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MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog]
MEZZANINE REMIX TAPES 98 [12 inch Analog] (JUGEMレビュー »)
Massive Attack
名作MEZZANINEリリース時に予定されていたマッド・プロフェッサーによるダブ・バージョンが、今になりリリース。こちらはアナログ盤。
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メザニーンのリマスターに、上記のダブバージョンを合わせたCD2枚組。
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2019/6/21 Music Of Many Colours with Vince Watson @ Contact
古典なディスコやハウス・ミュージックをプレイするというイメージの強いDazzle Drumsが、しかし2017年に立ち上げた「Music Of Many Colours」はそんなイメージを塗り替えるべく様々な要素を持った音楽を展開するという意味が込められており、彼らのプレイの中には例えばテクノやプログレッシヴ・ハウスにヒップ・ホップやソウルなど様々なジャンルが混在している。今回その最新パーティーのゲストで出演するのはデトロイト・テクノの強烈なフォロワーであるVince Watsonで、以前からDazzle Drumsも彼の曲である「Eminescence」を積極的にプレイしていたが、この度念願叶ってようやくパーティーへの出演が決まった。そしてセカンドフロアには日本からシンセサイザー等のハードウェアを駆使して一人でブギーなシンセ・ファンクなライブを行うSauce81も出演と、この日は特にライブに力が入ったパーティーとなる。
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| EVENT REPORT7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Captain Vinyl Presents Diggin' Disco (Universal Music:UICZ-1681/2)
DIGGIN DISCO presented by CAPTAIN VINYL
Amazonで詳しく見る(日本盤)

2018年7月22は『サタデー・ナイト・フィーバー』が日本で公開されてから丁度40周年だったそうで、それに合わせて各レコード会社がDisco Feverキャンペーンとして色々なディスコ関連の作品を制作していた。本作もその一連の作品であり手掛けているのは「Captain Vinyl」を名乗る二人、キング・オブ・ディギンことMuroと日本におけるガラージ/ディスコの伝道者であるDJ Noriだ。Captain Vinylは渋谷はContactにて毎月最終火曜の夕方に開催されているパーティー名でもあり、熱心なディガーである彼らが7インチレコードをメインに用いて自由なジャンルで自己表現を可能とする場だ。そんなユニット名が冠された本作は前述のキャンペーンに関するものなので基本的にはディスコを軸にしているが、流石はベテラン中のベテランで聞く者を楽しませる/幸せにするような選曲が貫かれており、またディスコを知らない人がそれにのめり込んで行くのも助けるクラシカルな選曲でもあり、ディスコの魅力を実直に伝えてくれる。Noriサイドはいきなりジャズ・ファンクの傑作でありハッピーな気持ちにされてくれる"Happy Music"から始まり、レゲエ色強い土着ディスコな"Now That We've Found Love"や煌めく色彩感覚がモダンなフュージョンの"Starchild (Remix)"など名作もがっつり用いつつ、"Finally (Choice Mix)"や"The Whistle Song (Ek Mix - Fade)"など心を熱くするソウルフルなハウス・クラシックも用いるなど、ディスコから派生したハウス・ミュージックへも手を広げて歴史を紐解く。中盤の"I Wanna Rock You"から"I Feel Love"など快楽的なシンセベースを用いたディスコの大傑作2連発にはどうしたって笑みがこぼれてしまう展開もあるが、後半には" My First Mistake"や"Any Love"などストリングスやギターにベースなど生演奏を軸にゴージャスかつ人情味溢れる熱い曲調のディスコへと振れて、偏にディスコと言っても色々なスタイルを楽しませてくれる。一方でMuroサイドも初っ端から耳を惹き付ける選曲で、哀愁あるヴォコーダとポップなサウンドで煌めく雰囲気の"The Sound Of Music (European Mix)"で始まり、陽気なノリを保ってハッピーな気持ちにさせてくれる歌モノなソウルフル・ディスコの"I Need Your Lovin' (M+M Lovin' All Night Mix)"や"Circles (Joey Negro Extended Disco Mix)"を通過するが、ポップなメロディーだけではなくズンズンとした肉感的なグルーヴ感も強く打ち出して熱気溢れるディスコ・フロアを喚起させる。中盤以降にはディスコ・パーティーで聞き覚えがあるだろう汗迸る激熱ファンクな"I Just Wanna Do My Thing"からストリングスも華やかな歌モノディスコの"Let's Go All The Way (Down)"などこちらもクラシックを繋げて、ラストはドラム・パーカッションが爽快な晴々しい正にハッピーな"Happy Feet"で締め括る。どちらもベテランDJとしての横綱相撲的なディスコの王道を用いながら、しかしソウルフルな感情性が強いNoriサイドに対し弾けるグルーヴ感重視なMuroサイドとそれぞれがアピールする音楽性でも明確に差が現れており、この2枚組で十分にディスコの魅力を堪能出来る企画物としてお薦めである。

Tracklistは続きで。
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| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Ghost Vision - Shakuhachi (Love On The Rocks:LOTR017)
Ghost Vision - Shakuhachi
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TelephonesやFantastic Manもカタログに名を連ねる新世代のニューディスコ/バレアリック系レーベルであるLove On The Rocks、その新作はGhost Visionなる聞き慣れぬユニットによるものだ。実はPsychemagikのDanny McLewinとUKのThomas Gandeyによるユニットで、このリリースの直後にもKompaktから作品をリリースしたりと、デビュー直後ながらも注目を集めるには十分な存在だ。タイトルが「尺八」にもかかわらず音源に尺八が使われているようでもなければ、和風な音楽性でもなく、曲自体は非常にLove On The Rocksらしい豊かでポジティブな雰囲気のあるブギーなニューディスコ系で、彼等のデビューを華々しく飾っている。オリジナルの"Shakuhachi"は突っかかりのあるディスコなリズムを刻み、そこに煌めくシンセを配しながら優美に伸びるロマンティックなパッドやシンセボイスがメロディーを作り、そして官能的な吐息を時折挿入して、80年代シンセ・ポップなの明るい雰囲気もあるディスコサウンドが実に懐かしく心に染みる。オリジナルの素晴らしさと共に2曲のリミックスもまたそれぞれ個性があり、Innervisionsの活躍も懐かしいTokyo Black Starによる"Shakuhachi (Tokyo Black Star Atlantis Remix)"は直線的な4つ打ちに変更しつつすっきり音を削ぎ落として、その分だけ低音の躍動的なベースが浮かび上がってDJツールとしての機能性を高めたリミックスに仕上がっている。逆に普段はテック・ハウス寄りなAl Kassianによる"Shakuhachi (Al Kassian Remix)"は、原曲のアタック感の強さはそのままに中毒的なアシッド・ベースのずぶずぶした要素を追加し、派手さを活かしながらディスコとレイヴが鉢合わせした享楽性の中にメランコリーを持ち込んだフロア受けの良さそうなリミックスを行っている。パーティーの早い時間帯からピークタイム、そしてアフターアワーズまで、3つのバージョンそれぞれに合う時間がありそうで、流石Love On The Rocksらしいハッピーでディスコティックな作品だ。



Check Ghost Vision
| HOUSE13 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deetron - DJ-Kicks (!K7 Records:K7359CD)
Deetron - DJ-Kicks
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3台のターンテーブルを駆使してヒップ・ホップ上りのミックステクでハード・テクノなDJをしていたのも今や昔、制作するトラックもいつしかメロウでソウルフルな感情性豊かな作品へと移行し、上手く時代の波に乗って進化を遂げてきたDeetron。マイペースで作品をリリースしアーティストとしての確かな評価を獲得しつつ、『Fuse』や『Balance』に『Fabric』等の名物MIXCDシリーズにも抜擢されてきたDJとしての手腕もあり、かつてのハードテクノ勢の中では面白い変化を見せながら独自の音楽性を確立しているが、遂にこの『DJ-Kicks』にも参戦とはやはり海外での評価は日本よりも確かなようだ。本作でも分かる通りテクノ〜ハウスの境目を融かすように混在させる選曲の審美眼、ダンスとリスニングの親和性、デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスのクラシックからモダンな時代の曲までと、どれにも偏らずに一つの流れへと組み込んでいくバランス感は比類なきモノで、80分34曲に渡るシームレスなミックスは優雅でさえある。オープニングからしてCarl Craigのガラス細工のような繊細な美しさを発する"Goodbye World"で始まり滑らかにビート入りの曲がミックスされ、古き時代の変異体ディスコの"School Bell / Treehouse"でアクセントも盛り込みつつ、シカゴ・ハウス名作の"Waterfall (Deetron's DJ-Kicks Version)"で垢抜けないながらも原始的なソウルの感情性を高めていく。そこからもジャズ・ファンク色なBurnt Friedmannからインテリジェンス・テクノな趣きのSpacetime Continuum、変異体テクノのMorgan Geistなどジャンルはばらばらなれどエモーショナルな共通項で雰囲気を作っていく。中盤ではDJ Kozeの甘美なサイケデリアの"Let's Love"からRon Trent & Chez Damierの幻想的でディープな朝方をイメージする"Morning Factory"へと繋がる瞬間が得も言われぬ程に素晴らしく、そこからはややテクノ寄りにグルーヴ強めの流れへと入り、リズムの崩れたダブ・ステップや逆にソウルフルなボーカル曲も用いて後半に向けて盛り上がる。そんな中にも古き良き時代のAIテクノのBlack Dog Productionsによる"Flux"を聞くと懐かしさが込み上げたりもするが、DeetronやDJ Boneによる骨太で激しいテクノもミックスしながら突入するFloorplanからTerraceにDerrick Mayのデトロイト系繋ぎの流れは非常にドラマティックで、非常に押し引きが上手い。そして混沌としたベース・ミュージック風な"Old Fashioned"から一気にテンションが落ちて、レフトフィールドなポップソングの"Strange Emotion"で今までの喧騒から解放される静謐な閉じ方は心残り無く綺麗に音が消えていく。いまいち日本に於いてはその実力に対しての正当な評価を獲得しているようには感じられないが、本作はそんな評価を覆すには最適なMIXCDで、Deetronのエモーショナルな音楽性を十分に堪能出来る事だろう。



Check Deetron

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| TECHNO13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dazzle Drums - Music Of Many Colours (MUSIC 4 YOUR LEGS:MFYLR003)
Dazzle Drums - Music Of Many Colors
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待ちに待っていた、実力のあるDJだからこそようやくと言う思いが強いDazzle Drumsによる初のMIXCDが完成した。NagiとKei Suganoによる夫婦ユニットのDazzle Drumsは、決して追い風とは言えない現在のダンス・ミュージックのシーンにおいても、毎月自身によって「Block Party」を開催し続けて徹底的に現場感を重視した活動を行っている。一般的なイメージではハウス・ミュージックやそれのルーツでもあるディスコを中心とした音楽性というイメージはあるだろうが、しかし彼等のパーティーに行けばハウスやクラシックだけに収束せずにテクノやアフロ、プログレッシヴ・ハウスにR&B等流れにハマるものであればプレイする許容性があり、そして過去へのリスペクトと共に常に未来を見据えた視点を持っている事を肌で感じるだろう。本作もそんなDazzle Drumsの現場でのプレイが反映された選曲で、ソウルフルなハウスからアフロやラテン、そしてテクノ色の強いディープな曲まで今の彼等が存分に体感出来るプレイを披露しており、どんなDJかと知るには最適な内容になっている。先ずは自身の曲である"In Da Rhythm (Block Party Mix)"でざっくりとして揺れるリズム重視に落ち着いたスタートを切ると、そこからジャズ/ファンク色の強い"Flight Formation (Danny Krivit Edit)"で一気に熱量と感情を高めてソウルフルな流れに引き込んでいく。続くは最近のDazzle Drumsが推し進めているアフロビートな"Paradise (Dazzle Drums Album Mix)"で疾走感も帯びて、そこにツール系の"BT1"も織り交ぜて展開を途切らせずに緩急を見事に操りパーティーの臨場感さえも再現しているようだ。中盤でも土着的な薫りが立ち込めるトライバル系から爽快なアフロ/ラテン系で攻め、ラテンやディスコの要素もありながらドラッギーなハウスの"Djidjo Vide (Jose Marquez Remix)"や"Black Queen (Enoo Napa Afro Mix) "等でディープな闇のフロアに嵌めていき、古典を尊重しつつも今という音にも向き合っている。後半はピークに向けて盛り上がっていくドラマティックな展開が待ち受けており、太陽の日差しを浴びるようなソウルフルなボーカル・ハウスの"Don't Stop (The Music) (Kiko Navarro Vocal Mix)"、そしてしっとりと甘いと吐息を感じさせる情熱的な"Right Here Right Now (Hallelujah Anyway) (DJ Spen, Gary Hudgins & Thommy Davis Remix)"からフロアヒットした漆黒のディープ・ハウス"Eminescence"への流れはフロアで聞けば間違いなく歓声が沸き起こるだろう。ずっと長い間DJを続けていた経験があるだけに当然の如く下手なモノが出来る上がるわけはないが、しかし本作では大半の曲がここ2〜3年内にリリースされた曲である事で、ある種古典がもてはやされるハウス・ミュージックの中でも彼等の視点は前を向いている事が素晴らしく、だからこそジャンルも意識する事なくプレイするし広がりのある姿勢に可能性を見出だせるのだ。尚、ディスク2はアンミックス仕様なのでDJの方には便利に使える事だろう。



Check "Dazzle Drums"

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| HOUSE12 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2016/9/4 World Famous presents Label Release Party @ Vent
Origami、Arcと残念ながら短命に終わった場所に8月末、Wall&Wallという箱の名で夜のパーティーの際はVentという名になるクラブが新たに生まれた。過去のクラブの際には良い点も悪い点もありつつ長続きしない不安定な場所だが、果たして生まれ変わったクラブは一体どうなっているのか。今回はAlex From Tokyoが主宰するWorld Famousのレーベル・パーティーと言う事もあり、レーベルから作品をリリースしているTokyo Black Starとマルチ・ミュージシャンであるBing Ji Lingがライブを披露する予定であり、そしてDJにはTRとDJ Nori、そしてAlex From Tokyoも参戦とレーベルの新作リリースを祝うには最適な面子が集結した。
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| EVENT REPORT6 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tokyo Black Star - Fantasy Live 1999 (World Famous:WF-004)
Tokyo Black Star - Fantasy Live 1999
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Alex From Tokyoが主宰するWorld Famousの新作は、2015年末になり再始動を果たしたTokyo Black Starによるアルバムだ。元々はAlexと熊野功雄によるユニットで今となっては大御所レーベルとなったInnervisionsの第一弾アーティストであった事も懐かしいが、現在では高木権一も加わりトリオとして活動をしている。壮大なエレクトロニック・ハウスから肩の力が抜けた優しいディープ・ハウスにミニマルな作風まで作品毎に姿形を変えつつ、昨年の「Edo Express EP」ではアシッド・テクノも披露するなどその深化は止まらない。そしてこのニューアルバムは、アルバムという体でありながら恐らく全曲新曲の40分にも及ぶライブをイメージしたコンセプト・アルバムなのだ。元となったのは「東京の下北沢にあるBasement Barで、とある即興のライブパフォーマンスを録音した、伝説的でクレイジーな一夜」だそうで、それが一体何であったのかは不明なものの、真夜中の興奮をライブ風に演出したと考えてよいだろう。アルバムは開始からどぎつく快楽的なシンセのアルペジオやベースで始まり、生々しいスネアやキックがライブ感を余計に強く体感させる。そこから闇の空間を切り裂くように挿入される美しいパッドが、ゆったりと開放感のあるディープ・ハウスへと向かわせ、そしてまたもやコズミックなシンセやSEが導入されるハウスで深い世界へと潜り込み…Part1のラストはファンキーなスラップベースが前面に出たエレクトロ系で幕を閉じる。そしてPart2へと移ると次第に琴やガムランのようなエキゾチックな音色が現れ、極東のダブとでも呼ぶべき不思議な響きに包まれる。そこからのKraftwerkばりのロボット・ボイスを活用した和風エレクトロな流れからの、最後は強烈なアフタービートを刻むレゲエ風なアフロ・ハウスの"Mitokomon"と、これ程までに様々な音を経由する世界観は確かにファンタジーに相応しいライブ、ファンタジーな旅であろう。何処か垢抜けないドラム・マシーンによるリズムは生々しさが強調され、和洋折衷のコスモポリタンな旋律や、テクノもハウスも融け合いダンス・ミュージックとのみ表現出来るビート感によって、収束ではなく拡散する音楽性は3人体制になったTokyo Black Starだからこそだろうか。作品の特性上DJ向けの作品ではないものの、リスニングや仮想のライブ盤として楽しめる1枚だ。



Check "Tokyo Black Star"
| HOUSE12 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Bing Ji Ling & Alex From Tokyo Present... (World Famous:WF-003)
Bing Ji Ling & Alex From Tokyo Present...

かつて日本に腰を据えて活動をしていたAlex From Tokyo、現在はNYにて拠点を移しつつWorld Famousも主宰しDJのみならずアーティストとしても活動を継続している。本作はAlex From Tokyoの盟友であるBing Ji LingによるWorld Famousからの新作で、Lil' Louisの名作である"Club Lonely"のカバーを収録している点でも注目だが、その上Alex From TokyoのユニットであるTokyo Black Starのリミックスも収録するなど、話題に事欠かない。先ずは新曲となる"Not My Day"だが、以前にアコースティック・カバーのアルバムを手掛けたBing Ji Lingのイメージからはかけ離れ、ダビーな電子音が揺らぐような効果を生み出すバレアリック気味なハウスになっている。肩の力が抜けた大らかなリズム感に広がりを演出するダビーなシンセのメロディーに生っぽいベース音など、全体として温かく微睡むような雰囲気はレゲエぽさもあり、これから暑くなる真夏のシーズンに最適だろう。そして前述したカバーとなる"Lonely People"、これはカバーアルバムに収録されていた物の再録だけあり、確かにリズムはスカスカで艶っぽい歌と湿っぽい演奏による簡素な構成が清潔感を漂わせている。一方でそれら2曲をTokyo Black Starがリミックスした曲は、間違いなく真夜中のダンスフロア向けのディープ・ハウスになっており、グルーヴの強度を増して闇にはまる仕様だ。鋭利なパーカッションや硬いリズムにトリッピーなシンセを加え、ズブズブと深く潜っていくような覚醒感を伴う"Not My Day (Tokyo Black Star Remix)"、カバーの独特な旋律を残しながら重い低音がカチッとしたリズム感を作る事でファンキーに仕上げた"Lonely People (Tokyo Black Star Club Retouch)"、どちらも過度に装飾をし過ぎる事はないが重厚感や壮大さは増してダンスフロアを刺激する。その意味で野外向けか屋内向けか、また昼夜で分けて使えるような性質の曲が収録されており、使い勝手も良いだろう



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| HOUSE11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Defected Presents House Masters - Masters At Work Volume Two (Defected Records:HOMAS24CD)
Defected Presents House Masters - Masters At Work Volume Two
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ハウス・ミュージックという音楽の中で最強のコンビ、それはLouie VegaとKenny Dopeから成るMasters At Workである事に異論はないだろう。いや、単にハウス・ミュージックという枠組みの中だけで語る事は最早困難で、二人の異なる多様なルーツが混ざる事で、ラテンやアフロの血湧き肉躍るビート感やソウルフルな歌と情熱的な旋律でアンダーグラウンドなダンス・トラックからポップな音楽までクロスオーヴァーし、時代を先取りながら後世に残るクラシックを膨大に生み出した稀代のDJ/アーティストだ。オリジナルからリミックスまでその素晴らしい作品群は嘘偽り無く膨大であり、レアな曲まで含めればその全てを集めるのは困難に等しい。そんな状況下で2014年にリリースされた第1弾(過去レビュー)のコンピレーションだけでも40曲収録であったが、それから1年経ってリリースされた第2弾の本作でもまたもや40曲収録と、両者を揃えればMAWの魅力を十分に理解するには十分過ぎる程のボリュームと質だ。喜ばしい事に4枚組というボリュームを活かしてどの曲もフルバージョンで収録されており、例えばGeorge Bensonによるメロウなギターと憂愁の歌、そして優しく包み込む美しいキーボードがフィーチャーされた"You Can Do It (Baby) (Nuyorican Style Mix)"は15分での完全版で聴く事が出来るのは、想像するだけで感涙必至だろう。またLoose JointsやFirst Choice、Donna SummerやNina Simoneなど過去のディスコやジャズに於ける巨匠の名曲を、MAWがリミックスして再度生まれ変わらせるように新たな魅力を引き出した曲も収録されており、当方のようにそんなリミックスを知らなかった人も多いだろうから守るべき遺産を世に知らせるベスト盤としての価値もあるのだ。ちなみにレーベルの広報によればクラブ向けの曲を中心とした第1弾に比べると、本作はどちらかと言うと緩んでリラックスしダウンテンポな曲が多いとの事だが、実際に聴いてみればそれは雰囲気からの判断で、実際にはメロウながらもMAWらしいざっくりと生っぽくも躍動感のあるグルーヴが通底している。文句無しに素晴らしい至宝のハウス・ミュージックが並んでおり、第1弾と合わせて聴けば一先ずMAWでお腹いっぱいになるだろう。



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| HOUSE11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Prins Thomas - Paradise Goulash (Eskimo Recordings:541416507275)
Prins Thomas - Paradise Goulash
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ノルウェーのニューディスコ大使と称されるPrins Thomasによる新作は、計3枚にも渡ってジャンルの壁を取っ払って、兎に角あらゆる音楽を楽しんで貰う意図でミックスされた大作だ。そのタイトルからも分かる通りNYの伝説的なクラブであるParadise Garageへのトリビュート的な内容であり、確かにジャンルレスという点においてその意思を受け継ぐコンセプトであろう。元々2007年には同様にニューディスコだけに限定されずに底抜けの多幸感を打ち出した怪作である『Cosmo Galactic Prism 』(過去レビュー)を披露しており、それを前提とすると2014年にリリースされた『Rainbow Disco Club Vol.1』(過去レビュー)はテクノを中心としたミックスとなった事で奇妙なユーモアは後退し、彼らしい賑やかなごった煮サウンドによる恍惚感は喪失してしまっていたと思う。そんな流れを踏まえて、本作は再度ジャンルレスかつタイムレスな選曲を行う事で、単にダンス・ミュージックの躍らせるという機能性だけにこだわらずに、変幻自在な流れによって惑わされながら何処か掴み所のない恍惚状態を引き起こす面白い作品に出来上がったと思う。勿論様々なジャンルは用いながらもバランスを壊す突飛な流れにはなっておらず、CD1〜3の流れに沿って大まかなジャンルの区分けはされている。CD1は最もレイドバックしており、牧歌的なロックから始まり民族的なジャズや懐かしみのあるハウス、夢現なアンビエントから艶かしいファンクを通過してのディープなアシッド・テクノまで、肩の力が抜けたプレイでゆっくりと温めながら多用なリズムと音色によって先ずは肩慣らし的な導入だ。CD2では2000年以降のニューディスコやテクノにハウスなど現代的なダンス・ミュージックが中心となり、徐々にビートは力強さを増しながら夜のパーティーへ向かうざわめきを喚起させる魅惑の快楽的な時間帯へと突入する。その流れを引き継いだCD3ではより快楽的な真夜中の時間帯から始まり、ディープかつミニマルな流れを保ちながらエクスペリメンタルな電子音楽へと遷移し、湿っぽく可愛らしいジャズやライブラリーミュージック的なリスニングの曲、そして熟成したような味わいのあるプログレッシヴ・ロックを経過して下降気味に終焉へと向かう。CD3枚に渡って起承転結がはっきりとした流れは非常にスムースで、パーティーの始まりから終わりまでを意識したようにも感じられるし、多数のジャンルを過剰に詰め込んだ事でその情報量の多さに抵抗の出来ない恍惚感も生まれている。流石に3枚合わせて200分越えなのでお腹いっぱいにはなるものの、Thomasらしく外向きの享楽的なパワーが発散するDJプレイが目に浮かぶようで、やっぱりこんなミックスが彼らしいと思わせられる内容だ。



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| HOUSE11 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Prosumer - Fabric 79 (Fabric Records:fabric157)
Prosumer - Fabric 79
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Berghain/Panorama Bar一派の中でも特にハウス・ミュージックに対しての誠実な愛を表現するProsumer。既にPanorama Barレジデントから身を引き、今ではそういった肩書きに左右される事なく世界各地のパーティーでプレイしているが、そんな彼にとって3年ぶりとなるオフィシャルMIXCDは名門Fabricからとなる。前作は古巣Ostgut TonからPanorama Barシリーズの一環としてのMIXCDだったが、Fabricからのリリースとなる本作も基本的にはProsumerの普遍的なハウス・ミュージックに対する視線は変わらない。MIXCDの冒頭を飾る"Time"からして93年作となる古典的なハウスだが、その軽快でパーカッシヴなグルーヴとシンプルで素朴なピアノのメロディーからは正にクラシカルという趣が発せられている。続くは妖艶なストリングスが先導するChez Damierによるこれまたクラシックな"Untitled B2"で、やはりProsumerのプレイはオールド・スクールという風格があるのだ。その後もA Black Man, A Black Man And Another Black ManやThe Traxxmenなどシカゴのゲットーハウスも登場し、序盤は素朴ながらも粗雑な質感のハウスでファンキーな展開を推し進めている。それ以降はクラシックなハウスも織り交ぜながらも、洗練されたモダンなディープ・ハウスから仄かに情熱的なテック・ハウスなどを中心に滑らかな展開で、ハウス・ミュージックの4つ打ちのグルーヴの心地良さを組み立てていく。面白いのは中盤でブレイク・ビーツやジャジー・ハウスを使用している時間帯だろうか、さらっとしなやかなビートと華麗な世界観を作り上げ、ほんの短い時間ながらも優雅に舞い踊るような瞬間さえもある。その後は再度、最新のハウスから古き良き時代のシカゴ・ハウスまで通過しながら、最後には82年作の"She's Got Her E.R.A."による艶かしいファンクでしっとりと幕を閉じる。新旧ハウス・ミュージックを織り交ぜながら決して大仰になる事なく、丁寧に曲のメロディーや雰囲気を尊重しながら繋ぎ合わせ最後までダンサンブルな展開を作るプレイは、正にハウス・ミュージックの感情的な面を表現しておりこれぞProsumerの持ち味が表現されている。




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| HOUSE10 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2015/1/16 The Field Live In Tokyo 2015 @ Unit
昨年の来日ツアーから丁度一年、今年は東京のみとなるがThe Fieldが来日ライブを披露する。昨年はアルバムをリリースしたばかりであった上に、バンド体制ではなくソロでのライブという点で新生The Fieldを体験出来る意味合いもあった。しかし、今回は特にアルバムリリースもなかったので昨年からの変化はないのではと気になる点もあったが、ファンとしては素直にThe Fieldの音楽をあるがままに楽しみたいと思い遊びに行ってきた。そしてその脇を固めるのは日本からはHiroshi WatanabeとGonno、Berghain系のOstgut-TonからBarker & BaumeckerのBarkerと、DJ陣も全く隙のない実力派が揃い、パーティーの体制は万全だ。
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| EVENT REPORT5 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Koze - Reincarnations Part 2 - The Remix Chapter 2009 - 2014 (Pampa Records:PAMPA 010CD)
DJ Koze - Reincarnations Part 2 - The Remix Chapter 2009 - 2014
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テクノ/ハウスというダンス・ミュージックにおいて奇才と呼ばれるアーティストに誰がいるだろうか。単に奇抜なだけではなく、それがダンス・ミュージックとして実用性を兼ね備えながらアーティストの個性を確立させるとなると、それは非常に限定されるかもしれない。しかしドイツはハンブルクのStefan KozallaことDJ Kozeは、自信を持って奇才と呼ぶに相応しい存在だ。彼の活動は実験的な要素の強いAdolf Noise、ポップな音楽性を打ち出したInternational Ponyと複数の名義に渡るが、最もテクノやダンス・ミュージックにユーモアを加えているのがDJ Koze名義なのだ。本作は2009年にリリースされたリミックス集である"Reincarnations : The Remix Chapter 2001-2009"(過去レビュー)の続編となり、DJ Kozeが2009〜2014年までに手掛けたリミックス作品が収録されている。リミックスを"Reincarnations"="再生"と表現するその作風は、確かにそこに何か別のものを何か加えて生まれ変わらせているとしたら、これ程的確な表現はないだろう。正直に言えばDJ Kozeのその奇才は強過ぎる個性を発する故か、全てのリミックスが万人受けするわけではない。だが"Jo Gurt (DJ Koze Remix)"を聴いてみて欲しい、霧もやの奥に妖精たちが住む風景が浮かび上がるような幻想的に微睡んだ世界観は、ダンス・ミュージックに童心のような遊び心を加えている。原曲の物哀しくもポップな空気を纏いつつも機能的なミニマルなグルーヴに生まれ変わらせた"Bad Kingdom (DJ Koze Remix)"や、柔らかいビートとアブストラクトな音像でアンニュイさを強めた"It's only (DJ Koze Remix)"など、そのリミックスの方法は一方通行ではなくフロアで活きる機能性とポップな趣向や自堕落なユーモアなどが共存し、リスニングとしても耐えうる独自の音楽に再生させているのだ。本作はDJ Kozeによるリミックス集ではあるものの、最早これはオリジナルアルバムと呼んでも差し支えない程にDJ Kozeの個性が光っており、風変わりなダンス・ミュージックを愛する者の心をくすぐる一枚となるだろう。




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| HOUSE10 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Henrik Schwarz - House Masters (Defected Records:HOMAS20CD)
Henrik Schwarz - House Masters
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ハウス・レジェンドの作品を纏め上げるシリーズ「House Masters」も、初のリリースから6年で遂に20作目の大台に乗せた。そんな祝福すべき20作目を担当するのは、トラックメーカーとして非凡なる才能を持つHenrik Schwarzだ。原曲を越えた再構築を施すリミックスの手腕、そしてテクノからハウスにジャズや黒人音楽など多岐に渡るトラックメイカーとしての才能、そしてDJではなくライブを中心とした活動は、このシリーズに最も相応しくあり正にアーティストと呼ぶべき存在だ。しかしながら今までに多数の素晴らしい作曲を行い、また数えきれない程のリミックスを手掛けてはいるものの、オリジナルアルバムは未だ制作されていない。本作はその穴を埋めるような意味合いもあるHenrik Schwarzのベスト盤とでも呼ぶべきコンピレーションであり、彼が手掛けた活動初期からの作品が網羅されている。夜な夜なパーティーで踊っている人ならば、どれもこれも間違いなく聴いた事がある名曲ばかりが集められており、今更各曲毎の紹介も野暮であろう。しかしこうベスト盤を纏めて聴き通すと思っていた以上にHenrikの作風は多岐に渡っており、ジャズセッションの様な曲もあればトライバルで原始的なハウス、鬼気迫るドープなハウスに黒い芳香を発するソウルフルなハウス、艶のあるエレクトロニックな音が綺麗なテック系まで一纏めに括るのは難しい。エレクトロニックなループから生まれる催眠的なフレーズ、生演奏のような自由に踊る旋律、踊る衝動を誘発する原始的なパーカッションを駆使した楽曲群は、曲毎に様々な要素を放ちながらジャンルとしては確かに広範囲に渡る。しかしそこにはDJとしてではなくアーティストとしてのHenrikの気質が統一して表れており、単にフロアで機能するダンストラックを制作するのではなく、エモーショナルな温度感とライブ感のある表現力を必ず盛り込んでいる。ミックスされる事が前提ではなく、その曲だけで成り立つような豊かな音楽性は、Henrikがアーティストである証であろう。と才能は疑うべくもないので、やはりオリジナルアルバムのリリースをどうしたって期待してしまうのだが。




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| TECHNO11 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2013/9/20 号外 @ Grassroots
高円寺の小さな小さなクラブ、と言うよりは酒と音楽好きが集まる酔いどれ酒場・Grassroots。あまりにも個性的で手作り感丸出しな内装と、とても小さなフロアとバーカウンターが一体型の箱は、友達の部屋に遊びに来ました的な感覚が強くクラブと呼ぶには語弊があるかもしれない。そんな不思議な魅力を放つ箱に、久しぶりにAlex From TokyoがMax Essaと共に帰還し、ニコイチ(56 & ムキムキテラちゃん)が一緒になって温かい一夜を作り上げた。
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| EVENT REPORT4 | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ken Ishii presents Metropolitan Harmonic Formulas - Music For Daydreams (70Drums:FICS-2002)
Ken Ishii presents Metropolitan Harmonic Formulas - Music For Daydreams
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日本のテクノシーンを長きに渡り支え、そして早くから世界に飛び出したKen Ishii。目まぐるしく移り変わり激動の時代へと突入した近年の音楽シーンに、流石の彼もアルバムを作るモチベーションが保てなかったと発言していた。しかし2010年に"Tokyo Midtown Soundscape"と言うプロジェクトで東京ミッドタウンの館内BGMを選曲し、そこからダンスミュージックに依存しない音楽に活路を見出し、様々なアーティストとのコラボーレーションを行う事でより雑多な多様性を持つアルバムを創り上げた。真夜中の為のダンスミュージックではなく昼間でも楽しめる、そして聴く者を限定しない普遍的かつポピュラーな電子音楽は、セルアウトどころか既存の路線を越えていく野心に溢れている。とは言っても肩の力は抜けリラックスして制作された本作は、確かに"白昼夢の為の音楽"と言うタイトル通りに現実を忘れるようなラグジュアリーで色気のあるリスニング的な構成で統一されている。それは真夜中の何処か危険の香りのする色気ではなく、都会的な洗練されたポップな音の響き、オプティミスティックに透徹した空気から生まれたモノで、日常の生活の中で安らぎと和みを提供する。ボーカルとしてEmi Meyer、そしてダンスミュージック方面からはJazztronikやTokyoBlack Star、Masaki Sakamotoが、そして意外にもジャズミュージシャンである菊地成孔も制作に参加しているが、これらのコラボレートはKen Ishiiのサウンドに更にドラマティックな彩りを添える事に成功しリスニングとしての価値をより高めている。特に菊地がサクソフォンを吹くMr.Fingersのカヴァー"Can You Feel It"の出来映えは、原曲の切なさを全く損なう事なく現代にアップデートした傑作と言えるだろう。それ以外のトラックに関してもポップではありながら、Ken Ishiiにしか成し得ない未来的な音の奇才っぷりを発揮し想像力を刺激する点も忘れてはならない。ベテランだからこそ醸し出せた音楽的な成熟と、そして新たに生まれ変わったフレッシュな感覚を伴う、会心の出来と言えるアルバムだ。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Octave One - Revisited : Here, There, and Beyond (430 West Records:4WCLCD1-500)
Octave One - Revisited : Here, There, and Beyond
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デトロイト・テクノ界隈にしては古参ながらも細々と定期的に制作活動とライブを行う奇異なユニット・Octave One。主軸のBurden兄弟2人と更に他の兄弟も加わり最大5人で活動する事で常に前進し続け、2011年には彼らが運営する430 Westも20周年を迎えたその記念として、お世辞抜きに豪華なアーティストを起用したリミックスシリーズをリリースしていました。やけに矢継ぎ早にシリーズ化するなと思っていたら、案の定未発表リミックスも追加しこんな風にコンピレーション化されました。Octave One自身によるリミックスからGerald Mitchell、デトロイトフォロワーとしてVince WatsonやAril Brikha、ハードテクノ方面からはFunction+RegisやCari Lekebusch、Luke Slater、そして世界のテクノゴッドであるKen Ishiiらが参加と近年稀に見る実力派ベテランが集まっており、これもOctave Oneの地道な長い活動に対する敬意があってこそだと感じられます。まあしかし逆に言うと既に大成しているベテランを起用しているだけあって、聴く前から何となくは音の予想が出来ると言う点に於いて期待を超える事は無いのですが、その分どのアーティストも外さない安定感のあるリミックスを提供しています。Aril BrikhaとVince Watsonは抒情豊かなメロディーを生かして完全に彼らの音へと作り替え、Ken Ishiiは特有の奇妙な音色がファンキーで、そしてGerald Mitchellな軽快なラテングルーヴを導入し疾走します。Cari LekebuschやLuke Slaterは暗く退廃した雰囲気の漂うDJツール向けとして、そしてAlter Egoによる"Blackwater"は極度に展開を抑え焦らしに焦らすトランス調な曲調で、各々の味は分り易く表現されていると思います。これだけ豪華なリミックスであればOctave Oneは知らないなんて人でも、またデトロイト・テクノに馴染みがなくとも十分に楽しめる事でしょう。

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| TECHNO9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
The Orb and Youth presents Impossible Oddities (Year Zero:YZLTD006)
The Orb and Youth presents Impossible Oddities
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90年前後のUKはロックもテクノも、いやロックとテクノが歩み寄り至福の黄金時代を迎えていた様に思う。リアルタイムで聴いていた訳でもないのでその盛り上がりを感じた事はないけれど、兎に角何だか分からない何かが動き始めていたに違いない。そんな時代の中でThe OrbのAlex PatersonとKilling JokeのYouthが設立したWAU / Mr. Modo Recordsも、その時代を象徴する様なアシッドハウスやブレイクビーツ、テクノ、UKハウスをリリースしていたそうな。そうな…と言うのは大半がアナログな上に当時余り売れなかったそうでどうにもこうにも耳にする機会が無いからです。結局は後に再評価され今に至る訳ですが、そんな手の入りにくかった作品がリリースから20年を経て2枚組のCDにコンパイルされました。音自体は流石に旧時代と言うか古臭く良くも悪くもチージーなんですが、アーカイブとしての価値は勿論あり自分の様な人間にはその時代を感じられる事に意義を感じます。90年前後の享楽へと突き進むレイヴサウンドの様に特定のジャンルには依存せずに踊らす事の出来る快楽的な音は、確かにAlex PatersonやYouthの音楽性その物であり、狂乱じみた馬鹿げたノリを体感出来る事でしょう。またコンパイルCD2枚組とは別にAlex Patersonがミックスをした3枚目のCDがあり、それが一番享楽的な時代の雰囲気を感じ取る事が出来ます。

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| TECHNO8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Five Years Of Innervisions Compiled & Mixed By Dixon × Air (LASTRUM:LACD-0183)
Five Years Of Innervisions Compiled & Mixed By Dixon × Air
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代官山のクラブ・Airが手掛けるHeartbeatシリーズに、ドイツハウスシーンの急先鋒のInnervisionsのレーベルショウケースとでも言うべきMIXCDが登場。コンパイルとミックスを手掛けたのはレーベルの舵取り役でもあるDixon。しかし5年、レーベル発足から僅か5年でここまでの成長を遂げるなんて。元々はSonar KollektivのサブレーベルでしかなかったInnervisionsが、何時の間にか親レーベルよりも有名になり独立してしまった下克上。驚愕と感嘆以外の何物でもありません。そんな5年の軌跡をたった80分のMIXCDに収めるなんて土台無理な話ではありますが、それでもヒット曲や傑作と呼べるトラックはしっかりとチョイスされており、特にヴァイナルリスナーではない方にはとても便利な一枚だと言えるはず。一般的にはInnervisionsはハウスのレーベルと言う認識が強いですが、その中でもエレクトロやトライバル、ミニマル、テック、そしてメロウな歌物まで実にバラエティーに富んだ音楽性を持ち合わせていた事を本作に拠って気付く事でしょう。頑なに守り続けるアンダーグラウンドなレーベルの運営、そして変わって行くべき・進化すべきスタイル、一見矛盾した様なその両性を持ち合わせたInnervisionsの奥底はまだ一向に終わりが見えません。ハードなテクノが復権しつつあるベルリンダンスミュージックシーンの中で、Innervisionsもまた一つのスタイルを確立しております。

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| HOUSE6 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Surgeon - Fabric 53 (Fabric:fabric105)
Surgeon - Fabric 53
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UKのマット・デーモンとも呼ばれる(嘘です)Anthony ChildことSurgeon。眼鏡を掛けたその知的な見掛けとは裏腹に、彼の繰り出す音は暴力的でサドスティックなインダストリアルテクノが特徴。流行に振り回される事なく一貫したハードな美学を持ちつつも、このFabricシリーズの最新作ではダブステップも取り込んだ上で相変わらずのハードな音を鳴らしておりました。もっとも彼自身も数年前からダブステップには接近していたので本作への流れも違和感は無いのですが、ダブステップのみならずデトロイトテクノやミニマルも使用し、相変わらずの幅の広さ故の面白さを感じさせてくれます。跳ねと疾走間に溢れたグルーヴ、中にはメランコリックな流れもあり、そして強靭で厳ついハードな音は確かにSurgeonの専売特許。雑食性がありつつもハードな音の統一感は流石その筋のベテランであり、Jeff Mills以降のハードミニマルの分野を率先して開拓して来た人物だけあります。かつて多くのハードミニマリストが路線変更を必要としたのに対し、Surgeonの視点に今も昔もブレは全くありません。信頼のおけるアーティストとは、かくあるべき。

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| TECHNO8 | 09:30 | comments(2) | trackbacks(2) | |
10 Years Of Soul Heaven Compiled & Mixed By Louie Vega (Ministry Of Sound:MOSCD208)
10 Years Of Soul Heaven Compiled & Mixed By Louie Vega
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なんだか一年に一枚以上のハイペースでMIXCDなりコンピレーションを出している印象を受けるMasters At Workの片割れ・Little Louie Vegaが、UKのパーティー・Soul Heavenの10周年を記念して2枚組のMIXCD+1枚のコンピレーションを手掛けました。Louie Vegaと言えばイメージとしてはNYハウス、ラテンハウスと言うのが真っ先に上がりますが、DISC1の序盤では意外にも暗さを感じさせるディープテックでエレクトロトニック度高めの音が出て来ます。その後もテック度高めの音を中心にパーカッシヴな曲やアッパーで躍動感溢れる曲で、真夜中の狂騒にあるピークタイムが繰り広げられる展開。対してDISC2ではこれぞLouie Vegaとでも言うべきメロディアスな歌物中心のハウスを中心に、ソウルフルかつ小気味良いグルーヴを生み出しております。インストハウスも好きですが、歌謡曲みたいな歌物ハウスはやはり愛を感じてしまいますね。そしてDISC3はここ10年でLouie Vegaにとってのクラシックと呼ぶべき曲を収録したコンピレーションだそうで、確かに聴いた事ある名曲もちらほら。これぞハウス、メロディアスでBPM120前後の丁度心地良いリズムを刻むキックが詰まったぐっと心が温かくなるハウス、そんな事を思い出させるDISC3。実の所近年のハウスの低迷、そしてLouie Vegaのハイペースなリリースに食傷気味だったものの、本作ではLouie Vegaの底力を感じる事が出来ました。

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| HOUSE5 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dixon - Temporary Secretary (Innervisions:IVCD04)
Dixon - Temporary Secretary
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時代は完全にInnervisions、出す作品のどれもが高品質かつヒットさせているクラブシーンの中心。ジャンルの垣根を越えてテクノ、ハウスの両方面から支持されるそのディープでドラッギーな作風は、完全にInnervisionsの音としか表現出来ない域にまで達している。そんなレーベルのオーナーであるDixonの最新MIXCDは、現代的なクラブミュージックを集めミックスした、所謂最も新しいクラブの音楽が閉じ込められた内容。個人的に感じるのはやはりテクノと言うよりは滑らかなハウスのグルーヴ。勢いのあるグルーヴではなくねっとりと絡むグルーヴと、鋭角的ではなく柔らかで柔軟な音、ダークで恍惚感のあるメロディーでどっぷりと闇の沼に誘い込む様な感覚があり、じわじわと時間をかけて肉体ではなく精神を侵食してくるトリッピーな音楽だと思うのです。テクノだと汗汗しながら熱くなって聴くのが普通だけど、ここら辺のベルリン勢はひんやりクールでむしろ寒気がする位の空気が漂っていて、アダルティーで妖艶な雰囲気。家で聴く分だと多少地味な位なんだけど、これがクラブで聴くと恍惚と狂乱の沼にはまってしまうのです。

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| HOUSE5 | 12:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Warp20 (Recreated) (Beat Records:BRC-242)
Warp20 (Recreated)
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冷静になるとブログにひでぇ事書いたなぁと気付く。時々狂ったりモヤモヤすると書かずにはいられなくなるが、これじゃあただのキモメンがスーパーキモメンになり、今まで以上に女の子はドン引きだ。しかし記録は記録、自分への戒めとして消去はしない。

テクノと言う常に改革を望む世界において、一つのレーベルが20年も続くと言うのはある意味奇跡でもある。そんな奇跡を実現したのがUKのWarp Recordsで、今年で遂に20周年だそうだ。それを記念してリリースされたのが本2枚組で、Warpの音源をWarpのアーティストがリメイクしたコンピ。とは言え正直なところ自分には物足りなさの残る企画で、昔のWarpの音を期待している人は完全に肩透かしを喰らうだろう。当たり前の事なんだけど、これはテクノの殻をぶち壊してレフトフィールド的な自由性を持った音楽性を進んでいる今のWarpの音が中心だと言う事。僕はやっぱり昔のインテリでダンスフルな頃のWarpに思い入れがあるから、その時点でこの企画とはもう合わなかったんだろう。またリミキサーにBoards Of CanadaやAndrew Weatherall、Aphex Twin、Speedy Jら重鎮が入ってないのは、物足りなさどころか失望さえ隠せない。ぶっちゃけな話90年代の重鎮に比べると、今のWarpのアーティストってそんなに魅力的には感じられないんだ。色々手を広める事で時代を生き抜いてきたのは分かるけど、テクノの可能性をもっと見つめ直して欲しい。ま、単純に言えばもっとテクノを聴かせろってだけだ!

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| TECHNO7 | 09:45 | comments(4) | trackbacks(2) | |
I'm Starting to Feel Okay Vol.3 Mixed By KZA (Endless Flight:EFCD3)
Im Starting to Feel Okay Vol.3 Mixed By KZA
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日本には素晴らしいクラブミュージックのDJやアーティストがいるのにもかかわらず、日本のクラブミュージックを手掛けるレーベルは停滞なり閉塞閉があるのですが、このMule Musiqはリリースの量の多さと共に質の高さも伴っていて期待せざるをえないレーベルの一つです。そんな日本発の世界標準テクノレーベル・Mule Musiqのレーベルショウケース的なMIXCDが、傘下のEndless Flightからリリース。ミックスを手掛けたのはForce Of Natureの一人・KZA、そして選曲はレーベルオーナーである河崎氏が担当。と言ってもここ1〜2年、このレーベル関連のコンピやMIXCDが竹の子の様にたくさんリリースされてきたので、少々食傷気味だったのは事実。今年の5月にも岩城健太郎が同レーベルのテック系のMIXCDをリリースしていたしね。だがそこは質の高さを保つMule Musiq、本作においても妥協の無いアンダーグラウンドな感性を伴うディスコ〜ディープハウス〜テック系を中心としたナイスな音楽が閉じ込めらております。全体的にテンポは緩めで統一されていて、ディスコの生っぽくてハッピーな流れから流麗でヒプノティックなテック系までスムースに繋がれていて、ゆるりとした時間の中で深い世界に引きずり込まれて行きます。特に後半のテックな展開はアッパーではなくともメランコリーな旋律と緩い横ノリのグルーヴの相乗効果で、ふわふわとした心地良さが感じられ気持ち良いですね。

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| HOUSE5 | 08:50 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Alex From Tokyo - The Flashback Mix (Reincarnation:RCD001)
DJ Alex From Tokyo-The Flashback Mix
オランダは何気にテクノが充実している国の一つ。Rush Hour、100% Pure、Delsin、Eevo Lute Muziqueなどご存知の通りヨーロッパの中でも、特にデトロイトを追従するレーベルが揃っております。そして今、新たに注目すべきオランダイタリア(※訂正しました)のレーベルがReincarnation。Tokyo Black Star、Gerald Mitchell、Attias、Pasta Boysなどの実力派アーティストがリリースをする事により、現在人気上昇中のレーベル。Reincarnationの名付け親はTokyo Black Starでも活躍するDJ Alex From Tokyoなんだけど、そのAlexがレーベルの音源を使ったMIXCDをリリースしました。AlexのDJに関しては当ブログでも何度も紹介している通り折り紙付きの実力ですが、今回もテクノ〜ハウス中心の選曲で文句無しに素晴らしいプレイを聴かせてくれました。と言うよりもレーベルの音源自体が非常に素晴らしいのだと思う。出だし3曲はロマンティックな未来感溢れるデトロイトっぽいのを持ってきて、4曲目ではレーベル音源ではないもののRon Trentのヒプノティックなテックハウスを繋ぎ、そのテックな流れから中盤のGerald Mittchellのトライバルなトラックで一旦ピークを迎えます。その後はTokyo Black Starのレーベル名を冠した恍惚感を煽るトラックでディープな流れに突入し、デトロイト系やシカゴハウスで儚く消え行く様に終焉を迎える起承転結がしっかり感じられるプレイですね。今回はレーベル音源を使用すると言う制約があるので割りと落ち着いたプレイなんだけど、トラック自体がそれ一つでしっかり聴ける曲が多いので、最初から最後まで曲の良さにじっくりと耳を傾けて聴ける内容だと思います。フロアトラックが多く使用されてはいるんだけど、メロディアスな曲が多くてその美しさに心が奪われてしまいそう。

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| HOUSE5 | 09:00 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Tokyo Black Star - Black Ships (Innervisions:INNERVISIONSCD03)
Tokyo Black Star-Black Ships
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1stEPから早四年、その間にリリース毎にフロアを賑わし確固たる地位を築き上げ、今最も待ち望まれていたユニット・Tokyo Black Starの1stアルバムが遂に登場。この四年間、Sonar Kollektivの子レーベルであったInnervisionsはいつの間にか親レーベルを追い抜きトップレーベルへと変貌を遂げ、素晴らしいフロアトラックを量産してきましたが、そんなレーベルの中でも注目を集めていたのがDJ Alex From Tokyoと熊野功雄によるTBSだったのです。この1stアルバムは今までにリリースされたヒット作をほぼ収録したベスト盤的な内容でもあるのですが、期待を裏切らない本当に素晴らしい一枚となりました。テクノ、ハウス、ミニマル、ダウンテンポ、エレクトロ、アンビエント、あらゆる音楽が極彩色に散りばめられていて、フロアに必要な高揚感とグルーヴ、ドラマ性や叙情性がこれでもかと言わんばかりに詰まっているのです。そしてやはり注目すべきはツールとしてのダンスミュージック性だけでなく、リスニングに耐えうる楽曲性がある事。フロアでミックスされるのに必要な機能性だけでなくアルバムを通して聴きうるだけの展開があり、ハッと息を飲む瞬間が何度も波のようにやって来るのです。長年DJ業を通してフロアで培ってきた音楽性を生かしつつも、リスニングも重視した旋律がふんだんにあり、トータルで文句無しの作品が出来上がりました。今最も注目すべき一枚。

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| HOUSE4 | 00:05 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Joris Voorn - Balance 014 (EQ Recordings:EQGCD024)

Joris Voorn-Balance 014
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新次元…と言うのは言い過ぎかもしれないが、これが最新のテクノの形である事にもはや疑いはないだろう。世界各地、日本においても大人気となったJoris Voornの最新MIXCDはアルバム2枚に100曲ものトラックを使用した驚愕の内容。とは言えこのPCを使ったスタイル自体は、2001年のRichie Hawtinの"DE9"(過去レビュー)の時点で完成系を成しているので、実は最新であるとは言い切れない。が、このスタイル自体がテクノと言う世界に普及しているのは間違いない。各曲から一部分をパーツとして切り出し、それをPC上で細かにループ・エディットを繰り返し、本人が言うように"絵を描く"様な作業を繰り返すスタイル。全く異なる曲の一部が同じ時間・場所に存在する事により、全く異なる新しい音楽へと変容を遂げる進化。もはやこれはMIXCDと言うよりも、Jorisのオリジナルアルバムとさえ言える様な境地にまで達している。"Mizurio mix"は(比較的)アッパーでグルーヴィーなテクノ、ミニマル、テック系中心の内容で、しかしながら覚醒感を刺激するドラッギーさも感じさせます。対して"Midori Mix"はエレクトロニックミュージックをより幅広く吸収したフリースタイルな選曲で、テクノの中にディスコダブやバレアリック、ダウンテンポ、ジャズも取り入れられて開放感のある音が持ち味。どちらのミックスも各曲が自然に融解し、そして再度融合し、今まで違う世界観が繰り広げられ非常に興奮出来る内容でした。同じ事を既にやっているRichie HawtinのMIXCDに比べると、カラフルなのが特徴でこれはこれで素敵です。

ただ欲を言わせて貰うと、本作があくまでホームリスニング仕様である事。これは結局はクラブではプレイする事の出来ない内容だから。かつてJeff Millsがアナログを一時間に40枚程も矢継ぎ早に回していたプレイは、既に過去の物となってしまったのか?いや、そうではないと思う。そこには瞬間瞬間に生まれる独創性や閃きがあったはずで、あれにこそ僕は人間的な熱や魂を感じる訳で。だからJorisにも一枚位はコンピューターを使用しないで、クラブで再現出来る単純だけども爆発力のあるプレイが聴けるMIXCDを出して欲しいと言う気持ちもあります。テクノロジーが必ずしも全てを豊かにする訳じゃないんだ。

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| TECHNO6 | 00:30 | comments(2) | trackbacks(1) | |
Charles Webster - Coast 2 Coast (NRK Sound Division:NRKCD042)
Charles Webster-Coast 2 Coast
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PeacefrogやDefected、NRKを含め数々のレーベルから数々の変名を用いて活動しているUKのアーティスト・Charles Webster。基本的には欧州的な洗練された美しさが光るハウスを得意するアーティストですが、女の子受けする様な陶酔と甘さが持ち味ですね。と言っても全然下品じゃないし、むしろ気品に満ちているのが他の人との違い。近年は一向に新作が出ないのでヤキモキしておりますが、去年はNRKからのMIXCDシリーズ・Coast 2 Coastに参加しておりました。MIXCDにおいても彼の特徴である甘さや気品は充分に活かされていて、アッパーに盛り上げるのではなくてしっとり聴かせるタイプのハウスミックスを披露しております。派手なミックスや過剰なイコライジングは聴かせる事はなく、終始一曲を長めにつないで曲その物の良さを知って貰う落ち着いたプレイ。ミックスプレイ自体には特徴はないんだけど、その選曲の良さが素晴らし過ぎる内容ですね。夜の似合うアダルティーな音楽、それはただ下品にエロイのとは異なり上品なエロスを伴う官能的な妖艶さ。一歩引いた大人の美学とも言えるかもしれない。Charles Webster、この人のそんなエロさが今宵も体を火照らすのでした。

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| HOUSE4 | 06:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tokyo Black Star - Beyond The Future EP (Innervisions:INNERVISIONS04)
Tokyo Black Star-Beyond The Future EP
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シスコ倒産しちゃいましたね、実店舗閉じてから一年も持たないなんて。でもある程度は予測出来た事で、送料高いし品揃えは悪いし、それにシスコはやはり店舗に行って買うのが楽しかった訳だったし。通販のみでやっていくならもっとサイトを使い易くしたり、送料下げたり、商品に特徴出さないと無理でしょ。経営者の先を見る目が無かったんでしょうね。ま、シスコは潰れても未だに僕はレコードは買い続けている訳で、今回はInnervisionsのレコードが複数枚溜まったので、一気に紹介しようと思います。

まずはDJ Alex From Tokyoのユニット・Tokyo Black StarのEP。A面の"Beyond The Future"はRich Medinaの呟きボーカルを取り入れたLarry Heard直系の透明感のあるディープハウス。シンプルなトラック構成ゆえにポエトリーが強調され、リラックスしたムードを演出しております。逆にB面の"Deep Sea"は暗黒系ダブサイケデリックハウスで、ダビーに広がるパーカッションと空間をねじ曲げる様なサイケな音がヤバ過ぎる。もはや狂っているが、フロアでの鳴りはかなり良い感じでしょう。両面文句無しに素晴らしいです。そう言えばAlexに聞いたら、Tokyo Black Starのアルバムは来年初頭にリリースらしいのでお楽しみに。

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| HOUSE4 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Gilles Peterson - Worldwide Programme 1 (Talkin' Loud:560 100-2)
Gilles Peterson-Worldwide Programme 1
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アシッドジャズだかクラブジャズだか自分には余り縁の無いジャンルでは第一人者に挙げられるGilles PetersonのMIXCD。ですが風評を聞く限りではジャズのみならずヒップホップやドラムンベースやハウスやテクノなんかもプレイすると言うし、それにこのMIXCDでは自分の好きな曲も幾つか使用されているので購入。と言う訳で一枚目ですが、ダウンテンポ〜ソウル〜ファンク〜ブロークンビーツ〜ディープハウス〜ドラムンと確かに幅の広い選曲です。序盤はメロウで緩い選曲が続くのですが、中盤のブロークンビーツ辺りからが聴き所でしょうか。生っぽくも爽やかで上品な空気を醸し出しつつテンションも上げてきて、そしてPepe Bradockの真っ黒くクールなディープハウスで昇天するにくい展開です。その後は鋭角的な切込みが効いたシャープなドラムンでガツンと持ち上げて、最後はしっとりダウンテンポで緩く着地する起承転結なプレイが繰り広げられております。今でこそジャンルを横断するDJも珍しくはなくなりましたが、Gillesは人気があるだけあって色々プレイしてもまとまりが感じられて正にDJ(Disc Jockey)そのものです。ただ繋ぎは申し訳程度にしかしてないですけどね。ちなみに2枚目はジャズとかソウル中心で音が古い方に向かい過ぎていて、自分の耳には合わないのです。折角GillesのDJを楽しむなら、やはりジャンルの横断が体験出来る1枚目の方がお勧めだと思います。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jazzanova / Mr Scruff - Southport Weekender Volume 7 (SuSU:SUALBCD28)
Jazzanova / Mr Scruff-Southport Weekender Volume 7
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最近連日飲む事が多くて胃がくたびれておりますが、特にベルギービールを飲む機会が多いです。最近の日本人は若者ほどビール離れが顕著な様で、どうも苦いから美味しくないとか言う意見が多いとか。自分は日本の苦いビールも好きだしそれに一度海外のビール(特にベルギー)を飲めば、ビール苦手の意識も一気に覆ると思うんですよね。海外のビールは日本のビールより多様性に富んでいるし、アルコールが高くて飲み応えのある種類もあったり、決してビールが苦いだけじゃ無い事を理解して頂けるはず。ま、難点はベルギービールは圧倒的に高額だと言う事だ。バーで飲めば1000円オーバーは当たり前なんで、基本はベルギービールを扱ってる酒屋で購入して家で飲む事が自分は多いです。

お酒の話はそれ位にして今日の一枚は、ハウスミックスCDの人気シリーズ・Southport Weekender。ミックスを担当したのはSonar Kollektivを運営するJazzanovaとNinja Tune所属のブレイクビーツを操るMr Scruff。自分は特に好んで両者の音楽を聴く事は無いのですが、今までこのシリーズは集めていたので今回も何となく購入。個人的にはJazzanovaのハウス〜ブロークンビーツ路線が気に入りました。ソナコレやInnervisionsの曲を中心に予想外にもハウスを多めに使用して、生音系からエレクトロニック系まで右往左往し、華麗さと耽美を伴ってドラマティックな展開を創り上げています。無難な出来と言えばそうなんですが、お洒落かつ踊れる洗練された音楽なんでお酒を飲みつつ聴きたい感じです。対してMr Scruffなんですが、ファンクやディスコ中心で自分にはちょっと合わなかったです。音源自体もかなり古いのが多かったからねー、ちょっと時代から外れてる印象でした。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
DJ Mitsu The Beats - Re-New Awakening 01 (Planetgroove:PGCD-K1004)
DJ Mitsu The Beats-Re-New Awakening 01
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今日も引き続きDJ Mitsu The Beatsの作品で、本作は"New Awakening"のリミックス集一枚目。リミックスを提供するのはBreakthroughやSa-Ra、Kevin Brown、Dela、Waajeedらヒップホッパーから、西ロンのブロークンビーツを得意とするPhil Asher、ディープハウスを量産するTokyo Black Starまでと、比較的オリジナル作品のイメージを損なわないような感じでしょうか。とは言ってもこの面子を見ても自分には一部を除いて馴染みの少ない面子なので、余り深く紹介の仕様がないです。Phil Asherはまんま彼の作風が前面に出た洗練されたブロークンビーツを披露していて、コズミックな音の使い方が素敵です。Sa-Raはヒップホップと言うかコズミックファンクみたいな古いけれど未来的なシンセ使いで、彼らの普段通りの音を出していますね。予想を裏切られたのはTokyo Black Starで、スモーキーなヒップホップをやっています。ハウスではないけれど、もっちりとしたロウビートの激渋な仕上げは格好良いですね。他も大半はヒップホップアレンジが中心ですが、ざくざくとした小気味良いリズム感を生かして軽快なトラックが多いです。原曲を滅茶苦茶にしたリミックスは無いので、良い意味で安心して聴く事が出来ると思います。

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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ1 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Muting The Noise 01 (Innervisions:INNERVISIONSCD02)
Muting The Noise 01
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現在、ミニマルやハウスと言った音楽では最も注目を集めているであろうレーベルが、ドイツのInnervisions。Âmeの大ヒットに続き、Tokyo Black Star、Henrik Schwarz、Marcus Worgullら注目株だけでなく、フランスのテクノ伝道師・Laurent GarnierやChateau Flightさえもこのレーベルから新作を発表するなど、才能あるアーティストが続々とInnervisionsに集結しております。ところで現在のダンスミュージックシーンの最先端を進んでいるであろうInnervisionsですが、本作はビートレスな曲中心の非ダンスミュージック的なコンピレーションです。"Muting The Noise"と言うタイトルからも分かる通り、肉体に躍動を呼び起こすのではなく精神に安堵と快適をもたらすはずの静かな内容です。と言ってもアンビエントやチルアウトの様に浮遊感があって底抜けに享楽的かと言うとそうでもないし、内省的でどこか重苦しさを感じます。シンセの音色などは美しいけれどInnervisionらしいドゥープな面も見え隠れしていて、快楽の中に一滴だけ毒液が注入された様なイメージ。個性が強いので場合によっては逆に落ち着けなくなる様な音ではありますが、Innervisionsがそれだけ独特の音を放っていると言う事かもしれません。ジャーマンプログレの大御所・Klaus Schulzeを参加させたのは驚きですが、相変わらず18分と長尺な曲を提供していてどぅぅぅ〜んと気分も重くなりました。

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| TECHNO6 | 18:15 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Henrik Schwarz - DJ-Kicks (Studio !K7:!K7207CD)
Henrik Schwarz-DJ-Kicks
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近年注目を浴びているHenrik Schwarz、自分の中ではInnervisionsからリリースしているアーティスト位の認識しかなく、正直どんな音楽性かは殆ど知りません。しかしながらネットや雑誌でもこの"DJ-Kicks"は評判が良かったので、興味を持ち購入に至りました。聴く前に取り合えず選曲はチェックしてるんだけど、とにかく何でも打ち込んであってジャンルの幅は広いんだけど、一応統一性は感じられる。それは黒い音が中心って事。James Brown、Marvin Gaye、Pharoah Sanders、Drexciya、Rhythm & Sound、D'Angelo、Arthur Russellらのファンク、ジャズ、エレクトロ、レゲエ、ソウル、ディスコと言った黒人音楽をふんだんに使用していて、なかなか良い黒光りをしているのです。この多岐に渡る音楽性は非常に面白いし、またこれだけ黒い音なのにファンキーと言うよりはドイツっぽいドゥープな雰囲気を発しているのが不思議。現実を超越する呪術的な雰囲気の如く黒いサイケデリアを呼び起こす原始的な音楽ですね。ただMIXCDと言うよりはコンピ的な印象を受けてしまうのは、やはりジャンルの幅の広さゆえでしょうか。どうしても音やテンポの差がが激しくなってしまうので、聴いているとはっと時折り醒めてしまう瞬間もありました。それでも真っ黒な音楽で覚醒した世界を見せ付けるHenrik Schwarzは、奇才と言う以外に他は無いでしょう。

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Kuniyuki Takahashi - Remixed (Mule Musiq Distribution:MMD07)
Kuniyuki Takahashi-Remixed
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札幌発の心温まる音楽家・高橋クニユキのリミックスアルバムが登場。ハウスのフォーマットを元に自然的・有機的な音で心の奥底まで響かせるトラックは既に海外のアーティストからも賞賛を浴び、日本においても既に注目に値すべきアーティストに成長しております。今回は著名なアーティストがリミックスを提供していて、Cobblestone Jazz、Theo Parrish、Henrik Schwarz、Chateau Flight、A Mountain Of One、Tony Lionniらと大変豪華な人選。圧巻はやはりTheo Parrish、やばいですね。14分にも及ぶ超大作のリミックスを披露しているのですが、ざらつきのあるローファイなリズムトラックが煙たく、ねちっこいグルーヴは期待通り。フランスのお洒落かつ変態ユニット・Chateau Flightも彼等らしく、奇天烈なピコピコサウンドが何とも可愛らしい見事なフレンチエレクトロを聴かせてくれます。Tony Lionniと言う人は全然知らないのですが、オーガニックなディープハウスを披露。原曲にあったフルートやピアノの旋律を壊す事無く生かして、正当派な4つ打ちに仕上げ心地良い横揺れグルーヴを生み出しています。そしてクニさん本人も新曲やリミックスを提供していますが、本人がリミックスした"All These Things"は、まるでJoe Claussellみたいなスピリチュアルハウスで、広大な大地に包容される様な優しさに溢れています。その他にも素晴らしいトラックが多く収録されていて、十分に聴き応えのある力作ですね。

残念なのはリリースが延長された挙げ句に、元々収録予定だったMoodymannとTokyo Black Starのリミックスが削除されてしまった事。一体何があったんでしょう。。。

HMVのサイトでクニさんによる全曲解説はコチラ

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| HOUSE4 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Gerald Mitchell - Out The Boat (Reincarnation:R004)
Gerald Mitchell-Out The Boat
Rush Hourと言えば古いデトロイトテクノの再発をしたり、その後継的な作品を積極的にリリースするなど注目に値すべきレーベルなのですが、その傘下にReincarnationと言う又しても注目すべきレーベルが出来ています。今の所はTokyo Black StarやAttias、Atjazzらがリリースしておりますが、なかなか水準の高い作品が揃っていると感じます。そしてそんなレーベルからLos HermanosのGerald Mitchellも新作をリリース。これが実にLos Hermanos以上に素晴らしく、本作の様な作風でアルバム作れば良かったんじゃないかと思わせる位の力作です。A面の"Out The Boat"は疾走感溢れるざっくりとしたリズムとコズミックなシンセを多用したテックハウス、B面の"Resident Warrior"は覚醒的なシンセリフが続くミニマルな展開のテックハウスで、どちらもアナログの音色の味わいが素敵です。洗練され過ぎずに微妙に人間らしい感覚があるのが、デトロイトテクノの良い点ですね。

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| HOUSE4 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Alex From Tokyo - Mi Mix (Octave Lab:OTLCD1110)
DJ Alex From Tokyo-Mi Mix
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NYに行ってしまったDJ Alex From Tokyoの新作MIXCDが登場。インディー的なリリースも含めると既に6〜7枚はMIXCDを出している位MIXCDに対して意欲がありそうですが、実際この人のMIXCDは毎回納得の出来なんですよね。特に今作は現場、イベントでのプレイをコンセプトに打ち出したリアルな内容。近年アレックスがよくプレイする曲を選んで現場の雰囲気を伝える様にしているそうですが、今までの彼のMIXCDの中で一番良いかもしれないですね。基本ハウスがベースとなっているんだけど、テクノ、ミニマル、ディスコ、ラテン、エレクトロハウスと今作はとにかく幅が広いです。序盤はディスコが流れてきたのであれ?って感じで心配したんだけど、中盤から恍惚感を誘うテクノ、エレクトロハウス系の音に変化してきて、Pryda、Joris Voorn、Carl Craigらの曲が目白押し。クラブでの盛り上がり方を想像させますね。終盤はエレクトロニックなハウス系で、気持ちの良い4つ打ちを保ったまま終わりを迎えます。今までの彼の作品と言えばソウルフルとかブラックネスを感じていたのですが、本作は一言クールって感じです。やっぱりテクノ系の音の比重が増えているせいなんでしょうかね?本当にクラブっぽい雰囲気が感じられて、お見事って内容です。

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| HOUSE3 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Alex - Deep Atmosphere Non-Stop Mix (P-Vine Records:PVCP9105)
DJ Alex-Deep Atmosphere Non-Stop Mix
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現在はTokyo Black Star名義でトラックメーカーとしても活躍するDJ Alex From Tokyoが、東京と言う名を冠する前に出したディープハウスミックス。本作のリリースは98年なんだけど、何故かCD帯やライナノーツでやたらとディープハウスと言う単語が強調されています。98年頃ってディープハウスってそんなにメジャーじゃなかったのかしら?そんな事はさておき、DJ AlexのDJプレイはセンスが良くてフランス生まれと言う事もあってかお洒落感覚に長けています。なんかお洒落と言う言葉を使ってしまうと軽く思うかもしれませんが、ハートが温まる黒いソウルが根底にあり決して安っぽい内容ではありません。ただ一般的に黒さを感じるハウスは良い意味で粗雑なのが多いと思うのですが、DJ Alexはそこに更にエレガンスで耽美な音を求めているのかなと思います。ここに収められている楽曲も基本的には黒さを感じるハウスなのですが、そこに感じられるのは静謐なラウンジのムード。その場の空気を壊さないように控えめに彩るプレイで、落ち着いた時間と場所を提供してくれます。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ben Watt & Ivan Gough - In The Mix 2006 (inthemix.com.au:ITMCD002)
Ben Watt & Ivan Gough-In The Mix 2006
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最近めっきり作曲家としての活動を行わずDJに没頭しているEverything But The GirlのBen Wattと、オーストラリアのハウスDJ・Ivan Goughによる2枚組MIXCD。前者はかなり有名なんで知っていますが、後者は誰って感じ?Benさんに関しては毎年自身のレーベル"Buzzin' Fly "のコンピレーションMIXCDをリリースしているので、MIXCD自体に特に新鮮味を感じなくなってきました。音も現在のシーンに沿ったミニマル、エレクトロハウスなどの恍惚感を重視した選曲で、レーベル初期のカラーであるディープハウスの面影は余りないですね。流行を掴むのが上手いと言うべきか尻軽なのかは置いといて、すっかりクラブでのトランス感覚を意識したプレイはもうBenさんがDJ業にも慣れたと言う事なんでしょう。対して初耳のIvanの方はヒット曲も織り交ぜたテクノ、ハウスを横断する選曲。Benの方に比べると癖があり上げ下げが大きく派手目で、自分にはそこまでツボに来ない。ややエレクトロハウス色が強く流行のど真ん中を行っていますが、流行の中では没個性的で何かもう一つ欲しい所ですね。

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| HOUSE3 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Jimpster - Mix This (KSR HOUSE:KCCD279)
Jimpster-Mix This
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現在だとスーパーインプロヴィゼーションバンド・The Baysのキーボーディストと言う肩書きの方が有名なのか、JimpsterことJamie Odellのハイセンスなハウスミックスが出た!どうしていきなり強調してるかと言うと当初は全く買う予定が無かったのに、店頭で試聴したら思いの外好内容で衝動買いしたから。本作はJimpsterが運営しているレーベル・Freerange Recordsの作品のみを繋いだレーベルサンプラー的な内容だけど、しかしこれが本当に一つのレーベルの音源だけを使用したのかと疑いたくなる位、質の高い曲が詰まっている。同じコンセプトでここまで質が高いとなるとFrancois K.が送る"Deep & Sexy"シリーズ(過去レビュー)位しか真っ先に思いつかないけれど、本作は伝統的なハウスを聴かせる"Deep & Sexy"に対しより未来的でよりテクノ的であると思う。もちろんグルーヴの基本はハウスなのだがシンセの使い方がテクノ的で、華麗で西洋の美しさを匂わすエレクトロニックな音質が正にテックハウスと言われる物。ただ綺麗なだけではなくエレガント、つまりは優雅な気品も持ち合わせ、尚かつそれが鼻につく事もなくさらりと上流階級を味合わせてくれる庶民にはもってこいの内容なのだ。序盤〜中盤はブロークンビーツやディープで抑え目できて、そして10曲目以降が天にも昇る高揚感が続く4つ打ちテックハウスでピークに持っていく。そこら辺ではデトロイトテクノにも似た未来への希望が溢れ出ていて、デトオタも納得させるハイテック感覚を感じる瞬間があるだろう。そしてラスト間際のKirk Degiorgioの"Starwaves"に、テクノの最良の瞬間を垣間見るかもしれない。Kirk DegiorgioやIan O'Brienが好きな人には、絶対間違い無い一枚になりそうだ。

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| HOUSE3 | 19:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Dark Energy - Collided Energy (Soundscape:SUBJPCD-009)
Dark Energy-Collided Energy
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デトロイトテクノの中でも取り分け闇の面を司り、Underground Resistanceの活動を末永く支えるデトロイトの最古参の一人・James Pennington。URの中ではSuburban Knight名義での活動がメインでありましたが、今回はURのカタログーナンバー29が付けられている"Dark Energy"名義でのアルバムがリリースされました。なんでもこの名義はThe Martianとの共同作業との事なんですが、The Martianって結局Mad Mikeを含めたURオールスターズって言う認識になるのかな?にしたってこのアルバムに含められている曲は、Suburban KnightやDark Energy名義でリリースした物ばかりなんだがどうゆう事なのか?いまいちどうゆうコンセプトでこの名義のアルバムをリリースしたのか分かりませんが、結論から申しますと9割以上の曲はEPに収録されている曲でオリジナルアルバムとは到底言い難いです。しかも遡れば1991年にリリースされた曲も収録していて、この拡大再生産的なアルバムの出し方は正直どうなのよ?オリジナルを大事とするデトロイトテクノがこんな過去のEPを集めただけのアルバムを出すなんて、流石にデトロイト好きの僕も警報を鳴らしたくなります。収録されている曲は笑みも浮かんでこないダークなテクノだったり、デトロイトらしいロマンティックなテクノもあったり、彼らしいストイックなテクノばかりで充実していると思いますよ。しかしやっぱり現在の時流の音とは到底言えないし、古臭さも否めないんじゃないかな。流行云々を抜きにした音だけど、これらを今更リリースするのは首を傾げたくなります。過去のEPとか持ってない人は、これを機に聴いて欲しいってスタンスなんですかね。普通にオリジナルアルバムを創って下さい、お願いします。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Octave One Feat. Random Noise Generation - Off The Grid (Underground Gallery:UGCD-43001)
Octave One Feat. Random Noise Generation-Off The Grid
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「Blackwater」が大ヒットするまでは地味に長く活動していたデトロイトの古参・Octave One、またの活動の名をRandom Noise Generation。Octave One名義ではしなやかで美しいハウス、そしてRNG名義ではデトロイトから生まれたハードなテクノをリリースし、地道にデトロイトの土台を支えてきたユニットだと思います。その活動はUnderground Resistanceとも共感する物があるだろうし、事実URの首謀・Mad Mikeさえも唸らせる才能なのであります。ところが2000年に入ってからは活動も波に乗りどちらの名義でもアルバムをリリースしているんですけど、それが両方とも微妙な内容ではあったんですね。と言うのもテクノやハウス一辺倒のアルバムだと思っていたら、予想以上にR&Bとかヒップホップが多く入っていて期待を裏切られたのです。しかし2005〜6年に行ったライブ音源を納めたこのアルバムでは、失った期待を取り戻すハードでタフなテクノを聴かせてくれました。大半の曲はオリジナルアルバムには未収録でいわゆる新エディットとか未発表曲なんだけど、なんでこんな良い曲をリリースしなかったのかと思う位出来が良いですね。テクノのライブなので予想外の展開とかは無いけれど、音は引き締まって身が詰まっているし、完全なる4つ打ちが体を横に揺さぶるグルーヴを生み出しています。機械から発せられる音とは言えリズムはファンキーだし、控えめでダークなメロディーには眠れるソウルがこもっていますよね。これこそデトロイトのブラックマシンソウルなんじゃない?オリジナルアルバムは買わないで良いから、まずはライブアルバムに注目すべし。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Innervisions Where We At (Sonar Kollektiv:SK120CD)
Innervisions Where We At
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今ドイツではハウスシーンに新しいムーブメントが生じていて、その中心とも言えるのがSonar Kollektiv傘下のInnervisionsです。テクノ、ハウス両シーン垣根を越えて大ヒットした「Rej」を作ったのは、Innervisionsに属するÂmeだし、ディープな奇才を発するHenrik Schwarzや、フランスからの親善大使・Alex From TokyoことTokyo Black Starも同じレーベルであります。レーベルカラーはディープハウスなのですが、感覚としてテクノやミニマルも織り込まれていて、いかにもドイツらしいエレクトロニックで温度を感じさせないクールなハウスに成っていますね。まだレーベルとしては9枚しかEPは出していないのですが、Chateau Flight、Franck Rogerらもリリースを行い、徐々にレーベルの質・量と共に充実して行きそうな予感がします。で、取り敢えず現時点でのレーベルの方向性を知る為のコンピレーションが今日紹介するアルバムです。メランコリックかつ覚醒的なアルペジオが特徴の「Rej」は当然入っているし、Tokyo Black Starのダークで煙でたくも不思議な高揚感のあるディープハウスも入っているし、奇天烈なシンセが派手に使われるChateau Flightのハウスも入っています。でも一番刺激だったのは、Henrik SchwarzとÂmeがボーカルにDerrick L. Carterを迎えた「Where We At」でした。シカゴハウスを思わせる不良っぽい音作りなのに、麻薬的に聴いてくるシンセサウンドが淡々と鳴り続けて中毒になりそうです。Carterのぼそぼそとした呟きも、ドスが効いてて不穏を煽り相当にヤバイ曲ですよ、これ。Innervisionsのハウスには黒人発祥である事を忘れさせる位、ヨーロッパ的な雰囲気に満ちています。今後注目しておくべきでしょう。

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| HOUSE3 | 23:00 | comments(1) | trackbacks(0) | |
Magda - She's a Dancing Machine (M_nus:MINUS43CD)
Magda-She's a Dancing Machine
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近年のRichie Hawtinのイベントには常に前座として登場しているMagdaの初のMIXCD。Run Stop Restoreと言うユニットのメンバーでもあり、M_nusからソロでEPをリリースもしている女性DJだ。オリジナル作品はまだ殆ど無いしそれらを聴いた事も無いので、このMIXCDで彼女の音に関してまともに触れる事になった(Richieと来日した時にMagdaのDJも聴いたけど、もう記憶に無いし…)。この作品なんと71曲をMIXしているとの事前情報だったが、多分やっている事はRichieと同じでPCで曲をパーツごとに切り分け、それをループさせるのを数段重ねているのではないかと思う。まー今はみんなPCを使うMIXCDを出す様になったから特に目新しさは無いんだけど、これなら別にこれを聴かないでRichieの作品を聴いていれば十分かなと思ってしまった。Richieに比べると深みや重みが無くて、べちゃべちゃとした音ですな。それが彼女のプレイなんだろうけど、自分にはそこまでピンと来なかった。ミニマルテクノにしては比較的メロディーなんかは多い方で、シカゴハウスやエレクトロっぽい物まで使われていて、そうゆう幅の広さに今後の発展の余地はあるか。でも最近こんな大人しめなMIXCDばかりだな。そろそろハードミニマル系の復活を待っている自分がいる。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lawrence Burden - 430 West Presents Detroit Calling (Concept Music:CEPTCD2)
Lawrence Burden-430 West Presents Detroit Calling
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デトロイトにRandom Noise Generation、またの名をOctave Oneと名乗るBurden5兄弟がいます。結構昔から地道に活動していてハウス・テクノ両方面で時折名作を生み出し、近年では世界的大ヒット曲「Blackwater」が記憶に懐かしいユニットであります。5兄弟の中で日本にDJをしに来ているのは、基本的に長男のLawrence Burdenがもっぱら。と言うか他の兄弟がDJをしに来たと言うのは、聞いた事ないですね。じゃあ実際Lawrenceのプレイはどーなんよと言うと、これ「430 West Presents Detroit Calling」を聴けば分かります。「デトロイトが呼んでいる」と言うタイトル通り、Octave One、Dark Comedy(Kenny Larkin)、Aril Brikha、E-Dancer(Kevin Saunderson)、Jeff Mills、Designer Music(Carl Craig)、DJ Rolandoなどデトロイト関連の曲ばかりが並んでいて見ただけでお腹一杯ですね。ただ実際に聴いてみると、ハウスとテクノが上手く混在してはいるのですが、何故だか余り印象に残らないのです。何だろうね、この不思議な感じは?ある程度緩急を付けているはずなのに、どこか一本調子で平べったい後味だけが残るのです。聞き込めばまた印象が変わるのかもしれませんが、う〜ん。個人的には5男・Lorne Burdenの「430 West presents Back To The Rhythm」(過去レビュー)の方が好みです。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Titonton Duvante - Voyeurism (Starbaby:SB01CD)
Titonton Duvante-Voyeurism
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興味があって再発を機に買ったのに全然聴いていなかった…と言う事で、思い出して紹介します。厳密にはデトロイト生まれの人ではないのですが、デトロイト系に組み入れられているTitonton Duvante。ティトントン・ドュヴァンテと読むのでしょうか、発音し辛いですね。興味を持ったきっかけはMetro Area(Morgan Geist)率いるEnvironからEPをリリースしていた事、またDego(4 Hero)絡みで2000 Blackからリリースも行い、またはJohn Tejadaとの共作などがあり、なかなか交流の幅が広く面白そうだなと思ったからです。そういった交流の広さのせいかモロに直球デトロイトテクノと言うよりは、ブロークンビーツなども取り入れリズムが多彩だなと感じました。手数の多いリズム帯でノリが良いと言うか弾けるパーカッション使いで、しっかりとした土台がありグルーヴィーですね。ドラムマシーンを使っているんだろうけど、乾いた音使いが生演奏にも感じられて西ロンブロークンビーツの流れが感じられました。メロディはやっぱりデトロイト流に透明感のある美メロが多用されて、安直だけれどもエモーショナルな世界観を描き出していますね。ここで分かったのはFabrice LigのSoul Designer名義に感触が近いなと気付きました。あれ、黒人なのにむしろ西洋の白人の音に近いのか!つまりデトロイトテクノよりは少々さっぱりとした音なのです。

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| TECHNO3 | 23:00 | comments(4) | trackbacks(1) | |
Rolando - From There To Here & Now (NRK Sound Division:NRKCD025X)
DJ Rolando-From There To Here & Now
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Underground Resistanceの3代目DJとして、そしてGerald Mitchellと新たに立ち上げたユニット・Los Hermanosのメンバーとして活躍したDJ Rolando。しかしながらより広大で自由な活動を望むDJ Rolandoにとって、半ばコンセプト化されたURに居座り続けるには窮屈過ぎたのだろうか、人気を保ったままURを脱退。その後特にどんな活動をしているのかも耳に入らなくなって一年以上経ったのだが、遂に再始動なのか新たなるMIXCDをリリースする事になりました。しかも以前にも「Nite:Life 016」(過去レビュー)と言う名作MIXCDをリリースしたNRKから、今度は2枚組の大作でファン泣かせなリリースです。

Disc1はモロにハウス満開、軽く爽やかなアフロハウスから黒光りするディープハウス、キャッチーなアッパーハウス、温かみのあるソウルフルなハウスなど、どこをとっても4つ打ちハウスに囲まれています。以前生でDJ聴いた時は、ゴリゴリでミニマルなテクノ〜デトロイトテクノで鬼気迫る迫力のプレイだったけれど、このMIXCDでは幾分か肩の力が抜けてより自身のルーツに近いラテン的な面が出ている様な気がしますね。UR在籍時のハードで暗黒エレクトロをリリースしていた頃と同人物とは思えない程の変わり様ですが、このMIXCDの様なプレイをするのならばURとは一線を画すのも納得かな。デトロイト色が余りないから離れるファンも出てくるかもしれませんが、僕は素直に格好良いハウスだと思います。緩めの前半からキャッチーな中盤、疾走感溢れる後半(テクノ少々)まで手堅く盛り上げます。DJ Rolandoがまさか「Bar A Thym」をプレイするなんてって思ったけど、そんなプレイが彼のこれからの道を示唆しているんでしょう。

対してDisc2はダンサンブルながらもどちらかと言うと緩めの選曲で、夜にしみじみと聴くのに良いムードが出ています。Tread、David Alvarado、Vince Watsonらのテックハウス、Trackheadz、Indigenous Space People(Ron Trent)、Tokyo Black Star(DJ Alex From Tokyo)らのディープハウス、そしてデトロイト好きは見逃せない「Sueno Latino(Derrick May Illusion Mix)」を収録。ほぼフルレングスで収録してあるので、ミックスと言うよりはDJ Rolandoの自分用のリラクシングCDな意味合いが強そうです。たっぷり踊った後は体を休ませて、静かに時間を過ごそうって事なんでしょう。Disc1とは対照的に落ち着いて聴きたいですね。

さあ、後は新曲を待つのみ。DJ Rolandoの今後に期待が膨らむばかりです。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
John Tejada - Plus : Los Angeles (Plus:PLUS104)
John Tejada-Plus DJ Mix Vol.4
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John Tejadaのめちゃ上手なプレイを堪能出来るMIXCDがこちら、Technasiaが送るPlusシリーズの最終章です。Charles Siegling、Amil Khan、Shin Nishimuraと続いたシリーズに、何故かTejadaがトリを飾ります(Technasiaと交流があったんでしょうけど)。今までの人達がかなりアッパーで激しいプレイを聴かせていたのとは対照的に、Tejadaはクリッキーな曲から始まり物静かです。シカゴハウスを通過した様なクリックや生っぽい音を生かしたクリックで、派手な展開もなく全く以て地味なんですが渋いの一言。中盤以降は徐々にテンションを高めつつテクノ色も増やして、ミニマル調に変化してゆきます。暗めな曲調が多いながらも、時折目の覚めるような派手なトラックをぶち込みはっとさせてくれたりもします。元々はヒップホップDJだったらしく、テクノにしては珍しい巧みなスクラッチもばしばし差し込んで痺れる〜!実際あんまりTechnasia関連の音っぽいかと言うとそうでもないけれど、めちゃくちゃプレイの上手いって事は聴けば分かります。後半は普通にテクノテクノで盛り上がるし、最初から最後までパーフェクトッ!自分の持っているMIXCDの中でも、相当ランキングは高いですね。

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| TECHNO3 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Carl Craig - Fabric 25 (Fabric Records:FABRIC49)
Carl Craig-Fabric 25
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名作Fabricミックスシリーズに、遂に天才Carl Craigの登場です。発売前から期待を膨らましていたものの、トラックリストを見た時はハウスセットか〜と微妙な気持ちになったり。ようやく実際に耳にしてみると、生ハウス、テックハウス、テクノが程よく分配されて、Craigの大きな音楽性を充分に見せつける流れがありました。今までだって思い出してみると彼のプレイはどちらかと言うとハウス色が濃厚だった訳で、今回は特に湿っぽく艶めかしい質感が強いです。終始ビートはそれ程上がらず前半から中盤はハウス、中盤過ぎから硬めのテックハウスで少し盛り上げ、ラスト前に一端落とす。そしてラスト2曲はCarl Craig、Tokyo Black Starのヒット曲を立て続けに回して、感動的なラストを飾ります。Carlと言えば下手くそなDJだったのに、最近はDJの方も腕を上げたようでロングスパンでの緩急の付け方が上手いですね。テクノセットじゃないからダメだなんて思ってる人は、騙されたと思って聴いて欲しいし、ハウス好きな人には問題なく推薦出来ます。近年活動が乏しかったエレクトロニックミュージックにおける天才が、ここに来て完全に復活しています。来年以降のCarl Craigが楽しみで止みません。(12月20日現在1900円でお得です!)

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(2) | |
Octave One - The Collective (430 West:4WCD-300)
Octave One-The Collective
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昨日紹介したRandom Noise Generationがデトロイトテクノならば、Octave Oneはデトロイトハウスと言う事になるのだろうか。どちらも同じBurden兄弟から成るユニットとは言え、その音楽性は結構違いが見られます。大ヒットした"Blackwater"はOctave One名義だし、やはりこの名義の方が比較的耳に残るメロディーが強くキャッチーではありますね。さて当時はEPばかりの活動であったOctave Oneでしたが、その初期のEPを集めたのがこの"The Collective"であります。注目すべきはURからリリースされた"Day Star Rising"と"I Believe"ですよね。前者はハードながらもエスニックなメロディーが妖艶な雰囲気を醸し出すハウス、後者は郷愁に満ちた感動的なデトロイトハウス。この2曲は頭一つ抜けていて、古臭くはありますがクラシックとして名を残すでしょう。他の曲はと言いますとやはり時代が時代だけにまだ洗練されていなく荒さが目立ちますが、パーカッシブで図太いリズムトラックは既に健在です。ただデトロイトテクノにありがちなコズミックな高揚感とはかけ離れていて、どこか物悲しくむしろ底から湧き出る闘争心みたいなのを感じますね。単純にハッピーとか楽天的な音楽性なのではなく、URとも共通するハードな精神を伴っている事にはやはりデトロイトの重要なユニットである事を思い出させてくれました。まあしかしこうゆうダークな曲を作ってた人達が、まさか後に"Blackwater"なんて大ヒット曲を出すなんて誰も予想出来ないでしょう。

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| HOUSE2 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Juan Atkins - Wax Trax! Master Mix Vol.1 (Wax Trax! Records:TVT 7254-2)
Juan Atkins-Wax Trax! Master Mix Vol.1
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遂に明日ageHaにおいてKen Ishiiと競演するJuan Atkinsが、テクノ創世記とでも言うべき選曲でMIXしたのがこれ。わ〜曲目だけ見ても凄いね〜、Model 500、Rhythim Is Rhythim、A Number of Names、Rob Hood、Infiniti、Maurizio等ちょーすげー面子の曲ばかりじゃん。こんなの悪い訳ないじゃん。つかすっげークゥゥゥゥ〜ルだよ。エレクトロ、シカゴハウス、デトロイトテクノ、ハウスなど、それもまだエレクトロニックミュージックの創世記を思わせる曲ばかりで構成されていて、さすがテクノを創造したJuan Atkinsだと思わせられるよ。前半は比較的ハウス路線で抑えめに来るけど、中盤は淡々としたミニマル路線でそこからドッカン!とInfinitiの名曲Game Oneで見事に弾ける。幾何学的なシンセのプリズムに囲まれて、サビでは薄く伸びるシンセラインがかっちょいい!後半ではハウス、ダビーミニマルでおとなしめの展開と思いきや、終盤でゲットーテクノで安っぽい音ながらもファンキーな攻め具合。意外や意外、思ったよりも展開に起伏があると言うか選曲に幅があるんだねぇと感心しました。聴けば分かるけど上手いMIXではないんだけど、この人の場合選曲センスでなんとかなるパターンなんだろうね。テクノのドンらしい硬派で媚びないMIXなんじゃないかと。派手なプレイで盛り上げるのももちろん楽しいけれど、こんなプレイが出来るDJはそうはいないんじゃないかな?ここに収録されているアーティストだって大半はJuan Atkinsに影響を受けているはずなんだけど、そんなアーティストの曲を使った師匠×落とし子達の美味MIXだよ。

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| TECHNO1 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Nookie featuring Larry Heard - Paradise (Sony Music Entertainment:AICT-20)
Nookie Featuring Larry Heard-Paradise
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中古レコード屋の良い所は時々掘り出し物が見つかる事、しかも意外と安い時もあったりする。まさにそんな感じだったのが今回紹介するアルバムで、存在自体を知らなかったのだけどLarry Heardの言葉に釣られて即購入しました。Larry Heardをフューチャーって事はNookieがメインなのかな?そもそもNookieとは誰なんだ?解説を読むとNookieとはUKドラムンベースのオリジネイターらしい。そしてNookieは自分が影響を受けたヒーローがLarry Heardであり、レーベルの勧めもあってLarry Heardとコラボーレーションする事になったとか。まあコラボと言ってもお互い会った事もなく、お互いが素材を送り合い曲を形作って行く感じだったらしいが。そして出来たのがこのドラムンベースなアルバムです。ええ、ドラムンですよ…って予想外に良いですよ!リズム帯は完璧ドラムンでこっちはNookieが全面制作に違いない。そしてメロディーや浮遊感のあるシンセは、どう聴いてもLarryが手がけています。ボーカルも相変わらず語りかける様な、全てを許容する優しい声のLarryです。Larryのメロディーがドラムンで合うのかって思うでしょうけど、なんか普通にマッチングしちゃってるんですよね。シャープで引き締まってそれ程激しくないドラムなので、Larryのメロディーを邪魔する事もないし小洒落た音楽になっているんです。いつも程のディープ感は薄いけれどメランコリーでムーディー、静かにじっくりと耳を傾けたくなります。ドラムンは有名なのを何枚か聴いたけれど、このドラムンアルバムが一番良いですよ!もちろんハウス好きの人が聴いてもすんなり入り込めると思うし。中古で見かけたら即買い必至です。

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| ETC1 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
2005/02/13 SUBMERGE TOUR @ Liquidroom
行ってきましたよ〜、Galaxy 2 Galaxy!!結論から言うと(・∀・)イイ!!まあ、その分混み具合は満員電車状態でしたけどね。じゃあ忘れない内にちゃちゃっと感想を。

B.Calloway-Black Grooves Mr.De'-Renaissance
左:B.Calloway-Black Grooves
右:Mr.De'-Renaissance

Los Hermanos-On Another Level UR Presents Galaxy 2 Galaxy-A Hi Tech Jazz Compilation
左:Los Hermanos-On Another Level
右:UR Presents Galaxy 2 Galaxy-A Hi Tech Jazz Compilation

今回出演したアーティストの作品です。アマゾンで購入可。
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| EVENT REPORT1 | 01:50 | comments(9) | trackbacks(4) | |
Laurent Garnier - Excess Luggage (F-Communications:F1873CDBOX)
Laurent Garnier-Excess Luggage
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元料理人でありフランスの伊達男、ローランガルニエ。そのプレイはテクノ伝道師とも言える幅広い選曲で、一夜のプレイで様々な面を伺う事が出来る。個人的にはテクノセットが好きだけど、ハウスやロック、果てはドラムンベースまでも回す何でもありな人です。そんな彼もデトロイトにはやはり興味があるのか、自身のアルバムにおいてデトロイトライクなトラックを多く作っています。さてこのMIXCDは2000年のSONAR、2002年のデトロイト、後多分PBBと言うラジオのライブを収録した物でやはり彼の幅広い選曲を体験するにはもってこいです。

一枚目のSONARのプレイはハウス中心のセットでムーディーな物から、シカゴ、アシッドまで気持ち良く聴けます。DAVINA-Don’t you want itはデトロイトハウスのクラシック、今年のイエローでのプレイでも回していました。

二枚目は血管ぶち切れデトロイト中心のMIX。しょっぱなHi-Tech Jazzですよ!この曲は他のDJにもここ1、2年で実際のDJでよく使われている気がします。ほぼデトロイトに関連のある曲を使っているので、デトロイト好きには必ず受けると思います。終盤自身のThe Man with the red faceは、彼の曲の中でも最もデトロイトへの愛着を示した結果となるものでしょう。そこから69-Desireに繋ぐと言う悶絶必至のMIXです。

三枚目のラジオでのプレイは、テクノやハウスじゃなくてダウンテンポなのかな。寂れたバーとかで流れてそうな感じで、哀愁がありますが僕は余り聴いていないので何とも言いようがありません。

実際のプレイではテクノ→ハウス→ロック→…と目まぐるしくどんどん変わっていくので忙しい感じもするけど、一夜にして壮大なロングジャーニーを経験する事が出来ます。そして今週末にageHa、来週月曜にYellowと今回は2回も東京でプレイ。この機会に是非ともテクノ好きは、ガルニエのプレイを体験してみてはどうでしょうか。

試聴 

ちなみにこのMIXCDには4、5枚目がありF-COMショップ直販で買えます(現在はアマゾンでも購入可)。4枚目がデトロイトとシカゴハウスのクラシックを多用したMIXで超絶物です。僕は当然買いました。

Laurent Garnie-Excess Luggage
Amazonで詳しく見る(4、5枚目の方)


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| TECHNO1 | 17:19 | comments(2) | trackbacks(1) | |