Planetary Assault Systems - Straight Shooting (Mote-Evolver:MOTE055)
Planetary Assault Systems - Straight Shooting
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L.B. Dub CorpやThe 7th Plainといった変名でも活動するUKテクノの重鎮であるLuke Slater、しかしその音楽性が最も輝くのは過去から今に至るまでPlanetary Assault Systems名義であると筆者は感じており、ここで聞けるハードで機能的なフロア志向のテクノは、長い時を経て過去の洗練される前の荒々しさに現在の磨かれた機能性が融和し完成形を迎えているように思われる。そう言えばジャケットの過去のアルバムを思い起こさせるデザインでもあったりするが、実際に冒頭のざらついたノイズが吹き荒れる中に低音の冷えたキックが続く"Beam Riders"では上辺には電子音のループが覚醒的に持続し、単調に聞こえつつ上手くパンで音を散らしたりして微細な変化を付けるスタイルは、まるで往年のJeff Millsのスタイルを思わせる。決してハードな重厚感だけではなく、"Born Anchors"では弾性のあるリズムと膨らんだ電子音のシーケンスで疾走感を打ち出し、切れのあるパーカッションも抜き差ししながらミニマルでファンキーな機能性に特化したテクノとなっており、パーティーのある瞬間の爆弾的な作用としてではなく長い一夜の一部となるような曲もある。ざらついたハイハットの生々しさと硬く引き締まったキックが重圧を生む"Humans Use Concrete"はシーケンスが催眠性を帯びながらも暴力的なハードミニマルといった印象で、これが昔のアルバムに入っていたとしても全く違和感が無いように良くも悪くも昔からP.A.Sは変わらないなと思う点も。特に印象的な曲はボーカル・サンプルを用いてファンキーさを打ち出した"Give It Up"で、跳ねるパーカッシヴなリズム感に電子音が左右にパンしながらホットなシーケンスとなり、途中からは金属が擦れるようなノイズが混じってきて神経に深く刺さるような刺激的的な展開が待ち受けている。尚、配信のみで20年前の曲を編集した"Screen 2018 Re-edit"が収録されているが、鈍いキックと暗い展開のホラー的なハードテクノだった原曲が、ここではキックはかっちり硬くなり全体が引き締められながらエネルギーが溢れ出すような骨太ハードテクノへと生まれ変わり、こうして聴き比べてみるとハードテクノも時代と共に洗練や機能性に磨きを掛けて進化しているのだ。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Martin Buttrich - Northeast / Southwest (Planet E:PLE65396-6)
Martin Buttrich - Northeast Southwest
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過去にはPoker FlatやCocoonといった人気レーベルから覚醒感あるテック・ハウスをリリースし、またLoco Diceと共に自身ではDesolatを主宰するMartin Buttrich。そんな彼が注目を集めるきっかけになったのは2006年にPlanet Eからリリースした『Full Clip / Programmer』(過去レビュー)であるのは間違いなく、妖艶でトランシーな上モノを用いたディープかつミニマルなテクノは正にPlanet Eの音楽性そのものだった。それがCarl Craigに気に入られたのだろうか同レーベルから何枚かのEPはリリースしたものの、本作では11年ぶりのPlanet Eへの帰還となる新作だ。良い意味で過去に同レーベルから出した作品と大きな変化はなく、また初めて聞かされたらC2の新作と勘違いする可能性もある位に、実にこれがPlanet Eらしいテクノで期待に応えてくれた。"Northeast"はシャッフルする切れのあるハイハットによって疾走するビート感を生み出し、トランシーなシンセのリフを執拗に繰り返しながらその下では動きの多いベースラインが躍動し、じわじわと高揚へと上り詰めていく持続感によって長い恍惚状態を誘う壮大なテック・ハウス仕様。深い闇が広がる深遠さ、または逆に広大な宇宙空間が眼前に広がる荘厳な世界観で、フロアで少しずつ盛り上がっていく機能性を磨きながらもデトロイトのエモーショナル性も兼ね備えたButtrichらしい一曲だ。対して"Southwest"はしっかり重心の低いリズムとカラコロとしたパーカッシヴなリズムが軸になっているが、隙間が多い構成の中にヒプノティックで繊細な電子音をループさせてミニマル感を持たせている。途中からやや動きの多い派手なシンセのメロディーが出てくる辺りは余計だったと思うが、こちらもじわじわとビルドアップするスタイルで、テクノだけでなくプログレッシヴ・ハウスにも合わせやすいだろう。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2019/8/23 Hi-TEK-Soul @ Contact
デトロイト第一世代の中でも最もDJとして精力的に活動するDerrick May、そんな彼によるテクノソウルを表現するパーティーがHi-TEK-Soulだ。DJとしての精力的な活動は言うまでもないが、近年はちょくちょくと自身で主宰するTransmatの運営にも力を入れており、忘れた頃にレーベルから新たなる才能を送り出したりもしている。そんなレーベルからIndio名義でアルバムもリリースした事もあるデトロイト第二世代の一人であるJohn Beltranも、Derrick同様にエモーショナルなテクノソウルを持つアーティストであり、その幻想的なアンビエンスは特に稀有な個性だ。今回Derrickと共に出演するBeltranはアンビエントセットを披露するという事前情報があり、そんな点でも興味深いパーティーになっている。
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| EVENT REPORT7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nightmares On Wax - Back To Mine (Back To Mine:BTMCD001)
Nightmares On Wax - Back To Mine
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普段は真夜中の熱狂的なパーティーでダンスさせる事を目的としてDJが、しかし逆にそんな喧騒から離れてパーソナル性の強いリラクシンな選曲を行う事をコンセプトにした『Back To Mine』シリーズは、1999年から開始して遂に20周年を迎えている。そんなアニバーサリーの作品のセレクターとして選ばれたのはGeorge Evelyn率いるNightmares On Wax。常に革新的であり続けるWarp RecordsというレーベルにおいてAutechreと並ぶ最古参の一人であるが、AutechreがWarpという音楽性を象徴するように常に変革と進化を繰り返すユニットなのに対し、このNightmares On Waxはスローライフを地で行く仙人か。この『Back To Mine』に対しても敢えてリスニング系を…というプレイではなく普段通りの選曲がそのままはまってしまう存在で、デビューから一貫してレゲエやダブの要素も兼ねるダウンテンポを軸にした音楽性だからこそ、このシリーズのアニバーサリーに抜擢されたのも納得だ。勿論変革の少ないアーティストだからといって懐古的な音楽性という事でもなく、ダウンテンポを徹底して追求しながらもここ数年にリリースされた作品を中心にミックスしており、最新の音楽の中から彼の包容力とメロウネスに叶う選曲によってNightmares On Waxの世界観を作り上げている。アルバムはUKマンチェスターの若手デュオであるChildren Of Zeusによるねっとりしたヒップ・ホップのビートとニューソウル風なメロウな歌による"Fear Of A Flat Planet"で始まり、Ladi6によるざっくりリズミカルなヒップ・ホップのトラックに甘く誘うような歌にしっとりするソウルフルな"Ikarus"、Creative Principleの優美なシンセ使いでジャジーな感もあるリズムで魅了する"Caught In The Middle"と、序盤は想定通りで正にこれぞダウンテンポという流れ。Bosqのアフロ/ラテンの感覚もあるディスコ・サウンドな"Step Into Midnight"からややグルーヴは強くなり、エレクトロニックなディスコトラックに妖艶な歌によって官能性を増すDim Zachの"Innocence"、アシッド・ベースが現れながらもメロウなジャズ・コードや優雅なストリングスがエモーショナル性を発揮するChieftainの"Out Of My Life"など、ここら辺の流れは上げ過ぎる事ないながらも明確に4つ打ちのダンスの時間。そしてSoulphictionの繊細なエレピとスモーキーな響きから黒さ溢れるディープ・ハウス"Gotta Have It"、力強いキックを刻みながら美しいコード展開や華々しいシンセに彩られるメロウネス全開の"Russia (Nightmares On Wax Remix)"と、終盤は完全にハウス・ミュージックに満たされる。余りにも素直で分かり易い展開に対し驚きを感じる事は全くないが、そもそもリラックスする事が前提なMIXCDシリーズであり、そのNightmares On Waxの音楽性自体がメロウでソウルフルなダウンテンポなのだから、これ以外の正解は無い位に的確にコンセプトに沿った作品になっている。ダウンテンポ好きにとっては長年愛すべき音楽になるのは当然として、落ち着けるBGMが欲しい人にとっても幅広く訴求する選曲で、期待通りのNightmares On Wax節で素晴らしい。なお、CDでは2枚組とミックスされていないディスクも収録されているので、DJにも便利な仕様になっている。



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| ETC4 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Waajeed - From The Dirt (Dirt Tech Reck:DTR015)
Waajeed - From The Dirt

ヒップ・ホップやR&Bなどの音楽性をルーツに持ち、過去にはかのSlum Villageの制作にも加わった事もあるデトロイトのプロデューサー&ビートメイカーであるRobert O'BryantことWaajeed。しかし近年の活動はSound SignatureやPlanet Eからブラック・ミュージックを踏襲しながらもそれはハウス・ミュージックへと向かっており、特に自身で主宰するDirt Tech ReckからリリースしたEPはファンクやジャズも咀嚼したデトロイト・ハウスそのものになり、Waajeedの新たなる音楽性が開花された瞬間でもあった。そんな流れから完成したハウス・ミュージックに焦点を絞ったアルバムは、しかし勿論そこに様々な要素が秘められておりクロスオーヴァーな音楽性によって、豊潤な響きを奏でている。初っ端"From The Dirt"から驚きを隠さずにはいられないGalaxy 2 Galaxyスタイルのハイテック路線と呼ぶべきか、輝かしい未来を感じさせるピアノのコード展開と跳ねるようなリズム感によって飛翔しつつ、中盤からはコズミックなアシッド・ベースも大胆に躍動して、希望いっぱいに満たされるコズミック・ジャズだ。続く"After You Left"はガヤ声サンプリングやダークなベースを用いて訝しさを演出しており、その中に妖艶に伸びるシンセストリングスや繊細なエレピが黒光りするように美しく映えるデトロイト様式なディープ・ハウスだが、そこから一転AsanteとZo!をボーカルに起用した"Things About You"はストリングスが空高く輝きながら舞うハイテックなディスコ/ファンクで、デトロイトの逆境に立ち向かうポジティブなソウルに満ちている。そしてジャジーで官能的なピアノで惑わせられる艶のあるジャジー・ハウスな"Make It Happen"、どぎついアシッド・サウンドがうねり悪っぽさが滲み出るアシッド・ハウス調のロウなでダークな"Power In Numbers"、疾走感のある爽やかなテック・ハウスなトラックにIdeeyahのソウルフルな歌を載せた"I Ain't Safe"など、ハウス・ミュージックを軸にしながらそこに曲毎に異なる味付けをしているが、しかしどれにも共通するのはやはりポジティブな感情性だ。最後は先行EPでもあった"Strength (Radio Edit)"で、乾いたタム等を用い軽快に疾走するリズムを刻みそこに優雅なピアノのコードやコズミックなフレーズを絡ませながら、Ideeyahの歌が高らかに希望を歌い上げるようなハウス・ミュージックでアルバムを象徴する1曲だろう。まさかデトロイトから久しぶりにこんな希望のアルバムが、しかも元々ヒップ・ホップ方面のアーティストから出てくるとは予想も出来なかったが、こんなアルバムを待っていたというデトロイトオタクは決して少なくない筈だ。筆者にとっても2018年の年間ベストにも入れたかった一押しのアルバムである。



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| HOUSE14 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb - No Sounds Are Out Of Bounds (Cooking Vinyl:COOKCD711)
The Orb - No Sounds Are Out Of Bounds
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アンビエント・テクノの重鎮であるAlex Paterson率いるThe Orbの目下最新アルバム、2018年6月にリリースされた本作はある意味では非常にThe Orbらしく多くのアーティストとの交流によって生まれた作品だ。ここ数年はThe Orbとしても長らく活動しユニットの音響的な面で多大なる影響を残しているThomas Fehlmannとの共同作業が多かったものの、このニューアルバムでは旧友であるYouthや過去にも繋がりのあるRoger EnoやGuy Pratt、Public Image Limitedの元ベーシストであるJah Wobbleにイタリアのダブ・アーティストであるGaudi、勿論Fehlmann含めその他多くのアーティストが制作に参加している。その影響なのか、またはFehlmannとの濃密な共同作業ではないせいなのか、所謂Kompaktらしいクールなテクノ色は薄れつつよりバラエティーに富んでポップかつメジャー感のある作風は2001年の作品である『Cydonia』を思い起こさせる点が多い。例えば冒頭の"The End Of The End"では女性ボーカルを起用しながら最早アンビエントですらないエグいシンセが豪華絢爛さを演出するダウンテンポな作品で、その中にもThe Orbらしくヒップ・ホップやR&Bにダブなどごった煮は要素はあるものの、純度の高いテクノとアンビエントの融合は失われている。"Rush Hill Road"ではぶっ飛んで奇想天外なサンプリングから始まるも、直ぐにノリノリなレゲエ調のダンス・ビートが入ってきて更に色っぽい女性の歌も加わればポップなダンスそのもので、Patersonらしい面白いサンプリングの妙技よりもどうしてもメジャーな作風の前に抵抗感が強い。聞き所が全くないわけでもなく、かつての名曲である"Blue Room"の延長線上と考えてもよい"Pillow Fight @ Shag Mountain"はダブのぬめったリズムとしっとり艷やかなピアノによってズブズブと沼にハマるような音響と奇抜な世界観があり、色々なサンプリングも交えながらThe Orbらしい快楽的なダブ・アンビエントを展開する。余り外野を入れずにFehlmannと制作された"Isle Of Horns"は、非常に多くのサンプリングを用いて異空間世界へとぶっ飛ばしつつ、その足元にはダブ/レゲエのスローモーで重心の低いビートを張り巡らせ、Fehlmannらしく音の間を強調しながら研ぎ澄まされたアンビエントを作り上げている。ラストの"Soul Planet"はゲストがほぼ勢揃いした15分にも及ぶ大作で、全くビートの無い空間に静謐で物悲しいピアノや浮遊感のある電子音を配置した序盤、勢いのあるダンス・ビートが入ってきてソウルフルな歌も加わり熱量を増して躍動する中盤、そして再度ビートが消失しメランコリーなアンビエントの流れから最後は悲壮感漂うピアノの旋律で幕を閉じていくなど、長尺を活かす事で一曲の中に感動的なドラマが存在する。曲毎に随分とバラエティーに富んでいるのはやはり多様なゲストを迎えた事が影響しており、ある意味ではThe Orbらしいジャンルを横断するごった煮なサウンドは下世話な感もあってそれも司令塔Patersonのユーモアと考えられるが、やはり個人的にはテクノ音響職人のFehlmannが全面参加している時の方が音楽性は優れているように思う。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Robert Hood - DJ-Kicks (!K7 Records:K7376CD)
Robert Hood - DJ-Kicks
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オリジナル・デトロイト・テクノの重鎮、そして頑固一徹ミニマル・ネーションとでも呼ぶべき作風を貫く生粋のミニマリストであるRobert Hood、久しぶりにMIXCDへと参戦したその作品は長く続く老舗MIXシリーズの「DJ-Kicks」だ。このシリーズ自体はジャンル問わずに多方面のアーティストを起用する事でバラエティーを拡張しマンネリを避けているようにも思われるが、そんな中に飛び込んだミニマリストはやはりミニマル・テクノから全くぶれずに求道的に自分の道を貫き通している。近年はFloorplan名義を復活させてゴスペル性も伴ったディスコ・ハウスによって別の魅力も開花させていたが、ここで聞けるのはミニマル・テクノ、それもルーマニアやチリの官能と陶酔による揺らぎをもたらすそれではなく、ある意味では古臭くもありそれが味でもある直線的なグルーヴで猪突猛進するテクノだ。勿論ベテランだからといって昔を懐かしんだりクラシックに頼ったミックスではなく、それどころかヨーロッパの最新のハードなテクノを軸に選曲を行っており、しっかり現在形のDJである事を証明している。ヒスノイズのような凍てついた音響が続く"Connected (Intro)"によって幕が開き、即座にこのシリーズの為に書き下ろされた弾性のあるキックが鉄槌の如く振り下ろされるダークなテクノの"Focus (DJ-Kicks)"で直線的なビートが走り出す。ざらつきのあるリズムに睡眠的な電子音のループに引き込まれる"Terminal 5"、薄い電子音響を張り巡らせつつハードなキックが地面を揺らす"Remain"など、序盤から豊かさを排除しながら退色した世界観の中を疾走するこれぞHood流ミニマル・テクノな流れ。恍惚感のある電子音にハンドクラップが刺激的な"Mirror Man"からファンキーなサンプリング系の"King (Gary Beck Remix)"の流れはやや大箱を意識したであろう派手さがあり、中盤に入っても息抜きや下げもなく常に高いテンションで爆走するスタイルは、上手い下手で評価されるべきではなく愚直なまでのミニマルへの信仰を喜ぶべきだろう。ハードなだけではなく快楽的なループによって意識を融解させる"Signs of Change (Robert Hood Remix)"や、Floorplanの音楽性に近いファンキーなゴスペル・テクノとでも呼ぶべき"Make You Feel Good"など印象的な曲も用いつつ、そして壮大で派手なブレイクも導入して直線的で平坦なグルーヴながらもしっかりと盛り上げる場面も作っている。そのまま終盤までドスドスと太いキックが4つ打ちで大地を揺らし、最後は簡素なドラム・マシンによるリズムのみがファンキーさを生む"Protocol"でミニマルとして相応しい締め方だ。展開的な面白さという点では余り推せる内容ではないものの、妄信的なまでのミニマルなスタイルは骨太な芯があり、興味の無い人にとっては全く興味が無い代わりに好きな人にとっては一生愛せるミックスになり得る可能性も秘めている。兎にも角にも痛快な音楽性である事は断言する。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Stacey Pullen - Detroit Love Vol.1 (Planet E:PEDL001CD)
Stacey Pullen - Detroit Love Vol.1
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「デトロイト・ラブ」、何とも直球ストレートなタイトルのMIXCDシリーズが立ち上げられたのだが、そのプロジェクト元はデトロイト重鎮のCarl Craigだ。2014年頃からデトロイト・テクノ/ハウスのシーンの後押しをする目的で同名パーティーを世界各地で行っているが、その雰囲気を家でも体験出来るようにとMIXCDとしても企画されている。その第一弾を担当しているのは当然デトロイトのDJでありまたベテランの一人でもあるStacey Pullenで、現在は制作活動は見受けられないものの数年に一度はMIXCDをリリースしてはいるので、DJとしての手腕が買われているのだろうか。過去に手掛けたMIXCDではアフロ・パーカッシヴなファンキーなテクノやハウスから、ヨーロッパ系の流麗なテック・ハウス系、派手なプログレッシヴ・ハウス調までその時々で色々な音楽性を披露しているが、今回はUSの作品を軸とした作品になっている。開始こそUS勢ではないSoulphictionの"Ann Arbor"だがアフロなパーカッションが土着的なドス黒いハウスで重厚感があり、そこからはデトロイト勢の曲が続く。どっしり重さを保ってサイケデリックな"The Fader"、ミニマルなスタイルで洗練された"They're Coming"、そして序盤のピークはざらついた質感がファンキーな名曲のハウスの"Raw Cuts (Marcellus Pittman Remix)"でやってきて、低空飛行ながらもじわじわくるスムースなハウスの流れが序盤を作っている。中盤からはやや上げてきてベテラン勢の一人Gary Martinによる"Galaxy Style"の爽快なパーカッションがなるファンキーなハウスから、ギャラクティックな上モノと荒々しいリズムに躍動する"Horney Chords"、ダークな雰囲気からデトロイトらしいエモーショナルな旋律が浮かび上がってくるテクノの"Delray"、ディープな雰囲気を作る太いベースラインが脈動する"Wired Everything"など、デトロイトというコンセプトはありながらも一般的なデトロイト・テクノ/ハウスというイメージよりは更に拡張性が感じられるだろう。終盤はテンションを落としてきて空間の広がりと浮遊感が存在するスペーシーな"Purple Pulse"から女性のシャウトが印象的なトライバル系の"Low Down"、最後はデトロイトの叙情性が発揮されたアンビエント系の"Detroit State of Mind"で気分を落ち着かせながら幕を下ろす。所謂昔の安っぽさや素朴さの中にファンクネスやスペーシーな感覚が込められたデトロイト・テクノというタイプの選曲ではないが、これが現在のデトロイトのシーンの一部である事を提示するような音楽性で、その意味では懐古的ではなく未来の視点を向いたMIXCDだ。テクノとハウスを横断し大人びてスムースな流れのプレイはベテラン的だが、欲を言えばもっと野性的で荒々しいファンキーなプレイも聞いてみたいとも思うが、このシリーズには今後も期待したい。



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| TECHNO14 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Waajeed ft. Ideeyah - Strength EP (Dirt Tech Reck:DTR14)
Waajeed ft. Ideeyah - Strength EP

かのJ Dillaもメンバーであったデトロイトのヒップ・ホップ集団であるSlum Villageの元メンバー、そんな肩書きを持つRobert O'BryantことWaajeedはヒップ・ホップを嗜む人にとっては知っていて当然の存在なのだろうが、そうでない当方にとっては馴染みは薄い。しかし近年Sound SignatureやPlanet Eといったデトロイトの大御所レーベルからのリリースやAmp Fiddlerへのリミックスの提供もあり、ハウス・ミュージックの方面からも目に付くようになっていたが、自身が主宰するDirt Tech Reckからのこの作品を聞いてWaajeedはハウスへと傾倒している事を確信している。本作はリリースされたばかりの『From The Dirt LP』の先行EPだが、特筆すべきは同じデトロイトから新世代として頭角を現しているJay DanielやUR一派のJon Dixonをリミキサーに起用している事で、もしWaajeedを知らない人にも興味を抱かせるような人選となっている。勿論オリジナルの曲もソウルフルなハウスとして素晴らしく、Ideeyahの優しく包容するような感情豊かな歌、そしてカラッと乾いたパーカッションが爽快に響き優美なピアノのコード展開やコズミックな電子音が飛び交う"Strength (Original Mix)は、じんわりと低温状態から温まっていくような渋い流れがある。そしてWaajeedによるもう一つのバージョンである"Strength (Waajeed’s String Mix)"は同様に抜けの良いパーカッションが爽快に弾けながらより強い4つ打ちで疾走し、エモーショナルなシンセストリングスが躍動的に展開するややゴージャスな作風で、デトロイト・ハウスのポジティブな方面に属す希望を高らかに歌い上げる曲だ。面白いリミックスとなったのは"Strength (Jay Daniel Remix)"で、エッジの効いた硬いヒップ・ホップのリズムへと塗り替えつつそこにデトロイトらしい叙情性のあるパッドを配し、フュージョン風な煌めくシンセの旋律で豊かな味付けを加えている。最もデトロイト・ハウスらしい雰囲気があるのは"Strength (Jon Dixon Remix)"で、オリジナルの作風を大きくいじる事はせずにリズムをややかっちりと硬く強調し、そしてドラマティックな展開を生むデトロイトよろしくなシンセストリングスを用いて壮大にポジティブな光で包み込んでいく作風は、正にUR一派らしいHi-tech Jazzの延長線上といった作風だ。デトロイト好きにとっては堪らないリミキサーの起用でそれぞれが期待通りのリミックスを披露しているが、オリジナルの2曲もアルバムへの布石という点で十分に聴き応えがあり、Waajeedのハウス・ミュージックの方面での評価を上げる事は間違いないだろう。



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| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Seb Wildblood - The One With The Remixes (Omena:OMR001)
Seb Wildblood - The One With The Remixes
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Seb Wildbloodなるアーティストについて特に存じていたわけではないが、アルバム『:~^』からのリミックス企画となる本作には注目すべきアーティストがリミックスを提供しており、十分な話題性を持っている。バレアリック・ハウスの新世代として注目を集めるTelephonesやD.K.、You're Meの一人であるYu Su、話題のStudio Barnhusを主宰するKornel Kovacsと、それぞれ異なる音楽方向を向きながらも皆が個性を持ち確かな実力を持っているのだから、当然リミックス企画としても期待しないわけにはいかない。何はともあれ11分にも及ぶ大作の"Wet Plants (Telephones Remix)"がお世辞抜きに素晴らしいバレアリック・ハウスで、ポコポコとした抜けのよいパーカッションと跳ねるようなキックの4つ打ちのハウス・グルーヴは意外にもタフだが、そこに澄んだように透明でメロウなシンセがレイヤーとなって覆い尽くしていくドリーミーな世界は南国の新緑が茂り水飛沫が弾けるエキゾチックかつトロピカルなムードで、フロア受けする事間違いなしのリミックスだ。対してブロークン・ビーツ寄りに崩れたビートとローファイな音質の"The One With The Emoticon (Yu Su Remix)"は、その無駄が無く骨が浮かび上がったリズム感に物哀しげに望郷の念が込められたような切ないメロディーでダウナーにさせる音楽性で、確かにYu Suの淡くメロウな音の鳴りをしている。"Wet Summer (Kornel Kovacs Remix)"も同様にメロウではあるが、更にローファイ寄りで音の隙間はありながらも硬いブレイク・ビーツでリズミカルに躍動しつつ、牧歌的で淡くほのぼのした音使いが昼下がりのうたた寝を誘う。そして神々しいボイスも用いて幻想的かつ神秘のニューエイジ風に仕上げた"Interlude (DK Remix)"は、オーガニックで温かい響きを活かしながらドリーミーな旋律ともやもやとした音響でぼかして、トロトロ甘い夢の世界へ誘うようだ。おおよそどのリミックスも大雑把に括ればバレアリックな方向性があり快適性は抜群だが、それでもダンスからリスニングまで明確に各々の個性を打ち出して、十分に手腕が発揮されたリミックス集で素晴らしい。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jon Dixon - Erudition: A Tribute to Marcus Belgrave (Planet E:PLE65392-6)
Jon Dixon - Erudition : A Tribute to Marcus Belgrave
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デトロイトのUnderground Resistanceのプロジェクトの一つであるジャズハウス・ユニットのTimeline、その現在のメンバーでもあるJon DixonはURの次世代アーティストの一人だ。テクノの聖地的な存在であるデトロイトに於いてはなかなか世代交代が上手くいっているとは言い難い状況ではあるが、Dixonは電子音楽をジャズやヒップホップ等他の要素を融合させるべく4evr 4wrdなるレーベルも立ち上げて、未来への視点を持って音楽活動を行う期待すべき存在だ。新作は同郷のCarl Craigが運営するPlanet Eからのリリースと言う事だけでも十分な話題性があるが、デトロイトのジャズ・トランペット奏者であるMarcus Belgraveへと捧げられた作品という観点からも、デトロイト・テクノとジャズの結び付きを体験出来る音楽として興味深い。Belgraveについては当方は詳しくはないもののスピリチュアル・ジャズで名高いアーティストだそうで、あのThe Detroit Experimentにも参加していたという事を知ればなる程と言う思いだが、本作には亡くなる2015年前にDixonとコラボした曲も収録されている。それがA面の2曲で、魔術的なスポークンワードの導入と控え目に鳴る耽美なピアノの装飾と硬質なハウスのビートを刻みつつ、そこに正にスピリチュアルで厳かな雰囲気を持ち合わせたトランペットがフリーキーに入ってくる"Erudition"は、表面的にはクールなテクノながらもじんわりと魂を熱くする情熱が込められている。もう1曲のコラボである"Wise Words"はややリズムが強く跳ねていて音の間をベースがうねっており、何よりもトランペットがより自由を謳歌するように鳴っていて、4つ打ちテクノのビートながらもジャズとしても成り立つようでないか。そしてB面にはURの中枢であるMike BanksをはじめDe'Sean JonesやKris Johnsonも参加した"When Belgrave Met Banks"という目玉曲もあり、大人びてムーディーなトランペットや繊細にビートを刻むハイハットらによってスペーシーなテクノの感覚とジャズが邂逅したような雰囲気があり、これもBanksが参加した影響のおかげなのだろう。ラストは力強く引き締まったハウスな4つ打ちを刻む"Summer Of 2001"で、ここでもスペーシーな電子音をバックに用いつつ前面にミステリアスで闇に潜っていくようなトランペットに誘われずぶずぶと深く沈んでいくような感覚は、ダンスフロアでも体を揺らすだろう。表面的な音だけではいつものPlanet Eの規格外かもしれないが、そもそもCraig自体もデトロイトのジャズに取り組んだ事もあったりと、やはり彼等のルーツを振り返りつつ先も見据えた点で評価されるべき一枚だ。



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Deetron - DJ-Kicks (!K7 Records:K7359CD)
Deetron - DJ-Kicks
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3台のターンテーブルを駆使してヒップ・ホップ上りのミックステクでハード・テクノなDJをしていたのも今や昔、制作するトラックもいつしかメロウでソウルフルな感情性豊かな作品へと移行し、上手く時代の波に乗って進化を遂げてきたDeetron。マイペースで作品をリリースしアーティストとしての確かな評価を獲得しつつ、『Fuse』や『Balance』に『Fabric』等の名物MIXCDシリーズにも抜擢されてきたDJとしての手腕もあり、かつてのハードテクノ勢の中では面白い変化を見せながら独自の音楽性を確立しているが、遂にこの『DJ-Kicks』にも参戦とはやはり海外での評価は日本よりも確かなようだ。本作でも分かる通りテクノ〜ハウスの境目を融かすように混在させる選曲の審美眼、ダンスとリスニングの親和性、デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスのクラシックからモダンな時代の曲までと、どれにも偏らずに一つの流れへと組み込んでいくバランス感は比類なきモノで、80分34曲に渡るシームレスなミックスは優雅でさえある。オープニングからしてCarl Craigのガラス細工のような繊細な美しさを発する"Goodbye World"で始まり滑らかにビート入りの曲がミックスされ、古き時代の変異体ディスコの"School Bell / Treehouse"でアクセントも盛り込みつつ、シカゴ・ハウス名作の"Waterfall (Deetron's DJ-Kicks Version)"で垢抜けないながらも原始的なソウルの感情性を高めていく。そこからもジャズ・ファンク色なBurnt Friedmannからインテリジェンス・テクノな趣きのSpacetime Continuum、変異体テクノのMorgan Geistなどジャンルはばらばらなれどエモーショナルな共通項で雰囲気を作っていく。中盤ではDJ Kozeの甘美なサイケデリアの"Let's Love"からRon Trent & Chez Damierの幻想的でディープな朝方をイメージする"Morning Factory"へと繋がる瞬間が得も言われぬ程に素晴らしく、そこからはややテクノ寄りにグルーヴ強めの流れへと入り、リズムの崩れたダブ・ステップや逆にソウルフルなボーカル曲も用いて後半に向けて盛り上がる。そんな中にも古き良き時代のAIテクノのBlack Dog Productionsによる"Flux"を聞くと懐かしさが込み上げたりもするが、DeetronやDJ Boneによる骨太で激しいテクノもミックスしながら突入するFloorplanからTerraceにDerrick Mayのデトロイト系繋ぎの流れは非常にドラマティックで、非常に押し引きが上手い。そして混沌としたベース・ミュージック風な"Old Fashioned"から一気にテンションが落ちて、レフトフィールドなポップソングの"Strange Emotion"で今までの喧騒から解放される静謐な閉じ方は心残り無く綺麗に音が消えていく。いまいち日本に於いてはその実力に対しての正当な評価を獲得しているようには感じられないが、本作はそんな評価を覆すには最適なMIXCDで、Deetronのエモーショナルな音楽性を十分に堪能出来る事だろう。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Masanori Nozawa - III (Medium Music:MECD-02)
Masanori Nozawa - III
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「宇都宮から生まれ出た眩い輝きを放つ星、Masanori Nozawaの初のアルバムはテクノが感情的である事を証明する。」

宇都宮を拠点として活動するMasanori Nozawaは元々は配信で攻撃的なテクノ中心にリリースを行っていたアーティストだが、2014年にMedium Musicを立ち上げて以降の音楽性ではよりエモーショナルな方向へと進み、深く胸に突き刺さるような感情性はテクノソウルと呼ぶべきものになった。そして2017年末、遂に初のアルバムである本作のリリースへと至ったのだが、何とその内容はオリジナル音源とそれを実力派アーティストがリミックスした2枚組となっており、初のアルバムにしては果敢な挑戦にも思われる。今回幸いにも野澤氏から声を掛けられてアルバムのライナーノーツを書かせて頂いたが、そちらはオリジナル音源について言及しているので是非とも作品を購入された方は読んで頂ければと思う。ここではリミックス音源について紹介させて頂くが、参加しているアーティストからしてXTALやHiroshi Watanabeと言った名を馳せている人、アンビエントに造詣の深いInner ScienceやMatsusaka Daisuke、元Mexicoとして活躍したjunyamabe、そしてKEITA YANOやHironori TakahashiにYuuki Horiらまで邦人のみにもかかわらず実に期待せずにはいられない面子だ。それぞれのリミックスには当然アーティストの個性が反映されているのだが、特に面白いのは"Felt The Sphere(junyamabe Remix)"で、ノンビートで壮大なアンビエンスを発していた原曲から一転してアンビエントの側面は残しつつも抽象的な音像で覆い尽くした作風は厳寒の雪が吹き荒れる真っ白な世界のようで、アブストラクトな音響によって深みへと誘われる。同様に金属がひしゃげるような奇怪な音を付け加えて実験的な面もある"Unknown Ruins(KEITA YANO Remix)"も面白いが、一方で雰囲気を変化させずに図太いリズム感で強固さを増した"Chrono (Hironori Takahashi Remix)"はテクノらしい硬い力強さの安定感がある。元々はアルバム中でも最も色彩豊かでエモーショナルな曲だったものの、"Iridescence (Yuuki Hori Remix)"はぐっと感情を内面に押し込めたようにソウルを燻らせる引き算の美学的な作風で、これもリミックスの妙技が感じられる。"The Orb of Day feat. shiba @ FreedomSunset (XTAL Remix)"は原曲のイメージを損なわずにXtalらしいニューディスコ風でアーティスト性が感じられ、そして濃霧に包まれるような音響の中にエレクトロニカらしいリズム感を得た"Beatific Planet(Matsusaka Daisuke Remix)"はアンビエントに対しての深い愛が伝わってくる。リミックスの中で最も情熱的だったのは当然と言うべきか、Kaitoによる"Mercury Breath(Hiroshi Watanabe aka Kaito Remix)"で、壮大なシンセストリングスと力強いビート感を伴って完全に彼の熱き感情が込み上げる世界観へと上塗りされており、輝かしくも激情が展開するテクノだ。最後はこれまたアンビエントでは独特の個性のある"Return to The Galaxy(Inner Science Remix)"で、豊かで色とりどりの音の粒が湧いてくる心地良いアンビエント・トラックは実に可愛らしい。それぞれのリミックスにそれぞれのアーティストの個性が確かに反映されており、リミックスとしての面白みは十分な事は間違いく、初のアルバムながらもリミックスも盛り込んだ事は野澤氏の本作に対する意気込みの強さが伝わってくるだろう。オリジナル音源、リミックス共にこれぞテクノソウルと呼びたい感情性豊かな音楽で、何度でもリピートして聞いている自分がいる。



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| TECHNO13 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2018/4/30 Underground Resistance as Depth Charge Live in Tokyo @ Contact
2016年、Taico Clubで初お披露目となったUndergorund Resistanceの新たなるプロジェクト・Depth ChargeはMad Mike BanksとMark Flashによるユニットだ。現在はバンドであるGalaxy 2 Galaxyが休止状態の為、その穴を埋めるようなプロジェクトかと思われるが、今回遂に都内クラブのContactへ初登場する。それをサポートするのはDJ WadaやKen Ishii、そしてセカンドフロアにはHiroshi WatanabeやTakamori K.らが集結と、完全にデトロイト魂なパーティーが開催された。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vince Watson & Kirk Degiorgio - Rise EP (Suara:Suara 295)
Vince Watson & Kirk Degiorgio - Rise EP
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ダンス・ミュージックを愛する者ならばデトロイト・テクノに対し畏敬の念を持つ人は少なくはないだろうが、それを代表するようなアーティストとして挙げるのであればVince WatsonとKirk Degiorgioは真っ先に来るに違いない。前者は「俺はデトロイト・テクノのフォロワーじゃない」と述べつつもPlanet-Eからのリリースもあったり、後者はデトロイト・テクノのコンピレーションである「The Electric Institute」(過去レビュー)を監修したりと、両者とも明らかにそこからの多大な影響を受けている事は明白だ。そんな二人が手を組んだのであれば当然ハイテック・ソウルなテクノが出来上がる事は明白で、"Rise (Original Mix)"は叙情的なパッドを軸に用いた典型的なデトロイト・スタイルではあるが、そこにブリーピーなサウンドや快楽的なシンセのリフを配しつつ弾けてエネルギッシュな4つ打ちを合わせて、彼等にしては幾分か攻撃的な側面が強くなっている。ただ決して古臭い作風を感じさせる事もなく全体的な響きは今の時代感にも適合しており、ドラマチックに盛り上がっていく展開はフロア映えも良さそうだ。また本作では現在のテクノシーンを盛り上げる3アーティストによるリミックスも素晴らしく、パーカッシヴにリズム感を強めた上にシャープなグルーヴ感を得つつエモーショナルな旋律を付け加えてより叙情性を増した"Variable Slope (Marquis Hawkes Remix)"は何となくWatson風なリミックスだ。一方で"Variable Slope (Voiski Remix)"はハイハット等金属的な響きを強調しより凍てついた質感を打ち出し、そして旋律はトランシー的な快楽さを引き出して、ディープかつ機能性重視な作風は最もモダンなテクノの印象を受ける。そして"Rise (Lake People Remix)"は原曲の直線的な構成とは異なりブレイク・ビーツへと変化させ内向的な叙情性を強めており、90年代のインテリジェンス・テクノの系譜上にあるようなリミックスで、そしてデトロイトらしくもある。オリジナルは期待通りの作風だが、リミックスでは元の良い所を活かしつつ更にそこからそれぞれ異なる特徴をしっかりと表現されており、外れ無しの一枚だ。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Laurent Garnier - Tribute EP (Kompakt Extra:KOM EX 95)
Laurent Garnier - Tribute EP
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フランスのテクノ…いや、ダンス・ミュージックに於ける伝道師のLaurent GarnierはDJとしては超一流である事は間違いなく、ジャンルに束縛されずにその垣根を飛び越えながらフロアを揺らすスタイルが彼の武器になっている。その一方でアーティストとしての側面もあるものの、やはりDJ気質な故かその作品の出来にはムラっ気があるのも事実だ。そんな彼の2年ぶりの新作はKompakt系列のKompakt Extraからとなれば当然の如くツール性も意識してフロア向けの作品となっており、どちらも10分以上の長尺の構成を活かしてじわじわと盛り上げていくピークタイム使用な出来だ。"1-4 Doctor C'est Chouette"はフランスからデトロイト・テクノへの回答とも呼べるクラシック"Man With The Red Face"を思い起こさせるエモーショナルなトラックだが、テクノだけではなくエレクトロやアシッドにプログレッシヴ・ハウスといった要素が混在する作風で、それはさながら彼が一晩で様々なジャンルをプレイするダンストラックを凝縮したかの様でもある。締まったキックによるミニマルな4つ打ち、覚醒感を煽る鈍いベースラインから始まりぼんやりと浮遊する電子音を散らして疾走しながらもじわじわと侵食する序盤、それはまるでピークタイムに向けてエネルギーを溜めているのか。そして遂にピコピコとしたシーケンスとアシッド気味のエグいメロディーが出現し暴走気味になる中盤以降のピークタイム、真っ暗な宇宙空間を高速で飛んでいくロケットのような危険と隣り合わせながらもドラマティックな展開は、フロアでも特に盛り上がる時間帯に完全にハマるだろう。もう1曲の"From The Crypt To The Astrofloor"も壮大な展開を繰り広げるが、ギャラクシー空間の惑星間を擦り抜けていくような鬼気迫る雰囲気はRed PlanetやUnderground Resistanceのコズミック色の強いテクノへのGarnierによる回答と勝手に解釈してしまう程だ。分厚く鈍いベースがウネリながらプログレッシヴかつスペーシーなシンセが伸びていく中で、鋭利なハイハットや叙情性の強いパッドが現れ精神波らしくディープに作用する曲調は、一触即発な危うさと共に劇的なエネルギーを放出する。どちらもGarnierの強烈なダンス・グルーヴとロマンティックな世界観が投影されたピークタイム向けの大作で、何だか聞いているだけで彼が熱狂的なダンスフロアの中でプレイしている様が目の前に浮かび上がってくる。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Byron The Aquarius - Leaving This Planet (Eglo Records:EGLO56)
Byron The Aquarius - Leaving This Planet
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元々はOnraとのThe Big Paybackというユニットで活動していたアトランタのキーボード奏者であるByron The Aquariusは、2016年のSampling As An Art Recordsからのソロデビューを皮切りにWild OatsやSound Signatureと言った著名なレーベルにも声を掛けられ作品をリリースし、また同時に数々のリミックスにも顔を出す程に精力的な活動を行っている。ハウスを軸にファンクにジャズやヒップ・ホップにソウル等の黒人音楽が入れ乱れる雑食性の高い音楽性があり、巧みなキーボード演奏によって流麗な響きを聞かせる楽曲は正にDJではなくアーティストらしい。何と新作はFloating Pointsが主宰するEglo Recordsからと言う事で話題性は十分だが、Byron The AquariusはByron The Aquariusと何ら普段と変わらないしなやかなトラックを提供している。"Song For A Friend"は比較的ハウス・ミュージックのマナーに沿った4つ打ちの曲だが、優雅に延びるストリングスの上に光沢感あるエレピを綺麗に纏め、しなやかなグルーヴを纏って疾走する。"Mind, Body & Soul"も同様に4つ打ちディープ・ハウスのスタイルだが、ボトムはより太く力強くキックを刻んでいる。華麗に舞うようなキーボード使いも相まってジャズ・ハウスやフュージョンらしくもあるが、こういった骨太なトラックはフロアでもパワフルに体を揺らすだろう。対してB面の2曲の方は変化球なリズムを用いてByron The Aquariusの多彩な音楽性の片鱗を見せ付けている。生ドラムなのだろうか勢いのあるブレイクスが特徴的な"Blow Your Mind"、大胆にうねるシンセや動きの多いベースラインも一体となり熱き魂が猛るジャズ・ファンク色が強く、バンド編成によるプレイをしているかのようなライブ感だ。"S.S.D.P."も土臭さ香るドラムのリズムが荒々しくしなやかなグルーヴを生んでおり、そこに美しい流星が降ってくるようなコズミック感溢れるシンセの演奏が自由に舞いながら、もうファンクバンドさながらの生き生きした熱さが漲っている。4つ打ちハウスからジャズ〜ファンク〜フュージョンまで、1枚のEPの中にByron The Aquariusの個性的な魅力が詰まっており、演奏家としての才能が反映された作品だ。この手のアーティストは是非ともアルバムでその全容を体験したいと期待してしまう。



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Terrence Parker - God Loves Detroit (Planet E:PLE65380-2)
Terrence Parker - God Loves Detroit
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電話機型ヘッドフォンを用いながらスクラッチをガシガシと多用したDJスタイルが印象的なTerrence Parkerは、敬虔なクリスチャンでもあり、それを反映したように祈りにも似たゴスペル・ハウスとも呼ばれる音楽性を武器にDJとして高い評価を獲得している。勿論アーティストとしてもファンキーで骨太なディスコ・ハウスから熱きソウルが燃えるボーカル・ハウスまで良質なDJ向けのトラックを手掛けてはいるが、過去に於いては決してアーティスト業がメインではなく積極的に継続してリリースを続けるタイプではなかった。しかし2013年にPlanet-Eよりリリースした17年ぶりのアルバムである『Life On The Back 9』(過去レビュー)を機に、再度アーティスト業にも力を入れ出しDefectedやGroovementにLocal Talkなど多くのレーベルから新作/リイシューのラッシュ状態。そしてPlanet-Eからの前作が評判が良かったのかまたしても同レーベルからニューアルバムが届けられた。ここでは近年Parkerと活動を共にするデトロイトの女性DJ/アーティストであるMerachka、そして過去にもParkerの作品のボーカリストとして共演しているCoco Streetが参加しており、彼らしいボーカル・ハウスの魅力も詰まっている。先ずはMerachkaをフィーチャーした"Bassment Beats (TP's Bassment Mix)"で幕を開けるが、熱量の高い歌ではなくスピーチとして声を利用し野太いベースラインとパーカッシヴで力強いトラックによって、初っ端から勢いと熱さが発せられる。続く"Don't Waste Another Minute (TP's Classic Piano Mix)"もMerachkaを起用しているがゴスペル的なピアノコードと希望を語るような歌を前面に打ち出し、これぞParkerらしい魂揺さぶるデトロイト・ハウスで、何か笑顔さえ浮かぶようなハッピー感だ。その後の"God Loves Detroit (The Resurrection)"は逆にDJツール的と言うか継続したハンドクラップと展開の少ないループ構成のハウスだが、メロディーではなくグルーヴ感重視な作風が爽快なファンキーさに繋がっている。面白い事にCoco Streetを起用した曲では"Latter Rain (The Healing Rain Mix)"と"Latter Rain (TP's After The Storm Mix)"と異なるミックスが連続しているが、ビートレスにした事でストリングスが映えてアンビエント的な前者とクラシカルなガラージの流れを汲んだUSハウスらしい後者と、元は同じ曲でも随分と違う表情を見せている。そしてシンプルに反復する電子音を用いてテック・ハウス仕立ての"Let's Go"、デトロイト・テクノのアンビエント解釈と言うべき"The Sabath"など今までよりもテクノに寄り添った作風も開花させつつ、ラストにはピアノ主導に神々しいストリングスも用いた祈りを捧げるようなビートレスの"Will You Ever Come Back To Me"で、鎮魂歌を捧げるような慎ましく幕を閉じる。前作からの大きな変化は然程無くおおよそParkerに期待している音楽性だから驚くような作品ではないのだが、これがデトロイト・ハウスなのだという主張は存分に伝わってくる。何と言ってもタイトルが「神はデトロイトを愛している」なのだから。



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| HOUSE12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Stingray - Kern Vol. 4 (Tresor Reocrds:KERN004CD)
DJ Stingray - Kern Vol. 4
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バラクラバを被った印象的な顔写真がジャケットに起用された本作を見ると、例えば匿名性の高いアンダーグラウンドな活動を行っていたUnderground Resistanceを思い起こすのもおかしくはない。そのアーティストは、アーティスト名とバラクラバはデトロイト・エレクトロの最深部でありURの一員でもあったDrexciyaの故メンバーから貰ったのだと言う事からも分かるであろうが、つまりはオリジナルのデトロイト・エレクトロを今に継承する人なのだ。その人こそUrban TribeとしてPlanet-EやMo Waxでの活動で注目を集め、その後はRephlexやMahogani MusicからDrexciyaの魂を受け継ぎデトロイト・エレクトロを開拓してきたSherard Ingramである。今、彼の音楽は面白い事にヨーロッパで求められており例えばBerghainでもプレイをしたり、または2017年のTresorでの年越しパーティーにもブッキングされるなど、水面下に沈んでいた本場エレクトロがアンダーグラウンドと言う世界から浮上し大衆から渇望されているように思われる。しかしアーティストとしての活動は多くの人はご存知だろうが、そもそもDJとしての活動(日本への来日も数える程だ)は決して注目を集めていたわけでもないだろうし、一体どんなDJをするのか?と気にはなっていたが、本作で蓋を開けてみればエレクトロ節全開でオールド・スクールから現在形のそれまで懐古的になる事なく未来の視線を向いた内容になっていた。先ずはDrexciya繋がりのDopplereffektで始動を告げるように8ビット風のピコピコな電子音で幕を開け、隙間だらけのカクカクしたエレクトロビートが鞭打つように入ってくれば、もう勢いは早くも増していく。続いて連打するような忙しないビートの"We Run Your Life"でスピード感を得て、"Mind At Sea"や"Dissociation"辺りは電子音震えるモダンなテクノで、直線的なビートの勢いに飲み込まれていく。そして評価すべきはSherardが時代の止まったエレクトロ盲信者ではなく、近年のクールでデトロイト・ソウルを継承したエレクトロを積極的にプレイし、過去と現在がしっかりと線になり繋がっている事だ。勿論最も古いものでは1989年産の暗くもヒップ・ホップかつストリート系の"Professor X"もプレイしたり、そして中盤ではDrexciyaの爆発的なエネルギーを持ちながらもメランコリーも含んだ"Lost Vessel"でピークを作ったりと、元祖への愛情と言うか敬愛も含まれている。Drexciyaの曲が多いのはご愛嬌といったところだが、しかし1時間に27曲を繋ぎ合わせるミックスによって矢継ぎ早な展開がギクシャクしたリズムと直球4つ打ちのリズムを掻き混ぜるように緩急自在に躍動し、肉体が震える程の刺激を生み出している。エレクトロを軸にテクノな音も同居し刺々しい攻撃性の中にもダークなメランコリーもあり、確かにこれはDrexciyaを継ぐ者である。予想以上に骨太なプレイに踊らずにはいられない。



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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Alton Miller Featuring Maurissa Rose - Bring Me Down (Sound Signature:SS065)
Alton Miller Featuring Maurissa Rose - Bring Me Down

デトロイトの伝説的なクラブとなっている"Music Institute"、そこのレジデントに名を連ねていた事からも分かる通りでデトロイトの最古参の一人でもあるAlton Millerは、同郷の他の華々しく輝く道を歩んでいるDJ/アーティストに比べれば地味で、良く言えば堅実に活動を続けるアーティストだ。デビューから25年以上は経過しているが音楽的な変化も然程なく、いやだからこそそのデトロイト・ハウスの普遍性が故にKMSやPlanet EにTrack Modeを含む多くの著名なレーベルのカタログに名があるのだろう。そして2016年、本当にようやくという思いだがSound Signatureのコンピレーションである『These Songs That Should’ve Been Out On Wax By Now』(過去レビュー)によって同レーベルから初のリリースを飾ったのだが、そこからのアナログカットの1枚が本作だ。Maurissa Roseをボーカルに起用した"Bring Me Down"は何てことはない所謂デトロイト・ハウスそのもので、Millerの変わる事のないソウルフルな音楽性が発揮している。ムーディーで優しいオルガンのコードから始まり、ざっくりと生の質感もあるジャジーなビートが刻み出し、そして華麗なシンセやエレピにや熱量を持った感情的なボーカルが絡みながらぐっと聞く者の心を熱くするソウルの塊だ。時代性や流行とは全くの無縁な、これこそMillerによるハウス・ミュージックと言わんばかりのオーセンティックな内容で、しかしSound Signatureの奥底に渦巻く熱量を隠し持ったようなレーベル性とも合致している。そして本EPでは嬉しい事にレーベル頭領であるTheo Parrishによる"Bring Me Down (SS Translation)"の異形なリミックスも収録されており、音の彫刻と言うレーベル通りな金属の塊を削り出したように錆び付いて鈍い音を強調した改変は正にTheoの音楽として生まれ変わっている。ざらついて粗雑な質感を持ったリズム、ドープで重い低音が蠢くベースライン、音が間引かれて隙間の目立つ構成と、オリジナルの正統派ソウルフル・ハウスとは方向性を異にするビートダウン・ハウスではあるが、しかし何故故により黒く染まり激情を含むのか。寂れて朽ち果てた中にも美しく花開くピアノの旋律は、しっとりと心を濡らす。オジリナル、リミックスそれぞれのアーティストの個性が的確に表現され、文句無しの出来だ。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Niko Marks - Day Of Knowing (Planet E:PLE 653781-2)
Niko Marks - Day Of Knowing
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特別な注目を集める事は多くはなかったが、デトロイト・テクノ/ハウスと呼ばれるシーンの中では特に楽曲制作を力を入れて大量に作品を残しているNiko Marks。自身のU2X ProductionsからはCDRや配信で毎年のようにアルバムを送り出し、Planet EやDelsin等からもEPのリリース歴があるなど、その知名度の低さとは逆に安定して音楽制作を行っている信頼に足るアーティストだ。本人はキーボードをプレイし歌唱も披露するなどDJ気質ではなく完全にアーティストであり、その為か音楽性もテクノやハウスのみならずジャズやファンクまでも網羅する、つまりはデトロイトのモーターシティーとしての音楽を十分に理解している事もあり、デトロイトのアーティストとしてはもっと注目を集めてもおかしくはない。ならばこそ、このPlanet-Eからリリースされたアルバムはその契機にも成りうる筈で、事実ここには前述の豊かな音楽性が閉じ込められている。アルバムの始まりである"Crank Shaft"からしてキーボードの華麗なコード展開を強調したハウスであり、背景にはコズミックなSEが散りばめられつつぶいぶいと唸るベースやシンセからはファンクの要素が感じられ、実にエモーショナルに展開する作風がアーティスト性を表している。本作で面白いのはリミックスも収録されている点で、Icanとしても活躍するSantiago Salazarがリミックスした"Day Of Knowing (Santiago Salazar Remix)"は情緒的なピアノの音色を活かしながらもスムースな4う打ちでぐっと熱量を増したソウルフル・ハウスを聞かせるが、 原曲の"Day Of Knowing (Original)"はぐっと勢いを抑えてジャジーなリズム感がある事でバンド風なアレンジが黒人音楽のルーツを掘り起こすようだ。本作には以前からコラボを果たしているCarlos Nilmmnsも制作に参加しており、その一つである"Elle Est Une Danseuse A Minuit"は快適なハウスの4つ打ちに合わせて流麗なシンセのコードの響きがのびのびと広がるような効果をもたらし、上下に軽快に弾けるグルーヴを刻む。また"Many Other Places"のように夜っぽい艶のあるダークなテック・ハウスや、耽美な音色を聞かせるエレピが軸になるジャジーファンクなハウスの"Thrill Of The Chase"など、曲毎にキーボーディストとしての力量を発揮しながらエモーショナルな要素を込めている。デトロイト・テクノ/ハウスが好きな人ならばこのアルバムはきっと気に入る事は当然として、これからデトロイトを聞く人にとってもそこにあるソウルやエモーションを感じるにはうってつけだ。



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| HOUSE12 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jay Daniel - Broken Knowz (Technicolour:TCLR018)
Jay Daniel - Broken Knowz
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Kyle Hallと双璧を成すJay Danielはデトロイト・テクノ/ハウスの新世代を代表する若手のアーティストで、何とまだ25歳と若くして知名度を得た実力者である。Sound Signatureから2013年にデビューを果たしてからまだ数年だが、既に日本への来日も果たすなどデトロイトに於ける新世代としての期待を一身に背負い、デトロイトのアフロ・フューチャリズムの伝統を受け継ぎつつ今のサウンドを創作する。母親はPlanet-Eから作品をリリースしていたあのNaomi Danielなのだから、血筋としても裏切るどころか期待された通りの結果を残しているが、しかし母親のうっとりする官能的な歌モノハウスとは異なり、Jayの音楽性はとびきりに粗い。若さ故の衝動的なパワーと呼ぶべきか、その粗さは例えばテープでの録音や古い機材を使っている事も影響しているのだろうが、敢えて綺麗に作品を纏めるような事はせずに剥き出し感のある粗雑な音が熱いソウルをより実直に感じさせるのだ。その方向性はドラムプログラミングの制約に限界を感じた事で、本作では自分でドラムを叩く事へと繋がり、それが結果としてJayのラフな音楽に拍車を掛けつつより人間味溢れる音を鳴らす事になったのだ。ハンドクラップや生々しく土臭いドラムのリズムに先導される"Last Of The Dogons"は、何か黒いものが蠢くようなアフロ感覚もあり、単にハウスと呼ぶには異形なオープニング・トラックだ。続く"Paradise Valley"は正にドラムスティックの乾いた音がリズムを刻んでおり、何が物悲しいメロディーと相まって胸を締め付けるような感情的なロウ・ハウスだ。"Niiko"も生き生きと躍動的なドラムのリズムが土着的で、最早デトロイト・ハウスというよりはエキゾチックな原始音楽のような生命力があり、肉体から汗が吹き出すような胎動が感じられる。逆にこれぞJayのロウ・ハウスらしくあるのは"1001 Nights"で、ざらついたハイハットの粗さや骨格が浮かび上がった隙間だらけの構成が、逆説的に骨太なグルーヴを生み出している。どの曲も簡素な構成が故にドライかつ抑揚が抑えられてはいるものの、4つ打ちを逸脱した妙なリズム感が揺れを誘発し、ライブ感のある音によって直接肉体を刺激する。デトロイトの先人達のソウルを受け継ぎつつ、しかし単なる物真似にはならないオリジナリティー溢れる音楽性があり、新時代を切り開くアーティストとして期待は大きくなるばかり。



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| HOUSE12 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/1/7 Hi-TEK-Soul Japan Tour 2017 @ Contact
2015年のカウントダウン、代官山Airのフィナーレを飾ったのがデトロイト・テクノの暴君・Derrick Mayだった。その後、渋谷には新たにContactなる新しいクラブが誕生したのだが、その名付け親もDerrickだったのは何か運命的なモノを感じやしないだろうか。そしてContactにその名付け親であるDerrickが遂に初登場となる今回のHi-TEK-Soulには、彼が運営するTransmatから日本人としては初の作品をリリースしたHiroshi Watanabeも参加するなど、待ちに待っていた一夜が到来した。
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| EVENT REPORT6 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig | Sonja Moonear - Cocoon In The Mix (Cocoon Recordings:CORMIX053)
Carl Craig Sonja Moonear - Cocoon In The Mix
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真夏の夜の饗宴を繰り広げるイビサはAmnesiaで開催されるCocoonのパーティーは毎年の恒例行事となっているが、そのパーティーの公式MIXとなっている『Cocoon In The Mix』の最新作(と言ってもリリースは昨夏ですが)は、デトロイト・テクノの至宝であるCarl Craigとスイスの女性DJでありミニマル系で評価を得ているSonja Moonearが手掛けている。このシリーズのコンセプトは二人のDJのミックスを収録するだけなので、音楽的な繋がりから言えば共通項は見えてこないので、それぞれ全く別のプレイとして本作は楽しむべきなのだろう。それでも本作を聞けば例えば当方のようにAmnesiaのパーティーを体験した事のない人にとっても、その雰囲気だけでも何となく掴める事は可能なのかもしれない。それは特にC2のプレイの方が顕著と感じ、序盤から"What Is House Muzik (Ricardo Villalobos What Is Remix)"や"7 Directions (Dennis Ferrer Drum Mix)"などミニマルかつドラッギーな大ネタを繰り出して、大箱らしい派手な盛り上がりを作っていく。制作するトラックに比べるとプレイの方は余りデトロイトらしさは感じさせないのがC2の特徴だが、それでも疾走しうねるビート感や覚醒的な上モノを用いたヨーロッパ寄りのテクノやテック・ハウスなどは一般的には馴染みやすい音ではあり、またFloorplanやOxiaなどクラシックも当然の如く用いて真夜中の興奮を演出し、終盤ではデトロイト系の"Episode"や"Speechless (C2 Remix)"を投下して感動のエンディングへとスムースに盛り上がっていく。ミックス自体に何か特別な個性を感じるような内容ではないものの、Amnesiaの興奮に包まれた景色が浮かんでくるような、これぞ大箱らしいプレイだろう。対してMoonearの方がDJとしての力量を感じさせるプレイが体験出来る内容で、色っぽい呟きによりハウスを宣言するような"New Age House"に始まり"Music, Music (The I Humped Mix)"によって滑らかに加速し、常にグルーヴをキープする。大袈裟に展開を作る事はせずに淡々とした抑制されたビートを刻み、Cocoonらしいドラッギーなテック・ハウスも織り交ぜながら中盤でのエモーショナルな"Creepin"や"Translated Translations Translated"等のハウスでドラマティックな流れも生み、ミニマルな展開の中にも淡い叙情性を盛り込む。中盤以降は更に深い空間を感じさせるディープ・テックな闇に進んで、ラストに向かって80年代シンセ・ポップらしさを含む"M9"からアンビエントな音響処理の強いダビーな"98%"で微睡みつつ、最後にはVillalobosによるその名も"Amnesia"でじわじわと感覚が鈍っていくようなドープ・ミニマルで深みに嵌まりながらいつしかパーティーは終わりを迎える。半ば強引なまでに盛り上げるC2、対してフロアの感覚を掴むように嵌めていくMoonear、DJとしては当然後者に軍配が上がるだろう。



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| TECHNO12 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Daniel Avery - DJ-Kicks (Studio !K7:K7342CD)
Daniel Avery - DJ-Kicks
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MIXCDシリーズとしては名実共にトップに君臨するDJ-Kicksシリーズは、テクノやハウスだけに限らず多種多様なジャンルに於ける実力者を起用しているが、決してコマーシャルな訳ではないが比較的名の知られているDJが多かったように思う。新作はUKテクノシーンの新星であるDaniel Averyが担当しているが、確かにここ数年めきめきと頭角を現してはいるものの、決して幅広く知られているかと言うとそうでもなくアンダーグラウンドな雰囲気を今も尚纏っている。そんなDJを起用したDJ-Kicksの選択は間違っていなかった…本作を聴けば誰しもそう思わずにはいられない、これが今のテクノだと言わんばかりの時代性とアンダーグラウンドなパーティーの感覚がここには閉じ込められている。ダンス・ミュージックの中のテクノの、更により深いアンダーグラウンドな音楽に慣れていなければ、本作で聴ける展開が少なく氷点下のような冷たい電子音の持続は、単調に感じるかもしれない。明確な旋律のないスモーキーなドローンが満ちる"Soundscape I"で幕を開けると、続く"Sensation (Rrose Remix)"では殺伐で荒涼とした風景が浮かぶ電子音が酩酊を誘う4つ打ちで胎動を開始し、暴力的なキックと無機質な金属の打撃音で猪突猛進する"Vertigo"で深く真っ暗な地下のトンネルを疾走するような感覚に陥っていく。展開を極力抑えられたダークなテクノはミニマルと呼ぶべきなのだろうが、例えばリズムにうねりがあるグルーヴのミニマルではなく、抑揚を排し深い音響によって持続間を生むAveryのプレイは、非常に機械的であり温度は極度に冷えている。しかしだからといって盛り上がりが全くない事はなく、中盤のアタック感の強いキックと覚醒的な電子音が反復する"Stortorget"からゴリゴリと掘削するようなキックに感覚を麻痺させるドローンが乗った"Capitulo 5"辺りの流れは、ハード・グルーヴが目を出して肉体的な刺激も十分だ。そこからはドローンや細かな電子音が散りばめられたハードな音響テクノを中心に、ずぶずぶと地底に沈んでいくようなダークかつサイケデリックな流れが続き、次第に感覚や意識が薄れていくようだ。最後は始まりと同様にAveryによるモノトーンなアンビエントである"Space Echo"が待っており、それまでの荒々しさが嘘の如く霞となって消えて終わりを迎える。比較的どの曲も長くプレイされるせいで派手なミックスも無ければ、曲自体もモノトーンで荒廃した世界観が長時間続く平坦な流れだが、しかしそれこそが我を失う酩酊した感覚を生むのであり、ハマる人にとっては最上級の恍惚感を与えるに違いない。



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| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
La Torre Volumen Uno (Hostel La Torre Recordings:HLTR001)
La Torre Volumen Uno
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バリアリックと言えばイビサ、そして現在のバレアリック・シーンを引率するレーベルはInternational Feel。本作はそんな場所やレーベルに縁のあるコンピレーションで、イビサ島にあるホテル「Hostel La Torre」で夏の間にInternational FeelのボスであるMark BarrottがBGMを担当した事から、そこでの選曲をベースにLa Torreにもたらそうとしていた「エッセンスとスピリット」を盛り込んだそうだ。筆者はイビサに行った事がないのでそこでの雰囲気をリアルに体験する事は不可能だが、しかし本作を聴けば少なからずイビサの空気感とバレアリックがある特定のジャンルではなくある雰囲気を持つ音楽の集合体である事を理解する事は可能だ。本作はジャンルや時代に壁を作る事なく選曲がなされており、実験的なアフリカン音楽にエキゾチック、無国籍に中東レゲエ、シンセポップに最新のバレアリックまで収録し、それらが一体となりバレアリックという雰囲気を作り出しているのだ。アルバムの前半は一般的なダンス・ミュージックではなく異国情緒もあるワールド・ミュージックとしての性質が強く、アフリカンながらもミニマルな展開で持続感を有む"Forest Nativity"で始まり、可愛らしさを発するボーカルとトロピカル感が控えめに甘さを匂わす"Comme Ca"、メロウなフォークの中に東洋的な雰囲気もある"Air A Danser"など、有機的な響きと肩の力が抜けたリラックスした流れが爽やかな開放感を生んでいる。中盤のSpookyによる"Orange Coloured Liquid"は90年代前半のアンビエント・ブームの系譜にある浮遊感の中に意識も溶け込んでしまうバレアリックで、そこから現行バレアリックのCantomaによるアコースティック・ギターが夕暮れ時の切なさを誘う"Tabarin"への流れは、得も言われぬ恍惚感が溢れ出す。そしてバレアリック急先鋒に属するAndrasの"Gold Coast (Surfer's Paradise Mix)"も、ドラムン・ベースのビートを刻みつつも何処までも澄み切った清涼感のあるピアノやストリングスが穏やかな情景を浮かび上がらせる。後半にはBarrott自身による正にタイトル通りな"Deep Water"が待ち受けており、土着的なパーカッションや笛の中から清き水が溢れてくるようなエキゾチック・アンビエントには、もはや身も心も溶けてしまう。そして最後の"White Diamond"、ゆったりとしたスローモー・ディスコだがキラキラ感よりは輝きを抑えつつも長閑な田園風景を垣間見せる穏やかなバレアリックで、感動のラストを迎える。本作には瞬間的な刺激や真夜中のざわめきは一切なく、確かにホテルの落ち着いた空間演出を作るのを助けるような役割を持った音楽性で、底抜けの開放感やリラックスした微睡みが途切れる事なく続く。それぞれのジャンルは違えども各曲はバレアリックという言葉で繋がれており、流石のInternational Feelの率いるだけの説得力を感じさせる。



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| ETC4 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Planetary Assault Systems - Arc Angel (Ostgut Ton:OSTGUTCD37)
Planetary Assault Systems - Arc Angel
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UKテクノの歴史において、ハードテクノ全盛の古い時代から生き抜いている稀有なベテランの一人、Luke Slaterも今ではテクノの中心となったベルリン志向に傾倒しているのは明らかだ。活動の初期から用いている変名のPlanetary Assault Systemsは特にハードかつラフな質感を持ったテクノ・プロジェクトだったが、2009年にはOstgut Tonからよりミニマルで機能性重視の音楽性へとシフトしたアルバムをリリースし、見事にテクノシーンの最前線へと返り咲いた。本作はこの名義では5年ぶりのアルバムで、そしてまたしてもOstgut Tonからとなるが、実はL.B. Dub Corp名義でも2013年にアルバムをリリースしていたので思っていたよりも久しぶりではない。しかしL.B. Dub Corpの作品がレゲエやファンクも吸収した実験的なテクノだった事を考えると、このPASの新作こそがフロアの空気を的確に掴んでSlaterのミニマル志向が反映された王道的な作品だ。CDでは2枚組20曲で計90分を超える本作では、先ず「メロディー」に焦点を当てたと本人は述べているが、だからと言って一般的ないわゆるエモーショナルなコテコテのテクノとは異なっている。アルバムはカセットデッキにテープを入れる環境音の"Cassette"から始まり、続く"Angel Of The East"ではビートレスの空間にパルスのような電子音とそれを装飾する奇妙なサウンドにより音響系の傾倒を示し、ダンス・トラックだけではないアルバムというフォーマットを活かす事にも軸を置いている。3曲目の"Tri Fn Trp"でようやくリズムが入ってくるが、もはやハードな質感は無く無機的にひんやりとしたビートを刻みつつ、一方で電子音による複合的なシーケンスもビート感を生んでテクノとしての機能性を高めている。"Message From The Drone Sector"ではやや太いキックが4つ打ちを刻んでいるが、勢いで押し切るのではなく奇妙な電子音のシーケンスが闇の中に吸い込むような雰囲気を作り、リズムはあくまで淡々としていて決して感情の昂ぶりを誘うわけではない。むしろその平坦なリズムと機械的な電子音の反復がミニマルな感覚を持続させ、徐々に意識も麻痺するようなディープ・スペースへと誘われるのだ。先に述べた「メロディー」というものが決してキャッチーな音楽を指す事ではなかったが、音の反復・重なりによりグルーヴを生み持続感を作る「メロディー」への探求が、本作からは感じられる。平坦でミニマルなリズム感、重層的な電子音のシーケンス、そしてスペーシーな世界観はJeff Millsの近年の音楽性と類似しているが、そちらよりも更にモダンに研ぎ澄まされている。



Check "Luke Slater"
| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
L.U.C.A. - I Semi Del Futuro (Edizioni Mondo:MNDCD02)
L.U.C.A. - I Semi Del Futuro
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2013年にイタリアに設立されたEdizioni Mondoは60年代のモンド映画にインスパイアされ、有機的なハウス・ミュージックにダウンテンポやバレアリックなどの要素を持ち込んだ音楽を送り出しており、Music From MemoryやInternational Feel辺りを好む人とも共振するようなレーベルの一つだ。そんなレーベルを立ち上げたのがイタリアのDJ/プロデューサーであるFrancesco De Bellisで、Raiders Of The Lost ARPとして活躍するMario PierroともユニットであるJollymusicやMAT101としても活動をしたりと、イタリアのハウス/イタロ系としてはそれなりの経験を持つベテランだ。本作はそんな彼がL.U.C.A.名義でリリースした初のアルバムであり、この名義ではイタロ系と言うよりはレーベルを重視してサウンド・トラックやバレアリック性を重視しており、家の中で心を落ち着けて耳を傾けて聞きたくなるリスニング・アルバムとなっている。事実、L.U.C.A.の曲は橋本徹(SUBURBIA)が選曲したコンピ『Good Mellows For Seaside Weekend』(過去レビュー)にも収録されるように、大らかで瑞々しい有機的なサウンドとメロウな旋律はひたすら爽快で心地良い。本作の始まりとなる"In Principio"でも生のベースやギターをフィーチャーし、鳥のさえずりもサンプリングしながら如何にもなバレアリックな空気を放出しているが、ハウスともディスコとも異なる感覚は言葉に表すのが難しい。そこに続く"Il Valzer Del Risveglio"では優美なストリングスに豊潤なオルガンの響きと共に祝福の雄叫びも交えしっとりとした郷愁を誘い、"In The Sun"ではそのタイトル通りに燦々と日が降り注ぐ下で大海原の航海に出るようなオーシャン・フィールに溢れた清涼感があり、アルバムの雰囲気は野外や自然を強く匂わせる。滝のイメージかどうかはさておき、しなやかなストリングスに乗ってシタールらしき弦の音が幻惑的に響く"Niagara"はエキゾチックかつサイケデリックで、異国情緒の中にメロウネスが存在している。最後の"Plancton"に至っては完全にビートは消失し幻想の中に消え入るようなドローンが持続するアンビエントだが、テクノのアンビエントとは異なる生っぽさは特徴だろう。何か特定のジャンルに属すのではなく、モンドやサイケロックにディスコやハウスが融和して映画のような風景を喚起させる音楽と言うべきで、特に肉体を突き動かすのではなく心に染みるメロウな感覚はEdizioni Mondoというレーベル性を主張している。



Check "L.U.C.A."
| HOUSE12 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recloose - Honey Rocks EP (Aus Music:AUS1697)
Recloose - Honey Rocks EP
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デトロイトの才人であるMatthew ChicoineことRecloose、何と2年半ぶりとなる新作は今までに関わりのなかったAus Musicからとなるが、近年のReclooseらしさは変わらずフュージョン・テイストを含む煌きのあるサウンドをここでも鳴らしている。かつてデトロイトからニュージーランドへと移住したばかりの頃はやけに生音志向への拘りを見せ、クラブ・ミュージックらしさを失いファンの心は離れていたように思うが、昨今のRush Hour RecordingsやDelusions Of GrandeurからリリースしたEPにおけるハウスへの帰還は初期以上の素晴らしさがあったと思う。そしてニュージーランドでの生活を終えて2014年にはいつの間にかNYへと移り住んでいたようで、それ以降に作られた本作も初期にPlanet-Eからリリースした頃の未来感を含みつつエレクトロニック性も高めたハウスとなっており、期待を裏切らない作品になっている。正に未来的な電子音がピコピコとなるイントロから複雑で躍動的なパーカッションと弾けるハンド・クラップの勢いに乗り、そしてしなやかな柔軟性と光沢感のある優美なシンセのコード感による煌きを発する"Honey Rocks"は、最早Reclooseの十八番と呼んでも良い作風だろう。ファンキーなボーカル・サンプルを用いた"On & On"は、浮遊感のあるシンセがすっと伸びつつ跳ねるリズムのおかげで軽くて爽快な雰囲気があり、途中で聴ける眩いばかりの光を放つような歌がフュージョンらしさを匂わせている。対してB面の"Sidewalks"はねっとりと絡み付く重心の低いビートダウン的なグルーヴが目立っており、そこにダビーな音響の効いたボーカル・サンプルや音を散りばめて、サンプル・ループ重視のディスコ・ハウスなノリでじわじわと攻める異色の作風だ。本作を含めここ何年かの内にリリースされたEPでReclooseの個性は完全に確立され、デトロイト・テクノの枠だけには括られない耽美なフュージョン・ハウスの音楽性の素晴らしさは言うまでもないが、あとはこの路線でのアルバムが制作される事だけが待ち遠しくなる。



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| HOUSE12 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pampa Records Vol.1 (Pampa Records:PAMPALP011)
Pampa Records Vol.1
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レーベル初のショーケース・コンピレーションとは謳いながらも、レーベル外からもアーティストを招きこのアルバムの為に新曲を提供させて、しかしそれらは最終的には適切にレーベルらしい音源に纏まっている…という作品がドイツはベルリンのPampa Recordsのコンピレーションだ。2009年に設立とまだ7年程の運営ながらもレーベルを主宰するDJ Kozeを筆頭にAxel BomanやNathan FakeにLawrence、奇才と呼んでも差支えのないIsoleeにRobag Wruhme、マイナーながらも可能性を秘めるDurerstubenにDntelなど多くのDJ/アーティストの作品をリリースしてきたが、それらは単にDJとしての機能性だけではなく捻くれて奇妙なポップ性も包括した作風を確立した点で、Pampa Recordsのオリジナティーを認めさせた。当然そんな音楽性は本作にも存在し、フォークシンガーであるLianne La Havasの曲を奇才・Herbertがリミックスした"Lost & Found (Matthew Herbert Remix)"は、甘く清純な歌とポップな旋律に遊び心も感じられる構成があり、そしてダンス・ミュージックとしての滑らかに流れるハウスビートが心地良いグルーヴを生む。アルバムの中で最もポップでメランコリーなのはAdaが手掛けた"You And Me"であり、キュートで囁くような女性ボーカルとほっこりと暖かいシンセのメロディーが可愛らしい旋律が絡み合い、パーティーの朝方に使えばフロアを優しさに包み込むだろう。Pampa組のDntelは"Snowshoe"はチョップ気味なピアノや浮かんでは消える荘厳なシンセの動きが不思議なハウスを提供しており、奇妙な響きの中から優美な輝きが零れ落ちるようで、ユーモアと芸術性が混在している。Pampa外からの参入で目を見張るのが支離滅裂な電子音楽を創造するGold Pandaで、彼にしては随分と整ったハウスビートを刻む"Black Voices"は、しかしエレガントなストリングスが舞い踊り耽美なピアノが控えめに装飾する上品なダンス・ミュージックになっている。またメジャー側からはJamie XXが参加し、Kosi Kos(DJ Kozeの変名)と共同で"Come We Go"を手掛けているが、キラキラとしたレトロフューチャーなディスコの世界観と端正な4つ打ちにDJ Kozeの捻れた音響を持ち込んだ作風は、その奇妙さがやはりPampaらしくなるのだ。これら以外にも多数のアーティストが多様な音楽性を披露しており、それらは尚ポップとユーモアな感性を同居している点でDJ Kozeのレーベルを運営する上での審美眼が冴えており、本作によって信頼の置けるレーベルとしての評価を更に得るだろう。



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| TECHNO12 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Simoncino - Beyond The Dance (Mr. Fingers Remixes) (L.I.E.S.:LIES-RMX01)
Simoncino - Beyond The Dance (Mr. Fingers Remixes)

シカゴ・ハウスにおける伝説的なトラック・メーカーであるMr.FingersことLarry Heard、そしてオールド・スクールなシカゴ・ハウスを妄信的なまでに愛し今という時代に於いてもその作風の持ち味を壊す事なく蘇らせるイタリアのSimoncino。両者のシカゴ・ハウスへの信頼やぶれる事のない作風には共通項があり、だからこそ2012年にはSimoncinoの曲である"Distant Planet"をHeardがリミックスするまでに至ったが、それから4年を経て再度二人は邂逅する。今回はSimoncinoの2014年作のEP「Abele Dance」に収録されていた"Beyond The Dance"を、またもやHeardが2バージョンのリミックスを行ったのだ。元々が拙いマシンビートがけたたましく荒ぶり物哀しいメロディーが心を揺さぶるシカゴ・ハウスで、それは完全にHeardの影響下にあるものだったが、それをHeardが更にリミックスするとどう変化するのかという点は興味深い。ささくれ立つハイハットやスネアを多少は抑制しながら骨太ながらもスムースなビートへと変化させた"Beyond the Dance (Mr. Fingers Remix)"は、しかし古典的な技であるハンド・クラップを導入してオールド・スクール感を保ち、オリジナルのメロディーを壊す事なく伸び伸びとした躍動も兼ね備え、より人の温もりと包容力を感じさせる正しくHeard節とも言えるディープ・ハウスだ。裏面の"Beyond the Dance (Mr. Fingers Dark Mix)"はそのタイトル通りに激しく打ち鳴らされるドラムマシンによってヒプノティックな雰囲気が増したリミックスで、うっすらと情緒を匂わせるキーボード使いのバックではオリジナルのロウな響きにはより近いリズムが激しく脈動し、攻撃的なシカゴ・ハウスの側面が強い。それぞれシーン/時間帯別に使い処はあろうが、流石のHeardのリミックスは自分の色に染め上げてしまっている。




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| HOUSE12 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/8/6 Hiroshi Watanabe Transmat “Multiverse” Release Tour Final @ Sankeys TYO
日本人としては初となるTransmatからの作品をリリースしたHiroshi Watanabeが、そのリリースツアーとして半年間に渡り日本各地のパーティーでプレイしてきたが、その集大成としてSankyesでツアーファイナルが開催される。そこにゲストとして呼ばれるのはTransmat繋がりとしてDerrick Mayのおかげでシーンへと復活を果たしたKarim Sahraouiで、彼の曲はテクノのみならずハウスのパーティーでもプレイされるなどエモーショナルな作風はWatanabeとも通じるものがあり、今回の初来日は期待していた者も多いだろう。勿論それだけではなく、ここに至るまでに積み重ねてきたWatanabeのライブも期待せずにはいられず、今夜その集大成を披露する事になるだろう。
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| EVENT REPORT6 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/5/21 Sunset Lounge @ 江ノ島展望台
Sunset Lounge 2016 Part1

もう既に蒸し暑さも強くなってきた5月、今年もまたSunset Loungeの季節の到来だ。2003年のFreedom Sunset時代からもう10年以上も経過し、老若男女が気軽にピースフルな体験を出来る夏の海のパーティーとして定着しているが、世界的にも活躍するベテランから実力を秘めた若手、そしてテクノ/ハウスだけに拘らないダンス・ミュージックまでの人選と、幅広い層が参加出来る環境ながらも本格的な音楽性を伴う事で間口を今も尚広げている。今回はパーティーのレギュラーDJになっている井上薫、TransmatからアルバムをリリースしたばかりのHiroshi Watanabe、人力ブレイク・ビーツを披露するKEIZOmachine!、ハウスのプレイでは定評のあるDazzle Drums、そしてDJ NOAと全く隙のない出演者が揃い期待度は非常に高い。
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| EVENT REPORT6 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/4/23 Laurent Garnier @ Contact
オープニングパーティーからいきなりパーティー途中で営業中止となり、幸先が危ぶまれたContact。それから3週間が経過してようやくオールナイト営業へと戻り、久しぶりの来日となるLaurent Garnierのパーティーも準備は万全。テクノやハウスだけではなくジャンルを横断し、正に音楽の旅を表現するGarnierのプレイは今夜は一体どんな道を進むのか。
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| EVENT REPORT6 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Simoncino - Amazon Atlantis (Creme Organization:Creme LP-12)
Simoncino - Amazon Atlantis
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イタリアきってのシカゴ・ハウスのオタクと言えばSimoncinoを挙げても差し支えはないだろう。古いシンセやドラムマシンを用いて垢抜けなくも何処か懐かしい音質を打ち出し、ぶれる事なく初期のシカゴ・ハウスを追求し続ける偏執狂だ。それは彼が起用するリミキサーにも現れており、今までにRon TrentやLarry Heard、Dream 2 ScienceにVirgo Fourなどオールド・スクールなシカゴ・ハウスの才人らを選ぶ審美眼からも、彼がどれだけ初期のハウスに惹かれているかは分かる筈だ。そんな彼にとって2年ぶり3枚目となるアルバムが、シカゴ・ハウスの変異性を受け継ぐCreme Organizationよりリリースされている。この新作でもRoland TR-808やYamaha DX7にAkai S900などのローファイでありながら名機と呼ばれるマシンをベースに、ロウな質感を残す素朴なシカゴ・ハウスを手掛けており、その流行に全く左右されない信者のような身の捧げ方には感嘆する他にない。その観点から言うと新作であってもいつもと変わらないので驚くべき点は無く、冒頭の”Images”はカタカタとした乾いたリズムマシンの音と憂うような物哀しいシンセのメロディーが先導する錆び付いたロウ・ハウスで、徹底してオールド・スクールを貫いている。それでもゲストを起用する事で、ちょっとしたアクセントが無いわけでもない。Legoweltをフィーチャした"Planet Paradise"は簡素なビート感ながらも勢いのあるテクノ風に攻撃的ではあるし、シカゴ・ハウスのベテランであるVincent Floydをフィーチャーした"Memories Of Summer"は荒ぶるリズムが前面に出ながらも幽玄なディープ・ハウスとなっていたり、全体のムードを壊す事なく刺激的な変化を加えている。それ以外にもアトモスフェリックな上モノとブレイク・ビーツ気味のビートで揺れるアンビエント・ハウス風な”90's Theme”や、ドタドタとしたマシンビートと奇妙なシンセによるリズム中心のツール特化な"Space Tape"など、アルバムというフォーマットを意識して単調に陥らない尖った特徴さえ見受けられる。だがしかし全体としては現在のロウ・ハウスに繋がる初期のシカゴ・ハウスの系譜にあり、ここまで徹底してその音楽性を追求する強靭な姿勢は、好きな人にとっては徹底して愛すべきモノなのだ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Soul Clap - Watergate 19 (Watergate Records:WG 019)
Soul Clap - Watergate 19
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今までに数多くのレーベルやDJがパーティーでの雰囲気を仮想的に体験出来るMIXCDを制作していたものの、現在ではWeb上には無料でのミックスが無造作に溢れる事で公式で販売する事のメリットは薄まり、徐々にその市場は狭まりつつある。しかしベルリンの大型クラブであるWatergateはこんな状況の中でもMIXCDをシリーズ化しているが、その最新作はSoul ClapによるWatergateでの今年7月のプレイをライブ録音したものを作品化している点で、これこそ正にパーティーの臨場感をはっきりと体験出来る点で意義を見出す事が出来る。Soul ClapはUSのボストンにて活動する二人組でR&Bやヒップ・ホップまで内包するモダンなディスコ・ハウスを手掛け、人気を博す中で最近ではFunkadelicでの共作でも名前が出たりと、非常に勢いを感じさせるユニットの一つだ。そんな彼等がピークタイムから太陽が燦々と降り注ぐクローズに向かっての時間帯に繰り広げたプレイは、意外や意外、ヴァイナルのみを使用してクラシカルなハウスやディスコを中心とした選曲でオールド・スクールな雰囲気を爆発させている。歓声が湧き上がるスタートからいきなりDeep Dishの変名であるChocolate Cityの"Love Songs (Taxi Luv)"で黒いファンキーさを打ち出したハウスで始まり、Alexander EastやRoy Davis Jr.など90年代後半のフレーヴァーが放出する往年のディープ・ハウスで上げるのではなくメロウな雰囲気に染め、中盤では爽やかなパーカッションが乱れ打つ"Say That You Love Me (FK-EK Percussive Dub)"から気の抜け方が面白いシカゴ・ハウス"Dance U Mutha"やエレガントなトリップ感溢れるアシッド・ハウス”Koukou Le (Jori Hulkkonen Remix) ”などで緩やかなピークタイムを演出。そこからは生臭さが強くなるようにサイケデリックなディスコ・ダブや暑苦しいディスコで一旦熱気を高めてから、Francois DuboisやChez Damierのスムースで透明感さえも見せる美しいテック・ハウス〜ディープ・ハウスを通過し、最後はRon Trentによるフュージョン・テイストの強い"Traveler"で闇を這い出た先にある太陽光が降り注ぐ爽やかな世界へと足を踏み入れ、実際にはパーティーはまだ続いていたのだろうがこの作品はここで終了する。音楽的な新鮮さで見れば懐古的な面は否定出来ないものの、これはそのパーティーの場所や時間帯の雰囲気を考慮して選曲したという点からは、確かにオープンエアのそのパーティーの開放感には適切だった事が伝わってくる。なかなか朝まで残れないというパーティーピープルにとっては、朝方の至福な気分を疑似体験出来る意味でも面白い作品なのではと思う。



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| HOUSE11 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Closed Paradise - The Distance Between EP (Kolour Ltd:KLRLTD020)
Closed Paradise - The Distance Between EP

いまいち最近のデトロイトのテクノ/ハウスは元気が無いと思う方も多いだろうが、事実以前程の輝きを取り戻せてはいない。しかしデトロイトにも新しい芽は育ちつつあり、そこにはハウス・レーベルとしてKolour Recordingsがある。その傘下に設立されたKolour LTDは新興勢力ながらも感情豊かなビートダウンからニュー・ディスコまで手掛けるレーベルで、その複数のレーベルグループの中でも特にデトロイト的なねっとり黒人音楽の要素が強い。派手な注目を集めているわけではないが、クラブでも当たり前に映える機能性と豊かなエモーションを備えたハウスには定評があるのだ。そんなレーベルからの新作はフランスのアーティストであるMathieu CleことClosed Paradiseによるもので、まだまだリリース数は少ないものの本作でもトラックメーカーとしての素質を十分に予感させている。何といっても素晴らしいのは"Planets"で、低い重心で這うようなねっとりしたビートと、グイグイと下から伸びながら持ち上がっていくブギーなシンセのコードで、じわじわと侵食する攻めのビートダウン・ハウスだ。デトロイト・ハウスの感情が熱くなるエモーションや、ボイス・サンプルによるファンキーな要素もあり、確実にフロアを揺らすであろう魅力がある。それをリミックスしたのがDirt CrewやHeistからのリリースで注目を集めるBrame & Hamoで、"Planets (Brame & Hamo Remix)"は原曲のゴージャスな音使いを抑制しざっくりとした生っぽい質感と控えめに耽美な音使いでしっとり郷愁を打ち出して、方向性を変えながらアーバンな色気たっぷりのハウスへと見事に作り替えている。裏面には更にデトロイト・ハウスらしい黒くファンキーな、そしてDJツール性の高い曲が収録されており、かつてのMoodymann風なサンプルのループでぐいぐいねっとりと巻き込んでいくようなファンキーな"Tunnels"、こちらも執拗なボイス・サンプルやぼやけたシンセの反復に跳ねるキックの4つ打ちで訝しさを発する"Moelleuz"と、どちらも正にデトロイト・ビートダウンの系譜上にある事を感じさせる。余りにもビートダウンの影響を感じさせ過ぎるかとは思いつつ、計4曲どれもがっつりと踊らされるであろう外れ無しの十分な内容だ。



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| HOUSE11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/10/9 宇宙の海 〜Ascension @ Space Orbit
三軒茶屋はSpace Orbitで開催されているらしい『宇宙の海』は、どうやらアンビエント系のパーティーであるらしく、靴を脱いでラウンジスペースとしての空間で一夜を寛いで体験出来るような触れ込みだ。まだ行った事のないクラブという点でも気にはなっていた上に、しかも今回はDJ Yogurtによる年に1〜2回プレイするかのレアなアンビエントDJやKo Umeharaも出演する事があり、意を決して遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT6 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Nobu - Nuit Noire (Bitta:Bitta10002)
DJ Nobu - Nuit Noire
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フランス語で「暗黒の夜」というタイトルが冠されたMIXCDを新たに手掛けたのは、Future Terrorの頭領であるDJ Nobuだ。千葉というローカルな地から生まれたこのDJは、いつしか日本各地の様々なパーティーやフェスでの活躍から今ではBerghainなど海外の大きなパーティーにまで広がり、時代と共にディスコやハウスからテクノまで横断しながらその名声を高めてきた。今や国内のパーティーではDJ Nobuを抜きにして語る事は難しい程までの存在感を放っているが、トレンドではあるが決してハイプではなく、常に止まない探究心とダンスフロアへの敏感な嗅覚を以てしてパーティーの大小に関係なく独自の空間を創り出せるDJの一人だろう。2年前の作品である『Dream Into Dream』(過去レビュー)は果敢にも、普通ではない変異体テクノを用いて実験的な電子音響をコラージュ的に表現し、ダンス・フロアの可能性を広げるような作品だった。それはリスナーに対し大きなインパクトと相反する戸惑いさえも与えたが、本作はそのエクスペリメンタルな要素を残しながらもより現場的なダンスの方向へと軸を振り戻している。最初の"Lumiere Avant Midi"こそ闇の奥底でヒスノイズが囁くようなノンビートの音響ものだが、それ以降はフロアに根ざしたダンストラックが徹頭徹尾続く。ただそれらも各曲単体でよりもミックスされる事で機能と面白さが引き出される奇抜な性格があり、それらをじっくりと層を重ねるようにミックスする事でグルーヴの持続感/継続感を生みつつ、またゆっくりと姿を変えるようにしなやかな変化を付けていく。音響テクノやミニマルにインダストリアルなどを丹念に編み込むようなミックスを行い、序盤の神妙でディープな流れから徐々に加速して暴力的な金属音やノイズが放出される中盤、そしてハードなまま更にサイケデリック感を伴う終盤と、一時も緊張感を切らす事なく現在形のテクノ/ダンス・ミュージックを披露する。言うまでもなく甘さは皆無、常にひりつくような緊張感があり、そして徹底して冷たく荒廃した世界観に統一されている点が痛快でさえもある。MIXCDではあるがここから感じられる空気は正に真夜中のダンスフロアにざわめく高揚であり、目の前に暗闇の中で大勢の人が踊り狂うパーティーの光景が浮かび上がってくる程までのリアルさがあるのだ。本人が述べる通りに確かに実験性に加えダンスの要素を含む本作は、テクノや電子音楽の面白さを表現しつつダンスの快楽的な性質を素直に打ち出した内容であり、テクノ魂を刺激する最高のダンス・ミュージックである。

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| TECHNO11 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Seaside Weekend (Suburbia Records:SUCD1001)
Good Mellows For Seaside Weekend
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ジャンルに拘らずに良質な音楽をコンパイルする『Free Soul』シリーズを立ち上げ、そして現在のカフェ・ブームの発端となった仲間と寛げる場所である『Cafe Apres-midi』を手掛けた事で知られる橋本徹。そんな彼が新たに立ち上げたSuburbia Recordsは、入手困難ながらも良質な音楽をアナログ化、またはアナログ音源のみをCD/配信の商用に乗せるなど、彼が素晴らしいと思う音楽をフォーマットの領域を超えて広げていく事を目的としているようだ。そんなレーベルの第一弾は由比ヶ浜にあるバーガーショップ“Good Mellows”でDJを行なった時の経験を端緒としているそうで、タイトルからも分かる通り海辺の夕暮れ時のメロウな感覚を表現おり、『Free Soul』との違いはよりバレアリックやチルアウトの成分が強い事だろうか。オープニングにはいきなりJoe Claussell率いるMental Remedyによる"Just Let Go"を持ってきており、溶けるように絡み合う清らかなアコギとピアノの甘美な調べからは正に夕暮れ時のしみったれた感情が染み出し、人がコントロールし作り出す事の出来ない神聖な風景が目の前に広がるようだ。続く期待の若手であるAxel Bomanによる"Fantastic Piano"も、やはりピアノがフィーチャーされた桃源郷のような世界が広がるダウンテンポだが、単に甘いだけでなく癖のある奇抜な作風がイージーリスニングとは一線を画している。そしてバレアリック最前線のInternational FeelからL.U.C.A.による"Blue Marine"が続き、海鳥の鳴き声と波の音のイントロから始まり広大な海へとのんびりとした航海を始めるような大らかなダウンテンポにより、ジャンルを越えて音楽の旅へと繰り出していく。その後も優美な輝きを放つアシッド・ジャズ、しっとりと有機的なフュージョン・ディスコ、フォーキーなダウンテンポ、夢に浸るアンビエント感のあるニュー・ディスコなど垣根を越えながらも、メロウと言うコンセプトの元に週末の浜辺の長閑ながらも切ないムードに染めていく。アルバムの最後には正に真夏の一曲である憂愁が満ち溢れる"Summer Daze"を橋本徹がエディットしたものを配置したおかげで、しんみりとした余韻を残して最高の流れで幕を閉じる。派手なミックスを必要とせずに一曲一曲をフルにプレイするスタイルは、選曲重視で存分に曲の良さを引き出しながら、海辺のサウンド・スケープを描き出すへと繋がっているのだ。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Fabrice Lig - Galactic Soul Odyssey (Planet E:PLE65376-2)
Fabrice Lig - Galactic Soul Odyssey
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完成した作品の評価を確認する為にCarl Craigに作品を送ったところ、その内容の素晴らしさに惚れ込んだCarlが自身が主宰するPlanet-Eからのリリースを決めてしまったと言う、そんなエピソードがあるのがこのアルバムだ。そう、デトロイト病に冒された一人でもあるFabrice Ligにとって4年ぶりとなるアルバムは、デトロイト・テクノを熱心に追求してきたその結果として更に先祖返りを果たしてしまったような、Carlが魅了されるのも極自然な音楽性だ。元々デトロイト・テクノに影響を受けながらより洗練された欧州的な味付けをしたテクノを手掛けながらも、その中にはファンクやジャズの要素も含ませて、ソウルを奏でる者としての立ち位置を築き上げていたFabrice。しかし本作ではその方向性は堰を切ったように深化して、デトロイト・テクノのルーツの一つでもあるPファンクへと片足を突っ込んだような…いや、もうほぼPファンクへと身を捧げたような印象さえ残す異色な出来となっている。アルバムの冒頭を飾る"Dwarf 2703"からして派手で動きの多いブギーなシンセのメロディー、そして4ビートのベースライン、そしてブレイク・ビーツを組み合わせて、フューチャー・ファンクとでも呼びたくなる実に熱狂的な魂が弾けるような曲だ。"Born To Be Wise"はミニマルなシンセのリフとビートが強調され比較的テクノ色の強い曲だが、しかしフュージョン感覚のある煌めくシンセが入ってくると途端にファンク化する。"No Judgment"ではAnn Saunderson、"Celestial Love Rising"ではHard Tonをフィーチャーし歌物も手掛けているが、ここではビートにキレはありながらも熱く感情的なボーカルを用いる事で実にソウルフルなハウス・トラックとして成立させている。アルバムのハイライトは間違いなく"Superstring Theory"だろう、Fabriceお得意のコズミックなシンセと麗しいフュージョンのようなコード展開を用いて、ディスコやファンクをも飲み込んだテクノとしてデトロイト精神が爆発したような壮大な曲だ。アルバム全体に豊潤なシンセやスラップベースが多用されコテコテな作風は正にPファンクであり、底抜けにポジティブで一点の曇りもない希望に溢れたその音の前に、にんまりと笑顔が浮かんでしまう。



Check "Fabrice Lig"
| TECHNO11 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2014
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年も昨年に引き続き毎週パーティーライフを楽しみ、素晴らしい音楽にも出会う事が出来ました。やっぱりパーティーは最高だなと思った一年ですが、オールナイトにおけるパーティーについての問題では、風営法改正案の大きな動きもありました。今後良い方向へと進む事を期待するのみですが、現実的な問題として夜遊びたいと思う人は減っているのかなと思う時も多々あり。私個人的にはやっぱりパーティーは絶対にオールナイトのクラブでないと!という気持ちは強くあります。しかし時代に合わせて多様性を許容する事も無視は出来ないと思うのも事実で、ニーズに合わせてパーティーを作っていく必要はあるのかもね…でもやっぱりパーティーはオールナイトと言う考えは譲りませんが。また音楽自体がインスタントなものになり無料の配信だけで聴かれるような状況ではありましたが、ダンス・ミュージックの分野に関して言えばやはりアナログでのリリースは根強く、プレス数は減ってもその分多くの作品がリリースされていました。そんな作品を毎週買っては聴く生活の繰り返しで、ブログの更新が追い付かない程に良質な音楽は今でも生み出されている事を実感した一年でもありました。ちなみにこのブログも夏頃に発足から10年が経過しましたが、これからも色々な音楽・パーティーを発信する為に2015年も頑張って続けたいと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/12/22 Guidance ~導き導かれる人生~ Reproduction Of 20091222 Year END Special @ Air
2009年12月22日、今はなき渋谷のクラブ・Axxcisにて3フロアを使用して国内の実力あるアーティスト/DJを集結させた大きなパーティーが開催された。それこそ当方も初体験となったGuidance 〜導き導かれる人生〜だったのだが、そこにはAltzやDE DE MOUSEのライブにDJ YogurtやEYEや川辺ヒロシといった夜な夜なパーティーを賑わすDJが出演し、何だか凄いパーティーがあるものだなと驚いたものだった。それからGuidanceには度々足を運ぶようになり音楽だけでなくデコレーションやフードなども充実したパーティーとして魅了されていたっのだが、あの日から丁度5年を経てAxxcisで開催されたGuidanceを再現する日がやってきた。あの時と同じようにAltzのライブ、そしてDJ Yogurtに川辺ヒロシやEYE、Guidanceにはお馴染みの瀧見憲司も追加となり、ラウンジにはレゲエ/ダブ集団のFomga Soundzも出演と年の瀬にGuidanceが再生される。
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| EVENT REPORT5 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Koze - Reincarnations Part 2 - The Remix Chapter 2009 - 2014 (Pampa Records:PAMPA 010CD)
DJ Koze - Reincarnations Part 2 - The Remix Chapter 2009 - 2014
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テクノ/ハウスというダンス・ミュージックにおいて奇才と呼ばれるアーティストに誰がいるだろうか。単に奇抜なだけではなく、それがダンス・ミュージックとして実用性を兼ね備えながらアーティストの個性を確立させるとなると、それは非常に限定されるかもしれない。しかしドイツはハンブルクのStefan KozallaことDJ Kozeは、自信を持って奇才と呼ぶに相応しい存在だ。彼の活動は実験的な要素の強いAdolf Noise、ポップな音楽性を打ち出したInternational Ponyと複数の名義に渡るが、最もテクノやダンス・ミュージックにユーモアを加えているのがDJ Koze名義なのだ。本作は2009年にリリースされたリミックス集である"Reincarnations : The Remix Chapter 2001-2009"(過去レビュー)の続編となり、DJ Kozeが2009〜2014年までに手掛けたリミックス作品が収録されている。リミックスを"Reincarnations"="再生"と表現するその作風は、確かにそこに何か別のものを何か加えて生まれ変わらせているとしたら、これ程的確な表現はないだろう。正直に言えばDJ Kozeのその奇才は強過ぎる個性を発する故か、全てのリミックスが万人受けするわけではない。だが"Jo Gurt (DJ Koze Remix)"を聴いてみて欲しい、霧もやの奥に妖精たちが住む風景が浮かび上がるような幻想的に微睡んだ世界観は、ダンス・ミュージックに童心のような遊び心を加えている。原曲の物哀しくもポップな空気を纏いつつも機能的なミニマルなグルーヴに生まれ変わらせた"Bad Kingdom (DJ Koze Remix)"や、柔らかいビートとアブストラクトな音像でアンニュイさを強めた"It's only (DJ Koze Remix)"など、そのリミックスの方法は一方通行ではなくフロアで活きる機能性とポップな趣向や自堕落なユーモアなどが共存し、リスニングとしても耐えうる独自の音楽に再生させているのだ。本作はDJ Kozeによるリミックス集ではあるものの、最早これはオリジナルアルバムと呼んでも差し支えない程にDJ Kozeの個性が光っており、風変わりなダンス・ミュージックを愛する者の心をくすぐる一枚となるだろう。




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| HOUSE10 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Emma House XIX MOUSE-COLORED CAT (Funkasia Entertainment Inc.:FECD-0001)
Emma House XIX MOUSE-COLORED CAT
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ある意味では一つのジャンルとして確立されている"Emma House"は、日本におけるハウス・ミュージックの歴史の一部と呼べるかもしれない。芝浦GOLD時代からYellowへ、そしてWOMBやageHaでのハウス・パーティーのレジデントを担当してきたDJ EMMAだからこそ、ハウス・ミュージックに対する造詣の深さに説得力を持つのだろう。そんなDJ EMMAを代表するパーティーが"Emma House"であり、1995年から続くMIXCDのシリーズでもある。2010年に"Emma House 18"をリリースして以降は新作は途絶えていたが、機が熟したのだろうか5年ぶりに遂に同シリーズの新作がリリースされた。今尚レジデントを持つ自負、そして徹底的な現場主義という気持ちが伝わるかの如く、本作ではヴァイナルと共にデータ音源も使用はしているものの入魂の一発録りで一切の編集は行っていないそうだ。そして肝心の内容はと言えば確かにEMMAらしいソウルフルなストーリー性はあるのだが、そこに近年の趣向が反映されたアシッド・ハウスや最近のパーティーでプレイされる曲も収録し、CDという形ではあるものの正確に現場の雰囲気が再現されている。幕開けは今年亡くなったゴッドファーザー・オブ・ハウスことFrankie Knucklesが手掛けた、Vintage Lounge Orchestraの"Dreams (DJ Tools Version)"で始まるが、全くキックもリズムも入らない歌とメロディーによる切なさが込み上げる展開はこの後の盛り上がりを既に予感させている。そこに叙情性を積み重ねるように"Man With The Red Face (ATFC "When The Light Go Up" Remix)"を繋ぐが、3曲目の"Air Alertness (Malawi Rocks Remix)"のプログレッシヴ・ハウス寄りな流れで一気にスピード感を増すと、その勢いにのり近年の趣向が反映されたアシッド・ハウスな"Zanzibar (Malawi Acid Dub)"や真夜中のフロアの雰囲気が浮かび上がるダークなハウスである"Say It"を繋ぎ、深い深い闇へと潜って行く。中盤は対照的に"Strandbar"や"Break The Dawn"など麗しいニュー・ディスコや輝きを放つテクノなど、一転して開放的でドラマティックだ。その後もソウルフルなボーカル・ハウスやミニマルにヒップ・ハウスなど多様性を伴いながらも、曲を丁寧にミックスしつつ大胆な展開で感情を揺さぶっていくプレイは、DJと言うプレイにストーリーを感じずにはいられない。ただ曲を繋ぐだけではなくその人の生き様が浮かび上がるような、そんなプレイだからこそ"Emma House"は愛され続けているのだろう。

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| HOUSE10 | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/10/12 Red Bull Music Academy presents Dohyo-Iri @ Air
クラブ・ミュージックに限らず若き才能を発掘し育てる事を役目とするRed Bull Music Academy。2014年も日本は東京に於いてほぼ一ヶ月の間、それに関連するパーティーが怒涛の勢いで開催される予定だが、そのオープニングとなるのがこのDohyo-Iri。ここでのメインとなるのは来日がほぼ3年ぶりとなるニュージャージー出身のKerri Chandlerだ。ハウス・ミュージックというジャンルに於いては勿論の事、テクノ方面からも支持されるエレクトロニックで硬質なトラックに心温まるエモーショナルなメロディーや歌を絡ませたその手腕は、これぞデジタル・ソウルと呼ぶに相応しい。また古典的な音楽性に留まる事なく最新テクノロジーをも駆使した楽曲性やDJプレイには、オープンマインドな精神性を伺えるなど、ハウス・ミュージックの過去と未来を紡ぐアーティストなのである。
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| EVENT REPORT5 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Max Graef - Rivers Of The Red Planet (Tartelet Records:TARTALB003)
Max Graef - Rivers Of The Red Planet
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才能ある新鋭はいつだって突然に舞い降りる。ベルリンと言えばテクノ/ハウスが猛威を振るう中で、まだ20歳の正に新鋭と言う表現が相応しいベルリン出身のMax Graefは、音楽性を何でも取り込むように雑食性の高い豊かなビートメイクを披露する。2012年のデビューから2013年には数枚のEPを手掛け、デビューから僅か2年にしてアナログ2枚組のアルバムを完成させ(しかもCD盤は無しと気合充分)、性急な勢いながらも既に注目の存在に成長している。先ず以て述べておくと本作が革新的だとか前衛的だとか誇張する気持ちは全くないが、ハウスやディスコにジャズやソウル、ヒップホップやフュージョンなど多様な音楽の要素を、この若さで一つのアルバムに違和感溶け込ませているセンスは評価するに値する。しかしリスナーからすればアーティストの年齢など評価には関係がなく、結局はそういったセンスを元に自由を謳歌するようなビートとスモーキーな音像が遊び心に溢れており、心がウキウキと湧き立つようなアルバムである事がMaxの評価を高めている。アルバムは - 正にアルバムらしく - DJの為だけの作品ではなく礼儀正しい順序で、フルートやサックスに生ドラムなどを使用したふざけたような即興演奏的なイントロから始まり、続いて優雅なローズ使いがありながらも訝しさが漂うビートダウン・ハウス"Itzehoe"へと雪崩れ込む。かと思えばスクラッチを導入したヒップ・ホップの"Superswiss"で小休憩を入れ、そこから光沢のあるフュージョン的なシンセ使いが豪華なダウンテンポ"Running"でぐっと色気を増す展開が待ち受けている。その次の"Jazz 104"では怒涛のジャズ・ドラムのビート攻め、そして"Tamboule Fudgemunk"では不明瞭で荒々しいまるでデトロイト・ハウスを思わせるスモーキーな音が…と、一息入れる展開ながらも雑種な音が怒涛の勢いで迫り来る。確かに考える暇を与えないような多種多様な展開ではあるが、そのフリーダムな音楽には肩の力が抜けたノスタルジーと渋味のあるエモーションがあり、とっちらかった印象よりもブラック・ミュージックとしての統一感に染まっているのだ。この耽美なメロディー、キレのあるビート、齢20歳にしてここまで聞かせるかと称賛の言葉しか見つからない。2014年のベスト・アルバムにランクイン入りするか?



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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Power Plant Experience - The Power Plant EP (Mathematics Recordings:MATHEMATICS 073)
The Power Plant Experience - The Power Plant EP

ロウ・ハウスやジュークといった音楽に共振するように、にわかに感じさせるシカゴ・ハウス復権の流れ。その中でもイタリアから妄信的にシカゴ・ハウスへの偏愛を見せるアーティストがSimoncinoであり、古いドラム・マシンなどのアナログな音を基軸に本物と全く変わらない初期シカゴ・ハウスを世に蘇らせている。本作は様々な変名を用いて活動する彼にとって新たな名義となるThe Power Plant Experience名義でのデビュー盤であるが、これは言うまでもなくかつてFrankie Knucklesがオープンさせたクラブの名前から取られているのだろうから、やはりシカゴ・ハウスへの愛は相当なものだ。何と言ってもタイトル曲の"The Power Plant"から素晴らしく、ハンドクラップやどたどたとした野暮ったいドラム・マシンのリズム、そこに郷愁の念を誘う深遠なシンセがリードしていくこのハウス・トラックは、生まれてくる時代を間違えたのかと錯誤する程に初期シカゴ・ハウスの音として成立している。"My Father's House"にはシカゴ・ハウスの巨匠・Virgo FourからMerwyn Sandersがボーカルで参加しており、呟きのような優しく癒やすような歌い方が作品に色っぽさと深みを与えている。また"Plant Tracks 3 (1991 Kai Alce Remix)"はデトロイトシーンのKai Alceによるリミックスで、切なさや古い空気感を残しながらもリズムを骨太に肉付しつつ光沢感のあるシンセや導入し、現代の音にも馴染むように手が加えられている。計5曲収録のそのどれもがオーセンティックなシカゴ・ハウスであり、迷いなき方向性がSimoncinoへの期待をより高めるだろう。

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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Terrence Parker - Life On The Back 9 (Planet E:ple65361-1)
Terrence Parker - Life On The Back 9
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デトロイト・ハウスの一般的な評価と言えばTheo ParrishとMoodymannに集約されてしまうのだが、彼等の活躍と共に再評価され出しているのがデトロイトの古参アーティストであるTerrence Parkerだろう。来日頻度も高くはなくアルバムのリリースが多いわけでもなく、粛々とEPをリリースし続けている活動は目立つものではないが、昨年の"Finally EP"(過去レビュー)は世界的にもヒットしより注目を集める契機となった作品だ。本作はそんな彼にとって17年ぶりのアルバムだが、デトロイトの至宝であるPlanet Eよりアナログ3枚組でのリリースとなっている事からも、かなりの自信作であるのが伝わってくる。アルバムとしては随分と間が空いてしまったのだが、しかしその空白を埋めるには十分過ぎる素晴らしいハウストラックが並んでおり、特に時代に迷わされずに自身の道を見据えた揺るぎない自信が満ち溢れている。時にゴスペル・ハウスとも称される彼のDJやトラックの背景にはディスコやガラージが存在するが、本作ではそんな要素を更に丁寧に磨き上げて洗練させ、温かくソウルフルな気分としっとりと優美な官能が同居するデトロイト・ハウスへと進化させているのだ。曲単位で強烈な印象を植え付ける個性を発しているわけではないが、ピアノやオルガンの優雅なコード展開を軸に滑らかなグルーヴを生み出すリズムを組み合わせた作風は、どれも優しく柔軟な響きが大らかな包容力となって聴く者を穏やかな気持ちにされてくれる。確かに享楽的なクラブでの盛り上がりと言うよりは教会の中の慎ましやかさもあるようで、彼の音楽性がゴスペル・ハウスとも称されるのはそういう点からなのだろうが、だからと言って彼の心がフロアから離れたわけでもなく清廉な高揚感が込み上げる誠実な音楽なのだ。奇を衒う事もなくハウス・ミュージックに対して忠実な精神が感じられるアルバムであり、デトロイト・ハウスの熱心な信者だけでなく多くのハウスファンへ訴えかけられるであろう傑作だ。

※11/8追記
アナログと配信だけのリリースでしたが、Defectedよりリミックス・ワークスを含むボーナストラックも合わせた2枚組でCD化されました。



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| HOUSE9 | 13:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Future Disco Vol. 7 - 'Til The Lights Come Up (Needwant Recordings:NEEDCD013)
Future Disco Vol. 7 - Til The Lights Come Up
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2009年にUKに設立されたNeedwant Recordingsはハウスとディスコに焦点を当てたレーベルで、発足当時からモダンなニュー・ディスコを集めた"Future Disco"なるシリーズをリリースし続けている。2010年にはその第3弾の"City Heat"(過去レビュー)もリリースしていて、その頃は額面通りにディスコな愛くるしさが強く出た作品だったと思う。そして久しぶりに手に取ったこの第7弾"'Til The Lights Come Up"のコンセプトは、パーティーの早い時間帯から最後まで踊る者に捧げたそうで、「パーティーの早い魔法のような時間帯」をイメージしているそうだ。大半はこの1〜2年にリリースされた新しい作品が収録されているが、以前のシリーズに比べるとディスコ色は残りつつも今風のフロアを意識したディープ・ハウス色が前に出ており、その意味ではより洗練されたトラックが多い。Terrence Parkerによるピアノのコード展開が煌めく美しいハウスの"Finally"や、Mount Kimbieの曲をDJ Kozeがリミックスした"Made To Stray (DJ Koze Remix)"が収録されている時点で、ディスコよりは整ったビート感とすっきり整った電子音が打ち出されたハウスに重点が置かれているのは分かるだろう。ブリブリしたベースラインに透明感のあるパッドのメロディーが快楽的なMirror Peopleの"Kaleidoscope (Psychemagik Remix)"、ADAの可愛らしいキャッチーなメロディーと牧歌的なボーカルが絡む"Maps (Michael Mayer / Tobias Thomas Remix)"など、ディスコの一聴して心を惹き付けるようなポップな感覚も勿論ある。パーティーの早い時間帯をイメージしているのでアッパーな勢いよりも、じっくりとフロアを温めるようなしっとり感情的な趣が強く、特にホームリスニングとしても良いBGMになる事請け合いだ。CD1はミックス仕様、CD2はアンミックス仕様なのでDJをする人にも便利な作品となっている。



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| HOUSE9 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/4/28 Second More Of Love @ More
大箱小箱と週末は色々遊びに行っているものの、都内にはまだまだ未開の箱が多数あり、まだまだ開拓の余地はある。そしてクラブと言うとやはり渋谷が中心になっている印象はあるが、今回は下北沢のMore。Blast HeadのDJ Hikaru、Force Of NatureのKZA、悪魔の沼のAwanoが出演する予定となっており、面子的な楽しみと初めての箱に対しての期待感も含めてMoreへと遊びに行く事にした。
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| EVENT REPORT5 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/4/4 vendor Presents "ON THE FLOOR" LORD ECHO JAPAN TOUR 2014 @ Unit
CDのみならずアナログも即完売となるなど日本に於いても高い人気を得るレゲエ・ユニットのLord Echo。"Thinking of You"のカバーなどアンセム級のヒット曲を出しつつ、単なるダンス・ミュージックとしてではなくレゲエにダブやソウルにジャズやファンクなどを落とし込んだ作風は、クロスオーヴァー的な手法でアルバムの完成度を高め着実な評価を得ているのだろう。そんなLord Echoが満を持しての初来日となり、リーダーであるMike Fabulousを含めた7人体制でのライブを披露する。そして国内外からパーティーを盛り上げるべくtoeやKuniyuki Takahasiと言ったライブアーティスト、そしてMuroやMichiharu Shimoda aka Silent PoetsがDJで出演するなど、個性的なメンバーが集まる豪華な一夜が始まる。
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| EVENT REPORT5 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lord Echo - Curiosities (Bastard Jazz:BJCD05)
Lord Echo - Curiosities
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来日が目前に迫るニュージーランドで活躍するMike Fabulousによるソロプロジェクト・Lord Echo。レゲエをベースに多方向へと音の広がりを見せた2011年のデビュー作"Melodies"(過去レビュー)は世界的にも高い評価を得て、DJのみならず一般のリスナーからも好感を得て大ヒットを記録したようだ。当方が好むテクノでもなくハウスでもなくレゲエを土台としているが、そんな筆者にとってもLord Echoの甘いメロディーと洗練されたレゲエサウンドは耳を魅了し、即座にLord Echoはお気に入りのユニットとなった。そしてそれから2年、満を持してLord Echoの2ndアルバムが到着。基本的にはレゲエを軸にジャズやファンクにソウルやダブなど、前作からの路線に大きな変更は無い。がアルバムの幕開けとなる"Endless Dawn"では、いきなり小気味良いジャジーなリズムにギターやキーボードが被さり、スィングするグルーヴが門出を祝うような高揚感を誘発する。続く"Bohemian Idol"は正にLord Echoらしいラヴァーズ・ロックよろしくなレゲエで、裏打ちのカッティング・ギターとかすれたような甘いボーカルに心酔。更に"Digital Haircut"ではふくよかなパーカッションのリズムとキレのあるギターにはファンクを感じるが、清々しいまでの爽やかな音がからっと心地良く広がる。一方コズミックな電子音が躍動する"Put In My Head"ではアフロなビートが疾走し、Pharoah Sandersのカバーである"The Creator Has A Master Plan"ではもはやバンド・サウンドを活かした円熟味のあるハウスと言った赴きで、その観点からすると随分とダンサンブルになった印象も受けるだろう。また前作に於ける音を絞ったすっきりとした演奏に比べると、本作では少々豊かな音色で装飾し過ぎてしまった感もあり、タイトで身軽なレゲエの雰囲気は若干後退したように聞こえる。これを円熟と捉えるかメジャー化してしまったと捉えるかは微妙なところだが、レゲエファン以外も魅了する都会的なレゲエとしては申し分がないのも確かだ。さて、後はライブで真価を体験するのみだ。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2014/3/15 Dope Dive -Jay Daniel- @ Module
一時期に比べるとテクノに於ける聖地とまで称されていたデトロイトも、最近ではベテラン勢が新作をリリースしない事からかその勢いに陰りが見られている。その中で今世界的に注目を集めているのが若手を代表するKyle Hallであるが、彼と活動を共にするJay Danielも忘れてはならない。2013年にはTheo ParrishのSound Signatureからデビュー作をリリースしたJayだが、その母親はかつてPlanet-Eからもリリース歴のあるNaomi Danielであり、正統なるデトロイトの血筋が息衝いている事を証明しに来日する。
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| EVENT REPORT5 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Sims - Fabric 73 (Fabric Records:fabric145)
Ben Sims - Fabric 73
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時代と共にシーンに寄り添うアーティストも入れば、そんなのはお構いなしと愚直なまでに自分のスタイルを貫き通すアーティストもいる。Ben Simsは間違いなくその後者に属するアーティストで、90年代後半のハードミニマル隆盛の時代からシーンの最前線へと飛び出し、00年代に入ってから周りがエレクトロやディープなテクノへと転身する中で、今でもスタイルを守りつつ残っている数少ない存在だ。ヒップホップのDJからスタートしたと言う彼の芸歴は本作でも活きており、3台のCDJを使用してライブミックスを行った上にエディットを施し、それらを最終的にAbletonでミックスし直した事で怒涛のハードグルーヴが渦巻くミックスとなった。ベテランからアンダーグラウンドなアーティストまで44曲にも及ぶトラックを使用し、その中には自身によるエディットを含め18曲も未発表曲が含まれていると言う事実は驚愕だが、音自体はBen Simsと言わざるを得ないどこか古臭さも残りながら野性的で図太い。執拗なまでの4つ打ちを貫きつつ矢継ぎ早にミックスされる事で、全体を通して一つの音楽となるような曲の境目も気にならない痛快なプレイだが、恐らく現在のシーンと照らし合わせるとやはり何処か野暮ったいと言うか時代から取り残されている感は否めない。しかしこの音こそがBen Simsを個性付けているとしたら、疑う事なく自身の道を歩み続ける彼の気概は本物だ。エレクトロやシカゴ・テクノのファンキーさとハードテクノのシャッフルする疾走感、そこに少々のミニマルのディープな要素も織り交ぜつつ、後半に進むに連れて草を刈り取る芝刈り機のように全てを巻き込みながら爆走するグルーヴ感の前には抗う事など出来やしない。ハードなだけの音楽には飽きつつもある当方だが、たまにこんな愉快痛快で突き抜けたミックスを聴くと何だか心が沸き立ってくる。

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| TECHNO10 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Gherkin Jerks Compilation (Alleviated Records:ML-9016)
The Gherkin Jerks Compilation
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最近はめっきり新作が途絶えているシカゴ・ハウスの精神的支柱であるMr.FingersことLarry Heardだが、その代わりにリイシューやらリミックスやらはちょくちょくとリリースされている。それに追い打ちを掛けるようにリリースされたのが、彼が1988〜89年にGherkin Jerks名義でリリースした「Stomp The Beat」と「1990」の2枚のEPに未発表曲3曲を追加して纏めた本コンピレーションである。何故に今リリースなのかと言う疑問に対しては新作が出ない分の代替品であろうかと言う憶測は捨てきれないものの、昨今アンダーグラウンドな方面では注目を集めているロウハウスの流れを利用して、そのプロトタイプとも言える初期シカゴ・ハウスを世に紹介すると言う役目を果たしているのだろうと思う。前半の「Stomp The Beat」は正に原始的なシカゴ・ハウスで、アナログのドラムマシンが生み出すたどたどしい簡素なリズムと不安が募るような不気味なアシッドベースをフィーチャしており、剥き出しで粗雑さを敢えて強調したロウハウスの源流と言っても差し支えないだろう。Larry Heardを名乗る前のFingers Inc.やMr.Fingersで活動していた頃は、思慮深く情緒的なハウスではなくまだハウスが衝動で突き進んでたいた音楽性を体現していたのだ。後半の「1990」からはトラック物ではなくより音楽性を重視したLarry Heardに近付いてきており、チージーな音質とさっぱりした構成ながらもコズミックなメロディーが芽を出し、Larry節とも言える情緒的なディープ・ハウス前夜の作風が見受けられる。未発表3曲は完全に狂ったアシッド・ハウスで、ドラムマシンもベースマシンも壊れたように奇っ怪な音を鳴らしていて、シカゴ・ハウスがおおよそ普通のハウスとは言えない変異体であった事を思い起こさせるようだ。ロウハウスが一風変わった作品として期待を集めているが、それと共にこのようにルーツである音楽に目を向ける機会として、レア作品のリイシューは大変ありがたく思う。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Sandwell District - Fabric 69 (Fabric Records:fabric137)
Sandwell District - Fabric 69
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2010年頃からベルリンのアンダーグラウンド界隈で注目を集めていたSandwell District。FunctionことDavid SumnerとRegisことKarl O'Connorから成るこのユニットは、誠に残念ながらFabricの名物MIXCDシリーズの69作目で終焉を迎える事が空気として伝わってきている。公式リリースとしては初のMIXではありながら最終作でもあり、その観点からすると集大成と捉えるべきなのだろうか。以前にパーティーでSandwell Districtのプレイを聴いた時には煮え切らないプレイにやきもきしたものの、本作ではCDと言う媒体のおかげか選曲の繊細な妙技を感じられ、Sandwell Districtらしい鉄の鈍い輝きを放つダークな展開を終始保った重厚感のあるテクノの地平が広がっている。メディアの話では本作はソフトウェアによって入念にミックスが行われた作品との事で、パーティーらしい激しいライブ感よりはアートとしての精巧な展開がより強く表現されている。出だしの3曲からしてRegisやFunctionが制作に絡んでいる曲から始まるのはご愛嬌としても、序盤から新しい何かが萌芽するような胎動から始まり、大きな変化を作らず繋ぎ目も分からない程に滑らか展開を伴ってビートは強みを増していく。その後も杭を打ち込むような安定感のあるキックが刻む中で、荒涼とした景色が広がる灰色のモノクロームな音像を見せながら大きな山も谷も作らずに水平構造を保つ展開が続く。疾走感や重圧による強迫的な音ではなく密閉された空間から生まれる闇の不気味さが通底し、空気としてのインダストリアルやポスト・パンクのアティチュードは確かに存在しているのだ。行き過ぎたハードテクノへの反抗と言うべきか、表面的に過激な音は本作では殆ど聴かれない。しかし鳴っている音の雰囲気は朽ち果てた末の荒涼とした世界を目の前に描き出しており、単なるハードなテクノとは一線を画す事を意識してミックスをしているのが伝わってくる。オリジナル作品においても聴かせる事も重視していたSandwell Districtらしさは本作でも軸としてあり、確かに最終章として円熟味を開花させたミックスと言えよう。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/5/13 Kraftwerk "3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8" Computer World @ Akasaka Blitz
先日Kraftwerkの"3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8"の初日公演である"Autobahn"を体験して十分に音楽と映像を楽しんだものの、ファンとしては一日だけでは満足出来ないのが心情だ。と言う事でどの公演にすべきか迷ったものの、今度はいかにも電気仕掛けの世界が広がる"Computer World"の公演へと行ってきた。
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| EVENT REPORT4 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/5/10 PLANET OF TUNES - After The Eclipse - @ SuperDeluxe
PLANET OF TUNES1

六本木にあるイベントスペース・SuperDeluxeにて皆既日食のその後に続くパーティーがあり、ドネーション形式ながらもArtman、DJ Yogurt、DJ Shhhhhらが出演し面白そうな内容だったので遊びに行く事にした。決して音楽がメインと言うわけでもないようで、フードやアートに香りによる空間演出など色々な要素によって地球と言う大自然を体験するようなパーティーのようだ。
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| EVENT REPORT4 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/5/8 Kraftwerk "3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8" Autobahn @ Akasaka Blitz
お世辞抜きにテクノにおける生きる伝説と化しているKraftwerk。なんと単独公演としては9年ぶりとなるが、そのツアーは8日間に渡り8枚のアルバムの曲を全て披露すると驚くべきものだ。そしてある意味では伝統工芸にも近いライブ・パフォーマンスを行なっている彼らが、今回はヴィジュアルを3D化すると言うここに来ての更なる進化を遂げたのだ。彼らのアルバムはどれも大好きなのでどの日のライブに行くかは迷ったものの、先ずは出世作である"Autobahn"の日に聴きに行く事にした。
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| EVENT REPORT4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recloose - Andres / The Oliverwho Factory Remixes (Rush Hour Recordings:RH 046)
Recloose - Andres / The Oliverwho Factory Remixes
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一時期の低迷から脱して絶好調な活躍をみせるRecloose、2012年における3枚目のリリースは蜜月の関係にあるオランダはRush Hourより。Reclooseと言えば元々はCarl Craigに見出されPlanet Eからデビューしているが、Rush Hourもデトロイトを深く掘り下げるレーベルである事から、両者の相性はきっと良いのだろう。本作はReclooseの作品をデトロイト関連としてAndresとThe Oliverwho FactoryがリミックスしたEPだが、これが期待していた以上に素晴らしい。Andresによる"Electric Sunshine (Andres Remix)"はオリジナルのフュージョンを思わせる艶のあるシンセサウンドは残しながら、見事にフロア仕様の4つ打ちへと変わっている。ざっくりと生の質感が強いキックやパーカッション類は体温とフィットするようで、ブギーハウスな聞こえ方さえする。オリジナルはR&Bシンガーを起用したソウルフルなフュージョンハウスだったのを、完全なテクノ仕様にリミックスしたが"Magic (Oliverwho Factory Remix)"だ。ボーカルも残してはいるものの南国の温かなムードは消え去り、展開を抑えて肌に突き刺さる攻撃的な染め上げたテック・ハウスだ。また新曲である"Chamois"も収録されているが、これはReclooseの活動に脂が乗っている事を証明する最高の曲だ。ディスコテイストな綺羅びやかシンセを用いつつ、ファンキーなベースラインや疾走感のあるリズムによって体が自然と動いてしまう。フィルターを使用した展開の付け方が派手でもありながら優雅な佇まいさえある洗練された音の選び方には、Reclooseの繊細さと大胆さが見事に共存している。リミックス、新曲のどれもが心底素晴らしい内容で、そろそろこの路線でアルバムをリリースして欲しいと思う。

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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Klock - Fabric 66 (Fabric Records:fabric131)
Ben Klock - Fabric 66
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Ostgut Ton、Berghein勢が気を吐いて活動するベルリンのシーンにおいて、Ben Klockもまた独自のテクノ路線を突き進む個性的なアーティスト/DJだ。Bergheinに於ける活動が認められ一躍トップクラスのDJとなった彼ではあるが、そのせいか近年はアーティストとしての活動よりもDJとしての側面が強く、新作はアーティストアルバムではなく名門MIXCDシリーズのFabricへミックスを提供する事になった。正直に言うと最近は作品も出していなかったしリリース前はそれ程期待してなかったのだが、蓋を開けてみれば凍てついた空気にベルリンの幅のあるテクスチャーを織り交ぜた展開になっていて溜飲が下がった程だ。本人が「普段のセットで盛り上がる作品にはしたくなかった」と意識したのが影響したのか、勢いのあるテクノだけではなく幅広い音を取り込みながら深みや広がりを聞かせ、例えば真っ暗闇の深海を潜っていくように未知なる旅を繰り広げるスリリングな内容となっている。重苦しい音圧や過激なグルーヴ感に頼るのではなく冷たく無機質な音のムードで荒廃したベルリンテクノのイメージを生み出し、やたらめったら体感的にハードな音ではなく精神的にストイックな音に統一されている所にテクノと言う言葉から感じられるマシンソウルが見え隠れするのだ。非4つ打ちの暗黒な音に包まれる前半、その後殺伐としたアシッドやミニマルを通過したかと思えば、荒れ狂うトライバルや硬質な音がダビーに広がるダブ・ステップもあり、後半に入ればハードで機械的な音とディープな空気が混ざりながら終盤のピークへと上り詰めていく。そして最後はピークから静寂へと一気に裏返り、何とAlva Notoの夢幻の世界に溺れるアンビエントで厳かな佇まいの中、静かに終焉を迎える。様々な要素で畳み掛けるプレイがあったからこそラストがより感動的に演出されたのだろうか、Ben KlockのDJの素晴らしさを再度認識する事が出来た素晴らしいMIXCDだ。

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| TECHNO10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Paperclip People - The Secret Tapes Of Dr. Eich (Planet E:PLE65347-2)
Paperclip People - The Secret Tapes Of Dr. Eich
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デトロイト・テクノに於ける最大の功労者とも言えるCarl Craigが、しかしデトロイト・テクノから遠く離れハウスのグルーヴを追求したプロジェクトがPaperclip Peopleだ。特に初期のC2が実験的にテクノを未来へと推し進めつつある中で、その一方ではこのPaperclip People名義でハウス/ディスコへの愛情を根底に様々な音楽のネタのサンプリング・ループを用いて、DJユースを意識したダンスオリエンテッドな曲で絶大な評価を獲得する。その活動の集大成として1996年にはPaperclip People名義の作品を纏めたアルバムがリリースされたのだが、その人気故から永らく廃盤となっていた本作が、遂にリマスター処理もされた上での再発となった。兎に角この名義ではネタの宝庫とも言えるサンプリングを楽しんで欲しいが、Bombers、Loleatta Holloway、Flying Lizards、Yello、Mantronix、果ては科学忍者隊ガッチャマンまで想像だにしない所からネタを持ってくるC2の嗅覚に驚く。C2の過去の音楽に対する深い知識と愛情がC2の中で咀嚼され、そして次世代の音楽としてアウトプットされた事は、未来だけを見据えた視点だけでなく過去の埋もれた遺産にも耳を傾ける行為が重要である事を証明している。とまあそんな背景があろうがなかろうが、本作は純粋に黒いディスコのファンキーさと肉感溢れるハウシーなグルーヴを十二分に体感出来て、今のC2からは失われつつある黒人音楽の要素を転用したエレクトロニック・ダンス・ミュージックを楽しむ事が出来るだろう。残念な事に再発の際に一部のサンプリングは諸事情によりカットされてしまっているが、それでも一家に一枚は手元に置いて欲しいレベルの大傑作なのは間違いない。

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| HOUSE7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Burrell Brothers - The Nu Groove Years 1988-1992 (Rush Hour Recordings:RH 117 CD)
The Burrell Brothers - The Nu Groove Years 1988-1992
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1988 ~1992年のみの短い期間ながらも大量かつ高品質なハウス作品をリリースしていたNu Groove Records。昨年、イタリアはNicholas IammatteoによるNu Grooveのエディット集である"Back On Track"(過去レビュー)がリリースされたのも記憶に新しいが、今度は過去の名作を復刻させる事に関しては素晴らしいセンスを持ち合わせているRush Hourが、レーベルの中心的存在であったThe Burrell Brothersの作品を纏め上げたアルバムをリリースした。余談だがこのBurrell兄弟はNu Groove音源のライセンス管理をしているそうで、昨年Nicholasがエディット盤を制作するに辺りマスター音源を借りようとBurrell兄弟に契約金を渡した所、そのお金を持ってトンズラしたとNicholasは憤慨していた。そんな経緯を聞くと複雑な気持ちにはなるが、しかし様々な変名によるThe Burrell Brothersの古き良きハウスは一向に色褪せる事を知らない。素朴でちょっとダサい時代感さえもあるロウな音質ではあるけれど、音楽的に豊かさを感じさせる彩りのあるキーボードのコード使いやドタドタとした味のあるリズムトラックも逆に人間臭く、時代が動き出そうとしていた胎動さえ聴けるハウストラックが満載だ。確かに隔世の感もあるけれど恐らく時代に左右されないハウスミュージックとはこう言った耳に残るメロディーを大切したハウスであり、シカゴ・ハウスからNYハウス、そしてディープハウスからアンビエントハウスまで手広い音楽性を披露しつつも、しっとりと温かみのある感情を前面に出した事で時代を飛び越える普遍的な作風となっている。革新的ではないが、しかし本当に素晴らしいハウスがパッケージされているのだから、ハウス入門としても自信を持ってお薦めしたい。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2012/3/19 YOGURT & KOYAS 『SOUNDS FROM DANCEFLOOR』 Release Party Final THE LIVE! @ Fever
昨年リリースされたアルバム"SOUNDS FROM DANCEFLOOR"も好評のYogurt & Koyasですが、昨日はそのアルバムリリパの最終回。昨年もリリパは開催されたものの、今回はDJよりもバンドライブを中心としたオールナイトパーティーとなっておりしまた。ライブにはYogurt & Koyasは勿論、以前から交流のあるDorian、sugar plant、Love Me Tenderらが参加とライブ三昧な一夜はどうだったのでしょうか。
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| EVENT REPORT3 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nightmares On Wax Presents Wax Da Beach (Ministry Of Sound:MOSCD267)
Nightmares On Wax Presents Wax Da Beach
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バレアリック・ミュージックが生まれたイビサ、享楽都市を現実のものとしたこの島では多くのクラブで数多のパーティーが開催されているが、ダウンテンポのマスターであるNightmares On Waxが主催する"Wax Da Beach"もイビサで開催されている。自分はイビサには行った事はないが、しかし"Wax Da Beach"の空気をパッキングした本作を聴けば、きっとイビサの海岸から見る夕日はどれだけ素晴らしいんだろうと想像するのに難くない。いかなる時も緩いメロウソウルを貫くNOWの事だから本作でも良い意味で普段通り、ソウルやラヴァーズ・ロック、ジャズやファンク、そしてダンクラから少々のハウスまでを軽くミックスさせながら甘美なダウンテンポを鳴らしている。2枚組に分けられてはいるが片やSunset、片やSun Downとそのタイトルからは明確はコンセプトの差は分からない。聴いた限りで判断すればSunsetの方はルーズなグルーヴとしっとりとした郷愁が強く陽が落ちるまでの時間帯、Sun Downは濃密でアダルティーな空気が増してくる日が落ちてからの時間帯と言った印象で、2枚通して聴く事でゆったりとした風景の移り変わりを体験出来るはずだ。世の中にはお洒落なだけのMIXCDや陳腐なチルアウトのコンピレーションが氾濫しているが、NOWはブラックミュージックやダンクラなど自分のルーツを掘り下げつつイビサの快楽的な空気にも適応させた選曲を行い、楽園の心地良さと音楽の成熟を兼ね備えている。上質なダウンテンポを聴きたければ、そして恋人と甘い時間帯を過ごしたいならば、本作はそんな願いを叶えてくれる一枚になるだろう。

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| ETC3 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Planetary Assault Systems - The Messenger (Ostgut Ton:OSTGUTCD20)
Planetary Assault Systems - The Messenger
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拡大・変化をし続けるテクノと言う音楽がいつしかクラブを離れて、家のベッドで聴くリスニングミュージック的な側面も持ち合わせているのは事実だが、本作のようなアルバムを聴くとテクノの真価はやはりクラブのフロアでプレイしてこそと思わずにはいられない。UKテクノのハードな面を支えてきたLuke SlaterことPlanetary Assault Systemsが、2年前のアルバムと同じくまたしてもベルリンテクノを象徴するOstgut Tonからアルバムをリリース。前述した通りに本作はクラブでDJが使用する事に特化した機能的なハードなテクノが中心なので、ホームリスニングのアルバムとして万人が楽しめるかと言うと否である。しかしここに詰まっているテクノは、緊張感や臨場感を伴う真っ暗闇のクラブを喚起させる程にフロアの現場感を十分に含み、単純なシークエンスの複合的が重なりが脈打つグルーヴを生み出せると言う事を証明している。荒廃した廃墟を思わせる音の質感、温度感や人間味を削ぎ落した無機質な感覚、重苦しい地鳴りのようなダビーな音響は、何処を聴いても徹底してテクノの機械的なグルーヴが主張しており、テクノに馴染みの無い人が想像さえしやすいテクノと言うのは正に本作みたいなサウンドであろう。中にはJeff Millsまんまなディープテクノもあり、凶悪で切迫した音が続く中で浮遊感のある奥深さも演出しているが、やはりこれもクラブで全身に浴びるとぶっ飛べるのは想像に難くない。前作に続き上手い具合にベルリンテクノにコミットしており、期待を裏切らないテクノのアルバムとなった。



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| TECHNO9 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Dionne - Back On The Planet (Smallville Records:SMALLVILLE23)
Dionne - Back On The Planet
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2006年ドイツはハンブルグで設立されたLawrenceらに依るレーベルかつレコードショップ・Smallville Recordsは、まだまだ歴史は浅いながらもMove DやSTLなどのミニマルハウス〜ディープハウスに長けたアーティストを擁し、注目を集めるレーベルの一つとなっております。Just von AhlefeldことDionneもそんなレーベルの共同運営者の一人で、同レーベルからは2枚目となるアナログをリリースしております。ムーディーでジャジーな音楽に注目していると言う彼等の言葉通りに、Dionneの新作、特に"Back On The Planet"はまるでLarry Heardの"Can You Feel It"の再来と言っても過言ではないかもしれません。素朴で乾いたTR-909風なキックやハットのリズム、アシッディーなのに優しいベースライン、崇高にさえ感じられるエモーショナルなシンセストリングスの調べは、単純な旋律の反復なのに尚叙情を喚起させるあの名曲と同じ空気を纏っております。そして裏面にはハンドクラップを使用した古き良き時代のシカゴ・ハウスを意識した"What You Are"と、ミニマルな展開とミステリアスな雰囲気が深みにはまらせる"Capsule"の2曲を収録。全てにおいて言えるのは古典主義なシカゴ・ハウスを下敷きにしつつ、綺麗に纏め上げたモダンな作品でありレーベルの方向性を端的に表しているのではないでしょうか。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recloose - Saturday Night Manifesto (Rush Hour Recordings:RH035)
Recloose - Saturday Night Manifesto
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1998年のデビュー作からしてCarl CraigのPlanet-Eからリリースされたと言う輝かしい経歴を持つMatthew ChicoineことRecloose。テクノやハウスにジャズやヒップホップ、ソウルまで幅広い音楽に影響を受け新世代のビートを生み出していたReclooseは、デトロイトを越え海の向こうのウェスト・ロンドンのブロークン・ビーツの界隈でも一際注目を集める存在でした。ただニュージーランドに移行してからの作品は南国の風が吹くトロピカルなバンド路線で、正直に言えばファンの期待を長く裏切り続けてきたのが実情。しかし今年になりデトロイト〜シカゴの発掘に勤しむオランダのRush Hourから未発表曲を集めたコンピレーションを出したその交友からか、今度は同レーベルより実に3年ぶりの新作もリリースしました。これが今までの鬱憤を晴らすかの様な素晴らしい出来で、これぞ初期Reclooseに感じられたエレクトロ・ビートやファンキーな切れが戻ってきておりました。メロウで夢見心地なフュージョンサウンドの"Electric Sunshine"、爽やかに弾けるパーカッションと多幸感に溢れたボイスサンプルが軽快なグルーヴを生み出す"Parquet"、そしてテクノを意識した強烈なベースラインや美しいパッドを重ねたテックハウス"Tecumseh"など、どれも曲調は異なるものの見事にエレクトロニックな作風が復活しており、低迷していた評価を払拭するには十分過ぎる内容です。フロアでも絶対に盛り上がるカッコイイ曲ばかりだし、この勢いでRush Hourからアルバムをリリースしてくれよ。

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Global Communication - Back In The Box (NRK Music:BITBCD05)
Global Communication - Back In The Box
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アンビエント、テクノ、ハウス、ボサノバ、エレクトロ、クラブジャズ、そしてダブステップ…Tom MiddletonとMark Pritchardのそれぞれソロとして、又は二人でのユニット・Global Communicationとして、テクノ黎明期から様々なジャンルを開拓してきた二人。ここ15年以上はお互いに距離を置き別の道を歩んできた二人が、今年になり遂にGlobal Communicationとして復活を果たしライブ活動も行うなど期待を感じさせますが、その流れでを受け継ぎGlobal Communication名義でのMIXCDも制作しました。しかもNRKが提唱するバック・トゥ・ザ・ベーシックスのシリーズを担当するなんてきたら、そりゃ彼等のマニア心も駆り立てられたのか、80年後半から90年前半のデトロイト・テクノやAI系と呼ばれるピュアテクノ、そして美し過ぎるアンビエントまで盛り込んだテクノ黄金時代を象徴する選曲を行っております。所謂テクノクラシックと呼ばれる作品を選びつつも、表立ってはいなかったものの玄人受けする隠れ名曲まで掘り起こすその知識とセンスたるや、流石に時代の寵児であった事を感じさせずにはいられません。R & SやWarp Records、Eevo Lute、Planet-Eをはじめとするその時代を象徴していたレーベル等から今尚輝きを失わない名曲を選りすぐりし、Disc1はダンスオリエンテッドに、Disc2はリスニング寄りのプレイを聴かせてくれます。新鮮味は当然皆無ながらも再度90年代前半のテクノを聴くと、今よりも洗練さや熟練と言う点では劣るものの、それ以上にアイデアや衝動を重視しテクノの自由な創造性が溢れていた事が感じられます。そう、テクノとは元来解放されたエクスペリメンタルな音楽であるべきで、それを遂行していたのがGlobal Communicationでもあったのだから、ここで聴けるテクノは彼等の指標でもあったのでしょう。普通のクラブで盛り上がるようなDJMIXとは全然違うけれど、テクノの歴史を紐解くアーカイブとして大層役立つ内容である事は断言します。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Martian - Techno Symphonic In G (Red Planet:RP14)
The Martian - Techno Symphonic In G

もう既に途絶えていたかとさえ思っていたRed Planetから舞い降りた火星人=Mike Bnaksの物語。ネイティブ・アメリカンの血を受け継ぐBanksがルーツでもあるインディアンの文化を開拓すべく、深い精神世界を伴って続きてきた宇宙旅行は、6年ぶりの復活で遂にGalaxy 2 Galaxyとも邂逅を果たした。その曲こそ"Techno Symphonic In G (Unbreakable Spirit Of A City)"、意訳すれば「重力下におけるテクノ交響曲(デトロイト都市の不滅の魂)」と言ったところか。G2G名義の演奏ではあるものの、中身に関して言えば火星人のロマンティックなエレクトロファンク節は健在で、ブイブイと身を引き締めるファンキーなベースラインと長い旅情の果てに生まれる感動的なシンセストリングスの絡みはこれぞRed Planetシリーズの音と言える物。確かにエレクトロニックなテクノではあるが、それ以上に黒人由来のファンクネスが溢れている事がBanksにとっては意味のある事なのだろう。そして裏面には獰猛な闘争心が掻き立てられるトライバルな"Reclamation"、切れ味のあるチョッパーベースにSF的なパルスを被せた"Resurgence (Dance Of Spring)"と、どちらもタイトル通りにRed Planetの"復活"を表現している。もしかしたらまたこれを機に火星人は長い眠りについてしまうかもしれない。それでも彼の音楽の旅は、永遠に続いていくのだろう。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Robag Wruhme - Wuppdeckmischmampflow (Kompakt:KOMPAKT CD 84)
Robag Wruhme - Wuppdeckmischmampflow
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テクノもハウスもドイツ、特にベルリン勢が猛威を奮う中、いやいや忘れてはならないのがケルンから生まれた2000年代のドイツテクノを象徴したKompakt。硬派なミニマルテクノから荘厳なアンビエント、色鮮やかなポップや最近ではロック/ニューウェーブ色まで吸収したKompaktは、単純さを極めたフロア向けだけのダンスミュージックではなく雑食性と豊かな音楽性を伴い成長してきていた様に思われる。そしてRobag Wruhmeなるアーティストが手掛けるこのMIXCDも、今流行のベルリンテクノのストイックでモノトーンな音楽性とは一線を画し、緊張ではなくゆるさを極めた色気のあるディープなテクノ/ハウスを中心に、ミニマルもエレクトロニカも同時に聴かせてしまう。圧倒的に降り注ぐプレッシャーも図太い低音も凶悪なムードも一切無い、それ所かロマンティシズム溢れる情緒の豊かさとお酒に酔った時のあのフワフワとした酩酊感がどこまでも続き、終止リラックスしたムードで深層に連れて行ってしまう。線の細さ・か弱い音が故にしっかりと耳を傾け、出来るなら高音質なサウンドシステムの綺麗な音で聴きたいとさえ思う程に優雅な世界観だ。反復だけの単純な音楽でクラブで馬鹿騒ぎするのも楽しいけれど、時にはこんなドラマツルギーに踊らされる一夜も体験してみたいものだ。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Plan - D. Part Vol.1 Innerspace (Submerge Recordings:SUBCD-3022-2)
The Plan - D. Part Vol.1 Innerspace
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昨年末からアマゾンでもデジタル配信が開始されておりますが、URとも交流の深いデトロイトのレーベル・Submerge Recordingsの音源も続々デジタル化されております。本作はMike Banksも賞賛しているCliff ThomasとJon MacNishの二人から成るThe PlanのMIXCDで、リリース自体は2007年なのですが目出度くデジタル化されました。デトロイトの新世代が取り組んだだけあって、デトロイトテクノ/ハウスのクラシックを惜しみなく使用した豪華な選曲ですが、プレイ自体は35曲も使用しているだけあって矢継ぎ早に曲を被せまくってファンキーな面が目立ちます。デトロイトの暗く狂気なエレクトロの面も、琴線を震わすエモーショナルな面も、未来指向なハイテックな面も、黒人音楽から生まれた熱いハウスの面も、デトロイトの根源の一部でもあるKraftwerkの音も、ありとあらゆるデトロイト関連のダンスミュージックを詰め込んだ疾走感溢れるテクノセットで若々しい力を感じさせます。音自体の目新しさは感じないけれど、逆にここまでデトロイトミュージックに入れ込んだMIXCDも珍しいし、怒涛の勢いでミックスされたファンキーなプレイなので一聴の価値ありですね。

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| TECHNO8 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Recloose - Early Works (Rush Hour Recordings:RH-112CD)
Recloose - Early Works
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近年デトロイトの古い遺産から新しいクラシックになりうる作品まで熱心にリリースしているオランダのRush Hourが、今度はかつてデトロイトのPlanet-Eから衝撃のデビューを飾ったMatthew ChicoineことReclooseのコンピレーションを制作しました。Reclooseと言えばテクノやハウス、そしてジャズやファンクやヒップホップなど様々な音楽をクロスオーヴァーさせ、西ロンのブロークンビーツシーンからも支持をされ注目を集めておりました。それが最初期の話ですが、Planet-Eやデトロイトのシーンを離れ南国へと移住してからは、テクノの微塵の欠片も無いトロピカルなバンドサウンドへと変容して随分と落胆させてくれたものでした。ですがご安心を、本作は脂の乗っていた初期のEPや未発表曲をまとめた初期ベスト盤なのです。エレクトロニックジャズ、エレクトロニックファンク、そう呼んでも差支えのないエッジの効いたビートと、クラブサウンドのグルーヴィーなノリを巧みに操り、ハネ感のあるブロークンビーツから陶酔感のあるジャジーハウス、落ち着きのあるダウンテンポまでジャンルの境界線を飛び越えて新鮮な音楽を聴かせてくれます。単なるクラブサウンドでもなく、単なる過去のブラックミュージックの模倣でもない、その二つが自然なバランスで融合したReclooseサウンド。デトロイトテクノ好きな方は勿論、クラブジャズやブロークンビーツが好きな人にも涎が出る内容となっております。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 12:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
The Oliverwho Factory - Night Lights (Planet E:PLE65318-1)
The Oliverwho Factory - Night Lights
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デトロイトテクノの至宝・Carl Craig率いるPlanet Eからの新譜(と言ってもリリースは半年前ですが…)は、The Oliverwho Factoryなる初耳のアーティスト。経歴を調べてみたら2003年頃から自身のレーベルで作品はリリースしていたので、特に新人と言う事でもないらしい。それはそうとC2も制作に加わったタイトル曲の"Night Lights"は、バウンシーな跳ね具合とキレを感じさせるビートが力強く、ソウルフルなボーカルのリフレインやコズミックなシンセの音色がしっかり効いており、まさにデトロイトテクノ、まさにPlanet Eと言うべきトラックになっております。すっきりとタイトでキレが効いている分、重みは無くともフロアでの鳴りは良さそうですね。裏面にはアブストラクトで不穏な雰囲気を発する"Lady Dreamer"なるディープ目のトラックと、タイトル曲をC2がビートのみに調理したエディットが収録。C2のエディットは流石の手腕で、ミックスに使い易いパーカッシヴな仕様です。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Surgeon - Fabric 53 (Fabric:fabric105)
Surgeon - Fabric 53
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UKのマット・デーモンとも呼ばれる(嘘です)Anthony ChildことSurgeon。眼鏡を掛けたその知的な見掛けとは裏腹に、彼の繰り出す音は暴力的でサドスティックなインダストリアルテクノが特徴。流行に振り回される事なく一貫したハードな美学を持ちつつも、このFabricシリーズの最新作ではダブステップも取り込んだ上で相変わらずのハードな音を鳴らしておりました。もっとも彼自身も数年前からダブステップには接近していたので本作への流れも違和感は無いのですが、ダブステップのみならずデトロイトテクノやミニマルも使用し、相変わらずの幅の広さ故の面白さを感じさせてくれます。跳ねと疾走間に溢れたグルーヴ、中にはメランコリックな流れもあり、そして強靭で厳ついハードな音は確かにSurgeonの専売特許。雑食性がありつつもハードな音の統一感は流石その筋のベテランであり、Jeff Mills以降のハードミニマルの分野を率先して開拓して来た人物だけあります。かつて多くのハードミニマリストが路線変更を必要としたのに対し、Surgeonの視点に今も昔もブレは全くありません。信頼のおけるアーティストとは、かくあるべき。

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| TECHNO8 | 09:30 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Metamorphose Presents Decade 2 Decade Mixed By Mark Flash (OCTAVE LAB.:OTCD2250)
Metamorphose Presents Decade 2 Decade Mixed By Mark Flash
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今年で10周年を迎える野外レイヴ・Metamorphoseを祝福して、デトロイトからUnderground Resistanceがオフィシャルミックスを提供。ミックスを手掛けるのはURのメンバーでもありLos Hermanosのターンテーブリストも担当していたMark Flash。選曲に関してはメタモと脈絡は特に無く、いつものURまんまと言うかUR関連のトラックをフル使用。Mike Banksのハウスの活動の場でもあったHappy SoulやHappy Recordsなどのオールドスクールなレーベルから、更には日本未発売のRed Planetの14番やTimeline、Mark Flash自身らの新曲、そしてUR軍団にしか使用を許可されないZ Recordまで掬い上げ、過去と未来を紡ぐ選曲はURファンには涎が出る内容となっております。しかしまあURとしての活動もほぼ20年と言う事もあって、こうやって彼らのMIXCDを聴いても驚きもインパクトも以前程には感じないのも事実ですが、安定の境地に達しておりファンが安心して聴けるハウスサウンドが満載で、俗世的な流行や一過性の物に流されない彼らの信条は信頼に値します。荒廃したデトロイトのハードなサウンドと、そして希望を求めるポジティブなサウンドの両面が聴けるURらしいミックスだと思いました。

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| HOUSE6 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Robert Hood - Omega (M-Plant:M.PM8CD)
Robert Hood - Omega
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Underground ResistanceではMCを担当し、その後はデトロイトテクノのシーンで独自のミニマル路線を突き進んでいるRobert Hoodの新作は、"The Omega Man"なるSFムービーのサントラと言うコンセプト。しかしすっかり忘れていたのですが前作から何時の間にか7年も経っておりまして、その間にテクノの最先端も随分と変わっておりますがHoodはどうかと聴いてますと…まあ、良くも悪くもそんなに変わっていないと言うか、展開を抑えたガチなミニマルが満載。抑揚は排除されカッチリしたキックやスネアで淡々と平坦な流れを作り、そこにスペーシーで発信音の様な上物をのせただけの非常にシンプルかつクールなミニマルです。ドイツで盛り上がってきているハードなミニマルとも異なり、こちらは音自体もオールドスクールに回帰しどこか懐かしささえも匂わせております。最近のJeff Millsの宇宙志向のトラックにも近いのですが、DJツール的な要素が大き過ぎてアルバムとして聴くには随分と味気ないかもしれない。しかしながらミニマルを長らく追求したその音楽経験が存分に発揮されており、ミックスの中で活用してこそ映える音楽性ではあるのかと。

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| TECHNO8 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2010/06/22 METROPIA.1st ANNIVERSARY @ Saloon
昨日に引き続き平日ながらも、白石隆之さんのDJプレイを聴きにSaloonへ。流石に二夜連続だと疲れが溜まっていて体が重かったのですが、Saloonはソファーなどもあり快適な環境の中、まったりと音に集中出来ました。プレイ自体は自分の好きなタイプの音が多かったかな。一番最初はKirk DegiorgioだかIan O'Brienのビートレスなトラックから緩やかに始まり、そこからPlanet-Eから出たばかりのThe Oliverwho Factoryの新曲に繋がれる。この時点で今日はデトロイト色濃厚そうだなと予感しましたが、そこからは期待通りにデトロイトやそのフォロワー系の音が多かったはず。中盤位まではMoodymannやNewworldaquariumなどのメロウでハウシーな流れで、優しく音を響かせながら夜のアダルティーな世界へと引き込む感じ。中盤以降はリズムが硬めでアッパーなテクノでがつがつと攻め上げ、URのファンキーなエレクトロも織り交ぜて賑やかなピークタイムへと突入。しかし白石さんのプレイは熱い感情を胸の奥底にしまっている様で、エモーショナルだけれども熱くなり過ぎずに常にクールな印象。ストイック、又は渋いと言うか、エゴを感じさせずに控え目なんですよね。だから泥臭いファンキーなハウスをかけても、基本的に汗臭さを感じさせずまったりと聴けるのかな。そんな感じでゆらゆらとエモーショナルなプレイに身を任せて、二時間弱のプレイは"Sueno Latino"で終了。最後の最後で華々しい感情が湧き出て、ドラマティックなラストにうっとりでしたね。

■Takayuki Shiraishi - TIME6328(過去レビュー)
Takayuki Shiraishi-TIME6328
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| EVENT REPORT2 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Talkin' Loud 2010 Toshio Matsuura Selections (Universal Music:UICZ-3114)
Talkin Loud 2010 Toshio Matsuura Selections
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今年はGilles Petersonが主宰していたTalkin' Loudの発足20周年だそうで、その記念にベスト盤がニ枚出ております。その一枚が元United Future Organizationの松浦俊夫がコンパイルを手掛けた本作。2010年の現代のジャズを意識して選曲をしたそうで、今聴いても古臭くなくそして昔から聴いている人にとっては懐かしさの感じられるアシッドジャズが詰まっているそうです。Talkin' Loudによって世に広められたアシッドジャズですが、まずアシッドジャズって一体何なのさ?自分はここらへんの音楽には疎いので、そんなアシッドジャズを体験するにはこの様なコンピレーションは大変有難いです。出だしのTerry Callierのトラックはノンビートでフォーキーな歌物はジャズなのだろか?次のGallianoのトラックもビートレスで、アコースティックギターのアルペジオや薄膜を張ったようなシンセが続くフォーキーな歌物。Courtney Pineの3曲目でようやくジャジーなリズムも入ってくるけど、ワールドミュージックの様な異国情緒が漂っていて単なるジャズではない。その後もいわゆる一般的にイメージするジャズと言うジャズが出てくる訳でもなく、ボサノヴァもあれば2ステップ、ブロークンビーツもあるし、これらを一括りにアシッドジャズと呼べる理由があるとすればそれはTalkin' Loudからリリースされていたからと言う事だけでしょう。温故知新な精神を持って過去のジャズを90年代に新しく蘇らせた音楽こそアシッドジャズと言う解釈でよろしいのでしょうか?しかしそんな言葉の意味に囚われずに素直にこの音に耳を傾ければ、ユニークなジャズを十分に堪能出来るのが本作。クラブと言うよりはラウンジ向けのトラックが多く、部屋で落ち着いた時間を演出する事が出来るでしょう。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Josh Wink - When A Banana Was Just A Banana - Remixed & Peeled (Ovum Recordings:OVM-9008-2)

Josh Wink - When A Banana Was Just A Banana - Remixed & Peeled
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昨年リリースされ評判を得たJosh Winkのアルバム"When a Banana Was Just a Banana"(過去レビュー)を、現在テクノ・ハウスシーンで活躍している著名なアーティストがリミックスした作品集が登場。元々が激渋なミニマルでテックなフロアを意識したトラックでしたが、ここに集ったアーティストもその流れを組んだリミックスを披露しております。The BaysのメンバーでもあるJimpsterはディープでずぶずぶな展開の中に、夜の妖艶さを含ませたディープハウスを披露。最近はミニマルに傾倒しているSlamはやはりトリッピーな効果音が特徴的なミニマルを、Radio Slaveは徐々にビルドアップしていく恍惚感のあるミニマルを聴かせる。フランスの耽美派ハウスユニット・Chateau Flightさえも、華やかさを伴いつついかつくゴリゴリと荒さのあるミニマルを聴かせるなど、やはりシーンはミニマルなのでしょうか。Benny Rodriguesなるアーティストだけは鈍いアシッド音を使ったアシッドハウスを披露していて、それが古臭い訳でもなくしっかりと現在のシーンにも適用していて格好良いです。その他にもNic Fanciulli、Agoria、Martin Buttrichら随分と豪華なリミキサーが集結していて、その誰もが硬質なミニマルを意識していて、地味と言えば地味だけどフロアで使い勝手の良いリミックスを行っております。ジャケットの様にオリジナルから薄皮が一皮向けたような変化を見せたリミックスアルバムでした。

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| TECHNO7 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Delano Smith - Midnite EP (Third Ear Recordings:3EEP-107)
Delano Smith - Midnite EP
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デトロイトビートダウン一派のDelano Smithの最新作。ここら辺の人達はアッパーなハウスではなくて、手に汗握ってぐっと熱くなる粘り気のあるハウスを得意としていて、地味ながらも時代に関係なく良い作品を作っております。本作の目玉はA1の"Special Kind"で、ロフトクラシックであるASHFORD SIMPSONの"Stay Free"をサンプリングしてループさせてあるそうです。ハウスと言うよりはむしろディスコ的なピアノリフや声ネタに、ビートだけはハウスっぽく滑らかで重い4つ打ち仕様になっていて、じわじわと熱さが込み上げてくる良作。と思えばA2の"Dee's Gruv"は展開を無くしたミニマルなハウスで、流麗な音はヨーロッパ的でもあったりする。B1の"The Explanation"なんかはかなりキックの強いアッパーな(と言っても派手ではない)テックハウスで、フロアで盛り上げるのに使えそうな曲。曲毎に作風が異なっていて意外性はあるものの、捨て曲は無くフロアで役立ちそうな一枚です。

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| HOUSE5 | 16:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Glimpse & Martin Eyerer - Southern Soul (Buzzin' Fly Records:046BUZZ)
Glimpse & Martin Eyerer - Southern Soul
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UK屈指のハウスレーベルとなったBen Watt主宰のBuzzin' Flyから、Planet-Eからも作品をリリースしテクノシーンで評価を得つつあるGlimpseとMartin Eyererの共作。とは言っても本作はかなりハウス寄りにシフトしていて、透明感のある上物のリフに上品なピアノが絡んでいく綺麗目のテックハウスになっております。丸みを帯びたキックは優しい辺りで刺激的と言うよりは肌に滑らかに馴染み、スムースに耽美な世界に引き込まれる感じ。B面にはJay Shepheardなる人のリミックスが収録されていて、こちらは多少重みを増してどっしりと地に着いたディープハウスに変わっています。その分スピード感は控えめになっているものの、シンセストリングスを追加して哀愁が滲み出ておりますね。どちらも如何にもBuzzin' Flyらしいエレガンスな気品があり、流石の一枚。

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| HOUSE5 | 00:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dixon - Temporary Secretary (Innervisions:IVCD04)
Dixon - Temporary Secretary
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時代は完全にInnervisions、出す作品のどれもが高品質かつヒットさせているクラブシーンの中心。ジャンルの垣根を越えてテクノ、ハウスの両方面から支持されるそのディープでドラッギーな作風は、完全にInnervisionsの音としか表現出来ない域にまで達している。そんなレーベルのオーナーであるDixonの最新MIXCDは、現代的なクラブミュージックを集めミックスした、所謂最も新しいクラブの音楽が閉じ込められた内容。個人的に感じるのはやはりテクノと言うよりは滑らかなハウスのグルーヴ。勢いのあるグルーヴではなくねっとりと絡むグルーヴと、鋭角的ではなく柔らかで柔軟な音、ダークで恍惚感のあるメロディーでどっぷりと闇の沼に誘い込む様な感覚があり、じわじわと時間をかけて肉体ではなく精神を侵食してくるトリッピーな音楽だと思うのです。テクノだと汗汗しながら熱くなって聴くのが普通だけど、ここら辺のベルリン勢はひんやりクールでむしろ寒気がする位の空気が漂っていて、アダルティーで妖艶な雰囲気。家で聴く分だと多少地味な位なんだけど、これがクラブで聴くと恍惚と狂乱の沼にはまってしまうのです。

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| HOUSE5 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Warp20 (Recreated) (Beat Records:BRC-242)
Warp20 (Recreated)
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冷静になるとブログにひでぇ事書いたなぁと気付く。時々狂ったりモヤモヤすると書かずにはいられなくなるが、これじゃあただのキモメンがスーパーキモメンになり、今まで以上に女の子はドン引きだ。しかし記録は記録、自分への戒めとして消去はしない。

テクノと言う常に改革を望む世界において、一つのレーベルが20年も続くと言うのはある意味奇跡でもある。そんな奇跡を実現したのがUKのWarp Recordsで、今年で遂に20周年だそうだ。それを記念してリリースされたのが本2枚組で、Warpの音源をWarpのアーティストがリメイクしたコンピ。とは言え正直なところ自分には物足りなさの残る企画で、昔のWarpの音を期待している人は完全に肩透かしを喰らうだろう。当たり前の事なんだけど、これはテクノの殻をぶち壊してレフトフィールド的な自由性を持った音楽性を進んでいる今のWarpの音が中心だと言う事。僕はやっぱり昔のインテリでダンスフルな頃のWarpに思い入れがあるから、その時点でこの企画とはもう合わなかったんだろう。またリミキサーにBoards Of CanadaやAndrew Weatherall、Aphex Twin、Speedy Jら重鎮が入ってないのは、物足りなさどころか失望さえ隠せない。ぶっちゃけな話90年代の重鎮に比べると、今のWarpのアーティストってそんなに魅力的には感じられないんだ。色々手を広める事で時代を生き抜いてきたのは分かるけど、テクノの可能性をもっと見つめ直して欲しい。ま、単純に言えばもっとテクノを聴かせろってだけだ!

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| TECHNO7 | 09:45 | comments(4) | trackbacks(2) | |
Glimpse - The Bird Collection (P-Vine Records:PCD-93270)
Glimpse-The Bird Collection
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The Only One I Know、選挙は大事だよ〜。って事でもうすぐ衆議院選挙。普段は選挙なんか行かないなんて人でこれを読んだ人は、今回はまじ行こうぜ。特に投票率の低い20代のヤング、Make Your Transitionしなきゃ!

堅苦しい話はそれ位にして、ベルリンミニマルで俄然注目のアーティスト・Glimpseの編集盤。5枚に渡ってリリースされた"% Black"シリーズで多くのDJから賞賛を浴び、今年はデトロイトテクノの至宝・Carl CraigのPlanet-Eからも新作をリリースし、今後の期待を感じさせる一人。本作は鳥ジャケシリーズの3枚のEPをまとめた内容だけど、ジャケの耽美な雰囲気からも察しの通り流麗で厳かな美しさを感じさせるテクノが中心。デトロイトテクノの叙情さとも似ている様で、もっと洗練されオーガニックな質感を伴っております。光が煌くような上物のシンセの使い方はやり過ぎると下品になるのを丁度良い塩梅に使用していて、耽美さや上品さを伴っていて一曲のそれ自体でも聴ける上質な内容。それ程アッパーな曲も多くはないしリズムトラック自体は結構なスカスカ具合なんで、リズムで引っ張ると言うよりはやはりメロディー重視なんかね、エモーショナルだし。お家でじっくり聴くも良し、フロアでも心地良く聴けそう。

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| TECHNO7 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Factory Records : Communications 1978-92 (Warner Music UK Ltd.:2564-69379-0)
Factory Records : Communications 1978-92
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イギリスのマンチェスターで創立された伝説のインディーレーベル・Factory。まさに音楽の工場的にJoy Division(New Order)やHappy Mondays、The Durutti Column、A Certain Ratioらを輩出した素晴らしく馬鹿馬鹿しいレーベルだ。そんなレーベルの音源を時代順に正しく収めた4枚組みのコンピレーションが本作。Factoryと言えばやはりクラブハシエンダを忘れてはならない。オマンチェブームの発端であり、UKにおいてアシッドハウス爆発のきっかけになったクラブでもある。しかしドラッグが流行ってお酒が売れないから常に赤字経営だったとか、ドラッグ抗争による危機に晒されていたとか、とにかくその知名度とは裏腹に不安定なクラブだったらしい。そして母体Factory、初期のニューウェーブから後期のダンスムーブメントまで時代を作っていったレーベルの一つである事は言うまでも無い。本作収録曲を見て驚いたのは、Cabaret VoltaireやJamesまでの作品もリリースしていたと言う事。確かに前衛的だったんだね。自分もNOやハピマン位は聴くものの他のアーティストに関しては聴く機会が無かったので、この手のコンピは大変有難い。時代が時代だけに音が古いんだけど、そのダサささえも愛らしい。そしてブックレットには収録曲の解説やジャケット絵も収録されていて、その美しいアートワークにも感動物だ。非常に美味しいコンピレーションですな。

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| ETC3 | 01:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ken Ishii - Warrior On The Decks - Play, Pause And Play 2 - (Music Mine:IDCS-1030)
Ken Ishii-Warrior On The Decks - Play, Pause And Play 2
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夏目三久アナウンサーのコンドーム持った写真が流出してショックだとかキメエだとか騒いでおりますが、世の中の可愛い子は男とばんばんセックスしまくってるのは常識。彼氏が居なければセフレが居る。魅力的な女には常に男が居ると思って間違いない。俺もばんばんしたいです。

日本が世界に誇るテクノゴッド・ケンイシイの4年ぶりのMIXCDですが、ジャケットのセンスは正直どうなんでしょう。最近のケンイシイは我等常人には理解出来ない方向を向いている気がします。しかしそれはそれ、これはこれ、長きに渡り国内・国外のテクノ野郎共と対峙してきたその実力は間違いなく世界レベル。本作においても確実にケンイシイのプレイだと言う事が聴いて分かる音が存在していて、流行のミニマルは予言通りに一切無しのガチテクノ。無闇に玄人ぶったりマニアックな選曲をする事はなく、コアなリスナーからテクノに馴染みの無い者まで楽しめるアッパーでソリッドかつ、大箱受けする大仰な構成が聴き取れます。クラシックと言われる昔ながらのトラックだって出し惜しみ無く投入し、いやが応でも盛り上げてくれるのです。最後の自身の"Extra"なんて、もう感慨深いよね。これでテクノにはまった人も多いんじゃないかしら?ただ何て言えばいいのかな、アルコール摂取し過ぎてセックスで逝くに逝けないもどかしさみたいな感覚、何となくスピード感が足りない寂しさがあるのが残念。俺はケンイシイの生のDJプレイでもっとハイエナジーなプレイを聴いた事があるだけに、このMIXCDでも更に吹っ切れてくれたら良かったのにと思う。ちょっと小奇麗に纏め過ぎたかな。

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| TECHNO7 | 00:10 | comments(4) | trackbacks(1) | |
DJ Mitsu The Beats - A Word To The Wise (Planetgroove:PGCD-K1011)
DJ Mitsu the Beats-A Word To The Wise
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世界的に評価を得た1stアルバム"New Awakening"(過去レビュー)から6年、期待されていたDJ Mitsu The Beatsのソウルフルなヒップホップアルバムの2作目が遂に登場。ヒップホップ、それは私が普段聴かない音楽。しかしながらそんな私でもDJ Mitsu The Beatsはお気に入りなんだから、このアルバムはヒップホップのファン以外にもお勧めしたくなるメロウな一枚。単にヒップホップと言ってもラップばりばりで攻撃的な物やエレクトロっぽい物、スクラッチをかました物など色々あるんでしょうが、DJ Mitsu The Beatsに関してはメロウかつジャジーで聴かせるトラックが多いですね。ようするにムードのある音楽。ムードって一体何と問われると困るけど、それは実際に聴いて感じて欲しいと思います。ざくざくと鋭角的なビートを叩き出すヒップホップからムーディーなダウンテンポ、訝しく悪っぽいドープなトラック、そして美しく舞い踊るブロークンビーツまで色々な面を見せてくれますが、どれをとってもじっくり耳を傾けて聴きたくなるメロディーを奏でているんで、そこが良いんですな。しかしこれだけ器用なんだから、ヒップホップからハウス方面に足を突っ込んだ作品も作って欲しいなと思ったりも。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Len Faki - Berghain 03 (Ostgut Tontrager:ostgutCD08)
Len Faki-Berghain 03
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現在のドイツテクノの中心の一端を担うOstgut Tontragerから、ベルリンの代表的クラブ・BerghainのオフィシャルMIXCDの第三弾がリリース。新作を手掛けるのは割とソリッドでハード目なテクノを得意とするLen Faki。ミニマル隆盛の現在においても旧ミニマルらしい作風を残してもいるし、去年体験したDJプレイでも激アッパーで勢いを感じさせてくれたので本作にも期待をしておりました。で内容はばっちし、期待を裏切らない硬派なテクノ中心。オープニングはいきなりチルアウトなんでびっくりしましたが、それ以降は硬めで暗黒系ミニマル中心。さほどハードではないけれどメタリックで黒光りする音の響きが深い世界を展開し、中盤で自身やRadio SlaveのトラックでBasic Channelばりのダビーなミニマルに移行、かと思えばそこからはディープハウスやLaurent Garnierのクラシックでぐぐっとエモーショナルに染まるなど、意外にもバラエティーに富んだ展開。相反する金属的な冷たさと人間的な温かさが並んではいるものの、抑揚のある展開や奥行きを感じさせる音響があって飽きないミックスだと思います。ようやくテクノの中心地ドイツからミニマルブーム以降の音が、徐々に増えてきたので個人的には嬉しい限り。

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| TECHNO7 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
John Tejada - Fabric 44 (Fabric:FABRIC87)
John Tejada-Fabric 44
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時代はミニマルです。ミニマルが溢れ過ぎています。その中でオリジナリティーを捻り出せるのは極少数の才能あるアーティストだけですが、John Tejadaも彼独自のドラッギーな音が特徴的なオリジナティーを持った才能あるアーティストです。現にPoker Flat、Sino、7th Cityなどの老舗レーベルからもリリースされる程なので実力は推して知るべしですが、その実力を買われてか人気MIXCDシリーズのFabricに遂に登場。出だしから3〜4曲目辺りまででいきなり美しくも儚いテック系の曲でピークを迎える驚きの展開ですが、それ以降がTejada独自の不穏気な変態ミニマルが炸裂。ギトギトで毒々し怪しく光るシンセが入る曲が多めで、麻薬の泥沼に引き込まれるような中毒性の高いトラックが連発。気持ち良い状態を追い越して行き過ぎた感もあるドラッギーな状態で、ねちねちと暗黒の世界に陥ります。そこから終盤に向けては多少綺麗目のテック系に持ち直して、毒気が抜けて清涼感のある風が吹き込んできます。中盤の暗黒世界とは逆転した快楽的なエンディングが待ちわびていて、何とか救われた気持ちになれる表裏一体型のMIXCDですね。しかしながらやはりこれだけ強く印象に残るのは、やはりTejadaが自分の世界観を形成している証でしょう。またMIXCDなのに自分の曲を4割程も回していてエゴも感じるけれど、それだけ自分の曲に自信も持っているんですね。派手ではないけれど、スルメみたいな味わいのあるミニマル〜テック系のプレイでした。

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| TECHNO6 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2009/03/14 SiCK! @ ANGELO
デトロイトにはかつて"Music Institute"と言う伝説的なクラブがあったそうで、それを立ち上げたのがChez Damierと今回来日していたAlton Millerなのです。デトロイトと言えばテクノと言うイメージが大きいですがハウスも実は昔から充実していて、今回はそんな生き字引が横須賀に来てしまったのだ。って事でがんばって横須賀中央のANGELOってクラブまで行ってきた。横須賀って言うと自分の中では兎にも角にも米軍基地ってイメージですが、実際に行ってみたら飲み屋が多かった。そしてどうやらホッピーが人気があるらしい。何よりも横須賀の飲み屋に感心したのは、ホッピーを提供する時に三冷を守っていた事だ。東京だと氷をぶち込んでホッピーを出す店が多いけど、それだと味が薄まっちゃうんだよね。東京も横須賀中央の店を見習うべきです。

さてさてたんまり飲んでからANGELOに突入。知り合いが言うにはクラブと言うよりは元々ライブハウスであるらしいですが、なかなか良い雰囲気の箱でした。ワンルームでフロアとバーが一緒になっているんだけど、程よい大きさと自由きままで気の抜けたリラックス感が良いです。派手でもなく豪華でもなく、自然体で居られる場所と言うか。大箱には大箱の良さがあるのは分かるけど、最近はそんなに大きくなくて適当にだらだら出来る箱の方が自分にはしっくりくる。

Abdul Haqq

前の方ではデトロイト関連のイラストレーター・Abdul Haqqがキャンバスに向かって絵を描いていた。見れば一発で分かったけど、Red Planet(The Martian)の絵だった。そういや最近Red Planetシリーズは出ていないけど、プロジェクトは停止してしまったのだろうか?Red Planetの復活きぼんぬ。

音楽の方は正直言うと余り覚えていない。飲み過ぎた、寝てしまった、悔しい。Alton Millerの前まではまだ記憶があり、デトロイト系のテクノとかもかかっていて自分も楽しんでいたはずだが。Alton Millerは3時間のロングセットだったんだけど、最初の30分位しか聴けなかったかも。ハウス回してたっけ?う〜ん、記憶に無い、自分アホすぐる。朝方起きたのは、ユニコーンの"ヒゲとボイン"がかかっていた時だ。Alton Millerは殆ど聴き逃してしまった訳だ!飲み過ぎには気を付けないとと少々反省。しかしSiCK!関連の女の子?が売っていたミートパイが美味かった。美味しくて2枚も食べてしまった。音の記憶が余り無いのは寂しいが、とても楽しい一夜でした。

■Alton Miller-Selected Works(過去レビュー)
Alton Miller-Selected Works
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| EVENT REPORT2 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Ican - Pa' Mi Gente (Planet E:PLE65302-1)
Ican-Pa Mi Gente
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昨年のリリースのアナログですがデトロイトハウスの注目ユニットで、Planet-Eからの1stがヒットしたIcanによるPlanet-Eからの2作目。Los HermanosやGalaxy 2 GalaxyでもライブをサポートするDJ S2ことSantiago SalazarとEsteban Adameから成るこのユニットは、異質にも特にラテンハウスを前面に押し出しております。僕は何度も言っているのですが、彼等には注目しておいて損はないでしょう。本当に素晴らしいトラックメーカーであります。まずA1の"Pa' Mi Gente"は、男性ボーカルを取り込んだ郷愁の滲み出るラテンハウス。ちょっと懐かしさも感じさせつつも、ヒプノティックなシンセも使ったりしていてデトロイトっぽい面もあったり。力強くぐいぐいと引っ張られるリズムトラックと相まって、フロアではきっと盛り上がるトラックですね。A2はCarl Craigによるダブミックスですが、そんなに大幅には手は加えられてないですね。そしてB面の"Chiclet's Theme"は、パーカッシヴなラテンテックハウス。シンセストリングスをばりばり使っていかにもデトロイトなトラックで、G2Gとかの影響下にあると言っても過言ではないでしょう。Icanもそろそろシングルが溜まってきたんで、アルバムリリースなんかして欲しいですね。

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| HOUSE4 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Remix Trax Vol.7 Cosmic Soul (Meldac:MECP30021)
Remix Trax Vol.7 Cosmic Soul
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取り敢えず本日で今年のレビューは最後。今年も毒舌、シモネタばかりの駄文ブログを読んでいただいた読者の皆様、どうもありがとうございました、そしてすいませんでした。ブログでは毒ばかり吐いている最低人間ですが、実際に会うとシモネタばかりの最低人間で、どっちにしてもダメですね、えぇ。でも音楽は本当に愛しているので、来年も皆様に楽しんで読んで頂ける様なブログを書くように精進したいと思います。特にクラブは行くけどクラブミュージックには詳しくないと言う人にも、音楽そのものに興味を持ってもらえるようになれたら嬉しいです。

さて最後は何故か今までレビューを放置していたテクノコンピ大名作の"Cosmic Soul"。"Cosmic Soul"って言うタイトル自体が素晴らしいじゃないですか、当時Remix編集長の小泉雅史のセンスには感嘆。この"Cosmic Soul"には単なるダンストラック以上の価値が含まれていて(勿論踊れないと言う訳でもない)、音楽にもっと知性や思考の喚起、感情の揺さぶりをもたらす音楽としての意味があるのだと思う。本コンピにはデトロイト系のUR、Red Planet、Carl Craig(Naomi Daniel、PCP)、Rhythim is Rhythim(Derrick May)、アシッドテクノのThe Kosmik KommandoとAcid Junkies(Stefan Robbers、Terrace)、UKインテリジェントテクノのAs One(Kirk Degiorgio)とReload(Global Communication)、そして日本のKen IshiiとC.T. Scan(CMJK)と本当に素晴らしいとしか言いようのないアーティストの曲が収録されています。多分今までリリースされたテクノコンピの中でも、ベスト5には入るのでないかと思う位に名曲揃いですね。各アーティスト確かに出音は違えど根底に共通するのは、エクスペリメンタルでエモーショナルな音と言う事。クラブでのリスニングに依存せず場所を問わない音楽としての純度を高めたエレクトロニックミュージックと言えば良いのかな。音楽自体が主張しリスナーの感情に問い掛ける力があり、個々の精神面に深く突き刺さるエモーションが発せられているのです。クラブにただナンパしに来たりただ騒ぎに来たりするのも否定はしないが、クラブミュージックにはそれだけの意味ではなく、もっと深い精神性がある事を認識させてくれるであろう音楽が"Cosmic Soul"なのです。クラブでも時折音にじっくりと耳を傾けて欲しい、そして深いインナースペースに飛んでみて下さい。

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| TECHNO6 | 08:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Fumiya Tanaka - I Am Not A DJ (Sony Music Entertainment:SRCS7663)
Fumiya Tanaka-I Am Not A DJ
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昨日は田中フミヤのCHaOSに行こうと思って渋谷のバーで一人飲んでいたんだけど、体調がよろしくなく結局飲んだ後帰宅してしまいました。YELLOW亡き後WOMBで初のCHaOSだったので興味はあったのですが、体調不良には勝てませぬ。次のCHaOSはUNITでしたっけ?

さてそんな田中フミヤの懐かしいMIXCDが1995年リリースの本作。当時はまだMIXCD自体が極めて貴重であったのですが、彼がこうやってジャパニーズテクノの道を切り開いてきた訳なんですね。内容の方も現在のフミヤからはとても想像の付かないごった煮ハードなテクノで、Jeff Mills、Basic Channel関連、Carl Craig、Richie Hawtin、Planetary Assault Systems、Robert Hoodなど今ではテクノの大御所となったアーティストの曲がこれでもかと使用されています。若いだけあって荒々しい展開ながらも汗を感じられる激しいプレイで、最近のフミヤの特徴である知的でディープなプレイしか聴いた事がない人は衝撃を受けるんじゃないでしょうか。いやね、これはまじで格好良いですよ。まだまだ日本にクラブシーンが根付く前にこんなプレイをしていたなんて、やっぱりフミヤは漢です。モロにかつてのJeff Millsの影響下である事を差し引いても、暴力的でノーコントロールに爆走して行く猪突猛進なプレイは、フロアに音の爆弾を投下してるイメージで体もウキウキです。正直な気持ちを言うと、最近のプレイよりこう言った過激なプレイが聴きたいのが本音で、一年に一度でも良いからそんなパーティーを開いてくれると本当に嬉しいのですがね。昔からテクノを聴いている人は、多分こんな感じのMIXCDに共感する人は多いはず。ちなみに各曲に野田努とKEN=GO→が解説を付けているので、それを読むだけでも十分に楽しいです。

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| TECHNO6 | 21:15 | comments(3) | trackbacks(2) | |
Art Of Dance : Exhibits (Substance:SUB4806.2)
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最近Planet-Eから最新アルバムが出たばかりのKenny Larkinですが、ネットで他の作品と一緒に注文したおかげで発送が遅れております。安いのがメリットのネット注文にも弱点はあるのでした。しょうがないのでKenny Larkinが運営していたArt Of Danceと言うレーベルのコンピを紹介します。内容はSean Deason、Kosmic Messenger(Stacey Pullen)と、そして残りは全部Kenny Larkinの変名と、ある意味Kenny Larkinの作品と言っても差し支えないでしょう。時代的には10年以上前の作品だから、音自体はちょっと古臭さも漂う懐かしめのデトロイトテクノが満載。まだKenny LarkinがWarp RecordsやR & S Recordsから作品をリリースしていた頃の音源なので、アーティフィシャルインテリジェンス系のピュアテクノっぽさもあって個人的には好きです。デトロイトの人達の音ってそんなに作り込まれていなくてむしろラフな位なんだけど、そのチープな中にもソウルが込められていて心にぐっと来るトラックが多いのです。未来を見据える事も大事ですが、たまには過去の懐かしさの余韻に浸るのも一興。

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| TECHNO6 | 14:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Mitsu The Beats - Re-New Awakening 02 (Planetgroove:PGCD-K1005)
DJ Mitsu The Beats-Re-New Awakening 02
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三夜連続でDJ Mitsu The Beats関連の紹介ですが、そろそろ飽きると思うので今日で終わりです。本作は"New Awakening"のリミックス集二枚目。と言っても一枚目に参加してるWaajeed、Phil Asher、Delaはこっちにも被って参加しております。他にはDJ Kiyo、Kid Sublime、Agent K、Grooveman Spot、Rich Medina、そしてDJ Mitsu The Beats自身がリミックスを提供しています。やはり一枚目と一緒で参加してるアーティストに関して全く知識を持っていないので、紹介の仕様がないですね、ごめんなさい。気に入ったのはPhil Asherのリミックスなんだけど、一枚目に提供した"AWAY"を今度はハウスリミックスしているんです。これが非常にノリノリでグルーヴィーなハウスでありながら、派手な方向に向かう事なく西ロンらしいエレガントな作風に仕上げていて素晴らしいですね。他のアーティストは大半が渋いタイトなヒップホップに仕上げていますが、特にKid Sublimeのリミックスは上下に跳ねるリズムに躍動感があって、他のリミックスとは一線を画す印象を受けました。本作もオリジナルからそんなに外れたリミックスは少ないので、どうせ聴くなら一枚目のリミックスと揃えて聴いて欲しいと思います。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Mitsu The Beats - Re-New Awakening 01 (Planetgroove:PGCD-K1004)
DJ Mitsu The Beats-Re-New Awakening 01
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今日も引き続きDJ Mitsu The Beatsの作品で、本作は"New Awakening"のリミックス集一枚目。リミックスを提供するのはBreakthroughやSa-Ra、Kevin Brown、Dela、Waajeedらヒップホッパーから、西ロンのブロークンビーツを得意とするPhil Asher、ディープハウスを量産するTokyo Black Starまでと、比較的オリジナル作品のイメージを損なわないような感じでしょうか。とは言ってもこの面子を見ても自分には一部を除いて馴染みの少ない面子なので、余り深く紹介の仕様がないです。Phil Asherはまんま彼の作風が前面に出た洗練されたブロークンビーツを披露していて、コズミックな音の使い方が素敵です。Sa-Raはヒップホップと言うかコズミックファンクみたいな古いけれど未来的なシンセ使いで、彼らの普段通りの音を出していますね。予想を裏切られたのはTokyo Black Starで、スモーキーなヒップホップをやっています。ハウスではないけれど、もっちりとしたロウビートの激渋な仕上げは格好良いですね。他も大半はヒップホップアレンジが中心ですが、ざくざくとした小気味良いリズム感を生かして軽快なトラックが多いです。原曲を滅茶苦茶にしたリミックスは無いので、良い意味で安心して聴く事が出来ると思います。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Mitsu The Beats - New Awakening (Planetgroove:PGCD-K1001)
DJ Mitsu The Beats-New Awakening
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ヒップホップユニット・Gagleにおいてトラックメイクを担当しているDJ Mitsu The Beatsのソロアルバム。基本的にヒップホップのアルバムは購入する事は余り無いのですが、彼が手掛けたMIXCD"The BBE Sessions"(過去レビュー)が素晴らしかったので、オリジナル作品にも期待して買ってみました。うむ、予想以上に格好良いヒップホップでこれは聴き応えのある一枚ですぞ。なんと言ってもビートが秀逸で複雑に絡み合う様な細かいリズムながらも体を揺らすグルーヴも生み出していて、聴いているだけで自然と体がゆっさゆっさとしてしまいます。よくぞまあこんなにも多彩なリズムトラックを作ったなと感心する程で、アーティストとしての芸の深さを感じさせますね。そして前半はラップ中心のヒップホップながらも、後半に進むにつれてメロウでジャジーな曲調に変化するのも聴き所です。前半がファンキーだとするならば後半はエモーショナル。西ロン系ブロークンビーツやソウル風の歌物トラックで、優雅かつ上品な展開が繰り広げられてしっとりモード。オルガンやエレピがヒップホップに爽やかな彩りを添えて、軽やかな空気を演出しております。特に文句の付け所も無い見事なヒップホップアルバムだと思いました。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 19:45 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ken Ishii - Daybreak Reprise -Sunriser Remixed- (70Drums:IDCK-1003/1004)
Ken Ishii-Daybreak Reprise -Sunriser Remixed-
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テクノゴッド・ケンイシイが2006年に放ったテクノアルバム"Sunriser"(過去レビュー)から2年、そして再度日はまた昇る。ケンイシイと交流のあるアーティストらによってケンイシイの楽曲が、新たなる輝きを伴って生まれ変わった。参加アーティストはデトロイトからLos Hermanos、そしてデトロイトテクノを敬愛するFabrice Lig、Orlando Voorn、近年テクノ化しているハウスアーティスト・Jerome Sydenham、ディスコテックを追求するSpirit Catcher、そして日本からは7th Gateと秘めたる新人Publicmindともう文句の付けようの無い素晴らしき人選。これはケンイシイが年に半分は海外で過ごすと言うグローバルな活動から生じる交流のおかげであり、多くのアーティストがケンイシイの音楽性に信頼を寄せている証である。これだけの面子が揃ったわけで、もはや音に関しては説明不要であろう。Los Hermanosは期待通りの疾走感に満ちたコズミックなリミックスを披露し、7th Gateはオリジナル以上に壮大な展開を見せる感動的なリミックスを創り上げ、Spirit Catcherは完全に自身の色に染め上げた煌くディスコテックを聴かせてくれた。皆がテクノをまだ信じている、そんな印象を受ける純然たるテクノリミックスだ。DISC1はそんな各楽曲を使用しケンイシイがミックスをしていて、MIXCDとしても楽しめる。DISC2はアンミックスなので、DJが使用するのに適しているだろう。やはりケンイシイはテクノゴッドだったのだ。

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| TECHNO6 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
X-102 - Rediscovers The Rings Of Saturn (Tresor:Tresor234)
X-102-Rediscovers The Rings Of Saturn
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凄いね、X-102がスペインの"Sonar 2008"で奇跡の復活を果たしました。X-102とはUnderground ResistanceのオリジナルメンバーであったJeff Mills、Mike Banks、Robert Hoodが、URの別名義みたいな形で活動していたユニットです。今回はRobert Hood抜きで復活を果たしのですが、JeffとMikeが再度手を組むなんてやはり奇跡ですよね。で復活ライブに合わせて"Discovers The Rings Of Saturn"に新曲(未発表曲)も追加した本作が登場です。1992年のリリース当時はハードコアテクノなんて呼ばれてたそうですが、まあそれ以降更にハードな音楽が出た今となっては、本作を聴いても特にハードでは感じなくなってしまったのには時代の流れを感じますね。むしろこりゃレイヴだわ、レイヴ!過激どころかもう少しで下品にさえ聴こえてしまう毒気のある音で、まだまだJeffのミニマル性もMikeのコズミック性も未完成な時代だったんですよ。でもだからこそ逆に限界を突破する為の果敢なエネルギーに溢れていて、精神性においては正にハードコアを感じる内容なんです。"Ground Zero (The Planet)"の過激なまでの暴力性は、宇宙に飛び立つ為のエネルギーの表れに違いない。

ちなみにトラックリストが間違っていて、15曲目の"The Grandfather Paradox (Dr. Mallet's Theory)"と16曲目の"Ground Zero (The Planet)"が反対に表記されてます。

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(3) | |
Marcel Dettmann - Berghain 02 (Ostgut Tontrager:ostgutCD05)
Marcel Dettmann-Berghain 02
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ドイツこそがテクノ帝国である事は現状の繁栄を考えれば察しがつくと思いますが、近年良質なテクノをリリースしている新興レーベルのOstgut Tontragerもドイツ発信であります。Ostgut Tontragerはベルリンのクラブ・Berghainが運営しているレーベルであるらしく、そこのレジデントを務めているのがこのMIXCDを手掛けたMarcel Dettmannです。ドイツと言えば自分にとってはとにかく、ミニマル色濃厚なテクノと言うイメージが一番強く、いわゆるテクノらしいテクノを感じられます。そしてDettmannのプレイもやはりミニマル、そしてテクノをふんだんに使った内容で、最近のミニマルとは微妙に異なる昔のミニマルが感じられとても硬派な音でした。Radio Slave、T++(Monolake)、Deetron等の冷ややかなミニマル中心で淡々とストイックに、そして興奮と冷静の間を突き抜けていく様な中庸な展開を終始貫き、そのバランスの良さは絶妙の一言。そんな中、時折Kevin Saunderson、Shed、Strand、Tadeoなどのデトロイト系を差し込み、ぐっと盛り上げる表情を付けていくのもまた素晴らしいです。どこまでも無機質に、そして金属の様に硬く続く音楽、これこそ自分の求めるテクノの一つだと思いました。最近のひ弱なミニマルテクノに嘆いている人は、本作の様なミニマルテクノを聴いては如何でしょう。

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| TECHNO6 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Robert Hood - Fabric 39 (Fabric:FABRIC77)
Robert Hood-Fabric 39
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元URのメンバーでありながら地味な人気で細長く活動しているRobert Hood。90年初期から殆ど変わらぬいわゆる旧体制のミニマルを貫き通す真の職人とも言えますが、今の時代に即しているかと言うと多分そんな事はないでしょう。そんな彼がFabricの人気MIXCDシリーズに引っ張られてきましたが、やはりここでも現在のミニマルとは一線を画すかつてミニマルと呼ばれていた音楽をメインに疾走感のあるテクノをばしばしと繋げております。変化球無しの直球勝負テクノで真っ向から硬質な音で攻め上げて、甘さ控えめどころか無糖位のストイックな展開。まあ途中でテックハウスになったりディープ目に行ったりはするものの、殆どぶれずにクールなテクノを聴かせてくれて個人的には一安心でしょうか。Jeff Mills、Pacou、John Thomas、そして自身の曲などミニマル好きな人の為のファンキーな曲が揃っているので、昔のミニマルが好きな人は聴いて損はないはず。ただやっぱり最近のテクノのシーンからは外れているし、今ミニマルと呼ばれている音楽とは全然違うから肌が合わない人には淡白に感じられるかもしれないですね。個人的には本作の様なミニマルが復権してくれると嬉しいのですが、それはまだまだ遠い先の話でしょうか。

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| TECHNO6 | 23:20 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Newworldaquarium - The Dead Bears (NWAQ:NWAQ02CD)
Newworldaquarium-The Dead Bears
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デトロイトテクノ好きな方が注目しているであろうオランダのレーベル・Delsin、そこを中心に活動しているNewworldaquariumはご存知でしょうか?154、Newworldromantic、 Ross 154などの名義でも活動しているJochem Peteriと言うオランダ人であります。注目を集めたのはNewworldaquarium名義でDelsinからリリースした"Trespassers"が、Carl Craigに気に入られてPlanet Eにライセンスされた時だったと思います。まあこのEPは本当に素晴らしく、コンプをかけざらついた音の触感が特徴の暗黒系ディープハウスなのですが、MoodymannやTheo Parrishを引き合いに出せば良いのかなと思う位。Carl Craigが入れ込む位だから当然悪い訳が無いんですけどね。そして遂にそこから8年、やっとこさNewworldaquarium名義での初のアルバムが届けられました。待ちに待ったアルバムは期待を裏切らない漆黒のビートダウン系ハウスなのですが、デトロイトの方達がソウル色が強いのに対しNewworldaquariumは神秘的と言うか謎めいた音を聴かせてくれます。もちろん音はざらざらで音圧も高くぶっとい漆黒のビートを打っているし、黒さも十二分にあります。ただMoodymannやTheo Parrishに比べればコズミックなシンセが多用されている事も考えると、テクノ的な耳で聴く事も出来るしデトロイトテクノ好きな人も絶対好きになると思います。はぁ〜このねちっこいドロドロ感とローファイな音質が最高にたまらんとです。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Luke Slater - Fear And Loathing (React:REACTCD210)
Luke Slater-Fear And Loathing
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2月18日のエントリでLuke Slaterの話が出てきたので、久しぶりに彼の魅力が味わえる全盛期の頃のMIXCDを聴いてみました。とにかくLuke Slater、もしくは別名義のPlanetary Assault Systemsと言えばゴリゴリぶっ太くワイルドな音を聴けるハードな野郎と言うイメージがありまして、昔はまじで好きでした(ハード路線を逸脱した近年は好きじゃない)。オリジナル作品がそうでありますからDJプレイも例にも洩れずかなりハードで、男気なり根性なりを感じられるDJでした。2001年リリースである2枚組の本MIXCDもやはりハードな展開が貫かれ、気合いを注入したい時にはぴったりな内容であります。

まずは一枚目、Jeff Mills、Ben Sims、Player、Regis、James Ruskinなど今となってはなんだか懐かしささえ感じる一昔前のハードなお方達のトラックがずらり。スピード感、重量と共に一級品でとにかく一直線にガツンガツンなプレイが聴けるのですが、不思議と粗雑さは感じないですね。確かに音は荒々しいのですが、乱暴にミックスするのではなく丁寧にミックスしている様でワイルドな中にもまとまりがあります。トライバル、ミニマル、ハードテクノなどが渾然一体となり肉体をしばきあげる好内容ですね。

対して二枚目ですが、こちらはスピード感よりも重厚さ、そして深みを感じさせる意外な内容です。ハードテクノもミニマルも確かに使われているのですが、勢い一直線ではなくドスンドスンと揺れが生じる重みがあり横揺れ系のグルーヴィーな展開ですね。ぶりぶりベースなエレクトロも出てきたり、渋みの効いたファンキーな音も聴けて全く予想していなかった意外な内容ながらも、じっくり聴き込めるミックスです。一枚目の激ハードな音の後に、二枚目のちょい緩めの音が来ると良い感じでアフターケアになりますね。

しかし久しぶりにこの様なハードなテクノを聴くと、やっぱりハードテクノって痛快で格好良いと思います。なんで最近は全く人気が無いんでしょうね?

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| TECHNO5 | 07:30 | comments(7) | trackbacks(1) | |
Jungle Brothers - Done By The Forces Of Nature (Warner Bros. Records:9 26072-2)
Jungle Brothers-Done By The Forces Of Nature
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去年宇宙をテーマにした音楽を紹介する"宇宙からの歌、宇宙への音"(過去レビュー)と言うディスクガイドを購入したのですが、その中から面白そうな音源を大量に購入してみました。なんで今日から一週間弱はそれら宇宙を感じるディスクのレビューを行う予定です。

まず一発目は自分の得意分野ではないヒップホップからJungle Brothers。とても有名なグループらしく、Kraftwerkをサンプリングした"Planet Rock"で有名なAfrika Bambaataa(訂正:ではなくて、その弟・Afrika Baby Bambaataa=Nathaniel Hallでした)も所属するグループです。ヒップホップが苦手な理由は独特な歌い方のラップが肌に合わないからなんですよね。とちょっと身を構えつつも本作を聴いてみると、やっぱりラップは一杯入ってるよ。でもそのラップ以上にビートがめちゃめちゃ格好良いぞ!思わず首を振り振りしたくなる肉体を刺激するリズム。ヒップホップって言うかこれはむしろファンクって呼びたくなるヴァイブスを感じるぜ。宇宙的かと言うと自分にはしっくり来なかったけど、この野性味溢れる黒光りするビートは渋くて惚れる。日本で流行る妙にハッピーでウキウキなヒップホップとは一味も二味も違うじゃん。で実はビートプログラミングの大半はTowa Teiがやったんだって、知らなかったよ。色々調べた所、Roy Ayers、Earth, Wind & Fire、Parliament、Pharoah Sanders、Afrika Bambaataaなど色んなアーティストの曲をサンプリングしてるとか。曲を聴いてどこに何が使用されているのか全然分からないけれど、そんな事は抜きにしてファンクを感じられるアルバムですね。

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| ETC2 | 22:50 | comments(5) | trackbacks(0) | |
2007 Best Seller
今年も遂に終わりがやってきました。と言う事で年間ベストなんですが、その前に今年も年間売上ベストを行おうと思います。皆様今年もこの「Tokyo Experiment」経由@アマゾンで、多くの商品を購入して頂いてありがとうございました。とここまでは、去年と全く同じ文章を使わせて頂きました、手抜きですいません。さて今年はテクノシーンではミニマル、エレクトロハウス、ロックテイストなのが流行っていた気がしますが、我がサイトでは一体どんな音楽が人気があったのでしょうか?続きに売上高が多かった物を掲載しております。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dave Clarke - Remixes & Rarities 1992-2005 (Music Man Records:MMCD026)
Dave Clarke-Remixes & Rarities 1992-2005
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Dave Clarkeと言えば兎にも角にもフィルター流行の起爆剤となった"RED"シリーズが有名なんですが、近年はFatboy Slimのレーベル・Skintから作品をリリースしていて平凡なブレイクビーツをやったりしてなんだかなーと言う状態です。しかしそんな彼に愛想を尽かしている人には、彼が今までに手掛けたリミックス集を聴いてみて欲しいと思います。タイトル通り新旧のリミックスが収録されておりますが、やはりどちらかと言うと昔の作品の方が素晴らしい出来が多いでしょうか。DJ Rush、Green Velvet、Leftfield、New Order、Robert Armaniなどのリミックス仕事は冴えまくっていて、狂気のシカゴハウスを通過したラフでハードな4つ打ちテクノを披露しています。やっぱりDave Clarkeはフィルターハウス/テクノをやらせると超一流で、個人的にはこの路線でオリジナル楽曲を創って欲しいんだけどねー。だって比較的近年のリミックスになると特に目立たないブレイクビーツ作品ばかりで、かつてのDave Clarkeの才能が陰ってる気がするんですよね。Skintと言うレーベル性には合ってるけれど、一体この路線変更した訳は何なのか気になるな。

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| TECHNO5 | 17:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Laurent Garnier - X-Mix 2 - Destination Planet Dream (Studio !K7:!K7027CD)
Laurent Garnier-X-Mix 2 - Destination Planet Dream
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泣ける、社会人になるとほんとに自由がきかねえ。疲れたり仕事やらでクラブにも満足に行けねえ。これが大人になるって事なのね?じゃあ大人になんかならない!嘘です、生活する為に仕事はしなくてはなりません。だからってLaurent Garnierのパーティーに行けないのは、かなり悶々します。GarnierはフランスのDJ、そして早くからデトロイトテクノに注目し、デトロイトとのコネクションを作っていた伊達男。あ、でもプレイはテクノもハウスもロックもドラムンも、取り敢えず何でもありよ(トランスは流石に回さない?)。永らくパリのRexクラブでレジデントパーティを催していますが、平日の夜開催だと言うのに長蛇の列が出来る位、Garnierは人気があるのです。まあフランステクノシーンは彼が作ったと言っても過言では無い位だし、そりゃ注目に値する男な訳です。

で、彼のパーティーに行けないので久しぶりに彼のMIXCDでも聴いてみる。ん〜最高!デトロイトとシカゴとアシッドを紡ぐ壮大なジャーニー。ってテクノ好きは当然みんな持ってるよね、このCD。彼の趣味がモロに反映されたデトロイト色濃厚な内容だけど、時にメロウに時にハードに自然な流れで色々な表情を見せて、彼がテクノの生き字引である事を思い出させられます。有名な曲ばかり使っているのにただのヒットパレードにならないのは、このMIXCDの中に彼のストーリー性が出ているからでしょう。その代わりと彼が本気で取り組んだ作品の為、一切頭出しは無し。入門者には少々敷居は高いけれど、このMIXCDを敢えて途中から聴くのは無粋だね。最初から最後まで一瞬たりとも聴き逃しの出来ない感動的な内容なので、彼の旅にずっと付き合ってあげましょうよ。

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| TECHNO5 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Quentin Harris - Coast 2 Coast (NRK Sound Division:NRKCD027)
Quentin Harris-Coast 2 Coast
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アメリカのハウスシーンの裏方的大御所・Timmy Regisfordが、今最も信頼を寄せているであろうQuentin Harris。実はQuentinはデトロイト出身だそうで、デトロイトテクノやファンクからの影響もあると自身で公言しています。でも勿論メインはNY系の王道ハウスでありまして、最近はリミックスワークでも引っ張りだこの状態で人気も上々みたいですね。アーティストとしての実力は既に周知の通りですが、DJとしての素質を計れるのがこのMIXCDであります。NRKからのシリーズ物なので聴く前から最低ライン以上にあるのは分かるかと思いますが、ハウスオンリーなプレイではなくデトロイトエレクトロやファンクっぽい曲もぶっ込んだ意外性のあるプレイで、NY系ハウサーの認識を覆される好内容盤でした。また基本的にアッパーには行かずにゆったり目の展開が多く、ソウルフルでメロディーを大事にしたぐっと聴かせる選局で、ハウスの良さはやっぱり一曲単位で聴ける物が多いなと感じました。派手ではないけれど渋い黒さと控えめな甘さを含んだムードは、どちらかと言うと大人向けのハウスではないでしょうか。しかし"Coast 2 Coast"シリーズは、凄い勢いでリリースされているなー。お腹一杯になってしまうよ。

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| HOUSE3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ S2 aka UR-057 - The Slider's Joint Mix (Submerge Recordings:SUBUG-001CD)
DJ S2 aka UR-057-The Sliders Joint Mix
昨日は本年度のMetamorphoseで限定販売されたCDの紹介でしたが、今日は2005年のMetamorphose(とUnderground Galleryなど)で限定500枚で発売されたMIXCDです。DJを担当したのは現在のLos HermanosのメンバーでありGalaxy 2 Galaxyではターンテーブルを担当するSantiago SalazarことDJ S2(スクエアと読む)。DJとしての腕はもちろんの事、IcanユニットではPlane-Eや自身のレーベルからヒット曲を生み出し、アーティストとしては新世代の中では僕個人では一番期待している人です。僕が彼に期待しているのは今までのURには無い音楽性であり、テクノと言うよりはハウス、それもラテンの血が騒ぐハウスに取り組んでいる事で、彼らのルーツであるヒスパニックを意識した音楽はURに新たな風を取り込んでいます。またメロディーセンスに関しても抜群の才能を持っていて、URの中では"Mad" Mike Banksに次ぐ作曲能力があるのではないかと期待をかけています。それではDJingはどうかと言うとこちらも僕好みでありまして、ソウルフルな熱いハウスやラテンノリなハウスを中心にテクノも混ぜて、ここぞとばかりにクラシックを投入するプレイは革新性は全くないけれど普遍的に素晴らしい内容だと思います。URのダークサイドよりもG2Gのポジティブな面を前面に出した内容とも感じられて、コテコテなデトロイトミックスではありますがやっぱり外せないなーと言う印象。9/16にClub Wedgeでプレイするので、少しでも気になる人は来た方が良いです。まだまだ知名度が低いのは、ちょっと理解しかねるが。デトロイトテクノが日本で人気があると言ってもそれはあくまで表向きの事であって、アンダーグラウンドな物までは聴かれてないのが現状なんですね。

限定販売で聴けない人も多いかと思うので、一定期間だけ↓にうぷしておきます。
うぷ終了済み

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| HOUSE3 | 18:15 | comments(9) | trackbacks(0) | |
宇宙からの歌、宇宙への音 (Rittor Music)
宇宙からの歌、宇宙への音
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宇宙、それは果てしなく広大で人知の及ばない未知の世界。老若男女問わず誰しもがその大きな存在に畏敬の念を感じ、そして人間は宇宙の前ではちっぽけな存在に過ぎないと思わせられてしまう。しかし昔から人間は宇宙に魅了され続け、ある者は星を観察しある者は壮大な物語を描き、そして音楽で宇宙を体現する者も。そんな宇宙を感じる音楽を集めたのが本書であり、ロックやヒップホップ、ファンクからジャズ、ワールドミュージック、そして一番宇宙がぴったりなテクノまで、ジャンルを越えて宇宙音楽を集めてしまった。しかし宇宙音楽とは一体?近未来的な電子音が鳴っていれば、それで宇宙?ただ想像力を喚起する瞑想的な物が宇宙?いや、そんなはずじゃないはず。無限の広がりをイメージした宇宙だってあれば、自分の心の中に存在するインナーシティーだって宇宙かもしれない。テクノのThe OrbやIan O'Brienと並んでプログレのPink FloydやHawkwindもいれば、VangelisやBrian Enoもいるし、ジャズのPharoah SandersやHerbie Hancookもいる。煮えたぎるファンクバンドのFunkadelicや"Planet Rock"で有名なAfrika Bambaataaも入ってるし、インドやアジアの民族・宗教音楽など馴染みのないものまで、とにかく宇宙、コズミック、スペーシーを喚起させる音楽ばかり。自分はテクノ、ジャーマンプログレには関しては頷く作品ばかりだったが、それ以外のジャンルに関しては知らない作品ばかりだったので、余裕が出来たら購入してみようと思った。ありそうで無かったコンセプトの本なので、誰でも楽しめるはず。

8/23追記
この本に載っているCDでいくつかは既に本ブログでレビューを掲載していましたので、リンクを張っておきます。
Steve Hillage - Rainbow Dome Musick
Harmonia - De Luxe
Cluster & Eno
Manuel Gottsching & Michael Hoenig - Early Water
Ian O'Brien - Gigantic Days
Global Communication - 76:14
Pub - Summer
| ETC2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Marco Bailey - Live In Ageha Tokyo (MB Elektronics:MBELEK035)
Marco Bailey-Live In Ageha Tokyo
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人は何故過ちを繰り返すのだろうか。もう買うまいと決めていたMarco BaileyのMIXCDを、またもや惰性で買ってしまいました。ベルギーのルードボーイことMarco Baileyは90年代から活躍するハードテクノ野郎なんですが、ここ数年はシーンのクリック化に合わせて彼もクリックやらエレクトロ色を増やしていき、今では過去のハードっぷりが殆ど見られなくなっています。中にはAdam Beyerみたいに上手くクリック方面に転向して活躍している人もいるけれど、大半はそこまで過去の経験とその転向が結び付いてないケースが多いのが実状だと思います。では2007年2月10日のageHaでのDJプレイを収録した本作はどうかと言うと、やっぱり低音シンセがブリブリばかりのエレクトロハウスばかりで激ハードな展開がないじゃないか〜。ミニマルでは無く展開は多いし享楽的で下品じみたシンセがモロ入っていて、やっぱり自分がマルコベに期待しているのとは程遠いな。メロディーが比較的多く導入されているからハードミニマルより一般的には聴き易いんだろうけど、以前のハードっぷりを知っているだけにその落差にはついて行けません。やっぱりズンドコハードなリズムにファンキーなパーカッションを被せたトラックを矢継ぎ早に繋いで、直球勝負で甘さ無しのハードテクノを聴きたいですよ。誰も彼もが同じ向きを向いている最近のシーンは正直痛々しく、最近ではエレクトロハウスだかクリックだか訳の分からん流行はさっさと終われと思っている次第であります。

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
The Chemical Brothers - Exit Planet Dust (Freestyle Dust:XDUSTCD1)
The Chemical Brothers-Exit Planet Dust
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昨日は化学兄弟のベスト盤を紹介したので、今日はついでに彼らの傑作1stでも紹介したいと思います。彼らがデビューした頃から聴いていた僕としては、ベスト盤と本作だけ持っていればはっきり言って充分。なんでか分からないけれど日本ではデビュー後は質は落ちていくのに何故か人気だけは増していく不思議な現象がありまして、ケミカルもその一人(他だとUnderworldとかProdigyとかね)。ただこの1stだけは真面目に相当インパクトがあったし、僕もよく聴き込んでいましたよ。ロックミーツテクノなんて言われる彼らのサウンドはビッグビーツ(死語)なんて呼ばれたりもしてたけど、今冷静に判断するとテクノ+ブレイクビーツ(ヒップホップ)の方が適しているかなと思います。とにかくめっちゃファンキーだよね、重くうねるベースラインとか細かいリズムトラックとかがさ。根本には黒人から受け継いだヒップホップなどがあるんだろうけど、それをヨーロッパ的に再構築してホットで黒いのは抑え目に、爽快感と先進的なファンクを前面に出していると思います。ファンキーだけど汗はかかねえよ!ってな感じです。しかし全編ブレイクビーツの嵐で今聴いても充分過激的、攻撃的なサウンドにめためたに殴りつけられそう。この頃はまだポップなメロディーも殆ど無くリズム中心のトラックが多いので、コアなテクノ好き程好きな人が多いと思いますよ。2ND以降はどんどん大衆的になっていくので、1stまでがいかにもテクノっぽい作品と言えます。でも1stの中にもアンビエント風な"Chico's Groove"とか、メランコリックな"Alive Alone"なんかもあったりして、アルバムに華がありますね。とにかく大名盤なんで、テクノ好きもそうじゃない人も買って間違い無し!

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| TECHNO5 | 23:00 | comments(8) | trackbacks(1) | |
The Plan - Plan B (Submerge:SUBWAX-002)
The Plan-Plan B
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昨日に引き続きデトロイトテクノのEPを紹介したいと思いますが、今日はデトロイト在住のCliff ThomasとJon MacNishから成るニューカマー・Tha Planについてです。2年位前にRichie HawtinがMIXCDの中で彼らのトラックを使用した事で注目を浴びたのですが、それから2年経ちようやく2枚目のEPがリリースされています。前作からかなり時間は経ってしまいましたが、そのせいもあってかかなり充実した内容になっておりますよ。4つ打ちの"Red Shift"は直球勝負でパワフルに上げつつも、流麗なシンセストリングス使いで感動的なまでに魂を揺さぶる入魂の一曲です。"Change Of Mood"は逆にエレクトロファンクを強襲した渋い出来で、デトロイトの根元を忘れてもいません。ブレイクビーツ気味の"Beautiful Intent"は、泣き落としのメロディーで攻めデトロイトへの郷愁を思わせる感じがこれまた良いですね。計4曲収録ですが総じて水準が高く捨て曲も無し、今後にも充分期待を寄せられる素晴らしい内容だと思います。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - Paris Live (Planet E:PE65277-1)
Carl Craig-Paris Live
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デトロイトテクノの天才・Carl Craigの新作は、ライブ盤を収録したEPでございます。近年発表のEP"Just Another Day"から"Twilight"と、伝説のテクノコンピレーション"Virtualsex"に収録の傑作"At Les"の二曲で、何と驚くべき事にMad Mikeがキーボードでサポート参加しています。しかし突然ライブEP発表するからびっくりしたけど、Mad Mikeが参加している事にはもっとびっくりです。どうせならこのままCarl Craig、Mad Mikeらの面子が集まって何かプロジェクトでも組んでくれると尚嬉しいのですが。しかし"At Les"のライブ盤は格好いいねー、サックスフォンが暴れまくっていてオリジナル以上にカオティックだ。日本でもライブしてくれたら良いのな…。以前YELLOWでライブした時は、Carl一人でプログラミング組んでのセットだったのでここまでフリーキーじゃなかったんですよね。ライブ盤出したから次は完全な新作をおねげーします。リミックスワークは控えて、久しぶりのオリジナルアルバムを頼みたいですね。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
G2 Geology A Subjective Study Of Planet E Volume Two (Planet E:PE65257CD)
G2 Geology A Subjective Study Of Planet E Volume Two
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最近はプログレッシブな作風も結構多い様な気がするCarl Craigですが、彼が運営するPlanet Eは黒人音楽のソウルを失わずに伝統を継承しそして未来を切り開いてきた素晴らしいレーベルです。質の良い作品が多いので色々な人に聴いて頂きたいとは思いますが、何せEP中心の世界なので相当なファンで無い限りなかなか耳にする機会は無いですよね。そんな気持ちを汲み取ったかどうかは分かりませんが、レーベルのコンピ的なMIXCDが以前に出ております。プレイを担当するのはDetroit Beatdown Brothersの一人・Mike Clarkで、彼もPlanet Eから作品をリリースした経歴があるデトロイトハウスの最古参です。選曲に関してはジャジーなハウスや真っ黒なハウス中心で、ざらついて艶めかしい音質が堪りませんな〜。懐古的と思われるかもしれませんがこれは過去の音楽にも敬意を示す音楽性であり、決して懐古的になるのでは無くそこから未来に進んで行く足取りが掴めます。貴重な"At Les ( Russ Gabriel Mix )"や"People Make The World Go Round ( Kenny Dion Jr. Mix )"が含まれている事だけでもかなり価値はありますが、どちらも漆黒の深さを感じるブラックネス精神が滲み出ていますね。小気味良いリズムが腰を揺らす"Can't Take It"もあれば、未来へのトリップ感漂うシンセが煌びやかな"Exstasol"や"Human Powerd Flight"もあり、ハウス中心とは言えどもPlanet Eらしいクロスオーバーな出来ですね。MIXCDの割には10曲だけの収録なので、楽曲の良さをたんまり堪能出来る様にもなっていますよ。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
The Recloose Live Band - Backwards And Sideways (Octave Lab:OTLCD1093)
The Recloose Live Band-Backwards And Sideways
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失業中だから渋谷のハローワークに行ったのは良いんだけど、ハローワークに居た時間よりも渋谷のディスクユニオンでレコード漁りをしている時間の方が長くなってしまった…これはまずい。久しぶりにユニオンに行ったらデトロイト系のレコードは日本一と言う程、新品・中古に拘わらず品揃えが凄く、一時期隆盛を誇っていたハードミニマルは隅に追いやられてる感じ。また最近の中古はレーベル毎に区分けされていたりして、随分と対応も良くなりレコード漁りし易くなっています。でもみんなデジタル音源買ってばかりいるから、数年後はレコードも買えなくなるのかしら。僕は今の所はPCで音楽を聴くと言う習慣が全くないので、当分はEPはレコード中心のままでしょうが。

そんな前置きと全く関係無いのですが、Planet Eから華々しくデビューしたMatthew ChicoineことReclooseの最新作は、The Recloose Live Bandのライブ盤です。デビュー当時はデトロイトテクノとジャズを混ぜ合わせたエレクトロニックファンクな作風で好きだったんだけど、ニュージーランドに移住してからの2NDアルバムは生音が強調されすぎかつトロピカル南国風な作品だったので、Reclooseへの期待は一気に消し飛んだ過去があります。なのに、何故、あぁ、またReclooseの新譜を買ってしまった?!惰性で買うのは良くない、ちゃんと試聴してから決めないと!まあ思ったよりも悪くは無かったんだけどさ、Carl Craigが一時期生音系に走った時と似ていて、デトロイトの人が生音をやると何故かそこまで良い作品って出来ないんですよね。やっぱり電子楽器を利用してデトロイトテクノが発達したんだから、あくまで中心は電子楽器の方が良いんじゃないかと思います。本作も生音ばかりでワウワウ、ペケペケなギターはファンキーだし、ドラムだって生で叩いているから臨場感たっぷりで、色々な楽器が合わさる事の一体感はあるからこれはこれでOKなのかなとも思います。ただ僕がReclooseに期待するのは1stアルバムの様なエレクトロニックな作風だから、別にライブバンドを聴きたい訳じゃないんですよね。なら買わなきゃ良いじゃんって事なんですが。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2007/03/30 Standard 7 @ Colors Studio
先週に引き続き今週もクラビング。今回は何とテクノゴッド・Ken Ishii主宰のStandardに、ゲストとしてDeetronを迎えたお得な一夜。この面子で入場料が2500円だったので素晴らしすぎです。そして場所は未経験の六本木にあるColors Studioと言う小箱。マニアックラブ閉店後は小箱に行く事もなくなった自分ですが、今回行って再認識したのは小箱はDJと距離が近くて一体感を感じられると言う事です。大箱だと確かに演出が派手なんだけど僕は派手さなんかはどうでもよくて、暗めの照明とアンダーグラウンドな雰囲気が存在すればそれで良いんですわ。今回は空いていたせいもあったかもしれないけれど、客層も落ち着いていて非常に過ごしやすい空間だったと思います。ただこの箱の難点としては男女各一つずつしかトイレが無い事。客が多い時は確実にトイレ行列が出来そうな予感でした。さてイベントのレポートをしたいのですが、今回はハプニングもありました。以下続きで…
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| EVENT REPORT1 | 10:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Coast2Coast (NRK Sound Division:NRKCD028)
Ron Trent-Coast2Coast
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シカゴディープハウスの天才・Ron Trentの新しいMIXCDは、NRKの"Coast2Coast"の第3弾として登場です。素晴らしい作品を量産しまくるアーティストである事はハウス好きの方は周知でしょうが、最近の傾向としてはフュージョン節に傾倒したハウスが多いかなと思います。ファンキーなシカゴハウス時代からアンビエントなディープハウスと来て、更にまた変化を遂げるとは懐の深いアーティストだなと常々感嘆します。僕は彼の作品はEPも収集する位彼の音楽にぞっこんなので評価もかなり甘めになってしまうのですが、そう言った事を考慮しても本作は外せないMIXCDとなっております。

まず幕開けにはピアノが前面にフューチャーされた"I'm In Love"。ソウルフルなボーカルと情緒のあるピアノの絡みが美しいですね。そして2曲目"The Shore"、3曲目"What Makes The World Go Round"は生音を強調したパーカッシブなハウスで、爽やかな風が舞い込んできます。そして4曲目でRon自身の傑作"Love To The World"が投入されます。開放的でコズミックなシンセサウンドが気持ち良く、これこそ現在のRon Trentのサウンドだと思います。6曲目"Sunshine (Ron Trent Mix)"では硬めのキックが聞こえるかつてのRon Trentらしいディープハウス。しかし8曲目"Flor Del Mar (Trinadian Deep Remix)"、9曲目"Starchild"ではまたもやフュージョンハウス全開で、広大な空に心が飛ばされてしまいそうです。そこからラストまではしっとりとムードのあるハウスで繋いで、落ち着いた旅の終焉を迎えます。渋さも甘さも深さも軽やかさも全てを兼ね備え、酸いも甘いも知り尽くした大人のプレイと言えるのでは。毎回質が高いので今更驚く事もないんですが、個人的には今後も安心して作品を買えるアーティストだと思います。ちなみに2枚目はMIXCDに収録されている曲が、ノンミックスで収録されています。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Fuse Presents Technasia (Music Man Records:MMCD022)
Fuse Presents Technasia
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先日WOMBでTECHNASIAのCharles Siegling(誰か正しい発音を教えてちょ!)とAmil Khanのプレイを聴いてきたのですが、Charlesは今回は思ったより普通にテクノが強調されていましたよね。しかしCharlesの真価と言えばやはりシカゴハウステイストを強調したプレイでありまして、それが見事に聴けるのが本作です。彼自身もシカゴハウスからの影響はかなり大きい事を公言していますが、実際に彼のプレイって相当に猛々しくラフで荒くて、とにかく技術より勢いって感じなんですよ。決してDJが下手とかそうゆうんじゃなくて、何はともあれ爆発力全開で一気に引っ張っていってしまうスタイルを確立しているんだと思います。そしてまた音が何よりもファンキーで、この黒いファンキーさと言うのはやはりシカゴハウス生まれの物なんですな。しかもシカゴハウス、エレクトロ、ハードミニマルなど悪ぶれた音ばかりで繋ぐかと思えば、時には綺麗なシンセ系のトラックやデトロイト系も混ぜたりしてしっかりツボを押さえた憎たらしい演出でございます。今ではそうは見られなくなった70分に40曲近くを詰め込んだ展開が早く、そして緩急自在に流れを支配する怒濤のMIXCDですね。これを聴いて思い出したのは、かつてのJeff Millsの傑作「Mix-Up Vol.2」(過去レビュー)。こちらもかなりシカゴハウス色濃厚で、黒いテクノと言っても差し支えなかったですね。あ、でも元々テクノは黒い所から始まったんですよね。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2007/03/23 TECHNASIA presents X PARTY @ WOMB
WIRE06では自分たちにアクシデントが起きた為、Joris Voornのライブが見れませんでした。そんな自分に幸運にも再度Jorisのライブを見る機会がもたらされた為、Technasiaが主宰するX PARTYに出かけて来ました。あ、でも今回も連れが遅刻したのでクラブに入ったのは一時過ぎ…殆どAmil Khanのプレイが終わりかけでした(泣)ところが今回の自分の中での山場は正にフロアに入った瞬間!なんとRed Planet"Journey To The Martian Polar Cap"→Jeff Mills"Detached"→Super-A-Loof"Night On The Promenade"とデトオタ悶絶のセットを披露していました。Amilはオープンからプレイしていたそうですが、一体どんなセットだったんだろうと非常に気になります。
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| EVENT REPORT1 | 09:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Deep & Sexy 4 Mixed By King Britt (Wave Music:WM50172-2)
Deep & Sexy 4 Mixed By King Britt
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Francois K主宰・Wave MusicのMIXCDシリーズ第4は、フィラデルフィアの温故知新・King Brittが担当。ハウスからテクノ、ヒップホップからブロークンビーツなど何でも器用にこなしてしまう名アーティストですが、今作ではWave Musicの紹介を兼ねている事もありハウスミックスを披露。さすがにシリーズも4作目となるといくらWave Musicでも少々ネタ切れなのか、いわゆる大ヒット作は収録されてないですね。トラックリストを見る限りだと息切れ感も感じずにはいられなかったのですが、実際に聴いた後ではやっぱり耳に残る良質なハウストラックが多いなーと思いました。終始通して緩い生音ざっくりなメロウなハウス中心で、中盤で少々フロアを意識した勢いのあるトラックを入れますが、やはり後半ではやはりまったりとメロウなハウスに戻ります。シリーズ物だから傾倒としては今までのシリーズと同様で、ディープかつセクシーな音色は保持しつつも今までの中で一番BGMに近いかな。大きな山場が無いと意味で正にBGMなんだけど、耳に自然と入ってくる音として考えばルームミュージックには適しているんですね。前作までのシリーズに比べると地味ではあるけれど、コンセプトを外す事はないのでやはりレベルが高いなと感じずにはいられません。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Skurge [UR064] - Radio UR... Vol.01 (Underground Resistance:UGCD-UR003)
DJ Skurge [UR064]-Radio UR... Vol.01
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まあなんですな、最近はやたらとUnderground Resistance関連の作品がリリースされますな。個人的には彼らの音源が絶え間なく聴けるのは嬉しくもあり、またアンダーグラウンドと言う言葉が既に意味をなしてない気もしたり微妙な気持ちですが、やっぱり何だかんだURは大好きであります。さてそのURの最新作は、コードナンバー64を持つMilton BoldwinことDJ SkurgeのMIXCD。現在はDrexciyaの意志を受け継ぐThe Aquanautsの一員でもありまして、既にダークで攻撃的なエレクトロを披露しURの次世代として活動しています。元々はロックバンドのギタリストとして活動していた彼ですが、URの"Final Frontier"に感銘を受けてテクノ/エレクトロに移行していったそうで、このMIXCDを聴く限りでも何となく元ロックアーティストであった事を感じられるアグレッシブさが聞こえてきます。URのラジオショウをイメージしたと思われるこのMIXCDには、当然UR関連の曲ばかりで構成されているのですが、選曲を見るとかなり渋いですな。いわゆるURに皆が期待しているポジティブで高揚感のある曲は少なく、むしろ凶暴で鋭利に研ぎ澄まされたエレクトロが大半です。後半ではかつてはハードコアテクノなんて呼ばれた"Message To The Majors"なんかも聞けて、URのダークサイドが満開となっています。ハードコアテクノ、エレクトロ、アシッドとどこを切っても妥協や甘えが全くなく、「A Hi Tech Jazz Compilation」(過去レビュー)とかしか知らないURファンがこれを聴いたらびっくりするでしょうな。僕自身もURのエレクトロ作品を熱心に聴く事は少ないんだけど、DJ Skurgeがエネルギッシュなテンションを保ってミックスしてくれたおかげで最後までエレクトロミックスを楽しむ事が出来ました。冒頭で既にURはアンダーグラウンドではないと書きましたが、やはりこの音を聴くと確実に彼らのスピリッツはアンダーグラウンドなままなんだと実感出来ます。血管ぶち切れ、体液沸点越え確実の凶悪なMIXCDだぜ!

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| TECHNO4 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Luke Slater - Fabric 32 (Fabric:FABRIC63)
Luke Slater-Fabric 32
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今日はUKのハードテクノ野郎ことLuke Slaterが担当したFabricのMIXCDを紹介します。どうでもいいんですけど、Luke Slaterとシリル・アビディって似てませんか?前々から思っていたんですけど、そう思っているのは僕だけでしょうか。そんな話はおいといて久しぶりのLukeのMIXCDですが、選曲を見ただけで以前とは随分変わっちゃったなと言うのが分かります。はっきし言ってハードミニマルは全く皆無で、あれ〜Lukeも音楽性を変えちゃったの〜?と正直げんなりです。たく、どいつもこいつもクリックだエレクトロハウスだとかそんなんばっかで、少しは一本気質で自分って物を貫けないものなのかね。ミニマルなテイストは意外と残っているんだけど、音自体はディスコダブ〜ニューウェーブ調でブリブリなシンセが耳に残ります。ブリブリ、ブーピー、デケデケ、そんなアナログ風な懐かしいディスコサウンドばかりで、なんでLukeがこんな事をしてるんだろうと気が滅入ってきます。いや、こうゆうディスコダブとか最近流行の音が好きな人にとっては面白い内容だと思うし、内容自体も悪いとは思いませんよ。ただね、こんなMIXCDをLuke Slaterが出す必要があるのかと、つまりはそこなんですな。一応終盤ではディープなミニマルに突入していき、ドラッギーな覚醒感も増してゆくのでそこら辺は好感度良し。またハードなMIXCDが出るのを期待して待っておりますよ。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
BEST OF 2006
来たるべき大晦日が遂にやってきました。今年はPRIDEの不祥事で格闘はK-1しかTV放映されません。非常に残念です。さて、今年の年越しは万座温泉で過ごすので、31日から3日までは外出しています。なのでこの更新も前もってまとめておいたのが、自動でアップされるようになっています。今日は年間ベストを選ぶと言う事で、時間をかけて今年リリースされた物で印象に残ったのを探していたのですが、あちらを立てればこちらが立たず状態でどれを切るか本当に迷いました。年間ベストとは謳っておりますが、実際の所数日後に選び直したらまた内容は変わるだろうし、今の時点の気持ちで選んで物と考えた頂いた方が宜しいかと。でもどれも最高に素晴らしい音楽ばかりなんで、是非参考にしてみてくださいね。

それでは続きをどうぞ。
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| BEST | 12:00 | comments(12) | trackbacks(4) | |
DJ DEX a.k.a. Nomadico - Invisible Show Case Vol. 01 Part One & Two (Submerge:SUGCD-002-1~2)
DJ DEX a.k.a. Nomadico-Invisible Show Case Vol. 01 Part One
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DJ DEX a.k.a. Nomadico-Invisible Show Case Vol. 01 Part Two
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昨日で今年のCDレビューは最後と言いましたが、すいません、嘘こきました。とても大事なMIXCDを紹介し忘れていたので、今日もレビューします。そもそも何故このMIXCDを今まで紹介していなかったと言うと、アマゾンでは販売されていないから。Part OneはタワーレコードやHMVなど大型レコード店で、Part TwoはCisco、Disk Union、Underground Galleryなどのレコード専門店で販売されると言う変則的なリリースだったのですね。ただ内容に関しては今年一番聴き込んだ程に素晴らしく、今まで数多くリリースされたMIXCDの中でも最上級に位置する物だと僕は思っています。それを作ったのがコードナンバーUR061を冠するUnderground Resistanceの新参者・DJ DEXことDan Cabelleroで、TimelineやLos Hermanosのメンバーの一人でもあります。勿論URのコードナンバーを与えられる辺りでMad Mikeも才能を認めているのは周知ですが、DJ DEXのミックスはまじで眉唾物です。元々ヒップホップ上がりらしいのですが、そんな経歴を思わせる巧みでスムースかつパワフルなプレイで怒濤の流れを作っているんですわ。殆どがUR関連の曲で固められていますが、過去の名曲から新曲、Re-Editを含む未発表曲、そしてジャンルはテクノ、ハウス、エレクトロ、ラテンを何の違和感も無く混ぜています。URの歴代オフィシャルDJでもあるJeff Mills、James Pennington、DJ Rolandoも本当に才能ある人達だったのですが、DJ DEXもそれ以上に広がりと奥深さをを見せてきていますよね。今時にしては珍しいタンテのみを使った一発録りの為か、勢いや攻撃性が前面に出ている時もあるかと思えば、未来を夢見るデトロイトのロマンティックな音が沸いてきたり、URの歴史がここに結集している様に聞こえます。しかし幾ら僕がここで説明しても、きっと真価はなかなか伝わらないと思いますし、トラックリストだけ見たって良さは分からないでしょう。だから是非とも自分の耳で確かめて欲しい、DJ DEXのプレイを。これを聴けばデトロイトにも新しい息吹が吹こうとしているのを感じ取れるはずです。

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| TECHNO4 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Lil Louis - Mix The Vibe : 27 Years In The Mix 1974-2001 (King Street Sounds:KCD-223)
Lil Louis-Mix The Vibe : 27 Years In The Mix 1974-2001
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変態とは最高の誉め言葉である。そう、"変態"の称号を得るに相応しいハウスアーティスト・DJが一人だけいる。その人こそ、シカゴハウスのナルシスト・Lil Louisだ。「French Kiss」、「Club Lonely」、「Do U Luv Me」、「Give It Up」、「Misery」などハウスに無くてはならない名曲を残し、そして2004年にDJ業を引退してしまった伝説の人である。彼が作る曲は確かに美しく心を熱くする物ばかりなのだが、極度にソフィスティケイトされて彼自身の内面を余りにもさらけ出した作品であり、本当にナルシストなんだと感じさせるのでした。でも本当に良い曲ばかりだ。今でも彼の「Journey With The Lonely 」(過去レビュー)はしょっちゅう聴いているし。

さて、前日紹介した「Mix The Vibe」シリーズだが、実はLil Louisも手掛けていた。このMIXCDシリーズは、King Street Soundsとその傘下のNite Groovesの音源を使用する事が決まりになっているのだが、"変態"にだけはその除外が認められたようだ。なのでこのLil Louisが手掛けた盤だけは、King Street Soundsの歴史とは殆ど関係ない。内容はその当時のヒットしたハウスも混ぜつつダンクラ/ディスコも一緒くたにしているが、彼がプレイすると一般的なハウスにありがちなハッピーな高揚感は無くなる。気持ち良さはあるのだけど、徹底して鈍く黒光りするマッドな空気に支配されているのだ。彼がプレイすれば名曲「Jaguar」さえもドロドロの不穏な空気を纏い、奇妙な空間を創り出す。凄いと驚くどころか、ただただその音に体がやられてしまう。DJ業を続けてきた27年間に渡る彼の全てが、このMIXCDに納められていると言っても過言ではない。"変態"とは"天才"の事だったのだ。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Vince Watson - The eMotion Sequence (Delsin:60dsr/vws-cd1)
Vince Watson-The eMotion Sequence
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先日のPlanet EからのEP「Renaissance」(過去レビュー)でまたもや我々を驚愕させた、UKからのデトロイトフォロワー・Vince Watson。そんな彼の新しいアルバムが、デトロイトサウンドを追求するオランダ屈指のレーベル・Delsinからリリースです。Delsinと言えばAardvarckやFuture Beat Alliance、Newworldaquariumなどコズミックなテクノアーティストが集まっていて、そんなレーベルからVinceの新作が出るのであれば相性もぴったりなのは明白です。まず注目すべきなのは今までのアルバムの中でも、一番バリエーションに富んでいる事。今までは金太郎飴の様に4つ打ちテックハウスばかりだったのが、このアルバムでは疾走系のテクノ、ディープなハウス、そしてブロークンビーツ調の曲までも収録し、アルバムとしての構成力は一番かもしれないですね。またどの曲も今まで以上に透明感に溢れ、メロディーはエモーショナルな旋律を刻み、ビートの強い曲はフロアを揺らし、ソウルフルな曲は心に温もりを与えます。コズミックな音の粒子が宇宙から降るかの如く、儚い世界がここには広がっています。Vinceはリリースするペースが速いのに、作品の質も落とさずほとほと感心するばかりですね。

そういえば確かTransmatからVinceの作品が出る予定だったんだけど、結局それはいつまで経っても出る事が無かったんだよね。このアルバムがそのTransmatから出る作品だったと、VinceのHPに書いてあった気がするんだけどもうその原文は掲載されてないですね。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Daniel Bell - The Button-Down Mind Strikes Back! (Logistic Records:LOG028CD)
Daniel Bell-The Button-Down Mind Strikes Back!
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Richie Hawtinと並ぶデトロイトの重要ミニマリスト・DBXことDaniel Bellが、今週末UNITで来日DJを行います。デトロイトのミニマルと言えばJeff Millsがいますが、Jeffが徹底的にハードだったのに対しDBXはむしろファンクが強調されています。シカゴハウスを経由したミニマルテクノと言えば分かり易いかと思いますが、無駄を削ぎ落としたシンプルなトラックなのにビキビキっとしてて痺れまくりですね。体に作用するのではなく、神経に作用する危ない音として覚えておくと良いでしょう。

実は新宿リキッドルームに彼が来日した時聴きに行っていたのですが、その時は正直退屈でしたね。単純に地味過ぎたと言うか、かなり渋めのプレイだったんですね。でも改めてこのMIXCDで体験してみると、これは格好良いぞと言う事です。自身の曲同様にDJプレイもやはりシンプルでスカスカな選曲なんですが、これってかなりハウス調ですね。今で言うとクリックハウスとかマイクロハウスとか、そっち方面で語られる渋めの音。だからと言って完全にクリックハウスに流れているかと言うとそうでもなく、シカゴハウスのファンキーさとミニマルテクノの冷ややかさが溶け合っている様な。地味と言えば地味なんだけど、ベテランの絶妙な上げ下げでゆったりとした流れが気持ち良いです。刺激的に直感的に来るんじゃなくて、後からじわじわと、そして聴く度にドラッギーな汁が滲み出てくるプレイです。いかにもベテランらしい妙技が存分に味わえる一枚ですぞ。Karafuto名義のFumiya Tanakaのプレイに似てる気がする。

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| HOUSE2 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Lawrence Burden - 430 West Presents Detroit Calling (Concept Music:CEPTCD2)
Lawrence Burden-430 West Presents Detroit Calling
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デトロイトにRandom Noise Generation、またの名をOctave Oneと名乗るBurden5兄弟がいます。結構昔から地道に活動していてハウス・テクノ両方面で時折名作を生み出し、近年では世界的大ヒット曲「Blackwater」が記憶に懐かしいユニットであります。5兄弟の中で日本にDJをしに来ているのは、基本的に長男のLawrence Burdenがもっぱら。と言うか他の兄弟がDJをしに来たと言うのは、聞いた事ないですね。じゃあ実際Lawrenceのプレイはどーなんよと言うと、これ「430 West Presents Detroit Calling」を聴けば分かります。「デトロイトが呼んでいる」と言うタイトル通り、Octave One、Dark Comedy(Kenny Larkin)、Aril Brikha、E-Dancer(Kevin Saunderson)、Jeff Mills、Designer Music(Carl Craig)、DJ Rolandoなどデトロイト関連の曲ばかりが並んでいて見ただけでお腹一杯ですね。ただ実際に聴いてみると、ハウスとテクノが上手く混在してはいるのですが、何故だか余り印象に残らないのです。何だろうね、この不思議な感じは?ある程度緩急を付けているはずなのに、どこか一本調子で平べったい後味だけが残るのです。聞き込めばまた印象が変わるのかもしれませんが、う〜ん。個人的には5男・Lorne Burdenの「430 West presents Back To The Rhythm」(過去レビュー)の方が好みです。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - From The Vault : Planet E Classics Collection Vol.1 (Sound Scape:PEJPCD001)
Carl Craig-From The Vault Planet E Classics Collection Vol.1
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ああ、遂にこの人のベスト盤も登場かって感じの一枚。デトロイトテクノの過去と未来を繋ぎ、実験と進歩を続ける天才・Carl Craigの決定打です。最初に断りますが、これはベスト盤であってベスト盤ではありません。69、BFC、Psyche、Paperclip People、The Detroit Experiment、Innerzone Orchestra、Designer Music、Urban Cultureなど多くの名義で、そして多くのジャンルで活躍をする彼にとって、アルバム一枚でベスト盤なんて紹介するのは土台無理です。しかしやはり今の世の中CD中心で、EPを買わない人も多いとは思います。そんな人は迷わず買え!デトロイトテクノにおいて、Jeff MillsやUnderground Resistanceと同様に、デトロイト第2世代を代表するCarlさんの作品は、未来永劫テクノ史に語り継がれる曲ばかりなのだから。最新の「Angel(Japanese Mix)」はこのアルバムの為にリミックスをしてくれているし、未発表曲の「Hush Hush」も全盛時のフューチャーテクノを思わせる。ロマンティックで深淵な「As Time Goes By」や「At Les」はCarlさんがテクノに止まらないアーティストだと感じさせるし、「Jam The Box」は破壊力のあるストレートなテクノだ。今や有名な「Give It Up (Re-Edits)」のオリジナルは大ヒットトライバル「Good Girls」だし、フロアに雄叫びがこだまするサイケデリックハウス「Demented (Or Just Crazy)」も収録だ。ドラムンベースやジャズを取り込んだ「Bug In The Bass Bin」は、彼の懐の深さを感じさせる。あれれ、Paperclip PeopleやUrban Culture、BFCが入ってないじゃない?って事で「Vol.2」も出す予定なんでしょう。以前に出したリミックスワーク集はVol.1で途切れたままだけど、今度はしっかり続かせてくれよ。それもそうだし、ベスト盤出すよりTres Demented名義のアルバム出して欲しいな。去年辺りにリリースされるって話だったのだが…。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Danny Rampling - Break For Love (ITH Records:RAMP01CD)
Danny Rampling-Break For Love
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昨日に続きハウスMIXCDを紹介します。今日の担当はDanny Ramplingで3枚組の大作、聞くだけでしんどい…。Danny Rampling、ハイ、全然知りませんので調べた所、80年代後半にイビザに訪れた時にシカゴハウスに触れあい、そしてイビザの享楽的な空気をUKに持ち込んだハウスDJとの事。UKで「Shoom」と言うクラブイベントを立ち上げ、セカンドサマーオブラブを誘発させた重要人物らしいです。ところが去年を以てDJ業から身を引く事となり、最後の作品がこのMIXCDとの事。では一枚ずつ紹介していきましょうか。

DISC1は「Sounds Of Shoom」と言うタイトル通り、彼が「Shoom」で回していた曲中心だそうです。80年代のハウスクラシック、アシッドハウスを連発。昔からハウス聞いている人はきっと懐かしく感じるだろうし、最近のハウスを中心に聞いている人にはこのチープな音が逆に新鮮かも。DISC1からして哀愁が既に漂っているよ。

DISC2のタイトルは「Love Grooves」。こっちはかなりノリノリでソウルフル。最初から「Love Is The Message」→「Philly Groove」で横乗りグルーヴで踊らせてくれます。アッパーで派手だけれども、黒くて太いビートで一番楽しんで聞けると思います。ハウスの4つ打ちの快感がぎっしり詰まってますよ。最後は「The Whistle Song」で穏やかにクローズしていきます。

DISC3こそイビザの快楽を表現した「Balearic Soul」。いきなり名曲「Smokebelch」、シンセがキュインキュイン鳴ってて可愛らしい。でもその後は7〜80年代のディスコ物が中心で、自分のイメージしているイビザとはちょっと違ったかな。ここまで古臭いのはあんま好みではない。全体的にビートも弱めで、踊り疲れた後に聞く感じでしょうか。2005年作の「Snappiness (Devolution Mix) 」と言う曲が、涙々のバレアリックな感じでしたがこれ良いな。レコード出てないみたいだけど、欲しい…。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
2006/06/24 Fête de la Musique @ 東京日仏学院
土曜日は久しぶりに野外イベントに行ってきましたよー、雨との予報ながらも晴れたので気分もウキウキ。野外イベントと言ってもダンスミュージックオンリーのイベントではなく、東京日仏学院で行われた音楽祭なのです。ただフランス関係の学校と言う事もあり、トリを飾ったのはフランスのアーティストであるI:Cube。みんなもご存じChateau Flightの片割れですよー。しかもそれがただで見れちゃう挙げ句、この時にプレイする曲目はプラネタリウムの為に作った音楽なのです。
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| EVENT REPORT1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Deep Presents City To City Part 02 (BBE:BBECD068)
DJ Deep Presents City To City Part 02
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フランスのディープハウスシーンなら俺にまかせろーいと言わんばかりの勢いであるDJ Deepが送る、デトロイト、シカゴ、ニューヨークのハウスヒストリー。サブタイトルが「A Retrospective Journey Through Chicago, Detroit And New-York Underground House Sounds」の通り、アンダーグラウンドハウスの回顧展みたいなMIXCDとなっております。「City To City Part01」(過去レビュー)もなかなかのマニアックぶりでしたが、今作も前作にまけじと玄人っぷりを発揮しています。だいたいの曲は90年前後のハウスサウンドなのですが、正直大半の曲は僕も分かりません。昔懐かしのTR-808のリズムトラックを使用したチープなシカゴハウスが多く、ここら辺の作品には芸がないものの伝統工芸みたいな一貫性を感じますね。単純に古臭い音と言えばそれまでですが、時が経てば経つ程ソウルが滲み出てくると思います。デトロイトハウスではUrban Culture名義でCarl Craigの傑作「Wonders Of Wishing」が一曲目に使われています。セクシーな女性ボーカルサンプルがこだまするディープハウスですが、Carlさんはほんと何やらせても天才だなって思わせる一曲ですね。Lowkeyの「Rain Forest」って曲は2006年作らしく、何故かまだ未リリースなのが収録されています。太く硬くかつソウルフルなハウスで、ちょっと気になりました。最近はハウスも聴いたりする僕なのですが、やっぱり昔の曲は全然わからん。そんな所にこうゆう隠れた名作を紹介してくれるMIXCDが出ると、大変参考になりハウスへの興味も更に増し、昔の音源も聴いてみたくなります。そうゆう意味ではこうゆう回顧録にも、しっかりと意味があるのだと思いますね。

ちなみにCD2はCD1の曲をミックスせずに収録したのと、ボーナストラックを3曲追加。ここでやはり目玉はCarl Craigが手掛けたNaomi Danielleの「Feel The Fire」でしょう。かなりレアな曲でもあるのですが、内容がまた最高にヤバイんです。それは聴いてのお楽しみって事で。

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| HOUSE2 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2006/06/02 BETTER DAYS -2ND ANNIVERSARY SPECIAL!- @ Module
5月は結局一度もクラブに行かなかったので、今日は一ヶ月間が空いてのクラブ通いになりました。お目当ては「マッドマイク病」に冒されたIan O'Brienの久しぶりのライブ+DJセットです。ライブに関しては3年前に行われた新宿リキッドルーム以来のライブで、その時のライブが良かったので本日も期待を膨らませて遊びに行きました。
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| EVENT REPORT1 | 07:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
I:Cube - Live At The Planetarium (Versatile:VERCD016)
I:Cube-Live At The Planetarium
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昨年12月から日本科学未来館で公開されているプラネタリウムでは、Rei Harakamiが提供した音楽が流されているそうです。テクノとプラネタリウムの相性は良いのか、フランスでも2005年6月にプラネタリム鑑賞会においてテクノのライブ演奏が行われていました。フランスにおけるハウスシーンの重鎮Chateau Flightの片割れであるI:Cubeは、そのプラネタリウムの為に完全新曲となる55分のコズミックジャーニーを創り上げたのでした。Chateau Flightと言えばフレンチハウスの雄ながらもデトロイトテクノから強く影響を受け、フランスのモダンな優雅さとロマンチックなデトロイトの空気を見事に調和させたユニットでもあります。ただ今までは少々遊び心に溢れていたりユーモアを先行させる面もありましたが、このサウンドトラックではコズミックでデトロイトの未来への希望を匂わせる面を前面に出しています。今までのカッティングエッジに富んだ音楽から、一気に懐古的な音楽にまで後戻りしてしまった彼の思いがいかなるものかは想像出来ませんが、デトロイトテクノ好きな僕にはそれはもはやどうでも良い事です。この作品は元々全体の流れを通して聴く物である為曲毎にタイトルはつけられておらず、よりイマジネーションが働く作品となっております。耳を傾けている内に徐々に暗闇が広がっていき、無限の宇宙には星や惑星が浮かび上がり、長い長い永遠の旅に引きずり込まれていきます。心地は良いけれど快楽的なアンビエントではないし、チルアウトでもない。この感覚はどろどろと強烈な思考が渦巻く、70年代のジャーマンプログレッシブロックのコズミック感覚に近いものがあります。部屋を真っ暗にし想像力をかき立て、内なるインナーシティーにダイブして欲しいと思います。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Rolando - From There To Here & Now (NRK Sound Division:NRKCD025X)
DJ Rolando-From There To Here & Now
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Underground Resistanceの3代目DJとして、そしてGerald Mitchellと新たに立ち上げたユニット・Los Hermanosのメンバーとして活躍したDJ Rolando。しかしながらより広大で自由な活動を望むDJ Rolandoにとって、半ばコンセプト化されたURに居座り続けるには窮屈過ぎたのだろうか、人気を保ったままURを脱退。その後特にどんな活動をしているのかも耳に入らなくなって一年以上経ったのだが、遂に再始動なのか新たなるMIXCDをリリースする事になりました。しかも以前にも「Nite:Life 016」(過去レビュー)と言う名作MIXCDをリリースしたNRKから、今度は2枚組の大作でファン泣かせなリリースです。

Disc1はモロにハウス満開、軽く爽やかなアフロハウスから黒光りするディープハウス、キャッチーなアッパーハウス、温かみのあるソウルフルなハウスなど、どこをとっても4つ打ちハウスに囲まれています。以前生でDJ聴いた時は、ゴリゴリでミニマルなテクノ〜デトロイトテクノで鬼気迫る迫力のプレイだったけれど、このMIXCDでは幾分か肩の力が抜けてより自身のルーツに近いラテン的な面が出ている様な気がしますね。UR在籍時のハードで暗黒エレクトロをリリースしていた頃と同人物とは思えない程の変わり様ですが、このMIXCDの様なプレイをするのならばURとは一線を画すのも納得かな。デトロイト色が余りないから離れるファンも出てくるかもしれませんが、僕は素直に格好良いハウスだと思います。緩めの前半からキャッチーな中盤、疾走感溢れる後半(テクノ少々)まで手堅く盛り上げます。DJ Rolandoがまさか「Bar A Thym」をプレイするなんてって思ったけど、そんなプレイが彼のこれからの道を示唆しているんでしょう。

対してDisc2はダンサンブルながらもどちらかと言うと緩めの選曲で、夜にしみじみと聴くのに良いムードが出ています。Tread、David Alvarado、Vince Watsonらのテックハウス、Trackheadz、Indigenous Space People(Ron Trent)、Tokyo Black Star(DJ Alex From Tokyo)らのディープハウス、そしてデトロイト好きは見逃せない「Sueno Latino(Derrick May Illusion Mix)」を収録。ほぼフルレングスで収録してあるので、ミックスと言うよりはDJ Rolandoの自分用のリラクシングCDな意味合いが強そうです。たっぷり踊った後は体を休ませて、静かに時間を過ごそうって事なんでしょう。Disc1とは対照的に落ち着いて聴きたいですね。

さあ、後は新曲を待つのみ。DJ Rolandoの今後に期待が膨らむばかりです。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
I Love Techno The Classics (541:541416501453)
I Love Techno Classics
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ベルギーのテクノフェスティバル「I Love Techno」の10周年を記念したコンピレーションアルバムが出ています。テクノにおける傑作をこれでもかと言わんばかりに収録した怒濤の3枚組、もうお腹一杯一杯なボリュームです。収録曲を見て貰えば分かるけど、最新の曲ではなくて過去の名作を集めていてテクノを昔から聴いている人には懐メロ特集みたいな感じ。しかしこうゆうコンピレーションはただヒット曲を集めましたってだけの、コンセプトも何も無い記念の為のリリースで、長くテクノを聴いている人には余り食指は動かないかもしれないですね。だけどこういったテクノベストを出す意義もある訳で、それはやっぱりこれからテクノを聴いてみたいと言う人にはうってつけだと思います。いきなり小難しいテクノを聴くよりとにかく派手で受ける曲を聴いて、それから色々なテクノを模索するきっかけになれば良いんじゃないでしょうか。もしくはEPを買わない人なんかにも勧められると思います。とにかくヒット曲満載、本当に良い曲ばかりです。

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| TECHNO3 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Monobox - The Remixes (Logistic Records:LOG040CD)
Monobox-The Remixes
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本当に「男塾」があったら真っ先に入塾しそうな程ストイックな人、デトロイトミニマリストのMonoboxことRobert Hood。かつてはUnderground Resistanceのオリジナルメンバーで、その後はJeff MillsのAXISやドイツTresor、自身のM-Plantから作品をリリースしミニマルを極める事となる。基本的に色気とかメジャー意識は皆無で、頑固職人のように渋いミニマルを頑なに守っている。Jeffのファンキー路線よりは、無機質な電子音が淡々となるミニマルが多いかと思うが、そんな男気に惚れている人もいるのではなかろうか。そしてこの「The Remixes」とはオリジナルアルバム「Molecule」を、クリックハウスの新進気鋭のアーティストがリミックスしたものだ。参加アーティストは、Akufen、Ricardo Villalobos、Matthew Dear、Substanceなどの大物から、まだそれ程名前の売れてないアーティストまで。しかしこれは一般的には大層聴き辛いんではないかと思う程、独特のクリックトラックだ。グチュグチュとしたうねりが乾いたファンクネスを生み出し、シカゴハウス路線のスカスカなミニマルがドープな危うさを醸し出す。どこを聴いても分かり易いメロディーも無ければ、勢いのある曲もないので掴み所が無い。でも最近の田中フミヤならこうゆうトラックは迷わず回すだろうなと、そうゆうイメージがある。Akufenのリミックスは普段通りのカットアップ路線で分かり易く、僕はこうゆうのは考える暇も無くお気に入りとなった。Ricardo Villalobosのリミックスは、リミックスと言うより彼のオリジナルみたいなクネクネ具合に仕上がっている。他には明るく彩りを増して跳ね系のトラックに仕上げたSetyのリミックスが、予想外にはまったクリックハウスだった。万人に勧められるアルバムではないが、独特なクリックハウスを聴いてみたい方にはぴったりだ。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Adam Beyer - Stockholm Mix Sessions Vol.3 (Turbo:MARCD-019)
Adam Beyer-Stockholm Mix Sessions Vol.3
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アダムベイヤーと言えばスウェーディッシュハードテクノの第一人者と言えますが、最近のクリックハウス流行に乗っかっている事で尻軽としても認知されています。実はそれ以前にはデトロイト系に流れたりとかもして、Truesoulなるレーベルも作ったりしていました。そして同時期にはデトロイト系の曲を多用したこの「Stockholm Mix Sessions Vol.3」と言うMIXCDも出したりしていました。尻軽ながらもこのMIXCDは相当に出来が良くて、彼が手掛けたMIXCDの中で大のお気に入りです。ここではデトロイト系の曲をこまめに入れているせいか、美しくメランコリックな面や情緒的な面が強調されていてツボにはまる流れがそこかしこにあります。もちろんベイヤーのプレイなのだからリズムが貧弱と言う事もなく、適度な太さや気持ち良い上げ加減で最後までうっとりと聴かせてくれます。大ヒット曲「Merengue(Slam Remix)」の図太いリズムかつメランコリックな雰囲気、「Loop 2(Luke Slater Remix)」のファンキーで未来的なシンセライン、「12 Months Of Happiness」の突き抜ける爽快感、そしてベイヤー自身の「Truesoul」の壮大な広がりを感じさせる感動的なラスト、聴き所満載です。個人的にはこの路線のプレイを聴いてみたいのですが、クラブだと激ハードなプレイが中心なんですよね。あ〜〜〜、クラブでこんなプレイをしてくれたらその瞬間神!となるのに。それ位このMIXCDは素晴らしいので、廃盤ながらもなんとか探し出してみて下さい。

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| TECHNO3 | 19:00 | comments(8) | trackbacks(1) | |
E-Dancer - Heavenly (Planet E:PE65241CD)
E-Dancer-Heavenly
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新年そうそう最初のレビューは、去年大躍進を果たしたデトロイトテクノからビルヴィレー・スリーと呼ばれる内の一人、Kevin SaundersonのE-Dancer名義のベスト盤を紹介します。KevinはDerrick May、Juan Atkinsに比べるとハウス色が強くまた派手で盛り上がるトラックメイキングが得意です。大柄な体格に似ていてDJプレイもとにかく派手で、ジェットコースターの様に緩急自在に最大限に盛り上がる選曲でほんとに上手いです。でこのベスト盤なんですが、ベスト盤だけあって全ての曲のクオリティーが最上級。特にざらついたフィルター使いが特徴で硬く荒々しい音を出しつつも、ムーディーなメロディが導入されテクノとハウス両方で使えるトラックが多数。Ken IshiiやJeff Mills、その他色々なアーティストが今でも、「World Of Deep」、「Pump The Move」、「Velocity Funk」などを回しているのはクラブに行った事がある人ならば周知の事実でしょう。しかしやっぱり体格同様、彼のトラックはまじで図太いですね。ズンドコ節でクラブヒットしない訳がないですね。EPでいちいちシングルを集めるのは面倒なので、こう言ったベスト盤は大変重宝します。一家に一枚お勧めします

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| TECHNO3 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Underground Resistance - Interstellar Fugitives 2 (Destruction Of Order) (Underground Resistance:UGCD-UR2005)
Underground Resistance-Interstellar Fugitives 2 (Destruction Of Order)
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世の中はクリスマスムードですが、そんな時期にもアンダーグラウンドな世界からクリスマスプレゼントが届きました。今年、Galaxy 2 Galaxy名義(以下G2G)でもっとも音楽シーンで話題をかっさらったであろうUnderground Resistance(以下UR)から、2枚組のオリジナルアルバムが発表されています。URと言えばMad MikeとJeff Millsが設立したレーベルであり、またユニットでもあり、集合体でもあるデトロイトテクノの功労者。彼らの活動の根底にあるのはそのレーベル名そのものであり、音楽に依って自らを解放する事であります。彼らの音楽は希望や夢、もしくは怒りや闘争(暴力ではない)によって生み出されるのですが、今年前半のG2Gのコンピレーションアルバム「A Hi Tech Jazz Compilation」は前者から成るフュージョンテクノ、フュージョンハウスな音楽です。そしてこの度発売された「Interstellar Fugitives 2」は後者の、怒りや闘争の音をイメージさせるハードなエレクトロがこれでもかと言わんばかりに詰め込まれています。きっとデトロイトと言うハードな街で生き抜く為には、ハードな心が必要になるのかもしれません。G2GがMad Mikeを中心に進められ希望や夢に依って障害を突破するプロジェクトであるならば、このアルバムは反骨精神に溢れたURと言うある一種の民族を越えた共同体から成るプロジェクトなのでしょう。とまあ、URについてはライナーノーツにこれ以上もっと詳しい詳細が書いてあるので、そちらを読んで頂いた方が良いですね。とにかくMad Mike風に言うならばこのアルバムは最高にシットで、最高にイカシテルって事です。元々エレクトロ方面のURは結構苦手だったのですが、今作はテクノ色が強めでRed PlanetやLos Hermanos系のメランコリック路線もあったりで、比較的聴き易いのではないでしょうか。それでもタフでハード、ダークでソリッド、決して売れる様な音では無いと思います。しかしG2Gとは音色そのものは異なろうとも、見据える先は同じ所に向いています。だからこそ面と向かい合い彼らのソウルを感じたいし、聴き過ごす事なんて出来やしません。Mad Mike、いえURとしての活動に期待をせずにはいられません。

蛇足ながら、最近のURのアートワークなり音なりが小綺麗になっているのは、何か彼らに変化でもあったのでしょうか?G2Gのコンピ、Los Hermanosのアルバム、そして今回のジャケの変に洗練された感じは明らかに今までと異なります。また「Return Of The Dragons」以降の音も、妙に小綺麗と言うかクリアになったと言うか。単にレコーディング環境が良くなっただけなのでしょうか?アートワーク、音共にいかにもアナログだった頃と変化が見れるので少々気になりますね。

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| TECHNO3 | 13:00 | comments(3) | trackbacks(4) | |
Electric Institute (New Religion:REG118CD)
Electric Institute
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今年はやたらデトロイトテクノがブームになっている気がします。デトロイトの大物の来日、レアなコンピレーションやデトロイトクラシックの再発、限りなく続く新譜の発表などとにかく今年はデトロイトが熱い!それでだ、年末に差し掛かり究極のデトロイトコンピとも言えるアルバムが遂に出ました。今まで数多く発表されたデトロイトテクノのコンピレーション(「Cosmic Soul」や「Panic In Detroit」、「Virtual Sex」など)を上回る力作、確実にデトロイトの最良の瞬間が閉じこめられている「Electric Institute」です。コンパイラーはデトロイト信者であるKirk Degiorgioが務めているのですが、彼のこの仕事は尊敬と畏敬の念を以てして迎えられるべきである程です。Kirk自身はAs One、Blue Binary、Super-A-Loof(Ian O'Brienを含む)名義で曲を提供し、そしてデトロイトの天才69(Carl Craig)、新世代デトロイトアーティストNewworldaquarium、古参のデトロイトフォロワーBalil(元Black Dog)、デトロイトハウサーShake(Anthony Shakir)、Derrick Mayの愛弟子Stacey Pullen、そしてリミキサーとしてDerrick Mayも起用され、これまでに類を見ないアーティストが集結しています。隠れた未発表音源や未発表バージョンを集める為に各アーティストに声をかけたとの事ですが、さすが信頼を置けるKirkだからこそこれだけの楽曲を集められたのでしょう。どの曲も90年前後のデトロイトテクノ至福期を感じさせる深いエモーションを感じさせ、未来派なテクノサウンドはこれからも歩みを止めないデトロイトテクノの前衛性を表現しています。これを機にKirkはかつて活動させていた伝説のテクノレーベル・ART(Applied Rhythmic Technology) を復活させ、テクノの可能性をこれからも追求していくそうです。確かにこのコンピを聴けばテクノの深さと広大さはまだ無限の様であり、それはテクノを含めたエレクトロニックミュージックの可能性にも繋がっていくのだと思いました。冗談ではなくて期待と幸福、そして可能性を見出せるのです。本当に素晴らしいコンピレーションが登場しました。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(3) | trackbacks(2) | |
DJ光光光 - Planetary natural Love Gus Webbin 1999999 (Music Mine:MKCC-2003)
DJ光光光-Planetary natural Love Gus Webbin 1999999
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今日の一枚は日本の変態奇才、BOREDOMSやV∞REDOMSの山塚アイことEYヨの織りなすミラクルで不思議で変態なMIXCD。BOREDOMSに関しては全くと言って良い程興味も無いし、普段クラブでEYヨのDJを聴いたりもしませんが、このMIXCDはなかなかのお気に入りです。確かクラブでEYヨのDJを聴いた時は4つ打ちハウスだった様な気もしますが、このMIXCDじゃあそんな概念は通用しません。テクノやハウス、ガラムン、ヒップホップ、ロック、ガバ、ドラムンベースなんでもござれ、ジャンルの垣根を越えて宇宙まで飛び出しそうな高揚感と未知との遭遇かの様な期待感に溢れています。なんでもありすぎて逆に踊れないなんて事もなくて、有り得ないミックスなのに原始的な踊る欲求を呼び覚まされます。宇宙から原始人が舞い降りてきて、地球と言う大地を揺らす強烈を踊りを踊っているかの様なパワーに満ちています。これはもはや技術だとか理論だとかを超越し、EYヨの脳内で起きたスーパーノヴァをそのまま音像化した物に違いない。こんなの常人じゃ無理です、アシッド決めて恍惚に浸って創作したんじゃないかと。聴く方だってアシッド決めて準備しなきゃってなります。超新星が爆発するかの如くハイテンションな音の洪水が振ってきて、体の芯まで毒素と栄養を注入し脳内は覚醒状態。いやいや、面白いだけじゃなく強烈な一枚ですね。

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| ETC1 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2005/10/22 JEFF MILLS presents CONTACT SPECIAL @ WOMB
期待に胸を膨らませて「未知との遭遇」を体験しに行ったWOMBで待っていたものは…。

24時過ぎにWOMBに到着、早速入ると激混み〜。Jeffの1stセット半ばでしょうか、ディープめのトライバルで良い盛り上がり具合。「CONTACT SPECIAL」って言うコンセプトなのかと思うくらい、Purpose Maker路線の選曲。でもこっちのが好きなんでOKです。自身の昔の曲も回したりして徐々に上げていき、そしてキター!!「Strings of Life(DK Edit)」。でも折角ならオリジナルを期待したかったのですが、やっぱり大盛り上がり。その後あんまり覚えてません…。
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| EVENT REPORT1 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
2005/09/16 standard×CLASH presents FUSE-IN @ ageHa
先月のMETAMORPHOSEのGalaxy 2 Galaxyに続き、デトロイトからKevin SaundersonとDJ 3000が来日。ついでにKen IshiiとCo-Fusion付きと言うめちゃめちゃ豪華なイベントに行って参りました。ageHa久しぶりに行ったんだけど、都心からだと遠いなぁ…電車の中で一人ぽつんと暇ですた。

12時過ぎに着いてまずはDJ 3000。しょっぱな「Los Hermanos-The Very Existance」から「UR-Ma Ya Ya」を繋げて、デトロイト好きには悶絶ものです。その後もRed Planet、The Aztec Mystic、FIX、Inner Cityなど含め9割以上はデトロイト系を回していた様な気がします。時にファンキーに、時にメランコリックに、そして終盤は展開の少ないトライバル系も回したりして、会場を良い感じで盛り上げていました。予想通りの展開だったとは言え、しっかりと踊る事が出来たので良かったですね。
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| EVENT REPORT1 | 07:30 | comments(3) | trackbacks(2) | |
DJ 3000 - True Colors (Submerge:SUBCD-3006-2)
DJ 3000-True Colors
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先日のUnderground ResistanceことGalaxy 2 Galaxyのライブで感動した人はごまんと居る事でしょうが、デトロイトテクノはあれだけでは無いしアンダーグラウンドな所にも良いアーティストは居るものです。デトロイトのSubmergeはデトロイトのテクノやハウスを中心に多くの素晴らしいレーベルのディストリビューターな訳ですが、そのレジデントDJであるのがDJ 3000。そして現在はURのオフィシャルDJにも昇格し、注目の的なその人です。このMIXCDではSubmerge関連の作品を紹介すると共に、普段なかなか聴く事の無いアンダーグラウンドな曲を多数収録しています。そういった音楽を聴くとURの周りも素晴らしいアーティストばかりである事に気付き、デトロイト集団にはほとほと感服するばかりです。アンダーグラウンドだからと言って全然地味なMIXでは無いし、トライバルでエキゾチックな序盤〜デトロイトテクノ直球な中盤〜ハードなエレクトロ+アッパーなトライバル系の終盤と懐の深さを伺わせます。個人的に気に入ったのは、UR関連のDJでは今まで無かったエキゾチックな点でしょうか。DJ 3000の両親は東欧アルバニアからの移民である事、また東欧系や中東経緯民が多く住む環境に居た事、そう言った事が彼の音楽性に影響をもたらしているのだろうと感じました。とそう言った理屈云々抜きにして、徐々に盛り上がっていくこのMIXCDはデトロイト好きには胸を張ってお勧め出来ます。9月16日のstandard×CLASH presents FUSE-IN @ ageHaに参戦するので、予習しておくと良いでしょう。

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| TECHNO2 | 23:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Calm Presents Conception For The Street Noise Scene 3 (KSR:KCCD-061)
Calm Presents Conception For The Street Noise Scene 3
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ブログ更新しようとしていたら大雨ですよ、河川の氾濫ですよ。東京に住んでいてこんな自然災害は初めてだったと思います。うちの半地下にも水が入ってくるし、ほんと大変でした。

さて、そんな疲れた心を癒してくれるのが相変わらずCALM選曲・監修のこのコンピです。今までのシリーズがフューチャージャズ中心の選曲でしたが、今作はダウンテンポ中心かつ日本人の作品を集めた癒しの一枚となっております。みんなも知っているアーティストが集められ、特にハラカミレイがタンツムジークの曲をリミックスした物は極上の出来です。柔らかい丸みを帯びた音がらんらんとスキップする様なノリで、完全にハラカミ色に染まっています。サイレントポエツのキラキラと朝焼けが降り注ぐ様なアフターアワーズ的トラックも素敵ですね。ベッドの中で微睡みを感じつつ、気持ち良い朝を迎えられそうです。個人的に注目はシュガープラネットの「E2-E4」カバーでしょうか。そう、Manuel Gottschingの「E2-E4」カバーなのですが、ストイックな面は潜めて逆に優しさに包まれる様なギターが密かに彩りを添えて、スウィートなボーカルも加わりダウンテンポバージョンとして再生しております。「E2-4」のリメイクは色々ありますが、これが案外いけてるんですわ〜。「Sueno Latino」のパラダイス風快楽トラックとは異なり、むしろ天上界の穏やかさみたいですね。この他にも質の高い曲が多数収録され、全体通して全く外れがありません。ヒーリングコンピレーションが数あれど、これが本当の癒しの一枚だと言わんばかりのCALMの選曲に脱帽です。

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| ETC1 | 21:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Recloose - Cardiology (Planet-E:PLE65267)
Recloose-Cardiology
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デビュー以前デリで働いていたReclooseことMatthew Chicoine。そのデリの常連であったCarl Craigがテイクアウトを頼み、その時にMatがパンの間に自分の音源が入ったテープを挟み、その音源を気に入ったCarlがMatに声をかけた事からMatの快進撃が始まったと言える。そう、デトロイト新世代はCarlの嗅覚から探し出されたものなのだが、Reclooseの音楽は確かにCarlのテクノとジャズの良いとこ取りされた様でもある。「Ain't Changin'」や「 Can't Take It」はメロウでありながらも、バンドが生み出すようなグルーヴに溢れファンキーである。「Kapiti Dream」は浮遊感溢れるシンセ使いが気持ち良いデトロイト直系テクノ。中には「M.I.A.」の様にセクシーなR&B調の曲や、明らかにヒップホップから影響を受けたリズムが特徴の曲などもある。作品がばらばらな出来になっている訳ではないのだが、バラエティーに溢れた作りは明らかに彼がテクノ以外にも色々影響を受けて来たことを物語っている(事実テクノ、ハウス、ジャズ、ヒップホップ、レゲエ、ダブを聴いていたとの事だが)。特に緻密で多彩なリズムトラックは、打ち込み音楽であるにも関わらず生き生きとしていて、ファンクネス溢れるアルバムとなった一因でもあると思う。デビュー作においてほぼ完璧に近いアルバムを作り上げたReclooseでしたが、最近の2NDアルバムで方向性を間違えた事には残念でした。聴くならこの傑作1STをお薦めします。

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| TECHNO2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Recloose - Hiatus on the Horizon (Peacefrog Records:FG064CD)
Recloose-Hiatus on the Horizon
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むむむぅ…Carl Craig主宰のPlanet Eから注目を浴びてデビューし、シーンの賞賛を浴びたデトロイト新世代のReclooseでしたが、新作はなぁ…デトロイトとは全く無縁な音楽だし、期待が大き過ぎたのかもしれないな。ニュージーランドに移籍しそこで作られた音楽との事ですが、トロピカルで妙に明るい。いや、明るいのは嫌いじゃないんだけどなんなの?この変に陽気で緊張感の全く無い楽天的な音楽は?Reclooseには求めてないんだよ、こんな音楽。別に悪くはないけど、これってReclooseがしなくたって良いじゃないかと激しく突っ込みしたくなる南国ブロークンビーツって感じ。ジャジーでありソウルフルでもあるが、どこか炭酸が抜けて美味しくないビールだよ、これじゃあ。あぁ、Reclooseに合掌…

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Sneak - The Mutant Sounds From Chicago Relife Records (Avex Trax:AVCD-11390)
DJ Sneak-The Mutant Sounds From Chicago Relife Records
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このブログでは一応僕が気に入っている物かつ、まだ比較的購入出来る物を普段紹介しています。と言うのも紹介しても聴く事が出来なければ意味が無いですし…。そんな感じで廃盤だと思っていたこのMIXCDを紹介してなかったのですが、なんとamazonで未だに販売されている事を確認。今こそ紹介せねば!

発売はなんとAVEXから。つうか昔のAVEXは結構しっかりしたクラブ系を送り出してたんだけど、途中から糞になっただけなんですがね。でなんとDJ Sneakがシカゴハウスの名門レーベル、Relifeの音源をMIXすると言う快挙な企画物なのです。ライナノーツの解説の言葉を借りるならばシカゴハウスとは「世界一変態な音楽。チープ、シンプル、ファット。」あぁ、分かりやすい、確かにそうだね。音はざらついていてお世辞にも良質な音とは言えないし、スカスカのリズムトラック、そして図太い。多分曲単位で聴いてもそれ程面白くはないんだけど、これをDJが扱うと非常にパワーのある図太いグルーヴを生み出す事が出来るんですよね。しかしこのMIXCD聴いているとほんと不愉快な感じと言うか、体力が無い時に聴いたら確実に嫌な気分になりそうな位きついエネルギーに溢れています。シカゴハウスの中でも取り分け強烈なヤツが集まっていますよ。

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| HOUSE1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Monika Kruse - On The Road Mix Vol.2 (Terminal M:Term0205-2)
Monika Kruse-On The Road Mix Vol.2
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テクノを聴く女の子は多くはないんだろうなー。だからテクノの女の子のDJとかアーティストも多くはないんだろうなー。ま、実力があればどっちでも良いんだけどね。そんなテクノシーンで孤軍奮闘している女性DJの一人、WIREとかにも参加し日本での人気は十二分にあるMonika KruseのMIXCDがコレ。とにかく自分の好きなアーティストの曲がふんだんに使われているので、ただそれだけでOKです。いきなりJeff Mills、Robert Hood、E-Dancer(Kevin Saunderson)の三段攻め、痺れるぜ。そこからはパーカッション多めのトライバル系でガンガンに突き進む。Thomaz Vs Filterheadzのラテン+ハードテクノの曲はかなり破壊力抜群で、これで踊れなければ不能に間違いない!中盤は微妙に抑えてブイブイベースのディスコ系やパンキッシュなVitalicを挿入し、ラストに向かって今度はダークなテクノで再度ペースをあげてゆく。「La La Land」は最凶に不吉過ぎるよ。ラスト手前で再度デトオタ泣かせのF.U.S.E.(Richie Hawtin)の曲でダークに行くと思いきや…Funk D'Voidの涼しげで美しいシンセがこだまする「Diabla」登場!終わりに向かって昇天してゆきますよ〜、気持ちE〜!こんな感動の展開が待っているなんて、憎い演出ですね(笑)ってな感じの山あり谷ありのツボを押さえたMIXです。美しいお姉さんだからと言って顔で売れてる訳じゃないんですよ、ちゃんと売れる訳があるんです。

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| TECHNO2 | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Larry Heard - Can You Feel It Trax Classics (Nippon Crown:CRCL-2004)
Larry Heard-Can You Feel It Trax Classics
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今まで行こう行こうと思いつつ見逃していたLarry HeardのDJプレイ。今週末Yellowに降臨するので今回はまじで行かなくてはと、心の奥底で燃えてます。多分DJが上手い人ではないと思う。と言うよりも彼は一アーティストであり僕は彼の雰囲気に、心に抱かれたいだけなのです。彼の作り出す音楽はハートフルでありハウスだとかクラブミュージックだとか、そんな事はどうでも良くなる位暖かみがあり心に残るものです。きっと彼のDJだってそんな風に優しい空気に満ちたものに違いないと勝手に想像し、期待は高まるばかりです。「Can You Feel It」(感じる事が出来るかい?)、僕らはそれを感じる事が出来るのだろうか?それとはその場に居なくては感じる事が出来ない物。彼と同じ場所、同じ時間を共有してこそ感じる事が出来る物。かつてはアンビエントハウスなんて死語で語られる「Can You Feel It」だが、これこそ真のディープハウスである。淡々と鳴り続けるTR-707のリズムトラックに、どこまでも切なくて限りなく哀愁を感じさせるシンセメロディーのシンプルな二つの組み合わせによって、世界中のハウスファンどころかクラバーを熱狂させ心震わせたハウス史上の名曲です。この曲が出来てからもう20年近く経とうとしているのに、彼の音楽に打ち込む熱意は変わらずに昔以上に今の曲は輝いている。彼は多くは語らない、何故ならば彼の音楽が全てを語っているからです。「Can You Feel It」はインスト、歌詞有りを含め4バージョン存在していますが、インストバージョンこそ彼の音楽性を語っていると僕は思います。

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| HOUSE1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Kraftwerk - Minimum-Maximum (Astralwerks:ASW60611)
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いや〜何故かアマゾンから発売日前にクラフトワークのライブベスト盤が届いちゃいました。あぁ、良い子のみんなは決してタワレコとかで買ってはいけないよ?タワレコではCCCDのヨーロッパ盤を高い値段で売っているからね。アマゾンなら安くて通常のCD盤を買えて一石二鳥だよ。まあ相当金持ちか奇特な奴じゃない限り、高い金出してCCCD買う人なんていないだろうがね。

あ、話が逸れました。クラフトワークと言えば現在活躍するテクノアーティストの大半が影響を受けたであろう、いわゆるテクノの神様だとか色々言われている。そんな事は抜きにしても彼等の電子楽器が織りなす音は、非常にフューチャリスティックであり21世紀の現在においても独特の地位を築いている。そんな彼等の初のライブベスト盤(一応以前にもライブ盤は出ているのが…)が出た。エンターテイメント性と音楽性を両立させたライブとは一体?ここでは耳だけで確かめるしかないが、是非聴いて欲しい。

テクノ大国ドイツで生まれたKraftwerkはAutobahnを疾走する。そんな頃Radioactivityに警告を発しながらも、着々とテクノを推し進める。ドイツ国内で収まり切らなくなった彼等はTrans-Europe Expressに乗り、更に勢力を広げていく。いつの間にか自らをThe Robotsと化し正にThe Man Machineとなる。これまで以上に電子音楽性を強めてゆき、未来の街中に輝くNeon Lightsを尻目にDentaku片手に音楽カナデル。イチ、ニ、サン、シーとNumbersを数えて何処に向かうと思いきや…自転車レース最高峰のTour De Franceに思いを寄せて、本人達もサイクリングを楽しんでいる。その後はしばらく身を潜め、その後のテクノの成長を静観。しかし充電期間を蓄え彼等もEXPO2000(Planet Of The Visions)で生還を果たす。ここにて新旧テクノの神様、KraftwerkとUnderground Resistanceの交流が生まれる。さすがに歳を取ったせいか再度のTour de Franceのサイクリングの際には、Vitaminを補給して準備万端。Kraftwerkの音楽の旅は終わらない。Music Non Stop…

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| TECHNO2 | 21:00 | comments(3) | trackbacks(0) | |
Luke Slater's 7th Plain - The 4 Cornered Room (General Production Recordings:GPRCD03)
Luke Slater's 7th Plain-The 4 Cornered Room
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正直この再発はまじで驚いた。これはテクノ聴いてる人でも持ってる人は相当少ないんじゃないかと…そしてその内容はみんなの予想以上に素晴らしいものなのです。Luke Slaterと言えばPlanetary Assault Systems名義での骨太なハードテクノが有名で、DJテクも相当のものでUKを代表する素晴らしいテクノアーティストであります。そんな彼が初期の頃にGPRから2枚アルバムを出していて、その1枚がコレなのです。GPRと言うとBlack Dogなんかもアルバムを出していたりして、マニアックな人には分かる様な隠れた名レーベルだったみたい。Black Dogがアルバムを出していたと言う事は…、そうこのアルバムも実はデトロイトフォロアーと言うか、インテリジェンステクノと言うか、とってもピュアで綺麗な世界観があります。Planetary Assault Systemsなんかじゃアナログでざらついた図太い音を出しているけど、この名義では本当に美しく切ないです。だからと言ってもちろん彼が作り出す音はヤワな音なんかでは無く、大変緻密に練られしっかりと踊らせる事も忘れてはいません。フロアに対応するハードなダンストラックと、そしてホームでのリスニングトラック、どちらも質の高い物を作れるUKのテクノ番長、Luke Slater。レコ屋の宣伝では無いけれど、デトロイトテクノ好きはマストバイ!!デトロイトテクノにマシーンソウルが存在する様に、Luke Slaterも同じ物を持っている証明です。

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| TECHNO2 | 21:57 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Optimo Presents Psyche Out (Eskimo Recordings:541416 501334)
Optimo Presents Psyche Out
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ジャイアントインパクトッ!!年に数枚出るか出ないかの怪作、かつ傑作!現在の時点で年間ベスト3入りを断言する超絶MIXCDが出ました。こんなのが出るなんて知らなかっただよ。お店で暇だからなんとなく試聴したら、これがすんげぇ〜やべ〜と言うか、もう電撃走って即レジに持って行っちゃいましたよ。トラック見て貰えると分かるんだけど、HawkwindとかSilver Applesのサイケデリックロックに混ざって、Fast EddieとかMr.Fingersのアシッドハウス、Sweet ExorcistやThrobbing GristleのCarl Craig Re-Versionなどのエクスペリメンタルテクノ、果てはエレクトロディスコダブなど何でも使える物は使っちゃってるんだよね。ただこのMIXCDはビートで踊らせると言う事では無くて、本能に訴えかける麻薬的な魔力を持っているのです。はっきり言ってごちゃ混ぜ過ぎて踊れるとかそうゆう物じゃないんですよ。もう脳味噌の奥にずぶずぶと音が進入してきて、脳味噌をシェイクシェイク!ずぶずぶとダークワールドに引き込まれたら最後、抜け出る事は不可能。覚醒的なサイケデリック空間で、ヨダレをウヘウヘ垂らしながら聴く事になるでしょう。とにかく強烈すぎ!これは聴いてみないと分からない。今日このレビュー読んだ人はマジで買わないと損ですっっっ!!ストレートなテクノ求めてる人は、そうゆうの期待しちゃダメよ。

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| ETC1 | 19:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Rainer Truby - Abstract Jazz Journey (King Street Sounds:KCD-244)
Rainer Truby-Abstract Jazz Journey
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「Body & Soul」に行かない割にはそのネタで引っ張る私であります。今回は「Body & Soul」がハウスだけでないと言うクロスオーバーな音楽の点に注目。と言う事で比較的最近発売された良質なMIXCDを紹介。King Street SoundsはMix The Vibeシリーズや、Abstract Afro Journeyシリーズと言った素晴らしいMIXCDシリーズを送り出していますが、その新しいシリーズがジャズに特化したこのシリーズ。ただジャズに特化していると言っても、それはまんまジャズと言う事ではなくハウスの中にもジャズを感じられる曲で構成されている。曲だけ見れば「Justice, Mercy」、「Find A Way」、「On My Way」、「Reach 4 Freedom」等所謂ディープハウス中心になるんだろうけど、ハウスの4つ打ちだけではない。ブロークンビーツも刻まれたり、Passion Dance Orchestraの様にフュージョン感覚に溢れた曲もあり、爽やかでかつ軽快であり深いハウス一辺倒になる事はない。King Street Soundsがハウスレーベルなのでハウス中心になるのは当然だけど、他のシリーズよりは生音重視で多少ジャジーな点が強調されていると思います。「Body & Soul」では「Justice, Mercy」とか「Find A Way」辺りは回されそうですね。しかしただ一つのレーベル音源だけでここまでのMIXCDが出来るなんて、King Street Soundsは偉大です。また限られた曲でここまでのMIXを行ったRainer Trubyも賞賛します。大人になるとハウスを好きになる人が多いらしいけど、その気持ちも分からせてくれる一枚。家で聴いていても落ち着いて聴けてしっくりくるし、クラブではガシガシと踊れる。「Kerri Chandler-On My Way」からラストまでの流れは圧巻の一言、聴き入るしかない。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Twilight Trax (Trax Records:CTX-CD-5010)
Twilight Trax
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最近寒い日が続いていて夕飯には焼酎を飲む事が多いです。またマイホームではお好み焼きが流行っていて関西人でもないのに、月に2回位はお好み焼きを焼きます。なんで今日はお好み焼きでした。熱いお好み焼きを頬張り、そして焼酎をロックでぐびぐび。ちょっとほろ酔いで気持ちが良いです。その後にこのMIXCDを聴いていると、何故か涙腺が潤んだりします。

これはタイトルを見た瞬間に購入を決めた物。なんてたって「Twilight Trax」ですよ、「たそがれのTrax」。もうその言葉に引きつけられて、早く聴きて〜と待ち望んでいた物でした。サブタイトルには「an ambient mix of deeply House Music from Trax Records」と書いてあります。Trax Recordsはアシッドハウスを誘発したレーベルであり強烈なインパクトを残したレーベルだと思うのですが、このMIXCDにはむしろ人の心に心温まる作品として残る物が収録されています。音的には今のハウスに比べれば簡素でチープだとは思うけど、それなのに逆に人間の温かみが感じられるのは何故なんでしょう。どの曲もしっとりと優しく、現代人の疲れた心を癒してくれる物ばかりです。シカゴハウスは強烈な曲ばかりだと思っていた僕ですが、そんな事もないんですね。意外にもジャジーでスムースな曲もあったりして、後半に行くに連れてまったりとしてきます。個人的にはやはり「Can You Feel It」の辺りで感極まってしまい、ノスタルジックな雰囲気にやられてしまいました。”愛の夏”真っ盛りに発表されたこの曲は、今後も決して枯れる事のない愛を発し続けるのでしょう。最近Trax Recordsの作品が色々出ているけれど、これはその中でも一押しな作品です。

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| HOUSE1 | 22:22 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Derrick May - Mix-Up Vol.5 (Sony Music Entertainment:SRCS8250)
Derrick May-MIX-UP Vol.5
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テクノ方面で語られている人の中にも、シカゴハウスの影響がモロに出まくりな人なんかもいて、このDerrick Mayなんか一番分かりやすい例なんじゃないかと思う。彼の初期音源「Nude Photo」なんて実際アシッドハウスみたいなもんだし、その後のファンキーなリズムが躍動的な曲群だって、シカゴハウスの影響が大きいと思う。Juan Atkinsの音と比べればJuanがあくまでデトロイトテクノ、Derrickがシカゴハウスとさえ分けられてもおかしくない位だろう。未だDerrickのDJを生で聴いた事が無いのだが、このMIXCDでやはりDerrickはシカゴハウスの影響を大きく受けているんだなとまざまざと感じました。このMIXCDでのDerrickのプレイはパンピンでファンキー、そして官能的とこれで踊れない奴は不能なんじゃねーかと言う位のかっこいいものです。ハードグルーヴの勢いで攻めるのとは異なり、腰に来るグルーヴでねちっこく踊らされてしまいます。音数少なめでありながらアフリカンリズムを強調した流れは、やはり黒人特有な感じがしますね。そう彼の曲もそうなんだけど、弾ける様な激渋でファンキーなパーカッションが彼を特徴付けてるのではないだろうか。このセンスはJuan AtkinsやKevin Saundersonには無い物だよね?MIXCDでこれだけかっこよければ、生のプレイはもっと凄いのだろうか?機会があれば彼のプレイで踊りたいですね。そうそうDJばっかりじゃなくてたまには新曲も出してくれよとは思っているけれど、きっともう出ないでしょう…

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| TECHNO1 | 22:27 | comments(3) | trackbacks(0) | |
2005/02/13 SUBMERGE TOUR @ Liquidroom
行ってきましたよ〜、Galaxy 2 Galaxy!!結論から言うと(・∀・)イイ!!まあ、その分混み具合は満員電車状態でしたけどね。じゃあ忘れない内にちゃちゃっと感想を。

B.Calloway-Black Grooves Mr.De'-Renaissance
左:B.Calloway-Black Grooves
右:Mr.De'-Renaissance

Los Hermanos-On Another Level UR Presents Galaxy 2 Galaxy-A Hi Tech Jazz Compilation
左:Los Hermanos-On Another Level
右:UR Presents Galaxy 2 Galaxy-A Hi Tech Jazz Compilation

今回出演したアーティストの作品です。アマゾンで購入可。
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| EVENT REPORT1 | 01:50 | comments(9) | trackbacks(4) | |
Luke Slater - Fear And Loathing 2 (RESIST:RESISTCD7)
Luke Slater-Fear And Loathing 2
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ふと思ったのだが、ここ連日緩めの作品を紹介してる事に気が付いた。いかんいかん、ハードな作品もたまには聴かないと!と思って買って放置してあったこのアルバムを聴いてみた。何というか2枚組だとなかなか通して聴く機会がないんだよね。それにMIXCDだから長いし。しかし何でこれはHMV先行発売なんだ?HMVでは去年から発売してるけど、Amazonでは2月にやっと発売になるみたいだ。どうでもいいけどさ…。

まずDISC2の方なんだけど、これはLukeの通常のスタイルのハードミニマル。これが何とも豪華でThe Advent、Killa Productions、Cave、Joris Voorn、Alter Ego、Hert等他にもまだまだハードテクノな方面で活躍している人ばかりのトラックが並んでいるね。Lukeのプレイも上手くて序盤は緩めのエレクトロで始まり、中盤から4つ打ちテクノに移行して徐々に盛り上げ、終盤ではトライバル気味にピークを持ってくる。ここでもJoris Voorn-Incidentが使われているけれど、この人の人気は当分続きそうだね。とにかく人気のあるアーティストが網羅されているので、最近のハード方面のテクノの傾向を知るにはもってこいの1枚だよ。

で今回の目玉はDISC1の方。ハードミニマルの人が何故かダウンテンポに挑戦しているよ。Marco BaileyやAdam Beyerも2枚組MIXCDを出して同じような事をしていたけど、やはりハードミニマルだけには飽きるのか、それとももっと自分の世界を広げたいのかは謎ですが。ノンビートの曲で始まり、BOLAのアンビエントも飛び出し序盤から驚きの展開。4曲目辺りからビートも入ってくるけど、とにかく緩い。Isolee辺りからはジャーマンディープハウスになって揺らめく様な怪しさがあるね。Playhouse辺りの音に近いかな。後半のAgoriaThrobbing Gristle(Carl Craig Re-Version)辺りでは妙にポップでイクセントリックになるが、このポジティブさにはダークな世界の中にやっと希望を見出したかとさえ思える。そのままクリックハウスに繋がれて、ダークで不穏な世界は静かに幕を閉じました。んーなんとも掴み所の無い1枚だったな。Lukeも随分奇妙な事に挑戦するなと思いつつ、ハードな後にはこんな緩いのも良いかもねとも思ったりした。ただ結局今の流行に乗って気分でこんなMIXをしただけだと思うので、何年後かにはこうゆうMIXCDも減ってくる様な気がしないでもないな。

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| TECHNO1 | 13:51 | comments(0) | trackbacks(1) | |
154 - Strike (Delsin:27dsr/nwa-cd1)
154-Strike
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最近テクノ系のCDが以前より入手し辛くなっている気がするのは、僕だけでしょうか。まあ海外のネットショップに注文すれば一発なんだろうけど、それじゃ送料が高いしさ。今回ゲットしたCDもユニオンとかじゃ見た事ないし、やっとネットショップで入手出来た訳です(amazonからじゃないけれど)。

さて154って誰ですか?この名義じゃ知らない人が殆どだと思うけど、Newworldaquariumなら知ってるんじゃないかな?そうオランダのデトロイトフォロワーなレーベル、Delsinからも作品を発表していたその人です。去年はRoss 154名義でもコズミックでデトロイトハウスなEPを出していました。Newworldaquarium名義では視界のぼやけたデトロイト〜ディープハウスな作品を発表していて、DelsinからPlanet-Eにもライセンスされたり、またCarl CraigがMIXCDに使ったりなかなかの好評の様です。このCDは彼の初めてのアルバムであり、僕も大層待ちわびていましたがやっと聴ける所となりました。相変わらず不鮮明で視界が悪く、その中を彷徨うかのように小刻みな4つ打ちが聞こえます。Theo Parrishもスモークがかった音を出すけれど、こっちだってそれに負けない位の物があります。そして不鮮明な世界の中、一枚の薄い膜が永遠に広がるかの様に世界を覆い、その中に小宇宙を見ているかの様です。最初にデトロイトフォロワーとは言いましたが、ここでは既にデトロイトを飛び立ち、迷宮的な音響世界にまで飛翔してしまったのでしょうか。今までの作品もダークな雰囲気の物が多かったと思いますが、今作に関しては明るさと言う事に関しては皆無だと思います。Basic Channelとか好きな人には、是非このアブストラクトでダビーなアルバムを聴いてみて欲しいですね。

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| HOUSE1 | 22:54 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Hypercity - Mixed By Andrew Weatherall (Force Tracks:FT30CD)
Hypercity Mixed By Andrew Weatherall
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さてForce Tracks関連が続いたのでその総集編でも紹介しよう。作品的には中期までのトラックをミックスした物なのだが、なんとここで起用されたのはUK最強の敏腕プロデューサー、そしてロックとパンクをダンスを架け渡す天才DJ、Andrew Weatherallだ。Force Tracksもやるねぇ、この人を起用するなんてやっぱり先見の目がありますよ。テクノ中心のトラックを彼に頼むならともかく、まさかクリックハウスのミックスを彼に頼むなんて誰が予想出来たのかな?でレーベルの期待に応えたAndyさんも流石の一言。ジャンル的にはクリックハウスと言うのかな、まあテックハウスでも良いんだけど、そんな感じ。擬音語で言うと、クリンクリンとかポムポムって感じ。微妙に霧がかり丸っこく柔らかい音が気持ち良いですね。クリック系の独特なリズムも基本は4つ打ちだけど、曲毎に様々な展開を見せて飽きる事がなく聴かせてくれます。中盤まではリスニング向けでこのまま終わるかと思ってたんだけど、そこはAndyさん分かっています、やっぱりダンスの面も忘れずにプレイ。終盤では完璧4つ打ちに移行してドスドスなダンスモードに突入します。しかしながらも強靱さと美しさを兼ね備えたトラック、やはりForce Tracksは一味違いますね。必ずと言って良いほどヨーロッパ的耽美を感じさせるエレガンスを含んでいます。Kompaktと言いForce Tracksと言い、テクノ中心のドイツ国家でなんでこんな美しい物が出てくるんだろうね?不思議だね〜。終盤でのHakan LidboからLuomo辺りはもう絶品ですぞ、濡れてしまう…。AndyさんとForce Tracksの一夜限りのタッグはこれっきり、もったいないですね。クリックハウス入門以上の素晴らしいミックスCDですよん。

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| HOUSE1 | 18:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
DJ Peechboy - Everything Was Beautiful, Nothing Hurt
DJ Peechboy-Everything Was Beautiful, Nothing Hurt
去年からプレーヤーの調子が悪くてCDRは殆ど聴けない状態だったんですよね。なんでこのCDも買ったのに殆ど聴けてなかったんですよね。やっとまともに聴く事が出来ましたよ、DJ Peechboy…って誰なんでしょうね。全くこの人に関しては知らないんだけど、雑誌での強烈なプッシュと選曲を見てかなり前に購入したんですよ。それがですね、予想以上に出来の良いMIXCDでこりゃまじ良いね。DISC1はソウル、ハウス、ディスコ中心、DISK2はテクノ、クリックハウス、ディープハウス中心。選曲の幅もさることながら彼のプレイにはTheo Parrishに近いものがあるんですよね。じっくりと燃え上がる炎の様に秘めたる熱さと、どこかでは淡々としたクールさを持ち合わせているんですよ。やはりTheoの様にイコライジングやエフェクターで過激に緩急を付けて、ずっぽりずぽずぽとピーチワールドに引き込まれて行くんです。個人的にはDISK2のエロティックなディープハウスやテクノ路線が気に入ってるんだけど、DISK1のソウル、ハウス路線も予想外にはまっています。今まではそうゆうのってノレないし古い音だなとかで余り好きじゃなかったんだけど、やっぱりDJが上手く調理してくれると良い料理になるんだなと思ったさ。日本にも良いDJはいるじゃないかと思ったけど、こういった人たちにも日目が当たると良いんですけどね。2枚組で送料込みで1600円だから、これは買うしかないでしょう?

NXTC(ここで買えます)
Peechboyのホームページはこちら

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| HOUSE1 | 20:55 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Laurent Garnier - Excess Luggage (F-Communications:F1873CDBOX)
Laurent Garnier-Excess Luggage
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元料理人でありフランスの伊達男、ローランガルニエ。そのプレイはテクノ伝道師とも言える幅広い選曲で、一夜のプレイで様々な面を伺う事が出来る。個人的にはテクノセットが好きだけど、ハウスやロック、果てはドラムンベースまでも回す何でもありな人です。そんな彼もデトロイトにはやはり興味があるのか、自身のアルバムにおいてデトロイトライクなトラックを多く作っています。さてこのMIXCDは2000年のSONAR、2002年のデトロイト、後多分PBBと言うラジオのライブを収録した物でやはり彼の幅広い選曲を体験するにはもってこいです。

一枚目のSONARのプレイはハウス中心のセットでムーディーな物から、シカゴ、アシッドまで気持ち良く聴けます。DAVINA-Don’t you want itはデトロイトハウスのクラシック、今年のイエローでのプレイでも回していました。

二枚目は血管ぶち切れデトロイト中心のMIX。しょっぱなHi-Tech Jazzですよ!この曲は他のDJにもここ1、2年で実際のDJでよく使われている気がします。ほぼデトロイトに関連のある曲を使っているので、デトロイト好きには必ず受けると思います。終盤自身のThe Man with the red faceは、彼の曲の中でも最もデトロイトへの愛着を示した結果となるものでしょう。そこから69-Desireに繋ぐと言う悶絶必至のMIXです。

三枚目のラジオでのプレイは、テクノやハウスじゃなくてダウンテンポなのかな。寂れたバーとかで流れてそうな感じで、哀愁がありますが僕は余り聴いていないので何とも言いようがありません。

実際のプレイではテクノ→ハウス→ロック→…と目まぐるしくどんどん変わっていくので忙しい感じもするけど、一夜にして壮大なロングジャーニーを経験する事が出来ます。そして今週末にageHa、来週月曜にYellowと今回は2回も東京でプレイ。この機会に是非ともテクノ好きは、ガルニエのプレイを体験してみてはどうでしょうか。

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ちなみにこのMIXCDには4、5枚目がありF-COMショップ直販で買えます(現在はアマゾンでも購入可)。4枚目がデトロイトとシカゴハウスのクラシックを多用したMIXで超絶物です。僕は当然買いました。

Laurent Garnie-Excess Luggage
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| TECHNO1 | 17:19 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Carl Craig - More Songs About Food And Revolutionary Art (Planet E:PE65232CD)
Carl Craig-More Songs About Food And Revolutionary Art
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もうすぐLos Hermanosのアルバム、「On Another Level」が出るので、しばらくデトロイトテクノ関連の紹介をしてみる事にしました。カールクレイグと言えば最もデトロイトテクノを発展させた天才の一人で、テクノをやらせてもハウスをやらせても一筋縄ではいかない曲を作る。実験的であるにもかかわらず、フロアでも機能し色々なアーティストがお世話になっている事間違いない。このアルバムはPaperclip People名義でのハウスや、69名義でのテクノでクラバーを魅了していた後に出された作品。これはフロア受けするよりは室内向きのリスニングミュージックが中心で、4つ打ち的な曲もほぼない。しかしここにはカールの英知の結晶が詰まっている。神々しいまでの研ぎ澄まされた電子音が緻密な構成を成し、それが深淵で穏やかなディープテクノを作り出す。ここにルールはない。カールの自由であり、未来へと進もうとする発想がテクノの概念を壊してしまったのだ。現在を見てもここまで奥深く、美しい作品はそうはないと思う。初期の早すぎた名曲「Domina」、「At Les」、「Suspiria」、「As Time Goes By」収録。21世紀以前に作られたエクスペリメンタルテクノの指標となるフューチャーミュージック。

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| TECHNO1 | 21:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Ken Ishii - Millennium Spinnin'at Reel Up (Sony Music Entertainment:SRCL5051)
Ken Ishii-Millennium Spinnin'at Reel Up
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先日のDIMENSION KでDJ Rolandoを上回るプレイをしたKen Ishiiですが、彼の2000年12月でのリキッドルームでのプレイを収録したのがコレ。のっけから自身のIceblinkで飛ばして、その後もYMOやDave Clarke、DJ Shufflemaster、Designer Musicととにかくみんなが知っているような曲をかけるわかける。まあ、そうゆう意味ではミーハーだしポップだし…でもいいのです、テクノゴッドですから(笑)確かに有名な曲が多くてそれなら俺でも出来るじゃんって思うけど、やっぱり彼が回すとかっこいいですよね。緩急自在でアゲては緩め、時にハードに時にファンキーに。聴いていて飽きないし、いわゆるテクノって音を感じさせてくれます。最近はもっとバリバリハードなプレイになっているけど、このMIXでも十分に踊らせてくれますよ。テクノの有名な曲満載(Jeff Mills、FLR、Joey Beltram、Planetary Assault Systems、Josh Wink他)なんで、手始めにって感じで聴いてもよろしいかと。

ちなみにKen Ishiiの生プレイを聴いたのは、このイベントが初めてでした。懐かしいな〜

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| TECHNO1 | 23:02 | comments(0) | trackbacks(2) | |