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Trinidadian Deep - Native Revolution (Visions Inc:Visio019)
Trinidadian Deep - Native Revolution

Alex Attias主宰のVisions Incの新作はUSからフュージョン・ハウス/ディープ・ハウスを一心に追求するTrinidadian Deepによるもの。Visions Incの音楽性は90年代のBeatless名義での活動、そして00年代に入ってからも西ロンのブロークン・ビーツやフューチャー・ジャズの隆盛に貢献したAttiasの音楽性そのもので、つまりはオーガニックとエレクトロニックの調和、そしてテクノやハウスにジャズやソウルにファンクなど様々な要素が詰め込められており、音の響きやリズムのフォームの豊かさが秀でている。そんなレーベルに対しTrinidadian Deepはアフロパーカッシヴなグルーヴにアンビエントな感覚もあるディープ・ハウスを全くぶれる事なく手掛けており、その意味ではVisions Incの広範囲な音楽性の中に収まっている点での相性の良さはおおよそ想像されるが、しかしやはりTrinidadian Deepの作品はどこのレーベルからリリースされようともTrinidadian Deepとしか呼びようのない音楽になってしまうのは、もはや職人芸か。アフロで抜けの良いパーカッションのリズムから始まる"Native Revolution"、そして直ぐに透明感のあるシンセの麗しきコード展開も加わり、艷やかなシンセソロやエモーショナルなオルガンのソロも入ってくれば、それは完全にTrinidadian Deepの豊かな情感が溢れる土着的なアフロ&フュージョンなディープ・ハウス。ドスドスと地面を揺らす力強いグルーヴに支えられ、優雅に舞い踊るシンセの旋律は美しく、果てしない大空を飛翔するように疾走するハウスはフロア志向ながらも機能性だけでなく感情に訴えかける要素も含んでいる。よりリズム感が強調されているのが"Native Tribe"で、カラッと乾いたパーカッションがリズムを構成し、そこにダビーな声のサンプルやミニマルなシンセのリフで引っ張っていくよりオーガニック性が打ち出たアフロ・ハウスは、しかし土着的でありながら浮遊感伴う軽さによってアンビエントな空気も含んでいる。ディープ・ハウス、トライバルといった音楽性にふんわりとしたアンビエンス性も持ち込んだ作風はTrinidadian Deepの特徴であり、そういった点から見れば本EPの2曲も正にTrinidadian Deepの典型的な作風だろう。毎度金太郎飴的な作品と紹介するのは申し訳なさもありつつ、しかしそれだけ自身の音楽性を築き上げていると考えれば、その意味では信頼に足るアーティストなのだ。



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| HOUSE13 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2018
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。今年は節約も兼ねてBandcamp等の配信でも積極的に音楽を購入するようになった結果、輪をかけて購入する量は増えたもののそのおかげで聴き込めていない音楽も増えてしまい、レビューも書けずにこの年末のベスト紹介で掲載する機会も逃してしまう始末。また昨年に続きパーティーへと足を運ぶ機会も減っており所謂ダンス・ミュージックに対する関心は減少というか、良い意味でそこへの拘りは少なくなり、その半面ホームリスニングにも耐えるうバレアリック/アンビエント/ニュー・エイジといった音楽への興味がより増えた一年でした。そんな今の趣向から選んだ年間ベストは当ブログの昔のベストに比べると確かに方向性が変わったのは事実ですが、音楽への愛や興味は全く変わっておりません。また来年も素敵な音楽に出会い、そして色々と紹介出来たらと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep - Organic Roots EP (deepArtSounds:dAS 021)
Trinidadian Deep - Organic Roots EP

もはやRon Trent直系で愛弟子という売り文句も説明は不要であろう、トリニダード・トバゴ出身で現在はニューヨークを拠点に活動するTrinidadian Deepは、アフロで爽やかなパーカッションと流麗なシンセやオルガンを前面に出した壮大なディープ・ハウスにおいては群を抜いており、非常に多作なリリースながらもどれも高い品質を保って信頼足るアーティストの一人だ。本作は前述のTrentやAnthony NicholsonにGlenn Undergroundらもシカゴ勢も積極的に手掛けるdeepArtSoundsからのリリースで、そういった意味ではレーベルとの相性の良さは言うまでもないが、当然の如く普段の彼らしい澄み切った空気が広がる清涼なディープ・ハウスをここでも聞かせている。ボーカルにSarignia Bonfaをフィーチャーした"I Need You"はエレガントなシンセ使いで優雅さを振りまきつつポコポコとした響きのコンガ系パーカッションで弾けるようなグルーヴを生み出し、そして甘く問いかける歌が官能的でありながらダビーな残響を伴って大空の中へと消えていく清々しいロマンティックさを感じさせ、いきなりTrinidadian Deep節全開なディープ・ハウスを披露。そして"Fusion"も序盤はゴージャスな響きのシンセで綺麗なメロディーを展開し、金属的なパーカッションや軽やかな4つ打ちで軽やかに身体を揺さぶるハウスだが、中盤からは衝動のあるがままにキーボードを演奏したような必殺のオルガンソロが炸裂して輝かしい太陽光を全身で浴びるようなポジティブな雰囲気に包まれる。続く"Future Funk"も同じタイプな耳に残るシンセリフとエモーショナルなオルガンソロ、そしてチャカポコした抜けの良いアフロ・パーカッションで軽やかさを生むハウスで、金太郎飴的な作風ではあるもののここまで徹底されると何か自然と笑みがこぼれてしまう。そして以前にTrinidadian Deepがリミックスを行った事で絡みもあるAllstarr Motomusicが、ここでは逆に"I Need You (Allstar Motomusic Remix)"としてリミックスを提供しているが、原曲の優美な雰囲気はそのままにビート感は滑らかに整え、フュージョン風な豊かなシンセソロも加えて艶やかさを増した上でアンビエント性や浮遊感も盛り込んで、しっとりとした落ち着きを持ったハウスへと生まれ変わっている。いつものTrinidadian Deepらしい開放感の中で大手を振って舞い踊る躍動感に溢れたディープ・ハウスが並んでおり、完全に我が道を突き進む活動にブレは無い。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep & Lars Bartkuhn - Sonics & Movements (Neroli:NERO 041)
Trinidadian Deep & Lars Bartkuhn - Sonics & Movements

イタリアにて優美なハウス・ミュージック〜クロスオーヴァー系には定評のあるNeroli、その新作はTrinidadian Deep & Lars Bartkuhnによる共作だ。Ron Trent直系でオーガニックかつアフロ・パーカッシヴなフュージョン・ハウスを量産するTrinidadian Deep、そして元Needsのメンバーでありジャズやフュージョンからの要素をハウス・ミュージックへと昇華させ耽美な世界観を創造するBartkuhn、そんな二人の音楽性がNeroliに合わない訳もなく、そしてその二人がコラボレーションしたのであれば興味を惹かずにはいられない。A面にはTrinidadian Deepのソロが2曲収録されているが、揺れるリズムに軽やかで爽やかなパーカッション使い、そして煌めきのある耽美なシンセにダビーな処理を加えて奥行きも演出した爽快感溢れるディープ・ハウスの"Native Palo"は、おおよそアーティストに期待している音楽そのものだ。途中から入ってくる麗しいシンセソロなど、一曲の中で魅力的な展開も作っている。"The People"はよりトロピカルなパーカッション使いに体も軽やかになり、スティールパンの朗らかな旋律やオルガンソロが躍動して、ラテン×フュージョンのような陽気なハウスだ。そして裏面には二人の共作がバージョン違いで収録されているが、"The Parish (Full Experience)"こそ両者の音楽性が正にフュージョンして、壮大でエレガント、豊かな表情を見せるディープでアフロなハウス傑作になっている。10分を超える大作なれど様々な要素を持ち込み飽きさせる事なく、かもめの鳴き声らしいオープニングから土着的で軽やかなパーカッションが快活なリズムを刻み、すっと伸びる光沢感あるシンセと耽美なエレピのリフで優雅に引っ張っていく。咽び泣くようなエモーショナルなシンセソロでぐっと郷愁を強めつつ、ダビーなパーカッションが空間の広がりを創出し、次には繊細なピアノが滴るように入ってきて、あの手この手で装飾するように展開を繰り広げる作風はアーティスト性の強いBartkuhnの手腕が発揮されている。バージョン違いの"The Parish (Dub)"はそのタイトル通りで、民族的なパーカッションが空へと響き渡るように爽快さが強調されており、特にオリジナル以上のダブ処理によってより躍動感を獲得している。どの曲もNeroliというレーベルの華麗な美しさを纏う音楽性に沿っており、二人のアーティストの相乗効果も抜群に作用した名作と断言する。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ewan Jansen / Trinidadian Deep - Various Vol.1 (Chubby!:CHUB-001)
Ewan Jansen Trinidadian Deep - Various Vol.1

オーストラリアはシドニーを拠点とするパーティー/ポッドキャストであるChubby!がレーベルとしての活動を始めたそうで、その第一弾は耽美なディープ・ハウスを手掛けるオーストラリアのEwan Jansen、そして同様に耽美かつアフロなディープ・ハウスを武器とするTrinidadian Deepの二人によるスプリット盤だ。そして特筆すべきはデトロイトのベテランであるMike Grant、そして再評価を受けるジャパニーズ・ハウスの先駆けであるMissing SoulことMr. YTがリミキサーとして参加しており、つまりハウス・ミュージック好きな人にとってはその参加しているアーティストだけで十分に魅力的と言える一枚だ。Jansenによる"Plants"はスムースかつ芯のあるハウスの4つ打ちに合わせて透明感溢れる優美なパッドを伸ばし、輝きを含んだゴージャスなシンセのメロディーを配して、徐々に勢いを付けて飛翔するように壮大さを増していくハウスで、豊かに装飾されながらもけばけばしくはなく彼らしいエレガンスが光っている。対してGrantがリミックスをした"Plants (Mike Grant Remix)"はしっとり落ち着いた4つ打ちに抑えつつムーディーなエレピのコード展開を軸に控え目にシンセ等も散らし、より内向的と言うか豪華さを包み込んで控え目にする事でより耽美な空気が程良く発せられており、大人のディープ・ハウスと言った趣きは官能的ですらある。一方でディープ・ハウスという同じスタイルながらもアフロなパーカッションが印象的なTrinidadian Deepによる"Move Me"は、また彼が得意とするオルガンのソロが自由に大空を飛び回るように躍動し、鮮やかなパッドと絡み合いながら爽快な風と情熱的な空気を吹かせる。そして昔ながらのジャジー・ハウスを得意とするMr. YTによる"Move Me (Mr.YT Remix)"は、オリジナルよりも更に硬いパーカッションを弾けさせ新鮮かつ大胆なエネルギーの感じられるリミックスに仕上げており、同じパーカッシヴな味付けでもアフロではなく何処かジャジーな雰囲気があるのはやはりMr. YTの個性が故だろう。おおよそどの曲も目新しさや流行とは無縁で、それどころか各々の個性に沿ってオーセンティックなハウスを尊重したような作風は、しかしその力量があるからこそ時代に関係なく聞ける質がある。これぞディープ・ハウス。



Check Ewan Jansen & Trinidadian Deep
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Good Mellows For Beautiful Lights (Suburbia Records:SUCD1007)
Good Mellows For Beautiful Lights
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渋谷にて良質な音楽を提供するCafe Apres-midiを運営する橋本徹が、近年メロウをコンセプトに選曲するシリーズ『Good Mellow』も本作にて9作目。作品毎に風景や環境を想起させるタイトルを付けてはそれに見合った選曲を行い、コンセプトを遵守しながらメロウを追求するシリーズは、橋本の新たなる顔となりつつある。アナログでしかリリースされないレアな曲などもさらっと盛り込む事で貴重な音源の紹介に貢献しつつも、しかし本質は音楽そのものであり、ディープ・ハウスからバレアリックにアンビエントやジャジーなものまで網羅したメロウな響きが根底にある。そんな新作のテーマは「美しい光」と太陽の朗らかな光を全身で浴びるようなイメージなのだろうか、比較的ここでは清々しく明るめでムードが強いように思う。幕開けにはUnknown Mobileによる"No Motion"、鳥の囀りとフィールド・レコーディングによってオーガニックな響きと澄んだ空気に満ちた透明感のあるアンビエントで、まるで朝靄の中の目覚めのようだ。続くはSorcererによるアコギやマリンバらしき音色に微睡むフォーキー・バレアリックな"Afro Heaven"、そして甘くも気怠いメロウでジャジーな"Southern Freeez (Mudd's Mix For Emma)"を通過すると序盤のハイライトが待ち受けている。それこそKenneth Bagerによる"Love Won't Leave Me Alone"で、Jean Luc Pontyの麗しいヴァイオリンも映える何にも束縛されずに開放感溢れるメローかつバレアリックなハウスは、その華麗な美しさに酔いしれる事は間違いない。コンピレーションが単なるBGMではなく素晴らしい音楽の紹介という導きの意味があるならば、この曲はアルバムの中でもその目的に最も適っているだろう。そこからは牧歌的なメロディーで多幸感が広がるテクノ寄りの"For You (DJ Koze Mbira Remix)"、優雅に舞い踊るピアノと軽やかに走るジャジー・グルーヴによって心地良い爽快感のあるディープ・ハウス"Father"、そして洗練されたジャジーなトラックに甘く優しいボーカルが朗らかさを添える"Rescue Me (The Sophisticado L.O.V.E. Mix)"、旬のアーティストであるLay-Farによる煌めく音色が華やかで端正なハウスの"Like The First Time"と比較的フロア方面からの曲が並んでいるが、そのどれもが音楽的に豊かでリスニング性を持っているからこそDJミックスではなくコンピレーションの中でも映えるのだ。そしてラストはメルボルンからのニューカマーであるAlbrecht La'Brooyによる"Encounter (Midnight)"、神秘的なアンビエントのムードとしっとりとハウスのグルーヴで徐々に微睡みに落ちていくように静かにクローズを迎える。タイトルに偽り無しの外交的な空気が広がる中で美しい光に包まれるようなサウンドは快適性に満ちており、勿論このシリーズに通底するメロウネスは本作でも変わらず、質素な部屋を彩るBGMになる事は間違いない。

Tracklistは続きで。
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| CROSSOVER/FUTURE JAZZ2 | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep - Native EP "V" (Neroli:NERO 034)
Trinidadian Deep - Native EP V

Volcovが主宰するイタリアのNeroliはブロークン・ビーツにしろハウスにしろ、しなやかなリズムと優美な響きを持って聴く者を魅了する実に洗練されたレーベルだ。特にここ2〜3年の間にリリースされた作品は外れがなく、レーベル買い出来る程に信頼に足る存在にまで成長している。そんなレーベルに於いて特に活発な活動を見せるのがUSのTrinidadian Deep、そうRon Trent直系と言うか愛弟子として育ったその人であり、タイトルが示す通りにNeroliから毎年リリースする作品は本作にて通算5枚目となる。オーガニックで爽やかなパーカッション使いや清らかで耽美な音色を武器に、自身の作風を貫くその連作は確かに似通ったものではあるが、だからこそリスナーの期待を裏切る事はない。本作でもやはり弾けて飛翔するようなグルーヴを生むパーカッション使いが目立ち、"Native Rebel"ではそのグルーヴに合わせて光沢のあるエレクトロニックなシンセのレイヤーに麗しいオルガン・ソロが力強くメロディーを描きながら、しなやかな躍動感と優美なエモーションが爆発するディープ・ハウスを展開する。B面の"Native Bruk"でも輝きのあるシンセのコードやライブ感のあるキーボードのプレイが色鮮やかに彩り、連打するような勢いのあるパーカッションやキックが走る事で疾走感と大らかな開放感を生み出し、青い大空の中へと飛び込んでいくようだ。"Native Uprising"は特に派手な音色が用いられており、ゴージャスなシンセやパッドがすっと伸びながら綺麗なフルートや耽美なピアノが絡んでいくこの上ない優美な構成で、本EPの中でも特段に輝かしくエモーショナルな装飾が施されたフュージョン風なディープ・ハウスだ。どれもこれも作風にぶれはなくここまでの統一感は逆に一本調子にも思わずにはいられないが、これこそTrinidadian Deepの個性であるという主張があり、アーティストとしての見据える先は定まっている。



Check "Trinidadian Deep"
| HOUSE12 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Missing Soul - Regard / Across My Mind (Future Vision World:FVW004)
Missing Soul - Regard / Across My Mind
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ダンス・ミュージックと言う場において静かに、しかし着実に再燃しているジャパニーズ・ハウス。我ら日本人ですらリリース当時には気付かずに歴史に埋もれてしまった作品が多々あり、そしてそれらは今になって世界各地のレーベルから掘り起こされ、当時の良質なハウスがようやく確かな評価を得ようとしている。このMissing Soulもその一人であり、今ではゲームミュージックを手掛けるYuji Takenouchiとして知られているが、かつてはMr. YT名義でApollo Records等から作品をリリースしており、2008年にはRon Trentが主宰するFuture Vision Recordsからのコンピレーションにも曲が収録されるなど、所謂ジャジー・ハウスーでは知る人ぞ知るアーティストだ。2014年からは今後予定されているアルバムの先行EPがFuture Visionからリリースされているが、そのアルバムがお蔵入りになったかどうかはさておき、取り敢えず関連するリミックスEPがリリースされている。リミキサーにはレーベル主宰のRon Trent、そしてその愛弟子とも呼べるTrinidadian Deepとジャジーな要素を持つ二人ならば、Missing Soulとの音楽的な相性の良さは言うまでもないだろう。Ronによる"Regard (Musicandpower Ver.)"、正式にはMr. YT名義の気品漂うエレガントなハウスの原曲だったが、ここでは水飛沫弾けるようなパーカッションを加えて揺れる躍動を作りつつ、透明感を継承しながら耽美なピアノが滴り落ちて酔いしれてしまうジャジーなディープ・ハウスへと味付けしており、RonとMissing Soulの要素が自然と同居する。一方でオリジナルはジャジーヴァイブス溢れた曲だったのを、"Across My Mind (Trinidadian Deep Remix)"では日本語のポエトリーも加えた上にゴージャスなシンセや爽快さ抜群のアフロな太鼓を被せ、テッキーかつトライバルで大空を飛翔するような壮大なハウスへと生まれ変わらせており、こちらはTrinidadian Deepの作風が前面に出ているだろう。かつてのジャパニーズ・ハウスを今になってディープ・ハウスの実力者である二人がリミックスするのは何だか感慨深いが、良いものは時代に関係なく良いという証でもあり、今こそMissing Soulが注目を集める時なのだ。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep - Guidance EP (Rough House Rosie:RHR 011)
Trinidadian Deep - Guidance EP
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ロシアのディープ・ハウス勢から日本のアンダーグラウンドなアーティストまで独特の審美眼により文字通りディープな音楽を追求し、またクララ・ボウのスタンプがレーベル印としても印象的なRough House Rosie。その音楽性は陰鬱とアンビエントの中間のようなディープさと、耽美さの中に仄かにエモーショナルな音色を含ませた慎み深いディープ・ハウスであったが、レーベルの最新作は何とFuture VisionやNeroliからの作品で一躍注目を集めているUSのTrinidadian Deepが手掛けている。Ron Trentの愛弟子とも言える彼の音楽性はやはりUS直系の黒さと飛翔するような爽やかさを含んだ優美なディープ・ハウスなので、RHRから新作が出ると知った時は?という思いであったが、実際にリリースされた作品を聞けばその良質な音楽を前にして突っ込みを入れるのも野暮だと知る。A面にまるまる収録された"Obi"は13分にも及ぶ大作で、如何にもなカラッと弾ける爽やかなパーカッションに導かれ軽やかに疾走する4つ打ちのハウス・ビートが疾走り、そして土着的な土煙の中から浮かび上がるオールド・スクール感あるオルガンによって心地良い酩酊状態へと誘われる。大きな展開を繰り広げる訳ではないが、途中でのテッキーなシンセのコード使いやスピリチュアルさ爆発のオルガン・ソロなどぐっと耳を惹き付けるライブ感溢れるパートもあり、長い曲構成が全く無駄になる事なく壮大なジャーニーの演出として成り立っている。B面の"Italness"も音楽的には変わりはなく、土着的なパーカッションが爽快な風を吹かせて軽やかさを演出し、そこに優美でスペーシーなシンセが流れ落ちていく事でコズミック感のあるハウスになっている。残りの一曲はレーベルの主力アーティストであるHVLが手を加えた"Obi (HVL's Robotic Edit)"を収録しているが、こちらはよりレーベルのアブストラクト性を打ち出した妙技と言うべきか、奇妙な効果音も加えながら深遠さを増したダウンテンポなディープ・ハウスへと見事な生まれ変わりを披露している。RHRらしいのは確かにHVLのエディットだろうが、Trinidadian Deepの空へと羽ばたくような浮遊感あるディープ・ハウスも当然お勧めだ。



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| HOUSE12 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep - EP IV (Neroli:NERO 030)
Trinidadian Deep - EP IV

ディープ・ハウスの御大であるRon Trentに見初められ彼のレーベルであるFuture Vision Recordsから2006年にデビューを果たし、2012年からはイタリアのクロスオーヴァー系のNeroliから作品をリリースする、その人こそサンフランシスコのTrinidadian Deep。特にNeroliとは蜜月の関係にあるようでこの作品でレーベルからは4作目となるのだが、既に自身の個性を確立させた上での自信満々な意気込みさえ伝わる金太郎飴的な作風を貫いており、その耽美な旋律と土着的なビートによるディープ・ハウスは旧来のファンも勿論新期のリスナーも胸をときめかせる事だろう。A面には1曲のみだが10分にも及ぶ大作であるフュージョン・ハウスの"London Steps"を収録しており、青空を割って広がるような爽快感抜群のパーカッションと優美な輝き放つシンセ使い、そしてほんのりとエロティックな女性の溜息をサンプルに用い、どこまでも爽やかで浮遊感のあるビートに乗って羽ばたくエレガントなフュージョン・ハウスだ。対して"Spirits Speaks"は優美なパッドは用いつつも土着的なコンガが催眠的に響き、浮かび上がるのではなく低空飛行でじわじわと引き伸ばされる感覚があり、前述の曲とはまた異なる場面で使われそうだ。最後には"Lil Love"、端正としまりのある4つ打ちを基軸にした最もディープ・ハウスらしいグルーヴ感で、そこに色彩豊かなシンセがすっと伸びて太陽が燦々と降り注ぐ大地を疾走するような爽快な曲だ。個性が確率されているが故に驚く展開もないが、その期待を裏切らない優美なエモーションと爽快なグルーヴが一つとなったクロスオーヴァー/フュージョン的なハウスサウンドは、非常に完成度が高い。ハウス系のパーティーで高揚する真夜中にも、または幻想的な朝方にも間違いなくはまるであろう。



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| HOUSE11 | 09:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep - Dem Jump (Neroli:NERO 026)
Trinidadian Deep - Dem Jump

もしRon Trentに正統なる後継者がいるとしたら…それはTrinidadian Deepである事に異論を差し挟む者は少ないだろう。何と言ってもデビューは2006年にRon主宰のFuture Vision Recordsからと早くからその才能を買われ、その後もRonに負けないスピリチュアルかつソウルフルな、そして壮大なスケール感とディープな空間演出を伴うディープ・ハウスをリリースし、アーティストとしても着実な評価を獲得している。本作はイタリアのクロスーオーヴァー路線のNeroliからの新作で、同レーベルから続けてリリースされた"Deep Love EP"(過去レビュー)、"Sweetness You Bring"に続く恐らく3部作最後になると思われる。始まりの"Dem Jump"からして文句無しに素晴らしく、丸みのある柔らかなマリンバの音が軽快に響く中を爽やかなパーカッションが打ち乱れ、優雅なシンセの層が延びて行くボサノバとディープ・ハウスが邂逅したような曲で、この時点で青々とした空と草木が茂る大地が目の前に浮かび上がるようだ。"Eyes Closed"はよりディープ・ハウス的というか、大地を疾走するような土着的なビートに滴り落ちるピアノ・コードを絡めた美しくも爽快な曲で、昼間の野外パーティーにて燦々とした太陽の光を浴びながら聴いてもはまりそうだ。より特徴的なのは"Beyond Us"で、乾いたボンゴの複雑かつ躍動的なリズムから始まり、そして色彩豊かなシンセが滲み出すドリーミーなこの曲は、上品な甘さでとろけてしまいそうな程に官能的だ。ここに収録された全ての曲はディープ・ハウスとしての魅力を十分に内包し、しかし何処までも広がっていくようなような開放的な世界観は、既にRon Trentにも劣らない程に成熟している。新しい世代の到来を予感させるような、Trinidadian Deepの才能が発揮された一枚だ。



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| HOUSE10 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
BEST OF 2013
今年も一年間当ブログを御覧頂いた読者の皆様、どうもありがとうございました。ElevenやSecoの閉鎖、関西方面ではオールナイトのパーティーは禁止となるなど、相変わらずパーティーを楽しむ人にとっては厳しい状態が続いております。その一方でOrigamiやLouverと言った新しいクラブもオープンしたり、また日本人が中心となるパーティーも増えているように思われるし、素晴らしいパーティーを作りたいと燃えているアーティストやオーガナイザーの熱い志に触れる機会があった一年でした。音楽にしても売れる量は確かに減っているものの、アナログ・レコードはその存在感を強めているし、良質なダンス・ミュージック作品も多かったと思います。で年間ベストに選んだ作品はリスニングとして耐えうる作品が中心になっているのですが、流行とかとは無縁なある意味ではベタな作品が多くなりました。結局時代に関係なく聴ける作品が自分の中で印象に残っているみたいですが、それとは別に毎週パーティーで最新のテクノやハウスを聴く事で、新しい成分を補完していた一年だったかなと。現場へ行く事で新しい音楽仲間の輪が繋がる事も多いわけで、その意味ではやはりパーティーへ足を運んで体験する事は重要な要素だったと思います。それでは、来年も良いお年を!
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| BEST | 13:30 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep - Deep Love EP (Neroli:NERO 023)
Trinidadian Deep - Deep Love EP

Ron Trentの秘蔵っ子とも言えるTrinidadian Deepの新作が、クロスオーバー路線を突き進むイタリアのNeroliよりリリースされている。2006年にRon Trent主宰のFuture Vision Recordsからデビューして以降、忠実にRonの音楽性を引き継いでディープ・ハウスの伝統を踏襲していたが、その音楽性は例えばこのNeroliと言うレーベルの音楽性とも言葉通りにクロスオーバーするものだ。最初に断言しておくと3曲どれもが言葉を呑む程に華麗で爽やかなディープ・ハウスで、特にラテンの爽快なパーカッションと滝となって流れ落ちる繊細なピアノ使いが、まるで滝から広がるマイナスイオンのシャワーとなって全身を包み癒す。A面の"Sweet Gal"と"Mama Yemeya"は軽快に弾ける乾いたパーカッションが涼風を誘い込みながら、洗練されたスペーシーなシンセの上にお淑やかにピアノの旋律が舞い踊り、それはまるで燦々と太陽光が降り注ぎながらも快適な空気が流れる南国のパラダイスを演出している。土の香りもするが決して纏わり付くような湿っぽさはなく、あくまで軽やかで清々しい。B面の"My Eshu"はよりアップビートでフュージョンらしい豊かな音色のシンセが伸びていき揺れるハモンドオルガンの音色が郷愁を誘い、浮遊感がたっぷりと乗って青い空へと吸い込まれるように上昇気流を生み出している。これらは正しくRon Trentらが生み出したディープ・ハウス直系であり、そしてディープではあるが突き抜ける開放感も溢れている。素晴らしいとしか言いようがないが、それ以上に本当に大好きな一枚だ。



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| HOUSE8 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Scientific Methods Of Storytelling Vol.1 (Future Vision Records:FVRCD02)
Ron Trent - Scientific Methods Of Storytelling Vol.1
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現在のシカゴハウスの隆盛は一体何処まで続くのか。その原動力の一端にもなっているのがRon Trentであるのは、間違いないだろう。先日シカゴハウスの伝説的ディープハウスレーベルであるPrescription Recordsのコンピレーション"From The Vaults"(過去レビュー)をリリースしたが、今度は5年ぶりとなるMIXCDを完成させた。しかしこの新作はMIXCDである前に、彼がPrescriptionの意志を受け継ぐべく立ち上げたレーベル・Future Vision Recordsの作品をコンパイルしたレーベルサンプラーでもある。元々オリジナルアルバムは殆ど制作しないだけに、ここ6年間にリリースされた彼のアナログ作品を纏めた本作こそが、近年のRon Trentのトレンドを体感出来る作品なのだ。音自体はPrescriptionを受け継ぎ、爽やかに突き抜けるパーカッション使いやコード感のあるピアノやシンセの調べ、ダブやアンビエントの影響下にあるアトモスフェリックな音響が感じられる華麗なディープハウスで、適度な黒っぽさもありつつも洗練されたアーバンなムードが漂っている。アフロ、フュージョン、ジャジーなど様々な黒人音楽の要素を取り込みながらも、結局はRon Trentにしか成し得ない侘び寂びに満ちた郷愁たっぷりなディープハウスは、クラブミュージックと言う枠組みを超えて評価されるべきであろう。音楽活動20年を経てこんなにも芳醇に醗酵するとは、正に円熟味ここに極まる。

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Check "Ron Trent"

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| HOUSE7 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep - Drums Of Passion (Future Vision Records:FVRCD01)
Trinidadian Deep - Drums Of Passion
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情緒的な方面のシカゴディープハウスを長きにわたり先導してきてRon Trentが、2005年に新たに立ち上げたレーベル・Future Vision Records。レーベルの活動の大半はRon Trent自身の作品の為ではあるが、しかし彼に才能を発掘されたTrinidadian Deepもそんなレーベルのカタログに並べられている。2006年にFuture VisionのスプリットEPでデビューを飾り、その後同レーベルから複数のEPによりRonの意思を受け継ぐ存在として認められ、そしてようやく初のソロアルバム完成にこぎつけた。音楽性に関して言えばRonを受け継いだどころか、言われなければその差異に気付かない程に酷似している。ダビーで抜けの良いパーカッション、憂いのあるボーカル、流れるように紡がれる優雅なピアノやキーボードは見事なまでに爽やかで美しい。からっ風に吹かれるような重みの削がれた軽快なグルーヴは大地を揺らしつつも、乾燥したパーカッションは空へと突き抜けて行く。アフロでトライバル、ボサノヴァまで意識したリズム感があり、そして特筆すべきエレガントなキーボード使いがトラックに上品で洗練された雰囲気を付け加えている。これをシカゴロマンスと呼ばずして何と呼ぶのか、心酔する事さえ可能な程にエモーションに満ちている。

試聴

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| HOUSE6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |