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Moonboots - Moments In Time (Music For Dreams:ZZZCD0121)
Moonboots - Moments In Time
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デンマークはコペンハーゲンからバレアリック・シーンを先導するレーベルの一つ、Music For Dreamsからまた素晴らしいコンピレーションが到着している。手掛けているのはマンチェスターでAficionadoというレーベル/パーティーを主宰するバレアリック系のアーティストであるMoonbootsで、MFDのレーベル紹介としてではなくあくまでバレアリックという音楽性に沿って選曲を行っていて、これがまたジャンルや時代を超越してムーディーな世界を作り上げており素晴らしい。ミックスではなく敢えてコンピレーションな事で、それぞれの曲毎の良さを十分に体感出来る、またそれだけにどの曲もそれだけで成り立つ質の高さが保証されており、Moonbootsの審美眼が光っている。アルバムはシンプルなピアノのメロディーとゆったりと浮かび上がるストリングスによるインスト曲の"Simple Trust"で始まるが、静謐で穏やかな響きは何処までも澄んでいて、この時点でもう気分はうっとり。続くはDavid Darlingによる"Cello Blue"で、鳥の囀り等のフィールド・レコーディングに加えチェロとピアノの落ち着いて優雅な旋律を聞かせるニューエイジ色の強い曲だが、スピリチュアル性に向かうでもなくあくまで自然体な響き。そしてJuly Skiesの"The Softest Kiss"、Beginの"Names In The Sand"とアコースティック・ギターの爽やかな響きが強調されたフォーキーな曲も続き、エヴァーグリーンな豊かさも聞かせる。一転してクラブ・ミュージック側からの選曲としてはFarbror Resande Macによるサイケデリックで幻惑的なダウンテンポの"Janne"、Gryningenによるしなやかなストリングスが延びメロウなギターが広がっていく海沿いのBGM的な"Fran Andra Hand Till Stranderna I Nice"もあり、ジャンルとしての制約から解放されて美しくメロウな曲が続く。後半ではジャズトリオであるBombay Hotelによる年を重ねて熟成されたような深い哀愁が滲み出るフュージョンの"Between Leaves"、Matt Deightonによるジャズの影響が感じられるフォーキーな"Tannis Root"もあり、円熟味は高まっていく。そしてラストはMFDでも活躍するThe Swan & The Lakeによる"Waiting For Spring"、可愛らしいマリンバに先導され浮遊感のあるシンセが広がっていく天上一直線なニューエイジ/アンビエントなこの曲はこの世とは思えない程に美しい。ここにはジャズやフォーキーなロックにフュージョン、アンビエントやダウンテンポにニューエイジなど複数のジャンルの音楽が収録されているが、それらはある種の雰囲気で統一されており、その感覚こそバレアリックを形成するものだ。特に本作ではメランコリーという感情が強く打ち出されており、ダンスで踊り疲れた時や忙しない日常の癒やしとなるであろう音楽がここにはある。



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| ETC4 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Swan And The Lake - Clouds + Moments (Music For Dreams:ZZZCD0127/107)
The Swan And The Lake - Clouds + Moments
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明らかに賑わいを見せているバレアリック・シーンではInternational FeelやMusic From Memoryなど新興勢力の台頭に依るものが大きいだろうが、その一方でより以前からバレアリックを深掘りしているレーベルにも注目が向けられる機会もあり、例えばデンマークはコペンハーゲンのMusic For Dreamsは2001年から運営を続けているこのジャンルでは老舗とも言える名門レーベルだ。ダンスやロックにジャズやヒップ・ホップにその他色々なジャンルに渡って作品をリリースしているが、それらはチルアウトやバレアリックに包括されるべき内容で、長い運営を続ける中でこの種の音楽の拡張と深堀を行っている。そんなレーベルから今一押しなアーティストがデンマークのEmil BreumによるThe Swan And The Lake(「白鳥と湖」、なんてアーティスト名なんだ!)で、2016年と2017年にはアナログで『Moments』と『Clouds』をリリースしてちょっとした注目を集めていたが、この度目出度く2枚セットでのCD化が成されている。The Swan And The Lakeの音楽は何と言えばよいのか、ほのぼのとした雰囲気の中で何処までも穏やかな地平が続くリスニング仕様な音楽は、アンビエントと言い切るのも難しくもニュー・エイジぽさもありチルアウトの落ち着きもあれば、開放的なバレアリックなムードもある。オープニングは悲哀の強いキーボードと控えめに挿入されるコンガに泣きを誘われる"Fresh Food"からしてしっとり情緒的な出来だが、逆にノンビートながらもLarry Heardぽさもある安らぎのシンセコードを展開しバレアリックな爽快感のある"Clouds Over Osterbro"もあったり、透明感のある美しいシンセを丁寧に聞かせながらパーカッションやマリンバ等の温かみのある響きも用いて人間の感情性を伝えるような作風だ。特に美しいバレアリック性が強いのは"Summer In December"だろう、青空の中に消えてしまうような美しいシンセが浮遊しながらそこに優しさに包まれるスパニッシュ・ギターが歌うような開放感抜群のフローディング・アンビエントは、その無重力感もあって何物にも束縛されない。または"Deep Red"のようにシンセが層になったようなドローンが持続する抽象的なアンビエント、嬉々としたマリンバがダンスを踊るようなクラシック的な"Moment Of Lost Swans"、味わい深いスパニッシュ・ギターにより夕暮れ時の海辺で感傷に浸るような"Dive"、映画のワンシーンに使われるようなロマンティックで情感たっぷりな歌モノの"Weather"など、意外にも曲毎に作風の変化を見せたりもする。そんな幅の広さはあってもThe Swan And The Lakeのシンプルな美しさはどの曲に於いても不変で、曲毎に風景を喚起させるシネマティックな作風によって夢の中を彷徨うようだ。CD化に際してはアナログ未収録の曲も追加されており、これは是非ともお勧めのアルバムである。





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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Joris Voorn - Fabric 83 (Fabric Records:fabric165)
Joris Voorn - Fabric 83
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かつてRichiw Hawtinが成し遂げたPCによって各曲を最小のパーツにまで分解し、それらを再度組み立て上げて同時に複数のパーツを層のようにミックスする事で、新たなる曲として創造する手法は今では決して珍しいものではない。またその手法が時としてライブ感を失い、見せびらかすように芸術的な面だけを強調してしまう恐れは多々あり、例えばオランダのテクノ貴公子ことJoris Voornについては典型的にその例に挙げられよう。活動の初期は複雑なミックスをする事なくテクノ・クラシックも多用しながら若いエナジーが溢れがつがつとフロアを盛り上げていたプレイも、近年リリースしたMIXCDでは多数の曲を糸を細かく編み込むような芸術的なミックスを披露する事に専念し、何かクラブの衝動は欠けていたように思われる。そんな折、新たに発表されたFabricシリーズからのMIXCDには、何と20トラックの中に65曲を詰め込むという以前からの手法を踏襲した内容だ。そこにまたもクラブの熱狂は存在しているのか不安になったが、そんな心配はどうやら杞憂だったようだ。本人が「Abletonがターンテーブルなどでは成し得ない、エディットとミックスとリミックスを可能にした」と述べているように、正にPCでしかありえない重層的なミックスをしながら各曲の繋ぎ目さえも消え去ったシームレスなプレイを披露しているが、それはまた目的ではなく手段として活かしながら、ミックスによって新たなる曲を創造しながらフロアのディープな感覚も確実に残す事に成功している。Jorisらしい美しいメロディーや感傷的なムードに甘い陶酔感はたっぷりと発揮されているが、侵食され何時の間にか抜け出せないミニマルな機能美やドラッギーなトランス感は間違いなく真夜中のフロアで体験出来るそれであり、それらが自然と一体化してドラマティックな世界観を構築している。また単にテクノやミニマルだけでなく、プログレッシヴ・ハウスやスピリチュアルな歌モノやエレクトロニカなど、多様なジャンルの音から要素を抽出しながらそれを違和感なく溶け込ませる手法は、ここをピークに迎えているようだ。勿論本作のような余りにも緻密な構成は生のプレイでは再現する事は不可能だろうが、しかしリリースされる作品としては本作は究極的な表現でもあり、それがフロアの空気も伴っているのだから素晴らしい。



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| TECHNO12 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deadbeat - Radio Rothko (theAgriculture:AG052)
Deadbeat - Radio Rothko
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Basic Channel好きなら是が非でも買いなさいと断言するミニマルダブミックスの決定打となる一枚が登場。これを手掛けるは昨今のミニマルダブシーンで確実な評価を得ているDeadbeat、そしてマスタリングにはPoleことStefan Betkeを迎えております。Deadbeat自身がライナーノーツでベーチャンの多大なる影響を延々と語っている事からも分る通り、本作はベーチャンとそのフォロワー達による楽曲がほぼ占めており、全編通して最高に気持ちの良い残響音を感じられるミニマルダブとなっております。一応展開を分けるなら序盤はテクノ、中盤はレゲエ、終盤はハウスと言う括りも出来る内容ですが、どこを切り取ってもエコーやディレイが絶え間なく響いていて脳味噌も融けてしまいそうな恍惚の沼が広がっております。幾層にも被さりながら地平線の彼方まで広がる残響音は、正にベーチャンから始まったミニマルダブの極み。内容的にはベタベタなミニマルダブで驚きも特には無いのですが、懐古的な選曲だけでなく近年湧き出てきたフォロワー達のトラックもしっかりと使用していて、ベーチャンの系譜が今でも継続している事を感じさせくれるのは嬉しい限り。ベーチャンが蒔いたミニマルダブの種は、続々と開花している様でもある。

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| TECHNO8 | 15:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |