Thomas Fehlmann - 1929 - Das Jahr Babylon (Kompakt:KOMPAKT CD153)
Thomas Fehlmann - 1929 - Das Jahr Babylon
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2018年には8年ぶりのアルバムとなる『Los Lagos』(過去レビュー)やTerrence Dixonとの共作アルバムもリリースし、また久しぶりの来日ライブも行うなど、 老いてなお盛んに精力的な活動を行うベルリンのThomas Fehlmann。ジャーマン・ニューウェーヴの変異体であるPalais Schaumburgの元メンバーという肩書きから始まり、ベルリンとデトロイトの橋渡しも行いつつThe Orbの片割れとして長く活動も続けるなど、ドイツに於けるダブやアンビエントさえも包括するテクノ音響職人としての才能はトップクラス。そんな精力的な活動の中で2018年3枚目となるアルバムをリリースしていたのだが、本作は1929年のベルリンをテーマにしたドキュメンタリーの為のサウンドトラックだ。1929年は世界恐慌もありドイツ経済が壊滅的な状況になる中で、アドルフ・ヒトラーが政権を握り、その後第二次世界大戦前へと続いていく暗黒の時代、そんな時代を切り取ったドキュメンタリーという事もあり、音楽自体も普段の作風に比べると幾分かどんよりとしており決してクラブでの刺激的な高揚感とはかけ離れている。特にモノクロ映像も用いたドキュメンタリーに意識したのだろうか、音の響きからは色彩感覚が失われダークかつモノトーンな雰囲気が強く表現されている。曲名には各チャプター名とその時のムードを表したであろうタイトルが付けられており、それもあってどの曲もヒスノイズ混じりのダブやドローンの音響を用いたアンビエント性の強い作風はより抽象性を高めて、中にはリズムの入る曲があっても全体的に映像の邪魔をしない高揚感を抑えた曲調になっている。勿論だからといって本作からFehlmannらしさが失われているかと言えばそうではなく、古ぼけたように霞んだ音響にもぬめりのあるダブ音響を披露しミニマルな構成やシャッフル・ビートも織り交ぜて、Fehlmannらしく繊細かつ精密な音響職人らしいこだわりのある音が活きている。シーン毎に曲が並べられているため普通のアルバムに比べると何となく断片的な流れに受け止められるが、映像と合わせて聞いてみると、不安な時代感がより強く伝わってくる音楽性だ。Fehlmannらしい美しい音響がありながら、退廃美的に感じられるダーク・アンビエント。





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John Beltran - The Season Series EP Autumn
John Beltran - The Season Series EP Autumn

今だからこそ正直に言えるがここ数年の作品はエレクトロニカやニュー・エイジ、または優しく包み込む有機的な響きの作風を軸にしたアンビエント作が多く、予てからファンであった人にとっては物足りなさがあったのも否定は出来ないだろう。デトロイト・テクノ第2世代のJohn Beltranは90年代前半から活躍するベテランであり、そしてその世代の中では数少ない今も尚新曲を作り続ける貴重な存在だ。だからといって手放しに全ての作品を称賛出来るわけでもなく、近年はややリスニング志向になり過ぎていたと思う。変化の兆しは2017年リリースの『Moth』(過去レビュー)位からだろうか、アンビエントな雰囲気の中に明確なダンスビートが現れるようになり、ファンが期待しているであろう音楽性が戻ってきたのだ。そして2018年、更に復活を決定付ける動きがあったのだが、それこそ秋から始まり一年の中に流れる各季節をコンセプトにしたシリーズで、その第1弾は秋。幕開けとなる"Lustrous Orb"からして初期の躍動感溢れるグルーヴとセンチメンタルなメロディーが広がっていくアンビエント・テクノな作風で、ファンからガッツポーズをしたくなる程の期待に応えた曲だ。この曲はキックは入ってないものの荒々しい質感のスネアがけたたましくビートを刻み、そこに重層的なシンセがデトロイト・テクノばりばりな叙情的な旋律を描き出して、じわじわと感傷的なムードを高めていくドラマティックな流れで、特に中盤以降の美しいシンセの絡みはこの上ない至福の世界だ。"Beautiful Things Cry"も全くキックは用いずにハイハットやスネアの軽やかなビートを活かしつつ、弦楽器らしき音のミニマルなリフに透明感のあるシンセの上モノを被せて、清涼感たっぷりに浮くような感覚で快活に疾走する。キックを用いないのは本作の特徴だろうか、"Pumpkin Skies (Jordi's Song)においても同様でその代りにブレイクビーツ風なスネアが軽快に躍動感あるビートを叩き出し、多層的に覆い被さっていくような朗らかなメロディーによって淡くドリーミーな世界観を演出する。"Autumn's Key (What Will You Be)"も作風としては前述の曲と一貫しておりスネアやハイハットの爽やかなビート感があり、そしてディレイも用いた清涼な上モノによって開放感を打ち出したメロウなアンビエント・テクノで、遂に最後の"Lose You"は完全にビートレスになり振動するように細かいシンセが躍動して壮大さを生むパッドと相まって物静かに感動を高めていく。秋の雰囲気の一つに哀愁があるが、正にそんな季節に思いを馳せる切ないアンビエント・テクノはコンセプトを的確に表現している。自身のBandcampのみで販売されている事からも分かる通りパーソナルな作品でもあり、非常にBeltranのエモーショナルな性質が打ち出されたこのシリーズ、ファンならば必聴だ。



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The Orb - No Sounds Are Out Of Bounds (Cooking Vinyl:COOKCD711)
The Orb - No Sounds Are Out Of Bounds
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アンビエント・テクノの重鎮であるAlex Paterson率いるThe Orbの目下最新アルバム、2018年6月にリリースされた本作はある意味では非常にThe Orbらしく多くのアーティストとの交流によって生まれた作品だ。ここ数年はThe Orbとしても長らく活動しユニットの音響的な面で多大なる影響を残しているThomas Fehlmannとの共同作業が多かったものの、このニューアルバムでは旧友であるYouthや過去にも繋がりのあるRoger EnoやGuy Pratt、Public Image Limitedの元ベーシストであるJah Wobbleにイタリアのダブ・アーティストであるGaudi、勿論Fehlmann含めその他多くのアーティストが制作に参加している。その影響なのか、またはFehlmannとの濃密な共同作業ではないせいなのか、所謂Kompaktらしいクールなテクノ色は薄れつつよりバラエティーに富んでポップかつメジャー感のある作風は2001年の作品である『Cydonia』を思い起こさせる点が多い。例えば冒頭の"The End Of The End"では女性ボーカルを起用しながら最早アンビエントですらないエグいシンセが豪華絢爛さを演出するダウンテンポな作品で、その中にもThe Orbらしくヒップ・ホップやR&Bにダブなどごった煮は要素はあるものの、純度の高いテクノとアンビエントの融合は失われている。"Rush Hill Road"ではぶっ飛んで奇想天外なサンプリングから始まるも、直ぐにノリノリなレゲエ調のダンス・ビートが入ってきて更に色っぽい女性の歌も加わればポップなダンスそのもので、Patersonらしい面白いサンプリングの妙技よりもどうしてもメジャーな作風の前に抵抗感が強い。聞き所が全くないわけでもなく、かつての名曲である"Blue Room"の延長線上と考えてもよい"Pillow Fight @ Shag Mountain"はダブのぬめったリズムとしっとり艷やかなピアノによってズブズブと沼にハマるような音響と奇抜な世界観があり、色々なサンプリングも交えながらThe Orbらしい快楽的なダブ・アンビエントを展開する。余り外野を入れずにFehlmannと制作された"Isle Of Horns"は、非常に多くのサンプリングを用いて異空間世界へとぶっ飛ばしつつ、その足元にはダブ/レゲエのスローモーで重心の低いビートを張り巡らせ、Fehlmannらしく音の間を強調しながら研ぎ澄まされたアンビエントを作り上げている。ラストの"Soul Planet"はゲストがほぼ勢揃いした15分にも及ぶ大作で、全くビートの無い空間に静謐で物悲しいピアノや浮遊感のある電子音を配置した序盤、勢いのあるダンス・ビートが入ってきてソウルフルな歌も加わり熱量を増して躍動する中盤、そして再度ビートが消失しメランコリーなアンビエントの流れから最後は悲壮感漂うピアノの旋律で幕を閉じていくなど、長尺を活かす事で一曲の中に感動的なドラマが存在する。曲毎に随分とバラエティーに富んでいるのはやはり多様なゲストを迎えた事が影響しており、ある意味ではThe Orbらしいジャンルを横断するごった煮なサウンドは下世話な感もあってそれも司令塔Patersonのユーモアと考えられるが、やはり個人的にはテクノ音響職人のFehlmannが全面参加している時の方が音楽性は優れているように思う。



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2018/11/2 UBIK presents Live In Concert @ Unit
長年Unitにてダンス・ミュージックのパーティーを企画してきたUBIKが、今新たに立ち上げたライヴイベントがその名も「Live In Concert」。あくまでライブという名目なのにどういったジャンルの音楽に焦点を当てるのかはまだ不明なものの、今までの経歴を考えればエレクトロニックなものである事は推測される。その記念すべき第一回目はKompaktからPalais SchaumburgやThe Orbのメンバーとしても輝かしい功績を持つベルリン・ダブ・テクノのThomas Fehlmann、そして同レーベルの現在最も人気を集めているであろうシューゲイザー・テクノ代表格のThe Field、そしてFlangerやSecret Rhythmsといったユニットでも強烈な個性を発揮したBurnt Friedmanと、どうやら今回はテクノが軸にあるようだ。初回という事もあってか強力な布陣を擁したパーティー、期待せずにはいられない。
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Thomas Fehlmann - Los Lagos (Kompakt:KOMPAKT CD148)
Thomas Fehlmann - Los Lagos
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ベルリンのニューウェーブ変異体であるPalais Schaumburgの元メンバーであり、Moritz von Oswaldとの3MBによってベルリンとデトロイトを結び付け、そして何よりもThe Orbのメンバーとしての輝かしい功績を持つベルリンのダブ・テクノ/アンビエントの重鎮中の重鎮であるThomas Fehlmann。DJではなく生粋のライブアーティストである彼が生み出す音楽は、揺らめくダビーな音響と緻密な電子音の変化、そしてシャッフルするリズムを組み合わせてダンスとしての機能性に芸術的な美学を持ち合わせた職人芸的なものだ。特にその音響面の才能は、例えばAlex Patersonがコンセプトを生み出すThe OrbではFehlmannがダブ音響の多くを担っているのではと思う程に、研ぎ澄まされた電子音の響きには個性を持っている。ソロアルバムでは前作から8年ぶりと随分と間は空いてしまった本作、繊細な音響面に於いては全く陰りは見られないものの年を経たせいもあるのだろうか、一聴して以前よりは地味でアブストラクト性を増している。オープニングの"Loewenzahnzimmer"は地を這うようなのそのそとした粘性の高いダブ・テクノで、モワモワとしたヒスノイズの奥には繊細な電子音響が散りばめられ、闇が広がる深海を潜航するようだ。続く"Window"で浮遊感ある上モノとしっとりしながらも軽く走り出す4つ打ちのテクノに移行するが、過剰な残響を用いずとも空間に隙間を残してダブらしき音響効果を作っている。"Morrislouis"ではお得意のシャッフルするビートで軽快に上下に揺さぶられ、徹底的にミニマルな構成ながらも微細な鳴りの変化によって展開を作り、ヒプノティックな世界に嵌めていく。元Sun Electricの一人であるMax Loderbauerが参加した"Tempelhof"は比較的幻想的なアンビエントの性質もあるが、シャッフルするリズムに加えて敢えて金属的な歪な響きの電子音を加えて目が眩むようなトリッキーさを加えている。しかしここまで聞いても以前と比べると随分とアンビエントの性質や甘美なメロディー等は抑えられており、ひんやりとした温度感で閉塞的な印象だ。しかし中盤以降、官能的ですらある妖艶なメロディーのループと溶解するようなねっとしたダブ・アンビエントの"Freiluft"、ギターサンプリングのループや色彩豊かな電子音を用いて祝祭感が溢れ出すダウンテンポの"Neverevernever"、そして惑星や星々が点在する無重力の宇宙に放り出されたかのように繊細な電子音が散りばめられたノンビート・アンビエントの"Geworden"と、前半とは打って変わって途端に鮮やかな色彩を伴いながら叙情性が現れて、こちらの方が以前のFehlmannの作風の延長線上だろう。アルバムの前半後半でがらっと雰囲気が変わる点でバランス感はやや崩れているが、それでもベルリン・テクノの音響職人としての才能はいかんなく発揮されており、するめのような噛みごたえのあるアルバムだ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Masanori Nozawa - III (Medium Music:MECD-02)
Masanori Nozawa - III
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「宇都宮から生まれ出た眩い輝きを放つ星、Masanori Nozawaの初のアルバムはテクノが感情的である事を証明する。」

宇都宮を拠点として活動するMasanori Nozawaは元々は配信で攻撃的なテクノ中心にリリースを行っていたアーティストだが、2014年にMedium Musicを立ち上げて以降の音楽性ではよりエモーショナルな方向へと進み、深く胸に突き刺さるような感情性はテクノソウルと呼ぶべきものになった。そして2017年末、遂に初のアルバムである本作のリリースへと至ったのだが、何とその内容はオリジナル音源とそれを実力派アーティストがリミックスした2枚組となっており、初のアルバムにしては果敢な挑戦にも思われる。今回幸いにも野澤氏から声を掛けられてアルバムのライナーノーツを書かせて頂いたが、そちらはオリジナル音源について言及しているので是非とも作品を購入された方は読んで頂ければと思う。ここではリミックス音源について紹介させて頂くが、参加しているアーティストからしてXTALやHiroshi Watanabeと言った名を馳せている人、アンビエントに造詣の深いInner ScienceやMatsusaka Daisuke、元Mexicoとして活躍したjunyamabe、そしてKEITA YANOやHironori TakahashiにYuuki Horiらまで邦人のみにもかかわらず実に期待せずにはいられない面子だ。それぞれのリミックスには当然アーティストの個性が反映されているのだが、特に面白いのは"Felt The Sphere(junyamabe Remix)"で、ノンビートで壮大なアンビエンスを発していた原曲から一転してアンビエントの側面は残しつつも抽象的な音像で覆い尽くした作風は厳寒の雪が吹き荒れる真っ白な世界のようで、アブストラクトな音響によって深みへと誘われる。同様に金属がひしゃげるような奇怪な音を付け加えて実験的な面もある"Unknown Ruins(KEITA YANO Remix)"も面白いが、一方で雰囲気を変化させずに図太いリズム感で強固さを増した"Chrono (Hironori Takahashi Remix)"はテクノらしい硬い力強さの安定感がある。元々はアルバム中でも最も色彩豊かでエモーショナルな曲だったものの、"Iridescence (Yuuki Hori Remix)"はぐっと感情を内面に押し込めたようにソウルを燻らせる引き算の美学的な作風で、これもリミックスの妙技が感じられる。"The Orb of Day feat. shiba @ FreedomSunset (XTAL Remix)"は原曲のイメージを損なわずにXtalらしいニューディスコ風でアーティスト性が感じられ、そして濃霧に包まれるような音響の中にエレクトロニカらしいリズム感を得た"Beatific Planet(Matsusaka Daisuke Remix)"はアンビエントに対しての深い愛が伝わってくる。リミックスの中で最も情熱的だったのは当然と言うべきか、Kaitoによる"Mercury Breath(Hiroshi Watanabe aka Kaito Remix)"で、壮大なシンセストリングスと力強いビート感を伴って完全に彼の熱き感情が込み上げる世界観へと上塗りされており、輝かしくも激情が展開するテクノだ。最後はこれまたアンビエントでは独特の個性のある"Return to The Galaxy(Inner Science Remix)"で、豊かで色とりどりの音の粒が湧いてくる心地良いアンビエント・トラックは実に可愛らしい。それぞれのリミックスにそれぞれのアーティストの個性が確かに反映されており、リミックスとしての面白みは十分な事は間違いく、初のアルバムながらもリミックスも盛り込んだ事は野澤氏の本作に対する意気込みの強さが伝わってくるだろう。オリジナル音源、リミックス共にこれぞテクノソウルと呼びたい感情性豊かな音楽で、何度でもリピートして聞いている自分がいる。



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| TECHNO13 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2018 (Kompakt:KOMPAKT CD 142)
Pop Ambient 2018
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シリーズ物としては長い歴史を誇るKompaktが手掛ける『Pop Ambient』シリーズもこの2018年を冠した本作で18作目に突入。アンビエント・シリーズとしては最高峰に属するのは言うまでもないが、それもKompaktの元頭領であり現在は芸術的に音楽を追求するWolfgang Voigtがこのシリーズに限ってのみ監修をしているからこそで、昔よりはやや商業的な動きもあるKompaktの中でもこのシリーズのみはVoigtの審美眼によって純粋にアンビエントの追求を継続している。例えば日本からは過去のシリーズにも登場しているYui Onoderaが本作にも(しかも2曲も)起用されていたりと、他のアーティストもそうだが単に知名度を優先したような選び方でない事は明白だ。またVoigtが来日した際に制作を依頼されたと言うHiroshi WatanabeことKaitoもシリーズ初参戦を果たす等、Voigtのネットワークが有効に働いているのだ。アルバムはKompaktの中では新世代に属するFresco & Pfeifferの"Splinter"によって幕を開けるが、凍えきった厳寒の空気が広がる冬景色の中でか弱い灯火で暖を取るようなアンビエントは、静けさの中に優しさが溢れている。そしてYui Onoderaによる"Prism"は彼らしい荘厳なドローンと弦の音色を用いて大人数の演奏によるクラシックを聞いているかのような重層的な響きがあり、ゆっくりとした流れの中に生命の胎動にも似た動きが聞こえる。レーベル初登場となるカリフォルニアのChuck Johnsonは、薄いパッドを静けさを保ちながら伸ばしてその中に悲哀を醸すペダル・スチール・ギターを鳴らし、夢と現の狭間に居る心地良い"Brahmi"を提供。そしてダンス・ミュージックだけでなくアンビエントに対しても造詣の深いKaitoには当然注目で、アコースティック・ギターの和んだメロディーとしなやかに伸びるパッドで広がりのある大空へと浮かび上がっていくような開放感ある"Travelled Between Souls"を提供しており、幻想的なトランス感を誘発する。Kompakt組として常連のThe Orbはやはり普通のアンビエントをやる事はなく、ややダブ/レゲエの音響やリズムも匂わせコラージュ的な捻れた世界観のある"Sky's Falling"はアーティスト性が出ていて面白い。同様にレーベルの古参のT.Raumschmiereは雪が吹き荒れる厳寒のような重厚なドローンによる"Eterna"において、大きな動きはないものの圧倒的なドローンの重厚さの中にロマンティックな響きを閉じ込め、ただただその壮大さに圧倒される。他にも同シリーズには常連のKompakt組がいつも通り静謐で美しいアンビエントを提供しており、シリーズの長さ故に金太郎飴的な点もありつつも他の追従を許さないレベルの高さを誇っている。凍える冬に温まるBGMとして是非利用したいアンビエント・アルバムだ。



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The Orb - The Cow Remixes - Sin In Space Pt.3 (Kompakt:KOMPAKT 363)
The Orb - The Cow Remixes - Sin In Space Pt.3
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アンビエント・テクノの大御所であるThe Orbによるニューシングルは、アルバムからの作品をリミックスするシリーズ『Sin In Space』の3作目、今度は2016年にリリースされた目下最新アルバムである『COW / Chill Out, World!』(過去レビュー)から異なる3曲をそれぞれKompakt関連のアーティストがリミックスするという、全てにおいてKompaktカラーが打ち出されたのが本作だ。リミキサーにはテクノに於いてシューゲイザーの代表格であるThe Field、メランコリーな作風を得意とするDave DK、Kompakt古参の一人であるJorg Burgerと名実共に充実した面子が揃っているが、そのラインナップに負けない音楽的にも充実したリミックスが揃っている。いかにもなりミックスを提供しているのがThe Fieldによる"9 Elms Over River Eno (The Field Remix)"で、彼らしいループによる反復性、霞がかったようなシューゲイズな響き、そしてThe Orbに倣ったような環境音をコラージュのように配しながらスローモーなバレアリック風味に仕立てた音楽性は、原曲とは方向性を変えながら見事な開放感や多幸感を演出している。が後半は最近のThe Fieldらしい抽象的なサイケデリアの世界へと突入し、混迷を極めていく。"4Am Exhale (Dave DK Accellerator Mix)"も初っ端にThe Orbらしい牛の鳴き声のサンプルを用いているのはご愛嬌か、しかしそれ以降は原曲にはない整った4つ打ちをベースにオーロラのように極彩色なシンセを用いて幻想が広がるドリーミーな世界を構築し、Dave DKらしいメランコリーな音楽性を見事に反映させている。"5th Dimensions (Jorg Burger Dschungeloper Mix)"はノンビートな原曲から打って変わってシャッフルなリズムを導入してリズミカルに揺れだしディスコやブギーな感覚を得て、上モノは大幅には変わらないもののアンビエントな曲調が見事に肉体的なグルーヴ感を得たポップなダンス・トラックへと生まれ変わっている。面子が面子だけにどれもKompaktらしい音楽性、どれも各々のアーティスト性が打ち出されており、想定内ではあるものの期待を裏切らない良作が揃っている。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Principe Del Norte Remixed (Smalltown Supersound:STS294CD)
Prins Thomas - Principe Del Norte Remixed
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コズミック系やニュー・ディスコと呼ばれる音楽では特に人気を博すPrins Thomasが、そこからアンビエントへと向かった大作『Principe Del Norte』(過去レビュー)はクラウト・ロックやテクノも取り込み、意外性だけでなく音楽的な豊かさを見せつけた傑作だ。コズミックな要素のあるニュー・ディスコにアンビエントの夢想やクラウト・ロックのサイケを合成し、ダンス・フロアだけに囚われない表現の拡張を行い、アーティストとして更に高みに達する事に成功した。そしてその延長上に待っていたのは世界各地から実力はアーティストを招いたリミックス集で、アンビエントマスターのThe Orbやミニマル・ハウスの重鎮であるRicardo Villalobos、フレンチ・ハウスからはI:CubeにRunning Back主宰のGerd Janson等がそれぞれの作風を活かしつつオリジナルを尊重したり、又は個性的に染め上げたりして自由なアルバムになっている。オリジナル盤を活かしたと言う意味ではやはりThe Orbによる"H (The Orb Orbient Mix)"がまっとうで、無重力空間を演出する電子音が浮遊してノンビートながらも心地良いうねりのグルーヴを生んでいくアンビエント・ダブは、音楽的な相性の良さもあり期待通りのリミックスだ。ユニークなリミックスを披露しているのはサイケ・プロジェクトであるSun Arawによる"B (Sun Araw Saddle Soap Remix)"で、多幸感あるギターサウンド等ニュー・ディスコの面影は残しつつも、何処かコミカルな電子音がふざけたようなユーモアとなっており、気の抜けた牧歌的サイケを展開する。原曲は13分もあった大作の"C"だが、メランコリーで湿り気を帯びたディスコ・ハウスへと変化させた"C (I:Cube Remix)"、オリジナルのバレアリック感に優しくアシッドベースを加えて多幸感を増長させた"C (Young Marco Remix)"、そして完全に贅肉を削ぎ落として自身のスカスカなツール性重視のミニマルへと仕立てあげた"C (Ricardo Villalobos King Crab Remix)"と、三者三様のリミックスは比較しても面白いだろう。勿論それらのみならずThomas自身による未発表曲も秀逸で、多幸感に満ち溢れた緩過ぎるアンビエントから弛緩しながらも眩い輝きを放つニュー・ディスコまで披露し、『Principe Del Norte』の世界観がここに継承されている事は明白だ。リミックス集としての面白みは当然だが、Thomasによるアンビエントへの傾倒が一時的なものではない事に期待が膨らんでしまう。



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| HOUSE12 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - COW / Chill Out, World! (Kompakt:Kompakt CD 134)
The Orb - COW / Chill Out, World!
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コンセプトは単純にアンビエント・アルバムを作る事、それに従って制作された本作は、アンビエント・ユニットとして名高いThe Orbにとってユニット史上最も"チルアウト"と宣伝されているが、その謳い文句も決して嘘ではないだろう。前作から僅か1年でチルアウトを打ち出したアルバムに携わっているのは、中心人物であるAlex Paterson、そしてThe Orbの第二の中心人物であるThomas Fehlmann、そしてユニットの初期に参加していたKilling JokeのYouthと、つまりはアルバム毎に制作メンバーが変わるユニットの中でも鉄板メンバーが揃っているのだから、当然悪い訳がない。路線としては限りなく幻想的で美しい音響を打ち出した『Orbvs Terrarvm』(過去レビュー)に近いだろうが、そちらがアンビエントなのに対し本作はやはり自然主義に根付いたチルアウトとしての要素が勝っている。何しろThe Orbと言えばヒップ・ホップやダブからの影響を受けた土着的なリズム感に定評があるが、本作ではそういった躍動的なビート感は希薄で、霞がかった繊細なヴェールのような電子音やオーガニックな楽器の音色に鳥の囀りや水の流れる音などのフィールド・レコーディングを軸として、緑が溢れる田園地帯を揺蕩うような牧歌的なイメージが通底している。音響的には奥深いダブの要素は当然あるもののリズム感で踊らせる展開は回避し、あくまで電子音と有機的なサンプルによって自然回帰的なほのぼのと穏やかな音響空間を構築し、Alexお得意のユーモアを盛り込んだサンプリングが無い訳ではないが、本作のキーはやはりThe Orbのインテリジェンス溢れる方面を担うFehlmannの繊細で耽美な音の使い方が肝だ。基本は豊かな色付けで装飾を行う電子音が前面に出ており、それがオーガニックなサンプリングと融和する事でチルアウトとしての効果が高まっている。例えば時間軸が遅くなったような南国のリゾート感溢れる"Sex (Panoramic Sex Heal)"では爪弾きのような弦楽器の音とドリーミーな電子音が入り混じり、当然そこに虫の鳴き声のサンプルも落とし込む事で余計にナチュラル・トリップを生み出しているし、"The 10 Sultans Of Rudyard (Moo-Moo Mix)"では人の呟きや虫の音のサンプリングを用いた定番的なチルアウトに合わせてRoger Enoによる静謐なピアノの調べを導入し、何か神聖な雰囲気も加わり壮大さを増している。その美しい音響には最早意識さえも融け込んでしまうような、つまりはチルアウトとしては最適な音楽であるのだが、タイトルからして『牛/チルアウトの世界』なのだから聞かずとも想像は付くだろう。



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| TECHNO12 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gerd Janson - Fabric 89 (Fabric:fabric 177)
Gerd Janson - Fabric 89
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今年9月に薬物により若者二人が亡くなった事が原因で閉鎖へと追い込まれたUKは名門Fabric(その後、再開が決定している)は、暗雲立ち込めるクラブの状況とは異なりレーベルとしては安定した軌跡を辿っている。名のあるベテランからこれからをリードする若手までMIXCDシリーズのFabric/Fabric Liveに起用し、数多くの名作と呼んで間違いの無い作品を残してきた。さて、そのFabricシリーズの89作目は今をときめくRunning Backを主宰するGerd Jansonが担当しているが、Running Back自体がニューディスコからディープ・ハウスにテック・ハウスまで手掛ける掴み所のないレーベルだけに、このMIXCDもそんなレーベル主として音楽性を主張するように実に手広くジャンルを纏めあげている。いきなりトリッピーな電子音に惑わされる"Snooze 4 Love (Luke Abbott Remix)"で始まり、"Voices (Fabric Edit)"や" Love Yeah"等の控え目に美しさを放つ平坦なハウスを通過し、じわじわと引っ張りまくる危うい雰囲気のアシッド・ハウスの"Severed Seven"から一転して"Apex"では光に満たされるコズミック・ディスコへと展開し、激しいプレイではないもののじっくりと山あり谷ありの流れだ。中盤の耽美なエレピのメロディーが反復するメロウなディープ・ハウスの"Mess Of Afros (Glenn Underground Remix)"、そこに繋がる情熱的なピアノのコードが炸裂するデトロイト・ハウス的な"MoTP"の流れは、本作の中でも特に熱量が上がる瞬間だろう。そこからも弾ける高揚感のアシッド・ハウスやダーティーながらも黒さ滲むディープ・ハウス、そしてコンガやハイハットのアフロなリズムだけで繋ぐ"Rhythm"を通過し、終盤は落ち着きを取り戻すようにScott Groovesによる穏やかでメロウなディープ・ハウスの"Finished"から摩訶不思議な電子音が飛び交うコズミック・ディスコの"Sun (Prins Thomas Diskomiks)"でドラマティックに締め括られる。確かに色々と詰め込み過ぎているようにも感じるかもしれないが、比較的近年にリリースされた曲を用いた事による時代性があり、そして短い時間でパーティーの一夜を再現したような展開の大きさは、十分に濃縮される事でJansonの音楽性が表現されたのではないだろうか。



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| HOUSE12 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/7/22 FRUE -To the Moon and Beyond- @ Unit
知名度ではなく、まだそれ程知られてはいなくても間違いのない実力を持ったDJ/アーティストを招致し、日本のパーティーに新風を巻き込んでいるFRUE。今回はテクノを聴く者ならば恐らく大半の人がご存知であるThe OrbのAlex Patersonを呼んだのは、一見前述のコンセプトには反している。しかし、アンビエント黎明期から活動しテクノやハウスにヒップ・ホップやダブ、そしてロックまでを自由に繋ぎ合わせユーモア溢れる世界観を創るPatersonのDJは、唯一無二と言っても過言ではなく、今回はそんなプレイをオープン〜ラストの6時間で体験出来るのであれば、貴重な体験を提供する意味に於いて決して間違いではない。
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| EVENT REPORT6 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Alpine (Kompakt:KOMPAKT 339)
The Orb - Alpine
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昨年に久しぶりのアルバムをリリースしたThe Orbが早くも新作EPを完成させているが、ここでもそのアルバムと同様にAlex PatersonとThomas Fehlmannによる黄金コンビによる制作である事から、その内容はつまりはThe Orbの本流と言えるテクノとアンビエントとダブの融合が成されたファンが期待する内容は保証されている。元々は『Pop Ambient 2016』(過去レビュー)に収録されていた"Alpine Dawn"があり、実はそのアルプスの各時間帯が名付けられた作品を纏めたのが本作で、ジャケットのマッターホルン山の写真からも分かる通り正にアルプスをコンセプトにした作品なのだ。"Alpine Evening”はFehlmannの影響が感じられるシャッフル調のリズムとダブの音響に、Patersonのユーモアか狂気が炸裂したヨーデルのサンプリングも被せて、何とも愉快な雰囲気もあるアンビエント・テクノだ。浮遊感よりはどんよりとした重みでずぶずぶとサイケデリアに飲み込まれ、太いビートもあってフロアでも難なく嵌るダンス・トラックにもなっている。"Alpine Morning"はビートが消え去ったリスニング寄りのアンビエントだが、濃霧のような曇ったシンセの音響の中にカウベルや自然音が鳴り響き、まだ瞼が重い早朝の重力から穏やかに目を覚まさせる快適さがある。そして前述のコンピに収録されていた"Alpine Dawn"、一層とコラージュ性が強くなりグニャグニャとした音から輝きが零れ出すような抽象性を高めた音響アンビエントは、正に日が昇り始める夜明けを告げるが如く。その壮大で美しい音響はFehlmannによるものだろうが、そこに色々入ってくるサンプリングの遊び加減はPatersonの十八番で、このコンビならではの対照的な音楽性が一つになるのは長年お互いを理解し合っているからだ。久しぶりにこの路線でのアンビエント・アルバムも期待したくなってしまう。



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| TECHNO12 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Principe Del Norte (Smalltown Supersound:STS269CD)
Prins Thomas - Principe Del Norte
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ノルウェーはOsloからのニュー・ディスコ旋風を盛り上げた一人でもあるPrins Thomasの新作は、何と KLFやThe OrbにThe Black Dogなどから影響を受けたというアンビエント寄りの作品だと聴いた時に、衝撃を受けた者は少なくないだろう。当然筆者も何故に彼がアンビエントと言う思いはあったが、しかしパワフルな弾け具合と大仰な煌きを纏った彼のDJプレイとは対照的に、彼が制作していた音源はスペーシーな浮揚感を伴うクラウト・ロックの要素を盛り込んだものもあったわけで、その行き着く先としてテクノ化したものを想像するならアンビエント・テクノであったとしても間違いではないだろう。アルバムは2枚組でどの曲も10分前後の大作志向であるが、特にアンビエント寄りなのはCD1だ。レトロなシンセのアルペジオで始まる"A1"は、徐々に光沢を含むシンセに飲み込まれ、表層的なビートは無いもののダイナミックをうねりを見せるような爽やかなアンビエントを展開する。シームレスに続く"A2"では序盤に動きが落ち着きながらも、再度瞑想へと誘うようなどんよりとしたシンセのフレーズに透明感のあるパッドが覆い被さり、90年代アンビエントの指標の一つでもあるGlobal Communicationのイマジネーション溢れるアンビエントを思わせる点も。陰鬱でサイケデリックなギターを導入し、そこから混沌としたシンセが胎動する”B”は奇妙な電子音の鳴りをユーモアと多幸感に費やした70年代のジャーマン・プログレの延長だろう。そして最も幻覚性を放つアンビエントの極みはCD1のラストに待ち受ける"D"で、環境音らしきノイズの中からコズミックな電子音や官能的なシンセが浮かび上がり、電子の仮想空間に意識が溶け込むようなトリップ感を誘発する。対してCD2は普段のThomasの作風の延長線上であり、ざっくりと生っぽいドラムによる緩やかなビートにコズミックなシンセが反復するコズミック・ディスコの"E"、光り輝く星が降り注ぐようなドラマティックで多幸感いっぱいの躍動するニュー・ディスコの"Gなど、端的に言えばフロアで浴びれば祝祭感に繋がるであろうダンス・トラックが中心だ。それはそれで十分に魅力的なのだが、やはりThomasの新たな才能が萌芽したCD1の瞑想じみて心地良い夢想に浸れるアンビエントは、合法的な安眠剤として効果抜群なのである。



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| TECHNO12 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Orb - Moonbuilding 2703 AD Remixes / Sin In Space Pt.1 (Kompakt:KOM 336)
The Orb - Moonbuilding 2703 AD Remixes Sin In Space Pt.1
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Alex PatersonとThomas FehlmannによるゴールデンコンビのThe Orbが2015年にリリースした『Moonbuilding 2703 AD』(過去レビュー)から、そのシングルカットの第1弾が到着。ここではアルバムのタイトル曲である「Moonbuilding 2703 AD」を3アーティストがリミックスしており、The Orbも属するKompaktの創立者であるWolfgang VoigtとBrainfeederから奇才を放つTeebs、そして前述のVoigtの変名であるWassermann名義のアーティストが参加している。元々はブレイク・ビーツ気味のレゲエやミニマルも含んで徐々に変容する展開が壮大な13分にもアンビエント・ダブであったものの、それぞれのアーティストがそれをどうリミックスするのか想像するだけでも、本作への興味は尽きないが実際の音はどうだろうか。Voigtによる"Wolfgang Voigt AntiretroAmbientPsycholkamix"は原曲に負けじと13分越えの大作リミックスだが、原曲以上にそのアンビエント性・ミニマル性、そしてスペーシーな浮遊感のある音響を強調し、更なる大作志向へと進んでいる。序盤の残響が広がり音の粒子が散りばめられ浮遊するアンビエントなパート、徐々に覚醒感のあるシンセベースと締りのあるキックが入り中毒的な快楽が放出するミニマルへと突入する中盤、そしてオーケストラ的な荘厳なシンセも加わりスペーシーさも増す後半と、各々の箇所で異なる要素を含みながらも一大絵巻のように展開する作風は圧巻だ。そしてVoigtが変名で手掛けた"Wassermann Psychoschaffelclustermix"は、こちらもVoigtらしいズンチャズンチャとしたシャッフルするリズムが特徴で、時折入るアシッド・ベースやヒプノティックなシンセが精神を麻痺さえるように働き、なかなかのドープなテクノになっている。そしてTeebsは余りKompaktらしくはないというか、彼の作風を踏襲したざらついたビートダウン風な"Teebs Moon Grotto Mix"を提供。破壊音のようなパーカッションや粘度が高く粗いダウンビートの上には、ドリーミーで甘い音像が揺蕩う事でチルアウト的な感覚も滲ませつつ、そこからシャッフル調のビートへと移行したりとその忙しない変化も相まって、奇想天外ながらもアーティストの個性が強く感じられる点が面白い。3曲だけとは言えども、ぞれぞれ個性的なリミックスで充実した内容だ。ちなみにレコードのラベルや配信のページでは、WassermannとTeebsの表記が反対になって間違っているので要注意。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mirror System - N-Port (A-Wave:AAWCD018)
Mirror System - N-Port
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ダンスとアンビエント、元は同じ楽曲を異なる視点から再構築した『Point 3』のコンセプトを、それから21年後の現在で再現する…その結果として完成したダンス寄りの作品がSystem 7名義の『X-Port』(過去レビュー)であり、そしてその残りのもう一つがMirror System名義の本作である『N-Port』だ。とは言いながらも『Point 3』ではかなりの部分でダンス/アンビエントの2バージョンが制作されていたものの、この新作では2曲程しかそのような試みはされていないので、『X-Port 』と『N-Port 』ではジャンルだけではなく元の曲からしても基本的には別物と考えるべきだろう。その中で別バージョンが制作された"The Colour of Love (N-Port Version)"や"Chic Psychedelic (N-Port Version)"は、X-Port Versionの怒涛の勢いを発するビートに比べると随分と緩みながらもしなやかで、逆にイマジネーティブなシンセのメロディーが強調される結果になっている。アンビエントと言うよりはバレアリックな多幸感が強く、ギターのリフレインも綺麗に遠くへと広がるような開放感へと繋がり、屋外に合いそうなリスニング・バージョンへと上手く生まれ変わっているのだ。これら以外の曲は『N-Port 』にしか収録されていない曲だが、"Warn the West"では『X-Port 』にも参加していたThe OrbのAlex Patersonが制作に参加しており、The Orbらしいダブなリズム/音響とそこに切り込む噎び泣くようなギターの咆哮によるトリップ感は切なくも快楽的だ。"Far Journeys"は水平方向にゆったりと進むような4つ打ちがプログレッシヴ・ハウス風だがやはり緊張感よりも開放感が打ち出され、重力から解放されたシンセやギターの伝播は青々しい空を突き抜けて何処までも広がるようだ。宗教的な力にも惹かれるSystem 7らしくヒンズー教の儀式からインスパイアされた"Batu Bolong"は何やら妖しい呪術的なダウン・テンポだが、それをJam & Spoonがリミックスした"Batu Bolong (Jam's Retouch)"は派手な装飾は取り除かれながらディープかつアンビエントな味付けが施され、原曲以上に瞑想的になっている。『X-Port』がやや中毒的なサイケデリック・トランス色が強かったのに対し、本作は全体的に晴々しいバレアリックな雰囲気に満たされており、そのかもめの鳴き声のような奇妙なギターサウンドや美しく神々しいシンセサウンドは本作でこそ映えるようだ。純然たるアンビエントではないがリラックスして陶酔したいリスニング系の作品として、System 7のトリップ感が発揮されたアルバムだ。



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| TECHNO12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2016 (Kompakt:KOMPAKT CD 128)
Pop Ambient 2016
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アンビエント・ミュージックのシリーズにおいて間違いなく最高峰、ドイツはケルンのKompaktが毎年送る冬の風物詩、それが『Pop Ambient』。2015年の11月にリリースされた本作でシリーズは遂に16作目に突入と、もはや追い付いていけるシリーズは他になく、完全にアンビエントという枠組みの中では孤高の歩みを続ける名物シリーズだ。勿論その歴史の長さ故にKompakt系列のアーティストだけでは作品の完成は難しくなっているので、毎回外部からアーティストを招き寄せる事で新鮮さを保ち続けながら高純度なアンビエントを提唱する事に成功している。その例として本作ではエレクトロアコースティックを披露するStephan Mathieuが"April Im Oktober"を提供しており、ぼんやりとしたドローンがレイヤーとなって持続するだけの感情さえも排したような音のうねりによるアンビエントは、極寒の雪が吹雪く中に灯る火のような温かさを発している。他にも外部から参加したのはケルン発のMax Wurdenがおり、かねてよりサウンドトラックやアンビエントを手掛けるアーティストのようで、収録された"Unterwasser"はこれも淡くぼかされたドローンが持続するその奥にダビーなパーカッションが非常にゆっくりとした残響を生み、何だか時間軸さえも遅くなったように感じる空間の広がりを活かしたアンビエントだ。勿論Kompakt勢からも実力あるアーティストは多数参加しており、The Orbにしては珍しくノンビートなアンビエントに挑んだ"Alpine Dawn"は正にアルプスの夜明けというタイトルに相応しく神々しく眩いサウンドスケープを展開している。またDave DKは同じくKompaktのLeandro Frescoがリミックスした"Veira (Leandro Fresco Mix)"を提供しており、ビートを遅くしながらも原曲のドリーミーな世界観はそのままにガスが立ち込める曇った音響やスターダストのような煌めく音を追加し、抽象画を思わせる淡い世界を確立している。そして本シリーズのセレクトを担当している元KompaktのボスであるWolfgang Voigtも"Ruckverzauberung (Thore Pfeiffer Megamix)"を提供しており、オーケストラの荘厳な音響を用いてアンビエントを作ったらという風な崇高なメガミックスは、流石芸術へのこだわりを強く持つVoigtだけあって一際独自の路線を進んでいる。また本作はこのシリーズにしては珍しく軽くミックス処理がされている事で、途切れる事なく夢幻の持続をする事に可能になっており、よりアンビエントとしての効果を高める事に繋がっている。身も心も寒い冬だからこそ、仄かな温かさを発する微睡んだアンビエントはBGMとして適切な時期であり、是非とも今聴くべきな1枚だ。



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| TECHNO12 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
System 7 - X-Port (A-Wave:AAWCD019)
System 7 - X-Port
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オリジナルアルバムに対してダブ・バージョンやアンビエント・バージョンを制作する事は今となっては然程珍しくもないが、System 7が1994年に『Point 3』をリリースした当初は、そういったプロジェクトはまだ殆ど行われていなかった。『Point 3』はダンス寄りの「Fire Album」とアンビエント寄りの「Water Album」の2枚として制作され、元は同じ曲が異なる魅力を放つ作品として興味を惹く内容であったが、それから21年が経過してSystem 7は再度同じ試みに挑戦した。Point 3 × System 7 = 21年…つまり1994年のあの時から21年が経ったから、二人の音楽活動の軌跡を祝うメモリアル的な意味合いも込めているそうだ。System 7名義の本作は勿論ダンス・ミュージック寄りのアルバムだが、そんな背景も知ってから聴いてみると確かに20年前のプログレッシヴ・ハウスやトランスなどのジャンルを巻き込みながら、音自体もほんの少し90年代を思わせるような安っぽいケバさが感じられなくもない。少なくとも4年前の前作『Up』(過去レビュー)でミニマル化しDJ寄りになった作風とは異なり、ある意味ではこれぞSystem 7とも呼べる猥雑感とライブのノリを重視した方向性へと回帰している。アルバムはフニャフニャとしたスペーシーなシンセがこれからの壮大な旅を予感させるイントロの"Hinotori Call Sign"で幕を開けると、ダンス・バージョンとして構築された"Chic Psychedelic (X-Port Version)"でフルスロットルで一気に加速する。骨太でエナジー溢れる4つ打ちと快楽的なシンセのリフ、そこに控え目にSteve Hillage特有の不思議なギターが効果音的に挿入され、トリップ感満載で突き抜けるこの曲は正にSystem 7らしい。そしてSystem 7と言えば何といっても他アーティストとのコラボも醍醐味の一つで、本作では活動当初から関係のあるThe OrbのAlex Patersonが”The Queen”や"Angelico Presto"に参加し、重苦しくはないがダブの効果を活かした空間の広がりを打ち出したり、以前に共同でアルバムを作り上げたRovoの曲をトランス感に染め上げた"Batis (System 7 Remix)"で再構築したりと、何でも使える要素はどんどん取り込んでいく雑食性の高さは愉快でもある。その他にも清々しく壮大なシンセの明るい基調がプログレッシヴ・ハウス風の"Love for the Phoenix (X-Port Version)"や、毒々しく攻撃的なシンセベースと覚醒感溢れるギターが咆哮するサイケデリック・トランスな"Opal Flash"など、作風は何でもありだった90年代を思わせるようだ。個人的な好みとしてはテクノ色の強いSystem 7の方に愛着があるが、しかし本作のような雑多な要素を持っているのがSystem 7なのだから、これこそが彼らしいのだろう。



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| TECHNO12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Paradise Goulash (Eskimo Recordings:541416507275)
Prins Thomas - Paradise Goulash
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ノルウェーのニューディスコ大使と称されるPrins Thomasによる新作は、計3枚にも渡ってジャンルの壁を取っ払って、兎に角あらゆる音楽を楽しんで貰う意図でミックスされた大作だ。そのタイトルからも分かる通りNYの伝説的なクラブであるParadise Garageへのトリビュート的な内容であり、確かにジャンルレスという点においてその意思を受け継ぐコンセプトであろう。元々2007年には同様にニューディスコだけに限定されずに底抜けの多幸感を打ち出した怪作である『Cosmo Galactic Prism 』(過去レビュー)を披露しており、それを前提とすると2014年にリリースされた『Rainbow Disco Club Vol.1』(過去レビュー)はテクノを中心としたミックスとなった事で奇妙なユーモアは後退し、彼らしい賑やかなごった煮サウンドによる恍惚感は喪失してしまっていたと思う。そんな流れを踏まえて、本作は再度ジャンルレスかつタイムレスな選曲を行う事で、単にダンス・ミュージックの躍らせるという機能性だけにこだわらずに、変幻自在な流れによって惑わされながら何処か掴み所のない恍惚状態を引き起こす面白い作品に出来上がったと思う。勿論様々なジャンルは用いながらもバランスを壊す突飛な流れにはなっておらず、CD1〜3の流れに沿って大まかなジャンルの区分けはされている。CD1は最もレイドバックしており、牧歌的なロックから始まり民族的なジャズや懐かしみのあるハウス、夢現なアンビエントから艶かしいファンクを通過してのディープなアシッド・テクノまで、肩の力が抜けたプレイでゆっくりと温めながら多用なリズムと音色によって先ずは肩慣らし的な導入だ。CD2では2000年以降のニューディスコやテクノにハウスなど現代的なダンス・ミュージックが中心となり、徐々にビートは力強さを増しながら夜のパーティーへ向かうざわめきを喚起させる魅惑の快楽的な時間帯へと突入する。その流れを引き継いだCD3ではより快楽的な真夜中の時間帯から始まり、ディープかつミニマルな流れを保ちながらエクスペリメンタルな電子音楽へと遷移し、湿っぽく可愛らしいジャズやライブラリーミュージック的なリスニングの曲、そして熟成したような味わいのあるプログレッシヴ・ロックを経過して下降気味に終焉へと向かう。CD3枚に渡って起承転結がはっきりとした流れは非常にスムースで、パーティーの始まりから終わりまでを意識したようにも感じられるし、多数のジャンルを過剰に詰め込んだ事でその情報量の多さに抵抗の出来ない恍惚感も生まれている。流石に3枚合わせて200分越えなのでお腹いっぱいにはなるものの、Thomasらしく外向きの享楽的なパワーが発散するDJプレイが目に浮かぶようで、やっぱりこんなミックスが彼らしいと思わせられる内容だ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2015/10/9 宇宙の海 〜Ascension @ Space Orbit
三軒茶屋はSpace Orbitで開催されているらしい『宇宙の海』は、どうやらアンビエント系のパーティーであるらしく、靴を脱いでラウンジスペースとしての空間で一夜を寛いで体験出来るような触れ込みだ。まだ行った事のないクラブという点でも気にはなっていた上に、しかも今回はDJ Yogurtによる年に1〜2回プレイするかのレアなアンビエントDJやKo Umeharaも出演する事があり、意を決して遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT6 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chris Tietjen - Zehn (Cocoon Recordings:CORMIX049)
Chris Tietjen - Zehn
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ここ数年は全盛期程の勢いは見られないものの、90年代から00年代にかけてのドイツのダンス・ミュージックと言えばSven VathによるCocoon Recordingsは中心の一つだったと思う。特にレーベルとしてだけではなく、イビサはAmnasiaにて開催していた「Cocoon Club」では世界中の著名なDJ/アーティストを巻き込んで、一大ムーブメントと呼んでも良いほどの勢いのあるパーティーに感じられた(が、それ故にどうしてもCocoonに対しては未だにミーハーな印象を拭えない)。そんなCocoon Recordingsがレーベル・ショーケース的な意味合いで2006年からMIXCDを毎年リリースしており、その初めての作品である「Eins」からミックスを今まで担当していたのがChris Tietjenだ。1985年生まれだと言うからまだその当時は齢21歳だったのだが、その若さにしてSvenに認められた才能は結局本物であった事は、現在までシリーズを担当した事で証明されたようなものだ。しかしながらそのシリーズもドイツ語で10を意味する本作「Zehn」によって10年の幕を閉じる事がアナウンスされているが、集大成らしくCocoon Recordingsのクラシックを惜しみなく使用しつつ、またレーベルの多様性を十分に体験させてくれる選曲がなされ十分に出汁が染み出たミックスである事を断言する。スタートは微かな残響が心地良いダブテクノの"Cow, Crickets And Clay"で静かなる船出だが、そのまま重心の低さと硬質感を保ちつつ闇の中から花弁がゆっくりと開くような美しさを伴う"Dead Room"をミックスし、Cocoonにもこんなシリアスな作風があるのだなと意外な展開だ。徐々に重さよりも加速度を増しながら浮かび上がり、エレクトロ気味のアクの強い曲や歌モノも織り交ぜて、そして中盤のハイライトである派手なプログレッシヴ・ハウスの"Unrelieable Virgin"でCocoonらしい快楽的な世界観に染めていく。そこからは持続感のあるミニマル寄りな選曲を中心として深みと恍惚感を継続させ、往年の跳ねた勢いのあるハード・ミニマルな曲も少々プレイしつつ、ハイエナジーな"Pump"からトライバル調の"Deep Down Inside (Reboot Rmx)"で再度のピークを迎える。そこからはなだらかにクローズに向かってテンションを落ち着かせながら、アンビエントな空気も纏うような"Seconds (Colour & Sound)"によってパーティーの終わりを告げるような物哀しい最後を迎える。レーベルの音楽性を十二分に披露したこのミックスは、70分に於ける音楽の旅と呼んでもよいだろう。そして何よりも大量のマテリアルをシームレスかつ重層的にミックスする事で、単に曲を繋ぐ以上のオリジナルからの変化を生み出したChrisの手腕が、ここでも素晴らしく光っている。



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| TECHNO12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Nobu - Nuit Noire (Bitta:Bitta10002)
DJ Nobu - Nuit Noire
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フランス語で「暗黒の夜」というタイトルが冠されたMIXCDを新たに手掛けたのは、Future Terrorの頭領であるDJ Nobuだ。千葉というローカルな地から生まれたこのDJは、いつしか日本各地の様々なパーティーやフェスでの活躍から今ではBerghainなど海外の大きなパーティーにまで広がり、時代と共にディスコやハウスからテクノまで横断しながらその名声を高めてきた。今や国内のパーティーではDJ Nobuを抜きにして語る事は難しい程までの存在感を放っているが、トレンドではあるが決してハイプではなく、常に止まない探究心とダンスフロアへの敏感な嗅覚を以てしてパーティーの大小に関係なく独自の空間を創り出せるDJの一人だろう。2年前の作品である『Dream Into Dream』(過去レビュー)は果敢にも、普通ではない変異体テクノを用いて実験的な電子音響をコラージュ的に表現し、ダンス・フロアの可能性を広げるような作品だった。それはリスナーに対し大きなインパクトと相反する戸惑いさえも与えたが、本作はそのエクスペリメンタルな要素を残しながらもより現場的なダンスの方向へと軸を振り戻している。最初の"Lumiere Avant Midi"こそ闇の奥底でヒスノイズが囁くようなノンビートの音響ものだが、それ以降はフロアに根ざしたダンストラックが徹頭徹尾続く。ただそれらも各曲単体でよりもミックスされる事で機能と面白さが引き出される奇抜な性格があり、それらをじっくりと層を重ねるようにミックスする事でグルーヴの持続感/継続感を生みつつ、またゆっくりと姿を変えるようにしなやかな変化を付けていく。音響テクノやミニマルにインダストリアルなどを丹念に編み込むようなミックスを行い、序盤の神妙でディープな流れから徐々に加速して暴力的な金属音やノイズが放出される中盤、そしてハードなまま更にサイケデリック感を伴う終盤と、一時も緊張感を切らす事なく現在形のテクノ/ダンス・ミュージックを披露する。言うまでもなく甘さは皆無、常にひりつくような緊張感があり、そして徹底して冷たく荒廃した世界観に統一されている点が痛快でさえもある。MIXCDではあるがここから感じられる空気は正に真夜中のダンスフロアにざわめく高揚であり、目の前に暗闇の中で大勢の人が踊り狂うパーティーの光景が浮かび上がってくる程までのリアルさがあるのだ。本人が述べる通りに確かに実験性に加えダンスの要素を含む本作は、テクノや電子音楽の面白さを表現しつつダンスの快楽的な性質を素直に打ち出した内容であり、テクノ魂を刺激する最高のダンス・ミュージックである。

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| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Moonbuilding 2703 AD (Kompakt:KOMPAKT CD 124)
The Orb - Moonbuilding 2703 AD
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テクノやハウスにダブやアンビエント、ヒップ・ホップやレゲエまで様々な音楽性を溶け込ませ、独自の亜空間を作り出すAlex PatersonことThe Orbにとってはアルバム毎にその音楽性が変化するのは当然の流れだが、やはりThe OrbとKompaktの絡みこそ最もテクノ色が強くなりベストな相性だと思う。そして近年はLee 'Scratch' PerryやDavid Gilmourとのコラボにサントラ作品等企画的なアルバムが多かったが、純然たるThe Orb名義では『Baghdad Batteries』(過去レビュー)より6年ぶりとなるアルバムが完成した。本作ではPatersonのベストな相棒でもあるThomas Fehlmann(Kompakt関連のアーティストである)が制作に参加し、リリース元もKompaktからなのだから、彼等の作品の中でもクールでインテリジェンスな方向性が打ち出されているのが特徴だ。しかし本作が完成するまでの道のりは長く、元々は2009年頃にロンドンにあるオペラ・ハウスに提供する曲を作っていたがそれが中止になり、そのベースとなった曲からオペラ的な要素を排除しながら紆余曲折の末に完成したのが本作だそうだ。元々がオペラ向けな曲だった事が影響しているのかは断言出来ないが、かつてのThe Orbのスタイルでもあった大作志向が復活し、収録された4曲それぞれが9〜14分と長尺の構成となっている事は嬉しい限り。彼等の発言によればクラシック音楽のように曲の中で変化と発展を設けたかった意図があるそうで、多様な音楽性とサンプリングを持ち込むThe Orbにとっては、今回の長尺な方向性こそ彼等の音楽性が活きるのは当然の理だろう。スポークン・ワードが入りアンビエントな雰囲気から始まる"God’s Mirrorball"は、徐々に荘厳なシンセや可愛らしいサウンドにダビーな音響が被さり、Patersonお得意の環境音サンプリングを持ち込んでからのミニマル・ダブのようなねっとりドープなリズムが入ってくれば、The Orb流のダンス・トラックへと変容する。後半に入ってからはリズムも入れ替わり、確かに一つの曲の中で大きなストーリーが語られているようだ。よりミニマル・ダブ的な残響が快楽的な"Moon Scapes 2703 BC"もどんどんと展開を繰り返す構成だが、繊細な電子音の粒子が無重力空間に散らばるように配置され、大胆で躍動的なビート感と繊細な電子音が高濃度に融解する。アルバムの中で最もサイケデリックな音響を放つ"Lunar Caves"は、スペーシーなSEやサンプリングも多く導入され得体の知れない何かが闇の中で蠢いているような壮大なアンビエントで、初期の作品を思い起こさせるようなユーモアとドープさが混在している。アルバムの最後の"Moonbuilding 2703 AD"ではレゲエ色の強いねっとりしたブレイク・ビーツを披露するが、何度もリズムは変化をするもそのパーツ自体は非常にミニマル的で、終始宇宙の中をのんびりと散歩をするような心地良いグルーヴ感で進んでいく。またやはりFehlmannの手腕は繊細な電子音や音響として明らかに影響を及ぼしており、PatersonのいたずらなユーモアとFehlmannの知的な成分が組み合わさった本作は、The Orbとしてのバランス感が最も良い瞬間であろう。蒸し暑い夏をクールに過ごしたいのであれば…本作は欠かせない一枚だ。



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| TECHNO11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Takuya Matsumoto - Ekr's Galactic Dance (Royal Oak:Royal 25)
Takuya Matsumoto - Ekrs Galactic Dance
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新潟に拠点を置いて活動するインデペンデント・レーベルであるIeroの主力アーティストとして、作品数は少ないながらもいつしか海外から高い評価を得るに至っているTakuya Matsumoto。そんな彼にとって2014年はより世界へと飛翔する年だったように思う。R&S Recordsが配給するロンドンの新興レーベル・Meda Furyからの「Ram EP」、そしてそれに続く本作ではオランダの名門レーベルであるClone傘下のRoyal Oakからリリースと、ワールドワイドでの活動は日本でも逆輸入的に目立ち始めている。彼の音楽の特徴はやはりメロディーやコードといった音色が中心にある事で、いわゆるクラブ・ミュージックにありがちなネタ勝負やDJミックス用ではなく、それ単体で音楽として成立させる説得力を伴っている。本盤で聴くべきは何はともあれタイトル曲である"EKR's Galactic Dance Part 1"だろうか、憂いに満ちたエレピの自然なコード展開とフュージョン的な輝かしいシンセのフレーズが交錯し、それ以外にも複数のシンセやストリングスを用いて切なさを増していく正にギャラクティックな曲だ。その別バージョンとなる"EKR's Galactic Dance Part 2"では、ストリングスを前面に打ち出して柔軟な音色で装飾し、刺のないスムースなリズムトラックも相まって実にエレガントだ。また裏面の"The Sun On The Refugees"は現代音楽を思わせるようなピアノのループが用いられたモダンなハウス・トラックで、"Satellite Orbit Funk"ではビートダウン風なざらついたシャッフル・ビートと煙たいシンセによる黒さも醸し出しており、それぞれがやはりメロディーを大切に扱いながら異なる曲調で方向性を窺うような思惑も伝わってくる。活動の長さで言えばもう既にベテランの域に達しており、作品としては十分に満足させてくれるクオリティーに仕上がっている。そして先の読めない方向性も含んでいるが、しかしそれは今後の可能性を更に秘めている事でもあり、ようやくTakuya Matsumotoの活動の成果が実り始めている。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/11/2 Grassroots 17th Anniversary Party DAY @ Grassroots
東高円寺のローカルなクラブ…もとい酔いどれ酒場であるGrassroots。今では日本各地で活躍しているDJもかつてはこの酒場でのレギュラーパーティーを開催するなどアンダーグラウンドな性質を持ちながら、決してストイックな場所としてではなく音楽と酒に浸りつつ人との出会いもある溜まり場としてのアットホームな場であるGrassrootsは、当方にとっても特別な場所として存在している。今年もアニバーサリーの時期が到来したが、フライヤーでは「草ノ根音楽酒場」と謳っている通り、やはりここはクラブというよりは酒場なのだ。さて、そんな酒場の17周年の2日目はHikaru、YA△MA、DJ Nobu、PAPALTZ a.k.a. Altzが出演する。
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| EVENT REPORT5 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/4/28 Second More Of Love @ More
大箱小箱と週末は色々遊びに行っているものの、都内にはまだまだ未開の箱が多数あり、まだまだ開拓の余地はある。そしてクラブと言うとやはり渋谷が中心になっている印象はあるが、今回は下北沢のMore。Blast HeadのDJ Hikaru、Force Of NatureのKZA、悪魔の沼のAwanoが出演する予定となっており、面子的な楽しみと初めての箱に対しての期待感も含めてMoreへと遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT5 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Sprinkles - Queerifications & Ruins - Collected Remixes By DJ Sprinkles (Mule Musiq:mmcd42)
DJ Sprinkles - Queerifications & Ruins - Collected Remixes By DJ Sprinkles
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クラブミュージックに於いてはリミックスと言う作業は、オリジナルに敬意を払いつつその方向性を押し進めるものと、または逆にオリジナルを跡形もなく破壊し再構築を行うものと、大きく分ければその2種類になる。近年ハウスシーンでは侘び寂びの心を投影させた音楽性で突出した才能を誇るTerre ThaemlitzことDJ Sprinklesは、どちらかと言えば前者に属するアーティストだと思う。元々の世界観を尊重し大きく変える事はしない…が、しかしDJ Sprinklesの手にかかれば最終的には奥ゆかしい耽美な装飾が施され、DJ Sprinklesと言う強い個性に上書きされる。本作はそんな彼が手掛けたリミックス曲を纏めたコンピレーションであり、大雑把に言えばディープ・ハウスに区分けされるのではあろうが、所謂一般的に派手に盛り上がるようなクラブミュージックからは距離を置いている。本人はこの作品を「DJツール」とみなしているようであるが、決して享楽的なダンスフロアの為だけの音楽ではなく、むしろシネマティックな物語を語るような長尺な曲はじっくりと腰を据えて聴くのにより適している。がっと心を鷲掴みにする熱いエモーションをひけらかす事はせず、終始朧気な夢を見るようなふわふわと揺蕩う浮遊感のあるディープ・ハウスは、端的に言えばメランコリーと言う表現が相応しい。滴り落ちる儚いピアノや薄く覆う幻想的なパッド、そして多用されるボイスサンプルなどスタイルは確立されており、何処を聴いても流行り廃りや売れ線とは無縁の世捨て人的な郷愁が通底している。決してオリジナル作品を壊しはしないが、長い時を経てようやく備わるような枯れた味わいを付加する作業は、DJ Sprinklesの十八番と言ってもよいだろう。単なるリミックス集と思う事なかれ、DJ Sprinklesの音楽はかくも美しく孤高の存在として静謐に輝いている。

試聴

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/12/7 Groundrhythm 11th ANNIVERSARY @ Air
井上薫がレジデントを務めるgroundrhythm。Airがオープンしてからはその場所で最も長く続いているレギュラーパーティーだが、遂に11年目が終わると同時に12年目へと突入する。移り変わりの早いクラブミュージックの業界に於いて10年以上もの継続した活動は簡単なものではないものの、ディープ・ハウス〜テクノと時代と共に音楽性に変化を見せながらコスモポリタンな個性を主張したミュージック・ジャーニー的なDJプレイだからこそ、今でもファンを魅了しながらgroundrhythmは続いている。そして11周年のアニバーサリーは外部からゲストを呼ぶこともなく井上薫によるロングセットがメインとなるパーティーであり、groundrhythmが井上薫と言うアーティストを中心に動いている事を強調する一夜となった。
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| EVENT REPORT4 | 00:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - More Tales From The Orbservatory (Cooking Vinyl:COOKCD587)
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - More Tales From The Orbservatory
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アンビエント・テクノを代表するThe Orbとレゲエ界の至宝であるLee Scratch Perryがコラボレートした"The Orbserver In The Star House"(過去レビュー)はThe Orbのレゲエへの偏愛を再度明らかにした興味深い作品であったが、恐らくそのアルバムからのアウトテイクを集めたであろうアルバムが本作だ。6曲の新曲にそれらのダブ(インスト)バージョンを収録したアルバムなのでボリューム的には物足りないところもあるが、前作に引き続きマスタリングにはPoleことStefan Betkeも参加していたりと質的な面での低下は見受けられない。多少の変化と言えば前作が比較的レゲエ色を盛り込んでいたのに対し、本作ではいわゆるテクノらしいダブの残響音がより強く感じられる。Perryによる浮ついた酩酊感のあるトースティングが曲全体を湿度の高いレゲエ色へと染め上げてはいるが、しかしダブバージョンの方を聴いてみるとBasic ChannelやPoleの深い残響と揺らぎを伴うミニマルダブにも感じられ、やはりこのコラボレートではPerryの歌がレゲエたらしめる肝になっていたのだ。テクノをより好む筆者としてはダブバージョンの方が自然に聞こえ、例えば数年前にKompaktからリリースした"Okie Dokie It's the Orb on Kompakt"のサイケデリックな狂気とクールな知性が融合した感覚にも被り、アウトテイクとは言えども歴代の作品に見劣りしない高い完成度を誇っている。そこら辺はAlex Patersonの右腕であるThomas Fehlmannが制作に参加している影響もあるのだろうし、この二人がユニットを組んでいる限りはThe Orbは安泰と言えよう。日本盤にはRicardo Villalobosによるリミックスも収録。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - Soulman (Cooking Vinyl:FRYLP536)
The Orb Featuring Lee Scratch Perry - Soulman
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発売前から話題騒然となっていたThe Orbの"Soulman"をRicardo Villalobos & Max Loderbauerがリミックスした作品。この一年間だけでも2人によるリミックス、オリジナル含め音楽制作は結構なボリュームとなっているが、一体何処までこのタッグは続くのだろうかと思う程に両者は親密な距離に居る。緻密な音響への拘りを持つ2人が揃えばThe Orbのトラックとて非常に研磨された音楽へと昇華するのだが、EP盤では”Villod A"と"Villod B"なる作風の異なる2つのリミックスを提供している。オリジナルは俗世的なギラつきがあり随分とダンサンブルだったレゲエトラックだったものの、”Villod A"ではまるで坊さんが木魚を叩きながら念仏を唱えているかのような、快楽的な俗世から切り離され溜まった脂をこそげ落としたエスニックミニマルへと変貌を遂げている。更には時折過剰なダブ処理による飛ばしの音や不気味に蠢くシンセを綿密に配置し作り込みを極度に行いつつも、理論を超越したフロアに於ける実践的なトラックとして成り立っているのだから、やはりこの2人は現場のアーティストなのだ。そして後半がズブズブと泥沼に足をとられ混沌とした音響空間へと雪崩れ込んでいく"Villod B"は、オリジナルがLee Perryの歌も含めて微塵もなく解体されほぼノイズ化したトラックとなっている。ちなみにデータ音源では"Villod Remix"以外も収録されているので、それぞれ聴き比べるのも良いだろう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/10/20 THE ORB JAPAN TOUR 2012 @ eleven
先日Lee 'Scratch' Perryとコラボレートしテクノとレゲエ/ダブを高純度で融合させたアルバムをリリースしたThe Orb。アルバムリリースパーティーとしてAlex Patersonと共に、長年の彼の右腕とも言えるThomas Fehlmannを引き連れての来日となり、更にはライブのみならず各人がDJも行う貴重な一夜に遊びに行ってきました。
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| EVENT REPORT4 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb Featuring Lee 'Scratch' Perry - The Orbserver In The Star House (Cooking Vinyl:COOKCD555)
The Orb Featuring Lee 'Scratch' Perry - The Orbserver In The Star House
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アンビエント・ハウス/テクノの先駆者であるAlex PatersonことThe Orbが新作で手を組んだのは、なんとルーツ・レゲエの巨匠であるLee 'Scratch' Perry。それだけではない、本作ではAlexの右腕とも言えるThomas Fehlmannがプロデュース&作曲で参加し、ミキシングをTobias Freundが、マスタリングをPoleことStefan Betkeが手掛け、その上Alexの盟友であるYouthがベースで参加している。しかし今更Perryと手を組むのは驚きでもあったが、よくよく考えればAlexがThe Orbの活動当初からレゲエ/ダブへの偏愛を示していたのは事実であるし、新たなる試みとしてアルバム全編に歌をフィーチャーするのであればPerryであると言うのも納得させられる。Perryの歌なのか呟きなのかも曖昧な啓示はThe Orbのトラックをアンビエントから乖離させ、生き生きとした人間臭さを発しながらレゲエ/ダブの底無し沼に引きずり込んでいくが、Thomasらが参加している影響も強く出ていて音の研ぎ澄まされ方は彼が参加していないアルバムに比べると段違いだ。レゲエ/ダブの粘着性や野性味溢れる土臭さもあるのだが、一方では単なるルーツに回帰するのではなくモダンなテクノに基いて未来へと向かう意志の感じられる意欲的な作品でもある。彼らのデビュー・アルバムはアンビエントとダブを奇跡的なバランスで融合させたアルバムではあったが、ここでは奇想天外なサンプリングや過激なダブ処理は抑制され、酔ったような歌をフィーチャし適度な尺の曲に仕上げた洗練されたテクノとなっている。AlexもThomasも随分と長く音楽に身を捧げているからだろう、レゲエとテクノをこんなにも格好良く纏められるアーティストはそう多くはない。確かにThe Orbとしか表現の出来ないアルバムとなっていたのだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Screen - We Are Screen (Malicious Damage Records:MD705)
Screen - We Are Screen
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"We Are Screen"と高らかに宣言されても誰なんだと突っ込みたくなるでしょうが、実はThe OrbのAlex PatersonとChester TaylorとGaudiと言うアーティストが手を組んだ中年オヤジの新ユニットです。The Orbでも作品毎に外部からアーティストを招き入れ常に変化を繰り返してきましたが、本作はなんとダブ/レゲエに焦点を当てたエレクトロニックミュージックを展開するプロジェクトだそうで。しかし考えてみると元々Patersonはダブやレゲエを好んで聴いていたレイヴカルチャー世代を代表する人間であり、雑食性のある音楽は彼にとって求道的な事なのです。寧ろ本作を聴けば直ぐに分かるでしょうが、ここ数年のThe Orbの作品の中では初期のダブ/レゲエ色が強かった頃のThe Orbに最も近い作風であり、その意味では懐かしさすら感じられるダブテクノです。まああの頃の様なエクスタシーから生まれるこの世のものとは思えない美しき音響の世界は既に忘却の彼方に消えているが、しかし大衆を嘲笑う悪意にも似たユーモアから生まれるトリッピーなサンプリングやSEはぶっ飛んでおり、しかし何故か地に落ちゆく重く粘るボトムに引きずられてレゲエの沼へとようこそです。中には重力から解き放たれたアンビエントもあったりしますが、基本的にはぶっといキックで夢から醒めさせられるようにあくまでリアリティー重視ですね。う〜ん、しかしこれはどう聴いてもThe Orbだよね、中年不良オヤジの悪っぽいノリが本当にカッコいいです。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/3/24 LIQUIDROOM & METAMORPHOSE presents HOUSE OF LIQUID @ Liquidroom
久しぶりのHOUSE OF LIQUIDはゲストにAkufenのライブにこれまた珍しい砂原良徳のDJ、リキッドロフトではInner ScienceやDJ Yogurtによるノンビートセットと、フロア毎に音楽に差を作り上でも下でも楽しめるパーティー仕様となっておりました。Akufenはマイクロサンプリング、又はカットアップハウスと呼ばれる独特の手法で一躍名を轟かせたアーティストであり、この名義では9年程は新作を出していないにも拘らず今でもファンが多いアーティストです。そして砂原ことまりんはライブ中心の活動を行う為、今回のDJセットは一体どうなるのかと言う楽しみもありました。更にはアンビエント中心のロフトも含め、一体どのような一夜となったのでしょうか。
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| EVENT REPORT3 | 09:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Century Groove Innovation Vol.1 Mixed By Hiroshi Watanabe (Plaza In Crowd:PICCD-006)
Century Groove Innovation Vol.1 Mixed By Hiroshi Watanabe
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ライブに定評のあるKaito名義でも活躍中のHiroshi Watanabeですが、DJに於いては率先的にPCDJに活用すると同時に機器制作の監修も行うなどテクノロジーの発展に寄与しつつ、DJの可能性を広げるプレイに取り組んでいます。そしてこの度PCDJを駆使してFountain Music / Plaza In Crowdの音源のみを使用した、レーベルショーケース的な意味合いを含むMIXCDを完成させました。このレーベルは2008年頃に設立され折衷主義的に美しいエレクトロニック・ミュージックをリリースする事に腐心し、若手やベテランに拘らずに国内外から選び抜いた音楽を日本から世界に向けてリリースしています。そんな音楽性を持つレーベルのトラックを纏め上げるのに適任なのは、となれば壮大で美しい音楽を鳴らすワタナベさんが抜擢されたのも当然の成行きと言えるでしょう。さて、この手のMIXCDはDJの我を出し過ぎればレーベルの情報は局所的となり、一方使用する音源を広く掬い上げるとDJの個性が失われてしまうと言う困難を伴いますが、テクノとハウスの境目を感じさせないジャンル的にシームレスな選曲とそしてPCDJによって実現されるシームレスなミックスにより、制約を忘れさせる程にディープかつ美しいダンスミュージックの魅力を見せつけました。ダビーな残響の中を疾走して行く前半、一息ついてディープな音色に魅了される中盤、そしてラストに向かってエモーショナルな感情が炸裂する終盤と流れに関しては文句無し。そして一時間弱の中で25曲を詰め込んだ事は曲と曲を常に重ねて新たなる鳴り方を生み出し、例えば普段聞き慣れていた曲もいつもとは違う印象を植え付ける作用を生じさせる事でしょう。自分は元々知らない曲ばかりだったのだけれど、それを差し引いても曲はばらばらなのではなく一つのミックスの中で前後の曲と補完しあう様な鳴りをしており、自然に曲と曲とが溶け込んでいるのが心地良く感じられました。ワタナベさんらしい壮大な抒情詩を体験出来ると共に、勿論レーベルにはこんなに素晴らしい音源があったのかと言う驚きもあり、レーベルの思惑は見事に成功したのではないでしょうか。



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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - C Batter C (Malicious Damage:MD704)
The Orb - C Batter C
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2010年にPink FloydのDavid Gilmourとコラボレートした企画盤に続き、今度はアート・フィルム作品"Battersea Bunches"にサントラとしてThe Orbが曲を提供した。流動的に活動するThe Orbだが今回はAlex PatersonにThomas Fehlmannも参加し、最高の相性を誇るユニットでの新作だ。と言っても新曲は17分のフィルムに合わせた17分の1曲のみで、他7曲は全てそのリミックスと言う企画盤である。気持ち物足りなさはあるがオリジナルトラックに関して言えば(David Gilmourとコラボレートを除けば)久しぶりの長尺な曲であり、フィールドレコーディング風の雑踏な音や声のサンプリングを駆使したかつてのThe Orbらしいユーモアと倒錯に満ちたアンビエントを奏でている。全く以って普通のダンスミュージックからは乖離しており、かつての奇想天外なアンビエンスが戻ってきているようにも感じられる。さてフィルムが収められた映像の方はと言うとこちらはAlexの叔父が録り貯めていた映像を基に編集された物だそうで、ノイズ混じりの古い映像がフラッシュバックを引き起こすかのように断片的に纏められている。映像を眺めると本作の意図、記憶を呼び覚ます音楽の旅である事が明確になり、映像と音によるタイム・スリップを引き起こすであろう。リミックスはと言うとThomas Fehlmannは分かるのだが、Gaudi、David Harrow、Nocturnal Sunshineと言った自分には馴染みの無い面子が並んでいる。どれも比較的オリジナルの旋律やダブな空間処理を残しつつ、勢いのあるダブステップや浮遊感のあるダウンテンポ、乾いたレゲエ風から幻想的なディープハウスまで展開を広げなかなか良いリミックスが揃っているので、名前を知らなくとも十分に楽しめるはずだ。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2012/1/8 Chillout Village 2012 @ 高井戸倶楽部
年末年始のパーティー三昧で疲れた心身をリフレッシュするパーティーがChillout Village。高井戸倶楽部と言う普段はレストランになっている場所でデコレーションに手を掛け、普通のダンスミュージックとはチルな味わいを持つ音楽で、仲間と共に緩い空気を楽しむ、国内屈指のお洒落かつラグジュアリーなパーティーだ。アーティストやDJは国内各所で活躍するおのおのが個性を持った人が呼ばれ、Kuniyuki Takahashi、Yogurt & Koyas、Hikaru、Kensei、Bing、Utsumi、Shhhhh、Q a.k.a. Insideman、Sinnなど贅沢な布陣となっていた。
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| EVENT REPORT3 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lovebirds - Honeybadger EP (Teardrop:TD 005)
Lovebirds - Honeybadger EP
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The Orbがサンプリングしてチルアウトネタとしても有名になったSteve Reichの"Electric Counterpoint"が、またしてもクラブミュージックでリサイクルされたと言う話題の作品。本作を手掛けたのはドイツ出身のSebastian DoringことLovebirdsで、80年代風のシンセを生かしたハウス作品をリリースしているようだ。Freerange Recordsなどの大御所レーベルからもリリースする傍ら、自身では近年Vincenzoと共にディープハウス向けのレーベル・Teardropを設立し、徐々に注目を集めている。さて本作で聴くべきはやはりReichネタの"Running Backwards"で、あのPat Methenyの官能的なギターフレーズをまんまサンプリングし、ファンキーなベースラインとディスコティックなリズムと組み合わせた郷愁垂れ流しの一曲。これは是非ともクラブの朝方で疲れもどっしり溜まった時間の、体の隅々まで染み渡る癒しの音楽として聴きたい名曲。また黒っぽいスモーキーな音に染められビートダウンハウス的な"Don't Give A Shit"や、声ネタがファンキーに反復するディープハウスの"Chasing Things"など、3曲ともブラック・ミュージックへの傾倒もありながらモダンな洗練さもあり秀逸。



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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Global Communication - Back In The Box (NRK Music:BITBCD05)
Global Communication - Back In The Box
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アンビエント、テクノ、ハウス、ボサノバ、エレクトロ、クラブジャズ、そしてダブステップ…Tom MiddletonとMark Pritchardのそれぞれソロとして、又は二人でのユニット・Global Communicationとして、テクノ黎明期から様々なジャンルを開拓してきた二人。ここ15年以上はお互いに距離を置き別の道を歩んできた二人が、今年になり遂にGlobal Communicationとして復活を果たしライブ活動も行うなど期待を感じさせますが、その流れでを受け継ぎGlobal Communication名義でのMIXCDも制作しました。しかもNRKが提唱するバック・トゥ・ザ・ベーシックスのシリーズを担当するなんてきたら、そりゃ彼等のマニア心も駆り立てられたのか、80年後半から90年前半のデトロイト・テクノやAI系と呼ばれるピュアテクノ、そして美し過ぎるアンビエントまで盛り込んだテクノ黄金時代を象徴する選曲を行っております。所謂テクノクラシックと呼ばれる作品を選びつつも、表立ってはいなかったものの玄人受けする隠れ名曲まで掘り起こすその知識とセンスたるや、流石に時代の寵児であった事を感じさせずにはいられません。R & SやWarp Records、Eevo Lute、Planet-Eをはじめとするその時代を象徴していたレーベル等から今尚輝きを失わない名曲を選りすぐりし、Disc1はダンスオリエンテッドに、Disc2はリスニング寄りのプレイを聴かせてくれます。新鮮味は当然皆無ながらも再度90年代前半のテクノを聴くと、今よりも洗練さや熟練と言う点では劣るものの、それ以上にアイデアや衝動を重視しテクノの自由な創造性が溢れていた事が感じられます。そう、テクノとは元来解放されたエクスペリメンタルな音楽であるべきで、それを遂行していたのがGlobal Communicationでもあったのだから、ここで聴けるテクノは彼等の指標でもあったのでしょう。普通のクラブで盛り上がるようなDJMIXとは全然違うけれど、テクノの歴史を紐解くアーカイブとして大層役立つ内容である事は断言します。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Thomas Fehlmann Live With Strings And Percussions - Titan One / DFM (Kompakt:KOM 224LTD)
Thomas Fehlmann Live With Strings And Percussions - Titan One DFM
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もはやThe Orbの一員…と言う肩書きは不要であろう。ジャーマンテクノの、そして美しい音響派テクノを聴かせる事に関しては第一線に属する重鎮中の重鎮・Thomas Fehlmann。その腕前はかつてSun Electricのサポートも行い、デトロイトとベルリンを引き合わせ、そして最大の功績は何だかんだ言ってもThe Orbでの音響面でのバックアップ。もし彼が居なければ、今のThe Orbも絶対にあり得なかったであろう。で新作はと言うと、昨年カナダの交響楽団とGustav Mahlerの"Titan"をライブカヴァーした事に触発され、そこから新たに創り上げた"Titan One"。想像はもう付くでしょうがクラシックとエレクトロニクスの邂逅なるアンビエントで、それ自体はもう目新しさはないものの異なる音色を自然と同軸に溶けこませる手腕、余りの神々しさに平伏せてしまう重厚な世界観は、伊達に歳食ってる訳じゃないですね。13分にも及ぶ長尺な展開ながらも、むしろ終わりが来ないで欲しいとさえ思う出来。B面には9年前の自身の傑作"Du Fehlst Mir"をリメイク。オリジナルは多層的に幻想的な音が重なり合う厳かなダブアンビエントでしたが、ここでもクラシック的なストリングスを配置しながらも原曲よりも軽快な躍動感を前面に出した上で、可愛らしい電子音も付け足して随分とポップなテクノへと転換。作り込まれてはいるものの詰め込みすぎた感も無く、心地良く夢の世界へと誘われます。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Mark Farina - Mushroom Jazz 7 (Mushroom Jazz:MJ-010)
DJ Mark Farina - Mushroom Jazz 7
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合法的に白昼夢に溺れる音楽、その名もマッシュルームジャズ。間違いなくいかがわしい意味から付けられたであろうこのMIXCDシリーズも、通算7枚目。楽天的なシーンであるアメリカ西海岸ハウスの先駆者・Mark Farinaがハウス、ヒップホップ、R&Bなどをレイドバックさせて紡ぐ夢の1時間。艶めかしい質感を伴うセクシーでメロウなトラックを、ゆるゆると気怠いジャジーグルーヴで紡ぎ合わせた全編ダウンビートな極楽浄土への鈍行列車片道切符。ピアノやサックスの渋くもメロウな響き、緩くもしっかりと地に根ざしテンポよく刻まれる横に揺れるグルーヴ、スペーシーかつセクシーな歌物などが入り乱れ、徹底的にサンフランシスコの開放感や燦々と太陽光の降り注ぐ楽天的な雰囲気を表現する。昼間にかければリラックス出来るお茶の間のBGMとして、真夜中にかければラグジュアリーなシーンを演出するアダルト向けの音楽として、朝から晩まで24時間全時間帯に気持ち良く作用するマッシュルーム。本物のキノコはやっちゃだめだけど、これは幾ら聴いても合法的に作用する。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Robag Wruhme - Wuppdeckmischmampflow (Kompakt:KOMPAKT CD 84)
Robag Wruhme - Wuppdeckmischmampflow
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テクノもハウスもドイツ、特にベルリン勢が猛威を奮う中、いやいや忘れてはならないのがケルンから生まれた2000年代のドイツテクノを象徴したKompakt。硬派なミニマルテクノから荘厳なアンビエント、色鮮やかなポップや最近ではロック/ニューウェーブ色まで吸収したKompaktは、単純さを極めたフロア向けだけのダンスミュージックではなく雑食性と豊かな音楽性を伴い成長してきていた様に思われる。そしてRobag Wruhmeなるアーティストが手掛けるこのMIXCDも、今流行のベルリンテクノのストイックでモノトーンな音楽性とは一線を画し、緊張ではなくゆるさを極めた色気のあるディープなテクノ/ハウスを中心に、ミニマルもエレクトロニカも同時に聴かせてしまう。圧倒的に降り注ぐプレッシャーも図太い低音も凶悪なムードも一切無い、それ所かロマンティシズム溢れる情緒の豊かさとお酒に酔った時のあのフワフワとした酩酊感がどこまでも続き、終止リラックスしたムードで深層に連れて行ってしまう。線の細さ・か弱い音が故にしっかりと耳を傾け、出来るなら高音質なサウンドシステムの綺麗な音で聴きたいとさえ思う程に優雅な世界観だ。反復だけの単純な音楽でクラブで馬鹿騒ぎするのも楽しいけれど、時にはこんなドラマツルギーに踊らされる一夜も体験してみたいものだ。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb and Youth presents Impossible Oddities (Year Zero:YZLTD006)
The Orb and Youth presents Impossible Oddities
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90年前後のUKはロックもテクノも、いやロックとテクノが歩み寄り至福の黄金時代を迎えていた様に思う。リアルタイムで聴いていた訳でもないのでその盛り上がりを感じた事はないけれど、兎に角何だか分からない何かが動き始めていたに違いない。そんな時代の中でThe OrbのAlex PatersonとKilling JokeのYouthが設立したWAU / Mr. Modo Recordsも、その時代を象徴する様なアシッドハウスやブレイクビーツ、テクノ、UKハウスをリリースしていたそうな。そうな…と言うのは大半がアナログな上に当時余り売れなかったそうでどうにもこうにも耳にする機会が無いからです。結局は後に再評価され今に至る訳ですが、そんな手の入りにくかった作品がリリースから20年を経て2枚組のCDにコンパイルされました。音自体は流石に旧時代と言うか古臭く良くも悪くもチージーなんですが、アーカイブとしての価値は勿論あり自分の様な人間にはその時代を感じられる事に意義を感じます。90年前後の享楽へと突き進むレイヴサウンドの様に特定のジャンルには依存せずに踊らす事の出来る快楽的な音は、確かにAlex PatersonやYouthの音楽性その物であり、狂乱じみた馬鹿げたノリを体感出来る事でしょう。またコンパイルCD2枚組とは別にAlex Patersonがミックスをした3枚目のCDがあり、それが一番享楽的な時代の雰囲気を感じ取る事が出来ます。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Carlos Nino - Carlos Nino's Ocean Swim Mix (Listenup:ARTUP-003)
Carlos Nino - Carlos Ninos Ocean Swim Mix
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季節外れのオーシャンスイム、タイトルからして清涼感・お洒落感たっぷりなアルバム。Carlos Ninoに関しては初耳なアーティストだったのですが、DJ Kenseiがブログでお薦めしていたので購入してみた所存です。ロスアンゼルスで活動しているNinoは、インターネットラジオ曲を主宰し自身でもヒップホップユニットやジャズバンドの活動を行う他、国とジャンルを越えて多岐に渡りプロデュースにも務めるいるそうで、西海岸アンダーグラウンドシーンではとても重要なポジションに居るそうです。まあそんな堅い理屈は抜きにしてこのMIXCDではクラブジャズ〜フォーク〜アフロ〜ヒップホップ〜ダウンテンポ等を、西海岸系のアーティストらしく楽天的かつ開放的に繋いだ清涼剤よろしくな爽やかなプレイが聴けます。眠気を誘う心地良い気怠さがふわふわと漂っており、起床したその時からサンシャワーの様に部屋の中を新鮮な空気で満たします。ミックスとは言うもののテクニック云々を楽しむのではなく、あくまで音楽その物を、そして選曲やその流れを楽しむ音に忠実な内容。踊らせる事を目的としたクラブサウンドからはある意味正反対で、フリーフォームかつビートの統一から解放された自由気儘な精神性が感じられました。BGM=Background music、そんな言葉がぴったりで部屋の空気にいつの間にか溶け込み、心地良い一時間を提供する事でしょう。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2011/01/03(MON)
Chillout Village 11 @ 高井戸倶楽部
DJ : Mixmaster Morris, Kensei, Utsumi, Bing, Shhhh, Q a.k.a. Insideman

2011/01/07(FRI)
microcosmos 2011 NEW YEAR PARTY "Sonic Bathtub" @ microcosmos
DJ : Mixmaster Morris, DJ Yogurt, DJ TAKAMORI K.

2011/01/08(SAT)
SANDWELL DISTRICT ALL-NIGHT PRESENTED BY MINDGAMES @ Unit
DJ : SANDWELL DISTRICT (DJ + Live), FUNCTION (DJ + Live), REGIS (DJ)

2011/01/08(SAT)
WORLD CONNECTION @ Air
DJ : King Britt, Calm, Downwell 79's
Live : Rucyl

2011/01/15(SAT)
DJ QU JAPAN TOUR @ Eleven
DJ : DJ QU, DJ NOBU, STEREOCiTI

2011/01/15(SAT)
INNERVISIONS 2011 @ Air
DJ : Âme, Alex From Tokyo

2011/01/21(SAT)
Guidance〜導き導かれる人生〜 6th Anniversary @ Seco Bar
DJ : ALTZ, 川辺ヒロシ, DJ YOGURT, 2562/A Made Up Sound, MAMAZU, REI, molick, EYE, DJ NOBU

2011/01/22(SAT)
Travelling @ Eleven
DJ : PROSUMER, DSKE

2011/01/22(SAT)
root & branch presents UBIK featuring THE ORB - METALLIC SPHERES @ Unit
LIVE : The Orb
DJ : yoshiki, DJ SODEYAMA

2011/01/29(SAT)
Ostgut-Ton presents Sound of Panorama Bar @ Eleven
DJ : Steffi, Nick Hoppner, yone-ko
| UPCOMING EVENT | 14:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Apparat - DJ-Kicks (Studio !K7:!K7270CD)
Apparat - DJ-Kicks
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設立25周年と波に乗っているStudio !K7の名物MIXCDシリーズ最新作には、エレクトロニカを経由してテクノへと踏み込んできているApparatが参戦。このシリーズはテクノと言う枠を越えて幅広くジャンルを掬い上げているのですが、本作でもテクノだけでなくエレクトロニカやアブストラクト、ダブステップまでを匠なセンスによって纏め上げておりました。トラックリストを見てもワクワクする内容で、Carl CraigやRippertonのテクノにOvalやThom Yorkeらのエレクトロニカが絡み、更にはBurialやMartin、T++らダブスッテプまで挿入されてしまう。ポップでカラフルなエレクトロニカとダークで陰鬱なダブステップの自然な陰陽の切り替わりもさる事ながら、どこをとってもどんなジャンルであろうと、最初から最後までダンスなグルーヴを保ち続けるその選曲眼は類稀なるもの。単純でミニマルな4つ打ちで押していくのではなく、多用なリズムを用いて変幻自在な世界を生み出しつつ腰に来るグルーヴを保つのだからこれは凄い。いや、凄いと言う前に本当に独創性と遊び心に溢れた面白いミックスで、こんなプレイもあるんだなと新しい息吹を感じさせてくれました。

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| TECHNO8 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb featuring David Gilmour - Metallic Spheres (Columbia:88697 79645 2)
The Orb featuring David Gilmour - Metallic Spheres
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The Orbと言えばテクノ、アンビエントと言うジャンルで括られておりますが、中心にいるAlex Patersonの影響か初期の頃のアートワークや音自体にはプログレッシヴロックの影響が出ていたのは周知の事実。また数年前にはPink FloydのセッションメンバーのGut PrattらともTransit Kingsと言うユニットも組んでいました。そして新作はPink Floydのギタリスト・David Gilmourを呼び込んでの、正にアンビエントと言うべき壮大なアルバム。近年は曲の尺も短くなりアンビエントらしい壮大な構成は聴けなくなっておりましたが、ここではThe Orb初期の馬鹿げた様に長尺な構成とドロドロのトリップ感が復活している模様。一応2曲で50分構成ですが、1曲の中に幾つかのセッションがあり景色が移り変わる様に展開が広がっています。そして何よりもDavid Gilmourの空間を彷徨い浮遊するギターが前面で主張していて、この存在だけで本作をテクノと言うよりはプログレッシヴ臭くしてしまっているのです。バックにはAlex Patersonお得意のトリッピーなSEやダビーなリズムトラックが入っており、最近のThe Orbと比べると時代錯誤な古臭い音ではあるけれど往年のファンには懐かしく感じられるのではないでしょうか。その点では部屋の中で聴き流すのに丁度良いアンビエントなBGMでもあります。デラックス盤には3D60と言う立体音響で録音されたCDも付きます。ヘッドフォンで聴くと音に左右だけなく前後の奥行きも感じられる印象。

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| TECHNO8 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Surgeon - Fabric 53 (Fabric:fabric105)
Surgeon - Fabric 53
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UKのマット・デーモンとも呼ばれる(嘘です)Anthony ChildことSurgeon。眼鏡を掛けたその知的な見掛けとは裏腹に、彼の繰り出す音は暴力的でサドスティックなインダストリアルテクノが特徴。流行に振り回される事なく一貫したハードな美学を持ちつつも、このFabricシリーズの最新作ではダブステップも取り込んだ上で相変わらずのハードな音を鳴らしておりました。もっとも彼自身も数年前からダブステップには接近していたので本作への流れも違和感は無いのですが、ダブステップのみならずデトロイトテクノやミニマルも使用し、相変わらずの幅の広さ故の面白さを感じさせてくれます。跳ねと疾走間に溢れたグルーヴ、中にはメランコリックな流れもあり、そして強靭で厳ついハードな音は確かにSurgeonの専売特許。雑食性がありつつもハードな音の統一感は流石その筋のベテランであり、Jeff Mills以降のハードミニマルの分野を率先して開拓して来た人物だけあります。かつて多くのハードミニマリストが路線変更を必要としたのに対し、Surgeonの視点に今も昔もブレは全くありません。信頼のおけるアーティストとは、かくあるべき。

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| TECHNO8 | 09:30 | comments(2) | trackbacks(2) | |
2010/06/26 Spinning Vol.2 @ 渋谷 Bar&Cafe特異点
友達と開催している"Spinning"の第二回は色々と課題は残っておりますが、無事終了しました。自分達レギュラー陣は割と大人しい選曲でメロウなハウスだったり緩めのセットでそんなに上げない内容でしたが、ゲストのDJ Aprilさんは古いシカゴハウスをパワフルにプレイしていかにもパーティー的な内容で盛り上げてくれました。時代が変わろうと本当に良い曲は変わらない良さがある訳で、そんな事を再認識させてくれるプレイだったと思います。

また次回に繋げる為に工夫なり努力が必要だと感じる点が多かったのですが、また必ずや次回開催したいと思います。遊びに来て頂いた皆様、どうもありがとうございました。

Tracklistは続きで。
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| EVENT REPORT2 | 23:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/05/02 Thomas Fehlmann Japan Tour 2010 @ Eleven
GW音楽週間の二発目はThe OrbのAlex Petersonのフォローし、そしてソロではKompaktから余りにも美しいダブテクノをリリースしているおじさん・Thomas Fehlmann。ニューウェーブの変異体・元Palais Schaumburgとして活動後、徐々にエレクトロニックミュージックに傾倒し、90年代からはBasic Channelやデトロイトテクノとも関わりを持ちつつThe Orbの活動を支え続けてきたエレクトロニックミュージック界の重鎮です。
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| EVENT REPORT2 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Pal Joey - Somewhere In New York (Pal Joey Music:PJM 1040)
Pal Joey - Somewhere In New York
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活動歴が長い割にはアルバムリリースが殆ど無いせいかいまいち地味な気もするPal Joeyのベスト盤。自分が知っている範囲だとThe Orbに素晴らしいハウスリミックスを提供していたり、Derrick MayもヘビープレイするEarth People名義の"Dance"と言う曲を手掛けている位でしょうか。本作は色々な時代、変名でのトラックも収録しているせいか、クラブミュージックと言う括りはあるものの幅広い作風の音楽が収録されております。出だしの"Hot Music"は小洒落たクラブジャズだし、傑作"Dance"は手に汗握るクソ暑いファンキーなハウスで、と思えばセクシーな女性声ネタで色気を出したハウストラック"Tomorrow"もあるし、Pal Joeyも時代に合わせて変化を遂げているようですね。それでもどのトラックにも彼なりの選美眼が感じられ、派手さよりもしとやかな趣や儚くて繊細な要素を前面に出した音楽観は、ダンスミュージックとしてある前にリスニングミュージックとしても聴くに耐えうるもので、流行云々とは全く関係の無い普遍的な音楽として聴けると思いました。小洒落たカフェやラウンジで流れていても、全くおかしくない位のムードある音楽満載。DISC1はミックス仕様、DISC2はアンミックス仕様とDJにとっても役立つ2枚ですね。

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| HOUSE5 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/04/21 Flare "Two Albums" Release Party @ Saloon
Flare aka ken Ishiiの過去の名作がリイシューされる記念として、珍しいFlare名義でのDJプレイが実現。確か自分は2001年の新宿リキッドルームでFlareのプレイを聴いた事がありその時は一応テクノセットだったのだけれど、今回はツイッターでNo Technoと呟いていたので期待と不安を覚えながらSaloonへと向かいました。

自分達が着いた頃には既にFlareがプレイ中で、早速坂本龍一の"千のナイフ"を回しておりました。お客さんは会場内に30人程だったかな、平日と言う事もあってか空いておりましたがその分快適に踊る事が出来ました。踊ってたのは極少数でしたが…。教授の名作から更に時代を遡りジャーマンプログレのHarmoniaのヒッピーなトラックをスピン。テクノではないが電子音から生まれるトランス感覚は、確かに現在のテクノに通じる物がある。その後もダンストラックと言う枠にとらわれずにFlareやケンイシイの初期のトラック、Flareの未発表曲と思われるトラックで独特なリズムや不思議な音色を聴かせながらしっかりとケンイシイの未来的な世界観を作っておりました。

No Technoと言っていたので意外だったのが、Kraftwerkの"Music Non Stop"やThe Orbの通称"Lovin' You"などもスピンし所謂テクノの歴史を紐解くような瞬間も感じさせつつ、アンビエントとも異なるもののノンビートでシンセだけが鳴っている不思議な時間帯もあり、もうやりたい放題って内容。その後も坂本教授2連発で"Riot In Lagos"、"Bamboo Houses "とエレクトロポップな音が懐かし過ぎ。"Riot In Lagos"ではフロアから歓声も飛び出すなど、今回来ていた客は濃過ぎな感じだったかな。

その後は元々ロックだった人達がギターをシンセに持ち替えて演奏した様なゲイっぽいロックと言うかニューウェーブ系な選曲も増えてきて、パンキッシュなのにエレクトロって音は逆に新鮮でした。最後で"Solid State Survivor"からFlareの"Cycling Round"の繋ぎは、Flareのリリースパーティーを良い形で締めくくれたと思います。普段の週末の大箱では出来ないリスナーよりも自分がやりたい事を優先したプレイは、ケンイシイのルーツを辿る音楽の旅でとても面白く興味深い内容でしたね。

-追記-
ケンイシイがセットリストを公開。リストはコチラ

■Flare - Two Albums
Flare - Two Albums
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| EVENT REPORT2 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Thomas Fehlmann - Gute Luft (Kompakt:KOMPAKT CD 81)
Thomas Fehlmann - Gute Luft
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Alex Paterson率いるThe Orbの右腕だか左腕だか知らないが、とにかくこの人が参加してるかしてないかでThe Orbのサウンドもかなり変わってくる位の影響力があるThomas Fehlmannのソロ最新作。ベルリン市民の24時間と言うドキュメンタリー番組のサントラと言う位置付けらしいですが、そんなコンセプトには全く関係無くいつものフェルマン節全開なダブアンビエントサウンドが満載。揺らめく重いダビーな音響空間が終始続くアンビエントワールドでありながら、各曲はコンパクトにまとめられ、そして不鮮明なノイズ混じりの霧靄から浮かび上がるポップなメロディーがあるおかげか、不思議と重苦しいだけでなく温かみのある優しさも感じられます。そしていつも思うのは、この人の発する音の美しさはまるでキラキラと煌くガラスの破片の美しさと似たような感覚があり、その洗練された耽美な音色にうっとりする程の陶酔感を感じてしまうのです。もう余りの気持ち良さに身も心も融解してしまうんじゃないか、そう思う位の圧倒的な音の粒子の煌き。The Orbの美的音響を担当しているのは、間違いなくThomas Fehlmannでしょう。ちなみに聴いた限りでは幾つかの曲はThe Orbやフェルマン自身の過去作品から、リメイクと言うか同じネタを借用しているみたいです。

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| TECHNO7 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mirko Loko - Seventynine Remixes (Cadenza:CADENZA45)
Mirko Loko - Seventynine Remixes
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Lazy Fat People分裂後の初のソロアルバム"Seventynine"(過去レビュー)が好評だったMirko Lokoが、リミキサーにCarl CraigとRicardo Villalobosを起用した超力作なアルバムからのシングルカット。今回才能を爆発させたのはやはりC2、毎度毎度リミックスワークの質の高さには頭の下がる思いですが、今回は本気の中の本気。空間に乾いて響き渡る乱れ打ちパーカッションの下を、優美に煌めくシンセがうなりを上げて徐々にビルドアップし、ブレイクした後の中盤以降は地響きの様な低音の効いたベースやキックで再度じわじわと上げてくる非常にスリリングな展開。12分と言う長尺な曲でありながら、長さを全く感じさせず壮大な展開に引きずり込む引力は圧巻と言うべき。対してVillalobosは相変わらず掴み所が無いと言うか、ジャブジャブとした水っぽいエフェクトが鳴りつつ再度子供の声を使用しミニマルのサイクルを続けるアンビエント風なリミックスを披露。レゲエ・ダブっぽい音響やアンビエントな浮遊感は初期のThe Orbを思い出せる点も多く、理性も溶けるような恍惚感を誘発します。両面全く違う音ながら、両面ともフロアで気持ち良く使える大傑作。

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| HOUSE5 | 11:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2010/02/24 GOOD & EVIL NIGHT vol.14 @ Solfa
昨日は平日ながらもSolfaで面白そうなパーティーがあったので、中目黒に行ってきました。でついでなので、出演者の白石隆之さんが美味しいと呟いていた中目黒タップルームと言う地ビール専門店に行ってみた。ビールの種類はかなり多く、そのどれもが強烈な個性を発していて、確かに本当に美味い!カウンターもあるから一人でも飲みに行けるし、値段が高いからしょっちゅうは行けないけれどビール好きにはかなりお勧め出来る店でした。
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| EVENT REPORT2 | 14:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Scuba - Sub:Stance (Ostgut Ton:OSTGUTCD11)
Scuba - Sub:Stance
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近頃ダブステップが盛り上がっているようですが、テクノに接近しているダブステッパー・Scubaが何故かベルリンミニマル最前線のOstgut TonからMIXCDをリリース。ダブステップとテクノの邂逅は最早珍しくも無いですが、このMIXCDはその中でも決定打とも言える程に素晴らしい出来。ダブステップと言えばやはり横揺れ系の独特のリズム、硬質で引き締まったキックなどが特徴ですが、本作ではそれらの要素が目いっぱい詰まっていて目まぐるしい流れが展開。まるで山あり谷ありのジェットコースターのようでもあり、否応なく体が揺さぶられてしまう勢いがあります。そして闇夜の中から這い出してくる叙情とメランコリーはデトロイトテクノともリンクし、真暗な空間の広がりを感じさせるダビーな音響はBasic Channelのようでもあり、暗いインダストリアルな音の中にも壮大なドラマツルギーが展開し、破壊力と美しさが混在しているのです。Basic Channelがデトロイトテクノとダブスタップに取り組んだら、もしかしたらこんな音になるのかも?ベルリンミニマルとダブステップの新たなる胎動がここには詰まっております。先日の来日プレイに行っておけば良かったなと多少後悔が残る位の快作。

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| TECHNO7 | 06:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2010 (Kompakt:KOMPAKT CD 77)
Pop Ambient 2010
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毎年この時期恒例のKompaktが送るアンビエントシリーズ"Pop Ambient"も遂に10作目。シリーズ物と言うのは継続する事に飽きが来たり質が下がったりするのは珍しくない事ですが、そこは流石Kompaktだけあって毎回高品質を保っております。勿論レーベルのボスであるWolfgang VoigtとJurgen Paape、The Orb、Thomas Fehlmann、Dettinger(まだ音楽活動してたの?)らのベテランが参加しているのがその理由の一端でもありますが、それ程知名度が高くないアーティストからも良質なトラックを掘り出してくるのがKompaktの実力でしょう。特に2曲も収録されているBrock Van Weyは17分にも及ぶ長尺なアンビエントを提供しているのですが、アンビエントと言うよりももはや教会で流れる荘厳な讃美歌の様でもあり、神への祈りや讃えと言った情景が浮かんできます。これぞ聖なる(静なる)音の波、安堵と平静をもたらします。他のトラックも全てノンビートで、アコースティックな音色と電子音が混ざり心もほっこり温まる優しさと牧歌的なおおらかさがあり、家に籠もって耳を澄まして聴くのがベストでしょう。

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| TECHNO7 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Martyn - Fabric 50 (Fabric:FABRIC99)
Martyn - Fabric 50
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名物MIXCDシリーズのFabricも遂に50作目ですが、そこに旬のダブステッパー・Martynが抜擢されました。昨年リリースされた"Great Lengths"(過去レビュー)は、確かに良く出来た内容ではあるものの自分がダブステップと相性が悪いのか、結局今でもそんなにダブステップには興味が持てない状態であります。がこのMIXCDは意外にもしっくり来まして、それは単純にダブステップがテクノにかなり寄り添ってきている(又はテクノがダブステップに寄り添っているの?)状態があって、もはや境目など感じさせなくなっていたからです。歌物や横揺れ系のダブステップにパーカッシヴなハウスやブロークンビーツ、土着系テクノを違和感無く混ぜてしまう辺りに選曲の良さがあり、調子よく上げ下げのある展開ですいすいと最後まで聴けてしまいました。相変わらずダブステップは楽天的なムードは皆無で闇夜の暗さが漂っているものの、多彩なリズムによる肉体への刺激や乾いたパーカションの響きが高揚感をもたらし、決して気が落ち込むような音ではないですね。ダブステップと言うと陰鬱で重苦しいイメージがありましたが、そんな考えを払拭させる好内容な一枚です。

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| TECHNO7 | 10:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2009/12/15 T.P.P. @ EFFECT
AT-FIELDメンバーがT.P.P.へ出張プレイ。90年代縛りのパーティーで、自分的にはマッドチェスターとかセカンド・サマー・オブ・ラブ辺りの音楽は大好きなんで、そう言ったのを意識した選曲でやらせて頂きました。以下トラックリスト。前半はダブ系でゆったりと、中盤でアンビエントからトランシーなのに移行し、ラスト3曲の歌物でぐっと締めた感じです。選曲が偏っているけれど、どうしても自分はそこからは逃げられないのです。

Nightmares On Wax - Les Nuits
Primal Scream - Screamdelica
Massive Attack - Be Thankful For What You Got
Primal Scream - The Big Man and the Scream Team Meet the Barmy Army Uptown
The Orb - Towers Of Dub (Live)
Primal Scream - Higher Than The Sun
System 7 - Davy Jones' Locker
Reload - La Soleil Et La Mer
The Orb - Assassin (Live)
Orbital - Halcyon (Tom Middleton Re-Model)
System 7 - Night Owl
Denki Groove - Niji
Last Rhythm - Last Rhythm (Tom Middleton Re-Model)
Round One - I'm Your Brother
Larry Heard - I Need You
SWV - Right Here (Human Nature Remix)

フジカワさんや全玉 aka しょーこ+下川カユコ aka 中川ユカコのBack 2 Backは、ダンスロックやテクノ、レイブ物まで幅広い選曲で90年代を表現しておりました。自分には無いユーモアを持っているので、自分も見習いたいなぁ〜と思う事は多々あります。

そしてど平日なのに来て下さった多くの方々、どうもありがとうございました。やはり聴いてくれる方がいると素直に嬉しいし、DJにも力が入ります。これからも機会があれば、どしどし回せるようにしたいですね。
| EVENT REPORT2 | 16:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
DJ Yogurt & Koyas - Strictly Rockers Re:Chapter 30 -Harvest Dub Beats 70's To 00's MIX- (EL QUANGO:EQPB028)
DJ Yogurt & Koyas - Strictly Rockers ReChapter 30 -Harvest Dub Beats 70s To 00s MIX-
「レゲエ専門ではないDJ/クリエイターによるレゲエ・ミックスCD」の人気シリーズ・Strictly Rockersに、待ち侘びていたDJ Yogurt & Koyasのタッグが登場。店舗に出回るのは今週末だそうですが、早く聴きたくて先日クラブでヨグさんから直接購入。ダブ・レゲエを普段聴かない自分でもこのシリーズは購入する程にかっこいいシリーズなのですが、本作は今までの中でベスト3に入る位じゃないかと思う程に素晴らしい。DJ Yogurtと一緒に音楽製作をしているKoyasがオリジナル曲にEditを施しそれを更にDJ Yogurtがミックスしたそうですが、奥深い空間を感じさせる残響音が効果的に響いていて、正にダブダブな世界が広がっております。前半は緩めのダブやレゲエで開放的かつまったり南国なムードに浸り、中盤からはプライマルの発禁になったレア曲などもスピンされ、シリアスなダブに流れ込む。更にそこからがDJ YogurtのThe Orb愛が炸裂する怒涛の流れで、The Orbのダブアンビエントが続々投入されてグルーヴィー度が一気にアップ。ずぶずぶ、トロトロ、ふわふわな夢想空間が浮かんで来て、極楽浄土へグッドトリップ&昇天。終盤ではまたテンションを落としてトロピカルなレゲエで、ふわりと終着点へと着地。最初から最後まで気持ち良過ぎるダブワールドが続いていて、こりゃまじでえーですよ。またトラックリスト以上に色んな曲がマッシュアップされていて、それも面白いね。

DJ YogurtのHPや音楽専門店で購入可能です。

Check "DJ Yogurt"

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| ETC3 | 07:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
2009/11/22 LIQUIDROOM and root & branch presents THE ORB @ Liquidroom
一年ぶりのThe Orb来日。去年はLe Petit Orb名義だったけど、結局The Orb名義のライブでもAlex Paterson+ Thomas Fehlmannのセットなんで、一体何が違うんだと突っ込みたい。

The OrbのライブまでThomas FehlmannのDJはすっ飛ばして、LiquidloftのラウンジでDJ YogurtのDJを聴いて楽しんでいました。昨日はLoftまでは何と無料開放と言う太っ腹で、そのせいかはどうか分からないけれどオープニングのDJ Yogurtの時から結構客が入っていて、彼のプレイにも熱が入っておりました。アンビエント、ダウンテンポ、ダビー系、ディスコ物?、ディープハウスと徐々に変容をしていたけれど、これがめっちゃトロトロかつメロウで気持ち良かったぁ〜。今までは彼のアンビエントな音をそれ程聴けていなかったけど、昨日のプレイはSecond Summer Of Loveの天にも昇る心地良さが吹き荒れていて、やはりThe Orbの来日に合わせたのかなと感じさせる音でした。途中で愛の夏のウルトラアンセム"Can You Feel It (Spoken Word : Dr. Martin Luther King Jr.)"とか回したりして、もう泣けてしまう。僕には夢はありませんが、クラブに夢はあると思います。
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| EVENT REPORT2 | 14:45 | comments(4) | trackbacks(1) | |
2009/11/20 AT-FIELD @ EFFECT
祝・脱DJ童貞!!

友達の下川カユコさんと全玉ちゃんが企画するAT-FIELDと言うパーティーでDJしました〜。自分が思ったよりも多くの人に遊びに来て頂いて、本当にどうもありがとうございました。ミキサーも持ってないんで当然繋ぎも出来ないので内心不安でしたが、取り敢えず自分の好きな曲をがしがしと回させて頂きました。う〜ん、レコードはやはりピッチ合わせや繋ぎが難しい…。後でCDJも使ったんだけど、BPM出るからレコードよりかなり扱いが楽でしたね。続きで回した曲やパーティーのお写真でもどうぞ〜
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| EVENT REPORT2 | 17:45 | comments(12) | trackbacks(2) | |
UPCOMING EVENT
2009/10/31 (SAT)
GRASSROOTS 12th ANNIVERSARY DAY 2 @ Grassroots
DJ : Altz, DJ Nobu, Keihin

2009/10/31 (SAT)
De La FANTASIA 2009 -Vol.ZERO- FANTASIA Night @ Liquidroom
Live : Lindstrom, Nikakoi aka Erast, AOKI takamasa, d.v.d
DJ : TOWA TEI, EYE, MOODMAN

2009/11/02 (MON)
Body & Soul 2009 @ ageHa
DJ : Francois K., Joaquin "Joe" Claussell, Danny Krivit
Live : JOI

2009/11/07 (SAT)
AIR & Primitive Inc. present DERRICK L. CARTER @ Air
DJ : Derrick L. Carter, Remi, Mako

2009/11/13 (FRI)
THE OATH @ Oath
DJ : Masanori Ikeda, DJ Yogurt

2009/11/14,15 (SAT-SUN)
音泉温楽vol.1 @ 渋温泉
ACT : DE DE MOUSE(アンビエント・セット), ASA-CHANG & 巡礼, 七尾旅人
渚ようこ, metalmouse(アンビエント・セット), SNOW EFFECT, コーヒーカラー
Double Famous DJ Team(坂口修一郎 / 高木次郎, サワサキヨシヒロ a.k.a Naturally Gushing Orchestra

2009/11/14 (SAT)
CLASH49 @ ageHa
DJ : Derrick May, Ken Ishii, Takkyu Ishino

2009/11/22 (SUN)
LIQUIDROOM and root & branch presents THE ORB @ Liquidroom
Live : The Orb
DJ : Alex Paterson, Thomas Fehlmann
Liquidloft : DJ Yogurt, Univesal Indiann, DJ Wada

31日はリキッドルームでもFANTASIA Nightがあるけど、Grassrootsのアニバーサリーも気になる。後者の方が断然安くて酒はいっぱい飲めるしな…、酒いっぱい飲みたいねん。7日のデリックカーターは絶対行くしかねーだろ、ゴリゴリワイルドシカゴハウス。14日の音泉温楽行きたいけど、予算的に厳しいかな。無理ならデリック+ケニシのデトロイトへの旅へ。22日のジ・オーブは絶対行く、ウルトラワールドを体感せよ。
| UPCOMING EVENT | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Orbsessions Vol.3 Baghdad Batteries (Malicious Damage Records:MD645)
The Orb-Orbsessions Vol.3 Baghdad Batteries
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前作から2年、Alex Paterson率いるThe Orbの最新作が到着。既に活動暦20年にもなるのにコンスタントに作品を届けてくれるのですが、新作は盟友・Thomas Fehlmannとの共作と言うだけあって実に質が高い。と言うよりも大傑作であった前々作・"Okie Dokie…"(過去レビュー)の続編と言っても差し支えないだろう。The OrbはAlex主導のユニットである事は間違いないが、そこに色んなゲストが加わる事で常に音楽性を変化させてきた。そしてFehlmannが参加した時の音に共通しているのは、知的でクールなテクノ一直線な事であろう。勿論この新作には、テクノ、レゲエ、ダブ、アンビエント、ポップ、様々な要素が詰まっている。しかしそれらの要素がFehlmannの前では理路整然と解体・再構築され、The Orbとしか表現出来ないウルトラワールドを創り上げているのだ。これは自分の予想だけど多分音作りはFehlmann主導で、後はAlexがミックスなり横から口を出したりしているではないかと思う。美しい粒子系上物ダブサウンドはどうしたってFehlmannの物としか思えないんだよね。レゲエとかのねちっこいリズムや奇妙なエフェクトは、やはりAlexの趣味なんじゃないかと予想。しかしこんなベテラン達がこんなにもエネルギーに満ちた新鮮なテクノを作るというのは、やはり天才だわ。

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| TECHNO7 | 09:30 | comments(4) | trackbacks(1) | |
2009/08/07 groundrhythm @ Air
映画「サマーウォーズ」を観てきました。内容的には「諦めない限り出来るっっ!!」みたいな熱血と、ちょっとだけ恋のモードが入った青春映画。内容的に絶賛する物は無いんだけどテンポ良く進むしドキドキしながら楽しめました。しかしCGで描かれる仮想空間はなんだか村上隆ぽかった。あと貞本義行がキャラ原案の割には、そんなにヒロインが可愛いくなかったな。

その後友人と新宿で飲んだ後、一人でAIRの最古のパーティーであるgroundrhythmに足を運ぶ。最初はPsychedelic bus a.k.a HIROKI MURAIと言うDJがプレイしていて、テクノ〜テックハウス系の選曲が多かったかしら。まだ時間が早いからアゲアゲにはしてなかったけど、じわじわと盛り上げていくスタイルで渋いんだけど疾走感があって良い雰囲気でこの後のライブに繋げてくれました。

そして本日お目当てのJebski & DJ Yogurtのライブは2時過ぎから。曲は3〜4曲、正味30分弱のライブでしたが、新曲である「Another Gravity」と「Nile」を披露。 「Another Gravity」はピアノの旋律が爽やかな夏を連想させる疾走感溢れるテックハウス、「Nile」は大仰なブレイクが炸裂するミニマルちっくなテックハウスで、どちらもピークタイムにもってこいのアゲアゲな感じ。ナイル川の氾濫ならぬ音の、恍惚の、多幸感の氾濫。フロアに充足感が満ちていく。あぁ〜夏だね〜。と言った感じで凄い盛り上がりました。そしてもっともっと長くライブを聴きたい、そんな気持ちになりました。

その後はレジデントである井上薫のDJプレイが3時間程。一番最初はサービスなのか、"Another Gravity(Kaoru Inoue Remix)"をプレイして、そこからプログレッシヴハウス系でずんどこ盛り上げていた気がしますが、睡眠時間が足りなくて途中で睡魔に落ちてしまう。朝方聞き覚えるのあるメロディーが流れてきた…"Incident"だぁぁぁ!これ一発で目が覚めるのだから、自分の耳にびっくりだわ。そしてOrbitalの"Chime"!!!うげぇぇ、すっげー多幸感溢れる朝じゃないか。しかしやはり薫さんの最近の趣向はテクノとかの電子音系で、テックな感じでぐいぐい引っ張られて盛り上がりますね。5時以降になるとちょっとディスコっぽいのも流したり、フロアも和やかなムードに。サマソニ中のせいか集客はぼちぼちと言ったところですが、groundrhythmは変な客が少なくて本当に音好きな人が集まっている感じで良いですよね。これがAIRで長らく続けられる所以なのでしょう。

■Groundrhythm 2 Mixed By Kaoru Inoue(過去レビュー)
Groundrhythm 2 Mixed By Kaoru Inoue
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| EVENT REPORT2 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Spirit Catcher - Coast2Coast (NRK Sound Division:NRKCD044)
Spirit Catcher-Coast2Coast
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たっましぃ〜を掴みし者!って事でNRKのCoast2Coastシリーズの最新作は、ベルギーのディスコテック大使・Spirit Catcherが担当。彼等が鳴らす音楽はまるでディスコの様に煌きと輝きがありつつも洗練された華々しさを持ち、フロアでも聴衆を歓喜の渦に巻き込むドラマティックなテックサウンドが特徴なんですが、DJの方でも割かしとそんな特徴は受け継いでいるみたいです。やはり綺麗目のテック系やミニマル系が中心で、まるで雲一つ無い空の透き通るような透明感と清涼感に包まれて、ヨーロッパの典型的なテックハウスを十分に味わえる選曲ですね。ただ以前のMIXCDにも感じた事なんだけれど、どうもこの人達はDJ気質ってよりはアーティスト気質なんでしょうかね?良い選曲だとは思うんだけど、余り展開が無くて全体的にのっぺりしていてイマイチどっかんっと盛り上がらないのが残念。終盤は少々上げ目にはなるけれどパンチは弱く、メインフロアよりはラウンジとかで緩めに流れているミックスと言った風に感じられてしまうのですね。やっぱり序盤は緩めでじわじわ、終盤はアゲアゲってのが僕は良いと思うのですが、どうなんしょ。ミックス仕様、DJユースの為のアンミックス仕様の2枚組み。

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| HOUSE4 | 09:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Loco Dice - The Lab 01 (NRK Sound Division:LAB001)
Loco Dice-The Lab 01
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正直昨今のミニマル流行には食傷気味なんだけど、このLoco Diceは最近人気あるらしいんで取り合えず買ってみた。Sven Vath、Luciano、Richie Hawtin、Ricardo Villalobos辺りとつるんでいるみたいで、ミニマル系の中ではかなりの評価を得ているDJらしいです。本作は良質なハウスを中心にリリースするNRKが新たに立ち上げたMIXCDシリーズ"The Lab"の第一弾で、時代はハウスよりもやはりテクノとミニマルと言う事なんですかね。一枚目は幾分かどんよりムードで深みを感じさせるミニマルが中心で、昔の過激なミニマルとは全く以って異なっている。リズム中心のハイテンションな旧ミニマルに対し、なんつーかここら辺のミニマルってどうも薄っぺらくてペナペナに感じられて軟弱なイメージを払拭出来ないんだよね。中毒的な恍惚なり気の抜けたパーカッションの独特な気持ちよさはあるし品質の高さは分かるけれど、テクノの衝動的なパワー不足なのは否めないな。もっともこんな音を作ってる人達もパワーよりも聴かせる事を目的に作っているんだろうけれど、かと言って心にぐっと来るようなソウルがあるかって言うとそんなのも感じないし。取り合えず一枚目からはLoco Diceなりの個性は聴こえてこない。それに対し二枚目の方はミニマルでありながらハウスの心地良いグルーヴを前面に打ち出したミックスで、緊張感は無くむしろ薄っすらと甘い情緒さえ感じられるメロディアスな内容。勿論エレクトロニックで冷たい感触は一枚目と一緒なんだけど、そこにソウルフルな旋律もあって感情が揺さ振られたりもする。衝撃の無いミニマルであったとしても、そこにファンキーなりソウルフルなり感情的な音があった方が、自分には合うのかなと思います。またハウスとテクノの絶妙な混ざり具合も好きですね。しかし一体ミニマル流行は何時まで続くのかね?

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| HOUSE4 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - The BBC Sessions 1989-2001 (Universal Island Records:5311516)
The Orb-The BBC Sessions 1989-2001
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マスゴミに圧力かけて北野誠を追放したと思われるSK学会はまじで基地外。朝鮮と一緒にどっかの孤島に隔離すべき。つかね、マスゴミも学会なんかに屈してどーすんのよ。そんなんじゃもう誰もTV見なくなるわな。俺は何年も前からNHKを除いて、アニメ以外は殆ど見てないけどな。

発売は去年で購入していたものの、棚の奥底に眠っていたThe OrbのBBC Sessionsのライブ盤。放置していてごめんなさい。でもThe Orbのライブは、精神がどこかにぶっ飛んでしまうくらい凄いよ。アルバムよりもライブにこそ彼らの真骨頂が感じられるのは、やはり大ネタ使いのサンプリングが聴けたり、色んな音がよりごった煮状態になっているから。89〜01年までの12年間の彼らの軌跡が、この2枚組みの中にその場その時の空気まで一緒に閉じ込められています。一言で言うとドラッグでぶっ飛びすぎたウルトラアンビエントワールド。阿鼻叫喚と恍惚の間を右往左往し、天上から地獄までを巡る亜空間ハイパーダブ。ドロドロの快楽の沼に落とし込まれる"Little Fluffy Clouds"、ドラッグ決めまくりなオーブ流トランス"Assassin"、レゲエとヒップホップをダンサンブルに仕立て上げた"Perpetual Dawn"、かと思えば涅槃の境地に辿り着いた神々しい世界が垣間見える"Towers Of Dub"や"O.O.B.E."もある。そして何より彼らの代表曲"A Huge Ever Growing"こと通称"Loving You"だ。20分にも渡る夢と現実の狭間の音の洪水。ピンクフロイドやミニー・リパートンの曲、ボイスサンプルや飛行機のSEなどをふんだんに散りばめた絶対無敵のアンビエント。まさか誰がこんな壮大で非現実的な曲を、Alex Paterson以外で思いつけるって言うの?これがデビュー盤だって言うんだから、驚愕としか言えまい。もしまだThe Orbのライブを体験した事がない人は、是非ともこのライブ盤を聴いて彼らのライブに足を運んで欲しいと思います。そこにはきっと四次元空間が待っているに違いない。

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| TECHNO6 | 06:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
John Tejada - Fabric 44 (Fabric:FABRIC87)
John Tejada-Fabric 44
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時代はミニマルです。ミニマルが溢れ過ぎています。その中でオリジナリティーを捻り出せるのは極少数の才能あるアーティストだけですが、John Tejadaも彼独自のドラッギーな音が特徴的なオリジナティーを持った才能あるアーティストです。現にPoker Flat、Sino、7th Cityなどの老舗レーベルからもリリースされる程なので実力は推して知るべしですが、その実力を買われてか人気MIXCDシリーズのFabricに遂に登場。出だしから3〜4曲目辺りまででいきなり美しくも儚いテック系の曲でピークを迎える驚きの展開ですが、それ以降がTejada独自の不穏気な変態ミニマルが炸裂。ギトギトで毒々し怪しく光るシンセが入る曲が多めで、麻薬の泥沼に引き込まれるような中毒性の高いトラックが連発。気持ち良い状態を追い越して行き過ぎた感もあるドラッギーな状態で、ねちねちと暗黒の世界に陥ります。そこから終盤に向けては多少綺麗目のテック系に持ち直して、毒気が抜けて清涼感のある風が吹き込んできます。中盤の暗黒世界とは逆転した快楽的なエンディングが待ちわびていて、何とか救われた気持ちになれる表裏一体型のMIXCDですね。しかしながらやはりこれだけ強く印象に残るのは、やはりTejadaが自分の世界観を形成している証でしょう。またMIXCDなのに自分の曲を4割程も回していてエゴも感じるけれど、それだけ自分の曲に自信も持っているんですね。派手ではないけれど、スルメみたいな味わいのあるミニマル〜テック系のプレイでした。

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| TECHNO6 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
ENJOY THE SILENCE (Mule Electronic:mecd15)
ENJOY THE SILENCE
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テクノと言うとやはり圧倒的に海外のレーベルが精力的ですが、日本でもMULE MUSIQは世界規模で評価を得ているレーベルの一つだと思います。Kompaktが配給を行っている事からも分かる通りKompaktと共鳴する音も持ち合わせており、魅力的な作品をリリースし続けております。そのMULE MUSIQが現在テクノシーンで高い評価を得る面子を一気に集結させ、更には全曲新曲と言う豪華なアンビエントアルバムを制作してしまいました。参加メンバーは日本からはKoss a.k.a. Kuniyuki、Hiroshi Watanabe、KompaktからはThomas Fehlmann、DJ Koze、デトロイトフォロワーのVince Watson、独創的なエレクトロニカを展開するJan Jelinekなどぐうの音も出ない人達。彼等のトラックに関しては当然荘厳で美しいアンビエントが展開されているので説明は割愛しますが、それ以外にも良質なトラックがごっそり収録されています。初めて聞く日本人アーティスト・Takuwanは、美しいシンセサウンドがふわふわと揺れ日本的な侘び寂びも感じさせる神秘的なトラックを提供。Benjamin Brunnは奥深くバックでクリッキーな音が鳴り、表層ではチェロと思われる弦楽器がクラシックを思わせる音色を奏でる生っぽいアンビエントを展開。DJ SprinklesことTerre Thaemlitzは哀愁漂うピアノがどこか切なさを誘う枯れたアンビエント、ってこの曲は彼のアルバムに収録されていた気が…。Strategyは重苦しいシンセのヴェールに覆われた中に、宝石の様にキラキラと輝くシンセが散りばめられたトラックで、教会の中の神聖で厳かなムードを感じさせます。アンビエントと言う括りではあるけれど、どれも享楽的な方向に向かうのではなく非常に真摯で芸術的な赴きを感じさせるのが特徴ですね。MULE MUSIQ、今後も注目しておいて損はありません。

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| TECHNO6 | 06:40 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Terre Thaemlitz - You? Again? (Mule Electronic:MULECD007)
Terre Thaemlitz-You? Again?
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昨年リリースされたTerre ThaemlitzのDJ Sprinkles名義のアルバムはディープかつ情緒的な作風でとても素晴らしかったので、彼の作品を色々と購入してみた。このアルバムは1993〜2002年頃まで彼の運営するレーベル・Comatonse Recordingsからリリースされた彼の別名義の曲を集めた内容で、コンピレーションもしくはベストと言えるアルバムみたい。率直に言って派手でなくかなり地味なハウス中心なんだけど、侘び寂びを感じさせる枯れた味わいはボディーブローの様に地味に心に染みてくる。Larry Heardほどにはソウルフルではないけれど、そこにはLarryの音楽観にも共鳴する素朴な心情が感じられる。基本的にはシカゴハウスの延長的なシンプルな作りなんだけど、そこから狂気を取り去って耽美なピアノなどを入れて深遠な美しさを強調しているね。静寂の中を音が広がって行く様な空間を感じさせる音響で、表相上は重たい音楽ではないけれど実は濃いみたいな。Terre Thaemlitって音楽に対して几帳面と言うか真面目と言うか、愛の感じられる人だなって伝わってくる。

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| HOUSE4 | 05:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2008/12/12 root & branch presents UBIK @ Unit
年末はパーティーいっぱい、夢いっぱい、Le Petit OrbとMoodymann+Moodmanが被ってこれは悩ましい。結局Moodymannは去年行ったから今年はオーブで。クラブ行く前にみんな集合して飲み屋で飲んでいたんだけど、なんだかお洒落なダイニングだったので気分はそわそわ。男だけで飲む時は赤提灯みたいな所だし、一人で飲む時はバーで黙々と飲んでいるので、慣れない所だと緊張します。S田さん、僕の分を含め奢って頂きありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

24時開演だったのでそれに合わせて入りましたが、今回は激混みでもなく丁度良い客の入りで良いムード。最初はThomas FehlmannのDJタイム、ねちっこく濃厚に、重くダビーに効いてくるKomapktスタイルな印象。硬派、ストイックでいかにもテクノ的な音なんだけど、どこか妖艶さと知的さを含んだプレイは親父の枯れた味わいですね。なんとOctave Oneの"Blackwater"も回したりして驚きましたが、彼が回すとデトロイトっぽいと言うよりはねちっこくなるので不思議。去年のライブも盛り上がっていたけれど、DJも良いなんて憧れます。途中フロアでぶらぶらしていたら目の前にAlex Patersonが?!

自分:「ア、アレックスですよね?(英語で)」
アレックス:「Ye〜〜〜s(みたいな)」
自分:「オーブ、超大好きっす!!(英語で)」
アレックス:「サンキュー(みたいな)」

とそんなオーブ馬鹿になって少しだけ何か話しました。アレックスも色々言ってたんだけど、自分も酔ってたし難しい英語までは理解出来ないから、良く分からんかったわ。やっぱり英語はしっかり勉強しないとね。そういやアレックスが居たから近くに居た女の子にアレックスが目の前にいるよ〜っと教えてあげたら、「誰それ?」みたいな反応でオレが白い目で見られましたよ。ちょっと寂しい…(まあ大概の女の子はそれが普通なんだろうけど)

その後はAlexとFehlmannが合体してLe Petit Orbのライブが開始。ちょっと酒飲み過ぎて音の記憶が断片的にしか無いので、説明が出来ん。ダンサンブルでぶっ飛んだ亜空間テクノって言っておけば間違いなさそうだけど。最後のAlexのDJもそんなに記憶が無いのだけど、色々回していたような??自分はグダグダだったんでレポートも適当、最近ダメだね…。取り敢えず一晩中踊れる楽しいパーティーだったとは思いますよ。60近いおっさん達なのにほんとエネルギッシュで素敵。

■The Orb - Okie Dokie It's the Orb on Kompakt(過去レビュー)
The Orb-Okie Dokie Its the Orb on Kompakt
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■Thomas Fehlmann - Honigpumpe(過去レビュー)
Thomas Fehlmann-Honigpumpe
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| EVENT REPORT1 | 08:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Art Of Dance : Exhibits (Substance:SUB4806.2)
Art Of Dance : Exhibits
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最近Planet-Eから最新アルバムが出たばかりのKenny Larkinですが、ネットで他の作品と一緒に注文したおかげで発送が遅れております。安いのがメリットのネット注文にも弱点はあるのでした。しょうがないのでKenny Larkinが運営していたArt Of Danceと言うレーベルのコンピを紹介します。内容はSean Deason、Kosmic Messenger(Stacey Pullen)と、そして残りは全部Kenny Larkinの変名と、ある意味Kenny Larkinの作品と言っても差し支えないでしょう。時代的には10年以上前の作品だから、音自体はちょっと古臭さも漂う懐かしめのデトロイトテクノが満載。まだKenny LarkinがWarp RecordsやR & S Recordsから作品をリリースしていた頃の音源なので、アーティフィシャルインテリジェンス系のピュアテクノっぽさもあって個人的には好きです。デトロイトの人達の音ってそんなに作り込まれていなくてむしろラフな位なんだけど、そのチープな中にもソウルが込められていて心にぐっと来るトラックが多いのです。未来を見据える事も大事ですが、たまには過去の懐かしさの余韻に浸るのも一興。

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| TECHNO6 | 14:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fuse Presents Adam Beyer (Music Man Records:MMCD032)
Fuse Presents Adam Beyer
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ベルギーのテクノクラブ・Fuseが送るテクノミックスシリーズの最新作は、ハードミニマルからクリック・ミニマルに見事に転身したAdam Beyerが担当です。しかしかつてはPrimate RecordingsやDrumcodeなどから激ハードなテクノをリリースしていたベイヤーが、今ではCocoon、Wagon Repair、Plus 8などからディープでミニマルな作品をリリースしてるんだから、テクノと言うシーンにおいて音の移り変わりは全く予想出来ないですね。当然このミックスCDでもかつてのハードな展開は封印されて、今風のミニマルセットが中心。流石にこの手の音は溢れてきているのでともすればオリジナリティーを発揮出来ずに数多くの凡作に埋もれてしまう可能性もありますが、ベイヤーに関してはそんな事はなさそうです。かつてのハードな縦揺れグルーヴから腰にくる横揺れグルーヴに変わってはおりますが、引き締まった硬質なリズムトラックと相まって程良いノリを生み出しています。また派手な展開は無くモノクロームで廃退的な音ばかりで、それがかつてのハードな音の代わりとなってストイックな音を表現しているので、これはこれで格好良いと思います。現在のミニマル勢の中では割と好感が持てるテクノ寄りな音でしょう。

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| TECHNO6 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Luciano - Fabric 41 (Fabric:FABRIC81)
Luciano-Fabric 41
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現在のミニマルシーンにおいてRicardo Villalobosと双璧を成すチリアンミニマリスト、Lucianoの最新MIXCDは人気シリーズのFabricから。名シリーズ、そして名アーティストの作品なんでリリース前から良作を予想していましたが、やはり期待を裏切らずに最前線で活躍するミニマリストらしい本気度の高い内容。ミニマルと言ってもドイツで流行っているドープなミニマルではなくて、パーカッション中心のどちらかと言うとファンキーな要素の大きいミニマル。パーカッション自体の響きがドライで、その上のらりくらりと酩酊じみた足元のおぼつかないふらふらしたテンションなので、どうにも無味乾燥なムードが漂っておりますが、その緩さが逆にジワジワと効いてくる感じ。中盤ではぐっとアダルティーな色気を帯びて感動的な盛り上がりを見せ、デトロイトテクノを注入しつつラストまで突っ走ります。全体的にシカゴハウスっぽいスカスカな構成なので、胃もたれせずに最後までBGMみたいに聞き流せてしまうのも好感触。現在のクラブミュージックシーンではどこもかしこもミニマルで溢れていますが、独特なグルーヴを生み出す数少ないオリジナリティーを持ったDJとしての実力を感じさせます。16曲中5曲も自身のレーベルであるCadenzaの音源が使われているのですが、それもまたレーベルの質の高さの証明と言う事でしょう。

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
The Orb - Orbvs Terrarvm [Original Recording Remastered] (Universal Island Records:530 674 2)
The Orb-Orbvs Terrarvm
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二年位前からAlex PatersonことThe Orbのアルバムがデラックスエディション化されリイシューされているのですが、オリジナルアルバムを持ってなかった人達はこの機会に購入されると良いと思います。何と言っても未発表曲等が収録されたボーナスディスク付きなのですから。自分もこの機会に4枚目のオリジナルアルバム"Orbvs Terrarvm"を買い直しました。と言うのも以前所持してたんすけど、つまらなく感じて一度売っ払ってしまっていたのです…。Alex Paterson様、すいませんでした。なんせこのアルバムはパターソンの一番のお気に入りでもあるらしく、聴き直したら意外にも良かったですわ。The Orbと言えばアンビエントテクノながらも、ダブやレゲエ、ヒップホップの要素も取り込んだ作風が特徴なのですが、本作は意外とギャグも悪意に満ちたユーモアも振りかざす事なくアンビエントに忠実で、ノンビート又はビートの弱い曲が多くThe Orbの中では落ち着いた楽曲が多いと思います。その分音色の美しさが強調されていて、360度の方向から七色の光線が降り注ぐような色彩に包まれて、音の洪水に意識も飛ばされてしまいそうです。毒気や中毒性は無くとも快適性・快楽性に関してはThe Orb史上最大級かもしれないですね。とそんな調子でボーナスディスクを聴いてみると、こちらの方は普段のThe Orbらしく天と地を行きかう様なハイパーダブが披露されていて、相変わらずのぶっ飛び加減。ぐっちゃぐちゃの壊れ気味でダビーなリズムトラックは、やはりレゲエやダブの影響を感じさせますね。どう考えても葉っぱ喰ってんだろと突っ込みたくなります。

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| TECHNO6 | 18:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Francois K. - Masterpiece (Ministry Of Sound:MOSCD150)
Francois K-Masterpiece
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ゲップが出る程のテクノ三昧!!テクノの大洪水!!

UKクラブミュージックの老舗・Ministry Of Soundが送る新シリーズ"Masterpiece"の第一弾は、なんとこちらもクラブミュージックの大御所中の大御所・Francois Kevorkianが担当。最近彼がテクノ化しているのは周知の事実ですが、本MIXCDでも彼のテクノ趣味がばりばり前面に出たテクノミックス3枚組みの超大作。いくらなんでもゲップが出るくらいのボリュームだわな。しかしもうフランソワも完全にテクノが板に付いて来たと言うか、もうテクノDJ一本でもやっていけると断言出来る位テクノなDJになりましたね。CD3枚組みの大作だけど各ミックスごとに特徴があって、決して飽きずに聴けるどころかそれぞれの魅力にぐいぐい引き込まれる内容となっております。

CD1の"Napoli"はプログレッシヴハウス色が強めに出た大箱でのプレイを意識した壮大な展開で、じわじわとドラッギーな音が効いてきます。少々派手な気もするけれど、今回はマニア向けではなく一般的な人向けに意識したと発言しているので、これはこれで良いのかなと。CD2の"Manchester"は一番テクノ色が強く、そしてデトロイトテクノ、またはそれに影響を受けた曲を多めに入れた内容です。アッパーに盛り上げつつもメロディアスな曲をふんだんに使っていて、泣きの旋律が入ってくる後半は感動物。オールドスクールな曲も使用していて、テクノへの敬意も感じられますね。そしてCD3の"Tokyo"ではコアなファンも忘れてないぞと言わんばかりに、普段のDeep Spaceワールドを意識した幅広いプレイを聴かせてくれます。テクノの中にダブアンビエント〜ディープハウス〜アフロハウスを落とし込み、横揺れグルーヴとファットな低音でゆらりゆらりと体を揺さぶる好プレイ。個人的にはCD3が一番ディープで、ゆるゆるな浮遊感に包まれ気持ち良いと思います。

テクノと言う枠組みの中で自由に羽ばたきを見せるフランソワ、老いてなお盛んなDJであります。"Masterpiece"と言う主題が付いたこのシリーズですが、正にそのタイトルが相応しいテクノの指標となるべきMIXCDですね。

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| TECHNO5 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(3) | |
The Orb - Back To Mine (DMC Publishing:BACKCD12)
The Orb-Back To Mine
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クラブで踊り狂って聴くだけがテクノではなく、家の中でまったり寛ぎながら聴く事が出来るテクノ。電子の音を心落ち着かせ静かに聴いてみるのも乙だと思います。この"Back To Mine"シリーズはパーティーの後、家に帰り喧騒の後の余韻を楽しむ為の音楽、みたいなコンセプトのMIXCDなのですが、ここで注目すべきはThe OrbのAlex Patersonが手掛ける本作。ネットで色々読んだ話だと実際のDJではテクノに限らず何でも回すぶっ飛んだプレイらしいですが、本作では良い意味でリラックスしたムードにまとめていて彼の普段のアンビエントな雰囲気が好きな人にはすんなり受け入れやすい内容となっております。冒頭ではAphex Twin、Charles Webster、Juno Reactor、B12などのテクノ、トランスで一見普通なのですが、その後突如ヒップホップやフォーキーな曲が入ってきます。ですが、特に違和感も無いのは全体的に牧歌的なムード漂う曲を選曲しているからでしょうか。その後もノンビートなアンビエントやエレクトロニカっぽいものまで無秩序に投入されますが、ジャンルはばらばらなれど何にも違和感が無いのは不思議。まあMIXCDと言っても大した繋ぎをしている訳でもないのである意味ただのコンピなのですが、選曲センスがやはり良いんですよ。このCDを聴いている間だけは時間がゆっくり進んでいるかの様な感覚に陥り、確かにパーティー後の安らぎの空間を的確に表現しているんじゃないでしょうか。しかしこういうのを聴いていると、クラブでのチルアウトルームに行きたくもなってしまいますが。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tom Middleton - Renaissance 3D (Renaissance:REN40CD)
Tom Middleton-Renaissance 3D
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昨日に引き続き今日も大作MIXCDなので聴くのもレビュー書くのも正直しんどい。そんな作品を手がけたのは90年代の輝けるアンビエントシーンを築いたGlobal Communicationの片割れ・Tom Middleton。この人かなり多くのMIXCDを手掛けていて、まあ当たり外れがあるんだけど本作は当たりに属す内容だと思います。しかし本作を聴いて思うのは、もはやTomにGCの過去の栄光を求める必要も無く、アンビエント性が無くとも素晴らしいアーティストだと断言出来る事。本3枚組みCDではクラブでのプレイを意識した"Club"、彼のスタジオワーク集である"Studio"、そして彼のお気に入りの曲を集めた"Home"とそれぞれコンセプトを明確にし違った内容を楽しめる物になっています。

まず"Club"、DJプレイを意識しているだけあって4つ打ちでグルーヴィーですが、結構ハウスビートが強めでスムースなプレイは心地良いですね。透明感、恍惚感に溢れたテックハウスを多めに使用し、上げもせず下げもせず比較的緩やかな波を作りながら舞い上がる様なプレイ。勿論クラブで聴いても絶対気持ち良いのだろうけど、部屋の中で晩酌しつつ聴いてもうっとり出来る内容ですよ。

対して"Home"ではTomの好きなようになんでもかんでもごちゃ混ぜなプレイで、テクノ、アンビエント、ダウンテンポ、ブロークンビーツなどが一つのミックスの中に存在しています。全く統一感の感じられないプレイですが、これはTomにとって思い入れのある曲や特別な意味合いを持つ曲を選んだ為でしょう。哀愁じみた懐かしさが沸いてくるメロウな内容で、チルアウト的な感覚で受け入れられると思います。

そして最後は彼の作品やリミックスワークを収録した"Stuido"ですが、アルバムリリースの無いCosmosやThe Modwheel名義での曲が収録されているので、大変嬉しい内容ですね。しかしここでの彼の仕事を聴く限りだと既にアンビエントには心あらずと言った感じで、アッパーでキャッチーなハウスが最近の彼の作風なんでしょうかね。内向的だったGCから比べると全く正反対な外向的かつオプティミスティックな音は少々戸惑いも感じますが、美しいシンセの使い方などは昔と変わらず今も冴えています。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Darren Emerson - Global Underground 015 Uruguay (Boxed:GU015CD)
Darren Emerson-Global Underground 015 Uruguay
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中古5枚1000円で買った内の一枚、元Underworldのメンバーと言う説明も不用な位有名なDarren EmersonのMIXCD。ダレンと言えば以前ageHaでプレイした時には、客の空気読みまくって"Cowgirl"とか"Born Slippy"とかかけちゃって自分の中ではかなり評価落としたんだよなー。メタモでも同様に"Born Slippy"かけちゃったらしいけど、インタビューでは自分は本当はそうゆうのは回したくないって言ってたよ。ぶっちゃけそんな客層の事なんか考えないで、普段クラブでクラバーの為に回す時みたいにプレイすりゃ良いじゃんと思うんだけどね。

まあ以前のプレイが余りにもクラバーを舐めたプレイだったのでもう生で彼のプレイを聴く事は無いと思いますが、このMIXCDみたいなプレイをしてくれるのならまた聴きに行きたいとは思う。基本はテクノ寄りのハウスっつかプレグレッシヴハウスだけれでも、リズムはハウシーでも音はズンドコテクノ有り、ムードたっぷりのセクシー系有り、またはワイルドなシカゴ系まで意外にも音の幅は広いっす。プログレとは区分けされるDJだけどテクノの曲も結構多いので、自分には聴き易いっすよ。選曲の幅は広くてもごちゃごちゃした感もなく、滑らかに一曲一曲を大事に繋げて音楽の旅を体感させる内容ですね。そう言えばこの人、何時になったらオリジナルアルバムは出すんでしょうね?

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| HOUSE3 | 21:40 | comments(0) | trackbacks(0) | |
UPCOMING EVENT
2008/01/25 (FRI)
Taicoclub Presents So Very Show! @ WOMB
LIVE : Sleeparchive, Kuniyuki Takahashi
DJ : Fumiya Tanaka, Foog

2008/01/25 (FRI)
SQ presents FINE : Frogman “Cold Sleep” Party @ UNIT
SPECIAL LIVE SET : Quadra (a.k.a. Hiroshi Watanabe / Kaito), Hitoshi Ohishi
DJ : Kagami, Taichi Master, Toby

SALOON (B3F)
DJ : C.T. Scan (a.k.a. CMJK), Hirofumi Goto (a.k.a. Rondenion), Susumu Yokota, KEN=GO→
SPECIAL LIVE SET : Hulot, Jun Yamabe (a.k.a. Mexico), Riow Arai

2008/01/26 (SAT)
FACE presents ANDRE COLLINS JAPAN TOUR 2008 @ YELLOW
DJ : Andre Collins, Ryo Watanabe

2008/02/02 (FRI)
LUKE SOLOMON "The Difference Engine" Release Tour @ YELLOW
DJ : Luke Solomon, Remi

2008/02/07 (THU)
SPiN30 : ElecTek @ YELLOW
Guest DJ : Rennie Foster
DJ : DJ Khadji, Shigeru Tanabu

2008/02/08 (FRI)
Orbdjsessions feat. Alex Paterson & Thomas Fehlmann @ UNIT
DJ : Alex Paterson & Thomas Fehlmann

2008/02/08 (FRI)
King Street Sounds presents Kerri Chandler Japan Tour @ YELLOW
DJ : Kerri Chandler

2008/02/10 (SUN)
Deep Space @ YELLOW
DJ : Francois K.
LIVE : Henrik Schwarz, Kuniyuki Takahashi
| UPCOMING EVENT | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2007
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年は特に年末年始は予定が無いので、今日はDynamite!!でも見ながら酒を飲みつつ年を越そうと思います。ちなみにロシアン皇帝VSチェ・ホンマンなんて、でくの坊のチェに勝ち目なんてねーだろ。何て言いながらチェが勝ったらどうしよう…。そう言えば今年は長年お世話になってきたシスコがクローズしたり、クラブ営業への圧力が一層高まったり、クラブミュージックがどんどんと良くない状況になっているのを感じました。元々一般人には馴染みのない世界、音楽なのに更に追いつめられてどうしようもない状況ですな。まぁ中には一般受けにヒットしてるアーティストもいるので、今後はよりアンダーグラウンドとオーバーグラウンドで境が出来ていくのでしょうか。とにかく真夜中のクラブ営業だけは、法を改善して問題を無くして欲しいですね。何で24時間営業の居酒屋で飲むのは合法で、クラブで夜中に踊るのは違法なんでしょうね?意味の無い法律は必要ありません。

無駄口が続きましたが、これから2007年のマイベスト作品を紹介致します。でも昨日掲載した売上ベストに出ている作品は敢えて外してあります。それらの作品でも自分の年間ベストに入っている物はありますが、折角なので今日はそれ以外を紹介したいと思います。ベタなチョイスではありますが参考にして頂ければ幸いです。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 17:00 | comments(4) | trackbacks(2) | |
ele-king presents Wildman's House (Ki/oon Records:KSC3913)
ele-king presents Wildman's House
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acid over the rainbowのびびんばさんがお勧めしていたので、気になって購入してみた一枚。びびんばさんは自分の手が届かない痒い所をさり気なく紹介してくれるナイスなセンスを持ったお方です。音楽以外にもお酒の紹介もしてくれていて、飽きないブログで大変お勧めなんで是非ご覧になって下さいね。

さてまずタイトルに注目。はい、"ele-king"ですよね、知ってる方はオタク。現リミックス編集長の野田努がかつて発行・編集していたテクノ雑誌です。アンダーグラウンドな音楽を率先して紹介していた雑誌で好きだったんだけど、やっぱりアングラは売上が延びないのか廃刊しちゃったんですよね、残念。その"ele-king"の野田努や中田久美子(テクノ好きな写真家兼翻訳家でいいのかな?)らが選曲を行ったこのMIXCDですが、彼らによるとディープハウスを集めたとの事。まあしかし色々なアーティストがざっくばらんに入っていて、フレンチハウスのMotorbassにカナダのNick Holder(Track Heads)、デトロイトハウスのMoodymanとAlton Miller、ロンドンのPhil Asher(Basic Soul)、スウェーデンテクノのJesper Dahlback、ラテンハウスのBasement Jaxx、そして日本から横田進と田中フミヤ(Karafuto)とひとえにディープハウスと言えども一つにはまとめられない幅広さがあります。ここでの野田努のディープハウスとは"音楽性に意識的であろうとするアンダーグラウンドなハウス"を指すらしいが、確かに一般的に見ればアンダーグラウンドな選曲でも堅苦しい音楽を聴かせる訳でもなく、意外とノリの良いハウスが多くハッピーな気分で受け入れられると思います。かといって享楽的にただ盛り上げるだけのMIXCDとも違い、統一されたエモーショナルな雰囲気が自然と存在していて、そうゆう意味で確かにディープハウスなんだなーと感じました。昔の野田努はセンスが良かったなと感慨深くなる一枚。

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| HOUSE3 | 19:50 | comments(4) | trackbacks(1) | |
The Art of Chill 4 Mixed By The Orb (Platipus:PLATCD160)
>The Art of Chill 4 Mixed By The Orb
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アンビエントMIXシリーズである"The Art of Chill"の最新作は、アンビエントのマスター・The Orbが原点を見つめ直しそして現在をまとめた彼の自伝的な作品です。ライナーノーツを読む限りだと89年にAlex PatersonがPaul Oakenfoldに"Land Of Oz"のチルアウトルームでプレイする様に頼まれて、踊って熱くなったクラバーの体の火照りを冷ます為に新旧構わずチルアウトトラックを回していたそうな。その時のクラシックを中心としたのが一枚目、そして近年のアンビエントを中心としたのが二枚目と時代を隔てた構成になっています。一枚目はやはり古めの曲が多いせいかテクノと言うよりはポストロックやダブなども収録され、アコースティックな音が強調されております。チルアウトと言うよりは神秘的で神々しいオーラが出ていて、古き良き音楽に対し敬服したくなる、そんな真摯な内容ですね。対称的に二枚目は近年の音かつKompaktメンバーが揃っていて、これはテクノ好きな人ならばみんなハマル内容でしょう。大半がノンビートもしくは緩めのビートで、トロトロとただ甘くメランコリーで、電子の音だからこそ成せる幻想的な音を聴かせてくれます。アンビエントであり一時のチルアウトを体感出来る極上の内容です。いやー、最近出たニューアルバムより遙かに快楽度が高くうっとりしてしまいました。

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| TECHNO5 | 17:15 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - The Dream (Traffic Inc.:TRCP-14)
The Orb-The Dream
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傑作と謳われる前作「Okie Dokie…」(過去レビュー)ではThomas Fehlmannと手を組みThe Orbの新たなる面を見せつけ復活の狼煙を上げましたが、それから2年、今度は盟友YouthやSystem 7のSteve Hillageと手を組んだ新作がやってきました。前作では見事に研ぎ澄まされた知性を感じさせるKompakt流テクノだったのですが、本作はと言うと…古っー!!!Alex Patersonはぼけちゃったのか、とち狂ったのか?いえいえそんな事はありません。確かに初期を意識したレゲエ、ダブサウンドは時代錯誤感がありますが、内容自体は決して悪くないしぼちぼちと言った所かな。初期を意識してはいるけれど幾分かポップでドリーミーだし、1stがEでぶっ飛んだ世界なら本作はそこまでヤバイ空気はありません。アンビエントの要素も当然あるんだけれどもそれよりも僕はダンスミュージック的なご機嫌なグルーヴを感じたし、"夢"と言うタイトルの幻想的なイメージよりももっと悪ふざけしてニヤニヤしているAlexの顔が浮かんでくるよ。前作が余りにもシリアスだったその反動なのか、本作でAlexのお茶目な面が前面に出てきたのだと思います。サンプリング、ブレイクビーツもばりばり入っていてウニョウニョと横揺れ系のトラックが多く、The Orbの中でもかなり踊れる要素が高いかと。あ、でもなんだかTransit Kings名義のアルバムとも似てる気がしてきた。何にしても幾ら古くさい懐古的な音だろうが、これを聴けばAlexが未だ元気なの位は分かるよ。昔からのThe Orbファンなら本作を聴いて懐かしい気持ちになれるだろうし、昔の冗談の様に長い曲もないからこれからThe Orbに触れる人も抵抗は少ないのでは。

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| TECHNO5 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
宇宙からの歌、宇宙への音 (Rittor Music)
宇宙からの歌、宇宙への音
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宇宙、それは果てしなく広大で人知の及ばない未知の世界。老若男女問わず誰しもがその大きな存在に畏敬の念を感じ、そして人間は宇宙の前ではちっぽけな存在に過ぎないと思わせられてしまう。しかし昔から人間は宇宙に魅了され続け、ある者は星を観察しある者は壮大な物語を描き、そして音楽で宇宙を体現する者も。そんな宇宙を感じる音楽を集めたのが本書であり、ロックやヒップホップ、ファンクからジャズ、ワールドミュージック、そして一番宇宙がぴったりなテクノまで、ジャンルを越えて宇宙音楽を集めてしまった。しかし宇宙音楽とは一体?近未来的な電子音が鳴っていれば、それで宇宙?ただ想像力を喚起する瞑想的な物が宇宙?いや、そんなはずじゃないはず。無限の広がりをイメージした宇宙だってあれば、自分の心の中に存在するインナーシティーだって宇宙かもしれない。テクノのThe OrbやIan O'Brienと並んでプログレのPink FloydやHawkwindもいれば、VangelisやBrian Enoもいるし、ジャズのPharoah SandersやHerbie Hancookもいる。煮えたぎるファンクバンドのFunkadelicや"Planet Rock"で有名なAfrika Bambaataaも入ってるし、インドやアジアの民族・宗教音楽など馴染みのないものまで、とにかく宇宙、コズミック、スペーシーを喚起させる音楽ばかり。自分はテクノ、ジャーマンプログレには関しては頷く作品ばかりだったが、それ以外のジャンルに関しては知らない作品ばかりだったので、余裕が出来たら購入してみようと思った。ありそうで無かったコンセプトの本なので、誰でも楽しめるはず。

8/23追記
この本に載っているCDでいくつかは既に本ブログでレビューを掲載していましたので、リンクを張っておきます。
Steve Hillage - Rainbow Dome Musick
Harmonia - De Luxe
Cluster & Eno
Manuel Gottsching & Michael Hoenig - Early Water
Ian O'Brien - Gigantic Days
Global Communication - 76:14
Pub - Summer
| ETC2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Thomas Fehlmann - Honigpumpe (Kompakt:KOMPAKTCD59)
Thomas Fehlmann-Honigpumpe
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やっと注文していたThomas Fehlmannの新譜が届いたけど、予想以上にかっちょいいな。Kompaktってどんだけ〜?全く次から次へと素晴らしいテクノミュージックを、しかもアルバムでリリースするんだからそのレーベルの層の厚さには驚きですよ。さて、取り敢えずThe OrbのAlex PatersonやBasic Channelとも交流の深いベテラン中のベテラン、Thomas Fehlmannだけれどもその交流の為かやはりダブやアンビエントを基調にしつつ幻想的な空間を創り上げています。幻想的と言うとただ気持ち良いだけなイメージになりかねませんが、それ以上にここで聴ける音はトレンドとは全く関係の無いピュアな美しさ。以前から音の美しさ、音響の奥深さには定評があったけれど、彼が歳を経る毎に輝きを増すのはほんと異常な位。流行と共に消え去ってしまうアーティストが多い中、確実に自分の音を確立し音響美に磨きをかけてきたのでより輝きを増すのでしょう。Gas(=Mike Ink=Wolfgang Voigt)+The Orb+Basic Channelみたいなダビーでアンビエントなミニマルのテクノ…って、どんだけー?(良い所取りなんだよと)。よく見たらマスタリングはPoleことStefan Betkeじゃん、ここでもBasic Channel繋がりね。とにかく朝靄の中に迷い込んだ様な幻想的な景色が浮かんでくる新作は、またまたKompaktファンを増やす要因となる事でしょう。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Orbital - Live At Glastonbury 1994-2004 (ACP Recordings:ACP002)
Orbital-Live At Glastonbury 1994-2004
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キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ !
相当な数のテクノファンが待ちわびたであろうHartnoll兄弟が送るUK屈指のテクノユニット・Orbitalの、本当に最後の作品になるであろうライブベスト盤+DVD付きの3枚組をリリース。Orbitalと言えば初期のレイヴ等の大箱受けするトランスサウンド(ジャンルとしてのトランスとは異なります)が有名で、それからは次第にベテランらしい洗練された欧州産テクノに変容していき、ある1つのテクノの頂点を極めたと言っても過言ではないユニットです。極上の快楽をもたらすトランス的なメロディー、ハイパワーでハイエナジーなグルーヴが相まって、テクノを聴く誰もに最高の高揚感をもたらした解散した今となっては伝説的なユニットです。僕は初年度Electraglideで彼らのライブを体験したのですが、テクノのライブであんなにも圧倒的なエネルギーを感じた事は数える程しかありません。そんなOrbitalがUKの超特大フェスティバル・Glastonbury Festivalで行った5回のライブを収録したのが本作であります。ベスト盤とは言えあの曲やこの曲が入ってないなんて言う苦言もあるでしょうが、まあ良いじゃないですか。本作での個人的ハイライトは、公式音源では多分唯一であろう"Halcyon"にBon Joviを被せるセット。ライブではお馴染みのサンプリングなんですが、これがライブでしか聴けなかったんでCDで聴けるのは嬉しいです。Orbitalのユーモアと言うかサンプリングのセンスの良さを感じますね。あと久しぶりに聴いて気付いたのは、初期の頃の曲はTB-303のアシッド音をかなりバリバリ使ってたんですね。トランスサウンドの影に隠れて秘かに毒のある音も注入し、覚醒感を増量するその手法には今でも驚きです。CD2枚目の後半に移る内に次第に感慨深くなり、なんだか寂しさと懐かしさも込み上げてくる親父向けの内容だなー。ちなみにDVDの方では当然映像も楽しめるんだけど、こちらでは皆様が期待しているはずの八つ墓村スタイルのライト付きメガネを見る事が出来ます。これは…見れば分かる!w取り敢えずテクノファンは間違いなく買うべし!

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(5) | trackbacks(1) | |
Thomas Fehlmann - Good Fridge (Flowing Ninezer Onineight) (Apollo:AMB8951CD)
Thomas Fehlmann-Good Fridge (Flowing Ninezer Onineight)
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Kompaktからの新作がヤバイ事になってそうな感じの御代・Thomas Fehlmannですが、このApolloからリリースされていたベスト盤も相当にヤバイです。The Orbにおいての手腕、Basic ChannelのMoritz von Oswaldらとドイツにデトロイトテクノを持ち込んだ成果に依って才能を認められた彼ですが、Kompaktに身を移す以前から既に彼の音楽性と言うのは確立されたいた事が本作に依って証明されています。本作は彼の90〜98年の音楽活動の総集編とも言えるベスト盤なのですが、大半が未発表曲なのでオリジナルアルバムと言っても差し支えない内容ですね。最近の作品に比べると重厚さは稀薄ですがダビーな残響音の深さは既に表れていて、やはりBasic Channelとの親交の深さが見え隠れしています。そして何よりもえも言わせぬ美しい音、特に粒子の輝きの如く繊細でしなやかな上音は身も心も柔らかく包む様でふわふわと浮遊感を生み出しています。一言で言うと格が違う、さすがベテランだと言わんばかりの存在感。だからと言って気難しい音楽を聴かせるでもなく、むしろよりテクノの可能性の広がりを示唆していた自由性はむしろこの頃の方が上だと思います。テクノはクラブだけで聴くと思っている認識を根底から覆す奇想天外な構成で、まるで完全にコントロールされた知性を以てして創られたアートにさえ思う事でしょう。自由な音楽なのにコントロールされたとはこれ如何にとなりますが、フォームは無くともこの美しい音響はFehlmannの統治下にあるのです。Alex Paterson、Moritz von Oswald、Sun Electricが参加し、マスタリングはPoleことStefan Betkeとかなり豪華な面子が脇を固めており、その面子に違わぬ素晴らしい一枚です。

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| TECHNO4 | 21:45 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2007/05/26 KOMAMORPHOSE @ 東京大学(本郷)
メタモじゃないよ、コマモだよ!KOMAMORPHOSE!!!!
なんと東大の文化祭でUpsetsのDJ Yogurt、Kaitoでお馴染みHiroshi Watanabe、Kentaro Iwaki、元サニーデイサービスの曽我部恵一が出るイベント・KOMAMORPHOSEが行われたのです。最近じゃ大学の文化祭でこうやってダンスミュージックイベントを催すのは珍しくもないけれど、このイベントはなかなか通な人が主宰しているのでしょうね。文化祭だから出店も色々あるだろうし、面白そうじゃないですかと言う事で突撃してきました。
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| EVENT REPORT1 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - Pomme Fritz (Island Records:ORBCD1)
The Orb-Pomme Fritz
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普段全く運動しないせいか体は硬く贅肉も付いてきて歳を感じるこの頃ですが、リラックスの為去年からヨガに通っています。ゆったりとした動きで全身をくまなく動かすのですが、意外にもこれがじわっと効いて汗びっしょり。全然思った通りの動きが出来なくて、自分の体が硬い事を再度実感しております。体に良いのかどうかはまだ分かりませんが、精神的にもほっと出来てスピリチュアルで良いんじゃないでしょうか。

今日はそんなスローライフに合わせた音楽と言う事で、やはりThe Orb。アンビエントテクノでは必ず外せないThe Orbですが、本作は彼らの作品の中で評価が真っ二つに割れている作品です。と言うか一般的に不評なみたいで、僕も昔聴いた時は理解出来なくて一度売り払ってしまった経緯がありました。その後また興味本位で買った時には、半端ない衝撃を受けてThe Orbの隠れ名盤じゃないかと自分では思っております。一般的に不評な訳は心地良いアンビエント的な浮遊感は少なくて、音響工学に奔った様な音色の聴かせ方をしているからでしょうか。確かにサンプリングやコラージュを多用した音響は狂おしい程美しいのですが、肉体的に感じる心地良さは少なめだと思います。Alex Patersonの倒錯と偏屈、悪意と狂気を以てして、現実とは異なるパラレルワールドを展開し、聴く者を困惑させそして思考を麻痺させる。この音楽の前では考える事自体が無意味で、ただ音に身を委ねるしかする事はないのです。The Orbの中では異色度No.1の作品ですが、Thomas Fehlmann、Sun Electricも参加しているだけあってハマリ度もNo.1なのは確かです。

以下は収録曲のPVです。催眠的な動画でしたよ。



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※2008/05/26 追記
デラックスエディションの2枚組がリリースされました。2枚目には未発表リミックスなどが収録されております。
| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Apollo (Apollo:AMB926CD)
Apollo
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古き良き時代のテクノを再考してみる。多分テクノの黄金時代は90年前半、デトロイトテクノリヴァイヴァルとそしてヨーロッパでR & S Records、Warp Records、Rising Highが活気づいていた頃だと思っています。自分はリアルタイムで体験してないのであくまで想像ではあるのですが、この頃は目まぐるしく新しいテクノが生まれてとにかく凄かったのだと思っています。とは言いつつも今でも残っているのはWarp Redordsだけと言うのは、やはりクラブシーンは流行廃りのサイクルも早いのですね。その中で最もデトロイトとコネクションを作っていたのは、R & S Recordsだったんですよね。そしてそれ以外でも素晴らしいアーティストを多く抱えていて、昔はR & Sならとにかく買えみたいな流れが自分の中にありました。ストレートなテクノから変化を求めた革新的なテクノ、そして後期はドラムンベースまで幅広く取り扱っていて、節操は無くとも勢いはあったと思います。

前置きは長くなりましたがそのR & Sのサブレーベル・Apolloのコンピレーションは、久しぶりに聴いてみると古臭くはありますがアンビエントテクノの名作がづらりと並んで居る事に気付きました。リリースは93年だからそういやアンビエントハウス熱がまだ冷め切ってない頃で、今と比べるとアンビエントが無駄に乱立していた頃でもあります。しかしだ、一曲目のKinetic (David Morley Remix)がヤバスギ。Golden Girlsって言うアーティストが作った曲なんだけど、コレ実はOrbitalの片割れ・Paul Hartnollのユニットですよ。ちょっとエスニックでトランシーなメロディーが繰り返される幻想的な曲で、Orbitalの作品以上に快楽度が高いんですよ。これを聴くだけでもこのアルバムは買う価値があると断言します。ちなみにリミキサーのDavid Morleyのオリジナル楽曲も2曲も収録されていて、こちらもモロにアナログな艶のあるシンセ音が心地良し。他にもModel 500、Aphex Twin、The Orbらも収録されていて全編微睡みの世界ですな。ほんとにApolloも良い作品が多かったんだけど、時代の流れには逆らえず2001年頃にクローズしたと思われます、合掌。

ちなみにジャケットはデトロイトテクノでは引っ張りだこのAbdul Haqqが手掛けています。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
FFWD (Inter-Modo:INTA001CD)
FFWD
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市場ではかなり高額で取引されているアンビエントアルバム・FFWD。これを見ただけで何か分かる人は相当のマニア。実はRobert Fripp、Thomas Fehlmann、Kris Weston、"Doctor" Alex Patersonから成る最強のアンビエントユニットで、もし中古で販売されているのを見かけたら例え高額でもATMで即座に出金して購入すべきであります。一応アーティストの説明をしておくと、Robert FrippはKing Crimsonと言うプログレッシブロックバンドの中心人物で、その筋では頂点に君臨する偉大なお方です。で残りの3人はと言えばテクノ好きは周知の通り、The Orbに参加している人達。つまりはプログレ Meets テクノとも言えるユニットなのですね。音の方はエレクトロニック中心でアンビエントの一言でも説明出来てしまうのですが、The Orbの様なクラブ系サウンドとはまた異なりかなり自然回帰を意識した様な静謐な神秘を感じさせます。たゆたう音の揺らぎはまるで空気の揺らぎ、音の輝きは宇宙に存在する星の瞬き、まるで宇宙空間に放り出されたかの無重力な空間。神秘的で美しい音響空間は摩訶不思議な想像を喚起させ、今ある場所では無いどこか別の空間へのスピリチュアルジャーニーを誘起します。かなり濃厚なチルアルトでもあり寝る時に使えば、安眠出来る事間違いなし。こう書くとただ気持ちの良い作品と捕らわれかねないですが、一貫した作品の流れがありかなりコンセプチュアルです。天才達が織りなす奇跡の一枚。

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| ETC2 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
The Orb - Bicycles & Tricycles (Sanctuary Records:06076-84704-2)
The Orb-Bicycles & Tricycles
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今日は何もする事が無く暇な一日でした。何か痛快な音楽でも聴いて気分を盛り上げようとして選んだのが、アンビエントテクノの重鎮・Alex PatersonことThe Orbの7thアルバム。重鎮とは言っても一時期低迷していた頃もあったのですが、この作品位から吹っ切れたような爽快さが戻ってきたんですね。しかも痛快・爽快と言う言葉から分かる通り、この作品においてはアンビエントの要素は少なめ。どちらかと言うとオールドスクールなテクノにダブやトリップホップをぶち込んで、ごった煮にしたような踊れてハイになれる要素が多いです。まあThe Orbってアンビエントとは言われているけれど、元々ダビーな音響空間を生み出すプロダクションに長けてはいるので、その点から考えると以前と変わらぬ点もあるのでしょう。ただ今まで異なる点は、音が完全にメジャー化したと言うか表面的にはポップな曲が多いです(この点に関しては本人もメジャーレーベルからのリリースの為とコメントしてた覚えがあります)。良くも悪くも普通のテクノが好きな人なら誰でも聴けるようなメジャー感覚が溢れていて、The Orbらしい瞑想じみた奥の深い世界は無くなってしまったかの様に思います。だからと言って本作が嫌いかと言うとそうでもなく、むしろ個人的には結構気に入っています。メジャーレーベルに移った事で、結果的には迷走を振り切り明るく陽気でパワー全開なテクノへシフトし、どこを聴いても退屈な点などありません。"Hell's Kitchen"や"From A Distance"などが今作を象徴しているので、是非聴いてみてください。ちなみに日本盤と輸入盤では収録曲が異なるのですが、僕がコメントしているのはUS盤についてです。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(5) | trackbacks(0) | |
Angel Molina - Wax Sessions (Sonar Music:SM007-CD)
Angel Molina-Wax Sessions
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僕が普段聴くテクノのMIXCDと言えば一枚のCDの中に2〜30曲は曲を詰め込んだ、矢継ぎ早な物が多いです。曲の中の良い部分だけどどんどん繋いでいくと言うコンセプトに基づいているのですが、昨日紹介したSven Vathなんかは一曲を長めに聞かせるスタイルですね。別に長めに聞かせるのも嫌いではないのですが、そうすると選曲によって良い悪いの重みが増えてきます。今日は一曲を長めに聞かせるタイプで、意外に素晴らしかったMIXCD「Wax Sessions 供廚鮠匆陲靴泙后Angel Molina、90年初期から活動をしているスペインのテクノDJだそうです。スペインと言えばCristian Varelaの方が有名なんだけど、地道にAngel Molinaも活動しているらしいです。そんな活動の長さゆえか、過激なプレイをこれでもかと見せつける事もなく、深みがあり一枚のCDの中にストーリーを感じさせるベテランのプレイを残してくれました。まずはJeff Millsのディープなテクノからデトロイト系のAardvarckに繋ぎ、3曲目でJames Holdenを投入しサイケデリックな世界に引きずり込みます。そのままディープなミニマルで繋いでいく内に、あれ???いつのまにか太く上げ気味の4つ打ちに変調しているよ?中盤から後半にかけてはメロディアスでアッパーなテクノ、粗めのハードテクノを混ぜて上げ下げを用意し、最後までがつんと肉体を刺激してくれます。一曲を長めに聞かせるからこそ自然な繋ぎが出来ていて、これもMIXの醍醐味なんだなと思わせるプレイです。旬のアーティストもふんだんに使われていて大変素晴らしいですが、知名度の低さで損をして感じがありますね。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Transit Kings - Living in a Giant Candle Winking at God (Victor Entertainment:VICP-63534)
Transit Kings-Living in a Giant Candle Winking at God
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さー遂にやってきましたよ、コイツラが。The OrbのAlex Paterson+元KLFのJimmy Cauty+Pink Froydのセッションメンバー・Guy Pratt+エンジニア・Dom Beken=Transit Kings!!テクノ好きの人ならばご存じ、90年代においてアンビエントテクノをナショナルチャート1位に送り込む偉業を成し遂げたアンビエントの伝道師・Alex Paterson。そして様々な無断サンプリングを使用し、著作権解放前線として奇行を繰り返したJimmy Cauty。KLFの傑作アンビエントアルバム「Chill Out」(過去レビュー)ではAlex Patersonも手を貸していたとか、またThe OrbにおいてJimmy Cautyと共作したりだとか、昔から何かと縁のある二人が遂に再開を果たしました。

さてその最新の音はどうかと言うと、アンビエントハウスを全く含まない今更的なレトロテクノになっていました。リズムはブレイクビーツやドラムンベースがメインで、そこに派手なシンセ音やらサンプリングやらを取り入れ、90年代に戻ったかの様な錯覚を覚える音。Guy Prattらの影響かギターやドラムなどがふんだんに使われ、生楽器による生き生きとしたプレイも目立ちます。去年のThe Orbが出したアルバムみたいにシリアスで生真面目な点は無く、むしろThe Orbの初期のパロディーな作風が蘇った様にも感じられます。下世話で享楽的、メジャーにかなり足を突っ込んだレトロテクノなので、果たしてこれは今の時代に通用するのでしょうか?90年代のOrbitalやNew Orderらに共通する懐古さがプンプン。斬新な音を求めるのであれば受け入る事は出来ないでしょうが、馬鹿さ加減を求めるのであれば通用するのでは。

ちなみにアルバム制作完了直後に、Jimmy Cautyは早速脱退。相変わらずの奇行を繰り返してますね。

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| TECHNO3 | 22:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Josh Wink - Profound Sounds Volume 3 (Thrive Records:90746-2)
Josh Wink-Profound Sounds Volume 3
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自身が作るトラックは激ハイパーなアシッド作風が多く派手なのに、何故かJosh WinkのDJはかなり渋い。生で聴いた事がないから実際はどうかしらんけど、前作の「Profound Sounds Volume 2」(過去レビュー)も渋かったのに今作はより深く渋い。1枚目はクリックハウスから入ってきて、Winkまでもクリック熱にやられたのかと呆気に取られた。そこからはRichie Hawtin風のディープでウニョウニョなミニマルが続き、何故か中盤でLos Hermanosのラテンハウスが入る。しかし続くRadioheadのJosh Wink Remixでまたもディープな作風に戻り、最後まで淡々とミニマルな世界観が続きます。決して浮上する事はなく、地べたをずっと這いずり回るような重苦しさがあるね。2枚目は更にミニマルで多少ハードになったり、浮遊感のあるテックハウスを回したりするけれど、むしろ深く沈み込むダークな世界観に注目すべき。ハードミニマルの様に派手は展開はないけれど、一貫して暗黒の音に統一されたプレイには美学みたいな物を感じるね。クラブでもこんなプレイを本当にするのか疑問だけど、CDとしてリリースするなら家で聞く物だしこれはこれであり。テクノ系のDJプレイでここまで我慢してテンション上げないのも、ある意味珍しいかも。決してつまらないと言う意味では無くて、本当に彼のDJは素晴らしく激渋だよ。強いて言うならば今作はハウスグルーヴが強いので、今度はテクノ色が強いプレイを聴きたいな。
※Ministry Of Soundからは同内容で「Sessions」としてリリースされています。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Global Communication - 76:14 (Discotheque:DQFDD014)
Global Communication-76:14
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90年代のアンビエントシーンにおいて、The Orb、KLF、Mixmaster Morrisと並ぶ重要なユニット・Global Communication。かつてはAphex Twinとも活動していたと噂のあるTom MiddletonとMark Pritchardから成るユニットなのですが、前述の3人とはまた異なるアンビエントを繰り広げています。悪意とユーモアに満ちたThe Orb、ナンセンスなKLF、トラベラーズ志向のMixmaster Morrisに対し、Global Communicationは極めて真面目で音そのものの気持ち良さを追求している様に思います。このアルバムでは曲のタイトルに曲の演奏時間を付ける事により、無駄なイメージが働かないようにされ、より音その物から想像する喚起力を持っています。全編ほぼノンビートで構成されスピリチュアルなシンセ音が空間を埋め尽くし、謎めいた神秘の世界にいつのまにか誘われます。強烈な亜空間を生み出すでも無く、ドラッグでの快楽を生み出すでも無く、ただただ心地良い音色に耳を傾けるだけで良い。優しい夢の世界に身も心も任せてしまえば良いのです。

そして90年代の屈指の名盤ながらも廃盤となっていたこのアルバムが、2005年にスペシャルエディションとしてリイシューされたので、持ってない人は是非この機会に購入すべし。なんとボーナスディスクに、彼らのEPやリミックスワークを収録。アンビエント以外にもブロークンビーツやらハウスやらをやっていて、彼らの音楽性の広さを伺えます。ボーナスディスクも充実した内容で、これまら素晴らしいです。

2008/03/14追記:US盤は安いですがDISC1のみです。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Yagya - Will I Dream During The Process? (Sending Orbs:SO005)
Yagya-Will I Dream During The Process?
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今や懐かしドイツテクノ帝国の栄光・Force Inc.ですが、その中でも意外な人気を博していたのがYagyaです。「Rhythm Of Snow」(過去レビュー)と言うBasic Channelスタイルのミニマル+アンビエントのアルバムをリリースし、一部で絶賛の嵐を巻き起こしたアーティストであります。ところがどっこいForce Inc.の倒産と共にYagyaの活動もなりを潜め、また「Rhythm Of Snow」が廃盤となったせいでその音を聴く事の出来ない人の中でもより評価が上がっていくと言う現象が起きた様です。まあこのまま新作が出なくてもそれはそれで良かったのですが、何が起きたのか突然Yagyaが帰ってきました。路線的には「Rhythm Of Snow」とほぼ変化はないのですが、そちら程「雪」のイメージはないかも。内省的な感じが強くなりリズムも前作より多少強調されているかも。ただやはりくぐもった分厚いシンセサウンドとダビーな残響音が響き渡るリズムは健在で、一人瞑想の世界に耽るには最高です。小さい音で聴けばアンビエント、大きい音で聴けばダンスミュージックとして、どちらでも楽しめるかと思いました。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Global Communication - Fabric 26 (Fabric Records:FABRIC51)
Global Communication-Fabric 26
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90年代においてアンビエントテクノは時代を謳歌し、確実に最良の瞬間がありました。その当時活躍していたのはThe OrbやKLF、The Irresistible Force、そしてこのGlobal Communication(以下GC)で、彼らこそアンビエントテクノの代表者と言っても過言ではないでしょう。GCはTroublemanとしても活躍するMark PritchardとTom Middletonから成るユニットなのですが、近年は全く活動をしてなかったので解散したと思っていました。ところがなんとFabricシリーズにGC名義で参加が決まってびっくりです。もちろんMarkとTomの二人によるミックスではありますが、更にびっくりなのは全然アンビエントテクノでは無い事。Tomは元々クロスオーヴァーなプレイをするのを聴いていたので違和感は無いのですが、GC名義でもダウンテンポ、トリップホップ、テクノ、ハウスとごちゃまぜでこれはGCファンには確実に物議を醸し出すプレイかもしれません。しかし個人的には序盤のダウンテンポでけだるいスモーカーズサウンドから、徐々にジャジーでスイングする展開になり、盛り上げ気味にテックハウスのクールな4つ打ちに移行する流れが素晴らしかったです。前半のダウンテンポには最初は戸惑うかもしれませんが、後半への布石と考えるとこれはこれで良いのかなと。後半はやはりテクノのユニットらしく、エレクトロニックな洗練された音でまとめて良い感じで締めましたね。またFabricシリーズに名作が加わりました。全編アンビエントなプレイも聴いてみたいと言う欲望もありますが、それはまたいつか。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2005
来たるべき大晦日が遂にやってきました。K-1とPRIDEの両方を見なくては!最近は年末は毎年そうです。ちなみに未だにカウントダウンはどれに行くか決めておりません。どれもインパクトに欠けるイベントばかりでとか言っておきながら、ケンイシイに行っちゃいそうですな。さて、勝手ながら今年も年間ベストを選んでみました。が、今年は余りにも量が膨大なんで選ぶのに困り、泣く泣くカットした物が多数。そう考えると相当な量の音楽を聴いたんだなとしみじみします。以下のリストに残った物は僕のお気に入りの一部ではありますが、是非とも皆様のCD選びの参考になって頂ければ幸いです。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 14:00 | comments(11) | trackbacks(2) | |
2005 Best Seller
今年も遂に終わりがやってきました。と言う事で年間ベストなんですが、その前に今年は年間売り上げベストを行おうと思います。皆様今年もこの「Tokyo Experiment」経由@アマゾンで、多くの商品を購入して頂いてありがとうございました。アフィリエイトのおかげでより多くのCDを購入出来、色々な音楽を紹介する事が出来たと思います。ただの趣味で始めたこのブログですが、テクノやハウス、自分の好きな音楽をもっとみんなに聴いていただけたらなんと素晴らしい事かと。それでは僕が紹介したCDで、今年売り上げの良かった順に紹介させて頂きます。

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| BEST | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Pop Ambient 2006 (Kompakt:KOMPAKT CD47)
Pop Ambient 2006
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毎年この時期になるとやってくるKompakt必殺のPop Ambientシリーズ。どこがポップなんだよと突っ込みを入れたくなるのですが、やっぱりアンビエントミュージックとしては最高品質のコンピレーションだと思います。基本は相も変わらずノンビートな楽曲で構成されて、これをかければすぐに微睡みに陥る事間違い無しの快楽の世界が待ちわびています。静寂の中に響く幻想的な音が単なるチルアウトとは一線を画す荘厳な世界を創りだし、メロディーはポップなのにシリアスな雰囲気を持たしていますね。今作はいままでより艶やかなアコースティック音が使用され、多少人肌を感じさせる温もりがありますね。ダンスミュージック最前線のKompaktが送り出す、ダンスで疲れた心と体を癒すPop Ambientシリーズ。これを買っておけば間違い無いっ!

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Pop Ambient 2005の以前のレビュー

シリーズ化してるから
「Pop Ambient 2005」
「Pop Ambient 2004」
「Pop Ambient 2003」
「Pop Ambient 2002」
「Pop Ambient 2001」
もどうぞ。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
The Orb - Okie Dokie It's the Orb on Kompakt (Kompakt:KOMPAKT CD44)
The Orb-Okie Dokie Its the Orb on Kompakt
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The Orb復活!The Orb復活!The Orb復活!
声を大にして言いたい!本当に待ちに待ったThe Orbの完全復活だ。思えば近年のThe Orbは多少迷走気味で、色々な路線変更を繰り返し試行錯誤を行っていた段階だったのかもしれない。それが今作ではAlex Patersonと盟友Thomas Fehlmannとの完全共作となった事で、完全なるThe Orbと成ったのだろう。アンビエントから始まり、ダブ、ポップ、テクノ、ハウス、サイケデリック、ドラムン・ベースなど色々な音楽を取り入れながらメジャー路線も通過して、拡大再生産を行って来た。しかしここ近年Kompaktから出した数枚のEPは、Kompaktの先進性とポップさを前面に出しテクノの純度を高めた良質な作品だった。そして遂にKompaktからの初のアルバムが出たのだが、これは紛れもなくThe Orb史上の最高傑作と迷わず断言出来る。Fehlmann参加の下知的で統制の取れた構成の中に、Patersonの狂気と毒々しさがぐちゃぐちゃに注入され、不気味かつクールなサウンドを鳴らしている。相変わらずのダビーで深く、Kompakt直系の霧のかかった視界の悪い薄いシンセのヴェールが空間を支配し、毒々しいベース音は新世代のジャーマンアシッドだ。今までの様に冗談の様に長い曲よりも、一曲一曲をコンパクトにまとめてバリエーションを増やしアルバムとしての聴き易さも兼ね備えている。勿論快楽性を失わずにアンビエントミュージックとしての面もあるが、かつての馬鹿げたギャグは存在せず知性(Fehlmann)と狂気(Paterson)と言う相反する様な意識が存在する。狂っているけれど美しく儚い世界、The Orbに二度目の春がやって来た。。。

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| TECHNO2 | 22:00 | comments(6) | trackbacks(7) | |
Valentino Kanzyani - Intecnique (Intec Records:INTECCD04)
Valentino Kanzyani-Intecnique
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テクノ界の3大DJの一人、Carl Cox主宰のIntec Recordsはアッパーでハードかつ、スタイリッシュなテクノにおいては一二を争うレーベルであります。と紹介したにも関わらずIntecから発売されたこのMIXCDは、別にIntec関連のレコードを使用してる訳でもないんですがね…。ミキサーはハードミニマル系で地味に知られているValentino Kanzyaniが担当。今まで2枚MIXCDを出しているはずだけど、それ程ツボに来る物でもなかったので期待してなかったのですが、今作は今までより良いと思います。Intecからなのでやっぱり音はハードなのに結構綺麗目で、意外にもジャーマンアシッド風にぶりぶりとしたベース音が気持ち良いです。また流行のラテントライバルでは無くてストレートにハードテクノをがんがん回して、後半に行くに連れて音数も増してきます。ハードなのに時折入るデトロイト系の透明感溢れるシンセ音も、清涼感を感じさせますね。ラストにはDepeche Modeのボーカル曲を持ってくるんだけど、ゴシック風なハードテクノで新鮮味がありました。敢えて言うならピークはラストでしょう。

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| TECHNO2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Transit Kings - Token EP (Malicious Damage Records:MD602)
Transit Kings-Token EP
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誰もが期待せずにはいられない面子がここに集まる。KLFのJimmy CautyとThe OrbのAlex Paterson…と後二人。世界中を見ても彼らほどユーモアに溢れ、お笑いと狂気に満ちた音楽を作る者はそうはいない(と言いたいだけw)。90年代初頭にも一緒に音楽を作ったりしていたが、ここ何年かでまた手を結び新ユニットの結成をした結果がこのEPだ。EPと言う事もあり5曲で25分程度、まだまだ物足りない感じもするがアルバムが出るまでは我慢。じゃあ内容はと言うと…時代錯誤にも程があるぞ!極度にレイドバックしたださめのシンセ音が嫌と言う程使われ、ボイスや車の音などのSEもばしばしと導入されている。テクノって言うよりダンスポップって方が分かりやすいか?しかしなんだかAlexの気持ちも分からないでも無い。UNITに「Le Petit Orb」として来日した時に、しょっちゅうフロアに現れては客と戯れて踊っていた。最近のAlexは妙に高揚していて楽観的なのではないか。そんな彼と旧友のJimmyが再会したんじゃ、そりゃ出てくる音だって意味も無く笑いに満ちているだろうさ。この路線で更にポジティブにナンセンスを追求したら、きっと面白いアルバムが出来るんじゃないかと。古臭いと言って聴かなければそれで終わりだが、彼らの原点がここにある。

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| TECHNO2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2005/04/02 UNITE @ UNIT
首をなが〜くして待っていたLe Petit Orb(Alex Paterson & Thomas Fehlman)に行ってきました。年越しのTRANSIT KINGS(ALEX PATERSON & JIMMY CAUTY)@メタモがはずれだっただけに、今回は相当期待してましたよ。11:45に会場に着くと、あれ?もうKAITOやってるじゃん…しかも12時までだって(;´Д`)と言う訳でKAITOは少ししか聴けなかった。どう考えてもタイムテーブル作った奴は、馬鹿!いっぺん死ねと思いました。

12時からはフェルマンがDJを開始。最初は幾何学的な変則ビートで、ゆったりなスタート。アレックスとは対照的に知的だけど、見かけはRichie Hawtinみたいだしちょっと怖い。ダビーなリズムや浮遊感のある上物も混ぜて少しずつ盛り上げていく。さすが50越えてるおじさんだけあって、インポでも舌だけでベロンベロン舐め尽くして女を逝かせるような粘っこいプレイ。後半に入ればライブ目前と言う事もあり、4つ打ちでドンドンあげてきて会場を盛り上げていた。
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| EVENT REPORT1 | 17:35 | comments(8) | trackbacks(2) | |
The Orb - Live 93 (Island Records (US):162-535 004-2)
Orb-Live 93
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今週末、待ちわびていたLe Petit Orb(Alex Paterson & Thomas Fehlmann)のライブがUNITで行われる。Le Petit Orbとは?UNITの説明を掲載しよう。
小規模なクラブでは実現不可能とされるジ・オーブのショウを、自由な発想と実験精神によって、数々のヒット・チューン及び未発表音源を使用して再構築するのが、ル・ペティ・オーブのライヴ・セットである。それは、フロアに直結するダンサンブルな内容である。粘っこいグルーブ、キレと浮遊感を備えた上モノ、ズンドコとスカスカを往来するリズムなどが、異次元/異空間を演出してくれることでしょう。オーブ・ファン、フェルマン・ファン、テクノ・リスナー、クリック・ハウス・リスナー、コンパクト好き、ダブ好きは勿論、全てのダンス・ミュージック・リスナー対応!!

と言う訳で、是非ともライブを見に行かねばなるまい。これを見逃してはきっと後悔する。だいたいマッドなパターソンとインテリジェンスなフェルマンが組んだら、想像出来るかい?一体当日はどんな亜空間が発生するのだろうか?ちなみに僕はオーブのライブは未経験。このライブCDを聴く限りだと、とんでもないドュープな世界の様だ。とんでもなく高い宇宙に飛ばされたと思ったら、次の瞬間には奈落の底に落とされる。狂気とユーモアの混在する世界。光が射したと思うと闇に引き込まれ、美しい情景が浮かんだと思うとその次には歪んだ風景を見せる。一体現実はどこにあるのだろう?Le Petit Orbが答えを教えてくれるに違いない。

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| TECHNO1 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Everything But The Girl - Adapt or Die:Ten Years of Remixes (Atlantic:R2 79683)
Everything But The Girl-Adapt or Die:Ten Years of Remixes
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また風邪がぶり返してきて、だる〜い一日でした。こんな日にはライトなBGMのEBTGがぴったりでした。元々はアコースティックな作風でしたが、95、6年のドラムンベースの流行時にドラムンを取り込み、一気にクラブオリエンテッドな作風に変わりました。流行を取り込んで今までのファンの失笑を買う事は良くありますが、EBTGに関しては上手い具合にダンスミュージックへシフトしたと思います。過去の作品は聴いた事がないので言及は出来ませんが、ダンスミュージックにシフトした以降の作品はどれも素晴らしい物だと断言します。

今回のコンピレーションはEBTGの作品を色々なアーティストがリミックスした物を集めた1枚で、ドラムンとハウス中心で構成されています。EBTGの音楽はしっとりした夜に聴く様な、落ち着きを持った大人な雰囲気を臭わせお洒落ですね。お洒落一言で片付けるのはどうかと思うのですが、クラブ的作りを持っていてもどこか知的な感じがあるんですよね。例え激しいドラムンであろうとも、アップリフティングな4つ打ちであろうとも、決して温度が上がる事なくひんやりとした感じです。それは冷たい音楽と言う意味ではなく、決して前面には出てこない温かさを持った音楽だと言う事だと思います。ボーカルのトレーシー・ソーンの儚い声が、クールな雰囲気を作っているのでしょう。ハウス好きは迷う事無く買って損無しのコンピだと思います。もれなく正にEBTGを象徴した美しいジャケット付き。

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| HOUSE1 | 21:35 | comments(4) | trackbacks(3) | |
Primal Scream - Screamadelica (Creation Records:CRECD076)
Primal Scream-Screamadelica
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前日にMy Bloody Valentineを紹介したんじゃ、やっぱりこれも紹介しないといけない。輝ける90年代初頭の奇跡の名盤、そして未だにその後のアーティストが越える事の出来ない大きな壁、「Screamadelica」(昨日の文章をリサイクル…)。これを聴き出したのも高校1年生の頃で、比較的洋楽にはまりだした頃である。ある意味僕の洋楽面での影響は、ほぼPrimal ScreamとMy Bloody Valentineから受けていると言っても過言ではない。まっさきにこれらの名盤を聴いてしまったせいで、最近のロックはぶっちゃけ退屈な物にしか聞こえない状態になってしまったのです。

Primal Screamと言えば変化を繰り返すバンドであり、それまではネオアコやガレージロックなどの作品を出していましたが、90年から突如としてダンスミュージックに傾き始めたのです。まあこれはUKでのレイブやアシッドハウスなどのムーブメントに真っ先に食いついたロックバンドが、Primal Screamだったと言う事なのです。そこでPrimal Screamがプロデューサーに起用したのが、かのAndrew WeatherallやThe Orb、Jimmy Miller等だったのです。ここでの面子から想像しうるのは、テクノ、アンビエント、ソウル、ロックだと思いますが正にその通りです。現在のライブでもみんなで大合唱の「Movin' On Up」はノーザンソウルを通過したダンスミュージックだし、「Don't Fight It, Feel It」はアシッドハウス経由の高揚感があり危険な香りのするハウス。また「Loaded」こそが初めてダンスミュージックに接近した曲であり、Andrew Weatherallを引っ張り出した曲でもある。完全インストのハッピーなハウスだけど、全く歌が無いって事がロックバンドにしては凄かった。そして僕の最も好きな曲が「Higher Than The Sun」、これはThe Orbが手がけた事もあり、サイケデリックダブアンビエントな太陽よりも高みに行ける曲。完全にインナートリップだけど、ライブで聴いた時はあまりの素晴らしさに汗が引いてしまい背中が寒くなりました。アルバム中で一番のパーティーソングと言えば「Come Together」で、これはPrimal流のゴスペルソングだと思います。甘くてドリーミィーなボーカル、チャカポコしたリズム帯、トランペットも高らかに鳴り響き、みんなで楽しんでいる姿を想像してしまいます。他にもソウルフルでアコースティックな曲あり、がしがし踊れる曲ありと捨て曲は皆無です。Primalは名プロデューサーの手を借りる事により、ダンスミュージックとロックとの完璧なる融合を成し遂げたのです。ただレイブカルチャーからの影響を受けたアルバムなので、ドラッグ無しではどうかと言う意見にも頷く点は少々あります。Primalはこの頃ドラッグ漬けになっていた事を、雑誌のインタビューで暴露していましたので。まあドラッグ無しでも踊ってトリップして楽しめるアルバムな事は保証します。

91年はこのアルバムと「My Bloody Valentine-Loveless」が揃って同じレーベルから出た事もあり、Creation Recordsも一番素敵な時代だったんです。なんとも良い時代だなと時々思いますが、今のロックシーンはこの時代に比べると小粒だなとつくづく思います。懐古主義なだけなのかな?

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| ETC1 | 23:50 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Pop Ambient 2005 (Kompakt:KOMPAKT CD37)
Pop Ambient 2005
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Kompaktの代表的コンピーレーションがこのPop Ambientだ。音に関して言うと一般的なPopじゃないだろーと、突っ込みをいれたくなるが、内容は素晴らしい。参加アーティストは、The Orb、Gas(Mike Ink)、Thomas Fehlmannと有名所から、以前紹介したTriola(Jorg Burger)も含めてその他色々。その他色々って言うか、他は全く知らない…。アンビエント大特集なこのコンピは、嘘偽り無く本当にアンビエントだ。道に迷ってしまったかの様に奥へと奥へと誘われ、現世に戻ってくるのは不可能かの様な迷路な世界。大半の曲はノンビートであまり区別が無くて、ずっと聴いてると今自分が何を聴いてるのかさえも分からなくなる感じだよ。時折肌寒い早朝の暗い頃、日の出を迎える様な美しい瞬間もあったりするけれど、それでも視界は不明瞭なまま。うーん、一体ここはどうなんだろう?自分の居場所さえも忘れてしまいそうだ。快楽的なアンビエントと言うよりは、結構生真面目でシリアスだと思うよ。それでもこれだけの良質な曲を揃えるなんて、Kompaktレーベルの順調ぶりが良く分かるね。

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シリーズ化してるから
「Pop Ambient 2004」
「Pop Ambient 2003」
「Pop Ambient 2002」
「Pop Ambient 2001」
もどうぞ。

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| TECHNO1 | 22:30 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Bryan Zentz - Seven Breaths (Intec Records:INTECCD02)
Bryan Zentz-Seven Breaths
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テクノ、この単語一つを取ってももはやテクノは収集がつかない程に幅を広げ、そして現在もその広がりは止む事が無い。Aphex TwinやKen Ishii、Carl Craigだってテクノだし、The OrbやBasic Channelだってテクノと言えるし、Rei Harakamiみたいな奇天烈なのだってテクノと言えると思う。しかしながらスタイルとして考えると去年出た「Joris Voorn-Future History」みたいなストレートなのが、正統派もしくは王道的なテクノだと僕は思っています。この作品もそんなストレートで単純だけど、かっこいい王道的なテクノだと思います。Carl Cox主催のIntecから出たこのアルバムは、ダブっぽい音響やヒップホップのビートも入ってるしどこがストレートなんだよ?って思うかもしれませんが、要は音楽に対する姿勢みたいなのが正統派だと思っています。若さ故のこの単純な勢いと言う物は、経験を重ね色々実験を積み重ねていくベテランにはなかなか無い物であり、グイグイと引っ張られる求心力を感じます。もちろん大半の曲はハードエッジで、ぶっといベースに硬質なリズム帯が連ねるグルーヴィーなIntecっぽい作品なので、特に目新しい事もないでしょう。それでもKevin SaundersonやCarl Cox、Slam等もお気に入りで、テクノクラシック殿堂入りの「D-Clash」には誰もが引きつけられる事でしょう。Inner CityのGood Lifeの上物にハードグルーヴを足した様なこの曲は、何度クラブで聴いても気持ちが良いものです。

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| TECHNO1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Upcoming Event
2005/02/10 (THU) RECLOOSE JAPAN TOUR 2005 @ MODULE
DJ:RECLOOSE, KZA

2005/02/11 (FRI) IN:FLAME @ AIR
DJ:John Tejada, DJ SODEYAMA

2005/02/18 (FRI) ART OF SEDUCTION @ Yellow
DJ:KING BRITT

2005/02/19 (SAT) IAN POOLEY @ Yellow
DJ:IAN POOLEY, Remi, Nako

2005/02/25 (FRI) ROBERT HOOD JAPAN TOUR 2005 @ MODULE
DJ:Robert Hood

2005/03/05 (SAT) DEEP SPACE JAPAN TOUR 2005 @ Yellow
DJ:FRANCOIS K

2005/03/26 (SAT) CLASH06 @ ageHa
DJ:Juan Atkins, Ken Ishii, Hitoshi Ohishi

2005/04/01 (FRI) "The Theory Of Everything" Tour 2005 in Japan @ Liquid Room
Appearance:Octave One / R.N.G (Full Live Set)
featuring Ann Saunderson & P. Gruv

Special VJ:Chuck Gibson a.k.a. Perception

2005/04/02 (SAT) UNITE @ UNIT
Live:Le Petit Orb (Alex Paterson & Thomas Fehlman)
DJ:Alex Paterson ,Thomas Fehlman

未定だが3月AIRにJoe Claussell

とまあパーティーは腐るほどある訳だが、勿論全てに行ける訳じゃない。
個人的に行きたいのはプーリーとフランソワ、ホアンアトキンス、
プチオーブ(他も行きたいのはあるが…)。超やばめがやはりプチオーブか。
フェルマンとのコンビで来るんだし、期待せずにはいられない。
ホアンアトキンス+ケンイシイもデトロイト好きを裏切らない
プレイをするでしょう。
| UPCOMING EVENT | 20:05 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Irresistible Force - It's Tomorrow Already (Ninja Tune:ZENCD38)
The Irresistible Force - It's Tomorrow Already
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先日買ったばかりのCDプレーヤーが壊れた話をしましたが、一週間もしない内に新たに新品が送られてきました。早い対応だったので見直しました。ちなみにKENWOODのR-K700と言うプレーヤーです。今までのコンポとは段違いの音の解像度です。素晴らしい〜。。。これでやっとまともに音楽を聴けるようになりました(^^)

さてThe Irresistible ForceことMixmaster Morrisは、The Orbともよく比較されるアンビエントアーティストです。元々はUKの良質なテクノレーベルだったRising High Recordsから作品を発表していましたが、何故かこの3rdではブレイクビーツで有名なNinja Tuneから送り出されました。やはりその影響なのか浮遊感あるアンビエントな上物に、リズムはジャングルで刻まれています。ただリズムはそれ程前面には出てこず、神秘的な上物を上品に飾るような感じです。The Orbとも比較はされますが、The Orbとは僕は全く別物だと思うのですね。The Orbは麻薬的で異次元ワールドを展開し、BGMとしては聴けず正面をもって対峙しなくてはいけない音楽だと思います。しかしThe Irresistible Forceは良くも悪くもライトなアンビエントで、BGMとして垂れ流して聴くような音楽だと思っています。The Orbに比べて毒素が無いと言うか、アンビエントの表層だけを切り取ったと言うか。良く言えばあくまで気持ち良さに重点を置いた音楽だと思います。The Orbを聴くほどのエネルギーが無い時は、こっちの快楽的アンビエントも良いんじゃないでしょうか。

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| ETC1 | 21:30 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Secondhand Sounds: Herbert Remixes (Peacefrog:PFG021CD)
Secondhand Sounds: Herbert Remixes
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Herbertは凄い。自身の曲作りも凄い。その上のリミックスに関しても、とてつもなく凄い。リミックスの上手さに関してはCarl Craigと並ぶ程の凄さを持っている。このリミックスアルバムはもちろん他人の曲をリミックスしたものを集めただけなのだが、それ以上のものだろう。単なるハウスとは一線を画す、マイクロハウス。音を選びつつ端正に散りばめられた音、隙間を生かし少ない音数ながらも独自の世界を作り出す。既存の音は使わないと言う、音には最大のこだわりを持つ彼独自の音と、独自の音の配置が相まって最大の効果をもたらすのだろう。知性のかたまりの様な彼だが、また子供の無邪気な遊び心に溢れたユーモアのな一面も見せる。そしてお洒落でキュートな音楽でもあるのに、硬派なテクノよりもテクノらしい音楽でもある。実験性と実用性を兼ね備えたトラックと言うものは、きっとこうゆうものなだろう。何度も言おう、これはリミックスアルバムだがこれは紛れもなく彼自身のアルバムだ。ある意味Herbertの最高傑作。

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| HOUSE1 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Various - Kompakt 100 (Kompakt:KOMPAKT CD34)
Various-Kompakt 100
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2回に渡ってKompaktのオーナー、Michael Mayerを紹介したのでKompaktの総集編とも言えるこのコンピレーションも紹介しよう。ドイツにはダブとミニマルを追求したBasic Channel、ベルリン-デトロイト交流を果たし数々のテクノアーティストを世界に送り出したTresorがあり、そして現在一番旬なのがこのKompaktであろう。Basic Channelはミニマリズム、Tresorがテクノを追求したのであればKompaktは?一概に特定するのは難しいが、Kompaktにはドイツ特有の煌びやかなセンスを感じる。このコンピレーションはKompkatの作品をKompaktのアーティストがリミックスをすると言う、一家総動員的な作品でこれこそがKompaktの集大成とも言える作品だ。The OrbやKaito、Thomas Fehlmann、Reinhard Voigtなど大物からまだまだそれ程世に広まっていないアーティストが参加をし、これが現在のテクノだと言うリミックスを披露している。ポップなボーカルものやミニマル、テックハウスやアンビエント、果てはアシッドまでを最新のモードで発信しているのだ。アーティスト毎にもちろん異なるリミックスで、それが例え硬いテクノでも陽気なポップの場合でも、そこには統一されたKompakt特有の華やかさ、煌びやかさがある。Basic ChannelやTresorが以前程精力的で無い事を考えると、今後ドイツテクノを引っ張っていくのはこのKompaktではないかと思う。

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| TECHNO1 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Michael Mayer - Touch (Kompakt:KOMPAKT CD36)
Michael Mayer-Touch
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現在最も成長が著しいレーベルと言えば、Kompaktと言って間違いないだろう。The OrbやKaito、Thomas Fehlmann、Reinhard Voigtを擁し、いくつかのサブレーベルを所有しいくつかのレーベルをディストリビュートしている活動盛んなジャーマンレーベルである。テクノアーティストの層は、レアル・マドリード並である。そしてそのオーナーがこの人、Michael Mayerだ。EPやMIXCDは今まで発表してきたが、オリジナルアルバムは初である。結構期待していたのだが、聴いてみたら予想外な作風で面食らってしまったよ。なんとこの人まもで、アシッドをやってるではないか!去年辺りからアシッドリバイバルはあったし、実際Kompaktのアーティストもアシッドな曲を出してたりはしてたけど。もちろんジャーマンテクノなのでシカゴライクなアシッドでは無くて、淡々としたブリブリアシッドなんだけどね。そう思いきやエレクトロディスコ調の曲や、The OrbやMike Inkが近年出した曲に似ているアシッドベースにシャッフルしたリズムを組み合わせた曲、または淡々としてクールなミニマルテクノ、そしてKaito調の哀愁路線テックハウス等、多彩なアルバムになっている。簡単に言うとKompaktのアーティストの良い所取りって感じだけど、逆にまとまりはないかなぁと。先行EP「Privat」路線のテックハウスを期待してたので肩透かしを食らった気分もありますが、Kompaktレーベルを知るにはもってこいの一枚かと。

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| TECHNO1 | 22:00 | comments(1) | trackbacks(1) | |
The Orb - The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld (Big Life:BLRDCD05)
The Orb-The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld
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さあ、まだまだFreedom Villageの復習は続きます。先日Freedom VillageでもTransit KingsとしてプレイをしていたAlex Patersonですが、メイン活動はこのThe Orbです。特にこの1stは彼らの中でも最高傑作と謳われている作品で、参加メンバーも超豪華です。KLFやTransit KingsのJimmy Cauty、System 7のSteve Hillage、老いて尚盛んなThomas Fehlmann、そして元Killing Jokeで現在はゴアに走っているYouth等が参加しています。

内容はと言うとアンビエントテクノの金字塔とも謳われる作品だけに、とにかくぶっ飛び具合は半端じゃないです。KLFの「Chill Out」も実はAlex Patersonが殆ど作ったのではないかと言われているけれど、その噂も理解出来ます。Orbのアンビエントは単純なアンビエントではなく、ダブを多様した腰にずっしりくるグルーヴが特徴です。泥沼にズブズブとはまっていき抜け出せないような重さ、そしてスペーシーな上物がキラキラと入ってきたり、陰と陽を行ったり来たりする感じです。コンセプトは「地球軌道」、「月起動」、「超世界」と三つの世界と言う事で曲名もそれにちなんだ名前が付けられています。取り分け「超世界」のダビーでドゥープな曲群は、まるで異次元世界に彷徨ってしまったかのような錯覚を覚えます。ラストの通称「Lovin' You」=「A Huge Ever Growing Pulsating Brain That Rules From The Centre Of The Ultraworld」は19分にも及ぶ大作ですが、どうしてAlexがこんな曲と思いついたのか全くもって謎ですね。ラリッてないと作れない曲だと思います。これにはJimmy Cautyも参加していますけど、やっぱり黄金コンビは偉大です。

先日のTransit Kingsのライブは、まだパラレルワールドの入り口を垣間開いただけでは無かったのでしょうか。今度は是非The Orbのウルトラワールドを体験してみたいですね。

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| TECHNO1 | 20:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Laurent Garnier - Excess Luggage (F-Communications:F1873CDBOX)
Laurent Garnier-Excess Luggage
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元料理人でありフランスの伊達男、ローランガルニエ。そのプレイはテクノ伝道師とも言える幅広い選曲で、一夜のプレイで様々な面を伺う事が出来る。個人的にはテクノセットが好きだけど、ハウスやロック、果てはドラムンベースまでも回す何でもありな人です。そんな彼もデトロイトにはやはり興味があるのか、自身のアルバムにおいてデトロイトライクなトラックを多く作っています。さてこのMIXCDは2000年のSONAR、2002年のデトロイト、後多分PBBと言うラジオのライブを収録した物でやはり彼の幅広い選曲を体験するにはもってこいです。

一枚目のSONARのプレイはハウス中心のセットでムーディーな物から、シカゴ、アシッドまで気持ち良く聴けます。DAVINA-Don’t you want itはデトロイトハウスのクラシック、今年のイエローでのプレイでも回していました。

二枚目は血管ぶち切れデトロイト中心のMIX。しょっぱなHi-Tech Jazzですよ!この曲は他のDJにもここ1、2年で実際のDJでよく使われている気がします。ほぼデトロイトに関連のある曲を使っているので、デトロイト好きには必ず受けると思います。終盤自身のThe Man with the red faceは、彼の曲の中でも最もデトロイトへの愛着を示した結果となるものでしょう。そこから69-Desireに繋ぐと言う悶絶必至のMIXです。

三枚目のラジオでのプレイは、テクノやハウスじゃなくてダウンテンポなのかな。寂れたバーとかで流れてそうな感じで、哀愁がありますが僕は余り聴いていないので何とも言いようがありません。

実際のプレイではテクノ→ハウス→ロック→…と目まぐるしくどんどん変わっていくので忙しい感じもするけど、一夜にして壮大なロングジャーニーを経験する事が出来ます。そして今週末にageHa、来週月曜にYellowと今回は2回も東京でプレイ。この機会に是非ともテクノ好きは、ガルニエのプレイを体験してみてはどうでしょうか。

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ちなみにこのMIXCDには4、5枚目がありF-COMショップ直販で買えます(現在はアマゾンでも購入可)。4枚目がデトロイトとシカゴハウスのクラシックを多用したMIXで超絶物です。僕は当然買いました。

Laurent Garnie-Excess Luggage
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| TECHNO1 | 17:19 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Thomas Fehlmann - Visions Of Blah (Kompakt:KOMPAKT CD20)
Thomas Fehlmann-Visions Of Blah
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今週末UnitにThomas Fehlmannがライブの為来日をします。かなり以前から活動している人で、Palais Schaumburgとしてバンドを組んでいたり、The OrbやSun Electricに参加、そしてJuan AtkinsやBasic ChannelのMoritz Von Oswaldとも交流があり、コネクションは凄い。そんなお方が2002年にKompaktから出した作品は長年の実績を感じさせる、重厚で荘厳な魅惑の作品となった。最近のThe Orbにも似たシャッフルするリズムに、シャリシャリしたシンセが乗っかった曲。オーロラの様に透き通るようなシンセに包まれた美を極めた曲。果てはBasic Channelの様にアブストラクトでダビーな曲。The OrbやBasic Channelの良いとこ取りの様な感じだけど、これはFehlmannでしか有り得ない音と言うのを出している。長年素晴らしいアーティストと競演する事により、自身の才能も高めていった結果なんだろう。老いて尚盛んなThomas Fehlmann、これからも期待出来るアーティストです。

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| TECHNO1 | 13:05 | comments(0) | trackbacks(0) | |