Brown - Wisdom Is A Dancer (Just Another Beat:JAB 12)
Kim Brown - Wisdom Is A Dancer
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Kim Brownというソロワークっぽい名前なものの、実はJi-Hun KimとJulian Braunの名前を拝借したそのまんまのユニットである二人組は、ベルリンの柔らかめのディープ・ハウスを得意とするJust Another Beatの主力アーティストの一人だ。ちなみに同レーベルには他にSven WeisemannやProstituneも作品を提供しており、決してメインストリームを歩むような派手さはないものの、ベッドルームにも耐えうるリスニング性の高い音楽性で統一感を持っている。Kim Brownも2013年に同レーベルより初のアルバムである『Somewhere Else It's Going To Be Good 』(過去レビュー)をリリースしており、柔らかく繊細な電子音によって洗練された気品と淡い情緒を溶け込ませたディープ・ハウスを聞かせ、新人ではありながら流行に左右される事のないクラシカルな存在感さえ発していた。それから3年、ようやく2枚目となるアルバムが到着したが、良い意味で前作から変わりがなく、羽毛のような軽く柔らかさを持った電子音による穏やかなディープ・ハウスを鳴らしている。始まりの"Rehearsed Engineering"では変化球的なリズム感につんのめりつつも、清流が湧き出すような透明感のある上モノがゆっくりと流れ、じわじわと仄かな情感が溢れ出す事でアルバムの開始を告げる。続く"Optionism"は刺激的なハンドクラップと柔らかいキックが端正な4つ打ちを刻み、幾分か夜のダンス的なムードが現れるも、揺らめく上モノの電子音は官能的でしっとりとした質感を含む。やはりアナログ感のある4つ打ちのキックを刻む"Everything But A Piano"は電子音の奥にはピアノ等の有機的な音色が密かに隠れており、実は動きのあるベースラインとも相まって落ち着きながらも躍動を伴うディープ・ハウスだ。特にピアノの音色を強調した"Millions"や"Transparent "はクラシカルで気品が漂い、音の隙間を強調するようなシンプルな作風だからこそピアノの旋律がより際立ち、波が引いていくような余韻を残す。終盤の"We Are Elementary"ではクラシック的なストリングスが美しく伸びて、生っぽいキックやスネアとの相乗効果で人肌の温もりが伝わってくるようだ。何処を切り取っても真夜中の興奮を誘うダンス・ミュージックらしさはなく、昼下がりから夕暮れ時のうたた寝してしまう時間帯にぴったりな穏やかで物静かな響きが心地良く、前作に続きノスタルジーに包まれる良作だ。本作も以前と同様にアナログ盤にはダウンロード・コードが付いてくるのも、非常にありがたい。



Check "Kim Brown"
| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Interlace Jitter (Mojuba Records:Mojuba 025)
Sven Weisemann - Interlace Jitter
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複数の名義で活動をしている為に実はそんなに久しぶりではないものの、メインとなるSven Weisemannとしての作品は一年ぶり。ベルリンは深遠なディープ・ハウスのMojuba Recordsの中心的存在であり、そして幾つかの名義を用いてディープ・ハウスという枠組みを越えて芸術的にまで昇華した優美なサウンドを鳴らすアーティストとして、確固たる地位を築いている。古巣と呼べるMojubaからは3年ぶりの新作となってしまったが、蜜月の関係に変わりはなくレーベル性も自身の作風も損なう事なく、両者に期待されている音楽性を正しく表現している事を先ず喜びたい。タイトル曲の"Interlace Jitter"は彼にしては比較的鋭く重いビートが強くスピード感のあるテクノとハウスの中庸だが、肝である奥深さを生むダビーな音響や幻惑的なシンセの使い方は馴染んでおり、途中からしなやかに伸びる美しいパッドや女性のウイスパーボイスも加われば、そのエレガントさを極めたダンス・ミュージックは正にWeisemann固有のものとなる。"Sparkling"はより彼が得意とするゆったりとした流れに美しい音響を込めたディープ・ハウスに近いが、膨らむように浮かび上がるシンセや微睡むようにドリーミーな世界観は90年代風のアンビエントな味わいもあり、ブレイク・ビーツなリズムが下地にあっても幽玄な情緒は全く失わない。裏面の"Motion Capture"も当然ダビーなディープ・ハウスではあるものの、目立つのは力強く弾ける刺激的なパーカッションとミニマルなシンセのメロディーで、その単純な構成ながらも深みのある音響と相まって陶酔感は一番だろう。そのダブ・バージョンである"Motion Beats"は更に抜けの良い乾いたパーカッションによるファンキーなハウスへと生まれ変わり、DJツールとしての要素を高めたディープかつミニマルな作品だ。基本的に金太郎飴のように作風が出来上がっているので驚きは少ないものの、その水準が高く毎回安心して買えるアーティストであり、だからこそ次のアルバムが待ち遠しい。



Check "Sven Weisemann"
| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gigi Masin, Alessandro Monti, Alessandro Pizzin - The Wind Collectors / As Witness Our Hands (Diplodisc:dpl 009)
Gigi Masin, Alessandro Monti, Alessandro Pizzin - The Wind Collectors / As Witness Our Hands
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Music From Memoryからの編集盤である『Talk To The Sea』やJonny NashやYoung MarcoとのユニットであるGaussian Curveの作品により、近年はクラブ・ミュージック側からもその動向が注目されるイタリアのGigi Masin。鍵盤奏者でありエレクトロニクスも導入する実験音楽家でもあり、そして静謐なアンビエントやニューエイジのような何処か瞑想じみた要素を感じさせる音楽を制作するプロデューサーだ。クラシックからのルーツも匂わせる美しさを放つディープ・ハウスを得意とするSven WeisemannがMasinをリミキサーに起用したり、橋本徹がGood Mellowsシリーズに彼の作品を収録したりするのを知れば、Masinというアーティストについても何となく想像出来るかもしれない。『The Wind Collectors』はそんな彼が1991年にリリースしたアルバムで、同郷のマルチプレイヤーであるAlessandro Montiと鍵盤奏者であるAlessandro Pizzinとセッションを行って出来上がった物だが、ここでは当時は録音されたものの収録されなかった曲まで追加された完全版として蘇っている。シンセサイザーとピアノの音を軸にギターやベースを用いた演奏は、一切の荒波を立てる事もなく、ただただ穏やかな地平線が広がるような静かな海の景色を喚起させる。強い主張をしないシンプルで繊細なメロディー、薄っすらと淡く広がるシンセサイザーの響き、静けさの中に宿る叙情など、非常に無垢で弱々しくも飾り気のない分だけ嘘偽りなく心に響く音楽だ。クラブ・ミュージックの観点からのアンビエントとは異なるし、かと言って実験が際立つ作品でもなく、ミニマルなコンテンポラリー・ミュージックとでも呼べば適切なのだろうか。そして、この度のリイシューでは何とデモ音源や未発表のセッションも収録した『As Witness Our Hands』も追加されており、そこではMasinの永遠の名曲である「Clouds」のデモやTerry Rileyのカバーである「Medusa's Refrain」も聞ける。話題性は十分であるのは当然として、これらのセッションを含んだ盤は幾分か感情が強く出つつ実験的な面も滲み出ており、古楽やフォークにプログレッシヴ・ロックの要素等が目を出している。だが気難しく構える必要はないだろう。ただただ淡い抽象画のような美しいサウンド・スケープに耳を傾ければ、穏やかな時間が待っている。



Check "Gigi Masin"
| ETC4 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gigi Masin - Wind (The Bear On The Moon Records:BAR003)
Gigi Masin - Wind

2015年の音楽的な出来事の中で、Gigi Masinの再評価を抜きにして語る事は出来ないだろう。Masinは70年代から活動するイタリアの実験音楽のアーティストで、どういう訳か最近ではSven Weisemannのリミックスを行い、またニュー・ディスコ系のTempelhofとの共同でアルバムを制作、そしてJonny NashやYoung MarcoとのGaussian Curveを結成したりと、クラブ・ミュージックの方面から注目を集めている。2014年にはオランダのMusic From Memoryから編集盤である『Talk To The Sea』がリリースされるなど、確実にMasinの再評価の動きは強くなっていた。そんな状況の中、今年になって遂にMasinが主宰するThe Bear On The Moon Recordsから1986年作である本作が遂にリイシューされたのだ。この作品は当時は500枚程プレスは終わったものの、その大半が洪水被害に遭い殆ど販売されないまま、少々のみが出回ったとされる非常にレアな物だ。ただそんな稀少性のみが特別扱いされる理由ではなく、勿論その音楽性は今も尚古びれる事もなくその当時のまま輝いているのだから、現在も評価される所以なのだろう。本作でMagin自身はシンセやピアノにギターを演奏し、そして歌まで披露しているが、他にもサックスやトランペットにベースやストリングの奏者まで率いて、限りなく静謐なアンビエントを形成している。"Call Me"ではMasinによる消え行くような物哀しいボーカルと共に朧気なストリングスや静かに浮かび上がるピアノのメロディーが、一体となり儚くシネマティックな風景を見せる。"Tears Of Clown"もやはりピアノのメロディーがとても美しいが、それは瑞々しく昼下がりの夢現な快活さがあり、アナログの柔らかいシンセとの合間から気高いトランペットが目覚めを引き起こすようだ。逆にぼんやりとしたシンセが抽象的にゆっくりとうねる"Tharros"は鬱蒼とした空気が満ちたドローン風で、室内楽を通過したアンビエント的だ。また"The Wind Song"では穏やかなシンセのコードに割って入ってくる牧歌的で和んだトランペットに涙しそうになり、"Celebration Of Eleven"では羽毛のような柔らかいシンセが反復する中に哀愁のギターやベースが零れ落ちる展開が琴線に触れ、全く汚れのない清らかな音が心身共に洗い流すような日常生活の中に存在するアンビエントとして受け止める事が出来る。その極限まで静謐で美しい世界観はBGMとして聞き流すのではなく、しっかりと相対し面と向かって耳を傾けたくなる程に真摯な内容で、部屋の空気を一変させるリスニング作品として素晴らしい。



Check "Gigi Masin"
| ETC4 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Falling Leaves (Fauxpas Musik:FAUXPAS RSD014)
Sven Weisemann - Falling Leaves
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ベルリンのディープ・ハウス一派の中でも一際芸術的な美しさにこだわった作風を得意とするSven Weisemann。現在は古巣であるMojuba Recordsからは本人名義でのリリースはしなくなり、その代わりにJouem名義での8部作シリーズのリリースを継続している。一方Svenのもう一つの古巣と言えば同じくベルリンのFauxpas Musikで、こちらではDesolate名義でEPやアナログを複数手掛けていた。が何故かレコード・ストア・デイ限定盤としてFauxpas Musikからは初となる本人名義の本作がリリースされたのだが、Desolate名義との明確な違いは見られない程の実に静謐なアンビエンスを発している。特に本作ではクラシックにも教養のある彼らしく切なく湿っぽいピアノの旋律が常に鳴っており、そこに消え入るような神秘的なボーカルや霧の向こうから浮かび上がるような幻想的なストリングスが加わって、夢の世界にでも迷い込んだような現実ではない何処かの世界へと連れて行ってくれる。キックは入らずにジャズを意識したハイハットがビートを刻み、ただただ安息の日を迎えるが如く静かな音の波が広がるオリジナルは、最早オーガニックなアンビエントだ。裏面にはイタリアのアンビエント系アーティストであるGigi Masinが手掛けた"Falling Leaves (Gigi Masin Remix)"が収録されているが、オリジナルの静謐で神秘的な雰囲気はそのままにビートは完全に抜いて、その代わりに上モノに穏やかなギターノイズらしき音も加わって更に自由な動きを見せながら桃源郷の果てを演出する。両面ともいわゆるクラブで盛り上がるようなダンス・ミュージックではないが、例えば朝方のパーティー最後などで聴ける事があれば安堵に包まれながら現実へと戻る事が出来るかもしれない。



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| TECHNO11 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Whatever It Is EP (Just Another Beat:JAB 09)
Sven Weisemann - Whatever It Is EP
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2013年には古巣Mojubaからは初となるアルバム"Inner Motions"(過去レビュー)をリリースし、アーティストとして一先ずは自身のスタイルを世に知らしめたSven Weisemann。ベルリンのディープ・ハウスの中でも一際美しく、一際優雅な佇まいを保ち続けるその音楽性は、フロアとの距離を適度に保ちながら表現力という観点から芸術性を色濃く覗かせる。その一方で様々な名義で活動する彼はEPにおいてはフロア志向型の曲も制作するなど、決してインテリなだけでのアーティストではない。本作はそんな彼が以前はJouem名義でリリースを行っていたJust Another Beatからリリースされた作品で、このレーベルからはSven Weisemann名義では初となるのだが、その名義の違いには何か意味合いがあるのだろうか。"Whatever It Is"はSvenらしい繊細で優美なピアノのコード展開と幻想的なボーカルサンプリングが特徴の曲で、リズムは穏やかながらもかっちりとした4つ打ちを小気味良く刻み、普段よりもフロアに接近したハウス色が強く表れている。裏面の"Igneous"も勢いのあるダンストラックだが、こちらはドタドタしたリズムとダビーな残響、そして酩酊するように揺れるパッドや奇妙なボイスサンプルを用いたアブストラクトな作風で、荒々しいファンクネスと酩酊するディープネスが交錯する。そんな点を鑑みると最近のアートを意識したJouem名義とは異なり、Sven名義ではもっとシンプルにダンストラックに取り組んでいるのが伝わってくる。勿論そんな作風の中にもSvenらしい深みのある美しさが通底しており、ファンが期待する通りの音が届けられている。




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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jouem - Episodes 3/8 - Feel The Visible Light (Mojuba Records:MOJUBA JOUEM 3)
Jouem - Episodes 3/8 - Feel The Visible Light

着々と進行するSven Weisemannの変名と明らかになったJouem名義の8部作だが、おおよそ一年ぶりの新作になる3作目がリリースされている。Jouemプロジェクトとは別に本人名義でも平行して活動しており、その名義からの音楽性の違いを見つけるのは難しいが、手掛かりとなるのはジャケットのデザインだろうか。8つの作品を全部集めて並べると一つの風景となるこのシリーズは、Svenの作品の中でも特にダンストラックとしての機能性よりは、想像力を刺激し風景画を喚起させるような印象を受ける。音数は減らした分だけ淡々としたシンセの残響が目の前に空間を生み出すような"Dazzling Light"は、大きな展開を作る事はなく微細な音の増減でゆったりと風景を描いていくようなダブ・ハウスだ。対して"Hyperion"は淡々としたダビーな4つ打ちを刻みながら幻惑的な呟きや幽玄なストリングスを軸にしながらも、途中からは物哀しいサックスのメロディーも登場しオーガニックな芳香さえ立ち上がる余りにもディープなダブ・ハウスとなっている。クラシック音楽にも影響を受けているというSvenらしく、どことなく生っぽい音質に情緒を込める作風が特徴で、その艶っぽく柔らかい音響は夢の中で鳴っているようだ。作品としては文句無しの出来だが、しかしこのペースで進むと完結するのは何年後になるのだろうか。



Check "Sven Weisemann"
| HOUSE10 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kim Brown - Somewhere Else It's Going To Be Good (Just Another Beat:JAB 08)
Kim Brown - Somewhere Else Its Going To Be Good
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2009年に始動したディープ・ハウスをリリースするベルリンのJust Another Beat。まだ知名度もないアーティストを手掛けているが、以前には今ではSven Weisemannの変名と明らかになっているJouem名義の作品もリリースしたりと、アンダーグラウンドかつカルトな活動が一部で注目されているようだ。そんなレーベルから新たに送り出されたKim Brownは、ソフトな音質と厳かな佇まいのディープ・ハウスからまたもやSven Weisemannの変名かと予想していたが、蓋を開けてみるとベルリン出身のJi-Hun Kim & Julian Braunによるユニットである事が判明した。Kim Brownは2012年にJust Another Beatからデビューし2枚のEPをリリースしているが、本作はその続編とでも言うべき初のアルバムである。デンマークの小さなコテージで制作されたそうだが、その影響かどの曲も非常に内向的で落ち着いた叙情が漂うディープ・ハウスとなっていて、所謂フロアの享楽的な喧騒からは遠く離れている。角の取れた幻想的なパッドがエレガントに装飾しながら、物悲しいエレピやピアノが繊細かつ丁寧に配置され、真っ白な霧の中で微睡みに溺れるようなふんわりとした心地良さが特徴だろう。乾いたようなリズムトラックはアナログマシンによるものだろうか、オールド・スクールな懐かしい響きがあり、感情豊かな上モノに対してさっぱりとしたリズムが作品全体が重くさせる事もなく適度にバランスをとっている。重圧があるアッパーに盛り上げる曲は皆無だが、ベルリンから生まれるディープ・ハウスの時流を意識したであろう気品漂うクラシカルな響きが、リスニング系のアルバムとしての完成度を高めているのだ。淡いノスタルジーに満たされたディープ・ハウスは、Mojuba Recordsが好きな人には間違いなくお気に入りになるであろう。筆者はアナログで購入したが、DLコードも収録されているのでご安心を。



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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rising Sun - Pause EP (Fauxpas Musik:FAUXPAS 013)
Rising Sun - Pause EP
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ドイツはハンブルグのFauxpas Musikはディープ・ハウスとダブ・ステップを融合させたような面白い音楽に取り組み、Sven WeisemannによるDesolate名義やNick SoleにYoko Duoらの作品をリリースしている。もしそんなレーベルに興味を持たれたならばSteffen LaschinskiことRising Sunも、注目しておいて損はないだろう。Rising SunにとってFauxpas Musikからは2枚目となる本作はディープ・ハウス色が強めだが、踊らせる事だけを目的としないホームリスニングも意識した作風だ。冒頭を飾る"After Party (LA)"からしてボーカルを交えて控え目なエモーションを漂わせているディープ・ハウスだが、そこに熱気や汗の臭いは全くなく俯瞰したような落ち着きがある。続く"Think Twice (Dub)"では爽快なパーカッションと骨太なキックが揺さぶりをかけ、黒人が生み出すファンキーな要素もありつつやはりひんやりと低音を保っている。メランコリーなピアノの旋律が零れ落ちる"Everybody"はしっとりと濡れるように情緒的で、"In My Heart Of Hearts (Version)"は幽玄なストリングスと淡々と呟かれる言葉がまるで映画の一場面に挿入されるサントラを思わせる。どの曲にも控え目に一歩引いたふんわりとしたメランコリーが通底しているが、感情を爆発させると言うよりはじんわりと染み渡らせる滲んだ音の鳴りで、とても慎ましく達観したような侘び寂びさえ感じられる。EPではあるが6曲とそれなりのボリュームがあるので聴き応えは十分なのと、更にはクリアカラーヴァイナルと言う仕様が購買意欲を掻き立てるだろう。



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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Inner Motions (Mojuba Records:mojuba cd 3)
Sven Weisemann - Inner Motions
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待望の…と言うべきだろうか、ドイツはMojubaを代表するSven Weisemannが、古巣Mojubaよりアルバムをリリースした。今までにもMojuba傘下のwanderingより架空のサウンドトラックをコンセプトにした"Xine"(過去レビュー)や、Fauxpas MusikからはDesolate名義でダブ・ステップとアンビエントを掛け合わせた"Celestial Light Beings"(過去レビュー)をリリースしていたが、多くのファンが待ち望んでいたのはやはりMojubaからのアルバムであろう。ベルリンのディープ・ハウスの最深部であるMojubaからリリースされた事からも予想は出来るように、本アルバムはSvenらしい内向的で慎ましいダビーなディープ・ハウスで統一されている。レーベル自体が単なるクラブ・トラックではなく少ならからず芸術的な創作の方向性がある中で、Svenはその方向性に突出した特徴を持っており、その意味ではフロアで華々しく映えるアルバムかと言うと決してそうとも言えない。だが静寂の空間に奥深く響くダビーなパーカッションの鼓動、そしてクラシック的にも聞こえるピアノや静謐なエレクトロニクスに、静かに耳を傾けて欲しい。薫り立つエレガントな色気、浮かび上がる厳かな情緒、ゆっくりと広がる微睡む空気はある意味ではBGM的に自然と空気に馴染む音となり、繊細な残響音が心地良く部屋の中へと広がっていく。過度な残響を用いる事なく一つ一つの音も聞こえるように繊細な残響処理を施した事で、決して大袈裟にはならずに微かな余韻が続くように情緒が立ち込める。残響を活かす為の音数の少なさや、物哀しい寂れた世界観は侘び寂びにも通じるものがあり、その意味でもアートとして昇華されたアルバムと言ってよいだろう。Sven Weisemannに期待していたものが、ようやくこのアルバムで思う存分体験出来た。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Desolate - Actaeon EP (Fauxpas Musik:FAUXPAS 011)
Desolate - Actaeon EP
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ドイツはMojubaやEssaysにてディープ・ハウスからダブ・ハウス、またはピアノに焦点を当てたクラシカルな作風まで手掛ける若手の注目株であるSven Weisemann。年齢的に若手とは言えどもかなりの量の作品をリリースしており、既に高い評価を獲得している。特に深くスモーキーな音響ハウスには定評があるものの、このDesolate名義では時流の音であるダブ・ステップをも意識したダブなテクノが強く出ているように感じられる。"Actaeon"はゆったりとはしながらもダブ・ステップのリズムを取り込み、全体としての様相は上層でメランコリーを誘うパッドがゆったりと広がっていて、夢の中に居続けるような朧気な音響がドリーミーで心地良い。"Yearning"なんかも深くリヴァーブがかかったリズムがかかったダブ・ステップのリズムを刻んでいるが、音のぬちょぬちょした湿り具合や妖艶な声が入るのを聴くと、レゲエやダブの気怠さにも通じるものがあるなと思いつつほぼBasic Channel化してなくもないような。一転して"Bitter Grief"はメランコリーなメロディーを生かしたダウンテンポな作品だが、ここでもリヴァーブがかった深い音響や夢見心地のアンビエンスが鳴っており、静謐な物悲しさは最上級だ。どれもSvenらしいメランコリーやシネマティックな性質があり、フロアから適度な距離を置いた作品においてもSvenの手腕は発揮されていると思う。ついでだがレーベルの公式サイトで試聴した限りでは33回転で聴くのが正しいようだが、しかし45回転で聴いても違和感が無いので、正直なところ正しい回転数が分からない。



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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jouem - Episodes 2/8 - Along The Way (Mojuba Records:mojuba jouem 2)
Jouem - Episodes 2/8 - Along The Way

タイトルから察するに合計8部作となるであろう"Episodes"。手掛けているのはJouemと言う詳細は一切不明のアーティストだが、美しい音響とMojubaからのリリースと言う事から恐らくSven Weisemannの変名ではないかと推測されている。先日本人名義での新作もリリースされたばかりでそちらは躍動的なリズム感があったが、このJouem名義での作品はよりリスニングを意識し全体を薄く引き伸ばされていくような滑らかなトラックが持ち味だ。”Radiance"は抜けの良いパーカッションに軽さがありながらも淡々とボトムを支える湿り気のある4つ打ちのリズムがダブハウスたらしめ、そこに幽玄なパッドの層が厚みを生み出し耽美なピアノが物静かに繰り返され慎ましやかなサウンドスケープを描いていく。また変則的なリズムに足を絡み取られる"Reflective Sun"はレゲエ/ダブ色強めな曲だが、終始奥底で厳かに鳴っているストリングスや強調されたピアノの残響音はやはり美しい。そしてピアノの旋律がしとしとと滴り落ちる"Lyrians”は音の隙間が大きとられているからこそ、より美しく宗教的な静謐さが際立っている。どれも汗をかいて踊るような音楽ではないがピッチを極端に落としたディープ・ハウスとも言えるし、また抑制されたアンビエンスも通底しているのだから、鎮静作用のあるダンス・ミュージックとしても聴けるだろう。溜息が出る程美しい、確かにこれはSven Weisemannの作品に違いない。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Gravity Treatment EP 1/2 (Essays:Essays 004)
Sven Weisemann - Gravity Treatment EP 1/2

デトロイト/ミニマルダブ/ディープ・ハウスの要素を自然と調和させ、神聖な趣さえ発しながらエレガントな音楽を創作するベルリンの若手アーティストであるSven Weisemann。この名義と共に変名も用いながらMojubaやFauxpas Musikと言った多くのアンダーグラウンドなレーベルからの作品が、一部の熱狂的なファンを虜にしている。本作は恐らくSven自身が運営しているであろうEssays Musicからの4枚目となるEPであり、アナログしかリリースしない主義の為か敷居は高いのだが聴き逃すのは厳禁だ。本作でも予てから感じているRhythm & Soundの奥深い揺らめくダブ音響が心地良く効いているのだが、"Casa Suenos"なんかを聴くとしっとりと垂れ落ちるピアノや薄く伸ばされたシンセの音はデトロイト・テクノ的な情熱が感じられ、サウンドトラックを思わせる美しくも重厚な世界観は彼の個性となっている。片や"Eversion"は隙間を活かした構成に空間の立体感が感じられるのだが、どろっとしながらも弾けるパーカッションが爽快なダブハウスだ。しかし空間の奥では耽美な音色のパッドが層となって幻想的な景色を生み出しており、やはり全体としては甘い誘惑に負けてしまいそうなロマンスが漂っている。元々はクラシック畑だと言う経歴が強く影響しているのか、どんなダンス・ミュージックであってもそこに単なるツールではない、曲として聴ける音楽性を落とし込むのが作風なのだろう。この手の音楽を制作する若手の中では、やはり頭一つ抜けているので要注目だ。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pan Sampler Vol.2 (Pan Records:PAN 04)
Pan Sampler Vol.2

Ryo Murakami、DJ PI-GE、Sisiが運営するPan Recordsのレーベルサンプラー第二弾。新進気鋭のアーティストを起用しながら日本から世界へ向けて発信されるディープ・ハウスは、正にディープと言う表現が適切なフロアに広がる闇夜に密接にリンクした音を鳴らしている。本作ではRyo Murakami自身の曲と共に、MojubaからはSven Weisemann、海外のレーベルからのリリースで注目を集めつつある日本人アーティストのImugem Orihasamの曲も収録され、それぞれが空気の揺らぎさえも伝わるような奥深い音響を生み出している。Svenによる"Nandus"は所謂体が動き出すダンストラックではないが、彼らしいナチュラルで繊細な音質をねっとりとしたダブ処理で平たく延ばし、様々な音が融解するアンビエンスを生み出している。対してImugem Orihasamの"Hellucination"はダブ・ステップも意識した躍動するリズムとダブ音響が刺激的だが、しかし淡々と発しては消えて行くソナー音のようなパッドが物悲しくもあり、深海を航行する潜水艦のように孤独でもある。徹底して感情を排した冷たさが思考を停止させ、真っ暗闇に包まれたフロアに居る人達を更に深く深く潜らせて行くだろう。際立った個性を放っているのはRyo Murakamiによる"Deep Forest"だろう。タイトル通り濃霧が広がる森の奥へと誘われるようにフィールド・レコーディング風にも聞こえるノイズやSEを多用し、霧の奥からはアコースティックな音やぼやけたシンセ音が浮かび上がっては消え、宗教的にも感じられる崇高な世界を創り上げているのだ。Mike InkによるGas名義にも似たドローンアンビエントは、ただひたすら心地良い。

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| HOUSE8 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Desolate - Celestial Light Beings (Fauxpas Musik:FAUXPAS LP002)
Desolate - Celestial Light Beings
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Desolateの2枚目となるアルバム、実はドイツで若くして才能を発揮しているSven Weisemannの変名による作品だ。本名名義ではMojuba Records等からのリリースからも周知の通りでダブやアンビエントを強く打ち出したディープ・ハウスを制作しているが、このDesolate名義ではそう言った要素に更にはダブステップらしいリズムも含んではいるものの、クラブに根ざした音楽と言うよりもシネマティックでベッドルームを意識している事は明白だ。テクノだけでなくジャズやクラシックにサウンドトラック等にも強く影響を受けていると公言している事からも分かる通り、確かに本作ではクラシック的な弦楽器の重厚な響きやドラマティックに展開する映画を観ているようなストーリー性があり、単に踊れれば良いと言うだけの享楽的なクラブミュージックとは一線を画している。根っこにはカチッとしたダブステップらしい硬質なグルーヴも流れてはいるものの決して激しく体を揺さぶる事もなく、美しいピアノの鍵盤使いや幻想的で崇高な歌を導入しメランコリーな旋律を聞かせながら、深いリヴァーブで少ない音数を散らし奥深い空間を生み出している。波のように広がる心地良い残響音がありゆったりとした時間軸が流れていて、何時の間にかうとうとと夢に溺れてしまう程の快適性を誇る本作はダブ・アンビエントと言ってもよいだろう。スペーシーなアートワークを期待して是非とも聴いて欲しいアルバムですが、残念ながら分厚い180グラム重量盤LPだけのリリースでCDフォーマットは無し。その分だけ更に存在感は増している。



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| TECHNO9 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jouem - Episodes 1/8 - A New Force Has Risen (Mojuba Records:mojuba jouem 1)
Jouem - Episodes 1/8 - A New Force Has Risen

ドイツからデトロイト・テクノ/シカゴ・ハウスの伝統を咀嚼しディープ・ハウスとして生まれ変わらせているMojuba Records、そのレーベルの最新作はJouemと言う謎のアーティストによる"Episodes"シリーズの1作目。Jouemが誰なのかって言うのは全く以って不明だが、ネット上のコミュニティーではSven Weisemannではないかと推測されている。MojubaのオーナーであるDon Williamsも隠れてOracy名義で活動している事を考えれば、Svenも匿名で活動していたとしてもおかしくはない訳だ。実際に聴いてみるとSvenらしさはそこかしこに散りばめられており、ノイズ混じりのぼやけた音像にゆらめくようなパッドの膜を薄く延ばしつつ、幻想的なボイスサンプルやか細くも悲壮感のあるピアノのメロディーが零れ落ちる"Certainty Of Salvation"は深いダブ・ハウスだ。スモーキーな景色を生み出すリバーブの残響音がただたた心地良く広がり、少ない音数だからこそ逆に空間を感じられる処理が見事です。そして"Eldarion"はリズムに関して言えばほぼレゲエ/ダブ的にどろどろと沈んでいく感覚は正にSven的で、そこに浮遊感たっぷりなアンビエンス漂う上モノやピアノが光明が差すように挿入され、地を這う重心の低さと開放感が混在するミニマル・ダブとなっている。この蒸し暑い真夏を更に蒸し暑くするであろう湿っぽいトラックではあるが、素晴らしいダブサウンドとなっており今後のシリーズが非常に楽しみだ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
STEREOCiTI - Never Trust A DJ (Octave Lab:OTLCD-1755)
STEREOCiTI - Never Trust A DJ
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ミニマルテクノ全盛におけるドイツにて、Don Williamsはディープな音楽を深く掘り下げるべくMojuba、a.r.t.less、wanderingと言うそれぞれ趣向の異なるレーベルを運営している。簡単に説明するとディープハウスのMojuba、デトロイトに影響を受けたテクノのa.r.t.less、前者の枠組みに属さないエクスペリメンタルなwanderingとバランス良く音楽性は各方面に広がっている。その音の広がりと深さは確かに流行から離れたクラシカルな雰囲気も持ち合わせているが、Donの音楽に対する芸術としての拘りは音のみならずアナログのデザインやそれを包むジャケットにまで及ぶなど、アンダーグラウンドな社会に生きているからこそやりたい事をやり尽くしている素晴らしいレーベルだ。その反面どうしてもアナログ中心のリリースとなりなかなか広範囲にまで音が届かない面もあるのは事実だが、だからこそ日本人で唯一Mojubaに所属しているKen SumitaniことSTEREOCiTIがそれらの音源をコンパイル&ミックスした本作は非常に価値がある。普段からアナログを愛するSTEREOCiTIはここでもほぼアナログでの一発録りをしているが、そのスムースな繋ぎや緩やかな展開はレーベルの芸術性を追求する音にぴったりとはまっており、騒ぎ立てる夜のダンスミュージックとは全く異なる繊細かつ美しく優雅な音色をありのままに聞かせている。テクノもハウスもミニマルも同列として並べられており、重力を感じさせないダビーな音響空間の中を熱くも冷たくもない不思議な温度感の音が続き、感情的になり過ぎる事なくしみじみと盛り上がるドラマティックな展開がえも言われぬ程の心地良さを生み出すだろう。ディープと言う言葉が相応しいSTEREOCiTIの選曲センス、そして3つのレーベルの音楽、ドイツのアンダーグラウンドではこんなにも深淵な音が広がっている。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2011
あけましておめでとうございます。2011年は東日本大震災や原発事故と言う想像だにしなかった災害が日本を襲い、その影響で音楽シーンにも暗い影を落としていたように思われます。しかし多くの海外からの支援や、また国内のチャリティー活動もあり少しづつではありますが、復興に向けて進んでいるのも事実です。そしてそれは音楽と言う文化に於いても同様で、一時期は萎縮してしまったパーティーやクラブミュージックも今ではまた以前と同じ位までに活動を盛り返しております。そんなご時世の中で素晴らしい音楽も、特にそれが日本から多く出てきた事は本当に喜ばしい事で、そんな音楽は僕に人生を楽しく過ごす為の原動力となってくれています。さて今年も本当に沢山の音楽を聴きそれぞれが素晴らしかったのでどれがベストと言うのも難しいのですが、今の気持ちで気に入っている作品を選んでみました。皆様のポジティブな力の原動力となる事を祈って紹介致します。
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| BEST | 09:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
John Beltran - Kassem Mosse & Sven Weisemann Remixes (Delsin:87dsr)
John Beltran - Kassem Mosse & Sven Weisemann Remixes
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先日オランダのDelsinからアンビエントベストをリリースしたJohn Beltranが、そこからリミックス盤をカットしております。リミキサーに選ばれたのはHardwax系のハウスレーベル・Workshop等からもリリースするKassem Mosseと、ベルリンディープハウスの最深部・MojubaからもリリースするSven Weisemannと、どちらもベルリンの今を体現しているアーティスト。Kassem Mosseはシカゴハウス風なローファイなリズムトラックの上に幻想的なパッドを薄く張りつつ、じっと低温で燻り続ける炎のようにしんみりとした温度を発し、終始ミニマルな展開のハウスを披露。じっくりと眠りに落ちるように、トロトロと心地良い空気が拡がって行きます。そして芸術的で華美なトラックを創る事には天才的な才能を発揮しているSven Weisemannは、"Sven's Glorify Tribute To John Beltran"と言うリミックス名に相応しい神々しいダブアンビエントを披露しておりました。ストリングス、パッド、パーカッションが浮遊するように絡み合い、深い奥底から今にも広大な空の中へと溶けこむように音が拡がっていくスケールの大きい交響曲みたいで、聴く者に最上級の安堵を齎してくれるに違いないでしょう。ダンスフロアで踊り疲れたパーティーの最後に、こんな曲がかかったら泣いてしまうかもしれない、それ程に慈愛に満ちたアンビエントです。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Emphasized (Mojuba:mojuba016)
Sven Weisemann - Emphasized

デトロイトオタクであるDon Williamsが主宰するドイツディープハウスの最深部・Mojuba。その傘下のa.r.t.lessではベルリンとデトロイトから影響を受けたテクノをリリースし、そしてwanderingでは更に実験的な音楽を追求し、この3つのレーベルはベルリンのアンダーグラウンドの中枢部に位置する最も重要なレーベルへと深化しております。そしてそれらのレーベルの中でもまだ20歳弱と若手ながらも一番の才能を見せつけているのがSven Weisemann。新作でも"Emphasized"は相変わらずのダブ加減とそしてピアノのメランコリックなリフが優雅で輝く美しさを放つディープなハウスですが、しかしそれ以上に裏面の"Caprice"がもの凄く深いです…。え〜と…Rhythm & Soundのアンビエントバージョンですか?これはどう聴いたってレゲエでありダブテクノでもあり、無駄な音を削ぎ落としながらも得も言われぬ陶酔感のあるダビーな音響が深みを生み出し、最小の構成で最大の効果を生み出している分かりやすい例でしょう。空間を心地良く、そして淡々と抜けていく適度な残響音は重く低く底に響き渡り、淡々としたメランコリーを残して行く。このドイツから生まれた若者は一体どこへ向かうのか、まだまだ底が計り知れない天才でしょう。本当に素晴らしい。

盤面にはこんな記載が - 「オカエリナサイデトロイトダマシイ」…

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann / Specter / Duijn & Douglas / Water Field - Delicacies (Exquisite Music:exquisite03)
Sven Weisemann / Specter / Duijn & Douglas / Water Field - Delicacies

配信でのみのリリースを続けていたポルトガルのExquisite Musicが、昨年からはアナログにも着手し出しての3枚目。コンピレーションで知らないアーティストばかり収録されていたのですが、目当てはドイツにおけるディープハウスシーンの注目の的・MojubaのSven Weisemann。Weisemannの沈静とした佇まい、デトロイトテクノにも通じるメロウな旋律、静寂を際立たせる奥深い音響はMojuba一派の中でも際立っておりますが、新作はまるで夢見心地なバージョンのRhythm & Soundとでも言うようなダブ化したテクノを披露しております。揺蕩う波の様にゆらゆらとした残響音とただひたすら空気に溶けていく幻想的な上物、そして地にしっかりと根を降ろしたキックの絡みは、アンビエントハウスならぬアンビエントダブと呼ぶべきなのか。またDuijn & Douglasのミニマル基調のディープハウスは、深く沈み込んでいく感覚がありながらスムースな4つ打ちなのでフロアで映える感じ。そして分厚いオーロラが降り注ぐような幻想的なWater Fieldのトラックも、物哀しい美しさに満ちておりドラマティックでもあります。全曲空間を感じさせる深い音響が心地良し。

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| HOUSE6 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/02/12 bug III @ Lazy Workers Bar
小野島大さん、24noさんが開催しているbug IIIでちょこっと回してきました。場所は渋谷の小さなバー・Lazy Workers Bar。以前は無かったDJブースが作られていて、しかも最新のCDJも用意されていたり、なかなかの設備。20名入ればいっぱいになってしまう小さなバーですが、むぅなかなか侮れん。

自分が着いた頃にはハッチΨさんがプレイ中。90年代のシューゲイザーを中心に回してましたが、ダムドの予想外なゴシックな曲も回したりしてびっくり。ダムドってパンクだけじゃなかったんだ…

で自分は一時間の中で下記のトラックをプレイ。新しいトラックと懐かしめのトラックを混ぜながら、黒っぽさとムーディーさとエモーショナルな音を表現したつもりです。しかしまあ好きな曲をかけると気分爽快ですね、スカッとしました。
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| EVENT REPORT2 | 09:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2010/01/22 Klass @ Module
今ドイツで脚光を浴びているMojuba Recordsからその中でも一番注目を浴びているSven Weisemannが来日。しかし昨日は色々と散々で、クラブ行く前に友達と7時から飲みまくっていて家に一度帰ったら終電が無くなり、結局3000円程払ってタクシーで渋谷まで移動。入場料より高くついたよ(泣)

Svenまでは一時間程時間が空いていたので、上のフロアでKez YMのDJを聴く事に。この人はデトロイトとも結び付いているYore Recordsからリリース歴のある人なので楽しみにしていたのですが、予想を越えた熱いプレイを聴かせてくれました。基本的にはデトロイトハウス中心で生っぽくて熱いのから情熱的でファンキーなトラックまでねっとりじわじわとプレイしてましたが、体を大きく揺さぶりつつミキサーを大胆に弄くり回して波のある展開を作り出しておりましたね。上品じゃなくてむしろダーティーな中にも人間臭さが漂うとても熱い、そうまるでセオパリッシュみたいな印象を受けました。実際にセオのトラックも回してたね。レコード中心のプレイもそこに痺れる憧れる(若い人程大半がCDなのは残念なのである)。

その後はメインフロアに移動してSven Weisemannのプレイを聴く事に。しかし近くで見るとまだまだ若いし、秋葉に居るようなオタク系の雰囲気出してたよ。しかもDetroitと書いてあるKDJのTシャツ着ていたし、やはりMojubaの人ってデトロイトテクノ・ハウスが大好きなんだね。で実際にプレイは聴いていたはずなのだけど、もうこの時点で相当にベロベロだったので確かな記憶が無い…。ハウス中心、いわゆるモダンハウスとも呼ばれるエレクトロニックで流麗な感じの音が多かったかな?アッパーではないけれど丁度良い具合にキックも強くてスムースに流れていくハウス、熱くなり過ぎずにクールさを保ち、デトロイトともリンクするエモーショナルな音を発しながらズンドコキックでフロアを揺らしておりました。若さを生かしたまだ荒々しさも多少残るプレイで、こぢんまりとまとまっていなくて良かった。でももうちょっと酒を抜いた状態で、しっかりと音を堪能したかったな。途中からフロアの机に顔載せて爆睡してしまったよ…。

■Sven Weisemann - Xine(過去レビュー)
Sven Weisemann - Xine
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| EVENT REPORT2 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2009
2009年も当ブログをご愛読頂きありがとうございました。今年は転職したりDJしたりと転機もあり、山あり谷ありながらも充実した一年でした。また様々な方にご迷惑&お世話になり謝罪と感謝の気持ちで一杯です。歳と体は成長しても精神面では相変わらず小学生のノリなので、来年からは落ち着いた大人になりたいものです。

さて音楽業界にも不況の波が訪れておりますが、決して音楽の質が落ちている訳じゃありません。夜空には目には見えないけれども数多くの星が輝いている様に、音楽だってまだ僕も貴方も見つけていない素敵な音楽が埋もれている筈。音楽に対し愛を持ち自分の心に忠実になり耳を澄まして、貴方を幸せにしてくれる音楽を見つけて欲しいと思います。最後に自分の中での2009年ベストを選んでみました。が、あくまで今の気分なんで、また後で選び直したら変わるでしょう。それでもミュージックラバーの参考になれば幸いです。ではでは来年も良い一年になる事を祈って…
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| BEST | 00:10 | comments(4) | trackbacks(2) | |
UPCOMING EVENT
2010/01/03 (SUN)
Chillout Village 09 @ 高井戸倶楽部
DJ : Mixmaster Morris, DJ Kensei, DJ Hikaru, Utsumi, Q a.k.a. Insideman, Sinn, Hiyoshi
Live : Dr.Tetsu ft. Arata

2010/01/08 (FRI)
LIQUIDROOM & root and branch PRESENTS MORITZ VON OSWALD TRIO - Vertical Ascent Japan Tour 2010 @ Liquidroom
Live : MORITZ VON OSWALD TRIO
DJ : DJ Nobu, DJ Tasaka, DJ Wada

2010/01/10 (SUN)
2010: An Inner Space Odyssey @ Microcosmos
DJ : Cloud Young, Takamori K., and more

2010/01/10 (SUN)
IOOIIO -unfinished sympathy is finished! - @ Solfa
DJ : DJ Yogurt, kai Kunimoto, Foliday
Live : Dorian

2010/01/16 (SAT)
THE GAME -The 10th Chamber Of Liquidloft Vol.2- @ Liquidloft
DJ : DJ Nobu, N.R.B.K.J(CMT, UNIVERSAL INDIANN, Shhhhh)

2010/01/22 (FRI)
Klass @ Module
DJ : Sven Weisemann, Naoki Shinohara, RANUMA, Ko Umehara

2010/01/22 (FRI)
DJ DEEP JAPAN TOUR 2010 @ Microcosmos
DJ : DJ DEEP, DJ AGEISHI, DJ NARIAKI

2010/01/23 (SAT)
Bound for Everywhere New Year Party @ Liquidloft
DJ : Calm

年が明けてもパーティーは竹の子の様に湧いてくる。まずはラグジュアリーなChillout Villageで優雅な一時を。MvOTは仕事で行けません(泣)。今超絶期待のSven WeisemannとDJ Deepが被ってしまったなぁ…Svenに行くと思うけど。CALMのB4Eは音に拘ったパーティーだそうで、かつLiquidloftと言うお洒落な場所で開催なので、ちょっと期待している。
| UPCOMING EVENT | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sven Weisemann - Xine (wandering:wandering - 1st voyage)
Sven Weisemann - Xine
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今テクノと言えば兎にも角にもドイツですが、デトロイトに影響を受けた深遠なハウス/テクノを得意とするMojubaもドイツで脚光を浴びているレーベルの一つです。そのMojubaで順調にリリースを重ねているSven Weisemannが、傘下のwanderingから初のアルバムをリリースしました。今までの作風からして耽美なディープハウス中心かなと予想していたのですが、その予想は全くの外れで"架空の映画のサウンドトラック"をコンセプトにしたリスニング系のアルバムとなっております。全編ビートレスで、ピアノやヴァイオリン、チェロなどの生演奏が中心で、そこに少々の電子音が付け加えられており、確かにサウンドトラック的な荘厳さが感じられます。クラブサウンド的な音は皆無なのでかなりびっくりしたのは事実ですが、ここに存在するメランコリーは今までの作風にも感じられた物で、リスニングとして割り切って聴くのであれば受け入れられるのではないでしょうか。ピアノなどの温かい音色と共に繊細な電子音がか弱く鳴っていて、まるでコンコンと雪の降る銀世界を喚起させます。ほろりと眼から涙がこぼれ落ちる様な優しさと温かさに包まれて、冬の足跡が聞こえてくるこの頃。

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| ETC3 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |